JP6760149B2 - 車輪支持用転がり軸受ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持するための車輪支持用転がり軸受ユニットに関する。
図11及び図12は、特開2008−55984号公報に記載された、車輪支持用転がり軸受ユニットの従来構造の1例を示している。車輪支持用転がり軸受ユニット1は、外輪2と、外輪2の内径側に配置されたハブ3と、ハブ3を外輪2に対して回転自在に支持するための複数個の玉4とを備える。
外輪2は、その内周面に複列の外輪軌道5a、5bを有しており、その外周面から径方向に突出する静止側フランジ6を有している。静止側フランジ6は、その円周方向複数箇所に、ねじ孔7を有している。外輪2は、使用時に、ねじ孔7に螺合されるボルトによって、懸架装置を構成するナックルに結合固定されるため、回転しない。
ハブ3は、ハブ本体8と、ハブ本体8に結合固定された内輪9とにより構成されている。ハブ3は、その外周面に複列の内輪軌道10a、10bを有しており、かつ、その外周面から径方向に突出する回転側フランジ11を有している。ハブ3は、使用時に、回転側フランジ11に結合固定した車輪及び制動用回転部材とともに回転する。
具体的には、回転側フランジ11は、ハブ本体8の軸方向外端寄り部分に設けられている。外側列の内輪軌道10aは、ハブ本体8の外周面の軸方向中間部に形成されている。さらに、ハブ本体8の軸方向内端寄り部分には、小径段部12が設けられている。
なお、本明細書において、特に断わらない限り、軸方向とは、車輪支持用転がり軸受ユニットの中心軸と平行な方向をいい、この中心軸回りの方向を円周方向という。また、軸方向に関して「外」とは、懸架装置への組み付け状態で車両の幅方向外側となる、図1及び図11の左側をいい、反対に、懸架装置への組み付け状態で車両の幅方向中央側となる、図1及び図11の右側を、軸方向に関して「内」という。
内輪9の外周面には、内側列の内輪軌道10bが形成されている。内輪9は、ハブ本体8の小径段部12に外嵌され、この状態で、その軸方向内端面をハブ本体8の軸方向内端部に設けられたかしめ部13により抑え付けられている。このようにして、内輪9は、ハブ本体8に対し結合固定されている。
玉4は、複列の外輪軌道5a、5bと複列の内輪軌道10a、10bとの間に、列ごとに複数個ずつ、保持器14に保持された状態で、転動自在に配置されている。
回転側フランジ11は、円周方向に関して交互に配置された、複数の厚肉部15と複数の薄肉部16とを有している。厚肉部15と薄肉部16の数は任意であるが、図示の例では5個である。厚肉部15の軸方向に関する厚さ寸法は、薄肉部16の軸方向に関する厚さ寸法よりも大きい。厚肉部15は、薄肉部16よりも軸方向内方に突出し、かつ、回転側フランジ11の径方向に放射状に伸長する形状を有する。
回転側フランジ11は、その円周方向等間隔複数箇所で、かつ、円周方向に関して厚肉部15とそれぞれ整合する部分に、厚肉部15を軸方向に貫通する取付孔17を有している。取付孔17には、その一部にセレーション部を有する複数本のスタッド18の基端部が圧入される。スタッド18により、車輪を構成するホイール及びディスクロータやドラムブレーキなどの制動用回転部材が、回転側フランジ11に対して支持固定される。
回転側フランジ11は、その円周方向等間隔複数箇所で、かつ、円周方向に関して薄肉部16とそれぞれ整合する部分に、薄肉部16を軸方向に貫通する透孔19を有している。透孔19は、たとえば、回転側フランジ11の軽量化を図る、あるいは、静止側フランジ6のねじ孔7にボルトを螺合する作業などを行うという目的で備えられている。
さらに、回転側フランジ11は、その円周方向2個所位置で、かつ、それぞれが円周方向に関して薄肉部16と整合する部分に、薄肉部16を軸方向に貫通するねじ孔20を有している。ねじ孔20は、前記制動用回転部材を回転側フランジ11から取り外す際に、この制動用回転部材に対して押し付ける押しボルトを螺合させるために備えられている。
ところで、回転側フランジ11に設けられる厚肉部15及び薄肉部16は、一般的に、ハブ本体8を製造する際の鍛造加工により、ハブ本体8と一体に形成される。また、使用する鍛造型の長寿命化を図るために、一般的には、この鍛造型のうちで、薄肉部16の軸方向内側面を形成する部分の円周方向両側には、肉厚を少しずつ変化させる徐変区間である傾斜面部が設けられている。
特開2008−55984号公報 特開2015−16777号公報
鍛造型に傾斜面部を設けた場合、この鍛造型を用いて形成された回転側フランジ11において、薄肉部16の円周方向両側部分に、軸方向内側面が傾斜面となった肉厚変化部が形成されてしまう。このような肉厚変化部は、ねじ孔20の形成位置と重なる可能性がある。この場合、ねじ孔20の中心軸がハブ3の中心軸に対して傾斜するなどして、ねじ孔20の加工精度が低下したり、あるいは、ねじ孔20の加工に使用されるドリルやタップなどの工具が折損し易くなったりする。この結果、車輪支持用転がり軸受ユニット1の生産性の低下や不良率の増大などの問題が生ずる可能性がある。
本発明は、上述のような事情に鑑みて、回転側フランジに形成する押しボルト用のねじ孔の加工精度を確保し、かつ、このねじ孔を加工するのに使用する工具の損傷を防止できる、車輪支持用転がり軸受ユニットの回転側フランジの構造を実現することを目的としている。
本発明の車輪支持用転がり軸受ユニットは、静止側軌道輪と、回転側軌道輪と、複数個の転動体とを備える。
前記静止側軌道輪は、周面に1乃至複数の静止側軌道を有し、使用時に懸架装置などに支持固定されて回転しない。
前記回転側軌道輪は、周面に1乃至複数の回転側軌道を有し、かつ、外向フランジ状の回転側フランジを備え、使用時に車輪とともに回転する。該回転側フランジは、略円輪状で、前記車輪、及び、ディスクロータやドラムブレーキなどの制動用回転部材を固定するために備えられている。
前記複数個の転動体は、前記静止側軌道と前記回転側軌道との間に転動自在に配置されている。なお、転動体としては、玉、円すいころ、円筒ころなどがある。
前記回転側フランジは、軸方向に関する厚さ寸法の異なる、複数の厚肉部と、複数の薄肉部とを円周方向に関して交互に有している。
特に、本発明の車輪支持用転がり軸受ユニットでは、前記複数の厚肉部の少なくとも1つの厚肉部に、該厚肉部を軸方向に貫通した、ねじ孔が設けられている。該ねじ孔は、前記回転側フランジから前記制動用回転部材を取り外すのに用いる押しボルトを螺合させるために備えられている。
本発明を実施する場合、前記複数の厚肉部のそれぞれは、前記複数の薄肉部よりも軸方向内方に突出し、かつ、前記回転側フランジの径方向に放射状に伸長する形状を有することができる。また、前記複数の厚肉部のそれぞれには、前記回転側フランジに前記車輪及び前記制動用回転部材を固定する際に用いられる、スタッド、ハブボルトなどの結合部材を取り付けるための取付孔を備えることができる。
なお、本発明を実施する場合、前記厚肉部及び前記薄肉部の数は任意であり、偶数又は奇数の別は特に問われない。
言い換えると、本発明の回転側フランジは、全周にわたり軸方向に関する幅寸法が一定である基部と、該基部の軸方向内側面に設けられた径方向に放射状に伸長するリブ部とにより構成される。前記基部のうち前記リブ部が設けられた部分と、該リブ部とで、前記厚肉部を構成し、前記基部のうち前記リブ部が設けられた部分から円周方向に外れた部分が薄肉部を構成する。前記リブ部は、前記厚肉部のうちの、前記薄肉部よりも軸方向内方に突出した軸方向内側部により構成される。
本発明を実施する場合、前記ねじ孔の数は任意であり、前記回転側フランジが、前記ねじ孔を1つだけ備えることもでき、前記ねじ孔を複数備えることもできる。前記ねじ孔が複数備えられる場合、好ましくは、これらのねじ孔は、前記回転側フランジの円周方向に関して等間隔に配置される。さらに好ましくは、これらのねじ孔は、前記回転側軌道輪の中心に対して回転対称となる位置に配置される。
本発明を実施する場合、前記複数の厚肉部のうち、前記ねじ孔を備える前記厚肉部は、該厚肉部の円周方向に関する幅寸法が、前記回転側軌道輪の中心と前記取付孔の中心とを結ぶ仮想線を挟んで円周方向一方側に位置する部分よりも円周方向他方側に位置する部分で大きくなる形状を有し、前記ねじ孔を、前記厚肉部のうち前記円周方向他方側に位置する部分に設けることができる。
この場合、前記取付孔は、前記厚肉部の円周方向一方側に偏った位置に配置され、前記ねじ孔は、前記厚肉部の円周方向他方側に偏った位置に配置される。なお、前記複数の厚肉部が上記形状を有するようにして、すべての取付孔を、前記厚肉部の円周方向一方側に偏った位置に配置することもできる。
あるいは、前記ねじ孔を備える前記厚肉部は、前記取付孔が、前記厚肉部の円周方向中央部に配置される形状とし、前記ねじ孔を、前記厚肉部のうち、前記取付孔から円周方向に外れた位置に配置することもできる。
本発明を実施する場合、前記複数の厚肉部のうち、前記ねじ孔を備える前記厚肉部は、該厚肉部の円周方向に関する幅寸法が、前記厚肉部の径方向外半部よりも前記厚肉部の径方向内半部で大きくなる形状を有し、前記ねじ孔を、前記厚肉部の径方向内半部に設け、前記取付孔を、前記厚肉部の径方向外半部に設けることができる。
本発明を実施する場合、たとえば、前記薄肉部に、該薄肉部を軸方向に貫通した、たとえば作業用孔として利用する透孔を設けることができる。この場合に、前記透孔は、前記回転側フランジの円周方向等間隔に設けることができる。
このような透孔としては、軸方向から見た形状が円形状の円孔に限らず、たとえば特開2015−16777号公報に記載されるような、軸方向から見た形状が扇台形状の通孔や、その他の多角形状の孔により構成することもできる。
本発明の車輪支持用転がり軸受ユニットによれば、押しボルトを螺合するためのねじ孔を、回転側フランジのうち、円周方向に関して厚肉部と整合する部分に設けているため、ねじ孔の加工精度を確保でき、かつ、ねじ孔を加工するのに使用する工具の損傷を防止できる。
図1は、本発明の実施の形態の第1例を示す、車輪支持用転がり軸受ユニットの断面図である。 図2は、車輪支持用転がり軸受ユニットからハブ本体を取り出して、軸方向内側から見た図である。 図3は、本発明の実施の形態の第2例を示す、図2に相当する図である。 図4は、本発明の実施の形態の第3例を示す、図2に相当する図である。 図5は、本発明の実施の形態の第4例を示す、図2に相当する図である。 図6は、本発明の実施の形態の第5例を示す、図2に相当する図である。 図7は、本発明の実施の形態の第6例を示す、図2に相当する図である。 図8は、本発明の実施の形態の第7例を示す、図2に相当する図である。 図9は、本発明の実施の形態の第8例を示す、図2に相当する図である。 図10は、本発明の実施の形態の第9例を示す、図2に相当する図である。 図11は、従来構造の車輪支持用転がり軸受ユニットの1例を示す断面図である。 図12は、従来構造の車輪支持用転がり軸受ユニットからハブ本体を取り出して、軸方向内側から見た図である。
[実施の形態の第1例]
本発明の実施の形態の第1例について、図1及び図2を参照しつつ説明する。本例の車輪支持用転がり軸受ユニット1aは、懸架装置を構成するナックル21に対し、駆動輪である車輪を構成するホイール22及びディスクロータなどの制動用回転部材23を、回転自在に支持するための装置である。車輪支持用転がり軸受ユニット1aは、静止側軌道輪に相当する外輪2aと、外輪2aの内径側に配置された、回転側軌道輪に相当するハブ3aと、複数の転動体に相当し、ハブ3aを外輪2aに対して回転自在に支持する複数個の玉4aとにより構成される。
外輪2aは、たとえば中炭素鋼製で、全体が略円筒状に構成されている。外輪2aは、その内周面に複列の外輪軌道5c、5dを有しており、その外周面から径方向に突出する静止側フランジ6aを有している。静止側フランジ6aは、その円周方向複数箇所に、ねじ孔7aを有している。外輪2aは、ねじ孔7aに螺合されたボルト24によって、ナックル21に結合固定され、使用時においても回転しない。
ハブ3aは、ハブ本体8aと、ハブ本体8aに結合固定された内輪9aとにより構成されている。ハブ3aは、その外周面に複列の内輪軌道10c、10dを有しており、かつ、その外周面から径方向に突出する外向フランジ状の回転側フランジ11aを有している。ハブ3aは、使用時に、回転側フランジ11aに結合固定したホイール22及び制動用回転部材23とともに回転する。
ハブ本体8aは、たとえば中炭素鋼製の素材に鍛造加工を施すことにより造られている。ハブ本体8aの軸方向外端寄り部分に、回転側フランジ11aが設けられており、ハブ本体8aの軸方向中間部に、外側列の内輪軌道10cが形成されている。さらに、ハブ本体8aの軸方向内端寄り部分に、小径段部12aが設けられている。
内輪9aは、たとえば軸受鋼製で、全体が円筒状に構成されている。内輪9aは、その外周面に、内側列の内輪軌道10dを備えている。内輪9aは、ハブ本体8aの小径段部12aに外嵌され、この状態で、その軸方向内端面をハブ本体8aの軸方向内端部に設けられたかしめ部13aにより抑え付けられている。このようにして、内輪9aは、ハブ本体8aに対し結合固定されている。
玉4aは、たとえば軸受鋼製やセラミック製であり、複列の外輪軌道5c、5dと複列の内輪軌道10c、10dとの間に、列ごとに複数個ずつ、保持器14aに保持された状態で、転動自在に配置されている。複列に配置された玉4aには、予圧及び背面組み合わせ型の接触角が付与されている。これにより、ハブ3aは、外輪2aの内径側に、がたつきのない状態で、回転可能に支持される。また、ハブ3aに作用するラジアル荷重及びアキシアル荷重は、玉4aを介して外輪2aによって支承される。玉4aを設置した円筒状の空間の軸方向両端開口は、それぞれシールリング25a、25bにより密閉されている。
本例の車輪支持用転がり軸受ユニット1aは、FF車の前輪、FR車及びRR車の後輪、4WD車の全車輪などの駆動輪用であるため、ハブ3a(ハブ本体8a)の中心部に形成された、スプライン孔26を備えている。そして、スプライン孔26には、等速ジョイント用外輪27の外端面に固設されたスプライン軸28が挿入される。スプライン軸28の先端部には、ナット29が螺合され、さらに締め付けられることにより、ハブ本体8aは、ナット29と等速ジョイント用外輪27とによって挟持される。
回転側フランジ11aは、全体が略円輪状に構成された、いわゆるスキャロップフランジであり、ハブ本体8aと一体に鍛造加工により形成される。回転側フランジ11aの軸方向外側面は、ハブ本体8aの中心軸に対して直交する平坦面となっている。これに対し、回転側フランジ11aの軸方向内側面は、円周方向に関する凹凸面となっている。
回転側フランジ11aは、円周方向に関して交互に配された、複数の厚肉部15aと複数の薄肉部16aとを有している。厚肉部15aと薄肉部16aの数は任意であり、通常は、3個から6個程度であるが、本例では5個である。このため、厚肉部15a及び薄肉部16aはそれぞれ、円周方向に関する位置である位相が72度ずつずれるように設けられている。すべての厚肉部15aは、薄肉部16aよりもそれぞれ軸方向内方に突出し、かつ、回転側フランジ11aの径方向に放射状に伸長する形状を有しており、回転側フランジ11aの径方向内端部から径方向外端寄り部分にわたる範囲に設けられている。厚肉部15aは、後述するねじ孔20aの有無を除き、すべての厚肉部15aが実質的に同一形状を有しており、軸方向内側から見たその形状は略矩形状である。また、厚肉部15aは、円周方向に関する幅寸法が、径方向外端部の面取り部を除いて、径方向全長にわたって実質的に一定であり、かつ、軸方向に関する厚さ寸法が、円周方向に隣接して配置された薄肉部16aの軸方向に関する厚さ寸法よりも、軸方向内方に突出している分だけ大きくなっている。
なお、回転側フランジ11aは、全周にわたり軸方向に関する幅寸法が一定である前記基部と、該基部の軸方向内側面に設けられた径方向に放射状に伸長するリブ部とにより構成される。前記基部のうちの前記リブ部が設けられた部分と、該リブ部とで、厚肉部15aを構成し、前記基部のうちの前記リブ部が設けられた部分から円周方向に外れた部分が薄肉部16aを構成する。前記リブ部は、前記厚肉部15aのうちの、前記薄肉部16aよりも軸方向内方に突出した軸方向内側部により構成される。このような厚肉部15aが、回転側フランジ11aの軸方向内側面の凸面を構成し、薄肉部16aが、回転側フランジ11aの軸方向内側面の凹面を構成する。
厚肉部15aの軸方向に関する厚さ寸法、及び、厚肉部15aの薄肉部16aからの突出寸法は、それぞれの厚肉部15a同士で同じである。また、薄肉部16aの軸方向に関する厚さ寸法も、それぞれの薄肉部16a同士で同じである。このため、厚肉部15aの軸方向内側面、及び、薄肉部16aの軸方向内側面のうち円周方向両側の肉厚変化部を除いた部分は、ハブ本体8aの中心軸に対して直交する平坦面となっている。
また、厚肉部15aの円周方向に関する幅寸法Tを、図12に示した従来構造の厚肉部15の円周方向に関する幅寸法よりも大きくしている。具体的には、厚肉部15aの円周方向に関する幅寸法Tは、後述する取付孔17aの直径Dの2.5〜3.0倍である。このために、厚肉部15aの幅方向両端部の径方向内端部から径方向外端部にわたる全範囲に、図12に示した従来構造の厚肉部15よりもそれぞれ円周方向に延出した拡幅部30a、30bが設けられている。なお、図2には、図12に示した従来構造の厚肉部15の幅方向両端部の輪郭部分に相当する位置に、二点鎖線を示している。また、回転側フランジ11aのうち、厚肉部15aよりも径方向外側には、厚肉部15aの円周方向両側に配置された1対の薄肉部16a同士を円周方向に連結する外径側薄肉部31が設けられている。
回転側フランジ11aは、その円周方向等間隔複数箇所、具体的には5箇所で、かつ、円周方向に関して厚肉部15aとそれぞれ整合する部分に、厚肉部15aを軸方向に貫通した、取付孔17aを有している。すなわち、すべての厚肉部15aに取付孔17aを設けている。取付孔17aは、円孔又は雌ねじ孔であり、厚肉部15aの径方向外端寄り部分で、かつ、厚肉部15aの円周方向中央部に設けられている。そして、これらの取付孔17aのそれぞれに、結合部材であるスタッド18aの基端部に設けられたセレーション部が圧入される。そして、ホイール22及び制動用回転部材23のそれぞれに形成された通孔を通じてホイール22の軸方向外側に突出したスタッド18aの先端部に、ナット32が螺合されて、回転側フランジ11aの軸方向外側面に、制動用回転部材23及びホイール22が固定される。
回転側フランジ11aは、その円周方向等間隔2個所位置で、かつ、それぞれが円周方向に関して厚肉部15aと整合する部分に、前記厚肉部15aを軸方向に貫通した、ねじ孔20aを有している。すなわち、2つの厚肉部15aにねじ孔20aを設けている。2つのねじ孔20aは、円周方向に関する位相が180度ずれた、回転側フランジ11aの直径方向反対位置に設けられている。ねじ孔20aは、制動用回転部材23を回転側フランジ11aの軸方向外側面から取り外す際に、制動用回転部材23を軸方向外側に向けて押し付ける、押しボルトを螺合させるために備えられている。ねじ孔20aは、一般的には、M6程度のタップ孔から構成されている。本例の場合、ねじ孔20aは、厚肉部15aの径方向中間部で、かつ、円周方向に偏った位置に設けられている。具体的には、図2の右側のねじ孔20aは、時計方向である円周方向一方側に偏った位置、すなわち拡幅部30aに設けられており、図2の左側のねじ孔20aは、反時計方向である円周方向他方側に偏った位置、すなわち拡幅部30bに設けられている。また、ねじ孔20aは、取付孔17aよりも小さな直径を有しており、かつ、取付孔17aよりも小さなピッチ円直径を有している。ねじ孔20aは、取付孔17aよりも小さなピッチ円直径を有しているため、スタッド18aとの干渉が低減され、かつ、拡幅部30a、30bの円周方向幅が徒に大きくなることが防止される。
本例のねじ孔20aは、たとえば、回転側フランジ11aに、ドリルを用いて下孔加工を施した後、タップを用いてねじ加工、すなわち、タップ加工を施すことにより形成される。なお、この場合に、下孔の内周面全体に雌ねじを形成して、全ねじとすることもできるが、たとえば、下孔を形成するためのドリルとして段付ドリルを使用することで、先端側に小径孔を、基端側に大径孔をそれぞれ有する段付き下孔を形成し、このうちの小径孔にのみ、雌ねじを加工することもできる。このような構成を採用すれば、ねじ加工の加工幅を低減することによる生産性の向上を図ることができる。
本例では、押しボルトを螺合するためのねじ孔20aを、図12に示した従来構造のように、回転側フランジ11aのうち、円周方向に関して薄肉部16aと整合する部分には設けずに、円周方向に関して厚肉部15aと整合する部分にのみ設けている。このため、ねじ孔20aの形成位置が、鍛造加工に伴って形成される可能性のある、図2に斜線模様で表した、薄肉部16aの円周方向両側に位置する、軸方向内側面が傾斜面となった肉厚変化部に重なることを防止できる。したがって、ねじ孔20aを形成する際に、ねじ孔20aの中心軸が、ハブ3aの中心軸に対して傾斜することを有効に防止できる。このため、ねじ孔20aの加工精度を確保できる。また、ねじ孔20aを加工するのに使用する、たとえばドリルやタップなどの工具に、折損などの損傷が生じることも有効に防止できる。したがって、本例では、車輪支持用転がり軸受ユニット1aの生産性の低下や不良率の増大などの問題が生じることがない。
さらに、本例では、厚肉部15aの円周方向に関する幅寸法を、図12に示した従来構造の場合よりも大きくしているため、回転側フランジ11aの剛性、延いては、車輪支持用転がり軸受ユニット1aの剛性を向上させることができる。
[実施の形態の第2例]
実施の形態の第1例の変形例に相当する本発明の実施の形態の第2例について、図3を参照しつつ説明する。本例の回転側フランジ11bは、その円周方向等間隔複数箇所、具体的には5箇所で、かつ、円周方向に関して薄肉部16aとそれぞれ整合する部分に、前記薄肉部16aを軸方向に貫通した、円形状の透孔19aを有している。すなわち、すべての薄肉部16aに透孔19aを設けている。透孔19aは、厚肉部15aに設けられた取付孔17aよりも大きな直径を有し、かつ、取付孔17aのピッチ円直径と同じ大きさのピッチ円直径を有している。
本例では、回転側フランジ11bに透孔19aを設けているため、ハブ3a延いては車輪支持用転がり軸受ユニット1a(図1参照)全体の軽量化を図れる。また、透孔19aを通じて、静止側フランジ6aのねじ孔7aにボルト24(図1参照)を締め付ける作業や、制動装置を構成する部品の懸架装置への取付作業を行うことができる。
なお、透孔19aは、その直径を取付孔17aの直径よりも小さくしたり、たとえば、静止側フランジ6aのねじ孔7aと同一ピッチ円径になるように、その形成位置を径方向にずらすこともできる。さらに、透孔19aを、軸方向から見た形状が円形状の円孔ではなく、たとえば特開2015−16777号公報に記載されたような、軸方向から見た形状が扇台形状の通孔としたりすることもできる。その他の構成及び作用効果については、実施の形態の第1例と同様である。
[実施の形態の第3例]
実施の形態の第1例の変形例に相当する本発明の実施の形態の第3例について、図4を参照しつつ説明する。本例では、回転側フランジ11cに、それぞれ4つずつの厚肉部15bと薄肉部16bとを、円周方向に関して交互に設けている。このため、厚肉部15b及び薄肉部16bのそれぞれは、円周方向に関する位置である位相が90度ずつずれた状態で設けられている。そして、すべての厚肉部15bの円周方向中央部に、それぞれ取付孔17bが設けられている。また、厚肉部15bの円周方向に関する幅寸法Tは、実施の形態の第1例の場合と同じとしている。このため、薄肉部16bの円周方向に関する幅寸法は、実施の形態の第1例に比べて大きくなっている。また、2つのねじ孔20aが、回転側フランジ11cの直径方向反対側に位置する1対の厚肉部15bに設けられている。本例では、2つのねじ孔20aは、厚肉部15bの円周方向中央部から、反時計方向である円周方向他側にそれぞれ偏った位置、すなわち拡幅部30bに配置されている。
本例は、実施の形態の第1例に比べて、厚肉部15bの数を少なくして、回転側フランジ11cに占める薄肉部16bの範囲を大きくできるため、軽量化を図る上で有利である。その他の構成及び作用効果については、実施の形態の第1例と同様である。
[実施の形態の第4例]
実施の形態の第3例の変形例に相当する本発明の実施の形態の第4例について、図5を参照しつつ説明する。本例も、実施の形態の第3例と同様に、回転側フランジ11dに、それぞれ4つずつの厚肉部15cと薄肉部16cとが、円周方向に関して交互に設けられている。ただし、厚肉部15cの円周方向に関する幅寸法が、実施の形態の第3例とは異なる。
すなわち、回転側フランジ11dに設けたすべての厚肉部15cに関して、時計方向側の端部である円周方向一方側端部には拡幅部を設けず、反時計方向側の円周方向他方側端部にのみ拡幅部30bを設けている。このため、回転側フランジ11dに円周方向等間隔に設けられ、かつ、それぞれの厚肉部15cに設けられた4つの取付孔17bは、厚肉部15cのうち、円周方向一方側にそれぞれ偏った位置に存在している。ねじ孔20aは、回転側フランジ11dの直径方向反対側に位置する1対の厚肉部15cに設けられている。具体的には、ねじ孔20aは、厚肉部15cのうち、円周方向他方側にそれぞれ偏った位置、すなわち、拡幅部30bに存在している。したがって、すべての厚肉部15cは、円周方向に関する幅寸法が、ハブ3aの中心Oと取付孔17bの中心O17とを結ぶ仮想線Lを挟んだ両側で互いに異なった形状を有している。すなわち、厚肉部15cの円周方向に関する幅寸法は、ねじ孔20aが設けられた円周方向他方側に位置する部分の幅寸法t1のほうが、ねじ孔20aが設けられていない円周方向一方側に位置する部分の幅寸法t2よりも大きくなっている(t1>t2)。また、本例では、厚肉部15c全体の円周方向に関する幅寸法(t1+t2)を、取付孔17bの直径Dの2.0〜2.5倍としている。
本例では、厚肉部15cの円周方向に関する幅寸法を、実施の形態の第1例に比べて小さくし、回転側フランジ11dに占める薄肉部16cの範囲を大きくできるため、軽量化を図る上でより有利である。その他の構成及び作用効果については、実施の形態の第1例及び第3例と同様である。
[実施の形態の第5例]
実施の形態の第4例の変形例に相当する本発明の実施の形態の第5例について、図6を参照しつつ説明する。本例は、回転側フランジ11eに設けられた4つの厚肉部15c、15dのうち、ねじ孔20aが設けられた1対の厚肉部15cに関しては、実施の形態の第4例の場合と同じ構成としている。これに対し、ねじ孔が設けられていない1対の厚肉部15dに関しては、厚肉部15cよりもさらに円周方向に関する幅寸法を小さくしている。このために、本例では、厚肉部15dに、円周方向一方側端部だけでなく、円周方向他方側端部にも拡幅部を設けていない。別な言い方をすれば、厚肉部15dに関しては、図12に示した従来構造の場合と同様の幅寸法としている。したがって、本例では、ねじ孔20aが設けられた1対の厚肉部15cは互いに同一形状であり、ねじ孔が設けられていない1対の厚肉部15dも互いに同一形状であるが、厚肉部15cと厚肉部15dとは同一形状ではない。また、円周方向に関して厚肉部15c、15d同士の間部分に設けられる4つの薄肉部16c、16dのうち、1対の薄肉部16dの円周方向に関する幅寸法が、残りの薄肉部16cの円周方向に関する幅寸法よりも大きくなる。また、円周方向等間隔に設けられた4つの取付孔17b、17cのうち、厚肉部15dに設けられる取付孔17cは、厚肉部15dの円周方向中央部に位置している。
本例では、厚肉部15dの円周方向に関する幅寸法を小さくできるため、実施の形態の第4例に比べてさらに軽量化を図ることができる。その他の構成及び作用効果については、実施の形態の第1例及び第4例と同様である。
[実施の形態の第6例]
実施の形態の第1例の変形例に相当する本発明の実施の形態の第6例について、図7を参照しつつ説明する。本例の回転側フランジ11fには、それぞれ5つずつの厚肉部15eと薄肉部16eとが、円周方向に関して交互に設けられている。特に、厚肉部15eの円周方向に関する幅寸法を、厚肉部15eの径方向内半部と厚肉部15eの径方向外半部とで、互いに異ならせている。具体的には、厚肉部15eの径方向内半部の円周方向に関する幅寸法Tinを、厚肉部15eの径方向外半部の円周方向に関する幅寸法Toutよりも大きくしている(Tin>Tout)。このため、厚肉部15eの幅方向両端部には、径方向内半部にのみ、図12に示した従来構造の厚肉部15よりもそれぞれ円周方向に延出した拡幅部30c、30dが設けられている。厚肉部15eの幅方向両端部の径方向外半部には、このような拡幅部は設けられていない。
すべての厚肉部15eの径方向外端寄り部分で、かつ、厚肉部15eの円周方向中央部に、取付孔17aが設けられている。厚肉部15eの径方向外半部の輪郭形状は、該厚肉部15eに設けられた取付孔17aに沿った円弧状になっている。このため、厚肉部15eの径方向外半部に関しては、取付孔17aの周囲に存在する部分の肉厚が一定になっている。
厚肉部15eは、ねじ孔20aの有無を除けば、すべての厚肉部15eで同一形状になっている。また、それぞれの厚肉部15eは、ハブ3の中心Oと取付孔17aの中心O17とを結んだ仮想線Lに関して対称形状になっている。
回転側フランジ11fは、円周方向等間隔2個所位置で、かつ、それぞれが円周方向に関して厚肉部15eと整合する部分に、ねじ孔20aを有している。すなわち、2つの厚肉部15eにねじ孔20aを設けている。特に本例では、2つのねじ孔20aは、円周方向に関する位相が180度ずれた、回転側フランジ11fの直径方向反対位置に配置されている。また、2つのねじ孔20aは、厚肉部15eの径方向内半部に設けられた拡幅部30c、30dにそれぞれ設けられている。具体的には、1つのねじ孔20aは、図7の右上に位置する厚肉部15eを構成する拡幅部30cに設けられており、残り1つのねじ孔20aは、図7の左上に位置する厚肉部15eを構成する拡幅部30dに設けられている。
本例では、厚肉部15eの径方向外半部に拡幅部を設けていないため、厚肉部15eの径方向外半部の円周方向に関する幅寸法Toutを小さく抑えられ、軽量化を図れる。また、厚肉部15eの径方向内半部に、拡幅部30c、30dを設けており、厚肉部15eの径方向内半部の円周方向に関する幅寸法Tinを大きく確保できるため、回転側フランジ11fの剛性の低下を抑制できる。また、5つの厚肉部15eがすべて同一形状であり、それぞれの厚肉部15eが前記仮想線Lに関して対称形状となっているため、ねじ孔20a加工時の位相合わせを行う際の回転角が小さく済む。したがって、ねじ孔20aの加工に関するサイクルタイムを短縮できる。つまり、5つの厚肉部15eが全て同一形状であるため、ねじ孔20aの加工時に、ドリルなどの加工工具に最も近い厚肉部15eを対象に位置合わせを行い、1つ目のねじ孔20aを加工し、その後、ハブ3aを回転方向を問わず180度回転させるだけで、特別な位置合わせを行わずに、2つ目のねじ孔20aを加工できる。その他の構成及び作用効果については、実施の形態の第1例と同じである。
[実施の形態の第7例]
実施の形態の第3例の変形例に相当する本発明の実施の形態の第7例について、図8を参照しつつ説明する。本例の回転側フランジ11gには、それぞれ4つずつの厚肉部15fと薄肉部16fとが、円周方向に関して交互に設けられている。特に本例では、実施の形態の第6例と同様に、厚肉部15fの径方向内半部の円周方向に関する幅寸法Tinを、厚肉部15fの径方向外半部の円周方向に関する幅寸法Toutよりも大きくしている(Tin>Tout)。このために、厚肉部15fの幅方向両端部には、径方向内半部にのみ、図12に示した従来構造の厚肉部15よりもそれぞれ円周方向に延出した拡幅部30c、30dが設けられている。厚肉部15fの径方向外半部の輪郭形状は、実施の形態の第6例と同様に、該厚肉部15fに設けられた取付孔17bに沿った円弧状になっている。
厚肉部15fは、ねじ孔20aの有無を除けば、すべての厚肉部15fで同一形状になっている。また、それぞれの厚肉部15fは、ハブ3の中心Oと取付孔17bの中心O17とを結んだ仮想線Lに関して対称形状になっている。
回転側フランジ11gは、その円周方向等間隔2個所位置で、かつ、それぞれが円周方向に関して厚肉部15fと整合する部分に、ねじ孔20aを有している。すなわち、2つの厚肉部15fにねじ孔20aを設けている。特に本例では、2つのねじ孔20aは、円周方向に関する位相が180度ずれた、回転側フランジ11gの直径方向反対位置に配置されている。また、2つのねじ孔20aは、厚肉部15fの径方向内半部に設けられた拡幅部30dにそれぞれ設けられている。具体的には、1つのねじ孔20aは、図8の上側に位置する厚肉部15fを構成する拡幅部30dに設けられており、残り1つのねじ孔20aは、図8の下側に位置する厚肉部15fを構成する拡幅部30dに設けられている。
本例では、4つの厚肉部15fがすべて同一形状であり、それぞれの厚肉部15fが前記仮想線Lに関して対称形状となっているため、ねじ孔20a加工時の位置合わせを行う際の回転角が小さく済む。また、実施の形態の第6例に比べて、厚肉部15fの数を少なくして、回転側フランジ11gに占める薄肉部16fの範囲を大きくできるため、軽量化を図る上で有利になる。その他の構成及び作用効果については、実施の形態の第1例及び実施の形態の第6例と同様である。
[実施の形態の第8例]
実施の形態の第7例の変形例に相当する本発明の実施の形態の第8例について、図9を参照しつつ説明する。本例の回転側フランジ11hには、それぞれ4つずつの厚肉部15gと薄肉部16gとが、円周方向に関して交互に設けられている。特に本例では、4つのすべての厚肉部15gに関して、時計方向である円周方向一方側端部には拡幅部を設けず、反時計方向である円周方向他方側端部にのみ拡幅部30dを設けている。また、拡幅部30dを、厚肉部15gの径方向内半部にのみ設けている。換言すれば、本例の厚肉部15gは、実施の形態の第7例の厚肉部15fから、円周方向一方側端部に設けられた拡幅部30cを省略した構成を有している。したがって、本例の厚肉部15gは、円周方向に関する幅寸法が、ハブ3aの中心Oと取付孔17bの中心O17とを結んだ仮想線Lを挟んで円周方向一方側に位置する部分よりも円周方向他方側に位置する部分で大きく、かつ、径方向外半部よりも径方向内半部で大きくなった形状を有している。
厚肉部15gは、ねじ孔20aの有無を除けば、全ての厚肉部15gで同一形状になっている。ただし、拡幅部30dを、厚肉部15gの円周方向他方側端部にのみ設けているため、厚肉部15gは、ハブ3aの中心Oと取付孔17bの中心O17とを結んだ仮想線Lに関して非対称形状になっている。
回転側フランジ11hは、その円周方向等間隔2個所位置で、かつ、それぞれが円周方向に関して厚肉部15gと整合する部分に、ねじ孔20aを有している。すなわち、2つの厚肉部15gにねじ孔20aを設けている。特に本例では、2つのねじ孔20aは、円周方向に関する位相が180度ずれた、回転側フランジ11hの直径方向反対位置に配置されている。また、2つのねじ孔20aは、厚肉部15gの径方向内半部に設けられた拡幅部30dにそれぞれ設けている。具体的には、1つのねじ孔20aは、図9の上側に位置する厚肉部15gを構成する拡幅部30dに設けられており、残り1つのねじ孔20aは、図9の下側に位置する厚肉部15gを構成する拡幅部30dに設けられている。
本例では、4つの厚肉部15gがすべて同一形状であるため、ねじ孔20a加工時の位置合わせを行う際の回転角が小さく済む。また、実施の形態の第7例に比べて、厚肉部15gの円周方向に関する幅寸法を小さくし、回転側フランジ11hに占める薄肉部16gの範囲を大きくできるため、軽量化を図る上でより有利である。その他の構成及び作用効果については、実施の形態の第1例及び実施の形態の第7例と同様である。
[実施の形態の第9例]
実施の形態の第6例の変形例に相当する本発明の実施の形態の第9例について、図10を参照しつつ説明する。本例の回転側フランジ11iには、それぞれ5つずつの厚肉部15h、15iと薄肉部16h、16iとが、円周方向に関して交互に設けられている。特に本例の厚肉部15h、15iは、実施の形態の第6例の厚肉部15eから、ねじ孔20aが設けられていない拡幅部30c、30dを省略したような構成を有している。具体的には、図10の右上に位置する厚肉部15hに関しては、時計方向側の端部の径方向内半部に、ねじ孔20aが設けられた拡幅部30eを設けている。また、図10の左上に位置する厚肉部15hに関しては、反時計方向側の端部の径方向内半部にねじ孔20aが設けられた拡幅部30fを設けている。したがって、本例の厚肉部15hは、円周方向に関する幅寸法が、ハブ3aの中心Oと取付孔17aの中心O17とを結んだ仮想線Lを挟んで、ねじ孔20aが設けられていない側よりもねじ孔20aが設けられた側で大きく、かつ、径方向外半部よりも径方向内半部で大きくなった形状を有している。これに対し、これら以外の3つの厚肉部15iに関しては、円周方向両側に拡幅部を設けていない。換言すれば、厚肉部15iに関しては、図12に示した従来構造の場合と同様の幅寸法としている。
また、本例では、2つの厚肉部15hに設けた拡幅部30e、30fの円周方向に関する輪郭形状を、次のように規制している。すなわち、拡幅部30e、30fが設けられた厚肉部15hに、拡幅部を有しない厚肉部15iの輪郭形状を重ねると、図10に2点鎖線で示すようになる。つまり、これらの2点鎖線は、拡幅部30e、30fと厚肉部15iのその他の部分との境界を表している。本例では、ハブ3aの中心Oとねじ孔20aの中心O20とを結んだ仮想線Sの両側で、前記2点鎖線と拡幅部30e、30fの円周方向に関する輪郭形状とが略対称形状となるように、拡幅部30e、30fの輪郭形状を規制している。さらに、拡幅部30e、30fの輪郭形状及びねじ孔20aは、ハブ3aの中心Oに関して略対称となっている。この結果、本例では、拡幅部30e、30fの円周方向に関する幅寸法が、回転側フランジ11iの径方向に関して外側に向かう程大きくなっている。
本例では、拡幅部30e、30fの輪郭形状を規制しているため、拡幅部30e、30fを設けたことによる重量のアンバランスを防止できる。換言すれば、重量の回転バランスを保つことができる。その他の構成及び作用効果については、実施の形態の第1例及び実施の形態の第6例と同じである。
本発明は、実施の形態のそれぞれの例に示したような、内輪回転型の車輪支持用転がり軸受ユニットだけでなく、外輪回転型の車輪支持用転がり軸受ユニットにも適用することができる。また、同様に、本発明は、駆動輪用の車輪支持用転がり軸受ユニットだけでなく、図11に示したような、従動輪用の車輪支持用転がり軸受ユニットにも適用することができる。また、本発明は、前述した実施の形態のそれぞれの例の構造を、相互に矛盾が生じない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することもできる。
1、1a 車輪支持用転がり軸受ユニット
2、2a 外輪
3、3a ハブ
4、4a 玉
5a、5b、5c、5d 外輪軌道
6、6a 静止側フランジ
7、7a ねじ孔
8、8a ハブ本体
9、9a 内輪
10a、10b、10c、10d 内輪軌道
11、11a〜11i 回転側フランジ
12、12a 小径段部
13、13a かしめ部
14、14a 保持器
15、15a〜15i 厚肉部
16、16a〜16i 薄肉部
17、17a、17b、17c 取付孔
18、18a スタッド
19、19a 透孔
20、20a ねじ孔
21 ナックル
22 ホイール
23 制動用回転部材
24 ボルト
25a、25b シールリング
26 スプライン孔
27 等速ジョイント用外輪
28 スプライン軸
29 ナット
30a〜30f 拡幅部
31 外径側薄肉部
32 ナット

Claims (4)

  1. 周面に静止側軌道を有し、使用時に回転しない静止側軌道輪と、周面に回転側軌道を有し、かつ、車輪及び制動用回転部材を固定するための外向フランジ状の回転側フランジを有し、使用時に回転する回転側軌道輪と、前記静止側軌道と前記回転側軌道との間に転動自在に配置された複数個の転動体と、を備え、
    前記回転側フランジは、軸方向に関する厚さ寸法の異なる、複数の厚肉部と複数の薄肉部とを円周方向に関して交互に有しており、
    前記複数の厚肉部の少なくとも1つの厚肉部には、該厚肉部を軸方向に貫通した、ねじ孔が設けられており、該ねじ孔は、前記回転側フランジから前記制動用回転部材を取り外すのに用いる押しボルトを螺合させるために備えられている
    車輪支持用転がり軸受ユニット。
  2. 前記複数の厚肉部のそれぞれは、前記複数の薄肉部よりも軸方向内方に突出し、かつ、前記回転側フランジの径方向に放射状に伸長する形状を有しており、前記複数の厚肉部のそれぞれには、前記回転側フランジに前記車輪及び前記制動用回転部材を固定するのに用いる結合部材を取り付けるための取付孔を備えている、請求項1に記載した車輪支持用転がり軸受ユニット。
  3. 前記複数の厚肉部のうち前記ねじ孔を備える前記厚肉部は、該厚肉部の円周方向に関する幅寸法が、前記回転側軌道輪の中心と前記取付孔の中心とを結ぶ仮想線を挟んで円周方向一方側に位置する部分よりも円周方向他方側に位置する部分で大きくなる形状を有し、前記ねじ孔が、前記厚肉部のうち前記円周方向他方側に位置する部分に設けられている、請求項2に記載した車輪支持用転がり軸受ユニット。
  4. 前記複数の厚肉部のうち前記ねじ孔を備える前記厚肉部は、該厚肉部の円周方向に関する幅寸法が、前記厚肉部の径方向外半部よりも前記厚肉部の径方向内半部で大きくなる形状を有し、前記ねじ孔が、前記厚肉部の径方向内半部に設けられており、前記取付孔が、前記厚肉部の径方向外半部に設けられている、請求項2〜3のうちの何れか1項に記載した車輪支持用転がり軸受ユニット。
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