JP6759041B2 - ブラシレスモータ制御方法及びブラシレスモータ制御装置 - Google Patents

ブラシレスモータ制御方法及びブラシレスモータ制御装置 Download PDF

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Description

本発明はブラシレスモータの制御方法・制御装置に関し、特に、ベクトル制御を行うブラシレスモータにおける制御波形の円滑化技術に関する。
従来より、ブラシレスモータの駆動制御形態として、駆動電流を磁束発生成分とトルク発生成分に分け、各成分を独立して制御する所謂ベクトル制御が知られている(特許文献1)。ベクトル制御では、3相駆動の場合、まず、U,V,Wの各相駆動電流を取得し、それを2相の電流値(磁束発生成分:d軸電流Id, トルク発生成分:q軸電流Iq)に変換する。これらの電流値Id,Iqは、基準値と比較され、PI制御により両者のズレを補正してd軸電圧Vdとq軸電圧Vqが算出される。そして、Vd,Vqを再び3相の電圧値Vu,Vv,Vwに変換し、モータドライバを介して、所定のタイミングにて各相のコイルに電力を供給し、ロータを回転させる。
このようなベクトル制御では、前述のような一連のベクトル演算を一定の制御周期Tにて実行し、モータを駆動する。図5は、ベクトル制御における制御タイミング(1相分)を示す説明図である。図5に示すように、通常のベクトル制御では、制御周期Tにて前述のベクトル演算が実行され、モータ動作が制御される。その際、回転数ωにおいては、実線にて示したような正弦波駆動電圧(sin(x))における点Pのタイミングでベクトル演算が実行される。
特開2010−4629号公報
ところが、モータ回転数が増加し、例えば回転数が2倍(2ω)になると、駆動電圧が破線のような波形(sin(2x))となるため、同じ制御周期Tで演算を行うと、制御周期単位の電気角変化が大きくなる。これは、回転数の増加(高速化)のみならず、モータの多極化による、ロータ1回転に対する電気角の増加によっても起こり得る。このように、制御周期単位の電気角変化が大きくなると、その分、制御が粗くなり、制御波形の滑らかさが損なわれ、制御性が低下したり、トルクリップルや動作音の増大の一因となったりするおそれがある。
この場合、制御波形を円滑にすべく、制御周期を短くすれば、高速化や多極化にも対応可能ではあるが、各制御タイミングにて前述のようなベクトル演算を行う時間が必要なため、制御周期の短縮は現実的には難しい。その際、演算能力の高い処理装置を用いれば、制御周期をある程度短くすることも可能であるが、処理装置が高価となり、システムコストの増大は避けられない。
本発明の目的は、回転数増大時においても、制御周期を変えることなく、滑らかな制御波形を得ることが可能なブラシレスモータの制御方法・制御装置を提供することにある。
本発明のブラシレスモータ制御方法は、界磁コイルを備えたステータと、前記ステータ内に回転自在に配置されたロータとを有し、所定の制御周期にて前記ロータの回転位置に応じた制御電圧を算出し、該制御電圧に基づいて前記界磁コイルに対し駆動電流を供給して前記ロータを回転させるブラシレスモータの制御方法であって、前記ロータの回転位置を取得し、取得した前記ロータの回転位置に基づいて前記ロータの回転数を算出し、前記ロータの回転数が一定時間安定し、該回転数の変動が所定範囲内にある場合を定常状態と判定し、前記ロータの回転数が定格回転数の2倍未満の通常時は、前記制御周期にて前記ブラシレスモータを制御し、前記ロータの回転数が前記通常時の2倍以上となり、かつ、前記ロータの回転数が前記定常状態にあるとき、前回の制御周期時点における前記制御電圧及び前記ロータの回転位置に基づいて、前回の制御周期時点から前記制御周期の1/2が経過した中間時点の制御電圧を推定算出する中間値推定処理を行い、前記ブラシレスモータの動作時間が前記中間時点に達したとき、前記中間値推定処理にて算出された推定制御電圧に基づいて前記界磁コイルに対し前記駆動電流を供給することを特徴とする。
本発明にあっては、モータ回転数が定常状態にあるとき、前回の制御周期時点の算出値に基づいて、制御周期の中間時点の制御電圧を推定算出し、算出された推定制御電圧を中間時点にて出力する。これにより、制御周期時点のみでの制御に比して、より細かな回転制御が可能となり、例えば、回転数や極対数が倍増し、制御周期単位の電気角変化が大きくなった場合であっても、中間出力によって制御電圧が補間され、制御電圧の出力波形が円滑化される。また、推定制御電圧は、ベクトル演算処理を行うことなく算出できるため、通常の制御周期を短くすることなく、滑らかな出力波形を得ることができる。
前記ブラシレスモータ制御方法において、前記ロータの回転数が前記通常時の2倍以上となり、前記制御周期単位の電気角変化が前記通常時に比して大きくなったとき、前記制御電圧の出力波形が円滑化されるよう、前記制御周期における前記制御電圧の算出に加えて前記中間値推定処理を実施し、前記制御電圧を前記推定制御電圧により補間するようにしても良い。また、前記ブラシレスモータを3相の前記駆動電流によって駆動し、前記中間値推定処理にて、推定制御電圧をVu’,Vv’,Vw’を、次式、
Vu’=√(2/3)×cosθ×Vd−√(2/3)×sinθ×Vq
Vv’=√(2/3)×cos(θ−120°)×Vd−√(2/3)×sin(θ−120°)×Vq
Vw’=√(2/3)×cos(θ+120°)×Vd−√(2/3)×sin(θ+120°)×Vq
但し、Vd,Vq:前回の制御周期時点における2相の制御電圧
θ=θb+p×(ω/60)×(T/2)
θb:前回の制御周期時点におけるロータ回転位置(電気角)
p:極対数
ω:ロータ回転数
に基づいて算出するようにしても良い。
一方、本発明のブラシレスモータ制御装置は、界磁コイルを備えたステータと、前記ステータ内に回転自在に配置されたロータとを有し、所定の制御周期にて前記ロータの回転位置に応じた制御電圧を算出し、該制御電圧に基づいて前記界磁コイルに対し駆動電流を供給して前記ロータを回転させるブラシレスモータの制御装置であって、該制御装置は、前記ロータの回転位置を取得するモータ角度取得部と、前記モータ角度取得部にて取得した前記ロータの回転位置に基づいて、該回転位置に応じた制御電圧を算出し、該制御電圧に基づいて前記界磁コイルに対する供給電流値を算出する電流司令部と、前記電流司令部にて算出された前記供給電流値に基づいて、前記界磁コイルに対し前記駆動電流を供給するモータ駆動部と、前記モータ角度取得部にて取得した前記ロータの回転位置に基づいて、前記ロータの回転数を算出し、前記ロータの回転数が一定時間安定し、該回転数の変動が所定範囲内にある場合を定常状態と判定するモータ状態判定部と、前回の制御周期時点における前記制御電圧及び前記ロータの回転位置に基づいて、前回の制御周期時点から前記制御周期の1/2が経過した中間時点の制御電圧を推定算出する中間値推定処理を行う推定制御電圧算出部と、を有し、前記電流司令部は、前記ロータの回転数が定格回転数の2倍未満の通常時は、前記制御周期にて前記供給電流値を算出し、前記ロータの回転数が前記通常時の2倍以上となり、かつ、前記ロータの回転数が前記定常状態にあるときは、前記ブラシレスモータの動作時間が前記中間時点に達したとき、前記推定制御電圧算出部にて算出された推定制御電圧に基づいて前記供給電流値を算出することを特徴とする。
本発明にあっては、推定制御電圧算出部により、モータ回転数が定常状態にあるとき、前回の制御周期時点の算出値に基づいて、制御周期の中間時点の制御電圧を推定算出し、算出された推定制御電圧を中間時点にて出力する。これにより、制御周期時点のみでの制御に比して、より細かな回転制御が可能となり、例えば、回転数や極対数が倍増し、制御周期単位の電気角変化が大きくなった場合であっても、中間出力によって制御電圧が補間され、制御電圧の出力波形が円滑化される。また、推定制御電圧は、ベクトル演算処理を行うことなく算出できるため、通常の制御周期を短くすることなく、滑らかな出力波形を得ることができる。
前記ブラシレスモータ制御装置において、前記電流司令部は、前記ロータの回転数が前記通常時の2倍以上となり、前記制御周期単位の電気角変化が前記通常時に比して大きくなったとき、前記制御電圧の出力波形が円滑化されるよう、前記制御周期における前記制御電圧の算出に加えて前記中間値推定処理を実施し、前記制御電圧を前記推定制御電圧により補間するようにしても良い。また、前記ブラシレスモータを3相の前記駆動電流によって駆動し、前記推定制御電圧算出部は、推定制御電圧をVu’,Vv’,Vw’を、次式、
Vu’=√(2/3)×cosθ×Vd−√(2/3)×sinθ×Vq
Vv’=√(2/3)×cos(θ−120°)×Vd−√(2/3)×sin(θ−120°)×Vq
Vw’=√(2/3)×cos(θ+120°)×Vd−√(2/3)×sin(θ+120°)×Vq
但し、Vd,Vq:前回の制御周期時点における2相の制御電圧
θ=θb+p×(ω/60)×(T/2)
θb:前回の制御周期時点におけるロータ回転位置(電気角)
p:極対数
ω:ロータ回転数
に基づいて算出するようにしても良い。
本発明のブラシレスモータ制御方法によれば、モータ回転数が定常状態にあるとき、前回の制御周期時点の算出値に基づいて、制御周期の中間時点の制御電圧を推定算出し、算出された推定制御電圧を中間時点にて出力するようにしたので、制御周期時点のみでの制御に比して、より細かな回転制御が可能となり、例えば、回転数や極対数が倍増し、制御周期単位の電気角変化が大きくなった場合であっても、中間出力によって制御電圧が補間され、制御電圧の出力波形が円滑化される。また、推定制御電圧は、ベクトル演算処理を行うことなく算出することが可能なため、通常の制御周期を短くすることなく、滑らかな出力波形を得ることができる。従って、演算能力の高い処理装置を用いることなく、制御波形の乱れによる制御性の低下や、トルクリップルや動作音の増大を抑えることができ、コスト増大を抑えつつ、モータの性能向上を図ることが可能となる。
本発明のブラシレスモータ制御装置によれば、モータ回転数が定常状態にあるとき、前回の制御周期時点の算出値に基づいて、制御周期の中間時点の制御電圧を推定算出し、算出された推定制御電圧を中間時点にて出力する推定制御電圧算出部を設けることにより、制御周期時点のみでの制御に比して、より細かな回転制御が可能となり、例えば、回転数や極対数が倍増し、制御周期単位の電気角変化が大きくなった場合であっても、中間出力によって制御電圧が補間され、制御電圧の出力波形が円滑化される。また、推定制御電圧は、ベクトル演算処理を行うことなく算出することが可能なため、通常の制御周期を短くすることなく、滑らかな出力波形を得ることができる。従って、演算能力の高い処理装置を用いることなく、制御波形の乱れによる制御性の低下や、トルクリップルや動作音の増大を抑えることができ、コスト増大を抑えつつ、モータの性能向上を図ることが可能となる。
本発明の一実施形態であるブラシレスモータ制御装置・制御方法によって駆動制御されるブラシレスモータの構成を示す断面図である。 図1のブラシレスモータに使用されるステータコアの構成を示す説明図である。 本発明の一実施形態であるブラシレスモータ制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明一実施形態であるブラシレスモータ制御方法における制御形態の一例を示す説明図である。 ベクトル制御における制御タイミング(1相分)を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態であるブラシレスモータ制御装置・制御方法によって駆動制御されるブラシレスモータの構成を示す断面図である。図1に示すように、ブラシレスモータ1(以下、モータ1と略記する)は、外側にステータ2、内側にロータ3を配したインナーロータ型のブラシレスモータとなっている。ブラシレスモータ1は、例えば、自動車等に搭載される車両用電動パワーステアリング装置の駆動源として使用される。
ステータ2は、ハウジング4と、ハウジング4の内周側に固定されたステータコア5及びステータコア5に巻装された巻線(界磁コイル)6とを備えた構成となっている。ハウジング4は鉄等にて有底筒状に形成されており、その開口部には合成樹脂製のブラケット7が取り付けられている。ステータコア5は鋼板を多数積層した構成となっており、ステータコア5の内周側には複数個のティースが突設されている。
図2は、ステータコア5の構成を示す説明図である。ステータコア5は、リング状の継鉄部11と、継鉄部11から内側方向へ突出形成されたティース12とから形成されている。ティース12は9個設けられており、各ティース12の間にはスロット13(9個)が形成され、モータ1は9スロット構成となっている。各ティース12には巻線6が集中巻にて巻装されており、巻線6は各スロット13内に収容されている。各巻線6は、U,V,Wの3相がスター結線されており、給電配線14を介してバッテリ30(図3参照)と接続されている。
ロータ3はステータ2の内側に配置されており、回転軸15と、ロータコア16、マグネット17を同軸状に配した構成となっている。回転軸15の外周には、鋼板を多数積層した円筒形状のロータコア16が取り付けられている。ロータコア16には、回転軸15の軸方向に貫通するスロットが6箇所設けられ、各スロット内にマグネット17が埋め込まれており、IPMモータ構造となっている。マグネット17は周方向に沿って6個配置されており、モータ1は、6極9スロット(6P9S)構成となっている。回転軸15の一端部は、ハウジング4の底部に圧入されたベアリング18に回転自在に支持されている。回転軸15の他端部は、ブラケット7に取り付けられたベアリング19によって、回転自在に支持されている。
ブラケット7内には、ベアリング19と、ロータ3の回転位置を検知するレゾルバ(角度センサ)21が収容されている。レゾルバ21は、ブラケット7側に固定されたレゾルバステータ22と、ロータ3側に固定されたレゾルバロータ23とから構成されている。レゾルバステータ22にはコイル24が巻装されており、励磁コイルと検出コイルが設けられている。レゾルバステータ22の内側には、レゾルバロータ23が配設される。レゾルバロータ23は、金属板を積層した構成となっており、三方向に凸部が形成されている。回転軸15が回転し、レゾルバロータ23がレゾルバステータ22内にて回転すると、凸部の近接離反に伴ってレゾルバ21から回転位置信号が出力される。
図3は、本発明の一実施形態であるブラシレスモータ制御装置31の構成を示すブロック図であり、本発明の制御方法は当該制御装置31にて実行される。ブラシレスモータ制御装置31には、バッテリ30から電源電圧が供給されており、レゾルバ21によって検出されたロータ3の回転位置情報(モータ角度情報)と、各相巻線6U,6V,6Wに対する供給電流値とに基づいて、モータ1をベクトル制御する。図1,3に示すように、モータ1には、角度センサとしてレゾルバ21が配されており、ロータ3の回転位置は、モータ角度取得部32にて把握され、逐次モータ角度情報として電流指令部33に入力される。モータ角度情報は、電流指令部33の前段に配された目標電流算出部34にも入力されており、目標電流算出部34は、モータ角度情報と目標トルクに基づいて、目標電流値(目標d軸電流値Idref,目標q軸電流値Iqref)を算出する。
各相巻線6U,6V,6Wの電流値は、増幅器35を介して各相電流取得部36に入力される。各相電流取得部36は、各相巻線6U,6V,6Wの電流値を算出し、A/D変換して出力する(U相電流Iu,V相電流Iv,W相電流Iw)。各相の電流値Iu,Iv,Iw(デジタル)は、座標変換部37に入力される。座標変換部37には、モータ角度取得部32からモータ角度情報が入力されており、電流値Iu,Iv,Iwは、3相から2相の電流値(d軸電流Id,q軸電流Iq)に変換された上で、回転座標に座標変換される。回転座標系に変換されたd軸電流Id,q軸電流Iqは、目標電流算出部34にて算出された目標電流値Idref,Iqrefと共に、電流指令部33のPI演算部38に入力される。
PI演算部38では、目標電流値Idref,Iqrefとd軸電流Id,q軸電流Iqが比較され、その偏差に基づき比例・積分演算が実施され、2相の制御電圧(d軸電圧Vd,q軸電圧Vq)が出力される。d軸電圧Vd,q軸電圧Vqは、逆座標変換部39に入力され、2相から3相の電圧信号(U相制御電圧Vu,V相制御電圧Vv,W相制御電圧Vw)に変換され、3相duty算出部41に入力される。3相duty算出部41は、各相の制御電圧Vu,Vv,Vwから、各相のPWMduty値を算出しモータ駆動部42に出力する。モータ駆動部42は、各相のPWMduty値に従い、各相巻線6U,6V,6Wに対し、適宜電力を供給する。これにより、モータ1は、各相巻線6U,6V,6Wの電流値をフィードバックしつつ、制御装置31によってベクトル制御される。
ここで、本発明の制御装置31にあっては、モータ回転数が倍増した場合、従来の制御タイミング(図5のP点:周期T)に加えて、P点の中間時点に中間制御点Qを設け、P点におけるロータ回転位置と制御電圧の振幅値から推定制御電圧Vu’,Vv’,Vw’を算出し出力する(中間値推定処理)。図4は、本発明による制御形態を示す説明図である。この中間値推定処理は、ロータ3の回転数が一定時間(2〜8秒程度)安定している場合(回転数の変動が所定範囲内:例えば5%以内の場合)、現在の回転数が少なくとも次の周期Tの間は維持されると仮定して実施され、前回の制御周期時点(前回の制御電圧算出時)の制御データから推定制御電圧Vu’,Vv’,Vw’を推定算出する。
制御装置31では、モータ状態判定部43によってロータ3の回転数がモニタされている。モータ状態判定部43は、モータ角度取得部32からのモータ角度情報に基づいて、ロータ3の回転数を算出すると共に、それが一定時間安定しているかどうかを判定する。そして、モータ回転数が通常時(定格回転数時など、そのモータが周期Tにて制御されている通常状態での回転数)の2倍以上で、かつ、回転数が安定状態にあるときは、推定制御電圧Vu’,Vv’,Vw’を算出し、周期T/2のタイミングにて出力する。推定制御電圧Vu’,Vv’,Vw’は、推定制御電圧算出部44にて算出され、3相duty算出部41に出力される。3相duty算出部41では、この推定制御電圧Vu’,Vv’,Vw’に基づいて、各相のPWMduty値を算出してモータ駆動部42に出力し、各相巻線6U,6V,6Wに適宜電力が供給される。
この場合、推定制御電圧算出部44では、次式に基づいて、推定制御電圧Vu’,Vv’,Vw’が算出される。
Vu’=√(2/3)×cosθ×Vd−√(2/3)×sinθ×Vq
Vv’=√(2/3)×cos(θ−120°)×Vd−√(2/3)×sin(θ−120°)×Vq
Vw’=√(2/3)×cos(θ+120°)×Vd−√(2/3)×sin(θ+120°)×Vq
但し、Vd,Vq:前回の制御周期時点(前回のP点)における2相の制御電圧
θ=θb+p×(ω/60)×(T/2)
θb:前回の制御周期時点におけるロータ回転位置(電気角)
p:極対数
ω:ロータ回転数
θの式における後段の「p×(ω/60)×(T/2)」は、前回の制御周期時点からロータ3が回転した角度の推定値である。つまり、ロータ3の回転が安定していると見なせる場合、前回の制御周期時点(点P)の角度から、周期Tの半分の中間時点(点Q)におけるロータ3の回転位置を推定算出する。そして、その推定角度値に基づいて、前回の制御周期時点における2相制御電圧Vd,Vqから、推定制御電圧Vu’,Vv’,Vw’を算出する。すなわち、ベクトル演算処理を行うことなく、前回の数値と上式を用いて推定制御電圧Vu’,Vv’,Vw’を算出する。これにより、図4に示すように、点P間の中間時点(点Q)にも推定制御電圧Vu’,Vv’,Vw’が出力され、モータ1の回転数が制御される。
このように、本発明の制御装置・制御方法にあっては、回転数が定常状態にあるとき、前回の算出値に基づいて、周期Tの中間時点の制御電圧を推定算出し、それを中間時点にて出力する。このため、P点のみでの制御に比して、より細かな回転制御が可能となり、回転数が倍増し、制御周期単位の電気角変化が大きくなった場合であっても、中間出力によって制御電圧が補間され、制御電圧の出力波形が円滑化される。しかも、推定制御電圧Vu’,Vv’,Vw’は、ベクトル演算処理を行うことなく上式によって算出されるため、通常の制御周期(T)を短くすることなく、滑らかな出力電圧波形を得ることができる。従って、演算能力の高い処理装置を用いることなく、制御波形の乱れによる制御性の低下や、トルクリップルや動作音の増大を抑えることができ、コスト増大を抑えつつ、モータの性能向上を図ることが可能となる。
本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、前述の実施形態では、モータ回転数が倍増(2ω)した場合に、回転数が定常状態であることを条件に、半周期時点で推定制御電圧Vu’,Vv’,Vw’を出力する制御形態を示したが、モータ回転数の高低に関わらず、回転数が定常状態の場合は常に推定制御電圧Vu’,Vv’,Vw’を出力するようにしても良い。また、モータ回転数を検知し、それが通常時の2倍に達したとき、推定制御電圧Vu’,Vv’,Vw’を出力するように制御形態を切り替えても良く、2倍未満の回転数(例えば、1.5倍)から推定制御電圧Vu’,Vv’,Vw’の出力を行うことも可能である。
さらに、本発明は、使用中のモータの回転数が倍増するような場合のみならず、既存のモータを従来の2倍の回転数で使用するようになった場合にも有効である。また、本発明は、モータ回転数が倍増する場合のみならず、極対数が倍増し、ロータ1回転に対する電気角が増加した場合にも有効である。一方、前述の実施形態では、本発明の制御方法・装置を適用したブラシレスモータとして、マグネットをロータコア内に埋設したIPM構造のモータを示したが、本発明の適用対象はIPMモータには限定されず、マグネットをロータコアの周囲に配した所謂SPM構造のモータにも適用可能である。
本発明によるブラシレスモータは、電動パワーステアリング装置の駆動源のみならず、他の車載電動装置や、ハイブリッド自動車、電気自動車、エアコン等の電気製品等に広く適用可能である。
1 ブラシレスモータ
2 ステータ
3 ロータ
4 ハウジング
5 ステータコア
6 巻線
6U,6V,6W 相巻線
7 ブラケット
11 継鉄部
12 ティース
13 スロット
14 給電配線
15 回転軸
16 ロータコア
17 マグネット
18 ベアリング
19 ベアリング
21 レゾルバ
22 レゾルバステータ
23 レゾルバロータ
24 コイル
30 バッテリ
31 ブラシレスモータ制御装置
32 モータ角度取得部
33 電流指令部
34 目標電流算出部
35 増幅器
36 相電流取得部
37 座標変換部
38 PI演算部
39 逆座標変換部
41 3相duty算出部
42 モータ駆動部
43 モータ状態判定部
44 推定制御電圧算出部
Id d軸電流
Iq q軸電流
Idref 目標d軸電流値
Iqref 目標q軸電流値
Iu U相電流
Iv V相電流
Iw W相電流
P ベクトル制御タイミング
Q 中間制御点
T 制御周期
Vd d軸電圧
Vq q軸電圧
Vu U相制御電圧
Vv V相制御電圧
Vw W相制御電圧
Vu’ U相推定制御電圧
Vv’ V相推定制御電圧
Vw’ W相推定制御電圧
ω モータ回転数

Claims (6)

  1. 界磁コイルを備えたステータと、前記ステータ内に回転自在に配置されたロータとを有し、所定の制御周期にて前記ロータの回転位置に応じた制御電圧を算出し、該制御電圧に基づいて前記界磁コイルに対し駆動電流を供給して前記ロータを回転させるブラシレスモータの制御方法であって、
    前記ロータの回転位置を取得し、
    取得した前記ロータの回転位置に基づいて前記ロータの回転数を算出し、
    前記ロータの回転数が一定時間安定し、該回転数の変動が所定範囲内にある場合を定常状態と判定し、
    前記ロータの回転数が定格回転数の2倍未満の通常時は、前記制御周期にて前記ブラシレスモータを制御し、
    前記ロータの回転数が前記通常時の2倍以上となり、かつ、前記ロータの回転数が前記定常状態にあるとき、前回の制御周期時点における前記制御電圧及び前記ロータの回転位置に基づいて、前回の制御周期時点から前記制御周期の1/2が経過した中間時点の制御電圧を推定算出する中間値推定処理を行い、
    前記ブラシレスモータの動作時間が前記中間時点に達したとき、前記中間値推定処理にて算出された推定制御電圧に基づいて前記界磁コイルに対し前記駆動電流を供給することを特徴とするブラシレスモータ制御方法。
  2. 請求項1記載のブラシレスモータ制御方法において、
    前記ロータの回転数が前記通常時の2倍以上となり、前記制御周期単位の電気角変化が前記通常時に比して大きくなったとき、前記制御電圧の出力波形が円滑化されるよう、前記制御周期における前記制御電圧の算出に加えて前記中間値推定処理を実施し、前記制御電圧を前記推定制御電圧により補間することを特徴とするブラシレスモータ制御方法。
  3. 請求項1又は2記載のブラシレスモータ制御方法において、
    前記ブラシレスモータは3相の前記駆動電流によって駆動され、
    前記中間値推定処理は、前記推定制御電圧をVu’,Vv’,Vw’としたとき、次式、
    Vu’=√(2/3)×cosθ×Vd−√(2/3)×sinθ×Vq
    Vv’=√(2/3)×cos(θ−120°)×Vd−√(2/3)×sin(θ−120°)×Vq
    Vw’=√(2/3)×cos(θ+120°)×Vd−√(2/3)×sin(θ+120°)×Vq
    但し、Vd,Vq:前回の制御周期時点における2相の制御電圧
    θ=θb+p×(ω/60)×(T/2)
    θb:前回の制御周期時点におけるロータ回転位置(電気角)
    p:極対数
    ω:ロータ回転数
    に基づいて実施されることを特徴とするブラシレスモータ制御方法。
  4. 界磁コイルを備えたステータと、前記ステータ内に回転自在に配置されたロータとを有し、所定の制御周期にて前記ロータの回転位置に応じた制御電圧を算出し、該制御電圧に基づいて前記界磁コイルに対し駆動電流を供給して前記ロータを回転させるブラシレスモータの制御装置であって、
    該制御装置は、
    前記ロータの回転位置を取得するモータ角度取得部と、
    前記モータ角度取得部にて取得した前記ロータの回転位置に基づいて、該回転位置に応じた制御電圧を算出し、該制御電圧に基づいて前記界磁コイルに対する供給電流値を算出する電流司令部と、
    前記電流司令部にて算出された前記供給電流値に基づいて、前記界磁コイルに対し前記駆動電流を供給するモータ駆動部と、
    前記モータ角度取得部にて取得した前記ロータの回転位置に基づいて、前記ロータの回転数を算出し、前記ロータの回転数が一定時間安定し、該回転数の変動が所定範囲内にある場合を定常状態と判定するモータ状態判定部と、
    前回の制御周期時点における前記制御電圧及び前記ロータの回転位置に基づいて、前回の制御周期時点から前記制御周期の1/2が経過した中間時点の制御電圧を推定算出する中間値推定処理を行う推定制御電圧算出部と、を有し、
    前記電流司令部は、前記ロータの回転数が定格回転数の2倍未満の通常時は、前記制御周期にて前記供給電流値を算出し、前記ロータの回転数が前記通常時の2倍以上となり、かつ、前記ロータの回転数が前記定常状態にあるときは、前記ブラシレスモータの動作時間が前記中間時点に達したとき、前記推定制御電圧算出部にて算出された推定制御電圧に基づいて前記供給電流値を算出することを特徴とするブラシレスモータ制御装置。
  5. 請求項4記載のブラシレスモータ制御装置において、
    前記電流司令部は、前記ロータの回転数が前記通常時の2倍以上となり、前記制御周期単位の電気角変化が前記通常時に比して大きくなったとき、前記制御電圧の出力波形が円滑化されるよう、前記制御周期における前記制御電圧の算出に加えて前記中間値推定処理を実施し、前記制御電圧を前記推定制御電圧により補間することを特徴とするブラシレスモータ制御装置。
  6. 請求項4又は5記載のブラシレスモータ制御装置において、
    前記ブラシレスモータは3相の前記駆動電流によって駆動され、
    前記推定制御電圧算出部は、前記推定制御電圧をVu’,Vv’,Vw’としたとき、次式、
    Vu’=√(2/3)×cosθ×Vd−√(2/3)×sinθ×Vq
    Vv’=√(2/3)×cos(θ−120°)×Vd−√(2/3)×sin(θ−120°)×Vq
    Vw’=√(2/3)×cos(θ+120°)×Vd−√(2/3)×sin(θ+120°)×Vq
    但し、Vd,Vq:前回の制御周期時点における2相の制御電圧
    θ=θb+p×(ω/60)×(T/2)
    θb:前回の制御周期時点におけるロータ回転位置(電気角)
    p:極対数
    ω:ロータ回転数
    に基づいて前記中間値推定処理を実施することを特徴とするブラシレスモータ制御装置。
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