JP6755939B2 - 抗体のフラグメントの改善されたリフォールディング方法 - Google Patents

抗体のフラグメントの改善されたリフォールディング方法 Download PDF

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Description

本発明は、ラニビズマブ(Ranibizumab)などの抗体のフラグメントの製造方法に関する。より具体的には、本発明は、細菌細胞において形成される封入体からリフォールドされたラニビズマブを回収する方法を提供する。
抗体フラグメントは、従来の抗体より小さく、原核生物発現系におけるそれらの産生を可能にするグリコシル化を一般に欠く(Kurucz I et al., Mol Immunol. 1995 32(17-18):1443-52)。これらのより小さい抗体フラグメントの遺伝子コンストラクトは容易に作られるが、フォールドされたフラグメントの発現は、非天然構造のためむしろ困難であることが分かっている。一方、それらは、上手くリフォールディングされることができるならば、封入体(inclusion body、IB)として細菌細胞において容易に作られ得る。しかしながら、IBの形成および不溶性タンパク質のリフォールディングは、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)細胞質発現技術を完全に利用するのに大きな障害である(Tsutomu Arakawa et al., Antibodies 2014, 3:232-241)。
ラニビズマブ(Lucentis)は、眼内使用のために設計された組換えヒト化IgG1κアイソタイプモノクローナル抗体フラグメントである。ラニビズマブは、ヒト血管内皮細胞増殖因子A(VEGF-A)に結合し、その生物活性を阻害する。ラニビズマブは、およそ48キロダルトンの分子量を有し、Fc領域を欠き、Fcbのみからなり、それ故に細菌発現系により、好ましくはエシェリヒア・コリにおいて発現することが可能である。Fabフラグメントは、抗体分子の2つの同一アームに対応し、これは、重鎖(HC)のVHおよびCH1ドメインと対をなす完全な軽鎖(LC)を含む。FabのLCおよびHCドメインが同一宿主または別々の宿主いずれかにおいて細菌系で過剰発現するとき、それらは、封入体と呼ばれる不溶性凝集体を形成する。
封入体は、主に不溶性形態で不活性なミスフォールドされたタンパク質を含み、それを活性な天然コンフォメーションに変換することは、常に課題であり、いくつかの方法がリフォールドされた抗体のフラグメントの回収のために報告されている(Testuro Fujii et al., J. Biochem. 2007 141: 699-707; Jin-Liang Xing et al., World J Gastroenterol 2004 10(14): 2029-2033)。しかし、それらのうちのいくつかは工業規模に拡張可能でなく、他のものは、極めて少ないリフォールドされたタンパク質しか産生しない。さらに、リフォールディングの異なる技術の研究も試みられた(Eliana De Bernardez Clark, Current Opinion in Biotechnology 1998, 9:157-163)。
また、細菌細胞において形成される封入体からの高品質で多量のリフォールドされたタンパク質、例えばラニビズマブの回収方法を提供することが当該技術分野において依然として必要とされている。したがって、本発明は、封入体からリフォールドされたラニビズマブを回収するのに効果的な方法を提供する。
一実施態様において、本発明は、封入体からリフォールドされたラニビズマブを回収する方法であって、該方法が、pH、温度およびインキュベーション時間の適切な条件下行われる可溶化およびリフォールディング工程を含む、方法を提供する。
一実施態様において、本発明は、pH、温度およびインキュベーション時間を含む適切な条件下リフォールディング緩衝液で処理される、ラニビズマブの重鎖および/または軽鎖の可溶化溶液であって、ここでpHおよび温度の変更が適切な間隔で行われて、高品質で多量のリフォールドされたタンパク質を得る、可溶化溶液を提供する。
一実施態様において、本発明は、リフォールドされたラニビズマブを回収する方法であって、該方法が:
a) 宿主細菌細胞からラニビズマブの軽鎖および/または重鎖を単離する工程;
b) 該ラニビズマブの軽鎖および/または重鎖を、カオトロピック剤および/または還元剤を含むpH約9の第1緩衝液に可溶化する工程;
c) 該可溶化したラニビズマブの軽鎖および重鎖を、高pHおよび低温を有する適切な条件下で、第1インキュベーション時間の間、その後、適切な条件を低pHおよび高温へ変更させて、第2インキュベーション時間の間、第2緩衝液中でリフォールディングし、ここで、pHおよび温度の変更が、第1と第2インキュベーション時間の間に行われて、リフォールドされたラニビズマブを得る工程;
d) 該リフォールドされたラニビズマブを回収する工程
を含む、方法を提供する。
一実施態様において、本発明は:
a) 宿主細菌細胞からラニビズマブの軽鎖および/または重鎖を単離する工程;
b) 該ラニビズマブの軽鎖および/または重鎖を、カオトロピック剤および/または還元剤を含む約8〜約9.5より選択されるpHの第1緩衝液に可溶化する工程;
c) 該可溶化したラニビズマブの軽鎖および重鎖を、約pH10〜約pH11より選択されるpH、少なくとも約4℃〜約12℃より選択される温度を有し、少なくとも約4時間〜約8時間より選択される時間インキュベートされる適切な条件下、酸化剤を含む第2緩衝液中でリフォールディングする工程;
d) 約8〜約9より選択されるpH、少なくとも約20℃〜約30℃より選択される温度を含み、少なくとも約1時間〜約20時間より選択される時間インキュベートされる、工程(c)の適切な条件の変更を行って、リフォールドされたラニビズマブを得る工程;および
e) 該リフォールドされたラニビズマブを回収する工程
を含む、リフォールドされたラニビズマブを回収する方法を提供する。
一実施態様において、本発明は:
a) 宿主細菌細胞からラニビズマブの軽鎖および/または重鎖を単離する工程;
b) 該ラニビズマブの軽鎖および/または重鎖を、カオトロピック剤および/または還元剤を含む約8〜約9.5より選択されるpHの第1緩衝液に可溶化する工程;
c) 該可溶化したラニビズマブの軽鎖および重鎖を、約pH10〜約pH11より選択されるpH、少なくとも約4℃〜約12℃より選択される温度を有し、少なくとも約4時間〜約8時間より選択される時間インキュベートされる適切な条件下、酸化剤を含む第2緩衝液中でリフォールディングする工程;
d) 約8〜約9.5より選択されるpH、少なくとも約20℃〜約30℃より選択される温度を含む、工程(c)の適切な条件の変更を行って、少なくとも約1時間〜約20時間より選択される時間インキュベートされる、リフォールドされたラニビズマブを得る工程;および
e) 該リフォールドされたラニビズマブを回収する工程
を含む、リフォールドされたラニビズマブを回収する方法を提供する。
一実施態様において、本発明は:
a) 宿主細菌細胞からラニビズマブの軽鎖および/または重鎖を単離する工程;
b) 該ラニビズマブの軽鎖および/または重鎖を、カオトロピック剤および/または還元剤を含むpH約9の第1緩衝液に可溶化する工程;
c) 該可溶化したラニビズマブの軽鎖および重鎖を、pH約10、少なくとも約5℃〜10℃の温度を有し、少なくとも約4時間インキュベートされる適切な条件下、酸化剤を含む第2緩衝液中でリフォールディングする工程;
d) pH約9、少なくとも約20℃〜25℃の温度、少なくとも約14時間であるインキュベーション時間を含む、工程(c)の適切な条件の変更を行って、リフォールドされたラニビズマブを得る工程;および
e) 該リフォールドされたラニビズマブを回収する工程
を含む、リフォールドされたラニビズマブを回収する方法を提供する。
一実施態様において、本発明は、さらに、ラニビズマブ含有溶液を清澄化し、その後、該清澄化した溶液中のリフォールドされたラニビズマブをアニオン交換およびカチオン交換カラムと接触させて、各カラムからリフォールドされたラニビズマブを選択的に回収または溶離することを含む、精製方法を提供する。
図1は、可溶化および還元したIBのRP-HPLCプロファイルを示す。 図2は、18時間におけるリフォールディング1および参照標準のRP-HPLCプロファイルを示す。 図3は、種々の時点におけるリフォールディング1および2のRP-HPLCプロファイルを示す。 図4は、リフォールディングのRP-HPLCプロファイルを示す。 図5は、リフォールディングのpHを8.7に調節した、リフォールディングのRP-HPLCプロファイルを示す。 図6は、リフォールディングのpHを9.0に調節した、リフォールディングのRP-HPLCプロファイルを示す。 図7は、リフォールディングのpHを9.3に調節した、リフォールディングのRP-HPLCプロファイルを示す。 図8は、リフォールディングのpHを9.0に調節した、リフォールディングのRP-HPLCプロファイルを示す。
定義;
本明細書で用いる「抗体のフラグメント」は、一般的に、約10個より多いアミノ酸を有するタンパク質を指す。抗体フラグメントは、宿主細胞に異種タンパク質として発現される。抗体のフラグメントの例は、ラニビズマブ、アブシキシマブ(Abciximab)、アナタモマブ(Anatamomab)、アルシツモマブ(Arcitumomab)、ベクツモマブ(Bectumomab)、ビシロマブ(Biciromab)、セルトリズマブ(Certolizumab)、シタツズマブ・ボガトクス(Citatuzumab.bogatox)、ナプツモマブ(Naptumomab)、ノフェツモマブ(Nofetumomab)、スレソマブ(Sulesomab)、タドシズマブ(Tadocizumab)、テリモマブ(Telimomab)である。好ましい実施態様において、抗体フラグメントはラニビズマブである。
本明細書で用いる「血管内皮細胞増殖因子」または「VEGF」は、Castor, C. W., et al., (1991) Methods in Enzymol. 198:391-405に開示されるアミノ酸配列を、Houck et al., (1991) Mol. Endocrin. 5:1806-1814に報告されるヒトVEGFアミノ酸配列を含むがこれに限定されない対応する天然VEGFの性質上の生物活性を有するその機能的誘導体と一緒に有する、ウシ下垂体濾胞細胞由来の哺乳類増殖因子を指す。Leung et al. (1989) Science, 246:1306、およびRobinson & Stringer, (2001) Journal of Cell Science, 144(5):853-865、米国特許第5,332,671号もまた参照。これは、VEGF-Aとも呼ばれる。
本明細書で用いる「適切にフォールドされた」または「生物学的に活性な」は、生物学的に活性なコンフォメーションを有し、所望の生物活性を発揮する分子を指す。
用語「精製した」または「純粋な組換えタンパク質」および同類のものは、その組換え製造、特に原核または細菌細胞培養において見られるように、通常それに伴う物質を含まない物を指す。したがって、当該用語は、DNA、宿主細胞タンパク質、またはそのインサイチュ環境に関連する他の分子が混入していない組換えタンパク質を指す。当該用語は、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または少なくとも約98%以上である純度を指す。
本明細書で用いる用語「ミスフォールドされた」タンパク質は、封入体内に含まれる沈殿または凝集したポリペプチドを指す。本明細書で用いる「不溶性」または「ミスフォールドされた」抗VEGF抗体、例えばラニビズマブまたは他の組換えタンパク質は、宿主原核細胞のペリプラズムまたは細胞内空間に含まれ、ミスマッチであるまたはジスルフィド結合が形成されない生物学的に不活性なコンフォメーションと考える、沈殿または凝集したラニビズマブまたは組換えタンパク質を指す。不溶性の組換えタンパク質は、一般的に、封入体に含まれるが、そうである必要はない。
本明細書で用いる「カオトロピック剤」は、水溶液中適切な濃度で、水性媒体中でポリペプチドを可溶性にするようにその表面における改変によりポリペプチドの空間的配置またはコンフォメーションを変えることが可能である、化合物を指す。改変は、例えば、水和の状態、溶媒環境または溶媒-表面相互作用を変えることにより生じ得る。カオトロピック剤の濃度は、その強度および有効性に直接影響を及ぼす。強力に変性させるカオトロピック溶液は、カオトロピック剤を高濃度で含み、これは、タンパク質の二次構造を効果的に除去する溶液に存在するポリペプチドを溶液中効果的にアンフォールドする。アンフォールディングは、比較的広範囲であるが、可逆的である。中程度に変性させるカオトロピック溶液は、ポリペプチドが有している何らかのねじれたコンフォメーションから、おそらく溶液に可溶性の中間体を介し、そのペプチド自体が内因性のまたは同種の生理的条件下で活性な形態で効果があるときに見られる空間的コンフォメーションへの、ポリペプチドの部分的フォールディングを可能にするのに溶液中十分な濃度でカオトロピック剤を含む。カオトロピック剤の例には、塩酸グアニジン、尿素、および水酸化ナトリウムまたはカリウムなどの水酸化物が含まれる。カオトロピック剤には、尿素または塩酸グアニジンと水酸化物の混合物などのこれらの試薬の組合せが含まれる。
本明細書で用いる「還元剤」は、分子内または分子間ジスルフィド結合が化学的に分断されるように、水溶液中適切な濃度で、遊離スルフヒドリル基を維持する化合物を指す。適切な還元剤の代表的な例には、ジチオトレイトール(DTT)、ジチオエリトリトール(DTE)、β-メルカプトエタノール(BME)、システイン、システアミン、チオグリコール酸塩、グルタチオンおよび水素化ホウ素ナトリウムが含まれる。
本明細書で用いる「緩衝液」は、酸-塩基コンジュゲート成分の作用によりpHの変化に抵抗する溶液を指す。
本明細書で用いる「第1緩衝液」は、封入体の可溶化のために用いられる可溶化緩衝液を指す。
本明細書で用いる「第2緩衝液」は、不溶性のミスフォールドされたタンパク質から所望のリフォールドされたタンパク質コンフォメーションを回収するために用いられるリフォールディング緩衝液を指す。
本発明は、宿主細菌細胞からリフォールドされた組換えタンパク質を回収および精製する方法を提供する。本発明の方法は、ラニビズマブ、アブシキシマブ、アナタモマブ、アルシツモマブ、ベクツモマブ、ビシロマブ、セルトリズマブ、シタツズマブ・ボガトクス、ナプツモマブ、ノフェツモマブ、スレソマブ、タドシズマブ、テリモマブを含むがこれらに限定されない、Fab、ScFvのような抗体フラグメントに広く適用可能である。好ましい実施態様において、抗体フラグメントはラニビズマブである。
本発明は、細胞内またはペリプラズム空間宿主細菌細胞において形成される不溶性タンパク質からのリフォールドされたタンパク質の回収方法を提供する。一実施態様において、封入体を、当該技術分野において公知の方法に従って原核細胞から単離する。単離される封入体は、主に、ミスフォールドされた不溶性タンパク質および不純物を含む。ある特定の実施態様において、方法および手順は、組換えタンパク質の製造または工業規模の生産、リフォールディングおよび精製に適用可能である。
一実施態様において、単離されるIBは、ラニビズマブの重鎖および/または軽鎖をペレット中に含み、その後、IBを実質的に可溶化するのに十分な第1緩衝液中でインキュベートされる。このインキュベーションを、所望の量または実質的にすべてのIBの可溶化を可能にする、濃度、インキュベーション時間およびインキュベーション温度の適切な条件下で行う。このような実施態様において、還元を、適切な還元剤で約30分間〜45分間行い、その後、還元溶液をろ過し、さらにリフォールディングのために用いる。
一実施態様において、第1緩衝液は、トリス-Cl、尿素を含む。ある特定の実施態様において、トリス-Clは、10mM〜60mMより選択される濃度、好ましくは50mMで存在する。ある特定の実施態様において、尿素は、6M〜8Mより選択される濃度、好ましくは8Mで存在する。一実施態様において、第1緩衝液のpHは、8.5〜10より選択され、好ましくは9である。
一実施態様において、カオトロピック剤は、塩酸グアニジン、尿素、および水酸化ナトリウムまたはカリウムなどの水酸化物より選択される。
一実施態様において、還元剤は、ジチオトレイトール(DTT)、ジチオエリトリトール(DTE)、β-メルカプトエタノール(BME)、システイン、システアミン、チオグリコール酸塩、グルタチオンおよび水素化ホウ素ナトリウムより選択される。
一実施態様において、ラニビズマブの可溶化した重鎖および/または軽鎖は、さらに、リフォールディングを行うために第2緩衝液またはリフォールディング緩衝液で処理される。第2緩衝液は、高pHおよび低温を有する適切な条件を第1インキュベーション時間まで含み、その後、低pHおよび高温を有する適切な条件を第2インキュベーション時間まで維持し、ここでpHおよび温度の変更は、第1と第2インキュベーション時間の間に行われる。
一実施態様において、可溶化した重鎖および/または軽鎖のラニビズマブ溶液は、約pH10〜約pH11より選択されるpH、少なくとも約4℃〜約12℃より選択される温度を有し、少なくとも約4時間〜約8時間より選択される時間インキュベートされる適切な条件下、第2緩衝液で処理され、その後、pHおよび温度の変更が、約8〜約9より選択されるpH、少なくとも約20℃〜約30℃より選択される温度へ行われ、少なくとも約14時間〜約20時間より選択される時間インキュベートされる。このような実施態様において、pH変更は、pHがpH10〜11からpH8〜9へ変更することを意味する。ある特定の実施態様において、pH変更は、pHがpH10〜11からpH8〜9.5へ変更することを意味する。温度変更は、温度が4℃〜12℃から20℃〜30℃へ変更することを意味する。
ある特定の実施態様において、第1インキュベーション時間は、約1時間〜約25時間より選択される。好ましい実施態様において、第1インキュベーション時間は、約4時間〜約15時間より選択される。好ましい実施態様において、第1インキュベーション時間は、約4時間である。
ある特定の実施態様において、第2インキュベーション時間は、約1時間〜約25時間より選択される。好ましい実施態様において、第1インキュベーション時間は、約12時間〜約25時間より選択される。好ましい実施態様において、第1インキュベーション時間は、約14時間である。
一実施態様において、第2緩衝液は、トリス、アルギニンおよびソルビトールを含む。ある特定の実施態様において、トリスは、10mM〜60mMより選択される濃度、好ましくは50mMで存在する。ある特定の実施態様において、アルギニンは、0.1M〜1Mより選択される濃度、好ましくは0.6mMで存在する。ある特定の実施態様において、ソルビトールは、1%〜8%より選択される濃度、好ましくは5%で存在する。
ある特定の実施態様において、第2緩衝液は、1mM〜10mMより選択される酸化剤濃度を含む。一実施態様において、酸化剤濃度は、3mMである。ある特定の実施態様において、酸化剤は、システイン、酸化型グルタチオン(GSSG)、硫酸銅、デヒドロアスコルビン酸塩、チオ硫酸ナトリウムより選択される。一実施態様において、酸化剤は、システインである。
一実施態様において、本発明は:
a) 宿主細菌細胞からラニビズマブの軽鎖および/または重鎖を単離する工程;
b) 該ラニビズマブの軽鎖および/または重鎖を、カオトロピック剤および/または還元剤を含むpH約9の第1緩衝液に可溶化する工程;
c) 該可溶化したラニビズマブの軽鎖および重鎖を、高pHおよび低温を有する適切な条件下で、第1インキュベーション時間の間、その後、適切な条件を低pHおよび高温へ変更させて、第2インキュベーション時間の間、第2緩衝液中でリフォールディングし、ここで、pHおよび温度の変更が、第1と第2インキュベーション時間の間に行われて、リフォールドされたラニビズマブを得る工程;
d) 該リフォールドされたラニビズマブを回収する工程
を含む、リフォールドされたラニビズマブを回収する方法を提供する。
一実施態様において、本発明は:
a) 宿主細菌細胞からラニビズマブの軽鎖および/または重鎖を単離する工程;
b) 該ラニビズマブの軽鎖および/または重鎖を、カオトロピック剤および/または還元剤を含む約8〜約9.5より選択されるpHの第1緩衝液に可溶化する工程;
c) 該可溶化したラニビズマブの軽鎖および重鎖を、約pH10〜約pH11より選択されるpH、少なくとも約4℃〜約12℃より選択される温度を有し、少なくとも約4時間〜約8時間より選択される時間インキュベートされる適切な条件下、酸化剤を含む第2緩衝液中でリフォールディングする工程;
d) 約8〜約9より選択されるpH、少なくとも約20℃〜約30℃より選択される温度を含む、工程(c)の適切な条件の変更を行い、少なくとも約1時間〜約20時間より選択される時間インキュベートされる、リフォールドされたラニビズマブを得る工程;および
e) 該リフォールドされたラニビズマブを回収する工程
を含む、リフォールドされたラニビズマブを回収する方法を提供する。
一実施態様において、本発明は:
a) 宿主細菌細胞からラニビズマブの軽鎖および/または重鎖を単離する工程;
b) 該ラニビズマブの軽鎖および/または重鎖を、カオトロピック剤および/または還元剤を含む約8〜約9.5より選択されるpHの第1緩衝液に可溶化する工程;
c) 該可溶化したラニビズマブの軽鎖および重鎖を、約pH10〜約pH11より選択されるpH、少なくとも約4℃〜約12℃より選択される温度を有し、少なくとも約1時間〜約25時間より選択される時間インキュベートされる適切な条件下、酸化剤を含む第2緩衝液中でリフォールディングする工程;
d) 約8〜約9.5より選択されるpH、少なくとも約20℃〜約30℃より選択される温度を含む、工程(c)の適切な条件の変更を行い、少なくとも約1時間〜約25時間より選択される時間インキュベートされる、リフォールドされたラニビズマブを得る工程;および
e) 該リフォールドされたラニビズマブを回収する工程
を含む、リフォールドされたラニビズマブを回収する方法を提供する。
一実施態様において、本発明は:
a) 宿主細菌細胞からラニビズマブの軽鎖および/または重鎖を単離する工程;
b) 該ラニビズマブの軽鎖および/または重鎖を、カオトロピック剤および/または還元剤を含む約8〜約9.5より選択されるpHの第1緩衝液に可溶化する工程;
c) 該可溶化したラニビズマブの軽鎖および重鎖を、約pH10〜約pH11より選択されるpH、少なくとも約4℃〜約12℃より選択される温度を有し、少なくとも約4時間〜約8時間より選択される時間インキュベートされる適切な条件下、酸化剤を含む第2緩衝液中でリフォールディングする工程;
d) 約8〜約9.5より選択されるpH、少なくとも約20℃〜約30℃より選択される温度を含む、工程(c)の適切な条件の変更を行い、少なくとも約1時間〜約20時間より選択される時間インキュベートされる、リフォールドされたラニビズマブを得る工程;および
e) 該リフォールドされたラニビズマブを回収する工程
を含む、リフォールドされたラニビズマブを回収する方法を提供する。
一実施態様において、本発明は:
a) 宿主細菌細胞からラニビズマブの軽鎖および/または重鎖を単離する工程;
b) 該ラニビズマブの軽鎖および/または重鎖を、カオトロピック剤および/または還元剤を含むpH約9の第1緩衝液に可溶化する工程;
c) 該可溶化したラニビズマブの軽鎖および重鎖を、pH約10、少なくとも約5℃〜10℃の温度を有し、少なくとも約4時間インキュベートされる適切な条件下、酸化剤を含む第2緩衝液中でリフォールディングする工程;
d) pH約9、少なくとも約20℃〜25℃の温度、少なくとも約14時間であるインキュベーション時間を含む、工程(c)の適切な条件の変更を行って、リフォールドされたラニビズマブを得る工程;および
e) 該リフォールドされたラニビズマブを回収する工程
を含む、リフォールドされたラニビズマブを回収する方法を提供する。
一実施態様において、リフォールドされたラニビズマブは、適切なクロマトグラフィー法を用いることにより精製される。好ましい実施態様において、リフォールドされたラニビズマブは、ろ過され、その後、アニオン交換カラムおよびカチオン交換カラムに付される。
一実施態様において、リフォールドされたラニビズマブの精製方法は、1つ以上の不純物を含み、該方法は:
(a) 第1アニオン交換クロマトグラフィー;
(b) 第2アニオン交換クロマトグラフィー;および
(c) カチオン交換クロマトグラフィー;
(d) 適宜、工程(a)または工程(c)いずれかの前にろ過を行い得る
を含む。
一実施態様において、リフォールドされたラニビズマブの精製方法は、1つ以上の不純物を含み、該方法は:
(a) リフォールドされたラニビズマブおよび1つ以上の不純物を含む組成物を、約8〜約10のpHを有する平衡緩衝液で平衡化した第1アニオン交換クロマトグラフィーカラムにロードし、カラムを約7〜約9のpHを有する溶離緩衝液で溶離させて、第1溶出液を得る工程;
(b) 工程(a)から得られた第1溶出液を、約8〜約10のpHを有する平衡緩衝液で平衡化した第2アニオン交換クロマトグラフィーカラムにロードし、カラムを約7〜約10のpHを有する溶離緩衝液で溶離させて、第2溶出液を得る工程;および
(c) 工程(b)から得られた第2溶出液を、約4〜約6.5のpHを有する平衡緩衝液で平衡化したカチオン交換クロマトグラフィーカラムにロードし、結合したラニビズマブを、塩グラジエントを用いて溶離させる工程
を含む。
一実施態様において、リフォールドされたラニビズマブの精製方法は、1つ以上の不純物を含み、該方法は:
(a) ラニビズマブおよび1つ以上の不純物を含む組成物を、約8.5〜約9.5のpHを有する平衡緩衝液で平衡化した第1アニオン交換クロマトグラフィーカラムにロードし、カラムを約7.5〜約8.5のpHを有する溶離緩衝液で溶離させて、第1溶出液を得る工程;
(b) 工程(a)から得られた第1溶出液を、約8.5〜約9.5のpHを有する平衡緩衝液で平衡化した第2アニオン交換クロマトグラフィーカラムにロードし、カラムを約7.5〜約8.5のpHを有する溶離緩衝液で溶離させて、第2溶出液を得る工程;および
(c) 工程(b)から得られた第2溶出液を、約4.5〜約6.0のpHを有する平衡緩衝液で平衡化したカチオン交換クロマトグラフィーカラムにロードし、カラムを約4.5〜約6.0のpHを有する溶離緩衝液で溶離させて、目的の精製された抗体を得る工程;
(d) 適宜、工程(a)または工程(c)いずれかの前にろ過を行い得る
を含む。
本発明を以下の実施例により例示し得るが、当業者であれば、実施態様および実施例においてその教示から逸脱することなく多くの改良が可能であることを明確に理解するだろう。
実施例1
発酵、採取およびIB単離後に得られた36gの封入体(IB)を、8M尿素、50mMトリスを含んでなるpH9の約720mLの第1緩衝液に可溶化させ、還元を4mM DTTを用いて45分間行った。その後、可溶化および還元したIBを0.8+0.2μmフィルターでろ過した。
可溶化したIBのプロファイルを図1に示すようにRP-HPLCにより確認した。重鎖および軽鎖のピークをプロファイルにおいて監察することができる。
その後、約360mlの可溶化および還元したIB溶液を、0.6Mアルギニン、5%ソルビトールおよび50mMトリスを含んでなる約8640mLのリフォールディング緩衝液にpH10および5〜10℃の温度にて1時間以内に一定の流速で加えた。このpHでのリフォールディングを4時間行い、その後、リフォールディング溶液のpHを9に酸で調節した。温度をまたpH調節後20〜25℃に上げた。リフォールディングをさらに14時間継続した。RP-HPLCプロファイルを図2および図3に示し、これはリフォールディング1と称する。リフォールドされたFabピークをプロファイルにおいて監察することができる。
実施例2
発酵、採取およびIB単離後に得られた21.5gの封入体(IB)を、8M尿素、50mMトリスを含んでなるpH9の約430mlの第1緩衝液に可溶化させ、還元を4mM DTTを用いて45分間行った。その後、可溶化および還元したIBを0.8+0.2μmフィルターでろ過した。
約400mlの可溶化および還元したIBを用い、それを、0.6Mアルギニン、5%ソルビトール、50mMトリスを含んでなる約9.5Lのリフォールディング緩衝液にpH9および5〜10℃の温度にて1時間以内に一定の流速で加えた。リフォールディングを約45時間行った。このリフォールディングをリフォールディング2と称する。24時間にて得られたリフォールドされたタンパク質の純度は8.1%であり、24時間にて得られたリフォールドされたタンパク質の収率は3.1%である。RP-HPLCプロファイルを図2および3に示し、リフォールディング2と称する。したがって、RP-HPLCの結果から、リフォールディング1は、45時間のリフォールディング2と比較して、18時間においてより高いリフォールディングを生じることが観察された。
実施例3
発酵、採取およびIB洗浄後に得られた100gの封入体を、1500mlの可溶化緩衝液(8M尿素、50mMトリス、pH9)に可溶化させ、還元を4mM DTTを用いて45分間行った。その後、可溶化および還元したIBをろ過した。
800mlの可溶化および還元したIBを、約19Lのリフォールディング緩衝液(0.6Mアルギニン、5%ソルビトール、50mMトリス、pH10)に5〜10℃にて1時間以内に一定の流速で加えた。この条件でのリフォールディングを約4〜5時間継続した。その後、3アリコート(各々2L)を19Lのリフォールディング溶液から取出し、各アリコートのpHをそれぞれ8.7、9.0および9.3に6N HClで調節し、この条件でのリフォールディングを21〜28時間まで21〜25℃の温度で継続した。種々のpHでのリフォールディングのRP-HPLCプロファイルを図5〜図7に示す。プロファイルは、試験したpH範囲内でのリフォールディングがほぼ同じリフォールディングを生じることを示す。
実施例4
発酵、採取およびIB洗浄後に得られた約1.6Kgの封入体を、約32Lの可溶化緩衝液(8M尿素、50mMトリス、pH9)に可溶化させ、還元をDTTを用いて行った。その後、可溶化および還元したIBをろ過した。
可溶化および還元したIBを、約800Lのリフォールディング緩衝液(0.6Mアルギニン、5%ソルビトール、50mMトリス、pH10.1)に5〜10℃にて1時間以内に一定の流速で加えた。この条件でのリフォールディングを約4〜5時間継続し、リフォールディングのpHを9.1に6N HClで調節した。リフォールディング温度を21〜25℃に上げ、リフォールディングを21〜22時間まで継続した。リフォールディングのRP-HPLCプロファイルを図4に示す。リフォールドされたタンパク質の純度および収率は、それぞれ47.3%および13.6%である。
実施例5
発酵、採取およびIB洗浄後に得られた45gの封入体を、900mlの可溶化緩衝液(8M尿素、50mMトリス、pH9)に可溶化させ、還元を4mM DTTを用いて45分間行った。その後、可溶化および還元したIBをろ過した。
400mlの可溶化および還元したIBを、約9.5Lのリフォールディング緩衝液(0.6Mアルギニン、5%ソルビトール、50mMトリス)に5〜10℃にて1時間以内に一定の流速で加え、リフォールディング緩衝液のpHは、およそ10.5〜10.6であった。この条件でのリフォールディングを約4〜5時間継続し、その後、リフォールディング溶液のpHを9に6N HClで調節した。リフォールディング温度を21〜25℃に上げ、リフォールディングを21〜22時間まで継続した。リフォールディングのRP-HPLCプロファイルを図8に示す。

Claims (14)

  1. リフォールドされたラニビズマブを回収する方法であって、該方法が、次の工程:
    a) 宿主細菌細胞からラニビズマブの軽鎖および/または重鎖を含む封入体を単離する工程;
    b) 該ラニビズマブの軽鎖および/または重鎖を含む封入体を、カオトロピック剤および/または還元剤を含む8.5〜10の範囲のpHの第1緩衝液に可溶化する工程;
    c) 可溶化したラニビズマブの軽鎖および/または重鎖を、10〜11の範囲のpHおよび4℃〜12℃の範囲の温度を有する第2緩衝液中で、1〜25時間の第1インキュベーション時間の間、その後、第1インキュベーション時間のpHおよび温度を8〜9の範囲のpHおよび20℃〜30℃の範囲の温度に変更1〜25時間の第2インキュベーション時間の間、第2緩衝液中でリフォールディングする工程;および
    d) 該リフォールドされたラニビズマブを回収する工程
    を含む、方法。
  2. 工程(c)の第2緩衝液が第1インキュベーション時間中pH10に維持される、請求項1に記載の方法。
  3. 工程(c)の第2緩衝液が第1インキュベーション時間中5℃〜10℃の範囲の温度維持される、請求項1に記載の方法。
  4. 第1インキュベーション時間が4時間である、請求項1に記載の方法。
  5. 工程(c)の第2緩衝液が第2インキュベーション時間中pH9に維持される、請求項1に記載の方法。
  6. 工程(c)の第2緩衝液が第2インキュベーション時間中約20℃〜約25℃の温度に維持される、請求項1に記載の方法。
  7. 第2インキュベーション時間が14時間である、請求項1に記載の方法。
  8. 第2緩衝液がトリス、アルギニンおよびソルビトールを含み、所望により酸化剤を含んでいてもよく、さらに所望により該酸化剤がシステイン、酸化型グルタチオン(GSSG)、硫酸銅、デヒドロアスコルビン酸塩およびチオ硫酸ナトリウムより選択されてもよい、請求項1に記載の方法。
  9. 第2緩衝液がトリス、アルギニン、ソルビトールおよびシステインを含む、請求項1に記載の方法。
  10. 工程(b)における第1緩衝液がトリス-Clおよび尿素を含む、請求項1に記載の方法。
  11. 工程(b)の第1緩衝液がpH9に維持される、請求項1に記載の方法。
  12. カオトロピック剤が塩酸グアニジン、尿素、および水酸化ナトリウムまたはカリウムより選択される、請求項1に記載の方法。
  13. 還元剤がジチオトレイトール(DTT)、ジチオエリトリトール(DTE)、β-メルカプトエタノール(BME)、システイン、システアミン、チオグリコール酸塩、グルタチオンおよび水素化ホウ素ナトリウムより選択される、請求項1に記載の方法。
  14. 回収されたリフォールドされたラニビズマブが、アニオンまたはカチオンクロマトグラフィーにより更に精製される、請求項1に記載の方法。
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