JP6755156B2 - プーリユニット用シール付き転がり軸受 - Google Patents

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この発明は、転がり軸受の内部に、水、泥、塵埃などの異物の浸入を防止可能なプーリユニット用シール付き転がり軸受に関するものである。
一般に、転がり軸受の使用状態で水、泥、塵埃などの異物に接触しやすい場合の例として、自動車のエンジン付近のベルト伝動装置へ組み込まれている転がり軸受があり、このような転がり軸受には、外部から水や泥水等の異物が軸受内部に入り込み易く、その異物の浸入によって転がり軸受の本来の機能が早期に損なわれることがある。
自動車のエンジン付近等でオルタネータやコンプレッサ等の補機を駆動するベルト伝動装置においては、アイドラプーリによってベルトの移動を案内し、あるいは油圧式オートテンショナによりテンションプーリをベルトに押し付けてベルトの張力変動を吸収する。このようなアイドラプーリ又はテンションプーリは、そのボス部の内径側に組み込まれ ることで当該プーリとユニット化された転がり軸受で支持されている。
上記プーリユニット用の転がり軸受の耐水性を向上させるためには、シール付き転がり軸受が採用されている。
プーリユニット用シール付き転がり軸受に採用される基本的なシール構造は、例えばリング状シールの内周部に設けられたリップを内輪外径面の環状溝の溝縁部に弾性接触させ、その締め代により外部からの水の浸入を防止する構造であるが、上記の締め代を大きくし過ぎると、軸受の回転トルクを増加させてしまうので、充分に締め代を大きくできず、結果的に軸受内への水の浸入を完全に防止することはできなかった。
例えば特許文献1、2に記載されるように、転がり軸受の両側にスリンガを設けることにより、耐水性の向上を図ったものもある。ただし、上記スリンガの外周部は、回転する外輪の側面に対して非接触の状態であって隙間を有するから、この隙間から外部の水や異物が浸入することがあり、スリンガにシールリップを接触させる接触形の軸受シールを設ける必要がある。
また近年の自動車は、国外での様々な使用状態も想定して製造することが求められ、特に悪路での耐水性の要求も高くなっており、シール性の向上が求められている。
特許文献2に記載されたシール付き転がり軸受は、主シールリップを内輪の端部に形成された段差部のアキシャル方向端部に弾性接触させ、副シールリップも併用して2重のシール構造によって「締め代」を増やして耐水性を向上させている。
すなわち、図7 に示す従来の転がり軸受には、内輪3に固定されたスリンガ7を、外輪2に固定された弾性シール部材20の外側に配置することによって、泥水などがリップに直接掛からない構造とし、弾性シール部材20にサイドリップ21を設けてスリンガ7と接触させ、外部から洗浄水等の強い圧力が加えられた場合には、サイドリップ21がスリンガ7に強く押しつけられることによって水等の浸入を防ぐ構造を有している。
特開2009−216138号公報 特開2009−216139号公報
しかし、上記した従来のシール構造を備えた転がり軸受は、ベルトを介して外輪回転で使用されるときに、サイドリップ21に強い遠心力が図7中の矢印で示す方向に作用すると、サイドリップ21は、外輪2側に近づくように弾性変形し(図中、鎖線で示す)、シールの「締め代」、すなわちリップの接触面積が減少して耐水性が低下するという問題がある。
また、サイドリップ21の内側に、水などの異物が一旦浸入すると、接触面積を増大させたサイドリップ21より外側には排出され難いという問題点もある。
そこで、この発明の課題は、上記した従来技術における問題点を解消し、スリンガにリップを接触させる接触形の軸受シールを有するシール付き転がり軸受において、非回転 時および低速回転時に水などの異物に対する充分なシール性を有すると共に、外輪回転で使用されるときに耐水性の低下を防止し、例えば自動車の過酷な使用環境における泥水その他の異物浸入を常時防御できるようにすることである。また、上記効果に加えて、水や泥水等の異物がシールリップ内側に浸入しても、転がり軸受外に異物を容易に除去できるプーリユニット用シール付き転がり軸受とすることである。
上記の課題を解決するために、この発明では、外輪回転の転がり軸受の外輪と内輪間に形成された軸受空間の両端開口のそれぞれをシールするシール部材が、前記内輪の外径面端部に固定された円筒部の外側端部に外向きフランジを設けて断面が略L字形のスリンガと、このスリンガの前記外向きフランジより軸方向内側に配置され前記外輪の内径面の両端部に外周部が固定された円環状の弾性シール部材とを有するものであり、前記弾性シール部材の前記スリンガに対向する面に2以上の円環状リップを設けて前記スリンガに弾性接触させるプーリユニット用シール付き転がり軸受において、前記外向きフランジの周縁を内側に向けて折り曲げた屈曲部の内側面と最外側に配置した円環状リップの外側面との間に、前記転がり軸受の外輪回転による遠心力で接触シール可能な隙間シールを設けたプーリユニット用シール付き転がり軸受としたのである。上記隙間シールは、上記屈曲部の内側面に対向する上記円環状リップの外側面に突条を有することでラビリンスを形成するものを採用しても良い。
上記したように構成されるこの発明のプーリユニット用シール付き転がり軸受は、外向きフランジの周縁を内側に向けて折り曲げた屈曲部の内側面と最外側に配置した円環状リップの外側面との間に、前記転がり軸受の外輪回転による遠心力で接触シール可能な隙間シールを設けたことにより、転がり軸受が非回転状態または低速回転状態であるときに、外向きフランジの屈曲部と円環状リップを非接触状態に保ちながら前記隙間シールが、小さな隙間を介して摩擦抵抗のない状態でシール機能を発揮する。
また、上記隙間シールが、上記円環状リップの外側面に突条を有する場合には、前記隙間シールはラビリンスによってシール性を充分に発揮する。
すなわち、非接触シールの形態である隙間シールは、軸受外部にある水等の液状異物が、軸受空間に浸入 する可能性があるときに、小さな隙間または通路の抵抗によって液状異物の通過する抵抗を高め、さらにそのような液状異物の通過を阻止する。
また、この発明のプーリユニット用シール付き転がり軸受が、外輪の回転速度を増していくと、円環状リップに回転速度に応じて外向きの遠心力が作用し、そのうち最外側に配置された円環状リップは、遠心力で軸径方向外側に弾性変形して、スリンガの外向きフランジの周縁部の内径面に弾性接触することにより、前記した隙間シールの隙間が閉じた状態になり、転がり軸受の外輪と内輪間に形成された軸受空間の両端開口はより完全に密封され、非接触シールの状態に比べて耐水性が向上する。
このようにシールされることにより、例えば自動車の過酷な使用環境において、転がり軸受が水没した状態で使用された時に、水や泥水その他の異物浸入は防御される。
このように遠心力が作用するとき、転がり軸受の回転速度に応じてできるだけ鋭敏に接触シール作用が発揮されるように、上記2以上 の円環状リップのうち、径方向最外側に配置されたものが、基部より先端部の厚みを厚い円環状リップであることが好ましい。このような構成により、基部に比べて質量の大きい先端部には大きな遠心力が作用するから、回転速度に応じて弾性シール作用またはラビリンスや隙間によるシール作用が俊敏に奏され、軸受空間の両端開口は、常に確実にシールされる。
また、上記外向きフランジの周縁部の内径面が、径方向の外側に広がるテーパー面であるプーリユニット用シール付き転がり軸受とすることにより、転がり軸受の回転が停止しているときに弾性シール部材とスリンガとの間に浸入した水などが自然に流れ出やすい下向きの流路が形成され、水などの液体が転がり軸受外に排出されやすくなる。
また、上記1以上の円環状リップのうち、少なくとも1つが前記弾性シール部材の外側面から外方に向けて延びて先端部が前記スリンガの外向きフランジに弾性接触するサイドリップである構成を採用すれば、外輪回転による遠心力が作用しない状態では隙間シールまたはラビリンスシールの非接触シールだけでなく、弾性接触シールによっても軸受空間内への水などの異物の浸入 を防止することができる。
このようにシール性を発揮する上記弾性シール部材としては、円環状リップがスリンガと摺動状態で接触する際に、柔軟性および耐摩耗性に優れたニトリルゴム、アクリルゴムまたはフッ素ゴムからなる弾性シール部材を採用することが好ましい。
上記プーリユニット用シール付き転がり軸受が、所期した作用効果を発揮する好適な用途としては、自動車エンジンのベルト伝動装置におけるプーリユニット用シール付き転がり軸受である。
この発明は、2以上の円環状リップをスリンガに弾性接触させているプーリユニット用シール付き転がり軸受において、スリンガの外向きフランジと円環状リップの間に隙間シールを設けたので、転がり軸受が非回転状態または低速回転状態のときに、フランジと円環状リップとが非接触状態で充分にシール機能を有し、転がり軸受の外輪回転しているときには、遠心力で円環状リップが弾性変形することにより、隙間シールの隙間が閉じるので、非回転時および回転時共にシール性が良好であり耐水性も優れたものになる。このものは、例えば自動車の過酷な使用環境における泥水その他の異物浸入を常時防御できるプーリユニット用シール付き転がり軸受に好適である。
また、屈曲部の内側面が、折り曲げ角度90度未満のテーパー面であるものでは、上記した効果に加えて、水や泥水等の異物がシールリップ内側に浸入しても、転がり軸受外に異物を容易に除去しやすいプーリユニット用シール付き転がり軸受になる利点もある。
第1実施形態のプーリユニット用シール付き転がり軸受の断面図 第1実施形態の使用状態を説明する図1の要部拡大断面図 第2実施形態の要部拡大断面図 第3実施形態の要部拡大断面図 第4実施形態の要部拡大断面図 第5実施形態の要部拡大断面図 従来技術を説明するシール付き転がり軸受の要部拡大断面図
この発明の実施形態を以下に添付図面に基づいて説明する。
図1、2に示すように、第1実施形態のシール付き転がり軸受1は、外輪2、内輪3、これら両輪間に組み込まれた転動体としてのボール10を有する玉軸受からなり、各列のボール10の外側にシール部材が組み込まれ、そのシール部材によって外輪2と内輪3の対向面間に形成された軸受空間の両端開口がシールされている。
図示したシール付き転がり軸受1は、プーリユニットに使用され、プーリ4のベルト案内輪5の内側に設けられたボス部6の内側に外輪回転する状態に組み込まれ、外輪2と内輪3の間に形成された軸受空間の両端開口のそれぞれをシールするシール構造を有している。
上記シール部材は、内輪3の外径面端部に固定された円筒部7aの外側端部から径方向外向きに延びる外向きフランジ7b を設けた断面略L字形のスリンガ7と、外向きフランジ7bより軸方向内側に配置されて外輪2の内径面の両端部に外周部が固定された円環状の弾性シール部材8を有している。スリンガ7は、鋼板のプレス成形品からなり、円筒部7aは、内輪3の外径面端部に圧入した状態で固定されている。
弾性シール部材8は、円環状で略全体がゴム状弾性を有するゴム製素材からなり、軸心を共有する環状の芯金9が埋め込まれた状態で補強されている。弾性シール部材8の外周部には芯金9の円筒部9a を覆うように嵌合部8aが設けられており、この嵌合部8aは外輪2の内径面端部に形成されたシール取付溝2aに圧入されて外輪2に固定されている。
また、弾性シール部材8の内周部には内向きに傾斜するラジアルリップ8bが形成され、外径方向に傾斜するサイドリップ8cが、外方に延びてその先端部は外向きフランジ7bに弾性接触し、弾性シール部材8と外向きフランジ7bの対向する間隙をシールしている。なお、本実施形態では、ラジアルリップ8b,8cは同じ角度で傾斜しているが、これに限らず、異なる角度で傾斜していてもよい。
また弾性シール部材8のスリンガ7に対向する面に設けられた上記のラジアルリップ8bは、先端部がスリンガ7の円筒部7aの外径面に微小間隔を空けて配置されており、非接触の隙間シールを形成している。
図1および図2に示すように、上記のプーリユニット用のシール付き転がり軸受1 のスリンガ7には、外向きフランジ7bの外周縁を軸方向 内側に向けて折り曲げた屈曲部7cが 形成されている。屈曲部7cは、転がり軸受1の径方向において、外輪2と重なっている。屈曲部7cの径方向内側には、弾性シール部材8の径方向の最外側に副サイドリップ8dが設けられている。
副サイドリップ8dは、転がり軸受1の軸方向において、屈曲部7cと重なっている。具体的には、副サイドリップ8dの軸方向一端部(スリンガ7側の端部)が、屈曲部7cと軸方向において重なっている。 そして、屈曲部7cの内側面7dと最外側に配置した副サイドリップ8dの外側面との間には、転がり軸受の外輪回転による遠心力で接触シール状態(図2に一点鎖線で示す)にすることが可能な隙間シール(ラビリンスシール)が形成されている。
上記隙間シールは、軸受外部にある水等の液状の異物が、スリンガ7と外輪2の間から軸受空間に浸入する可能性がある場合に、小さな隙間の通過抵抗によって液状異物の通過を防ぎ、実質的に液状異物の通過を阻止するものであり、隙間寸法は、転がり軸受の軸径や材質にも依るが、例えば最も狭い部分が0.2〜1.0mm程度の隙間 であることが好ましい。
図2に示すように、本実施形態のプーリユニット用シール付き転がり軸受1が、使用状態で外輪2の回転速度を増していくと、サイドリップ8cと副サイドリップ8dには、いずれも遠心力が図中の矢印で示すように、回転速度に応じた大きさで作用するが、径方向最外側に配置された副サイドリップ8dは、遠心力によって径方向外側に曲がるように弾性変形し、スリンガ7の屈曲部7cの内側面7dに 圧接して隙間シールを閉じ、軸受空間の両端開口は密閉された状態になる。
これにより、スリンガ7に弾性接触可能な状態に設けられている他の円環状リップであるサイドリップ8cが、転がり軸受の外輪回転による遠心力を受けて図2の一点鎖線で示される状態に弾性変形した場合にも、そのシール性の低下を副サイドリップ8dのシール性によって補うことができる。
このようにして第1実施形態のプーリユニット用シール付き転がり軸受は、例えば自動車の過酷な使用環境における転がり軸受が水没した状態でも、外部からの水や泥水その他の異物の浸入は、副サイドリップ8dによる接触シールで確実に防御される。
また、上記円環状リップのシール性を発揮する弾性シール部材の材質としては、円環状リップがスリンガ7と弾性的に圧接し摺動状態で使用されることを考慮し、シール性(液密性)の他に、柔軟性および耐摩耗性に優れたものを採用することが好ましく、例えばニトリルゴム、アクリルゴムまたはフッ素ゴムからなる弾性シール部材を採用できる。
また、図3に示す第2実施形態は、第1実施形態における副サイドリップ8dの外周面と屈曲部7cの内周面との平滑面同士の隙間シールの別形態として例示するものであり、副サイドリップ8dの外側面に周方向に延びる複数列(図示では4本)の突条11を形成し、それらの間に3筋のラビリンス通路12を形成してラビリンスシールを形成されたものである。
また、図4に示す第3実施形態も、第1実施形態における隙間シールの別形態として例示するものであり、外向きフランジ7bの屈曲部7cの内側面7dと、最外側に配置した円環状リップである副サイドリップ8dの外側面との対向する2つの面の両方に、角溝部13と角形の突条14を互いに隙間を空けて対向させて配置し、4筋のラビリンス通路16を形成したラビリンスシールを示すものである。
上記した第2、第3実施形態のラビリンスシールは、いずれも実施形態1の場合と同様に転がり軸受1の外輪回転による遠心力で接触シールされ、転がり軸受1の回転時および非回転時のいずれでも第1実施形態と同等または、より優れたシール性を発揮できる。
また、図5に示す第4実施形態のプーリユニット用シール付き転がり軸受は、上記1以上の円環状リップのうち、径方向最外側に配置された副サイドリップ15が、基部15aより先端部15bの径方向の厚みを徐々にまたは段階的に厚く形成されたものであり、先端部15bが基部15aに比べて肉厚に形成されている。
このように構成された第4実施形態は、転がり軸受の回転状態で副サイドリップ15の基部15aより肉厚で質量の大きい先端部15bに大きな遠心力が作用するから、回転速度に応じて比較的低速での回転でもラビリンス隙間を閉じるように先端部15bが弾性変形しやすく、軸受空間の両端開口は回転速度に良く対応して弾性変形し、確実にシール作用を発揮する。
また、図6に示す第5実施形態のプーリユニット用シール付き転がり軸受は、外向きフランジ7bの屈曲部7cの内側面が、折り曲げ角度θが90°未満のテーパー面で形成されたものである。
このように構成される第5実施形態では、転がり軸受が回転を停止したときに、弾性シール部材8とスリンガ7との間に浸入し溜まった水などの液体が、屈曲部7cと副サイドリップ8dとの間のラビリンス隙間を下向きの流路として流下し、転がり軸受外に効率よく排出できる。
上記排水作用を確実にするように、折り曲げ角度θは、できるだけ上記流路を曲げない小さな角度であることが好ましいが、一方、シール性を高めるには、転がり軸受の外輪回転による遠心力が、比較的小さくても接触シール性は効率よく高められる必要性もあり、そのためには、45°を目安にし、例えば30〜60°程度の折り曲げ角度θであることが好ましい。
また、上記した実施形態1〜5では、スリンガ7の円筒部7aの外径面に対して非接触のラジアルリップ8bを形成したものを示したが、このようなラジアルリップ8bからなる円環状リップについても円筒部7aに弾性接触させたものであっても良い。
なお、上記した実施形態では、玉軸受として単列の玉軸受の場合を示したが、シール性に支障のない範囲であれば、複列の玉軸受や、単列の玉軸受を複数個、例えば2列で使用する形態などを採用してもよい。
上記した実施形態は、いずれもプーリユニットなどの「遠心力による耐水性の低下」、という従来技術における課題を解決できるものであり、外輪回転で使用される転がり軸受の遠心力による締め代の減少にも拘わらず、自動車の過酷な使用環境における泥水その他の異物浸入を確実に防御できるプーリユニット用シール付き転がり軸受になる。
1 シール付き転がり軸受
2 外輪
2a シール取付溝
3 内輪
4 プーリ
5 ベルト案内輪
6 ボス部
7 スリンガ
7a、9a 円筒部
7b 外向きフランジ
7c 屈曲部
7d 内側面
8、20 弾性シール部材
8a 嵌合部
8b ラジアルリップ
8c、21 サイドリップ
8d、15 副サイドリップ
9 芯金
10 ボール
11、14 突条
12、16 ラビリンス通路
13 角溝部
15a 基部
15b 先端部

Claims (7)

  1. 外輪回転の転がり軸受(1)の外輪(2)と内輪(3)間に形成された軸受空間の両端開口のそれぞれをシールするシール部材が、前記内輪(3)の外径面端部に固定された円筒部(7a)の外側端部に外向きフランジ(7b)を設けてスリンガ(7)と、このスリンガ(7)の前記外向きフランジ(7b)より軸方向内側に配置され前記外輪(2)の内径面の両端部に外周部が固定された円環状の弾性シール部材(8)とを備えるものであり、前記弾性シール部材(8)の前記スリンガ(7)に対向する面に2以上の円環状リップを設けて前記スリンガ(7)に弾性接触させるプーリユニット用シール付き転がり軸受(1)において、
    前記外向きフランジ(7b)の周縁を内側に向けて折り曲げた屈曲部(7c)の内側面(7d)と最外側に配置した円環状リップの外側面との間に、前記転がり軸受(1)の外輪回転による遠心力で接触可能な隙間シール を設けたことを特徴とするプーリユニット用シール付き転がり軸受(1)。
  2. 上記隙間シールが、上記屈曲部(7c)の内側面(7d)に対向する上記円環状リップの外側面に突条(11,14)を有することでラビリンスを形成するものである請求項1に記載のプーリユニット用シール付き転がり軸受(1)。
  3. 上記最外側に配置した円環状リップが、基部(15a)より先端部(15b)の厚みの厚い円環状リップである請求項1または2に記載のプーリユニット用シール付き転がり軸受(1)。
  4. 上記屈曲部(7c)の内側面(7d)が、折り曲げ角度90度未満のテーパー面である請求項1〜3のいずれかに記載のプーリユニット用シール付き転がり軸受(1)。
  5. 上記2以上の円環状リップのうち、少なくとも1つが前記弾性シール部材(8)の外側面から外方に向けて延びて先端部が前記スリンガ(7)の外向きフランジ(7b)に弾性接触するサイドリップ(8c)である請求項1〜4のいずれかに記載のプーリユニット用シール付き転がり軸受(1)。
  6. 上記弾性シール部材(8)が、ニトリルゴム、アクリルゴムまたはフッ素ゴムからなる弾性シール部材である請求項1〜5のいずれかに記載のプーリユニット用シール付き転がり軸受(1)。
  7. 上記転がり軸受(1)が、自動車エンジンのベルト伝動装置におけるプーリユニット用シール付き転がり軸受である請求項1〜6のいずれかに記載のプーリユニット用シール付き転がり軸受(1)。
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