JP2018017264A - シール付き転がり軸受 - Google Patents

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Kazuhiro Watanabe
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Abstract

【課題】外輪回転で使用される転がり軸受の遠心力による締め代の減少、例えば自動車の過酷な使用環境における泥水その他の異物浸入を防御できるシール付き転がり軸受を提供する。【解決手段】転がり軸受1の外輪2と内輪3の間に形成された軸受空間の両端開口のそれぞれをシール部材によりシールし、このシール部材は、環状の弾性シール部材8を外輪の内径面における両端部に外周部を支持して設け、スリンガ7の外向きフランジ7bに弾性接触するアキシャルリップ8bを設けると共に、スリンガの円筒部7aの外径面に対して弾性接触するラジアルリップ8cを設け、アキシャルリップの先端の摺動部には、径方向に交差する向きに複数の溝13を、弾性シール部材8の環状の周方向に間隔を空けて形成する。【選択図】図1

Description

この発明は、転がり軸受の内部に、水、泥、塵埃などの異物の浸入を防止可能なシール付き転がり軸受に関するものである。
一般に、転がり軸受の使用状態で水、泥、塵埃などの異物に接触しやすい場合の例として、自動車のエンジン付近のベルト伝動装置へ組み込まれている転がり軸受があり、このような転がり軸受には、外部から飛来してくる水や泥水等の異物が軸受内部に入り込み易く、その異物の浸入によって転がり軸受の本来の機能が早期に損なわれることがある。
そのような転がり軸受の使用例を具体的に説明すると、自動車のエンジン付近等でオルタネータやコンプレッサ等の補機を駆動するベルト伝動装置においては、アイドラプーリによってベルトの移動を案内し、あるいは油圧式オートテンショナによりテンションプーリをベルトに押し付けてベルトの張力変動を吸収するようにしており、このようなアイドラプーリやテンションプーリは、ボス部の内径側に組み込まれ、ユニット化されて外輪回転する転がり軸受で支持されている。
上記転がり軸受の耐水性を向上させるためには、シール付き転がり軸受が採用されている。
シール付き転がり軸受に採用される基本的なシール構造は、例えばリング状シールの内周部に設けられたリップを内輪外径面の環状溝の溝縁部に弾性接触させ、その締め代により外部からの水の浸入を防止する構造であるが、上記の締め代を大きくし過ぎると、軸受の回転トルクを増加させてしまうので、充分に締め代を大きくできず、結果的に軸受内への水の浸入を完全に防止することはできなかった。
例えば特許文献1、2に記載されるように、転がり軸受の両側にスリンガを設けることにより、耐水性の向上を図ったものもある。ただし、上記スリンガの外周部は、回転する外輪の側面に対して非接触の状態であって隙間を有するから、この隙間から外部の水や異物が浸入することがあり、スリンガにシールリップを接触させる接触形の軸受シールを設ける必要がある。
また近年の自動車は、国外での様々な使用状態も想定して製造することが求められ、特に悪路での耐水性の要求も高くなっており、シール性の向上が求められている。
特許文献2に記載されたシール付き転がり軸受は、主シールリップを内輪の端部に形成された段差部のアキシャル方向端部に弾性接触させ、副シールリップも併用して2重のシール構造によって「締め代」を増やして耐水性を向上させている。
すなわち、図6に示す従来の転がり軸受には、スリンガ7を弾性シール部材20の外側に配置することによって、泥水などがリップに直接掛からない構造とし、弾性シール部材20にアキシャルリップ21を設けてスリンガ7と接触させ、外部から洗浄水等の強い圧力が加えられた場合には、アキシャルリップ21がスリンガ7に強く押しつけられることによって水等の浸入を防ぐ構造を有している。
特開2009−216138号公報 特開2009−216139号公報
しかし、上記した従来のシール構造を備えた転がり軸受は、ベルトを介して外輪回転で使用されるときに、アキシャルリップ21に強い遠心力が図6中の矢印で示す方向に作用すると、アキシャルリップ21やシールリップ22は、外輪側に近づくように弾性変形し(図中、鎖線で示す)、シールの「締め代」、すなわちリップの接触面積が減少して耐水性が低下するという問題がある。
この問題への対処として、アキシャルリップ21の接触面積を増大させれば、アキシャルリップ21の内側に密閉された空間の内圧が高まりやすくなり、シールリップ22と円筒部7aとの摺動抵抗は増大して軸受の回転トルクは増加してしまう。また、アキシャルリップ21の内側に、泥や塵埃などが一旦浸入すると、接触面積を増大させたアキシャルリップ21より外側には排出され難いという問題点もある。
また、シール構造にできるだけ遠心力が作用しないようにするために、スリンガ7の円筒部7aに弾性接触するシールリップ22、ラジアルリップ23を設けることが好ましい。
しかし、図6に示すシールリップ22およびラジアルリップ23のうち、外向きフランジ7bに近いシールリップ22は、遠心力で外輪側に近づくように広がりやすく、シール性が低下してしまう可能性がある。
また、図7に示すように、外輪回転で使用されるシール付き転がり軸受の代表例であるプーリ用軸受には角振れが発生することがあり、内・外輪間の間隔LとLも角振れ量(θ)に対応して変化し、これらに対応するように予めサイドリップの締め代を設定することは容易でない。
そこで、この発明の課題は、上記した従来技術における問題点を解消し、スリンガにリップを接触させる接触形の軸受シールを有するシール付き転がり軸受において、特に外輪回転で使用される転がり軸受の遠心力による締め代の減少、例えば自動車の過酷な使用環境における泥水その他の異物浸入を防御すると共に、たとえ異物がシールリップ内側に浸入してもその排除が容易にできるシール付き転がり軸受とすることである。
上記の課題を解決するために、この発明においては、外輪回転の転がり軸受の外輪と内輪間に形成された軸受空間の両端開口のそれぞれをシール部材によりシールし、前記シール部材が、前記内輪の外径面端部に固定された円筒部の外側端部に外向きフランジが設けられた断面L形のスリンガと、前記外輪の内径面における両端部に外周部が支持され、内周部に内向き傾斜部が設けられた円環状の弾性シール部材とを有し、前記弾性シール部材の前記スリンガと対向する面に1以上のリップを設け、そのリップの1以上を前記スリンガに圧接させた転がり軸受において、圧接された前記リップの先端の摺動部に、径方向に交差する向きに1以上の溝を形成し、この溝はスリンガとの前記圧接による弾性変形で閉塞する溝であることを特徴とするシール付き転がり軸受としたのである。
上記したように構成されるこの発明のシール付き転がり軸受は、外輪の内径面によって外周部が支持される弾性シール部材に1以上のリップを設け、そのリップの1以上を内輪の外径面端部に圧入したスリンガに弾性接触させることにより、上記スリンガによって弾性シール部材を保護することができ、飛来してくる異物の衝突によって弾性シール部材が損傷することを防止できる。
また、リップによって、水などの異物が外部から軸受内部への浸入を防止することができ、しかも、リップのそれぞれはスリンガに対する接触等によって水密性を確保するため、内輪に精度の高い加工を施すことなく水等の異物の浸入防止とすることができる。
上記圧接されたリップの先端の摺動部には、径方向に交差する向きに1以上の溝を有し、この溝はスリンガとの圧接による弾性変形によって閉塞する形態(幅、深さ)の溝である。
上記溝は、転がり軸受の非使用時にリップ先端がスリンガに圧接して弾性変形している状態では、溝は軸の径方向から加わる圧力で径方向に閉塞して外部からの水などの異物の浸入が防止される。
また、転がり軸受の外輪が回転する使用状態では、リップに作用する遠心力でスリンガに対する圧接力は弱まるから、溝幅は開いてリップ表裏面に通路が開通し、使用前から軸受空間内に浸入していた水等の飛沫や粉塵等の異物があっても、遠心力によって溝を経由して外部に排出できる。
また、上記の異物には、プーリの回転時に軸の径方向からの遠心力と共に回転方向に慣性力が作用し、それらの合力が作用する。このとき、異物が速やかに溝から排出されるように、上記溝の形態は、回転する軸受の軸心から放射状または放射曲線状に配置された溝であることが好ましい。特に、後者の場合は、遠心力を受けた異物が移動する方向に沿って溝が配置されるので、異物は、より排出されやすい。
この発明のシール付き転がり軸受は、例えば上記1以上のリップが、前記弾性シール部材の外側面から外方に向けて延びて先端部を前記スリンガの外向きフランジに弾性接触させるアキシャルリップと、前記傾斜部から内輪方向に延びて先端部が前記スリンガの円筒部の外径面に弾性接触するラジアルリップとからなるものであっても良い。
その場合、少なくともアキシャルリップの先端の摺動部に、径方向に交差する向きに1以上の溝を形成することにより、上記の溝に依る異物の排出作用が奏されるので、「遠心力による耐水性の低下」、「角振れ量に対応するサイドリップの締め代の設定困難性」という問題が解消され、外輪回転で使用される転がり軸受の遠心力による締め代の減少、および自動車の過酷な使用環境における泥水その他の異物浸入を確実に防御できるシール付き転がり軸受になる。
また、この発明のシール付き転がり軸受は、上記1以上のリップが、前記弾性シール部材の外側面から外方に向けて延びて先端部が前記スリンガの外向きフランジに弾性接触するアキシャルリップと、前記傾斜部から内輪方向に延びて先端部が前記スリンガの円筒部の外径面に対して微小間隔を空けて非接触のラジアルリップとからなる構成を備えるものであっても、アキシャルリップによる外部からの異物浸入の防除作用と、転がり軸受内部に通常保持されているグリースの漏えいを前記微小間隔で防止すると共に、グリースで閉塞された微小間隔は水等に対するシール作用があるから、上記同様の作用効果が奏される。
弾性シール部材は、リップがスリンガと接触回転するため、柔軟性および耐摩耗性に優れたゴムで形成することが好ましく、そのようなゴムとして、ニトリルゴム、アクリルゴムまたはフッ素ゴムからなる弾性シール部材が挙げられる。
このような作用が効果的であるシール付き転がり軸受の用途としては、自動車エンジンのベルト伝動装置におけるプーリユニット用のシール付き転がり軸受であることが好ましい。
この発明は円環状の弾性シール部材のスリンガと対向する面に1以上のリップを設けてスリンガに圧接させ、前記リップの摺動部には、径方向に交差する向きに1以上の溝を形成し、この溝はスリンガとの前記圧接による弾性変形で閉塞させた溝としたことにより、転がり軸受の非使用時に、リップの先端がスリンガに圧接して溝内の通路は弾性変形により閉塞して外部から水などの異物の浸入が防止され、たとえ異物がリップの内側に浸入しても、スリンガに対する圧接力が遠心力で弱まったときに、溝は開いて軸受空間内の異物は外部に排出される。そのため、外輪の回転する転がり軸受のシール性の低下は防止され、自動車などの過酷な使用環境における泥水その他の異物の軸受内への浸入やシール内側の異物の滞留を確実に防止できるシール付き転がり軸受となる利点がある。
実施形態のシール付き転がり軸受の使用状態を示す断面図 実施形態に用いる弾性シール部材の斜視図 (a)シール付き転がり軸受の非使用時を説明する要部拡大断面図、(b)シール付き転がり軸受の使用時を説明する要部拡大断面図 (a)シール付き転がり軸受の非使用時を説明する弾性シール部材の要部拡大図、(b)シール付き転がり軸受の使用時を説明する弾性シール部材の要部拡大図 第2実施形態の断面図 従来例の断面図 角振れ現象を説明する転がり軸受の断面図
この発明の実施形態を、以下に添付図面に基づいて説明する。
図1〜4に示すように、第1実施形態のシール付き転がり軸受1は、外輪2、内輪3、その両輪2、3間に組み込まれた転動体としてのボール10を有する玉軸受からなり、ボール10の外側にシール部材が組み込まれ、外輪2と内輪3の対向面間に形成された軸受空間の両端開口がシールされている。
プーリユニットに使用されたシール付き転がり軸受1は、プーリ4のベルト案内輪5の内側に設けられたボス部6の内側に外輪回転する状態に組み込まれている。
シール部材は、スリンガ7と弾性シール部材8とからなり、断面L形で円筒部7aの外側端部に外向きフランジ7bが設けられたスリンガ7の円筒部7aを内輪3の外径面端部に圧入して固定し、内周部に内向きの傾斜部8aが設けられた環状の弾性シール部材8は外輪2の内径面における両端部に外周部が支持されている。
そして、弾性シール部材8のスリンガ7と対向する面に、弾性シール部材8の外側面から外方に向けて延びて先端部がスリンガ7の外向きフランジ7bに弾性接触するようにアキシャルリップ8bを設け、さらに傾斜部8aから径方向に延びて先端部がスリンガ7の円筒部7aの外径面に対して弾性接触するラジアルリップ8cとシールリップ8dを設けている。
図3(a)に示すシール部材は、内輪3の外径面端部に装着されたスリンガ7と、そのスリンガ7の内側に設けられた弾性シール部材8とからなる。
スリンガ7は、円筒部7aの一方の端部に外向きフランジ7bを設けた鋼板のプレス成形品からなり、円筒部7aが内輪3の外径面端部に圧入した状態で固定されている。
弾性シール部材8は、全体が略円環状の形態であり、軸心を共有する環状の芯金11で補強されている。弾性シール部材8の外周部には芯金11の外周に形成された円筒部11aを覆うようにして嵌合部8eが設けられ、その嵌合部8eが外輪2の内径面端部に形成されたシール取付溝2aに圧入されて外周部が外輪2に支持されている。
また、弾性シール部材8の内周部には内向きの傾斜部8aが形成されている。弾性シール部材8の外側面には、斜め外側方に向く傾斜状のアキシャルリップ8bが設けられ、そのアキシャルリップ8bの先端部がスリンガ7の外向きフランジ7bの内側面に弾性接触し、溝13による流路が閉じられた状態で弾性シール部材8と外向きフランジ7bの対向部間をシールしている。
一方、弾性シール部材8の傾斜部8aの内周にはラジアルリップ8cとシールリップ8dが設けられている。一対のラジアルリップ8cとシールリップ8dのそれぞれは外側方に向けて内向き傾斜し、その先端部がスリンガ7における円筒部7aの外径面に弾性接触して、円筒部7aと傾斜部8aの間をシールしている。
また、アキシャルリップ8bおよびラジアルリップ8c、シールリップ8dのそれぞれはスリンガ7の外向きフランジ7bの内側面および円筒部7aの外径面に弾性接触して対向部間をシールするものであり、柔軟性および耐摩耗性に優れたゴムで形成するのが好ましい。そのようなゴムとしては、ニトリルゴム、アクリルゴム、フッ素ゴムを例示できる。
上記したアキシャルリップ8bは、1つだけ形成されているが、2以上の複数のリップが同心円状に多重に形成された形態であっても良い。
図2〜4に示すように、このようなアキシャルリップ8bの先端の摺動部には、径方向に交差する向きに複数の溝13を、弾性シール部材8の環状の周方向に間隔を空けて形成し、これらの溝13の大きさ(溝幅と深さ)は、スリンガ7(図3(a)参照)との圧接による素材の材質に応じた弾性変形によって閉塞可能な程度に設定されている。
溝13は、円環状の弾性シール部材8の軸心から放射曲線状に径方向に対して交差する斜め向きに配置され、複数の溝13は周方向に等間隔で配置している。
この溝13は、転がり軸受の非使用時に非回転状態で(図2、図3(a)、図4(a)参照)、アキシャルリップ8bがスリンガ7に圧接して弾性変形している状態であり、弾性変形によりアキシャルリップ8bとスリンガ7との接触面積が増えることで、溝13の内径方向の、溝が無いアキシャルリップ8bの部位でもスリンガ7と接触する。その結果、溝13の流路が閉じられ、軸受外部からの水などの異物の浸入が防止される。
他にも、非使用時に非回転の状態、すなわちアキシャルリップ8bがスリンガ7に圧接して弾性変形している状態において、先端縁に形成された溝13の対向する溝壁面同士が軸の径方向から加わる圧力で互いに密接した状態になり、溝13の流路は閉じられ、軸受外部からの水などの異物の浸入が防止されるようにしても良い。
また、転がり軸受の外輪が回転している使用状態では(図3(b)、図4(b)参照)、アキシャルリップ8bに作用する遠心力でスリンガ7に対する圧接力は弱まり、素材の弾性力で溝13の流路は開いて、溝13は径方向に対して交差する方向に開通し、軸受空間内に浸入している水等の異物があれば、これを遠心力によって溝13から弾性シール部材8の外、さらには軸受外に排出することができる。
図示した溝13は、軸受の軸心から放射曲線状に広がるように配置されており、上記作用によって、円滑に異物が排出されやすい方向に溝13を配置しているが、特に溝13の壁面は円曲面状でなく、例えば平面状であって放射状に配置された溝(図示せず)であっても良い。
このような軸受の軸心から放射曲線状に広がる溝13は、転がり軸受1の軸心に近い溝端部を外輪2の回転する方向に傾けて配置することが、遠心力を受けた水などの異物をできるだけ速やかに排出するために好ましい。
外輪2の内径面に外周の嵌合部8eが保持される弾性シール部材8は、アキシャルリップ8bおよび一対のラジアルリップ8c、シールリップ8dのそれぞれをスリンガ7の外向きフランジ7bおよび円筒部7aの外径面に弾性接触させることにより、スリンガ7と弾性シール部材8の間隙を液密にシールしている。
前述した溝13は、少なくともアキシャルリップ8bに形成しておけばよいが、必要に応じてラジアルリップ8cやシールリップ8dに併せて形成しても良い。
なお、上記した実施例では、玉軸受として単列の玉軸受の場合を示したが、シール性に支障のない範囲であれば、複列の玉軸受や、単列の玉軸受を複数個、例えば2列で使用する形態などとしてもよい。
次に、図5に示すこの発明の第2実施形態は、第1実施形態と略同様な形態の弾性シール部材12のラジアル方向のシールが、リップの弾性接触性を利用するものではなく、弾性シール部材12における内向きの傾斜部12aの先端部12cを内輪3に向かって突出させ、その先端部12cをスリンガ7の円筒部7aの外径面に対してグリースの流動を阻止できる程度の微小な間隙dを介して対向させたものである。
このような微小な間隙dであれば、アキシャルリップ12bによって、予め、水や自動車の速度によって比較的高速で飛散する前記粒子状の異物の浸入が防除され、直接に吹き付けられるようなことがないため、転がり軸受の内部に保持されているグリースの流動による漏洩を阻止できる機能があれば良く、水滴などの非加圧の水等の浸入も防止される。
上記した実施形態は、いずれもプーリユニットなどの「遠心力による耐水性の低下」、「角振れ量に対応するサイドリップの締め代の設定困難性」という従来技術における課題を解決できるものであり、外輪回転で使用される転がり軸受の遠心力による締め代の減少、自動車の過酷な使用環境における泥水その他の異物浸入を確実に防御できるシール付き転がり軸受になる。
1 転がり軸受
2 外輪
2a シール取付溝
3 内輪
4 プーリ
5 ベルト案内輪
6 ボス部
7 スリンガ
7a 円筒部
7b 外向きフランジ
8、12、20 弾性シール部材
8a、12a 傾斜部
8b、12b、21 アキシャルリップ
8c、23 ラジアルリップ
8d、22 シールリップ
8e 嵌合部
10 ボール
11 芯金
11a 円筒部
12c 先端部
13 溝
d 間隙

Claims (6)

  1. 外輪回転の転がり軸受の外輪と内輪間に形成された軸受空間の両端開口のそれぞれをシール部材によりシールし、前記シール部材が、前記内輪の外径面端部に固定された円筒部の外側端部に外向きフランジが設けられた断面L形のスリンガと、前記外輪の内径面における両端部に外周部が支持され、内周部に内向き傾斜部が設けられた円環状の弾性シール部材とを有し、前記弾性シール部材の前記スリンガと対向する面に1以上のリップを設け、そのリップの1以上を前記スリンガに圧接させた転がり軸受において、
    圧接された前記リップの先端の摺動部に、径方向に交差する向きに1以上の溝を形成し、この溝はスリンガとの前記圧接による弾性変形で閉塞する溝であることを特徴とするシール付き転がり軸受。
  2. 上記1以上のリップが、前記弾性シール部材の外側面から外方に向けて延びて先端部が前記スリンガの外向きフランジに弾性接触するアキシャルリップと、前記傾斜部から内輪方向に延びて先端部が前記スリンガの円筒部の外径面に弾性接触するラジアルリップとからなる請求項1に記載のシール付き転がり軸受。
  3. 上記1以上のリップが、前記弾性シール部材の外側面から外方に向けて延びて先端部が前記スリンガの外向きフランジに弾性接触するアキシャルリップと、前記傾斜部から内輪方向に延びて先端部が前記スリンガの円筒部の外径面に対して微小間隔を空けて非接触のラジアルリップとからなる請求項1に記載のシール付き転がり軸受。
  4. 上記弾性シール部材が、ニトリルゴム、アクリルゴムまたはフッ素ゴムからなる弾性シール部材である請求項1〜3のいずれかに記載のシール付き転がり軸受。
  5. 上記溝は、円環状の弾性シール部材の軸心から放射状または放射曲線状に配置された複数の溝である請求項1〜4のいずれかに記載のシール付き転がり軸受。
  6. 上記シール付き転がり軸受が、自動車エンジンのベルト伝動装置におけるプーリユニット用のシール付き転がり軸受である請求項1〜5のいずれかに記載のシール付き転がり軸受。
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