JP6777464B2 - プーリユニット - Google Patents

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Description

この発明は、自動車のエンジンのタイミングベルトや補機ベルトなどのベルト伝動装置に用いるプーリおよびそれを回転自在に支持する転がり軸受からなるプーリユニットに関するものである。
通常、オルタネータやコンプレッサ等の自動車補機を駆動するベルト伝動装置においては、アイドラプーリによってベルトの移動を案内し、あるいは、油圧式オートテンショナによりテンションプーリをベルトに押し付けてベルトの張力変動を吸収するようにしている。アイドラプーリやテンションプーリは、ボス部の内径側に組み込まれてユニット化された転がり軸受によって回転自在に支持されている。
ところで、転がり軸受を有するプーリユニットが自動車のエンジンのタイミングベルトや補機ベルトなどのベルト伝動装置への組み込まれている状態においては、転がり軸受の外部から飛来してくる泥水等の異物が軸受内部に入り込み易く、その異物の浸入によって転がり軸受の本来の機能が早期に損なわれることがある。
上記プーリユニットの耐水性を向上させるためには、シール付きの転がり軸受が採用されている。
シール付きの転がり軸受に採用される基本的なシール構造は、例えばリング状シールの内周部に設けられたリップを内輪外径面に弾性接触させ、その締め代により外部からの水の浸入を防止する構造であるが、上記の締め代を大きくし過ぎると、軸受の回転トルクを増加させてしまうので、充分に締め代を大きくできず、結果的に軸受内への水の浸入を完全に防止することはできなかった。
また、例えば特許文献1、2に記載されるように、プーリ本体を回転自在に支持する軸受の両側にスリンガを設けることにより、プーリ用軸受装置の耐水性の向上を図ったものもある。
ただし、上記スリンガの外周部は、プーリ本体と共に回転する外輪の側面に対して非接触の状態であって隙間を有するから、この隙間から外部の水や異物が浸入することがあり、スリンガにシールリップを接触させる接触形の軸受シールを設ける必要がある。
特許文献2に記載されたスリンガ付きの軸受用密封装置は、主シールリップを内輪の端部に形成された段差部のアキシャル方向端部に弾性接触させ、副シールリップも併用して2重のシール構造によって「締め代」を増やして耐水性を向上させている。
また、図7および図3(a)を利用して説明すると、特許文献3に記載されるプーリユニットは、スリンガ7を弾性シール部材8の外側に配置することによって、泥水などがリップに直接掛からない構造であり、弾性シール部材8にアキシャルリップ8bを設けてスリンガ7と接触させ、外部から洗浄水等で強い圧力が加えられた場合には、アキシャルリップ8bがスリンガにより押しつけられることによって水等の浸入を防ぐ構造を有している。
また、図7に示すように、プーリ軸20のフランジ21と転がり軸受の内輪6とで環状のダストカバー22の内周部を両側から挟持して、そのダストカバー22で転がり軸受の一側面およびボス部3の一端部外周を覆うようにしている。
特開2009−216138号公報 特開2009−216139号公報 特開2015−194172号公報
しかし、図7および図3(b)に示すように、上記シール構造を備えたプーリ用転がり軸受は、ベルトを介して外輪回転で使用されて転がり軸受が回転し、アキシャルリップ8bに強い遠心力が作用すると、アキシャルリップ8bは外輪側に引っ張られるように変形し、シールの「締め代」、すなわち接触面積が減少して耐水性が低下するという問題がある。
また、アキシャルリップ8bにできるだけ遠心力が作用しないようにするためには、アキシャルリップ8bはスリンガ7の円筒部7aにできるだけ近い位置でシールすることが好ましい。
しかし、そのように対応したとしても、図8に示すように、プーリ用軸受には角振れが発生することがあり、角振れ量は外輪側の方が大きく、内・外輪間の間隔LとLも角振れ量(θ)に対応して変化し、これらに対応するように予めサイドリップの締め代を設定することは相当に困難である。
また、従来のダストカバー22(図7参照)は、軸受の内輪6に取り付けられているため、回転する外輪5と固定された内輪6との間に形成される軸受空間を密閉できるものではなかった。
そこで、この発明の課題は、上記した従来技術における問題点を解消し、スリンガにリップを接触させる接触形の軸受シールを有するプーリユニットにおいて、外輪回転で使用される転がり軸受の遠心力による締め代の減少、および自動車の過酷な使用環境における泥水その他の異物浸入を確実に防御できるプーリユニットとすることである。
上記の課題を解決するために、この発明においては、ベルト案内輪の内側にボス部が設けられたプーリと、前記ボス部の内側に組み込まれた外輪回転用の軸受とを有し、前記軸受の外輪と内輪間に形成された軸受空間の両端開口のそれぞれをシール部材によりシールし、前記シール部材が、前記内輪の外径面端部に固定された円筒部の外側端部に外向きフランジが設けられた断面L形のスリンガと、前記外輪の内径面における両端部に外周部が支持され、内周部に内向き傾斜部が設けられた弾性シール部材とを有し、前記弾性シール部材の前記スリンガと対向する面に1以上のリップを設け、そのリップの1以上を前記スリンガに弾性接触させたプーリユニットにおいて、前記軸受端面を液密に覆うダストカバーを、前記プーリと一体に設けたプーリユニットとしたのである。
上記したように構成されるこの発明のプーリユニットは、スリンガにリップを接触させる接触形の軸受シールを有するものであるが、軸受端面を液密に覆うダストカバーをプーリと一体に設けたことにより、プーリユニットの使用環境で存在する可能性がある水、泥、埃などの液体または粉塵などの粒子状の異物に対し、ダストカバーによって軸受端面は液密に覆われることにより、前記軸受の外輪と内輪間に形成される軸受空間に異物が浸入しない。
上記ダストカバーは、プーリと一体に設けられて軸受端面を液密に覆うものであるから、シール性を確保するために軸受の内輪やスリンガに接触させる必要はなく、したがって軸受との接触により軸受トルクを高めることがない。また上記ダストカバーは、上記同様の理由により、角振れ量(プーリ軸方向傾き量)が大きくてもシール性が低下しない。
弾性シール部材のスリンガと対向する面に1以上のリップを設けて、そのリップの1以上を前記スリンガに弾性接触させる構造のプーリユニットは、上記ダストカバーによって「遠心力による耐水性の低下」、「角振れ量に対応するサイドリップの締め代の設定困難性」という問題が解消され、外輪回転で使用される転がり軸受の遠心力による締め代の減少、および自動車の過酷な使用環境における泥水その他の異物浸入を確実に防御できるプーリユニットとなる。
また、この発明のプーリユニットは、例えば上記1以上のリップが、前記弾性シール部材の外側面から外方に向けて延びて先端部が前記スリンガの外向きフランジに弾性接触するアキシャルリップと、前記傾斜部から径方向に延びて先端部が前記スリンガの円筒部の外径面に対して微小間隔を空けて非接触のラジアルリップとからなる構成を備えるものでもダストカバーによって、上記した「遠心力による耐水性の低下」、「角振れ量に対応するサイドリップの締め代の設定困難」という問題を解消できる。
弾性シール部材は、リップがスリンガと接触回転するため、柔軟性および耐摩耗性に優れたゴムで形成するのが好ましく、そのようなゴムとして、ニトリルゴム、アクリルゴムまたはフッ素ゴムからなる弾性シール部材が挙げられる。
また、上記アキシャルリップは、プーリの使用時と非使用時に拘わらずに安定した耐水性を示すことが好ましく、そのためにはアキシャルリップの先端に、表裏面に跨って径方向に交差する向きに1以上の溝を有するものであり、この溝はスリンガとの圧接による弾性変形によって閉塞可能な形態(幅、深さ)の溝である。
すなわち、上記溝は、プーリの非使用時にアキシャルリップがスリンガに圧接して弾性変形している状態では、先端に形成された溝が軸の径方向から加わる圧力で径方向に交差する溝の対向する溝壁同士は近づくように弾性変形し、溝は塞がれて外部から水などの異物の浸入は防止される。
また、プーリの回転する使用状態では、アキシャルリップに作用する遠心力でスリンガに対する圧接力は弱まるから、溝は開通し、転がり軸受内の空間に浸入している水等の異物があったとしてもそれらは遠心力で溝から外部へ排出される。
また、飛沫や粉塵等の異物には、プーリの回転時に回転方向に慣性力が作用するので、できるだけ速やかに異物が溝から排出されるように、上記溝は、回転する軸受の軸心から放射状または放射曲線状に配置された溝であることが好ましい。
このような作用が効果的であるプーリユニットの用途としては、上記プーリユニットが、自動車エンジン用のプーリユニットであり、その場合において、前記ダストカバーを設ける前記軸受端面は、反エンジン側の軸方向端面であることが効果的であり好ましい。
この発明は、スリンガにリップを接触させる接触形の軸受シールを有するプーリユニットにおいて、軸受端面を液密に覆うダストカバーを、前記プーリと一体に設けたことにより、プーリユニットの使用環境で存在する可能性の高い水、泥、埃などの液体または粉塵などの粒子状の異物は、軸受空間には浸入せず、上記ダストカバーは、軸受に接触させる必要がなく軸受トルクを高めず、遠心力によるシール性の低下がないので、外輪回転で使用される転がり軸受の遠心力による締め代の減少、および自動車の過酷な使用環境における泥水その他の異物浸入を確実に防御できるプーリユニットとなる利点がある。
実施形態のプーリユニットの断面図 実施形態のプーリユニットの斜視図 (a)プーリ非使用時のシール部材を説明する図1の要部拡大断面図、(b)プーリ使用時のシール部材を説明する図1の要部拡大断面図 第2実施形態におけるシール部材を説明する要部拡大断面図 第3実施形態におけるシール部材の平面図 図5の一部を拡大して示す平面図 従来例のプーリユニットの断面図 角振れ現象を説明するプーリ用軸受の断面図
この発明の実施形態を、以下に添付図面に基づいて説明する。
図1〜3に示すように、第1実施形態は、プーリ1のベルト案内輪2の内側にボス部3が設けられ、ボス部3の内側に外輪回転用の転がり軸受4が組み込まれたプーリユニットであり、転がり軸受4の外輪5と内輪6の間に形成された軸受空間の両端開口のそれぞれをシール部材によりシールしている。
このシール部材は、断面L形で円筒部7aの外側端部に外向きフランジ7bが設けられたスリンガ7の円筒部7aを内輪6の外径面端部に圧入して固定し、内周部に内向きの傾斜部8aが設けられた環状の弾性シール部材8を外輪5の内径面における両端部に外周部を支持して設け、この弾性シール部材8のスリンガ7と対向する面に、弾性シール部材8の外側面から外方に向けて延びて先端部がスリンガ7の外向きフランジ7bに弾性接触するアキシャルリップ8bを設けると共に、傾斜部8aから径方向に延びて先端部がスリンガ7の円筒部7aの外径面に対して弾性接触するラジアルリップ8cを設け、さらに軸受端面を液密に覆うダストカバー9をプーリ1と一体に設けている。
プーリ1は、外径部にベルト案内輪2を有し、そのベルト案内輪2の内径面に環状フランジ1aが形成され、その環状フランジ1aの内径部にボス部3が設けられた樹脂の成形品からなり、ボス部3の一方の端部には内向きフランジ3aが設けられている。
ベルト案内輪2として、ここでは外径面が円筒面からなる平ベルト案内用のものを示したが、外径面に複数のV溝が形成されたVベルト案内用のものであってもよい。
転がり軸受4は、外輪5、内輪6、その両輪5、6間に組み込まれた転動体としてのボール10を有する玉軸受からなり、各列のボール10の外側にシール部材が組み込まれ、そのシール部材によって外輪5と内輪6の対向面間に形成された軸受空間の両端開口がシールされている。
なお、玉軸受として単列の玉軸受の場合を示したが、支障のない範囲で、複列の玉軸受や、単列の玉軸受を複数個、例えば2列で使用する形態などとしてもよい。
図3に示すように、シール部材は、内輪6の外径面端部に装着されたスリンガ7と、そのスリンガ7の内側に設けられた弾性シール部材8とからなる。
スリンガ7は、円筒部7aの一方の端部に外向きフランジ7bを設けた鋼板のプレス成形品からなり、円筒部7aが内輪6の外径面端部に圧入した状態に固定されている。
弾性シール部材8は、環状であり、同じく環状の芯金11で補強されている。弾性シール部材8の外周部には芯金11の外周に形成された円筒部11aを覆うようにして嵌合部8dが設けられ、その嵌合部8dが外輪5の内径面端部に形成されたシール取付溝5aに圧入されて外周部が外輪5に支持されている。
また、弾性シール部材8の内周部には、内向きの傾斜部8aが形成されている。弾性シール部材8の外側面には、斜め外側方に向く傾斜状のアキシャルリップ8bが設けられ、そのアキシャルリップ8bの先端部がスリンガ7の外向きフランジ7bの内側面に弾性接触し、弾性シール部材8と外向きフランジ7bの対向部間をシールしている。
一方、弾性シール部材8の傾斜部8aの内周には一対のラジアルリップ8c、8cが設けられている。一対のラジアルリップ8c、8cのそれぞれは、外側方に向けて内向き傾斜し、その先端部がスリンガ7における円筒部7aの外径面に弾性接触して、円筒部7aと傾斜部8aの間をシールしている。
また、アキシャルリップ8bおよびラジアルリップ8c、8cのそれぞれはスリンガ7の外向きフランジ7bの内側面および円筒部7aの外径面に弾性接触して対向部間をシールするものであり、柔軟性および耐摩耗性に優れたゴムで形成するのが好ましい。そのようなゴムとしては、ニトリルゴム、アクリルゴム、フッ素ゴムを例示できる。
図1に示すように、転がり軸受4はプーリ1のボス部3の内径面に圧入された際、上述の内向きフランジ3aによって軸方向に位置決めされている。
そして、外輪5の内径面に外周部が支持される弾性シール部材8は、アキシャルリップ8bおよび一対のラジアルリップ8c、8cのそれぞれをスリンガ7の外向きフランジ7bおよび円筒部7aの外径面に弾性接触させることにより、スリンガ7と弾性シール部材8の間隙を液密にシールしている。
さらに、図1、2に示すように実施形態のプーリユニットには、転がり軸受4の端面を液密に覆うように、円盤状のダストカバー9を、その円筒形のリム9aの部分をプーリ1のベルト案内輪2の一端部の内側に圧入してこれらを一体化している。
ダストカバー9は、金属製または合成樹脂製のものであることが好ましいが、水や泥または土埃などの粉塵、少なくとも水などの液体を通さない材質であれば、複合材料であっても良く、炭素繊維やガラス繊維などを用いた繊維強化樹脂、ゴム、その他の周知の液密性の素材を用いることができる。
このようなダストカバー9とプーリ1との一体化は、加締めや圧入による一体化された状態を図示したが、その他にも接着またはねじ結合、スナップ結合などに依る周知の固定手段による一体化であっても良い。
また、ダストカバー9のプーリ1に対する取り付け位置は、プーリ1のベルト案内輪2の一端部内側だけでなくてもよく、環状フランジ1aや、ボス部3に対して上記同様の固定手段によって取り付けることができる。
このようにしてダストカバー9を、前記プーリ1と一体に設けることにより、転がり軸受4の端面は液密に覆われ、外輪5と内輪6の間に形成される軸受空間に異物が浸入しない。このため、外部からの異物が弾性シール部材8のアキシャルリップ8bやラジアルリップ8c、8cに直接衝突することはなく、そのような異物の衝突によって弾性シール部材8が損傷することもない。
また、高圧洗浄水によってエンジンルームが洗浄される際、ダストカバー9の液密性によって、複数のリップ8b、8c、8cのそれぞれに対して、高圧洗浄水や、自動車の速度によって比較的高速で飛散する泥、埃などの液体または粉塵などの飛沫その他の粒子状の異物が直接に吹き付けられるようなことがないため、複数のリップ8b、8c、8cのそれぞれの弾性接触によって、前記飛沫や水などが軸受内部に浸入するのを確実に防止することができる。
次に、図4に示すこの発明の第2実施形態は、第1実施形態と略同様な形態の弾性シール部材12のラジアル方向のシールが、リップの弾性接触性を利用するものではなく、弾性シール部材12における内向きの傾斜部12aの内径面を内輪6に向かって突出させ、その先端部12cをスリンガ7の円筒部7aの外径面に対してグリースの流動を阻止できる程度の微小な間隙dを介して対向させたものである。
このような微小な間隙dであれば、それより外側に設置されるダストカバー9(図1参照)やアキシャルリップ12bによって、予め、高圧洗浄水や自動車の速度によって比較的高速で飛散する前記粒子状の異物の浸入は防除され、直接に吹き付けられるようなことがないため、転がり軸受の内部に保持されているグリースの流動による漏洩を阻止できる機能があれば良く、水滴などの非加圧の水等の浸入も防止される。
次に、図5、6に示す第3実施形態は、第1実施形態における環状の弾性シール部材8(図1参照)のアキシャルリップ8bの形態を変更し、それ以外は全く同様に構成したプーリユニットである。
第3実施形態の弾性シール部材13におけるアキシャルリップ13bは、その先端を切り欠いたように、先端に表裏面に跨って径方向に交差する向きに複数の溝13aを形成したものであって、軸受の軸心から広がる放射曲線に沿う溝13aを周方向に等間隔に形成したものであり、この溝13aの大きさ(溝幅と深さ)はスリンガ7(図3(a)参照)との圧接による弾性変形で閉塞可能であるように設定されている。
溝13aは、プーリの非使用時に非回転状態であるとき(図3(a)参照)、アキシャルリップ13bがスリンガ7に圧接して弾性変形している状態であり、このとき先端縁に形成された溝13aの対向する溝壁面同士が軸の径方向から加わる圧力で互いに接する状態になるので、溝13aの流路は塞がれて軸受外部からの水などの異物の浸入を防止できる。
また、プーリの回転する使用状態では(図3(b)参照)、アキシャルリップ13bに作用する遠心力でスリンガ7に対する圧接力は弱まるから、溝13aの流路は開いて径方向に対して交差する方向に貫通し、軸受空間内に浸入している水等の異物があっても、これを遠心力によって溝13aから弾性シール部材13の外側の軸受外に排出することができる。
図示した溝13aは、軸受の軸心から広がる放射曲線に沿うものであり、上記の作用によって、円滑に異物が溝13aから排出されやすい形状としたものである。
軸受の軸心から放射曲線状に広がる溝13aは、転がり軸受の軸心に近い溝端部を外輪5の回転する方向に傾けて配置することが、遠心力を受けた水などの異物をできるだけ速やかに排出するために好ましい。
上記した実施形態のプーリユニットは、いずれもプーリユニットの「遠心力による耐水性の低下」、「角振れ量に対応するサイドリップの締め代の設定困難性」という従来技術における課題を解決できるものであり、外輪回転で使用される転がり軸受の遠心力による締め代の減少、自動車の過酷な使用環境における泥水その他の異物浸入を確実に防御できるプーリユニットになる。
1 プーリ
1a 環状フランジ
2 ベルト案内輪
3 ボス部
3a 内向きフランジ
4 転がり軸受
5 外輪
5a シール取付溝
6 内輪
7 スリンガ
7a 円筒部
7b 外向きフランジ
8、12、13 弾性シール部材
8a、12a 傾斜部
8b、12b、13b アキシャルリップ
8c、13c ラジアルリップ
12c 先端部
8d、13d 嵌合部
13a 溝
9、22 ダストカバー
9a リム
10 ボール
11 芯金
11a 円筒部
20 プーリ軸
21 フランジ
22 ダストカバー
d 間隙

Claims (5)

  1. ベルト案内輪の内側にボス部が設けられたプーリと、前記ボス部の内側に組み込まれた外輪回転用の転がり軸受とを有し、前記転がり軸受の外輪と内輪間に形成された軸受空間の両端開口のそれぞれをシール部材によりシールし、前記シール部材が、前記内輪の外径面端部に固定された円筒部の外側端部に外向きフランジが設けられた断面L形のスリンガと、前記外輪の内径面における両端部に外周部が支持され、内周部に内向き傾斜部が設けられた弾性シール部材とを有し、前記弾性シール部材の前記スリンガと対向する面に1以上のリップを設け、そのリップの1以上が前記弾性シール部材の外側面から外方に向けて延びて先端部が前記スリンガの外向きフランジに弾性接触するアキシャルリップであるプーリユニットにおいて、
    前記軸受端面より外側を液密に覆うダストカバーを、前記プーリと一体に設け、前記アキシャルリップは、その先端に、表裏面に跨って径方向に交差する向きに1以上の溝を有するものであり、この溝はスリンガとの圧接による弾性変形で閉塞可能であり、前記プーリの回転状態ではアキシャルリップに作用する遠心力で前記スリンガに対する圧接力は弱まり開通する溝であることを特徴とするプーリユニット。
  2. 上記1以上のリップが、前記アキシャルリップと、前記傾斜部から内輪方向に延びて先端部が前記スリンガの円筒部の外径面に対して微小間隔を空けて非接触のラジアルリップとからなる請求項1に記載のプーリユニット。
  3. 上記弾性シール部材が、ニトリルゴム、アクリルゴムまたはフッ素ゴムからなる弾性シール部材である請求項1または2に記載のプーリユニット。
  4. 上記溝は、軸受の軸心から放射状または放射曲線状に配置された複数の溝である請求項1〜3のいずれかに記載のプーリユニット。
  5. 上記プーリユニットが、自動車エンジン用のプーリユニットであり、前記ダストカバーを設ける前記軸受端面は、反エンジン側の軸方向端面である請求項1〜のいずれかに記載のプーリユニット。
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