JP6754223B2 - フィルム製造装置及びフィルムの製造方法 - Google Patents
フィルム製造装置及びフィルムの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6754223B2 JP6754223B2 JP2016106708A JP2016106708A JP6754223B2 JP 6754223 B2 JP6754223 B2 JP 6754223B2 JP 2016106708 A JP2016106708 A JP 2016106708A JP 2016106708 A JP2016106708 A JP 2016106708A JP 6754223 B2 JP6754223 B2 JP 6754223B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- thickness
- film
- resin film
- coefficient
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Description
溶融押出法を実施するフィルム製造装置は、大きく分けて押出機側の装置及び機器と、それよりも下流のロール群によって構成されている。溶融押出法は、押出機側に装着されたTダイから樹脂をシート状に押し出し、下流のロール群で冷却し、必要に応じて延伸した後に巻き取る工程を有するものである。
溶融押出法では、得られる製品(樹脂フィルム)の特性を均一にするために、成形後の樹脂フィルムの特性を測定し、特性のバラつきに基づいて各工程の操作量を演算し、対象工程の操作にフィードバックすることが行われる。
特許文献1には、溶融押出法によって成形された樹脂フィルムの特性を測定し、測定されたフィルム特性に応じて押出機のスクリュー回転数や押出機及びギアポンプの温度を制御する方法及び装置が提案されている。
特許文献1には、成形後のフィルム特性のバラつきを均一化するためには、押出機の混練性向上やギアポンプの吐出精度安定化が重要である旨が記載されている。
また特許文献2では、PID制御における比例制御(P制御)のパラメータ(比例帯)が2以上に設定され、積分制御(I制御)のパラメータ(積分時間)が200以上に設定されている。
特許文献2では、P値(比例制御のパラメータ)とI値(積分制御のパラメータ)を上記した範囲に設定することで、配管内を流れる溶融樹脂の温度が急激に変化せず、Tダイに供給される溶融樹脂の温度が常に一定に保たれ、Tダイから吐出される吐出圧変動が安定するため、樹脂フィルムの流れ方向の厚みムラが抑制できると記載されている。
そのため樹脂フィルムの溶融押出においては、原料樹脂を溶融してTダイからシート状に押し出す押出機側の装置及び機器の各部の温度が、ON/OFF制御や比例制御、PID制御などによって制御される。
光学用途に使用されるフィルムを製造する際には、押出機側の装置及び機器の温度制御は、温度制御の精度が高いPID制御が多く用いられる。
そのため市販の温度調節計にはPIDパラメータのオートチューニング機能が搭載されていることが多い。フィルム製造装置の温度制御においても、各部の温度をPID制御する場合、PIDパラメータの設定は、温度調節計に搭載されたオートチューニング機能を利用して行われる場合が多い。
光学用途に使用される樹脂フィルムは要求品質が高いため、フィルム製造装置が設置される室内も空調され、室内が一定範囲の温度に保たれる場合が多い。即ち樹脂フィルムを製造する装置が設置される場所には、空調装置が備えられ、設置場所が一定の環境を保つように温度がコントロールされる。従って、フィルム製造装置は、通常の製造設備に比べて周囲の環境が安定している場合が多い。
例えば、押出機本体の高い温度によって生じる上昇気流によって室内の空気が流動し、室内の温度ばらつきが変動して溶融状態の樹脂が通過する流路を取り巻く環境の温度が変化してしまう場合がある。また空調装置のオンオフのタイミングや、周辺設備として備えられたのブロワ等の影響により、押出機直近の雰囲気温度が不規則に乱れてしまう場合がある。
しかしながら、オートチューニング機能で設定されたPIDパラメータが最適値ではないならば、樹脂の温度変動が許容範囲を外れ、製品たる樹脂フィルムに悪影響が生じる。 特に雰囲気温度の変動がある中でPID制御による温度制御を行った場合、樹脂フィルムを本格生産する最中にも雰囲気温度が変化することから、押出機側の装置及び機器の各部の温度が安定せず、樹脂流路内の樹脂に予期しない温度分布が生じ、製品たる樹脂フィルムに悪影響が生じる。
仮に樹脂流路において中心と壁面近傍で溶融樹脂に温度差が存在すると、Tダイから吐出するフィルムの幅方向の粘度特性が不均一となり、結果として例えば粘度の低い領域が厚く、粘度の高い領域が薄くなるような不均一な厚みプロファイル形状となる。
さらに溶融状態の樹脂の温度や温度分布が安定していない状況下でフィルムの流れ方向または幅方向の厚みムラが存在している場合、厚みムラの解消のため行われるTダイのリップ間隔の調整をはじめとした種々の調整を行うと、厚みプロファイル形状が温度変化が原因で変動している中で、主たる原因以外の調整が行われることとなり、かえってフィルムの厚みを乱すこととなる。
即ち最適なPIDパラメータに比べてP値が強いとハンチングが生じ、一方ハンチングを抑えるためにP値を弱くすると目標温度で安定するまでに時間を要する。
即ち樹脂フィルムを製造する際には、先に試験的に樹脂フィルムを成形し、その後、本格的に樹脂フィルムを製造する。前記した様に従来技術においてはオートチューニング機能で設定されたPIDパラメータが適切であるか否かを知ることは困難であるから、試験的に樹脂フィルムを成形する段階ではPIDパラメータが不適であることが判りにくく、PIDパラメータが不適切であるままの状態で本格生産に移行してしまう場合がある。そして本格生産の最中に、フィルムの厚さにばらつき等があることが発見され、PIDパラメータの修正が行われることとなるが、生産を中断することとなり、作業性が悪い。またそれまでに製造された樹脂フィルムが無駄になってしまうこともある。
仮にオートチューニングで求めたPIDパラメータが、適切なPIDパラメータでなければ、ヒータ等がハンチングを起こし、樹脂フィルムのプロファイル形状が乱れてしまう。即ちオートチューニングで求めたPIDパラメータが、適切なPIDパラメータでなければ、製造された樹脂フィルムの厚みの品質が悪化する。
また生産開始後に制御対象の雰囲気温度が大きく変動する場合もある。例えば生産開始時は制御対象の周囲の環境が安定していたが、生産開始後しばらくしてから周囲の環境が乱れることもある。その結果、当初設定したPIDパラメータが不適合となり、生産途中からヒータ等がハンチングが起こることもある。この場合においても、プロファイル形状の変化が数十分単位で1周期のように長時間にわたるため、生産管理者が気付かない場合もあり、仮に気づかなければ長期間に渡って低品質の樹脂フィルムを作り続けることとなる。
また本発明のフィルムの製造方法によると、厚みのムラが少ないフィルムを製造することができる。
また本発明によると、輪郭曲線を2次曲線に近似することで、温度変化のハンチングに伴うプロファイル形状の変動を数値化できる。これにより、プロファイル形状の変動をタイムリーに検知でき、パラメータを再修正する等の対処をとることができ、低品質の樹脂フィルムが成形されてしまうことを最小限で食いとめることができる。
本実施形態のフィルム製造装置1は、溶融状態の樹脂を押し出す押出機2と、押出機2に装着されたTダイ13を有している。フィルム製造装置1は公知のそれと同様に、前記したTダイ13から樹脂をシート状に押し出して樹脂フィルム37を成形する装置である。
フィルム製造装置1の樹脂が通過する経路には樹脂の温度を調整する加熱手段たる電気ヒータ22,23、25乃至33があり、加熱手段は、比例制御、微分制御、積分制御の少なくともいずれかに基づいて制御される。なお本実施形態では、比例制御、微分制御、積分制御が併用されている。
またフィルム製造装置1は、樹脂フィルム37の幅方向における各部の厚さを測定する厚み測定手段として、厚み計5を有している。この厚み測定手段の測定値に基づいて樹脂フィルム37の大まかな輪郭曲線を決定する輪郭曲線決定手段が、図示しないCPUやメモリーによって構成されている。さらに決定された輪郭曲線が所定の条件を満足する場合に所定の報知を行う表示部とスピーカ等の報知手段を有している。
本実施形態のフィルム製造装置1は、樹脂が通過する経路に樹脂の温度を調整する加熱手段があり、加熱手段は、比例制御、微分制御、積分制御の少なくともいずれかに基づいて制御されるものである。そのため比例制御のパラメータたるP値、積分制御のパラメータたるI値、微分制御のパラメータたるD値の少なくともいずれかを設定する必要がある。なお前記した様に以下に説明する具体的実施形態では、P値、I値、D値を全て設定するものである。
加熱手段の制御パラメータが不適切な状態のまま、樹脂の温度が設定温度に対して、たまたま安定している場合や、外乱等の影響により、樹脂の温度が設定温度に対して安定していない場合は、前記した様に樹脂流路において中心と壁面近傍で溶融樹脂に温度差が生じ、ダイから吐出する樹脂フィルム37の幅方向の粘度特性が不均一となり、結果として例えば粘度の低い領域が厚く、粘度の高い領域が薄くなるような不均一な厚みプロファイル形状となる。
樹脂の温度が設定温度に対して安定していない場合は、Tダイから吐出する樹脂フィルム37の幅方向の粘度特性が不均一となり、結果として例えば粘度の低い領域が厚く、粘度の高い領域が薄くなるような不均一なプロファイル形状となる。そのため樹脂フィルム37の厚さの大まかな輪郭曲線は、上に凸又は下に凸となる図形を描くこととなり、2次関数に当てはめることができる。
樹脂フィルム37の凹凸量(厚い部分と薄い部分の厚さの差)が大きい場合は、近似する2次関数の2次項の係数「a」が大きくなり、樹脂フィルム37の凹凸量が小さければ近似する2次関数の2次項の係数「a」は小さい。
そのため2次項の係数の絶対値だけに注目して樹脂フィルム37の凹凸量を知ることができ、パラメータが適切であるか否かを知ることができる。
なお2次項の係数の絶対値は、係数「a」が正である場合と、負である場合が同一であっても良いし、異なっていてもよい。
またフィルム製造装置1は制御装置20を有している。
そして押出機2の排出部16に連結管10を介してギアポンプ11が接続されている。またギアポンプ11の排出側には連結管群12があり、連結管群12の先端にTダイ13が設けられている。連結管群12の一部にはフィルター17a,17b,17cがある。なお、ギアポンプ11、連結管群12、フィルター17a,17b,17c等は、本発明に必須の構成要件ではない。
この様にTダイ13は、連結管10、ギアポンプ11及び連結管群12を介して押出機2に接続されている。そして押出機2から吐出された樹脂は、連結管10、ギアポンプ11及び連結管群12を経由してTダイ13に入り、Tダイ13からロール群3に押し出される。
本実施形態では、押出機2のシリンダー6、連結管10、ギアポンプ11、連結管群12及びTダイ13が樹脂が通過する経路である。
本実施形態では、連結管群12は8本の管路によって構成されている。即ち連結管群12は12a区画から12h区画の8区画に分かれており、それぞれの区画に個別に電気ヒータ25乃至32が取り付けられている。
本実施形態では、前記したシリンダー6の各区画の温調、連結管10の電気ヒータ22、ギアポンプ11の電気ヒータ23、連結管群12の各区画12a乃至12hの電気ヒータ22乃至32、及びTダイ13の電気ヒータ33が、それぞれ個別にPID制御されている。
即ち押出機2側の装置及び機器には、各区画に温度センサー21a乃至21mが取り付けられている。そしてそれぞれの温度センサー21a乃至21mが、制御装置20に接続されている。
ロール群3はTダイ13の近傍にあって、Tダイ13から押し出された樹脂を冷却するものである。
またロール25aに対向してタッチロール(図示せず)を追加設置し、タッチロールとロール25aの間でフィルム37を挟んでもよい。
冷却ロール(ロール25a乃至25d)は、それぞれPID制御で温度調節されている。具体的には冷却ロール(ロール25a乃至25d)に冷却液が循環されており、冷却液の温度又は循環量がPID制御されている。
タッチロールを設ける場合には、タッチロールについても冷却液を循環させ、PID制御によって温度調節することが望ましい。
本実施形態では、厚み計5は、ロール群3の下流側に設置されており、冷却後の樹脂フィルム35の各部の厚さを測定する。
ここでPID制御部は、複数のPID制御装置が並べられたものである。PID制御部を構成する複数のPID制御装置は、市販のものである。パラメータ記憶部は、各PID制御装置に付属するものである。
温度履歴記憶部は、各温度センサーが検知した各部の温度を記憶するものである。
温度履歴記憶部に記憶された各部の温度は、必要に応じてグラフ化し、表示部に表示することができる。
輪郭曲線決定手段は、厚み計5で検知されたデータに基づいて、樹脂フィルム35の厚さの大まかな輪郭曲線を演算する輪郭形状演算機能を有している。また算出された輪郭曲線を2次関数に近似させる機能を有している。
温度履歴記憶部及び比較部の具体的な機能については、後述する。
前記した様に、制御装置20のPID制御部は、市販の多数のPID制御装置が内蔵されたものであり、各区画の温度を検知する温度センサー21a乃至21mの信号が、制御装置20に内蔵されたそれぞれの区画を担当するPID制御装置に入力されている。そして各区画の電気ヒータ22乃至33及び熱媒体を加熱するヒータ(図示せず)は、それぞれの区画を担当するPID制御装置の出力に基づいて制御される。
成形された樹脂フィルム35は図1の矢印Xの方向に搬送され、厚み計5により幅方向の各部の厚みが逐次測定される。
測定した幅方向の厚みのデータは、制御装置20の輪郭曲線決定手段に取り込まれる。そして厚みプロファイルの全体的な形状が解析され、厚みプロファイル異常の有無が判定される。
厚みプロファイルとは、厚み計5が、樹脂フィルムの幅方向へトラバースしながら一定間隔で測定した樹脂フィルム35の各点の厚みデータである。即ち一回、トラバースするたびに樹脂フィルム35の各点の厚みをプロットした幅方向の厚みの分布を表す分布曲線である。
図5(a)のグラフでは、厚み計5の全走査領域の中に樹脂フィルム35があると、その厚さがY軸の値としてプロットされている。
樹脂フィルム35の厚みプロファイルには微小な凹凸がある。
図5(b)の実線で描かれたグラフは、図5(a)のグラフから製品部分に該当する範囲を抜粋し、厚み方向のスケールを拡大した厚みのデータである。図5(a)の実線は、樹脂フィルム35の厚みプロファイルであり、微小な凹凸がある。
図5(b)のグラフの実線で描かれた部分は、フィルムの厚さの変化を正確に表していると言える。
より具体的には、樹脂フィルム35の幅をX軸にとり、樹脂フィルム35の厚さをY軸にとって、図5(b)の実線で描かれたグラフを2次関数の曲線に当てはめる。言い換えると、図5(b)の実線で描かれた正確な輪郭を表す曲線を、係数を変数とする2次関数に近似させる。
ここで2次関数は「Y=aX2 +bX+c」で表現される関数であり、上に凸又は下に凸となる関数である。
また経験則上、樹脂フィルム35の厚さは、幅方向の中央が厚くなったり薄くなったりすることがあり、厚さをグラフ化すると、上に凸又は下に凸となる。そのため樹脂フィルム35の微小な凹凸を無視し、厚さの変化の大まかな傾向を概観すると、何らかの2次関数に近似させることができる。
ここで、2次関数の2次項の係数aは近似した2次曲線、すなわち放物線の向きや開き具合を表している。係数aが正の符号を有する場合は2次曲線は極小値を有する凹形状を取り、係数aが負の符号を有する場合は2次曲線は極大値を有する凸形状を取る。また、係数aの絶対値が0に近いほど2次曲線の開きが大きくなり、2次曲線中央部と端部の厚みの差が小さく、係数aの絶対値が0から遠ざかるほど2次曲線の開きが狭くなり、2次曲線中央部と端部の厚みの差が大きくなる。
従って2次関数の2次項の係数aを変数とすれば、厚みプロファイルに近似した2次関数の係数aを特定することができる。
図6(a)が厚みプロファイル異常と判定される場合の波形状であり、図6(b)は正常と判定される波形状の一例である。
即ち各部の温度は、前記した様にPID制御されているが、各部の温度は多少は脈動する。その影響で、樹脂フィルム35の厚さが部分的に変化し、厚みプロファイルが時間と共に凹凸変化する。即ち、経験則上、樹脂フィルム35の厚さは幅方向の中央部分が厚くなったり薄くなったりを繰り返す。
そこで本実施形態では、係数aの経時変動の波形状を監視し、係数aの絶対値が閾値を超える状態が繰り返されると、表示部に警報を表示し、スピーカ等からアラーム音が発することとした。
本実施形態では、厚みプロファイルを2次関数に近似させるので、微小な凹凸は実質的に無視され、各区画の温度制御との因果関係が深い全体的な凹凸が強調される。
そのため温度制御の不適、より具体的にはPIDパラメータが不適切であることを正確に検知することができる。
フローチャートで示す工程は、本格的な生産に先立って、試験的に樹脂フィルムを押し出す場合に実施される。
フローチャートに従うと、ステップ1で、タイマーの計時を開始する。このタイマーは、厚さの変化が現れる間隔を考慮して決められる。具体的には、経験則上知られる厚さの変化が現れる間隔に対して十分に長い時間であり、当該間隔の5倍以上であることが望ましい。一方、過度に時間が長いと、試験生産の意義が失われるから、経験則上知られる厚さの変化の間隔の20倍以下であることが望ましい。
ステップ2で、係数aの絶対値が閾値を越えていなければ、ステップ3を飛ばしてステップ4に進み、現在のカウンターの数が2以上であるか否かを判定する。
正負の閾値の絶対値は同じであってもよく異なっていてもよい。
以下、本実施形態のフィルムの製造方法の特徴を説明する。
そこで,本実施形態では厚みプロファイル形状の凹凸変化による異常を検知した時点で、押出機2側の装置及び機器の押出機2のシリンダー6からTダイ13までの各プロセスの温度データの変動解析を行い、2次項の変動と相関が大きいプロセス、または品質安定時と比較して明らかに温度変動の範囲が大きいプロセスに対して、温度制御のPIDパラメータの修正を行う。
厚みプロファイル形状の異常が検知された場合は、温度履歴記憶部の記録を読み出し、必要に応じてグラフ化して表示部に表示することができる。
また前記した様に報知手段の一つたる表示部に警報が表示され、図示しないスピーカ等から、異常が生じたことを知らせるアラーム音が発せられる。
本実施形態のフィルムの製造方法では、報知後に加熱手段の制御パラメータを修正し、樹脂フィルムを成形する。
具体的には、厚みプロファイル形状の異常が検知された場合は、報知手段によってその事実が使用者に知らされる。使用者は、各区画の温度変化を検討し、厚みプロファイル形状に異常を来した原因として疑われる区画を選定する。そして当該区画を担当するPID制御装置のPIDパラメータを修正する。
また温度制御のPIDパラメータの修正は、オートチューニング機能と手動調整のいずれも選択可能であるが、厚みプロファイル異常に対するPIDパラメータ修正の効果を確認しながら微調整できる点で、手動調整のほうがより好ましい。
さらに厚みプロファイルの曲線によって描かれる領域の面積に基づいて、PIDパラメータが適切であるか否かを判定してもよい。
〔実施例1〕
アクリル系の熱可塑性樹脂を溶融してTダイ13からシート状に押出すフィルム製造装置1を用いて、長さ1000mをロール1本とする樹脂フィルム35の成形を行った。フィルム製造装置1の各プロセス温度(各区画の温度)は、樹脂の特性に応じて適宜設定されており、各プロセスの温度を一定に保つ温調計のPIDパラメータは樹脂供給量安定後にそれぞれオートチューニングによって自動設定した。成形された樹脂フィルム35の幅方向厚みプロファイルはインラインで逐次測定することとし、一走査ごとの厚みプロファイルデータを縦軸(Y)は厚み、横軸(X)は厚み計5の各測定位置を最大測定幅で除した無次元数の値としてプロットし、2次曲線に近似した。製品として許容される厚みムラは基準厚み±0.6%とした場合、製品幅内の厚みプロファイルを表す2次曲線が基準厚み±0.6%に収まるための2次項の係数aの値は±5であった。そこで、2次曲線における2次項aの波形状データに対して閾値を±5と設定した。
〔比較例1〕
〔参考例〕
2 押出機
3 ロール群
5 厚み計(厚み測定手段)
10 連結管
11 ギアポンプ
12 連結管群
13 Tダイ
20 制御装置
21a乃至21m 温度センサー
22,23 電気ヒータ
25乃至33 電気ヒータ
Claims (6)
- 溶融状態の樹脂を押し出す押出機と、押出機に装着されたダイを有し、前記ダイから樹脂をシート状に押し出して樹脂フィルムを成形するフィルム製造装置において、
樹脂が通過する経路に樹脂の温度を調整する加熱手段と、
樹脂フィルムの幅方向における各部の厚さを測定する厚み測定手段と、
厚み測定手段の測定値に基づいて樹脂フィルムの大まかな輪郭曲線を決定する輪郭曲線決定手段と、
決定された輪郭曲線が所定の条件を満足する場合に所定の報知を行う報知手段を有し、
前記輪郭曲線決定手段は、樹脂フィルムの厚さの大まかな輪郭曲線を、係数を変数とする2次関数に近似させるものであり、
前記2次関数の2次項の係数の経時変動を監視し、前記2次関数の2次項の係数が閾値を越えたことを条件として、前記報知手段が所定の報知を行うことを特徴とするフィルム製造装置。 - 溶融状態の樹脂を押し出す押出機と、押出機に装着されたダイを有し、前記ダイから樹脂をシート状に押し出して樹脂フィルムを成形するフィルム製造装置において、
樹脂が通過する経路に樹脂の温度を調整する加熱手段と、
樹脂フィルムの幅方向における各部の厚さを測定する厚み測定手段と、
厚み測定手段の測定値に基づいて、樹脂フィルムの幅方向における厚さの変化を、係数を変数とする2次関数に近似させる輪郭曲線決定手段を有し、
前記係数が所定の条件を満足する場合に所定の報知を行う報知手段を有し、
前記2次関数の2次項の係数の経時変動を監視し、前記2次関数の2次項の係数が閾値を越えたことを条件として、前記報知手段が所定の報知を行うことを特徴とするフィルム製造装置。 - 一定の時間内に、前記2次関数の2次項の係数が前記閾値を2回以上の一定回数超えたことを条件として前記報知手段が前記所定の報知を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のフィルム製造装置。
- 前記加熱手段は、比例制御、微分制御、積分制御の少なくともいずれかに基づいて制御されるものであり、
一定の時間内に、前記2次関数の2次項の係数が閾値を一定回数越えたことを条件として、前記加熱手段の制御パラメータを修正することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のフィルム製造装置。 - 溶融状態の樹脂を押し出す押出機と、押出機に装着されたダイを有し、前記ダイから樹脂をシート状に押し出して樹脂フィルムを成形するフィルム製造装置であって、
樹脂が通過する経路に樹脂の温度を調整する加熱手段があり、加熱手段が比例制御、微分制御、積分制御の少なくともいずれかに基づいて制御されるものであり、
樹脂フィルムの幅方向における各部の厚さを測定する厚み測定手段と、
厚み測定手段の測定値に基づいて樹脂フィルムの大まかな輪郭曲線を決定する輪郭曲線決定手段を有し、前記輪郭曲線決定手段が樹脂フィルムの厚さの大まかな輪郭曲線を、係数を変数とする2次関数に近似させるフィルム製造装置を使用するフィルムの製造方法であって、
前記2次関数の2次項の係数の経時変動を監視し、一定の時間内に、前記2次関数の2次項の係数が閾値を一定回数越えたことを条件として、前記加熱手段の制御パラメータを修正し、樹脂フィルムを成形することを特徴とするフィルムの製造方法。 - 溶融状態の樹脂を押し出す押出機と、押出機に装着されたダイを有し、前記ダイから樹脂をシート状に押し出して樹脂フィルムを成形するフィルム製造装置であって、
樹脂が通過する経路に樹脂の温度を調整する加熱手段があり、加熱手段が比例制御、微分制御、積分制御の少なくともいずれかに基づいて制御されるものであり、
樹脂フィルムの幅方向における各部の厚さを測定する厚み測定手段と、
厚み測定手段の測定値に基づいて、樹脂フィルムの幅方向における厚さの変化を、係数を変数とする予め定められた一定の関数に近似させる輪郭曲線決定手段を有し、前記輪郭曲線決定手段が樹脂フィルムの幅方向における厚さの変化を、係数を変数とする2次関数に近似させるフィルム製造装置を使用するフィルムの製造方法であって、
前記2次関数の2次項の係数の経時変動を監視し、一定の時間内に、前記2次関数の2次項の係数が閾値を一定回数越えたことを条件として、前記加熱手段の制御パラメータを修正し、樹脂フィルムを成形することを特徴とするフィルムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016106708A JP6754223B2 (ja) | 2016-05-27 | 2016-05-27 | フィルム製造装置及びフィルムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016106708A JP6754223B2 (ja) | 2016-05-27 | 2016-05-27 | フィルム製造装置及びフィルムの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017209963A JP2017209963A (ja) | 2017-11-30 |
JP6754223B2 true JP6754223B2 (ja) | 2020-09-09 |
Family
ID=60474462
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016106708A Active JP6754223B2 (ja) | 2016-05-27 | 2016-05-27 | フィルム製造装置及びフィルムの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6754223B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102028020B1 (ko) * | 2018-11-26 | 2019-10-04 | 주식회사 그린케미칼 | 시트의 두께 계측장치 |
-
2016
- 2016-05-27 JP JP2016106708A patent/JP6754223B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2017209963A (ja) | 2017-11-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR20020050298A (ko) | 시트의 제조방법, 시트의 두께제어장치 및 프로그램, 및시트 | |
JP3828950B2 (ja) | 2軸延伸フィルム上のダイボルト対応位置算出方法および同算出方法を用いた2軸延伸フィルムの厚さ制御方法 | |
JP6788580B2 (ja) | ガラスリボンの厚さウェッジを制御する方法 | |
JP5889713B2 (ja) | フィルムロールの製造方法 | |
WO2007063927A1 (ja) | シートの製造方法およびシートの製造装置 | |
JP2013240897A5 (ja) | ||
US20190315037A1 (en) | Method for indirectly deriving a systematic dependency between a setting parameter and an optical property of a film web, method for adapting the quality of a film web | |
CN112384354B (zh) | 自动化调整喷嘴机构缝隙尺寸方法和控制和/或调整*** | |
JP6754223B2 (ja) | フィルム製造装置及びフィルムの製造方法 | |
US20220339838A1 (en) | Resin film manufacturing device and resin film manufacturing method | |
US7922470B2 (en) | Apparatus for automatic control of cage size in an extruded film production line | |
US5639404A (en) | Method and apparatus for preparing thermoplastic sheets, films, and plates | |
CN112384353A (zh) | 自动化调整喷嘴机构缝隙尺寸方法和控制和/或调整*** | |
JP4886648B2 (ja) | 溶融押出装置及び熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 | |
US7751923B2 (en) | Method for control of the thickness of extruded film | |
CA2330955C (en) | Method and apparatus for lay flat control in an extruded film production line | |
US6922608B2 (en) | Method and apparatus for lay flat control in an extruded film production line | |
JP2014193604A (ja) | シートの製造方法およびシートの製造装置 | |
JP3631636B2 (ja) | フィルムの巻取方法 | |
US11305474B2 (en) | Method and system for making a plastic film | |
US11446854B2 (en) | Method and apparatus for calibration of blown-film extrusion apparatus | |
JP6753281B2 (ja) | 空気入りタイヤ製造方法 | |
JP7151343B2 (ja) | タイヤ用ゴム材料の熱入れ方法 | |
JPS5942612B2 (ja) | インフレ−シヨンフイルム製造法におけるフロストラインの自動調節 | |
JP2009083313A (ja) | 溶融押出装置及び熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20190401 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20200205 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200220 |
|
RD13 | Notification of appointment of power of sub attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7433 Effective date: 20200303 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20200303 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200323 |
|
RD15 | Notification of revocation of power of sub attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7435 Effective date: 20200324 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20200722 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20200821 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6754223 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |