JP6752673B2 - 多層ラベル連続体の製造方法、及びラベル付き容器 - Google Patents

多層ラベル連続体の製造方法、及びラベル付き容器 Download PDF

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Description

本発明は、下ラベルの表面に小面積の上ラベルが剥離可能に貼付された多層ラベルが複数設けられた多層ラベル連続体の製造方法などに関する。
下ラベルと前記下ラベルよりも小面積の上ラベルとを有する多層ラベルが知られている(特許文献1及び2)。かかる多層ラベルは、特許文献1のように、その複数が離型シート上の長手方向に並んで配置されて供給される。
特許文献1及び2の多層ラベルは、上ラベルの裏面に粘着剤層が設けられ、その粘着剤層が下ラベルの表面に設けられた剥離層の上に重ね合わされることによって、上ラベルを下ラベルから剥離することができる。
しかしながら、特許文献1及び2の多層ラベルは、上ラベルが積層されていない部分(つまり、下ラベルのみが存在する一重部分)における下ラベルの表面にも剥離層が設けられているため、多層ラベル連続体をラベラー(ラベル装着装置)に装填し、その連続体をラベラーのライン上で搬送した際に剥離層が削り取られ、剥離層の削り滓がラベラーに付着するという問題点がある。このような削り滓がラベラーに付着することにより、ラベラーのメンテナンス作業が煩雑となる。
また、多層ラベルの容器への装着形態として、多層ラベルを容器に巻き付け、第1側端部の表面に第2側端部の裏面を重ね合わせて接着するという形態が知られている。このような装着形態のラベルは、巻付けラベルとも呼ばれる。かかる巻き付け形態で多層ラベルをラベラーにて容器に装着する場合、ラベラーのライン上に多層ラベル連続体を長手方向に送り、その長手方向第1側(連続体の送り先頭側)に位置する多層ラベルの端部(第1側端部)を先ず容器に貼り付けた後、多層ラベルを容器に巻き付け、その第1側端部の表面に第2側端部の裏面を貼付する。
しかしながら、特許文献1の多層ラベル連続体は、長手方向第1側及び第2側に位置する多層ラベル(下ラベル)の第1側端部及び第2側端部の表面に、剥離層が設けられているため、巻き付け形態で多層ラベルを容器に装着した際に、第2側端部の裏面が第1側端部の剥離層の表面に貼付される。このため、第2側端部が第1側端部に対して接着不十分となったラベル付き容器が得られるという問題点がある。
特開2007−47416号公報 特開2003−108002号公報
本発明の第1の目的は、下ラベルの表面に剥離層が実質的に露出しない多層ラベル連続体を製造する方法を提供することである。
本発明の第2の目的は、多層ラベルが巻き付け形態で容器に装着されたラベル付き容器において、多層ラベルの端部が捲れ難いラベル付き容器を提供することである。
本発明の多層ラベル連続体の製造方法は、下ラベルと前記下ラベルの表面に剥離可能に貼付され且つ前記下ラベルよりも小面積の上ラベルとを有する多層ラベルの複数が、長尺帯状の離型シートの長手方向に配置されている多層ラベル連続体の製造方法であって、長尺帯状の下基材原反の表面に、その長手方向に所定間隔を開けて、前記上ラベルと略同じ平面視形状の剥離層を形成する工程、裏面全体に粘着剤層が設けられた長尺帯状の上基材原反の前記粘着剤層の裏面のうち、前記下基材原反に上基材原反を積層した際に前記剥離層に略重ならない範囲に、粘着剤層の粘着力を隠蔽するマスキング層を形成する工程、前記剥離層が形成された下基材原反の表面に、前記マスキング層が形成された上基材原反の裏面を積層して積層体原反を作製する工程、前記積層体原反のうち上基材原反のみを、前記剥離層の外形に略対応する位置で切断して切断線を形成する工程、前記切断後の上基材原反のうち前記切断線で囲われた範囲以外を下基材原反から除去する工程、を有する。
本発明の別の局面によれば、ラベル付き容器を提供する。
本発明のラベル付き容器は、容器と、前記容器に装着された多層ラベルと、を有し、
前記多層ラベルが、少なくとも第1側端部を除く表面に剥離層が設けられた下ラベルと、裏面に粘着剤層が設けられ且つ前記下ラベルよりも小面積の上ラベルであって、前記粘着剤層を前記下ラベルの剥離層の表面に重ねて貼付されている上ラベルと、を有し、
前記多層ラベルが、前記容器の周りに巻き付けられ、且つ下ラベルの第1側端部の表面に下ラベルの第2側端部の裏面を重ね合わせて接着されている。
本発明の製造方法によれば、下ラベルの表面に剥離層が実質的に露出していない多層ラベル連続体を比較的容易に製造できる。かかる製法で製造された多層ラベル連続体から得られる多層ラベルは、容器に巻き付けて装着した際に、容器から捲れ難く、上ラベルを下ラベルから容易に剥離することもできる。
本発明の第1実施形態の第1例に係る多層ラベル連続体の平面図。 図1のII−II線で切断した拡大断面図。 図1のIII−III線で切断した拡大断面図。 本発明の第1実施形態の第2例に係る多層ラベル連続体の平面図。 図4のV−V線で切断した拡大断面図。 図4のVI−VI線で切断した拡大断面図。 本発明の第1実施形態の第3例に係る多層ラベル連続体の平面図。 図7のVIII−VIII線で切断した拡大断面図。 図7のIX−IX線で切断した拡大断面図。 本発明の第1実施形態の第4例に係る多層ラベル連続体の平面図。 図10のXI−XI線で切断した拡大断面図。 図10のXII−XII線で切断した拡大断面図。 (a)は、離型シートと粘着剤層と下基材原反がこの順で積層された第1積層シートの側面図、(b)は、離型シートと粘着剤層と上基材原反がこの順で積層された第2積層シートの側面図。 本発明の多層ラベル連続体の製造装置の概略側面図。 図14の白抜き矢印XV方向から見た平面図(下基材原反を表面側から見た平面図)。 図14の白抜き矢印XVI方向から見た平面図(上基材原反を裏面側から見た平面図)。 積層体原反の側面図。 図14の白抜き矢印XVIII方向から見た平面図(積層体原反を表面側から見た平面図)。 図18のXIX−XIX線で切断した拡大断面図。 図14の白抜き矢印XX方向から見た平面図(積層体原反の上基材原反に切断線を形成した状態を表面側から見た平面図)。 図20のXXI−XXI線で切断した拡大断面図。 上基材原反に形成する切断線の形成位置の変形例を示す拡大断面図。 上基材原反に形成する切断線の形成位置の変形例を示す拡大断面図。 上基材原反に形成する切断線の形成位置の変形例を示す拡大断面図。 図14の白抜き矢印XXV方向から見た平面図(下基材原反の表面に複数の上ラベルが貼付された連続体を表面側から見た平面図)。 図14の白抜き矢印XXVI方向から見た平面図(下基材原反に切断線を形成した状態を表面側から見た平面図)。 第1実施形態のラベル付き容器の正面図。 図27のXXVIII−XXVIII線で切断した拡大断面図。 第1実施形態のラベル付き容器の製造過程(第1実施形態の多層ラベルを容器に装着する過程)を示す正面図。 第2実施形態に係る多層ラベル連続体の平面図。 第3実施形態に係る多層ラベル連続体の平面図。 第3実施形態のラベル付き容器の製造過程(第3実施形態の多層ラベルを容器に装着する過程)を示す正面図。 同製造過程を示す正面図。 第3実施形態のラベル付き容器の正面図。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本明細書において、上ラベル、下ラベル、多層ラベル及びこれらの構成要素(以下、これら上ラベルなどを総称して、ラベル構成要素という)の「表面」は、多層ラベルを容器に装着した際に、容器の外側となる面を指し、同「裏面」は、その反対側の面を指す。ラベル構成要素の「横方向」は、これの面内における任意の1つの方向であり、同「縦方向」は、前記横方向と直交する方向である。
また、平面視は、ラベル構成要素の表面に対して鉛直方向から見たときの形状をいう。
「〜」で表される数値範囲は、「〜」の前後の数値を下限値及び上限値として含む数値範囲を意味する。複数の下限値と複数の上限値が別個に記載されている場合、任意の下限値と任意の上限値を選択し、「〜」で結んだ範囲とすることができるものとする。
各断面図において、各構成要素の大きさ及び厚みは、実際の製品とは異なっていることに留意されたい。
(第1実施形態)
[多層ラベル連続体及び多層ラベル]
図1乃至図3は、本発明の第1実施形態の第1例に係る多層ラベル連続体10及び多層ラベル1を示し、図4乃至図6は、第1実施形態の第2例に係る多層ラベル連続体10及び多層ラベル1を示し、図7乃至図9は、第1実施形態の第3例に係る多層ラベル連続体10及び多層ラベル1を示し、図10乃至図12は、第1実施形態の第4例に係る多層ラベル連続体10及び多層ラベル1を示す。
各例の多層ラベル連続体10及び多層ラベル1について、共通する事項は纏めて説明し、異なる部分はその都度説明するものとする。
図1乃至図12において、多層ラベル連続体10は、長尺帯状の離型シート2と、前記離型シート2の長手方向に並んで配置された複数の多層ラベル1と、を有する。
なお、図1、図4、図7及び図10では、離型シート2の幅方向において多層ラベル1が1列だけ貼付されている多層ラベル連続体10を図示しているが、多層ラベル連続体10は、多層ラベル1が幅方向に2列以上配置された複列のものであってもよい(図示せず)。
複数の多層ラベル1は、その横方向を離型シート2の長手方向と略平行とし、その第1側端部を長尺帯状の離型シート2の長手方向第1側に向け且つその第2側端部を離型シート2の長手方向第2側に向けて、離型シート2の上に貼付されている。
ここで、本明細書において、「長尺帯状」は、長手方向の長さが幅方向に比して十分に大きい平面視略長方形状であり、例えば、長手方向の長さが幅方向の長さの5倍以上、好ましくは20倍以上である。また、長尺帯状の長手方向の長さは、例えば、10m以上であり、好ましくは100m以上である。
長手方向第1側と第2側は、長手方向において向かい合った側である(第1側は、長手方向において第2側の反対側である)。
また、本明細書において、第1側端部と第2側端部は、ラベル構成要素の縦方向に延在する端部であり、第1側端部と第2側端部は、横方向において向かい合った端部である(第1側端部は、横方向において第2側端部の反対側の端部である)。第3側端部と第4側端部は、ラベル構成要素の横方向に延在する端部であり、第3側端部と第4側端部は、縦方向において向かい合った端部である。
前記離型シート2は、長尺帯状のシートの表面に剥離剤などを塗工することにより離型面が形成されたものである。剥離剤としては、代表的には、シリコーンなどを含む樹脂溶液が挙げられる。なお、離型シート2として、表面離型性を有するシートを用いる場合には、前記剥離剤の塗工は省略される。
離型シート2に用いられるシートは、容易に破断しない程度の機械的強度を有しているものであれば特に限定されず、例えば、合成樹脂製シート、紙、合成紙などが挙げられる。
前記離型シート2の厚みは、特に限定されず、例えば、20μm〜300μm程度が挙げられる。また、離型シート2の幅は、多層ラベル1の幅と同じでもよいが、通常、多層ラベル1の幅よりも数mm〜数cm大きい幅の離型シート2が用いられる。
多層ラベル1は、下ラベル3と、下ラベル3の表面上に剥離可能に積層された上ラベル4と、を有する。上ラベル4は、平面視において、下ラベル3の面積よりも小さい。つまり、上ラベル4は、下ラベル3よりも小面積である。
上ラベル4の積層位置は、特に限定されず、図1などに示すように、上ラベル4の1つの縁が下ラベル3の1つの縁に一致するように上ラベル4が下ラベル3に積層されていてもよく、特に図示しないが、上ラベル4の2つの縁又は3つの縁が下ラベル3の2つの縁又は3つの縁に一致するように上ラベル4が下ラベル3に積層されていてもよく、或いは、上ラベル4の全ての縁(周縁)が下ラベル3の全ての縁に一致せず、上ラベル4が下ラベル3の表面内に積層されていれてもよい。なお、周縁は、ラベル構成要素の周囲の縁を指す。
図示例では、上ラベル4の第4側端が下ラベル3の第4側端に一致するように上ラベル4が下ラベル3に貼付されている。本明細書において、第1側端と第2側端は、ラベル構成要素の第1側端部の縁と第2側端部の縁であり、第3側端と第4側端は、ラベル構成要素の第3側端部の縁と第4側端部の縁である。
従って、下ラベル3の第1側端部、第2側端部及び第3側端部の表面には、上ラベル4が積層されておらず、下ラベル3の表面のうち第1側端部、第2側端部及び第3側端部の表面が露出している。
なお、特に図示しないが、下ラベル3の表面のうち第1側端部及び第2側端部のみが露出していてもよく、或いは、下ラベル3の表面のうち第1側端部又は第2側端部のいずれかのみが露出していてもよく、或いは、下ラベル3の表面のうち第1側端部、第2側端部、第3側端部及び第4側端部が露出していてもよい。下ラベル3の端部の表面のうち少なくとも第1側端部が露出していることが好ましい。
後述するように、下ラベル3の表面のうち、上ラベル4が積層されておらず且つ側端部の表面が露出した部分は、剥離層を有さない。
下ラベル3は、下基材31と、下基材31の裏面に設けられた粘着剤層32と、下基材31の表面に設けられた剥離層5と、を有する。なお、下基材31に設けられた粘着剤層32を「下粘着剤層32」という。
多層ラベル1は、離型シート2の表面に、前記下ラベル3の下粘着剤層32を介して剥離可能に貼付されている。
ここで、本明細書において、「剥離可能」は、接着された2つの部材を、その部材を材料破壊させないで、標準的な成人の手の力で容易に剥がすことができることをいう。また、「剥離可能に貼付」又は「剥離可能に接着」は、いずれも同じ意味であり、前記のように容易に剥がすことができる接着強度で2つの部材が接着されていることをいう。
下基材31は、柔軟且つ薄いシートからなる。なお、本明細書において、「シート」は、一般にフィルムと呼ばれている枚葉体が含まれる。
前記下基材31に用いられるシートは、特に限定されず、例えば、合成樹脂シート、発泡樹脂シート、紙、合成紙、不織布、織り生地又はこれらから選ばれる少なくとも1種のシートを含む積層シートなどが挙げられる。前記下基材31として用いられる合成樹脂シートなどのシートには、紫外線吸収剤が含有されていてもよい。
好ましくは、下基材31は、合成樹脂シート、紙、合成紙又はこれらから選ばれる少なくとも1種を含む積層シートが用いられる。前記積層シートは、ガスバリア層や光バリア層などのバリア層が一体的に積層されていてもよい。バリア層としては、例えば、アルミニウム箔などの金属箔又は金属蒸着膜、無機化合物蒸着膜(酸化ケイ素蒸着膜、酸化アルミニウム蒸着膜など)などが挙げられる。
合成樹脂シートの材質は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸などのポリエステル系樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン、環状オレフィン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体などのポリスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂から選ばれる1種又は2種以上の混合物などが挙げられる。
また、前記下基材31は、熱収縮性を有していてもよく、熱収縮性を有さないシートを用いてもよいが、好ましくは、熱収縮性を有するシートが用いられる。ここで、熱収縮性は、所定温度(例えば、70℃〜120℃)に加熱されると所定方向に収縮する性質をいう。
熱収縮性を有する下基材31は、少なくとも横方向に主として熱収縮するように構成され、縦方向に熱変化するものでもよい。なお、後述するように、多層ラベル1の容器への装着形態として、その横方向を容器の周囲に巻き付けて装着する場合には、多層ラベル1や下ラベル3などのラベル構成要素の横方向は、容器に装着された際に周方向となる。
前記下基材31の横方向(熱収縮方向)における熱収縮率は、特に限定されないが、好ましくは20%以上であり、より好ましくは30%以上である。なお、前記横方向における熱収縮率の上限は、理論上、100%未満であるが、現実的には、自ずと限界があるので、例えば、80%以下である。前記下基材31が縦方向に熱変化(熱収縮又は熱伸長)する場合、その下基材31の縦方向の熱収縮率は、例えば、−1%〜5%である。なお、熱収縮率のマイナスは、熱伸張を意味する。
ただし、前記熱収縮率は、加熱前の基材の長さ(元の長さ)と、90℃の温水中に10秒間浸漬した後の基材の長さ(浸漬後の長さ)を、下記式に代入して求められる。
前記熱収縮率(%)=[{(横方向又は縦方向の元の長さ)−(横方向又は縦方向の浸漬後の長さ)}/(横方向又は縦方向の元の長さ)]×100。
下基材31には、必要に応じて、デザインを表すデザイン層(図示せず)が設けられていてもよい。デザイン層は、通常、印刷インキを用いてデザインを印刷することによって形成される。デザイン層は、下基材31の表面若しくは裏面又は表面及び裏面に設けられる。例えば、デザイン層に、光バリア性を付与できる顔料を混合することにより、デザイン層を遮光印刷層として用いることもできる。
下基材31は、透明(無色透明又は有色透明)又は不透明の何れでもよいが、前記のように裏面にデザイン層が設けられる場合には、通常、透明な下基材31が用いられる。
下基材31の厚みは、特に限定されない。下基材31は、そのシートの材質にもよるが、例えば、15μm〜500μmである。
下基材31の平面視形状は、特に限定されないが、通常、平面視略矩形状に形成される。矩形状は、長方形状又は正方形状という意味である。
下基材31の裏面には、下粘着剤層32が設けられている。
下粘着剤層32は、図示例のように、下基材31の裏面全体に設けられていてもよい。この場合、下ラベル3の裏面全体が下粘着剤層32の裏面で構成されるので、下ラベル3の裏面全体が粘着面となる。この場合、下ラベル3の裏面全体が離型シート2に剥離可能に接着される。
また、下粘着剤層32が下基材31の裏面の一部分を除いて設けられていてもよい(図示せず)。この場合、下ラベル3の裏面のうち下粘着剤層32が設けられた部分が粘着面となる。この場合、下ラベル3の裏面の一部分が離型シート2に剥離可能に接着される。
また、下粘着剤層32が下基材31の裏面全体に設けられ且つその下粘着剤層32の裏面の一部分にマスキング層が設けられていてもよい(図示せず)。この場合、下ラベル3の裏面のうちマスキング層が設けられた部分は非粘着面となり、マスキング層が設けられていない部分である下粘着剤層32の裏面が露出した部分が粘着面となる。この場合、下ラベル3の裏面の一部分が離型シート2に剥離可能に接着される。
前記下粘着剤層32は、公知の粘着剤からなる。粘着剤は、被着体に接着及び剥離可能で、剥離後、再接着できるもの(再貼付可能なもの)である。粘着剤は、特に限定されず、通常、感圧型粘着剤が用いられる。前記感圧型粘着剤は、常温で粘着性を有し、加圧されることにより流動し被着体に接着するゲル状の粘着剤である。また、前記粘着剤として、ホットメルト粘着剤を用いることもできる。ホットメルト粘着剤は、加熱することによって軟化して塗工できる粘着剤であって、常温で強い粘着力を有すると共に剥離可能な粘着性を有するものである。本明細書においては、前記ホットメルト粘着剤も、感圧型粘着剤の範疇に含まれる。ホットメルト粘着剤は、特に限定されず、例えば、スチレン−イソプレン系ブロック共重合体やポリスチレン−ポリブタジエン系ブロック共重合体などのゴム系ホットメルト粘着剤、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体などのエチレン系樹脂と粘着付与剤を主成分とするホットメルト粘着剤などの公知のものを用いることができる。
なお、下粘着剤層32を形成する粘着剤として、紫外線吸収剤などが含有された粘着剤を用いてもよい。
前記下粘着剤層32は、透明、半透明又は不透明の何れでもよい。
また、下粘着剤層32の厚みは、特に限定されないが、通常、10μm〜30μmであり、好ましくは、15μm〜25μmである。下粘着剤層32は、全体的に略均一な厚みで下基材31に積層されていることが好ましい。
剥離層5は、上ラベル4の裏面に設けられた粘着剤層42が下ラベル3から剥がれ易くするために、下ラベル3の表面に設けられている。
図1乃至図3に示す第1例及び図7乃至図9に示す第3例では、剥離層5は、平面視で、上ラベル4よりも少し大きな形状に形成されている。この場合、平面視で、剥離層5の周縁の全部又は一部が、上ラベル4の周縁の全部又は一部からはみ出している。
この剥離層5のはみ出し部分(延出部分)の幅5W(図1及び図7参照)は、特に限定されず、例えば、0.1mm〜3mmであり、好ましくは、1mm〜2mmである。
第1例及び第3例の図示例では、剥離層5は、上ラベル4の第1側端、第2側端及び第3側端から延出されているが、剥離層5はその周端部の全体に亘って上ラベル4の周縁から延出されていてもよい。また、剥離層5の周端部の一部分だけが上ラベル4の周縁から延出されていてもよい。例えば、剥離層5の第1側端部及び第2側端部のみが上ラベル4の周縁から延出されている場合、或いは、剥離層5の第1側端部のみが上ラベル4の周縁から延出されている場合などが挙げられる(図示せず)。なお、周端部は、ラベル構成要素の周囲の端部を指す。
図4乃至図6に示す第2例では、剥離層5は、平面視で、上ラベル4と同形同大に形成されている。
図10乃至図12に示す第4例では、剥離層5は、平面視で、上ラベル4よりも少し小さな形状に形成されている。
剥離層5を設ける位置は、下基材31の表面内であれば特に限定されず、上ラベル4を積層する位置に対応して剥離層5は配置される。
剥離層5は、下ラベル3の表面に剥離剤を塗工することによって形成されている。剥離層5を構成する剥離剤としては、例えば、シリコーン樹脂を含む剥離剤が挙げられ、好ましくは、シリコーン樹脂を含む紫外線硬化型の剥離剤が挙げられる。剥離剤の塗工方法は、特に限定されず、従来公知の印刷法、塗工法が用いられる。
剥離層5の厚みは、特に限定されず、例えば、0.3μm〜10μmであり、好ましくは、0.5μm〜5μmである。
下基材31の表面のうち、前記剥離層5を有さない部分は、下基材31の表面そのものが露出している。つまり、剥離層5が積層された部分における下基材31の表面は前記剥離層5で隠されているが、剥離層5が積層されていない部分は、下基材31の表面が露出されている。
図示例では、下基材31の第1側端部、第2側端部及び第3側端部の表面には、剥離層5及び上ラベル4が積層されておらず、これらの端部の表面(下基材31の表面)そのものが露出している。
上ラベル4は、上基材41と、上基材41の裏面に設けられた粘着剤層42と、を有する。なお、上基材41に設けられた粘着剤層42を「上粘着剤層42」という。
第2例の多層ラベル1については、上ラベル4は、上粘着剤層42の裏面の端部に、さらに、マスキング層6が設けられている。
上基材41は、柔軟且つ薄いシートからなる。
上基材41は、下基材31よりも小さい。上基材41の平面視おける大きさは、下基材31の平面視における大きさよりも小さければ特に限定されないが、例えば、上基材41は、下基材31の面積の2/3〜1/10である。
上基材41(上ラベル4)の平面視形状は、特に限定されず、例えば、略矩形状、略円形状、略楕円形状、略三角形状、略六角形状などの略多角形状などが挙げられる。本発明において、平面視形状の「略」は、本発明の属する技術分野において許容される形状を意味する。前記平面視略矩形状、略三角形状及び略多角形状の「略」は、例えば、角部が面取りされている形状、辺の一部が僅かに膨らむ又は窪んでいる形状、辺が若干湾曲している形状などが含まれる。また、前記平面視略円形状及び略楕円形状の「略」は、例えば、周の一部が僅かに膨らむ又は窪んでいる形状、周の一部が若干直線又は斜線とされた形状などが含まれる。
図示例では、上基材41(上ラベル4)は、平面視略長方形状などの略矩形状に形成されている。
前記上基材41に用いられるシートは、特に限定されず、例えば、合成樹脂シート、発泡樹脂シート、紙、合成紙、不織布、織り生地又はこれらから選ばれる少なくとも1種のシートを含む積層シートなどが挙げられる。前記上基材41として用いられる合成樹脂シートなどのシートには、紫外線吸収剤が含有されていてもよい。
好ましくは、上基材41は、合成樹脂シート、紙、合成紙又はこれらから選ばれる少なくとも1種を含む積層シートが用いられる。前記積層シートは、ガスバリア層や光バリア層などのバリア層が一体的に積層されていてもよい。
バリア層や合成樹脂シートとしては、前記下基材31で例示したようなものが挙げられる。
また、前記上基材41は、熱収縮性を有していてもよいが、好ましくは、熱収縮性を有さないシートが用いられる。
また、上基材41には、必要に応じて、デザインを表すデザイン層(図示せず)が設けられていてもよい。デザイン層は、通常、印刷インキを用いてデザインを印刷することによって形成される。デザイン層は、上基材41の表面若しくは裏面又は表面及び裏面に設けられる。例えば、デザイン層に、光バリア性を付与できる顔料を混合することにより、デザイン層を遮光印刷層として用いることもできる。
上基材41は、透明(無色透明又は有色透明)又は不透明の何れでもよいが、前記のように裏面にデザイン層が設けられる場合には、通常、透明な上基材41が用いられる。
上基材41の厚みは、特に限定されない。上基材41は、そのシートの材質にもよるが、例えば、15μm〜500μmである。
上基材41の裏面には、上粘着剤層42が設けられている。
上粘着剤層42は、上基材41の裏面全体に設けられている。
前記上粘着剤層42は、公知の粘着剤からなる。粘着剤としては、前記下粘着剤層32で例示したようなものを用いることができる。なお、上粘着剤層42を形成する粘着剤として、紫外線吸収剤などが含有された粘着剤を用いてもよい。
上粘着剤層42と下粘着剤層32は、同種の粘着剤を用いてもよく、異種の粘着剤を用いてもよい。
前記上粘着剤層42は、透明、半透明又は不透明の何れでもよい。
また、上粘着剤層42の厚みは、特に限定されないが、通常、10μm〜30μmであり、好ましくは、15μm〜25μmである。上粘着剤層42は、全体的に略均一な厚みで上基材41に積層されていることが好ましい。
図1乃至図3に示す第1例においては、下ラベル3の剥離層5の表面に、上粘着剤層42の裏面が重ねられているが、上粘着剤層42の端部においてマスキング層6が介在されており、前記マスキング層6を有する端部においては上粘着剤層42の裏面がマスキング層6を介して剥離層5の表面に積層され、マスキング層6を有さない部分において上粘着剤層42の裏面が直接的に剥離層5の表面に接着されている。
図1に、マスキング層6が介在している部分を平面視で判り易く図示するため、便宜上、その部分に細い斜線を付している(図4も同様)。
このマスキング層6が介在している部分の幅6W(図1参照)は、特に限定されず、例えば、0.1mm〜3mmであり、好ましくは、1mm〜2mmである。
ただし、第1例については、上述のように、剥離層5の第1側端部、第2側端部及び第3側端部が上ラベル4の周縁よりも外側に延出されている。
図4乃至図6に示す第2例においては、下ラベル3の剥離層5の表面に、剥離層5と同形同大の上粘着剤層42の裏面が重ねられているが、上粘着剤層42の端部においてマスキング層6が介在されており、前記マスキング層6を有する端部においては上粘着剤層42の裏面がマスキング層6を介して剥離層5の表面に積層され、マスキング層6を有さない部分において上粘着剤層42の裏面が直接的に剥離層5の表面に接着されている。
このマスキング層6が介在している部分の幅6W(図4参照)は、特に限定されず、例えば、0.1mm〜3mmであり、好ましくは、1mm〜2mmである。
なお、第1例及び第2例の多層ラベル1の図示例では、マスキング層6は、上粘着剤層42の周端部の全体に亘って設けられているが、上粘着剤層42の周端部の一部分だけであってもよい。例えば、マスキング層6が、上粘着剤層42の第1側端部及び第2側端部にのみ設けられている場合、或いは、第1側端部、第2側端部及び第3側端部にのみ設けられている場合などが挙げられる(図示せず)。
図7乃至図9に示す第3例においては、下ラベル3の剥離層5の表面に、剥離層5と同形同大の上粘着剤層42の裏面が重ねられており、(両層の間には介在層がなく)剥離層5の表面に、上粘着剤層42の裏面が直接的に積層されている。
ただし、第3例については、第1例と同様に、剥離層5の第1側端部、第2側端部及び第3側端部が上ラベル4の周縁よりも外側に延出されている。
図10乃至図12に示す第4例においては、上基材41、上粘着剤層42及びマスキング層6の各端部が、下ラベル3の剥離層5の周縁から延出されている。この延出されている部分の幅41W(図11参照)は、特に限定されず、例えば、0.1mm〜3mmであり、好ましくは、1mm〜2mmである。
第1例乃至第4例の多層ラベル1において、上粘着剤層42の裏面が剥離層5に直接的に積層されている部分においては上ラベル4は下ラベル3に対して剥離可能に接着されている。
前記剥離可能な部分の接着強度は、人力で剥がすことができる程度であれば特に限定されず、例えば、0.1N/25mm〜3N/25mmであり、好ましくは0.3N/25mm〜2N/25mmである。
上粘着剤層42の剥離層5に対する接着強度は、JIS Z 0237に準じて測定される。具体的には、裏面全体に上粘着剤層42が設けられた上基材41と、表面全体に離型層が設けられた下基材31とを、剥離層5の表面に上粘着剤層42を重ね合わせたものを、幅25mm、長さ100mmに切り取ってサンプルとし、上基材41を剥離角度180度、剥離速さ300mm/分、温度を23℃とした条件下で剥離して測定される値である。
第1例及び第2例の多層ラベル1において、前記マスキング層6は、粘着剤の粘着力を隠蔽する又は弱めるための層である。マスキング層6は上粘着剤層42の裏面に積層されている。マスキング層6が介在された部分においては、上粘着剤層42は剥離層5に対して非接着又は極めて弱い接着力で接着(弱接着)する。
マスキング層6を介在させた部分の接着強度は、非接着の場合には零であり、弱接着の場合には、例えば、零を越え0.3N/25mm未満であり、好ましくは零を越え0.1N/25mm未満である。前記マスキング層6を介在させた部分の接着強度は、JIS Z 0237に準じて測定される。具体的には、裏面全体に上粘着剤層42が設けられ且つその上粘着剤層42の裏面全体にマスキング層6が設けられた上基材41と、表面全体に離型層が設けられた下基材31とを、剥離層5の表面にマスキング層6を重ね合わせたものを、幅25mm、長さ100mmに切り取ってサンプルとし、上基材41を剥離角度180度、剥離速さ300mm/分、温度を23℃とした条件下で剥離して測定される値である。
マスキング層6は、上粘着剤層42の裏面にマスキング剤を塗布することによって形成できる。マスキング剤は、従来公知のものを用いることができ、例えば、着色剤を含まない紫外線硬化型インキ、着色剤を含む紫外線硬化型インキなどが挙げられる。マスキング層6の厚みは、特に限定されず、その厚みと上粘着剤層42の粘着力を隠蔽する効果とが比例する。
マスキング層6の厚みは、例えば、1μm〜10μmである。
マスキング層6は、図示のように上粘着剤層42の周端部(周囲全体)に設けられていてもよく、上粘着剤層42の周端部の一部(上粘着剤層42の端部)のみに設けられていてもよい(図示せず)。図4において、マスキング層6が介在された部分を判り易くするため、その部分に無数のドットを付加している。
なお、上記第1例乃至第4例から選ばれる少なくとも2つの構成を適宜組み合わせてもよい。
例えば、剥離層5及びマスキング層6の各第1側端部における構成が、第1例(図1乃至図3)で示した構成とされ、剥離層5及びマスキング層6の各第2側端部における構成が、第2例(図4乃至図6)で示した構成とされている多層ラベルなどでもよい。つまり、本発明の多層ラベルは、第1例乃至第4例で示した第1側端部乃至第4側端部の構成を任意に組み合わせることができる。
[多層ラベル連続体の製造方法]
本発明の製造方法によって、上記多層ラベル連続体を得ることができる。
本発明の多層ラベル連続体の製造方法は、長尺帯状の下基材原反の表面に剥離層を形成する剥離層形成工程と、裏面全体に粘着剤層が設けられた長尺帯状の上基材原反にマスキング層を形成するマスキング層形成工程と、下基材原反及び上基材原反を重ね合わせて積層体原反を作製する積層体作製工程と、積層体原反のうち上基材原反のみを切断する切断工程と、前記切断後の上基材原反を下基材原反から除去する上基材原反除去工程と、を有する。
本発明の製造方法は、これらの工程以外に、必要に応じて、他の工程を有していてもよい。また、これら各工程を1つの製造ラインで一連に行ってもよいし、或いは、前記各工程から選ばれる1つ又は2つ以上の工程を、1つのラインで行い、且つ残る工程を他の1つ又は2つ以上のラインで行ってもよい。また、前記各工程の全てを一の実施者が行ってもよいし、或いは、前記各工程から選ばれる1つ又は2つ以上の工程を一の実施者が行い、且つ残る工程を他の実施者が行ってもよい。
また、本発明の製造方法は、幅方向に多層ラベル1が1列で配置された多層ラベル連続体10を製造する場合(単列の多層ラベル連続体10を製造する場合)、又は、多層ラベル1が幅方向に2列以上配置された多層ラベル連続体10を製造する場合(複列の多層ラベル連続体10を製造する場合)の何れにも適用できる。
以下、単列の多層ラベル連続体10を製造する場合を具体的に説明するが、複列の多層ラベル連続体10の製造についても単列を複列にすること以外は単列に準じて同様にして実施できる。
<準備工程>
長尺帯状の離型シート71、下基材原反72及び上基材原反73を準備する。
例えば、図13(a)に示すように、表面が離型面とされた長尺帯状の離型シート71と同形同大の長尺帯状の下基材原反72が下粘着剤層74を介して積層された第1積層シート75を準備する。この下粘着剤層74は、好ましくは感圧粘着剤からなる。なお、下基材原反72の幅は、離型シート71の幅よりも小さくてもよいが、好ましくは同形同大のものが用いられる。
同様に、図13(b)に示すように、表面が離型面とされた長尺帯状の離型シート76と同形同大の長尺帯状の上基材原反73が上粘着剤層77を介して積層された第2積層シート78を準備する。この上粘着剤層77は、好ましくは感圧粘着剤からなる。なお、上基材原反73の幅は、離型シート76の幅よりも小さくてもよいが、好ましくは同形同大のものが用いられる。
なお、前記第2積層シート78に代えて、長尺帯状の上基材原反73のみを準備してもよい。上基材原反73のみを準備した場合には、後述する<マスキング層形成工程>において、マスキング層を形成する前に、上基材原反73の裏面に粘着剤を塗布することによって上粘着剤層77を形成すればよい。粘着剤を塗布する装置としては、例えば、ホットメルトコーターなどのコーターが挙げられる。
<剥離層形成工程>
図14は、多層ラベル連続体10の製造装置の概略側面図である。
図14において、ロールに巻かれた第1積層シート75を、その長手方向に繰り出してラインの下流側へと搬送する。なお、図14の細矢印は、下基材原反72などの搬送方向を示すものである。
その搬送途中において、下基材原反72の表面に、その長手方向に所定間隔を開けて剥離層79を形成していく(図15参照)。なお、図15に、剥離層79を判り易く図示するため、便宜上、剥離層が形成された範囲に無数のドットを付加している。
剥離層79の形成間隔は、上記で説明した多層ラベル連続体10(作製予定の多層ラベル連続体)の多層ラベル1の形成間隔と同様に設定される。
剥離層79は、例えば、図14に示すような塗布装置A1を用いて、剥離剤を下基材原反72の表面に塗布することによって形成できる。前記剥離剤を印刷法にて塗布する場合には、塗布装置A1として凸版輪転機などの印刷機が用いられる。
剥離層79を形成しない範囲には剥離剤を塗布せず、下基材原反72の表面を無処理とする。
剥離剤を塗布した後、剥離剤の固化方式に従って、紫外線照射又は乾燥などの処理を行うことによって剥離層79が形成されるが、その紫外線照射などの固化処理装置は図示しない。
また、特に図示しないが、剥離剤の塗布に前後して、下基材原反72に印刷インキを印刷してデザイン層が必要に応じて設けられる。なお、デザイン層は、下基材原反72の準備工程で設けておいてもよい。
剥離層79は、上記多層ラベル1の欄で説明した上ラベル4(作製予定の上ラベル4)と略同じ平面視形状に形成される。
前記略同じ平面視形状とは、剥離層79の平面視形状が上ラベル4の平面視形状と同じ、又は、剥離層79の平面視形状が上ラベル4の平面視形状よりも少し大きい形状という意味である。
下基材原反72の表面において、剥離層79を、作製予定の上ラベル4と略同じ平面視形状に形成してもよく、或いは、作製予定の上ラベル4の平面視形状よりも少し大きな平面視形状に形成してもよい。
剥離層79を作製予定の上ラベル4と同じ平面視形状に形成し、後述する切断工程で、その剥離層79の周縁に沿って上基材原反73を切断すれば、多層ラベル1の上ラベル4を形成できる。もっとも、長尺帯状の下基材原反72の長手方向に間隔を開けて複数形成されている剥離層79の周縁に沿って精度良く上基材原反73を切断することは実際上困難である。このため、剥離層79を、上記で説明した上ラベル4(作製予定の上ラベル4)よりも少し大きな平面視形状に形成することが好ましい。
この好ましい例では、下基材原反72の表面に、図15に示すように、下基材原反72の表面を海とし、作製予定の上ラベル4よりも少し大きい剥離層79を島とする、海島構造が形成される。
<マスキング層形成工程>
一方、ロールに巻かれた第2積層シート78を、図14に示すように、その長手方向に繰り出してラインの下流側へと搬送する。
その搬送途中において、第2積層シート78から離型シート76を剥離して、上基材原反73の裏面全体に設けられた上粘着剤層77を露出させる。剥離された離型シート76は、回収ロールA5に回収される。
次に、その上粘着剤層77の裏面に、その長手方向に所定間隔を開けてマスキング層711を形成していく(図16参照)。なお、図16に、マスキング層711を判り易く図示するため、便宜上、マスキング層が形成された範囲に無数のドットを付加している。
マスキング層711の形成間隔は、上記剥離層79の形成間隔と同様に設定できる。
マスキング層711は、例えば、図14に示すような塗布装置A2を用いて、マスキング剤を上粘着剤層77の裏面に塗布することによって形成できる。前記マスキング剤を印刷法にて塗布する場合には、塗布装置A2として凸版輪転機などの印刷機が用いられる。
マスキング層711を形成しない範囲にはマスキング剤を塗布せず、上粘着剤層77の裏面を無処理とする。
マスキング剤を塗布した後、マスキング剤の固化方式に従って、紫外線照射又は乾燥などの処理を行うことによってマスキング層711が形成されるが、その紫外線照射などの固化処理装置は図示しない。
また、特に図示しないが、マスキング剤の塗布に前後して、上基材原反73に印刷インキを印刷してデザイン層が必要に応じて設けられる。なお、デザイン層は、上基材原反73の準備工程で設けておいてもよい。
マスキング層711は、長尺帯状の上基材原反73の上粘着剤層77の裏面のうち、前記下基材原反72に上基材原反73を積層した際に、下基材原反72の表面に形成した剥離層79に略重ならない範囲に形成される。マスキング層711が形成されない範囲は、上粘着剤層77の裏面そのものが露出している。以下、マスキング層711が形成されない範囲を「上粘着剤露出部」という場合がある。
前記略重ならない範囲に形成されるとは、前記下基材原反72に形成した剥離層79の平面視形状と同じ範囲を除いて形成される(換言すると、剥離層79に対応する範囲を上粘着剤層77の裏面とし且つ下基材原反72の表面に対応した範囲にマスキング層711を形成する)、又は、前記下基材原反72に形成した剥離層79の平面視形状よりも少し小さい範囲を除いて形成される(換言すると、剥離層79よりも少し小さい範囲を上粘着剤層77の裏面とし且つ下基材原反72の表面に対応した範囲及び剥離層79の周端部に対応した範囲にマスキング層711を形成する)という意味である。
上粘着剤層77の裏面において、マスキング層711を剥離層79の平面視形状と同じ範囲を除いて形成してもよく、或いは、マスキング層711を剥離層79の平面視形状よりも少し小さい範囲を除いて形成してもよい。
マスキング層711を剥離層79の平面視形状と同じ範囲を除いて形成し、上粘着剤露出部を剥離層79に完全に重なるように積層してもよいが、実際上、前記のように精度良く積層することは困難である。このため、マスキング層711を剥離層79の平面視形状よりも少し小さい範囲を除いて形成することが好ましい。
この好ましい例では、上粘着剤層77の裏面には、図16に示すように、マスキング層711を海とし、剥離層79よりも少し小さい上粘着剤露出部を島とする、海島構造が形成される。
<積層体作製工程>
図14に示すように、剥離層79を形成した下基材原反72(第1積層シート75)の表面に、マスキング層711を形成した上基材原反73の裏面を重ね合わせ、ニップロールA3間に通して積層することにより、下から順に、離型シート71/下粘着剤層74/下基材原反72/部分的な剥離層79/部分的なマスキング層711/上粘着剤層77/上基材原反73からなる積層体原反712を作製する(図17参照)。
上述のように、上粘着剤露出部を剥離層79よりも少し小さい平面視形状に形成しているので、図18及び図19に示すように、マスキング層711が、下基材原反72の表面及び剥離層79の周端部に重なり、且つ、上粘着剤露出部が剥離層79の中央部に重なるようになる。
なお、図18において、剥離層79の周縁を小ドットの破線で、上粘着剤露出部の周縁を通常の破線で示している(図20も同様)。
<上基材原反の切断工程>
図14に示すように、積層体原反712を下流側に搬送し、上基材原反73の表面側から、ダイロールなどの切断具A4を用いて、上基材原反73の長手方向に所定間隔を開けて複数の切断線713を形成する。
この切断線713は、(下基材原反72には至らず)上基材原反73の厚み方向に貫通する切断線713である。前記切断線713は、剥離層79の外形に略対応する位置に形成される。
切断線713を剥離層79の外形(剥離層79の縁)に略対応する位置に形成するとは、剥離層79の縁に一致して切断線713を形成する、又は、剥離層79の縁の近傍に沿って切断線713を形成するという意味である。剥離層79の縁に一致するように切断線713を精度良く形成することは実際上困難な場合があるので、剥離層79の縁の近傍に沿って切断線713を形成することが好ましくい。
第1例では、図20及び図21に示すように、切断線713を、マスキング層711と剥離層79が重なった部位内で形成する。これは、剥離層79の縁の近傍に沿って切断線713を形成する場合であり、その切断線713は剥離層79の縁よりも内側の位置に形成される。このような位置に切断線713を形成することにより、図1乃至図3に示す第1例の多層ラベル1及び多層ラベル連続体10が得られるようになる。
第2例では、図22に示すように、切断線713を、剥離層79の縁に一致する位置で形成する。これは、剥離層79の縁に一致して切断線713を形成する場合である。このような位置に切断線713を形成することにより、図4乃至図6に示す第2例の多層ラベル1及び多層ラベル連続体10が得られるようになる。
第3例では、図23に示すように、切断線713を、上粘着剤露出部の範囲内(剥離層79のみの範囲内)で形成する。これは、剥離層79の縁の近傍に沿って切断線713を形成する場合であり、その切断線713は剥離層79の縁よりも内側の位置に形成される。このような位置に切断線713を形成することにより、図7乃至図9に示す第3例の多層ラベル1及び多層ラベル連続体10が得られるようになる。
第4例では、図24に示すように、切断線713を、剥離層79の縁よりも外側で形成する。これは、剥離層79の縁の近傍に沿って切断線713を形成する場合であり、その切断線713は、剥離層79の縁よりも外側の位置に形成される。このような位置に切断線713を形成することにより、図10乃至図12に示す第4例の多層ラベル1及び多層ラベル連続体10が得られるようになる。
なお、上記[多層ラベル連続体及び多層ラベル]の欄で説明した、第1例乃至第4例で示した第1側端部乃至第4側端部の構成を任意に組み合わせた多層ラベルは、上記図21乃至図24で示した切断線713(切断具A4)の位置を適宜組み合わせることにより、製造できる。
<上基材原反除去工程>
図14において、積層体原反712から上基材原反73のうち前記切断線713で囲われた領域以外の領域(以下、この領域を上基材原反不要領域という)を、回収ロールA6に巻き取りながら除去する。前記上基材原反不要領域は、図20に示すように、平面視において恰も梯子のような形状をしている。図20において、上基材原反不要領域を分かり易くするために、その領域に細線網掛けを付している。上基材原反不要領域の裏面においては、上粘着剤層77の裏面にマスキング層711が積層されているので、上基材原反不要領域を下基材原反72の表面から簡単に剥離でき、回収ロールに回収できる。
このように上基材原反不要領域を除去すると、下基材原反72の長手方向に複数の上ラベル4が剥離可能に接着された連続体が得られる(図25参照)。
本発明の多層ラベル連続体は、下基材原反72が個々に分割されていない状態で提供することもできる。すなわち、図25に示す状態の連続体を、使用時に下基材原反72を切断することにより、上ラベル4と下ラベル3からなる多層ラベル1を得ることもできる。
好ましくは、下基材原反72を切り取り、長尺帯状の離型シート71上に個々の下ラベル3を形成する。
<下基材原反の切断工程>
図14に示すように、前記個々の上ラベル4が形成された下基材原反72を下流側に搬送し、その表面側から、ダイロールなどの切断具A7を用いて、下基材原反72の長手方向に所定間隔を開けて複数の下基材切断線714を形成する。
この下基材切断線714は、(離型シート71には至らず)下基材原反72の厚み方向に貫通する切断線である。前記下基材切断線714は、下ラベル3の外形に対応する位置に形成される(図26参照)。
<下基材原反除去工程>
図14において、下基材原反72のうち前記下基材切断線714で囲われた領域以外の領域(以下、この領域を下基材原反不要領域という)を、回収ロールに巻き取りながら除去する。前記下基材原反不要領域は、図26に示すように、平面視において恰も梯子のような形状をしている。図26において、下基材原反不要領域を分かり易くするために、その領域に細線網掛けを付している。下基材原反72は、離型シート71に積層されているので、下基材原反不要領域を離型シート71の表面から簡単に剥離でき、回収ロールA8に回収できる。
なお、下基材原反72を切断する際に上ラベル4の僅かな部分を同時に切断し、この僅かな部分を下基材原反不要領域とともに離型シート71から剥離除去してもよい。
このように下基材原反不要領域を除去すると、離型シート71の長手方向に、複数の下ラベル3及び上ラベル4を有する多層ラベル1が剥離可能に接着された、図1乃至図12に示すような多層ラベル連続体10が得られる。
得られた多層ラベル連続体10は、通常、図14に示すように、ロール状に巻き取られ、保管・運搬に供される。
本発明の製造方法によれば、下ラベル3の表面に剥離層5が実質的に露出しない多層ラベル連続体10を容易に製造することができる。
かかる多層ラベル連続体10について、離型シート71から多層ラベル1を剥離し、多層ラベル1を様々な被着体に貼り付けて使用する。
[ラベル付き容器]
例えば、多層ラベル1は、容器に貼り付けて使用される。
図27及び図28は、容器9と、前記容器9に装着された多層ラベル1と、を有するラベル付き容器8を示す。
前記容器9は、特に限定されず、ボトル型容器、柱状容器、瓢箪型容器、スプレーノズル付き容器、紙箱、樹脂成形ケース、金属ケースなどの従来公知のものを用いることができる。また、容器に入れられる物品も特に限定されず、医薬品、飲料、食品、化粧品、シャンプーなどのサニタリー品、文具、おもちゃなどが挙げられる。
容器9の材質は、特に限定されず、合成樹脂、ガラス、金属、紙、合成紙、陶器などが挙げられる。
例えば、容器9は、底面部91と、底面部91の上方に形成された胴部92と、蓋部93と、を有する。多層ラベル1は、前記容器9の胴部92の少なくとも一部を含んで装着される。
胴部92の形状は、特に限定されず、略円柱状、略楕円柱状、略円錐台状、略楕円錐台状、略四角柱状などの略多角柱状などが挙げられる。前記略円柱状、略楕円柱状、略円錐台状、略楕円錐台状の「略」は、例えば、周の一部が僅かに膨らむ又は窪んでいる形状、周の一部が若干直線又は斜線とされた形状などが含まれる。前記略四角柱状などの略多角柱状の「略」は、例えば、角部が面取りされている形状、辺の一部が僅かに膨らむ又は窪んでいる形状、辺が若干湾曲している形状などが含まれる。
ラベル付き容器8は、多層ラベル1が容器9の胴部92の周りに巻き付けられ、且つ下ラベル3の第1側端部11の表面に下ラベル3の第2側端部12の裏面を重ね合わせて接着されている。
このようなラベル付き容器8は、図29に示すように、多層ラベル1の第1側端部11を、下粘着剤層32を介して容器9に接着し、多層ラベル1を容器9の周囲に巻き付けた後、多層ラベル1の第1側端部11の表面に多層ラベル1の第2側端部12の裏面を重ね合わせ、下粘着剤層32を介して接着することによって得られる。なお、装着された多層ラベル1は、その横方向が容器9の周方向となる。
下ラベル3の下基材が熱収縮性を有するシートから形成されている場合には、多層ラベル1を容器9の周囲に巻き付けた後、熱収縮温度に加熱してもよい。加熱によって、下ラベル3が周方向に収縮するので、多層ラベル1を容器9に密着させることができる。
多層ラベル1の少なくとも第1側端部11の表面には、剥離層5が設けられていないので、下粘着剤層32を介して、多層ラベル1(下ラベル3)の第1側端部11の表面に、多層ラベル1(下ラベル3)の第2側端部12の裏面を剥離困難な程度に接着できる。
かかるラベル付き容器8は、多層ラベル1の第2側端部12が捲れ難くなる。
特に、図7乃至図9の第3例の多層ラベル1にあっては、上粘着剤層42と剥離層5の間にマスキング層6が介在されていないので、上ラベル4の端部が下ラベル3から不用意に剥がれることを防止できる。
また、上ラベル4は、下ラベル3の表面に剥離可能に接着されているので、必要に応じて上ラベル4を引き剥がし、異なる箇所に再貼付して使用できる。
特に、図1乃至図6及び図10乃至図12の第1例、第2例及び第4例の多層ラベル1にあっては、上粘着剤層42の端部と剥離層5の間にマスキング層6が介在されているので、上ラベル4の端部から上ラベル4を容易に引き剥がすことができる。
本発明は、上記第1実施形態に限られず、様々に変更することができる。
以下、本発明の様々な他の実施形態を説明するが、上記第1実施形態と同様の構成及び効果は、(その説明をしたものとして)説明を省略し、用語及び符号をそのまま援用する。
(第2実施形態)
上記第1実施形態の多層ラベル1の上ラベル4が複数の子ラベルに分割可能に構成されている又は複数の子ラベルに分割されていてもよい。
例えば、図30に示すように、上ラベル4の面内に、ミシン目線49を少なくとも1本形成することにより、上ラベル4は、そのミシン目線49にて2つの小ラベル4Aに分割可能である。なお、図示例では、上ラベル4の面内に、縦方向に延びるミシン目線49が横方向に間隔を開けて6本形成されており、上ラベル4は、7つの子ラベル4Aに分割できる。ミシン目線49は、上ラベル4にのみ形成されており、下ラベル3及び離型シート2には、ミシン目線は形成されていない。
また、前記ミシン目線49に代えて、ハーフカット線を用いてもよく、この場合でも上ラベル4は複数の子ラベル4Aに分割可能に構成される。さらに、前記ミシン目線49に代えて、上ラベル4を2つに分断する切込み線(図示せず)を用いることにより、上ラベル4は複数の子ラベルに分割される。
このように複数の子ラベル9に分割可能な上ラベル4は、例えば、医療用途において次のような方法で使用できる。全ての子ラベル4Aに患者番号などを印字し、1つの子ラベル4Aを調剤棚に貼り、他の子ラベル4Aを小分けにした薬剤容器に貼り付けるなどの使用法で用いることができる。
第2実施形態に示すミシン目線49(又はハーフカット線又は切込み線)が上ラベル4に形成された多層ラベル1は、例えば、上記第1実施形態で説明した<上基材原反の切断工程>で、切断線713の形成と同時に又は切断線713の形成と前後して、上基材原反72の所定箇所にミシン目線49(又はハーフカット線又は切込み線)を形成することによって得ることができる。
(第3実施形態)
上記第1又は第2実施形態の多層ラベル1の下ラベル3が分割可能に構成されていてもよい。
例えば、図31に示すように、下ラベル3の面内に、ミシン目線39を少なくとも1本形成することにより、下ラベル3は、そのミシン目線39にて分割可能である。なお、図示例では、下ラベル3の面内に、横方向に延びるミシン目線39が縦方向中途部に1本形成されており、下ラベル3は、そのミシン目線39にて分割できる。ミシン目線39は、上ラベル4が積層されている部分に形成されていてもよいが、好ましくは、図示例のように、上ラベル4が積層されていない部分に形成される。ミシン目線39は、下ラベル3にのみ形成されており、上ラベル4及び離型シート2には、ミシン目線は形成されていない。
また、前記ミシン目線39に代えて、ハーフカット線を用いてもよく、この場合でも下ラベル3は複数に分割可能に構成される。
なお、図示例では、上ラベル4の全ての縁(周縁)が下ラベル3の全ての縁に一致せずに、上ラベル4が下ラベル3の表面内に積層されている。
第3実施形態に示すミシン目線39(又はハーフカット線)が下ラベル3に形成された多層ラベル1は、例えば、上記第1実施形態で説明した<下基材原反の切断工程>で、切断線714の形成と同時に又は切断線714の形成と前後して、下基材原反72の所定箇所にミシン目線39(又はハーフカット線)を形成することによって得ることができる。
本実施形態の多層ラベル1は、例えば、図32に示すように、多層ラベル1の第1側端部11を、下粘着剤層32を介して容器9に接着する。多層ラベル1の下ラベル3は、装着時に下ラベル3の上方部及び下方部が容器の上端及び下端から突出する程度の縦方向長さに形成されていることが好ましい。また、ミシン目線39が、容器9の蓋部93の下端又はその近傍に対応するように位置合わせすることが好ましい。
第1側端部11を接着した後、多層ラベル1を容器9の周囲に巻き付け、多層ラベル1の第1側端部11の表面に多層ラベル1の第2側端部12の裏面を重ね合わせ、下粘着剤層32を介して接着する(図33参照)。次に、多層ラベル1を加熱すると、下ラベル3が熱収縮して、図34に示すように、下ラベル3の上方部が容器9の上面(蓋部93の上面)に沿って折れ曲がり且つ下ラベル3の下方部が容器9の下面(底面部91)に沿って折れ曲がり、上方部及び下方部を含む下ラベル3の略全体が容器9の外面に略密着したラベル付き容器8が得られる。
かかるラベル付き容器8は、蓋部93を含む容器9の略全体が多層ラベル1によって覆われているが、ミシン目線39を利用して多層ラベル1(下ラベル3)の上方部を下方部から分離して除去することにより、蓋部93を開封できる。
このように容器9の略全体を覆うような大きさ及び形状に形成する場合、バリア層を具備した下ラベル3及び上ラベル4を用いることにより、遮光性に優れたラベル付き容器8を構成できる。
(その他の実施形態)
上記各実施形態の上ラベル4について、透明な上基材41の表面及び裏面にデザイン層を設け、且つ透明な上粘着剤層42及びマスキング層6を用いることにより、上ラベル4を剥離した後、上ラベル4の表裏面において各デザインが見えるようになる。例えば、上基材41の裏面に設けるデザイン層として、籤情報、おまけ情報、料理レシピなどを印刷しておくことにより、上ラベル4をいわゆるキャンペーンラベルとして利用することができる。
また、上記各実施形態の下ラベル3の一部分を透明にしておいてもよい。例えば、下ラベル3のうち上ラベル4が積層された部分を透明にしておく。このように一部分を透明にする方法としては、例えば、透明な剥離層5、下基材31及び下粘着剤層32を用い、その透明な下基材31の一部分を除いて不透明なデザイン層を設けることなどが挙げられる。上ラベル4の積層部分が透明とされた下ラベル3を有する積層ラベル1は、例えば、第3実施形態で示したような、容器9の略全体を覆うように装着することが効果的である。すなわち、上ラベル4の積層部分が透明とされた下ラベル3を有する積層ラベル1が容器9の略全体を覆うように容器9に装着されたラベル付き容器8は、その積層ラベル1によって、容器内を視認することが困難である。しかし、上ラベル4を剥離すると、下ラベル3の透明部分が現れるので、その透明部分から容器内に入れられた物品を透視することができる。
なお、上記様々な実施形態から選ばれる2以上の実施形態を適宜組み合わせてもよく、或いは、上記様々な実施形態から選ばれる1つ又は2つ以上の構成を、それ以外の実施形態に置換してもよい。例えば、第2実施形態で示した一部の構成(例えば、第2実施形態の上ラベル4)を、第3実施形態の一部の構成(第3実施形態の上ラベル4)に置換などしてもよい。
1 多層ラベル
10 多層ラベル連続体
11 多層ラベル(下ラベル)の第1側端部
12 多層ラベル(下ラベル)の第2側端部
2,71 離型シート
3 下ラベル
31 下基材
32 下ラベルの粘着剤層
4 上ラベル
41 上基材
42 上ラベルの粘着剤層
5 剥離層
6 マスキング層
72 下基材原反
73 上基材原反
74 下基材原反の粘着剤層
77 上基材原反の粘着剤層
79 下基材原反に形成された剥離層
711 上基材原反の粘着剤層に形成されたマスキング層
713 上基材原反の切断線

Claims (2)

  1. 下ラベルと前記下ラベルの表面に剥離可能に貼付され且つ前記下ラベルよりも小面積の上ラベルとを有する多層ラベルの複数が、長尺帯状の離型シートの長手方向に配置されている多層ラベル連続体の製造方法であって、
    長尺帯状の下基材原反の表面に、その長手方向に所定間隔を開けて、前記上ラベルと略同じ平面視形状の剥離層を形成する工程、
    裏面全体に粘着剤層が設けられた長尺帯状の上基材原反の前記粘着剤層の裏面のうち、前記下基材原反に上基材原反を積層した際に前記剥離層に略重ならない範囲に、粘着剤層の粘着力を隠蔽するマスキング層を形成する工程、
    前記剥離層が形成された下基材原反の表面に、前記マスキング層が形成された上基材原反の裏面を積層して積層体原反を作製する工程、
    前記積層体原反のうち上基材原反のみを、前記剥離層の外形に略対応する位置で切断して切断線を形成する工程、
    前記切断後の上基材原反のうち前記切断線で囲われた範囲以外を下基材原反から除去する工程、
    を有する、多層ラベル連続体の製造方法。
  2. 容器と、前記容器に装着された多層ラベルと、を有し、
    前記多層ラベルが、少なくとも第1側端部を除く表面に剥離層が設けられた下ラベルと、裏面に粘着剤層が設けられ且つ前記下ラベルよりも小面積の上ラベルであって、前記粘着剤層を前記下ラベルの剥離層の表面に重ねて貼付されている上ラベルと、を有し、
    前記多層ラベルが、前記容器の周りに巻き付けられ、且つ下ラベルの第1側端部の表面に下ラベルの第2側端部の裏面を重ね合わせて接着されている、ラベル付き容器。
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