JP6752177B2 - スルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、スルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物およびその製造方法に関する。より詳しくは、水処理剤、洗剤ビルダー、分散剤等の、各種用途に有用なスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物およびその製造方法に関する。
不飽和二重結合、スルホン酸(塩)基及びエーテル結合を有するスルホン酸基含有エーテル化合物は、水処理剤、洗剤用ビルダー、洗剤組成物、分散剤、洗浄剤等に使用される重合体の原料として有用な化合物であり、代表的な化合物として3−アリルオキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウム(以下、「HAPS」とも称する。)が知られている。
このようなスルホン酸基含有エーテル化合物について、pHを10以上に調整したアルカリ水に、アリルグリシジルエーテル等の特定のエーテル化合物と亜硫酸塩水溶液を滴下する製造方法や、スルホン酸基含有エーテル化合物を含む組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、アルカリ性物質を用いてpHを5.5以上に調整する工程と、亜硫酸化合物が存在する反応器にアリルグリシジルエーテル等の特定のエーテル化合物を添加する工程とを含むスルホン酸基含有エーテル化合物の製造方法や、スルホン酸基含有エーテル化合物を含む組成物が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2011−213615号公報 国際公開第2010/030024号
上記のように、従来よりスルホン酸基含有エーテル化合物の製造方法やスルホン酸基含有エーテル化合物を含む組成物について報告されているが、スルホン酸基含有エーテル化合物の長期間の保存については何ら記載されていない。本発明者は、スルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物を長期間保存した場合、色調に変化が生じる、という新たな課題を見出した。色調変化したスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物を重合体の原料として使用した場合、得られる重合体の色調が悪化し、望ましくない。従って長期保存をした場合のスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物の色調安定性を向上させる必要があった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、長期保存した場合においても優れた色調安定性を有するスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決する手段について種々検討したところ、スルホン酸基含有エーテル化合物に対して、硫黄含有化合物、りん含有化合物及び窒素含有化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を所定の割合で含む組成物の形態とすると、スルホン酸基含有エーテル化合物の色調変化が抑制され、長期間保存した場合においても色調安定性に優れたスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物となることを見いだした。本発明者は更に、このような色調安定性に優れたスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物の好適な製造方法も見出し、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、下記一般式(1);
Figure 0006752177
(式中、Rは、単結合、CH基又はCHCH基を表す。Rは、H又はCH基を表す。X、Yは水酸基またはスルホン酸(塩)基を表し、X、Yのいずれか一方は水酸基を表し、他の一方はスルホン酸(塩)基を表す。)で表されるスルホン酸基含有エーテル化合物と、硫黄含有化合物、りん含有化合物及び窒素含有化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含み、上記硫黄含有化合物、りん含有化合物及び窒素含有化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物の含有量は、スルホン酸基含有エーテル化合物100モル%に対して、2.3〜19モル%であることを特徴とするスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物である。
本発明はまた、下記一般式(1);
Figure 0006752177
(式中、Rは、単結合、CH基又はCHCH基を表す。Rは、H又はCH基を表す。X、Yは水酸基またはスルホン酸(塩)基を表し、X、Yのいずれか一方は水酸基を表し、他の一方はスルホン酸(塩)基を表す。)で表されるスルホン酸基含有エーテル化合物と、硫黄含有化合物、りん含有化合物及び窒素含有化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む組成物を製造する方法であって、
上記製造方法は、下記一般式(2);
Figure 0006752177
(式中、Rは、単結合、CH基又はCHCH基を表す。Rは、H又はCH基を表す。)で表される化合物と亜硫酸(塩)及び/又は重亜硫酸(塩)とを反応させる工程と、上記反応工程により得られたスルホン酸基含有エーテル化合物を含む組成物中の硫黄含有化合物、りん含有化合物及び窒素含有化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物の量をスルホン酸基含有エーテル化合物100モル%に対して、2.3〜19モル%に調整する工程とを含むことを特徴とするスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物の製造方法でもある。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
<スルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物>
本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物は、硫黄含有化合物、りん含有化合物及び窒素含有化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物(以下、「着色抑制物質」とも称する。)を上記一般式(1)で表わされるスルホン酸基含有エーテル化合物100モル%に対して、2.3〜19モル%含むことを特徴としている。
スルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物の着色は、組成物中に含まれる不純物の酸化反応により起こると考えられ、硫黄含有化合物、りん含有化合物及び窒素含有化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物の酸化防止作用により、不純物の酸化反応が抑制されることで、組成物の着色が抑制されると推定される。
なお、本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物が着色抑制物質に該当する化合物を2種以上含む場合、当該2種以上の化合物の合計量が、上記一般式(1)で表わされるスルホン酸基含有エーテル化合物100モル%に対して、2.3〜19モル%である。
上記硫黄含有化合物としては、例えば、亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム等が挙げられる。また、硫黄含有還元剤や硫黄含有酸化防止剤等が挙げられる。水への溶解性やアリルグリシジルエーテルへの反応性を考慮すると、亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウムが好ましい。
上記りん含有化合物としては、例えば、亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム等が挙げられる。また、りん含有還元剤やりん含有酸化防止剤等が挙げられる。水への溶解性やアリルグリシジルエーテルへの反応性を考慮すると、亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸ナトリウムが好ましい。
上記窒素含有化合物としては、例えば、亜硝酸ナトリウム、次亜硝酸ナトリウム等が挙げられる。また、窒素含有還元剤や窒素含有酸化防止剤等が挙げられる。水への溶解性やアリルグリシジルエーテルへの反応性を考慮すると、亜硝酸ナトリウム、次亜硝酸ナトリウムが好ましい。
本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物が含む着色抑制物質は、硫黄含有化合物、りん含有化合物及び窒素含有化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物であればよく、特に制限されないが、硫黄含有化合物が好ましく、より好ましくは亜硫酸(塩)及び/又は重亜硫酸(塩)である。
なお、上記亜硫酸(塩)及び/又は重亜硫酸(塩)の塩としては、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩等が挙げられ、より具体的には、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属の塩;マグネシウム塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属の塩;アルミニウム塩、鉄塩等の塩;アンモニウム塩;モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩;モノエチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩等のアルキルアミン塩;エチレンジアミン塩、トリエチレンジアミン塩等のポリアミン塩等が挙げられる。
本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物は、硫黄含有化合物、りん含有化合物及び窒素含有化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物の含有量が、上記一般式(1)で表わされるスルホン酸基含有エーテル化合物100モル%に対して、2.3〜19モル%であることを特徴としている。着色抑制物質をこのような割合で含むことで、スルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物の着色を抑制する効果を良好に発揮することができる。上記一般式(1)で表わされるスルホン酸基含有エーテル化合物100モル%に対する着色抑制物質の含有量は、好ましくは2.3モル%以上、より好ましくは3.3モル%以上、更に好ましくは3.5モル%以上、最も好ましくは4.0モル%以上、好ましくは17モル%以下、より好ましくは15モル%以下、更に好ましくは13モル%以下、最も好ましくは10モル%以下である。
スルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物中の硫黄含有化合物、りん含有化合物及び窒素含有化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物の含有量は、酸化還元滴定を用いて測定することができる。
本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物(以下、「本発明の組成物」とも称する。)は、上記一般式(1)で表わされる化合物(スルホン酸基含有エーテル化合物)を必須とする。
上記スルホン酸基含有エーテル化合物において、スルホン酸(塩)基とは、−SOZ(Zは、水素原子、金属原子、アンモニウム基又は有機アミン基を表す。)で表される基を意味する。金属原子としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属;アルミニウム、鉄等が好ましく、また、有機アミン基としては、モノエタノールアミン基、ジエタノールアミン基、トリエタノールアミン基等のアルカノールアミン基;モノエチルアミン基、ジエチルアミン基、トリエチルアミン基等のアルキルアミン基;エチレンジアミン基、トリエチレンジアミン基等のポリアミン基等が好ましい。上記スルホン酸(塩)基としてより好ましくは、スルホン酸基、スルホン酸リチウム基、スルホン酸カリウム基、スルホン酸ナトリウム基、スルホン酸アンモニウム基、又は、スルホン酸の4級アミン基である。
上記一般式(1)中、R及びRは、上記スルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物を重合体の原料として使用した場合に、得られる重合体のスケール防止能が向上する傾向にあることから、上記一般式(1)におけるRはCH基又はCHCH基であり、Rは、H又はCH基であることが好ましい。上記スルホン酸基含有エーテル化合物としてより好ましくは、3−(メタ)アリルオキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウムである。
本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物は、上記一般式(1)で表わされる化合物を本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物100質量%に対し、20〜80質量%含むことが好ましい。上記一般式(1)で表わされる化合物の濃度が高すぎる場合には不純物の析出又は沈殿が生じ、また濃度が低すぎる場合には、重合体の原料として使用した場合に重合濃度が低くなって重合反応が進行しにくくなるという不具合が生じるおそれがあるが、一般式(1)で表わされる化合物を上記のような濃度で含むと、このような不具合の発生を充分に抑制することができる。より好ましくは30〜60質量%であり、更に好ましくは35〜50質量%である。
本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物は、上記一般式(1)で表わされる化合物及び上記着色抑制物質に加え、水等の溶媒や、副生成物等を含んでいても良い。
下記一般式(3)で表される化合物は、上記一般式(1)で表される化合物を製造する際に副生しやすい化合物であるが、上記スルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物中の下記一般式(3)で表される化合物の含有割合は、上記一般式(1)で表される化合物100モル%に対し、10モル%未満であることが適当である。このようなスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物を重合体原料として使用した場合に、スケール防止能(スケール抑制能)に特に優れた重合体を得ることが可能になる。このような重合体の性能面及びスルホン酸基含有エーテル化合物の重合性の観点から、下記一般式(3)で表される化合物の含有割合は10モル%未満であることが適当である。好ましくは5モル%未満であり、更に好ましくは3モル%未満である。
Figure 0006752177
(一般式(3)中、Rは、単結合、CH基又はCHCH基を表す。Rは、H又はCH基を表す。)
本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物は、上記一般式(3)で表される化合物以外の不純物を含んでいてもよいが、上記一般式(3)で表される化合物以外の不純物の含有量は、上記一般式(1)で表される化合物100モル%に対し、10モル%未満であることが適当である。より好ましくは、5モル%未満である。
本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物が含む溶媒としては、水の他、極性溶媒が挙げられ、例えばメタノール、エタノール等の低級アルコールや、アセトン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジオキサン等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも好ましくは、水である。
本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物が溶媒を含む場合、溶媒の含有量は、スルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物100質量%に対し、20〜80質量%であることが好ましい。より好ましくは、40〜70質量%である。さらに好ましくは、50〜65質量%である。
<スルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物の製造方法>
本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物の製造方法は、一般式(2)で表される化合物と亜硫酸化合物とを反応する工程(以下、「反応工程」とも称する。)と、反応工程により得られたスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物中の着色抑制物質の量をスルホン酸基含有エーテル化合物100モル%に対して、2.3〜19モル%に調整する工程(以下、「着色抑制物質濃度調整工程」とも称する。)とを含む。また、本発明の作用効果を損なわない限り、通常の製法で行われるような他の工程を更に含むものであってもよい。
上記反応工程は、一般式(2)で表される化合物と亜硫酸化合物とを反応させる限り特に制限されないが、アルカリ性物質を用いて反応系のpHを5.5以上に調整する工程(以下、「pH調整工程」とも称する。)と、亜硫酸(塩)及び/又は亜硫酸(塩)が存在する反応器に上記一般式(2)で表される化合物を添加する工程(以下、「添加工程」とも称す。)とを含むことが好ましい。亜硫酸化合物が存在する反応器に上記一般式(2)で表される化合物を添加する際、pHが低いと亜硫酸ガスとして系外に排出され、得られるスルホン酸基含有エーテル化合物の収率が低下すると考えられる。
上記pH調整工程においては、アルカリ性物質として、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物;アンモニア;アミン類等の1種又は2種以上を用いてpHを調整することが好ましい。
上記亜硫酸化合物としては、亜硫酸、亜硫酸水素、亜二チオン酸、メタ重亜硫酸、及びこれらの塩が好適である。亜硫酸化合物は、酸として使用(すなわち亜硫酸等を使用)することもできるが、取り扱いの面から、また収率向上の観点からは、塩として添加することが好ましい。すなわち、上記亜硫酸化合物は塩であることが好ましく、より好ましくは、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、亜二チオン酸塩及びメタ重亜硫酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の塩である。中でも、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜二チオン酸ナトリウム、亜二チオン酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム等の低級酸化物及びその塩等が好適である。経済的又は収率の向上の観点から、より好ましくは、亜硫酸水素塩及びメタ重亜硫酸塩であり、更に好ましくは、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウムである。
なお、上記塩としては、上述した亜硫酸(塩)及び/又は重亜硫酸(塩)の塩と同様である。
上記亜硫酸化合物の使用量は、上記一般式(1)で表される化合物1モルに対して、化学量論量で0.9モル以上、1.3モル以下であることが好ましい。「化学量論量で」とは、例えば、亜硫酸化合物として亜硫酸水素ナトリウムを用いる場合であれば、上記一般式(2)で表される化合物1モルに対して1モルが反応するため、0.9モル以上、1.3モル以下が好ましく、メタ重亜硫酸ナトリウムであれば、上記一般式(2)で表される化合物1モルに対して1/2モルが反応するため、1/2モル量である、0.45モル以上、0.65モル以下が好ましいことを意味する。化学量論量で0.9モル未満であれば、未反応の上記一般式(2)で表される化合物が増加したり、副生成物が多く副生するおそれがある。また、1.3モルを超えると、亜硫酸化合物に由来する副生成物が多くなるおそれがある。上記亜硫酸化合物の使用量としてより好ましくは、上記一般式(2)で表される化合物1モルに対して、化学量論量で0.95モル以上であり、更に好ましくは0.97以上である。また、化学量論量で1.2モル以下がより好ましく、更に好ましくは1.1モル以下である。
上記亜硫酸化合物は、その全使用量のうち、一部又は全部を、反応開始前に反応器に添加(初期仕込み)しておくことが好適である。例えば、全使用量を100モル%とすると、その50モル%以上を初期仕込みしておくことが好適であり、より好ましくは80モル%以上、更に好ましくは100モル%(すなわち、全量を初期仕込みすること)である。また、初期仕込みする代わりに、反応の極初期(反応開始後の極初期)に、例えば、上記一般式(2)で表される化合物の全量100モル%中の50モル%を添加する前に、亜硫酸化合物の全使用量100モル%中の80モル%以上を添加することも好適であり、より好ましくは100モル%(全量)である。
上記添加工程では、亜硫酸化合物が存在する反応器に上記一般式(2)で表される化合物を添加することになる。これによって、副反応が抑えられ、スルホン酸基含有エーテル化合物の収率を向上させることができる。
上記一般式(2)で表される化合物は、その全使用量のうち、一部は初期仕込みしても構わないが、スルホン酸基含有エーテル化合物の収率向上の観点からは、全使用量100モル%中の60モル%以上を反応開始以後に反応器に添加することが好ましい。より好ましくは80モル%以上、更に好ましくは100モル%、すなわち全量を反応開始以後に反応器に添加することである。なお、「反応開始以後」とは、反応開始と同時又は反応開始後であることを意味する。
上記反応工程の原料の仕込みにおいて、通常、原料中に存在するビニル基の空気中の酸素による酸化劣化を防ぐ目的で窒素ガスを流通しながら仕込み操作を行うが、アルカリ性物質の仕込み終了後、さらに窒素を導入する時間は、好ましくは1分間以上、より好ましくは5分間以上、更に好ましくは15分間以上、最も好ましくは25分間以上である。また、60分間以下が好ましいが、反応器の容積が、数10mに及ぶ場合は、その限りではなく、数日間に及ぶ場合もありうる。窒素導入について、前述の範囲の時間維持し、その後窒素導入を止めることが好ましい。このような方法で窒素の導入を行うことで、原料の酸化劣化を充分に抑制することが可能となる。一方、着色抑制物質として亜硫酸(塩)や重亜硫酸(塩)を用いた場合、窒素導入の時間が長い場合にこれらが毒性の高い亜硫酸ガスとして流出する不具合が生じるおそれがあるが、窒素導入の時間が前述の範囲である場合、このような不具合の発生が充分に抑制され、得られるスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物の着色を抑制する効果も充分に得ることができる。更に、無駄に使用される窒素ガスを減少させ、コストを削減することもできる。
上記反応工程において、原料中に存在するビニル基の空気中の酸素による酸化劣化を防ぐ目的及び反応系外からの酸素ガスの侵入を防ぐ目的で窒素ガスを流通させながら、合成反応を行う場合がある。
窒素ガス流通速度は、通常、反応器上部の空間部(容積)と窒素ガス流量(容積/時間)で、反応装置の大きさに依存しないSV(空間速度)[hr−1]という単位で、表すことが可能である。
一方、上記反応工程におけるアリルグリシジルエーテル等の原料の滴下操作を行う際の窒素ガスのSV値は、24[hr−1]以下であれば特に限定はないが、好ましい窒素ガスのSV値は、2.4[hr−1]以下である。より好ましくは0.24[hr−1]以下である。さらに好ましくは0.024[hr−1]以下である。最も好ましくは、窒素ガスの流通は0.0[hr−1]である。反応工程における窒素ガスのSV値が、前述の範囲よりも大きい場合、着色抑制物質としての亜硫酸(塩)や重亜硫酸(塩)が亜硫酸ガスとして、反応系外に流出するため好ましくない。
上記製造方法において、反応は、通常溶媒中で行われる。溶媒としては、特に限定されないが、少なくとも水を含む溶媒(水単独溶媒、又は、水と有機溶剤とを含む混合溶媒)が好ましい。より好ましくは、溶媒の総量100質量%中、水が50質量%以上であり、更に好ましくは70質量%以上、最も好ましくは100質量%、すなわち水単独溶媒である。また、反応時の固形分濃度(反応終了時の固形分濃度)は、20質量%以上、80質量%以下であることが好ましい。
上記反応はまた、反応温度30℃以上、80℃未満で行われることが好適である。80℃未満であれば、副生成物の生成を減少させることができ、また、30℃以上であれば、目的とするスルホン酸基含有エーテル化合物の収率が向上する傾向にある。より好ましくは、50℃以上75℃未満、更に好ましくは58℃以上68℃未満である。
なお、本発明の製造方法における全反応工程が、上記反応温度の範囲で行われることが最も好ましいが、全反応工程の時間100%中の30%以上の時間帯において、上記反応温度の範囲で反応が行われれば好ましい形態であり、50%以上であればより好ましい。
本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物の製造方法は、上記一般式(1)で表される化合物含有組成物中の硫黄含有化合物、りん含有化合物及び窒素含有化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物の量をスルホン酸基含有エーテル化合物100モル%に対して、2.3〜19モル%に調整する工程(以下、「着色抑制物質濃度調整工程」とも称す。)を含む。本工程を含むことにより、スルホン酸基含有エーテル化合物を含む組成物を長期保存した場合の色調安定性が向上する。硫黄含有化合物、りん含有化合物及び窒素含有化合物は、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
上記着色抑制物質濃度調整工程において、スルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物中の着色抑制物質濃度を調整する形態としては、下記形態A及びBがあり、これらを併用してもよい。下記形態Aは、反応工程において着色抑制物質が添加され、反応工程後の着色抑制物質の濃度が上述の範囲となる形態である。この場合、反応工程後に得られたスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物中の硫黄含有化合物、りん含有化合物及び窒素含有化合物の合計の濃度が上述の範囲となるように、反応工程において着色抑制物質の量が調整して添加されることになり、反応工程と着色抑制物質濃度調整工程とが同時に行われることになる。
形態A:上記反応工程後に得られたスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物中の硫黄含有化合物、りん含有化合物及び窒素含有化合物の合計の濃度が上述の範囲となる形態。
形態B:上記反応工程後に得られた上記スルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物に、硫黄含有化合物、りん含有化合物及び窒素含有化合物を添加することにより、該スルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物中の上記着色抑制物質の合計の濃度を上述の範囲の濃度に調整する形態。
上記硫黄含有化合物、りん含有化合物及び窒素含有化合物は特に限定されず、上述した本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物が含むものと同様の化合物を用いることができる。
上記着色抑制物質濃度調整工程によって調整されるスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物中の着色抑制物質濃度の好ましい範囲は、上述した本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物における着色抑制物質濃度の好ましい範囲と同様である。また、着色抑制物質として好ましい化合物も上述した本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物における着色抑制物質濃度の好ましい化合物と同様である。
上記一般式(1)で表される化合物含有組成物中の着色抑制物質濃度には、上記反応工程におけるアルカリ性物質の添加量が影響し、例えば、着色抑制物質として亜硫酸(塩)や重亜硫酸(塩)を用いた場合、アルカリ性物質の添加量が少ない場合には、組成物中の亜硫酸(塩)及び重亜硫酸(塩)濃度が低くなる。これは、アルカリ性物質の添加量が少ない場合には、組成物のpHが低いため、着色抑制物質として亜硫酸(塩)や重亜硫酸(塩)を用いた場合には、これらが亜硫酸ガスとして追い出され、残存亜硫酸(塩)及び重亜硫酸(塩)濃度が低下するためであると考えられる。
上記一般式(2)で表される化合物において、Rは、単結合、CH基又はCHCH基を表すが、この中でも、CH基であることが好適である。すなわち、上記一般式(2)で表される化合物は、一般式(2)中のRがCH基である化合物であることが好ましい。RがCH基であれば、当該化合物を原料として得られるスルホン酸基含有エーテル化合物を重合して得られる重合体において、スケール防止能をより向上することが可能になる。重合体のスケール防止能を更に向上する観点から、上記一般式(2)で表される化合物としては、(メタ)アリルグリシジルエーテルが特に好適である。
上述したように、本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物は、長期間の保存でも着色が抑制された色調安定性に優れた組成物である。このような効果は、硫黄含有化合物、りん含有化合物及び窒素含有化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を、スルホン酸基含有エーテル化合物に対して所定の割合で含むことで、発揮されることになる。このような、スルホン酸基含有エーテル化合物の安定化方法、すなわち、下記一般式(1);
Figure 0006752177
(式中、Rは、単結合、CH基又はCHCH基を表す。Rは、H又はCH基を表す。X、Yは水酸基またはスルホン酸(塩)基を表し、X、Yのいずれか一方は水酸基を表し、他の一方はスルホン酸(塩)基を表す。)で表されるスルホン酸基含有エーテル化合物100モル%に対して、硫黄含有化合物、りん含有化合物及び窒素含有化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を2.3〜19モル%含有させるスルホン酸基含有エーテル化合物の安定化方法もまた、本発明の1つであり、そのようなスルホン酸基含有エーテル化合物の安定化方法を用いたスルホン酸基含有エーテル化合物の保存方法もまた、本発明の1つである。
本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物の安定化方法、及び、保存方法の好ましい形態は、上述した本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物の好ましい形態と同様である。
本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物は、上述の構成よりなり、長期保存した場合においても着色を抑制し、色調を維持することが可能なものである。スルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物を重合体の原料として使用した場合に、重合体の色調に、悪影響を与えることがない。また、重合体の原料として配合量の自由度が増し、より多くのスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物を導入できるため、重合体の耐硬水性が向上する。したがって、スルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物は、水処理剤、洗剤用ビルダー、洗剤組成物、分散剤、洗浄剤等に使用される重合体の原料として有用な組成物である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
<アクリル酸(塩)および3−アリルオキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸(塩)の定量方法>
アクリル酸(塩)の定量は、下記条件にて高速クロマトグラフィーを用いて行った。
測定装置:株式会社日立製作所製 L−7000シリーズ
検出器:株式会社日立製作所製 UV検出器 L−7400
カラム:昭和電工株式会社製 SHODEX RSpak DE−413L
温度:40.0℃
溶離液:0.1%リン酸水溶液
流速:1.0mL/min.
<アリルグリシジルエーテルおよび3−アリルオキシ−1,2−プロパンジオールの定量方法>
測定装置:東ソー株式会社製 8020シリーズ
カラム:株式会社資生堂製 CAPCELL PAK C1 UG120(5μm φ4.6mm×250mm)
温度:40.0℃
溶離液:10mmol/Lリン酸水素二ナトリウム・12水和物水溶液
(リン酸でpH7に調整)/アセトニトリル=45/55(体積比)
流速:1.0mL/min
検出器:RI
<過酸化水素濃度の定量方法>
0.1%過酸化水素水の過酸化水素濃度の測定は以下の手順にしたがって行った。100mLビーカーに、ヨウ化カリウム1.0gを秤りとり、純水70gを加え、マグネチックスターラーで撹拌する。ここへ、撹拌下、ホールピペットで18N硫酸15mLを加えた後、さらに、0.1%過酸化水素水を、褐色に変色するまで加え(Zg)、2分撹拌する。ここへ、撹拌下、ホールピペットで1%デンプン1mLを加え、溶液が黒褐色に変色するのを確認する。変色確認後、ただちに、撹拌下、自動滴定装置(平沼産業株式会社製COM−1700)を用いて0.1Mチオ硫酸ナトリウム水溶液で滴定し、色が消えたところを終点(AmL)とする。別途、ブランクとして、0.1%過酸化水素水を添加しないものについても滴定し、終点(BmL)を求めておく。各測定値を下式に入力することにより、過酸化水素濃度を算出する。
過酸化水素濃度(%)=(A−B)×0.17×(0.1Mチオ硫酸ナトリウム水溶液の
ファクター)/Z
<亜硫酸(塩)、重亜硫酸(塩)の定量方法>
スルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物中の亜硫酸(塩)と重亜硫酸(塩)濃度の測定は、上記組成物中に酸化剤として過酸化水素を過剰に加えることにより、上記組成物中に含まれる亜硫酸(塩)と重亜硫酸(塩)をすべて分解させた後、残存する過酸化水素の濃度を、還元剤としてチオ硫酸ナトリウムを用いた酸化還元滴定により算出するものである。測定は以下の手順に従って行った。
0.1%過酸化水素水を十分な量調製し、上記<過酸化水素濃度の測定>にしたがって、正確な濃度(S%)を算出しておく。50mLスクリュー管に、固形分40%に調整したスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物3.0g(正確な重量をXgとする)及び0.1%過酸化水素水15g(正確な重量をYgとする)を秤りとり、マグネチックスターラーで10分撹拌し、これを溶液Cとする。100mLビーカーに、ヨウ化カリウム1.0gを秤りとり、純水70gを加え、マグネチックスターラーで撹拌する。このビーカーに、撹拌下、ホールピペットで18N硫酸15mLを加えた後、溶液Cを褐色に変色するまで(Zg)加え、2分撹拌する。さらに、撹拌下、ホールピペットで1%デンプン1mLを加え、溶液が黒褐色に変色するのを確認する。変色確認後、ただちに、撹拌下、自動滴定装置(平沼産業株式会社製COM−1700)を用いて0.1Mチオ硫酸ナトリウム水溶液で滴定し、色が消えたところを終点(AmL)とする。別途、ブランクとして、溶液Cを添加しないサンプルの終点(BmL)を求めておく。各測定値を下式に入力することにより、亜硫酸(塩)、重亜硫酸(塩)濃度を算出する。ただし、Fは0.1Mチオ硫酸ナトリウム水溶液のファクターを示す。
亜硫酸(塩)、重亜硫酸(塩)濃度(ppm)=30600×(X+Y)/{X×(S×Y/(X+Y)−0.17×F×(A−B)/Z)}
上記計算式における定数30600及び0.17は、測定に使用した化合物の分子量及び濃度の単位換算を考慮したうえで導出されたものである。
<実施例1>
温度計、攪拌機、窒素流入管と窒素流出口に冷却トラップを備えたSUS製反応容器に、窒素を導入しながら、脱イオン水161.9g、48%水酸化ナトリウム水溶液76.3gを仕込んだ。48%水酸化ナトリウム水溶液の仕込み終了後、さらに窒素導入を30分間維持し、その後窒素導入を止めた(窒素ガスのSV値:0.0[hr−1])。これに35%亜硫酸水素ナトリウム水溶液549.0gを添加した。液温を63℃に昇温し、アリルグリシジルエーテル212.9gを225分かけて滴下した。アリルグリシジルエーテルの滴下終了後、反応液の温度を63℃で30分間維持した。(このようにして得た本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物を、「スルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物(1)」と言う。)。
上記スルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物(1)中、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウムの収率(アリルグリシジルエーテルベース)は、94.9%であった。また、スルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物(1)に含まれる亜硫酸(塩)と重亜硫酸(塩)の合計の存在量は3−アリルオキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウム(酸型換算)100モル%に対し6.2モル%であった。
<比較例1>
温度計、攪拌機、窒素流入管と窒素流出口に冷却トラップを備えたSUS製反応容器に、窒素を導入しながら、脱イオン水161.9g、48%水酸化ナトリウム水溶液76.3gを仕込み、これに35%亜硫酸水素ナトリウム水溶液549.0gを添加した。液温を63℃に昇温し、アリルグリシジルエーテル212.9gを225分かけて滴下した。アリルグリシジルエーテルの滴下終了後、反応液の温度を63℃で30分間維持した。
その後、反応液の温度を63℃に保持したまま、35%過酸化水素水5.1gを添加して300分間維持した(このようにして得た本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物を、「スルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物(2)」と言う。)。
上記スルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物(2)中、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウムの収率(アリルグリシジルエーテルベース)は、94.9%であった。また、スルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物(2)に含まれる亜硫酸(塩)と重亜硫酸(塩)の合計の存在量は3−アリルオキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウム(酸型換算)100モル%に対し0モル%であった。
<比較例2>
温度計、攪拌機、窒素流入管と窒素流出口に冷却トラップを備えたSUS製反応容器に、窒素を導入しながら、イオン交換水232g、水酸化ナトリウム2gを初期仕込みした。液温を83℃に昇温し、アリルグリシジルエーテル200g、35%亜硫酸水素ナトリウム水溶液520gを120分かけて滴下した。その後、反応液の温度を83℃で1時間維持することにより反応を完結した。3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウム(本発明のスルホン酸基含有エーテル化合物)の収率(アリルグリシジルエーテルベース)は、94.5%であった。スルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物(3)に含まれる亜硫酸(塩)と重亜硫酸(塩)の合計の存在量は3−アリルオキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸ナトリウム(酸型換算)100モル%に対し2.2モル%であった。
<色調の測定方法>
色調(APHA)の測定方法は下記条件にてL、a、b値を測定し、式1、2よりAPHAを算出した。
装置:日本電色工業株式会社製分光式差計SE2000
式1 W=100−{(100−L)+a+b0.5
式2 APHA=−34.9×W+3490
<保存安定性評価>
実施例1及び比較例1で合成したスルホン酸基含有エーテル化合物含有組成物を100mLのスクリュー管に入れ蓋をし、40℃のオーブンで3か月間静置し、静置前後の色調を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0006752177

Claims (6)

  1. 下記一般式(1);
    Figure 0006752177
    (式中、Rは、単結合、CH基又はCHCH基を表す。Rは、H又はCH基を表す。X、Yは水酸基またはスルホン酸(塩)基を表し、X、Yのいずれか一方は水酸基を表し、他の一方はスルホン酸(塩)基を表す。)で表されるスルホン酸基含有エーテル化合物を保存する方法であって、
    該保存方法は、アルカリ性物質を用いて反応系のpHを5.5以上に調整する工程と、下記一般式(2):
    Figure 0006752177
    (式中、R は、単結合、CH 基又はCH CH 基を表す。R は、H又はCH 基を表す。)で表される化合物と亜硫酸(塩)及び/又は重亜硫酸(塩)との反応工程とを行うことにより得られるスルホン酸基含有エーテル化合物を含む組成物において、該反応工程での原料滴下操作における窒素ガス流通速度を0.24hr −1 以下に調整することにより、スルホン酸基含有エーテル化合物を含む組成物において、スルホン酸基含有エーテル化合物100モル%に対して亜硫酸(塩)及び/又は重亜硫酸(塩)を合計で3.5〜19モル%含有させることを特徴とするスルホン酸基含有エーテル化合物の保存方法。
  2. 前記反応工程での原料滴下操作における窒素ガス流通速度を0.024hr −1 以下に調整することを特徴とする請求項1に記載のスルホン酸基含有エーテル化合物の保存方法。
  3. 前記反応工程での原料滴下操作における窒素ガス流通速度を0.0hr −1 とすることを特徴とする請求項1に記載のスルホン酸基含有エーテル化合物の保存方法。
  4. 下記一般式(1);
    Figure 0006752177
    (式中、Rは、単結合、CH基又はCHCH基を表す。Rは、H又はCH基を表す。X、Yは水酸基またはスルホン酸(塩)基を表し、X、Yのいずれか一方は水酸基を表し、他の一方はスルホン酸(塩)基を表す。)で表されるスルホン酸基含有エーテル化合物を安定化する方法であって、
    該安定化方法は、アルカリ性物質を用いて反応系のpHを5.5以上に調整する工程と、下記一般式(2):
    Figure 0006752177
    (式中、R は、単結合、CH 基又はCH CH 基を表す。R は、H又はCH 基を表す。)で表される化合物と亜硫酸(塩)及び/又は重亜硫酸(塩)との反応工程とを行うことにより得られるスルホン酸基含有エーテル化合物を含む組成物において、該反応工程での原料滴下操作における窒素ガス流通速度を0.24hr −1 以下に調整することにより、スルホン酸基含有エーテル化合物100モル%に対して亜硫酸(塩)及び/又は重亜硫酸(塩)を合計で3.5〜19モル%含有させることを特徴とするスルホン酸基含有エーテル化合物の安定化方法。
  5. 前記反応工程での原料滴下操作における窒素ガス流通速度を0.024hr −1 以下に調整することを特徴とする請求項4に記載のスルホン酸基含有エーテル化合物の安定化方法。
  6. 前記反応工程での原料滴下操作における窒素ガス流通速度を0.0hr −1 とすることを特徴とする請求項4に記載のスルホン酸基含有エーテル化合物の安定化方法。
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