(実施の形態1)
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。ここで示す実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。従って、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、並びに、ステップ(工程)及びステップの順序等は、一例であって本発明を限定するものではない。以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意に付加可能な構成要素である。また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
以下、本発明の一実施形態に係る情報提供システム10について説明する。
情報提供システムは、複数の施設それぞれから、その施設の電気機器の使用状況を示す使用状況情報を収集して蓄積し、利用者(ユーザ)の要求に応じて使用状況情報に基づいて生成した情報(提供用情報)を提供するシステムである。提供用情報は、ユーザが電気機器を稼働させるべきか否かを判断するために有用な情報であり、例えば、一定の地理的範囲内の施設における電気機器の使用状況を示す情報等である。本実施の形態では、より具体的な一例として、あるユーザの住宅における特定種類の電気機器である空調機器(エアコン)を稼働させるべきか否かの判断材料を提供する例を示す。以下、あるユーザの住宅の近隣範囲の施設(住宅等)における空調機器の使用状況(例えば近隣範囲内で空調機器を使用している住宅の割合等)を示す提供用情報を提供する情報提供システム10について説明する。
(構成)
図1は、本実施の形態に係る情報提供システム10の構成図である。
同図に示すように情報提供システム10は、サーバ100と、空調機器21a〜21cを備える施設20a〜20cと、情報端末200とを含んで構成される。サーバ100と施設20a〜20c(施設内の装置)とは有線通信又は無線通信のための通信ネットワーク30を介して通信可能である。通信ネットワーク30は、例えば、インターネット、電話回線網等の広域ネットワークを含み得る通信路である。また、情報端末200も、通信ネットワーク30を介してサーバ100と通信可能である。本実施の形態では、サーバ100が施設20a〜20cから使用状況情報を収集して蓄積し、ユーザが用いる情報端末200からの要求に応じてサーバ100が提供用情報を情報端末200に提供する。
施設20a〜20cは、電力需要家の施設であり、例えば、戸建住宅、集合住宅の住戸、店舗、事務所等である。図1に示した施設20a〜20cは、情報提供システム10においてサーバ100が使用状況情報の収集対象とする複数の施設を代表的に示したものであり、施設の数は特に制限されない。サーバ100が使用状況情報の収集対象とする複数の施設は、各地に所在し、例えば一定範囲(一の市町村等、或いは、数km、数十km等といった一定距離範囲)において複数(例えば数百、数千等)存在し得る。
施設20aは、空調機器21aを備え、施設20a内の装置が、空調機器21aについて稼働中か否かを示す使用状況情報を周期的(例えば10分毎等)にサーバ100に送信する。施設20b、20cも、施設20aと同様である。具体例としては、施設20aにおける電力等のエネルギー管理を行うHEMS(Home Energy Management System)コントローラが、空調機器21a等のHEMS機器の稼働状況を検知することで使用状況情報を生成してサーバ100に送信する。HEMSコントローラは、例えば施設20a内のローカルエリアネットワーク(LAN:Local Area Network)を介してECHONET Lite(登録商標)等の通信プロトコルに基づいて空調機器21aと通信することで、空調機器21aの稼働状況(稼働中か否か)を検知し得る。空調機器21aが稼働状況(稼働中か否か)は、例えば、空調機器21aが電源オン状態か電源オフ状態かの区別等であり、例えば空調機器21aが所謂待機電力のみ消費している状況は、稼働中ではないこととして取り扱ってもよい。なお、空調機器21aの稼働状況の検知の方法は、いかなる方法であってもよい。例えば、HEMSコントローラは、空調機器21aとの通信による他に、施設20aにおける分電盤の空調機器21a用の分岐回路に設置された電流センサにより空調機器21aが使用(消費)する電力を測定することで稼働状況を検知してもよい。また、例えば、施設20aにおける分電盤の電力系統と接続される主幹ブレーカに付加した電流センサの測定結果から、或いは、分電盤より電力系統側の部分で施設20aにおける使用電力量を測定する検針用の電力量計(スマートメータ)等による測定結果から、施設20aでの空調機器21aの稼働状況を推定してもよい。なお、施設20aにおける装置(例えばHEMSコントローラ)は、サーバ100との通信用のアドレス等を保持しておき周期的に自ら使用状況情報をサーバ100に送信してもよいし、サーバ100からの周期的な要求に応じて使用状況情報を送信してもよい。また、ここでは説明の便宜上、施設20aが1台の空調機器21aを備えることとして説明する。もし、施設20aが空調機器を複数台備える場合には、例えば1台以上が稼働しているときに使用状況情報を稼働中であると示すようにしてもよいし、より詳細に何台が稼働し何台が稼働していないかを示すようにしてもよい。使用状況情報は、所在地の特定用の情報を含み得る。図2は、使用状況情報の一例を示す。同図の例では、使用状況情報は、所在地と、稼働/非稼働状態とを含む。所在地は、施設20aの所在する場所の位置を示す情報であり、図2の例では経度及び緯度により所在地を示している。例えば、所在地を、市町村名及び地番等で示してもよい。稼働/非稼働状態は、例えば空調機器21aが稼働中であるか否かを示す情報である。使用状況情報は、所在地そのものを直接示す情報の代わりに、サーバ100で施設20aの所在地の特定に用いることのできる情報を含んでもよい。サーバ100で施設20aの所在地の特定に用いることのできる情報は、例えば、サーバ100において予め所在地と対応付けて登録された、施設20aの識別情報或いは施設20aの住人等の識別情報(ユーザID)等である。
情報端末200は、スマートフォン、パーソナルコンピュータ(PC)等のユーザインタフェースを有する端末(コンピュータ)であり、例えば携帯性を有する。情報端末200は、例えばディスプレイ、プロジェクタ等の表示装置と、タッチパネル、ポインティングデバイス、キーボード等の入力装置と、メモリと通信回路とプロセッサとを備える。情報端末200は、ある所定地に所在する施設の住人等であるユーザの操作を受け付けて、空調機器を稼働させるか否かの判断材料を示す提供用情報をサーバ100に対して要求する機能を有する。この要求は、要求情報をサーバ100に送信することで行われる。また、情報端末200は、サーバ100から受信することで取得した提供用情報に基づく表示等を行う機能を有する。要求情報は、所定地の特定用の情報を含み得る。図3は、要求情報の一例を示す。同図の例では、要求情報は、所定地と、範囲指定とを含む。要求情報における所定地は、情報端末200を操作するユーザの施設の所在する場所の位置を示す情報であり、図3の例では経度及び緯度により所定地を示している。例えば、所定地を、市町村名及び地番等で示してもよい。範囲指定は、ユーザの施設の近隣の範囲(範囲の大きさ等)を指定する情報である。図3では、範囲指定として、所定地からの距離が10km以内の範囲を指定するものとしてサーバ100により予め定められた範囲区分「1」がユーザにより指定された例を示している。例えばユーザはその他の範囲区分(例えば所定地からの距離が20km以内の範囲、例えば所定地と同一市内の範囲等)を指定してもよい。図3の例の要求情報は、経度x、緯度yの所定地からの距離が10km以内である近隣の各施設における空調機器の使用状況を示す提供用情報を要求するものである。範囲指定が、距離を示す数値であってもよい。また、範囲指定が、同一市内、同一町内等といった単位を示すものであってもよい。なお、要求情報は、所定地そのものを直接示す情報の代わりに、例えばサーバ100において予め所定地と対応付けて登録された、ユーザの施設の識別情報或いはユーザID等といった、サーバ100で所定地の特定に用いることのできる情報を含んでもよい。
サーバ100は、通信インタフェース、メモリ及びプロセッサ(マイクロプロセッサ)を含むコンピュータである。通信インタフェースは、無線通信或いは有線通信のための通信回路等である。メモリは、制御プログラム及びデータを予め保持しているROM、制御プログラムの実行に際してデータ等の記憶に利用するためのRAM等であり、例えば不揮発性メモリを含んでいてもよい。なお、サーバ100は、メモリの他にハードディスク装置等の記憶装置を含んでもよい。プロセッサは、メモリに格納された制御プログラムを実行することにより通信インタフェース等を制御して各種処理を行う。サーバ100は、ユーザインタフェースとしての表示装置(ディスプレイ)及び入力装置(キーボード、タッチパネル等)を有してもよい。
サーバ100は、機能構成要素としては図1に示すように、取得部110、格納部120、受付部130、特定部140及び出力部150を備える。
取得部110は、例えば通信インタフェース等で実現され、施設20a〜20cのそれぞれから、その施設の電気機器(具体的には空調機器21a〜21cのいずれか)の使用状況を示す使用状況情報を取得する。具体的には、取得部110は、施設20a〜20cについてその施設内の装置から使用状況情報を受信することで取得し、取得した各使用状況情報を格納部120に格納(蓄積)する。なお、取得部110が、施設20a〜20cそれぞれについての使用状況情報を収集する外部装置(別のサーバ等)からその収集結果を受信することで、使用状況情報の集合を取得してもよい。また、使用状況情報は、施設の電気機器の動作(使用状況)を推定するために用いることのできる、施設の電力使用量に係る電力情報であってもよい。つまり、サーバ100で電気機器の動作を推定することで電力情報は、使用状況情報として扱われる。
格納部120は、メモリ等の記憶媒体の記憶領域で実現され、取得部110により取得された使用状況情報を保持する。
受付部130は、例えば通信インタフェース等で実現され、所定地の近隣の施設における空調機器の使用状況を示す提供用情報の要求に係る要求情報を受け付ける。具体的には、受付部130は、要求情報を情報端末200から受信することで受け付ける。
特定部140は、メモリに格納された制御プログラムを実行するプロセッサ等により実現され、受付部130により受け付けられた要求情報に基づいて、所定地の近隣の範囲を特定する。特定部140は、例えば、図3の例の範囲区分「1」を指定した要求情報に基づいて、経度x、緯度yの所定地を特定し、特定した所定地からの距離が10km以内である範囲を近隣の範囲として特定する。特定部140は、特定した近隣の範囲を出力部150に伝達する。なお、特定部140による近隣の範囲の特定については、予め定められた固定距離(例えば10km等)内の範囲に特定する他に、要求情報で距離を示す場合には所定地からその距離内の範囲に特定することとしてもよい。また、要求情報で市町村等の単位を示す場合には、地図データとしてのその市町村等の単位で所定地と同一範囲に特定することとしてもよい。また、地番を要求情報で指定可能としてもよく、例えば集合住宅(所定地)の住戸の住人は所定地の地番を要求情報で指定することで、同じ集合住宅の他の住戸における空調機器の使用状況に係る提供用情報を要求し得る。
出力部150は、提供用情報を生成し、その提供用情報を出力する。出力部150は、メモリに格納された制御プログラムを実行するプロセッサ等で実現される提供用情報生成部151を含み、更に例えば通信インタフェースで実現される。出力部150は、提供用情報を要求情報の送信元である情報端末200に送信することで出力する。提供用情報を受信する情報端末200では、提供用情報をユーザに提示する。例えば情報端末200は受信した提供用情報に基づく画面をディスプレイ等に表示することでユーザへの提供用情報の提示を行う。
提供用情報生成部151は、複数の施設(施設20a〜20c)のうち特定部140により特定された範囲内の施設について取得部110により取得された使用状況情報に基づいて、提供用情報を生成する。提供用情報生成部151は、例えば、特定部140により特定された範囲(近隣の範囲)の施設であってその施設の空調機器が稼働中である施設の総数に関する情報を含ませて提供用情報を生成する。施設の総数に関する情報は、例えば、総数そのものであってもよいし、近隣の範囲の施設の総数に対する、近隣の範囲で空調機器が稼働中である施設の総数の割合(比率)等であってもよい。提供用情報は、特定部140により特定された範囲内の施設から収集した使用状況情報のリストを含んでもよいし、その使用状況情報を統計処理して得られた平均値、分布等の情報を含んでもよいし、地図上の位置と使用状況とを対応付けた地図(画像等)を含んでもよい。出力部150は、提供用情報の情報端末200への送信に際して、更に所定地に所在する施設における空調機器を非稼働状態から稼働状態へと変更する操作を受け付けるグラフィカルユーザインタフェース(GUI:Graphical User Interface)用の情報を送信してもよい。
図4に、提供用情報生成部151により生成されて、出力部150から送信される提供用情報に基づいて情報端末200において表示される画面の一例を示す。この例の提供用情報画面50は、要求情報で示された所定地の近隣の範囲における各施設での空調機器の使用状況を示す使用状況表示領域51と、推奨行動を示すアドバイス表示領域52と、使用ボタン53と終了ボタン54とを含む。図4の例における使用状況表示領域51は、空調機器を稼働している施設(空調機器を使用中の住宅等)の総数が1600であり、稼働させていない施設(空調機器を不使用の住宅等)の総数が400であり、その比である使用率が80%であることを示している。また、アドバイス表示領域52は、推奨行動を示す領域であり、空調機器の使用を推奨する旨のアドバイス(メッセージ)を示している。使用状況表示領域51及びアドバイス表示領域52に示された情報は、提供用情報生成部151が生成した提供用情報に含まれる情報である。提供用情報生成部151は、例えば、使用状況表示領域51で示した使用率が予め定めた閾値より高い場合に限って空調機器の使用を推奨する旨のアドバイスの情報を含ませる。使用ボタン53は、例えば空調機器を稼働させる制御信号を送信するプログラムを実行するための選択肢としてのGUI部品である。例えば、ユーザが使用する情報端末200にはそのユーザの施設における空調機器を遠隔制御により実行させる制御信号を送信するプログラムがインストールされていてもよいし、サーバ100がそのプログラムを提供用情報に付加して情報端末200に送信してもよい。なお、使用ボタン53は、空調機器の制御内容を設定する画面を表示させるためのGUI部品であってもよい。また、使用ボタン53の代わりに、空調機器の制御内容を設定するためのGUI部品及び設定した内容に従って空調機器を稼働させるためのGUI部品を表示してもよい。また、使用ボタン53は、空調機器を稼働状態から停止状態に移行させる指示を行うためのGUI部品であってもよい。即ち、GUIによりユーザが空調機器の制御内容を指定できるようにしてもよい。終了ボタン54は、提供用情報画面50の表示を終了させるための選択肢としてのGUI部品である。
(動作)
以下、上述の構成を備える情報提供システム10の動作例について、サーバ100の動作を中心に説明する。
図5は、情報提供システム10における情報提供処理の一例を示すフローチャートである。以下、図5に即してサーバ100による情報提供処理を説明する。この情報提供処理は、サーバ100がユーザによる情報端末200からの要求に対して空調機器を稼働させるか否かの判断材料としての提供用情報を提供するための処理である。
サーバ100は、取得部110により複数の施設(施設20a〜20c)それぞれからその施設の空調機器の使用状況を示す使用状況情報を収集する(ステップS11)。ステップS11での使用状況情報の収集(受信等)は、例えば定期的に、繰り返し行われる。収集された使用状況情報は格納部120に格納され、これにより、サーバ100は、各施設における空調機器の最新の使用状況(空調機器が稼働中か否か)を参照できるようになる。
サーバ100は、受付部130により要求情報(所定地の近隣の施設における空調機器の使用状況を示す提供用情報の要求に係る情報)を受信した場合には(ステップS12)、次のステップS13〜S15での処理を行う。即ち、サーバ100は、特定部140により、要求情報に基づいて、所定地の近隣の範囲を特定する(ステップS13)。続いて、サーバ100は提供用情報生成部151により、複数の施設のうちステップS13で特定された範囲内の施設についてステップS11で取得された使用状況情報に基づいて、提供用情報を生成する(ステップS14)。そして、サーバ100は出力部150により提供用情報を、要求情報の送信元の情報端末200に送信する(ステップS15)。その後に再びサーバ100はステップS11での処理に戻る。
図6は、施設20aの装置、施設20bの装置、サーバ100、及び、情報端末200の間での情報の授受のシーケンスの一例を示している。なお、ここでは、他の施設(施設20c)についての記載を省略している。
施設20aの装置(例えばHEMSコントローラ)は、最新の使用状況情報をサーバ100に送信する(ステップS101)。なお、この使用状況情報の送信は、サーバ100からの要求に応じてなされたものであってもよい。また、施設20bの装置は、最新の使用状況情報をサーバ100に送信する(ステップS102)。これにより、サーバ100は各施設についてその施設での空調機器の使用状況を把握する。
情報端末200は、ユーザの施設の近隣の施設での空調機器の使用状況の情報を要求するための要求情報を送信し、サーバ100が要求情報を受信する(ステップS103)。続いて、サーバ100は、その要求情報に応じて生成した提供用情報を情報端末200に送信する(ステップS104)。これにより、情報端末200では、提供用情報(ユーザの施設の空調機器を稼働させるべきか否かという判断のための材料となる情報)をユーザに提示できるようになる。
以後も逐次、施設20a、20bから使用状況情報がサーバ100に送信される(ステップS105、S106)。
このように情報提供システム10によれば、ユーザは、ユーザの施設(住宅等)の空調機器を稼働させるべきか否かの判断に有用な、近隣の施設における空調機器の使用状況を知ることができる。例えば、空調機器が冷房に用いられる季節等においては、ユーザの施設の近隣一帯において空調機器の稼働中の施設の比率が高い場合には、その近隣一帯が高温となっていると推定することができる。この場合には、例えばユーザが、ユーザの住宅(施設)に居るのであれば空調機器を稼働させて熱中症にかかることを予防すること等が可能となる。また、ユーザが外出中で帰宅前であれば、空調機器を遠隔制御して稼働させて快適に帰宅できるようにすること等が可能となる。また、この場合に、ユーザが高齢者を住宅に残したまま外出中であれば空調機器を遠隔制御して稼働させることで高齢者が熱中症にかかることを防ぎ得る。
(実施の形態2)
以下、上述した情報提供システム10の一部の処理内容を変形した実施の形態について説明する。
上述の実施の形態1では、サーバ100が、各施設について、その施設の所在地の特定用の情報とその施設で空調機器が稼働中であるか否かを示す情報とを含む使用状況情報を収集する例を示した。本実施の形態では、使用状況情報に更に、施設が有する属性を示す情報を含ませ、サーバ100が施設の属性に基づく情報を提供する例について説明する。なお、本実施の形態の情報提供システムは、実施の形態1で示した情報提供システム10と基本的に同じ構成を備えるので、各構成要素について実施の形態1と同様の符号を用いて説明する。本実施の形態に係る情報提供システム10は、ここで特に示さない点については実施の形態1に係る情報提供システム10と同様である(図1参照)。ここでは、各施設は住宅(例えば戸建住宅、集合住宅の住戸等)であるとして説明する。
本実施の形態に係る情報提供システム10において各施設(施設20a〜20c)がサーバ100に周期的に送信する使用状況情報の一例を、図7に示す。同図の例では、使用状況情報は、所在地と、稼働/非稼働状態と、住宅属性と、住人属性とを含む。この所在地と、稼働/非稼働状態とは、実施の形態1で示したもの(図2参照)と同様である。この住宅属性及び住人属性は、施設についての属性である。
住宅属性は、具体例としては、住宅タイプの要素、住宅の向きに関する要素、住宅の高さに関する要素、及び、住宅の築年数に関する要素等を含む。住宅タイプの要素は、戸建住宅と集合住宅との区別を示す。住宅の向きに関する要素は、住宅の最大開口部分の向く方位の区分を示し、例えば北向き、南向き、西向き、東向きの4方位による区分、或いは、8方位による区分等といった任意の区分単位で表される。住宅の高さに関する要素は、例えば、1階〜3階、4階〜6階、7〜9階等と階数を任意の単位で区分したものであり、戸建住宅は1階相当の区分となり、集合住宅の各住戸は所在階に該当する区分となる。住宅の築年数に関する要素は、住宅(建物)が完成してからの経過年数に係る区分を示し、例えば、10年未満、10年以上30年未満、30年以上等と現在の築年数を任意の単位で区分したものである。
住人属性は、住宅の住人に関する属性であり、具体例としては、高齢者の有無等といった住人の年齢に関する要素を含む。情報提供システム10において高齢者の年齢をどのように定義してもよい。高齢者が例えば65歳以上の者である等と定義し得る。
本実施の形態の情報提供システム10でユーザが用いる情報端末200がサーバ100に送信する要求情報は、ユーザの住宅(所定地の住宅)についての属性(住宅属性及び住人属性)と一致する属性を有する近隣の住宅での空調機器の使用状況に係る情報を要求するものである。要求情報の一例を、図8に示す。同図の例では、要求情報は、所定地と、範囲指定と、住宅属性と、住人属性とを含む。この所在地と、範囲指定とは、実施の形態1で示したもの(図3参照)と同様である。この住宅属性及び住人属性は、情報端末200を用いるユーザの住宅(施設)についての属性である。図8の例の要求情報は、経度x、緯度yの所定地(ユーザの住宅の所在地)からの距離が10km以内である近隣の各住宅のうち、築10年未満の南向きの集合住宅の1〜3階の住戸(住宅)で、その住人に高齢者が含まれるような住宅における空調機器の使用状況を示す提供用情報を要求するものである。
以下、本実施の形態に係る情報提供システム10の動作例について、サーバ100の動作を中心に説明する。
図9は、本実施の形態に係る情報提供システム10における情報提供処理の一例を示すフローチャートである。以下、図9に即してサーバ100による情報提供処理を説明する。この情報提供処理は、サーバ100がユーザによる情報端末200からの要求に対して空調機器を稼働させるか否かの判断材料としての提供用情報を提供するための処理である。
サーバ100は、取得部110により複数の住宅(施設20a〜20c)それぞれからその住宅の空調機器の使用状況、住宅属性、住人属性等を示す使用状況情報を収集する(ステップS21)。
サーバ100は、受付部130により要求情報(ユーザの住宅と一致する属性を有する、その住宅の近隣の住宅における空調機器の使用状況を示す提供用情報の要求に係る情報)を受信した場合には(ステップS22)、次のステップS23〜S26での処理を行う。即ち、サーバ100は、特定部140により、要求情報に基づいて、所定地(ユーザの住宅)の近隣の範囲を特定し(ステップS23)、更に要求情報に基づいて住宅の属性(住宅属性及び住人属性)を特定する(ステップS24)。続いて、サーバ100は提供用情報生成部151により、複数の住宅(施設20a〜20c)のうち特定部140により特定された範囲内でかつ特定された属性と同一の属性を有する住宅についての使用状況情報(稼働/非稼働状態の情報等)に基づいて、提供用情報の生成を行う(ステップS25)。そして、サーバ100は出力部150により提供用情報を、要求情報の送信元の情報端末200に送信する(ステップS26)。その後に再びサーバ100はステップS21での処理に戻る。
このように情報提供システム10によれば、ユーザは、ユーザの住宅の空調機器を稼働させるべきか否かの判断に有用な、同じ属性(住宅属性、住人属性)を有する近隣の施設における空調機器の使用状況に基づく情報を知ることができる。例えば、ユーザが高齢者であり、空調機器が冷房に用いられる季節等においては、ユーザの住宅と同じ住宅属性を有する近隣の住宅(築10年未満の南向きの集合住宅の1〜3階の住戸)で、その住人に高齢者が含まれるような住宅群における空調機器の使用状況に基づく情報をユーザは取得できる。これらの住宅群において空調機器の稼働中の住宅の比率が高い場合には、ユーザとある程度同様の環境条件の住宅において高齢者等にとって空調機器の利用が必要な程度に高温となっていると推定することができる。この場合には、例えばユーザが、ユーザの住宅に居るのであれば空調機器を稼働させて熱中症にかかることを予防すること等が可能となる。
(実施の形態3)
以下、上述した実施の形態1に係る情報提供システム10の一部の処理内容を変形した別の実施の形態について説明する。
上述の実施の形態1では、サーバ100が、各施設について、その施設の所在地の特定用の情報とその施設で空調機器が稼働中であるか否かを示す情報とを含む使用状況情報を収集する例を示した。この空調機器は、特定種類の機器の一例であり、例えば洗濯機等といった他の電気機器に変更してもよい。本実施の形態では更に、複数の機器の種類に対応し得る例を示す。即ち、本実施の形態では、使用状況情報が、空調機器に限らず、施設内における各種の電気機器が稼働中であるか否かを示す情報を含む例について説明する。なお、本実施の形態の情報提供システムは、実施の形態1で示した情報提供システム10と基本的に同じ構成を備えるので、各構成要素について実施の形態1と同様の符号を用いて説明する。本実施の形態に係る情報提供システム10は、ここで特に示さない点については実施の形態1に係る情報提供システム10と同様である(図1参照)。
本実施の形態に係る情報提供システム10では、サーバ100が、複数の施設(施設20a〜20c)における各種の電気機器(例えば、空調機器、洗濯機等)の使用状況に係る使用状況情報を収集する。そして、サーバ100は、ユーザが用いる情報端末200から受信する要求情報に応じて提供用情報を情報端末200に送信する。但し、この要求情報は、ユーザによる電気機器の種類の指定である種類指定情報を含む。このため、サーバ100は、ユーザの施設の近隣の各施設における、要求情報で指定された種類の電気機器の使用状況に基づく提供用情報を提供し得る。
本実施の形態に係る情報提供システム10において各施設(施設20a〜20c)がサーバ100に周期的に送信する使用状況情報の一例を、図10に示す。同図の例では、使用状況情報は、所在地と、機器の種類と、稼働/非稼働状態とを含む。この所在地は、実施の形態1で示したもの(図2参照)と同様である。種類指定情報としての機器の種類は、空調機器、洗濯機等といった種類であり、例えば電気機器の主要機能を区別する種類である。稼働/非稼働状態は、機器の種類で示される電気機器が稼働中であるか否かを示す情報である。各施設は、その施設における各種の電気機器毎に使用状況情報をサーバ100に送信する。この結果としてサーバ100の取得部110が使用状況情報を受信(取得)して格納部120に格納する。取得部110が取得する使用状況情報は、上述したように、電気機器の種類毎にその種類と対応付けて使用状況を示した情報である。
本実施の形態に係る情報提供システム10においてユーザが用いる情報端末200がサーバ100に送信する要求情報は、ユーザの施設(所定地に所在する施設)の近隣の施設においてユーザが指定した種類の電気機器の使用状況に係る情報を要求するものである。要求情報の一例を、図11に示す。同図の例では、要求情報は、所定地と、範囲指定と、機器の種類とを含む。この所在地と、範囲指定とは、実施の形態1で示したもの(図3参照)と同様である。この機器の種類は、ユーザが指定した電気機器の種類である。例えば、ユーザは空調機器を使用すべきか否かの判断材料を得たい場合には、空調機器を指定した要求情報を情報端末200によってサーバ100に送信する。また、例えば、ユーザは洗濯機を使用すべきか否か(洗濯すべきか否か)の判断材料を得たい場合には、洗濯機を指定した要求情報を情報端末200によってサーバ100に送信する。
以下、本実施の形態に係る情報提供システム10の動作例について、サーバ100の動作を中心に説明する。
図12は、本実施の形態に係る情報提供システム10における情報提供処理の一例を示すフローチャートである。以下、図12に即してサーバ100による情報提供処理を説明する。この情報提供処理は、サーバ100がユーザによる情報端末200からの電気機器の種類を指定した要求に対して、その種類の電気機器を稼働させるか否かの判断材料として有用な提供用情報を提供するための処理である。
サーバ100は、取得部110により複数の施設(施設20a〜20c)それぞれからその施設の各種の電気機器の使用状況を示す使用状況情報を収集する(ステップS31)。
サーバ100は、受付部130により要求情報(ユーザの施設の近隣の施設における、ユーザが指定する種類の電気機器の使用状況を示す提供用情報の要求に係る情報)を受信した場合には(ステップS32)、次のステップS33〜S36での処理を行う。即ち、サーバ100は、特定部140により、要求情報に基づいて、所定地(ユーザの施設)の近隣の範囲を特定し(ステップS33)、更に、要求情報に基づいて電気機器の種類を特定する(ステップS34)。続いて、サーバ100は提供用情報生成部151により、複数の施設(施設20a〜20c)のうち特定部140に特定された範囲内の施設における、特定された種類と同一種類の電気機器についての使用状況情報(稼働/非稼働状態の情報等)に基づいて、提供用情報の生成を行う(ステップS35)。そして、サーバ100は出力部150により提供用情報を、要求情報の送信元の情報端末200に送信する(ステップS36)。その後に再びサーバ100はステップS31での処理に戻る。
このように情報提供システム10によれば、ユーザは、ユーザの施設の空調機器、洗濯機等といった特定種類の電気機器を稼働させるべきか否かの判断に有用な、近隣の施設における同じ種類の電気機器の使用状況を知ることができる。例えば、ユーザが洗濯機を指定した要求情報により、近隣の施設群における洗濯機を稼働中の施設の比率がある程度高い場合には、ユーザの施設の屋外の様子等を見なくても、ユーザの施設の近隣一帯において洗濯物を干すために適した天気となっていると推定し得る。このため、ユーザは洗濯機を使用するという判断を容易に行うことができる。
(他の実施の形態等)
以上、実施の形態1〜3により情報提供システム10について説明したが、上述した実施の形態は一例にすぎず、各種の変更、付加、省略等が可能であることは言うまでもない。
上述の実施の形態では、ユーザが操作する情報端末200が携帯性を有するスマートフォン等であり得ることを示したが、情報提供システム10においてサーバ100と通信する情報端末は、据え置き型であってもよい。情報提供システム10を、サーバ100と据え置き型の情報端末200aとが通信するようにした情報提供システム10aを図13に示す。同図に示すように、ユーザの施設20dに設置された据え置き型の情報端末200aは、上述の情報端末200の代わりにサーバ100と通信する。この情報端末200aは、コンピュータであり、PC、HEMSコントローラ等であってもよい。なお、HEMSコントローラ等は、施設20d内のLANを介して接続されたタッチパネル等の装置を自機のユーザインタフェースとして利用するものであってもよい。情報端末200aは、要求情報(図3参照)をサーバ100に送信し、提供用情報をサーバ100から受信する。情報端末200aが、受信した提供用情報に基づいて図4に示したような画面を表示してもよい。このとき、使用ボタン53をユーザが操作すると、情報端末200aは、施設20d内のLANを介して制御信号を送信すること、或いは、直接的に制御信号(例えば赤外線等のリモコン信号)を送信することで、ユーザの施設20d内の空調機器21dを稼働させてもよい。また、施設20d内の空調機器21dが稼働中であるか否かに係る使用状況情報(図2参照)を情報端末200aは、サーバ100に逐次送信してもよい。なお、情報提供システム10aは、ここで特に示さなかった点については情報提供システム10と同様である。
また、上述の実施の形態で示した情報提供システム10におけるサーバ100と情報端末200との機能分担は、どのように変更してもよい。その機能分担を変更してなる情報提供システム10bを図14に示す。情報提供システム10bにおけるサーバ100aと情報端末200bとの機能分担は、情報端末200b側に上述のサーバ100と同様の機能構成要素を含めるようにしたものである。図14の例では、情報端末200bは、取得部110a、格納部120、受付部130a、特定部140及び出力部150aを備える。情報端末200bは、スマートフォン等の携帯性を有する端末であっても、HEMSコントローラ等の据え置き型の装置であってもよい。サーバ100aは、例えば、施設20a〜20c(具体的には施設内の装置)のそれぞれから、その施設の電気機器の使用状況を示す使用状況情報を受信することで収集して保持し、使用状況情報を情報端末200bに提供し得る。情報端末200bの取得部110aは、サーバ100aから使用状況情報を取得して格納部120に格納する。なお、取得部110aは、情報提供システム10bの外部のサーバから使用状況情報を取得してもよいし、施設20a〜20cのそれぞれから使用状況情報を取得してもよい。受付部130aは、ユーザインタフェースとしての入力装置で実現され、ユーザに入力される要求情報(例えば所定地の近隣の施設における空調機器の使用状況を示す提供用情報の要求)を受け付ける。特定部140は、受付部130aにより受け付けられた要求情報に基づいて、所定地の近隣の範囲を特定する。出力部150aは、上述した提供用情報生成部151を有する。出力部150aは、例えばユーザインタフェースとしてのディスプレイ等で実現され、提供用情報生成部151で生成された提供用情報の出力(例えば提供用情報に基づく画面のディスプレイ等への表示)を行う。なお、情報提供システム10bは、ここで特に示さなかった点については情報提供システム10と同様である。
また、上述の実施の形態で示した情報提供システム10は、一例に過ぎず、情報を提供するための情報提供システムは、実施の形態1の情報提供システム10のように必ずしも情報端末200及び施設20a〜20cを含んで構成されなくてもよい。情報提供システムは、例えばサーバ100単独で構成されてもよい。
また、上述の実施の形態では、使用状況情報が施設の所在地の特定用の情報を含むこととしたが、必ずしもその情報を含む必要はない。例えばサーバ100に特定の専用回線で接続された施設と、所在地とをサーバ100において別途対応付けていれば、サーバ100は、その特定の専用回線から受信された使用状況情報と施設の所在地との対応を把握することができる。また、同様に要求情報も所定地の特定用の情報を含まなくてもよい。例えばサーバ100に特定の専用回線で接続された施設の装置と、所定地とをサーバ100で別途対応付けていれば、サーバ100は、その特定の専用回線から受信された要求情報と所定地との対応を把握することができる。
また、上述の実施の形態では、情報端末200が画面(図4参照)の表示により提供用情報をユーザに提示する例を示したが、情報端末200は、表示以外の方法(例えば音声出力等)で提供用情報をユーザに提示してもよい。
また、上述の実施の形態2では、住宅属性として、戸建住宅と集合住宅とを区別する要素、住宅の向きに関する要素、住宅の高さに関する要素、及び、住宅の築年数に関する要素を示したが、これらは一例に過ぎない。例えばこれらの要素のうち一部だけを住宅属性としてもよい。
また、上述の実施の形態では、ユーザが、特定種類の電気機器(例えば空調機器)についての使用状況に係る提供用情報をサーバ等に要求できる例を示したが、例えば、ユーザが、特定種類の電気機器の機能を指定して、その機能の使用状況に係る提供用情報を要求できるようにしてもよい。この場合には、例えば要求情報(図3参照)に、特定種類の電気機器(例えば空調機器)の機能を指定する機能指定情報を含める。特定種類の電気機器の機能の例は、特定種類の電気機器が空調機器である場合において「冷房機能」、「除湿機能」、「暖房機能」等が挙げられる。ここでの電気機器の機能は、例えば運転モード等と称されるものであってもよい。また、各施設の装置が送信して取得部110が受信する使用状況情報が、特定種類の電気機器(例えば空調機器)の有する機能毎にその機能が稼働中か否かを示すようにする。そして、サーバ100において受付部130が機能指定情報を含む要求情報を受け付けた場合には特定部140は更に要求情報に基づいて機能を特定する。また、出力部150は、使用状況情報が示す、特定部140により特定された機能が稼働中か否かに基づいて、提供用情報の生成を行う。これにより、サーバ100は、例えば、空調機器の「除湿機能」と区別して「冷房機能」を稼働させるべきか否かの判断材料を提供することができるようになる。また、ユーザが、設定温度を示す提供用情報を要求できるようにしてもよい。これに対してサーバ100は、例えば、所定間隔の温度毎の施設数等を提供用情報に含ませて提供し得る。また、サーバ100は、各施設からの電気機器の使用状況の収集に際して、施設の温度、湿度等の情報を収集し、収集した温度、湿度等の情報に基づいて生成した提供用情報を提供してもよい。
また、上述の実施の形態で示した、ある施設についての使用状況情報は、施設における電気機器が稼働中か否かを示すこととしたが、この代わりに、施設における電力使用量を示すものであってもよい。これにより、ユーザは所定地の近隣の施設における電力使用量に関する提供用情報を取得でき、所定地で電気機器を稼働させるべきか否かの判断の上で提供用情報を参考にできるようになる。なお、サーバ100は各施設から収集した使用状況情報を過去一定期間分保持して、一定の条件に基づいて過去の使用状況情報を検索し抽出して提供用情報の生成に活用してもよい。また、サーバ100は、施設における電力使用量を示す電力情報としての使用状況情報に基づいて、施設における行動を推定し、その推定結果に基づいて提供情報を提供することとしてもよい。推定される行動としては、施設の住人の帰宅、睡眠等が挙げられる。例えば、所定地の住宅に住むユーザ(例えば子供の保護者)は、サーバ100から、近隣の住宅(施設)において推定された子供の帰宅状況を示す提供用情報を得ることで、自宅の子供だけが帰宅していない場合に子供と連絡をとる、捜索する等の対応が可能となり得る。 また、上述の情報提供システム10、10a、10bにおける各種処理の手順(例えば図5、図9、図12に示した情報提供処理の手順等)の実行順序は、必ずしも、上述した通りの順序に制限されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で、実行順序を入れ替えたり、複数の手順を並列に行ったり、その手順の一部を省略したりすることができる。また、上述の情報提供処理の全部又は一部は、情報提供システム10における装置のハードウェアにより実現されても、ソフトウェアを用いて実現されてもよい。なお、ソフトウェアによる処理は、情報提供システム10、10a、10bにおける装置(例えばサーバ、情報端末等)に含まれるプロセッサがメモリに記憶された制御プログラムを実行することにより実現されるものである。また、その制御プログラムを記録媒体に記録して頒布や流通させてもよい。例えば、頒布された制御プログラムをある装置(コンピュータ)にインストールして、その装置のプロセッサに実行させることで、その装置に情報提供処理の全部又は一部を行わせることが可能となる。
また、上述した各実施の形態及び変形例で示した構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明の範囲に含まれる。
なお、本発明の包括的又は具体的な各種態様には、装置、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、コンピュータで読み取り可能な記録媒体等の1つ又は複数の組み合わせが含まれる。
以下、本発明の一態様に係る情報提供システム、情報提供方法、及び、情報提供システムで用いられる制御プログラムの構成、変形態様、効果等について示す。
(1)本発明の一態様に係る情報提供システム10、10a、10bは、電気機器(例えば空調機器21a〜21c)を備える複数の施設20a〜20cそれぞれについてその施設のその電気機器の使用状況を示す使用状況情報を取得する取得部110、110aと、所定地(例えばユーザの施設20dの位置)の近隣の施設における電気機器の使用状況を示す提供用情報の要求に係る要求情報を受け付ける受付部130、130aと、要求情報に基づいて、所定地の近隣の範囲を特定する特定部140と、複数の施設20a〜20cのうち特定部140により特定された範囲内の施設について取得部110、110aにより取得された使用状況情報に基づいて、提供用情報を生成し、その提供用情報を出力する出力部150、150aとを備える。
これにより、所定地における電気機器(例えば空調機器)を稼働させるべきか否かの判断のために、所定地の近隣での電気機器の使用状況に基づく有用な情報(提供用情報)が提供され得る。
(2)例えば、受付部130は、要求情報を受信することで受け付け、出力部150は、提供用情報を要求情報の送信元に送信することで出力することとしてもよい。
これにより、ユーザは任意の情報端末(例えば据え置き型の装置、或いは、携帯性を有するスマートフォン等)から、情報提供システムを構成する装置(例えばサーバ100)に要求情報を送信すれば提供用情報を得ることが可能となる。
(3)例えば、複数の施設20a〜20cそれぞれについての使用状況情報は、その施設の所在地の特定用の情報を含み、取得部110、110aは、複数の施設20a〜20cそれぞれについて、その施設内の装置から使用状況情報を受信することで取得し、要求情報は、所定地の特定用の情報を含むこととしてもよい。
これにより、ユーザの施設の位置を所定地として、ユーザは所定地の特定用の情報を要求情報に含ませることで、ユーザの施設の近隣の電気機器の使用状況に基づく提供用情報を得ることが可能となる。
(4)例えば、複数の施設20a〜20cそれぞれについての使用状況情報は更に、その施設が有する属性を示す情報を含み、要求情報は、所定地に所在する施設の属性を示し、特定部140は更に、要求情報に基づいて施設の属性を特定し、出力部150、150aは、複数の施設20a〜20cのうち特定部140により特定された範囲内でかつ特定された属性と同一の属性を有する施設についての使用状況情報に基づいて、提供用情報の生成を行うこととしてもよい。
これにより、提供用情報の基礎となる使用状況情報が、施設についての属性で絞り込まれる。このためユーザは、ユーザの施設と同じ属性の近隣の施設における電気機器の使用状況に基づく情報を得ることが可能となる。
(5)例えば、上述の施設は住宅であり、上述の施設の属性は、戸建住宅と集合住宅とを区別する要素(住宅のタイプの要素)、住宅の向きに関する要素、住宅の高さに関する要素、及び、住宅の築年数に関する要素のうち少なくとも1つ以上の要素を含むこととしてもよい。
これにより、ユーザは、ユーザの住宅と共通性を有する住宅における電気機器の使用状況に基づく有用な情報を取得し得る。
(6)例えば、上述の施設の属性は、住宅の住人の年齢に関する要素を含むこととしてもよい。
これにより、例えば、高齢者が居る施設における電気機器を稼働させるべきか否かの判断材料として、その施設の近隣で高齢者が居る施設群における電気機器の使用状況に基づく情報が提供され得る。
(7)例えば、使用状況情報は、特定種類の電気機器(例えば空調機器)が稼働中か否かを示し、出力部150、150aは、複数の施設20a〜20cのうち特定部140により特定された範囲内の施設であってその施設の特定種類の電気機器が稼働中である施設の総数に関する情報を含ませて提供用情報を生成することとしてもよい。この電気機器が稼働中である施設の総数に関する情報は、所定時期(例えば1時間前等)において電気機器が稼働中である施設の総数に関する情報を含み得る。
これにより、ユーザは、近隣で特定種類の電気機器が稼働中である施設の総数等を知ることが可能となり、ユーザにとってその種類の電気機器を稼働させるか否かの判断が容易となり得る。
(8)例えば、出力部150、150aは、提供用情報の出力に際して、更に所定地に所在する施設における特定種類の電気機器を非稼働状態から稼働状態へと変更、又は、稼働状態から非稼働状態へと変更する操作を受け付けるGUI用の情報を出力することとしてもよい。
これにより、ユーザがGUIを介して容易に特定種類の電気機器を稼働させることが可能となり得る。
(9)例えば、取得部110、110aが取得する使用状況情報は、上述の特定種類の電気機器の有する機能毎にその機能が稼働中か否かを示した情報であり、要求情報は、特定種類の電気機器の機能を指定する機能指定情報を含み、特定部140は更に、要求情報に基づいて機能を特定し、出力部150、150aは、使用状況情報が示す、特定部140により特定された機能が稼働中か否かに基づいて、提供用情報の生成を行うこととしてもよい。
これにより、ユーザは空調機器の「冷房機能」を指定した要求を行うことで、例えば空調機器の「除湿機能」の使用状況ではなく「冷房機能」の使用状況に基づく提供用情報を得ることが可能となり得る。この提供用情報は、ユーザにとって、空調機器の「冷房機能」を稼働させるべきか否かの判断材料として有用となる。
(10)例えば、取得部110、110aが取得する使用状況情報は、電気機器の種類毎にその種類と対応付けて使用状況を示した情報であり、要求情報は、電気機器の種類を指定する種類指定情報を含み、特定部140は更に、要求情報に基づいて電気機器の種類を特定し、出力部150、150aは、特定部140により特定された種類の電気機器と対応する使用状況を示す使用状況情報に基づいて、提供用情報の生成を行うこととしてもよい。
これにより、ユーザは任意の種類の電気機器(例えば洗濯機、空調機器等)を指定した要求を行うことで、その種類の電気機器を稼働させるべきか否かの判断材料として有用な提供用情報を取得し得る。
(11)例えば、出力部150、150aは、推奨行動を示す情報を含ませて提供用情報の生成を行うこととしてもよい。
これにより、ユーザは実行すべき行動を知ることができるようになり、電気機器を稼働させるべきか否かの判断を迅速に行うことが可能となり得る。
(12)本発明の一態様に係る情報提供システム10、10a、10bは、電気機器(例えば空調機器21a〜21c)を備える複数の施設20a〜20cそれぞれについてその施設のその電気機器の使用する電力を示す電力情報である使用状況情報を取得する取得部110、110aと、所定地の近隣の施設における電気機器の使用に係る電力情報から推定される行動の状況を示す提供用情報の要求に係る要求情報を受け付ける受付部130、130aと、要求情報に基づいて、所定地の近隣の範囲を特定する特定部140と、複数の施設20a〜20cのうち特定部140により特定された範囲内の施設について取得部110、110aにより取得された使用状況情報に基づいてその特定された範囲内の施設における行動を推定し、推定した行動に基づいて提供用情報を生成し、その提供用情報を出力する出力部150、150aとを備える。
これにより、所定地で行動を行うか否かの判断等のために、所定地の近隣で推定される行動の状況に基づく有用な情報(提供用情報)が提供され得る。
(13)本発明の一態様に係る情報提供方法は、電気機器(例えば空調機器21a〜21c)を備える複数の施設20a〜20cそれぞれについてその施設のその電気機器の使用状況を示す使用状況情報を取得する取得ステップ(例えばステップS11、S21、S31、S101、S102等)と、所定地の近隣の施設における電気機器の使用状況を示す提供用情報の要求に係る要求情報を受け付ける受付ステップ(例えばステップS12、S22、S32、S103等)と、要求情報に基づいて、所定地の近隣の範囲を特定する特定ステップ(例えばステップS13、S23、S33)と、複数の施設20a〜20cのうち特定ステップで特定された範囲内の施設について取得ステップで取得された使用状況情報に基づいて、提供用情報を生成し、その提供用情報を提供する提供ステップ(例えばステップS14、S15、S25、S26、S35、S36、S104等)とを含む。ここで、受付ステップは、情報端末200bにおけるユーザインタフェース(例えば入力装置等)を介して要求情報を受け付けてもよい。また、提供ステップは、情報端末200bにおけるユーザインタフェース(例えばディスプレイ等)を介して提供用情報をユーザに提供(提示)してもよい。
これにより、所定地における電気機器(例えば空調機器)を稼働させるべきか否かの判断のために有用な提供用情報が提供され得る。
(14)本発明の一態様に係る情報提供方法は、電気機器(例えば空調機器21a〜21c)を備える複数の施設20a〜20cそれぞれについてその施設のその電気機器の使用する電力を示す電力情報である使用状況情報を取得する取得ステップ(例えばステップS11、S21、S31、S101、S102等)と、所定地の近隣の施設における電気機器の使用に係る電力情報から推定される行動の状況を示す提供用情報の要求に係る要求情報を受け付ける受付ステップ(例えばステップS12、S22、S32、S103等)と、要求情報に基づいて、所定地の近隣の範囲を特定する特定ステップ(例えばステップS13、S23、S33)と、複数の施設20a〜20cのうち特定ステップで特定された範囲内の施設について取得ステップで取得された使用状況情報に基づいて、その特定された範囲内の施設における行動を推定し、推定した行動に基づいて提供用情報を生成し、その提供用情報を提供する提供ステップ(例えばステップS14、S15、S25、S26、S35、S36、S104等)とを含む。ここで、受付ステップは、情報端末200bにおけるユーザインタフェース(例えば入力装置等)を介して要求情報を受け付けてもよい。また、提供ステップは、情報端末200bにおけるユーザインタフェース(例えばディスプレイ等)を介して提供用情報をユーザに提供(提示)してもよい。
これにより、所定地において行動を行うべきか否かの判断のために有用な提供用情報が提供され得る。
(15)本発明の一態様に係る制御プログラムは、上述のいずれかの情報提供方法をコンピュータ(例えばサーバ100)に実行させるための制御プログラムであって、受付ステップでは、要求情報の受け付けを、要求情報を受信することで行い(例えばステップS12、S22、S32)、提供ステップでは、提供用情報の提供を、提供用情報を要求情報の送信元に送信することで行う(例えばステップS14、S15、S25、S26、S35、S36)。
この制御プログラムを、コンピュータにインストールすれば、その装置が情報提供処理を行い、情報提供システムにおけるサーバ100として機能し得る。この情報提供システム(サーバ100)により、所定地における電気機器(例えば空調機器)を稼働させるべきか否か或いは特定の行動を行うべきか否かの判断のために有用な提供用情報が提供され得る。