JP6735407B1 - 複数繊維含有衣料品用積層生地及び複数繊維含有衣料品用積層生地の製造方法 - Google Patents

複数繊維含有衣料品用積層生地及び複数繊維含有衣料品用積層生地の製造方法 Download PDF

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【課題】 保温性、吸湿性及び発熱性を備え、軽量で柔らくボリュームのある複数繊維含有衣料品用積層生地及び複数繊維含有衣料品用積層生地の製造方法を提供する。【解決手段】複数の繊維を混合した混合繊維からなる第1混合繊維層と第2混合繊維層が積層された中間繊維層の上面及び下面に、熱可塑性樹脂層を介して、上面用生地層及び下面用生地層がそれぞれ積層され、第1混合繊維層が、ポリエステル複合繊維、羽毛繊維及びキュプラ繊維のうち、2種又は3種を混合した混合繊維からなり、第2混合繊維層が、ポリエステル複合繊維、羽毛繊維及びキュプラ繊維のうち、2種又は3種を混合した混合繊維からなり、全体が熱融着により一体化してなる複数繊維含有衣料品用積層生地。【選択図】 図1

Description

本発明は、保温性、吸湿性及び発熱性を備え、軽量で柔らくボリュームのある複数繊維含有衣料品用積層生地及び複数繊維含有衣料品用積層生地の製造方法を提供する。
保温性が求められる衣料品や寝装具には、アヒルやガチョウなどの鳥のダウン(羽毛)やフェザー(羽根)(以下、「羽毛」とする。)が広く使われている。羽毛は軽量で保温性が高く吸湿発散性に優れ、羽毛を詰めた衣服や布団はとても温かいという特徴を備える。
一般に、羽毛を使った衣料品や寝装品などの羽毛製品は、側生地の間に羽毛が詰められ、その羽毛の膨らみにより嵩高となり空気の層ができ、保温性を高めている。
しかし、単に側生地の間に羽毛を充填するだけでは、羽毛が一部に偏ってしまって均等に分散配置されないため、保温機能が低下し、型崩れし意匠的にも好ましくない。
そのため、所定の間隔で表側と裏側の側生地を縫付けてキルティング加工を施し、羽毛が大きく移動し偏るのを防止し製品全体に均等に羽毛が配置されるようにしたり、羽毛をダウンパックと呼ばれる袋状の中生地内に収納し、そのダウンパックを表側と裏側の側生地を縫い付けてできた空間に介在させたりして、羽毛の偏りや抜け出しを防止しているものがある。
しかし、このように側生地を縫い付け、その間に羽毛やダウンパックを充填した衣服は、縫い付けた部分が低く薄くなり、その分、羽毛やダウンパックを充填した部分がより高く厚く感じるため、凹凸が激しく着用すると着膨れをしてしまい、外観上問題がある。
また、羽毛は軽量で一つ一つが非常に細かいことから、側生地を縫い合わせた針穴から抜け出してしまい、特に衣服用の生地は伸縮するものが使われるため、着用時に生地が伸びるとさらに羽毛が抜けだしやすくなってしまうという問題がある。
このような問題に対し、側生地の縫い合わせ部分が低く薄くならないようにする方法として、例えば、実開昭52−95501号公報には、「表生地に適当の間隔をおいてひだを取り、そのひだの基部に沿って縫目を設け、ひだの先端近くを裏生地に対して縫着し、これを繰返すことによって細長い室を並列して設け、この室内に中綿、羽毛等の中入材料を詰め込んだキルティング衣料。」が開示されている(特許文献1)。
また、実開昭52−32411号公報には、「上布と下布との二重構造を有し、その間に長手方向に対してほぼ直角に連通して、結合糸によって分割された間隙部を有して、この間隙部内に平均に羽毛を詰められた羽毛パッド。」が開示されている(特許文献2)。
上記特許文献1に記載のキルティング衣料であれば、表生地と裏生地を直接縫い合わせせず、表生地と裏生地の間にひだを設けて幅を持たせて羽毛等を充填する室を構成しているので、羽毛等の詰め物の厚さに応じてひだの幅を調整でき、表生地と裏生地の縫い合わせ部分が低く薄くなって外観を損なうということはない。
また、上記特許文献2に記載の羽毛パッドも、上布と下布の間に連結糸を設け、表生地と裏生地を直接縫い合わせしないので、これを表生地と裏生地の間に入れて衣服を製造すれば、外観的には低くて薄い部分がなく凹凸の少ない意匠性の高い衣服となる。
実開昭52−95501号公報 実開昭52−32411号公報
上記特許文献1や2に記載の方法であれば、表生地と裏生地を直接縫い合わせないので、縫い合わせ部が薄く低くなることがなく全体として凹凸が少なく、外観上優れた羽毛入りの衣服となるが、それぞれ、ひだを形成したり、連結糸をいれたりと、製造工程が多く手間がかかり作業効率が悪く、コストアップを強いられている。
また、これらの方法では、ひだを形成する縫い目や、連結糸をいれる縫い目等、縫い目が多くなり、羽毛の抜けだしを防止するのは難しい。
また、衣服にした場合、冬期以外の保管時や、外出先で脱いだ後など場所をとり、さらに流通における運送時には大きく場所を占領するため、取り扱いしにくいという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、製造工程が複雑ではなく作業効率がよく、かつ羽毛のような暖かさ、柔らかさを備え、保温性、吸湿性及び発熱性に優れ、羽毛のような風合いを備えた軽量で柔らくボリュームのある複数繊維含有衣料品用積層生地及びその製造方法を提供するものである。
本発明者は上記課題を下記の手段により解決した。
〈1〉複数の繊維を混合した混合繊維からなる第1混合繊維層と第2混合繊維層が積層された中間繊維層の上面及び下面に、熱可塑性樹脂層を介して、上面用生地層及び下面用生地層がそれぞれ積層されてなり、前記第1混合繊維層が、ポリエステル複合繊維、羽毛繊維及びキュプラ繊維のうち、2種又は3種を混合した混合繊維からなり、前記第2混合繊維層が、ポリエステル複合繊維、羽毛繊維及びキュプラ繊維のうち、2種又は3種を混合した混合繊維からなり、全体が熱融着により一体化してなることを特徴とする複数繊維含有衣料品用積層生地。
〈2〉複数の繊維を混合した混合繊維からなる第1混合繊維層と第2混合繊維層が積層された中間繊維層の上面及び下面に、熱可塑性樹脂層を介して、上面用生地層及び下面用生地層がそれぞれ積層されてなり、前記第1混合繊維層が、ポリエステル複合繊維、羽毛繊維及びキュプラ繊維を混合した混合繊維からなり、前記第2混合繊維層が、ポリエステル複合繊維、羽毛繊維及びキュプラ繊維を混合した混合繊維からなり、全体が熱融着により一体化してなることを特徴とする複数繊維含有衣料品用積層生地。
〈3〉前記第1混合繊維層におけるポリエステル複合繊維の含有量が、前記第1混合繊維層の総重量に対して1〜99重量%であり、羽毛繊維とキュプラ繊維の前記第1混合繊維層における含有量が、前記第1混合繊維層の総重量に対して、それぞれ0〜99重量%であることを特徴とする前記〈1〉に記載の複数繊維含有衣料品用積層生地。
〈4〉前記第2混合繊維層におけるポリエステル複合繊維の含有量が、前記第2混合繊維層の総重量に対して1〜99重量%であり、羽毛繊維とキュプラ繊維の前記第2混合繊維層における含有量が、前記第2混合繊維層の総重量に対して、それぞれ0〜99重量%であることを特徴とする前記〈1〉に記載の複数繊維含有衣料品用積層生地。
〈5〉前記第1混合繊維層において混合される繊維の含有量が、前記第1混合繊維層の総重量に対して、ポリエステル複合繊維が30〜60重量%であり、羽毛繊維が20〜50重量%であり、キュプラ繊維が20〜50重量%であることを特徴とする前記〈1〉又は〈2〉に記載の複数繊維含有衣料品用積層生地。
〈6〉前記第2混合繊維層において混合される繊維の含有量が、前記第2混合繊維層の総重量に対して、ポリエステル複合繊維が30〜60重量%であり、羽毛繊維が20〜50重量%であり、キュプラ繊維が20〜50重量%であることを特徴とする前記〈1〉又は〈2〉に記載の複数繊維含有衣料品用積層生地。
〈7〉前記複数繊維含有衣料品用積層生地の全体の厚さが2〜20mmであることを特徴とする前記〈1〉〜〈6〉のいずれか1項に記載の複数繊維含有衣料品用積層生地。
〈8〉前記〈1〉〜〈7〉に記載の複数繊維含有衣料品用積層生地を少なくともその一部に用いてなることを特徴とする衣料品。
〈9〉前記〈1〉〜〈7〉に記載の複数繊維含有衣料品用積層生地を少なくともその一部に用いてなることを特徴とする寝装品。
〈10〉複数の繊維を混合した混合繊維からなる第1混合繊維層と第2混合繊維層が積層された中間繊維層の上面及び下面に、熱可塑性樹脂層を介して、上面用生地層及び下面用生地層がそれぞれ積層されてなり、前記第1混合繊維層が、ポリエステル複合繊維、羽毛繊維及びキュプラ繊維のうち、2種又は3種を混合した混合繊維からなり、前記第2混合繊維層が、ポリエステル複合繊維、羽毛繊維及びキュプラ繊維のうち、2種又は3種を混合した混合繊維からなり、全体が熱融着により一体化してなる複数繊維含有衣料品用積層生地の製造方法であって、
(1)基台上に下面用生地を配置する第1工程と、
(2)前記下面用生地の上に、熱可塑性樹脂を点状に塗布し樹脂層を形成する第2工程と、
(3)前記熱可塑性樹脂の樹脂層の上に、ポリエステル複合繊維、羽毛繊維及びキュプラ繊維のうち、2種又は3種を混合した混合繊維を網目状に配置し第1混合繊維層を形成する第3工程と、
(4)前記第1混合繊維層の上に、ポリエステル複合繊維、羽毛繊維及びキュプラ繊維のうち、2種又は3種を混合した混合繊維を網目状に配置し第2混合繊維層を形成する第4工程と、
(5)別途、基台上に上面用生地を配置する第5工程と、
(6)前記上面用生地の上に、熱可塑性樹脂を点状に塗布し樹脂層を形成する第6工程と、
(7)前記第4工程で形成された第2混合繊維層に、前記第6工程で樹脂層が形成された上面用生地を、前記樹脂層が前記第2混合繊維層側となるように積層し、前記第1混合繊維層と第2混合繊維層からなる中間繊維層の上面及び下面に、樹脂層を介して上面用生地層及び下面用生地層がそれぞれ積層された積層体を形成する第7工程と、
(8)第7工程の積層体を、前記熱可塑性樹脂の溶融温度より高い温度で加熱し、熱融着により一体化する第8工程と、
(9)第8工程で熱融着した積層体を、部材の表面に高温で当接させ、上面用生地層及び下面用生地層の表面を平坦で滑らかにする第9工程と、
を含むことを特徴とする複数繊維含有衣料品用積層生地の製造方法。
本発明にかかる複数繊維含有衣料品用積層生地は、複数の繊維を混合した混合繊維からなる第1混合繊維層と第2混合繊維層が積層された中間繊維層の上面及び下面に、熱可塑性樹脂層を介して、上面用生地層及び下面用生地層がそれぞれ積層されてなり、前記第1混合繊維層が、ポリエステル複合繊維、羽毛繊維及びキュプラ繊維のうち、2種又は3種を混合した混合繊維からなり、前記第2混合繊維層が、ポリエステル複合繊維、羽毛繊維及びキュプラ繊維のうち、2種又は3種を混合した混合繊維からなり、全体が熱融着により一体化してなるので、上面用生地層や下面用生地層がそのまま衣料品等の表生地や裏生地となり、複数繊維が含有された1枚の保温性の高い生地として使用できる。
また、複数繊維が混合された第1混合繊維層と第2混合繊維層とを積層して中間繊維層を形成しているので、全体として繊維の気密性が高くなり、羽毛のような保温性が高い生地となる。
また、前記混合繊維層内に羽毛繊維を混合した場合でも、羽毛繊維は他の繊維や上下の生地層に固着されるので、縫い目からの吹き出しや偏りがない羽毛繊維を含有する生地となり型崩れもなく、羽毛繊維のもつ保温性が発揮され軽量で暖かい。
さらに本発明にかかる複数繊維含有衣料品用積層生地は、全体の厚さが2〜20mm程度で構成され極めて薄い状態で積層体全体が一体化されているので、そのまま裁断、縫製でき加工しやすく、製造作業も容易であり、羽毛繊維を含む場合でも、別途特殊な加工や羽毛の詰め込み作業等の必要がなく、裁断時や縫製時に羽毛が飛び散ることもなく、作業環境を良好に維持することができる。
そして、本発明にかかる複数繊維含有衣料品用積層生地は、中間繊維層に羽毛繊維を混合しても、ダウンパックやダウンプルーフ加工を施す必要がなく、さらに、熱可塑性樹脂層を構成する熱可塑性樹脂を点状に塗布すれは、通気性もよく柔らかな風合いを備え、様々な衣料品に使用できる。
そして、全体の厚さ2〜20mm程度という薄さにより、複数繊維含有衣料品用積層生地は嵩張ることがなく、コンパクトに畳むことができ、流通においては運搬しやすく保管もしやすい。
また、第1混合繊維層と第2混合繊維層からなる中間繊維層と、上面及び下面の生地層を熱溶着で一体化したことで、上下方向にも左右方向にも弾力性を備え、衣料品に使用した場合には高い保温性だけでなく、着やすく動きやすくなる。
第1混合繊維層及び第2混合繊維層の両方又はいずれかにキュプラ繊維を混合することで、より吸湿性、発熱性を向上させ、軽くて嵩張らずに暖かで快適な生地を提供できる。
さらに、本発明にかかる複数繊維含有衣料品用積層生地の製造方法によれば、第1混合繊維層及び第2混合繊維層の両方又はいずれかに、羽毛繊維を混合しても、衣料品等の製造時に羽毛が飛び散ることもなく、またダウンプルーフ加工やキルティング加工など特殊な縫製や加工を必要としないので、衣料品等の製造が容易である。
また、第1混合繊維層と第2混合繊維層を形成する混合繊維を網目状に配置するので、軽量で通気性を保持する一方で、繊維の密度が高く、保温性、保湿性の高い生地となる。
さらに、積層体を熱融着したあとに強い圧力をかけずに高温プレスをすることで、第1混合繊維層及び第2混合繊維層のボリューム感を維持させつつ、表面の凹凸をなくし滑らかで綺麗な仕上がりの複数繊維含有衣料品用積層生地を実現できるものとなっている。
本発明にかかる複数繊維含有衣料品用積層生地の一実施例の説明用断面図 本発明にかかる複数繊維含有衣料品用積層生地の製造方法の概要説明図 本発明にかかる複数繊維含有衣料品用積層生地の製造方法の概要説明図 本発明にかかる複数繊維含有衣料品用積層生地の製造方法の概要説明図 本発明にかかる複数繊維含有衣料品用積層生地の断面を示す写真
本発明にかかる複数繊維含有衣料品用積層生地及び該複数繊維含有衣料品用積層生地の製造方法を実施するための形態を、実施例の図に基づいて具体的に説明する。
図1は本発明にかかる複数繊維含有衣料品用積層生地の一実施例の説明用断面図であり、(a)は加熱により熱融着して一体化しプレスされた状態(当接した後の状態)を示す断面図であり、(b)は加熱プレス前の状態(当接工程の前の状態)を示す断面図である。図2〜図4は本発明にかかる複数繊維含有衣料品用積層生地の製造方法の概要説明図である。
図において、1は複数繊維含有衣料品用積層生地、10はプレス前の積層体、2aは下面用生地層、2bは上面用生地層、3は中間繊維層、3aは第1混合繊維層、3bは第2混合繊維層、31は羽毛繊維、32はポリエステル複合繊維、33はキュプラ繊維、4(4a,4b)は熱可塑性樹脂層である。
図1に示す複数繊維含有衣料品用積層生地の一実施例の形態において、複数繊維含有衣料品用積層生地1は、複数の繊維を混合した混合繊維からなる第1混合繊維層3aと第2混合繊維層3bとが積層された中間繊維層3、中間繊維層3の上面に熱可塑性樹脂層4bを介して積層される上面用生地層2bと、中間繊維層3の下面に熱可塑性樹脂層4aを介して積層される下面用生地層2aとが積層され積層体10を構成している(図1(b))。
そして、前面用生地層2a、熱可塑性樹脂層4a、中間繊維層3、熱可塑性樹脂層4b、上面用生地層2bとが順に積層された積層体10全体が加熱され熱融着により一体化して1枚の複数繊維含有衣料品用積層生地1を形成している(図1(a))。
本実施例において、上面用生地層2b及び下面用生地層2aは、シート状の生地により構成され、衣料品等を製造する場合において、そのまま衣料品の表生地や裏生地とすることができるものであり、用途に応じ、綿、ナイロン、アクリル、レーヨン、ポリエステル等、任意の素材の生地を選択できる。
なお、本発明の複数繊維含有衣料品用積層生地1にかかる積層体10は、加熱により熱可塑性樹脂層4a、4bの樹脂を溶解し、上面用生地層2bと中間繊維層3を、下面用生地層2aと中間繊維層3を接着し、さらに加熱により中間繊維層3を構成する第1混合繊維層3a及び第2混合繊維層3bに混合されたポリエステル複合繊維の樹脂も溶解させ、第1混合繊維層3a及び第2混合繊維層3b内の繊維同士を互いに固着させ、一体化する。
したがって、上面用生地層2b及び下面用生地層2aは、熱可塑性樹脂層4a、4bの溶融温度及びポリエステル複合繊維の溶融温度に耐えうる繊維で構成される。
本実施例では、上面用生地層2b及び下面用生地層2aについては、ポリエステル100%の生地を使用しているが、これは特に限定されるものではなく、また、上面用生地層2bと下面用生地層2aは同じ素材の生地である必要はなく、異なった素材の生地を採用してもよい。
本発明において、上面用生地層2bと下面用生地層2aの間に配置される中間繊維層3は、第1混合繊維層3a及び第2混合繊維層3bが積層されて構成される。
第1混合繊維層3a及び第2混合繊維層3bは、それぞれ、ポリエステル複合繊維32、羽毛繊維31及びキュプラ繊維33のうち、2種又は3種を混合した混合繊維からなる。
第1混合繊維層3a及び第2混合繊維層3bの混合繊維は、例えば、ポリエステル複合繊維32と羽毛繊維31、ポリエステル複合繊維32とキュプラ繊維33の2種の混合であっても、ポリエステル複合繊維32、羽毛繊維31及びキュプラ繊維33の3種の混同であってもよく、また、第1混合繊維層3aの混合繊維の種類と、第2混合繊維層3bの混合繊維の種類とが、同一であっても、異なる構成であってもよい。
第1混合繊維層3a及び第2混合繊維層3bに混合される羽毛繊維31は、羽毛で構成される。ここで「羽毛」とは、アヒルやガチョウなどの鳥のダウン(羽毛)やフェザー(羽根)のいずれをも含む総称である。したがって、羽毛繊維31として、ダウンだけを使用しても、フェザーだけを使用してもよく、ダウンとフェザーを混合してもよい。なお、軽量で暖かく、風合いが柔らかいことから天然の羽毛が好ましいが、本発明の構成は、人工羽毛、人工羽毛綿と呼ばれる合成繊維の疑似羽毛を用いてもよい。
第1混合繊維層3a及び第2混合繊維層3bに羽毛繊維31を混合することで、保温性が高く通気性も備え、柔らかな風合いを備えた複数繊維含有衣料品用積層生地1を得る。
第1混合繊維層3a及び第2混合繊維層3bに混合するポリエステル複合繊維32は、性質の異なる二種類以上のポリマーを口金で複合した繊維であり、本実施例ではPET(ポリエチレンテレフタレート)とPTT(ポリトリメチレンテレフタレート)の2種類のポリマー成分を複合したポリエステル系の複合繊維を使用している。なお、アセテート系やアクリル系の複合繊維を代用することも可能であるが、PETの特性の軽量、速乾性、耐熱性、耐久性と、PTTの特性の高い伸縮性や形状安定性、そして柔らかい感触とを複合したポリエステル複合繊維が好適である。さらにポリエステル複合繊維は熱可塑性であるため、加熱プレスにより接着効果を発揮するので、羽毛繊維31やキュプラ繊維33とを相互にしっかり固着する。
性質の異なる二種類以上のポリマーを複合した複合繊維は、ポリエステル100%の場合のように過剰な弾力性が生じることがなく、また、複数のポリマーの収縮率がそれぞれ異なることから、原糸に捲縮が発現し伸縮性が生じるので、本発明にかかる複数繊維含有衣料品用積層生地1に、高い伸縮性を与える場合がある。
また、第1混合繊維層3a及び第2混合繊維層3bに混合するキュプラ繊維33は、天然綿の短い繊維であるコットンリンターを薬品に溶かして繊維に加工した再生繊維でセルロースを主成分とする繊維である。
キュプラ繊維33は、水に濡らした時の強度である湿潤強度が高く、第1混合繊維層3a及び第2混合繊維層3bにキュプラ繊維33を混合することで、吸水性、吸湿性に優れる特性を複数繊維含有衣料品用積層生地1に与える。
さらに、キュプラ繊維33は発熱性を有するので、第1混合繊維層3a及び/又は第2混合繊維層3bにキュプラ繊維33を混合することで、複数繊維含有衣料品用積層生地1の発熱性を高めることができる。
本願発明者が、第1混合繊維層3a及び第2混合繊維層3bにキュプラ繊維33を混合したものと、混合しなかったものとを比較検証したところ、キュプラ繊維33を混合した複数繊維含有衣料品用積層生地1の方がおよそ3〜4℃程度高い温度が確認できた。
本発明において、第1混合繊維層3aにおけるポリエステル複合繊維32の含有量は、第1混合繊維層3aの総重量に対して1〜99重量%である。そして、羽毛繊維31とキュプラ繊維33の第1混合繊維層3aにおける含有量は、それぞれ第1混合繊維層31の総重量に対して0〜99重量%である。
そして、第2混合繊維層3bにおけるポリエステル複合繊維32の含有量は、第2混合繊維層3bの総重量に対して1〜99重量%である。そして、羽毛繊維31とキュプラ繊維33の第2混合繊維層3bにおける含有量は、それぞれ第2混合繊維層31の総重量に対して0〜99重量%である。
このように本発明にかかる複数繊維含有衣料品用積層生地1の中間層3は、複数の繊維を任意の割合で混合した繊維からなる第1混合繊維層3aと、第2混合繊維層3bとからなり、複数の繊維の混合割合は、適宜製作する衣料品の用途等を考慮して調整できる。
例えば、第1混合繊維層3aに発熱性を持たせ、第2混合繊維層3bに柔らかな風合いを持たせたい場合には、第1混合繊維層3aにはキュプラ繊維33を混合し、第2混合繊維層3bには羽毛繊維31を混合するというように、それぞれの繊維の特徴を最大限生かすことができるものとなっている。
本実施例においては、第1混合繊維層3aは、総重量に対してポリエステル複合繊維32が30〜60重量%であり、羽毛繊維31が20〜50重量%、キュプラ繊維33が20〜50重量%で構成した。
また、本実施例では第2混合繊維層3bについても、同様に総重量に対してポリエステル複合繊維32が30〜60重量%、羽毛繊維31が20〜50重量%、キュプラ繊維33が20〜50重量%で構成した。
第1混合繊維層3a及び第2混合繊維層3bに混合される羽毛繊維31が、それぞれの混合繊維層の総重量に対し、25〜40重量%程度の場合、複数繊維含有衣料品用積層生地1にほどよい暖かさと柔らかさをもたらすので好適である。
また、第1混合繊維層3a及び第2混合繊維層3bに混合されるポリエステル複合繊維32の含有量が、それぞれの混合繊維層の総重量に対して35〜50重量%の場合、軽量で、速乾性、耐熱性、耐久性を備えた複数繊維含有衣料品用積層生地1となる。
さらに、第1混合繊維層3a及び第2混合繊維層3bにおけるキュプラ繊維33の含有量が、各混合繊維層の総重量に対して25〜40重量%であると、優れた吸水性、吸湿性が発揮できる。
このような各繊維の特徴を踏まえて、第1混合繊維層3aと第2混合繊維層3bからなる中間繊維層3を、第1混合繊維層3aに混合する繊維の種類と量、第2混合繊維層3bに混合する繊維の種類と量をそれぞれ調整し積層することで、各繊維の特徴を最大限生かすことができ、ニーズに合わせた複数繊維含有衣料品用積層生地1となる。なお、第一混合繊維層3aと、第二混合繊維層3bは、同じでも異なっていてもよい。同じ成分を含有する場合であっても、成分の含有割合が異なれば、第一混合繊維層3aと第二混合繊維層3bは異なるものとする。
本発明にかかる複数繊維含有衣料品用積層生地1において、その中間繊維層3を構成する第1混合繊維層3aと第2混合繊維層3bは、羽毛繊維31、ポリエステル複合繊維32及びキュプラ繊維33を混合、又はポリエステル複合繊維32及びキュプラ繊維33のうち2種又は3種を混合してなることから、繊維の量が豊富で嵩高になるが、加熱により熱融着して一体化すると、各繊維が相互に固着し程よい柔らかさとボリュームを保持し保温性を高める。
また、例えば、中間繊維層3の上下の熱可塑性樹脂層4a、4bを点状に塗布し熔解させ、かつ中間繊維層3の第1混合繊維層3a及び第2混合繊維層3bを構成する混合繊維を網目状に構成することで、全体として軽量になり、通気性を備える複数繊維含有衣料品用積層生地1となる。
したがって、本発明にかかる複数繊維含有衣料品用積層生地1の使用用途にあわせて、中間繊維層3を構成する第1混合繊維層3a及び第2混合繊維層3bに混合する繊維の量を調整し、各繊維の種類、含有量を調整して混合し、網目状の他、全体に積層したり、横、縦のライン状に積層したりすることで、全体の軽さを調整することができるので、より使用用途に適した複数繊維含有衣料品用積層生地1を提供できるものとなっている。
そして、本発明にかかる複数繊維含有衣料品用積層生地1は、その全体の厚さαを2〜20mmとし、あたかも一枚の生地のように構成する。これは、薄すぎると保温性を確保できず、また20mm以上になると、厚くなりすぎて嵩張る上に、軽量感がなくなり、裁断、縫製等の製造作業がしにくくなるためである。
したがって、さらに好ましくは、複数繊維含有衣料品用積層生地1の厚さαが2〜10mm程度になるよう中間繊維層3を構成する第1混合繊維層3a及び第2混合繊維層3bに混合する各繊維の混合比率を調整すると、軽量で嵩張らず、より一枚の生地のように扱え、衣料品や寝装具の製造において裁断、縫製等の製造作業がしやすくなり好適である。
そして、本発明にかかる複数繊維含有衣料品用積層生地1は、上記のようにあたかも一枚の生地のように取り扱うことができるので、ジャケットやズボン、スカート、シャツ、防寒用インナーや帽子などの衣料品、掛け布団や敷ぶとんなどの寝装具など、任意の保温用の製品を製造するための生地として用いることができる。この場合、上面用生地層2bが製品の表生地となり、その他中綿等の充填を必要としない。
本発明にかかる複数繊維含有衣料品用積層生地1は、その製造に際し、中間繊維層3に熱可塑性樹脂層4bを介して積層される上面用生地層2bと、同じく熱可塑性樹脂層4aを介して積層される下面用生地層2aを、加熱による熱可塑性樹脂層4a、4bの樹脂の熔解により接着され一体化させ、かつ中間繊維層3の各繊維は、ポリエステル複合繊維32の樹脂の熔解により相互に固着するので、第1混合繊維層3aや第2混合繊維層3bに羽毛繊維31を混合しても、羽毛繊維31が吹き出したり偏ったりしないものとなっている。
また、複数繊維含有衣料品用積層生地1を側生地内に介装、充填して中綿として使用することもできる。その場合でも各繊維は接着され一体化しているので、羽毛繊維31を混合した場合でも、羽毛繊維31が吹き出したり偏ったりすることはなく、側生地にキルティング加工等の特別な加工を必要とせず、取り扱いしやすい。側生地内に充填、介装する場合には、側生地は、綿、ウール、麻等の天然繊維、レーヨン等の再生繊維、ポリエステル、ナイロン、アクリル系繊維等の合成繊維、天然あるいは合成の皮革等、任意の素材の生地を使用できる。
また、各種衣料品や寝装具の一部に本発明にかかる複数繊維含有衣料品用積層生地1を用いることもできる。例えば、ジャケットの前身頃と後身頃だけ複数繊維含有衣料品用積層生地1を使い、袖部を既存の薄手の生地を用いるなど組み合わせると、デザイン性の高い衣料品を製造することもできる。
同様に、寝装品についてもその一部に本発明にかかる複数繊維含有衣料品用積層生地1を用いて保温性の高い寝装品とすることもできる。
なお、図5の写真では、上面用生地層の生地と、下面用生地層の生地のいずれも白色の生地を使用しているが、これらの生地としてプリントした生地を使用するか、又は、積層体を形成した後に生地層にプリントする、又は、複数繊維含有衣料品用積層生地を形成した後に生地層にプリントすることにより、最終的な複数繊維含有衣料品用積層生地は色やデザインが施されたものとなる。
次に、本発明にかかる複数繊維含有衣料品用積層生地の製造方法を図2〜4に基づいて説明する。
本発明にかかる複数繊維含有衣料品用積層生地1の製造方法の一例としては、
(1)基台上に下面用生地2aを配置する第1工程と、
(2)下面用生地2aの上に、熱可塑性樹脂を点状に塗布し樹脂層(熱可塑性樹脂層4a)を形成する第2工程と、
(3)熱可塑性樹脂の樹脂層(熱可塑性樹脂層4a)の上に、羽毛繊維31とポリエステル複合繊維32及びキュプラ繊維33のうち、2種又は3種を混合した混合繊維を網目状に配置し第1混合繊維層3aを形成する第3工程と、
(4)第1混合繊維層3aの上に、羽毛繊維31とポリエステル複合繊維32及びキュプラ繊維33のうち、2種又は3種を混合した混合繊維を網目状に配置し第2混合繊維層3bを形成する第4工程と、
(5)別途、基台上に上面用生地2bを配置する第5工程と
(6)上面用生地2bの上に、熱可塑性樹脂を点状に塗布し樹脂層(熱可塑性樹脂層4b)を形成する第6工程と、
(7)第4工程で形成された第2混合繊維層3bに、第6工程で樹脂層(熱可塑性樹脂層4b)が形成された上面用生地2bを、樹脂層4bが第2混合繊維層3bと対向するように積層し、第1混合繊維層3aと第2混合繊維層3bからなる中間繊維層3の上面及び下面に、樹脂層(4a、4b)を介して上面用生地層2b及び下面用生地層2aがそれぞれ積層された積層体10を形成する第7工程と、
(8)第7工程の積層体10を、熱可塑性樹脂の溶融温度より高い温度で加熱し、熱融着により一体化する第8工程と、
(9)第8工程で熱融着した積層体10を、部材の表面に高温で当接させ、上面用生地層2b及び下面用生地層2aの表面を平坦で滑らかにする第9工程
からなる。
図2においては、基台上(図示せず)に、中間繊維層3を積層する側が上面になるように下面用生地2aがセットされる((a)第1工程)。
次いで、下面用生地2aの上面に、熱可塑性樹脂を点状に塗布し、熱可塑性樹脂層4aを積層する((b)第2工程)。
ここで熱可塑性樹脂層4aの樹脂は、後の工程の加熱で溶解し中間繊維層3と熱融着するものが使用される。例えば、ポリウレタン、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリエステル系の樹脂が挙げられる。
すなわち、後の工程の加熱における加熱温度に合わせて、適合する溶解温度の樹脂が使用され、例えば加熱温度を180℃とする場合には、溶解温度が120〜160℃の樹脂が使用される。
本実施例では、加熱温度を180℃とし、溶解温度を130〜150℃に構成した熱可塑性ポリウレタン樹脂を用いている。特にこれに限定するものではないが、熱可塑性ポリウレタン樹脂は伸縮性に優れ、接着力が高く好適に用いられる。
そして樹脂を下面用生地層2a上に、点状に塗布することで、全体の軽量化、通気性の向上を図る。
そして、熱可塑性樹脂層4aが積層された下面用生地層2aの上に、混合繊維を網目状に配置し第1混合繊維層3aを形成する((c)第3工程)。
第1混合繊維層3aの混合繊維は、羽毛繊維31とポリエステル複合繊維32及びキュプラ繊維33のうち、2種又は3種を混合したものであり、含有量は、第1混合繊維層3aの総重量に対してポリエステル複合繊維32については1〜99重量%であり、羽毛繊維31については0〜99重量%、キュプラ繊維33については0〜99重量%であり、好ましくは、ポリエステル複合繊維32が、30〜60重量%、羽毛繊維31が20〜50重量%、キュプラ繊維33が20〜50重量%である。
第1混合繊維層3aの繊維の混合は、あらかじめ設定した比率で混合し、その混合した繊維を下面用生地層2aの上に積層された熱可塑性樹脂層4aの上に配置する。その際、前記混合繊維を網目状に配置すると、凹凸の少ない滑らかな仕上がりとなるので好適である。
そして、第1混合繊維層3aの上に、さらに混合繊維を網目状に配置し第2混合繊維層3bを形成する((d)第4工程)。
第2混合繊維層3bの混合繊維も、羽毛繊維31とポリエステル複合繊維32及びキュプラ繊維33のうち、2種又は3種を混合したものであり、含有量は、第2混合繊維層3bの総重量に対してポリエステル複合繊維32については1〜99重量%、羽毛繊維31については0〜99重量%、キュプラ繊維33については0〜99重量%であり、好ましくは、ポリエステル複合繊維32が、30〜60重量%、羽毛繊維31が20〜50重量%、キュプラ繊維33が20〜50重量%である。
第2混合繊維層3bの繊維の混合も、第1混合繊維層3aと同様に、あらかじめ設定した比率で混合し、その混合した繊維を第1混合繊維層3aの上に配置する。その際、第1混合繊維層3aの網目状とずらして、混合繊維を網目状に配置すると、繊維密度が高く、より凹凸の少ない滑らかな仕上がりとなるので好適である。
第4工程後、別途、基台上に上面用生地2bを設置し((e)第5工程)、上面用生地2bの上に、熱可塑性樹脂を点状に塗布し樹脂層(熱可塑性樹脂層4b)を形成する((f)第6工程)。
そして、第4工程で形成された第2混合繊維層3bの上に、熱可塑性樹脂層4bが対向するように上面用生地層2bを積層して、積層体10を形成する((g)第7工程)。
第3工程〜第7工程の積層体10の形成は、その工程に限定するものではなく、例えば、第4工程で形成された第2混合繊維層3bの上に、熱可塑性樹脂を塗布して熱可塑性樹脂層4bを形成し、その上に上面用生地層2bを配置して積層体10を形成してもよい。
その後、第7工程で形成された積層体10を、熱可塑性樹脂層4a、4bを構成する樹脂の溶融温度より高い温度で加熱し、熱可塑性樹脂を溶解し、熱融着により上面用生地層2b、第1混合繊維層3aと第2混合繊維層3bからなる中間繊維層3及び下面用生地層2aを一体化する。((h)第8工程)。
上面用生地層2bと下面用生地層2aの間に積層される中間繊維層3は、中間繊維層3を構成する第1混合繊維層3a及び第2混合繊維層3bに混合された繊維内にポリエステル複合繊維32を混合している。したがって、上面用生地層2bと、中間繊維層3と、下面用生地層2aが順に積層された積層体10を高温加熱すると、第1混合繊維層3a及び第2混合繊維層3bに混合されたポリエステル複合繊維32のポリエステル樹脂が溶け、混合されている羽毛繊維31とキュプラ繊維33は、溶けたポリエステル樹脂と混ざり合い、この状態で冷やされることで各繊維が相互に固着する。また、高温加熱により溶けたポリエステル樹脂は、熱可塑性樹脂層4a、4bを構成する樹脂とも混ざり合い、全体が熱融着し一体化し、積層体10をあたかも1層のごとく形成する。
本実施例においては、熱可塑性樹脂層4a、4bの樹脂の溶解温度が130〜150℃、中間繊維層3のポリエステル複合繊維32のポリエステル樹脂の溶解温度が120℃のものを使用し、180℃の加熱をして熱溶着している。
第8工程で熱融着した積層体10は、部材の表面に高温で当接され、((i)第9工程)、上面用生地層2b及び下面用生地層2aの表面を平坦で滑らかにして複数繊維含有衣料品用積層生地1を得る(j)。ここで、部材とは、板などの平板状のもの、ローラーなどの円筒状のものなどが用いられるが、連続的に製造できる観点から、図4(i)のように、ローラーを用いることが好ましい。積層体10を部材の表面に当接することで、積層体10の表面の平坦性を高めることができる。なお、図4(i)のように、積層体10をローラーの表面に片面ずつ当接させることが好ましい。
第8工程で熱融着し一体化した積層体10は、異なる繊維が混合されている中間繊維層3が積層されているため、全体が均一に滑らかな平坦にはならず、表面が凸凹している部分が生じる場合がある。本発明では、複数繊維含有衣料品用積層生地1を、衣料品等を製造する生地として使用するのに適するよう、その表面を平坦で滑らかにするため、加熱後の積層体10を部材の表面に当接させる(本明細書では、「強い圧力をかけずに高温プレスする」、ともいう)。この当接工程(プレス工程)を実施することで、強い圧力をかけることないため、中間繊維層3の柔らかさやボリューム感を損なわないようになる。そして、積層体10の表面は、いわゆるアイロンを掛けたのと同様の効果を得て、皺や凸凹がなくなり平坦で滑らかな仕上がりとなる。
こうして製造された複数繊維含有衣料品用積層生地1は、その厚さαが2〜20mmに調整され、生地として使いやすい厚さで形成される。
本発明の複数繊維含有衣料品用積層生地1の製造は、上記の実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることができる。
図5は、本発明にかかる複数繊維含有衣料品用積層生地の断面を示す写真である。
図5に示す複数繊維含有衣料品用積層生地1は、上面用生地層2b及び下面用生地層2aがポリエステル100%の生地であり、中間繊維層3は、第1混合繊維層3aは、その総重量に対し30重量%の羽毛繊維31と、40重量%のポリエステル複合繊維32と、30重量%のキュプラ繊維33による混合繊維、第2混合繊維層3bは、その総重量に対し30重量%の羽毛繊維31と、50重量%のポリエステル複合繊維32と、20重量%のキュプラ繊維33による混合繊維から構成され、その全体の厚さαは2〜20mmに形成され、羽毛のようなボリューム感を有する柔らかで保温性の高いものとなっている。
本発明にかかる複数繊維含有衣料品用積層生地1は、上面用生地層2bと下面用生地層2aの間に、羽毛繊維31とポリエステル複合繊維32及びキュプラ繊維33を混合した混合繊維からなる第1混合繊維層3aと第2混合繊維層3bからなる中間繊維層3を有し、全体が熱融着により一体化してなるので、薄くて軽量でボリューム感もあり見た目にも温かく、かつ吸湿性、発熱性を備えているので、保温性が求められる衣料品だけでなく、布団や毛布、こたつ掛け等、保温性が求められる布製品一般に使用することができる。
1 複数繊維含有衣料品用積層生地
10 積層体
2a 下面用生地層
2b 上面用生地層
3 中間繊維層
3a 第1混合繊維層
3b 第2混合繊維層
31 羽毛繊維
32 ポリエステル複合繊維
33 キュプラ繊維
α 複数繊維含有衣料品用積層生地の厚さ

Claims (10)

  1. 複数の繊維を混合した混合繊維からなる第1混合繊維層と第2混合繊維層が積層された中間繊維層の上面及び下面に、熱可塑性樹脂層を介して、上面用生地層及び下面用生地層がそれぞれ積層されてなり、
    前記第1混合繊維層が、ポリエステル複合繊維、羽毛繊維及びキュプラ繊維のうち、2種又は3種を混合した混合繊維からなり、
    前記第2混合繊維層が、ポリエステル複合繊維、羽毛繊維及びキュプラ繊維のうち、2種又は3種を混合した混合繊維からなり、
    全体が熱融着により一体化してなることを特徴とし、
    前記中間繊維層は、ポリエステル複合繊維を含む、複数繊維含有衣料品用積層生地。
  2. 複数の繊維を混合した混合繊維からなる第1混合繊維層と第2混合繊維層が積層された中間繊維層の上面及び下面に、熱可塑性樹脂層を介して、上面用生地層及び下面用生地層がそれぞれ積層されてなり、
    前記第1混合繊維層が、ポリエステル複合繊維、羽毛繊維及びキュプラ繊維を混合した混合繊維からなり、
    前記第2混合繊維層が、ポリエステル複合繊維、羽毛繊維及びキュプラ繊維を混合した混合繊維からなり、
    全体が熱融着により一体化してなることを特徴とする複数繊維含有衣料品用積層生地。
  3. 前記第1混合繊維層におけるポリエステル複合繊維の含有量が、前記第1混合繊維層の総重量に対して1〜99重量%であり、羽毛繊維とキュプラ繊維の前記第1混合繊維層における含有量が、前記第1混合繊維層の総重量に対して、それぞれ0〜99重量%であることを特徴とする請求項1に記載の複数繊維含有衣料品用積層生地。
  4. 前記第2混合繊維層におけるポリエステル複合繊維の含有量が、前記第2混合繊維層の総重量に対して1〜99重量%であり、羽毛繊維とキュプラ繊維の前記第2混合繊維層における含有量が、前記第2混合繊維層の総重量に対して、それぞれ0〜99重量%であることを特徴とする請求項1に記載の複数繊維含有衣料品用積層生地。
  5. 前記第1混合繊維層において混合される繊維の含有量が、前記第1混合繊維層の総重量に対して、ポリエステル複合繊維が30〜60重量%であり、羽毛繊維が20〜50重量%であり、キュプラ繊維が20〜50重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の複数繊維含有衣料品用積層生地。
  6. 前記第2混合繊維層において混合される繊維の含有量が、前記第2混合繊維層の総重量に対して、ポリエステル複合繊維が30〜60重量%であり、羽毛繊維が20〜50重量%であり、キュプラ繊維が20〜50重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の複数繊維含有衣料品用積層生地。
  7. 前記複数繊維含有衣料品用積層生地の全体の厚さが2〜20mmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の複数繊維含有衣料品用積層生地。
  8. 請求項1〜7に記載の複数繊維含有衣料品用積層生地を少なくともその一部に用いてなることを特徴とする衣料品。
  9. 請求項1〜7に記載の複数繊維含有衣料品用積層生地を少なくともその一部に用いてなることを特徴とする寝装品。
  10. 複数の繊維を混合した混合繊維からなる第1混合繊維層と第2混合繊維層が積層された中間繊維層の上面及び下面に、熱可塑性樹脂層を介して、上面用生地層及び下面用生地層がそれぞれ積層されてなり、
    前記第1混合繊維層が、ポリエステル複合繊維、羽毛繊維及びキュプラ繊維のうち、2種又は3種を混合した混合繊維からなり、
    前記第2混合繊維層が、ポリエステル複合繊維、羽毛繊維及びキュプラ繊維のうち、2種又は3種を混合した混合繊維からなり、
    全体が熱融着により一体化してなる複数繊維含有衣料品用積層生地の製造方法であって、
    (1)基台上に下面用生地を配置する第1工程と、
    (2)前記下面用生地の上に、熱可塑性樹脂を点状に塗布し樹脂層を形成する第2工程と、
    (3)前記熱可塑性樹脂の樹脂層の上に、ポリエステル複合繊維、羽毛繊維及びキュプラ繊維のうち、2種又は3種を混合した混合繊維を網目状に配置し第1混合繊維層を形成する第3工程と、
    (4)前記第1混合繊維層の上に、ポリエステル複合繊維、羽毛繊維及びキュプラ繊維のうち、2種又は3種を混合した混合繊維を網目状に配置し第2混合繊維層を形成する第4工程と、
    (5)別途、基台上に上面用生地を配置する第5工程と、
    (6)前記上面用生地の上に、熱可塑性樹脂を点状に塗布し樹脂層を形成する第6工程と、
    (7)前記第4工程で形成された第2混合繊維層に、前記第6工程で樹脂層が形成された上面用生地を、前記樹脂層が前記第2混合繊維層側となるように積層し、前記第1混合繊維層と第2混合繊維層からなる中間繊維層の上面及び下面に、樹脂層を介して上面用生地層及び下面用生地層がそれぞれ積層された積層体を形成する第7工程と、
    (8)第7工程の積層体を、前記熱可塑性樹脂の溶融温度より高い温度で加熱し、熱融着により一体化する第8工程と、
    (9)第8工程で熱融着した積層体を、部材の表面に高温で当接させ、上面用生地層及び下面用生地層の表面を平坦で滑らかにする第9工程と、
    を含むことを特徴とし、前記中間繊維層は、ポリエステル複合繊維を含む、複数繊維含有衣料品用積層生地の製造方法。
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