JP6434196B1 - 衣服品用積層生地及び衣服品用積層生地の製造方法 - Google Patents

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Abstract

軽量で嵩張らず、保温性の高く、生地表面が平滑でしなやかな衣服用積層生地及び該衣服用積層生地の製造方法を提供する。すなわち、本発明は、表生地と、羽毛繊維層と、裏生地とが積層されてなり、前記羽毛繊維層の上面に蜘蛛の巣状の樹脂層が積層され、表生地と羽毛繊維層が熱可塑性樹脂を介して接着され、前記羽毛繊維層の下面に弾力性樹脂層が積層され、さらにその下に高密度樹脂層が積層され、前記裏生地と前記羽毛繊維層を介して裏生地と接着されることにより、前記羽毛繊維層が表生地と裏生地に挟まれて接着され一体化してなり、前記羽毛繊維層が、層の厚さが0.05mm〜2.0mmに構成されてなる衣服品用積層生地を提供する。

Description

本発明は、軽量で嵩張らず、保温性に優れた衣服品用積層生地及び衣服品用積層生地の製造方法を提供する。
従来より、アヒルやガチョウなどの鳥のダウン(羽毛)やフェザー(羽根)(以下、「羽毛」とする。)は、軽量で保温性が高く、吸湿発散性に優れることから、羽毛布団やダウンジャケットなどに広く使われている。
一般に、羽毛を使った衣料品や寝装品などの羽毛製品は、表生地と裏生地の間に羽毛を充填しているが、羽毛の性質上、一部に偏ってしまって均等に分散配置されないため、製品全体に十分な効果が得られず、意匠的にも好ましくない。
そのため、所定の間隔で表生地と裏生地を縫付けるキルティング加工を施し、羽毛が大きく移動し偏るのを防止し、製品全体に均等に羽毛が配置されるように工夫がされている。
しかし、羽毛は軽量で一つ一つが非常に細かいことから、表生地や裏生地の繊維の隙間や、キルティング加工時に表生地と裏生地を縫い合わせた針穴から吹き出してしまうという問題がある。羽毛の吹き出しは、アレルギー性の皮膚炎、気管支喘息や鼻炎の原因にもなっている。
そこで、この問題を解決するために、高密度の生地をローラーで挟んで高圧力と熱を加えて、糸と糸の隙間を潰して狭めて羽毛が吹き出すのを防止したり、糸と糸の隙間を樹脂などで埋めてコーティングするダウンプルーフ加工を施した生地を使って、羽毛の吹き出しを防止している。
しかし、このような加工を施した生地は通気性が悪いうえ、吸湿性や発散性が悪く、コーティング剤の影響で、硬くて重く、さらには、これらの加工が施された生地でも、表生地と裏生地の縫い合わせ部分の針穴からの羽毛の吹き出しは防止しきれない。そのため、これまで羽毛の吹き出しを防止するために様々な技術が考案されてきた。
その一つとして、羽毛をダウンパックと呼ばれる袋状の中生地内に収納し、そのダウンパックを表生地と裏生地を縫い付けてできた空間に介在させることで、重くならずに羽毛の吹き出しを防止する方法が広く普及している。
また、例えば、特開2002−173815号公報には、「中生地を複数枚重ねて2本の縫い目で複数箇所縫い合わせて両端を開口した充填部を形成し、表生地を重ね合わせて該2本の縫い目の中央を縫い、次いで中生地の充填部に羽毛を詰め込み、裏地を重ねて生地の周辺部を縫い合わせたことを特徴とする羽毛の吹き出しを防止したダウンウェアー」が開示されている(特許文献1)。
これは、中生地の縫い目と、表生地の縫い目の位置をずらすことで、縫い目からの羽根の吹き出しを防止する方法であるが、上記特許文献1の技術をもってしても、その明細書内に、「中生地1,2の素材は、合成繊維、天然繊維またはこれらの混紡、交織等のいずれの素材を使用しても良いが、好ましくはダウンプルーフ加工が施された生地を用いるのがよい。」とあるように、要するにダウンプルーフ加工を施した生地以外では、羽毛の吹き出しを完全に防止することができない。
ダウンプルーフ加工を施された生地を用いた場合は、上記と同様に、吸湿性や通気性が悪く、全体に重量増になることは避けられない。
また、実開平02−101727号公報には、
「(1)不織布の片面又は両面に羽毛を融着した羽毛詰め素材。(2)不織布の片面に羽毛を融着し、これを二つ折にして熟点融着した羽毛詰め素材。」が開示されている(特許文献2)。上記羽毛詰め素材によれば、不織布に羽毛が固定されている為、生地から羽毛がすり抜けることなく、目地の密な生地で中袋を作る必要がなく、そのまま通常の生地を用いて、羽毛を詰めた防寒衣、布団等を作ることができ、また、羽毛が固定されている為、羽毛の飛散がなく、取扱いが極めて容易であるというものである。
上記特許文献2の技術も、ダウンジャケットなど衣服に使われる場合、表生地と裏生地の間に挿入するダウンパックとして使われるものであり、ダウンパックを不織布で構成し、該不織布に羽毛を融着することで、羽毛の吹き出しを防止することができるものとなっている。
特開2002−173815号公報 実開平02−101727号公報
ところで、上記のような羽毛布団やダウンジャケットなどの羽毛製品は、羽毛の風合いを生かすため嵩高であることが特徴であり、この嵩高こそが、羽毛の柔らかさや軽さ、保温性、保湿性の象徴とも言える。
しかし、この羽毛製品の特徴である嵩高のせいで、着用時に嵩張り着ぶくれし、動きにくく、また冬期以外の保管時や、外出先で脱いだ後など場所をとるため、取り扱いしにくいという問題があった。
また、上記のように、ダウンパックが介挿されている場合、ダウンパックの生地や中生地が、ダウンプルーフ加工がされていたり、不織布やナイロンなど羽毛の吹き出しを防止する素材が使用されているため、通気性がよくなく蒸れやすく、さらには重いという問題もあった。
近年は、この問題を解決するために、羽毛の量を減らしたり、ダウンプルーフ加工する生地自体を超軽量化したり、キルティング加工を、縫製ではなく圧着加工にして縫い目を減らし保温性を高めたり等、様々な方法で、軽くて嵩張らず、かつ保温性、保湿性の高い羽毛製品が開発されているが、羽毛の吹き出しを完全に防止するのはむずかしく、様々な加工でコストがかかってしまって高価な製品になっている。
そこで、本願発明者は、鋭意研究の結果、上記様々な羽毛製品の問題点を解決しつつ、羽毛の暖かさを備え軽量で嵩張らず、通気性や保温性に優れ、かつ羽毛の吹き出しがなく、さらに羽毛が均等で偏りがなく平滑でしなやかな衣服等の生地として使用することができる衣服品用積層生地及び衣服品用積層生地の製造方法を提供する。
本発明者は上記課題を下記の手段により解決した。
〈1〉表生地(2)と、羽毛繊維層(3)と、裏生地(4)とが積層されてなる衣服品用積層生地であって、
前記羽毛繊維層(3)の上面に蜘蛛の巣状の樹脂層が積層され、前記表生地(2)と前記羽毛繊維層(3)が熱可塑性樹脂材料を介して接着され、前記羽毛繊維層(3)の下面に弾力性樹脂層が積層され、さらにその下に高密度樹脂層が積層され、前記裏生地(4)と前記羽毛繊維層(3)が前記弾力性樹脂層と前記高密度樹脂層とを介して接着剤により接着されることにより、前記羽毛繊維層(3)が前記表生地(2)及び前記裏生地(4)と接着され一体化してなることを特徴とする衣服品用積層生地。
〈2〉 表生地(2)と、羽毛繊維層(3)と、裏生地(4)とが積層されてなる衣服品用積層生地であって、
前記羽毛繊維層(3)の上面に蜘蛛の巣状の樹脂層が積層され、前記表生地(2)と前記羽毛繊維層(3)が熱可塑性樹脂材料を介して接着され、前記羽毛繊維層(3)の下面に弾力性樹脂層が積層され、該弾力性樹脂層の下方にさらに2層目の羽毛繊維層(3’)が積層され、該2層目の羽毛繊維層(3’)の下面に弾力性樹脂層を積層し、又はこれを複数回繰り返し、前記羽毛繊維層を多層にして、多層の羽毛繊維層を構成し、さらにその下に高密度樹脂層が積層され、
前記裏生地(4)と前記多層の羽毛繊維層が前記弾力性樹脂層と前記高密度樹脂層とを介して接着剤により接着されることにより、前記多層の羽毛繊維層が前記表生地(2)及び前記裏生地(4)と接着され一体化してなることを特徴とする衣服品用積層生地
〈3〉前記衣服品用積層生地における前記羽毛繊維層(3)が、層の厚さが0.05mm〜2.0mmであることを特徴とする前記〈1〉又は〈2〉に記載の衣服品用積層生地。
〈4〉前記〈1〉〜〈3〉のいずれかに記載の衣服品用積層生地を少なくともその一部に用いてなることを特徴とする衣料品。
〈5〉前記〈1〉〜〈3〉のいずれかに記載の衣服品用積層生地を少なくともその一部に用いてなることを特徴とする寝装品。
〈6〉表生地と羽毛繊維層及び裏生地からなる衣服品用積層生地の製造方法であって、
(1)基台上に羽毛を積層する側を上面にした裏生地を載せ、
(2)前記裏生地に接着剤を塗布し、
(3)前記接着剤の上に高密度樹脂材を塗布し、さらにその上面に弾力性樹脂材を塗布し、
(4)前記接着剤の上に前記高密度樹脂材及び前記弾力性樹脂材が、順に塗布された前記裏生地上に、羽毛を積層し、
(5)前記羽毛を積層した上に蜘蛛の巣状に樹脂を噴霧して蜘蛛の巣状の樹脂層を設け、
(6)前記蜘蛛の巣状の樹脂層の上に、有機溶剤により分散された熱可塑性樹脂を塗布し、
(7)その後、羽毛を積層する側を下面にした表生地を載せ積層体を製造し、
(8)前記積層体を加熱プレスし、乾燥して接着一体化
してなることを特徴とする衣服品用積層生地の製造方法。
本発明によれば、下記の効果が発揮される。
〈1〉本発明にかかる衣服品用積層生地は、表生地と、羽毛繊維層と、裏生地とが積層されてなる衣服品用積層生地であって、羽毛繊維層(3)の上面に蜘蛛の巣状の樹脂層が積層され、表生地(2)と前記羽毛繊維層(3)が熱可塑性樹脂材料を介して接着され、前記羽毛繊維層(3)の下面に弾力性樹脂層が積層され、さらにその下に高密度樹脂層が積層され、裏生地(4)と前記羽毛繊維層(3)が前記弾力性樹脂層と高密度樹脂層を介して接着剤により接着されることにより、前記羽毛繊維層(3)が表生地(2)と裏生地(4)によって接着され一体化してなるので、羽毛が各樹脂を介して表生地及び裏生地に固着されていて、縫製した際に縫い目からの羽毛が吹き出すことなく、また羽毛が偏ることもなく、軽量であり、かつ、羽毛繊維層により羽毛の保温性が発揮され暖かく、またダウンパックやダウンプルーフ加工を必要としないので、通気性もよく快適性に優れている。
特に、表生地と羽毛繊維層の間に蜘蛛の巣状の樹脂層が積層されているので、羽毛が表生地から飛び出ることもなく、羽毛繊維層がしっかりとなじみ、羽毛による凹凸等によって生じる浮きや空気による膨れ等がなく、接着後の風合いを損ねることなく、滑らかでしなやかな美しい生地となる。
さらに熱可塑性樹脂材料は、例えば有機溶剤に混合することで、細かく均等に広げて分散させれば、樹脂が偏ることなく蜘蛛の巣状の樹脂の隙間にも入り込んで平らで滑らかな生地となる。
そして、裏生地と羽毛繊維層が、弾力性樹脂層と高密度樹脂層を介して接着されているので、製造時における羽毛の飛び散りを防止するだけでなく、成型後には柔軟でかつコシのある生地となり、高い防風効果を発揮する。
〈2〉また、本発明にかかる衣服品用積層生地は、羽毛繊維層の下面に弾力性樹脂層が積層され、該弾力性樹脂層の下方にさらに羽毛繊維層が積層され、該羽毛繊維層の下面に弾力性樹脂層を積層し、又はこれを複数回繰り返すことで、羽毛繊維層を2重、3重とすることができ、衣服の使用用途に合わせてより保温性の高い生地とすることができる。
〈3〉そして、前記衣服品用積層生地は、積層される羽毛繊維層の厚さを0.05mm〜2.0mm程度で構成し、表生地及び裏生地と接着されるため、あたかも一枚の生地のように扱え、製品化においては、そのまま裁断、縫製でき、表生地は衣料品や寝装品の表生地となるので、製造作業がしやすく、別途特殊な加工や羽毛の詰め込み作業等の必要がなく、さらに裁断時や縫製時に羽毛が飛び散ることもなく、作業環境を良好に維持することができる。
また、羽毛繊維層の厚さが0.05mm〜2.0mmという薄さで構成されるので、該羽毛繊維層を積層した衣服品用積層生地で製造された衣料品や寝装品は、嵩張ることがなく、動きやすく、コンパクトに畳めることができ保管もしやすい。
そして、表生地や裏生地の素材は限定されないので、衣服の使用用途に合わせて素材が選べ、例えば、伸縮性がある素材とすれば、裁断、加工、縫製等が容易で製造しやすく、かつ着やすく、軽くて嵩張らない暖かい衣料品や寝装品を提供できる。また、表生地や裏生地に、防水、撥水加工や吸水加工等することによりあらゆる用途の衣服品に採用できる。
さらに、本発明にかかる表生地と羽毛繊維層及び裏生地からなる繊維積層体の製造は、
(1)基台上に羽毛を積層する側を上面にした裏生地を載せ、(2)前記裏生地に接着剤を塗布し、(3)前記接着剤の上に、高密度樹脂材及び弾力性樹脂材を塗布し、(4)前記接着剤の上に高密度樹脂材及び弾力性樹脂材が塗布された裏生地上に、羽毛を積層し、(5)前記羽毛を積層した上に蜘蛛の巣状に樹脂を噴霧して蜘蛛の巣状の樹脂層を設け、(6)前記蜘蛛の巣状の樹脂層の上に、有機溶剤により分散された熱可塑性樹脂を塗布し、(7)その後、羽毛を積層する側を下面にした表生地を載せ積層体を製造し、(8)前記積層体を加熱プレスし、乾燥して接着一体化するものであり、製造時に羽毛が飛び散ることもなく、またダウンプルーフ加工やキルティング加工など特殊な縫製や加工を必要とせず衣服品等の製造が容易である。
本発明にかかる衣服品用積層生地の実施例の構成の説明用断面図 本発明にかかる衣服品用積層生地の他の実施例の構成の説明用断面図 本発明にかかる衣服品用積層生地の製造方法の概要説明図 本発明にかかる衣服品用積層生地の製造方法の概要説明図 本発明にかかる衣服品用積層生地の製造方法の概要説明図
本発明にかかる衣服品用積層生地及び該衣服品用積層生地の製造方法を実施するための形態を、実施例の図に基づいて説明する。
図1は本発明にかかる衣服品用積層生地の実施例の構成の説明用断面図である。
(a)は各種材料が積層された状態を説明用に示したものであり、(b)は加熱プレスして成形した衣服品用積層生地を示している。
図において、1は衣服品用積層生地、2は表生地、3は羽毛繊維層、4は裏生地である。
また、5は蜘蛛の巣状の樹脂層、6は熱可塑性樹脂層、7は有機溶剤、8は弾力性樹脂層、9は高密度樹脂層、10は接着剤である。
図1に示す衣服品用積層生地の実施例の形態において、衣服品用積層生地1は、表生地2、羽毛繊維層3及び裏生地4が順に積層されて構成される。
前記羽毛繊維層3の上面には、蜘蛛の巣状の樹脂層5が積層されて、前記表生地2と前記羽毛繊維層3が熱可塑性樹脂層6を介して接着される。前記熱可塑性樹脂層6は、熱可塑性樹脂材料が均等になるよう有機溶剤7により分散されている。本実施例においては、粉末状の熱可塑性樹脂材料を有機溶剤7に混ぜ、塗布後、更に有機溶剤や分散剤を塗布し、熱可塑性樹脂材料を伸ばして、熱可塑性樹脂層6を構成している。
そして、羽毛繊維層3の上面に積層された蜘蛛の巣状の樹脂層5の隙間にも前記熱可塑性樹脂層6を構成する熱可塑性樹脂材料が入り込み、羽毛繊維層3と表生地2の間に均等に広がり、柔軟で滑らかになるよう接着されている。
また、前記羽毛繊維層3の下面には弾力性樹脂層8が積層され、さらにその下に高密度樹脂層9が積層されて、これらを挟んで前記裏生地4と前記羽毛繊維層3が接着剤10により接着される。接着剤10は、前記高密度樹脂層9を裏生地4に馴染ませ接着できるものであればよく特に材料を限定するものではなく、一般的な有機系接着剤が使われる。
羽毛繊維層3と裏生地4の間に積層される弾力性樹脂層8と高密度樹脂層9は粘着性を有し、羽毛に接着することで羽毛の吹き出しや飛び散りを防止するとともに、衣服品用積層生地1を滑らかでかつ芯のある弾力性をもたせるよう構成されている。
そして、上記構成の状態で加熱しプレスされ、前記羽毛繊維層3が表生地2と裏生地4に接着され一体化し、図1(b)に示すようにあたかも一枚の生地のような衣服品用積層生地1を構成している。
本実施例において、表生地2及び裏生地4は、綿、ウール、麻等の天然繊維、レーヨン等の再生繊維、ポリエステル、ナイロン、アクリル系繊維等の合成繊維、天然あるいは合成の皮革等、任意の素材の生地を使用できる。また、表生地2と裏生地4を同じ素材としても、異なる素材としてもよく、製造するものによって適宜素材を選ぶことができる。
素材が限定されないのは、表生地2と裏生地4の間に介挿される羽毛繊維層3の羽毛30が、熱可塑性樹脂材料や、弾力性樹脂層8を構成する弾力性樹脂材料、高密度樹脂層9を構成する高密度樹脂材料等の樹脂が接着剤の機能を発揮し表生地2及び裏生地4と接着されているとともに、羽毛繊維層3を構成する多数の羽毛30も、羽毛繊維層3の上面に積層される蜘蛛の巣状の樹脂層5や、羽毛繊維層3の下面に積層される弾力性樹脂層8に挟まれ、各樹脂が羽毛30間に入り込み、前記蜘蛛の巣状の樹脂層5や弾力性樹脂層8の接着効果により羽毛30自体が相互に接着されることになるため、羽毛30が単独で表生地2や裏生地4から吹き出ることがないからである。
したがって、本発明にかかる衣服品用積層生地1の表生地2及び裏生地4は、特に高密度の素材に限定されず、密度に関係なく、またダウンプルーフ加工の有無にも関係なく、任意の素材を使用することができるものとなっている。
なお、衣料品や寝装品を製造する場合には、衣服品用積層生地1の表生地2がそのまま製品の表生地として使用でき、例えば、衣料品の製造の場合、表生地2や裏生地4に伸縮性のある素材を選択すると、脱いだり着たりしやすく好適であり、寝装品を製造する場合、表生地2や裏生地4にシルクや綿布を使うと、軽やかで肌ざわりがよく好適である。
このように、本発明にかかる衣服品用積層生地1は、表生地2、羽毛繊維層3及び裏生地4を接着効果のある熱可塑性樹脂、蜘蛛の巣状の樹脂、弾力性樹脂層8の樹脂によりしっかりと接着され一体化し、あたかも一枚の生地のように取り扱えるため、表生地2や羽毛繊維層3及び裏生地4は、それぞれ互いの動きに追従し伸縮性を阻害することがなく、異なった素材も用途に合わせて任意に選ぶことができる。
また、本発明にかかる羽毛繊維層3は、羽毛30の集合体で構成される。ここで「羽毛」とは、アヒルやガチョウなどの鳥のダウン(羽毛)やフェザー(羽根)のいずれをも含む総称である。したがって、羽毛繊維層3は、ダウンだけで構成しても、フェザーだけで構成してもよく、ダウンとフェザーを混合してもよい。
なお、軽量で暖かく風合いが柔らかいことから天然の羽毛が好ましいが、本発明の構成は、人工羽毛、人工羽毛綿と呼ばれる合成繊維の疑似羽毛を用いてもよい。
本発明にかかる衣服品用積層生地1において、羽毛繊維層3を表生地2に接着するために使用される熱可塑性樹脂材料は、表生地2とを羽毛繊維層3を接着可能なものであれば、特に限定されない。したがって、表生地2の素材に応じて、酢酸ビニル樹脂系、ポリビニルアセタール系、エチレン酢酸ビニル樹脂系(EVA)、塩化ビニル樹脂(PVC)系、アクリル樹脂系(ACR)、ポリアミド系(PA)、ポリエチレン系(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)系、ポリプロピレン(PP)系、ポリスチレン(PS)系、セルロース系、α-オレフィン系、合成ゴム系(SR)等から、蜘蛛の巣状の樹脂層5を構成する樹脂との間の接着性能や、製造工程における加熱工程の順番等を考慮して選択することができる。上記熱可塑性樹脂層6は熱可塑性樹脂材料単独で又は2種以上混合して構成してもよい。
本実施例においては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが、接着性、成型性に優れ、表生地2とも馴染みやすく好適である。
なお、表生地2が薄い素材の場合など、素材を貫通しないよう熱で溶けて高速で接着できる熱可塑性ホットメルト系接着剤を使用することができる。
また、熱可塑性樹脂材料は、粉末状、粒子状、繊維状あるいは液状であってもよいが、有機溶剤7に粉末状の熱可塑性樹脂材料を混ぜて、蜘蛛の巣状の樹脂層5上に塗布して熱可塑性樹脂層6を形成することができる。
また、有機溶剤7の分散性を高めるために、粉末状の熱可塑性樹脂材料を混ぜた有機溶剤7をスポット的(斑点状)に蜘蛛の巣状の樹脂層5上に載せて、その上に分散剤を塗布して熱可塑性樹脂材料を広げるようにして熱可塑性樹脂層6を構成してもよい。
このように熱可塑性樹脂層6を構成することで、粉末状の熱可塑性樹脂材料が溶剤中で均一分散し、蜘蛛の巣状の樹脂層5を挟んで羽毛繊維層3と表生地2とを平滑に接着でき、加熱により溶かすとより滑らかな仕上がりとなる。
すなわち、熱可塑性樹脂材料は全面に塗布しても、スポット状、ドット状に載せてあってもよく、樹脂との相性を考慮して、添加される有機溶剤7や分散剤の効果が高く発揮される量を適宜選択することが好ましい。これにより、表生地2の収縮などの成形変化がなく、衣服品用積層生地1全体として高い強度と流動性を備えた生地となる。
前記熱可塑性樹脂層6を構成する熱可塑性樹脂材料を均等分散する有機溶剤7としては、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類が挙げられ、熱可塑性樹脂材料との相性で分散性のよいものを選択することが好ましいが、分散性を高めるために分散剤を併用してもよく、熱可塑性樹脂材料に合わせて選択することができる。
また、本発明において蜘蛛の巣状の樹脂層5は、蜘蛛の巣状に形成された樹脂により構成される。
蜘蛛の巣状の樹脂層5は、例えば、熱可塑性を有するポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド系の各樹脂又は繊維から選ばれる材料で構成される。これらの樹脂材料を蜘蛛の巣状に噴霧する。そうして、加熱プレスして成形すると、蜘蛛の巣状に噴霧された樹脂が溶けて羽毛と複雑に接着するため、羽毛の浮きや偏り、吹き出し、飛び散りを防止することができる。さらに、蜘蛛の巣状の樹脂層5は、多数の通気孔が形成され、表生地2と接着しても固くなりにくく、またその通気孔内に、例えば上層に積層される有機溶剤7に混合した熱可塑性樹脂が入り込み、加熱プレスする際に表生地2と羽毛繊維層3が馴染みやすく、確実に羽毛30が接着されるので、羽毛30の抜けや飛び散りを防止することができ、さらに羽毛30による凸凹の浮き等も生じにくくなる。
このように本発明における衣服品用積層生地1は、羽毛繊維層3と表生地2との間に、蜘蛛の巣状の樹脂層5を設けることを大きな特徴としている。これは、蜘蛛の巣状の樹脂層5を設けずに、羽毛繊維層3と表生地2を直接接着した場合、完全に羽毛30の吹き出しや抜け、衣服品への加工時の飛び散り等を防ぐことができないためであり、蜘蛛の巣状の樹脂層5を設けることで、上記問題を格段に減少させることができ、かつより保温性が高い滑らかな生地となる。
さらに、本発明における弾力性樹脂層8は、弾力性のある樹脂により構成される。
弾力性樹脂層8を構成する弾力性のある樹脂として、ポリウレタン、熱可塑性ポリウレタン、ポリエチレンテレフタラート、ポリテトラフルオロエチレン、ゴム、あるいはシリコン樹脂、及びそれらの組み合わせ等が挙げられる。そして、これらから選ばれた材料を、液晶状態で噴射塗布、あるいは成形フィルムやシートのものを熱融着して弾力性樹脂層8を形成する。特に液晶状態の弾力性材料を噴霧した上に羽毛30を積層することで、製造段階で羽毛30が飛び散るのを防止することもでき、かつ衣服品用積層生地1に伸張性、曲げ性、弾力性を付加する効果が期待できる。
なお、弾力性樹脂材料は、全面に塗布せずに、斑点状やドット状に噴霧すると、通気性を高めることができ好ましい。
そして、本発明における高密度樹脂層9は、比較的高密度に樹脂材料が含まれる層であり、弾力性樹脂層8よりも、より高密度に樹脂を含むものである。ここで「高密度」とは、各層の単位体積あたりの質量をいう。高密度樹脂材料を羽毛繊維層3と裏生地4の間に介挿することにより、衣服品用積層生地1の剛性を高めることができ、コシのある質感の生地となる。
高密度樹脂層9の材料は、特に限定されるものではないが、1種又は複数種の熱可塑性樹脂を含むことが好ましいが、熱可塑性以外の樹脂を含むこともできる。高密度樹脂層9は、熱可塑性樹脂層6を構成する材料と、弾力性樹脂層8を構成する材料とを含んでもよく、例えば、熱可塑性樹脂層6を構成する材料と、弾力性樹脂層8を構成する材料とを1:1〜1:4の割合で混合したものを使用することができる。そのような材料にすることにより、滑らかでしなやかさを備え、かつ防風効果も高めることができ保温性をさらに向上させることができる。
また、本実施例において、高密度樹脂層9は、羽毛繊維層3と裏生地4との間に積層しているが、用途によって、羽毛繊維層3と表生地2との間に積層される蜘蛛の巣状の樹脂層5と、高密度樹脂層9の配置位置を交換してもよい。例えば、衣服品用積層生地1の裏生地4側を凹凸のない平滑でしなやかに仕上げたい場合には好適である。
本発明にかかる衣服品用積層生地1を構成する羽毛繊維層3は、該羽毛繊維層3の厚さαをおよそ0.05mm〜2.0mmとなるように構成することが好ましい。これは、薄すぎると、羽毛の量が少なすぎて保温性を確保できず、また2.0mm以上になると、衣服品用積層生地1の厚さが厚くなり、嵩張る上に、軽量感がなくなり、裁断、縫製等の製造作業がしにくくなるためである。
したがって、さらに好ましくは、表生地2及び裏生地4の素材にもよるが、羽毛繊維層3の厚さαが0.4〜0.8mm程度になるよう羽毛の量を調整すると、軽量で嵩張らず、より一枚の生地のように扱え、通常の一枚生地のごとく裁断、縫製等の製造作業ができるので好適である。
なお、厚さαは、最終形態における羽毛繊維層3の厚さであり、表生地2と裏生地4を除いた部分の厚さである。すなわち、表生地2と羽毛繊維層3とが蜘蛛の巣状の樹脂層5を介して熱可塑性樹脂層6で接着され、裏生地4と羽毛繊維層3とが、その間に弾力性樹脂層8、高密度樹脂層9を介挿して接着され、上記積層体を加熱し各樹脂材料を溶かしてプレスした状態において、表生地2と裏生地4を除いた部分の厚さである。羽毛繊維層3を極めて薄い状態にすることで、衣服品用積層生地1をあたかも一枚の生地のように仕上げることが可能となっている。
図2の本発明にかかる衣服品用積層生地の他の実施例の構成の説明用断面図では、前記実施例の構成に加えて、羽毛繊維層3が2層となっている。
図中、(a)は各種材料が積層された状態を説明用に示したものであり、(b)は加熱プレスして成形した衣服品用積層生地を示している。
前記実施例の構成において、羽毛繊維層3は、その下面に弾力性樹脂層8が積層されているが、本実施例のように羽毛繊維層3を2重にする場合には、前記弾力性樹脂層8の下方にさらに羽毛30を積層し、羽毛繊維層3’を形成し、その下面に再度弾力性樹脂層8’を積層して構成する。
これにより、上の羽毛繊維層3と2層目の羽毛繊維層3’の羽毛30が混ざることなく、それぞれが羽毛繊維層3としての効果を発揮できるとともに、製造工程における羽毛30の飛び散りや、羽毛30の吹き出しを防止することができる構成となっている。
上記実施例においては、羽毛繊維層3は2層であるが、同様に羽毛繊維層3の下面に弾力性樹脂層8を積層し、さらにその下面に羽毛繊維層3、弾力性樹脂層8を順に複数回繰り返すことで、羽毛繊維層3を多層にして保温性をさらに高めることができる。
このように本発明にかかる衣服品用積層生地1は、表生地2、羽毛繊維層3、裏生地4が上から順に積層され、前記羽毛繊維層3と表生地2とが、蜘蛛の巣状の樹脂層5を介して接着され、前記羽毛繊維層3と裏生地4とが、弾力性樹脂層8、高密度樹脂層9を介して接着され、一体化して構成されている。
そして、羽毛繊維層3は、大量の羽毛を挟み込んで構成され、かつ上下の表生地2及び裏生地4の厚さに比して薄く構成されている。例えば、衣服品用積層生地1全体の厚さがおよそ2.5cmの場合に、羽毛繊維層3はおよそ0.5〜0.8mmで構成される。
したがって、本発明にかかる衣服品用積層生地1は、上記のようにあたかも一枚の生地のごとく取り扱うことができるので、ジャケットやズボン、スカート、シャツ、防寒用インナーや帽子など、任意の衣料品を製造するための生地として用いることができ、衣服品用積層生地1の表生地2は、そのまま各製品の表生地として使用できる。
また、各種衣料品の一部に本発明にかかる衣服品用積層生地1を用いることもできる。例えば、ジャケットの前身頃と後身頃だけ該衣服品用積層生地1を用いて、袖部を既存の薄手の生地を用いるなど組み合わせて、デザイン性の高い製品とすることもできる。
同様に、本発明にかかる衣服品用積層生地1は、寝装品についても用いることができる。寝装品についても、衣服品用積層生地1の表生地2は、そのまま各製品の表生地として使用できる。
そして、寝装品も、製品全体を衣服品用積層生地1で構成してもよく、製品の一部に本発明の衣服品用積層生地1を用いる構成とすることもできる。
衣料品、寝装品いずれに用いる場合においても、少なくとも表生地2の素材を、製造する製品に応じて選択して衣服品用積層生地1を構成すれば、軽量で暖かいうえに、好適な素材で製造された衣料品、寝装品を製造することができる。
そして、本発明にかかる衣服品用積層生地1は、表生地2側に蜘蛛の巣状の樹脂層5を含み、裏生地4側に弾力性樹脂層8、高密度樹脂層9を含んでいるので、単に表生地2と羽毛繊維層3と裏生地4をホットメルト接着剤等で接着した場合と比べ、衣服品用積層生地1は、細かな凹凸さえない平らで滑らかでしなやかな表面を備え、かつ強度と剛性を備えたコシのある生地となり、さらに保温性、防風性にも優れたものとなっている。
そして、各樹脂材料によって、羽毛30はしっかりと相互に及び表生地2、裏生地4と固着され、さらに蜘蛛の巣状の樹脂層5や弾力性薄膜層8により羽毛30が挟み込まれているので、羽毛30の吹き出しや抜けもなく、製造工程において羽毛30が飛び散ることのない優れた衣服品用積層生地1となっている。
次に、本発明にかかる繊維積層体の製造方法を図3に基づいて説明する。
本発明にかかる繊維積層体1の製造方法の一例としては、
(1)基台上に羽毛を積層する側を上面にした裏生地を載せ、
(2)前記裏生地に接着剤を塗布し、
(3)前記接着剤の上に、高密度樹脂材及び弾力性樹脂材を塗布し、
(4)前記接着剤の上に高密度樹脂材及び弾力性樹脂材が塗布された裏生地上に、羽毛を積層し、
(5)前記羽毛を積層した上に蜘蛛の巣状に樹脂を噴霧して蜘蛛の巣状の樹脂層を設け、
(6)前記蜘蛛の巣状の樹脂層の上に、有機溶剤により分散された熱可塑性樹脂を塗布し、
(7)その後、羽毛を積層する側を下面にした表生地を載せ積層体を製造し、
(8)前記積層体を加熱プレスし、乾燥して接着一体化
して製造されてなる。
図3においては、羽毛を積層する側が上面になるように裏生地4がセットされ(第1工程)、接着剤が塗布される(第2工程)。
裏生地4に塗布される接着剤は、裏生地4と、その上に積層される高密度樹脂層9とのなじみをよくし、平滑に接着するものであり、特に強い接着力を有するものでなくともよい。本実施例においては、液状の有機系接着剤を薄く塗布しているが、高密度樹脂層9の樹脂材料と相性のよい接着剤が好ましい。
そして、第2工程で、接着剤が塗布された上面に、樹脂供給手段により、高密度樹脂層9を構成する高密度樹脂材料が噴霧により塗布され積層され、さらにその上面に弾力性樹脂層8を構成する弾力性を備えた樹脂が積層される(第3工程)。
本実施例においては、高密度樹脂層9を構成する材料は、熱可塑性樹脂材料と、上記弾力性樹脂材料を1:1〜1:4の割合で混合し、高密度を高めた材料を採用しているが、特にこれに限定されるものではない。
また、本実施例においては、弾力性樹脂層8の弾力性樹脂層の材料として液状化したポリウレタンを斑な状態に噴霧して構成し、通気性を高めている。なお、弾力性樹脂材料は、上記高密度樹脂層9を構成する高密度樹脂材料と比して、密度が低いものとなっている。
すなわち、前記高密度樹脂層9の樹脂材料は、弾力性樹脂層8の樹脂材料より密度が高いものであれば、高密度樹脂層9と構成する樹脂として使うことができる。このように密度の異なる樹脂層を積層することで、通気性を保持しつつ、保温性を高め、かつ平滑で芯のある衣服品用積層生地1を構成している。
その後、弾力性樹脂層8の上面に、羽毛供給手段により羽毛30が積層される(第4工程)。
羽毛供給手段は、できるだけムラなく積層できる方法が選択される。例えば、塗布された弾力性樹脂の上に羽毛を自然落下させる方法や、電極を配置して静電植毛と同様の方法により羽毛を吸着させてもよい。弾力性樹脂を粘着性の高い状態のものとすれば、自然落下した羽毛30をしっかりと受けることができ好適である。
第4工程で羽毛30を積層し羽毛繊維層3を形成した後に、前記羽毛繊維層3の上面に蜘蛛の巣状の樹脂層5を構成する樹脂材料を噴霧する(第5工程)。なお、あらかじめ、蜘蛛の巣状に成形した樹脂シートや樹脂テープを羽毛繊維層3の上に配置してもよいが、生地の形状に柔軟に対応すべく、蜘蛛の巣状に樹脂を噴霧して蜘蛛の巣状の樹脂層5を形成することが好ましい。
このように、蜘蛛の巣状の樹脂層5を設けることにより、格段に羽毛30が表生地2から抜け出ることを防止することができる。
そして、前記蜘蛛の巣状の樹脂層5の上面に、有機溶剤7により分散された熱可塑性樹脂材料が塗布され、熱可塑性樹脂層6を形成する(第6工程)。前記熱可塑性樹脂層6は、蜘蛛の巣状の樹脂層5の上面となるため、蜘蛛の巣状の樹脂層5の通気孔に熱可塑性樹脂材料がしっかりと入り込むことが好ましく、粉末状の熱可塑性樹脂材料を有機溶剤7により均等に分散する方法が挙げられるが、有機溶剤7を含まない液状の熱可塑性樹脂材料を使う方法であってもよい。また、有機溶剤7に熱可塑性樹脂材料を混ぜたものを、スポット状に配置して、有機溶剤や分散剤を使って均一に伸ばす方法であってもよい。
その後、羽毛を積層する面を下面にした表生地2を、裏生地4の上に積層された各種樹脂と羽毛30を、裏生地4とで挟み込むように合わせて積層体を形成する(第7工程、第8工程(a))。
なお、本実施例では、先に熱可塑性樹脂層6を蜘蛛の巣状の樹脂層5の上面に積層しているが、予め表生地2の裏面に熱可塑性樹脂材料をスポット状に塗布して、それを蜘蛛の巣状の樹脂層5の上面に積層し、裏生地4と位置合わせしてもよい。
なお、蜘蛛の巣状の樹脂層5を構成する樹脂材料の種類によっては、その上面に積層される熱可塑性樹脂材料を積層される前に、加熱して溶かしておいてもよく、樹脂材料の種類や特性によって、適宜工程を追加、変更する。
そして、第8工程(a)でできた積層体を、加熱し圧縮手段でプレスし(第8工程(b))、その後、乾燥手段により乾燥し仕上げる(第8工程(c))。
圧縮手段によるプレスは、羽毛繊維層3が所定の厚さαになるように調整される。
図示しないが、上記一連の製造工程を、製造ライン上で実施することで、仕上がった衣服品用積層生地1をロール状に巻き上げて仕上げることもできる。
なお、プレス機と乾燥機による作業は別でなくてもよく、ホットプレス機等で一気に圧縮(圧着)と加熱及び乾燥を同時に行えば、作業効率を高めることができる。
なお、本発明の衣服品用積層生地1の製造は、上記の実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることができる。
本発明にかかる衣服品用積層生地は、表生地、羽毛繊維層、裏生地が順に積層され、前記羽毛繊維層が表生地及び裏生地に各種樹脂材料を介在させて接着され一体化してなるので、従来の羽毛布団やダウンジャケットなどの羽毛製品はもちろん、シャツやズボン、スカート、インナーや帽子、手袋、ブーツのアッパー部やバッグ、布団、毛布、シーツ、こたつ掛けなど、保温性が求められる布製品一般に使用することができる。
1 衣服品用積層生地
2 表生地
3 羽毛繊維層
4 裏生地
5 蜘蛛の巣状の樹脂層
6 熱可塑性樹脂層
7 有機溶剤
8 弾力性樹脂層
9 高密度樹脂層
10 接着剤
30 羽毛
α 羽毛繊維層の厚さ

Claims (6)

  1. 表生地(2)と、羽毛繊維層(3)と、裏生地(4)とが積層されてなる衣服品用積層生地であって、
    前記羽毛繊維層(3)の上面に蜘蛛の巣状の樹脂層が積層され、前記表生地(2)と前記羽毛繊維層(3)が熱可塑性樹脂材料を介して接着され、前記羽毛繊維層(3)の下面に弾力性樹脂層が積層され、さらにその下に高密度樹脂層が積層され、前記裏生地(4)と前記羽毛繊維層(3)が前記弾力性樹脂層と前記高密度樹脂層とを介して接着剤により接着されることにより、前記羽毛繊維層(3)が前記表生地(2)及び前記裏生地(4)と接着され一体化してなることを特徴とする衣服品用積層生地。
  2. 表生地(2)と、羽毛繊維層(3)と、裏生地(4)とが積層されてなる衣服品用積層生地であって、
    前記羽毛繊維層(3)の上面に蜘蛛の巣状の樹脂層が積層され、前記表生地(2)と前記羽毛繊維層(3)が熱可塑性樹脂材料を介して接着され、前記羽毛繊維層(3)の下面に弾力性樹脂層が積層され、該弾力性樹脂層の下方にさらに2層目の羽毛繊維層(3’)が積層され、該2層目の羽毛繊維層(3’)の下面に弾力性樹脂層を積層し、又はこれを複数回繰り返し、前記羽毛繊維層を多層にして、多層の羽毛繊維層を構成し、さらにその下に高密度樹脂層が積層され、
    前記裏生地(4)と前記多層の羽毛繊維層が前記弾力性樹脂層と前記高密度樹脂層とを介して接着剤により接着されることにより、前記多層の羽毛繊維層が前記表生地(2)及び前記裏生地(4)と接着され一体化してなることを特徴とする衣服品用積層生地。
  3. 前記衣服品用積層生地における前記羽毛繊維層(3)が、層の厚さが0.05mm〜2.0mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の衣服品用積層生地。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の衣服品用積層生地を少なくともその一部に用いてなることを特徴とする衣料品。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の衣服品用積層生地を少なくともその一部に用いてなることを特徴とする寝装品。
  6. 表生地と羽毛繊維層及び裏生地からなる衣服品用積層生地の製造方法であって、
    (1)基台上に羽毛を積層する側を上面にした裏生地を載せ、
    (2)前記裏生地に接着剤を塗布し、
    (3)前記接着剤の上に高密度樹脂材を塗布し、さらにその上面に弾力性樹脂材を塗布し、
    (4)前記接着剤の上に前記高密度樹脂材及び前記弾力性樹脂材が、順に塗布された前記裏生地上に、羽毛を積層し、
    (5)前記羽毛を積層した上に蜘蛛の巣状に樹脂を噴霧して蜘蛛の巣状の樹脂層を設け、
    (6)前記蜘蛛の巣状の樹脂層の上に、有機溶剤により分散された熱可塑性樹脂を塗布し、
    (7)その後、羽毛を積層する側を下面にした表生地を載せ積層体を製造し、
    (8)前記積層体を加熱プレスし、乾燥して接着一体化
    してなることを特徴とする衣服品用積層生地の製造方法。
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