JP6733468B2 - シリコーンゴム複合体 - Google Patents
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Description
特許文献2 特開2009−286114号公報
本複合体は、ポリエステル系樹脂を主成分とする基材シート(A)とシリコーンゴム層(D)とが一体化してなるものである。本発明において、「一体化してなる」とは、基材シートとシリコーンゴム層とを手で剥離しようとする際に、層間で剥離しない程度に接着していることをいう。
本発明に使用されるポリエステル系樹脂を主成分とする基材シート(A)の材料としては、耐熱性や機械的強度の観点から結晶性のポリエステル系樹脂であることが好ましく、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。なかでも、耐熱性、フィルムの腰、平滑性、商業的入手のしやすさ等に加え、後述するシリコーンゴム層(D)との接着性の観点から、ポリエチレンテレフタレートであることがより好ましい。
下塗り層(B)は、非晶性ポリマーを主成分として含むことが好ましい。非晶性ポリマーとしては、上記基材シート(A)に均一に塗布できるものであれば特に限定されるものではなく、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、非晶性ポリエステル樹脂など実質的に結晶性の無いポリマーから適宜選択すればよい。
<シリコーン樹脂を含有する薄膜層(C)>
本発明の薄膜層(C)に主成分として含まれるシリコーン系樹脂としては、塗布後、加熱あるいはUV照射などで架橋被膜を形成するものや、シリコーンエラストマー架橋時に同時に架橋被膜を形成するものなどが挙げられる。
本発明で使用するシリコーンゴム層(D)は、硬化後の圧縮永久歪みが40%以下のシリコーンエラストマー樹脂を主成分として形成することが重要である。
なお、本発明の複合体の層構成は、最終用途に応じて、(A)/(D)の2層構成や(A)/(D)/(A)、(D)/(A)/(D)などの3層構成のものが使用できる。さらに、(A)層と(D)層の間に、上述した下塗り層(B)やシリコーン樹脂を含有する薄膜層(C)を適宜備えていることが好ましい。
本複合体の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば以下の様な方法を用いることができる。具体的な製造方法としては、基材シート(A)の少なくとも片面に、下塗り層(B)、シリコーン樹脂を含有する薄膜層(C)、シリコーンゴム層(D)をこの順に設け、該シリコーンゴム層(D)をγ線照射により硬化させることが好ましい。
この際、当該主成分の含有割合を特定するものではないが、主成分(2成分以上が主成分である場合には、これらの合計量)は組成物中の50質量%以上、好ましくは70質量%以上、特に好ましくは90質量%以上(100%含む)を占めるものである。
また、本発明において、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」及び「好ましくはYより小さい」の意を包含する。
また、本発明において、「X以上」(Xは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「好ましくはYより小さい」の意を包含する。
JISK6249に準拠して測定した。
層間接着性の評価方法は、シリコーンゴム層を手によって剥離を行ない、以下の基準に従い評価した。ここで、層間で接着しなかったものは「接着せず」とした。
○:シリコーンゴム層のみが破壊し、層間の接着性が極めて良好である。
△:シリコーンゴム層以外の部分で僅かに剥離が発生したが、実用上問題がない。
×:ゴム層以外の部分で剥離が発生し、実用上問題がある。
プレス後の形状保持性の評価方法は、以下のようにプリプレグを用いて行った。まず、100mm×100mmのシリコーンゴム(タイガースポリマー製、SR−50、厚さ1mm)の面内に10mm×10mmの厚さ方向に貫通する角穴を正確にくり抜き、ガラス不織布基材とエポキシ樹脂からなるプリプレグ(利昌工業製、EW−3405、厚さ0.6mm、)を10mm×10mmのサイズで2枚重ねて挿入した。
次いで、上記プリプレグの両面に、シリコーンゴム層(D)が内面に向くように本発明のシリコーンゴム複合体を配置し、該周辺に金枠1mmを配した鉄板2枚でさらに挟んで、鉄板を介して130℃、0.01MPaにて1時間加熱・加圧した。解型放冷後、プリプレグ成形体を取り出し、剥離した後のシリコーン複合体外観を以下の基準に従い評価した。
○:シリコーン複合体が平滑を保っていて再利用可能である。
△:シリコーン複合体がシワないしに波打ちがある。
×:シリコーン複合体が成形体凹凸に対応し折れシワや波打ちが入って再利用が難しい。
上記プレス後の、成形体の外観を以下の基準に従い評価した。
○:成形体が平滑な表面で矩形を保持し不織布の目が均等に並んでいる。
△:成形体が矩形は維持するものの平滑な表面ないしは不織布が均等に並んでいる状況 が損なわれている。
×:成形体が凸凹な表面で矩形崩れして不織布の目がずれている。
基材シート(A)として、コロナ処理を施した厚さ50μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(A−1)(PET三菱樹脂(株)製:S−100)を用い、下記に示す方法で下塗り層(B)、シリコーン樹脂を含有する薄膜層(C)およびシリコーンゴム層(D)を順次形成させ、各種厚さ構成のシリコーン複合体を得た。シリコーンゴム層単独について別途作製して圧縮永久歪を、また、シリコーン複合体について、初期の層間接着性およびプレス形状保持性を評価した。
非晶性ポリエステル樹脂、(東洋紡績(株) 製、商品名バイロン240)15重量部、ポリイソシアネート(日本ポリウレタン(株) 製、商品名コロネートL)2重量部を溶剤(MEK/トルエン=1/4(重量比))85重量部に希釈し、塗工液とした。これを上記PETフィルムに乾燥後の膜厚が1.0μmになるようにバーコーターで塗工し、ギアオーブン中で、100℃×10分間溶剤乾燥および架橋を行ない、下塗り層(B−1)とした。
縮合型シリコーン樹脂組成物( 東レ・ダウコーニングシリコーン( 株)製、商品名SRX290)20重量部および硬化剤( 東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製、商品名SRX242C)1.2重量部を溶剤(トルエン)79.8重量部に希釈して塗工液を得た。これを下塗り層(B)の上に所定の乾燥後膜厚0.2μmになるようにバーコーターで塗工し、ギアオーブン中で、100℃×10分間乾燥および架橋を行ない、薄膜層(C−1)とした。
シリコーンエラストマー樹脂として、硬化後の圧縮永久歪が15%のミラブル型シリコーンコンパウンド(MOMENTIVE社製 TSE2323−7U)を用い、プレス成形法にて、厚さ100μmの未架橋シートを得た。このシートを薄膜層(C) に接するように積層し、室温、プレス圧50Kg/cm2で複合体を作成した。この複合体のシリコーンエラストマー面に、加速電圧200kVの電子線照射装置にて100kGyの電子線を照射し、シリコーンゴム層(D−1)を形成したシリコーン複合体を得た。得られたシリコーン複合体の評価を表1に示す。
シリコーンゴム層(D−1)の厚さを50μmとした以外は実施例1と同様に複合体を作成し、同様の評価を行なった。得られたシリコーン複合体の評価を表1に示す。
シリコーンゴム層(D−1)の厚さを300μmとした以外は実施例1と同様に複合体を作成し、同様の評価を行なった。得られたシリコーン複合体の評価を表1に示す。
シリコーンエラストマー樹脂として、硬化時の圧縮永久歪が30%のミラブル型シリコーンコンパウンド(MOMENTIVE社製 TSE2484U)を用い、シリコーンゴム層(D−2)を100μmの厚さで形成した以外は実施例1と同様に複合体を作成し、同様の評価を行なった。得られたシリコーン複合体の評価を表1に示す。
シリコーンエラストマー樹脂として、硬化時の圧縮永久歪が56%のミラブル型シリコーンコンパウンド(MOMENTIVE社製 TSE2461U)を用い、シリコーンゴム層(D−3)を100μmの厚さで形成した以外は実施例1と同様に複合体を作成し、同様の評価を行なった。得られたシリコーン複合体の評価を表1に示す。
基材シート(A)において、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの代わりにプラズマ処理を施した厚さ50μmのポリイミドフィルム(A−2)(カネカ、アピカルAH)を用いた以外は、実施例1と同様の方法でシートの作製、及び、評価を行った。得られたシリコーン複合体の評価を表1に示す。
基材シート(A)、下塗り層(B)、および、シリコーン樹脂を含有する薄膜層(C)を使用せず、シリコーンゴム層(D−1)単層で、シリコーンゴム層の厚さを実施例1の総厚さと同等とした以外は、実施例1と同様の評価を行なった。
Claims (4)
- ポリエステル系樹脂を主成分とする基材シート(A)と、シリコーンゴム層(D)とが一体化してなるシリコーンゴム複合体であって、
該シリコーンゴム層(D)は、硬化後の圧縮永久歪みが40%以下のシリコーンエラストマー樹脂を主成分とし、
プレス成形における離型材として用いられることを特徴とするシリコーンゴム複合体。 - 前記シリコーンエラストマー樹脂が、ポリジメチルシロキサンを主成分とすることを特徴とする請求項1に記載のシリコーンゴム複合体。
- 請求項1または2に記載のシリコーンゴム複合体の製造方法であって、
基材シート(A)の少なくとも片面に、下塗り層(B)、シリコーン樹脂を含有する薄膜層(C)、シリコーンゴム層(D)をこの順に設け、該シリコーンゴム層(D)をγ線照射により硬化させることを特徴とするシリコーンゴム複合体の製造方法。 - 前記γ線の照射線量が、20〜150kGyであることを特徴とする請求項3に記載のシリコーンゴム複合体の製造方法。
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