JP5010962B2 - スポーツボード用滑り止め材 - Google Patents

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Description

本発明は、スノーボード等の雪上遊技用ボード、及びサーフボード、ボディボード、スキムボード等のマリンスポーツ用ボード、及びローラーの付いたスケートボード等のスポーツボード類に関する。さらに詳しくは、ボードのデッキ部分の表面において、滑り止めのために接着して使用されるスポーツボード用滑り止め材に関する。
例えば、スポーツボード類として従来よりスノーボードが知られている。スノーボードは、図3に示されるように、合成樹脂を用いて板状に成形されたボード15の上面に靴を取り付けるための締め具として、一対のビンディング16,17を設けた構造を有している。スノーボードは、両ビンディング16,17に両足を固定することにより滑走するものである。
上記スノーボートの使用において、例えばリフトに乗る際、通常ボード15の後部側に位置するビンディング17から後足を外す必要がある。その際、前側の足のみでボード15は固定されている。その状態で、雪上を滑走しようとすると、ボード15上のビンディング16とビンディング17の間に位置するデッキ部15a上に後足を置いて滑走する必要がある。
しかしながら、ボード15のデッキ部15aは通常平滑な樹脂面であるため、デッキ部15aに足(靴)を載せたときに水・氷で滑りやすい。そこで、従来より特許文献1に記載されるようなボード15のデッキ部15aの表面に滑り止めのために貼り付けて使用されるデッキパット等の滑り止め材90が種々提案されている(図3参照)。特許文献1の滑り止め材90は、ボード15のデッキ部15aの表面に硬化性樹脂からなる突起を設けた構成を有している。
実用新案登録第3056326号公報
ところが、この種の硬化性樹脂からなる滑り止め材90は、その形状が凸状のために目立ちやすく外観上の制限となるばかりでなく、ボード15の使用中に引っ掛け等により簡単に変形したり、或いは磨耗したりして、その滑り止め効果が低下しやすいという問題を有していた。また、ボード15のデッキ部15aは、滑降中に緩く歪曲する部分であるため、このような硬い素材からなる滑り止め材は、デッキ部15aから剥離しやすいという問題も有していた。
本発明は、本発明者らの鋭意研究の結果、プラスチック基材フィルム上に特定のシリコーンエラストマーを積層させることにより、デッキ部に対する足の滑り止め効果を高めると共に、滑り止め材自体の耐久性を向上させることができることを見出したことに基づくものである。
本発明の目的とするところは、スポーツボード類においてデッキ部分に対する足の滑り止め効果を高めると共に、滑り止め材自体の耐久性を向上させることができるスポーツボード用滑り止め材を提供することにある。
本発明の目的を達成するために、請求項1に記載の発明のスポーツボード用滑り止め材は、プラスチック基材フィルムの上面に、JISK6253に規定されるスプリング式硬さ試験A型硬度が20〜80の範囲にあるシリコーンエラストマーからなる弾性層が厚み0.05〜3.0mmで積層され、前記プラスチック基材フィルム上に実質的に非晶性ポリマーからなる下塗り層とシリコーン樹脂を含有する薄膜層が順に積層され、その上に前記弾性層が積層されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のスポーツボード用滑り止め材において、前記非晶性ポリマーが、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、及び非晶性ポリエステル樹脂から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のスポーツボード用滑り止め材において、前記シリコーン樹脂が、付加型シリコーン樹脂、縮合型シリコーン樹脂、及びUV硬化型シリコーン樹脂から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のスポーツボード用滑り止め材において、さらに前記プラスチック基材フィルムは、下面に接着層が積層されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のスポーツボード用滑り止め材において、さらに、前記プラスチック基材フィルムは、裏面に印刷層が形成されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1から請求項のいずれか一項に記載のスポーツボード用滑り止め材において、雪上遊技用ボードに適用されることを特徴とする。
本発明によれば、スポーツボード類においてデッキ部分に対する足の滑り止め効果を高めると共に、滑り止め材自体の耐久性を向上させることができる。
以下、本発明をスポーツボード用滑り止め材に具体化した一実施形態を図1〜図3にしたがって説明する。
本実施形態のスポーツボード用滑り止め材11(以下、「滑り止め材」とする)は、プラスチック基材フィルム13の上面に、シリコーンエラストマーからなる弾性層12が積層されている(図1参照)。さらに、スポーツボード上への貼り付け作業を容易にするために、プラスチック基材フィルム13の下面に接着層14が設けられることが好ましい。上記のように構成される滑り止め材11は、例えばスノーボード等のスポーツボード表面に貼り付けられ、足(靴)の滑り止め効果を発揮する。
弾性層12を構成するシリコーンエラストマーは、例えば次に示すようなシロキサン骨格を有するポリオルガノシロキサンを架橋することにより得られるシリコーンエラストマーが使用できる。
Figure 0005010962
このシリコーンエラストマーは、Rのすべてがメチル基であるポリジメチルシロキサンをはじめ、メチル基の一部が他のアルキル基、ビニル基、フェニル基、フルオロアルキル基などの一種あるいはそれ以上と置換された各種のポリオルガノシロキサンを単独又は二種類以上ブレンドしたものを使用することができる。
架橋方法は特に限定されるものではなく、従来より公知の方法が適用できる。例えば、ポリオルガノシロキサンのメチル基あるいはビニル基をラジカル反応で架橋する方法が挙げられる。また、シラノール末端ポリオルガノシロキサンと、加水分解可能な官能基を有するシラン化合物との縮合反応で架橋する方法や、ビニル基へのヒドロシリル基の付加反応で架橋する方法などが挙げられる。
また、放射線架橋する方法を使用してもよい。放射線としては、γ線、電子線、X線などが好適に使用でき、照射線量としては、線源の種類にもよるが、一般に20kGyから150kGyであることが好ましい。また、この照射線量の選定には、シリコーンゴムの架橋密度の他、基材として使用するプラスチック基材フィルム13の耐放射線性も考慮に入れる必要がある。
さらに、弾性層12のシリコーンエラストマーには、シリコーンエラストマー組成物に従来添加することが知られている添加剤を本発明の物性を損なわない範囲で添加してもよい。フュームドシリカ、沈殿シリカ、ケイソウ土、石英粉などの補強性充填剤や各種加工助剤、耐熱性向上剤などの他、エラストマーとしての機能性を持たせる各種添加剤を含有するものである。この機能性添加剤としては、難燃性付与剤、放熱性フィラー、導電性フィラー等が挙げられる。
弾性層12のシリコーンエラストマーは、JISK6253で規定されるスプリング式硬さ試験A型で測定したゴム硬度が20〜80の範囲、好ましくは20〜60の範囲にあるように形成されている。ゴム硬度が20未満であると、シリコーンエラストマーが軟らかすぎて磨耗により減りやすいものとなる。反対にゴム硬度が80を越えると、シリコーンエラストマーが硬過ぎて、靴底などとの密着力が小さく、滑り止め効果が小さくなるおそれがある。ゴム硬度を20〜80の範囲にあるようシリコーンエラストマーを適用するためには、上述した添加剤の配合量を調整したり、架橋する際、架橋度を調整することにより調節することができる。また、特定硬度を有することが当初より明確な市販のシリコーンエラストマーを適用してもよい。
弾性層12の厚みは、0.05〜3.0mm、好ましくは0.1〜1.0mmに規定される。弾性層12の厚みが、0.05mm未満であると滑り止め効果が不十分となる。一方、3mmを越えるとボード面からの突出感が大きく目立つので、外観上好ましくない。また、突出が大きいため、引っ掛け等により磨耗が生じやすく、それにより滑り止め効果が低下するおそれがある。また、プラスチック基材フィルム13に印刷を施した際、弾性層12の表面から見ると印刷が歪んで見えるおそれがある。
弾性層12のみでそのままシール材等の用途に適用しようとすると、ゴム製品であるがために変形が生じ、組みつけ寸法精度が悪くなったり、しわが生じたり、製品同士が密着したりして、作業性が低下するおそれがある。そこで、弾性層12は、非伸縮性のプラスチック基材フィルム13上に複合一体化されることによって使用される。
プラスチック基材フィルム13に適用される合成樹脂材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリカーボネートとポリブチレンテレフタレートとの混合物等が挙げられる。プラスチック基材フィルム13は複数のフィルムをラミネートした構成であってもよい。例えば、結晶性ポリエステルフィルムと他のフィルムとのラミネートフィルムを使用してもよい。
プラスチック基材フィルム13の厚みは好ましくは10〜500μmの範囲、より好ましくは50〜200μmの範囲に規定される。プラスチック基材フィルム13の厚みが10μm以下ではフィルムが破れ易くなり、500μ以上ではボードの歪曲の動きに追随しにくく剥がれやすくなる。
弾性層12と非伸縮性のプラスチック基材フィルム13を積層する方法は、一般に弾性層と他の材料との接合法として実施されている公知の方法を適用することができる。例えば、未架橋状態で、プラスチック基材フィルム13上に積層して、その後架橋処理することにより積層体を形成する方法を採用することができる。積層方法としては、上記未架橋シリコーンエラストマー樹脂を押出成形、射出成形、カレンダー成形、プレス成形などによって、シート状に成形した後にプラスチック基材フィルム13上に積層しても良く、また公知のコーティング方法によって、プラスチック基材フィルム13の上に成膜するという方法であってもよい。
また、弾性層12と非伸縮性のプラスチック基材フィルム13間の接着性を向上させるために、例えば、架橋されたシリコーンゴム単体とプラスチック基材フィルム13とを接着剤を介して複合化する方法、両面テープを貼り合わせる方法、及び粘着剤を塗布して、それによって形成される粘着層を介して複合化する方法が挙げられる。また、プラスチック基材フィルム13にシリコーン系プライマーを塗布し、シリコーン未架橋ゴムを貼り合わせ、熱架橋させると同時にシリコーンゴムと一体化させるいわゆる加硫接着させる方法が挙げられる。これらの中で、低コストで接着性が良好なシリコーン系プライマーを使用する方法が好ましい。
シリコーン系プライマーを用いて接着する方法として、より具体的にはプラスチック基材フィルム13上に、実質的に非晶性ポリマーからなる下塗り層(A)と下塗り層(A)に対して親和性が高く、かつシリコーン樹脂を含有する薄膜層(B)を順に形成する方法が挙げられる。
下塗り層(A)は、非晶性ポリマーを主体としてなるもので形成される。例えば、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、非晶性ポリエステル樹脂等の実質的に結晶性の無いポリマーから適宜選択することができる。具体例としては、ポリエステル樹脂及びポリエーテル樹脂から選ばれる少なくとも一種をウレタン結合等で直鎖状に高分子量化したポリウレタン樹脂、アクリル酸及びメタクリル酸エステルから選ばれる少なくとも一種の共重合体からなるアクリル樹脂、並びに酸成分又はグリコール成分が2種類以上の単量体からなる共重合ポリエステル樹脂が挙げられる。下塗り層(A)は、耐熱性、耐溶剤性を向上させる目的で、架橋構造を持つものであっても良い。
下塗り層(A)の厚さは、0.01〜5.0μmの範囲であることが好ましい。0.01μm未満では、塗布厚さの調整が困難となり、シリコーン樹脂を含有する薄膜層(B)との接着性が低下するといった不具合が生じるおそれがある。膜厚が5.0μmを越えるものでは、下塗り層の塗工が困難になり易い傾向がある。塗布方法としては、塗工液に適した公知の方法を適用することができる。別工程で製膜された後のプラスチック基材フィルム13に塗布しても良い。未延伸シートに直接塗工液を塗布した後に延伸して、下塗り層(A)を形成したものであってもよい。また、塗工液のレベリング性や密着性を上げる目的で塗工面(プラスチック基材フィルム13上)にあらかじめコロナ処理等の表面処理を施してもよい。
本発明では、下塗り層(A)上にさらにシリコーン樹脂を含有する薄膜層(B)を形成させる。使用するシリコーン樹脂を含有する樹脂としては、シリコーン系樹脂を主体としてなり、下塗り層(A)に対して親和性が高く、塗布後、加熱又はUV照射などで架橋被膜を形成するものを使用することができる。また、シリコーンエラストマー架橋時に同時に架橋被膜を形成するものであってもよい。使用可能なシリコーン系樹脂の例として、付加型シリコーン樹脂、縮合型シリコーン樹脂、UV硬化型シリコーン樹脂などが挙げられる。薄膜層(B)を構成するシリコーン樹脂の原料としては、ビニル基を含有するポリジメチルシロキサン、末端にシラノール基を含有するポリジメチルシロキサン、アクリロイル基又はメタクリロイル基を含有するポリジメチルシロキサン、メルカプト基とビニル基とを含有するポリジメチルシロキサン、及びエポキシ基を含有するポリジメチルシロキサンが挙げられる。
また、下塗り層(A)との親和性を上げる目的で、シランカップリング剤等の添加剤を含有させてもよい。例えば、例えばビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γーグリシジルプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシジルプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
薄膜層(B)の塗布厚さは、溶剤乾燥後で0.01〜1.0μmの範囲にあることが好ましい。塗布厚さが0.01μm未満では、均一な厚みの硬化被膜が得られないおそれがある。また、上層のシリコーンエラストマー層との接着力が低下するおそれがある。また、上記薄膜層(B)を構成するシリコーン系樹脂は一般に膜強度がそれほど強くないため、その膜厚が1.0μmを越える場合は、凝集破壊により十分な強度が得られないおそれがある。塗工方法としては、下塗り層(A)と同様に薄膜が精度良く得られる方法であれば特に限定されるものではなく、公知の塗工方法が適用できる。
上記方法により得られた滑り止め材11をスポーツボードに適用するためには、プラスチック基材フィルム13の弾性層12とは反対側の面(下面)に、接着層14を形成することが好ましい。接着層14の表面にポリオレフィンフィルムや離型剤つき紙からなるセパレータを貼り付けておけば、使用時にセパレータを剥がしてボードの適用面(以下「デッキ部15a」という)に重ね合わせて、容易に接着及び固定することができる。
この場合の接着層14の構成材料としては、アクリル系、ポリエステル系等の両面接着性テープ(例えば、商品名:tesa4972PV4(テサテープ社製)、DIC#8800(大日本インキ化学工業社製)等)が好ましく適用できる。
また、プラスチック基材フィルム13側を例えばスノーボードのボード15のデッキ部15aに向けて、貼り付け固定の際にそれらの間に両面接着テープを適用したり、又は接着剤を塗布して重ね合わせて圧着することにより固定する方法を適用してもよい。接着層14の厚みは、10〜200μmが好ましく、30〜100μmがより好ましい。10μm未満では剥離しやすく、200μm以上では凝集破壊により剥離しやすい。
本実施形態の滑り止め材11によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、滑り止め材11においてプラスチック基材フィルム13の上面に、JISK6253に規定されるスプリング式硬さ試験A型硬度が20〜80の範囲にあるシリコーンエラストマーからなる弾性層12が厚み0.05〜3.0mmで積層されている。したがって、足の滑り止め効果を高めると共に、滑り止め材自体の耐久性を向上させることができる。また、外観上、突出が目立つことがなく、別例に示されるような裏面印刷を施した際にも、表面から見ても印刷物が歪んで見えるおそれがない。
(2)本実施形態において、好ましくはプラスチック基材フィルム13の下面に接着層14が積層されている。したがって、滑り止め材11を容易にボード15のデッキ部15aに貼り付けることができる。
(3)本実施形態では、プラスチック基材フィルム13と弾性層12の間において、プラスチック基材フィルム13上に実質的に非晶性ポリマーからなる下塗り層(A)と該下塗り層(A)に対して親和性が高く、且つシリコーン樹脂を含有する薄膜層(B)を順に積層させた。したがって、プラスチック基材フィルム13と弾性層12との密着性を向上させることができる。また、特にプラスチック基材フィルム13が接着性に乏しい結晶性ポリエステル樹脂を主体とする場合にも密着性を向上させることができる。また、接着剤又は粘着剤を用いる方法及び両面テープを用いて接着する方法に比べ、製造コストが低く、密着耐久性も良好である。
(4)本実施形態の滑り止め材11は、雪上遊技用ボード、例えばスノーボードのデッキ部15aに好ましく適用される。本実施形態の滑り止め材11は、雪上遊技用ボード上の水や氷が存在する低温で特に滑りやすい環境下においても、滑り止め性を十分に発揮することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・滑り止め材11のデッキ部15a上への貼り付け方法は、特に限定されるものではない。例えば、図2(a)に示されるようにデッキ部15aの全面に貼り付けてもよい。また、図2(b)に示されるように、特に滑りやすい方向に直行するように複数本帯状に貼り付けてもよい。また、図2(c)に示されるように、点状に貼り付けてもよい。点の形状及び面積は滑り止め効果及びデザイン等を考慮し適宜設定することができる。また、図2(d)に示されるように、特にデザイン性を考慮し、文字・柄・絵等の形態で貼り付けてもよい。これら中で、十分な左右両方向の滑り止め性が得られる点状に貼り付ける方法が好ましい。
・上記実施形態では、滑り止め材11をスノーボードのボード15のデッキ部15aに貼り付けた。しかしながら、スノーボードに限らず、他の雪上遊技用ボード、及びサーフボード、ボディボード、スキムボード等のマリンスポーツ用ボード、ローラーの付いたスケートボード等の足(靴)の滑り止め効果が要求されるスポーツボード類に適用することができる。
・上記実施形態の滑り止め材11の全光線透過率は、特に規定されないが、デッキ部15a上のデザインを阻害しないように、又は下記に示される裏面印刷層を施す場合は、80%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。全光線透過率(%)は、JISK7105に準じて分光光度計を用いて測定することができる。
・図4に示されるように、プラスチック基材フィルム13の裏面に印刷層18を形成し、滑り止め材11にデザイン性を付与してもよい。印刷層18は、弾性層12の上面から弾性層12を透して確認できるように形成される。印刷層の形成方法には特に制限はなく、例えば、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法等従来公知の各種の印刷方法を使用することができる。
・なお、本発明においては、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとし、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとする。
以下、実施例及び比較例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
コロナ処理を施した厚さ100μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET:三菱化学ポリエステルフィルム株式会社製:S−100)をプラスチック基材フィルムとして用いた。そして、下記に示す方法で下塗り層(A)、シリコーン樹脂を含有する薄膜層(B)及びシリコーンエラストマーからなる弾性層を順次形成させ、各種所定の厚さを有する滑り止め材としてのシリコーン複合体を得た。この複合体について、滑り止め効果、ゴム耐久性、外観、裏面印刷性について評価を行った。
<下塗り層(A)>
非晶性ポリエステル樹脂(東洋紡績株式会社製、商品名バイロン240)15重量部、ポリイソシアネート(日本ポリウレタン株式会社製、商品名コロネートL)2重量部を溶剤(MEK/トルエン=1/4(重量比))85重量部に希釈し、塗工液とした。これを上記PETフィルム上に乾燥後の膜厚が1.0μmになるようにバーコーターで塗工し、ギアオーブン中で、100℃×10分間溶剤乾燥及び架橋を行なうことにより下塗り層(A)を形成した。
<薄膜層(B)>
縮合型シリコーン樹脂組成物(東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社製、商品名SRX290)20重量部及び硬化剤(東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社製、商品名SRX242C)1.2重量部を溶剤(トルエン)79.8重量部に希釈して塗工液を得た。これを下塗り層(A)の上に乾燥後の膜厚が0.5μmになるようにバーコーターで塗工し、ギアオーブン中で、100℃×10分間乾燥及び架橋を行なうことにより薄膜層(B)を形成した。
<弾性層>
実施例1(シリコーンエラストマー:ゴム硬度55)においては、シリコーン原料としてミラブル型シリコーンゴム原料(GE東芝シリコーン製、TSE2571ー5U)をプレス成形法にて、厚さ0.1mmの未架橋シートを得た。このシートを薄膜層(B)に接するように積層し、室温、プレス圧50Kg/cmで複合体を作成した。この複合体のシリコーンエラストマー面に、加速電圧200KVの電子線照射装置にて100kGyの電子線を照射し、タイプAゴム硬度55のシリコーンエラストマーからなる弾性層を形成した。以上により、滑り止め材としてのシリコーン複合体を得た。
実施例2(シリコーンエラストマー:ゴム硬度20)においては、シリコーン原料としてミラブル型シリコーンゴム原料(TSE2913U:GE東芝シリコーン社製)を使用した以外は実施例1と同様に作製した。厚み0.1mm、タイプAゴム硬度20のシリコーンエラストマーからなる弾性層を形成した。
実施例3(シリコーンエラストマー:ゴム硬度80)においては、シリコーン原料としてミラブル型シリコーンゴム原料(TSE2287U:GE東芝シリコーン社製)を使用した。以外は実施例1と同様に作製した。厚み0.1mm、タイプAゴム硬度80のシリコーンエラストマーからなる弾性層を形成した。
実施例4および実施例5は弾性層の厚みをそれぞれ0.05mm、3.0mmとした以外は実施例1と同様に作製した。
比較例1(シリコーンエラストマー:ゴム硬度10)においては、シリコーン原料としてミラブル型シリコーンゴム原料(EL7101:旭化成ワッカーシリコーン社製)を使用した以外は実施例1と同様に作製した。
比較例2(シリコーンエラストマー:ゴム硬度90)においては、シリコーン原料としてミラブル型シリコーンゴム原料(TSE2297U:GE東芝シリコーン社製)を使用した以外は実施例1と同様に作製した。
比較例3及び比較例4は、弾性層の厚みをそれぞれ0.03mm、5.0mmとした以外は実施例1と同様に作製した。
比較例5は、市販のゴム硬度が70であるエチレン−プロピレン(EP)ゴム製のスノーボード用デッキパッド(THREE WEATHER:「スノーボードデッキパッド」、厚さ5mm、直径20mm)について、同様の評価を行った結果を表1に示す。
<ゴム硬度>
弾性層のJISK6253に規定されるスプリング式硬さ試験A型硬度の値を示す。尚、厚みが薄いので、重ねて厚みが6mm以上になるように調整して測定を行った。
<滑り止め効果>
得られたシリコーン複合体のプラスチック基材フィルムの裏面に、粘着層として厚さ48μmの市販の両面テープ(商品名:tesa4972PV4 テサテープ社製)を貼り付けた。次に、シリコーン複合体を直径20mmの円状にカットし、スノーボードのデッキ部15a上に粘着層を介し複数個点状に貼り付けた。
次に、片足は前側のビンディング16に固定し、他の片足で地面を蹴り、その蹴った足を、ボード15の滑り止め材を貼り付けたデッキ部15aに乗せて移動する。デッキ部15aに乗せた足が滑らずにバランスをとって移動できるもの:○、滑りは止められるが引っかかりが不安定:△、全く滑り止め効果が認められない:×として評価した。測定温度は20℃及び−20℃でそれぞれ行った。
<ゴム耐久性>
複数回の滑り止め効果試験において、滑り止め材表面上に傷が生じていない:○、目視により少なからず傷が認められる:×、として評価した。
<外観>
凹凸が少なく平坦で、ボード面からの突出感が少ない:○、凹凸が目立つか、又はボード面からの突出感が大きい:×として評価した。
<裏面印刷性>
得られたシリコーン複合体を接着層でデッキ部15aに貼り付ける前に、プラスチック基材フィルムの裏面に印刷層を形成した。その後、印刷層上に接着層を貼り付け、滑り止め材をデッキ部15aに固定した。形成された印刷層について、表から歪無く見える:○、表から見ると歪んで見える:×として評価した。
Figure 0005010962
表1に示されるように、シリコーンエラストマーのゴム硬度が20〜80の範囲にあり、且つ弾性層の厚さが0.05〜3mmの範囲にある滑り止め材は、外観において突出感を生じさせることなく、且つ室温及び低温雰囲気下において滑り止め効果を十分に発揮することができることが確認された(実施例1〜5)。一方、ゴム硬度が10のものは強度が弱く、磨耗し易く耐久性が低いことが確認された(比較例1)。一方、ゴム硬度が90のものは低温雰囲気下において、十分な滑り止め効果を発揮することができなかった(比較例2)。弾性層の厚さが0.03mmである比較例3は、低温雰囲気下において、十分な滑り止め効果を発揮することができなかった。弾性層の厚さが5mmの比較例4は、外観において滑り止め材の突出が目立った。そのため、使用中にいて、引っ掛け等により磨耗が生じやすく、長期的な使用において、その滑り止め効果が低下するおそれがある。また、さらに弾性層が厚いことにより、全光線透過率が低下し、裏面印刷性の低下も生じた。EPラバーを使用した比較例5は、ゴム硬度が70であるが、低温雰囲気下において、十分な滑り止め効果を発揮することができなかった。また、比較例5の滑り止め材は、厚みが5mmであるため、外観において滑り止め材の突出が目立った。そのため、使用中にいて、引っ掛け等により磨耗が生じ、長期的な使用において、さらにその滑り止め効果が低下するおそれがある。また、比較例5の滑り止め材は、全光線透過率が低いため、裏面印刷性の低下も生じた。
次に、上記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
(a)全光線透過率が80%以上である前記滑り止め材。かかる(a)の構成によると、デッキ部15a上のデザインを阻害することがなく、又は裏面印刷を施した場合は、弾性層を介して上面から印刷面を確認することができる。
本実施形態の滑り止め材の断面図。 本実施形態の滑り止め材のデッキ部15a上の貼り付け状態を示す平面図。(a)デッキ部15aの全面に貼り付けた状態。(b)複数本帯状に貼り付けた状態。(c)点状に貼り付けた状態。(d)文字・柄・絵等の形態で貼り付けた状態。 スノーボードの平面図。 別例としての滑り止め材。
符号の説明
11…滑り止め材、12…弾性層、13…プラスチック基材フィルム、14…接着層、15…ボード、15a…デッキ部、18…印刷層。

Claims (6)

  1. プラスチック基材フィルムの上面に、JISK6253に規定されるスプリング式硬さ試験A型硬度が20〜80の範囲にあるシリコーンエラストマーからなる弾性層が厚み0.05〜3.0mmで積層され、前記プラスチック基材フィルム上に実質的に非晶性ポリマーからなる下塗り層とシリコーン樹脂を含有する薄膜層が順に積層され、その上に前記弾性層が積層されていることを特徴とするスポーツボード用滑り止め材。
  2. 前記非晶性ポリマーが、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、及び非晶性ポリエステル樹脂から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載のスポーツボード用滑り止め材。
  3. 前記シリコーン樹脂が、付加型シリコーン樹脂、縮合型シリコーン樹脂、及びUV硬化型シリコーン樹脂から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスポーツボード用滑り止め材。
  4. さらに、前記プラスチック基材フィルムは、下面に接着層が積層されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のスポーツボード用滑り止め材。
  5. さらに、前記プラスチック基材フィルムは、裏面に印刷層が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のスポーツボード用滑り止め材。
  6. 雪上遊技用ボードに適用されることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載のスポーツボード用滑り止め材。
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