JP6733310B2 - 自動車の前照灯用放電ランプ - Google Patents
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Description
この様な放電ランプにおいては、封止部の電極を封止している部分にクラックが生じることがある。封止部にクラックが生じると、放電空間内に封入されていた金属ハロゲン化物などがクラックを介してリークし、不灯に至るおそれがある。
そのため、安定点灯時に30ワット以下の電力で点灯させる放電ランプであっても、封止部にクラックリークが発生するのを抑制することができる放電ランプの開発が望まれていた。
自動車の前照灯用放電ランプは、放電空間を内部に有する発光部と;前記放電空間に封入され、金属ハロゲン化物と、不活性ガスと、を含み、実質的に水銀を含まない放電媒体と;前記発光部の端部に設けられた封止部と;一端が前記放電空間の内部に設けられ、他端が前記封止部の内部に設けられた電極と;前記封止部の内部に設けられ、前記電極の前記他端の近傍に接合された金属箔と;前記電極と、前記金属箔との間に設けられた空隙と;を具備している。
前記電極の太さ寸法は、0.23mm以上、0.32mm以下であり、前記金属箔は、前記電極に巻き付けられ、且つ、前記金属箔の両側の端部は、前記電極から離隔しており、前記金属箔の巻き付け角度は、40°以上、70°以下であり、以下の式を満足する自動車の前照灯用放電ランプである。
自動車の前照灯用放電ランプは、以下の式を満足する。
W(mm)/M(mm)≦0.3
なお、W(mm)は、前記電極の軸方向と直交する方向における前記金属箔の中心と、前記金属箔の端部側における前記空隙の端部との間の距離である。
M(mm)は、前記電極の軸方向と直交する方向における前記金属箔の中心と、前記金属箔の端部との間の距離である。
本発明の実施形態に係る放電ランプは、例えば、自動車の前照灯に用いられるHID(High Intensity Discharge)ランプとすることができる。また、放電ランプが自動車の前照灯に用いられるHIDランプである場合には、放電ランプは、いわゆる水平点灯を行うものとすることができる。
なお、図1においては、放電ランプ100を自動車に取り付けた場合に、前方となる方向を前端側、後方となる方向を後端側、上方となる方向を上端側、下方となる方向を下端側としている。
バーナー101には、外管5、内管1、電極マウント3、サポートワイヤ35、スリーブ4、および金属バンド71が設けられている。
内管1と外管5との間に形成された閉空間には、ガスが封入されている。封入されるガスは、誘電体バリア放電が可能なガスとすることができる。封入されるガスは、例えば、ネオン、アルゴン、キセノン、窒素から選択された一種のガス、またはこれらの混合ガスとすることができる。ガスの封入圧力は、例えば、常温(25℃)で0.3atm以下とすることができる。なお、ガスの封入圧力は、常温(25℃)で0.1atm以下とすることがより好ましい。
内管1(発光部11、封止部12、境界部13、および円筒部14)は、透光性と耐熱性を有する材料から形成されている。内管1は、例えば、石英ガラスなどから形成することができる。
また、本実施の形態に係る放電ランプ100においては、環境保護の観点から、放電媒体は、実質的に水銀を含まないものとしている。なお、本明細書において、「実質的に水銀を含まない」とは、水銀を全く含まないだけではなく、水銀が不純物程度に含まれる場合も許容される。例えば、放電媒体は、放電空間111中において、2mg/cc未満となるのであれば水銀を含むことができる。
なお、金属ハロゲン化物2の組成は、例示をしたものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
電極マウント3は、金属箔31、電極32、コイル33、およびリード線34を有する。
金属箔31は、薄板状を呈し、例えば、モリブデン、レニウムモリブテン、タングステン、レニウムタングステンなどから形成することができる。
電極32の太さ寸法(断面形状が円形の場合には直径寸法)は、0.23mm以上、0.32mm以下とすることができる。この様にすれば、安定点灯時に10ワット以上、30ワット以下の電力で点灯させる放電ランプ100であっても、ちらつきの発生を抑制することができる。
本体部61は、樹脂などの絶縁性材料から形成されている。本体部61の内部には、リード線34の後端側、サポートワイヤ35の後端側、およびスリーブ4の後端側が設けられている。
そのため、図示しない点灯回路は、安定点灯時に10ワット以上、30ワット以下の電力で放電ランプ100を点灯させる。
図2(a)、(b)は、図1におけるA−A線断面図である。
なお、図2(a)は電極32の太さ寸法が大きい場合、図2(b)は電極32の太さ寸法が小さい場合である。
前述したように、放電ランプ100は、安定点灯時に10ワット以上、30ワット以下の電力で点灯させる。この様な低電力で点灯させる放電ランプ100は、ちらつき(フリッカー)が生じ易くなる。この場合、電極32の太さ寸法を小さくして電流密度を高めれば、ちらつきの発生を抑制することができる。そのため、放電ランプ100においては、電極32の太さ寸法を、0.23mm以上、0.32mm以下としている。この様にすれば、安定点灯時に10ワット以上、30ワット以下の電力で点灯させる放電ランプ100であっても、ちらつきの発生を抑制することができる。
すなわち、電極32の軸方向と直交する方向における金属箔31の中心31aの近傍は、電極32に巻き付けられている。
この場合、電極32の太さ寸法が、0.23mm以上、0.32mm以下の場合には、金属箔31の巻き付け角度θは、40°以上、70°以下とすることが好ましい。
また、前述したように、電極32の太さ寸法が小さくなると、金属箔31と電極32との接触面積を大きくする必要があるので、空隙12aが形成される位置が、電極32の軸方向と直交する方向における金属箔31の端部側に移動することになる。
図3は、クラックリーク発生率と、W/Mとの関係を例示するためのグラフ図である。 なお、図3は、安定点灯時の印加電力を25ワットとし、EU120分モードの点滅サイクルで点滅させるとともに、放電ランプ100を2000時間点灯した場合である。
また、距離Wは、0.1mm以上、0.3mm以下としている。
距離Mは、0.6mm以上、1.0mm以下としている。
金属箔31の厚み寸法は、0.015mm以上、0.025mm以下としている。
電極32の太さ寸法は、0.23mm以上、0.32mm以下としている。
金属箔31の巻き付け角度θは、40°以上、70°以下としている。
図3から分かるように、W/M≦0.3とすれば、クラックリークの発生を効果的に抑制することができる。
図4は、図1におけるB−B線断面図である。
なお、煩雑となるのを避けるために封止部12を省いて描いている。
また、図中の距離Lは、電極32の軸方向における、金属箔31の発光部11側の端部と、空隙12aの発光部11側とは反対側の端部との間の距離である。
この場合、距離Lが大きくなれば、クラックが発生する位置の数が多くなる。そのため、クラックが金属箔31の端部に到達しやすくなるので、封止部12にクラックリークが生じ易くなる。
図5は、クラックリーク発生率と、2W×Lとの関係を例示するためのグラフ図である。
なお、図5は、安定点灯時の印加電力を25ワットとし、EU120分モードの点滅サイクルで点滅させるとともに、放電ランプ100を2000時間点灯した場合である。
また、距離Wは、0.1mm以上、0.3mm以下としている。
距離Lは、0.7mm以上、1.5mm以下としている。
金属箔31の厚み寸法は、0.015mm以上、0.025mm以下としている。
電極32の太さ寸法は、0.23mm以上、0.32mm以下としている。
金属箔31の巻き付け角度θは、40°以上、70°以下としている。
図5から分かるように、2W×L≦0.6とすれば、クラックリークの発生を効果的に抑制することができる。
Claims (2)
- 安定点灯時に10ワット以上、30ワット以下の電力で点灯させる自動車の前照灯用放電ランプであって、
放電空間を内部に有する発光部と;
前記放電空間に封入され、金属ハロゲン化物と、不活性ガスと、を含み、実質的に水銀を含まない放電媒体と;
前記発光部の端部に設けられた封止部と;
一端が前記放電空間の内部に設けられ、他端が前記封止部の内部に設けられた電極と;
前記封止部の内部に設けられ、前記電極の前記他端の近傍に接合された金属箔と;
前記電極と、前記金属箔との間に設けられた空隙と;
を具備し、
前記電極の太さ寸法は、0.23mm以上、0.32mm以下であり、
前記金属箔は、前記電極に巻き付けられ、且つ、前記金属箔の両側の端部は、前記電極から離隔しており、
前記金属箔の巻き付け角度は、40°以上、70°以下であり、
以下の式を満足する自動車の前照灯用放電ランプ。
W(mm)/M(mm)≦0.3
なお、W(mm)は、前記電極の軸方向と直交する方向における前記金属箔の中心と、前記金属箔の端部側における前記空隙の端部との間の距離である。
M(mm)は、前記電極の軸方向と直交する方向における前記金属箔の中心と、前記金属箔の端部との間の距離である。 - 前記電極の軸方向における前記金属箔の前記発光部側の端部と、前記空隙の前記発光部側とは反対側の端部との間の距離をL(mm)とした場合に以下の式を満足する請求項1記載の自動車の前照灯用放電ランプ。
2W(mm)×L(mm)≦0.6(mm 2 )
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Applications Claiming Priority (1)
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP6733310B2 true JP6733310B2 (ja) | 2020-07-29 |
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ID=60476851
Family Applications (1)
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CN206774501U (zh) | 2017-12-19 |
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