JP6732242B2 - 湿式固形化粧料およびその製造方法、並びに多色湿式固形化粧料、その製造方法、およびそれに用いられる仕切り型 - Google Patents
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例えば、特許文献1に記載された多色粉末化粧料の中皿への立体充填法は、中央突出仕切り付プレート板を中皿内に嵌め込み、このプレート板にて仕切られた空間内のそれぞれに複数色の化粧料を充填することによって、中皿の上端縁よりも膨隆状となる立体的な形状に化粧料の表面を形成している。
本発明によれば、化粧料は、起伏のある立体的な形状に形成された表面形状を有し、容器は、化粧料の表面形状と対応する立体的な形状に形成された底面形状を有するので、容器に充填された化粧料の厚さを略一定にすることができる。また、湿式固形化粧料は、粉末状の化粧料ではなく、スラリー状の化粧料を皿状の容器内に充填し、容器内に充填された化粧料中の溶剤を吸引して除去することによって製造されるので、粉末化粧料を皿状の容器内に充填する場合とは異なり、容器に充填された化粧料の厚さを略一定にすることができる。したがって、容器内に化粧料を充填した後、化粧料の表面をプレス処理する際に均等に圧力を加えることができるので、湿式固形化粧料は、化粧料の表面を起伏のある立体的な形状に形成することができるとともに、衝撃に強く、亀裂などを生じにくくすることができる。
本発明によれば、湿式固形化粧料の製造方法は、起伏のある立体的な形状に形成された底面形状を有する容器内にスラリー状の化粧料を充填した後、容器の底面形状と対応する立体的な形状に形成されたヘッド面形状を有する吸引ヘッドを用いることによって、容器内に充填された化粧料中の溶剤を吸引して除去するので、起伏のある立体的な形状に形成された底面形状を有する容器内に粉末化粧料を充填する場合とは異なり、容器に充填された化粧料の厚さを略一定にすることができる。したがって、容器内に化粧料を充填した後、化粧料の表面をプレス処理する際に均等に圧力を加えることができるので、湿式固形化粧料は、化粧料の表面を起伏のある立体的な形状に形成することができるとともに、衝撃に強く、亀裂などを生じにくくすることができる。
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る湿式固形化粧料の外観を示す図である。具体的には、図1の上図は、湿式固形化粧料1を上面側から見た図であり、下図は、湿式固形化粧料1の断面を示す図である。
湿式固形化粧料1は、図1に示すように、起伏のある立体的な形状(ドーム状)に形成された表面形状を有する化粧料Cと、この化粧料Cを収容する容器としての化粧皿10とを備えて構成されている。
また、化粧皿10は、化粧料Cの表面形状と対応する立体的な形状(ドーム状)に形成された底面形状を有している。
ここで、スラリー状の化粧料Cとは、ファンデーション、フェイスパウダー、アイシャドウなどの固形粉末化粧料の化粧料基材と、エタノール、水、流動パラフィン、イソパラフィン、イソプロピルアルコールなどの揮発性溶剤とを混合した流動物である。
充填装置2は、図2に示すように、ハカマ12に収納された状態で搬送されてきた化粧皿10に化粧料Cを充填する充填ノズル21と、化粧皿10の表面の開口を閉塞するとともに、化粧料Cを充填する際に化粧料Cに含まれる揮発性溶剤を吸引して除去する吸引ヘッド22とを備えている。吸引ヘッド22は、化粧料Cに含まれる揮発性溶剤を吸引するために、吸引ヘッド22の内部を貫通するようにして形成された複数の吸引孔221を有し、化粧皿10の底面形状と対応する立体的な形状(ドーム状)に形成されたヘッド面形状を有している。なお、吸引ヘッド22は、吸引ヘッド22の下面に取り付けられた吸収性の高い紙や不織布などからなる吸収シート(図示略)を介して化粧料Cの揮発性溶剤を吸引する。
また、充填装置2は、吸引ヘッド22を用いることによって、化粧皿10内に充填された化粧料C中の揮発性溶剤を吸引して除去する(S2:吸引ステップ)。
プレス装置3は、図6に示すように、ハカマ12に収納された状態で搬送されてきた化粧皿10に充填された化粧料Cにプレス処理を施すプレスヘッド31を備えている。プレスヘッド31は、化粧皿10の底面形状と対応する立体的な形状(ドーム状)に形成されたヘッド面形状を有している。
このように、湿式固形化粧料1は、充填装置2による化粧料Cの充填方法と、プレス装置3による化粧料Cのプレス方法とを備える製造方法によって、製造することができる。
(1)化粧料Cは、起伏のある立体的な形状に形成された表面形状を有し、化粧皿10は、化粧料Cの表面形状と対応する立体的な形状に形成された底面形状を有するので、化粧皿10に充填された化粧料Cの厚さを略一定にすることができる。また、湿式固形化粧料1は、粉末状の化粧料ではなく、スラリー状の化粧料Cを化粧皿10内に充填し、化粧皿10内に充填された化粧料C中の揮発性溶剤を吸引して除去することによって製造されるので、化粧皿10に充填された化粧料Cの厚さを略一定にすることができる。したがって、化粧皿10内に化粧料Cを充填した後、化粧料Cの表面をプレス処理する際に均等に圧力を加えることができるので、湿式固形化粧料1は、化粧料Cの表面を起伏のある立体的な形状に形成することができるとともに、衝撃に強く、亀裂などを生じにくくすることができる。
以下、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
多色湿式固形化粧料1Aは、図8に示すように、起伏のある立体的な形状(ドーム状)に形成された表面形状を有する化粧料C1〜C4と、この化粧料C1〜C4を収容する容器としての化粧皿10Aとを備えて構成されている。この多色湿式固形化粧料1Aは、互いに異なる複数色の化粧料C1〜C4を用いて表面に色模様を形成している。
また、化粧皿10Aは、化粧料C1〜C4の表面形状と対応する立体的な形状(ドーム状)に形成された底面形状を有している。
ここで、スラリー状の化粧料C1〜C4は、前記第1実施形態における化粧料Cと同様に、固形粉末化粧料の化粧料基材と、揮発性溶剤とを混合した流動物である。
充填装置2Aは、図9に示すように、化粧料C1〜C4を化粧皿10Aに充填する充填ノズル21A〜21Dと、化粧皿10Aの表面の開口を閉塞するとともに、化粧料C1〜C4を充填する際に化粧料C1〜C4に含まれる揮発性溶剤を吸引して除去する吸引ヘッド22Aと、化粧皿10Aの収容部に嵌め入れられる仕切り型23とを備えている。吸引ヘッド22Aは、化粧皿10Aの底面形状と対応する立体的な形状(ドーム状)に形成されたヘッド面形状を有している。
なお、図9は、充填装置2Aの断面を示す図であるため、充填孔11C,11Dと、充填孔11C,11Dに対応する充填ノズル21C,21Dの図示を省略する。以下の図面においても同様である。
仕切り型23は、化粧皿10Aの収容部に嵌め入れられることによって、化粧皿10A内を複数の区画に仕切ることができる。この仕切り型23は、図10に示すように、矩形枠状に形成されたフレーム231と、このフレーム231の中央に形成された円形の穴の内部に十字状に架け渡された仕切り板232A,232Bとを有している。
各仕切り板232A,232Bは、化粧皿10Aの底面形状と対応する円弧状に形成された上面側の辺および下面側の辺を有している。換言すれば、仕切り型23は、化粧皿10Aの底面形状と対応する立体的な形状に形成された包絡面形状(ドーム状)を化粧皿10Aの底面側および化粧皿10Aの底面とは反対側のそれぞれに有している。
その後、前記第1実施形態と同様に、プレス装置3にて化粧料C1〜C4にプレス処理を施すことによって、多色湿式固形化粧料1Aを製造することができる。
(4)化粧料C1〜C4は、起伏のある立体的な形状に形成された表面形状を有し、化粧皿10Aは、化粧料C1〜C4の表面形状と対応する立体的な形状に形成された底面形状を有するので、化粧皿10Aに充填された化粧料C1〜C4の厚さを略一定にすることができる。また、多色湿式固形化粧料1Aは、粉末状の化粧料ではなく、スラリー状の化粧料C1〜C4を化粧皿10A内に充填し、化粧皿10A内に充填された化粧料C1〜C4中の揮発性溶剤を吸引して除去することによって製造されるので、化粧皿10Aに充填された化粧料C1〜C4の厚さを略一定にすることができる。したがって、化粧皿10A内に化粧料C1〜C4を充填した後、化粧料C1〜C4の表面をプレス処理する際に均等に圧力を加えることができるので、多色湿式固形化粧料1Aは、化粧料C1〜C4の表面を起伏のある立体的な形状に形成することができるとともに、衝撃に強く、亀裂などを生じにくくすることができる。
なお、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記各実施形態では、充填孔11,11A〜11Dは、化粧皿10,10Aの底面から化粧皿10,10Aの裏面まで貫通して形成されていたが、化粧皿10,10Aの側面に形成されていてもよく、容器の形状によっては、容器の上面などの他の部位に形成されていてもよい。要するに、充填孔は、容器の外面から内面に貫通して形成されていればよい。
また、前記各実施形態では、化粧料C,C1〜C4は、起伏のある立体的な形状(ドーム状)に形成された表面形状を有し、化粧皿10,10Aは、化粧料C,C1〜C4の表面形状と対応する立体的な形状(ドーム状)に形成された底面形状を有していたが、立体的な花を模した複雑な形状などのようにドーム状とは異なる他の形状を有していてもよい。要するに、化粧料の表面形状および容器の底面形状は、起伏のある立体的な形状に形成されていればよい。
1A 多色湿式固形化粧料
2,2A 充填装置
3 プレス装置
10,10A 化粧皿(容器)
11,11A〜11D 充填孔
21,21A〜21D 充填ノズル
12 ハカマ
22,22A 吸引ヘッド
23 仕切り型
31 プレスヘッド
221 吸引孔
231 フレーム
231A フランジ部
231B 胴部
232A,232B 仕切り板
C,C1〜C4 化粧料
Claims (7)
- 皿状の1つの収容部を有する容器内に充填された化粧料を備える湿式固形化粧料であって、
前記化粧料は、起伏のある立体的な形状に形成された表面形状を有し、
前記容器は、前記化粧料の表面形状と対応する立体的な形状に形成された底面形状を有し、前記容器の底面から裏面まで貫通して形成された充填孔を有することを特徴とする湿式固形化粧料。 - スラリー状の化粧料を皿状の1つの収容部を有する容器内に充填し、前記容器内に充填された化粧料中の溶剤を吸引して除去することによって固形化粧料を製造する湿式固形化粧料の製造方法であって、
起伏のある立体的な形状に形成された底面形状を有し、底面から裏面まで貫通して形成された充填孔を有する前記容器内にスラリー状の化粧料を充填する充填ステップと、
前記容器の底面形状と対応する立体的な形状に形成されたヘッド面形状を有する吸引ヘッドを用いることによって、前記容器内に充填された化粧料中の溶剤を吸引して除去する吸引ステップとを備えることを特徴とする湿式固形化粧料の製造方法。 - 請求項2に記載された湿式固形化粧料の製造方法において、
前記充填ステップは、前記容器の外面から内面に貫通して形成された充填孔を介して前記容器内にスラリー状の化粧料を充填することを特徴とする湿式固形化粧料の製造方法。 - 皿状の1つの収容部を有する容器内に充填された化粧料を備える多色湿式固形化粧料であって、
前記化粧料は、複数色の化粧料を用いて表面に色模様を形成するとともに、起伏のある立体的な形状に形成された表面形状を有し、
前記容器は、前記化粧料の表面形状と対応する立体的な形状に形成された底面形状を有し、前記容器の底面から裏面まで貫通して形成された充填孔を有することを特徴とする多色湿式固形化粧料。 - スラリー状の化粧料を皿状の1つの収容部を有する容器内に充填し、前記容器内に充填された化粧料中の溶剤を吸引して除去することによって固形化粧料を製造する多色湿式固形化粧料の製造方法であって、
起伏のある立体的な形状に形成された底面形状を有し、底面から裏面まで貫通して形成された充填孔を有する前記容器内に、前記容器の底面形状と対応する立体的な形状に形成された包絡面形状を前記容器の底面側および前記容器の底面とは反対側のそれぞれに有する仕切り型を嵌め入れることによって、前記容器内を複数の区画に仕切る区画ステップと、
前記容器内に形成された前記複数の区画のそれぞれに複数色のスラリー状の化粧料を充填する充填ステップと、
前記容器の底面形状と対応する立体的な形状に形成されたヘッド面形状を有する吸引ヘッドを用いることによって、前記容器内に充填された化粧料中の溶剤を吸引して除去する吸引ステップとを備えることを特徴とする多色湿式固形化粧料の製造方法。 - 請求項5に記載された多色湿式固形化粧料の製造方法において、
前記充填ステップは、前記容器の外面から内面に貫通して形成された充填孔を介して前記容器内にスラリー状の化粧料を充填することを特徴とする多色湿式固形化粧料の製造方法。 - スラリー状の化粧料を皿状の1つの収容部を有する容器内に充填し、前記容器内に充填された化粧料中の溶剤を吸引して除去することによって固形化粧料を製造する多色湿式固形化粧料の製造方法に用いられる仕切り型であって、
起伏のある立体的な形状に形成された底面形状を有し、底面から裏面まで貫通して形成された充填孔を有する前記容器内に嵌め入れられることによって、前記容器内を複数の区画に仕切るとともに、前記容器の底面形状と対応する立体的な形状に形成された包絡面形状を前記容器の底面側および前記容器の底面とは反対側のそれぞれに有することを特徴とする仕切り型。
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