JP6729159B2 - スクロールコンプレッサ - Google Patents

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Description

本発明は、スクロールコンプレッサに関するものである。
従来、スクロールコンプレッサでは、固定スクロールと、この固定スクロールとの間に作動室を構成する可動スクロールと、可動スクロールが起因する回転軸のアンバランスを緩和するバランサとを備えるものがある(例えば、特許文献1参照)。
このものにおいて、可動スクロールが固定スクロールに対して旋回運動することにより、潤滑油を含む冷媒を作動室に吸入して圧縮して作動室から吐出することができる。
さらに、スクロールコンプレッサには、作動室から吐出される吐出ガスの一部を、可動スクロールの背面側に設けられる背圧室へ導くバイパスが設けられている。
背圧室内に導かれた吐出ガスが背圧として可動スクロールに加わって可動スクロールが固定スクロールに対して押し付けられる。このことにより、可動スクロールを固定スクロールに密着させることで固定スクロールに対する可動スクロールの気密性を上げて圧縮機能の効率を高めることができる。
特開2007−211702号公報
本発明者は、吐出孔から吐出される吐出冷媒の一部を背圧室に供給してこの背圧室からの冷媒圧力を背圧として可動スクロールに加えるスクロールコンプレッサを採用して、暖房運転を実施するヒートポンプシステムを構成することについて検討した。
まず、冷凍サイクルを用いて暖房能力を確保するヒートポンプシステムにスクロールコンプレッサを適用する際に、その必要温度帯域となる低温環境下で、冷房運転と暖房運転とをヒートポンプシステムで共用することを成立させるためには、アキュムレータサイクルを採用することが必要になる。
冷房運転と暖房運転とでは、必要とする冷媒量が異なるために、不要となる冷媒を貯蔵するための液溜め機能としてアキュムレータが必要となり、その簡便性やコスト、搭載レイアウトの関係から、コンプレッサへの吸入配管にアキュムレータを設置するのが一般的である。
しかし、運転状態を鑑みた場合、暖房運転では、ヒートポンプシステムの起動後、運転状態が安定するまでの過渡領域において、スクロールコンプレッサを暖機するに必要とする時間は、冷房運転に対し長くなる。これは環境温度ならびに運転負荷、冷媒の温度/圧力が低いことが要因であるが、これに伴って過渡領域では冷媒状態が安定せず、これにより特に液相冷媒の振る舞いとして、安定状態においてはアキュムレータに貯蔵されるべき液相冷媒が、停止中にアキュムレータ以外の部位、例えば温度が低い、もしくは熱容量が大きいとされる、熱交換器や、スクロールコンプレッサ、配管等に一時的に滞留する。
また、このような問題は、不要となる冷媒を貯蔵するためのレシーバをコンデンサと減圧弁との間に配置したレシーバサイクル等の冷凍サイクルを採用した場合にも生じる。
このようにアキュムレータやレシーバ以外の部位に液相冷媒が滞留した状態でヒートポンプシステムを起動すると、安定状態に達する過程で、アキュムレータに冷媒が移動していく中で、液相冷媒がスクロールコンプレッサに吸入され、液圧縮などの意図する運転状態ではない作動状態が発生し、それによりスクロールコンプレッサの振動が悪化する懸念がある。
特に、当該圧縮機能の高効率化のために採用する背圧調整機能を担う背圧室に、回転軸の回転振動を緩和させるバランサを収める機能を併設する構成を取るスクロールコンプレッサ1A(図3、図4参照)では、以下の作動および不具合が考えられる。
先述した低温下の起動初期において、スクロールコンプレッサ1Aに吸入された液相冷媒が作動室1aに吸い込まれ、その後、冷媒は、液圧縮された後に液相状態液のまま、もしくは気液二層状態で吐出される。
作動室1aから吐出される吐出冷媒の一部が当該圧力確保のために設置された経路3a、3bを通って背圧室2まで導かれ、可動スクロール1bを固定スクロール1cに押しつける冷媒圧力としての背圧が確保される。
背圧を必要以上に上昇させないために、背圧室2から吸入室3へ排出する排出経路4があり、背圧と吸入圧との差圧、およびその排出経路4の流路抵抗によって、バランス状態を保つように設計される。
しかし、この背圧室2に上述の液相冷媒が流入した場合には、背圧室2内ではバランサ5がスクロールコンプレッサ1Aの作動中は常に回転しており、液相冷媒はそれにより連れ回るとともに遠心力によって背圧室2の外周を回り続けることになる。
一方、背圧を吸入室3に抜くための排出経路4は、可動スクロール1bを駆動する回転軸1dに設けられた回転軸1dの軸線方向に延びる長穴として設定される。このため、バランサ5が背圧室2内を回転している間、背圧室2内の液相冷媒は、回転軸1dに設けられた排出経路4へは導かれない。このため、コンプレッサ本体の温度や冷媒圧力が上昇することにより背圧室2内の液相冷媒が気化することで排出されることができる。
このため、液相冷媒の気化が完了するまで、液相冷媒は背圧室2でバランサ5とともに回転運動をし続けるが、この際に、液相冷媒の重量分および移動による粘性抵抗により、回転軸1dのバランスが崩され、回転振動が悪化する不具合が発生する。
このような問題は、低温環境において暖房運転を実施した場合に限らず、低温環境で冷房運転を実施した場合にも生じる恐れがある。
本発明は上記点に鑑みて、スクロールコンプレッサにおいて、回転軸の振動が悪化することを抑制することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、 固定スクロール(12)と、
固定スクロールとの間に作動室を構成して、回転軸(25)によって駆動されることにより固定スクロールに対して公転運動する可動スクロール(11)と、を備え、
可動スクロールの公転運動によって、作動室の容量を変化させて冷媒を作動室内に吸入し圧縮して作動室から高圧冷媒を吐出させるスクロールコンプレッサであって、
作動室から吐出される高圧冷媒を貯めて可動スクロールを固定スクロールに押しつける冷媒圧力を発生させる背圧室(50)を形成するケース(29)と、
背圧室内に配置されて、回転軸に駆動されて回転して可動スクロールが起因する回転軸のアンバランスを緩和するバランサ(254)と、
背圧室に連通して、可動スクロールの公転運動によって液相冷媒を作動室が圧縮して吐出した際に前記作動室から吐出される液相冷媒を一時的に貯める貯液室(70)と、を備え、
貯液室は、背圧室に対して回転軸を中心とする径方向外側に形成されており、
ケースは、背圧室を回転軸を中心とする径方向外側から囲むように形成されており、
さらに、回転軸が延びる方向を軸方向としたとき、ケースは、軸方向から視て、背圧室から回転軸を中心とする径方向外側で、かつ鉛直方向下側に凹む凹部を貯液室として形成し、凹部は、回転軸を中心とする全周のうち部分的に設けられている
これにより、液相冷媒の気化が完了する迄の間、液相冷媒を背圧室から貯液室に回避することができる。このため、バランサが背圧室内を回転軸とともに回転している際に、バランサとともに液相冷媒が連れ回って回転することを未然に抑制することができる。したがって、バランサのカウンターウェイト効果を阻害させることを未然に抑制して回転軸の振動が悪化することを未然に抑制することができる。カウンターウェイト効果は、回転軸のアンバランスを緩和する効果のことである。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の一実施形態におけるスクロールコンプレッサの断面構成を示す図である。 図1中IIーII断面図である。 対比例であるスクロールコンプレッサの断面構成を示す図である。 図3中IVーIV断面図である。
以下、本発明のスクロールコンプレッサ1の一実施形態について図1、図2に基づいて説明する。
スクロールコンプレッサ1は、車載空調装置の冷凍サイクル装置に適用されるものである。冷凍サイクル装置は、スクロールコンプレッサ1の冷媒入口と蒸発器の冷媒出口との間に、液相冷媒を貯めるアキュレータを配置してなるアキュレータサイクルを構成する。
スクロールコンプレッサ1は、電動圧縮機であり、冷媒(流体)を圧縮する圧縮機構部10と、圧縮機構部10を駆動する電動機部20とを水平方向(横方向)に配置した横置きタイプになっている。
圧縮機構部10および電動機部20は、ハウジング30に収容されている。
ハウジング30は、その軸線方向が水平方向に平行になる筒状部材31と、筒状部材31のうち軸線方向一方側を塞ぐ油分離容器32と、筒状部材31の軸線方向他方側を塞ぐ蓋部材34とが接合されて構成された密閉容器である。
具体的には、筒状部材31は、鉄にて円筒状に形成されている。筒状部材31は、圧縮機構部10および電動機部20を収納する吸入室40と、アキュムレータから流れる冷媒を吸入室40に導入する吸入孔(図示省略)とを形成する。さらに、筒状部材31は、電動機部20に三相交流電力を供給するインバータ60を収納するインバータ収納部42とを形成する。
蓋部材34は、樹脂等によって形成されて、インバータ収納部42のうち軸線方向他方側に形成される開口部を塞いでいる。
油分離容器32は、鉄にて形成されている。油分離容器32は、冷媒吐出口32aと、冷媒吐出口32aに連通する潤滑油分離室32bとを形成する。潤滑油分離室32b内は、後述する吐出室から吐出される高圧冷媒から潤滑油を分離してこの潤滑油が分離された高圧冷媒を冷媒吐出口32aに導く潤滑油分離機構32cを収納する。潤滑油分離室32bのうち下側には、潤滑油分離機構32cで分離された潤滑油を貯める貯油室33とを備える。筒状部材31および油分離容器32は、ボルト等によって気密的に接合されている。
電動機部20は、三相交流同期モータを構成するものであって、固定子をなすステータ21と、回転子をなすロータ22とを有している。ステータ21は、全体として水平方向に延びる略円筒形状を有しており、ハウジング30の筒状部材31に固定されている。具体的には、ステータ21は、ステータコア211と、ステータコア211に巻き付けられたステータコイル212とを有している。
ステータコイル212に対する三相交流電力の供給はインバータ60から給電端子23を介して行われる。給電端子23はハウジング30のうちステータ21に対して上側に配置されている。具体的には、給電端子23を貫通させた給電端子固定板24が、ハウジング30のうち電動機部20に対して軸線方向他方側に配置されている。
ロータ22は、永久磁石を含んで構成されており、ステータ21の径方向内側に配置されている。ロータ22はその軸線が水平方向に一致する円筒形状を有しており、ロータ22の中心孔には、水平方向に延びる回転軸25が固定されている。
回転軸25は、軸方向に延びる給油流路251を有する細長い円筒状に形成されている。給油流路251は、回転軸25の軸線方向一方側にて背圧室50内に開口している。給油流路251は、軸受け27に潤滑油を供給する給油流路である。
回転軸25の軸線方向他方側部位は、軸受け27によって回転自在に支持されている。軸受け27は、介在部材28を介してハウジング30の筒状部材31に固定されている。
回転軸25のうちロータ22に対して軸線方向一方側の部位は、フロントハウジング29に構成された軸受け291によって回転自在に支持されている。フロントハウジング29は、軸線方向他方側から軸線方向一方側に向かって階段状に外径および内径が拡大する円筒形状を有しており、その最外周面がハウジング30の筒状部材31に当接した状態で固定されている。
回転軸25のうちロータ22に対して軸線方向一方側の部位は、フロントハウジング29の内部に位置しており、フロントハウジング29のうち内径の最も小さい軸線方向他方側部位が軸受け291を構成している。
フロントハウジング29のうち軸受け120と軸受け291との間には、背圧室50が形成されている。背圧室50は、回転軸25の軸線を中心とする円環状に形成されている。背圧室50内には、後述するように吐出室124からの吐出冷媒を貯めて吐出冷媒の冷媒圧力を背圧として可動スクロール11に加える。
背圧室50内には、回転軸25の軸線方向一方側、偏心軸253、およびブッシュバランサ254が収容されている。偏心軸253は、回転軸25の軸線方向一方側から軸線方向一方側に突起する軸部材である。偏心軸253は、回転軸25の軸線に対して径方向にオフセットしている。
フロントハウジング29には、背圧室50から軸線方向他方側に凹んで貯液室70を形成する凹部70aが設けられている。貯液室70は、背圧室50に連通している。このことにより、貯液室70は、背圧室50から径方向外側に凸となるように形成されていることになる。径方向外側は、回転軸25の軸線を中心とする径方向の外側である。
偏心軸253は、ブッシュバランサ254のボス部254aに嵌め込まれている。ブッシュバランサ254は、ボス部254aに対して径方向外側に配置されて、かつボス部254aに接続されているウエイト部254bを備える。ブッシュバランサ254は、可動スクロール11が起因する回転軸25のアンバランスを緩和する。
可動スクロール11は、フロントハウジング29に対して軸線方向一方側に配置されて、圧縮機構部10の可動部材を構成する。可動スクロール11に対して軸線方向一方側には、圧縮機構部10の固定部材をなす固定スクロール12が配置されている。
可動スクロール11および固定スクロール12は、円板状の基板部111、121を有している。可動スクロール11および固定スクロール12は、互いに水平方向に対向するように配置されている。
可動スクロール基板部111の中心部には、軸受け120を支持する支持部113が形成されている。ブッシュバランサ254のボス部254aは、軸受け120によって回転自在に支持されている。
可動スクロール11およびフロントハウジング29には、可動スクロール11が偏心軸253周りに自転することを防止する自転防止機構(図示せず)が設けられている。このため、回転軸25が回転すると、可動スクロール11は偏心軸253周りに自転することなく、回転軸25の回転中心を公転中心として公転運動(旋回)する。
可動スクロール11には、基板部111から固定スクロール12側に向かって突出する渦巻き状の歯部112が形成されている。一方、固定スクロール12の基板部121は、ハウジング30の筒状部材31に固定されており、固定スクロール基板部121の上面(可動スクロール11側の面)には、可動スクロール11の歯部112と噛み合う渦巻き状の歯部122が形成されている。具体的には、固定スクロール基板部121の上面に渦巻き状の溝部が形成されており、渦巻き状の溝部の側壁が渦巻き状の歯部122を構成している。
可動スクロール11および固定スクロール12の歯部112、122同士が噛み合って複数箇所で接触することによって、三日月状の作動室15が複数個形成される。なお、図1では図示の都合上、複数個の作動室15のうち1つの作動室のみに符号を付しており、他の作動室については符号を省略している。
作動室15は、可動スクロール11が公転運動することによって外周側から中心側へ容積を変化させながら移動する。作動室15の容積を拡大させることによって作動室15には、吸入室40、および吸入孔を通してアキュムレータから流れる冷媒を供給されるようになっており、作動室15の容積が減少することによって作動室15内の冷媒が圧縮される。
固定スクロール基板部121の中心部には、作動室15で圧縮された冷媒が吐出される吐出ポート123が形成されている。
固定スクロール基板部121に対して軸線方向一方側には、吐出ポート123に連通する吐出室124が形成されている。吐出室124は、隔壁33fを挟んで潤滑油分離室32bに対して軸線方向他方側に配置されている。固定スクロール基板部121には、貯油室33からの潤滑油を背圧室50に導く通路路121aが形成されている。
さらに、固定スクロール基板部121には、吐出室124からの吐出冷媒を背圧室50に導く背圧取入ポート121bが形成されている。一方、可動スクロール11には、背圧取入ポート121b、および背圧室50の間を連通する連通路11aが形成されている。
吐出室124には、吐出ポート123を介して作動室15へ冷媒が逆流することを防止するとともに、吐出ポート123を開閉するリード弁(図示せず)と、リード弁の最大開度を規制するストッパ19とが配置されている。リード弁は、背圧取入ポート121bを開閉する役割を果たす。
次に、本実施形態のスクロールコンプレッサ1の作動について説明する。
まず、インバータ60からステータコイル212に三相交流電力を供給すると、ステータコイル212からロータ22に回転磁界が与えられてロータ22に回転力が発生する。このため、回転軸25がロータ22と一体に回転する。このとき、回転軸25の回転に伴って、ブッシュバランサ254が背圧室50内を回転する。
この際に、回転軸25の回転力は、偏心軸253を通して可動スクロール11に伝わる。このため、可動スクロール11は、固定スクロールに対して旋回運動する。このとにより、複数の作動室15の容量が変化する。このため、アキュムレータから吸入孔41、吸入室40を通して複数の作動室15のうちいずれかの作動室15に吸入され、この吸入された冷媒の圧力が上昇すると、冷媒圧力がリード弁を開弁して吐出ポート123を開ける。
この際に、作動室15からの高圧冷媒は、吐出ポート123および連通路11a通して吐出室124に吐出される。
吐出室124内の冷媒の大半は、冷媒吐出口32aを通して潤滑油分離室32bに流れる。潤滑油分離室32b内では、油分離容器32が吐出室124から供給される冷媒から潤滑油を分離し、この潤滑油が分離された冷媒は、冷媒吐出口32aからコンデンサの冷媒入口に流れる。
油分離容器32で分離された潤滑油は、貯油室33から通路路121aを通して背圧室50に流れる。この背圧室50からの潤滑油が軸受け120、291に供給される。これに加えて、背圧室50内の潤滑油は、回転軸25の給油流路251を通して軸受け27に供給される。
一方、作動室15の冷媒圧力によってリード弁が吐出ポート123を開けている状態では、リード弁が背圧取入ポート121bをも開ける。このとき、作動室15から吐出ポート123を通して吐出室124に吐出された高圧冷媒のうち潤滑油分離室32bに供給された高圧冷媒以外の高圧冷媒は、背圧取入ポート121bを通して背圧室50に供給される。これに伴い、背圧室50内の冷媒の圧力が可動スクロール11に加わる。このため、可動スクロール11が固定スクロール12に押し付けられることになる。
一方、低温時において、インバータ60がステータコイル212に三相交流電力を供給して可動スクロール11が旋回を開始する場合に、複数の作動室15のうちいずれかの作動室15に吸入される。この吸入された液相冷媒が作動室15で圧縮されて作動室15から液相冷媒(或いは、気液2相冷媒)として吐出ポート123を通して吐出室124に吐出される。
ここで、作動室15から液相冷媒が吐出ポート123を通して吐出室124に吐出された場合、液相冷媒は、吐出室124から連通路11aおよび背圧室50内を通して貯液室70に流れる。
このため、回転軸25の回転に伴ってバランサ254が背圧室50内を回転する際に、液相冷媒は、背圧室50から貯液室70に回避される。したがって、バランサ254の回転に伴ってバランサ254の外周を液相冷媒がを回り続けることを未然に防ぐことができる。その後、スクロールコンプレッサ1の暖機によって貯液室70内の冷媒は気化して吸入室40に流れる。
なお、作動室15の冷媒圧力が低下してリード弁が吐出ポート123を閉じた状態では、リード弁が背圧取入ポート121bをも閉じる。
以上説明した本実施形態によれば、スクロールコンプレッサ1は、固定スクロール12と、固定スクロール12との間に作動室15を構成して、回転軸25によって駆動されることにより固定スクロール12に対して公転運動する可動スクロール11と、を備え、可動スクロール11が公転運動することにより、作動室15の容量を変化させて冷媒を作動室内に吸入し圧縮して作動室15から高圧冷媒を吐出させる。
スクロールコンプレッサ1は、作動室15から吐出される高圧冷媒を貯めて可動スクロール11を固定スクロール12に押しつける冷媒圧力を発生させる背圧室50と、背圧室50内に配置されて、回転軸25に駆動されて回転して可動スクロール11が起因する回転軸25のアンバランスを緩和するバランサ254と、背圧室50に連通して、可動スクロール11の公転運動によって液相状態の冷媒を作動室15が圧縮して吐出した際に作動室15から吐出される冷媒を一時的に貯める貯液室70とを備える。
これにより、スクロールコンプレッサ1の暖機によって液相冷媒の気化が完了する迄の間、液相冷媒を背圧室50から貯液室70に回避することができる。このため、バランサ254が背圧室50内を回転軸25とともに回転する際にバランサ254とともに液相冷媒が連れ回って回転することを未然に抑制することができる。したがって、設計自由度が少ないスクロールコンプレッサ1において、バランサ254のカウンターウェイト効果を阻害させることを未然に抑制して回転軸25の振動が悪化することを抑制することができる。バランサ254のカウンターウェイト効果とは、回転軸25のアンバランスを緩和する機能のことである。
(他の実施形態)
(1)上記実施形態では、車載空調装置にスクロールコンプレッサ1を適用した例について説明したが、これに限らず、ビル用空調装置や住宅用空調装置などの各種の空調装置にスクロールコンプレッサ1を適用してもよい。
(2)上記実施形態では、スクロールコンプレッサ1として電動圧縮機を用いた例について説明したが、これに限らず、スクロールコンプレッサ1を、エンジンの駆動力によって駆動されるエンジン駆動型コンプレッサとしてもよい。
(3)上記実施形態では、本発明のスクロールコンプレッサ1をアキュレータサイクルに適用した例について説明したが、これに代えて、レシーバをコンデンサと減圧弁との間に配置したレシーバサイクルに本発明のスクロールコンプレッサ1を適用してよい。或いは、アキュレータサイクルやレシーバサイクル以外の冷凍サイクルであっても、冷房運転と暖房運転とを切り替え可能である各種の冷凍サイクルに本発明のスクロールコンプレッサ1を適用してよい。
(4)なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記実施形態および他の実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記実施形態および他の実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記実施形態および他の実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記実施形態および他の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
上記一実施形態、および他の実施形態の一部または全部に記載された第1の観点によれば、固定スクロールと、固定スクロールとの間に作動室を構成して、回転軸によって駆動されることにより固定スクロールに対して公転運動する可動スクロールと、を備え、可動スクロールの公転運動によって、作動室の容量を変化させて冷媒を作動室内に吸入し圧縮して作動室から高圧冷媒を吐出させるスクロールコンプレッサであって、作動室から吐出される高圧冷媒を貯めて可動スクロールを固定スクロールに押しつける冷媒圧力を発生させる背圧室と、背圧室内に配置されて、回転軸に駆動されて回転して可動スクロールが起因する回転軸のアンバランスを緩和するバランサと、背圧室に連通して、可動スクロールの公転運動によって液相冷媒を作動室が圧縮して吐出した際に作動室から吐出される液相冷媒を一時的に貯める貯液室と、を備える。
第2の観点によれば、貯液室は、背圧室に対して回転軸を中心とする径方向外側に形成されている。
1 スクロールコンプレッサ
10 圧縮機構部
11 可動スクロール
12 固定スクロール
20 電動機部
25 回転軸
254 ブッシュバランサ
30 ハウジング
40 吸入室
50 背圧室
60 インバータ

Claims (1)

  1. 固定スクロール(12)と、
    前記固定スクロールとの間に作動室を構成して、回転軸(25)によって駆動されることにより前記固定スクロールに対して公転運動する可動スクロール(11)と、を備え、
    前記可動スクロールの公転運動によって、前記作動室の容量を変化させて冷媒を前記作動室内に吸入し圧縮して前記作動室から高圧冷媒を吐出させるスクロールコンプレッサであって、
    前記作動室から吐出される高圧冷媒を貯めて前記可動スクロールを前記固定スクロールに押しつける冷媒圧力を発生させる背圧室(50)を形成するケース(29)と、
    前記背圧室内に配置されて、前記回転軸に駆動されて回転して前記可動スクロールが起因する前記回転軸のアンバランスを緩和するバランサ(254)と、
    前記背圧室に連通して、前記可動スクロールの公転運動によって液相冷媒を前記作動室が圧縮して吐出した際に前記作動室から吐出される液相冷媒を一時的に貯める貯液室(70)と、を備え、
    前記貯液室は、前記背圧室に対して前記回転軸を中心とする径方向外側に形成されており、
    前記ケースは、前記背圧室を前記回転軸を中心とする径方向外側から囲むように形成されており、
    さらに、前記回転軸が延びる方向を軸方向としたとき、前記ケースは、前記軸方向から視て、前記背圧室から前記回転軸を中心とする径方向外側で、かつ鉛直方向下側に凹む凹部を前記貯液室として形成し、前記凹部は、前記回転軸を中心とする全周のうち部分的に設けられているスクロールコンプレッサ。
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