JP6728038B2 - 反応性官能性シロキサン組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、高い反応性の直鎖状α,ω−官能性ポリジオルガノシロキサンを含む組成物に関する。また、本発明は、高い反応性の直鎖状α,ω−官能性ポリジオルガノシロキサンから製造されるポリジオルガノシロキサン−ポリオルガノブロック共重合体、及びそのブロック共重合体の製法に関する。
直鎖状ヒドロキシアリール官能性ポリジオルガノシロキサンは、ポリジオルガノシロキサン−ポリオルガノブロック共重合体を製造するための有用な出発原料である。このブロック共重合体は、多くの独特の性質と有用な用途を有することが知られている。例えば、ポリジメチルシロキサン−ポリカーボネートブロック共重合体は、良好な低温衝撃耐性を有するため、ヘルメットの製造のための有用な原料となる。
直鎖状ヒドロキシアリール官能性ポリジオルガノシロキサンから、ポリジオルガノシロキサン−ポリオルガノブロック共重合体を製造するのに、2つの一般的な経路が知られている。直鎖状ヒドロキシアリール官能性ポリシロキサンは、2相境界重縮合法の条件下で、ビスフェノール系化合物又はそのポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン若しくはポリスルホンオリゴマー、及びポリカーボネート前駆体と反応する。他の方法では、直鎖状ヒドロキシアリール官能性ポリシロキサンは、無溶媒のエステル交換溶融法で、ビスフェノール系化合物又はそのポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン若しくはポリスルホンオリゴマー、及びジオルガノカーボネート若しくはオルガノジエステルと反応する。2つの方法とも、ポリシロキサンブロックが、ポリオルガノブロックに、カーボネート結合又はエステル結合で、結合するブロック共重合体が得られる。
ポリシロキサン−ポリオルガノブロック共重合体の製造において、上記の2相境界重縮合を用いる方法は、大量の有機溶媒又は毒性の高いホスゲンを必要とする欠点がある。さらに、2相境界重縮合法の好適な溶媒は、ジクロロメタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素又はハロゲン化芳香族化合物である。このような溶媒を大量に扱うことは、環境、健康及び安全上、望ましくない。ポリシロキサン−ポリオルガノブロック共重合体を製造するための、無溶媒溶融法は、溶媒を必要とせず、精製工程が少ないか無い利点がある。従って、無溶媒溶融法でブロック共重合体を製造するために使用されるポリシロキサンは、得られるブロック共重合体の特性を損なう恐れのある望ましくない不純物を含まないことが好ましい。望ましくない不純物の例として、強塩基、無機塩(特にヒドロキシイオン又はハロゲンイオンの塩等)、アミン、重金属が挙げられるが、これに限定されない。従って、望ましくない不純物を含まない、構造が制御された直鎖状ヒドロキシアリール末端ポリジアルキルシロキサンが、必要とされている。
さらに、ポリシロキサン−ポリオルガノブロック共重合体を製造する無溶媒溶融法は、ブロック共重合体の製造の後であっても、シロキサン部分が分離した分散相となる、必然的な2相システムである。純度の高いヒドロキシアリール末端ポリシロキサンは、無溶媒溶融法では反応性が低く、特にポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン又はポリスルホンオリゴマーとの反応では、既知のエステル交換触媒の存在下であっても、反応性が低く、反応時間が非常に長く費用がかさむ。低い反応性は、特に連続無溶媒溶融法(USP6506871による押出法等)で望ましくない。反応性を高めるために、公知のエステル交換触媒を過剰量で添加することは、触媒残渣が多くなりブロック共重合体の特性に悪影響を及ぼすため、望ましくない。従って、触媒が少なく、最適な特性を有するポリシロキサン−ポリオルガノブロック共重合体が得られる、反応性の高い無溶媒溶融法が依然必要とされている。
USP3,189,662、USP3,328,350には、塩化末端ポリシロキサンと、ビスフェノール系化合物とホスゲンとを反応させ、副生成物である塩酸を除いて、ポリシロキサン−ポリカーボネートブロック共重合体を製造することが記載されている。この方法は、副生成物の塩酸を中和するために大量の塩基性化合物を使用し、長時間ろ過して大量の塩を取り除くことを要する欠点を有する。
USP4,584,360、USP4,732,949には、ビスフェノール系化合物と、α,ω−ビスアシルオキシポリジメチルシロキサンとを反応させてヒドロキシアリールオキシ末端ポリオルガノシロキサンを生成することが記載されている。続く工程で、ヒドロキシアリールオキシ末端ポリシロキサンは、2相境界重縮合条件下で、過剰のビスフェノール系化合物、カーボネート前駆体(ホスゲン等)及び化学量論量の無機塩基と反応し、ブロック共重合体が生成される。USP4,584,360とUSP4,732,949によれば、好適な無機塩基は、アルカリ金属カーボネートとアルカリ土類金属カーボネートである。
使用する大過剰のビスフェノール系化合物を溶解するために、USP4,584,360とUSP4,732,949が開示する方法では、大量の有機溶媒(典型的には塩化有機溶媒)を使用しなければならない。蒸留で大量の溶媒を除去すると製造コストが高くなる。さらに、反応混合物に使用する塩基は塩を形成し、この塩をブロック共重合体の製品から完全に除くのは困難である。これらの方法により、望ましくない不純物の無い純粋なヒドロキシアリールオキシ末端シロキサンを単離することにも、時間と費用がかかる。
USP3442854,5319066,5340905,5399659,5412061,6506871,6753405には、熱可塑性ポリカーボネートポリマーを、触媒を使用して無溶媒溶融法で製造する方法が記載されている。USP5227449,5504177,5783651,8466249,8829140には、無溶媒エステル交換法による、ポリシロキサン−ポリカーボネートブロック共重合体の製造方法が記載されている。
USP5126495には、ヒドロキシアリールオキシ官能性ポリシロキサンから製造するポリエステル−ポリカーボネート−ポリシロキサン三元ブロック共重合体が記載されている。
USP6066700には、無溶媒溶融エステル交換法による、オリゴカーボネートとヒドロキシアリールオキシ官能性ポリシロキサンを触媒下反応させる、ポリシロキサン−ポリカーボネートブロック共重合体の製造方法が記載されている。
本発明者らは、驚くことに、ポリオルガノオリゴマーとの反応混合物の作製前に、ポリシロキサンポリマーに、無機及び/又は有機塩が所定量存在すると、反応性が改善されるだけでなく、ポリシロキサン−ポリオルガノ共重合体の特性が改善されること、特に、良好な溶融安定性が得られ、溶媒と水に対する分解安定性及び低温衝撃耐性が改善されることを見い出した。少量の塩で、とりわけ短い反応時間で、共重合体製造において収率が高くなることは、特に注目すべきである。塩が共重合体の溶融安定性に悪影響を与えないことも同様に注目すべきことである。
以上から、本発明は、構造と構成が制御された直鎖状官能化ポリジオルガノシロキサンを含む組成物を提供する。この直鎖状官能化ポリジオルガノシロキサンは、反応性が改善されていて、ポリシロキサン−ポリオルガノブロック共重合体を製造するための無溶媒溶融法で特に有用である。驚くべきことに、直鎖状官能化ポリシロキサンに、所定量の有機及び無機化合物の塩を添加すると、無溶媒溶融法における、直鎖状官能化ポリシロキサン(例えばヒドロキシヒドロカルビル末端ポリシロキサン)とオリゴマー特にカーボネート末端ポリマーとの反応性が劇的に高まり、上記のブロック共重合体が得られることが見い出された。驚くべきことに、これらの有機と無機化合物の塩は、得られるブロック共重合体の特性に悪影響を与えないことが見い出された。特にヒドロキシヒドロカルビル末端ポリシロキサンとオリゴマー特にカーボネート末端ポリマーとのエステル交換反応で観察された速度は、上記塩が無いときに観察された速度よりはるかに速い。
ポリシロキサン−ポリオルガノブロック共重合体を製造するための溶融法では、反応混合物は、常にシロキサン/有機(ポリマー)2相システムである。理論に拘束されないが、シロキサン相にある塩はポリシロキサンの官能基と反応し、シロキサン相と有機相の界面への移動が容易となり、反応速度が速くなると考えられる。一方、この様な少量の塩は初めに有機(ポリマー)相に取り込まれ、反応性界面への移動が阻害される。
さらに、驚くべきことに、得られたポリジオルガノシロキサン−ポリオルガノブロック共重合体が、物理学的特性(溶融安定性、耐溶媒/水分解性等)が非常に良好であることが見い出された。
本発明の一態様によれば、以下の(A)及び(B)を含む組成物が提供される。
(A)式(I)と(II)から選択される1以上のポリジオルガノシロキサン:
Figure 0006728038
(式中、置換基は特許請求の範囲又は以下に記載される。)
(B)(A)と(B)の合計重量の1kg当たり0.02〜5.0mmol/kgの1以上の有機又は無機塩。
有機塩は、好ましくは、炭素及び/又は水素と結合する少なくとも1個の炭素原子を含む。無機塩は、好ましくは、このような炭素原子を含まない。
この明細書及び本発明における「1以上」として、例えば好ましくは1,2又は3等が挙げられる。
本発明の組成物は、好ましくは、成分(A)と(B)から本質的になる。本発明の組成物は、組成物の全量に基づき、好ましくは10重量%を超えて、より好ましくは5重量%を超えて、さらに好ましくは1重量%を超えて、(A)と(B)以外の化合物を含まない。より好ましくは、本発明の組成物は、(A)と(B)のみからなる。以下に示すように、最初に、特に、ポリジオルガノシロキサン(A)で変性されるべきポリマーを添加し、任意に触媒を用いる変性反応が開始する前に、成分(A)と(B)を含む本発明の組成物を作製する。変性反応は、以下「ポリマー生成反応」又は「ポリジオルガノシロキサン−ポリオルガノブロック共重合体の生成」ともいう。即ち、本発明の組成物は、通常、変性又はポリマー生成反応を実施するために添加する、ポリジオルガノシロキサン(A)で変性されるポリマー又は他の成分(例えば変性又はポリマー生成反応のための触媒)を含まない。しかしながら、本発明の組成物は、成分(A)と(B)の他に、極性有機化合物若しくは溶媒又はその一部を含んでもよい。極性有機化合物は、極性有機化合物が続くポリマー生成反応を損なわない限り、成分(B)を成分(A)に取り込むのを促すために使用する。ポリマー生成反応では極性有機化合物はほぼ除かれる。
式(I)と(II)において、置換基は以下の通りである。
Enは、独立して、水素及び−C(=O)−OR(式中、Rはアルキル基、アルキルアリール基及びアリール基からなる群から選択される、ここで各基は炭素原子(数)が30以下である)からなる群から選択される。Enは好ましくは水素である。Enが−C(=O)−ORの場合は、末端基はカルボネート基になる。
本発明において、アルキルの例として、炭素原子30以下、好ましくは10以下(C−C10アルキル等)の直鎖状、分岐及び/又は環状アルキル基を挙げられる。例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、シクロヘキシル、シクロペンチル、n−ヘキシル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル、n−ヘプチル、n−オクチル、ピナシル、アダマンチル、アイソメトリックメンチル、n−ノニル、n−デシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル、n−オクタデシルが挙げられる。
好ましいRは、炭素原子が30以下、好ましくは20以下の、アリール基とアルキルアリール基である。本発明において、「アリール」には、炭素原子30以下の炭素環式芳香族基が含まれる。同じことが、アルキルアリールの芳香族部分に当てはまる。「アリール」の例として、フェニル、ナフチル、フェナントレニル、アントラセニル、フルオレニルが挙げられる。
アルキルアリール基は、アルキルで置換されたアリール基であり、アルキルとアリールについては上記を参照できる。好ましいアルキルアリール基として、o−,p−,m−トリル、o−,p−,m−tert−ブチルフェニル等が挙げられる。
Tは、独立して、置換されてもよい、炭素原子60以下の、1以上のヘテロ原子(好ましくは酸素)を含んでもよい、二価のヒドロカルビル残基からなる群から選択される。T基は、Si及びO−Enに、炭素原子を介して結合し、T基は以下から選択される。
(Tの結合方向を示すためにSiを示す)
Si−(アルキル)−(アリール)−
Si−(アルキル)−O−(アリール)−
Si−(アルキル)−O−C(O)−(アリール)−
Si−(アルキル)−O−(アルキル)−
ここで、「アルキル」と「アリール」はそれぞれ、二価の部分を表し、好ましくは炭素原子は20以下である。好ましい二価のアルキル残基として、−CH−CH−CH−、−CH−CH−CH−CH−、−CH−CH−CH−CH−CH−等が挙げられる。好ましい二価のアリール残基として、アルコキシ(好ましくは1つのメトキシ)で置換されてもよい、1,2−又は1,3−又は1,4−フェニルジイル(フェニレンともいう)等が挙げられる。Tの「アルキル」と「アリール」も、上記のRについての「アルキル」と「アリール」の例を参照できる。
Tの置換基として、好ましくは、C1〜C4アルキル(特にメチルとブチル)、及びC1〜C4アルコキシ(特にメトキシ)から選択される1〜3の置換基等が挙げられる。
Arは、ハロゲン、アルキル基及びアルコキシ基からなる群から選択される置換基で互いに独立して置換されることができる、炭素原子60以下、好ましくは40以下の、二価の芳香族残基からなる群から独立して選択される。好ましい二価の芳香族残基として、置換又は無置換の、少なくとも1つの芳香族基(好ましくは1又は2の芳香族基)を含む二価のヒドロカルビル残基(特にフェニル基等)等が挙げられる。好ましいArは以下に示す。
Rは、炭素原子30以下の有機基であり、好ましくは上記したようなアルキル、アリール、アリールアルキル(ここでアリールは上記と同様であり、アルキルは二価のアルキル基である)である。好ましい例として、さらに自由な価が存在することを除いて上記と同じ一価のアルキル、シクロアルキル−アルキル(ここでシクロアルキルは上記と同様であり、アルキルは上記の二価のアルキル基である)等が挙げられる。より好ましいRは、メチル、フェニル、フェニル−エチル−及びフェニル−プロピル−である。最も好ましくは、メチル及び/又はフェニルである。
nは平均値であり、10〜400、好ましくは10〜100、より好ましくは10〜50、さらに好ましくは12〜50である。
mは平均値であり、1〜10、好ましくは2〜5である。
本発明の組成物は、(B)を、(A)と1以上の有機又は無機塩である(B)の合計重量1kg当たり、0.02〜5.0、好ましくは0.04〜3、より好ましくは0.04〜1.0mmol含む。
アルカリ塩及びアルカリ土類塩の場合、成分(B)の含有量を測定する好ましい方法は、フレーム原子化を用いたAAS(原子吸光分光法)である。アンモニウム塩及びホスホニウム塩の場合、含有量は、常法で窒素及びリンの含有量を測定して、求める。
好ましい有機又は無機塩として、pKA値が好適には3〜7(25℃)の酸の有機又は無機塩等が挙げられる。好適な酸として、酢酸、プロピオン酸、オレイン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、安息香酸等のカルボン酸(好ましくはC2〜C22のカルボン酸);モノ又はジオルガノリン酸エステル等のポリカルボン酸の部分エステル;2,2−ジメチルプロピオン酸、2,2−ジメチルブタン酸、2,2−ジメチルペンタン酸等の分岐脂肪族カルボン酸等が挙げられる。有用な有機又は無機塩は、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸リチウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、ビスフェノールA二ナトリウム、ビスフェノールA二カリウム、ビスフェノールA二リチウム及びこれらの誘導体である。さらに、塩として、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロンチウム、オレイン酸カルシウム、オレイン酸バリウム、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸ストロンチウム等が挙げられる。これらの塩は単独で用いても組み合わせて用いてもよい。
好ましい有機又は無機塩は、アルカリ金属塩(好ましくはナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩)、アルカリ土類金属塩(好ましくはマグネシウム塩、カルシウム塩)、4級アンモニウム塩(好ましくはテトラ−(n−ブチル)−アンモニウム、テトラフェニルアンモニウム、テトラベンジルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウム)、及び4級ホスホニウム塩(好ましくはテトラ−(n−ブチル)−ホスホニウム、テトラフェニルホスホニウム、テトラベンジルホスホニウム、セチルトリメチルホスホニウム)からなる群から選択される。最も好ましいのは、アルカリ金属塩と4級ホスホニウム塩であり、好ましくは各々カルボン酸の場合であり、好ましくは炭素原子は30以下である。
さらに好適な実施形態では、有機又は無機塩は、pKが3〜7、好ましくは3〜6、より好ましくは3.5〜5.5(25℃、溶媒は水)の弱酸の塩からなる群から選択される。
一般に当業者に知られているように、pKは、−log10と等しい対数定数として定義される。
Figure 0006728038
好ましい弱酸として、例えば、酢酸、プロピオン酸、オレイン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、安息香酸、4−メトキシ安息香酸、3−メチル安息香酸、4−tert−ブチル安息香酸、p−トリル酢酸、4−ビドロキシ安息香酸、サリチル酸等のカルボン酸(例えばC2〜C22のカルボン酸);スクシン酸モノエステル等のポリカルボン酸(ジカルボン酸等)の部分エステル;モノ又はジオルガノリン酸エステル等のリン酸の部分エステル;2−エチルヘキサン酸、2,2−ジメチルプロピオン酸、2,2−ジメチルブタン酸、2,2−ジメチルペンタン酸(例えば「versatic acids」として市販されている)等の分岐脂肪族カルボン酸等が挙げられる。
好ましい有機又は無機塩は、カルボン酸のアルカリ金属塩及びホスホニウム塩並びにリン酸の一部エステルからなる群から選択される。
好適な実施形態では、nは平均値であり10〜50であり、nとmの積は15〜200、好ましくは150未満である。
好適な実施形態では、Arは以下の式(III)で表される。
Figure 0006728038
式中、Wは、単結合、酸素原子、カルボニル基、イオウ原子、SO基、二価のC1〜C20(好ましくはC1〜C3)の脂肪族基及び/又は二価のC5〜C20環状脂肪族基(例えば、シクロヘキシル部分を含む基)からなる群から選択される。Vは、フェニル部分の置換基を表し、独立して、水素、C1〜C20アルキル、C1〜C20アルコキシ及びハロゲン原子からなる群から選択される。好ましいアルキル基又はアルコキシ基については、上記で挙げられた例を参照できる。
他の好適な実施形態では、Arは以下から選択される。
Figure 0006728038
このArは式(III)の残基を組み合わせたものであってもよい。
好適な式(III)の化合物は、以下からなる群から選択される。
Figure 0006728038
本発明は、さらに、ポリジオルガノシロキサン−ポリオルガノブロック共重合体の製造方法に関する。この製法は、本発明の組成物を、ポリマーと、任意に、ビスフェノール系化合物、ジオルガノカーボネート及びオルガノジエステルからなる群から選択される1以上の化合物と、無溶媒溶融で反応させ、副生物を蒸留で除くことを含む。ポリマーは、以下の一般式a)及びb)で示される基からなる繰返し単位を有するポリエステル、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、及びポリスルホンからなる群から選択される。
a)−[R−C(=O)−O−]−(式中、xは少なくとも2であり、Rは独立して、置換されてもよい炭素原子30以下の二価の有機残基から選択され、炭素原子を介して隣のカルボニル炭素原子と結合する。)
b)−[R−O−C(=O)−R−C(=O)−O−]−(式中、xは少なくとも2であり、Rは独立して、置換されてもよい炭素原子30以下の二価の有機残基から選択され、Rは独立して、置換されてもよい炭素原子30以下の二価の有機残基から選択され、炭素原子を介して隣のカルボニル炭素原子と結合する。)
好ましくは、このような反応は触媒の存在下で実施され、温度は好ましくは160〜400℃である。ポリジオルガノシロキサン−ポリオルガノブロック共重合体を製造するこのような方法は、ポリマーとしてポリカーボネートも使用できる。
ポリエステルは、以下の一般式a)及びb)で示される基からなる繰返し単位を有する。
a)−[R−C(=O)−O−]−、式中、xは少なくとも2であり、Rは独立して、置換されてもよい炭素原子30以下の二価の有機残基から選択され、炭素原子を介して隣のカルボニル炭素原子と結合する。
b)−[R−O−C(=O)−R−C(=O)−O−]−、式中、xは少なくとも2であり、Rは独立して、置換されてもよい炭素原子30以下の二価の有機残基から選択され、Rは独立して、置換されてもよい炭素原子30以下の二価の有機残基から選択され、炭素原子を介して隣のカルボニル炭素原子と結合する。R、R、Rは、独立して、置換されてもよい炭素原子30以下の二価の有機残基から選択される。R、R、Rは、例えば、1又は2の置換基で任意に置換されていてもよく、任意に1以上のヘテロ原子を含んでもよい、炭素原子30以下、好ましくは20以下の、脂肪族残基及び/又は芳香族残基であってもよい。
本発明において、「無溶媒溶融」は、上記の本発明の組成物とポリマーの、実質的に溶媒を含まない(即ち、組成物に溶媒は添加されない)、溶融物をいう。通常、無溶媒溶融は、10重量%を超えて、好ましくは5重量%を超えて、より好ましくは1重量%を超えて、溶媒を含まない。副生成物(特にエステル交換反応の副生成物)は溶媒とみなさない。
ジオルガノカーボネートは好ましくはジアリールカーボネートから選択され、オルガノジエステルは好ましくはジアリールジカルボキシレートから選択される。
好適なジアリールカーボネートは、ジフェニルカーボネート又はジクレシルカーボネートから選択され、好適なジアリールジカルボキシレートは、ジフェニルイソフタレート又はジフェニルテレフタレートから選択される。
好適な触媒は、テトラオルガノアンモニウムとテトラオルガノホスホニウムの、水酸化物、アルコキシド、フェノキシド及びボレートからなる群から選択される。
好適な実施形態では、本発明の組成物は、最初にジオルガノカーボネート及び/又はオルガノジエステルと反応して、直鎖状カーボネート官能性及び/又はエステル官能性ポリジオルガノシロキサンを生成し、次に、ポリマーと反応する。
本発明の好適な実施形態では、ポリマーは、以下の一般式a)及びb)で示される基からなる繰返し単位を有するポリエステル、及び式(Va),(Vb),(Vc),(VI),(VII),(VIII)で示されるポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリスルホンのオリゴマーからなる群から選択される。
a)−[R−C(=O)−O−]−(式中、xは少なくとも2であり、Rは独立して、置換されてもよい炭素原子30以下の二価の有機残基から選択され、炭素原子を介して隣のカルボニル炭素原子と結合する。)
b)−[R−O−C(=O)−R−C(=O)−O−]−(式中、xは少なくとも2であり、Rは独立して、置換されてもよい炭素原子30以下の二価の有機残基から選択され、Rは独立して、置換されてもよい炭素原子30以下の二価の有機残基から選択され、炭素原子を介して隣のカルボニル炭素原子と結合する。)
Figure 0006728038
式中、Z,Z,Z,Zは、独立して、置換又は無置換の二価のアルキル基、アリール基、ビスアリールアルキル基(各々炭素原子30以下)から選択される。Q,Qは、独立して、水素、及び−C(=O)−X基(式中、Xはヒドロキシ、アルキルオキシ、アルキル置換アリールオキシ及びアリールオキシ(各々炭素原子30以下)からなる群から選択される)からなる群から選択される。pは2〜300の間の数である。
Z,Z,Z,Zは、好ましくは、炭素原子30以下のビスアリールオキシ基であってもよく、このような方法は、式(IV)で示されるポリカーボネートのオリゴマーにも当てはまる。
Figure 0006728038
式中、Q,Q、Z、pは上記と同じである。
本発明のポリジオルガノシロキサン−ポリオルガノブロック共重合体の製造方法は、好ましくは、最初に成分(A)と成分(B)、及び任意に1以上の極性有機化合物(30以下(好ましくは20以下)の炭素原子と1以上のヘテロ原子(好ましくはO,N,Sから選択される)を有する)を混合し、次いでこの混合物を、1以上のポリマーと、任意にビスフェノール系化合物、ジオルガノカーボネート及び/又はオルガノジエステル、任意に上記したような触媒を、無溶媒溶融で、接触する追加の工程を含む。好適な極性有機化合物は、飽和アルコール及び不飽和アルコール、好ましくは炭素原子20以下の一級アルコールから選択される。後者は、この後、蒸留で又は溶融法の副生成物として除かれる。
別の態様では、本発明は、ポリシロキサン変性ポリマー(特に、エンジニアプラスチックとも称される変性熱可塑性プラスチック、及び熱可塑性エラストマー)の製造のための、本発明の組成物の用途に関する。本発明のポリシロキサン変性ポリマーは、接着剤、バインダー化合物、絶縁体に用いることができ、また、保護又は装飾コーティングの成分として用いることができる。
別の態様では、本発明は、ポリマーと本発明の組成物を反応させて得られるポリシロキサン変性ポリマーに関する。
別の態様では、本発明は、本発明の組成物の製法に関する。このような製法は、通常、成分(A)を成分(B)と混合し、任意にこの混合物を例えば50℃を超えて300℃まで加熱して透明にし、次いで室温(例えば25℃)まで冷やす工程を有する。成分(A)を成分(B)と混合して得られ、成分(B)が所定の含有量であるこのような組成物は、基本的に本発明の組成物である。成分(B)の成分(A)への添加を容易にするために、極性有機化合物又は溶媒を任意に使用してもよい。この極性有機化合物又は溶媒は、本発明の組成物を製造した後、完全に又は一部除いてもよく、続くポリマー生成反応を妨げないなら組成物中に残してもよい。
本発明の好適な組成物の製造は、以下の工程を含む。
i)成分(A)を調製する、
ii)成分(A)を調製した後、存在する成分(B)の濃度を測定する、
iii)成分(B)(既に(A)中にあるものと異なるかもしれない、任意に極性有機化合物又は溶媒を用いる又は添加する)を添加して成分(B)の濃度を調整する。好適な極性有機化合物は、30以下(好ましくは20以下)の炭素原子と少なくとも1個のヘテロ原子(好ましくはO,N,Sから選択される)を有する極性有機化合物である。好適な極性有機化合物は、アルコール、好ましくは炭素原子20以下の一級アルコールから選択される。後者は、この後、蒸留により溶融法の副生成物として除かれる。
任意な極性有機化合物は、本発明のブロック共重合体の製造とその特性を損なわずに、成分(B)を成分(A)により多く溶解させる有機化合物であればどのような化合物でもよい。特に、極性有機化合物は、有機ケトン、エステル及びアルコールからなる群から選択できる。飽和及び不飽和有機アルコールが好ましい。特に、1−オクタノール、1−デカノール、2−
エチルヘキサノール、1−ドデカノール、1,2−オクタンジオール、ベンジルアルコール、ブチルジグリコール、フェノキシエタノール、トリメチロールプロパン、トリメチロールプロパンのモノ−及びジアルキルエーテル、トリデシルアルコール及びその異性体、エチルヘキシルグリセリン、オレオイルアルコール等の、炭素原子20以下の一級アルコールが好ましい。沸点が300℃未満(1.01325バール)の極性有機化合物が特に好ましい。
この製法は、良く混合された混合物の作製を促進するために加熱(例えば50〜300℃)及び/又は減圧をする工程(iv)を含むことができる。このような工程では、任意に助剤として使用する極性有機化合物を、一部又は完全に除去してもよい。
別の好適な実施形態では、ポリジオルガノシロキサン(A)は、以下の式(a)〜(c)で表される。
Figure 0006728038
式(a)中、nは上記と同じであり、mは平均値であって1〜10(好ましくは2.0〜5.0)である。n×mの値は、12〜400の間であり、好ましくは15と200の間である。
Figure 0006728038

式(b)中、nとmは上記と同じである。
Figure 0006728038
式(c)中、nは上記と同じであり、kは2又は3であり、Vは、それぞれ水素、C1〜C20アルキル、C1〜C20アルコキシ又はハロゲンである。
ポリジオルガノシロキサン、好ましくはヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(A)は、公知の方法で製造できる。例えば、一般式Iのヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(A)は、下記一般式(d)で示される直鎖状α,ω−ビスアシロキシポリジアルキルシロキサンを、少なくとも1つのビスフェノール系化合物又はそのヒドロキシ官能性オリゴマーと反応させる工程により製造できる。
Figure 0006728038
式中、各R,Rは上記と同じであり、例えば、独立して、一価のC1〜C20アルキル基、アルキルアリール基、又はアリール基である。nは上記と同じである。
一般式(II)で示されるヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(A)は、一般式(e)で示される直鎖状ハイドロジェンシロキサンと脂肪族不飽和モノハイドライド化合物とのプラチナ触媒反応等の公知の方法により製造できる。
Figure 0006728038
式中、各Rは上記と同じである。
好適な脂肪族不飽和モノハイドライド化合物の例として、例えば、4−アリルフェノール、2−アリルフェノール、4−アリル−2−メチルフェノール、2−アリル−4,6−ジメチルフェノール、4−アリル−2−メトキシフェノール、2−アリル−4−メチル−6−メトキシフェノール、4−ヒドロキシ安息香酸アリルエーテル、アリルモノグリコールエーテル、アリルジグリコールエーテル、6−ヒドロキシヘキサン酸アリルエーテル、15−ヒドロキシペンタデカン酸アリルエーテルを挙げられる。
本発明では、nは平均値であり、10〜400、特に10〜100、さらに12〜50である。mは平均値であり、1以上、特に1.0〜10.0の間である。(mの)n倍は12〜800、好ましくは15〜200の間である。R,Rは上記と同じであり、特にR,Rはメチル又はフェニルである。
上記したように、好適な成分(B)、即ち有機又は無機塩は、好ましくは、有機弱酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、4級アンモニウム塩、及び4級ホスホニウム塩;リン酸塩(ホスフェート)及びホウ酸塩(ボレート)からなる群から選択される。有機カルボキシレート、ジアルキル若しくはジアリールホスフェート、又はテトラアルキル若しくはテトラアルキルボレートが好ましい。アルカリ金属及び4級ホスホニウムカルボキシレートが特に好ましい。C6〜C30アルキル、アリール又はアルキルアリールカルボキシレートのナトリウムとカリウム塩が最も好ましい。
成分(B)は、成分(A)の反応を促進する程度存在することが好ましい。成分(A)の反応の例として、均一なブロック共重合体を製造するための、直鎖状ヒドロキシヒドロカルビル官能性ポリジオルガノシロキサンと、ポリマー(ポリマーの用語はオリゴマー(繰返し単位が1より多い)も含む)(特にポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン又はポリスルホンオリゴマー)、及び任意にビスフェノール系化合物、ジオルガノカーボネート、オルガノジエステル(ジフェニルカーボネート又はジアリールオルガノジエステル等)から選択される1以上の化合物との、160〜400℃(好ましくは220〜350℃)での、任意に触媒存在下での、無溶媒溶融法の反応が挙げられる。しかし、成分(B)は、架橋等の過剰の副反応を引き起こす又は得られるブロック共重合体の性質を損なう程存在すべきではない。
好適な組成物は、成分(B)を、成分(A)と(B)の合計重量1kg当たり、0.5〜1000ppm、特に1〜100ppm含む。特に好適な組成物は、成分(B)を、0.02〜5.0mmol/kg、特に0.04〜1.0mmol/kg、さらに0.04〜0.5mmol/kg含む。
本発明の組成物は、ポリシロキサン−ポリオルガノブロック共重合体の製造に用いることができる。
従って、好適な他の実施形態では、本発明は、無溶媒溶融法、例えばポリシロキサン−ポリオルガノブロック共重合体を製造するための、無溶媒エステル交換法を提供する。一般に、無溶媒エステル交換法又は溶融法は公知であり、USP5,504,177、5,340,905、5,421,061、5,783,651、5,821,321、6,506,871、6,066,700に記載されている。これらは全てここに援用する。本発明の無溶媒エステル交換溶融法は、例えば、本発明の組成物を、無溶媒溶融で、エステル交換副生成物を蒸留で除きながら、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン又はポリスルホンオリゴマー、及び任意にビスフェノール系化合物、ジアリールカーボネート又はジエステルと反応させ、ポリシロキサン(A)の末端基を、オリゴマーのエステル基若しくはカーボネート基又はジアリールカーボネート又はオルガノジエステルと縮合させて、ブロックセグメント間に新たな架橋を形成する工程を含む。この工程の概略を以下に示す。
Figure 0006728038
(式中、XはRと対応する。)
この方法は、任意に、フェノール又はC6〜C12アルキルフェノール等の単官能性連鎖反応停止剤(例えばUS4,732,949に記載)、及び公知の触媒を使用してもよい。
ポリジオルガノシロキサン−ポリオルガノブロック共重合体の製造のための好適な触媒は、当該技術分野で知られているような4級アンモニウム触媒又は4級ホスホニウム触媒である。このような触媒を上記のポリマーに添加すること、及び次に成分(A),(B)がよく混ざった混合物を含む本発明の組成物を添加し、得られた混合物を真空下撹拌しながら加熱して、ブロック共重合体を製造することが好ましい。さもなければ、触媒を、成分(A),(B)がよく混ざった混合物を含む本発明の組成物とポリマーの混合物、又はポリマーに添加する。
本発明の他の態様では、ポリジオルガノシロキサン(A)とポリカーボネートオリゴマーとの共縮合は、モノ若しくはジエステル化合物又はポリエステルオリゴマーとの縮合も伴い、ポリシロキサン−ポリエステル−ポリカーボネート三元ブロック共重合体が生成される。
本発明の他の態様では、ポリシロキサン(A)と有機又は無機塩(B)を含む組成物は、最初にジアリールカーボネート又はオルガノジエステルと反応して、直鎖状カーボネート官能性又はエステル官能性ポリシロキサンを生成し、次に、ポリカーボネート、以下の一般式a)及びb)で示される基からなる繰返し単位を有するポリエステル、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン又はポリスルホンオリゴマー等のポリマー性オリゴマー、及び任意にビスフェノール系化合物と、無溶媒溶融法で反応する。
a)−[R−C(=O)−O−]−(式中、xは少なくとも2であり、Rは独立して、置換されてもよい炭素原子30以下の二価の有機残基から選択され、炭素原子を介して隣のカルボニル炭素原子と結合する。)
b)−[R−O−C(=O)−R−C(=O)−O−]−(式中、xは少なくとも2であり、Rは独立して、置換されてもよい炭素原子30以下の二価の有機残基から選択され、Rは独立して、置換されてもよい炭素原子30以下の二価の有機残基から選択され、炭素原子を介して隣のカルボニル炭素原子と結合する。)
式(I)で示されるポリジオルガノシロキサン(A)の製造に用いられるビスフェノール系化合物、又は本発明のポリジオルガノシロキサン−ポリオルガノブロック共重合体の製造に用いられるビスフェノール系化合物として、USP4,732,949と5,109,076に記載されるビスフェノール系化合物又はそれらのオリゴマー等が挙げられる。USP4,732,949と5,109,076の内容は全てここに援用する。好適なビスフェノール系化合物又はそれらのオリゴマーは、以下の構造を有するものである。
Figure 0006728038
式中、VとWは上記と同じである。好ましくはオリゴマーのビスオキシアリール基の少なくとも90%は、上記の好適なビスフェノール系化合物に由来する。
本発明の製法によれば、ポリシロキサン−ポリオルガノブロック共重合体を、高い収率で、不純物(特に無機塩と強塩基)が非常に少なく、低コストで製造できる。さらに、本発明のポリシロキサン−ポリオルガノブロック共重合体は、成形品におけるブロックドメイン構造の制御が改善される。このため、耐加水分解性や耐薬品性だけでなく、溶融安定性、低温衝撃耐性等の物理学的特性が再現性をもって改善される。また、本発明のポリシロキサン−ポリオルガノブロック共重合体は、従来の方法で製造されたブロック共重合体と比べると、良好な表面張力を有し、これは成形流動性と耐薬品性の改善をもたらす。
以下の実施例は例示であり、本発明の範囲を限定するものではない。特記しない限り、全てのパーセントは組成物の全重量に基づく重量%であり、全ての温度は摂氏である。
実験方法
[メルトボリュームフローレート(MVR)の測定]
メルトボリュームフローレート(MVR)(メルトフロー/ボリュームレート)は、他の条件が記載されない限り、ISO 1133(300℃;1.2kg)に従って測定する。
[溶液粘度(eta rel)の測定]
相対溶液粘度(etarel;eta relともいう)は、ウベローデ粘度計を用いて、ジクロロメタン中、濃度5g/l、25℃で測定した。
[抽出可能シロキサン含量の測定]
抽出可能シロキサン含量は、n−ヘキサン中で共重合体を沈殿させることにより測定した。この目的のために、5gの生成物を60mlのジクロロメタンに溶解し、室温で撹拌しながら、750mlのn−ヘキサンに徐々に滴下して加えた。この間に、共重合体は析出し沈殿した。一方、取り込まれないシロキサンは溶液中に残る(シロキサン成分はn−ヘキサンに溶解する)。析出したポリマーをろ取して乾燥する。析出したブロック共重合体と析出前の共重合体の1HNMRスペクトルを記録する。0ppmのジメチルシロキサンのシグナルの減少を、1.67ppmのイソプロピリデン基のシグナルと比較して評価した。
比較例A
恒温加熱機、撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応フラスコに、700gのα,ω−ビスアシルオキシポリジメチルシロキサン(29SiNMRで測定した平均鎖長が31.8のジメチルシロキシ単位と、570mmolのアシルオキシ末端基を有する)を、224gのキシレン、140gの酢酸及び1.4gの無水酢酸ナトリウムに52.9g(480mmol)のヒドロキノンを加えた溶液に、4時間かけて、110℃で穏やかに加熱還流しながら、滴下した。添加が完了した後、さらに1時間、透明な溶液を撹拌した。次いで、溶媒と揮発性物質を、125℃60ミリバールまでの真空蒸留で除いた。50℃まで冷やした後、200gのキシレンを加えた。粗生成溶液を20℃未満まで2日間冷却した後、3ミクロンフィルター(Seitz K300)でろ過した。140℃3ミリバールで、ろ液から溶媒と残留揮発性物質を除き、30℃未満まで冷却した。3ミクロンフィルターでろ過することにより、無色透明液の610g(理論値の81%)の直鎖状ヒドロキシアリール官能性ポリジメチルシロキサンが得られた。これは以下の構造と特性を有する。
Figure 0006728038
NMR(測定値):n=33.7;m=3.7;
粘度(23°C):358mPa・s;
固形分%(160℃,30分):98.24%;
23=1.4148;
水酸基含量:11.9mgKOH/g;
Na含量:0.1ppm(0.004mmol/kg)
[ポリジオルガノシロキサン−ポリオルガノブロック共重合体の製造]
2.5部の上記のヒドロキシアリール官能性ポリシロキサン、47.5部のポリカーボネートポリマー(eta rel溶液粘度1.203)及び0.071部のテトラフェニルホスホニウムフェノレート(TPPP)を測量して、撹拌機と短経路セパレーターを備えたガラス反応器に入れた。この装置の空気を抜いて窒素を3回通した。混合物を、窒素下、予め350℃まで加熱した金属バスで溶融し、1.5ミリバールの真空で30分撹拌した。反応容器に窒素を通し、冷却し、共重合体を取り出した。得られた共重合体は、eta rel溶液粘度がわずか1.28であり、原子間力顕微鏡で観察すると各ポリシロキサンドメインが10ミクロンより大きい不均一の共重合体構造を有していた。上記のCHClによるポリマーの抽出とn−ヘキサンの析出で、50%を超える未結合ポリシロキサンが存在することが判明した。
実施例1
比較例Aに従って製造された、水酸基含量が14.3mgKOH/gで初期Na含量が0.2ppm(成分(B))の直鎖状ヒドロキシアリール官能性ポリシロキサン20.1kgに、追加の成分(B)として、0.33gの安息香酸ナトリウムを加えた。ポリマーが透明になるまで撹拌しながら95℃まで加熱し、次いで冷却した。成分(B)を添加した後のポリマーは、Na含量が2.5ppm(0.109mmol/kg)であった。
安息香酸ナトリウム(B)を含む上記のポリシロキサンポリマー(A)を、比較例Aで用いたポリカーボネートポリマー及びTPPPと、比較例Aと同じ条件下で反応させることにより、eta rel溶液粘度が1.377の白色のシリコーン−ポリカーボネートブロック共重合体が得られた。この共重合体は表2に示すように優れた溶融安定性を有し、MVRで示されるポリマー分子量は300℃20分経過後も変わらなかった。また、ブロック共重合体は良好な溶媒耐性と加水分解耐性を有していた。ブロック共重合体の構造は、原子間力顕微鏡で観察したとき均一であり、平均ポリシロキサンドメインサイズは1ミクロン未満であった。共重合体の抽出で非結合ポリシロキサンは15%未満であった。また、85℃85%相対湿度で300時間経過後、10℃3mmバールのシャルピーノッチ衝撃試験の結果は変わらず、依然延性があった。
実施例2
比較例Aで製造した水酸基含量が14.3mgKOH/gの直鎖状ヒドロキシアリール官能性ポリシロキサンに、酢酸ナトリウムを添加して、ナトリウム含量を1.3ppm(0.06mmol/kg)とした。この酢酸ナトリウムを含むポリシロキサンポリマーを、比較例Aのポリカーボネート及びTPPPと、実施例1と同じ条件下で反応させることにより、eta rel溶液粘度が1.38、300℃でのMVR値(ISO1133)が8.33のシリコーン−ポリカーボネートブロック共重合体が得られた。このブロック共重合体は表2に示すように優れた溶融安定性を有していた。この共重合体は、良好な溶媒耐性と加水分解耐性と共に、59N/mmの引張強度、106%の破断点伸長、146℃のビカー温度(B50:50N/50°K/h)を有していた。ブロック共重合体の構造は、原子間力顕微鏡で観察したとき均一であり、平均シロキサンドメインサイズは1ミクロン未満であった。ブロック共重合体は良好な低温衝撃耐性を有し、−50℃でのアイゾットノッチ衝撃試験値(ISO 180/1A)は50kJ/m(延性,10/10サンプル)であった。
比較例B
比較例Aに従って製造した、水酸基含量14.3mgKOH/g、初期Na含量0.2ppmの180gの直鎖状ヒドロキシアリール官能性ポリシロキサン(A)に、0.45gの安息香酸ナトリウムと50gの混合キシレンを添加した。ポリマー溶液を120℃まで加熱し、真空揮散によりキシレンを除くと、透明になった。冷却して得られたポリマーは濁っていて、Na含量は310ppm(成分(B)1kg当たり13.5mmol)であった。
安息香酸ナトリウムを含む上記のポリシロキサンポリマーを、比較例Aのオリゴマー性ポリカーボネート及びTPPPと、実施例1と同じ条件下で反応させることにより、不均一に高度に架橋し溶解性が非常に低い共重合体が得られた。
実施例3
比較例Aに従って製造した直鎖状ヒドロキシアリール官能性ポリシロキサン(A)に、表1に示される有機及び無機塩(B)を添加し、比較例Aのポリカーボネートオリゴマー及びTPPPと、実施例1と同じ条件下で反応させた。得られたポリシロキサン−ポリオルガノブロック共重合体は、表1に示す性質を有していた。

Figure 0006728038
Figure 0006728038
ポリシロキサン(A)に大量の成分(B)を使用し変性すべきポリマーと混合すると、得られるポリジオルガノシロキサン−ポリオルガノブロック共重合体は着色し、高度に架橋し得る。成分(B)である塩を本発明の濃度で直接ポリマー混合物に添加すると、得られる反応混合物は本発明の高い反応性を示さない。

Claims (15)

  1. 下記成分(A)及び(B)を含む組成物。
    (A)式(I)と(II)から選択される1以上のポリジオルガノシロキサン:
    Figure 0006728038
    (式中、
    Enは、独立して、水素及び−C(=O)−OR(式中、Rはアルキル基、アルキルアリール基及びアリール基からなる群から選択される、ここで各基は炭素原子が30以下である)からなる群から選択される。
    Tは、独立して、置換されてもよい、炭素原子60以下の、1以上のヘテロ原子を含んでもよい、二価のヒドロカルビル残基からなる群から選択される。Tは、Si及びO−Enに、炭素原子を介して結合し、Tは以下から選択される。
    (Tの結合方向を示すためにSiを示す)
    Si−(アルキル)−(アリール)−
    Si−(アルキル)−O−(アリール)−
    Si−(アルキル)−O−C(O)−(アリール)−及び
    Si−(アルキル)−O−(アルキル)−
    Arは、ハロゲン、アルキル基及びアルコキシ基からなる群から選択される置換基で互いに独立して置換されることができる、炭素原子60以下の、二価の芳香族残基からなる群から独立して選択される。
    Rは、炭素原子30以下の有機基である。
    nは、10〜400の平均値である。
    mは、1〜10の平均値である。)
    (B)(A)と(B)の合計重量の0.02〜5.0mmol/kgの1以上のカルボン酸のアルカリ金属塩。
  2. 前記カルボン酸のアルカリ金属塩が、pKが3〜7(25℃)の弱酸の塩からなる群から選択される請求項1記載の組成物。
  3. Rが、メチル及びフェニルからなる群から選択される請求項1又は2記載の組成物。
  4. Arが、以下の式(III)で表されるか、
    Figure 0006728038

    (式中、Wは、単結合、酸素原子、カルボニル基、イオウ原子、SO基、二価のC1〜C20の脂肪族基又は二価のC5〜C20の環状脂肪族基からなる群から選択される。Vは、フェニル部分の置換基を表し、独立して、水素、C1〜C20アルキル、C1〜C20アルコキシ及びハロゲン原子からなる群から選択される。)
    及び/又は、
    Arが、以下から選択される請求項1〜3のいずれか記載の組成物。
    Figure 0006728038
  5. 請求項1〜4のいずれか記載の組成物を、
    ポリマーと、
    任意に、ビスフェノール系化合物、ジオルガノカーボネート及びオルガノジエステルからなる群から選択される1以上の化合物と、
    任意に触媒の存在下で、160〜400℃の温度で、無溶媒溶融で反応させ、副生物を蒸留で除くことを含み、
    前記ポリマーは、以下の一般式a)又はb)で示される基からなる繰返し単位を有するポリエステル、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、及びポリスルホンからなる群から選択される、ポリジオルガノシロキサン−ポリオルガノブロック共重合体の製造方法。
    a)−[R−C(=O)−O−]−(式中、xは少なくとも2であり、Rは独立して、置換されてもよい炭素原子30以下の二価の有機残基から選択され、炭素原子を介して隣のカルボニル炭素原子と結合する。)
    b)−[R−O−C(=O)−R−C(=O)−O−]−(式中、xは少なくとも2であり、Rは独立して、置換されてもよい炭素原子30以下の二価の有機残基から選択され、Rは独立して、置換されてもよい炭素原子30以下の二価の有機残基から選択され、炭素原子を介して隣のカルボニル炭素原子と結合する。)
  6. Enが水素である場合、請求項1〜4のいずれか記載の組成物を、初めに、ジオルガノカーボネート及び/又はオルガノジエステルと反応させ、直鎖状カーボネート官能性及び/又はエステル官能性ポリジオルガノシロキサンを生成し、次に、前記ポリマーと反応させる請求項5記載の製造方法。
  7. 前記ポリマーが、以下の一般式a)又はb)で示される基からなる繰返し単位を有する式(Va),(Vb)又は(Vc)で示されるポリエステル、式(VI)で示されるポリスルホン、式(VII)で示されるポリエーテルエーテルケトン、及び、式(VIII)で示されるポリエーテルイミドのオリゴマーからなる群から選択される請求項5又は6記載の製造方法。
    a)−[R−C(=O)−O−]−(式中、xは少なくとも2であり、Rは独立して、置換されてもよい炭素原子30以下の二価の有機残基から選択され、炭素原子を介して隣のカルボニル炭素原子と結合する。)
    b)−[R−O−C(=O)−R−C(=O)−O−]−(式中、xは少なくとも2であり、Rは独立して、置換されてもよい炭素原子30以下の二価の有機残基から選択され、Rは独立して、置換されてもよい炭素原子30以下の二価の有機残基から選択され、炭素原子を介して隣のカルボニル炭素原子と結合する。)
    Figure 0006728038
    (式中、Z ,Z,Zは、独立して、置換又は無置換の二価のアルキル基、アリール基、ビスアリールアルキル基(各々炭素原子30以下)から選択される。Q,Qは、独立して、水素、及び−C(=O)−X基(式中、Xはヒドロキシ、アルキルオキシ、アルキル置換アリールオキシ及びアリールオキシ(各々炭素原子30以下)からなる群から選択される)からなる群から選択される。pは2〜300の間の数である。)
  8. 前記成分(A)及び前記成分(B)、及び任意に1以上の炭素原子30以下の極性有機化合物を混合する追加の工程を有する請求項5〜7のいずれか記載の製造方法。
  9. 初めに前記成分(A)、前記成分(B)及び1以上の極性有機化合物を混合する工程を有し、前記極性有機化合物は、炭素原子平均20以下の飽和及び不飽和有機アルコールからなる群から選択される請求項8記載の製造方法。
  10. 以下の一般式a)又はb)で示される基からなる繰返し単位を有するポリエステル、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、及びポリスルホンからなる群から選択されるポリシロキサン変性ポリマーを製造するための請求項1〜のいずれか記載の組成物の使用であって、以下の一般式a)又はb)で示される基からなる繰返し単位を有するポリエステル、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)又はポリスルホンと、請求項1〜4のいずれか記載の組成物とを反応させてポリシロキサン変性を組み込むことを含む、前記組成物の使用。
    a)−[R−C(=O)−O−]−(式中、xは少なくとも2であり、Rは独立して、置換されてもよい炭素原子30以下の二価の有機残基から選択され、炭素原子を介して隣のカルボニル炭素原子と結合する。)
    b)−[R−O−C(=O)−R−C(=O)−O−]−(式中、xは少なくとも2であり、Rは独立して、置換されてもよい炭素原子30以下の二価の有機残基から選択され、Rは独立して、置換されてもよい炭素原子30以下の二価の有機残基から選択され、炭素原子を介して隣のカルボニル炭素原子と結合する。)
  11. 前記反応を、無溶媒溶融法で行う請求項10記載の組成物の使用。
  12. ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、及びポリスルホンからなる群から選択されるポリマーを、請求項1〜4のいずれか記載の組成物と反応させて得られるポリシロキサン変性ポリマー。
  13. 以下の工程を含む請求項1〜4のいずれか記載の組成物の製造方法。
    i)前記成分(A)を調製する
    ii)前記成分(A)を調製した後、存在する前記成分(B)の濃度を測定する
    iii)任意に極性有機化合物を用いて、前記成分(B)の濃度を調整する
  14. 以下の工程を含む請求項1〜4のいずれか記載の組成物の製造方法。
    i)前記成分(A)を調製する
    ii)前記成分(A)を調製した後、存在する前記成分(B)の濃度を測定する
    iii)極性有機化合物を用いて、前記成分(B)の濃度を調整する
    iv)加熱及び/又は減圧により、良く混合された混合物を得る
  15. 前記工程iii)が、前記成分(A)、前記成分(B)及び1以上の極性有機化合物を混合することで行われ、前記極性有機化合物は、炭素原子平均20以下の飽和及び不飽和有機アルコールからなる群から選択される請求項13又は14記載の製造方法。
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