JP6723145B2 - 樹脂コーティングを施したアルミニウム物品およびその製造方法 - Google Patents

樹脂コーティングを施したアルミニウム物品およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、優れた熱伝導率を保ちつつ優れた耐食性および耐熱性を有する樹脂コーティングを施したアルミニウム物品、およびその製造方法に関するものである。
アルミニウム系材料は、軽量で加工性、熱伝導性に優れており、熱交換器の各部材に広く利用されている。しかし、これは防食性が必要な部分には使用されていない例もある。例えばディーゼルエンジン等を搭載した車両においては、排気ガスの一部を吸気系に還流し、燃焼温度を抑制してNOx、SOxの発生を制御するシステムや、排気再循環(EGR)はステンレス製のものである。
多気筒ディーゼルエンジンにおいて一般的に用いられている排気再循環(EGR)には、High Pressure Loop (HPL) EGRと呼ばれる比較的高温のEGRガスを還流するものと、後処理触媒後のガスをターボの上流に還流するLow Pressure Loop (LPL) EGRとがある。
(HPL)EGRでは、排気圧力を吸気圧力より高める必要があり,このことがポンプ損失の増加に起因して燃費の悪化をもたらす。それに対して(LPL)EGRでは、過渡運転時に応答遅れを伴うが、低温かつ大量のEGRが可能で、全てのカ゛スがターヒ゛ンを通過するため排気エネルキ゛ーの回収、過給圧の増加につながると言われており、これらを基にEGR の改良が進んでいる。
(LPL)EGR EGRシステムでは、EGRおよびインタークーラーにおいて、現状では防食性が必要であるため、ステンレス製のものが検討されており、軽量化のためアルミニウム製のものへの変更の要求が高まっている。そのためアルミニウム表面にメッキをかけたり樹脂コーティングを施す技術が知られている。例えば特許文献1には、EGRクーラーのアルミニウム製連通路の内面にNiメッキを施して腐食性ガスに対する耐食性を保ち、同外面にフッ素系樹脂コーティングを施してパイプの汚れを防止するという技術が開示されているが、Niメッキではこれとアルミニウムとの熱膨張率差が大きく、耐久性の懸念が払拭できない。
また、特許文献2には、アルミニウム系材料の表面にノンクロム化成処理を施し、次いでポリアクリル酸系樹脂および/またはポリビニルアルコールからなる樹脂被膜を形成するという方法が開示されているが、この方法では必要とする耐熱性が確保されていない。
また、特許文献3には、自動車エアコンを、ジルコニウムおよび/またはチタニウムを含むpH2〜6の化成処理剤で化成処理した後、親水性樹脂および/またはグアニジン化合物を含む親水性処理剤で処理し、その後焼き付け処理を行う方法が開示されているが、この方法では必要とする耐食性が確保されていない。 このように従来技術では、優れた熱伝導率を保ちつつ耐食性および耐熱性を両立させるという課題は解決されていない。
特開平11−264691号公報 特開2009−34589号公報 特開2013−67828号公報
本発明の上記課題は、アルミニウム物品表面に形成する、エポキシ樹脂/フェノール樹脂からなる第1硬化被膜と、同被膜上に形成する、イミド環を有する化合物を含む樹脂組成物からなる第2硬化被膜との二層構造コーティング膜でアルミニウム物品を被覆することで、解決することができる。
本発明は、上記課題を解決するために以下の態様からなる。
[1] アルミニウム物品表面に(A)エポキシ樹脂と(B)フェノール樹脂の組み合わせからなる樹脂組成物(1)から形成された厚み20μm以内の第1硬化被膜と、
第1硬化被膜の表面に(C)イミド環を有する化合物を含有する樹脂組成物(2)から形成された厚み20μm以内の第2硬化被膜との
二層構造コーティング膜でアルミニウム物品表面が被覆されていることを特徴とする、樹脂コーティングを施したアルミニウム物品。
[2] 樹脂組成物(1)および/または樹脂組成物(2)がさらに(D)カーボンフィラーを含むことを特徴とする、前記[1]に記載の樹脂コーティングを施したアルミニウム物品。
[3] (D)カーボンフィラーがグラファイトであることを特徴とする、前記[2]に記載の樹脂コーティングを施したアルミニウム物品。
[4] (C)イミド環を有する化合物がポリアミドイミドであることを特徴とする、前記[1]ないし[3]のいずれか1に記載の樹脂コーティングを施したアルミニウム物品。
[5] (C)イミド環を有する化合物がビスマレイミドまたはビスマレイミドとアリル化合物との組合せであることを特徴とする、前記[1]ないし[3]のいずれか1に記載の樹脂コーティングを施したアルミニウム物品。
[6] アルミニウム物品表面がろう付け部分を含むことを特徴とする、前記[1]ないし[5]のいずれか1に記載の樹脂コーティングを施したアルミニウム物品。
[7] アルミニウム物品が熱交換器の構成部材であることを特徴とする、前記[1]ないし[6]のいずれか1に記載の樹脂コーティングを施したアルミニウム物品。
[8] アルミニウム物品表面に、(A)エポキシ樹脂と(B)フェノール樹脂の組み合わせからなる樹脂組成物(1)を溶剤で希釈してなる樹脂液を、硬化後の被膜厚みが20μm以内になるように塗布し、溶剤を揮発させた後、180〜250℃の焼き付け温度で被膜を硬化させて第1硬化被膜を成形し、
次に、第1硬化被膜の表面に、(C)イミド環を有する化合物を含有する樹脂組成物(2)を溶剤で希釈してなる樹脂液を、硬化後の被膜厚みが20μm以内になるように塗布し、溶剤を揮発させた後、180〜250℃の焼き付け温度で被膜を硬化させて第2硬化被膜を成形することを特徴とする、樹脂コーティングを施したアルミニウム物品の製造方法。
[9] 樹脂組成物(1)および/または樹脂組成物(2)がさらに(D)カーボンフィラーを含むことを特徴とする、前記[8]に記載の樹脂コーティングを施したアルミニウム物品の製造方法。
[10] (D)カーボンフィラーがグラファイトであることを特徴とする、前記[9]に記載の樹脂コーティングを施したアルミニウム物品の製造方法。
[11] (C)イミド環を有する化合物がポリアミドイミドであることを特徴とする、前記[8]ないし[10]のいずれか1に記載の樹脂コーティングを施したアルミニウム物品の製造方法。
[12] (C)イミド環を有する化合物がビスマレイミドまたはビスマレイミドとアリル化合物との組合せであることを特徴とする、前記[8]ないし[10]のいずれか1に記載の樹脂コーティングを施したアルミニウム物品の製造方法。
[13] アルミニウム物品が、組み合わせたアルミニウム部材どうしをろう付けして作製したものであることを特徴とする、前記[8]ないし[12]のいずれか1に記載の樹脂コーティングを施したアルミニウム物品の製造方法。
本発明は、上記のように構成されているので、優れた熱伝導率を保ちつつ優れた耐食性および耐熱性を有する樹脂コーティングを施したアルミニウム物品を提供することができる。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
まず、本発明において用いられる各材料について説明をする。
<エポキシ樹脂>
本発明において第1硬化被膜を成形するための樹脂組成物(1)の一方の成分であるエポキシ樹脂は、公知の方法により製造されるものであってよく、1成分中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有する熱硬化性エポキシ樹脂が好ましい。このようなエポキシ樹脂としては、例えば、エーテル型のビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族型エポキシ樹脂、エステル系の芳香族エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、エーテル・エステル型エポキシ樹脂等の公知のものが挙げられ、ビスフェノールA型エポキシが最も好ましい。エポキシ樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。三菱化学社製「エピコート1001」、「エピコート828」等の汎用品を用いることができる。
<フェノール樹脂>
前記樹脂組成物(1)のもう一方の成分である(B)フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類との付加反応物を縮合重合させたものであって、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。フェノール樹脂の例としては、レゾール型フェノール樹脂およびノボラック型フェノール樹脂等が挙げられる。
レゾール型フェノール樹脂としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。レゾール型フェノール樹脂の製造原料として使用されるフェノール類としては、例えばフェノール、各種クレゾール、各種エチルフェノール、各種キシレノール、各種ブチルフェノール、各種オクチルフェノール、各種ノニルフェノール、各種フェニルフェノール、各種シクロヘキシルフェノール、カテコール、レゾシノール、ハイドロキノンなどを、単独で又は2種以上混合して使用することができる。アルデヒド類の例としてはホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラホルムアルデヒド、プロピルアルデヒド、ブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ジヒドロキシベンズアルデヒド、ヒドロキシメチルベンズアルデヒド、グリオキザール、クロトンアルデヒド、グルタルアルデヒド等が挙げられるが、実用性からホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドが好ましい。好ましいレゾール型フェノール樹脂は、粘度が500〜8000mPa・s(25℃)、比重が1.15〜1.30、pHが6.6〜7.2、不揮発分が40〜80%に調整された液状のレゾール型フェノール樹脂である。このようなレゾール型フェノール樹脂は、市販されており、例えば、アイカSDKフェノール社製「BRL−240」、「BRL−1017」等を用いることができる。
ノボラック型フェノール樹脂としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。ノボラック型フェノール樹脂の製造原料として使用されるフェノール類は、例えばフェノール、各種クレゾール、各種エチルフェノール、各種キシレノール、各種ブチルフェノール、各種オクチルフェノール、各種ノニルフェノール、各種フェニルフェノール、各種シクロヘキシルフェノール、カテコール、レゾシノール、ハイドロキノン等が挙げられる。これらフェノール類は単独で用いても、または混合して用いてもよい。また、アルデヒド類としてはホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラホルムアルデヒド、プロピルアルデヒド、ブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ジヒドロキシベンズアルデヒド、ヒドロキシメチルベンズアルデヒド、グリオキザール、クロトンアルデヒド、グルタルアルデヒド等が使用でき、特にホルムアルデヒド水溶液(ホルマリン)が好ましく使用される。これらアルデヒド類は単独で用いても、または混合して用いてもよい。また、ノボラック化触媒の例としては塩酸、硫酸等の無機酸や酢酸、シュウ酸等の有機酸が挙げられる。これら触媒は単独で用いても、または混合して用いてもよい。ノボラック型フェノール樹脂の数平均分子量は好ましくは300〜1000である。このようなノボラック型フェノール樹脂は、市販されており、例えば、アイカSDKフェノール社製「BRG−556」、「BRG−557」等のBRGシリーズ等を用いることができる。
エポキシ樹脂とフェノール樹脂の混合比は、好ましくはエポキシ当量/水酸基当量=0.6/1.4〜1.4/0.6、より好ましくはエポキシ当量/水酸基当量=0.8/1.2〜1.2/0.8である。混合比がこの範囲外であると被膜の密着性、耐水性が低下する場合がある。
塗膜の柔軟性、耐水性を付与する目的で、フェノール樹脂の全てまたは一部をアルキル基および/またはアリル基を有するフェノール樹脂に置き換えてもよい。アルキル基および/またはアリル基を有するフェノール樹脂は、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。アルキル基を有するフェノール樹脂としては、原料として4−ターシャリーブチルフェノール、4−オクチルフェノール等を使用して製造したフェノール樹脂であり、例えば、アイカSDKフェノール社製「CKM−1634」等を用いることができる。
またアリル基を有するフェノール樹脂としては、フェノール樹脂をアリルエーテル化しクライゼン転位させて得られるアリル化フェノール樹脂が使用できる。例えばアイカSDKフェノール社製の「BRGシリーズ」をアリルエーテル化しクライゼン転位させて得られるものが有効である。
アルキル基および/またはアリル基を有するフェノール樹脂の使用は、塗膜の柔軟性、耐水性の向上に有用でありスケールの付着防止にも効果的である。その置き換え割合はフェノール樹脂の100%でもよいが、好ましくは10%以上、より好ましくは30%以上である。10%未満の使用量では塗膜の柔軟性、耐水性向上の効果が出難い。
<イミド環を有する化合物>
本発明において第2硬化被膜を成形するための樹脂組成物(2)の成分である、イミド環を有する化合物は、好ましくはポリアミドイミド、もしくはビスマレイミドまたはビスマレイミドとアリル化合物との組合せである。
ポリアミドイミドとしては、市販のものを用いることができ、東洋紡社製「ポリアミドイミド樹脂HR−13NX」、日立化成社製「ポリアミドイミド樹脂溶液HPCシリーズ」等が例示される。

<ビスマレイミド>
ビスマレイミドとしては市販のものが使用できる。例えば、4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタン、1,6−ビス(マレイミド)ヘキサン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、1,4−ビス(マレイミド)ブタン、ビスフェノールAビス(4−マレイミドフェニルエーテル)、1,2−ビス(マレイミド)エタン、N,N’−1,4−フェニレンジマレイミド、N,N’−1,3−フェニレンジマレイミド、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、1,6’−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサン、4,4’−ジフェニルエーテルビスマレイミド、4,4’−ジフェニルスルフォンビスマレイミド、1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−マレイミドフェノキシ)ベンゼン等を挙げることができる。
本発明の第2硬化被膜に使用されるビスマレイミドは、アリル化合物、好ましくはアリル化フェノール化合物、ラジカル重合性化合物、アミン等と組み合わせて使用することが好ましい。
アリル化合物としては市販のものが使用できる。例えば2,2’−ジアリルビスフェノールA、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル等が挙げられる。
アリル化フェノール化合物が、上記2,2’−ジアリルビスフェノールAのほか、フェノール樹脂類をアリルエーテル化し、得られたアリルエーテル化フェノール樹脂を加熱しクライゼン転位させる周知の方法で得られたものであってもよい。例えばアイカSDKフェノール社製の「BRGシリーズ」をアリルエーテル化しクライゼン転位させて得られるアリル化フェノール樹脂が好ましく使用できる。
ビスマレイミドとアリル化合物の混合比(当量比)は、好ましくはマレイミド基/アリル基=1.0/5.0〜5.0/1.0、より好ましくはマレイミド基/アリル基=3.0/1.0〜1.0/3.0である。混合比がこの範囲外であると被膜の密着性、耐水性が低下する場合がある。
ラジカル重合性化合物としては、公知のラジカル重合性の樹脂、オリゴマー、モノマーが使用できる。例としてはビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アリル樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルモノマー、スチレンモノマー、ジビニルベンゼン等を挙げることができる。ビスマレイミドとラジカル重合性化合物の混合比(当量比)は、好ましくはマレイミド基/ラジカル重合性不飽和基=5.0/1.0〜1.0/5.0、より好ましくはマレイミド基/ラジカル重合性不飽和基=3.0/1.0〜1.0/3.0である。混合比がこの範囲外であると被膜の密着性、耐水性が低下する場合がある。
アミンとしては、活性水素を有する一級アミンまたは二級アミンが好ましい。耐熱性を考慮すると、例としてはジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホンなどが挙げられ、ビスマレイミドとアミンの混合比(当量比)は、好ましくはマレイミド基/活性水素=5.0/1.0〜1.0/5.0、より好ましくはマレイミド基/活性水素=3.0/1.0〜1.0/3.0である。混合比がこの範囲外であると被膜の密着性、耐水性が低下する場合がある。
また、ビスマレイミドと組み合わせるアリル化合物、ラジカル重合性化合物、アミン等は、単独で用いてもよいし、これらを同時に使用してもよい。
<添加剤>
本発明では、第1硬化被膜のアルミニウム金属表面との接着性向上、同表面の汚れ付着防止のため、水酸基、カルボキシル基、4級アンモニウムカチオンのいずれか一種以上を含有するポリマーを添加剤として樹脂組成物(1)に添加することが有効である。この添加によって、アルミニウム表面を化成処理しなくても、該添加剤はアルミニウム金属表面に吸着し、樹脂と同表面との堅固な接着が可能になる。このような添加剤としては、ビックケミー・ジャパン社製:商品名「BYK−4510」、「BYK−4512」等がある。
また、第2硬化被膜の汚れ付着防止のためには、フッ素セグメントを有するポリマーを添加剤として樹脂組成物(2)に添加することが有効である。このような添加剤の例としては、例えば日油社製:商品名「モディパーF206」等が挙げられる。
本発明では、A)エポキシ樹脂と(B)フェノール樹脂を含む樹脂組成物(1)の硬化、および(C)イミド環を有する化合物を含む樹脂組成物(2)の硬化を促進させるために、硬化促進剤を使用することができる。
本発明の樹脂組成物(1)の硬化促進のために使用される硬化促進剤の例としては、アミン系および/またはリン系の公知の硬化促進剤が挙げられる。アミン系促進剤としては3級アミン、イミダゾール系化合物が使用され、リン系促進剤としてはホスフィン系等の促進剤が使用される。アミン系促進剤の具体例としては、トリエチルアミン、N,N−ジメチルピペラジン、トリエチレンジアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2− ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2トリターシャリーブチルホスフィン−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2− メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール等が挙げられる。
またリン系促進剤の具体例としては、トリフェニルホスフィン、トリターシャリーブチルホスフィン、トリパラトリルホスフィン、ジフェニルシクロヘキシルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムテトラ−p−トリルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、トリフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
アミン系および/またはリン系の硬化促進剤の使用量は、樹脂組成物(1)100重量部に対して0.05〜10重量部、好ましくは0.3〜3.0重量部である。0.05重量部未満では硬化の促進に効果が乏しく、10重量部を超えると耐水性が良好な被膜が得られない場合がある。
(C)イミド環を有する化合物を含有する樹脂組成物(2)の硬化には、ビスマレイミド/アリル化合物、ビスマレイミド/ラジカル重合化合物の硬化の促進剤として過酸化物触媒を使用して、ラジカル重合を積極的に併用してもよい。使用する過酸化物触媒としては公知のものが使用できる。例えばベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、3−イソプロピルヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジクミルヒドロパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、イソブチルパーオキサイド、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスカルボンアミドなどが使用できる。
<カーボンフィラー>
本発明の第1硬化被膜および/または第2硬化被膜はさらにカーボンフィラーを含んでもよい。
カーボンフィラーとしては公知のものが使用できる。オイルファーネス系カーボンブラック、アセチレンブラック、オイルファーネス系酸化カーボンブラック等の導電性カーボンブラック、超短繊維であるカーボンナノチューブ、鱗片状や人造のグラファイト、PAN系やピッチ系のカーボンファイバーが挙げられるが、耐食性と熱伝導率を考慮すると鱗片状のグラファイトが望ましい。
また、カーボンフィラーにカーボンフィラー以外の無機または有機フィラーを併用してもよい。無機フィラーの例としては、耐食用途に使用されるガラスフレークやガラス短繊維等が挙げられ、有機フィラーとしては靱性向上等を目的に耐熱性有機フィラーを使用してもよい。
カーボンフィラーおよびそれ以外の無機または有機フィラーの添加量は、樹脂組成物中1〜40重量%、好ましくは2〜30重量%である。
つぎに、本発明による、樹脂コーティングを施したアルミニウム物品の製造方法について、説明をする。
<製造方法>
本発明による製造方法において使用する溶剤は、樹脂組成物(1)および樹脂組成物(2)を溶解、分散できるものであればよく、公知のものが使用できる。具体的には、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブタノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ブチレングリコールモノメチルエーテル、ブチレングリコールモノエチルエーテル、ブチレングリコールモノプロピルエーテル等のグリコールエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、乳酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類、1,4−ジオキサン等のエーテル類等、水等の一般的なものが、単独、若しくは二種以上を併用して使用できる。
樹脂組成物(1)および樹脂組成物(2)を溶媒で希釈してなる樹脂液の濃度は、5〜80重量%程度であってよい。溶剤を揮発させる前の被膜の厚みが25μm以下、好ましくは17μm以下になるように、または、硬化後の被膜の厚みが20μm以下、好ましくは17μm以下になるように、樹脂液をアルミニウム物品表面に塗布することが好ましい。溶剤を揮発させ前の被膜の厚さが25μmを超え、または硬化後の被膜の厚みが20μmを超えると、熱伝導率を低下させるので好ましくない。被膜の厚みが上記の値以下になるように樹脂組成物(1)および樹脂組成物(2)の濃度を調整することが望ましい。溶剤揮発前の被膜の厚みの下限および硬化後の被膜の厚みの下限は特に限定されないが、溶剤揮発前の被膜の厚みは1μm以上、硬化後の被膜の厚みは0.5μm以上であることが好ましい。
上記樹脂組成物(1)および樹脂組成物(2)を使用してアルミニウム物品表面にコーティング膜を形成する方法は、特に限定されないが、アルミニウム表面に樹脂組成物(1)を溶剤で希釈してなる樹脂液を均一に塗布し、溶剤を常温または低温加熱で揮発させた後、所定の焼き付け温度で被膜を硬化させ第1硬化被膜を成形し、次に、第1硬化被膜の表面に、樹脂組成物(2)を溶剤で希釈してなる樹脂液を均一に塗布し、溶剤を常温または低温加熱で揮発させた後、所定の焼き付け温度で被膜を硬化させ第2硬化被膜を成形すればよい。
焼き付け温度は、特に限定されないが、一般に50〜250℃である。短時間で焼き付けるには180℃以上が望ましい。焼き付け時間は焼き付け温度との関係で、例えば5〜150分の範囲で、適宜選定される。
また、アルミニウム物品表面に、脱脂、化成処理を施すことが好ましく、このような前処理によってアルミニウム物品表面へのコーティング膜の密着性を向上させることができる。化成処理は、従来の苛性ソーダを使用した方法や公知の方法であってよい。
本発明による、樹脂コーティングを施したアルミニウム物品の製造方法において、アルミニウム物品の代表例は熱交換器の構成部材であり、組み合わせたアルミニウム部材どうしをろう付け(好ましくは真空ろう付け)して作製したものである。
以下、実施例および比較例により本発明を詳細に説明するが、これらによって本発明が限定されるものではない。
(合成例1)アリル化フェノール樹脂の合成
攪拌機、還流管を備えたフラスコ中に、炭酸カリウム:720g、トリフェニルホスフィン:12g、水:1100g、5%Pd/C:4g、アイカSDKフェノール社製フェノールノボラック樹脂「BRG556」:104g(1.0当量)、酢酸アリル:569g(1.2当量)を仕込み、90℃で8時間反応を続けた。
次に反応液を40℃まで冷却し、トルエン:400g、水400gを加え、撹拌後、反応液をろ過し、分液してトルエン層を取り出し、トルエンと酢酸アリルを減圧留去した。その後さらにトルエン400gを残留物に加えてこれをトルエンに溶解させ、生じたトルエン液を3回水洗し、その後トルエンを減圧留去してBRG556アリルエーテルを収率95%で得た。
このBRG556アリルエーテルをフラスコに仕込み、160℃で3時間撹拌しクライゼン転位反応を行いアリル化フェノール樹脂BRG556CLを得た。
(実施例1)
<ワニスの作製>
(第1硬化被膜用)
(A)エポキシ樹脂として三菱化学社製エピコート1001:24重量部、(B)フェノール樹脂としてアイカSDKフェノール社フェノール樹脂「BRL−240」:16重量部を、MEK:50重量/水:60重量部から成る溶剤に溶解し、生成した溶液に2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール(DMP−30):0.4重量部を添加し、コーティング用ワニス−1(樹脂組成物(1))を作製した。
(第2硬化被膜用)
東洋紡社製 ポリアミドイミド樹脂 HR−13NX:30重量部を、N−メチルピロリドン/キシレン=67重量部/33重量部からなる混合溶媒:70重量に溶解し、生成した溶液に伊東黒鉛工業社製の鱗片状黒鉛(グラファイト) CNP7:3重量部を加え、コーティング用ワニス−2(樹脂組成物(2))を作製した。
<コーティングを施したアルミニウム製テストピースの作製>
50mm×90mm(厚み:2.0mm)のアルミニウム製板(表:3000番、裏:4000番でろう付け)を準備し、これに水酸化ナトリウムによる化成処理(5%水酸化ナトリウム水溶液に1.5分間浸漬後5%硝酸で中和し水洗し乾燥)を施した。
次にそのアルミニウム製板にスプレーにてコーティング用ワニス−1(樹脂組成物(1))を厚みが12μmとなるように塗布し、この塗膜付きアルミニウム製板を80℃乾燥機中に30分間放置し乾燥させ、さらに200℃乾燥機中に10分間放置し被膜を硬化させて第1硬化被膜を形成した。
続いて第1硬化被膜の表面にスプレーにてコーティング用ワニス−2(樹脂組成物(2))を厚みが12μmとなるように塗布し、この塗膜付きアルミニウム製板を80℃乾燥機中に30分間放置し乾燥させ、さらに200℃乾燥機中に50分間放置し被膜を硬化させて第2硬化被膜を形成した。
こうして二層構造コーティング膜厚10μmのアルミニウム製テストピースを得た。

<熱伝導率>
レーザーフラッシュ法にて熱伝導率の測定を行った。測定結果は121W/m・kであった。コーティングを施す前のアルミニウム製板についての熱伝導率測定値(比較例1)に対して30%以下の低下に抑えることができた。結果は表1に示す。
<耐食試験>
上記テストピースを、硝酸、酢酸、ギ酸からなるpH=2の水溶液に50℃で3日間浸漬し、外観を観察し重量変化を測定したところ、外観は変化なく重量減少が0.0041gと極めて小さな値であった。結果は表1に示す。
<耐熱性試験>
上記テストピースを180℃の乾燥機中に5週間保存し、空気酸化劣化による外観変化を観察し重量変化を測定したところ、外観は変化なく重量減少が0.0035gと極めて小さな値であった。結果は表1に示す。

(実施例2)
実施例1のコーティング用ワニスを以下のコーティング用ワニス−3(樹脂組成物(1))、コーティング用ワニス−4(樹脂組成物(2))に切り替える以外は実施例1と同様の操作でテストピースを作製し、熱伝導率の測定、耐食試験、耐熱性試験を実施した。結果は表1に示す通りいずれも良好であった。
(第1硬化被膜用)
三菱化学社製エピコート1001:24重量部、アイカSDKフェノール社フェノール樹脂「BRL−240」:16重量部を、MEK:50重量/水:30重量部から成る溶剤に溶解し、生成した溶液に2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール(DMP−30):0.4重量部を添加し、さらにここへ伊東黒鉛工業社製の鱗片状黒鉛(グラファイト) CNP7:2重量部を加え、コーティング用ワニス−3(樹脂組成物(1))を作製した。
(第2硬化被膜用)
大和化成工業社製ビスマレイミドBMI−1100:15重量部、アリル化フェノール樹脂BRG556CL:15重量部、Inchem社製フェノキシ樹脂PKHB:10重量部を、γ−ブチロラクトン:60重量に溶解したものに、伊東黒鉛工業社製の鱗片状黒鉛(グラファイト)CNP7:2.5重量部を加え、コーティング用ワニス−4(樹脂組成物(2))を作製した。

(実施例3)
実施例1のコーティング用ワニスを以下のコーティング用ワニス−5(樹脂組成物(1))に切り替える以外は実施例1と同様の操作でテストピースを作製し、熱伝導率の測定、耐食試験、耐熱性試験を実施した。結果は表1に示す通りいずれも良好であった。
(第1硬化被膜用)
三菱化学社製エピコート828:20重量部、アイカSDKフェノール社フェノール樹脂「BRL−240」:20重量部を、MEK:50重量/水:60重量部から成る溶剤に溶解し、生成した溶液に2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール(DMP−30):0.4重量部を添加し、さらにここへ伊東黒鉛工業社製の鱗片状黒鉛(グラファイト)CNP7:6重量部を加え、コーティング用ワニス−5(樹脂組成物(1))を作製した。
(第2硬化被膜用)
実施例1のものと同じコーティング用ワニス−2(樹脂組成物(2))を使用した。

(実施例4)
実施例1のコーティング用ワニスを以下のコーティング用ワニス−6(樹脂組成物(1))、コーティング用ワニス−7(樹脂組成物(2))に切り替える以外は実施例1と同様の操作でテストピースを作製し、熱伝導率の測定、耐食試験、耐熱性試験を実施した。結果は表1に示す通りいずれも良好であった。
(第1硬化被膜用)
三菱化学社製エピコート828:20重量部、アイカSDKフェノール社フェノール樹脂「BRL−240」:20重量部を、MEK:50重量/水:60重量部から成る溶剤に溶解し、生成した溶液に2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール(DMP−30):0.4重量部を添加して、コーティング用ワニス−6(樹脂組成物(1))を作製した。
(第2硬化被膜用)
大和化成工業社製ビスマレイミドBMI−1100:15重量部、アリル化フェノール樹脂 BRG556CL:15重量部、Inchem社製フェノキシ樹脂PKHB:10重量部を、γ−ブチロラクトン:60重量に溶解して、コーティング用ワニス−7(樹脂組成物(2))を作製した。

(比較例1)
コーティングを施す前の厚み:2mmのアルミニウム製板(表:3000番、裏:4000番でろう付け)を準備し、熱伝導率の測定、耐食試験、耐熱性試験を実施した。結果は表1に示す通りであって、熱伝導率は161W/m・kで耐熱性は良好であったが、耐食性が著しく悪く、このアルミニウム製板は使用できないことを確認した。

(比較例2)
厚み:2mmのSUS304の板を準備し、熱伝導率の測定、耐食試験、耐熱性試験を実施した。結果は表1に示す通りであって、耐食性、耐熱性は良好であったが、熱伝導率が16W/m・kと著しく低かった。

(実施例5)
産業機械用のアルミニウム製オイルクーラー(昭和電工社製)を用意し、そのオイル入口と出口に栓をし、以下の手順で表面全体に樹脂コーティングを施した。
<第1硬化被膜コーティング>
実施例1で使用したコーティング用ワニス−1(樹脂組成物(1))にアルミニウム製オイルクーラーを1分間浸漬し、引き揚げて液を切った後エアーブローで余剰のワニスを吹き飛ばした。こうして同オイルクーラーの表面全体に厚み12μmの塗膜を形成した。この塗膜付きオイルクーラーを80℃乾燥機中に30分間放置し乾燥させ、さらに200℃乾燥機中に10分間放置し被膜を硬化させて第1硬化被膜を形成した。
<第2硬化被膜コーテイング>
冷却後、実施例1で使用したコーティング用ワニス−2(樹脂組成物(2))に第1硬化被膜付きオイルクーラーを1分間浸漬し、引き揚げて液を切った後エアーブローで余剰のワニスを吹き飛ばした。こうして同オイルクーラーの第1硬化被膜の表面全体に厚み12μmの塗膜を形成した。この塗膜付きオイルクーラーを80℃乾燥機中に30分間放置し乾燥させ、さらに200℃乾燥機中に50分間放置し被膜を硬化させて第2硬化被膜を形成した。
こうして二層構造硬化被膜(全膜厚10μm)のコーティングを施したアルミニウム製オイルクーラー(樹脂コートオイルクーラー)を作製した。
<熱交換実験>
硬化被膜コーテイングを施したアルミニウム製オイルクーラーのオイル入口と出口にゴムホースを繋ぎ、同オイルクーラーを水温16.5℃の井戸の中に沈め、これに30℃の不凍液を13リットル/分、流したところ、出口で不凍液の温度が24℃になることを確認した。
Figure 0006723145

Claims (9)

  1. アルミニウム物品表面に(A)エポキシ樹脂と(B)フェノール樹脂とを含む樹脂組成物(1)から形成された厚み20μm以内の第1硬化被膜と、
    第1硬化被膜の表面に(C)イミド環を有する化合物を含有する樹脂組成物(2)から形成された厚み20μm以内の第2硬化被膜との
    二層構造コーティング膜でアルミニウム物品表面が被覆され
    (C)イミド環を有する化合物がビスマレイミドまたはビスマレイミドとアリル化合物との組合せであることを特徴とする樹脂コーティングを施したアルミニウム物品。
  2. 樹脂組成物(1)および/または樹脂組成物(2)がさらに(D)カーボンフィラーを含むことを特徴とする、請求項1に記載の樹脂コーティングを施したアルミニウム物品。
  3. (D)カーボンフィラーがグラファイトであることを特徴とする、請求項2に記載の樹脂コーティングを施したアルミニウム物品。
  4. アルミニウム物品表面がろう付け部分を含むことを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の樹脂コーティングを施したアルミニウム物品。
  5. アルミニウム物品が熱交換器の構成部材であることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の樹脂コーティングを施したアルミニウム物品。
  6. アルミニウム物品表面に、(A)エポキシ樹脂と(B)フェノール樹脂とを含む樹脂組成物(1)を溶剤で希釈してなる樹脂液を、硬化後の被膜厚みが20μm以内になるように塗布し、溶剤を揮発させた後、180〜250℃の焼き付け温度で被膜を硬化させて第1硬化被膜を成形し、
    次に、第1硬化被膜の表面に、(C)イミド環を有する化合物を含有する樹脂組成物(2)を溶剤で希釈してなる樹脂液を、硬化後の被膜厚みが20μm以内になるように塗布し、溶剤を揮発させた後、180〜250℃の焼き付け温度で被膜を硬化させて第2硬化被膜を成形し、
    (C)イミド環を有する化合物がビスマレイミドまたはビスマレイミドとアリル化合物
    との組合せであることを特徴とする樹脂コーティングを施したアルミニウム物品の製造方法。
  7. 樹脂組成物(1)および/または樹脂組成物(2)がさらに(D)カーボンフィラーを含むことを特徴とする、請求項6に記載の樹脂コーティングを施したアルミニウム物品の製造方法。
  8. (D)カーボンフィラーがグラファイトであることを特徴とする、請求項7に記載の樹脂コーティングを施したアルミニウム物品の製造方法。
  9. アルミニウム物品が、組み合わせたアルミニウム部材どうしをろう付けして作製したものであることを特徴とする、請求項6ないし8のいずれか1項に記載の樹脂コーティングを施したアルミニウム物品の製造方法。
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