JP2005146366A - 摺動部材 - Google Patents

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仁俊 村瀬
Toshihisa Shimo
俊久 下
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学 杉浦
Takahiro Sugioka
隆弘 杉岡
Takahiro Hoshida
隆宏 星田
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Abstract

【課題】耐焼付性及び耐摩耗性等の更なる向上を図ることができる摺動部材を提供する。
【解決手段】アルミニウム系等からなる基材と、基材の摺動面側に形成されたポリアミドイミドからなる樹脂中間層と、樹脂中間層上に形成された二硫化モリブデン,グラファイト及びフッ素化合物から選択された少なくとも1種類を含む固体潤滑剤とポリアミドイミドとを混合した混合剤からなる固体潤滑剤表面層とを有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、摺動部材に関するものである。
例えば、斜板式圧縮機の斜板等の摺動部材は、耐焼付性及び耐摩耗性等の向上を図るために基材の表面に皮膜を形成している。この皮膜として、例えば、固体潤滑剤と耐熱性樹脂との混合剤からなるものや、さらに基材とその混合剤との中間にスズ等の中間層を形成したもの等がある(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開平11−13638号公報 特開2002−317763号公報 特開平10−246192号公報
近年では、更なる信頼性を確保するために、摺動部材の耐焼付性及び耐摩耗性等の更なる向上が求められている。
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、耐焼付性及び耐摩耗性等の更なる向上を図ることができる摺動部材を提供することを目的とする。
そこで、本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、基材と固体潤滑剤及び樹脂の混合剤表面層(固体潤滑剤表面層)との間に樹脂層(樹脂中間層)を形成することを思いつき、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の摺動部材は、 基材と、前記基材の摺動面側に形成された中間層用耐熱性樹脂からなる樹脂中間層と、前記樹脂中間層上に形成された固体潤滑剤と表面層用耐熱性樹脂とを混合した混合剤からなる固体潤滑剤表面層と、を有することを特徴とする。つまり、本発明の摺動部材は、基材と固体潤滑剤表面層との間に樹脂中間層を形成している。これにより、摺動部材の耐焼付性及び耐摩耗性の更なる向上を図ることができる。
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。
前記中間層用耐熱性樹脂は、前記表面層用耐熱性樹脂と同種であるようにするとよい。中間層用耐熱性樹脂と表面層用耐熱性樹脂とが同種であることにより、中間層と表面層の密着性がより良好となる。その結果、耐焼付性及び耐摩耗性をより向上させることができる。なお、中間層用耐熱性樹脂と表面層用耐熱性樹脂とが異種である場合であっても、耐焼付性及び耐摩耗性は十分に向上する。
また、前記中間層用耐熱性樹脂は、ポリアミドイミド樹脂,ポリイミド樹脂,エポキシ樹脂,フェノール樹脂の何れかであるとよい。なお、前記表面層用耐熱性樹脂も同様に、ポリアミドイミド樹脂,ポリイミド樹脂,エポキシ樹脂,フェノール樹脂の何れかであるとよい。コスト及び表面層用耐熱性樹脂の場合にはさらにバインダ樹脂としての特性を考慮すると、ポリアミドイミド樹脂が最適である。この表面層用耐熱性樹脂は、固体潤滑剤表面層に対して20〜80体積%、好ましくは40〜65体積%である。また、前記樹脂中間層は、膜厚が0.1〜20μmであるとよい。より好ましくは、樹脂中間層の膜厚が、0.1〜5μmであるとよい。これにより、確実に耐焼付性及び耐摩耗性を向上することができる。
また、前記樹脂中間層は、80〜200℃の温度範囲で乾燥又は焼成されてなるようにしてもよい。例えば、80℃の温度で樹脂中間層を乾燥した場合であっても、200℃で樹脂中間層を焼成した場合であっても、何れの場合も耐焼付性及び耐摩耗性の向上を図ることができる。これにより、例えば、後工程である固体潤滑剤表面層の形成工程が200℃で焼成する場合には、この固体潤滑剤表面層の製造ラインを利用することができるため、製造コストを低減することができる。すなわち、他の製造工程等に応じて、より製造コストの低減可能な乾燥温度又は焼成温度を設定することができる。
前記固体潤滑剤は、二硫化モリブデン,グラファイト及びフッ素化合物から選択された少なくとも1種類を含むようにするとよい。なお、フッ素化合物は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE),エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE),テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレンコポリマー(FEP)等である。なお、二硫化モリブデンは、耐摩耗性を向上させるために平均一次粒径が0.1〜40μm、好ましくは1〜10μmのものを用いるのがよい。グラファイトは、層内の密着性を良好にするために、平均一次粒径が0.1〜10μm、好ましくは1〜5μmのものを用いるのがよい。フッ素化合物は、平均一次粒径が0.1〜5μm、好ましくは1〜3μmのものを用いるのがよい。
また、前記固体潤滑剤表面層は、さらに、硬質粒子,極圧剤,界面活性剤,シランカップリング剤,加工安定剤,酸化防止剤のうち何れか又は全ての表面層用添加剤を含有するようにしてもよい。なお、前記樹脂中間層は、硬質粒子,極圧材,界面活性剤,シランカップリング剤,加工安定剤,酸化防止剤,固体潤滑剤のうち何れか又は全ての中間層用添加剤を含有し、前記樹脂中間層における前記中間層用添加剤の含有割合は、前記固体潤滑剤表面層における前記固体潤滑剤及び前記表面層用添加剤の含有割合を超えない範囲であるとよい。また、前記樹脂中間層は、硬質粒子,極圧材,界面活性剤,シランカップリング剤,加工安定剤,酸化防止剤,固体潤滑剤の何れも含有しないようにしてもよい。これにより、摺動部材の耐焼付性及び耐摩耗性をより向上することができる。
ここで、硬質粒子は、例えば、アルミナ,シリカ,炭化ケイ素,窒化ケイ素等である。極圧剤は、例えば、硫化亜鉛(ZnS)や硫化銀(Ag2S)等の硫黄含有金属化合物等である。界面活性剤は、例えば、フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤等である。シランカップリング剤は、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1、3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、特殊アミノシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等である。
加工安定剤は、例えば、2官能型加工安定剤、単剤添加型加工安定剤等である。2官能型加工安定剤としては、住友化学工業製の品名「Sumilizer GM」(化学名:2−tert−Butyl−6−(3−tert−butyl−2−hydroxy−5−methylbenzyl)−4−methylphenyl acrylate)、住友化学工業製の品名「Sumilizer GS(F)」(化学名:2−[1−(2−hydroxy−3,5−di−tert−pentylphenyl)ethyl]−4,6−di−tert−pentylphenyl acrylate)等がある。単剤添加型(SA−System)加工安定剤としては、住友化学工業製の品名「Sumilizer GP」(化学名:6−[3−(3−t−Butyl−4−hydroxy−5−methylphenyl)propoxy]−2,4,8,10−tetra−t−butyldibenz[d,f][1,3,2])等がある。
酸化防止剤は、例えば、フェノール系一次酸化防止剤、有機イオウ系二次酸化防止剤、アミン系一次酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤等である。フェノール系一次酸化防止剤としては、住友化学工業製の品名「Sumilizer MDP−S2」(化学名:2’−Methylenebis(6−tert−butyl−4−methylphenol)、住友化学工業製の品名「Sumilizer BBM−S」(化学名:4,4’−Butylidenebis(6−tert−butyl−3−methylphenol)、住友化学工業製の品名「Sumilizer WX−R WX−RA WX−RC」(化学名:4,4’−Thiobis(6−tert−butyl−3−methylphenol))、住友化学工業製の品名「Sumilizer NW(N)」(科学名:Alkylated bisphenol)、住友化学工業製の品名「Sumilizer GA−80」(化学名:3,9−Bis[2−〔3−(3−tert−butyl−4−hydroxy−5−methylphenyl)propionyloxy〕−1,1−dimethylethyl]−2,4,8,10−tetraoxaspiro[5・5]undecane)等がある。有機イオウ系二次酸化防止剤としては、住友化学工業製の品名「Sumilizer MB」(化学名:2−Mercaptobenzimidazole)等がある。アミン系一次酸化防止剤としては、住友化学工業製の品名「Sumilizer 9A」(化学名:Alkylated diphenylamine)等がある。ホスファイト系酸化防止剤としては、旭電化工業製の品名「アデカスタブPEP−36」等がある。
樹脂中間層における中間層用添加剤の含有割合が固体潤滑剤表面層における固体潤滑剤及び表面層用添加剤の含有割合を超えない範囲とは、例えば以下の場合等である。例えば、固体潤滑剤表面層が、固体潤滑剤の含有割合が50体積%で、表面層用添加剤の含有割合が5体積%の場合には、固体潤滑剤表面層における固体潤滑剤及び表面層用添加剤の含有割合は55体積%となる。そして、樹脂中間層における中間層用添加剤の含有割合を55体積%未満とする。
また、前記基材は、アルミニウム系,鉄系,又はマグネシウム系材料からなる。アルミニウム系材料とは、アルミニウム(Al)を主成分とする金属材料である。鉄系材料とは、鉄(Fe)を主成分とする金属材料である。マグネシウム系材料とは、マグネシウム(Mg)を主成分とする金属材料である。
そして、前記基材の摺動面側は、メッキ処理,溶射処理,陽極酸化処理,化成処理,又は粗面形成処理がされていてもよい。これらの処理がされている場合には、耐焼付性及び耐摩耗性をより向上することができる。ここで、メッキ処理は、例えば、スズめっき処理,Niめっき処理,Cuメッキ処理等である。溶射処理は、例えば、Cu溶射処理,Al−Si溶射処理等である。陽極酸化処理は、例えば、基材がアルミニウム系材料である場合にはアルマイト処理等である。化成処理は、クロメート処理,ノンクロメート処理,リン酸亜鉛処理等である。粗面形成処理は、例えば、ショットブラスト,エッチング等である。
また、前記摺動部材は、圧縮機の摺動部材とすることができる。例えば、前記摺動部材は、斜板式圧縮機の斜板に用いることができる。例えば、斜板のうちシューと摺接する面を本発明の摺動部材とする。また、前記摺動部材は、圧縮機のシューに用いることができる。斜板式圧縮機の斜板とシューとは、運転初期に潤滑油がないドライ状態で相互に摺動する場合がある。このような非常に厳しいドライ状態で摺動する場合であっても、焼付きや摩耗などを起こさないことが望まれる。そこで、耐焼付性及び耐摩耗性をより向上した本発明の摺動部材を斜板式圧縮機の斜板やシュー等に用いることで、斜板やシューに要求される条件を十分に満たすことができる。
また、前記摺動部材は、圧縮機の駆動軸を支持するすべり軸受に用いることもできる。前記摺動部材は、ピストン式圧縮機の駆動軸に一体的に軸支されると共に前記駆動軸を前記ピストン圧縮機のハウジングに回転可能に枢支され、前記駆動軸と同期回転することで圧縮室と吸入圧力領域との間のガス通路を開閉可能とするロータリバルブに用いることもできる。前記摺動部材は、ピストン式圧縮機のピストンに用いることもできる。
次に、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。本実施例においては、本発明を斜板式圧縮機の斜板に適用した場合について説明する。
(斜板式圧縮機の構成)
図1に、斜板式圧縮機の構成を示す。図1に示すように、駆動軸1は、シリンダブロック2とフロントハウジング3により形成される斜板室4に収容されており、ラジアル軸受により回転自在に支持されている。そして、シリンダブロック2内には、駆動軸1を囲む位置に複数個のボア5が配設されている。各ボア5には、片頭形のピストン6がそれぞれ往復動可能に嵌挿されている。斜板室4内においては、駆動軸1にはロータ7が結合され、そのロータ7の後方に斜板8が嵌合されている。特に、可変容量型の片頭型斜板式圧縮機では、斜板8は支点回りに傾動可能となっており、斜板室4の圧力変化に基づくピストン6の両端面に作用するガス圧の釣り合いによって、斜板8の傾角変位を制御するようになっている。また、斜板8には、両端面外周側に平滑な摺接面8aが形成され、この摺接面8aにはシュー9が当接されている。これらのシュー9は、ピストン6の半球面座6aと係合されている。このシューを介してピストン6が斜板8と連係することにより、斜板8の回転運動がピストン6の直線運動に変換されて媒体の圧縮が行われる。
(斜板8の無潤滑焼付き試験)
次に、本発明の摺動部材の効果を確認するために、斜板8の無潤滑焼付き試験を行った。具体的には、図2に示すように、固定されたシュー9の上面を斜板8を鉛直軸回りに回転させることにより行った。なお、シュー9は、軸受鋼からなる。
ここで、本試験における斜板8のうちのシュー9との摺接面8aの概略構成を図3に示す。図3に示すように、斜板8の基材81にはアルミニウム合金A390を使用している。具体的には、なお、実施例6における基材81は、基材81の表面層にスズメッキ処理を施している。また、実施例7における基材81は、基材81の表面層にアルマイト処理を施している。また、実施例8及び比較例2における基材81は、ショットブラストを行い粗面形成化処理を施している。このときの基材81の表面粗さは、Rz4〜5である。
斜板8の摺接面8aにおける基材81の摺動面側には、ポリアミドイミド樹脂(PAI)からなる樹脂中間層82を形成している。この樹脂中間層82は、主としてPAI樹脂ワニスをエアスプレーにより、基材81の摺動面側にコーティングした後に80℃の温度雰囲気にて1時間乾燥することにより形成した。ただし、実施例9の樹脂中間層82は、コーティングした後に200℃の温度雰囲気にて1時間焼成した。また、この樹脂中間層82の膜厚は、それぞれの実施例毎に所定の厚さに変更して試験を行った。具体的には、実施例1の樹脂中間層82の膜厚は0.1μmとし、実施例2の樹脂中間層82の膜厚は1μmとし、実施例3,6,7,8,9,10,11,比較例3の樹脂中間層82の膜厚は5μmとし、実施例4の樹脂中間層82の膜厚は10μmとし、実施例5の樹脂中間層の膜厚は20μmとした。なお、比較例1,2の斜板8は、樹脂中間層82を有しない。
この樹脂中間層82上(摺動面側)には、固体潤滑剤表面層83を形成している。まずは、PAI樹脂30質量%,溶剤(n−メチル−2−ピロリドン56質量%,キシレン14質量%)70質量%からなるPAI樹脂ワニスと、平均一次粒径1μmの二硫化モリブデンと、平均一次粒径5μmのグラファイトと、平均一次粒径0.3μmのPTFEとを用意する。そして、固体潤滑剤表面層83は、PAI樹脂ワニスに固体潤滑剤である二硫化モリブデン(MoS2)、グラファイト及びPTFEを所定割合で配合してよく攪拌した後に、3本ロールミルを通して固体潤滑剤表面層の塗料組成物を作成した。そして、実施例10及び実施例11を除く実施例及び比較例の固体潤滑剤表面層の組成は、PAIを50体積%,二硫化モリブデンを20体積%,グラファイトを20体積%,PTFEを10体積%とした。実施例10の固体潤滑剤表面層の組成は、PAIを55体積%,二硫化モリブデンを15体積%,グラファイトを10体積%,PTFEを20体積%とした。実施例11の固体潤滑剤表面層の組成は、PAIを60体積%,二硫化モリブデンを30体積%,PTFEを10体積%とした。この塗料組成物は、塗装方法(スプレーコート、ロールコート等)の種類により任意に溶剤n−メチル−2−ピロリドン、キシレン又はこれらの混合溶剤により希釈する。このようにして得られた材料をエアスプレーにより、樹脂中間層82上(摺動面側)にコーティングをした後に200℃の温度雰囲気にて約1時間焼成することにより、固体潤滑剤表面層83を形成した。なお、この固体潤滑剤表面層83の膜厚は20μmとしている。
また、実施例12〜15及び比較例3は、樹脂中間層82に中間層用添加剤を含有させている。具体的には、実施例12の樹脂中間層82には、シランカップリング剤を添加している。すなわち、実施例12の樹脂中間層82は、PAI樹脂の固形分濃度に対して3重量%のシランカップリング剤をPAI樹脂ワニスに添加している。実施例13の樹脂中間層82には、エポキシ樹脂を添加している。すなわち、実施例13の樹脂中間層82は、PAI樹脂の固形分濃度に対して5重量%のエポキシ樹脂をPAI樹脂ワニスに添加している。実施例14,実施例15及び比較例3の樹脂中間層82は、中間層用添加剤として固体潤滑剤を添加したものである。具体的には、表2に示すように、実施例14及び実施例15は、樹脂中間層82における中間層用添加剤の含有割合が、固体潤滑剤表面層83における表面層用添加剤の含有割合より少ない場合である。一方、比較例3は、樹脂中間層82における中間層用添加剤の含有割合が、固体潤滑剤表面層83における表面層用添加剤の含有割合より多い場合である。
このようにして形成した斜板8を用いて、滑り速度10m/s、荷重2000Nの条件で潤滑油なしの無潤滑下で試験を行い、斜板8の摺接面8aの摩擦係数とその摺接面8aが焼付きまでの時間を測定した。その試験結果を表1に示す。表2は、表1における実施例14,実施例15及び比較例3の樹脂中間層82の組成について示す。
Figure 2005146366
Figure 2005146366
表1に示すように、樹脂中間層82の膜厚0.1〜20μmに変更した実施例1〜5と比較例1とを比較すると、何れの実施例も摩擦係数は低減し、焼付きまでの時間は延長していることが分かる。特に、樹脂中間層82の膜厚が0.1〜5μmである実施例1〜3の場合が、摩擦係数が低減し焼付きまでの時間がより長くなっていることが分かる。
また、実施例6〜8に示すように基材81にそれぞれの表面処理を施した場合であっても、摩擦係数が低減し、焼付きまでの時間が延長していることが分かる。つまり、表面処理を施した基材に対しても、樹脂中間層の効果を十分に発揮していることになる。特に、基材81の表面層にショットブラストを行い粗面化した場合の実施例8と比較例2とを比較すると、摩擦係数は僅かに低減しているが、焼付きまでの時間は大きく延長していることが分かる。
また、実施例9に示すように樹脂中間層82を200℃焼成した場合には、比較例1に対して、焼付きまでの時間が延長していることが分かる。すなわち、樹脂中間層82を200℃で焼成した場合であっても十分に樹脂中間層の効果を発揮している。また、実施例10及び実施例11に示すように固体潤滑剤表面層の組成を変更した場合にも、比較例1に対して、摩擦係数は低減し、焼付きまでの時間は延長していることが分かる。このように、固体潤滑剤表面層の組成に関わらず樹脂中間層は耐焼付性及び耐摩耗性に対する効果を十分に発揮している。
また、実施例12及び実施例13に示すように、樹脂中間層82にシランカップリング剤若しくはエポキシ樹脂を添加した場合であっても、焼付きまでの時間は大きく延長していることが分かる。
また、実施例14,実施例15及び比較例3を比較すると、樹脂中間層82における中間層用添加剤の含有割合を、固体潤滑剤表面層83における表面層用添加剤の含有割合より少なくした場合に、焼き付きまでの時間を確実に延長している。
斜板式圧縮機を示す図である。 斜板の無潤滑焼付き試験を説明する図である。 斜板の摺接面の概略構成を示す図である。
符号の説明
1・・・駆動軸、 2・・・シリンダブロック、 3・・・フロントハウジング、 4・・・斜板室、 5・・・ボア、 6・・・ピストン、 6a・・・半球面座、 7・・・ロータ、 8・・・斜板、8a・・・摺接面、 9・・・シュー、 81・・・基材、 82・・・樹脂中間層、 83・・・固体潤滑剤表面層

Claims (16)

  1. 基材と、
    前記基材の摺動面側に形成された中間層用耐熱性樹脂からなる樹脂中間層と、
    前記樹脂中間層上に形成された固体潤滑剤と表面層用耐熱性樹脂とを混合した混合剤からなる固体潤滑剤表面層と、
    を有することを特徴とする摺動部材。
  2. 前記中間層用耐熱性樹脂は、前記表面層用耐熱性樹脂と同種である請求項1記載の摺動部材。
  3. 前記中間層用耐熱性樹脂は、ポリアミドイミド樹脂,ポリイミド樹脂,エポキシ樹脂,フェノール樹脂の何れかである請求項1記載の摺動部材。
  4. 前記樹脂中間層は、膜厚が0.1〜20μmである請求項1記載の摺動部材。
  5. 前記固体潤滑剤は、二硫化モリブデン,グラファイト及びフッ素化合物から選択された少なくとも1種類を含む請求項1記載の摺動部材。
  6. 前記固体潤滑剤表面層は、さらに、硬質粒子,極圧剤,界面活性剤,シランカップリング剤,加工安定剤,酸化防止剤のうち何れか又は全ての表面層用添加剤を含有する請求項1記載の摺動部材。
  7. 前記樹脂中間層は、硬質粒子,極圧材,界面活性剤,シランカップリング剤,加工安定剤,酸化防止剤,固体潤滑剤のうち何れか又は全ての中間層用添加剤を含有し、
    前記樹脂中間層における前記中間層用添加剤の含有割合は、前記固体潤滑剤表面層における前記固体潤滑剤及び前記表面層用添加剤の含有割合を超えない範囲である請求項6記載の摺動部材。
  8. 前記樹脂中間層は、硬質粒子,極圧材,界面活性剤,シランカップリング剤,加工安定剤,酸化防止剤,固体潤滑剤の何れも含有しない請求項6記載の摺動部材。
  9. 前記基材は、アルミニウム系,鉄系,又はマグネシウム系材料からなる請求項1記載の摺動部材。
  10. 前記基材の摺動面側は、メッキ処理,溶射処理,陽極酸化処理,化成処理,又は粗面形成処理がされている請求項1記載の摺動部材。
  11. 前記摺動部材は、圧縮機の摺動部材である請求項1記載の摺動部材。
  12. 前記摺動部材は、斜板式圧縮機の斜板である請求項11記載の摺動部材。
  13. 前記摺動部材は、圧縮機のシューである請求項11記載の摺動部材。
  14. 前記摺動部材は、圧縮機の駆動軸を支持するすべり軸受である請求項11に記載の摺動部材。
  15. 前記摺動部材は、ピストン式圧縮機の駆動軸に一体的に軸支されると共に前記駆動軸を前記ピストン圧縮機のハウジングに回転可能に枢支され、前記駆動軸と同期回転することで圧縮室と吸入圧力領域との間のガス通路を開閉可能とするロータリバルブである請求項11記載の摺動部材。
  16. 前記摺動部材は、ピストン式圧縮機のピストンである請求項11記載の摺動部材。
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