JP2018184333A - 窒化珪素基板の製造方法、及び窒化珪素基板 - Google Patents
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前記珪素が全て窒化したときに得られる窒化珪素(Si3N4)のモル数xと、前記希土類元素酸化物を三価の酸化物RE2O3(REは希土類元素)に換算したときのモル数yと、前記マグネシウム化合物をMgOに換算したときのモル数zとの合計(x+y+z)を100 mol%としたとき、前記原料粉末は、前記希土類元素酸化物(三価の酸化物RE2O3換算(REは希土類元素))の含有量[y/(x+y+z)]が0.5 mol%以上2 mol%未満、及び前記マグネシウム化合物(MgO換算)の含有量[z/(x+y+z)]が8 mol%以上15 mol%未満であり、
前記マグネシウム化合物が、前記マグネシウム化合物の合計に対して87質量%以上のMgSiN2を含み、
前記スラリー中の珪素粒子のBET比表面積(m2/g)及びメジアン径D50(μm)が、式:
1.5≦BET≦4.5、
2.5≦D50≦6、及び
13≦BET×D50≦18
(なおBETとはBET比表面積を表す。)を満たすことを特徴とする。
前記スラリーを作製する工程において、スラリー粘度が1 Pa・s以上15 Pa・s未満であり、
前記成形体を得る工程において、成形速度が600 mm/min.以下であり、
前記窒化珪素焼結体とする工程は、80 Pa以下の真空雰囲気下、900℃以上1300℃以下の雰囲気温度を保持し、前記成形体から炭素を除去する工程を含み、かつ前記成形体に10〜1000 Paの荷重が作用するよう加圧しながら焼結するのが好ましい。
前記粒界相が、希土類元素及びマグネシウムを含み、
断面写真において、面方向に引いた直線(10μm当たり)と交差する粒界の数nsと厚み方向に引いた直線(10μm当たり)と交差する粒界の数ntとの比:ns/ntが、
1<ns/nt≦1.3
を満たすような断面組織を有し、
前記窒化珪素粒子の平均長軸径が3〜15μm、及び粒子内の酸素量が0.05質量%以下であり、
相対密度が98%以上であることを特徴とする。
窒化珪素基板を製造する本発明の方法は、珪素、希土類元素酸化物及びマグネシウム化合物を含有する原料粉末を粉砕しスラリーを作製する工程、前記スラリーをシート状に成形し成形体を得る工程、及び前記成形体を窒素雰囲気中で焼結して前記珪素を窒化し窒化珪素焼結体とする工程を有し、前記珪素が全て窒化したときに得られる窒化珪素(Si3N4)のモル数xと、前記希土類元素酸化物を三価の酸化物RE2O3(REは希土類元素)に換算したときのモル数yと、前記マグネシウム化合物をMgOに換算したときのモル数zとの合計(x+y+z)を100 mol%としたとき、前記原料粉末は、前記希土類元素酸化物(三価の酸化物RE2O3換算(REは希土類元素))の含有量が0.5 mol%以上2 mol%未満、及び前記マグネシウム化合物(MgO換算)の含有量が8 mol%以上15 mol%未満であり、前記マグネシウム化合物が、前記マグネシウム化合物の合計に対して87質量%以上のMgSiN2を含み、前記スラリー中の珪素粒子のBET比表面積(m2/g)及びメジアン径D50(μm)が、式:1.5≦BET≦4.5、2.5≦D50≦6、及び13≦BET×D50≦18を満たすことを特徴とする。
前記スラリーを作製する工程において、スラリー粘度が1 Pa・s以上15 Pa・s未満であり、
前記成形体を得る工程において、成形速度が600 mm/min.以下であり、
前記窒化珪素焼結体とする工程は、80 Pa以下の真空雰囲気下、900℃以上1300℃以下の雰囲気温度を保持し、前記成形体から炭素を除去する工程を含み、かつ前記成形体に10〜1000 Paの荷重が作用するよう加圧しながら焼結することが好ましい。
本発明の方法では、珪素粉末に、焼結助剤として希土類元素酸化物及びマグネシウム化合物を、前記珪素が全て窒化したときに得られる窒化珪素(Si3N4)のモル数xと、前記希土類元素酸化物を三価の酸化物RE2O3(REは希土類元素)に換算したときのモル数yと、前記マグネシウム化合物をMgOに換算したときのモル数zとの合計(x+y+z)を100 mol%としたとき、前記希土類元素酸化物(三価の酸化物RE2O3換算(REは希土類元素))の含有量[y/(x+y+z)]が0.5 mol%以上2 mol%未満、及び前記マグネシウム化合物(MgO換算)の含有量[z/(x+y+z)]が8 mol%以上15 mol%未満(ただし、前記マグネシウム化合物は、前記マグネシウム化合物の合計に対して87質量%以上のMgSiN2を含む。)となるように添加して得られる原料粉末を、メディア分散等の方法で粉砕し、スラリーを作製する。
本発明で使用する珪素としては、工業的に入手可能なグレードの珪素粉末を使用することができる。粉砕前の珪素は、メジアン径D50が6 μm以上、BET比表面積が3 m2/g以下、酸素量が0.6質量%以下、及び珪素中の不純物C量が0.15質量%以下の粉末であるのが好ましく、メジアン径D50が7μm以上、BET比表面積が2.5 m2/g以下、酸素量が0.5質量%以下、及び珪素中の不純物C量が0.10質量%以下の粉末であるのがより好ましい。珪素粉末の純度は99%以上であるのが好ましく、99.5%以上であるのがより好ましい。珪素に含まれる不純物酸素は、反応焼結によって得られる窒化珪素基板の熱伝導を阻害する要因の一つなので、できるだけ少ない方が好ましい。さらに本発明では、後述するように、マグネシウム化合物からの酸素量を制限することで、珪素粉末に含まれる不純物酸素及びマグネシウム化合物からの酸素の総量が、窒化珪素に換算した珪素に対して、0.1〜1.1質量%の範囲となるように原料粉末を調整するのが好ましい。また、珪素に含まれる不純物炭素は、反応焼結によって得られる窒化珪素基板において、窒化珪素粒子の成長を阻害する。その結果、緻密化不足となり熱伝導や絶縁が低下する要因の一つとなる。
本発明に用いる希土類元素酸化物としては、入手が容易であり、また、酸化物として安定なY、Yb、Gd、Er、Lu等の酸化物が好ましい。希土類元素酸化物の具体例としては、Y2O3、Yb2O3、Gd2O3、Er2O3、Lu2O3等が挙げられる。希土類元素酸化物の含有量は、珪素(窒化珪素に換算)、希土類元素酸化物(三価の酸化物換算)及びマグネシウム化合物(MgO換算)の合計に対して、0.5 mol%以上2 mol%未満である。希土類元素酸化物の含有量が0.5 mol%未満である場合、焼結助剤としての効果が不十分となり密度が十分に上がらないため好ましくない。希土類元素酸化物の含有量が2 mol%以上である場合、低熱伝導率の粒界相が増えることにより焼結体の熱伝導率を下げるとともに、高価な希土類元素酸化物の使用量が増えることとなり好ましくない。希土類元素酸化物の含有量は、好ましくは0.6 mol%以上2 mol%未満であり、より好ましくは1 mol%以上1.8 mol%以下である。
マグネシウム化合物としては、Si、N又はOを含有するマグネシウム化合物を1種又は2種以上使用することができる。特に、酸化マグネシウム(MgO)、窒化珪素マグネシウム(MgSiN2)、ケイ化マグネシウム(Mg2Si)、窒化マグネシウム(Mg3N2)等を使用するのが好ましい。ここで、マグネシウム化合物の合計に対して、87質量%以上がMgSiN2となるように選択する。87質量%以上のMgSiN2を使用することにより、得られる窒化珪素基板中の酸素濃度を低減することができる。マグネシウム化合物中のMgSiN2が87質量%未満である場合、焼結後の窒化珪素粒子内の酸素量が多くなることで焼結体の熱伝導率が低い値となり好ましくない。マグネシウム化合物中のMgSiN2は好ましくは90質量%以上である。
珪素粉末に、焼結助剤として希土類元素酸化物及びマグネシウム化合物を所定の比率となるように添加して、分散媒(有機溶剤)及び必要に応じて分散剤を添加し、ボールミルで粉砕しスラリー(原料粉末の分散物)を作製する。メディアは直径5 mm以上、スラリー中の前記原料粉末の濃度(スラリー濃度とも言う。)は40質量%以上であるのが好ましく、6時間以上粉砕するのが好ましい。メディアは、窒化珪素の熱伝導率を下げる要因となるAlやFeを主成分としない材質のものを使用するのが好ましく、窒化珪素製であるのが特に好ましい。分散媒及び分散剤の種類は、特に限定されるものではなく、シート成形する方法等に応じて任意に選択することができる。
得られたスラリーに、必要に応じて分散媒、有機系バインダー、分散剤等を加えて、必要に応じて真空脱泡を行い、粘度を所定の範囲内に調整し、塗工用のスラリーを作製する。前記スラリー粘度は1 Pa・s以上15 Pa・s未満の範囲内に調整するのが好ましい。スラリーの粘度は、回転型粘度計を用いて、温度:25℃、回転数10 rpmで測定した値である。場合によっては、前述したように、分散媒の除去や置換を行ってもよい。作製した塗工用スラリーを、シート成形機を用いてシート状に成形し、所定の大きさに切断した後、乾燥することによってシート状成形体を得る。塗工用スラリー作製に用いる有機系バインダーは、特に限定されないが、PVB系樹脂(ポリビニルブチラール樹脂)、エチルセルロース系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられる。分散媒、有機系バインダー、分散剤等の添加量は塗工条件に応じて適宜調整するのが好ましい。
得られたシート状の成形体を窒素雰囲気下で焼結することにより、成形体に含まれる珪素を窒化した後、緻密化する。焼結工程は成形体中の有機バインダーを除去する脱脂工程、成形体中の炭素を除去する脱炭素工程、成形体中に含まれるSiと窒素を反応させて窒化させる窒化工程、及び窒化後に緻密化する緻密化焼結工程を含んでいる。これらの工程は、別々の炉で逐次的に行っても良いし、同じ炉で連続で行ってもよい。
本発明の窒化珪素基板は、窒化珪素粒子と前記窒化珪素粒子の粒界を形成する粒界相とを有する窒化珪素焼結体からなり、
前記粒界相が、希土類元素酸化物及びマグネシウム化合物を含み、
断面写真において、面方向に引いた直線(10μm当たり)と交差する粒界の数nsと厚み方向に引いた直線(10μm当たり)と交差する粒界の数ntとの比:ns/ntが、
1<ns/nt≦1.3
を満たすような断面組織を有し、
前記窒化珪素粒子の平均長軸径が3〜15μm、及び粒子内の酸素量が0.05質量%以下であり、
相対密度が98%以上であることを特徴とする。
焼結後の窒化珪素基板は、β相窒化珪素を主成分とし、希土類元素及びマグネシウムを含有する。希土類元素は単体の状態であってもよく、他の物質と化合物を形成していても良い。窒化珪素基板に含まれるマグネシウムは単体の状態であってもよいし、他の物質との化合物であってもよい。
断面写真において、面方向に引いた直線(10μm当たり)と交差する粒界の数nsと厚み方向に引いた直線(10μm当たり)と交差する粒界の数ntとの比:ns/ntが、1<ns/nt≦1.3を満たすような断面組織を有する。すなわち、本願発明の窒化珪素基板は、厚み方向の粒界の数が、面方向の粒界の数よりも多く存在する。このような組織を有することにより、面方向の熱伝導率よりも厚み方向の熱伝導率が高くなるため、窒化珪素粒子のサイズを小さくして粒界の数が増えた場合でも厚み方向の熱伝導率を高く保つことができ、窒化珪素基板の機械的強度と厚み方向の熱伝導率との両立が可能となる。
窒化珪素基板は、相対密度が98%以上の緻密な構造を有している。窒化珪素基板の相対密度が98%未満であると高い熱伝導率が得られない。このような緻密な窒化珪素基板は、ボイドによる熱伝導の阻害が起こりにくく、特に本発明の窒化珪素基板は、厚み方向の熱伝導率が115 W/m・K以上である。
(スラリー作製工程)
表1に示すように、BET比表面積が2.1 m2/g、メジアン径D50が8.2 μm、酸素量が0.3質量%の珪素粉末に、珪素(窒化珪素換算)、希土類元素酸化物(三価の酸化物換算)及びマグネシウム化合物(MgO換算)の合計に対して、1.2 mol%のY2O3の粉末及び9.8 mol%のマグネシウム化合物の粉末を焼結助剤として添加し、原料粉末を得た。この原料粉末に、表2に示すように、分散媒(トルエン)及び原料粉末の合計に対して0.5質量%の分散剤(ソルビタン酸トリオレート)を添加して、42質量%の濃度のスラリーとし、ボールミルを用いて、メディアとして窒化珪素製5φボールを使用し、24時間粉砕を行った。マグネシウム化合物は、酸化マグネシウム(MgO)と窒化珪素マグネシウム(MgSiN2)との10:90(質量比)の混合物を使用した。なおマグネシウム化合物の添加量は、マグネシウム化合物を全てMgOに換算したときのmol%で示した。粉砕前の珪素粉末のBET比表面積、メジアン径D50及び酸素量は、それぞれBET一点法のBET比表面積計、レーザー回折・散乱法の粒度分布計、及び不活性ガス融解-非分散型赤外線吸収法の酸素分析装置を用いて測定した。
注(2):Mg化合物(MgO+MgSiN2)中のMgSiN2の割合である。
得られたスラリーは、分散媒及び有機系バインダー(アクリル系樹脂)を加えて濃度調製し、脱泡処理を施してスラリー状の塗工液とした。この塗工用スラリーをドクターブレード法により、キャリアフィルムに塗工し、厚さ0.4 mmのシート状に成形し、45 mm×45 mmの大きさに切断し成形体を得た。なお、塗工時にキャリアフィルムを送る速度が成形速度に相当し、この成形速度を600 mm/min.以下とした。
得られたシート状成形体をBN粉末層(厚さ4.5μm)を挟んで複数枚積層し、BN板上に設置し、カーボン製ルツボ中、窒素雰囲気下(窒素分圧0.1 MPa)及び750℃で5時間脱脂し、BN製ルツボ中、真空下及び1000℃で1時間脱炭素し、BN製ルツボ中、窒素雰囲気下(窒素分圧0.1 MPa)及び1450℃で10時間窒化し、引き続きBN製ルツボ中、窒素雰囲気下(窒素分圧0.9 MPa)及び1900℃で12時間焼結し、窒化珪素焼結体からなる本発明の基板を得た。
珪素粉末、焼結助剤及び粉砕条件を表1及び表2に示すように変更した以外は試料No.1と同様にして原料粉末を粉砕し、分散媒及び有機系バインダー(アクリル系樹脂)を加えて濃度調製し、脱泡処理を施して塗工用スラリーを得た。粉砕後の珪素粒子の性状を表3に示す。この塗工用スラリーをドクターブレード法により試料No.1と同様にして塗工し、厚さ0.4 mmのシート状に成形した。得られたシートを45 mm×45 mmの大きさに切断しシート状成形体を得た。
珪素粉末、焼結助剤及び粉砕条件を表1及び表2に示すように変更した以外は試料No.1と同様にして原料粉末を粉砕し、分散媒及び有機系バインダー(アクリル系樹脂)を加えて濃度調製し、脱泡処理を施して塗工用スラリーを得た。使用した珪素粉末の炭素量は0.03質量%であった。粉砕後の珪素粒子の性状を表3に示す。得られた塗工用スラリーの粘度は、試料No.21及び22ともに5.0 Pa・sであった。この塗工用スラリーをドクターブレード法により、330 mm/min.の速度で塗工し、厚さ0.4 mmのシート状に成形した。得られたシートを45 mm×45 mmの大きさに切断し、シート状成形体を得た。なお珪素粉末中の炭素量は炭素分析計で測定した。
試料No.21及び22の窒化珪素基板の断面写真を撮影し、厚み方向及び面方向の粒界の数、粒界数の比及び平均長軸径を測定した。窒化珪素基板の面に垂直な断面を鏡面研磨した後、CF4ガスによるプラズマエッチング及び金蒸着の処理を逐次行ってSEM観察用試料を作製した。この試料を用いて断面のSEM写真を3000〜10000倍程度の倍率で撮影し、図1に示すような窒化珪素基板の断面の組織写真を得た。この組織写真に、厚み方向及び面方向に約2 μm間隔で8〜15本の線を引き、粒界(2粒子界面及び3重点。写真中で白い部分)を横切る数を数えた。その数を線の総長さで割り、厚み方向及び面方向の、10 μm当たりの粒界の数(ns及びnt)を求めた。結果を表6に示す。
粒子内酸素量、希土類元素(三価の酸化物RE2O3換算)の含有量及びマグネシウム(MgO換算)の含有量を以下のようにして測定した。粒内酸素量は、北山らにより報告されている方法(J. Am. Ceram. Soc.,82[11], 3263-3265 (1999).)に従い、微粉砕した窒化珪素焼結体から酸洗浄により粒界相を除去して、窒化珪素粒子を取り出した後、酸素分析計で測定した。希土類元素とマグネシウムの含有量はJIS R1603に準拠し、微粉砕した窒化珪素焼結体を酸に溶解した後、ICP発光分析計で測定した。結果を表7に示す。
Claims (6)
- 珪素、希土類元素酸化物及びマグネシウム化合物を含有する原料粉末を粉砕しスラリーを作製する工程、前記スラリーをシート状に成形し成形体を得る工程、及び前記成形体を窒素雰囲気中で焼結して前記珪素を窒化し窒化珪素焼結体とする工程を有する窒化珪素基板の製造方法であって、
前記珪素が全て窒化したときに得られる窒化珪素(Si3N4)のモル数xと、前記希土類元素酸化物を三価の酸化物RE2O3(REは希土類元素)に換算したときのモル数yと、前記マグネシウム化合物をMgOに換算したときのモル数zとの合計(x+y+z)を100 mol%としたとき、前記原料粉末は、前記希土類元素酸化物(三価の酸化物RE2O3換算(REは希土類元素))の含有量[y/(x+y+z)]が0.5 mol%以上2 mol%未満、及び前記マグネシウム化合物(MgO換算)の含有量[z/(x+y+z)]が8 mol%以上15 mol%未満であり、
前記マグネシウム化合物が、前記マグネシウム化合物の合計に対して87質量%以上のMgSiN2を含み、
前記スラリー中の珪素粒子のBET比表面積(m2/g)及びメジアン径D50(μm)が、
式:
1.5≦BET≦4.5、
2.5≦D50≦6、及び
13≦BET×D50≦18
(なおBETとはBET比表面積を表す。)を満たすことを特徴とする窒化珪素基板の製造方法。 - 請求項1に記載の窒化珪素基板の製造方法において、
粉砕前の前記珪素が、メジアン径D50が6 μm以上、BET比表面積が3 m2/g以下、及び酸素量が0.6質量%以下の粉末であることを特徴とする窒化珪素基板の製造方法。 - 請求項1又は2に記載の窒化珪素基板の製造方法において、前記原料粉末の粉砕は直径5 mm以上のメディアを用いて、スラリー中の前記原料粉末の濃度が40質量%以上で、ボールミルで6時間以上粉砕することを特徴とする窒化珪素基板の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の窒化珪素基板の製造方法において、
前記原料粉末中の珪素中の不純物C量が0.15質量%以下であり、
前記スラリーを作製する工程において、スラリー粘度が1 Pa・s以上15 Pa・s未満であり、
前記成形体を得る工程において、成形速度が600 mm/min.以下であり、
前記窒化珪素焼結体とする工程は、80 Pa以下の真空雰囲気下、900℃以上1300℃以下の雰囲気温度を保持し、前記成形体から炭素を除去する工程を含み、かつ前記成形体に10〜1000 Paの荷重が作用するよう加圧しながら焼結することを特徴とする窒化珪素基板の製造方法。 - 窒化珪素粒子と前記窒化珪素粒子の粒界を形成する粒界相とを有する窒化珪素焼結体からなる窒化珪素基板であって、
前記粒界相が、希土類元素及びマグネシウムを含み、
断面写真において、面方向に引いた直線(10μm当たり)と交差する粒界の数nsと厚み方向に引いた直線(10μm当たり)と交差する粒界の数ntとの比:ns/ntが、
1<ns/nt≦1.3
を満たすような断面組織を有し、
前記窒化珪素粒子の平均長軸径が3〜15μm、及び粒子内の酸素量が0.05質量%以下であり、
相対密度が98%以上であることを特徴とする窒化珪素基板。 - 請求項5に記載の窒化珪素基板において、
前記粒界相中の希土類元素(三価の酸化物RE2O3換算(REは希土類元素))の含有量が0.5〜2.3 mol%及びマグネシウム(MgO換算)の含有量が0.5〜10 mol%[ただし、窒化珪素(Si3N4)のモル数と、前記希土類元素を三価の酸化物RE2O3(REは希土類元素)に換算したときのモル数と、前記マグネシウムをMgOに換算したときのモル数との合計を100 mol%とする。]であることを特徴とする窒化珪素基板。
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