JP6717227B2 - ステータの製造方法 - Google Patents

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Description

本明細書は、ステータコアと、前記ステータコアのティースに集中巻で巻回されたステータコイルと、を有したステータの製造方法に関する。
回転電機のステータは、ステータコアと、当該ステータコアのティースに巻回されたステータコイルと、を有している。ステータコイルの態様としては、種々のバリエーションがあるが、広く知られた態様として、巻線を集中巻して三相コイルを構成するとともに、当該三相コイルをスター結線する態様がある。
集中巻では、各相コイルは、一つのティースに巻線を巻回して成る単コイルを複数有しており、同相の単コイルが直列接続される。ステータコアには、第1相の単コイル、第2相の単コイル、第3相の単コイルが、周方向に順番に繰り返し並ぶように配される。また、スター結線の場合、各相コイルの末端に設けられた中性線を互いに接合して中性点を形成する。
ここで、三相、すなわち、U相、V相、W相の単コイルが、この順番で、繰り返し配された場合を考える。この場合、W相コイルの単コイルのうち最下流に位置する単コイル(以下「最終単コイル」という)は、U相コイルの単コイルのうち最上流に位置する単コイル(以下「開始単コイル」という)に隣接することになる。例えば、図1に示す例では、U相の開始単コイルU1と、W相の最終単コイルW5が周方向に隣接する。このW相の最終単コイルW5とU相の開始単コイルU1との電位差は大きくなるため、W相の最終単コイルW5とU相の開始単コイルU1との間は、十分な絶縁距離が確保されている必要がある。しかし、W相の最終単コイルW5からは、中性点を形成するための中性線が延びており、U相の開始単コイルU1側に倒れやすくなっている。
特開2016−077111号公報
そこで、従来から、一つの相の最終単コイルが、他の相の開始単コイル側に倒れ込むことを防止し、ひいては、相間絶縁を十分に確保するための技術が提案されている。図14は、特許文献1に開示された技術を示す模式図である。特許文献1には、U相、V相、W相コイルが、集中巻かつスター結線された電動機のステータが開示されている。この特許文献1では、単コイルが、U相、V相、W相の順に、周方向に繰り返し並ぶように配されている。その結果、W相の最終単コイルW5と、U相の開始単コイルU1と、が周方向に隣接している。特許文献1では、図14に示すように、U相の最終単コイルU5の一部を、V相の最終単コイルV5に当接させている。これにより、U相、V相、W相の中性線24U,24V,24Wを接合した中性点が、U相の開始単コイルU1側に倒れこまないようにしている。
しかしながら、特許文献1の技術では、U相の最終単コイルU5の形状のみを、V相の最終単コイルV5に当接するような特殊形状にする必要があり、手間であった。そこで、U相の最終単コイルU5の一部をV相の最終単コイルV5に、事前に、当接させておくのではなく、接合の過程で当接させることも考えられる。すなわち、接合前の状態で、U相の最終単コイルU5を通常の形状とする一方で、最終単コイルU5の終端から延びる中性線24Uの末端位置を、図14において二点鎖線で示すように、V相の最終単コイルV5の末端位置から離間させておく。この状態で、U相の中性線24Uを、V相の中性線24Vに向かって倒せば、U相の最終単コイルU5の一部も、V相の最終単コイルV5に向かって倒れ、当接する。これにより、U相の最終単コイルU5を特殊形状にしなくても、相間絶縁を維持できる。
しかし、U相の中性線24Uを、V相の中性線24Vと離間させた場合において、U相の中性線24Uを周方向に倒すと、U相の中性線24Uの末端の軸方向高さが低下し、3本の中性線24U,24V,24Wの末端高さが不揃いとなる。この状態で、3本の中性線24U,24V,24Wを溶接接合すると、中性点20における溶融玉の形状が崩れてしまい、強度の低下や、接合不良等を招く。
そこで、本明細書では、中性点における溶融玉の形状をより安定させることができるステータの製造方法を開示する。
本明細書で開示するステータの製造方法は、ステータコアと、前記ステータコアのティースに集中巻で巻回されたステータコイルと、を有したステータの製造方法であって、前記ステータコイルは、中性点で電気的に接続された第1相コイル、第2相コイル、第3相コイルと、を有しており、各相コイルは、巻線をティースに巻回して成る複数の単コイルであって、互いに直列に接続された複数の単コイルと、前記複数の単コイルのうち最下流に位置する最終単コイルの終端から延びる中性線であって、末端が他の相の中性線と接合される接合部となる中性線と、を備えており、前記第2相の中性線は、対応する最終単コイルの終端から軸方向に延びており、前記第1相および第3相の中性線は、前記第2相の中性線の周方向両側に位置するとともに、対応する最終単コイルの終端から前記第2相の中性線に向かって周方向に延びた後に軸方向に延びており、前記中性点は、周方向に並んだ前記三つの相の接合部を、一対の挟持部材で周方向に挟持した状態で、接合することで形成され、前記接合部を挟持する前の状態で、前記第2相の接合部と前記第1相の接合部との周方向距離は、前記第2相の接合部と前記第3相の接合部との周方向距離よりも、大きく、前記接合部を挟持する際は、前記第1相の接合部に隣接する静止側挟持部材を静止させた状態で、前記第3相の接合部に隣接する可動側挟持部材を前記静止側挟持部材に向かって移動させる、ことを特徴とする。
かかる構成によれば、軸方向に延びる第2相の中性線と、当該第2相の中性線との周方向距離が短い第3相の中性線を、第2相の中性線との周方向距離が長い第1相の中性線に向かって移動させることになる。これにより、3つの中性線の末端高さのバラツキを低減でき、溶融玉の形状をより安定させることができる。
なお、前記第3相の最終単コイルは、前記第1相の前記複数の単コイルのうち最上流に位置する開始単コイルに周方向に隣接していてもよい。
かかる構成とすることで、中性点が、第1相の開始単コイル側に倒れにくくなり、第3相の最終単コイルと第1相の開始単コイルとの相間絶縁を維持しやすくなる。
また、前記第2相の中性線は、前記最終単コイルの周方向下流側端部から軸方向に延びており、前記第1相の最終単コイルは、前記第2相の最終単コイルの周方向上流側に隣接しており、前記第3相の最終単コイルは、前記第2相の最終単コイルの周方向下流側に隣接していてもよい。
かかる構成とすることで、第2相、第3相の揺動中心が、径方向内側に飛び出しにくくなり、ステータコイルとロータとのギャップの低下を抑制できる。
本明細書で開示するステータの製造方法によれば、軸方向に延びる第2相の中性線と、当該第2相の中性線との周方向距離が短い第3相の中性線を、第2相の中性線との周方向距離が長い第1相の中性線に向かって移動させることになる。これにより、3つの中性線の末端高さのバラツキを低減でき、溶融玉の形状をより安定させることができる。
ステータの軸方向視図である。 中性点近傍のステータコイルの構成を示す概略図である。 中性点の形成過程を示す図である。 中性点の形成過程を示す図である。 中性点の形成過程を示す図である。 挟持前の段階で、U相接合部およびW相接合部を、V相接合部に近接させた比較例を示す図である。 挟持のために、W相接合部を静止させ、U相接合部を移動させた比較例を示す図である。 (a)は、U相接合部の移動軌跡を、(b)は、V相接合部の移動軌跡を示す図である。 比較例の製造方法を示す図である。 比較例の製造方法を示す図である。 中性点近傍の概略軸方向視図である。 図11のA部拡大図である。 他の製造方法の一例を示す図である。 特許文献1に開示された技術を示す模式図である。
以下、回転電機のステータ10の製造について図面を参照して説明する。図1は、ステータ10の軸方向視図であり、図2は、中性点20近傍のステータコイル14の構成を示す概略図である。なお、以下の説明において、「周方向」、「軸方向」、「径方向」とは、ステータ10の周方向、軸方向、径方向を意味する。また、ステータ10の軸方向のうち、中性点20が設けられる側(図2の紙面上側)を「結線側」、中性点20が設けられていない側(図2の紙面下側)を「反結線側」と呼ぶ。
ステータ10は、積層電磁鋼板や圧粉磁芯等からなるステータコア12と、当該ステータコア12に巻回されたステータコイル14と、を有している。ステータコア12は、さらに、略環状のヨーク16と、当該ヨーク16の内周縁から径方向内側に突出する複数のティース18と、に大別される。複数のティース18は、周方向に等間隔に並んでいる。このティース18の個数は、3の倍数であれば特に限定されず、本例では、15個としている。各ティースには、絶縁部材(図示せず)を介して巻線が巻回されている。この絶縁部材は、ステータコイル14とステータコア12とを絶縁する。
ステータコイル14は、平角線である巻線をティース18に集中巻で巻回することで構成される。平角線(巻線)の表面には、隣接する平角線との間で絶縁を確保するためにエナメル加工が施されている。ただし、後述する中性線24U,24V,24Wの末端に設けられた接合部26U,26V,26Wの部分だけは、エナメル加工は、除去されており、導体が外部に露出している。
ステータコイル14は、三相のコイル、すなわち、U相コイル、V相コイル、W相コイルを有している。この三相コイルは、スター結線されており、その末端は互いに接合されて、中性点20を形成している。より具体的に説明すると、各相コイルは、1以上(図示例では五つ)の単コイルUi,Vi,Wi(i=1,2,・・・,5)から構成される。単コイルUi,Vi,Wiは、平角線からなる巻線を一つのティース18に巻回することで構成される。単コイルUi,Vi,Wiは、U相、V相、W相の順で周方向に繰り返し並んでいる。一つの相を構成する複数の単コイルUi,Vi,Wiは、その並びの順番で、直列に接続されている。以下では、これら複数の単コイルUi,Vi,Wiのうち、最も上流に配された単コイルU1,V1,W1を、「開始単コイル」と呼び、5番目(最後尾)に配された単コイルU5,V5,W5を「最終単コイル」と呼ぶ。また、U相の開始単コイルU1から他の単コイルを経てW相の最終単コイルW5に向かう向きを「周方向下流側」と呼び、その逆を、「周方向上流側」と呼ぶ。
いずれの単コイルUi,Vi,Wiにおいても、巻線の巻き始め(始端)は最外周に、巻き終わり(終端)は最内周に位置している。各単コイルUi,Vi,Wiは、渡り線22U,22V,22Wを介して、同相の他の単コイルUi,Vi,Wiに接続されている。渡り線22U,22V,22Wは、軸方向結線側端部において、周方向に延びて、一つの単コイルUi,Vi,Wiの終端と、同相の他の単コイルUi+1,Vi+1,Wi+1の始端とを接続する巻線部分である。したがって、例えば、U相単コイルU1の終端は、渡り線22Uを介して、U相単コイルU2の始端に接続され、U相単コイルU2の終端は、渡り線22Uを介して、U相単コイルU3の始端に接続される。
開始単コイルU1,V1,W1の始端は、インバータからの3相の電力ライン(図示せず)に接続されている。また、最終単コイルU5,V5,W5の終端からは、中性線24U,24V,24Wが延びている。中性線24U,24V,24Wは、必要に応じて屈曲された後、互いに接合され、中性点20を構成する。
ここで、図2に示す通り、また、既述した通り、単コイルUi,Vi,Wiは、この順番で繰り返し並ぶように配されている。そのため、U相最終単コイルU5は、4番目のW相単コイルW4に隣接し、W相最終単コイルW5は、U相開始単コイルU1に隣接している。
中性線24U,24V,24Wは、最終単コイルU5,V5,W5の終端30U,30V,30Wから延びる巻線部分であり、最終単コイルU5,V5,W5の軸方向結線側端部より軸方向外側に突出した巻線部分である。各最終単コイルU5,V5,W5の終端30U,30V,30Wは、図示例では、最終単コイルU5,V5,Wの周方向下流端(図2における左端)、かつ、軸方向結線側端部(図2における上端)に位置している。
各中性線24U,24V,24Wは、さらに、実際に接合されて中性点20を形成する接合部26U,26V,26Wと、当該接合部26U,26V,26Wと終端30U,30V,30Wを接続する中継部28U,28V,28Wと、に大別される。
三つの中性線24U,24V,24Wのうち、中央に位置するV相中性線24Vは、V相最終単コイルV5の終端30Vから、周方向に屈曲することなく、軸方向にほぼ真っ直ぐ延びている。したがって、V相中性線24Vにおいて、接合部26Vと中継部28Vは、一直線状に連続している。
W相中性線24Wは、V相中性線24Vに対して、周方向下流側に隣接する。このW相中性線24Wの中継部28Wは、W相最終単コイルW5の終端30Wから軸方向外側に延びた後、周方向に屈曲して、V相中性線24V近傍まで周方向に進む。接合部26Wは、中継部28Wの末端から軸方向外側に延びている。
U相中性線24Uは、V相中性線24Vに対して、周方向上流側に隣接する。このU相中性線24Uの中継部28Uは、U相最終単コイルU5の終端30Uから軸方向外側に延びた後、周方向に屈曲して、V相中性線24V近傍まで周方向に進む。接合部26Uは、中継部28Uの末端から軸方向外側に延びている。
つまり、U相中性線24UおよびW相中性線24Wは、V相中性線24Vの周方向両側に位置しており、三相の接合部26U,26V,26Wは、周方向に並んでいる。中性点20は、この三つの接合部26U,26V,26Wを、一対の挟持部材で挟持した状態で、互いに溶接接合することで形成される。ここで、この中性点20の形成の流れについて、図3〜図5を参照して説明する。図3〜図5は、中性点20の形成過程を示す図である。
既述した通り、三つの接合部26U,26V,26Wは、この順番で、周方向に隣接している。ただし、図3に示すように、挟持前の段階において、U相接合部26UとV相接合部26Vとの周方向距離Duvは、V相接合部26VとW相接合部26Wとの距離Dvwよりも、大きくなっている(Dvw<Duv)。これは、W相最終単コイルW5とU相開始単コイルU1との相間絶縁距離を確保するためであるが、これについては、後述する。
中性点20を形成する際には、この三つの接合部26U,26V,26Wを、静止側挟持部材40sと、可動側挟持部材40mと、で挟持する。静止側挟持部材40sおよび可動側挟持部材40m(以下、静止側と可動側とを区別しない場合は、単に「挟持部材40」という)は、スポット溶接の電極として機能する。この一対の挟持部材40が、接合部26U,26V,26Wを挟持した状態で通電されると、当該接合部26U,26V,26Wが互いに溶接され、接合される。
接合部26U,26V,26Wを挟持する際には、図4に示すように、静止側挟持部材40sは、U相接合部26Uの隣に、可動側挟持部材40mは、W相接合部26Wの隣に、配される。その後、可動側挟持部材40mを、静止側挟持部材40sに向かって移動させる。このとき、静止側挟持部材40sは、その場で静止させ続ける。
可動側挟持部材40mを移動させることで、W相接合部26WおよびV相接合部26Vが、U相接合部26Uへと移動する。そして、最終的には、図5に示すように、三つの接合部26U,26V,26Wが、一対の挟持部材40で挟持される。この状態になれば、挟持部材40にスポット溶接用の電流を印加し、接合部26U,26V,26Wを溶接し、接合する。これにより、中性点20が形成される。
ここで、これまでの説明で明らかな通り、本明細書で開示する方法では、挟持前の段階において、U相接合部26UとV相接合部26Vとの距離Duvを、V相接合部26VとW相接合部26Wとの距離Dvwより大きくしている。換言すれば、W相接合部26WをV相接合部26Vに近接させる一方で、U相接合部26UをV相接合部26Vから離している。かかる構成とするのは、W相最終単コイルW5とU相開始単コイルU1との絶縁距離を確保するためである。これについて図6を参照して説明する。図6は、挟持前の段階で、U相接合部26UおよびW相接合部26Wの双方を、V相接合部26Vに近接させた比較例を示す図である。
挟持前の段階で、U相接合部26UおよびW相接合部26Wの双方を、V相接合部26Vに近接させた場合、これら接合部26U,26V,26Wを接合して成る中性点20は、V相最終単コイルV5の終端30Vのほぼ真上に位置する。この場合、何らかの原因で、接合部26U,26V,26Wまたは中性点20に周方向下流側(開始単コイルU1側、図6における左側)の力がかかって、図6において二点鎖線で示すように、接合部26U,26V,26Wとともに、各最終単コイルU5,V5,W5の一部も、周方向下流側へと倒れ込むことがある。そして、W相最終単コイルW5の一部が、U相開始単コイルU1に接触して、相間絶縁が確保できないおそれがある。
一方、本明細書で開示する方法のように、予めU相接合部26Uを、V相接合部26Vから離間させるとともに、V相接合部26VおよびW相接合部26Wを、U相接合部26U側に押し付けたとする。この場合、図2に示すように、中性点20は、V相最終単コイルV5の終端30Vよりも、周方向上流側になる。そして、V相接合部26VおよびW相接合部26Wは、ともに、周方向上流側(開始単コイルU1から離れる側)に傾斜している。この状態において、接合部26U,26V,26Wまたは中性点20に周方向下流側の力がかかったとする。この場合、W相最終単コイルW5の一部が、U相開始単コイルU1に当接する前に、U相最終単コイルU5の一部が、隣接するV相最終単コイルV5に当接し、更なる、倒れ込みが規制される。その結果、中性点20等が、周方向下流側に押されても、W相最終単コイルW5とU相開始単コイルU1との絶縁距離が維持できる。つまり、三つの接合部26U,26V,26Wのうち、周方向中央の接合部26Vと開始単コイルU1側の接合部26Wとの距離Dvwよりも、周方向中央の接合部26Vと開始単コイルU1と反対側の接合部26Uとの距離Duvを大きくすることにより、中性点20等が倒れても相間絶縁距離を維持しやすくなっている。
ところで、これまで説明した例では、三つの接合部26U,26V,26Wを挟持する際に、V相接合部26Vに近接するW相接合部26Wを移動させ、V相接合部26Vから離間したU相接合部26Uは静止させている。かかる構成とするのは、三つの接合部26U,26V,26Wの末端高さを揃えるためである。これについて図7、図8を参照して説明する。図7は、挟持のために、W相接合部26Wを静止させ、U相接合部26Uを移動させた比較例を示す図である。また、図8(a)は、U相接合部26Uの移動軌跡T1を、図8(b)は、V相接合部26Vの移動軌跡T2を示す図である。
繰り返し述べるように、また、図3に示すように、本明細書で開示する方法では、接合部26U,26V,26Wを挟持する前の段階において、V相中性線24Vは、周方向に屈曲することなく、ほぼ軸方向に延びている。また、W相接合部26Wは、V相接合部26Vに近接する一方で、U相接合部26Uは、V相接合部26Vから離間している。
この場合において、図7に示すように、U相接合部26Uの隣に可動側挟持部材40mを、W相接合部26Wの隣に静止側挟持部材40sを配し、U相接合部26Uを周方向に移動させたとする。この場合、図7に示すように、U相接合部26Uの末端高さが、V相接合部26VおよびW相接合部26Wよりも、大幅に低くなってしまう。
これは、U相接合部26Uの末端と揺動中心とが周方向に離間しているためである。すなわち、図8に示すように、U相接合部26Uを周方向下流側に押した場合、U相接合部26Uは、最終単コイルU5の反結線側端部(以下「下端32U」と呼ぶ)を中心として揺動する。この下端32Uは、U相接合部26Uと周方向に離間している。この場合、U相接合部26Uの末端は、V相接合部26Vに近づくにつれて軸方向内側に進むような軌跡T1に沿って移動する。そして、結果として、U相接合部26Uを移動させた場合には、U相接合部26Uの末端高さが、V相接合部26Vの末端高さに比べて低くなる。
このように三つの接合部26U,26V,26Wの末端高さが不ぞろいであると、溶接によって形成される溶融玉の形状が崩れ、溶接部分の強度低下等を招く。そこで、挟持後の末端高さを揃えるために、図9に示すように、挟持後の末端高さが揃うように、U相接合部26Uを、他の接合部26V,26Wに比べて長くすることも考えられる。しかし、この場合、余分なコイル材料が必要となり、コストアップを招く。また、別の形態として、図10に示すように、U相接合部26Uの軸方向移動を規制するガイド部材42を設け、U相接合部26Uの低下を防止することも考えられる。しかし、この場合では、専用のガイド部材42を追加する必要があり、コストアップや、製造工程の煩雑化を招く。
一方、本明細書で開示する方法のように、V相接合部26Vから離間したU相接合部26Uを静止させるとともに、V相接合部26Vに近接するW相接合部26Wを押すようにすれば、容易に末端高さを揃えることができる。これについて、図8(b)を参照して説明する。W相接合部26Wを、U相接合部26Uに向かって押した場合、W相接合部26Wは、比較的、早期に、V相接合部26Vに当接する。V相接合部26Vに当接したW相接合部26Wは、当該V相接合部26Vと可動側挟持部材40mと挟持されることになり、V相接合部26Vに対する移動が規制される。換言すれば、V相接合部26Vに当接したW相接合部26Wは、V相接合部26Vと同じ軌跡T2に沿って移動する。
V相接合部26Vは、U相接合部26Uに向かって押されると、V相最終単コイルV5の終端30Vまたは下端32Vを中心として揺動する。すなわち、V相最終単コイルV5の巻線の動き(揺動)が、当該巻線より内側に位置する他の巻線またはティース18によって規制される場合は、終端30Vが、規制されない場合は、下端32Vが揺動中心となる。
ここで、V相接合部26Vは、その揺動中心(終端30Vまたは下端32V)のほぼ真上に位置している。換言すれば、V相接合部26Vと、揺動中心(終端30Vまたは下端32V)との周方向位置がほぼ同じである。そのため、揺動中心(終端30Vまたは下端32V)を中心としてV相接合部26Vが揺動した際、当該V相接合部26Vの末端は、水平に近い円弧の軌跡T2に沿って動くこととなり、軸方向の位置変化が少ない。また、既述した通り、V相接合部26Vに近接するW相接合部26Wは、早期にV相接合部26Vに当接し、V相接合部26Vとともに移動する。結果として、W相接合部26W側をU相接合部26U側に押した場合には、V相接合部26VおよびW相接合部26Wの軸方向高さの低下を効果的に抑えることができ、図5に示す通り、挟持した段階での三つの接合部26U,26V,26Wの末端高さのバラツキを効果的に低減できる。そして、これにより、溶接で形成される溶融玉の形状を安定させることができ、溶接部分の強度を高く保つことができる。
また、U相接合部26Uを静止させて、V相接合部26VおよびW相接合部26Wを移動させる構成とすることで、最終単コイルU5,V5,W5とロータ100との間隙低下を抑制できる。これについて図11、図12を参照して説明する。図11は、中性点20近傍の概略軸方向視図であり、図12は、図11のA部拡大図である。図8(a)を参照して説明した通り、U相接合部26Uを、V相接合部26V側に移動させた場合、U相接合部26Uは、U相最終単コイルU5の下端32Uを中心として揺動する。このとき、U相最終単コイルU5の終端30Uも、V相接合部26Vの方向に移動する。この場合、図12において二点鎖線で示すように、終端30Uは、径方向内側に突出することになり、移動後におけるロータ100との間隙Daが、移動前におけるロータ100との間隙Dbに比べて小さくなる。こうした最終単コイルU5とロータ100との間隙低下は、引きずり損失の増加を招き、回転電機の効率の低下を招く。
一方、本明細書で開示する方法のように、U相接合部26Uを静止させた状態で、V相接合部26VおよびW相接合部26Wを移動させた場合、図8(b)を参照して説明した通り、V相最終単コイルV5およびW相最終単コイルW5の終端30V,30Wは、殆ど動かない。その結果、最終単コイルU5,V5,W5とロータ100との間隙の低下を抑制でき、ひいては、損失の増加を防止できる。
なお、これまで説明した構成は、一例であり、第1、第2、第3相の接合部が周方向に並んでおり、挟持前の段階で、第1相の接合部と第2相の接合部との距離が、第2相の接合部と第3相の接合部との距離より大きい場合に、三つの接合部を挟持するために、第1相の接合部を静止させるとともに第3相の接合部を移動させるのであれば、その他の構成は、変更されてもよい。
例えば、これまでの説明では、V相(第2相)の終端30Vが、V相の最終単コイルV5の周方向一端側(例えば下流側)に位置する場合、当該V相に対して周方向一端側に隣接する相(図2の例では、W相)をV相に近接する第3相とし、当該V相に対して周方向他端側に隣接する相(図2の例では、U相)をV相から離間する第3相としていた。しかし、図13に示すように、V相(第2相)の終端30Vが、V相の最終単コイルV5の周方向一端側(例えば下流側)に位置する場合、当該V相に対して周方向他端側(上流側)に隣接するU相を、V相に近接する第3相とし、当該V相に対して周方向一端側(下流側)に隣接するW相を、V相から離間する第2相としてもよい。この場合において、中性点20を形成する際には、U相の接合部26Uに隣接する可動側挟持部材40mを、W相の接合部26Wに隣接する静止側挟持部材40sに向かって、周方向に移動させればよい。この場合でも、接合部26U,26V,26Wの末端高さのバラツキを低減でき、ひいては、溶融玉の形状を安定させることができる。ただし、図13の構成とする場合には、W相最終単コイルW5とU相開始単コイルU1との絶縁を維持するための構成を追加することが望ましい。
また、これまでの説明では、周方向上流側から下流側に向かって、U相、V相、W相の順番に並ぶ場合を例示したが、当然ながら、この並びは、変更されてもよく、例えば、V相、U相、W相の順番で並んでもよい。また、各相コイルを構成する単コイルUi,Vi,Wiの個数も、適宜、変更されてよい。また、これまでの説明は、全て、ステータ10の内部にロータ100を配したインナーロータ型を例に挙げて行ったが、本明細書で開示する製造方法は、アウターロータ型のステータに適用されてもよい。
10 ステータ、12 ステータコア、14 ステータコイル、16 ヨーク、18 ティース、20 中性点、22U,22V,22W 渡り線、24U U相中性線、24V V相中性線、24W W相中性線、26U U相接合部、26V V相接合部、26W W相接合部、30U,30V,30W 終端、40m 可動側挟持部材、40s 静止側挟持部材、42 ガイド部材、100 ロータ、U1,V1,W1 開始単コイル、U5,V5,W5 最終単コイル。

Claims (1)

  1. ステータコアと、前記ステータコアのティースに集中巻で巻回されたステータコイルと、を有したステータの製造方法であって、
    前記ステータコイルは、中性点で電気的に接続された第1相コイル、第2相コイル、第3相コイルと、を有しており、
    各相コイルは、
    巻線をティースに巻回して成る複数の単コイルであって、互いに直列に接続された複数の単コイルと、
    前記複数の単コイルのうち最下流に位置する最終単コイルの終端から延びる中性線であって、末端が他の相の中性線と接合される接合部となる中性線と、
    を備えており、
    前記第2相の中性線は、対応する最終単コイルの終端から軸方向に延びており、
    前記第1相および第3相の中性線は、前記第2相の中性線の周方向両側に位置するとともに、対応する最終単コイルの終端から前記第2相の中性線に向かって周方向に延びた後に軸方向に延びており、
    前記中性点は、周方向に並んだ前記三つの相の接合部を、一対の挟持部材で周方向に挟持した状態で、接合することで形成され、
    前記接合部を挟持する前の状態で、前記第2相の接合部と前記第1相の接合部との周方向距離は、前記第2相の接合部と前記第3相の接合部との周方向距離よりも、大きく、
    前記接合部を挟持する際は、前記第1相の接合部に隣接する静止側挟持部材を静止させた状態で、前記第3相の接合部に隣接する可動側挟持部材を前記静止側挟持部材に向かって移動させる、
    ことを特徴とするステータの製造方法。
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