JP6717204B2 - ディジタルフィルタ回路、信号処理装置およびディジタルフィルタ処理方法 - Google Patents

ディジタルフィルタ回路、信号処理装置およびディジタルフィルタ処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、ディジタルフィルタ回路、信号処理装置およびディジタルフィルタ処理方法に関し、特に、ディジタル信号処理を行うディジタルフィルタ回路、信号処理装置およびディジタルフィルタ処理方法に関する。
広く利用されているディジタルフィルタは、信号に対して時間領域でフィルタ処理を行う。このようなディジタルフィルタとして、FIR(Finite Impulse Response)フィルタやIIR(Infinite Impulse Response)フィルタが知られている。FIRフィルタやIIRフィルタを用いたフィルタ処理においては、一般的に、実数のフィルタ係数を用いた実数演算によるフィルタ処理と複素数のフィルタ係数を用いた複素数演算によるフィルタ処理の2つの処理が行われる。
ここで、FIRフィルタやIIRフィルタのタップ数の最小値は、実現したいフィルタ関数のインパルス応答長に基づいて決定される。そのため、複雑なフィルタ関数を実現する場合、100以上のタップ数が必要な場合もある。このようなタップ数の大きいFIRフィルタが実装されたLSI(Large Scale Integrated circuit)には、回路規模や消費電力が莫大になるという課題がある。
この課題に対して、周波数領域でフィルタ処理を行うことが提案されている。周波数領域でのフィルタ処理では、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)により、時間領域の信号をいったん周波数領域の信号データに変換する。そして、周波数領域で信号データとフィルタ係数とのフィルタ演算を実施した後、高速逆フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)により、時間領域の信号に再変換する。
周波数領域でフィルタ処理を行うことにより、FIRフィルタのタップ数が大きい場合であっても、フィルタ処理の実現に必要な回路規模や消費電力を低減することができる。これは、FIRフィルタによる時間領域での畳み込み演算は、周波数領域では単純な乗算に変換できるからである。
ところで、時間領域の信号が複素数信号x(n)=r(n)+js(n)(jは虚数単位、nは整数)である場合、時間領域の複素数信号は複素FFTにより、周波数領域の複素数信号データに変換される。複素FFTにおいては、時間領域における複素数信号の実数部および虚数部は合成され、周波数領域の複素数信号データに変換される。
時間領域の複素数信号を複素FFTにより周波数領域の複素数信号データに変換し、周波数領域上でフィルタ演算するディジタルフィルタ回路の構成例を図10に示す。図10のディジタルフィルタ回路800は、3つの周波数領域フィルタ810、820、830から構成され、複素数信号x(n)(=r(n)+js(n))に対して、周波数領域でフィルタ処理を行う。
周波数領域フィルタ810は、入力された時間領域における複素数信号x(n)の実数部である実数部信号r(n)を、FFTにより周波数領域の複素数信号データに変換する。そして、周波数領域フィルタ810は、周波数領域の複素数信号データに、周波数領域上でフィルタ演算した後、IFFTにより時間領域の実数部信号r'(n)に再変換する。実数部信号r(n)は実数の信号であるが、実数の信号をフーリエ変換した場合でも、変換後の信号データは複素数になる。また、フィルタ係数も通常、複素数である。そのため、フィルタ演算には複素数演算が必要である。
周波数領域フィルタ820は、入力された時間領域における複素数信号x(n)の虚数部である実数の虚数部信号s(n)を、FFTにより周波数領域の複素数信号データに変換する。そして、周波数領域フィルタ820は、周波数領域の複素数信号データに、周波数領域上で複素数演算によるフィルタ演算を実施した後、IFFTにより時間領域上の実数の虚数部信号s'(n)に再変換する。
周波数領域フィルタ830は、実数部信号r'(n)および虚数部信号s'(n)から構成される複素数信号x'(n)=r'(n)+js'(n)に対して、FFTにより周波数領域の複素数信号データに変換する。そして、周波数領域フィルタ830は、周波数領域の複素数信号データに、周波数領域上で複素数演算によるフィルタ演算を実施した後、IFFTにより時間領域の複素数信号x"(n)に再変換する。
しかし、図10のディジタルフィルタ回路800は、時間領域における複素数信号の実数部および虚数部のそれぞれに対して独立した複素数演算によるフィルタ処理を行うことから、実数部および虚数部のフィルタ処理においてそれぞれ、FFTおよびIFFTが必要となる。
そこで、本発明者らは、FFTおよびIFFTの回数を最小にできる、周波数領域においてフィルタ処理を行うディジタルフィルタ回路を提案した(特許文献1)。特許文献1のディジタルフィルタ回路のブロック構成図を図11に示す。
図11のディジタルフィルタ回路900において、複素共役生成回路920は、FFT回路910から出力された周波数領域の複素数信号データX(k)およびX(N−k)から、複素数信号データX(k)および複素共役データX(N−k)を生成し、それぞれフィルタ回路940、950へ出力する。一方、フィルタ係数生成回路930は、上位回路から与えられる複素数係数V(k)、W(k)およびH(k)から複素数係数C1(k)およびC2(N−k)を生成し、それぞれフィルタ回路940、950へ出力する。
そして、フィルタ回路940、950において、複素数係数C1(k)およびC2(N−k)を用いて複素数信号データX(k)および複素共役データX(N−k)をフィルタ処理して複素数信号データX’(k)および複素共役データX’(N−k)を生成する。そして、複素共役合成回路960において複素数信号データX’(k)および複素共役データX’(N−k)を合成してX”(k)を出力し、IFFT回路970においてそれをIFFT処理し、x”(k)を出力する。
複素数係数V(k)、W(k)およびH(k)を適切に設定することにより、周波数領域におけるフィルタ処理においてFFTおよびIFFTをそれぞれ1回のみとすることができ、回路規模や消費電力の低減を図ることができる。
国際公開第2013/125173号
しかしながら、特許文献1のディジタルフィルタ回路900においては、複素数係数C1(k)と複素数係数C2(N−k)とが相関していることから、複素数係数の変更処理が複雑になり、複素数係数の変更に時間を要する場合があった。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、フィルタ係数を容易に変更できると共に回路規模や消費電力を低減できる、周波数領域におけるディジタルフィルタ処理を行うディジタルフィルタ回路、信号処理装置およびディジタルフィルタ処理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明に係るディジタルフィルタ回路は、フーリエ変換により時間領域の複素数信号が変換された周波数領域の第1の複素数信号を、前記時間領域の複素数信号の実数部に対応する周波数領域の第2の複素数信号と、前記時間領域の複素数信号の虚数部に対応する周波数領域の第3の複素数信号とに分離する分離手段と、複素数の第1、第2及び第3の入力フィルタ係数が入力し、前記第1及び第3の入力フィルタ係数から複素数の第1の周波数領域フィルタ係数を、前記第2及び第3の入力フィルタ係数から複素数の第2の周波数領域フィルタ係数を、生成するフィルタ係数生成手段と、前記第2の複素数信号に対し、前記第1の周波数領域フィルタ係数によるフィルタ処理を行い、第4の複素数信号を出力する第1のフィルタと、前記第3の複素数信号に対し、前記第2の周波数領域フィルタ係数によるフィルタ処理を行い、第5の複素数信号を出力する第2のフィルタと、前記第4の複素数信号と、前記第5の複素数信号とを合成して第6の複素数信号を生成する合成手段と、を備える。
上記目的を達成するために本発明に係る信号処理装置は、上記のディジタルフィルタ回路を備える。
上記目的を達成するために本発明に係るディジタルフィルタ処理方法は、フーリエ変換により時間領域の複素数信号が変換された周波数領域の第1の複素数信号を、前記時間領域の複素数信号の実数部に対応する周波数領域の第2の複素数信号と、前記時間領域の複素数信号の虚数部に対応する周波数領域の第3の複素数信号とに分離し、入力された複素数の第1及び第3の入力フィルタ係数から、複素数の第1の周波数領域フィルタ係数を生成し、入力された複素数の第2及び前記第3の入力フィルタ係数から、複素数の第2の周波数領域フィルタ係数を生成し、前記第2の複素数信号に対し、前記第1の周波数領域フィルタ係数によるフィルタ処理を行い、第4の複素数信号を出力し、前記第3の複素数信号に対し、前記第2の周波数領域フィルタ係数によるフィルタ処理を行い、第5の複素数信号を出力し、前記第4の複素数信号と、前記第5の複素数信号とを合成して第6の複素数信号を生成する。
上述した本発明の態様によれば、周波数領域におけるディジタルフィルタ処理を行うディジタルフィルタ回路、信号処理装置およびディジタルフィルタ処理方法において、フィルタ係数を容易に変更できると共に回路規模や消費電力を低減できる。
第1の実施形態にかかるディジタルフィルタ回路10のブロック構成図である。 第2の実施形態にかかるディジタルフィルタ回路100のブロック構成図である。 第2の実施形態にかかるIQ分離回路300のブロック構成図である。 第2の実施形態にかかるフィルタ係数生成回路410のブロック構成図である。 第2の実施形態にかかるフィルタ係数生成回路420のブロック構成図である。 第2の実施形態にかかるフィルタ回路510のブロック構成図である。 第2の実施形態にかかるフィルタ回路520のブロック構成図である。 第2の実施形態にかかるIQ合成回路600のブロック構成図である。 第2の実施形態にかかる別のディジタルフィルタ回路100Bのブロック構成図である。 周波数領域においてフィルタ処理を行うディジタルフィルタ回路800のブロック構成図である。 特許文献1のディジタルフィルタ回路900のブロック構成図である。
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について説明する。本実施形態に係るディジタルフィルタ回路のブロック構成図を図1に示す。図1において、ディジタルフィルタ回路10は、分離手段20、フィルタ係数生成手段30、第1のフィルタ40、第2のフィルタ50および合成手段60を備える。
分離手段20は、フーリエ変換により時間領域の複素数信号が変換された周波数領域の第1の複素数信号を、時間領域の複素数信号の実数部に対応する周波数領域の第2の複素数信号と、時間領域の複素数信号の虚数部に対応する周波数領域の第3の複素数信号とに分離する。分離手段20は、分離した第2の複素数信号を第1のフィルタ40へ、分離した第3の複素数信号を第2のフィルタ50へ、出力する。
フィルタ係数生成手段30には、複素数の第1、第2および第3の入力フィルタ係数が入力される。フィルタ係数生成手段30は、入力された第1および第3の入力フィルタ係数から複素数の第1の周波数領域フィルタ係数を生成し、第1のフィルタ40へ出力する。また、フィルタ係数生成手段30は、入力された第2および第3の入力フィルタ係数から複素数の第2の周波数領域フィルタ係数を生成し、第2のフィルタ50へ出力する。
第1のフィルタ40は、分離手段20から入力された第2の複素数信号に対して、フィルタ係数生成手段30から入力された第1の周波数領域フィルタ係数によるフィルタ処理を施し、第4の複素数信号を合成手段60へ出力する。
第2のフィルタ50は、分離手段20から入力された第3の複素数信号に対して、フィルタ係数生成手段30から入力された第2の周波数領域フィルタ係数によるフィルタ処理を施し、第5の複素数信号を合成手段60へ出力する。
合成手段60は、第4の複素数信号と第5の複素数信号とを合成し、第6の複素数信号として出力する。合成手段60から出力された第6の複素数信号は、図示されないIFFT回路において逆フーリエ変換され、時間領域の複素数信号に戻される。
ここで、第1、第2および第3の入力フィルタ係数は、時間領域の複素数信号に対する時間領域でのフィルタ処理である時間領域フィルタ処理におけるフィルタ係数にそれぞれ対応する、周波数領域での複素数フィルタ係数である。具体的には、第1の入力フィルタ係数は、時間領域の複素数信号の実数部に対する時間領域の実数演算のフィルタ処理におけるフィルタ係数に対応する。また、第2の入力フィルタ係数は、時間領域の複素数信号の虚数部に対する時間領域の実数演算のフィルタ処理におけるフィルタ係数に対応する。さらに、第3の入力フィルタ係数は、時間領域の複素数信号に対する時間領域の複素数演算のフィルタ処理におけるフィルタ係数に対応する。
本実施形態に係るディジタルフィルタ回路10においては、フィルタ係数生成手段30が、第1および第3の入力フィルタ係数から第1の周波数領域フィルタ係数を生成し、第2および第3の入力フィルタ係数から第2の周波数領域フィルタ係数を生成する。この場合、実数部分に対する第1の周波数領域フィルタ係数、虚数部分に対する第2の周波数領域フィルタ係数を変更することにより、第1、第2の入力フィルタ係数をそれぞれ独立に調整することができる。従って、第1、第2の入力フィルタ係数を容易に調整することができる。
さらに、ディジタルフィルタ回路10においては、分離手段20が、フーリエ変換により時間領域の複素数信号が変換された周波数領域の第1の複素数信号を、実数部に対応する第2の複素数信号と、虚数部に対応する第3の複素数信号とに分離する。そして、第1のフィルタ40、第2のフィルタ50は、上記の第1および第2の周波数領域フィルタ係数により、第2および第3の複素数信号をそれぞれフィルタ処理する。この場合、ディジタルフィルタ回路10に入力される時間領域の複素数信号へのフーリエ変換処理と、ディジタルフィルタ回路10から出力された周波数領域の複素数信号への逆フーリエ変換処理とを、それぞれ1回のみとすることができる。
従って、本実施形態に係るディジタルフィルタ回路10は、入力フィルタ係数を容易に変更できると共に、回路規模や消費電力が大きくなることを抑制しつつ、周波数領域におけるディジタルフィルタ処理を行うことができる。
<第2の実施形態>
第2の実施形態について説明する。本実施形態に係るディジタルフィルタ回路のブロック構成図を図2に示す。図2において、ディジタルフィルタ回路100は、FFT回路200、IQ分離回路300、フィルタ係数生成回路410、420、フィルタ回路510、520、IQ合成回路600およびIFFT回路700を備える。
FFT回路200には、式(1)によって示される時間領域における複素数信号x(n)が入力される。
x(n)=r(n)+js(n) ・・・式(1)
FFT回路200は、入力された時間領域における複素数信号x(n)にFFTを施し、式(2)によって示される周波数領域の複素数信号データX(k)に変換してIQ分離回路300へ出力する。
X(k)=A(k)+jB(k) ・・・式(2)
ここで、FFTの変換サンプル数がN(整数)である場合、nは時間領域上の信号サンプル番号を示す0≦n≦N−1の整数、kは周波数領域上の周波数番号を示す0≦k≦N−1の整数である。なお、FFTは、高速にフーリエ変換を行うための1つの手法であり、FFT以外の方式によるフーリエ変換を適用することも出来る。
FFT回路200はさらに、周波数領域の複素数信号データX(k)から、式(3)によって示される周波数領域の複素数信号データX(N−k)を生成してIQ分離回路300へ出力する。
X(N−k)=A(N−k)+jB(N−k) ・・・式(3)
IQ分離回路300には、式(2)の複素数信号データX(k)と、式(3)の複素数信号データX(N−k)とが入力される。IQ分離回路300のブロック構成図を図3に示す。図3において、IQ分離回路300は、複素共役生成部310、加算部320、330、減算部340、350および乗算部360、370、380、390を備える。ここで、図3においては、複素数信号を太線で、実数の信号を細線で表記した。以下、他の図においても同様に表記する。
IQ分離回路300に入力された複素数信号データX(N−k)は、虚数部であるB(N−k)のみが複素共役生成部310を通過し、実数部であるA(N−k)と複素共役生成部310を通過した−B(N−k)とが合成されることによって、式(4)によって示される複素共役データX(N−k)が生成される。ここで、入力された複素数信号データX(N−k)について、0≦k≦N−1の周波数番号kごとに、式(4)によって示される複素共役データX(N−k)が生成される。
(N−k)=A(N−k)−jB(N−k) ・・・式(4)
加算部320、330、減算部340、350および乗算部360、370、380、390は、入力された複素数信号データX(k)と、複素共役生成部310を通過することによって生成された複素共役データX(N−k)とから、式(5)に示されるI成分信号データX(k)および式(6)に示されるQ成分信号データX(k)を生成する。
(k)={X(k)+X(N−k)}/2={A(k)+A(N−k)}/2+j{B(k)−B(N−k)}/2・・・式(5)
(k)={X(k)−X(N−k)}/2={A(k)−A(N−k)}/2+j{B(k)+B(N−k)}/2・・・式(6)
具体的には、第1の加算部320は、複素数信号データX(k)の実数部と複素共役データX(N−k)の実数部とを加算し、第2の加算部330は、複素数信号データX(k)の虚数部と複素共役データX(N−k)の虚数部とを加算する。さらに、第1の減算部340は、複素数信号データX(k)の実数部から複素共役データX(N−k)の実数部を減算し、第2の減算部350は、複素数信号データX(k)の虚数部から複素共役データX(N−k)の虚数部を減算する。乗算部360、370、380、390は、第1の加算部320、第2の加算部330、第1の減算部340および第2の減算部350からの出力に所定の係数1/2をそれぞれ乗算する。
そして、乗算部360、370からの出力がI成分信号データX(k)としてフィルタ回路510へ出力され、乗算部380、390からの出力がQ成分信号データX(k)としてフィルタ回路520へ出力される。ここで、X(k)、X(k)はそれぞれ、実数部と虚数部とに分けて、式(7)、式(8)のように記載できる。
(k)=XII(k)+jXIQ(k) ・・・式(7)
(k)=XQI(k)+jXQQ(k) ・・・式(8)
フィルタ係数生成回路410は、ディジタルフィルタ回路100の上位回路から入力された複素数係数V(k)に、ディジタルフィルタ回路100の上位回路から入力された複素数係数H(k)を複素乗算することによって、複素数係数C(k)を生成する。フィルタ係数生成回路410のブロック構成図を図4に示す。図4のフィルタ係数生成回路410は、入力された複素数係数V(k)およびH(k)により、0≦k≦N−1の周波数番号kごとに、式(9)によって示される複素数係数C(k)を生成し、フィルタ回路510へ出力する。
(k)=V(k)×H(k)・・・式(9)
ここで、V(k)、H(k)はそれぞれ、実数部と虚数部とに分けて、式(10)、式(11)のように記載できる。
V(k)=V(k)+jV(k) ・・・式(10)
H(k)=H(k)+jH(k) ・・・式(11)
式(9)に式(10)、式(11)を代入することにより、複素数係数C(k)は式(12)のように記載される。
(k)={V(k)+jV(k)}×{H(k)+jH(k)}=CII(k)+jCIQ(k)・・・式(12)
ここで、CII(k)、CIQ(k)は、複素数係数C(k)の実数部、虚数部であり、それぞれ式(13)、式(14)によって記載できる。
II(k)=V(k)×H(k)−V(k)×H(k)・・・式(13)
IQ(k)=V(k)×H(k)+V(k)×H(k)・・・式(14)
フィルタ係数生成回路420は、ディジタルフィルタ回路100の上位回路から入力された複素数係数W(k)に、ディジタルフィルタ回路100の上位回路から入力された複素数係数H(k)を複素乗算することによって、複素数係数C(k)を生成する。フィルタ係数生成回路420のブロック構成図を図5に示す。図5のフィルタ係数生成回路420は、入力された複素数係数W(k)およびH(k)により、0≦k≦N−1の周波数番号kごとに、式(15)によって示される複素数係数C(k)を生成し、フィルタ回路520へ出力する。
(k)=W(k)×H(k)・・・式(15)
ここで、W(k)も実数部と虚数部とに分けて式(16)のように記載できる。
W(k)=W(k)+jW(k) ・・・式(16)
式(15)に式(11)、式(16)を代入することにより、複素数係数C(k)は式(17)のように記載される。
(k)={W(k)+jW(k)}×{H(k)+jH(k)}=CQI(k)+jCQQ(k)・・・式(17)
ここで、CQI(k)、CQQ(k)は、複素数係数C(k)の実数部、虚数部であり、それぞれ式(18)、式(19)によって記載できる。
QI(k)=W(k)×H(k)−W(k)×H(k)・・・式(18)
QQ(k)=W(k)×H(k)+W(k)×H(k)・・・式(19)
フィルタ回路510には、IQ分離回路300から出力された式(7)によって示されるI成分信号データX(k)と、フィルタ係数生成回路410から出力された式(12)によって示される複素数係数C(k)と、が入力される。フィルタ回路510のブロック構成図を図6に示す。
フィルタ回路510は、入力された複素数係数C(k)を用いて、入力されたI成分信号データX(k)に対して、複素数乗算による複素数フィルタ処理を行う。具体的には、フィルタ回路510は、0≦k≦N−1の周波数番号kごとに、式(20)によって示される複素数信号データX'(k)を計算してIQ合成回路600へ出力する。
'(k)=X(k)×C(k)
={XII(k)+jXIQ(k)}×{CII(k)+jCIQ(k)}
=XII'(k)+jXIQ'(k)・・・式(20)
ここで、XII'(k)、XIQ'(k)は、X'(k)の実数部、虚数部であり、それぞれ式(21)、式(22)によって記載できる。
II'(k)=XII(k)×CII(k)−XIQ(k)×CIQ(k)・・・式(21)
IQ'(k)=XII(k)×CIQ(k)+XIQ(k)×CII(k)・・・式(22)
フィルタ回路520には、IQ分離回路300から出力された式(8)によって示されるQ成分信号データX(k)と、フィルタ係数生成回路420から出力された式(17)によって示される複素数係数C(k)と、が入力される。フィルタ回路520のブロック構成図を図7に示す。
フィルタ回路520は、入力された複素数係数C(k)を用いて、入力されたQ成分信号データX(k)に対して、複素数乗算による複素数フィルタ処理を行う。具体的には、フィルタ回路520は、0≦k≦N−1の周波数番号kごとに、式(23)によって示される複素数信号データX'(k)を計算してIQ合成回路600へ出力する。
'(k)=X(k)×C(k)
={XQI(k)+jXQQ(k)}×{CQI(k)+jCQQ(k)}
=XQI'(k)+jXQQ'(k)・・・式(23)
ここで、XQI'(k)、XQQ'(k)は、複素数信号データX'(k)の実数部、虚数部であり、それぞれ式(24)、式(25) によって記載できる。
QI'(k)=XQI(k)×CQI(k)−XQQ(k)×CQQ(k)・・・式(24)
QQ'(k)=XQI(k)×CQQ(k)+XQQ(k)×CQI(k)・・・式(25)
IQ合成回路600は、フィルタ回路510から入力された式(20)の複素数信号データX'(k)と、フィルタ回路520から入力された式(23)の複素数信号データX'(k)とを、0≦k≦N−1の周波数番号kごとに合成し、式(26)によって示される複素数信号データX"(k)を生成してIFFT回路700へ出力する。
X"(k)=X'(k)+X'(k)
={XII'(k)+jXIQ'(k)}+{XQI'(k)+jXQQ'(k)}
=X"(k)+jX"(k) ・・・式(26)
ここで、X"(k)、X"(k)は、それぞれ複素数信号データX"(k)の実数部、虚数部であり、それぞれ式(27)、式(28)によって記載できる。
"(k)=XII'(k)+XQI'(k) ・・・式(27)
"(k)=XIQ'(k)+XQQ'(k) ・・・式(28)
II'(k)、XIQ'(k)、XQI'(k)、XQQ'(k)はそれぞれ、式(21)、式(22)、式(24)、式(25)の通りである。
ここで、IQ合成回路600のブロック構成図の一例を図8に示す。図8のIQ合成回路600は、複素数信号データX'(k)の実数部と複素数信号データX'(k)の実数部とを加算する第1の加算手段610と、複素数信号データX'(k)の虚数部と複素数信号データX'(k)の虚数部とを加算する第2の加算手段620と、を備える。そして、第1の加算手段610からの出力および第2の加算手段620からの出力が、複素数信号データX"(k)としてIFFT回路700へ出力される。
IFFT回路700は、入力された複素数信号データX"(k)に対して0≦k≦N−1の周波数番号kごとにIFFTを施し、時間領域の複素数信号x"(n)を生成して出力する。なお、IFFTは、高速に逆フーリエ変換を行うための1つの手法であり、IFFT以外の方式による逆フーリエ変換を適用することも出来る。
以上のように構成されたディジタルフィルタ回路100は、時間領域の複素数信号x(n)をFFT変換して周波数領域の複素数信号データX(k)を生成し、周波数領域の複素数信号データの実数部、虚数部のそれぞれを、V(k)、W(k)およびH(k)から生成した2種類の複素数係数C(k)、C(k)を用いて独立にフィルタ処理する。すなわち、フィルタ回路510、520において、IQ分離回路300から入力された式(7)のI成分信号データX(k)および式(8)のQ成分信号データX(k)を、フィルタ係数生成回路410、420から入力された式(12)の複素数係数C(k)および式(17)の複素数係数C(k)を用いて、それぞれ独立にフィルタ処理する。そして、ディジタルフィルタ回路100は、その結果をIFFT回路700によって時間領域の複素数信号x"(n)に逆変換する。
このように、本実施形態にかかるディジタルフィルタ回路100においては、FFTおよびIFFTはそれぞれ、時間領域の複素数信号x(n)およびx"(k)に関して1回のみ実行される。これは、フィルタ処理に用いられる、V(k)、W(k)、H(k)から生成された2種類の複素数係数C(k)およびC(k)が、FFTおよびIFFTの回数の最小化を可能にするからである。
次に、V(k)、W(k)およびH(k)の物理的な意味と、これらから生成された複素数係数C(k)およびC(k)を用いたフィルタ処理により、時間領域におけるフィルタ処理と同等の、周波数領域におけるフィルタ処理が可能となる原理を説明する。
本実施形態に係るディジタルフィルタ回路100において、FFT回路200は、入力された式(1)の時間領域の複素数信号x(n)(=r(n)+js(n))を複素FFTし、式(29)によって示される周波数領域の複素数信号データX(k)を生成する。
X(k)=R(k)+jS(k) ・・・式(29)
ここで、R(k)は時間領域における実数の実数部信号r(n)が実数FFTにより変換された周波数領域の複素数信号データであり、S(k)は時間領域における実数の虚数部信号s(n)が実数FFTにより変換された周波数領域の複素数信号データである。すなわち、R(k)とr(n)、および、S(k)とs(n)、はそれぞれ対応する。このとき、複素共役の対称性から式(30)が成立する。
(N−k)=R(k)−jS(k) ・・・式(30)
ここで、複素数信号データX(N−k)は、複素数信号データX(N−k)の複素共役である。そして、IQ分離回路300は、式(29)、式(30)によって示されるX(k)、X(N−k)から、式(5)によって示されるI成分信号データX(k)および式(6)によって示されるQ成分信号データX(k)を生成する。式(5)、式(6)、式(29)、式(30)から、X(k)、X(k)はそれぞれ式(31)、式(32)のように記載できる。
(k)={X(k)+X(N−k)}/2=R(k) ・・・式(31)
(k)={X(k)−X(N−k)}/2=jS(k) ・・・式(32)
この場合、複素数信号データX'(k)は、式(9)、式(20)、式(31)、式(32)から、式(33)のように記載できる。
'(k)=X(k)×C(k)=R(k)×V(k)×H(k)・・・式(33)
また、複素数信号データX'(k)は、式(15)、式(23)、式(31)、式(32)から、式(34)のように記載できる。
'(k)=X(k)×C(k)=jS(k)×W(k)×H(k)・・・式(34)
式(26)に、式(33)、式(34)を代入することにより、複素数信号データX"(k)は、式(35)のように記載できる。
X"(k)=X'(k)+X'(k)
=R(k)V(k)H(k)+jS(k)W(k)H(k)
={R(k)V(k)+jS(k)W(k)}×H(k) ・・・式(35)
式(35)は、IQ合成回路600から出力されたIFFT前の複素数信号データX"(k)を、フィルタ係数V(k)、W(k)およびH(k)と、IQ分離回路300に入力されるFFT後の複素数信号データX(k)におけるR(k)およびS(k)を用いて表したものである。
上述のように、R(k)は時間領域における実数の実数部信号r(n)が実数FFTにより変換された周波数領域の複素数信号データ、S(k)は時間領域における実数の虚数部信号s(n)が実数FFTにより変換された周波数領域の複素数信号データである。つまり、式(35)は、FFT後の複素数信号データX(k)に対して施されるフィルタ処理の内容を表す。
式(35)から、ディジタルフィルタ回路100において、複素数信号x(n)=r(n)+js(n)がFFTにより変換された式(29)の周波数領域の複素数信号データX(k)(=R(k)+jS(k))に対して、以下の3つのフィルタ処理と同等の処理が行われることがわかる。
1)R(k)に対する係数V(k)によるフィルタ処理
まず、ディジタルフィルタ回路100は、時間領域における実数部信号r(n)がFFTにより変換された周波数領域の複素数信号データR(k)に対して、係数V(k)によるフィルタ処理を行う。従って、V(k)には、実数部信号r(n)に対して時間領域で実数演算によるフィルタ処理を行った場合の実数フィルタ係数に対応する、周波数領域での複素数フィルタ係数が割り当てられる。
2)S(k)に対する係数W(k)によるフィルタ処理
同様に、ディジタルフィルタ回路100は、時間領域における虚数部信号s(n)がFFTにより変換された周波数領域の複素数信号S(k)に対して、係数W(k)によるフィルタ処理を行う。従って、W(k)には、虚数部信号s(n)に対して時間領域で実数演算によるフィルタ処理を行った場合の実数フィルタ係数に対応する、周波数領域での複素数フィルタ係数が割り当てられる。
3)1)、2)のフィルタ処理結果に対する係数H(k)によるフィルタ処理
さらに、ディジタルフィルタ回路100は、それぞれ独立に処理された上記の2つのフィルタ処理後の、R(k)V(k)およびS(k)W(k)からなる複素数信号データ{R(k)V(k)+jS(k)W(k)}に対して、係数H(k)によるフィルタ処理を行う。複素数信号データ{R(k)V(k)+jS(k)W(k)}は、時間領域における実数部信号r(n)および虚数部信号s(n)のそれぞれに独立にフィルタ処理した2つの信号からなる時間領域の信号に対応する、周波数領域の複素数信号データである。実数部信号r(n)および虚数部信号s(n)をそれぞれに独立にフィルタ処理した信号とは、図10における、r'(n)、s'(n)に相当する。そして、r'(n)、s'(n)からなる時間領域の信号とは、図10のx’(n)に相当する。このように、複素数信号データ{R(k)V(k)+jS(k)W(k)}は、時間領域において実数部および虚数部のそれぞれに独立にフィルタ処理した時間領域の信号x’(n)に対応する、周波数領域の信号である。
従って、時間領域における複素数信号に対する複素数演算によるフィルタ処理に相当する処理を、周波数領域の複素数信号データ{R(k)V(k)+jS(k)W(k)}に対して行うには、H(k)として、複素数信号x’(n)に対して時間領域で複素数演算によるフィルタ処理を行った場合の複素数フィルタ係数に対応する、周波数領域での複素数フィルタ係数を割り当てればよい。
以上のように、本実施形態では、外部から3種類の係数V(k)、W(k)およびH(k)が設定される。すなわち、複素数信号x(n)の実数部および虚数部のそれぞれに対する時間領域での実数フィルタ係数に対応する、周波数領域のフィルタ係数V(k)、W(k)と、複素数信号x(n)に対する時間領域での複素数フィルタ係数に対応する周波数領域の係数H(k)と、が設定される。以上の3つの係数V(k)、W(k)およびH(k)から求めた2つの係数C(k)、C(k)を用いたフィルタ処理を行うことにより、フィルタ処理の前のFFTおよびフィルタ処理後のIFFTをそれぞれ1回のみとすることができる。
ところで、FFTおよびIFFTは、ディジタルフィルタ回路100の外部の回路によって処理されてもよい。この場合、ディジタルフィルタ回路100には外部のフーリエ変換回路からの信号が入力し、ディジタルフィルタ回路100はフィルタ処理のみを行い、処理結果を外部の逆フーリエ変換回路へ出力する。FFTおよびIFFTを外部の回路によって施す場合のディジタルフィルタ回路のブロック図を図9に示す。図9に示したディジタルフィルタ回路100Bは、図2に示したディジタルフィルタ回路100から、FFT回路200およびIFFT回路700を削除したものである。FFTおよびIFFTの処理を外部の回路で行う場合も、FFT、IFFTを行う回路はそれぞれ1個のみでよく、実数部用、虚数部用のように、複数個配置する必要はない。
以上のように、本実施形態によれば、複素数信号の実数部および虚数部のそれぞれに対する時間領域での実数フィルタ係数に対応する、2種類の周波数領域のフィルタ係数V(k)、W(k)と、複素信号に対する時間領域での複素数フィルタ係数に対応する周波数領域の係数H(k)と、を用いてフィルタ処理が施される。すなわち、時間領域における複素数信号の実数部および虚数部のそれぞれに対する実数演算による独立したフィルタ処理と、時間領域における複素数信号に対する複素数演算によるフィルタ処理と、に対応する周波数領域におけるフィルタ処理が行われる。
従って、フィルタ処理前のFFTを行うFFT回路およびフィルタ処理後のIFFTを行うIFFT回路をそれぞれ1個のみ用いて、所望のフィルタ処理を実現することができる。その結果、フィルタ処理を行うための回路規模や消費電力の低減を図ることができる。
また、複素数信号の実数部分に対するフィルタ係数V(k)および虚数部分に対する係数W(k)がそれぞれ、統合された2つのフィルタ係数C(k)、C(k)のいずれか一方にしか含まれないので、実数部分に対するフィルタ係数V(k)、あるいは虚数部分に対するフィルタ係数W(k)のいずれか一方を変更したい場合に、2つの統合したフィルタ係数C(k)、C(k)のいずれか一方を変更すればよい。従って、適応的にフィルタ係数を変更する場合の処理が単純になり、フィルタ係数の変更時間を短くすることができる。
本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。
本願発明は、信号に対して時間領域でフィルタ処理を行うディジタルフィルタを備える回路に広く適用することができる。
この出願は、2015年1月21日に出願された日本出願特願2015−009144を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
10 ディジタルフィルタ回路
20 分離手段
30 フィルタ係数生成手段
40 第1のフィルタ
50 第2のフィルタ
60 合成手段
100、100B ディジタルフィルタ回路
200 FFT回路
300 IQ分離回路
410、420 フィルタ係数生成回路
510、520 フィルタ回路
600 IQ合成回路
700 IFFT回路
800 ディジタルフィルタ回路
810、820、830 周波数領域フィルタ
900 ディジタルフィルタ回路
910 FFT回路
920 複素共役生成回路
930 フィルタ係数生成回路
940、950 フィルタ回路
960 複素共役合成回路
970 IFFT回路

Claims (8)

  1. フーリエ変換により時間領域の複素数信号が変換された周波数領域の第1の複素数信号を、前記時間領域の複素数信号の実数部に対応する周波数領域の第2の複素数信号と、前記時間領域の複素数信号の虚数部に対応する周波数領域の第3の複素数信号とに分離する分離手段と、
    複素数の第1、第2及び第3の入力フィルタ係数が入力し、前記第1及び第3の入力フィルタ係数から複素数の第1の周波数領域フィルタ係数を、前記第2及び第3の入力フィルタ係数から複素数の第2の周波数領域フィルタ係数を、生成するフィルタ係数生成手段と、
    前記第2の複素数信号に対し、前記第1の周波数領域フィルタ係数によるフィルタ処理を行い、第4の複素数信号を出力する第1のフィルタと、
    前記第3の複素数信号に対し、前記第2の周波数領域フィルタ係数によるフィルタ処理を行い、第5の複素数信号を出力する第2のフィルタと、
    前記第4の複素数信号と、前記第5の複素数信号とを合成して第6の複素数信号を生成する合成手段と、
    を備えることを特徴とするディジタルフィルタ回路であって、
    前記第1、第2及び第3の入力フィルタ係数は、周波数領域でのフィルタ処理における複素数フィルタ係数であり、
    前記第1の入力フィルタ係数は、前記時間領域の複素数信号に対する時間領域でのフィルタ処理である時間領域フィルタ処理における、前記時間領域の複素数信号の実数部に対する実数演算のフィルタ係数に対応し、
    前記第2の入力フィルタ係数は、前記時間領域フィルタ処理における、前記時間領域の複素数信号の虚数部に対する実数演算のフィルタ係数に対応し、
    前記第3の入力フィルタ係数は、前記時間領域フィルタ処理における、前記時間領域の複素数信号に対する複素数演算のフィルタ係数に対応する、
    ディジタルフィルタ回路
  2. 入力された前記時間領域の複素数入力信号を、前記フーリエ変換により前記第1の複素数信号に変換するフーリエ変換手段と、
    前記第6の複素数信号を、逆フーリエ変換により時間領域の複素数信号に変換する逆フーリエ変換手段と、
    をさらに備える請求項1載のディジタルフィルタ回路。
  3. 前記フーリエ変換の変換サンプル数をN(NはN>0の整数)とするとき、
    前記フーリエ変換手段は、前記第1の複素数信号として、周波数番号k(0≦k≦N−1)の複素数信号X(k)および複素数信号X(N−k)を出力し、
    前記分離手段は、
    前記出力された複素数信号X(N−k)の複素共役X(N−k)を生成する生成手段と、
    前記出力された複素数信号X(k)の実数部と前記生成された複素共役X(N−k)の実数部とを加算する第1の加算手段と、
    前記出力された複素数信号X(k)の虚数部と前記生成された複素共役X(N−k)の虚数部とを加算する第2の加算手段と、
    前記出力された複素数信号X(k)の実数部から前記生成された複素共役X(N−k)の実数部を減算する第1の減算手段と、
    前記出力された複素数信号X(k)の虚数部から前記生成された複素共役X(N−k)の虚数部を減算する第2の減算手段と、
    前記第1の加算手段からの出力に1/2を乗算する第1の乗算手段と、
    前記第2の加算手段からの出力に1/2を乗算する第2の乗算手段と、
    前記第1の減算手段からの出力に1/2を乗算する第3の乗算手段と、
    前記第2の減算手段からの出力に1/2を乗算する第4の乗算手段と、
    を備え、
    前記第1及び第2の乗算手段の出力から前記第2の複素数信号が生成され、前記第3及び第4の乗算手段の出力から前記第3の複素数信号が生成される、
    請求項記載のディジタルフィルタ回路。
  4. 前記第1のフィルタは、周波数番号k(0≦k≦N−1)の第4の複素数信号X'(k)を出力し、
    前記第2のフィルタは、周波数番号k(0≦k≦N−1)の第5の複素数信号X'(k)を出力し、
    前記合成手段は、
    前記第4の複素数信号X'(k)の実数部と前記第5の複素数信号X'(k)の実数部とを加算する第3の加算手段と、
    前記第4の複素数信号X'(k)の虚数部と前記第5の複素数信号X'(k)の虚数部とを加算する第4の加算手段と、
    を備え、
    前記第3及び第4の加算手段の出力から前記第6の複素数信号が生成される、
    請求項記載のディジタルフィルタ回路。
  5. 前記フィルタ係数生成手段は、前記第1の入力フィルタ係数に前記第3の入力フィルタ係数を複素乗算して前記第1の周波数領域フィルタ係数を生成し、前記第2の入力フィルタ係数に前記第3の入力フィルタ係数を複素乗算して前記第2の周波数領域フィルタ係数を生成する、
    請求項1乃至のいずれか1項に記載のディジタルフィルタ回路。
  6. 請求項1乃至のいずれか1項に記載のディジタルフィルタ回路を備えた信号処理装置。
  7. フーリエ変換により時間領域の複素数信号が変換された周波数領域の第1の複素数信号を、前記時間領域の複素数信号の実数部に対応する周波数領域の第2の複素数信号と、前記時間領域の複素数信号の虚数部に対応する周波数領域の第3の複素数信号とに分離し、
    入力された複素数の第1及び第3の入力フィルタ係数から、複素数の第1の周波数領域フィルタ係数を生成し、
    入力された複素数の第2及び前記第3の入力フィルタ係数から、複素数の第2の周波数領域フィルタ係数を生成し、
    前記第2の複素数信号に対し、前記第1の周波数領域フィルタ係数によるフィルタ処理を行い、第4の複素数信号を出力し、
    前記第3の複素数信号に対し、前記第2の周波数領域フィルタ係数によるフィルタ処理を行い、第5の複素数信号を出力し、
    前記第4の複素数信号と、前記第5の複素数信号とを合成して第6の複素数信号を生成する、ことを特徴とするディジタルフィルタ処理方法であって、
    前記第1の入力フィルタ係数は、前記時間領域の複素数信号に対する時間領域でのフィルタ処理である時間領域フィルタ処理における、前記時間領域の複素数信号の実数部に対する実数演算のフィルタ係数に対応する、周波数領域での複素数フィルタ係数であり、
    前記第2の入力フィルタ係数は、前記時間領域フィルタ処理における、前記時間領域の複素数信号の虚数部に対する実数演算のフィルタ係数に対応する、周波数領域での複素数フィルタ係数であり、
    前記第3の入力フィルタ係数は、前記時間領域フィルタ処理における、前記時間領域の複素数信号に対する複素数演算のフィルタ係数に対応する、周波数領域での複素数フィルタ係数である、
    ディジタルフィルタ処理方法
  8. 入力された時間領域の複素数入力信号を、フーリエ変換により前記第1の複素数信号に変換し、
    前記生成した第6の複素数信号を、逆フーリエ変換により時間領域の複素数信号に変換する、
    請求項記載のディジタルフィルタ処理方法。
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