JP6714399B2 - 光学素子及び光学薄膜の成膜方法 - Google Patents

光学素子及び光学薄膜の成膜方法 Download PDF

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Description

本件発明は、光学素子及び光学薄膜の成膜方法に関し、特に、反射防止膜等の光学薄膜を光学面に備えた光学素子、及び反射防止膜等の光学薄膜の成膜方法に関する。
従来、光学素子の光学面に反射防止膜等の光学薄膜を設けることが行われている。このような光学薄膜を成膜する際、一般に、真空蒸着法が採用されている。真空蒸着法とは、真空容器内に基板を保持するホルダーと蒸着源(蒸発源)とを配置し、蒸着源を加熱することにより、加熱蒸発させた成膜原料としての蒸着物質を基材の表面に付着(蒸着)させる成膜方法をいう。この際、ドーム型のホルダーに光学素子を保持させ、このドーム型のホルダーを公転回転させながらその光学面に光学薄膜を成膜する手法が、簡易かつ安価であり、一般的なセッティング構成として採用されている。
しかしながら、上記従来の方法では、レンズのレンズ面等の曲率半径の小さい曲面(球面、非球面を含む)に光学薄膜を均一な膜厚で成膜することは困難であった。ドーム型のホルダーは、通常、蒸着物質が光学面の中心部に対して垂直に入射するように、その形状等が設計されている。光学面が曲面である場合、光学面の周縁部には蒸着物質は斜めに入射する。蒸着物質が成膜面に対して斜めに入射した場合は蒸着物質の堆積速度が低下するため、蒸着物質が成膜面に対して垂直に入射した場合と比較して、成膜面に付着する蒸着量が少なくなる。従って、ドーム型のホルダーを用いて成膜した場合、光学面の周縁部の膜厚は、光学面の中心部の膜厚よりも薄くなる。光学面の曲率半径が小さくなるほど、光学面の中心部から周縁部における膜厚分布差は大きくなる傾向にある。
そこで、このような光学素子に対して光学薄膜を成膜する際に、例えば特許文献1では、平板状の回転ホルダーに光学素子を所定の傾斜角度で保持させることにより、周縁部に対する蒸着物質(特許文献1の実施例では、LaTiO)の入射角を小さくさせること等が行われている(例えば、「特許文献1」参照。)。光学素子としての凸レンズを所定の傾斜角度で保持させて成膜すると、光学素子の中心部における膜の緻密性等が低下するため、膜の耐久性が低下する。そこで、特許文献1に記載の方法では、アシスト蒸着等を行うことにより、光学素子の中心部における膜の緻密性低下を防ぎ、光学面の中心部から周縁部における膜厚分布が小さい光学薄膜を成膜できるとされている。
また、膜厚分布の少ない光学薄膜を成膜するための方法として、いわゆる自公転機構を用いることが行われている。自公転機構とは、2つの回転軸を有するレンズホルダーを用いて、レンズを自転させながら、レンズを公転させる機構をいう。さらに、より膜厚分布の小さい光学薄膜を成膜するための方法として、遊星回転型機構を用いることが提案されている(例えば、「特許文献1」参照。)。遊星回転機構とは、例えば、3つの回転軸を有するホルダーを用いて、ホルダーによって保持されたレンズを各回転軸周りに回転させることで、レンズをあたかも遊星回転の如く回転させる機構をいう(例えば、「特許文献2」参照。)。
特開2006−91600号公報 特開2000−73169号公報
しかしながら、特許文献2に記載される遊星回転機構は極めて複雑な機構を有し、このような遊星回転機構を有する真空蒸着装置を製造することは困難であると共に、経済的観点からも現実的ではない。さらに、上記真空蒸着装置を用いた場合も、曲率半径が小さい凹面を有するレンズに対して、自身に起因する光学特性のバラツキの少ない光学薄膜を成膜することができなかった。
そこで、本件発明の課題は、曲率半径の小さい凹面からなる光学面に光学薄膜を設けたときも、その光学薄膜に起因する光学特性のバラツキの少ない光学素子及び光学薄膜の成膜方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本件発明に係る光学素子は、凹面である光学面に光学薄膜を備える光学素子であって、当該光学素子は、当該光学面において光学的に有効な領域を光学有効領域とするとき当該光学有効領域の中心を通り当該光学面に垂直な直線Lと、当該光学有効領域の中心と当該光学素子の周縁部とを結ぶ線分LSとのなす角度θ1が45°≦θ1≦75°であり、前記光学薄膜は、前記光学有効領域の表面に設けられ、膜厚が最大である箇所が前記光学有効領域の中心と周縁部との間の中間部に位置することを特徴とする。
また、上記課題を解決するために、本件発明に係る光学薄膜の成膜方法は、凹面である光学面において光学的に有効な領域を光学有効領域とするとき、当該光学有効領域を成膜面として真空蒸着法によって光学薄膜を成膜するための光学薄膜の成膜方法であって、蒸着源側に前記成膜面を向けつつ当該蒸着源に対して前記光学素子を傾けた状態で回転させながら、前記蒸着源からの蒸着物質を前記成膜面に付着させると共に、当該光学素子によって、少なくとも前記成膜面の中心部において、当該蒸着物質のうち当該成膜面に斜めに入射する斜入射成分を遮蔽することを特徴とする。
本件発明によれば、曲率半径の小さい凹面からなる光学面に光学薄膜を設けたときも、その光学薄膜に起因する光学特性のバラツキの少ない光学素子及び光学薄膜の成膜方法を提供することができる。
本件発明に係る光学薄膜の膜厚分布の一例を示すグラフである。 本件発明に係る光学薄膜を備えた光学素子を示す模式図である。 本件発明に係る光学薄膜の成膜方法を示す模式図である。 膜厚測定方法を示す模式図である。 実施例1及び比較例1の光学薄膜の膜厚分布を示すグラフである。 実施例2及び比較例2の光学薄膜の膜厚分布を示すグラフである。 実施例3の光学薄膜の膜厚分布を示すグラフである。 実施例1の光学薄膜の反射特性を示すグラフである。 比較例1の光学薄膜の反射特性を示すグラフである。 実施例2の光学薄膜の反射特性を示すグラフである。 比較例2の光学薄膜の反射特性を示すグラフである。 実施例3の光学薄膜の反射特性を示すグラフである。 実施例1及び比較例1の光学薄膜を備える光学素子を組み込んだ撮像系によって得られた画像である。 実施例2及び比較例2の光学薄膜を備える光学素子を組み込んだ撮像系によって得られた画像である。
以下、本件発明に係る光学素子、その光学薄膜及び光学薄膜の成膜方法の実施の形態を説明する。
1.光学素子
まず、本件発明に係る光学素子の実施の形態を説明する。本件発明において、光学素子は特に限定されるものではなく、レンズ、フィルタ、ミラー等、種々のものを用いることができる。当該実施の形態では、主として、当該光学素子として、光学面に凹面を有するレンズを例に挙げて説明する。
図2に示すように、本実施形態の光学素子10は、光学面11が凹面であるレンズである。光学面11は、光学的に有効な領域である光学有効領域14(例えば、レンズ面の有効径内の領域)を備えている。一方、光学面11の外周縁12の外径側の端部13は、非光学有効領域となっている。光学有効領域14の表面には、真空蒸着法によって成膜されたMgFを含む光学薄膜20が設けられている。
光学素子10は、光学有効領域14の中心15を通り光学面11に垂直な直線Lと、光学有効領域の中心15と光学素子の周縁部(例えば、外周縁12)とを結ぶ線分LSとのなす角度θ1が45°≦θ1≦75°となっている。なお、光学有効領域14の中心15を通り光学面11に垂直な直線Lは、光学素子10が撮像用レンズとして使用される場合には、光軸に相当する。
上記θ1が45°≦θ1≦75である光学素子10は、凹面である光学面11の曲率半径が小さい。特許文献1及び特許文献2の方法では、そのような光学素子10に対して、真空蒸着法によって所定の膜厚分布を備える光学薄膜20を成膜することは困難であった。また、そのような光学素子10は、光学薄膜20の膜厚分布によっては、光学薄膜20に起因する光学面11の中心部と周縁部とにおける光学特性のバラツキが大きいことがあった。しかしながら、本実施形態の光学素子10によれば、以下の光学薄膜20を備えることにより、上記光学特性のバラツキを小さくすることができる。
2.光学薄膜
光学薄膜20は、1層構造又は多層構造とすることができ、少なくともMgFからなる層を含んでいる。MgFからなる光学薄膜20は、屈折率nが1.36と低いので、反射防止膜に用いたとき反射率を低くすることができる。また、光学薄膜20が多層構造である場合には、MgFからなる層に加えて、例えばSiO、ZrO、TiO、及びLaTiO等のいずれかからなる層を少なくとも1層以上含む構成とすることができる。また、光学薄膜20が多層構造である場合には、最表層がMgFからなることがより好ましい。
光学薄膜20は、膜厚が最大である箇所が光学有効領域14の中心15と外周縁16との間の中間部に位置している。光学薄膜20の膜厚が最大である箇所は、特に、光学有効領域14の中心15を通り光学面11に垂直な直線Lからの距離が0.1R2以上0.4R2以下の範囲の領域に位置することが好ましい。また、光学薄膜20は、膜厚分布が光学有効領域14の中心15を円中心とする同心円状であることが好ましい。当該同心円状には、例えば製造誤差等を含む略同心円状も含まれる。
また、光学薄膜20の膜厚は、光学有効領域14の中心15における膜厚をdcとし、光学有効領域14の外周縁16における膜厚をdoとし、平均膜厚をdaとし、最大膜厚をdmとしたとき、以下の3つの条件式(1)から条件式(3)のうちの1つ以上を満足することが好ましい。
0.8dc<da<dc ・・・(1)
dc<dm<1.2dc ・・・(2)
do<dm<1.2do ・・・(3)
上記条件式(1)を満足しない(da≦0.8dc又はdc≦da)場合には、光学薄膜20の中心部の膜厚が他の領域と比較して小さ過ぎるか又は大きすぎるために、光学薄膜20に起因する光学特性のバラツキが大きくなることがある。
また、上記条件式(2)を満足しない(dm≦dc又は1.2dc≦dm)場合には、膜厚最大である位置の膜厚が大きすぎるために、光学薄膜20に起因する光学特性のバラツキが大きくなることがある。
また、上記条件式(3)を満足しない(dm≦do又は1.2do≦dm)場合には、膜厚最大である位置の膜厚が大きすぎるために、光学薄膜20に起因する光学特性のバラツキが大きくなることがある。
図1に、光学薄膜20の膜厚分布の一例を示す。図1は、横軸が光学有効領域14における上記直線L(光軸)からの距離を示し、0が光学有効領域14の中心15であり、0.5R2が光学有効領域14の中心15から外周縁16までの距離を意味し、縦軸が光学薄膜20の膜厚を示している。そして、光学薄膜20の膜厚分布が光学有効領域14の中心15を円中心とする同心円状である場合には、図1の曲線と横軸で囲まれた部分を、縦軸を回転軸として回転させて得られる回転体が、光学薄膜20の実際の形状に相当する。
本実施形態では、光学薄膜20は、図1に示すように、光学有効領域14の中心15から外周縁16までの全領域に亘って形成されているが、外周縁16よりも内側のみに形成されていてもよい。光学薄膜20は、図1に示すように、膜厚が最大である箇所が、光学有効領域14において上記直線L(光軸)からの距離が0.1R2以上0.4R2以下の範囲の領域に位置していて、その最大膜厚dmが上記条件式(2)を満足している。また、光学薄膜20は、その平均膜厚daが上記条件式(1)を満足している。
ここでは、光学薄膜20が、上記3つの条件式(1)から条件式(3)のうちの2つを満足する場合について説明したが、これに限定されない。また、光学薄膜20は、上記3つの条件(1)から条件式(3)のうちの少なくとも1つを満足することが好ましいが、いずれも満足しなくてもよい。また、光学薄膜20において膜厚が最大である箇所は、光学有効領域14の中心15と外周縁16との間の中間部に位置するのであれば、どこにあってもよい。また、光学有効領域14の中心15における膜厚dcと、外周縁16における膜厚doとは、いずれが大きくてもよい。
本実施形態の光学薄膜20は、上述したように、膜厚が最大である箇所が光学有効領域14の中心15と外周縁16との間の中間部に位置している。このため、上記直線Lと上記線分LSとのなす角度θ1が45°≦θ1≦75°であって曲率半径の小さい凹面からなる光学面11を備える光学素子10は、上記膜厚分布の光学薄膜20を備えることにより、光学薄膜20に起因する光学面11の中心部と周縁部とにおける光学特性のバラツキを小さくすることができる。
例えば、本実施形態の光学素子1は、波長が380nm以上780nm以下である光線を、光学有効領域14の中心15を通り光学面11に垂直な直線Lに対して0°以上55°以下の入射角で入射したとき、全波長領域及び全入射角度に亘って低い反射率を達成することができる。このとき、光線の波長と反射率との関係を示すスペクトルの形状を、入射角度に関係なく、ほぼ同一にすることができ、すなわち、光学薄膜20に起因する光学面11の中心部と周縁部とにおける反射性能のバラツキを小さくすることができる。
3.光学薄膜の成膜方法
本実施形態の光学薄膜20は、光学素子10の光学有効領域14を成膜面として、真空蒸着法によって成膜することができる。本実施形態では、MgFからなる光学薄膜20を形成する場合について説明するが、MgFに限定されず、種々の材料に適用可能である。
図3(a)に示すように、まず、真空雰囲気内にMgFを含む蒸着源30を設け、その上方に設けられ、回転機構を備える図示しないレンズホルダーによって光学素子10を保持する。図3(a)では、蒸着源30の直上に光学素子10が位置しているが、直上でなくてもよく上方であればよい。
レンズホルダーは、1つの光学素子10を保持するものでもよく、複数の光学素子10を保持するものであってもよい。1つの光学素子10を保持するレンズホルダーの場合には、回転機構によって、上記直線Lを回転軸として回転するものとすることができる。また、複数の光学素子10を保持するレンズホルダーの場合には、例えば、ドーム型の凹面側に複数の光学素子10を保持し、回転機構によってドームの中心軸を回転軸として回転するものとすることができる。これにより、ドーム型のレンズホルダーに保持された個々の光学素子10を、蒸着源30に対して相対的に上記直線Lを回転軸として回転させることができる。なお、レンズホルダーの形状や回転機構は、これらに限定されず任意のものとすることができ、遊星回転機構を採用してもよい。
そして、レンズホルダーによって、光学素子10の成膜面(光学有効領域14)を蒸着源30側に向けつつ成膜面が斜め下方を向くように光学素子10を傾けた状態で保持し、例えば、上記直線Lを回転軸として光学素子10を回転させる。
続いて、蒸発源30を加熱すると、蒸着源30から蒸発した蒸着物質であるMgFが光学素子10の成膜面に付着し、MgFからなる光学薄膜20が成膜される。成膜面に付着(入射)する蒸着物質は、成膜面に対して略垂直に入射する成分(垂直入射成分)と、成膜面に対して斜めに対して入射する斜入射成分とがある。成膜面における垂直入射成分と斜入射成分との割合は、成膜面における入射位置と蒸着源30との位置関係や、入射位置における成膜面の向き等によって異なる。
凹面である光学面11を備える光学素子10が蒸着源30に対して斜めに傾いていることにより、蒸着源30からの蒸着物質の一部は光学素子10の周縁部(例えば端部13)に衝突してその進行が遮られる。(これを「自己遮蔽」と称する。)このため、図3(a)に示すように、光学有効領域14の中心部から蒸着源30に近い側の外周縁16までの領域では、上記自己遮蔽によって上記斜入射成分の入射が減少し、主に垂直入射成分が成膜面に付着する。特に、光学有効領域の14の中心部においては、光学素子10の回転に関係なく斜入射成分が遮蔽され、斜入射成分の成膜面への付着が抑制される。
これに対し、光学有効領域14の中心部から蒸着源30から遠い側の外周縁16までの領域では、蒸着源30との位置関係のために、上記自己遮蔽の影響を殆ど受けず、主に垂直入射成分が成膜面に付着し、斜入射成分の成膜面への付着は少ない。
本実施形態の成膜方法によれば、上述したように、成膜面の中心部では、斜入射成分の成膜面への付着が抑制されるために成膜量が減少する。この結果、図3(b)に示すように、膜厚が最大である箇所が光学有効領域14の中心15(図中の横軸が0の位置に相当)と外周縁16(図中の横軸が0.5R2の位置に相当)との間の中間部に位置する光学薄膜20を得ることができる。
また、得られた光学薄膜20は、成膜面全体に亘って、主に垂直入射成分によって形成され、斜入射成分が少ないので、膜の緻密性に優れると共に成膜面に対して強固に密着することができ、優れた物理的耐久性を得ることができる。
また、レンズホルダーは、光学素子10を蒸着源30に対して傾けた状態で保持するとしたが、このとき、上記直線Lと鉛直線(鉛直方向の直線)VLとのとのなす角度をθ2とするとき、以下の条件式(4)を満足することが好ましい。このようにすることにより、光学素子10によって、成膜面の中心部において斜入射成分の入射を確実に遮蔽することができる。
θ2>θ1 ・・・(4)
これに対し、上記条件式(4)を満足しない場合、すなわち、θ2<θ1である場合には、図3(c)に示すように、上述した自己遮蔽が行われないため、光学有効領域14の中心部において斜入射成分が成膜面に入射する。そうすると、図3(d)に示すように、光学有効領域14の中心15において成膜量が減少せず、膜厚が最大である箇所が光学有効領域14の中心15に位置することとなる。すなわち、本実施形態の光学薄膜20を得ることができない。また、図3(c)に示す方法で得られた光学薄膜20は、垂直入射成分に加えて斜入射成分を多く含むため、膜の緻密性が不十分であって成膜面に対する密着性が低く、物理的耐久性が不十分となる。
また、本実施形態の光学薄膜の成膜方法は、上記角度θ1が45°≦θ1≦75°であって曲率半径の小さい凹面からなる光学面11を備える光学素子10に対して光学薄膜を成膜する場合には、上記角度θ2を45°<θ2≦85°とすることにより、上述の膜厚分布を備える光学薄膜20を確実に成膜することができる。
θ2≦45°であると、θ2<θ1の関係を満足することができない。一方、θ2>85°であると、成膜面において垂直入射成分の入射が不足し、所望の厚さに成膜するのが困難になることがある。
また、本実施形態の光学薄膜の成膜方法は、角度θ1が45°≦θ1≦75°を満足しない凹面からなる光学面11を備える光学素子、例えばθ1<45°の凹面である光学素子についても適用可能である。
また、本実施形態の成膜方法では、光学薄膜20の成膜温度は220℃以上400℃以下であることが好ましい。成膜温度が高いほど、MgFからなる光学薄膜20の物理的耐久性が向上するが、400℃を超えると、レンズホルダーの回転機構(例えば、ベアリング)に不具合が生じるおそれがあるからである。
また、特許文献1に開示されたアシスト蒸着を行う成膜方法では、光学薄膜の材料によっては、アシスト蒸着に用いられるプラズマやイオン等によって薄膜がダメージを受けて分解され光学的に膜の吸収が発生するために、アシスト蒸着を効果的に行うことができないことがある(例えば、MgF)。これに対し、本実施形態の成膜方法によれば、プラズマやイオン等によって薄膜がダメージを受けることがないので、アシスト蒸着が困難な材料であっても光学薄膜20を形成することができる。
次に、実施例および比較例を示して本件発明を具体的に説明する。但し、本件発明は以下の実施例に限定されるものではない。
本実施例では、光学素子10として、図2に示す形状を備え、光学有効領域14の中心15を通り光学面11に垂直な直線Lとしての光軸と、光学有効領域の中心15と光学素子10の周縁部とを結ぶ線分LSとのなす角度θ1が60°である凹レンズを用いた。
本実施例では、真空蒸着法によって、光学素子10の光学有効領域14に反射防止膜としての光学薄膜20を成膜した。具体的には、図3に示したように、まず、真空雰囲気内にMgFを含む蒸着源30を設け、その上方に設けたレンズホルダーによって、成膜面を蒸着源30側に向けつつ成膜面が斜め下方を向くように光学素子10を保持した。このとき、上記直線Lと鉛直線VLとのなす角度θ2は、図3に示すようにθ2>θ1であった。続いて、レンズホルダーによって上記角度θ2を維持するように光学素子10を傾けた状態で光学素子10を回転させながら、真空蒸着法によってMgF等からなる光学薄膜20を形成した。このとき、光学素子10の端部13等によって自己遮蔽が行われ、少なくとも成膜面の中心部において斜入射成分を遮蔽した。
〔比較例1〕
本比較例では、光学素子として、実施例1と同一の光学素子10を用いた。そして、本比較例では、ドーム型のホルダーに光学素子を保持させ、このドーム型のホルダーを公転回転させながらその光学面に光学薄膜を成膜する手法により、光学薄膜20を成膜した。このとき、上記自己遮蔽は全く行われなかった。
本実施例では、光学素子10として、図2に示す形状を備え、上記角度θ1が55°である凹レンズを用いた。そして、上記光学素子10を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、光学薄膜20を成膜した。
〔比較例2〕
本比較例では、光学素子10として、実施例2と同一の光学素子10を用いた以外は、比較例1と全く同一にして、光学薄膜20を成膜した。
本実施例では、光学素子10として、図2に示す形状を備え、上記角度θ1が65°である凹レンズを用いた。そして、上記光学素子10を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、光学薄膜20を成膜した。
〔評価〕
次に、各実施例及び各比較例で得られた光学薄膜20について、膜厚分布を測定した。まず、図4に示すように、光学薄膜の中心部に対する入射角度を0°として反射スペクトルを測定し、その反射スペクトルから中心部における膜厚を求めた。次に、光学薄膜20の中心部から外周方向に0°から55°の範囲内の角度φで変化させた位置において入射角度を0°として反射スペクトルを測定し、その反射スペクトルから各角度の位置における膜厚を求めた。次に、各角度の位置における膜厚について、中心部の膜厚に対する相対比を算出した。結果を図5から図7に示す。
次に、図5から図7において、光学素子10の光学有効領域14の中心15を通り光学面11に垂直な直線L(光軸)からの距離が0.1R2及び0.4R2である位置に相当する角度を求めた。図5に示す実施例1及び比較例1では、それぞれ9°及び41°であり、図6に示す実施例2及び比較例2では、それぞれ9°及び41°であり、図7に示す実施例3では、9°及び38°であった。
次に、各実施例及び各比較例の光学薄膜20について、図5から図7から、光学有効領域14の外周縁16における膜厚doと、最大膜厚dmと、平均膜厚daとを、中心15における膜厚dcを100%としたときの相対比として求めた。このとき、実施例1,2及び比較例1,2については、中心部からの角度がφ=55°である位置を光学有効領域14の外周縁16とし、その膜厚を膜厚doとした。実施例3については、中心部からの角度がφ=50°である位置を光学有効領域14の外周縁16とし、その膜厚を膜厚doとした。また、各実施例及び各比較例の光学薄膜20について、最大膜厚である箇所に相当する角度φと、上記直線L(光軸)から最大膜厚箇所までの距離を求めた。結果を表1に示す。
次に、各実施例及び各比較例の光学薄膜20について、上記直線L(光軸)を回転軸としてさらに90°、180°、270°回転させた位置において、光学有効領域14の外周縁16における膜厚doと、中心15における膜厚dcを測定し、光学有効領域14の中心15における膜厚dcに対する外周縁16における膜厚doの比(外周縁の膜厚比do/dc)を求めたところ、表1と同等の結果が得られた。この結果から、各実施例及び各比較例の光学薄膜20は、いずれも、膜厚分布が光学有効領域14の中心15を円中心とする略同心円状であることが判明した。
次に、各実施例及び各比較例の光学薄膜20について、反射率を測定した。光学薄膜20の中心部に対する光線の入射角を0°から55°の範囲内で変化させ、各入射角において入射光の波長域を350nmから1050nmの範囲で測定した。結果を図8から図12に示す。
次に、各実施例及び各比較例で得られた光学薄膜20を備えた光学素子10を撮像系に組み込み、撮影を行った。撮影条件は、実施例1及び比較例1では、F値2.8、画角10°及びF値8、画角15°とし、実施例2及び比較例2では、F値8、画角0°及びF値8、画角45°とした。得られた画像を図13及び図14に示す。
以下、各実施例及び比較例の評価結果について述べる。はじめに、実施例1及び比較例1の評価結果について述べる。実施例1及び比較例1の光学薄膜20は、いずれも、光学有効領域14の中心15を通り光学面11に垂直な直線L(光軸)と、光学有効領域の中心15と光学素子10の周縁部とを結ぶ線分LSとのなす角度θ1が60°であって、光学面11の曲率が小さい光学素子10に設けられたものである。
図5及び表1から、実施例1の光学薄膜20は、膜厚が最大である箇所は、上記直線L(光軸)からの距離が0.42R2である位置であることが判明した。また、実施例1の光学薄膜20は、光学有効領域14の中心15における膜厚dcに対する外周縁16における膜厚doの比(外周縁の膜厚比do/dc)が93.6%であり、中心15における膜厚dcに対する平均膜厚daの比(平均膜厚比da/dc)が97.7%であることが判明した。これらの結果から、実施例1の光学薄膜20は、優れた膜厚均一性を備えることが明らかである。
一方、比較例1の光学薄膜20は、膜厚が最大である箇所が上記直線L(光軸)上、すなわち、光学有効領域14の中心16に位置することが判明した。また、比較例1の光学薄膜20は、外周縁の膜厚比do/dcが68.5%であり、平均膜厚比da/dcが83.3%であることが判明した。これらの結果から、比較例1の光学薄膜20は、実施例1の光学薄膜20と比較して膜厚均一性に劣ることが明らかである。
また、実施例1の光学薄膜20は、図8に示すように、380nm以上780nm以下の波長領域において、入射角度の変化に対してスペクトル形状の変化が小さく、400nm以上680nm以下の波長領域において、いずれの入射角度においても反射率が0.5%以下であった。よって、実施例1の光学薄膜20は、入射角が大きくなっても低反射率を達成可能な帯域が広く、広い入射角範囲の光線に対して低反射率を実現できることが明らかである。また、実施例1の光学薄膜20は、反射率における光線の入射角に対する依存性が低いことから、光学薄膜20の中心部だけでなく周縁部においても低反射率を実現できることが明らかである。
一方、比較例1の光学薄膜20は、図9に示すように、380nm以上780nm以下の波長領域において、入射角度の変化に対してスペクトル形状の変化が大きく、入射角度が大きくなるほど反射率が増加し、400nm以上680nm以下の波長領域において最大反射率が2%であった。よって、比較例1の光学薄膜20は、入射角が大きくなるにつれて、低反射率を達成可能な帯域が狭くなり、広い入射角範囲の光線に対して低反射率を実現できないことが明らかである。また、比較例1の光学薄膜20は、反射率における光線の入射角に対する依存性が高いことから、光学薄膜20の周縁部においては低反射率を実現できないことが明らかである。
また、可視光領域(380nm以上780nm以下)において反射率が増加する場合には、光学薄膜を撮像系に組み込んで撮影したときに、ゴーストが発生することが知られている。特に、波長670nm以上780nm以下の光線(赤色の光線)に対する反射率が高く、且つ、それ以外の波長域の光線に対する反射率が低い場合には、赤色に着色したゴーストが発生する。
また、図13に示すように、実施例1の光学薄膜20を備えた光学素子10を撮像系に組み込んで撮像したとき、視認性の高いゴースト、特に赤色に着色したゴーストは殆ど発生しなかった(図中の破線で囲んだ領域)。よって、実施例1の光学薄膜は、入射角度に関係なく赤色の光線に対する反射率が低いことが明らかである。これは、図8に示すように、実施例1の光学薄膜20は、入射角度が55°である波長700nmの光線に対する反射率が低い(1%以下)という結果にも表れている。
一方、比較例1の光学薄膜20を備えた光学素子10を撮像系に組み込んで撮像したとき、視認性の高いゴースト、特に赤色に着色したゴーストが発生していた(図中の破線で囲んだ領域)。よって、比較例1の光学薄膜20は、入射角度によっては赤色の光線に対する反射率が高く、光学薄膜20の周縁部においては低反射を実現できないことが明らかである。これは、図9に示すように、比較例1の光学薄膜20は、入射角度が55°である波長700nmの光線に対する反射率が高い(2.5%を上回っている)という結果にも表れている。
以上の図8及び図13の結果から、実施例1の光学薄膜20は、入射角度が大きい場合においても可視光領域の光線に対して低反射率を達成することができ、また、光学薄膜20の中心部だけでなく周縁部においても優れた反射防止性能を備えることが明らかである。一方、以上の図9及び図13の結果から、比較例1の光学薄膜20は、入射角度が大きい場合には低反射率を達成することができず、また、光学薄膜20の周縁部においては反射防止性能が不十分であることが明らかである。
次に、実施例2及び比較例2の評価結果について述べる。実施例2及び比較例2の光学薄膜20は、いずれも、光学有効領域14の中心15を通り光学面11に垂直な直線L(光軸)と、光学有効領域の中心15と光学素子10の周縁部とを結ぶ線分LSとのなす角度θ1が55°であって、光学面11の曲率が小さい光学素子10に設けられたものである。
図6及び表1から、実施例2の光学薄膜20は、膜厚が最大である箇所は、上記直線L(光軸)からの距離が0.42R2である位置であることが判明した。また、実施例2の光学薄膜20は、外周縁の膜厚比do/dcが92.8%であり、平均膜厚比da/dcが99.9%であることが判明した。これらの結果から、実施例2の光学薄膜20は、優れた膜厚均一性を備えることが明らかである。
一方、比較例2の光学薄膜20は、膜厚が最大である箇所が上記直線L(光軸)上、すなわち、光学有効領域14の中心15に位置することが判明した。また、比較例2の光学薄膜20は、外周縁の膜厚比do/dcが59.5%であり、平均膜厚比da/dcが83.0%であることが判明した。これらの結果から、比較例2の光学薄膜20は、実施例2の光学薄膜20と比較して膜厚均一性に劣ることが明らかである。
また、実施例2の光学薄膜20は、図10に示すように、380nm以上780nmの波長領域において、入射角度の変化に対してスペクトル形状の変化が小さく、400nm以上650nmの波長領域において、いずれの入射角度においても反射率が0.8%以下であった。よって、実施例2の光学薄膜は、入射角が大きくなっても低反射率を達成可能な帯域が広く、広い入射角範囲の光線に対して低反射率を実現できることが明らかである。また、実施例2の光学薄膜20は、反射率における光線の入射角に対する依存性が低いことから、光学薄膜20の中心部だけでなく周縁部においても低反射率を実現できることが明らかである。
一方、比較例2の光学薄膜20は、図11に示すように、380nm以上780nmの波長領域において、入射角度の変化に対してスペクトル形状の変化が大きく、入射角度が大きくなるほど反射率が増加し、400nm以下650nmの波長領域において最大反射率が5%を上回っていた。よって、比較例2の光学薄膜20は、入射角が大きくなるにつれて、低反射率を達成可能な帯域が狭くなり、広い入射角範囲の光線に対して低反射率を実現できないことが明らかである。また、比較例2の光学薄膜20は、反射率における光線の入射角に対する依存性が高いことから、光学薄膜20の周縁部においては低反射率を実現できないことが明らかである。
また、図14に示すように、実施例2の光学薄膜20を備えた光学素子10を撮像系に組み込んで撮像したとき、視認性の高いゴースト、特に赤色に着色したゴーストが殆ど発生していなかった(図中の破線で囲んだ領域)。よって、実施例2の光学薄膜は、入射角度に関係なく赤色の光線に対する反射率が低いことが明らかである。これは、図10に示すように、実施例2の光学薄膜は、入射角度が55°である波長670nmの光線に対する反射率が低い(1%以下)という結果にも表れている。
一方、比較例2の光学薄膜20を備えた光学素子10を撮像系に組み込んで撮像したとき、視認性の高いゴースト、特に赤色に着色したゴーストが発生していた(図中の破線で囲んだ領域)。よって、比較例2の光学薄膜20は、入射角度によっては赤色の光線に対する反射率が大きくなり、光学薄膜20の周縁部においては低反射を実現できないことが明らかである。これは、図11に示すように、比較例2の光学薄膜20、入射角度が55°である波長670nmの光線に対する反射率が高い(グラフ範囲外)という結果にも表れている。
次に、実施例3の評価結果について述べる。実施例3の光学薄膜20は、光学有効領域14の中心15を通り光学面11に垂直な直線L(光軸)と、光学有効領域の中心15と光学素子10の周縁部とを結ぶ線分LSとのなす角度θ1が65°であって、光学面11の曲率が小さい光学素子10に設けられたものである。
図7及び表1から、実施例3の光学薄膜20は、膜厚が最大である箇所は、上記直線L(光軸)からの距離が0.45R2である位置であることが判明した。また、実施例3の光学薄膜20は、外周縁の膜厚比do/dcが95.4%であり、平均膜厚比da/dcが100.6%であることが判明した。これらの結果から、実施例3の光学薄膜20は、実施例1及び実施例2よりもさらに優れた膜厚均一性を備えることが明らかである。
また、実施例3の光学薄膜20は、図12に示すように、380nm以上780nmの波長領域において、入射角度の変化に対してスペクトル形状の変化が小さく、400nm以上650nmの波長領域において、いずれの入射角度においても反射率が1%以下であった。よって、実施例3の光学薄膜は、入射角が大きくなっても低反射率を達成可能な帯域が広く、広い入射角範囲の光線に対して低反射率を実現できることが明らかである。また、実施例3の光学薄膜20は、反射率における光線の入射角に対する依存性が低いことから、光学薄膜20の中心部だけでなく周縁部においても低反射率を実現できることが明らかである。
以上説明したように、実施例1から実施例3の光学薄膜20は、曲率の小さい凹面である光学面11を備える光学素子10に設けられたときでも、広い波長範囲及び広い入射角範囲の光線に対して優れた反射防止特性を示すことが確認された。このことから、また、曲率半径の小さい凹面からなる光学面11を備える光学素子10であっても、上述した膜厚分布である実施例1から実施例3の光学薄膜20を設けることにより、光学薄膜に起因する光学面の中心部と周縁部とにおける反射性能のバラツキを小さくすることができることが確認された。
本件発明に係る光学薄膜は、広い波長範囲及び広い入射角範囲の光線に対して優れた反射防止効果を有するため、入射する光線の波長範囲の広い光学機器や、曲率の小さいレンズ等を使用する光学機器等に好適に用いることができる。
10 光学素子
11 光学面
14 光学有効領域
15 光学有効領域の中心
16 光学有効領域の外周縁
20 光学薄膜
30 蒸着源
L 光学有効領域の中心を通り光学面に垂直な直線
LS 光学有効領域の中心と光学素子の周縁部とを結ぶ線分
VL 鉛直線
θ1 直線Lと線分LSとのなす角度
θ2 直線Lと鉛直線VLとのなす角度

Claims (4)

  1. 凹面である光学面を備える光学素子の光学的に有効な領域を光学有効領域とするとき、当該光学有効領域を成膜面として真空蒸着法によって光学薄膜を成膜するための光学薄膜の成膜方法であって、
    蒸着源側に前記成膜面を向けつつ当該蒸着源に対して当該光学素子を傾けた状態で回転させながら、前記蒸着源からの蒸着物質を前記成膜面に付着させると共に、当該光学素子によって、少なくとも前記成膜面の中心部において、当該蒸着物質のうち当該成膜面に斜めに入射する斜入射成分を遮蔽することを特徴とする光学薄膜の成膜方法。
  2. 前記光学素子は、前記光学有効領域の中心を通り前記光学面に垂直な直線Lと、当該光学有効領域の中心と前記光学素子の周縁部とを結ぶ線分LSとのなす角度をθ1とし、前記直線Lと鉛直線VLとのなす角度をθ2とするとき、以下の条件式(4)を満足する請求項1に記載の光学薄膜の成膜方法。
    θ2>θ1 ・・・(4)
  3. 前記θ1は45°≦θ1≦75°であり、前記θ2は45°<θ2≦85°である請求項2に記載の光学薄膜の成膜方法。
  4. 前記蒸着源はMgFを含み、MgFからなる光学薄膜を成膜する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光学薄膜の成膜方法。
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