JP2015004919A - 反射防止膜及びそれを有する光学素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】広い波長域において優れた反射防止特性を有する反射防止膜及びそれを有する光学素子を提供する。【解決手段】透明な基板の光透過面に設けられる反射防止膜100であって、反射防止膜100は基板1側から空気層側へ順に、複数の層を積層した中間層2、400nm以下のピッチの微細構造部を複数形成した微細凹凸構造体3を有し、微細凹凸構造体3は、膜厚が200nm以上350nm以下で、屈折率が空気層側から前記基板1に向かう方向に1.0から連続的に増加する領域を有し、中間層2の複数の層は、基板側から空気層側へ順に、第1層21から第5層25を有し、複数の層の屈折率を波長550nmでの値、光学膜厚を(波長550nmでの屈折率)?(厚さ)とする。【選択図】図1
Description
本発明は、透明な基板の光入出射面に設けられる反射防止膜及びそれを有する光学素子に関し、特に深さ方向(膜厚方向)に屈折率が連続的に変化する構造を有し、広い波長域で良好なる反射防止機能を有し、各種の光学機器の光学系に好適なものである。
従来、レンズ、フィルター等の光学素子の表面(光透過面)には、入射光の光量損失を低減させるために、反射防止対策が施されている。例えば、可視光用の反射防止としてマルチコートと呼ばれる誘電体多層膜が広く用いられており、近年は、微細凹凸構造体を利用した反射防止膜も知られている(特許文献1、2)。
特許文献1には、実質的な屈折率が光入射側から基板側に向かって連続的に変化する、酸化アルミニウムを主成分とする板状結晶を用いた反射防止膜が開示されている。特許文献2には透明な基板上に基板側から空気層側へ順に薄膜よりなる複数の均一層と、微細凹凸構造体を積層した反射防止膜が開示されている。
一方、近年、蛍光顕微鏡や監視カメラ、車載カメラ等の可視光から近赤外の広い波長帯域を使用する光学機器においては、高画質な画像取得のため、光量損失やゴーストおよびフレアを、より低減することが求められている。広い波長域において反射防止を効果的に行うために、多層構造の反射防止膜が知られている(特許文献3)。特許文献3には最上層(最も空気層側)に低屈折率層を用いた、誘電体多層膜からなる9層構成の反射防止膜が開示されている。特許文献3には、波長400〜波長900nmの波長範囲で入射角度5における反射率が0.1%以下の反射防止膜が開示されている。
デジタルカメラや監視用カメラ等の光学機器に用いられる光学系には広い波長域の光束が入射する。このため反射防止機能としては広い波長域で反射率が低いことが求められている。特に光学機器に用いられる多くの撮像素子は近赤外域で感度を有するため、近赤外域においても反射率が低いことが求められている。可視域から近赤外域にわたり高い反射防止効果のある光学素子を得るには、基板に形成する反射防止膜の構成を適切に設定することが重要になってくる。
反射防止膜の構成が不適切であると広い波長域において、特に波長700nm以上の近赤外領域において高い反射防止性能を有し、例えば波長450nm〜波長1200nmの範囲において、良好なる反射率特性が困難になる。
本発明は、広い波長域において優れた反射防止特性を有する反射防止膜及びそれを有する光学素子の提供を目的とする。
本発明の反射防止膜は、透明な基板の光透過面に設けられる反射防止膜であって、前記反射防止膜は前記基板側から空気層側へ順に、複数の層を積層した中間層、400nm以下のピッチの微細構造部を複数形成した微細凹凸構造体を有し、該微細凹凸構造体は、膜厚が200nm以上350nm以下で、屈折率が空気層側から前記基板に向かう方向に1.0から連続的に増加する領域を有し、前記中間層の複数の層は、前記基板側から空気層側へ順に、第1層、第2層、第3層、第4層、第5層を有し、前記複数の層の屈折率を波長550nmでの値、光学膜厚を(波長550nmでの屈折率)×(厚さ)とするとき、前記第1層の屈折率が1.61〜1.71、光学膜厚が10〜220nm、前記第2層の屈折率が1.98〜2.40、光学膜厚が15〜65nm、前記第3層の屈折率が1.61〜1.71、光学膜厚が60〜140nm、前記第4層の屈折率が1.98〜2.40、光学膜厚が15〜65nm、前記第5層の屈折率が1.42〜1.54、光学膜厚が10〜140nmであることを特徴としている。
本発明によれば、広い波長域において優れた反射防止特性を有する反射防止膜及びそれを有する光学素子が得られる。
以下に、本発明の実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。なお、説明中の屈折率の値はすべて波長550nmでの値である。本発明の反射防止膜は、透明な基板の光透過面に設けられる。反射防止膜は基板側から空気層側へ順に、複数の層を積層した中間層、400nm以下のピッチの微細構造部を平面や曲面上に複数形成した微細凹凸構造体を有している。微細凹凸構造体は、膜厚が200nm以上350nm以下で、屈折率が空気層側から基板に向かう方向に1.0から連続的に増加する領域を有している。
図1は、本発明の反射防止膜を有する光学素子の概略図(断面図)である。図1において200は光学素子である。1は透明な光学基板である。光学基板1の表面付近を拡大して示している。光学基板1は屈折率が1.40〜2.30の光学ガラスもしくは光学プラスチック等からなり、その光入射面又は光出射面等の光透過面の少なくとも一方の面に本発明の反射防止膜100が形成されている。反射防止膜100は、空気層側に微細凹凸構造体3と、光学基板1と微細凹凸構造体3との間に設けられ、屈折率の異なる多層膜(複数の層)からなる中間層2と、を有する。
微細凹凸構造体3は、400nmより小さいピッチの微細構造部3aを複数、平面上に有しており、光入射側(空気層側)から光学基板1側に向かって空間充填率ffが連続的に高くなる領域を有する。そのため、この領域の有効屈折率neffは、光入射側から光学基板1に向かって連続的に増加する。波長が400nm以上波長1300nm以下の入射光に対して、入射角度が増加しても回折が起こらないようにするためには、微細構造部3aのピッチは200nm以下であることが好ましく、ピッチが120nm以下であることがさらに好ましい。
また、微細凹凸構造体3は、空間充填率が一定(つまり屈折率が一定)の領域(以下、均質領域)を有していてもよい。さらに、微細凹凸構造3は、規則的な構造でもよいし、不規則(ランダム)な構造でもよい。規則的な構造に比べて、ランダムな構造を持つ場合には、特定方向に回折光が発生するのを抑制することができるため、ランダムな構成をもつことがより好ましい。
高い反射防止効果を得るためには、微細凹凸構造体3の膜厚(高さの平均値)は、200nm以上350nm以下であることが好ましい。膜厚が200nm未満になると、高い反射防止効果が得られる波長帯域が狭くなる。一方膜厚が350nm以上になると、微細凹凸構造体3の縦横比が増大して製造が困難になるとともに、微細構造体3aの構成やランダム性に起因した散乱により透過率が低下する。
本実施例において、微細凹凸構造体3の製造方法は、特に限定されない。例えば、真空成膜法や液相法(ゾルゲル法)により成膜した酸化アルミニウム(アルミナ)を含有する膜を水蒸気処理あるいは温水処理することで表層をベーマイト化(板状結晶化)して微細凹凸構造体3を形成することができる。
この方法で作成した場合、微細凹凸構造体3の有効屈折率は光入射側でほぼ1となり、中間層2側に向かって連続的に上昇し、屈折率の最大値は1.35〜1.58の範囲となる。また、ナノインプリントやリソグラフィーを用いて形成することもできる。ただし、大面積に作成するためには、ナノインプリントや上記のような微結晶化や自己組織化等のボトムアップ型の微細構造の形成が好ましい。さらに開角の大きなレンズ等表面が平らでない光学素子に形成する場合には、ボトムアップ型の微細構造の形成がより好ましい。
微細凹凸構造体3は、中間層2との隣接部分に同じ材料から形成された屈折率が膜厚方向に均一な均一層(均質領域)を有してもよい。例えば、酸化アルミニウム膜を水蒸気や温水で処理する場合には、その表層に酸化アルミニウムの板状結晶が析出して厚さ方向に空間充填率が変化する微細凹凸構造体3を形成する。そしてその下(中間層2側)に空間充填率が一定の不定形の酸化アルミニウム層(均質領域)が残存してもよい。
均質領域の膜厚は、処理温度や処理時間、材料中の酸化アルミニウムの含有量や安定剤、触媒等の添加物含有量を制御することで、調整することができる。また、ナノインプリントやリソグラフィー等で形成した場合にも、均質領域を形成することができる。なお、均質領域の屈折率は微細凹凸構造体3のうち最も均質部に近い部分と一致させてもよく、異なっていてもよい。即ち、屈折率を1.35〜1.58とするのが良い。
中間層2は、光学基板1上に形成され、光学基板1側から順に所定の屈折率と光学膜厚(屈折率×厚さ)を有する第1層から第5層の5つの薄膜を積層した構造を持つ。すなわち、第1層21は、屈折率が1.61〜1.71、光学膜厚が10〜220nmである。第2層22は、屈折率が1.98〜2.40、光学膜厚が15〜65nmである。第3層23は屈折率が1.61〜1.71、光学膜厚が60〜140nmである。第4層24は屈折率が1.98〜2.40、光学膜厚が15〜65nmである。第5層25は屈折率が1.42〜1.54、光学膜厚が10〜140nmである。
本実施例において中間層2の各層の製造方法は特に限定されず、液相法や真空蒸着法、スパッタ法などの任意のプロセスを選定することができる。ただし、より緻密な膜を形成するためには、ドライプロセスが好ましく、スパッタ法がより好ましい。また、第1層21の屈折率が光学基板1の屈折率より低い場合には、第1層21の光学膜厚は10〜35nmであることが好ましく、第1層21の屈折率のほうが高い場合には、その光学膜厚は180〜220nmであることが好ましい。
これは、光学基板1と第1層21の屈折率の大小関係により、光学基板1と第1層21の界面で発生する反射波の位相が変化するためである。さらに、微細凹凸構造3と、中間層2との隣接部分に均質領域(均一層)を有している場合には、均質領域の光学膜厚と第5層25の光学膜厚の和が10nm以上140nm以下であることが好ましい。
これは、均質領域と第5層25を合わせて第5層25としての役割を果たしてもよいためである。また、このように均質領域と第5層25が見かけ上、1つの層として振る舞うためには、その屈折率差は0.1以下であることが好ましく、0.05以下であることがさらに好ましい。
ここで中間層2の各層の材料は、例えばSiO2やMgO2、Al2O3、MgO,SiON、ZrO2、HfO2,Ta2O5、TiO2などの金属酸化物の化合物を用いることができる。更に、LaF3、CeF3、MgF2、NdF3、CaF2などの金属フッ化物の単体やそれらの化合物を用いることができる。
光学基板1の材質によっては、大気に晒されることで表面に成分が溶出して曇りや着色(「ヤケ」と呼ばれる)が生じる場合があるため、これを防止するために、第1層21はAl2O3やSiONを用いることが好ましい。また第5層25は、反応性が低く大気中でも安定な膜であることが好ましく、例えばSiO2を用いることが好ましい。
また、微細凹凸構造体3と中間層2の界面の屈折率差(すなわち、第5層25の屈折率と微細凹凸構造3の最も光学基板1側の屈折率差)は0.1以下であることが好ましく、0.05以下であることがさらに好ましい。屈折率差を小さくすることにより、界面で発生する反射波を抑制することができ、反射防止性能が向上する。
反射防止膜を有した光学素子を光学系中に用いたとき、良好なる反射防止作用を有し、十分な透過率およびゴースト、フレアの抑制効果を得るためには、次の如く設定するのが良い。即ち、波長450〜波長1000nmで0.2%以下、波長1000〜波長1200nmで1.0%以下に反射率を低減できることが好ましい。また、入射角45度に対して、波長450〜波長1000nmで1.0%以下に低減できることが好ましい。さらに、波長450〜波長1000nmで0.1%以下、波長1000〜波長1200nmで0.6%以下に反射率を低減できるとさらに好ましい。
光学基板1は、屈折率が1.40〜2.30であることが好ましく、さらに1.40以上1.60以下もしくは1.8以上2.20以下であるとより好ましい。光学基板1の屈折率が上記の範囲を満たす場合、本発明の反射防止膜を形成することで高い反射防止性能を容易に得ることができる。
光入射面又は光出射面のいずれか1つの面に反射防止膜100を形成する光学素子200は、例えば、レンズ、プリズム、フライアイインテグレータ等を含む。また、この光学素子200を有する光学系は、例えば、撮像光学系、走査光学系、投射光学系を含み、カメラ、ビデオカメラ、双眼鏡、複写機、プリンター、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイ、天体望遠鏡、顕微鏡等の光学機器に使用することができる。
以上のように、本発明によれば、可視〜近赤外の広帯域において優れた反射防止特性を有する反射防止膜及びそれを有する光学素子が得られる。次に各実施例の反射防止膜について説明する。
[実施例1]
表1に実施例1−1の膜構成の数値を示す。表1において物理膜厚は実際の厚さである。以下、同じである。実施例1−1の反射防止膜は、図1に示す構成よりなっている。反射防止膜100は屈折率が2.162の光学基板1上に、5層構成の中間層2を形成し、さらにその上に微細凹凸構造体3が形成されている。
表1に実施例1−1の膜構成の数値を示す。表1において物理膜厚は実際の厚さである。以下、同じである。実施例1−1の反射防止膜は、図1に示す構成よりなっている。反射防止膜100は屈折率が2.162の光学基板1上に、5層構成の中間層2を形成し、さらにその上に微細凹凸構造体3が形成されている。
中間層2は、屈折率が1.694、SiONを主成分(ここで主成分とは形成された層において、指定の成分が85wt%以上含まれることである。)とする第1層21、屈折率が2.323、TiO2を主成分とする第2層22、屈折率が1.694、SiONを主成分とする第3層23、屈折率が2.323、TiO2を主成分とする第4層24である。更に屈折率が1.458、SiO2を主成分とする第5層25の構成であり、各層はそれぞれスパッタ法により形成した。各層の光学膜厚は、第1層21が24nm、第2層22が51nm、第3層23が81nm、第4層24が30nm、第5層25が55nmである。
また、微細凹凸構造体3は、アルミニウムを含むゾル液を調整し、スピンコートで成膜した後、200℃のオーブンで30分間焼成し、透明なアモルファスAl2O3を被膜し、80℃の温水中に30分間浸漬したのち、乾燥することで形成した。この方法で形成された反射防止膜100の厚さ方向に対する屈折率を図2(A)に示す。
図2(A)の横軸は光学基板(基板)1からの厚さを表し、反射防止膜が形成されている側の基板1の表面が0nm、微細凹凸構造体3の最も光入射側が474nmである。また、縦軸は反射防止膜100を構成する各部材の膜厚方向における屈折率を表す。
以下、反射防止膜の厚さ方向に対する屈折率の説明図は同じである。微細凹凸構造体3は、空気層側から中間層2側に向かって屈折率が1から連続的に1.504まで増加し、その物理膜厚は242nmである。膜厚方向に対する屈折率の変化は一定ではなく、空気層側に近い領域のほうが中間層に近い領域より厚み方向に対する屈折率変化が小さい構造となる。
このような構造は必ずしも必要ではないが、より波長帯域や入射角度特性に優れた反射防止特性を発揮できる。また、微細凹凸構造体3の下部(基板側)に屈折率1.504の均質領域(アモルファスAl2O3の残膜)(均一層)が光学膜厚で57nm形成されている。
図2(B)に、本実施例の反射防止膜100の反射率特性を示す。なお、図中の0、30、45、60は入射角度(単位:度)を表している。図2(B)より、本実施例1−1の反射防止膜100は、入射角が0度の時、波長400〜波長1000nmで0.1%以下、波長1000nm〜波長1200nmで0.5%以下の優れた反射防止性能を示す。また、入射角が45度の場合にも波長400〜波長1000nmの広い波長帯域で反射率1.0%以下の高性能な反射防止性能を実現していることが分かる。
なお、波長400〜波長1000nmの領域の平均反射率は、0度入射のとき0.03%、45度入射のとき0.26%であった。また、実施例1−1の反射防止膜100と基板1や膜構成は同様であるが、微細凹凸構造体3の膜厚がより薄い場合を実施例1−2として示す。
表2に実施例1−2の膜構成の数値を示す。実施例1−2において中間層2はスパッタ法により形成し、構成する材料、屈折率は実施例1−1と同様である。なお、各層の光学膜厚は、第1層21が22nm、第2層22が58nm、第3層23が75nm、第4層24が35nm、第5層25が66nmである。また、微細凹凸構造体3は、実施例1−1と同様の方法で形成したが、スピンコート時に膜厚を制御することにより、微細凹凸構造体3の物理膜厚は実施例1−1より1割程度薄い223nmとした。
また、微細凹凸構造体3の下部(基板1側)の均質領域も光学膜厚51nmと実施例1−1より薄く形成されている。この方法で作成した反射防止膜の厚さ方向に対する屈折率を図3(A)に示す。
図3(B)に、本実施例1−2の反射防止膜の反射率特性を示す。図3(B)より、本実施例1−2の反射防止膜100は、入射角が0度の時、波長400〜波長1000nmで0.1%以下、波長1000nm〜波長1200nmで0.7%以下の優れた反射防止性能を示す。また、入射角が45度の場合にも400〜1000nmの広い波長帯域で反射率1.0%以下の高性能な反射防止性能を実現していることが分かる。なお、波長400〜波長1000nmの領域の平均反射率は、0度入射のとき0.04%、45度入射のとき0.35%であった。
[比較例1]
実施例1−1、実施例1−2の反射防止膜と基板や膜構成は同様であるが、微細凹凸構造体3の膜厚がさらに薄い場合を比較例1として示す。表13に比較例1の膜構成の数値を示す。膜の作成方法は、実施例1−1、1−2と同様である。中間層2の各層の光学膜厚は、第1層21が15nm、第2層22が56nm、第3層23が69nm、第4層24が35nm、第5層25が67nmである。また、微細凹凸構造体3の物理膜厚は実施例1−2よりさらに薄い182nm、均質領域も光学膜厚47nmである。
実施例1−1、実施例1−2の反射防止膜と基板や膜構成は同様であるが、微細凹凸構造体3の膜厚がさらに薄い場合を比較例1として示す。表13に比較例1の膜構成の数値を示す。膜の作成方法は、実施例1−1、1−2と同様である。中間層2の各層の光学膜厚は、第1層21が15nm、第2層22が56nm、第3層23が69nm、第4層24が35nm、第5層25が67nmである。また、微細凹凸構造体3の物理膜厚は実施例1−2よりさらに薄い182nm、均質領域も光学膜厚47nmである。
比較例1の反射防止膜100の厚さ方向に対する屈折率を図15(A)に示す。図15(B)に比較例1の反射防止膜の反射率特性を示す。
図15(B)より、本比較例1の反射防止膜は、入射角が0度の時、波長1000nmで0.5%程度、波長1200nmで1.5%程度と長波長側で反射率が上がってしまう。また、入射角が45度の場合、波長1000nmで1.5%程度と入射角度特性も低下することが分かる。なお、波長400〜波長1000nmの領域の平均反射率は、0度入射のとき0.14%、45度入射のとき0.78%と実施例1に比べて2倍以上であった。
微細凹凸構造体3の膜厚が低くなりすぎると、波長700nm以上での反射率特性と角度特性が低下してしまう。波長400〜波長1000nmの領域の平均反射率が0度入射で0.10%以下を満たすためには、微細凹凸構造体3の膜厚(均質領域を除く)は、190nm以上であることが望ましい。
さらに波長400〜波長1000nmでの反射率が0.1%以下になるためには、微細凹凸構造3の膜厚が200nm以上であることがより好ましい。さらに、45度入射でも波長400〜波長1000nmで1%以下の反射率特性を実現するためには、微細凹凸構造体3の膜厚(均質領域を除く)が215nm以上であることがさらに好ましい。
一方、微細凹凸構造体3の膜厚が厚くなりすぎると、構造のランダム性や構造由来の散乱が増加し、透過率が低下するため、膜厚は400nm以下であることが好ましい。また、微細凹凸構造体3の微細構造部3aのピッチに対して高さが大きくなりすぎると微細凹凸構造体3の強度が低下し、構造の形成が難しくなるため、微細凹凸構造体3の膜厚は350nm以下であることがさらに好ましい。
[実施例2]
実施例2−1の反射防止膜は、図1に示す構成よりなっている。表3に実施例2−1の膜構成の数値を示す。反射防止膜100は屈折率が2.011の光学基板1上に形成されている。中間層2は、屈折率が1.621、Al2O3を主成分とする第1層21、屈折率が2.127、Ta2O5を主成分とする第2層22、屈折率が1.621、Al2O3を主成分とする第3層23を有する。更に屈折率が2.127、Ta2O5を主成分とする第4層24、屈折率が1.458、SiO2を主成分とする第5層25の構成である。
実施例2−1の反射防止膜は、図1に示す構成よりなっている。表3に実施例2−1の膜構成の数値を示す。反射防止膜100は屈折率が2.011の光学基板1上に形成されている。中間層2は、屈折率が1.621、Al2O3を主成分とする第1層21、屈折率が2.127、Ta2O5を主成分とする第2層22、屈折率が1.621、Al2O3を主成分とする第3層23を有する。更に屈折率が2.127、Ta2O5を主成分とする第4層24、屈折率が1.458、SiO2を主成分とする第5層25の構成である。
各層は、それぞれ真空蒸着法により形成した。各層の光学膜厚は、第1層21が13nm、第2層22が62nm、第3層23が63nm、第4層24が43nm、第5層25が60nmである。微細凹凸構造体3は実施例1−1と同等の方法で作成した。実施例2−1の反射防止膜100の厚さ方向に対する屈折率を図4(A)に示す。
図4(B)に、本実施例の反射防止膜100の反射率特性を示す。図4(B)より、本実施例2−1の反射防止膜は、入射角が0度の時、波長400〜波長1000nmで0.1%以下、波長1000nm〜波長1200nmで0.6%以下の優れた反射防止性能を示す。また、入射角が45度の場合にも波長400〜波長1000nmの広い波長帯域で反射率1.0%以下の高性能な反射防止性能を実現していることが分かる。なお、波長400〜波長1000nmの領域の平均反射率は、0度入射のとき0.04%、45度入射のとき0.29%であった。
また、実施例2−1の反射防止膜100と基板1や膜構成は同様であるが、微細凹凸構造体3の下部の均質領域がない場合を実施例2−2として示す。表4に実施例2−2の膜構成の数値を示す。
中間層2は実施例2−1と同様、真空蒸着法により形成し、構成する材料、屈折率も同様である。なお、各層の光学膜厚は、第1層21が19nm、第2層22が53nm、第3層23が71nm、第4層24が32nm、第5層25が109nmである。微細凹凸構造体3は、実施例2−1と同様の方法で形成したが、スピンコート時の成膜条件や温水浸漬処理時の条件を調整することにより、微細凹凸構造体3の下部に均質領域がない構成となっている。実施例2−2の反射防止膜の厚さ方向に対する屈折率を図5(A)に示す。
図5(B)に、本実施例2−2の反射防止膜の反射率特性を示す。図5(B)より、本実施例2−2の反射防止膜100は、入射角が0度の時、波長400〜波長1000nmで0.1%以下、波長1000nm〜波長1200nmで0.5%以下の優れた反射防止性能を示す。また、入射角が45度の場合にも波長400〜波長1000nmの広い波長帯域で反射率0.8%以下の高性能な反射防止性能を実現していることが分かる。なお、波長400〜波長1000nmの領域の平均反射率は、0度入射のとき0.03%、45度入射のとき0.26%であった。
均質領域と中間層2の第5層25を合わせた層が実質的に1層として振る舞うため、実施例2−2のように均質領域がない場合には、第5層25の膜厚を調整することで反射率特性を発揮することができる。ただし、均質領域が存在するほうが、製造は容易であり、さらに均質領域の膜厚と第5層25の膜厚をそれぞれ制御することができるため、反射防止性能上有利になる場合がある。
[比較例2]
比較例2として特許文献3に記載の反射防止膜(表1−7)を示す。計算に使用した光学基板の屈折率は実施例2−1および実施例2−2とほぼ同等の2.00である。また、表14に第1層〜第9層の屈折率および膜厚を示す。
比較例2として特許文献3に記載の反射防止膜(表1−7)を示す。計算に使用した光学基板の屈折率は実施例2−1および実施例2−2とほぼ同等の2.00である。また、表14に第1層〜第9層の屈折率および膜厚を示す。
図16に、本比較例2の反射防止膜の反射率特性(計算値)を示す。図16と特許文献3の図2−7との比較よりほぼ同等の計算値が得られていることが分かる。本比較例2の反射防止膜は、入射角が5度の時、波長400〜波長1000nmで0.1%以下、波長1000nm〜波長900nmでは反射率0.1%以下の優れた反射率特性を示す。しかしながら、波長950nm程度から反射率が急激に上昇し波長1200nmでは1.8%程度反射してしまう。また、45度入射の場合には、波長850nm以上で反射率特性が低下し始め波長1000nmでは1.6%程度の反射してしまう。
よって、比較例2のように、最上層に低屈折率膜を用いた構成では、本発明の反射防止膜のように可視域から近赤外までの広い波長帯域(波長450〜波長1200nm)で良好な反射率特性を得ることは困難である。
[実施例3]
実施例3の反射防止膜について説明する。実施例3は中間層2が5層よりなっている。表5に実施例3の膜構成の数値を示す。実施例3の反射防止膜100は、屈折率が1.808の光学基板1上に形成されている。
実施例3の反射防止膜について説明する。実施例3は中間層2が5層よりなっている。表5に実施例3の膜構成の数値を示す。実施例3の反射防止膜100は、屈折率が1.808の光学基板1上に形成されている。
中間層2は、屈折率が1.621、Al2O3を主成分とする第1層21、屈折率が2.038、ZrO2を主成分とする第2層22、屈折率が1.621、Al2O3を主成分とする第3層23を有する。更に屈折率が2.038、ZrO2を主成分とする第4層24、屈折率が1.458、SiO2を主成分とする第5層25の構成であり、それぞれ真空蒸着法により形成した。
微細凹凸構造体3は実施例1−1と同等の方法で作成した。ただし、スピンコート時の成膜条件やゾル液の物性を調整することにより、実施例1−1よりさらに微細凹凸構造体3の膜厚が大きくなっている。実施例3の反射防止膜100の厚さ方向に対する屈折率を図6(A)に示す。
図6(B)に、本実施例の反射防止膜100の反射率特性を示す。図6(B)より、本実施例3の反射防止膜100は、入射角が0度の時、波長450〜波長950nmで0.1%以下、波長1000nm〜波長1200nmで0.6%以下の優れた反射防止性能を示す。また、入射角が45度の場合にも波長400〜波長1000nmの広い波長帯域で反射率1.0%以下の高性能な反射防止性能を実現していることが分かる。なお、波長400〜波長1000nmの領域の平均反射率は、0度入射のとき0.06%、45度入射のとき0.29%であった。
[比較例3]
比較例3として、特許文献1に記載の条件(基板の屈折率≧中間層の屈折率≧微細凹凸構造の根本(中間層側)の屈折率)を満たす単層よりなる中間層を用いた反射防止膜を示す。表15に比較例3の膜構成の数値を示す。基板1および微細凹凸構造体3は実施例3と同等である。また、中間層2は特許文献1に記載を基にポリイミドを主成分とする膜で、屈折率1.647の膜を光学膜厚で72nm形成した。この時の反射防止膜100の厚さ方向に対する屈折率を図17(A)に示す。
比較例3として、特許文献1に記載の条件(基板の屈折率≧中間層の屈折率≧微細凹凸構造の根本(中間層側)の屈折率)を満たす単層よりなる中間層を用いた反射防止膜を示す。表15に比較例3の膜構成の数値を示す。基板1および微細凹凸構造体3は実施例3と同等である。また、中間層2は特許文献1に記載を基にポリイミドを主成分とする膜で、屈折率1.647の膜を光学膜厚で72nm形成した。この時の反射防止膜100の厚さ方向に対する屈折率を図17(A)に示す。
図17(B)に、本実施例の反射防止膜の反射率特性を示す。図17(B)より、本比較例3の反射防止膜は、入射角が0度の時、波長400〜波長700nmで0.1%以下、入射角が45度の場合にも波長400〜波長700nm0.2%以下と可視波長域では良好な特性を示すことが分かる。しかし、0度入射の場合、波長1000nmで0.6%程度、波長1200nmでは波長1400nmと近赤外領域では反射率が高くなってしまう。
また、45度入射の場合にも、波長1000nmで1.8%程度と反射率は高くなる。これより、微細凹凸構造体3に単層の中間層を組み合わせることで、本発明のように広い波長帯域で高性能な反射防止性能を得ることは困難であることが分かる。
[実施例4]
実施例4の反射防止膜について説明する。実施例4は中間層2が5層よりなっている。表6に実施例4の膜構成の数値を示す。実施例4の反射防止膜は、屈折率が1.743の光学基板上形成されている。実施例4の反射防止膜100の厚さ方向に対する屈折率を図7(A)に示す。また、図7(B)に、本実施例の反射防止膜の反射率特性を示す。なお、波長400〜波長1000nmの領域の平均反射率は、0度入射のとき0.07%、45度入射のとき0.25%であった。
実施例4の反射防止膜について説明する。実施例4は中間層2が5層よりなっている。表6に実施例4の膜構成の数値を示す。実施例4の反射防止膜は、屈折率が1.743の光学基板上形成されている。実施例4の反射防止膜100の厚さ方向に対する屈折率を図7(A)に示す。また、図7(B)に、本実施例の反射防止膜の反射率特性を示す。なお、波長400〜波長1000nmの領域の平均反射率は、0度入射のとき0.07%、45度入射のとき0.25%であった。
[実施例5]
実施例5の反射防止膜について説明する。実施例5は中間層2が5層よりなっている。表7に実施例5の膜構成の数値を示す。実施例5の反射防止膜は、屈折率が1.658の光学基板1上に形成されている。実施例5の反射防止膜の厚さ方向に対する屈折率を図8(A)に示す。
実施例5の反射防止膜について説明する。実施例5は中間層2が5層よりなっている。表7に実施例5の膜構成の数値を示す。実施例5の反射防止膜は、屈折率が1.658の光学基板1上に形成されている。実施例5の反射防止膜の厚さ方向に対する屈折率を図8(A)に示す。
また、図8(B)に、本実施例の反射防止膜の反射率特性を示す。実施例1〜実施例4までは、基板1の材料の屈折率より中間層2の第1層21の屈折率が小さい膜構成であったが、実施例5では図8(A)に示すように第1層21の屈折率のほうが大きい構成になっている。なお、波長400〜波長1000nmの領域の平均反射率は、0度入射のとき0.07%、45度入射のとき0.16%であった。
[実施例6]
実施例6の反射防止膜について説明する。実施例6は中間層2が5層よりなっている。表8に実施例6の膜構成の数値を示す。実施例6の反射防止膜は、屈折率が1.585の光学基板1上に形成されている。実施例6の反射防止膜100の厚さ方向に対する屈折率を図9(A)に示す。また、図9(B)に、本実施例の反射防止膜の反射率特性を示す。なお、波長400〜波長1000nmの領域の平均反射率は、0度入射のとき0.04%、45度入射のとき0.22%であった。
実施例6の反射防止膜について説明する。実施例6は中間層2が5層よりなっている。表8に実施例6の膜構成の数値を示す。実施例6の反射防止膜は、屈折率が1.585の光学基板1上に形成されている。実施例6の反射防止膜100の厚さ方向に対する屈折率を図9(A)に示す。また、図9(B)に、本実施例の反射防止膜の反射率特性を示す。なお、波長400〜波長1000nmの領域の平均反射率は、0度入射のとき0.04%、45度入射のとき0.22%であった。
[実施例7]
実施例7の反射防止膜について説明する。実施例7は中間層2が5層よりなっている。表9に実施例7の膜構成の数値を示す。実施例7の反射防止膜は、屈折率が1.518の光学基板1上に形成されている。実施例7の反射防止膜100の厚さ方向に対する屈折率を図10(A)に示す。
実施例7の反射防止膜について説明する。実施例7は中間層2が5層よりなっている。表9に実施例7の膜構成の数値を示す。実施例7の反射防止膜は、屈折率が1.518の光学基板1上に形成されている。実施例7の反射防止膜100の厚さ方向に対する屈折率を図10(A)に示す。
また、図10(B)に、本実施例の反射防止膜の反射率特性を示す。なお、波長400〜波長1000nmの領域の平均反射率は、0度入射のとき0.04%、45度入射のとき0.11%であった。
[実施例8]
実施例8−1の反射防止膜について説明する。実施例8−1は中間層2が5層よりなっている。表10に実施例8−1の膜構成の数値を示す。
実施例8−1の反射防止膜について説明する。実施例8−1は中間層2が5層よりなっている。表10に実施例8−1の膜構成の数値を示す。
実施例8−1の反射防止膜は、屈折率が1.498の光学基板1上に形成されている。実施例8−1の反射防止膜100の厚さ方向に対する屈折率を図11(A)に示す。また、図11(B)に、本実施例の反射防止膜の反射率特性を示す。なお、波長400〜波長1000nmの領域の平均反射率は、0度入射のとき0.05%、45度入射のとき0.28%であった。
実施例8−2の反射防止膜について説明する。実施例8−2は中間層2が5層よりなっている。表11に実施例8−2の膜構成の数値を示す。実施例8−2において、光学基板1は実施例8−1と同等であるが、微細凹凸構造体3の屈折率が異なっている。これは、ゾル液に添加する溶媒や安定化剤の種類や濃度、温水処理の条件やスピンコート時の条件により調整することができる。実施例8−2の反射防止膜の厚さ方向に対する屈折率を図12(A)に示す。
また、図12(B)に、本実施例の反射防止膜の反射率特性を示す。なお、波長400〜波長1000nmの領域の平均反射率は、0度入射のとき0.06%、45度入射のとき0.14%であった。
[実施例9]
実施例9の反射防止膜について説明する。実施例9は中間層2が5層よりなっている。表12に実施例9の膜構成の数値を示す。
実施例9の反射防止膜について説明する。実施例9は中間層2が5層よりなっている。表12に実施例9の膜構成の数値を示す。
実施例7の反射防止膜は、屈折率が1.440の光学基板1上に形成されている。実施例9の反射防止膜の厚さ方向に対する屈折率を図13(A)に示す。
また、図13(B)に、本実施例の反射防止膜の反射率特性を示す。なお、波長400〜波長1000nmの領域の平均反射率は、0度入射のとき0.05%、45度入射のとき0.31%であった。
図14は本発明の反射防止膜を備えた光学素子を用いた撮像装置の要部概略図である。図14において、101は撮像装置としてのデジタルカメラ、102は本発明の反射防止膜が光透過面に形成された光学素子(レンズ)を用いて構成された撮像光学系である。撮像光学系102は、複数の光学素子から構成されており、これらの光学素子のレンズ面のうち少なくとも1面に本発明の反射防止膜が形成されている。そのため、本実施例のデジタルカメラは、フレアやゴーストなどの有害光の発生が抑制された画像が得られ、高品位な光学機器が実現できる。
本実施例では、光学機器の1例としてデジタルカメラを取り上げたが、本発明に係る光学素子はこれに限定されるものではなく、双眼鏡や画像投射装置、蛍光顕微鏡等その他の光学機器に用いられる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
1:光学基板 2:中間層 3:微細凹凸構造体 21:中間層の第1層
22:中間層の第2層 23:中間層の第3層 24:中間層の第4層
25:中間層の第5層 100:本発明の反射防止膜
101:本発明の光学機器 102:本発明の光学系 200:光学素子
22:中間層の第2層 23:中間層の第3層 24:中間層の第4層
25:中間層の第5層 100:本発明の反射防止膜
101:本発明の光学機器 102:本発明の光学系 200:光学素子
Claims (9)
- 透明な基板の光透過面に設けられる反射防止膜であって、前記反射防止膜は前記基板側から空気層側へ順に、複数の層を積層した中間層、400nm以下のピッチの微細構造部を複数形成した微細凹凸構造体を有し、
該微細凹凸構造体は、膜厚が200nm以上350nm以下で、屈折率が空気層側から前記基板に向かう方向に1.0から連続的に増加する領域を有し、
前記中間層の複数の層は、前記基板側から空気層側へ順に、第1層、第2層、第3層、第4層、第5層を有し、前記複数の層の屈折率を波長550nmでの値、光学膜厚を(波長550nmでの屈折率)×(厚さ)とするとき、
前記第1層の屈折率が1.61〜1.71、光学膜厚が10〜220nm、
前記第2層の屈折率が1.98〜2.40、光学膜厚が15〜65nm、
前記第3層の屈折率が1.61〜1.71、光学膜厚が60〜140nm、
前記第4層の屈折率が1.98〜2.40、光学膜厚が15〜65nm、
前記第5層の屈折率が1.42〜1.54、光学膜厚が10〜140nm
であることを特徴とする反射防止膜。 - 前記微細凹凸構造体と前記中間層との間に、屈折率が膜厚方向に均一な均一層を有し、該均一層の屈折率は1.35〜1.58、該均一層の光学膜厚と前記第5層の光学膜厚の和は10nm〜140nmであることを特徴とする請求項1に記載の反射防止膜。
- 前記第1層の屈折率が前記基板の屈折率より低いとき、前記第1層の光学膜厚は10nm〜35nmであり、前記第1層の屈折率が前記基板の屈折率より高いとき、前記第1層の光学膜厚は180nm〜220nmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の反射防止膜。
- 前記第1層は、Al2O3またはSiONを主成分とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の反射防止膜。
- 前記第5層は、SiO2を主成分とすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の反射防止膜。
- 前記微細構造部はアルミナを主成分とする板状結晶から形成された層であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の反射防止膜。
- 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の反射防止膜を基板の光透過面に形成したことを特徴とする光学素子。
- 請求項7に記載の光学素子を1つ以上、有することを特徴とする光学系。
- 請求項8に記載の光学系を有することを特徴とする光学機器。
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