JP6710737B2 - 決済システム及び決済方法 - Google Patents
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Description
図1に示すように、本実施形態では、分散台帳D1に接続されたユーザシステム10、取引所システム20、決済口座管理機関システム30、清算機関システム40を用いる。本実施形態では、ブロックチェーンにより取引決済情報の記録の正当性を確認できる基盤システムを用いて、取引や決済を支援する場合を想定する。なお、ネットワークに接続された複数のノードで同じデータを保持し合う分散台帳D1(分散型台帳)を用いるものであれば、ブロックチェーン技術を用いる場合に限定されるものではない。そして、取引決済情報は、金融機関の注文、約定、決済に関する情報を電子的に記録するものであり、取引決済情報は分散台帳D1に記録され、ブロックチェーン技術により固定化される。更に、所謂仮想通貨とは異なり、この記録自体では決済は完了せず、単に注文〜決済に関する情報が記録されるだけである。本実施形態では、取引決済情報に関わる関係者間で契約に基づき、承認又は定められた方法で初めて決済が完了する(債権債務関係の成立)。
図2は、ユーザシステム10〜清算機関システム40等として機能する情報処理装置H10のハードウェア構成例である。
図3に示すように、ユーザシステム10〜清算機関システム40は、それぞれ、台帳管理部M1、情報記憶部M2を備える。台帳管理部M1は、自システムの情報記憶部M2に書き込まれた情報を、ピア・ツー・ピアネットワークに接続された他システムの情報記憶部M2の分散台帳D1に書き込む。
また、注文者が他の決済口座管理機関に口座を保有する場合には、取引管理部21は、決済承認依頼を行なう。
参加者コードデータ領域には、取引所の参加者(注文者)を特定するための識別子に関するデータが記録される。
約定日データ領域には、約定成立の年月日及び時刻に関するデータが記録される。
約定金額データ領域には、約定成立した取引金額に関するデータが記録される。
数量データ領域には、約定成立した取引数量に関するデータが記録される。
口座管理部31は、注文者の口座を管理する処理を実行する。本実施形態では、取引所システム20からの承認依頼に応じて、注文者の口座に残高があることを確認した上で決済承認を行なう。
口座識別子データ領域には、この参加者の口座を特定するための識別子に関するデータが記録される。
残高データ領域には、この口座の残高に関するデータが記録される。
入出金履歴データ領域には、この口座への入金や、この口座からの出金の履歴情報が記録される。
決済口座管理機関データ領域には、決済口座管理機関を特定するための識別子に関するデータが記録される。
決済予定数量、決済予定金額の各データ領域には、それぞれ、決済予定の証券数量、支払予定金額に関するデータが記録される。
図4に示すように、分散台帳D1には、注文情報510、約定成立情報520、失効情報530、承認依頼情報540、決済承認情報550、決済予告情報560、決済完了情報570が記録される。
銘柄データ領域には、取引対象の証券を特定するための識別子に関するデータが記録される。
注文者データ領域には、この注文の注文者を特定するための識別子に関するデータが記録される。
数量データ領域には、この銘柄の取引希望数量に関するデータが記録される。
発行番号データ領域には、約定された取引を特定するための識別子に関するデータが記録される。ここでは、買い注文、売り注文についての発行番号(例えば、注文情報510の発行番号)を含める。
銘柄データ領域には、取引対象の証券を特定するための識別子に関するデータが記録される。
約定金額、数量の各データ領域には、それぞれ、約定された取引の約定金額、数量に関するデータが記録される。
発行番号データ領域には、取引のための注文を特定するための識別子(例えば、注文情報510の発行番号)に関するデータが記録される。
注文失効データ領域には、この注文が他の注文と約定成立しなかったことを示すフラグが記録される。
銘柄データ領域には、約定された取引対象の証券を特定するための識別子に関するデータが記録される。
注文者データ領域には、この取引所の参加者である注文者を特定するための識別子に関するデータが記録される。
約定金額、数量の各データ領域には、それぞれ、約定された取引の約定金額、数量に関するデータが記録される。
決済口座管理機関データ領域には、注文者が口座を保有する決済口座管理機関であって、取引承認を依頼する決済口座管理機関を特定するための識別子に関するデータが記録される。
銘柄データ領域には、約定された取引対象の証券を特定するための識別子に関するデータが記録される。
注文者データ領域には、この取引所の参加者である注文者を特定するための識別子に関するデータが記録される。
承認結果データ領域には、取引承認の結果を特定するためのフラグが記録される。
発行番号データ領域には、決済予告を特定するための識別子に関するデータが記録される。
決済対象者データ領域には、決済対象者を特定するための識別子に関するデータが記録される。ここで、決済対象者は、注文者、決済口座管理機関(参加者が決済口座管理機関の場合も含む)である。
決済内容データ領域には、決済対象の内容が記録される。例えば、注文者の取引については、銘柄毎の累計(数量)、取引金額の累計が記録される。決済口座管理機関については、銘柄毎の累計(数量)、取引金額の累計が記録される。
発行番号データ領域には、決済予告を特定するための識別子に関するデータが記録される。
決済完了データ領域には、決済予告についてのDVP決済を完了したことを示すフラグが記録される。
次に、図5〜図7を用いて、取引処理を説明する。ここでは、例えば、注文情報510〜決済完了情報570として、ブロックチェーンを利用するオープンアセットプロトコルによるカラードコインを用いる。
図7に示すように、売り注文s1〜s4、買い注文b1〜b3の注文情報510が、分散台帳D1に記録された場合を想定する。
一方、他の決済口座管理機関の登録がないと判定した場合(ステップS2−1において「NO」の場合)、取引所システム20は、承認依頼処理(ステップS2−2)をスキップする。
一方、すべての注文者が決済口座管理機関でないと判定した場合(ステップS2−3において「NO」の場合)、取引所システム20は、自動承認処理(ステップS2−4)をスキップする。
図7に示すように、決済予告情報560に対応した決済完了情報570を分散台帳D1に記録する。
(1)本実施形態では、注文情報510、約定成立情報520、失効情報530、承認依頼情報540、決済承認情報550、決済予告情報560、決済完了情報570が分散台帳D1に記録される。これにより、取引の関係者が、取引内容や取引状況を確認することができる。そして、ブロックチェーンを用いた分散台帳D1により、分散台帳による情報共有技術と、ブロックチェーン等による記録の改竄防止技術とを利用して、記録の内容が不変で、記録の照合が容易であり、迅速で効率的な証券取引、すなわち約定から決済までの一連の処理を支援することができる。
・上記実施形態では、注文情報510〜決済完了情報570として、ビットコインのブロックチェーンを利用するオープンアセットプロトコル(カラードコイン)を用いる場合を想定した。分散台帳D1に記録される各情報は、カラードコインに限定されるものではない。ビットコイン以外の分散台帳D1を応用した、通貨以外の役割・機能を持たすことを主目的とした基盤システムを利用することができる。
・上記実施形態では、清算機関システム40は、分散台帳D1を用いた集計処理(ステップS2−6)、分散台帳D1を用いた決済予告処理(ステップS2−7)を実行する。ここで、約定された取引情報と、決済口座管理機関毎に集計した決済予告とをリンクさせる情報を、分散台帳D1に記録してもよい。
・上記実施形態では、清算機関システム40は、分散台帳D1を用いた集計処理(ステップS2−6)、分散台帳D1に決済予告処理(ステップS2−7)、DVP決済処理(ステップS2−8)を実行する。この場合、各参加者が決済予告の内容を確認し、決済予告承認情報を分散台帳D1に記録するようにしてもよい。この場合、清算機関システム40は、決済予告承認情報に基づいて、DVP決済処理を実行する(ステップS2−8)。
また、注文情報510毎に約定成立情報520を生成するようにしてもよい。この場合には、約定成立情報520に、取引約定した相手方の注文情報の発行番号を記録しておく。
・上記実施形態では、分散台帳D1に記録する情報は、必要に応じて、本取引に関わる関係者で復号可能なキーにより暗号化される。暗号化の必要性は、ネットワークや情報に応じて行なえばよい。例えば、関係者のみが用いるクローズド型(プライベート型)ネットワークの場合には、暗号化の必要はない。
・上記実施形態では、分散台帳D1に記録される一連の情報を特定するための識別子として、注文情報510の発行番号等を用いる。一連の情報を特定できる識別子であれば、注文情報510の発行番号に限定されるものではない。
Claims (6)
- 注文者システムに接続される取引所システムが、分散台帳により情報の正当性を確認できる基盤システムを介して接続された清算機関システムを含む決済システムであって、
前記取引所システムが、
前記分散台帳に記録され、約定可能な注文情報を取得し、
前記取得した注文情報のマッチングを行なうことにより、約定した注文情報を特定し、
約定されなかった注文情報について、失効情報を前記分散台帳に記録し、
前記約定された注文情報の発注者が決済口座管理機関であると判定した場合には、前記決済口座管理機関の口座を用いて決済を行なう決済承認情報を前記分散台帳に記録し、
前記清算機関システムが、
前記約定された注文情報に基づいて決済を行なうことを特徴とする決済システム。 - 注文者システムに接続される取引所システムが、分散台帳により情報の正当性を確認できる基盤システムを介して接続された清算機関システムを含む決済システムであって、
前記取引所システムが、
前記分散台帳に記録され、約定可能な注文情報を取得し、
前記取得した注文情報のマッチングを行なうことにより、約定した注文情報を特定し、
約定されなかった注文情報について、失効情報を前記分散台帳に記録し、
前記約定された注文情報の発注者及び受注者の少なくとも何れか一方が自身以外を決済口座管理機関として登録している決済口座管理機関利用者と判定した場合には、前記決済口座管理機関利用者の決済口座管理機関システムに対して、承認依頼を送信し、
前記清算機関システムが、
前記決済口座管理機関システムの決済承認情報が前記分散台帳に記録された場合に、前記約定された注文情報に基づいて決済を行なうことを特徴とする決済システム。 - 前記清算機関システムが、
前記約定された注文情報に基づいて、決済予告を前記分散台帳に記録し、
前記決済予告の後で決済を行なうことを特徴とする請求項1又は2に記載の決済システム。 - 前記清算機関システムが、前記約定された注文情報の取引者毎に、取引金額を集計して前記決済予告を行なうことを特徴とする請求項3に記載の決済システム。
- 注文者システムに接続される取引所システムが、分散台帳により情報の正当性を確認できる基盤システムを介して接続された清算機関システムを含む決済システムを用いて、決済を支援する方法であって、
前記取引所システムが、
前記分散台帳に記録され、約定可能な注文情報を取得し、
前記取得した注文情報のマッチングを行なうことにより、約定した注文情報を特定し、
約定されなかった注文情報について、失効情報を前記分散台帳に記録し、
前記約定された注文情報の発注者が決済口座管理機関であると判定した場合には、前記決済口座管理機関の口座を用いて決済を行なう決済承認情報を前記分散台帳に記録し、
前記清算機関システムが、
前記約定された注文情報に基づいて決済を行なうことを特徴とする決済方法。 - 注文者システムに接続される取引所システムが、分散台帳により情報の正当性を確認できる基盤システムを介して接続された清算機関システムを含む決済システムを用いて、決済を支援する方法であって、
前記取引所システムが、
前記分散台帳に記録され、約定可能な注文情報を取得し、
前記取得した注文情報のマッチングを行なうことにより、約定した注文情報を特定し、
約定されなかった注文情報について、失効情報を前記分散台帳に記録し、
前記約定された注文情報の発注者及び受注者の少なくとも何れか一方が自身以外を決済口座管理機関として登録している決済口座管理機関利用者と判定した場合には、前記決済口座管理機関利用者の決済口座管理機関システムに対して、承認依頼を送信し、
前記清算機関システムが、
前記決済口座管理機関システムの決済承認情報が前記分散台帳に記録された場合に、前記約定された注文情報に基づいて決済を行なうことを特徴とする決済方法。
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