JP6702806B2 - タイヤ管理装置及びタイヤ管理プログラム - Google Patents
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Description
また、タイヤの劣化としては、トレッドゴムの摩耗に限らず、トレッドゴム以外のタイヤケース(以下、ケースという)の外的な要因による傷や、経時的ひび割れ等が生じ得ることが知られている。そして、トレッドゴムの摩耗や傷等の劣化は、目視によりその状態を確認することができるため、比較的管理が容易である。一方で、ケースの劣化は、目視ではその状態について把握することが難しく、例えば、特許文献1には、ケースの経時的な劣化を予測する技術が開示されている。
特許文献1によれば、ケースのライフ(寿命)をある程度予測することができるものの、トレッドゴムの摩耗やケースの経時的な劣化の進行は、車両における装着位置により異なり、また、各タイヤのトレッドゴムの摩耗による劣化の進行とケースの経時的な劣化の進行とが一致しているとは限らず、ユーザーがこれらを含めてタイヤの状態を把握し、タイヤを管理することは容易なことではない。
本構成によれば、車両に装着されたタイヤの使用期間を平均化するようにタイヤを管理することができる。即ち、特定のタイヤのみ劣化が進行しないように管理することができる。
また、タイヤ管理装置の他の構成として、劣化状態予測手段は、各タイヤにおけるトレッドゴム及びケースの劣化傾向及び劣化状態を個別に予測することにより、各タイヤの劣化状態を精度良く把握できる。
また、タイヤ管理装置の他の構成として、使用可能期間予測手段は、各タイヤにおけるトレッドゴム及びケースの使用可能期間を個別に予測することにより、タイヤとしての残り寿命を精度良く把握できる。
また、タイヤ管理装置の他の構成として、装着位置立案手段は、使用可能期間予測手段により予測された各タイヤのトレッドゴム及びケースの使用可能期間のうち、使用可能期間が短い方に基づいて、タイヤの装着位置の変更案を立案することにより、より精度良くタイヤを管理することができる。
また、タイヤ管理装置の他の構成として、装着位置立案手段により立案されたタイヤの装着位置の変更案を表示する表示出力手段をさらに備えたので、視覚的に装着位置を確認できる。
また、コンピュータを上述の各手段として機能させるプログラムとして構成してもよい。
タイヤ管理装置1は、タイヤの使用状態を取得するタイヤ使用状態取得手段2と、タイヤを管理するサーバー3と、ユーザー端末4とで構成される。
[タイヤ使用状態取得手段の構成]
タイヤ使用状態取得手段2は、車両に搭載され、車両における各タイヤの使用状態に関する情報を取得する。タイヤ使用状態取得手段2は、例えば、TPMS(Tire Pressure Monitoring System)20、運行記録計22、タイヤ情報通信手段24等により構成される。
図2は、サーバー3の概略構成を示す図である。サーバー3は、ハードウェア資源として設けられた演算手段としてのCPU10、ROM,RAM等の記憶手段12、キーボードやマウス、或いは、磁気,光学ドライブ等の入力手段14、モニター等の表示手段16、ネットワークインターフェイスや外部機器等を接続する外部接続インターフェース(外部IF)18等を備える。CPU10が記憶手段12に格納された各プログラムに従って後述の処理を実行することにより、サーバー3を後述の各手段として機能させる。サーバー3は、例えば、タイヤの製造元や、タイヤの製造元から委託された委託業者、タイヤの販売業者等により管理される。
データベース32は、ユーザー情報、タイヤ特性情報、及びシミュレーションモデル情報とを有する。ユーザー情報としては、例えば、管理対象となるタイヤが装着された車両に関する車両情報と、当該車両に装着されたタイヤに関するタイヤ情報とが挙げられる。車両情報としては、例えば、管理対象のタイヤの登録日、タイヤ情報の更新日、車両が用いられる業種、車両タイプ、車両番号、操舵軸、駆動軸、トレーラ軸等の軸数、軸リフト機構(リフトアクスル機構)の有無、軸重、軸距、及び非積載時の軸重等の諸元、やタイヤ情報通信手段24のID番号等の車両に関する情報を含む。
上述のユーザー情報や車両情報は、例えばネットワーク回線5を通じたユーザーによる入力、或いは、サーバー3の管理者によって入力可能である。
気象情報取得手段34は、天気や気温に関する情報を取得する手段であって、例えば、ネットワーク回線5を介して、気象庁や民間の気象情報を提供する企業から天気や気温等を含む気象に関する情報を取得する。気象情報取得手段34は、例えば、各地の天気や気温等の1日の気象変化を日毎或いは時間毎に自動的に取得する。気象情報取得手段34によって取得された気象情報は、データベース32に気象履歴として格納される。なお、気象情報は、気象情報取得手段34による取得に限らず、サーバー3を管理する管理者によって手動入力することや手動入力と気象情報取得手段34による取得とを組み合わせても良い。
図3は、劣化状態予測手段36の構成の一実施形態を示すブロック図である。同図に示すように、劣化状態予測手段36は、トレッドゴムの摩耗傾向を算出するトレッドゴム摩耗傾向算出手段46と、タイヤケースの劣化傾向を算出するケース劣化傾向算出手段48とを備える。
物性値設定手段52は、データベース32から読み出したタイヤモデルMとタイヤ特性情報とを読み込み、タイヤモデルMを構成する複数の要素ごとに上述した物性値を設定する。
なお、タイヤ内周面に対応する節点とはインナーライナーの表面と気室との境界に設けられた節点をいう。また、タイヤ外周面の要素とはリムクッションゴム、サイドゴム及びトレッドゴム等の表面と大気との境界に位置する節点をいう。また、車両情報の入力時に、車両の側方、即ち、操舵軸と駆動軸との間に排気口がありとの設定がなされている場合には、排気口の後方に位置するタイヤの外周面には排気口から排出される排気温度が設定される。
温度算出部66では、[数2]に示す式(非定常熱伝導方程式)を基礎方程式とし、この[数2]を有限要素法の手法に基づいて有限要素方程式(離散方程式)に変換し、左辺の時間微分項を時間積分することで、所定時間Δt後の各要素における温度を算出する。つまり、温度算出部66による温度Tの計算の開始時刻t0をタイヤ新品時とし、現在の時刻ENDに至るまでの間を時刻間隔Δt毎に進行するように、繰り返し計算する。これにより、タイヤRの温度履歴、詳細にはタイヤモデルMの各要素における温度Tの時間履歴が算出される。
使用可能期間予測手段38は、上記劣化状態予測手段36により算出されたトレッドゴムの摩耗傾向線p及びケースの劣化傾向線qに基づいて、現在におけるタイヤ装着位置でそのままタイヤを使用し続けたときのトレッドゴムの溝残量Hが、リトレッド可能な溝深さに達するまでの走行可能距離eや使用限界の溝深さに達するまでの走行可能距離E、ケースのリトレッド可能な酸素濃度に達するまでの走行可能時間j、使用限界の酸素濃度に達するまでの走行可能時間Jを算出する(図4,図6参照)。
データ蓄積手段42は、劣化状態予測手段36によるトレッドゴムの摩耗傾向線pやケースの劣化傾向線qの算出時の各パラメータ、算出された摩耗傾向線pや劣化傾向線qに基づく車両特性、装着位置立案手段40による装着位置の変更案等の情報を格納する。
表示出力手段44は、入力手段14からの入力に基づいて、上述の各手段により処理された内容やデータベース32に記憶された情報を表示手段16に表示出力する。例えば、表示出力手段44は、立案された変更案とともにタイヤの現状の状態を表示するための表示出力処理を実行する。例えば、後述のユーザー端末4からサーバー3にアクセスされたときに表示出力処理が実行される。
そして、図7(d)に示す表示画面からタイヤ管理の開始を選択することにより、サーバー3と、タイヤ使用状態取得手段2及びユーザー端末4との通信が確立される。以後、タイヤ使用状態取得手段2からタイヤ状態情報及び運行情報がサーバー3に自動的に送信され、ユーザー端末4からサーバー3にタイヤ点検情報及び積載情報が入力可能となる。また、サーバー3から提供される装着位置の変更案等の表示、閲覧が可能となる。
さらに、使用可能期間予測手段38によって、予測されたトレッドゴムの摩耗傾向及びケースの劣化傾向に基づいて、上述の走行可能距離e、走行可能距離E、走行可能時間j、走行可能時間Jが算出される。使用可能期間予測手段38により予測された各タイヤR1乃至R6のトレッドゴムの走行可能距離e,Eやケースの走行可能時間j,Jは、装着位置立案手段40及びデータ蓄積手段42に出力される。
具体的には、劣化傾向線q1,q2がタイヤR1,R2に対応し、劣化傾向線q3,q4がタイヤR3,R4に対応し、劣化傾向線q5,q6がタイヤR5,R6に対応する。なお、各タイヤR1〜R6の装着位置は、図7(c)に示す通りである。また、全てのタイヤR1〜R6は、新品タイヤとして装着以後、ローテーションやリトレッド等がなされていないものとする。また、現時点のタイヤR1,R2のケースは、タイヤR3乃至R6のケースに比べて劣化している。さらに、タイヤR3,R4のケースはタイヤR5,R6のケースに比べて劣化している。タイヤR3,R4は、タイヤR5,R6と同じ駆動軸に装着されているが、排気口zからの排気ガスにさらされるため、タイヤR5,R6よりも劣化の進行が速い。
図11は、S400の状態把握処理を示すフロー図である。
S400では、車両に装着された各タイヤR1乃至R6の現状における状態を把握する処理を実行する。なお、走行可能距離e,E、走行可能時間j,Jの添え字iは、タイヤID番号の数字に対応する(図7(c)参照)。
S402:走行可能距離Eiが0(ゼロ)より大きいか否かを判定し、0より大きい場合にはS404に移行し、0以下の場合には廃棄予定をタイヤ情報に記録してS414に移行する。つまり、本ステップによりトレッドゴムの溝残量Hが使用限界値(α2)の溝深さを過ぎているか否かが判定される。
S404:走行可能距離eiが0(ゼロ)より大きいか否かを判定し、0より大きい場合にはS406に移行し、0以下の場合には「リトレッド不可」との情報をタイヤ情報として記録してS414に移行する。つまり、本ステップによりトレッドゴムの溝残量がリトレッド可能な限界値(α1)の溝深さを過ぎているか否かが判定される。
S406:走行可能距離eiが閾値x1より大きいか否かを判定し、閾値x1より大きい場合にはS408に移行し、閾値x1以下の場合には「リトレッド推奨」との情報をタイヤ情報として記録してS414に移行する。閾値x1は、リトレッド時期が近いか否かを判定するものであり、予め所定の距離が設定される。つまり、本ステップによりリトレッド時期が近いか否かが判定される。
S408:走行可能時間Jiが0(ゼロ)より大きいか否かを判定し、0より大きい場合にはS410に移行し、0以下の場合には「廃棄予定」との情報をタイヤ情報として記録してS414に移行する。つまり、本ステップによりケースの酸素濃度Cが使用限界値(β2)を過ぎているか否かが判定される。
S410:走行可能時間jiが0(ゼロ)より大きいか否かを判定し、0より大きい場合にはS412に移行し、0以下の場合には「リトレッド不可」との情報をタイヤ情報に記録してS414に移行する。つまり、本ステップによりケースの酸素濃度Cがリトレッド可能な限界値(β1)を過ぎているか否かが判定される。
S412:走行可能時間jiが閾値x2より大きいか否かを判定し、閾値x2より大きい場合にはS414に移行し、閾値x2以下の場合には「リトレッド推奨」との情報をタイヤ情報に記録してS414に移行する。閾値x2は、リトレッド時期が近いかどうかを判定するものであり、所定の時間が設定される。つまり、本ステップによりリトレッド時期が近いかどうか否かが判定される。
S414:全てのタイヤの状態判定が終了したかどうかを判定し、全てのタイヤの状態判定が終了していない場合にはS402に戻り、状態判定が終了した場合にはS420へ移行する。これにより各タイヤR1乃至R6の現在における状態が把握される。
図12は、S420の振り分け処理を示すフロー図である。S420では、S400により更新されたタイヤ情報に基づいて、タイヤの状態に応じた装着位置の変更案の立案処理の振り分けを実行する。
S422:タイヤR1乃至R6のいずれかに「廃棄予定」とのタイヤ情報が記録されていないかを判定し、記録されていない場合にはS424に移行し、記録されている場合にはS700に移行する。
S424:タイヤR1乃至R6のいずれかに「リトレッド不可」とのタイヤ情報が記録されていないかを判定し、記録されていない場合にはS426に移行し、記録されている場合にはS650に移行する。
S426:タイヤR1乃至R6のいずれかに「リトレッド推奨」とのタイヤ情報が記録されていないかを判定し、記録されていない場合にはS450に移行し、記録されている場合にはS600に移行する。
図13は、S450の要否判定処理処理を示すフロー図である。S450では、タイヤR1乃至R6の変更案の立案の要否を調べる。
S452:タイヤR1乃至R6の中で走行可能距離eの最大値と最小値を探索する。
S454:S452で探索された走行可能距離eの最大値と最小値との差(走行可能距離差)Δeを算出する。本ステップにより、車両に装着されたタイヤR1乃至R6の溝残量Hの差(開きの程度)が判定される。
S456:S454で算出された走行可能距離差Δeが閾値x3より小さいか否かを判定し、閾値x3より小さい場合にはS458に移行し、閾値x3以上の場合にはS468に移行する。閾値x3は、溝残量Hの開きの許容範囲を判定するものであり、予め所定の距離が設定される。
S458:タイヤR1乃至R6の中で走行可能時間jの最大値と最小値を探索する。
S460:S458で探索された走行可能時間jの最大値と最小値との差(走行可能時間差)Δjを算出する。本ステップにより、車両に装着されたタイヤR1乃至R6のケースの酸素濃度Cの差(開きの程度)が判定される。
S462:S460で算出された走行可能時間差Δjが閾値x4より小さいか否かを判定し、閾値x4より小さい場合にはS464に移行し、閾値x4以上の場合にはS500に移行する。閾値x4は、酸素濃度Cの開きの許容範囲を判定するものであり、予め所定の時間が設定される。
S464:「入れ替え不要」との情報をタイヤ情報として記録し、処理を終了する。
S468:タイヤR1乃至R6の中で走行可能時間jの最大値と最小値を探索する。
S470:S468で探索された走行可能時間jの最大値と最小値との差(走行可能時間差)Δjを算出する。
S472:S470で算出された走行可能時間差Δjが閾値x4より小さいか否かを判定し、閾値x4より小さい場合にはS530に移行し、閾値x4以上の場合にはS560に移行する。
なお、上記判定に用いる閾値x3,x4は、例えば、タイヤの装着位置の変更に要する費用対効果を勘案して設定すると良い。即ち、短いサイクルで装着位置を変更することも可能であるが、車両の運行に影響を及ぼす虞があるので適当な間隔(走行距離や走行時間)で装着位置が変更されるように設定すると良い。
図14は、S500の立案処理を示すフロー図である。S500では、トレッドゴム及びケースの使用可能期間が、リトレッド可能な状態にある場合の変更案を立案する。具体的には、S500では、走行可能距離差Δeが所定の閾値x3より小さく、走行可能時間差Δjが所定の閾値x4以上である場合において、ケースの劣化が平均化されるように、換言すれば、特定の位置に装着されたタイヤの局所的な劣化を避け、複数のタイヤ全体のトータルライフを延ばすようにタイヤの装着位置の変更案を立案する。
S502:各タイヤR1乃至R6に対応する走行可能時間j1乃至j6を、その長さに応じて順位付けを行う。例えば、走行可能時間j1乃至j6をその長さが短い順に順位付けする。車両の同軸上に装着されたタイヤは、通常、左右均等にケースが劣化すると考えることができるが、コンピュータシミュレーションにより走行可能時間j1乃至j6を算出しているため、左右が同じ数値となることはないものと考えることができる。なお、走行可能時間が同じである場合には、例えば、タイヤID番号の小さいものを上位に設定するようなルール付けを行えば良い。また、他の方法として走行可能時間が同じものについて同順位としても良い。本ステップにより、例えば、タイヤR1,R2,R3,R4,R5,R6の順に1位から6位が順位付けられるものとする。
S504:1位(走行可能時間が1番短い)のタイヤR1と6位(走行可能時間が1番長い)のタイヤR6とを互いの装着位置を変更する入れ替えペアとして設定する。
S506:2位(走行可能時間が2番短い)のタイヤR2と5位(走行可能時間が2番長い)のタイヤR5とを互いの装着位置を変更する入れ替えペアとして設定する。
S508:3位(走行可能時間が3番短い)のタイヤR3と4位(走行可能時間が3番長い)のタイヤR4とを互いの装着位置を変更する入れ替えペアとして設定する。
S510:S504〜S508において複数の入れ替えペアとなった各タイヤが同一の車軸に装着され、かつ、車両の左右同一側に装着されているかを判定し、当該条件を満たす場合にS512に移行し、当該条件を満たさない場合に設定を維持したまま終了する。
S512:S510の判定により、上述の条件を満たすことに基づいて、当該条件を満たす入れ替えペアについての設定を解除して処理を終了する。当該処理によって入れ替えペアの設定が解除されると位置の入れ替えが行われない。即ち、車両において、入れ替えペアの装着位置が同軸かつ車両の同じ側の場合には、劣化の進行が同じであるため、入れ替えを行ったとしても走行可能時間が変わらないため、入れ替えペアの設定を解除することで、タイヤの入れ替えの手間を軽減できる。
また、上記処理により設定された入れ替えペアは、装着位置の変更案として表示出力手段44に出力される。
図16は、S530の処理を示すフロー図である。S530では、走行可能距離差Δeが所定の閾値x3以上、走行可能時間差Δjが所定の閾値x4より小さい場合に、トレッドゴムの摩耗が平均化されるようにタイヤの装着位置の変更案を立案する。
S532:各タイヤR1乃至R6の走行可能距離e1乃至e6の長さに応じて順位付けを行う。例えば、走行可能距離e1乃至e6が短いタイヤを上位にして順位付けする。車両の同軸上に装着されたタイヤは、通常、左右均等にケースが劣化すると考えることができるが、コンピュータシミュレーションにより走行可能時間e1乃至e6を算出しているため、左右が同じ数値となることはないものと考えることができる。なお、走行可能時間が同じである場合には、例えば、タイヤID番号の小さいものを上位に設定するようなルール付けを行えば良い。また、他の方法として走行可能時間が同じものについて同順位としても良い。本ステップにより、例えば、タイヤR1,R2,R3,R4,R5,R6の順に1位から6位が順位付けられたものとする。
S534:1位(走行可能距離が1番短い)のタイヤ(R1)と6位(走行可能距離が1番長い)のタイヤ(R6)とを互いの装着位置を変更する入れ替えペアとして設定する。
S536:2位(走行可能距離が2番短い)のタイヤ(R2)と5位(走行可能距離が2番長い)のタイヤ(R5)とを互いの装着位置を変更する入れ替えペアとして設定する。
S538:S534とS536でペアとして設定された6位のタイヤと5位のタイヤが、同一の車軸に装着され、かつ、車両の左右同一側であるかを判定し、当該条件を満たす場合にS540に移行し、当該条件を満たさないにはS544に移行する。
S540:S536で設定された2位のタイヤと5位のタイヤの入れ替えペアの設定を解除し、S542に移行する。即ち、車両において、入れ替えペアの装着位置が同軸かつ車両の同じ側の場合には、劣化の進行が同じであるため、入れ替えを行ったとしても走行可能距離が変わらないため、入れ替えペアの設定を解除することで、タイヤの入れ替えの手間を軽減できる。
S542:S538において2位のタイヤ(R2)の入れ替えペアに設定されたタイヤ(R5)の次に走行可能距離eが長いタイヤ(タイヤR5よりも上位のタイヤ)を、2位のタイヤ(R2)の新たな入れ替えペアとして設定し、S538に戻る。そして、2位のタイヤ(R2)と入れ替えペアとなるタイヤが、同一の車軸に装着され、かつ、車両の左右同一側でなくなるように、S538〜S542を繰り返す。
S544:残りのタイヤを入れ替えペアとして設定し、処理を終了する。
上記処理により設定された入れ替えペアは、装着位置の変更案として表示出力手段44に出力される。
図18は、S560の処理を示すフロー図である。S560では、走行可能距離差Δeが所定の閾値x3より小さく、走行可能時間差Δjが所定の閾値x4以上である場合に、トレッドゴムの摩耗状態とケースの劣化状態を勘案してタイヤの装着位置の変更案を立案する。
S562:各タイヤR1乃至R6の走行可能時間j1乃至j6を走行可能距離je1乃至je6に変換する。当該変換は、例えば、現在までのタイヤの使用時間及び走行距離から単位時間当たりの走行距離を算出し、各タイヤR1乃至R6の走行可能時間j1乃至j6を乗じることで、走行可能距離je1乃至je6に近似的に変換可能である。
S564:走行可能距離je1乃至je6から最大値と最小値を探索する。
S566:S564で探索された走行可能距離jeの最大値と最小値との差(走行可能距離差)Δjeを算出する。
S568:S566で算出された走行可能距離差ΔjeがS454で算出された走行可能距離差Δeより小さいか否かを判定し、走行可能距離差Δeより小さい場合にはS530に移行し、走行可能距離差Δe以上閾値x3以上の場合にはS500に移行する。
即ち、S560では、トレッドゴムの摩耗状態とケースの劣化状態を比較し、トレッドゴムの摩耗状態がケースの劣化状態よりも進行しているか否か、ケースの劣化状態がトレッドゴムの摩耗状態よりも進行しているか否かにより、タイヤの装着位置の変更案を立案する。
図19は、S600の処理を示すフロー図である。S600では、上述のS406において、タイヤ情報として「リトレッド推奨」との情報が設定されたタイヤを含む場合のタイヤの装着位置の変更案を立案する。このとき、リトレッドが推奨されたタイヤは、リトレッドすることを前提として処理される。
S602:タイヤ情報に基づいてリトレッドが推奨されるタイヤを検出し、S604に移行する。
S604:S602により検出されたタイヤに、例えば、1から順に番号付けを行い、S606に移行する。番号付けは、例えば、タイヤID番号が小さいものから順に行う。
S606:リトレッドが推奨されていないタイヤの走行可能距離eの長い順に、S604で付された番号と連番となるように番号付けを行い、S608に移行する。
S608:データ蓄積手段42に格納された車両特性に基づき、車両においてトレッドゴムの摩耗傾向が速い装着位置から順に、S604,S606で番号付けされたタイヤを装着位置として設定し、S500に移行する。つまり、リトレッドが推奨されたタイヤをリトレッドした場合の装着位置の変更案を立案した後に、リトレッドしなかった場合のタイヤの装着位置の変更案も合わせて立案する処理を実行する。
S608により設定されたタイヤの装着位置は、装着位置の変更案として表示出力手段44に出力される。
図20は、S650の処理を示すフロー図である。S650では、上述のS404において、タイヤ情報として「リトレッド不可」との情報が設定されたタイヤを含む場合のタイヤの装着位置の変更案を立案する。
S652:タイヤ情報に基づいてリトレッドが不可とされたタイヤを検出し、S654に移行する。
S654:S652により検出されたタイヤの走行可能距離Eの短い順に、例えば、1から順に番号付けを行い、S656に移行する。
S656:リトレッドが不可でないタイヤの走行可能距離eの短い順に、S654で付された番号と連番となるように番号付けを行い、S658に移行する。
S658:データ蓄積手段42に格納された車両特性に基づき、車両においてトレッドゴムの摩耗傾向が遅い装着位置から順に、S604,S606で番号付けされたタイヤを番号順に設定し、終了する。
つまり、「リトレッド不可」とされたタイヤの装着位置の変更案を立案した後に、リトレッド可能なタイヤの装着位置の変更案を立案する処理を実行する。
S658により設定されたタイヤの装着位置は、装着位置の変更案として表示出力手段44に出力される。
図21は、S700の処理を示すフロー図である。S700では、上述のS408において、タイヤ情報として「廃棄予定」との情報が設定されたタイヤを含む場合のタイヤの装着位置の変更案を立案する。なお、S700では、廃棄予定のタイヤに替えて新品のタイヤが装着されるものとして処理する。
S702:タイヤ情報に基づいて廃棄予定が記録されたタイヤを検出し、S704に移行する。
S704:S702により検出されたタイヤに、例えば、1から順に番号付けを行い、S606に移行する。番号付けは、例えば、タイヤID番号が小さいものから順に行う。
S706:廃棄予定が記録されていないタイヤの走行可能距離Eの長い順に、S704で付された番号と連番となるように番号付けを行い、S708に移行する。
S708:データ蓄積手段42に格納された車両特性に基づき、車両においてトレッドゴムの摩耗傾向が速い装着位置から順に、S604,S606で番号付けされたタイヤを番号順に装着位置として設定し、終了する。
S708により設定されたタイヤの装着位置は、装着位置の変更案として表示出力手段44に出力される。
変更案としては、図22に示すような入れ替え図や、入れ替え後のリトレッドまでの走行可能距離及び走行可能時間、使用限界までの走行可能距離及び走行可能時間等の表示が表示される。
ユーザーは、表示された画面の内容に従い、タイヤの装着位置を変更することにより、車両に装着されたタイヤの劣化を平均化することが可能となり、結果として、タイヤの使用期間を最長化するように管理することができる。
4 ユーザー端末、36 劣化状態予測手段、38 使用可能期間予測手段、
40 装着位置立案手段。
Claims (6)
- 車両に装着されたタイヤの劣化傾向及び劣化状態を装着位置毎に予測する劣化状態予測手段と、
前記劣化状態予測手段により予測された劣化傾向及び劣化状態に基づいて、タイヤの使用可能期間をタイヤの装着位置毎に予測する使用可能期間予測手段と、
前記劣化状態予測手段により予測された各タイヤの劣化傾向を、前記車両におけるタイヤの装着位置毎の装着位置劣化特性とし、当該装着位置劣化特性と、前記使用可能期間予測手段により予測された各タイヤの使用可能期間とに基づいて、各タイヤの使用期間が平均化されるように前記車両におけるタイヤの装着位置の変更案を立案する装着位置立案手段と、
を備えたタイヤ管理装置。 - 前記劣化状態予測手段は、各タイヤにおけるトレッドゴム及びケースの劣化傾向及び劣化状態を個別に予測する請求項1に記載のタイヤ管理装置。
- 前記使用可能期間予測手段は、各タイヤにおけるトレッドゴム及びケースの使用可能期間を個別に予測する請求項2に記載のタイヤ管理装置。
- 前記装着位置立案手段は、前記使用可能期間予測手段により予測された各タイヤのトレッドゴム及びケースの使用可能期間のうち、使用可能期間が短い方に基づいて、タイヤの装着位置の変更案を立案する請求項3に記載のタイヤ管理装置。
- 前記装着位置立案手段により立案されたタイヤの装着位置の変更案を表示する表示出力手段をさらに備えた請求項1乃至請求項4いずれかに記載のタイヤ管理装置。
- コンピューターを、
車両に装着されたタイヤの劣化傾向及び劣化状態を装着位置毎に予測する劣化状態予測手段と、
前記劣化状態予測手段により予測された劣化傾向及び劣化状態に基づいて、タイヤの使用可能期間をタイヤの装着位置毎に予測する使用可能期間予測手段と、
前記劣化状態予測手段により予測された各タイヤの劣化傾向を、前記車両におけるタイヤの装着位置毎の装着位置劣化特性とし、当該装着位置劣化特性と、前記使用可能期間予測手段により予測された各タイヤの使用可能期間とに基づいて、各タイヤの使用期間が平均化されるように前記車両におけるタイヤの装着位置の変更案を立案する装着位置立案手段と、して機能させるタイヤ管理プログラム。
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