JP6698989B2 - 複合フタロシアニン微粒子およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複合フタロシアニン微粒子およびその製造方法に関する。
銅フタロシアニンは顔料・半導体・感光体・記録媒体・太陽電池・液晶・触媒等広い分野で使用されている材料であるが、色相の鮮明性や高い着色力・堅牢性を有していることから、青色顔料としてあらゆる用途に用いられている。
近年、銅フタロシアニンの特性をより一層発揮、あるいは改善させるため、銅フタロシアニンに対して、異種金属フタロシアニンを添加した複合フタロシアニンを製造する試みが行われる様になってきた。
特許文献1には、コバルトフタロシアニンと、銅フタロシアニンからなる青色の顔料組成物及び塗料組成物が、特許文献2には、α型コバルトフタロシアニン顔料とε型銅フタロシアニン顔料とを含有してなるカラーフィルター用顔料組成物が開示されている。
これら特許文献1、特許文献2に示される銅フタロシアニン粒子は、粉砕法によって製造されたものである。特性改善のためには微粒子化が不可欠であるが、粉砕法では100nm以下、特に50nm以下の微粒子を作製することが困難であり、また、仮に作成できたとしても、製造に多大なエネルギーを必要とすることや、微粒子の結晶に強い力が作用した結果、結晶性が悪く、目的とする特性が得られない。このように、より性能に対する要求が強まる中で、粉砕法では限界があると考えられる。
一方、上記粉砕法の欠点を解消した銅フタロシアニン微粒子の製造方法の一つとして、銅フタロシアニンを溶解可能な良溶媒に溶解させた原料溶液と、銅フタロシアニンに対する溶解度が良溶媒より低い貧溶媒とを混合させることで、銅フタロシアニン微粒子を析出させる貧溶媒晶析法が知られている(特許文献3)。
しかし、上記貧溶媒晶析法においても、依然、有機溶媒中で銅フタロシアニン微粒子が結晶成長するという残存課題がある。即ち、銅フタロシアニンは有機溶媒中で結晶成長してしまうため、微粒子が粗大化し色特性が悪化してしまう。
結晶成長を抑制するために、銅フタロシアニンに対する結晶成長抑制剤を使用することが考えられる。特許文献4には、上記結晶成長抑制剤として、異種金属フタロシアニンが示唆されている。しかしながら、特許文献4に開示されている方法は上記貧溶媒晶析法とは異なる。そのため、貧溶媒晶析法で銅フタロシアニンを製造する場合、異種金属フタロシアニンを如何なる工程で、如何なる処方で銅フタロシアニンに適応させ、結晶成長を抑制させるのかに関しては何も示されてはいない。
例えば、銅フタロシアニンに対する異種金属フタロシアニンの比率に関して何も示されてはいない。銅フタロシアニンに対する異種金属フタロシアニンの比率が高いと、結晶成長は抑制されるものの、異種金属フタロシアニンの影響により色特性が悪化する。逆に、銅フタロシアニンに対する異種金属フタロシアニンの比率が低いと、銅フタロシアニン微粒子の結晶成長が抑制されず、色特性の改善は望めない。これらの課題に対して、特許文献4は何ら解決策を提案していない。
ところで、特許文献5、特許文献6にあるように、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面の間にできる薄膜流体中で、流体を反応させる強制薄膜型のマイクロリアクターが知られている。この様なマイクロリアクターで作製した銅フタロシアニン微粒子は、従来の処方で製造されたものに比べて微細で均一にでき、着色力や発色力が一層向上するというメリットがある。
反面、オストワルド熟成が促進され、かえって有機溶媒中で粗大に成長したり、ネッキングを起こす傾向にあるため、上記マイクロリアクターで製造した微細で均一性が高い銅フタロシアニン微粒子ほど、期待された色特性を発揮させることが難しいというジレンマがある。
実際、上記特許文献5または特許文献6に記載の銅フタロシアニン微粒子の可視領域における透過・吸収スペクトルは、吸収スペクトルの観点から見ると、波長600nm付近に最も高いピークを持ち、660〜700nm付近に2番目に高いピークを持つ。また透過スペクトルの観点から見ると、400〜500nmの範囲に高い透過率を示し、透過率の最大と最低が80%以上となるものの、620nmから800nmにかけて再び透過率が高くなっていた。そのため、銅フタロシアニンは本来色材として青色からシアン色を望まれる物質であるにも関わらず赤味を帯びており、赤味を排除したより鮮明な青色を呈するよう、色特性の改善が求められていた。
また、特に、マイクロリアクターを用いて銅フタロシアニンを作製した場合には、析出反応が急速に進行することから、特許文献4の様に、単純に異種金属フタロシアニンを添加しただけでは、析出した微粒子の結晶成長を抑制できず、その結果、銅フタロシアニン微粒子の色特性改善は叶わなかった。
特開平10−231439号公報 特開2004−252443号公報 特開2012−42536号公報 特開2002−155219号公報 国際公開第2010/035861号パンフレット 特開2012−012614号公報
本発明は、このような事情に照らし、結晶成長を抑制でき、求められる特性を満足する、顔料等の色材として最適な、ナノオーダー、好ましくは100nmオーダー以下の銅−チタニルフタロシアニン微粒子、銅−コバルトフタロシアニン微粒子、および、銅−チタニル−コバルトフタロシアニン微粒子などの複合フタロシアニン微粒子およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、以下に示す複合フタロシアニン微粒子ならびにその製造方法により上記目的を達成できることを見出して、本発明を完成するに至った。
本発明は、原料として、少なくとも銅フタロシアニンとチタニルフタロシアニンおよび/またはコバルトフタロシアニンとを、第1溶媒に溶解させて溶解液を調製する工程(1)、 上記工程(1)で得られた溶解液と、上記原料に対して貧溶媒となる第2溶媒とを混合して複合フタロシアニンを析出させる工程(2)、および、上記工程(2)で得られた複合フタロシアニンに有機溶媒を作用させる工程(3)、を含むことを特徴とする、複合フタロシアニン微粒子の製造方法を提供する。
また、本発明は、上記有機溶媒が、芳香族化合物系溶媒または複素環式化合物系溶媒であることが好ましく、例えば、上記有機溶媒が、スチレン、キシレン、トルエン、ベンゼン、クレゾール、クメン、テトラヒドロフラン、ピリジンからなる群から選択される少なくとも1つであることが好ましい。α型銅フタロシアニンを、通常はより安定なβ型結晶構造等への結晶転移を誘起・促進する芳香族化合物系溶媒または複素環式化合物系溶媒を上記有機溶媒として用いることで、驚くべきことに、より安定なβ型結晶構造等への結晶転移することが抑制でき、また、結晶の成長を抑制することが可能となりうる。
また、本発明は、上記工程(1)における上記原料の混合重量比(銅フタロシアニン/チタニルフタロシアニンおよび/または銅フタロシアニン/コバルトフタロシアニン)が1以上20未満であるものとして実施することができる。
また、本発明は、上記工程(1)において、チタニルフタロシアニンおよびコバルトフタロシアニンを、同時または順次溶解させて実施することができる。
少なくとも上記工程(2)が、少なくとも2つの被処理流体を反応させるマイクロリアクターを用いて行われ、上記被処理流体中、少なくとも1つの被処理流体は、上記溶解液であり、他の被処理流体は、上記第2溶媒であるものとして実施することができる。具体的には、少なくとも上記工程(2)が、少なくとも2つの被処理流体を、接近および離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して相対的に回転する第1処理用面と第2処理用面との間に導入し、第1処理用面と第2処理用面との間に付与される導入圧力により、第1処理用面と第2処理用面とを離反させる方向に作用する離反力を発生させ、上記離反力によって、第1処理用面と第2処理用面との間を微小な間隔に保ちつつ、上記少なくとも2つの被処理流体を、上記微小な間隔に保たれた第1処理用面と第2処理用面との間で合流させ、上記第1処理用面と第2処理用面との間を通過させることによって、薄膜流体を形成させ、上記薄膜流体中で被処理流体同士を反応させるマイクロリアクターを用いて行われ、上記被処理流体中、少なくとも1つの被処理流体は、 上記溶解液であり、他の被処理流体は、上記第2溶媒であるものとして実施することができる。
また、本発明は、工程(2)で得られた複合フタロシアニンと工程(3)で得られた複合フタロシアニンとが、同じ結晶型であるものとして実施することができる。即ち、工程(3)において、工程(2)で得られた複合フタロシアニンに有機溶媒を作用させても結晶転移が起こらないことを示したものである。
また、本発明は、上記有機溶媒に界面活性剤又は分散剤を添加してもよい。
また、本発明は、少なくとも銅フタロシアニンとチタニルフタロシアニンおよび/またはコバルトフタロシアニンとを含む複合フタロシアニン微粒子であって、アスペクト比が1.1以上2.5以下であって、粒子径が5nm以上100nm以下であることを特徴とする、複合フタロシアニン微粒子を提供する。
本発明おいて、上記アスペクト比とは、銅−チタニルフタロシアニン微粒子等の各複合フタロシアニン微粒子における長辺と短辺の比率をいう。たとえば、その形状が直方体または直方体類似体と捉えうる場合には、3辺の中で最長辺と最短辺の比率をいう。または、その形状が球形または略球形の場合と捉えうる場合には、その最長径と最短径の比率を言う。また、たとえば、上記アスペクト比は、透過電子顕微鏡(TEM)観察によって、100個の粒子について長径と短径を測定した結果の平均値によって求めたものをいう。
また、本発明において、上記粒子径は、透過電子顕微鏡(TEM)観察によって、100個の粒子について粒子径を測定した結果の平均値によって求めたものをいう。
上記複合フタロシアニン微粒子の紫外可視領域における吸収スペクトルの655〜700nmにおけるピークトップのAbs(a)と550〜640nmにおけるピークトップのAbs(b)の相対値([Abs(a)]/[Abs(b)])が0.8以上であるものとして実施することができる。
本発明おいて、上記Absとは、ランベルト−ベールの法則に基づき紫外可視吸収スペクトル測定において算出される吸光度(Abspbance)のことをいい、ピークトップのAbsとは、特定波長の範囲内におけるAbs値の中で最大値のものをいう。
本発明の複合フタロシアニン微粒子の製造方法を用いることにより、色材として最適な、ナノオーダー、好ましくは100nmオーダーの複合フタロシアニン微粒子を得ることができる。特に、本発明の製造方法を用いることにより、特定の溶媒中において起こる結晶性成長を抑制することが可能となる。また、本発明の複合フタロシアニン微粒子の製造方法を用いることにより、耐溶剤性が向上し、結晶成長を促進する有機溶媒中であっても、結晶成長を抑制できるため、銅フタロシアニン微粒子の本来の特性を発揮することが可能となる。
また、本発明の複合フタロシアニン微粒子は、上記アスペクト比及び粒子径といった性状を備えているため、光の散乱を抑制し、特により鮮明な青色を有する色材として最適なものである。
(A)は本発明の実施の形態に係る流体処理方法の実施に用いられるマイクロリアクターの略断面図であり、(B)は本発明の他の実施の形態に係る流体処理方法の実施に用いられるマイクロリアクターの略断面図である。 図1(A)(B)に示すマイクロリアクターの処理用面の要部拡大図である。 実施例1において作製された銅−チタニルフタロシアニン微粒子等の吸収スペクトル測定結果である。 実施例1、2において作製された銅−チタニルフタロシアニン微粒子の吸収スペクトル測定結果である。 実施例1において作製された銅−チタニルフタロシアニン微粒子等の透過スペクトル測定結果である。 実施例1、2において作製された銅−チタニルフタロシアニン微粒子の透過スペクトル測定結果である。 実施例1において作製された銅−チタニルフタロシアニン微粒子の透過電子顕微鏡(TEM)観察写真(観測倍率50000倍)である。 実施例1において作製された本発明の銅−チタニルフタロシアニン微粒子の透過電子顕微鏡(TEM)観察写真(観測倍率10000倍)である。 比較例1−2の銅−チタニルフタロシアニン微粒子の透過電子顕微鏡(TEM)観察写真(観測倍率50000倍)である。 比較例1−2の銅−チタニルフタロシアニン微粒子の透過電子顕微鏡(TEM)観察写真(観測倍率10000倍)である。 実施例3−1〜3−5、比較例3−1〜3−5において作製された銅−コバルトフタロシアニン微粒子または銅−チタニル−コバルトフタロシアニン微粒子の吸収スペクトル測定結果である。 実施例3−1〜3−5、比較例3−1〜3−5において作製された銅−コバルトフタロシアニン微粒子または銅−チタニル−コバルトフタロシアニン微粒子の透過スペクトル測定結果である。 実施例1において作製された銅−チタニルフタロシアニン微粒子等のXRD測定結果である。 比較例3−1〜3−5において作製された銅−コバルトフタロシアニン微粒子または銅−チタニル−コバルトフタロシアニン微粒子のXRD測定結果である。 実施例3−1〜3−5において作製された銅−コバルトフタロシアニン微粒子または銅−チタニル−コバルトフタロシアニン微粒子のXRD測定結果である。 実施例3−1、3−1−1〜3−1−3、比較例3−1において作製された銅−コバルトフタロシアニン微粒子の吸収スペクトル測定結果である。 実施例3−2、3−2−1〜3−2−2、比較例3−2において作製された銅−チタニル−コバルトフタロシアニン微粒子の吸収スペクトル測定結果である。 実施例3−3、3−3−1、比較例3−3において作製された銅−チタニル−コバルトフタロシアニン微粒子の吸収スペクトル測定結果である。 実施例2において作製された銅−チタニルフタロシアニン微粒子等の吸収スペクトル測定結果である。 実施例2において作製された銅−チタニルフタロシアニン微粒子等の透過スペクトル測定結果である。 実施例4−1−1〜4−1−4、比較例4−1において作製された銅−チタニル−コバルトフタロシアニン微粒子の吸収スペクトル測定結果である。 実施例4−2−1〜4−2−4、比較例4−2において作製された銅−チタニル−コバルトフタロシアニン微粒子の吸収スペクトル測定結果である。 本発明の実施例5〜8における製造手順例である。 実施例5−2の工程2(洗浄)後において得られた本発明の複合フタロシアニン微粒子の透過電子顕微鏡(TEM)観察写真である。 実施例5−2の工程2(洗浄)後において得られた本発明の複合フタロシアニン微粒子の透過電子顕微鏡(TEM)観察写真である。 実施例5−2の工程3(作用)後において得られた本発明の複合フタロシアニン微粒子の透過電子顕微鏡(TEM)観察写真である。 実施例5−2の工程3(作用)後において得られた本発明の複合フタロシアニン微粒子の透過電子顕微鏡(TEM)観察写真である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の複合フタロシアニン微粒子の製造方法は、
原料として、少なくとも銅フタロシアニンとチタニルフタロシアニンおよび/またはコバルトフタロシアニンとを、第1溶媒に溶解させて溶解液を調製する工程(1)、
上記工程(1)で得られた溶解液と、上記原料に対して貧溶媒となる第2溶媒とを混合して複合フタロシアニンを析出させる工程(2)、および、
上記工程(2)で得られた複合フタロシアニンに有機溶媒を作用させる工程(3)、を含むことを特徴とする。
本発明に係る複合フタロシアニン微粒子は、ナノオーダー、好ましくは100nmオーダーであるが、用途に応じて、たとえば、1〜200nmであってもよく、2〜80nmであってもよく、5〜50nmであってもよく、10〜30nmであってもよい。たとえば、本発明の製造方法を用いることにより、上記範囲の微粒子を効率よく得ることが可能になる。
本発明の製造方法において、原料として、少なくとも銅フタロシアニンとチタニルフタロシアニンおよび/またはコバルトフタロシアニンとを、第1溶媒に溶解させて溶解液を調製する工程(1)を有する。ここで、第1溶媒とは、原料に対して良溶媒となる溶媒とする。
本発明において、上記工程(1)における、上記第1溶媒には、上記銅フタロシアニンおよび/または上記チタニルフタロシアニンに対して良溶媒となる溶媒、または、上記銅フタロシアニンおよび/または上記コバルトフタロシアニンに対して良溶媒となる溶媒が用いられることが好ましい。
上記第1溶媒としては、特に限定されないが、たとえば、酸性水溶液の場合は硫酸、塩酸、硝酸、トリフルオロ酢酸、燐酸、メタンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、トリクロロ酢酸などを用いることができる。特に表面処理された銅−チタニルフタロシアニン微粒子等を作製する場合には、発煙硫酸やクロロ硫酸、発煙硝酸などを用いる事が好ましい。また、上記良溶媒としては、その他、1−メチル−2−ピロリジノン、1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、2−ピロリジノン、ε−カプロラクタム、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N、N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロパンアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミドのようなアミド系溶媒やジメチルスルホキシド、または、これらの混合物等を用いることができる。また、その他、種々の有機溶媒にアルカリまたは酸の物質を加えた溶液に上記銅フタロシアニンおよび上記チタニルフタロシアニンを溶解したものを上記溶解液としても実施できる。上記有機溶媒に加えられるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなどがあげられる。酸としては、上記と同様に硫酸、塩酸、硝酸、トリフルオロ酢酸、燐酸、メタンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、トリクロロ酢酸、クロロ硫酸などをあげることができる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
原料として、銅フタロシアニン、チタニルフタロシアニン並びにコバルトフタロシアニンを用いる場合にあっては、上記第1溶媒には、3種のフタロシアニンのうち少なくとも1種のフタロシアニンに対して良溶媒となる溶媒を用いればよく、望ましくは3種全てのフタロシアニンに対して良溶媒となる溶媒を用いることが好ましい。
また、上記工程(1)においては、銅フタロシアニンとチタニルフタロシアニンまたはコバルトフタロシアニンとを第1溶媒に溶解した溶解液(銅フタロシアニン/チタニルフタロシアニン溶液または銅フタロシアニン/コバルトフタロシアニン溶液)は、銅フタロシアニンとチタニルフタロシアニンまたはコバルトフタロシアニンとを同時に上記良溶媒に溶解させて調製してもよく、銅フタロシアニンとチタニルフタロシアニンまたはコバルトフタロシアニンとを各々上記良溶媒等に溶解させておきそれらを適宜混合する方法で調製してもよい。
また、本発明において、上記銅フタロシアニン/チタニルフタロシアニン溶液および上記銅フタロシアニン/コバルトフタロシアニン溶液に用いられる銅フタロシアニン、チタニルフタロシアニンおよびコバルトフタロシアニンは、特に限定なく公知のものを用いることができる。
また、本発明において、上記工程(1)における上記銅フタロシアニンおよび上記チタニルフタロシアニンの混合重量比(銅フタロシアニン/チタニルフタロシアニン)が1以上20未満であることが好ましく、1.5以上9.0未満であってもよく、2.0以上6.0未満であってもよく、2.5以上4.0未満であってもよい。上記範囲内であることにより、より確実に鮮やかな青色の発色が可能となりうる。
また、本発明において、上記工程(1)における上記銅フタロシアニンおよび上記コバルトフタロシアニンの混合重量比(銅フタロシアニン/コバルトフタロシアニン)が1以上20未満であることが好ましく、1.5以上9.0未満であってもよく、2.0以上6.0未満であってもよく、2.5以上4.0未満であってもよい。上記範囲内であることにより、より確実に鮮やかな青色の発色が可能となりうる。
また、本発明の複合フタロシアニン微粒子の製造方法において、上記工程(1)において、チタニルフタロシアニンおよびコバルトフタロシアニンを、同時または順次溶解させることができる。上記構成を有することにより、上記工程(1)で得られた溶解液には銅フタロシアニンのほかにチタニルフタロシアニンおよびコバルトフタロシアニンも含まれることとなるが、これによって得られた複合フタロシアニン微粒子たる銅−チタニル−コバルトフタロシアニンは、上記微粒子同様に上記効果を発現しうるものとなる。なお、上記順次とは、銅フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、およびコバルトフタロシアニンをいずれの順序で溶解させてもよく、2つまたは3つの各溶解液を調製した上で適宜混合してもよい。
また、本発明において、上記工程(1)における上記銅フタロシアニン、上記チタニルフタロシアニン、およびコバルトフタロシアニンの混合重量比(銅フタロシアニン:チタニルフタロシアニン:コバルトフタロシアニン)は、たとえば、60:30:10、60:20:20、65:30:5とすることができ、70:30:0、70:0:30であってもよく、80:5:15、85:15:0、85:0:15、90:5:5、95:5:0、95:0:5であってもよい。上記構成とすることにより、粒子径や粒子の形状、または色特性等の特性を、目的に応じて作り分けることが可能となりうる。
上記工程(1)は、少なくとも銅フタロシアニンとチタニルフタロシアニンおよび/またはコバルトフタロシアニンとを第1溶媒に溶解または分子分散させて溶解液を調製する工程である。上記工程(1)は、撹拌羽根の周速度が1m/s以上である高速撹拌機を用いて行うことが好ましい。これによってこれまで溶解液中における未溶解物が原因となる粗大粒子の発生を抑えることができることは当然ながら、2種以上の分子や元素を溶解する場合にも、より均一な溶解状態である溶解液を迅速に作製することができる。そのため、対向して配設された、接近・離反可能な、少なくとも一方が他方に対して相対的に回転する少なくとも2つの処理用面間に形成される薄膜流体中において、溶解液と上記溶解液よりも上記原料に対して貧溶媒となる第2溶媒を混合して複合フタロシアニン微粒子を析出させた場合にあっても、これまで以上に均一且つ均質な微粒子を作製することが可能となった。
高速撹拌の方法は特に限定されないが、各種せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波式などの撹拌機や溶解機、乳化機、分散機、ホジナイザーなどを用いて実施することができる。一例としては、ウルトラタラックス(IKA製)、ポリトロン(キネマティカ製)、TKホモミキサー(プライミクス製)、エバラマイルダー(荏原製作所製)、TKホモミックラインフロー(プライミクス製)、コロイドミル(神鋼パンテック製)、スラッシャー(日本コークス工業製)、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機製)、キャビトロン(ユーロテック製)、ファインフローミル(太平洋機工製)などの連続式乳化機、クレアミックス(エム・テクニック製)、クレアミックスディゾルバー(エム・テクニック製)、フィルミックス(プライミクス製)などのバッチ式若しくは連続両用乳化機が挙げられる。その他、超音波式のホモジナイザーや超音波洗浄機などを用いても良い。
また、本発明の製造方法において、上記工程(1)で得られた溶解液と、上記溶解液よりも上記原料に対して貧溶媒となる第2溶媒とを混合して複合フタロシアニンを析出させる工程(2)を有する。ここで、原料に対して貧溶媒となる第2溶媒とは、第1溶媒よりも原料に対する溶解度の低い、貧溶媒と成り得る溶媒とする。
なお、上記溶解液と第2溶媒とを混合して析出させた複合フタロシアニンは、本発明の複合フタロシアニン微粒子の前駆体をも含むものである。
また、上記工程(2)における、上記原料に対して貧溶媒となる第2溶媒として、上記第1溶媒よりも上記銅フタロシアニンおよび/または上記チタニルフタロシアニンに対して貧溶媒となる溶媒、または、上記第1溶媒よりも上記銅フタロシアニンおよび/または上記コバルトフタロシアニンに対して貧溶媒となる溶媒が用いられることが好ましい。上記第1溶媒よりも上記原料に対して貧溶媒となる第2溶媒としては、特に限定されないが、上記銅フタロシアニンおよび上記チタニルフタロシアニン(または上記コバルトフタロシアニン)を溶解した溶媒よりも、上記銅フタロシアニンおよび上記チタニルフタロシアニン(または上記コバルトフタロシアニン)に対して溶解度の低い溶媒を用いて実施できる。たとえば、水、アルコール化合物溶媒、アミド化合物溶媒、ケトン化合物溶媒、エーテル化合物溶媒、芳香族化合物溶媒、二硫化炭素、脂肪族化合物溶媒、ニトリル化合物溶媒、スルホキシド化合物溶媒、ハロゲン化合物溶媒、エステル化合物溶媒、イオン性液体溶媒、カルボン酸化合物溶媒、スルホン酸化合物溶媒、スルホラン系化合物溶媒などがあげられる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。なお、本発明において、貧溶媒となりうる溶媒とは、上記銅フタロシアニンと上記チタニルフタロシアニンおよび/または上記コバルトフタロシアニンの溶解度が0.01質量%以下のものが好ましい。第2溶媒においても、複数成分を混合する場合や溶解する場合には、上述の高速撹拌を用いて調製することが望ましい。
さらに、上記溶解液を含む流体もしくは上記原料に対して貧溶媒となる第2溶媒を含む流体、またはその両方に、ブロック共重合体や高分子ポリマー、界面活性剤またはその他分散剤を含んでもよい。また、上記の分散剤は上記溶解液を含む流体とも上記原料に対して貧溶媒となる第2溶媒を含む流体とも異なる第3の流体に含まれていてもよい。
界面活性剤および分散剤としては、顔料の分散用途に用いられる様々な市販品を使用できる。特に限定されないが、たとえば、ドデシル硫酸ナトリウムやまたはネオゲンR−K(第一工業製薬製)のようなドデシルベンゼンスルホン酸系や、ソルスパース20000、ソルスパース24000、ソルスパース26000、ソルスパース27000、ソルスパース28000、ソルスパース41090(以上、アビシア製)、ディスパービック160、ディスパービック161、ディスパービック162、ディスパービック163、ディスパービック166、ディスパービック170、ディスパービック180、ディスパービック181、ディスパービック182、ディスパービック183、ディスパービック184、ディスパービック190、ディスパービック191、ディスパービック192、ディスパービック2000、ディスパービック2001(以上、ビックケミー製)、ポリマー100、ポリマー120、ポリマー150、ポリマー400、ポリマー401、ポリマー402、ポリマー403、ポリマー450、ポリマー451、ポリマー452、ポリマー453、EFKA−46、EFKA−47、EFKA−48、EFKA−49、EFKA−1501、EFKA−1502、EFKA−4540、EFKA−4550(以上、EFKAケミカル製)、フローレンDOPA−158、フローレンDOPA−22、フローレンDOPA−17、フローレンG−700、フローレンTG−720W、フローレン−730W、フローレン−740W、フローレン−745W、(以上、共栄化学製)、アジスパーPA111、アジスパーPB711、アジスパーPB811、アジスパーPB821、アジスパーPW911(以上、味の素製)、ジョンクリル678、ジョンクリル679、ジョンクリル62(以上、ジョンソンポリマー製)、アクアロンKH−10、ハイテノールNF−13(以上、第一工業製薬製)等をあげることができる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記複合フタロシアニンに表面処理を行う場合について、以下に説明する。
上記複合フタロシアニンの少なくとも表面に修飾基を導入することによる表面処理は、たとえば、図1に記載のようなマイクロリアクターを用いる場合で例示すると、処理用面1、2間に導入される流体に表面修飾剤を含めることによって実施できる。上記表面修飾剤は、上記溶解液を含む流体(第1流体)か上記原料に対して貧溶媒となる第2溶媒を含む流体(第2流体)のいずれか、またはその両方に含まれていてもよいし、上記溶解液を含む流体とも、上記原料に対して貧溶媒となる第2溶媒を含む流体とも異なる第3の流体に含まれていてもよい。また、第1流体および第2流体の組み合わせとしては特に上記のものに限定されない。
表面修飾基として少なくとも顔料表面に導入する修飾基の種類としては特に限定されず、表面処理の目的を分散性の向上を目的とする場合にあっては、たとえば、分散を目的とする溶媒や、分散剤種に応じて使い分ければよい。たとえば、酸性基や塩基性基などの極性基、上記極性基の塩構造、酸素、硫黄等の極性の大きな原子および/または芳香環等が導入された分極率の大きな構造、水素結合性基、ヘテロ環、芳香環等を有する修飾基等があげられる。酸性基としては、水酸基(ヒドロキシ基)やスルホン酸基(スルホ基)、カルボン酸基、燐酸基、硼酸基等があげられる。塩基性基としてはアミノ基等があげられる。水素結合性基としては、ウレタン部位、チオウレタン部位、尿素部位、チオ尿素部位等があげられる。
表面処理の目的を分散性の向上以外とする場合、たとえば、上記複合フタロシアニンの表面を撥水性、親油性、または親有機溶媒性とする場合には、上記第1流体若しくは第2流体、またはその両方に親油性官能基を含む表面修飾剤を含むことによって処理用面1、2間より吐出される複合フタロシアニンの表面に修飾基として親油性官能基を導入し、親油性処理することができる。また、上記表面修飾剤は上記第1流体とも上記第2流体とも異なる第3の流体に含まれていてもよい。
複合フタロシアニンの表面に表面修飾剤として樹脂を付加する処理を施す場合には、上記第1流体若しくは第2流体、またはその両方に樹脂を含む物質を含むことによって処理用面1、2間より吐出される複合フタロシアニンの表面の少なくとも一部を樹脂で覆い、たとえば親水性処理することができる。また、上記樹脂は上記第1流体とも上記第2流体とも異なる第3の流体に含まれていてもよい。
上記の表面処理は、上記のように、複合フタロシアニンの表面修飾を処理用面1、2間で行う場合に限らず、複合フタロシアニンが処理用面1、2間より吐出された後でも実施できる。その場合には、上記の複合フタロシアニンの表面処理を目的として使用される物質を、複合フタロシアニンを含む流体が処理用面1、2間から吐出された後、その吐出液に加え、撹拌などの操作により複合フタロシアニンの表面処理を行うことができる。また、複合フタロシアニンを含む流体が吐出された後、透析チューブなどにより、その複合フタロシアニンを含む流体から不純物を除去してから表面処理を目的とする物質を加えても実施できる。また、処理用面1、2間から吐出された複合フタロシアニンを含む流体の液体成分を乾燥して複合フタロシアニン粉体としてから上記表面処理を行うことができる。具体的には得られた複合フタロシアニン粉体を目的の溶媒に分散し、上記の表面処理を目的とする物質を加えて撹拌などの処理を施して実施できる。
複合フタロシアニンの製造方法として、たとえば、図1に記載のような強制薄膜型マイクロリアクターを用いる場合、その微小流路のレイノルズ数を自由に変化させることが可能であるため、粒子径、粒子形状、結晶型など、目的に応じて単分散で再分散性のよい複合フタロシアニンが作成出来る。この場合、マイクロリアクターの2枚のディスク間等の強制薄膜において析出反応が完了できる。しかもその自己排出性により、析出を伴う反応の場合であっても生成物の詰まりも無く、大きな圧力を必要としない。ゆえに、安定的に複合フタロシアニン微粒子を作製でき、また安全性に優れ、不純物の混入もほとんど無く、洗浄性もよい。さらに目的の生産量に応じてスケールアップ可能であるため、生産性が高い複合フタロシアニンの製造方法を提供可能である。
また、本発明の製造方法において、上記工程(2)で得られた複合フタロシアニンを有機溶媒(第3溶媒)に作用させる工程(3)を有する。
また、本発明の複合フタロシアニン微粒子の製造方法において、上記有機溶媒が、芳香族化合物系溶媒または複素環式化合物系溶媒であることが好ましい。なかでも、たとえば、α型銅フタロシアニンを、通常はより安定なβ型結晶構造等への結晶転移を誘起・促進する芳香族化合物系溶媒または複素環式化合物系溶媒をあげることができる。
本発明において、上記有機溶媒として、たとえば、スチレン、キシレン、トルエン、ベンゼン、クレゾール、クメンなどの芳香族化合物系溶媒、テトラヒドロフラン(THF)、ピリジンなどの複素環式化合物系溶媒、メチルエチルケトン(MEK)、アセトンなどのケトン系溶媒、エチレングリコールやプロピレングリコールなどの多価アルコール系溶媒などをあげることができる。なかでも、たとえば、スチレン、キシレン、トルエン、ベンゼン、クレゾール、クメン、THFが好ましい。これらは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
また、上記工程(3)において、工程(2)で得られた複合フタロシアニンを上記有機溶媒に作用させる方法(有機溶媒処理ともいう)としては、公知の手法を適宜用いることができ、たとえば、複合フタロシアニンを上記有機溶媒中に投入する方法、複合フタロシアニンを上記有機溶媒で洗浄する方法、複合フタロシアニンを水中で撹拌しながら上記有機溶媒を投入して混合する方法、上記有機溶媒を撹拌しながら複合フタロシアニンを粉体の状態または水や有機溶媒を含むウェットケーキの状態で投入して混合する方法などをあげることができる。また、単なる接触や吹付けなどの操作により複合フタロシアニンを上記有機溶媒に作用させてもよい。
また、上記工程(3)において、上記複合フタロシアニンを上記有機溶媒中に浸漬させる場合、上記複合フタロシアニンの濃度は、たとえば、0.0005wt%以上95wt%以下であってもよく、1wt%以上50wt%以下であってもよく10wt%以上30wt%以下であってもよい。なお、上記有機溶媒の濃度は、上記有機溶媒を2種以上混合して用いた場合には、その合計量の濃度をいう。
銅フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、コバルトフタロシアニンのそれぞれ単独のフタロシアニンは、特定の有機溶媒中で粒子(結晶)が成長する。即ち、単独のフタロシアニンに特定の有機溶媒を作用させると、作用前/作用後で結晶成長や結晶型の変化及びそれに伴うスペクトル等の変化が見られる。その際、結晶型とスペクトル形状は一致する。
これらの単独のフタロシアニンを複合フタロシアニンとすることで、それぞれの成長方向を抑制し合いながら、新たな状態を取っている可能性があり、複合フタロシアニンにあっては、少なくともそれぞれのフタロシアニンの成長点(粒子あるいは結晶において、特定の有機溶媒の作用を受けて成長する点)に各々のフタロシアニンが作用することで成長を抑制し、これまでに発現しえなかった新たなスペクトル特性等を発現したものである。なお、複合フタロシアニンの形態は定かではないが、少なくとも各々のフタロシアニンの成長点に作用出来る位置に各々のフタロシアニンが存在しているものと推測される。その場合の粒子の状態としては、固溶体化している場合も考えられるが、固溶体以外の場合も想定され得る。
なお、上記工程(3)についても、上記工程(1)と同様に、上述の高速撹拌機を用いて行うことが好ましい。それによって、上記工程(2)で得られたフタロシアニン微粒子に、上記有機溶媒を均一に作用させることが可能なため、粒子径や粒子形状または複合フタロシアニン微粒子中の組成を均一とすることが可能となる。
一方、本発明の製造方法にはマイクロリアクターを用いることができる。また、本発明の製造方法において、少なくとも上記工程(2)が、マイクロリアクターを用いて行われることが好ましい。本発明に用いられるマイクロリアクターは、本発明を実施できるものであれば、公知の装置が適宜使用できる。
たとえば、本発明の複合フタロシアニン微粒子の製造方法において、少なくとも上記工程(2)が、少なくとも2つの被処理流体を反応させるマイクロリアクターを用いて行われ、上記被処理流体中、少なくとも1つの被処理流体は、上記溶解液であり、他の被処理流体は、上記第2溶媒とすることができる。
なかでも、本発明において、上記マイクロリアクターは、被処理流体の反応部位において、処理用面同士が微小間隔を保ちつつ相対的に移動することで反応を促進する機構を有するものであることが好ましい。
また、本発明の複合フタロシアニン微粒子の製造方法において、少なくとも上記工程(2)が、少なくとも2つの被処理流体を、接近および離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して相対的に回転する第1処理用面と第2処理用面との間に導入し、第1処理用面と第2処理用面との間に付与される導入圧力により、第1処理用面と第2処理用面とを離反させる方向に作用する離反力を発生させ、上記離反力によって、第1処理用面と第2処理用面との間を微小な間隔に保ちつつ、上記少なくとも2つの被処理流体を、上記微小な間隔に保たれた第1処理用面と第2処理用面との間で合流させ、上記第1処理用面と第2処理用面との間を通過させることによって、薄膜流体を形成させ、薄膜流体中で被処理流体同士を反応させるマイクロリアクターを用いて行われ、上記被処理流体中、少なくとも1つの被処理流体は、上記溶解液であり、他の被処理流体は、上記第2溶媒とすることができる。
図1に示すマイクロリアクターは、特許文献5および特許文献6に記載の装置と同様である。上記公報の内容は、本願発明の趣旨を逸脱しない範囲で、本願発明の内容として組み込まれ、必要に応じて適宜組み合わせて用いることができる。以下、マイクロリアクターについて詳述する。
上記マイクロリアクターは、対向する第1および第2の、2つの処理用部10、20を備え、第1処理用部10が回転する。両処理用部10、20の対向する面が、夫々処理用面となる。第1処理用部10は第1処理用面1を備え、第2処理用部20は第2処理用面2を備える。
両処理用面1、2は、各々被処理流体の流路d1、d2に接続され、被処理流体の流路の一部を構成する。この両処理用面1、2間の間隔は、通常は、1mm以下、たとえば、0.1μmから50μm程度の微小間隔に調整される。これによって、この両処理用面1、2間を通過する被処理流体は、両処理用面1、2によって強制された強制薄膜流体となる。
そして、この装置は、処理用面1、2間において、第1、第2の被処理流体を反応させて微粒子の析出を行う流体処理を行なう。
より具体的に説明すると、上記装置は、上記の第1処理用部10を保持する第1ホルダ11と、第2処理用部20を保持する第2ホルダ21と、接面圧付与機構43と、回転駆動機構(図示せず)と、第1導入部d1と、第2導入部d2と、流体圧付与機構p1、p2とを備える。流体圧付与機構p1、p2には、コンプレッサやその他のポンプを採用することができる。
上記実施の形態において、第1処理用部10、第2処理用部20はリング状のディスクである。第1、第2処理用部10、20の材質は、金属の他、カーボン、セラミック、焼結金属、耐磨耗鋼、サファイア、その他金属に硬化処理を施したものや、硬質材をライニングやコーティング、メッキなどを施工したものを採用することができる。上記実施の形態において、両処理用部10、20は、互いに対向する第1、第2の処理用面1、2が鏡面研磨されており、算術平均粗さは、0.01〜1.0μmである。
上記実施の形態において、第2ホルダ21が装置に固定されており、同じく装置に固定された回転駆動機構の回転軸に取り付けられた第1ホルダ11が回転し、この第1ホルダ11に支持された第1処理用部10が第2処理用部20に対して回転する。もちろん、第2処理用部20を回転させるようにしてもよく、双方を回転させるようにしてもよい。
また、本発明において、上記回転速度は、たとえば、350〜3600rpmとすることができる。
上記実施の形態では、第1処理用部10に対して、第2処理用部20が回転軸50の方向に接近・離反するもので、第2ホルダ21に設けられた収容部41に、第2処理用部20の処理用面2側と反対側の部位が出没可能に収容されている。ただし、これとは逆に、第1処理用部10が、第2処理用部20に対して接近・離反するものであってもよく、両処理用部10、20が互いに接近・離反するものであってもよい。
上記収容部41は、第2処理用部20の、処理用面2側と反対側の部位を収容する凹部であり、環状に形成された溝である。この収容部41は、第2処理用部20の処理用面2側と反対側の部位を出没させ得る十分なクリアランスを持って、第2処理用部20を収容する。
接面圧付与機構は、第1処理用部10の第1処理用面1と第2処理用部20の第2処理用面2とが接近する方向に押す力(以下、接面圧力という)を発生させるための機構である。この接面圧力と、流体圧力による両処理用面1、2間を離反させる力との均衡によって、両処理用面1、2間の間隔を所定の微小間隔に保ちつつ、nm単位ないしμm単位の微小な膜厚を有する薄膜流体を発生させる。上記実施の形態では、接面圧付与機構は、第2ホルダ21に設けられたスプリング43によって、第2処理用部20を第1処理用部10に向けて付勢することにより、接面圧力を付与する。
また、流体圧付与機構p1により加圧された第1の被処理流体は、第1導入部d1から、両処理用部10、20の内側の空間に導入される。
一方、流体圧付与機構p2により加圧された第2の被処理流体は、第2導入部d2から第2処理用部20の内部に設けられた通路を介して第2処理用面に形成された開口部d20から両処理用部10、20の内側の空間に導入される。
開口部d20において、第1の被処理流体と第2の被処理流体とが合流し、混合した際に、酸化還元、析出、晶析が生じる。
その際、混合した被処理流体は、上記の微小な隙間を保持する両処理用面1、2によって強制された薄膜流体となり、環状の両処理用面1、2の外側に移動しようとする。第1処理用部10は回転しているので、混合された被処理流体は、環状の両処理用面1、2の内側から外側へ直線的に移動するのではなく、環状の半径方向への移動ベクトルと周方向への移動ベクトルとの合成ベクトルが被処理流体に作用して、内側から外側へ略渦巻き状に移動する。
ここで、図2に示すように、第1処理用部10の第1処理用面1には、第1処理用部10の中心側から外側に向けて、すなわち径方向について伸びる溝状の凹部13を形成してもかまわない。この凹部13の平面形状は、第1処理用面1上をカーブしてあるいは渦巻き状に伸びるものや、図示はしないが、真っ直ぐ外方向に伸びるもの、L字状などに屈曲あるいは湾曲するもの、連続したもの、断続するもの、枝分かれするものであってもよい。また、この凹部13は、第2処理用面2に形成するものとしても実施可能であり、第1および第2の処理用面1、2の双方に形成するものとしても実施可能である。この様な凹部13を形成することによりマイクロポンプ効果を得ることができ、被処理流体を第1および第2の処理用面1、2間に吸引することができる効果がある。
上記凹部13の基端は第1処理用部10の内周に達することが望ましい。上記凹部13の先端は、第1処理用部面1の外周面側に向けて伸びるもので、その深さは、基端から先端に向かうにつれて、漸次減少するものとしている。この凹部13の先端と第1処理用面1の外周面との間には、凹部13のない平坦面が設けられている。
上述の開口部d20は、第1処理用面1の平坦面と対向する位置に設けることが好ましい。これによって、層流条件下にて複数の被処理流体の混合と、微粒子の析出を行うことが可能となる。
また、両処理用部10、20の外側に吐出した流体は、ベッセルvを介して、吐出液としてビーカーbに集められる。本願発明の実施の形態においては、後述する様に、吐出液には、複合フタロシアニン微粒子が含まれる。なお、ビーカーbは、特にビーカーに限定するものでは無く、タンクやドラム缶であっても良いし、濾過機等の次工程に直接接続されるものであっても良い。
なお、上記の被処理流体の種類とその流路の数は、図1の例では、2つとしたが、3つ以上であってもよい。また、各処理用部に設けられる導入用の開口部は、その形状や大きさや数は特に制限はなく適宜変更して実施し得る。また、上記第1および第2の処理用面間1、2の直前あるいはさらに上流側に導入用の開口部を設けてもよい。
本発明においては、処理用面1、2間にて上記処理を行うことが出来ればよく、第1導入部d1より第2被処理流体を導入し、第2導入部d2より第1被処理流体を導入するものであってもよい。たとえば、各流体における第1、第2という表現は、複数存在する流体の第n番目であるという、識別のための意味合いを持つに過ぎないものであり、上述の通り第3以上の流体も存在し得る。
本発明の製造方法においては、少なくとも工程(2)が、マイクロリアクターを用いて行われることが好ましいが、工程(2)と工程(3)とをマイクロリアクターを用いて連続して行ってもよい。具体的には、図1(B)に示すように、第1導入部d1、第2導入部d2以外に第3導入部d3をマイクロリアクターに設け、例えば第1導入部d1から、第1流体として溶解液を、第2導入部d2から第2流体として第2溶媒を、第3導入部d3から第3流体として有機溶媒をそれぞれ別々にマイクロリアクターに導入する。この場合、有機溶媒を導入する第3導入部d3は、第1導入部d1及び第2導入部d2の下流側に設け、より詳しくは、第3導入部d3の開口部d30を第2導入部d2の開口部d20の下流側に設けることによって、処理用面1、2間において析出させた複合フタロシアニン微粒子と有機溶媒とを作用させることができる。上記の3つの開口部(d10、d20及びd30)を備えたマイクロリアクターは、工程(2)と工程(3)とを連続して行う場合に適する。
ただし、本発明に実施に際して、工程(2)をマイクロリアクターで行い、工程(2)以降の工程をマイクロリアクター外で行う場合、図1(A)に示すように、少なくとの2つの開口部(d10、d20)を備えれば足りるが、処理用面1、2間において析出させた複合フタロシアニン微粒子に対して、上記薄膜流体中で表面処理を施す場合等に、3つ以上の開口部を備えたマイクロリアクターで工程(2)を実施することを妨げるものではない。
また、本発明は、必要に応じて、上記工程(2)で得られた複合フタロシアニンに対して、洗浄および/または溶媒置換を行ってもよい。洗浄および/または溶媒置換は、公知の手法を適宜用いることができる。特に限定されないが、複合フタロシアニン微粒子を含む液について、ろ過・遠心分離・限外ろ過等の操作によって、目的に応じた溶媒を選択することで、上記複合フタロシアニンの洗浄および/または溶媒置換を行うことが可能である。
他方、本発明において、微粒子とは、サブミクロンオーダー(ナノオーダー)の微小な結晶または結晶の集合体をいう。上記微粒子の形状は特に限定されないが、たとえば、略円柱状、略球状、略円盤状、略三角柱状、略四角柱状、略多面体状、楕円球状などの形態の粒体またはその集合体などであってもよい。
また、本発明の複合フタロシアニン微粒子は、少なくとも銅フタロシアニンとチタニルフタロシアニンおよび/またはコバルトフタロシアニンとを含む複合フタロシアニン微粒子であって、アスペクト比が1.1以上2.5以下であって、粒子径が5nm以上100nm以下であることを特徴とする。たとえば、本発明の製造方法を用いることにより、色材として最適な、ナノオーダー、好ましくは100nmオーダーの複合フタロシアニン微粒子を得ることができる。
上記アスペクト比は、1.0以上5.0以下であってもよく、1.1以上2.5以下であってもよく、1.5以上2.0以下であってもよい。また、上記粒子径は、2〜80nmであってもよく、5〜50nmであってもよく、10〜30nmであってもよい。一方、従来法では、より安定なβ型結晶構造等への結晶転移等により、上記アスペクト比や上記粒子径が大きくなってしまい、本発明のような小さなアスペクト比や小さな粒子径をもつ各微粒子を得ることは非常に困難で、製造例もなかった。
また、本発明の複合フタロシアニン微粒子は、紫外可視吸収スペクトルの655〜700nmにおけるピークトップのAbs(a)と550〜640nmにおけるピークトップのAbs(b)の相対値([Abs(a)]/[Abs(b)])が0.8以上であることが好ましい。たとえば、本発明の製造方法を用いることにより、光の散乱を抑制し、特により鮮明な青色を有する色材として最適性質を備える複合フタロシアニン微粒子を得ることができうる。
また、上記ピークトップのAbs(a)は、たとえば、紫外可視吸収スペクトルの660〜700nmにおけるピークトップのAbsであってもよく、紫外可視吸収スペクトルの660〜690nmにおけるピークトップのAbsであってもよく、紫外可視吸収スペクトルの650〜690nmにおけるピークトップのAbsであってもよい。また、上記ピークトップのAbs(b)は、たとえば、紫外可視吸収スペクトルの560〜640nmにおけるピークトップのAbsであってもよく、紫外可視吸収スペクトルの550〜650nmにおけるピークトップのAbsであってもよく、紫外可視吸収スペクトルの540〜630nmにおけるピークトップのAbsであってもよい。
また、上記Abs(a)とAbs(b)の相対値([Abs(a)]/[Abs(b)])が0.8以上であることが好ましいが、たとえば、1.0〜4.0であってもよく、1.2〜3.5であってもよく、1.4〜3.0であってもよく、1.6〜2.5であってもよい。上記相対値([Abs(a)]/[Abs(b)])が 1.0以上となることで、上記複合フタロシアニン微粒子の発色の赤みが低減し、より鮮明な青色の発色が可能となる。
また、本発明において、複合フタロシアニンの結晶型は、乾燥粉体を用いてX線回折(XRD)測定を行うことで同定されたものをいう。
また、本発明における複合フタロシアニン微粒子は青色または青系色のものであり、特に従来の銅−チタニルフタロシアニン結晶等よりもより鮮明な青を発色しうる。また、本発明における複合フタロシアニンは、特により鮮明な青色等を有する色材となることから、インク、ジェット用インク、熱転写用インク、トナー、塗料(建築・自動車等)、着色樹脂、カラーフィルターなどのなど様々な用途に利用可能である。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
実施例において、強制薄膜型マイクロリアクターを用いる場合、A液とは、図1(A)に示す装置の第1導入部d1から導入される第1被処理流体を指し、B液とは、同じく装置の第2導入部d2から導入される第2被処理流体を指す。なお、マイクロリアクターの運転条件はディスク回転数:1700rpmである。また、実施例中におけるHSOは濃硫酸、CuPcは銅フタロシアニン、TiOPcはチタニルフタロシアニン、CoPcはコバルトフタロシアニン、TiOSOは硫酸チタニルを示す。また、たとえば、CuPc_TiOPcは銅−チタニルフタロシアニンを示す。
〔実施例1〕
(工程1、2)
強制薄膜型マイクロリアクターとしてULREA SS−11(エム・テクニック製)を用いて、下記作製条件1で銅−チタニルフタロシアニン微粒子を製造した。まず、濃硫酸に原料である銅フタロシアニンとチタニルフタロシアニンを混合・溶解させて溶解液を調製し(工程1)、その溶解液と原料に対して貧溶媒となる溶媒(純水)とをULREA SS−11を用いて混合して、複合フタロシアニン微粒子を析出させた。複合フタロシアニン微粒子を含む吐出液を処理用面1、2間から吐出させた(工程2)。
(作製条件1)
A液:純水
B液:2.1wt%CuPc/0.9wt%TiOPc/97wt%(98wt%濃硫酸)CuPc/TiOPc=70/30=2.33(重量比)
B液調製:クレアミックス(CLM−2.2S エム・テクニック製) 回転数:20000rpm 調製時間:30min 調製温度:30℃(調製量:470g=300cc)
ULREA SS−11のA/B液流量:400/30ml/min A/B液送液温度:25/25℃ ディスク回転数:1700rpm。
(洗浄および溶媒置換)
ついで、後工程として、吐出液を濾過し、複合フタロシアニン微粒子を回収した。得られた複合フタロシアニン微粒子のウェットケーキを純水に投入し、クレアミックスを用いて5000rpm、10分間処理して洗浄した。得られた複合フタロシアニン微粒子のスラリーを再び濾過して、複合フタロシアニン微粒子を洗浄した。上記洗浄の操作を3回行った。その後、得られた複合フタロシアニンの水のウェットケーキをエタノールに投入し、クレアミックスを用いて5000rpm、10分間処理して複合フタロシアニンをエタノールに分散させた。得られた複合フタロシアニン微粒子のエタノール分散媒としたスラリーを再び濾過して、複合フタロシアニン微粒子の溶媒置換を行った。上記溶媒置換の操作を3回行った。
(工程3)
ついで、得られた複合フタロシアニンのエタノールのウェットケーキをスチレンを用いて溶媒置換と同様の処理(スチレン処理)を行い、複合フタロシアニン微粒子にスチレンを作用させて、最終的にスチレンのウェットケーキを得た。得られたスチレンのウェットケーキから乾燥粉体を作製した。実施例2〜4においても実施例1と同様の溶媒置換、スチレン処理(各有機溶媒処理)を行った。また、得られたスチレンのウェットケーキの一部をスチレンで希釈して分散処理し、分散液を作製した。また、実施例1で得られた複合フタロシアニン微粒子の粒子径は24.6nm、アスペクト比は1.31であった。
なお、粒子径は、透過電子顕微鏡(TEM)観察によって、100個の粒子について粒子径を測定した結果の平均値によって求め、アスペクト比は、透過電子顕微鏡(TEM)観察によって、100個の粒子について長径と短径を測定した結果の平均値によって求めた。なお、TEM観察には、透過型電子顕微鏡、JEM−2100(JEOL製)を用いた。観察条件としては、加速電圧を80kV、観察倍率を10000倍、および50000倍とした。上述の分散液をコロジオン膜に滴下し室温で乾燥させたTEM観察用試料を用いてTEM観察を行った。
また、実施例1および実施例1に対する以下の3つの比較例における吸収スペクトル測定結果を図3に、透過スペクトル測定結果を図5に掲げる。上述の分散液を吸収・透過スペクトルの測定試料として、吸収・透過スペクトルを測定した。なお、吸収・透過スペクトルは、島津製作所製の紫外可視分光光度計(UV−2540)を用いて、300nm〜800nmの波長領域を測定した。
なお、比較例1−1は、本実施例1のB液に用いたCuPcの原料であり、結晶型がβ型である銅フタロシアニンである。比較例1−2は、実施例1の工程3において、スチレンを作用させる前の銅−チタニルフタロシアニン微粒子である。比較例1−3は、実施例1のチタニルフタロシアニンに代えて硫酸チタニルを用いて作製したフタロシアニン微粒子である。
上記比較例1−1〜1−3によって得られた微粒子の粒子径は、それぞれ116.4nm、14.8nm、976.9nmであり、アスペクト比はそれぞれ4.52、1.03、5.99であった。さらに、スチレン処理前の粒子径(比較例1−2の粒子径)に対するスチレン処理後の粒子径(実施例1の粒子径)の比率は、1.66であり、上記スチレン処理によって粒子(結晶)の成長を抑制出来ていた。
図3より、実施例1で得られた銅−チタニルフタロシアニン微粒子において、673nm付近のピークトップの値Abs(a)、605nm付近のピークトップの値Abs(b)としたときに、Abs(a)とAbs(b)の相対値([Abs(a)]/[Abs(b)])は、2.74であった。これは、実施例1で得られた銅−チタニルフタロシアニン微粒子が、波長660nm〜700nm付近の赤色光の吸収能力が優れていることを示す。
しかし、比較例1−2、あるいはTiOSOを用いた比較例1−3では、実施例1の様なスペクトル形状は得られず、特に、比較例1−3はスチレンの処理によって粗大化し、結晶型がβ型のCuPc(比較例1−1)に近い吸収スペクトル形状を示すに留まった。
また、図5より実施例1で得られた銅−チタニルフタロシアニン微粒子は、400〜550nm付近の透過領域のピークトップが比較例1−2と比較して長波長側へシフトしたことで、従来の銅−チタニルフタロシアニン微粒子(比較例1−2)から紫色成分が除され、さらに図3より実施例1で得られた銅−チタニルフタロシアニン微粒子は、600〜720nmの波長領域において吸収を示すため、従来の銅−チタニルフタロシアニン微粒子から赤色成分が除されたものであることが分かる。そのため、実施例1は、従来の銅−チタニルフタロシアニン微粒子よりもより鮮明な青色を発色する。
それに対して、TiOSOを用いた比較例1−3では、図3より600〜720nmの波長領域において吸収を示すものの、図5より400〜550nm付近の透過領域のピークトップが比較例1−2と比較して長波長側へシフトし過ぎており、緑味が強すぎると考えられる。
また、実施例1で得られた乾燥粉体を用いて透過電子顕微鏡(TEM)観察を行った。図7、8はそれぞれ実施例1における、各々50000倍、10000倍での透過電子顕微鏡(TEM)観察写真を示した。また、図9、10は、実施例1の工程3において、スチレンを作用させる前の銅−チタニルフタロシアニン微粒子(比較例1−2)の各々50000倍、10000倍での透過電子顕微鏡(TEM)観察写真を示した。
また、実施例1で得られた乾燥粉体を用いてX線回折(XRD)測定を行った。その結果を図13の下段に示した。また、図13の上段には本実施例のB液に用いたCuPcの原料であるβ型CuPc(比較例1−1)のXRD測定結果を示し、図13の中段には実施例1の工程3におけるスチレンを作用させる前の銅−チタニルフタロシアニン微粒子(比較例1−2)のXRD測定結果を示す。
なお、XRD測定には、粉末X線回折測定装置(製品名:X‘PertPRO MPD、PANalytical製)を使用した。測定条件は、測定範囲:6〜60°、Cu対陰極、管電圧45kV、管電流40mA、走査速度16°/minである。
図13の結果から、通常はα型CuPcをβ型に結晶転移させるスチレンを作用させたにもかかわらず、実施例1の銅−チタニルフタロシアニン微粒子は、比較例1−2と比べて結晶型そのものには大きな変化がないことが確認できた。
〔実施例2〕
上記実施例1における、Cu/Ti=70/30=2.33(重量比)を、Cu/Ti=85/15=5.67(重量比)に代えて、その他は実施例1と同じ作製条件1で銅−チタニルフタロシアニン微粒子を製造した。実施例2で得られた銅―チタニルフタロシアニン微粒子の粒子径は43.1nm、アスペクト比は1.84であった。
また、実施例1、2における吸収スペクトル測定結果を図4に、透過スペクトル測定結果を図6に掲げる。
図4より、実施例2で得られた銅−チタニルフタロシアニン微粒子において、673nm付近のピークトップの値Abs(a)、605nm付近のピークトップの値Abs(b)としたときに、Abs(a)とAbs(b)の相対値([Abs(a)]/[Abs(b)])は、1.89であった。
〔比較例2〕
比較例2として、上記実施例2における、チタニルフタロシアニンに代えて無金属フタロシアニン(以下、HPcと記載)を用いた顔料微粒子を、実施例2と同様の方法で作製し、吸収スペクトル、透過スペクトル、並びに粒子径を測定した。比較例2によって得られた微粒子の粒子径は、634.9nmであり、アスペクト比は5.12であった。
図19に実施例2および比較例2の吸収スペクトルの測定結果を示す。また、同様に、図20に実施例2および比較例2の透過スペクトルの測定結果を示す。なお、実施例2、比較例2とも参考のため、工程3でのスチレン処理を施す前の微粒子の吸収・透過スペクトルの測定結果並びに比較例1−1における吸収・透過スペクトルに関しても図19又は図20に示した。また、比較例2において、655〜700nmにおけるピークトップのAbs(a)と550〜640nmにおけるピークトップのAbs(b)の相対値([Abs(a)]/[Abs(b)])は0.8未満であった。
これらの結果から判るように、HPcによる比較例2では600〜720nmの波長領域において吸収を示すものの、400〜550nm付近の透過領域のピークトップが実施例1、2と比較して長波長側へシフトしており、緑味が強いと考えられる。すなわち、実施例1、2の銅−チタニルフタロシアニン微粒子は、銅−チタニルフタロシアニン微粒子のみならず、無金属フタロシアニンに比べても優れた特性を発揮するものであることが分かる。
〔実施例3−1〜3−5〕
(工程1、2)
実施例3−1〜3−5では、以下に示す作製条件3でA液および各B液を調製、混合し、貧溶媒晶析方法によって、CuPcおよびCoPcを含む複合フタロシアニン微粒子、またはCuPc、CoPcとTiOPcを含む複合フタロシアニン微粒子を析出させた。実施例3−1〜3−5では、実施例1、2とは異なり、マイクロリアクターを用いずに、反応容器をビーカーに変更して、以下の作製条件3で複合フタロシアニン顔料微粒子を析出させた。
(作製条件3)
A液:純水
B液:実施例3−1〜3−5の各実施例として、下記比率に応じてCuPc、CoPc、TiOPcを濃硫酸に溶解した溶液、B1〜B5を用いた。
〔実施例3−1〕
B1:CuPc/CoPc/98%HSO=2.1/0.9/97wt%(CuPc /CoPc=70/30=2.33:重量比)
〔実施例3−2〕
B2:CuPc/TiOPc/CoPc/98%HSO=1.95/0.9/0.15/97wt%(CuPc/TiOPc/CoPc=65/30/5:重量比(CuPc/TiOPc=2.17、CuPc/CoPc=13.00))
〔実施例3−3〕
B3:CuPc/TiOPc/CoPc/98%HSO=1.8/0.9/0.3/97wt%(CuPc/TiOPc/CoPc=60/30/10:重量比(CuPc/TiOPc=2.00、CuPc/CoPc=6.00))
〔実施例3−4〕
B4:CuPc/TiOPc/CoPc/98%HSO=1.95/0.75/0.3/97wt%(CuPc/TiOPc/CoPc=65/25/10:重量比(CuPc/TiOPc=2.60、CuPc/CoPc=6.50))
〔実施例3−5〕
B5:CuPc/TiOPc/CoPc/98%HSO=1.8/0.6/0.6/97wt%。(CuPc/TiOPc/CoPc=60/20/20:重量比(CuPc/TiOPc=3.00、CuPc/CoPc=3.00))
B液調製:実施例3−1〜3−5では、いずれもB液を次の様に調製した。
クレアミックス(CLM−2.2S エム・テクニック製) 回転数:20000rpm 調製時間:30min 調製温度:30℃(調製量:470g=300cc)
混合・微粒子の析出:ビーカー内のA液100mlを撹拌しながら、上記のB液30mlを滴下し、複合フタロシアニン微粒子を析出させた。
(工程3)
実施例3−1〜3−5いずれも、後工程として上記A液とB液を混合した混合液を濾過し、得られた複合フタロシアニン微粒子をクレアミックスを用いて純水にて3回洗浄した。得られた水のウェットケーキから、エタノールにて溶媒を置換した後、スチレンを用いて同様の処理(スチレン処理)を行い、複合フタロシアニン微粒子にスチレンを作用させて、最終的にスチレンのウェットケーキを得た。得られたスチレンのウェットケーキから乾燥粉体を作製した。また、得られたスチレンのウェットケーキの一部をスチレンで希釈して分散処理して、分散液を作製した。TEM観察、XRD測定、吸収・透過スペクトルの各測定試料の作製並びに測定方法は、実施例1と同様とした。
実施例3−1〜3−5において得られた複合フタロシアニン微粒子の粒子径はそれぞれ86.4nm、79.4nm、87.1nm、93.1nm、63.1nmであり、アスペクト比はそれぞれ2.42、2.41、2.13、1.48、1.69であった。
実施例3−1〜3−5の吸収スペクトル測定結果を図11に、透過スペクトル測定結果を図12に掲げる。実施例1の場合と同様に、実施例3−1〜3−5に対する比較例として、各実施例の工程3におけるスチレンを作用させる前の複合フタロシアニン微粒子について、比較例3−1〜3−5として、図11、12に合わせて掲載した。なお、比較例3−1〜3−5において得られた複合フタロシアニン微粒子の粒子径はそれぞれ63.1nm、69.3nm、61.0nm、72.3nm、59.9nmであり、アスペクト比はそれぞれ1.24、1.12、1.86、2.21、1.54であった。図11、図12より、破線で示した実施例3−1〜3−5については、先述の実施例1、2と同様の好ましいスペクトル形状を示していた。また、実施例3−1〜3−5については、655〜700nmにおけるピークトップのAbs(a)と550〜640nmにおけるピークトップのAbs(b)の相対値([Abs(a)]/[Abs(b)])はそれぞれ1.45、1.51、1.51、1.51、1.46であり、比較例3−1〜3−5については、655〜700nmにおけるピークトップのAbs(a)と550〜640nmにおけるピークトップのAbs(b)の相対値([Abs(a)]/[Abs(b)])は全て0.8未満であった。さらに、スチレン処理前の粒子径(比較例3−1〜3−5の粒子径)に対するスチレン処理後の粒子径(実施例3−1〜3−5の粒子径)の比率は、それぞれ、1.37、1.15、1.43、1.29、1.05であり、スチレン処理によって粒子(結晶)の成長を抑制出来ていた。
次いで、比較例3−1〜3−5、実施例3−1〜3−5で得られた乾燥粉体を用いて、実施例1と同様にX線回折(XRD)測定を行ない、その結果を図14(比較例3−1〜3−5)および図15(実施例3−1〜3−5)に示した。
図14および図15の結果から、通常はα型CuPcをβ型に結晶転移させるスチレンを作用させたにもかかわらず、実施例3−1〜3−5の複合フタロシアニン微粒子は、比較例3−1〜3−5と比べて結晶型そのものには大きな変化がないことが確認できた。
以上の結果より、まず実施例3−1の結果から、銅−コバルトフタロシアニンについても、実施例1、2の銅−チタニルフタロシアニンと同様の効果が得られることが理解される。また、実施例3−2〜3−5の結果より、銅フタロシアニンとチタニルフタロシアニン、およびコバルトフタロシアニンの3種を複合させたフタロシアニンについても、上記銅−チタニルフタロシアニンまたは銅−コバルトフタロシアニンと同様の効果が得られることが理解される。
〔実施例3−1−1〜3−1−3〕
上記実施例3−1で得られた銅−コバルトフタロシアニン微粒子について、スチレン以外の有機溶媒に作用させた場合について示す。
実施例3−1のスチレンを以下に述べる有機溶媒に変更した以外は、実施例3−1と同様の方法で複合フタロシアニン微粒子を作製し吸収スペクトルを測定した。キシレンで処理した例を実施例3−1−1、THFで処理した例を実施例3−1−2、トルエンで処理した例を実施例3−1−3として、結果を図16に示す。なお、参考のため実施例3−1と比較例3−1の吸収スペクトル測定結果も図16に掲載している。この結果によると、有機溶媒の種類を問わず、本発明の効果を奏していることが理解される。
〔実施例3−2−1〜3−2−2〕
上記実施例3−2で得られた銅−チタニル−コバルトフタロシアニン微粒子について、スチレン以外の有機溶媒に作用させた場合について示す。
実施例3−2のスチレンを以下に述べる有機溶媒に変更した以外は、実施例3−2と同様の方法で複合フタロシアニン微粒子を作製し吸収スペクトルを測定した。
キシレンで処理した例を実施例3−2−1、THFで処理した例を実施例3−2−2として、結果を図17に示す。なお、参考のため実施例3−2と比較例3−2の吸収スペクトル測定結果も掲載している。この結果によると、有機溶媒の種類を問わず、本発明の効果を奏していることが理解される。
〔実施例3−3−1〕
上記実施例3−3で得られた銅−チタニル−コバルトフタロシアニン微粒子について、スチレン以外の有機溶媒に作用させた場合について示す。なお、参考のため実施例3−3と比較例3−3の吸収スペクトル測定結果も掲載している。この結果によると、有機溶媒の種類を問わず、本発明の効果を奏していることが理解される。
実施例3−3のスチレンをトルエンに変更した以外は、実施例3−3と同様の方法で複合フタロシアニン微粒子を作製し(実施例3−3−1)吸収スペクトルを測定した。結果を図18に示す。
実施例3−1−1〜実施例3−3−1の各実施例における、粒子径、アスペクト比、655〜700nmにおけるピークトップのAbs(a)と550〜640nmにおけるピークトップのAbs(b)の相対値([Abs(a)]/[Abs(b)])を表1に示す。
〔実施例4−1−1〜4−1−4、4−2−1〜4−2−4〕
(工程1、2)
実施例1、2と同様に、強制薄膜型マイクロリアクターとしてULREA SS−11(エム・テクニック製)を用いて、下記作製条件4で銅−チタニル−コバルトフタロシアニン微粒子を製造した。まず、濃硫酸に銅フタロシアニン、チタニルフタロシアニンおよびコバルトフタロシアニンを混合・溶解させて溶解液を調製し、その溶解液と原料に対して貧溶媒となる溶媒(純水)とをULREA SS−11を用いて混合して、複合フタロシアニンを析出させた。複合フタロシアニン微粒子を含む吐出液を処理用面1、2間から吐出させた。
(作製条件4)
A液:純水
B液:下記B6、B7の比率に応じてCuPc、CoPcおよびTiOPcを濃硫酸に溶解した液。
〔実施例4−1−1〜4−1−4〕
B6:CuPc/TiOPc/CoPc/98%HSO=1.8/0.9/0.3/97wt%(CuPc/TiOPc/CoPc=60/30/10:重量比(CuPc/TiOPc=2.00、CuPc/CoPc=6.00))
〔実施例4−2−1〜4−2−4〕
B7:CuPc/TiOPc/CoPc/98%HSO=1.8/0.6/0.6/97wt%。(CuPc/TiOPc/CoPc=60/20/20:重量比(CuPc/TiOPc=3.00、CuPc/CoPc=3.00))
B液調製:実施例4−1−1〜4−1−4および実施例4−2−1〜4−2−4では、いずれもB液を次の様に調製した。
クレアミックス(CLM−2.2S エム・テクニック製) 回転数:20000rpm 調製時間:30min 調製温度:30℃(調製量:470g=300cc)
ULREA SS−11のA/B液流量:600/30ml/min A/B液送液温度:10/25℃、ディスク回転数:1700rpm。
(工程3)
次いで、実施例1、2と同様に、後工程として、吐出液を濾過し、複合フタロシアニン微粒子を回収した。得られた複合フタロシアニン微粒子をクレアミックスを用いて純水にて4回洗浄した。得られた水のウェットケーキから、エタノールにて溶媒を置換した後、スチレンを用いて同様の処理(スチレン処理)を施した(実施例4−1−1、4−2−1)。また、スチレン処理に替えてキシレン(実施例4−1−2、4−2−2)、トルエン(実施例4−1−3、4−2−3)、またTHF(実施例4−1−4、4−2−4)を用いて同様の処理を行い、複合フタロシアニン微粒子にそれぞれの有機溶媒を作用させて、最終的にそれぞれの有機溶媒のウェットケーキを得た。得られたウェットケーキから乾燥粉体を作製した。また、得られたそれぞれの有機溶媒のウェットケーキの一部を最終的に置換した有機溶媒で希釈して分散処理し、分散液を作製した。TEM観察、XRD測定、吸収・透過スペクトルの各測定試料の作製並びに測定方法は、実施例1と同様とした。
実施例4−1−1〜4−1−4の吸収スペクトル測定結果を図21に、実施例4−2−1〜4−2−4の吸収スペクトル測定結果を図22に掲げる。なお、図21には、実施例4−1−1〜4−1−4の比較例として、各実施例の工程3におけるスチレン、キシレン、トルエン、又はTHFを作用させる前の複合フタロシアニン微粒子(比較例4−1)の吸収スペクトル測定結果を掲載した。
同様に、図22には、実施例4−2−1〜4−2−4の比較例として、スチレン、キシレン、トルエン、又はTHFを作用させる前の複合フタロシアニン微粒子(比較例4−2)の吸収スペクトル測定結果を掲載した。
以上の実施例および比較例で得られた複合フタロシアニン微粒子の粒子径は、比較例4−1:11.4nm、実施例4−1−1:14.6nm、実施例4−1−2:23.5nm、実施例4−1−3:22.9nm、実施例4−1−4:56.4nm、それぞれ、アスペクト比は1.19、2.11、1.45、1.54、1.78であった。
また、比較例4−2:9.5nm、実施例4−2−1:13.1nm、実施例4−2−2:13.6nm、実施例4−2−3:15.4nm、実施例4−2−4:7.4nm、アスペクト比は1.01、1.33、1.29、2.14、2.46であった。
さらに、有機溶媒処理前の粒子径(比較例4−1の粒子径)に対する有機溶媒処理後の粒子径(実施例4−1−1〜4−1−4の粒子径)の比率は、それぞれ、1.32、3.21、2.42、1.11であり、有機溶媒処理前の粒子径(比較例4−2の粒子径)に対する有機溶媒処理後の粒子径(実施例4−2−1〜4−2−4の粒子径)の比率は、それぞれ、1.38、1.43、1.62、0.78であった。有機溶媒処理によって粒子(結晶)の成長を抑制出来ていた。
図21より、実施例4−1−1〜4−1−4については、先述の実施例1、2と同様の好ましいスペクトル形状を示していた。また、実施例4−1−1〜4−1−4については、655〜700nmにおけるピークトップのAbs(a)と550〜640nmにおけるピークトップのAbs(b)の相対値([Abs(a)]/[Abs(b)])はそれぞれ1.97、1.36、1.07、1.72であり、比較例4−1については、655〜700nmにおけるピークトップのAbs(a)と550〜640nmにおけるピークトップのAbs(b)の相対値([Abs(a)]/[Abs(b)])は0.51であった。
図22より、実施例4−2−1〜4−2−4については、先述の実施例1、2と同様の好ましいスペクトル形状を示していた。また、実施例4−2−1〜4−2−4については、655〜700nmにおけるピークトップのAbs(a)と550〜640nmにおけるピークトップのAbs(b)の相対値([Abs(a)]/[Abs(b)])はそれぞれ1.83、1.24、0.91、2.62であり、比較例4−1については、655〜700nmにおけるピークトップのAbs(a)と550〜640nmにおけるピークトップのAbs(b)の相対値([Abs(a)]/[Abs(b)])は0.52であった。
以上の結果から、銅フタロシアニンとチタニルフタロシアニン、およびコバルトフタロシアニンの3種を複合させた銅−チタニル−コバルトフタロシアニンに関しても、本発明の効果を奏することが示された。
次に、実施例5〜8について説明する。なお、実施例5〜8のXRD測定条件は実施例1と同じである。また、TEM観察には、実施例1と同様に、透過型電子顕微鏡、JEM−2100(JEOL社製)を用いた。観察条件としては、加速電圧を80kV、観察倍率を25000倍とした。また、図23には、実施例5〜8での実験手順例を示した。
〔実施例5、6〕
マイクロリアクターを用いてA液とB液を以下の条件で混合し、図23に示す手順により複合フタロシアニン微粒子を製造した。
なお、実施例5(後述する表4に示す実施例5−1〜5−6)、実施例6(後述する表4に示す実施例6−1〜6−6)において、マイクロリアクターとして、ULREA SS−11(エム・テクニック製)を用いた。この場合、A液は、図1(A)に示すマイクロリアクターの第1導入部d1から導入される第1被処理流体、B液は、同じく第2導入部d2から導入される第2被処理流体に相当する。第1導入部d1、第2導入部d2の入れ替えは任意である。
実施例5、6における実験処方を表2に示す。
図23に示す、実施例5、6における処理内容は次のとおりである。
(工程0)(A液・B液調製)
上記実験処方でULREA SS−11を用いて混合・析出を実施するにあたり、以下の様にA液およびB液を調製した。
有機顔料粒子析出溶媒(A液)調製条件:
上記実験処方に記載した様に単一溶媒の場合には、調製は不要であるが、例えば特開2009−82902号公報に記載の実験処方を適応する場合には、クレアミックスを用いて撹拌するのが望ましい。例えば、本実施例においてはCLM−2.2Sを用いて10000rpmで30分間撹拌する。
有機顔料粒子の原料溶液(B液)調製条件:
クレアミックスCLM−2.2Sを用いて20000rpmで30分間撹拌を行った。また、A液、B液とも調製温度は40℃とした。
(工程1)(混合・析出)
表3に示す運転条件にてULREA SS−11を使用し、有機顔料粒子析出溶媒(A液)と有機顔料粒子の原料溶液(B液)とを混合し、複合フタロシアニン微粒子を析出させた。
(工程2)(洗浄)
工程1で得られた複合フタロシアニン微粒子を含むスラリーを濾過し、複合フタロシアニン微粒子を、純水を用いて洗浄し、複合フタロシアニン微粒子のウェットケーキ(または真空乾燥法等の乾燥処理にて複合フタロシアニン微粒子の乾燥粉体)を得た。
(工程3)(作用)
工程2で得られた複合フタロシアニン微粒子のウェットケーキ(または乾燥粉体)を表有機溶媒(以下の表4では単に溶媒と記載する)に界面活性剤および/または分散剤を添加した溶液中に投入し、投入後、クレアミックスを用いて一定時間の撹拌処理をした。なお、実施例5−1〜5−6、実施例6−1〜6−6において使用した有機溶媒と界面活性剤および/または分散剤を以下の表4に示す。
マイクロリアクターを用いた場合の撹拌処理前後の複合フタロシアニン微粒子の粒子径の変化と結晶化度変化について、以下の表4に示す。
なお、表2〜表4における略号、用語の定義に関しては表5に示す。
表4および後述する表7における、評価結果◎、○、△の定義は、下記のとおりである。
「◎」は、
Da:工程3の作用後の粒子の平均一次粒子径、Db:工程2の洗浄後の平均一次粒子径、としたときに、
Da/Dbが1.0〜4.0の範囲であり、
かつ、
Xa:工程3の作用後の粒子の結晶化度、Xb:工程2の洗浄後の粒子の結晶化度、としたときに、Xa/Xbが、1.05以上であり、
かつ、
かつ、Daが80nm以下
かつ、
微粒子の均一性の観点から、25000倍にて3視野のTEM観察を行った際、工程3の作用後の個々の青色顔料微粒子のうち、Dbの8.0倍を超える粒子が全く確認されなかった場合である。
「○」は、
Da/Dbが1.0〜4.0の範囲であり、
かつ、
Xa/Xbが、1.05以上であり、
かつ、
Daが80nmより大きく、
かつ、
微粒子の均一性の観点から、25000倍にて3視野のTEM観察を行った際、工程3の作用後の個々の青色顔料微粒子のうち、Dbの8.0倍を超える粒子が全く確認されなかった場合である。
「△」は、
Da/Dbが1.0〜4.0の範囲であり、
かつ、
Xa/Xbが、1.05以上であり、
かつ、
微粒子の均一性の観点から、25000倍にて3視野のTEM観察を行った際、工程3の作用後の個々の青色顔料微粒子のうち、Dbの8.0倍を超える粒子が最大1つ確認された場合である。
工程2(洗浄)後、および、工程3(作用)後の複合フタロシアニン微粒子それぞれについて、TEM観察にて平均一次粒子径を算出し、XRD測定にて結晶化度を測定し比較した(表4)。また、上記実施例で得られたTEM画像を示した(図24〜図27)。
上記各実施例によると、析出させた複合フタロシアニンを界面活性剤あるいは分散剤を添加した有機溶媒に作用させる(工程3)ことによって、ネッキングや成長を抑制できることがわかった。
〔実施例7、8〕
バッチ方式によってA液とB液を以下の条件で混合し、図23に示す下記手順により複合フタロシアニン微粒子を製造した。
実施例7(後述する表7に示す実施例7−1〜7−6)、実施例8(後述する表7に示す実施例8−1〜8−6)における実験処方を表6に示す。
実施例7、8における処理内容は次のとおりである。
(工程0)(A液・B液調製)
上記実験処方でバッチ方式を用いて混合・析出を実施するにあたり、以下の様にA液およびB液を調製した。
有機顔料粒子析出溶媒(A液)調製条件:
実験処方に記載した様に単一溶媒の場合には、調製は不要であるが、例えば特開2009−82902号公報に記載の実験処方を適応する場合には、クレアミックスを用いて撹拌するのが望ましい。例えば、本実施例にておいてはCLM−2.2Sを用いて10000rpmで30分間撹拌する。
有機顔料粒子の原料溶液(B液)調製条件:
クレアミックスCLM−2.2Sを用いて20000rpmで30分間撹拌を行った。
また、A液、B液とも調製温度は40℃とした。
(工程1)(混合・析出)
ビーカー内の有機顔料粒子析出溶媒(A液)をマグネティックスターラーおよび撹拌子を用いて300rpmで撹拌しつつ、有機顔料粒子の原料溶液(B液)を投入することにより、A液とB液とを混合し、複合フタロシアニン微粒子を析出させた。
(工程2)(洗浄)
工程1で得られた複合フタロシアニン微粒子を含むスラリーを濾過し、複合フタロシアニン微粒子を、純水を用いて洗浄し、複合フタロシアニン微粒子のウェットケーキ(または真空乾燥法等の乾燥処理にて複合フタロシアニン微粒子の乾燥粉体)を得た。
(工程3)(作用)
工程2で得られた複合フタロシアニン微粒子のウェットケーキ(または乾燥粉体)を、実施例5、6と同様、有機溶媒(以下の表7では単に溶媒と記載する)に界面活性剤および/または分散剤を添加した溶液中に投入し、投入後、クレアミックスを用いて一定時間の撹拌処理をした。なお、実施例7−1〜7−6、実施例8−1〜8−6において使用した有機溶媒と界面活性剤および/または分散剤を以下の表7に示す。
あわせて、バッチ方式での撹拌処理前後の複合フタロシアニン微粒子の粒子径の変化と結晶化度変化についても、以下の表7に示す。
工程2(洗浄)後、および、工程3(作用)後の複合フタロシアニン微粒子それぞれについて、TEM観察にて平均一次粒子径を算出し、XRD測定にて結晶化度を測定し比較した(表7)。符号、略号等の意味は、上記実施例5、6と同じである。
上記の実施例7、8によると、上記マイクロリアクターを用いた場合の実施例5、6と同様、バッチ式の場合でも、析出させた複合フタロシアニンを界面活性剤あるいは分散剤を添加した有機溶媒に作用させる(工程3)ことによって、ネッキングや成長を抑制できることがわかった。
なお、マイクロリアクターを用いた場合、バッチ方式の場合、何れの実施例においても、工程0のA液・B液調製に関しては、様々な方法が考えられる。クレアミックスを用いるのではなく、超音波式のホモジナイザーや超音波洗浄機などあるいは、マグネティックスターラーと撹拌子を用いても実施することができる。上記実施例の様にA液・B液一方のみ調製する、あるいは、A液・B液とも工程0を省略することも可能である。
また、A液、B液としては例示したものの他、特開2009−82902号公報に記載のものなど、公知の混合、析出の例を適応することができる。
さらに、本実施例における工程3の撹拌処理に代えて、撹拌することなく単純に混合させるだけの処理を行っても構わないし、接触や吹き付けであってもかまわない。
1 第1処理用面
2 第2処理用面
10 第1処理用部
11 第1ホルダ
20 第2処理用部
21 第2ホルダ
d1 第1導入部
d2 第2導入部
d20 開口部

Claims (11)

  1. 少なくとも結晶型がβ型以外の銅フタロシアニンとチタニルフタロシアニンおよび/またはコバルトフタロシアニンとを含む複合フタロシアニン微粒子であって、
    アスペクト比が1.1以上2.5以下であって、粒子径が5nm以上50nm以下であることを特徴とする、複合フタロシアニン微粒子。
  2. 粒子径が10nm以上30nm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の複合フタロシアニン微粒子。
  3. 紫外可視吸収スペクトルの655〜700nmにおけるピークトップのAbs(a)と550〜640nmにおけるピークトップのAbs(b)の相対値([Abs(a)]/[Abs(b)])が0.8以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の複合フタロシアニン微粒子。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の複合フタロシアニン微粒子を製造する方法であって、
    原料として、少なくとも銅フタロシアニンとチタニルフタロシアニンおよび/またはコバルトフタロシアニンとを、第1溶媒に溶解させて溶解液を調製する工程(1)、
    上記工程(1)で得られた溶解液と、上記原料に対して貧溶媒となる第2溶媒とを混合して複合フタロシアニンを析出させる工程(2)、および、
    上記工程(2)で得られた複合フタロシアニンに芳香族化合物または複素環式化合物である有機溶媒を作用させる工程(3)、
    を含むことを特徴とする、複合フタロシアニン微粒子の製造方法。
  5. 少なくとも上記工程(2)が、少なくとも2つの被処理流体を反応させるマイクロリアクターを用いて行われ、
    上記被処理流体中、少なくとも1つの被処理流体は、上記溶解液であり、
    他の被処理流体は、上記第2溶媒であることを特徴とする、請求項4に記載の複合フタロシアニン微粒子の製造方法。
  6. 少なくとも上記工程(2)が、
    少なくとも2つの被処理流体を、
    接近および離反可能に互いに対向して配設され、
    少なくとも一方が他方に対して相対的に回転する第1処理用面と第2処理用面との間に導入し、
    第1処理用面と第2処理用面との間に付与される導入圧力により、第1処理用面と第2処理用面とを離反させる方向に作用する離反力を発生させ、
    上記離反力によって、第1処理用面と第2処理用面との間を微小な間隔に保ちつつ、
    上記少なくとも2つの被処理流体を、
    上記微小な間隔に保たれた第1処理用面と第2処理用面との間で合流させ、
    上記第1処理用面と第2処理用面との間を通過させることによって、薄膜流体を形成させ、
    上記薄膜流体中で被処理流体同士を反応させるマイクロリアクターを用いて行われ、
    上記被処理流体中、少なくとも1つの被処理流体は、 上記溶解液であり、
    他の被処理流体は、上記第2溶媒であることを特徴とする、請求項4に記載の複合フタロシアニン微粒子の製造方法。
  7. 上記有機溶媒が、スチレン、キシレン、トルエン、ベンゼン、クレゾール、クメン、テトラヒドロフラン、ピリジンからなる群から選択される少なくとも1つである、請求項4〜6のいずれかに記載の複合フタロシアニン微粒子の製造方法。
  8. 上記工程(1)における上記原料の混合重量比(銅フタロシアニン/チタニルフタロシアニンおよび/または銅フタロシアニン/コバルトフタロシアニン)が1以上20未満である、請求項4〜7のいずれかに記載の複合フタロシアニン微粒子の製造方法。
  9. 上記工程(1)において、チタニルフタロシアニンおよびコバルトフタロシアニンを、同時または順次溶解させる、請求項4〜8のいずれかに複合フタロシアニン微粒子の製造方法。
  10. 工程(2)で得られた複合フタロシアニンと工程(3)で得られた複合フタロシアニンとが、同じ結晶型であることを特徴とする、請求項4〜9のいずれかに記載の製造方法。
  11. 上記有機溶媒に界面活性剤又は分散剤が添加されていることを特徴とする、請求項4〜10のいずれかに記載の複合フタロシアニン微粒子の製造方法。
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