JP5248798B2 - 硬化性樹脂組成物及びそれを含有してなる自動車構造用接着剤 - Google Patents

硬化性樹脂組成物及びそれを含有してなる自動車構造用接着剤 Download PDF

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Description

本発明は、硬化性樹脂組成物に関し、特に、特定のウレタン変性キレートエポキシ樹脂、ブロックウレタンおよび潜在性硬化剤を含有してなる、基材との密着性に優れ、硬化物が低温から高温までの広い温度範囲で柔軟性を有する、構造用接着剤として好適な硬化性樹脂組成物及びそれを含有してなる自動車構造用接着剤に関する。
構造用接着剤は、自動車、船舶、航空、宇宙、土木、建築分野等の広範な分野において金属部材の接合剤として汎用されている。このような構造用接着剤としては、エポキシ樹脂をベースとし、エラストマー等で変性して得られる熱硬化型の構造用接着剤が広く使用されている。
構造用接着剤として使用するためには、各種基材との密着性に優れていることが要求されるのは当然のことであるが、密着性を維持するためには柔軟性も要求される。例えば、既存の構造用接着剤は、自動車構造用接着剤等の様に低温から高温まで広い温度範囲で使用される用途には、好適に使用することはできない。
例えば、エポキシ樹脂、ブロックドイソシアネート化合物および潜在性硬化剤から得られる硬化性エポキシブロックウレタン組成物(特許文献1)、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ブロックイソシアネートを含有するウレタン変性エポキシ樹脂、カルボキシ基含有ブタジエン・アクリルニトリル液状ゴムおよび硬化剤からなる、構造接着剤に適したエポキシ組成物(特許文献2)、ブロックイソシアネート変性エポキシ樹脂を全エポキシ樹脂中に10質量%以上含むエポキシ樹脂系接着剤組成物(特許文献3)、並びに、ウレタン変性エポキシ樹脂、ブロックウレタンおよび潜在性硬化剤からなる組成物(特許文献4)等が既に提案されているが、これらの組成物は何れも接着性が不十分である。
特開平5−155973号公報 特開平5−148337号公報 特開平7−41750号公報 WO06/132093号公報
従って本発明の第1の目的は、基材との密着性に優れ、硬化物が低温から高温までの広い温度範囲において優れた柔軟性を有し、構造用接着剤として好適な硬化性樹脂組成物を提供することにある。
本発明の第2の目的は、基材との密着性に優れ、硬化物が低温から高温までの広い温度範囲において優れた柔軟性を有する自動車構造用接着剤を提供することにある。
本発明者等は、上記の諸目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、特定のウレタン変性キレートエポキシ樹脂、ブロックウレタンおよび潜在性硬化剤を組み合わせて得られる硬化性樹脂組成物が、基材との密着性に優れ、その硬化物が低温から高温までの広い温度範囲で柔軟性を有することを見出し、本発明に到達した。
即ち本発明は、(A1)ポリエポキシ化合物、(A2)リン酸、および(A4)ポリウレタンを反応させてなる(A)ウレタン変性キレートエポキシ樹脂95〜10質量%と(B)ブロックウレタン5〜90質量%からなる主剤成分、{(A)+(B)}100質量部に対し、(C)潜在性硬化剤1〜40質量部を含有してなる硬化性樹脂組成物であって、前記(A)ウレタン変性キレートエポキシ樹脂が、前記(A1)ポリエポキシ化合物のエポキシ基1モルに対して0.001〜0.1モルの前記(A2)リン酸を反応させてなる(A3)リン酸変性エポキシ樹脂と前記(A4)ポリウレタンとの反応、または、前記(A1)ポリエポキシ化合物、および(a−1)ポリヒドロキシ化合物と過剰の(a−2)ポリイソシアネート化合物を反応させて得られる、イソシアネート含有量が0.1〜10質量%であるポリウレタンを前記(A4)成分として反応させて得られるウレタン変性エポキシ樹脂に、前記(A2)リン酸を反応させて得られるウレタン変性キレートエポキシ樹脂であることを特徴とする硬化性樹脂組成物である(請求項1)。
本発明においては、前記(A2)リン酸がオルトリン酸であることが好ましい(請求項2)。
また、前記(A)ウレタン変性キレートエポキシ樹脂を構成する(A1)ポリエポキシ化合物として、ビスフェノール型エポキシ樹脂を使用することが好ましく(請求項3)、前記(A)ウレタン変性キレートエポキシ樹脂を構成する(A4)ポリウレタンとしては、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールおよびポリエステルポリオールからなる群から選ばれる少なくとも1種の(a−1)ポリヒドロキシ化合物と、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、および1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌル体からなる群から選ばれる少なくとも1種の(a−2)ポリイソシアネート化合物を用いて得られるポリウレタンを使用することが好ましい(請求項4)。
本発明においては、前記(B)ブロックウレタンとして、(b−1)ポリヒドロキシ化合物および過剰の(b−2)ポリイソシアネート化合物を反応させて得られる(B1)ポリウレタンを(B2)ブロック化剤でブロックして得られるブロックウレタンであって、前記(B1)ポリウレタンがイソシアネートを0.1〜10質量%含有するポリウレタンを用いることが好ましく(請求項5)、特に、ポリエーテルポリオールから選ばれる少なくとも一種の(b−1)ポリヒドロキシ化合物を用いると共に、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、およびイソホロンジイソシアネートからなる群から選ばれる少なくとも一種の(b−2)ポリイソシアネート化合物を反応させて得られるブロックウレタンを使用することが好ましい(請求項6)。
本発明においては、前記(C)潜在性硬化剤として、ジシアンジアミド、変性ポリアミン、ヒドラジド類、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、三フッ化ホウ素アミン錯塩、ウレア類およびメラミンからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物を用いることが好ましく(請求項7)、特に、ジシアンジアミドと、変性イミダゾール類およびウレア類からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物とを組み合わせて使用することが好ましい(請求項8)。
また、本発明の硬化性樹脂組成物の硬化物は、低温から高温までの広い温度範囲で柔軟性を有するので、自動車構造用接着剤として有用である(請求項9)。
本発明の硬化性樹脂組成物は、種々の基材との密着性に優れると共に、その硬化性が低温から高温までの広い温度範囲で柔軟性を有することから、構造用接着剤、特に自動車構造用接着剤として好適である。
以下、本発明の硬化性樹脂組成物及びそれを含有してなる自動車構造用接着剤について詳細に説明する。
本発明に使用される(A)成分であるウレタン変性キレートエポキシ樹脂は、(A1)ポリエポキシ化合物、(A2)リン酸、および(A4)ポリウレタンを公知の方法によって反応させて得られるものの中から適宜選択することができるが、(A1)ポリエポキシ化合物に(A2)リン酸を反応させて得た(A3)リン酸変性エポキシ樹脂に(A4)ポリウレタンを反応させて製造するか、または、(A1)ポリエポキシ化合物、および、(a−1)ポリヒドロキシ化合物と過剰の(a−2)ポリイソシアネート化合物を反応させて得られるイソシアネート含有量が0.1〜10質量%の(A4)ポリウレタンを反応させて得られるウレタン変性エポキシ樹脂にリン酸を反応させて製造することが好ましい。
なお、ここでリン酸とは、オルトリン酸、ピロリン酸などを意味するが、本発明では特にオルトリン酸を使用することが好ましいので、以下オルトリン酸を代表例として記載する。
上記(A1)ポリエポキシ化合物としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ピロカテコール、フロログルクシノールなどの単核多価フェノール化合物のポリグリシジルエーテル化合物;ジヒドロキシナフタレン、ビフェノール、メチレンビスフェノール(ビスフェノールF)、メチレンビス(オルトクレゾール)、エチリデンビスフェノール、イソプロピリデンビスフェノール(ビスフェノールA)、イソプロピリデンビス(オルトクレゾール)、テトラブロモビスフェノールA、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,1,3−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,2,2−テトラ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、チオビスフェノール、スルホビスフェノール、オキシビスフェノール、フェノールノボラック、オルソクレゾールノボラック、エチルフェノールノボラック、ブチルフェノールノボラック、オクチルフェノールノボラック、レゾルシンノボラック、テルペンフェノールなどの多核多価フェノール化合物のポリグリジルエーテル化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ポリグリコール、チオジグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加物などの多価アルコール類のポリグリシジルエーテル;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、コハク酸、グルタル酸、スベリン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、トリマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸等の脂肪族、芳香族または脂環族多塩基酸のグリシジルエステル類およびグリシジルメタクリレートの単独重合体または共重合体;N,N−ジグリシジルアニリン、ビス(4−(N−メチル−N−グリシジルアミノ)フェニル)メタン等のグリシジルアミノ基を有するエポキシ化合物;ビニルシクロヘキセンジエポキシド、ジシクロペンタンジエンジエポキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート等の環状オレフィン化合物のエポキシ化物;エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化スチレン−ブタジエン共重合物等のエポキシ化共役ジエン重合体、トリグリシジルイソシアヌレート等の複素環化合物が挙げられる。また、これらのエポキシ樹脂は、末端イソシアネートのプレポリマーによって内部架橋されたものであっても、多価の活性水素化合物(多価フェノール、ポリアミン、ポリリン酸エステル等)によって高分子量化したものであってもよい。
本発明においては、これらのポリエポキシ化合物の中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を使用することが、強い接着性および強靭性を有する硬化性樹脂組成物を得る観点から好ましい。
(A2)オルトリン酸の使用量は、(A1)ポリエポキシ化合物のエポキシ基1モルに対して0.001〜0.1モルの範囲であることが好ましく、0.005〜0.05モルの範囲であることがより好ましい。(A2)オルトリン酸の使用量が、0.1モルを超えると反応中にゲル化を起こし易くなり、0.001モルより少ないと本発明の効果が得られない。
また、上記(A1)ポリエポキシ化合物と(A2)オルトリン酸との反応温度は60〜130℃の範囲であることが好ましく、95〜115℃であることがより好ましい。反応温度が60℃未満では反応が遅く、130℃を超えた場合には反応制御が困難となる。
本発明で使用する上記(A)ウレタン変性キレートエポキシ樹脂を構成する(A4)ポリウレタンは、(a−1)ポリヒドロキシ化合物と(a−2)ポリイソシアネート化合物との反応により製造されるものの中から適宜選択して用いられる。
上記(A4)ポリウレタンに用いられる(a−1)ポリヒドロキシ化合物としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルアミドポリオール、アクリルポリオール、ポリウレタンポリオール等が挙げられる。
前記ポリエーテルポリオールとしては、多価アルコールのポリアルキレングリコール(分子量100〜5500程度)付加物が好ましく使用される。
上記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ネオペンタングリコール等の脂肪族二価アルコール;グリセリン、トリオキシイソブタン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、2,3,4−ヘキサントリオール、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール、ペンタメチルグリセリン、ペンタグリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、トリメチロールプロパン等の三価アルコール;エリトリット、ペンタエリトリット、1,2,3,4−ペンタンテトロール、2,3,4,5−ヘキサンテトロール、1,2,3,5−ペンタンテトロール、1,3,4,5−ヘキサンテトロール等の四価アルコール;アドニット、アラビット、キシリット等の五価アルコール;ソルビット、マンニット、イジット等の六価アルコールなどが挙げられる。
上記多価アルコールとして好ましいものは、2〜4価のアルコールであり、特にプロピレングリコール、グリセリン等が好ましい。
前記ポリエーテルポリオールは、上記多価アルコールに、所望の分子量となるように、常法により炭素数2〜4個のアルキレンオキサイドを付加させることによって製造することができる。また、炭素数2〜4個のアルキレンオキサイドとしては、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等が挙げられるが、特にプロピレンオキサイドを使用することが好ましい。
前記ポリエステルポリオールとしては、例えばポリカルボン酸と多価アルコールから製造される公知のポリエステル、あるいはラクタム類から得られるポリエステル等が挙げられる。
上記のポリカルボン酸としては、例えばベンゼントリカルボン酸、アジピン酸、琥珀酸、スベリン酸、セバシン酸、蓚酸、メチルアジピン酸、グルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、チオジプロピオン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸又はこれらに類するカルボン酸を適宜使用することができる。
上記のポリカルボン酸と反応させる前記多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ビス(ヒドロキシメチルクロルヘキサン)、ジエチレングリコール、2,2−ジメチルプロピレングリコール、1,3,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、グリセリン又はこれらに類する多価アルコールを適宜使用することができる。
その他、本発明においては、ポリヒドロキシ化合物として、ポリテトラメチレングリコール、ポリカプロラクトングリコール等も使用することができる。
前記ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ジオールとジフェニルカーボネートとの脱フェノール反応、ジオールとアルキレンカーボネートとの脱グリコール反応等で得られるものなどが挙げられる。
上記ジオールとしては、例えばエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル―1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン等が挙げられる。
前記(A)ウレタン変性キレートエポキシ樹脂を構成する(A4)ポリウレタンに用いられる(a−2)ポリイソシアネート化合物としては、例えば、プロパン−1,2−ジイソシアネート、2,3−ジメチルブタン−2,3−ジイソシアネート、2−メチルペンタン−2,4−ジイソシアネート、オクタン−3,6−ジイソシアネート、3,3−ジニトロペンタン−1,5−ジイソシアネート、オクタン−1,6−ジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート、メタテトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート)、1,3−又は1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、水添トリレンジイソシアネート等、およびこれらの混合物が挙げられる。これらのポリイソシアネートは、三量化したイソシアヌル体であってもよい。
これらのイソシアネート化合物の中でも、本発明においては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、および1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌル体からなる群から選ばれる少なくとも一種を使用することが、金属基材に対して強い接着性を示す硬化性樹脂組成物を得る観点から好ましい。
本発明においては特に、前記したように、(a−1)ポリヒドロキシ化合物と(a−2)ポリイソシアネート化合物を、ポリヒドロキシ化合物に対してイソシアネート成分が過剰になる量、具体的には、ポリヒドロキシ化合物が有する水酸基1個に対して、ポリイソシアネートが有するイソシアネート基が1個以上となる量、好ましくは、1.2〜5個となる量、特に好ましくは1.5〜2.5個となる量使用して製造した、イソシアネート含有量が0.1〜10質量%であるポリウレタンを用いることが好ましい。上記のようにして得られたポリウレタンのイソシアネート含有量は、特に1〜8質量%であることが好ましい。
上記(A4)ポリウレタンを製造する際の反応温度は、通常40〜140℃の範囲であり、60〜130℃の範囲であることが好ましい。
上記(A1)ポリエポキシ化合物に(A2)オルトリン酸を反応させて得られた(A3)リン酸変性ポリエポキシ化合物、および、上記(A4)ポリウレタンを用いて(A)ウレタン変性キレートエポキシ樹脂を製造する方法は、常法により行うことができる。
上記(A3)リン酸変性ポリエポキシ化合物および上記(A4)ポリウレタンの使用量は、質量比(前者/後者)で、好ましくは50/50〜90/10であり、さらに好ましくは65/35〜85/15である。
上記(A3)リン酸変性ポリエポキシ化合物と(A4)ポリウレタンを用いて(A)ウレタン変性キレートエポキシ樹脂を製造する際の反応温度は、通常40〜140℃の範囲であり、好ましくは60〜130℃の範囲である。
上記の変性反応を行うに際し、反応を促進するために、公知のウレタン重合用触媒、例えば、ジオクチルスズラウレート、ジブチルスズジラウレート、第一スズオクテート、スタナスオクテート、オクチル酸鉛、ナフテン酸鉛、オクチル酸亜鉛等の有機金属化合物、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン等の三級アミン系化合物等を使用することも可能である。
また、本発明において用いられる上記(A)ウレタン変性キレートエポキシ樹脂としては、(A3)リン酸変性ポリエポキシ化合物成分および(A4)ポリウレタン化合物成分を反応させて得られる前記のウレタン変性キレートエポキシ樹脂や、(A1)ポリエポキシ化合物と(A4)ポリウレタンとを反応させて得られるウレタン変性エポキシ樹脂に(A2)オルトリン酸を反応させて得られるウレタン変性キレートエポキシ樹脂の他に、上記した(A3)リン酸変性ポリエポキシ化合物を(a−2)ポリイソシアネート化合物(例えば前記例示化合物)で変性して得られる、変性エポキシ樹脂を併用することもできる。
本発明に使用される(B)成分であるブロックウレタンとしては、(b−1)ポリヒドロキシ化合物と過剰の(b−2)ポリイソシアネート化合物から得られる、イソシアネート(NCO)含有量が0.1〜10質量%である(B1)ポリウレタンを、(B2)ブロック化剤でブロックして得られるブロックウレタンが好ましく用いられる。
上記(b−1)ポリヒドロキシ化合物としては、例えば前記(a−1)ポリヒドロキシ化合物として例示したような化合物が挙げられ、中でもグリセリンのプロピレンオキシド化合物、ヒマシ油のプロピレンオキシド付加物、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオールから選ばれる少なくとも一種の化合物を使用することが、低温でも優れた柔軟性を確実に有する硬化性樹脂組成物を得る上から好ましい。
上記(b−2)ポリイソシアネート化合物としては、例えば、前記(a−2)ポリイソシアネート化合物として例示したようなポリイソシアネート化合物が挙げられ、中でも1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートおよびイソホロンジイソシアネートからなる群から選ばれる少なくとも一種を使用することが、金属基材に対して強い接着性を示す硬化性樹脂組成物を得る上から好ましい。
上記(b−1)ポリヒドロキシ化合物および(b−2)ポリイソシアネート化合物の使用量、これらを用いた(B1)ポリウレタンの製造方法、及び、得られたポリウレタンが含有するイソシアネートの含有量等は、前記(a−1)ポリヒドロキシ化合物と(b−2)ポリイソシアネート化合物を用いる場合と同様である。
本発明で使用する(B2)ブロック化剤としては、例えば、マロン酸ジエステル(マロン酸ジエチルなど)、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル(アセト酢酸エチルなど)等の活性メチレン化合物;アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム(MEKオキシム)、メチルイソブチルケトオキシム(MIBKオキシム)等のオキシム化合物;メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ヘプチルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、イソノニルアルコール、ステアリルアルコール等の一価アルコールまたはこれらの異性体;メチルグリコール、エチルグリコール、エチルジグリコール、エチルトリグリコール、ブチルグリコール、ブチルジグリコール等のグリコール誘導体;ジシクロヘキシルアミン等のアミン化合物;フェノール、クレゾール、エチルフェノール、n−プロピルフェノール、イソプロピルフェノール、ブチルフェノール、第三ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、シクロヘキシルフェノール、クロロフェノール、ブロモフェノール、レゾルシン、カテコール、ハイドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールF、ナフトール等のフェノール類;ε−カプロラクトンなどが挙げられる。
上記(B2)ブロック剤の中でも、特にジシクロヘキシルアミン、ジフェノール類、モノフェノール類およびε−カプロラクタムからなる群から選択される少なくとも一種の化合物を使用することが、強い接着性を有する硬化性樹脂組成物を確実に得る上から好ましい。
上記(B2)ブロック化剤による上記(B1)ポリウレタンのブロック化反応は、通常、(B1)ポリウレタンの重合における最終反応で上記(B2)ブロック化剤を添加して行われるが、本発明においては、上記(B1)ポリウレタンの重合における任意の段階で上記(B2)ブロック剤を添加して反応させ、ブロックポリウレタンを得ることもできる。
即ち上記(B2)ブロック化剤は、所定の重合終了時に添加するか、重合初期に添加するか、または重合初期に一部添加し重合終了時に残部を添加する等の何れの方法で添加しても良いが、重合終了時に添加することが好ましい。この場合、所定の重合終了時の目安としては、イソシアネート%(測定方法については、例えば「ポリウレタン」槙書店、昭和35年発行、第21頁参照)を基準とすればよい。
上記(B2)ブロック化剤を添加する際の反応温度は、通常50〜150℃であり、好ましくは60〜120℃である。ブロックポリウレタン製造のための反応時間は、通常1〜7時間程度とする。反応に際し、前記した公知のウレタン重合用触媒を添加して反応を促進することも可能である。また、反応に際し、可塑剤を任意の量加えてもよい。
本発明に使用される(B)ブロックウレタンには、(B1)ポリウレタンおよび(B2)ブロック化剤を反応させて得られる上記ブロックウレタンの他に、ポリイソシアネート化合物(前記(b−2)の例示化合物、特にイソシアヌル体)をブロック化剤(前記(B2)の例示化合物)で変性して得られるブロックイソシアネートを併用することもできる。
本発明に使用される(C)潜在性硬化剤としては、例えば、ジシアンジアミド、変性ポリアミン、ヒドラジド類、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、三フッ化ホウ素アミン錯塩、ウレア類およびメラミンからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物を用いることが好ましい。これらの他に、グアナミン類、イミダゾール類等も潜在性硬化剤として用いることもできる。
上記変性ポリアミンとしては、エポキシ付加変性物、アミド化変性物、アクリル酸エステル変性物、イソシアネート変性物、マンニッヒ化変性物などが挙げられる。
上記変性ポリアミンに使用されるポリアミン類としては、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシプロピレントリアミン等の脂肪族ポリアミン;イソホロンジアミン、メンセンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル)メタン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、N−アミノエチルピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5.5)ウンデカン等の脂環式ポリアミン;m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、トリレン−2,4−ジアミン、トリレン−2,6−ジアミン、メシチレン−2,4−ジアミン、メシチレン−2,6−ジアミン、3,5−ジエチルトリレン−2,4−ジアミン、3,5−ジエチルトリレン−2,6−ジアミン等の単核ポリアミン;ビフェニレンジアミン、4,4−ジアミノジフェニルメタン、2,5−ナフチレンジアミン、2,6−ナフチレンジアミン等の芳香族ポリアミン;2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−アミノプロピルイミダゾール等のイミダゾール類が挙げられる。
前記ポリアミンのエポキシ付加変性物は、上記ポリアミン類と、フェニルグリシジルエーテル類、ブチルグリシジルエーテル類、ビスフェノールA−ジグリシジルエーテル類、ビスフェノールF−ジグリシジルエーテル類、またはカルボン酸のグリシジルエステル類からなる各種エポキシ樹脂とを、常法によって反応させることによって製造することができる。
前記アミド化変性物は、上記ポリアミン類と、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸等のカルボン酸類とを、常法によって反応させることによって製造することができる。
前記マンニッヒ化変性物は、上記ポリアミン類と、ホルムアルデヒド等のアルデヒド類、およびフェノール、クレゾール、キシレノール、第三ブチルフェノール、レゾルシン等の核に少なくとも一個のアルデヒド化反応性箇所を有するフェノール類とを、常法によって反応させることによって製造することができる。
前記ヒドラジド類としては、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド等が挙げられる。
前記ウレア類としては、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1ジメチルウレア、イソホロンジイソシアネート−ジメチルウレア、トリレンジイソシアネート−ジメチルウレア、3-(p-クロロフェニル)-1,1-ジメチル尿素等が挙げられる。
本発明においては、これらの潜在性硬化剤の中でも、特にジシアンジアミドと、ポリアミン類としてイミダゾール類を用いた変性ポリアミン(即ち変性イミダゾール類)、およびウレア類からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物を併用することが、低温で速硬化が可能であると共に高密着性を有する硬化性樹脂組成物が得られるので好ましい。
ジシアンジアミドと、変性イミダゾール類および/またはウレア類との使用比(前者/後者)は、質量基準で9/1〜7/3であることが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、主剤成分である(A)ウレタン変性キレートエポキシ樹脂および(B)ブロックウレタン、並びに、硬化剤成分である(C)潜在性硬化剤を含有するが、これらの成分の使用量は、主剤成分である{(A)+(B)}成分100重量部に対し、硬化剤成分である(C)成分が1〜40重量部であることが必要であり、特に、3〜25部であることが好ましい。また、主剤成分の(A)成分と(B)成分の比率(前者/後者)は、95/5〜10/90であることが必要であり、80/20〜60/40であることが特に好ましい。上記範囲を超える場合には、硬化性が低下したり、満足できる物性が得られないおそれがある。
本発明の硬化性樹脂組成物には、(A)〜(C)成分以外に、従来の硬化性樹脂組成物において用いられる、ガラス繊維、炭素繊維、コアシェル材、セルロース、ケイ砂、セメント、カオリン、クレー、水酸化アルミニウム、ベントナイト、タルク、シリカ、微粉末シリカ、二酸化チタン、カーボンブラック、グラファイト、酸化鉄、瀝青物質などの充填剤もしくは顔料;増粘剤;チキソトロピック剤;難燃剤;消泡剤;防錆剤;コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ等の常用の添加物を含有してもよく、更に、キシレン樹脂、石油樹脂等の粘着性樹脂類等の添加剤を、必要に応じて適宜含有させてもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物は基材との密着性に優れると共にその硬化物は、低温から高温までの広い範囲で優れた柔軟性を有することから、自動車、船舶、航空、宇宙、土木、建築分野等の広範な分野において、金属部材等を接合するのに用いられる構造用接着剤として好適に使用することができ、とりわけ自動車構造用接着剤として好適である。
また、本発明の硬化性樹脂組成物は、上記構造用接着剤以外に、各種塗料、各種接着剤、各種成形品等の用途にも用いることができる。
以下製造例および実施例によって、本発明の硬化性樹脂組成物を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等によって限定されるものではない。
〔製造例1〕ウレタン変性キレートエポキシ樹脂の製造
<ウレタンプレポリマー(UP−1)の製造>
アデカポリエーテルG−3000((株)ADEKA製;ポリプロピレングリコールグリセリルエーテル)1,000質量部を、100〜110℃、30mmHg以下の条件で1時間減圧脱気を行った。これを60℃まで冷却し、トリレンジイソシアネート174質量部を添加し、窒素気流下90〜100℃で3時間反応させ、NCO含有量が3.6質量%以下であることを確認して反応を終了させ、ウレタンプレポリマー(UP−1)を得た。
<ウレタン変性キレートエポキシ樹脂(CUEP1)の製造>
アデカレジンEP−4100E((株)ADEKA製;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量190)2,800質量部に、オルトリン酸15質量部を添加し、100〜110℃で1時間反応させた。次に、上記ウレタンプレポリマー(UP−1) 580質量部、および、ジオクチル錫ジラウレート0.075質量部を添加し、80〜90℃で2時間反応させた。
IR吸収スペクトルにてNCOの吸収が消失したことを確認して反応を終了させ、ウレタン変性キレートエポキシ樹脂(CUEP1)を得た。
〔製造例2〕ウレタン変性キレートエポキシ樹脂の製造
<ウレタン変性キレートエポキシ樹脂(CUEP2)の製造>
アデカレジンEP−4100E((株)ADEKA製;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量190)2,800質量部に、オルトリン酸30質量部を添加し、100〜110℃で1時間反応させた。次に、前記製造例1で得られたウレタンプレポリマー(UP−1) 580質量部、および、ジオクチル錫ジラウレート0.075質量部を添加し、80〜90℃で2時間反応させた。
IR吸収スペクトルにてNCOの吸収が消失したことを確認して反応を終了させ、ウレタン変性キレートエポキシ樹脂(CUEP2)を得た。
〔製造例3〕ウレタン変性キレートエポキシ樹脂の製造
<ウレタン変性キレートエポキシ樹脂(CUEP3)の製造>
アデカレジンEP−4100E((株)ADEKA製;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量190)2,800質量部に、オルトリン酸60質量部を添加し、100〜110℃で1時間反応させた。次に、前記製造例1で得られたウレタンプレポリマー(UP−1) 580質量部、および、ジオクチル錫ジラウレート0.075質量部を添加し、80〜90℃で2時間反応させた。
IR吸収スペクトルにてNCOの吸収が消失したことを確認して反応を終了させ、ウレタン変性キレートエポキシ樹脂(CUEP3)を得た。
〔製造例4〕ウレタン変性キレートエポキシ樹脂の製造
<ウレタン変性キレートエポキシ樹脂(CUEP4)の製造>
アデカレジンEP−4901E((株)ADEKA製;ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量170)2,800質量部に、オルトリン酸30質量部を添加し、100〜110℃で1時間反応させた。次に、前記製造例1で得られたウレタンプレポリマー(UP−1) 580質量部、および、ジオクチル錫ジラウレート0.075質量部を添加し、80〜90℃で2時間反応させた。
IR吸収スペクトルにてNCOの吸収が消失したことを確認して反応を終了させ、ウレタン変性キレートエポキシ樹脂(CUEP4)を得た。
〔製造例5〕ブロックウレタンの製造
<ウレタンプレポリマー(UP−2)の製造>
アデカポリエーテルG−3000B((株)ADEKA製;ポリプロピレングリコールグリセリルエーテル)100質量部を、100〜110℃、30mmHg以下で1時間減圧脱気を行った。これを60℃まで冷却し、イソホロンジイソシアネート221質量部、および、ジオクチル錫ジラウレート0.075質量部を添加し、窒素気流下90〜100℃で3時間反応させた。NCO含有量が5.9質量%以下であることを確認して反応を終了させ、ウレタンプレポリマー(UP−2)を得た。
<ブロックウレタン(BU1)の製造>
上記ウレタンプレポリマー(UP−2)721質量部、P-t-ブチルフェノール155質量部およびジオクチル錫ジラウレート0.025質量部を添加し、90〜100℃で3時間反応させた。IR吸収スペクトルにてNCOの吸収が消失したことを確認して反応を終了させ、ブロックウレタン樹脂(BU1)を得た。
〔比較製造例1〕
<ウレタン変性エポキシ樹脂(UEP−1)の製造>
アデカレジンEP−4100E((株)ADEKA製;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量190)2,800質量部に、前記ウレタンプレポリマー(UP−1) 580質量部、および、ジオクチル錫ジラウレート0.075質量部を添加し、80〜90℃で2時間反応させた。IR吸収スペクトルにてNCOの吸収が消失したことを確認して反応を終了させ、ウレタン変性エポキシ樹脂(UEP−1)を得た。
〔比較製造例2〕
<ウレタン変性エポキシ樹脂(CUEP−1X)の製造>
アデカレジンEP−4100E((株)ADEKA製;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量190)2,800質量部に、ホウ酸30質量部を添加し、100〜110℃で1時間反応させた。次に上記で得られたウレタンプレポリマー(UP−1) 580質量部、および、ジオクチル錫ジラウレート0.075質量部を添加し、80〜90℃で2時間反応させた。
IR吸収スペクトルにてNCOの吸収が消失したことを確認して反応を終了させ、ウレタン変性エポキシ樹脂(CUEP−1X)を得た。
〔比較製造例3〕
<ウレタン変性エポキシ樹脂(CUEP−2X)の製造>
アデカレジンEP−4100E((株)ADEKA製;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量190)2,800質量部に、ジベンゾイルメタン30質量部を添加し、100〜110℃で1時間反応させた。次に、前記ウレタンプレポリマー(UP−1) 580質量部、および、ジオクチル錫ジラウレート0.075質量部を添加し、80〜90℃で2時間反応させた。IR吸収スペクトルにてNCOの吸収が消失したことを確認して反応を終了させ、ウレタン変性エポキシ樹脂(CUEP−2X)を得た。
〔比較製造例4〕
<ウレタン変性エポキシ樹脂(CUEP−3X)の製造>
アデカレジンEP−4100E((株)ADEKA製;ビスフェノール型Aエポキシ樹脂、エポキシ当量190)2,800質量部に、ベンゾトリアゾール30質量部を添加し、100〜110℃で1時間反応させた。次に、前記ウレタンプレポリマー(UP−1) 580質量部、および、ジオクチル錫ジラウレート0.075質量部を添加し、80〜90℃で2時間反応させた。IR吸収スペクトルにてNCOの吸収が消失したことを確認して反応を終了させ、ウレタン変性エポキシ樹脂(CUEP−3X)を得た。
〔実施例1〜6および比較例1〜4〕
前記、製造例1〜4より得られたウレタン変性キレートエポキシ樹脂、比較製造例1〜4により得られた変性エポキシ樹脂、製造例5により得られたブロックウレタン、および、潜在性硬化剤を用い、下記表1および表2に示す配合で硬化性樹脂組成物を作製した。なお、硬化条件は180℃、30分とし、潜在性硬化剤として、ジシアンジアミドおよび変性イミダゾールを使用した。
このようにして得られた硬化性樹脂組成物について、以下のT型剥離試験を行った。実施例1〜6の結果を下記表1、比較例1〜4の結果を下記表2に示す。
(T型剥離試験)
JIS K 6854−3に従い、被着材として鋼板を使用し、剥離速度100mm/分で試験を実施した。(KN/mm)。尚試験は−20℃、23℃および100℃のそれぞれについて行った。
*変性イミタ゛ソ゛ール:2-エチル-4-メチルイミダゾール/EP-4100E/フェノール樹脂(変性比:2モル/1モル/50質量%)
上記の表1および表2から明らかな様に、本発明のウレタン変性キレートエポキシ樹脂は、キレート変性を施していないウレタン変性エポキシ樹脂(比較例1)に比べ、顕著に接着性の優れた結果を示している。また、オルトリン酸以外の化合物でキレート変性を試みたウレタン変性エポキシ樹脂(比較例2〜4)では、キレート変性を施していないウレタン変性エポキシ樹脂(比較例1)よりもさらに柔軟性に劣る結果を示しており、本発明の組成物のみが顕著な接着性の向上を示すことが明らかである。
本発明の硬化性樹脂組成物は、基材との密着性に優れ、硬化物が低温から高温までの広い温度範囲において優れた柔軟性を有し、構造用接着剤、特に自動車構造用接着剤として好適である。

Claims (9)

  1. (A1)ポリエポキシ化合物、(A2)リン酸、および(A4)ポリウレタンを反応させてなる(A)ウレタン変性キレートエポキシ樹脂95〜10質量%と(B)ブロックウレタン5〜90質量%からなる主剤成分、{(A)+(B)}100質量部に対し、(C)潜在性硬化剤1〜40質量部を含有してなる硬化性樹脂組成物であって、前記(A)ウレタン変性キレートエポキシ樹脂が、前記(A1)ポリエポキシ化合物のエポキシ基1モルに対して0.001〜0.1モルの前記(A2)リン酸を反応させてなる(A3)リン酸変性エポキシ樹脂と前記(A4)ポリウレタンとの反応、または、前記(A1)ポリエポキシ化合物、および(a−1)ポリヒドロキシ化合物と過剰の(a−2)ポリイソシアネート化合物を反応させて得られる、イソシアネート含有量が0.1〜10質量%であるポリウレタンを前記(A4)成分として反応させて得られるウレタン変性エポキシ樹脂に、前記(A2)リン酸を反応させて得られるウレタン変性キレートエポキシ樹脂であることを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  2. 前記(A2)リン酸がオルトリン酸である、請求項1に記載された硬化性樹脂組成物。
  3. 前記(A)ウレタン変性キレートエポキシ樹脂を構成する(A1)ポリエポキシ化合物が、ビスフェノール型エポキシ樹脂である、請求項1または2に記載された硬化性樹脂組成物。
  4. 前記(A)ウレタン変性キレートエポキシ樹脂を構成する(A4)ポリウレタンが、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールおよびポリエステルポリオールからなる群から選ばれる少なくとも1種の(a−1)ポリヒドロキシ化合物と、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、および1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌル体からなる群から選ばれる少なくとも1種の(a−2)ポリイソシアネート化合物を用いて得られるポリウレタンである、請求項1〜3の何れかに記載された硬化性組成物。
  5. 前記(B)ブロックウレタンが、(b−1)ポリヒドロキシ化合物および過剰の(b−2)ポリイソシアネート化合物を反応させて得られる(B1)ポリウレタンを(B2)ブロック化剤でブロックして得られるブロックウレタンであって、前記(B1)ポリウレタンがイソシアネートを0.1〜10質量%含有するポリウレタンである、請求項1〜4の何れかに記載された硬化性樹脂組成物。
  6. 前記(B)ブロックウレタンが、ポリエーテルポリオールから選ばれる少なくとも一種の(b−1)ポリヒドロキシ化合物を用いると共に、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートおよびイソホロンジイソシアネートからなる群から選ばれる少なくとも一種の(b−2)ポリイソシアネート化合物を反応させて得られるブロックウレタンである、請求項5に記載された硬化性樹脂組成物。
  7. 前記(C)潜在性硬化剤が、ジシアンジアミド、変性ポリアミン、ヒドラジド類、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、三フッ化ホウ素アミン錯塩、ウレア類およびメラミンからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物である、請求項1〜6の何れかに記載された硬化性樹脂組成物。
  8. 前記(C)潜在性硬化剤が、ジシアンジアミドと、変性イミダゾール類およびウレア類からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物との組み合わせである、請求項7に記載された硬化性樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8の何れかに記載された硬化性樹脂組成物を含有してなることを特徴とする自動車構造用接着剤。
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