JP4840835B2 - ナノ微粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ナノ微粒子の製造方法に関する。
微粒子、特にその粒子径が1μm未満の微粒子であるナノ微粒子(ナノサイズの微粒子)は、粒子とは異なる新たな特性を発現することから、ナノ微粒子を工業的に製造するための新たな製造方法の開発が懇願されている。
従来の「マイクロ化学プロセス技術」と呼ばれていた技術の課題や問題点を解決するために、本願出願人によって、全く新しいコンセプトのマイクロ化学プロセス技術に基づき、より詳しくは、本願出願人によって出願された特許文献1に示す装置の原理を用いて行う、微小流路下における複数種類の流体の攪拌・瞬間的な均一混合を用いたナノ微粒子の析出法が提供された(特許文献2)。この装置はメカニカルシールの原理を利用し、接近離反可能な相対的に変位する処理用面の間に被処理流動体の強制薄膜を形成して、回転する処理用面の間に被処理流動体を供給し、当該流体の供給圧と回転する処理用面の間にかかる圧力との圧力バランスによって処理用面間の距離を微小間隔とする事を実現する。上記原理における方法より以前の方法では、その処理用面間の距離を機械的に調節するなどの方法であり、回転により発生する熱とそれにより生じる変形、又は芯ぶれなどを吸収できず、微小な処理用面間の距離、少なくともその距離を10μm以下にするのは実質的に不可能であった。つまり、上記特許文献1の装置の原理を利用して、微小流路中において瞬間的な化学的・物理化学的反応等によるナノ微粒子の析出を実現する事を可能とし、本願発明者らは鋭意研究の成果により、1mm以下は勿論、驚くべきことに0.1〜10μmの微小流路中での瞬間的な攪拌・混合・反応・析出を可能とした。
しかしながら、特許文献2で提案されている顔料ナノ微粒子の製造方法では、低コスト且つ低エネルギーで顔料ナノ微粒子が作製出来得るが、より粒子径の小さいナノ微粒子、かつより再分散が容易なナノ微粒子の製造方法が求められていた。また、粒子径のコントロールについても難しく、より再分散が容易な目的とする粒子径のナノ微粒子の製造方法が求められていた。
特に、ジケトピロロピロール顔料は、カラーインデッスクナンバーにおいてPigment Orange 71やPigment Orange 73、Pigment Red 254、Pigment Red 255、Pigment Red 264などに分類される、耐候性、耐光性、耐熱性などの耐久性に優れる有機顔料である。
ジケトピロロピロール顔料は一般的にα型とβ型の結晶型が知られており、Pigment Red 254を中心に、主に赤のカラーフィルターに頻繁に用いられている。より微細な粒子を求められる事は当然ながら、結晶型や結晶性によっては、溶媒中または塗膜中などにおいて結晶成長するなどの問題があり、より耐溶剤性や耐久性などに優れるα型のジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子の製造方法が求められている。
α型ジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子の製造方法には、特許文献3または特許文献4に記載されているような、ジケトピロロピロール顔料粒子を析出させる第1工程と、析出させたジケトピロロピロール顔料粒子を、結晶転移性を有する有機溶媒中において、結晶転移させる第2工程との二段階の工程からなる方法がある。しかし結晶転移の工程においては、必ず顔料粒子の結晶成長を伴うため、微細な粒子径を維持する事が困難であり、均一な粒子径かつ球形のナノ微粒子を提供する事は難しい。
上記の方法以外に、特許文献5に記載されたように、α型とβ型のジケトピロロピロール顔料の混合物を有機溶剤中において、塩化ナトリウムなどの無機塩を摩砕剤として用いて湿式粉砕する方法、所謂ソルベントソルトミリング法と言われる方法がある。この方法は、結晶成長を伴う結晶転移と粉砕による微粒子化とを平行して行う方法である。
しかし、特許文献5に記載されるような粉砕工程を含む顔料ナノ微粒子の結晶型の制御方法を用いた場合には、特許文献3にも記載されているように、顔料ナノ微粒子(結晶)に強い力が作用するために、色調、透明性、分光特性、耐久性など、顔料ナノ微粒子として期待された特性が発現しないという問題があった。
また、本願出願人によって特許文献2のような、対向して配位された処理用面間に流れる薄膜流体において顔料物質の析出を行う顔料ナノ微粒子の製造方法が提供されたが、α型ジケトピロロピロールを製造する方法について具体的には開示されていなかった。そこで、本願発明者は、特許文献2に記載の顔料ナノ微粒子の製造方法を利用して、少なくとも1種類のジケトピロロピロール顔料が溶媒に溶解されたジケトピロロピロール顔料溶液と、少なくとも1種類のアルコール化合物溶媒を含むアルコール系溶媒とを含む薄膜流体中でα型ジケトピロロピロールを析出させることを試みたが、結晶性の高いα型のジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子を析出させることが困難であったり、α型と他の結晶型(β型)との混合物が得られてしまう場合があり、実質的にα型ジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子のみを能率的に製造することはできなかった。
特開2004−49957号公報 国際公開WO2009/008388号パンフレット 国際公開WO2008/044519号パンフレット 国際公開WO2009/081930号パンフレット 特開2008−24873号公報
本発明は、上記に鑑み、均一且つ微細なナノ微粒子を作製する事を課題とする。
また、本発明は、上記に鑑み、析出するナノ微粒子の粒子径をコントロールする事を課題とする。
さらに、本発明は、上記の問題を解決するものであり、その目的は、α型ジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子の製造方法を提供する事である。特に、ジケトピロロピロール顔料の析出と、α型への結晶転移を実質的に1段階の工程で行うことにより、結晶性の高いα型のジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子を析出させることを目的とする。望ましくは、β型ジケトピロロピロール顔料を実質的に析出させることなく、実質的にα型ジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子のみを得ることができるナノ微粒子の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決すべく、本発明者は、鋭意検討の結果、対向して配設された、接近・離反可能な、少なくとも一方が他方に対して相対的に回転する少なくとも2つの処理用面間において、ジケトピロロピロール顔料が溶解されたジケトピロロピロール顔料溶液とアルコール系の有機溶媒とを混合してジケトピロロピロール顔料を析出させる際に、前記ジケトピロロピロール顔料溶液またはアルコール系溶媒のうち、少なくともどちらか一方に酸性物質を含むことによって、β型ジケトピロロピロール顔料を実質的に析出させることなく、実質的にα型ジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子のみを得ることができることを知見し、本発明を完成させた。
本願請求項1に係る発明は、被処理流動体として少なくとも2種類の流体を用いるものであり、そのうちで少なくとも1種類の流体は、少なくとも1種類のジケトピロロピロール顔料が溶媒に溶解されたジケトピロロピロール顔料溶液であり、上記以外の流体で少なくとも1種類の流体は、少なくとも1種類のアルコール化合物溶媒を含むアルコール系溶媒であり、上記の被処理流動体を混合し、ジケトピロロピロール顔料を析出させるナノ微粒子の製造方法において、上記ジケトピロロピロール顔料溶液と上記アルコール系溶媒の内、少なくともいずれか一方の被処理流動体は酸性物質を含むものであって、上記被処理流動体であるジケトピロロピロール顔料溶液とアルコール系溶媒とを、対向して配設された、接近・離反可能な、少なくとも一方が他方に対して相対的に回転する少なくとも2つの処理用面の間にできる薄膜流体中で混合し、β型ジケトピロロピロール顔料を実質的に析出させることなく、実質的にα型ジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子のみを析出させる事を特徴とするナノ微粒子の製造方法を提供する。
本願請求項2に係る発明は、上記の被処理流動体を上記薄膜流体中で混合して得られる混合液のpHが7以下であることを特徴とする請求項1に記載のナノ微粒子の製造方法を提供する。
本願請求項3に係る発明は、上記の被処理流動体のうち、少なくともいずれか1種の流体が上記薄膜流体を形成しながら上記両処理用面間を通過し、上記少なくともいずれか1種の流体が流される流路とは独立した別途の導入路を備えており、上記2つの処理用面の少なくとも何れか一方に、上記別途の導入路に通じる開口部を備え、上記少なくともいずれか1種の流体と異なる少なくとも1種の流体を、上記開口部から上記処理用面の間に導入し、上記の全被処理流動体を上記薄膜流体中で混合し、当該薄膜流体中における層流条件下で析出させることを特徴とする請求項1又は2に記載のナノ微粒子の製造方法を提供する。
本願請求項4に係る発明は、被処理流動体に圧力を付与する流体圧付与機構と、上記の2つの処理用面のうち第1処理用面を備えた第1処理用部と、上記の2つの処理用面のうち第2処理用面を備えた第2処理用部とを備え、これらの処理用部を相対的に回転させる回転駆動機構とを備え、上記第1処理用部と第2処理用部のうち、少なくとも第2処理用部は受圧面を備えるものであり、且つ、この受圧面の少なくとも一部が上記第2処理用面により構成され、この受圧面は、上記の流体圧付与機構が被処理流動体に付与する圧力を受けて第1処理用面から第2処理用面を離反させる方向に移動させる力を発生させ、上記第1処理用面と上記第2処理用面との間に、上記ジケトピロロピロール顔料溶液と上記アルコール系溶媒とのいずれか一方を含む被処理流動体が通されることにより、上記被処理流動体が薄膜流体を形成しながら両処理用面間を通過し、上記少なくともいずれか一方の被処理流動体が流される流路とは独立した別途の導入路を備えており、さらに上記第1処理用面と第2処理用面の少なくとも何れか一方に、上記の導入路に通じる開口部を少なくとも一つ備え、上記ジケトピロロピロール顔料溶液と上記アルコール系溶媒とのいずれか他方を含む被処理流動体を、上記導入路から上記両処理用面間に導入して、上記2つの処理用面の間にできる薄膜流体中で混合し、当該薄膜流体中における層流条件下で析出させることを特徴とする請求項1又は2に記載のナノ微粒子の製造方法を提供する。
本願請求項5に係る発明は、上記の被処理流動体の処理温度を制御する事によって、析出される上記α型ジケトピロロピロール顔料のナノ微粒子の粒子径を制御することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のナノ微粒子の製造方法を提供する。
本発明によれば、ジケトピロロピロール顔料の析出と、α型への結晶転移を実質的に1段階の工程で行う事ができるため、これまで以上に低エネルギー、低コスト且つ安価なα型ジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子を安定的に提供できる。また粒子径の制御についても容易に行えるため、目的に応じたα型ジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子を提供できる。
本願発明の実施の形態に係る流体処理装置の略断面図である。 (A)は図1に示す流体処理装置の第1処理用面の略平面図であり、(B)は同装置の処理用面の要部拡大図である。 (A)は同装置の第2導入部の断面図であり、(B)は同第2導入部を説明するための処理用面の要部拡大図である。 本願発明の実施に用いる装置における温度差制御機構を説明するための図である。 実施例及び比較例のXRD測定結果を示すグラフである。 実施例1−2において作製したα型ジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子のTEM写真である。 実施例1−1において作製したα型ジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子の分散液(顔料濃度0.005wt%)の透過スペクトル図(波長領域350nm-800nm)である。 実施例1−1において作製したα型ジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子の分散液(顔料濃度0.020wt%)の透過スペクトル図(波長領域350nm-800nm)である。 実施例1−1において作製したα型ジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子の分散液(顔料濃度0.001wt%)の吸収スペクトル図(波長領域350nm-800nm)である。 実施例1−1において作製したα型ジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子の分散液(顔料濃度0.005wt%)の吸収スペクトル図(波長領域350nm-800nm)である。 実施例1−2において作製したα型ジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子の分散液(顔料濃度0.005wt%)の透過スペクトル図(波長領域350nm-800nm)である。 実施例1−2において作製したα型ジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子の分散液(顔料濃度0.020wt%)の透過スペクトル図(波長領域350nm-800nm)である。 実施例1−2において作製したα型ジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子の分散液(顔料濃度0.001wt%)の吸収スペクトル図(波長領域350nm-800nm)である。 実施例1−2において作製したα型ジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子の分散液(顔料濃度0.005wt%)の吸収スペクトル図(波長領域350nm-800nm)である。 実施例2−1にて第1流体を5℃、第2流体を5℃(ΔT=0℃)の条件で作製したナノ微粒子のTEM写真である。 実施例2−1にて第1流体を5℃、第2流体を25℃(ΔT=20℃)の条件で作製したナノ微粒子のTEM写真である。 実施例2−2にて第1流体を25℃、第2流体を25℃(ΔT=0℃)の条件で作製したナノ微粒子のSEM写真である。 実施例2−2にて第1流体を5℃、第2流体を35℃(ΔT=30℃)の条件で作製したナノ微粒子のTEM写真である。 実施例3−1にて流体の温度差と粒子径との関係を示すグラフである。 実施例3−2にて溶解濃度と粒子径との関係を示すグラフである。 実施例3−3にて溶解濃度と粒子径との関係を示すグラフである。
以下、本発明について実施の形態の一例を取り上げて詳細を説明する。しかし、本発明の技術的範囲は、下記実施形態及び実施例によって限定されるものではない。
本発明に用いる、ジケトピロロピロール顔料は、カラーインデッスクナンバーにおけるPigment Orange 71やPigment Orange 73、Pigment Red 254、Pigment Red 255、Pigment Red 264、またはそれらの誘導体であるが、特にPigment Red 254及び/またはその誘導体が好ましい。
本発明におけるα型ジケトピロロピロール顔料は、一般的なα型ジケトピロロピロール顔料と同様であり、Pigment Red 254の場合においては、粉末X線回折スペクトル測定(XRD)において、2θ(単位:°)=7.5、14.9、17.5、20.5、24.7、25.8、28.3、31.0、32.2にピークを有する。(図5:(a))
本発明におけるジケトピロロピロール顔料溶液は、少なくとも1種類のジケトピロロピロール顔料が溶媒に溶解、または分子分散された溶液であれば特に限定されない。一例としては市販または合成されたジケトピロロピロール顔料を溶媒に溶解または分子分散させることによって調製できる。その他、ジケトピロロピロール顔料を合成する場合において調製される、ジケトピロロピロール顔料の金属塩溶液を用いても実施できる。
上記ジケトピロロピロール顔料を溶解または分子分散させるための溶媒としては、例えば水や有機溶媒、またはそれらの複数からなる混合溶媒が挙げられる。前記水としては、水道水やイオン交換水、純水や超純水、RO水などが挙げられ、有機溶媒としては、アルコール化合物溶媒、アミド化合物溶媒、ケトン化合物溶媒、エーテル化合物溶媒、芳香族化合物溶媒、二硫化炭素、脂肪族化合物溶媒、ニトリル化合物溶媒、スルホキシド化合物溶媒、ハロゲン化合物溶媒、エステル化合物溶媒、イオン性液体、カルボン酸化合物、スルホン酸化合物などが挙げられる。上記の溶媒はそれぞれ単独で使用しても良く、または複数以上を混合して使用しても良い。
その他、上記溶媒に塩基性物質または酸性物質を混合または溶解しても実施できる。塩基性物質としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどの金属水酸化物、ナトリウムメトキシドやナトリウムイソプロポキシドのような金属アルコキシド、さらにトリエチルアミンやジエチルアミノエタノール、ジエチルアミンなどのアミン系化合物などが挙げられる。酸性物質としては、塩酸、硝酸、発煙硝酸、硫酸、発煙硫酸などの無機酸や、ギ酸、酢酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、シュウ酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸などの有機酸が挙げられる。これらの塩基性物質または酸性物質は、上記の通り各種溶媒と混合しても実施できるし、それぞれ単独でも使用できる。
上記の溶媒についてさらに詳しく説明すると、アルコール化合物溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノールなどが挙げられ、さらにn−ブタノールなどの直鎖アルコール、2−ブタノール、tert−ブタノール等の分枝状アルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール等の多価アルコールや、プロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。ケトン化合物溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。エーテル化合物溶媒としては、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどが挙げられる。芳香族化合物溶媒としては、例えば、ニトロベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどが挙げられる。脂肪族化合物溶媒としては、例えば、ヘキサンなどが挙げられる。ニトリル化合物溶媒としては、例えば、アセトニトリルなどが挙げられる。スルホキシド化合物溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキド、ヘキサメチレンスルホキシド、スルホランなどが挙げられる。ハロゲン化合物溶媒としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、トリクロロエチレン、ヨードホルムなどが挙げられる。エステル化合物溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、2−(1−メトキシ)プロピルアセテートなどが挙げられる。イオン性液体としては、例えば、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムとPF6−(ヘキサフルオロリン酸イオン)との塩などが挙げられる。アミド化合物溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、2−ピロリジノン、ε−カプロラクタム、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロパンアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミドなどが挙げられる。カルボン酸化合物としては、例えば、2,2−ジクロロプロピオン酸、スクアリン酸などが挙げられる。スルホン酸化合物としては、例えば、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、クロロスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などが挙げられる。
上記ジケトピロロピロール顔料溶液と混合してジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子を析出させるためのアルコール系溶媒は、上記と同様、具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノールなどの直鎖アルコール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、2−ブタノール、tert−ブタノール等の分枝状アルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール等の多価アルコールや、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール化合物溶媒を少なくとも1種類含む溶媒であるが、本発明においては、上記アルコール化合物溶媒を80%以上含むアルコール系溶媒が好ましい。
本発明においては、上記ジケトピロロピロール顔料溶液と、上記アルコール系溶媒との少なくともいずれか一方に酸性物質を含む事とする。また、上記ジケトピロロピロール顔料溶液及び上記アルコール系溶媒以外の、第3の被処理流動体に酸性物質が含まれていてもよい。その際、上記ジケトピロロピロール顔料溶液と上記アルコール系溶媒の少なくとも何れか一方に酸性物質が含まれていてもよいし、双方に含まれていなくてもよい。酸性物質としては、上記と同様の塩酸、硝酸、発煙硝酸、硫酸、発煙硫酸などの無機酸や、ギ酸、酢酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、シュウ酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸などの有機酸が挙げられる。これによって、より結晶性の高いα型のジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子を析出させることが可能である。第3の被処理流動体としては、上記の酸性物質を単独で用いてもよいし、上記ジケトピロロピロール顔料を溶解または分子分散させるための各種溶媒に酸性物質を溶解又は混合して用いてもよい。
本発明においては、前記ジケトピロロピロール顔料溶液とアルコール系溶媒とを混合した液のpHが7以下である事が好ましく、より詳しくは、前記ジケトピロロピロール顔料溶液とアルコール系溶媒とを含む全ての被処理流動体を、後述する流体処理装置を用いて形成される薄膜流体中で混合して得られる混合液のpHが7以下である事が好ましい。pHが7以上の場合にあっては、球形のナノ微粒子を形成できない場合や、得られたジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子の結晶型がα型のもののみならず、実質的に無視できない量のβ型のものも含まれる場合、または時間経過とともに結晶成長などによって粒子が粗大化する場合などがある。そのため、前記酸性物質の量は前記ジケトピロロピロール顔料溶液とアルコール系溶媒とを含む全ての被処理流動体を混合した液のpHが7以下となる量を用いて実施する事が好ましい。pH測定においては、市販されているpHメータを用いて測定できる。測定が難しい溶媒、例えばトルエンやキシレンなどの極性の低い溶媒を用いる場合には、水やアルコール化合物溶媒などで希釈した液を測定しても実施できる。
本発明においては、上記ジケトピロロピロール顔料溶液とアルコール系溶媒との混合を、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面の間にできる、薄膜流体中で均一に攪拌・混合する方法を用いて行うことが好ましい。そのような装置としては、例えば本願出願人による、特許文献2に記載されたものと同原理である装置を使用できる。このような原理の装置を用いる事によって、均一且つ均質な球形のジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子を作製する事が可能である。また、処理温度を変更することによって、容易にα型ジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子の粒子径を制御することが可能である。
以下、図面を用いて上記装置の実施の形態について説明する。
図1〜図3に示す流体処理装置は、特許文献2に記載の装置と同様であり、接近・離反可能な少なくとも一方が他方に対して相対的に回転する処理用部における処理用面の間で被処理物を処理するものであって、被処理流動体のうちの第1の被処理流動体である第1流体を処理用面間に導入し、前記流体を導入した流路とは独立し、処理用面間に通じる開口部を備えた別の流路から被処理流動体のうちの第2の被処理流動体である第2流体を処理用面間に導入して処理用面間で上記第1流体と第2流体を混合・攪拌して処理を行う装置である。なお、図1においてUは上方を、Sは下方をそれぞれ示しているが、本発明において上下前後左右は相対的な位置関係を示すに止まり、絶対的な位置を特定するものではない。図2(A)、図3(B)においてRは回転方向を示している。図3(B)においてCは遠心力方向(半径方向)を示している。
この装置は、少なくとも2種類の流体を用いるものであり、そのうちで少なくとも1種類の流体については被処理物を少なくとも1種類含むものであり、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面を備え、これらの処理用面の間で上記の各流体を合流させて薄膜流体とするものであり、当該薄膜流体中において上記の被処理物を処理する装置である。この装置は、上述のとおり、複数の被処理流動体を処理することができるが、単一の被処理流動体を処理することもできる。
この流体処理装置は、対向する第1及び第2の、2つの処理用部10,20を備え、少なくとも一方の処理用部が回転する。両処理用部10,20の対向する面が、夫々処理用面となる。第1処理用部10は第1処理用面1を備え、第2処理用部20は第2処理用面2を備える。
両処理用面1,2は、被処理流動体の流路に接続され、被処理流動体の流路の一部を構成する。この両処理用面1,2間の間隔は、適宜変更して実施することができるが、通常は、1μmから1mm、特に1μmから10μmの微小間隔に調整される。これによって、この両処理用面1,2間を通過する被処理流動体は、両処理用面1,2によって強制された強制薄膜流体となる。
この装置を用いて複数の被処理流動体を処理する場合、この装置は、第1の被処理流動体の流路に接続され、当該第1被処理流動体の流路の一部を形成すると共に、第1被処理流動体とは別の、第2被処理流動体の流路の一部を形成する。そして、この装置は、両流路を合流させて、処理用面1,2間において、両被処理流動体を混合し、反応させるなどの流体の処理を行なう。なお、ここで「処理」とは、被処理物が反応する形態に限らず、反応を伴わずに混合・分散のみがなされる形態も含む。
具体的に説明すると、上記の第1処理用部10を保持する第1ホルダ11と、第2処理用部20を保持する第2ホルダ21と、接面圧付与機構と、回転駆動機構と、第1導入部d1と、第2導入部d2と、流体圧付与機構pとを備える。
図2(A)へ示す通り、この実施の形態において、第1処理用部10は、環状体であり、より詳しくはリング状のディスクである。また、第2処理用部20も環状のリング状のディスクである。第1、第2処理用部10、20の材質は、金属の他、セラミックや焼結金属、耐磨耗鋼、サファイア、その他金属に硬化処理を施したものや、硬質材をライニングやコーティング、メッキなどを施工したものを採用することができる。この実施の形態において、両処理用部10,20は、互いに対向する第1、第2の処理用面1、2の少なくとも一部が鏡面研磨されている。
この鏡面研磨の面粗度は、特に限定されないが、好ましくはRa0.01〜1.0μm、より好ましくはRa0.03〜0.3μmとする。
少なくとも一方のホルダは、電動機などの回転駆動機構(図示せず)にて、他方のホルダに対して相対的に回転することができる。図1の50は、回転駆動機構の回転軸を示しており、この例では、この回転軸50に取り付けられた第1ホルダ11が回転し、この第1ホルダ11に支持された第1処理用部10が第2処理用部20に対して回転する。もちろん、第2処理用部20を回転させるようにしてもよく、双方を回転させるようにしてもよい。また、この例では、第1、第2ホルダ11、21を固定しておき、この第1、第2ホルダ11、21に対して第1、第2処理用部10、20が回転するようにしてもよい。
第1処理用部10と第2処理用部20とは、少なくとも何れか一方が、少なくとも何れか他方に、接近・離反可能となっており、両処理用面1,2は、接近・離反できる。
この実施の形態では、第1処理用部10に対して、第2処理用部20が接近・離反するもので、第2ホルダ21に設けられた収容部41に、第2処理用部20が出没可能に収容されている。但し、これとは、逆に、第1処理用部10が、第2処理用部20に対して接近・離反するものであってもよく、両処理用部10,20が互いに接近・離反するものであってもよい。
この収容部41は、第2処理用部20の、主として処理用面2側と反対側の部位を収容する凹部であり、平面視において、円を呈する、即ち環状に形成された、溝である。この収容部41は、第2処理用部20を回転させ得る十分なクリアランスを持って、第2処理用部20を収容する。なお、第2処理用部20は軸方向に平行移動のみが可能なように配置してもよいが、上記クリアランスを大きくすることにより、第2処理用部20は、収容部41に対して、処理用部20の中心線を、上記収容部41の軸方向と平行の関係を崩すように傾斜して変位できるようにしてもよく、さらに、第2処理用部20の中心線と収容部41の中心線とが半径方向にずれるように変位できるようにしてもよい。
このように、3次元的に変位可能に保持するフローティング機構によって、第2処理用部20を保持することが望ましい。
上記の被処理流動体は、各種のポンプや位置エネルギーなどによって構成される流体圧付与機構pによって圧力が付与された状態で、流体が流れる流路となる第1導入部d1と、第2導入部d2から両処理用面1、2間に導入される。この実施の形態において、第1導入部d1は、環状の第2ホルダ21の中央に設けられた流体の通路であり、その一端が、環状の両処理用部10、20の内側から、両処理用面1、2間に導入される。第2導入部d2は、第1の被処理流動体と、反応させる第2の被処理流動体を処理用面1,2へ供給する。この実施の形態において、第2導入部d2は、第2処理用部20の内部に設けられた流体の通路であり、その一端が、第2処理用面2にて開口する。流体圧付与機構pにより加圧された第1の被処理流動体は、第1導入部d1から、両処理用部10,20の内側の空間に導入され、第1処理用面1と第2処理用面2との間を通り、両処理用部10,20の外側に通り抜けようとする。これらの処理用面1,2間において、第2導入部d2から流体圧付与機構pにより加圧された第2の被処理流動体が供給され、第1の被処理流動体と合流し、混合、攪拌、乳化、分散、反応、晶出、晶析、析出などの種々の流体処理がなされ、両処理用面1,2から、両処理用部10,20の外側に排出される。なお、減圧ポンプにより両処理用部10,20の外側の環境を負圧にすることもできる。
上記の接面圧付与機構は、第1処理用面1と第2処理用面2とを接近させる方向に作用させる力を、処理用部に付与する。この実施の形態では、接面圧付与機構は、第2ホルダ21に設けられ、第2処理用部20を第1処理用部10に向けて付勢する。
前記の接面圧付与機構は、第1処理用部10の第1処理用面1と第2処理用部20の第2処理用面2とが、接近する方向に押すものであり、この接面圧力と流体圧力などの両処理用面1、2間を離反させる力との均衡によって、nm単位ないしμm単位の微小な膜厚を有する薄膜流体を発生させる。言い換えれば、上記力の均衡によって、両処理用面1、2間の間隔を所定の微小間隔に保つ。
図1に示す実施の形態において、接面圧付与機構は、上記の収容部41と第2処理用部20との間に配位される。具体的には、第2処理用部20を第1処理用部10に近づく方向に付勢するスプリング43と、空気や油などの付勢用流体を導入する付勢用流体導入部44とにて構成され、スプリング43と上記付勢用流体の流体圧力とによって、上記の接面圧力を付与する。このスプリング43と上記付勢用流体の流体圧力とは、いずれか一方が付与されるものであればよく、磁力や重力などの他の力であってもよい。この接面圧付与機構の付勢に抗して、流体圧付与機構pにより加圧された被処理流動体の圧力や粘性などによって生じる離反力によって、第2処理用部20は、第1処理用部10から遠ざかり、両処理用面間に微小な間隔を開ける。このように、この接面圧力と離反力のバランスによって、第1処理用面1と第2処理用面2とは、μm単位の精度で設定され、両処理用面1,2間の微小間隔の設定がなされる。上記離反力としては、被処理流動体の流体圧や粘性と、処理用部の回転による遠心力と、付勢用流体導入部44に負圧を掛けた場合の当該負圧、スプリング43を引っ張りスプリングとした場合のバネの力などを挙げることができる。この接面圧付与機構は、第2処理用部20ではなく、第1処理用部10に設けてもよく、双方に設けてもよい。
上記の離反力について、具体的に説明すると、第2処理用部20は、上記の第2処理用面2と共に、第2処理用面2の内側(即ち、第1処理用面1と第2処理用面2との間への被処理流動体の進入口側)に位置して当該第2処理用面2に隣接する離反用調整面23を備える。この例では、離反用調整面23は、傾斜面として実施されているが、水平面であってもよい。被処理流動体の圧力が、離反用調整面23に作用して、第2処理用部20を第1処理用部10から離反させる方向への力を発生させる。従って、離反力を発生させるための受圧面は、第2処理用面2と離反用調整面23とになる。
さらに、この図1の例では、第2処理用部20に近接用調整面24が形成されている。この近接用調整面24は、離反用調整面23と軸方向において反対側の面(図1においては上方の面)であり、被処理流動体の圧力が作用して、第2処理用部20を第1処理用部10に接近させる方向への力を発生させる。
なお、第2処理用面2及び離反用調整面23に作用する被処理流動体の圧力、即ち流体圧は、メカニカルシールにおけるオープニングフォースを構成する力として理解される。処理用面1,2の接近・離反の方向、即ち第2処理用部20の出没方向(図1においては軸方向)と直交する仮想平面上に投影した近接用調整面24の投影面積A1と、当該仮想平面上に投影した第2処理用部20の第2処理用面2及び離反用調整面23との投影面積の合計面積A2との、面積比A1/A2は、バランス比Kと呼ばれ、上記オープニングフォースの調整に重要である。このオープニングフォースについては、上記バランスライン、即ち近接用調整面24の面積A1を変更することで、被処理流動体の圧力、即ち流体圧により調整できる。
摺動面の実面圧P、即ち、接面圧力のうち流体圧によるものは次式で計算される。
P=P1×(K−k)+Ps
ここでP1は、被処理流動体の圧力即ち流体圧を示し、Kは上記のバランス比を示し、kはオープニングフォース係数を示し、Psはスプリング及び背圧力を示す。
このバランスラインの調整により摺動面の実面圧Pを調整することで処理用面1,2間を所望の微小隙間量にし被処理流動体による流動体膜を形成させ、生成物などの処理された被処理物を微細とし、また、均一な反応処理を行うのである。
なお、図示は省略するが、近接用調整面24を離反用調整面23よりも広い面積を持ったものとして実施することも可能である。
被処理流動体は、上記の微小な隙間を保持する両処理用面1,2によって強制された薄膜流体となり、環状の両処理用面1、2の外側に移動しようとする。ところが、第1処理用部10は回転しているので、混合された被処理流動体は、環状の両処理用面1,2の内側から外側へ直線的に移動するのではなく、環状の半径方向への移動ベクトルと周方向への移動ベクトルとの合成ベクトルが被処理流動体に作用して、内側から外側へ略渦巻き状に移動する。
尚、回転軸50は、鉛直に配置されたものに限定するものではなく、水平方向に配位されたものであってもよく、傾斜して配位されたものであってよい。被処理流動体は両処理用面1,2間の微細な間隔にて処理がなされるものであり、実質的に重力の影響を排除できるからである。また、この接面圧付与機構は、前述の第2処理用部20を変位可能に保持するフローティング機構と併用することによって、微振動や回転アライメントの緩衝機構としても機能する。
第1、第2処理用部10、20は、その少なくともいずれか一方を、冷却或いは加熱して、その温度を調整するようにしてもよく、図1では、第1、第2処理用部10、20に温調機構(温度調整機構)J1,J2を設けた例を図示している。また、導入される被処理流動体を冷却或いは加熱して、その温度を調整するようにしもよい。これらの温度は、処理された被処理物の析出のために用いることもでき、また、第1、第2処理用面1、2間における被処理流動体にベナール対流若しくはマランゴニ対流を発生させるために設定してもよい。
図2に示すように、第1処理用部10の第1処理用面1には、第1処理用部10の中心側から外側に向けて、即ち径方向について伸びる溝状の凹部13を形成して実施してもよい。この凹部13の平面形状は、図2(B)へ示すように、第1処理用面1上をカーブして或いは渦巻き状に伸びるものや、図示はしないが、真っ直ぐ外方向に伸びるもの、L字状などに屈曲あるいは湾曲するもの、連続したもの、断続するもの、枝分かれするものであってもよい。また、この凹部13は、第2処理用面2に形成するものとしても実施可能であり、第1及び第2の処理用面1,2の双方に形成するものとしても実施可能である。この様な凹部13を形成することによりマイクロポンプ効果を得ることができ、被処理流動体を第1及び第2の処理用面1,2間に吸引することができる効果がある。
この凹部13の基端は第1処理用部10の内周に達することが望ましい。この凹部13の先端は、第1処理用面1の外周面側に向けて伸びるもので、その深さ(横断面積)は、基端から先端に向かうにつれて、漸次減少するものとしている。
この凹部13の先端と第1処理用面1の外周面との間には、凹部13のない平坦面16が設けられている。
前述の第2導入部d2の開口部d20を第2処理用面2に設ける場合は、対向する上記第1処理用面1の平坦面16と対向する位置に設けることが好ましい。
この開口部d20は、第1処理用面1の凹部13からよりも下流側(この例では外側)に設けることが望ましい。特に、マイクロポンプ効果によって導入される際の流れ方向が処理用面間で形成されるスパイラル状で層流の流れ方向に変換される点よりも外径側の平坦面16に対向する位置に設置することが望ましい。具体的には、図2(B)において、第1処理用面1に設けられた凹部13の最も外側の位置から、径方向への距離nを、約0.5mm以上とするのが好ましい。特に、流体中からナノ微粒子を析出させる場合には、層流条件下にて複数の被処理流動体の混合と、ナノ微粒子の析出が行なわれることが望ましい。
この第2導入部d2は方向性を持たせることができる。例えば、図3(A)に示すように、上記の第2処理用面2の開口部d20からの導入方向が、第2処理用面2に対して所定の仰角(θ1)で傾斜している。この仰角(θ1)は、0度を超えて90度未満に設定されており、さらに反応速度が速い反応の場合には1度以上45度以下で設置されるのが好ましい。
また、図3(B)に示すように、上記の第2処理用面2の開口部d20からの導入方向が、上記の第2処理用面2に沿う平面において、方向性を有するものである。この第2流体の導入方向は、処理用面の半径方向の成分にあっては中心から遠ざかる外方向であって、且つ、回転する処理用面間における流体の回転方向に対しての成分にあっては順方向である。言い換えると、開口部d20を通る半径方向であって外方向の線分を基準線gとして、この基準線gから回転方向Rへの所定の角度(θ2)を有するものである。この角度(θ2)についても、0度を超えて90度未満に設定されることが好ましい。
この角度(θ2)は、流体の種類、反応速度、粘度、処理用面の回転速度などの種々の条件に応じて、変更して実施することができる。また、第2導入部d2に方向性を全く持たせないこともできる。
上記の被処理流体の種類とその流路の数は、図1の例では、2つとしたが、1つであってもよく、3つ以上であってもよい。図1の例では、第2導入部d2から処理用面1,2間に第2流体を導入したが、この導入部は、第1処理用部10に設けてもよく、双方に設けてもよい。また、一種類の被処理流体に対して、複数の導入部を用意してもよい。また、各処理用部に設けられる導入用の開口部は、その形状や大きさや数は特に制限はなく適宜変更して実施し得る。また、上記第1及び第2の処理用面間1、2の直前或いはさらに上流側に導入部の開口部を設けてもよい。
なお、処理用面1,2間にて上記反応を行う事が出来れば良いので、上記とは逆に、第1導入部d1より第2流体を導入し、第2導入部d2より第1流体を導入するものであっても良い。つまり、各流体における第1、第2という表現は、複数存在する流体の第n番目であるという、識別のための意味合いを持つに過ぎないものであり、第3以上の流体も存在し得る。
上記装置においては、析出・沈殿または結晶化のような反応が、図1に示すように、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面1、2の間で強制的に均一混合しながら起こる。ナノ微粒子の粒子径や単分散度は処理用部10、20の回転数や流速、処理用面間の距離や、原料濃度、または溶媒種等を適宜調整することにより、制御することができる。
以下、上記の装置を用いて行うα型ジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子の製造方法の具体的な態様について説明する。
上記の装置においては、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面の間に形成される薄膜流体中で、第1流体としてアルコール系溶媒を含む流体と、第2流体としてジケトピロロピロール顔料を少なくとも1種類溶解したジケトピロロピロール顔料溶液を含む流体とを混合させ、α型ジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子を析出させる。その際、上記の第1流体と第2流体のうち、少なくとも何れか一方に酸性物質を含むものとする。
上記の顔料ナノ微粒子の析出反応は、本願の図1に示す装置の、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面1,2間で強制的に均一混合しながら起こる。
まず、一つの流路である第1導入部d1より、第1流体としてアルコール系溶媒を含む流体を、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面1,2間に導入して、この処理用面間に第1流体から構成された薄膜流体である第1流体膜を作る。
次いで別流路である第2導入部d2より、第2流体として上記ジケトピロロピロール顔料溶液を含む流体を、上記処理用面1,2間に作られた第1流体膜に直接導入する。
上記のように、被処理流動体の供給圧と回転する処理用面の間にかかる圧力との圧力バランスによって距離を固定された処理用面1,2間にて、第1流体と第2流体とが混合され、顔料ナノ微粒子の析出反応を行う事が出来る。
なお、処理用面1,2間にて上記反応を行う事が出来れば良いので、上記とは逆に、第1導入部d1より第2流体を導入し、第2導入部d2より第1流体を導入するものであっても良い。つまり、各流体における第1、第2という表現は、複数存在する流体の第n番目であるという、識別のための意味合いを持つに過ぎないものであり、第3以上の流体も存在し得る。
前述のように、第1導入部d1、第2導入部d2以外に第3導入部d3を処理装置に設けることもできるが、この場合にあっては、例えば各導入部から、第1流体、第2流体、第3流体として酸性物質を含む流体をそれぞれ別々に処理装置に導入することが可能である。そうすると、各溶液の濃度や圧力を個々に管理することができ、析出反応及びナノ微粒子の粒子径の安定化をより精密に制御することができる。なお、各導入部へ導入する被処理流動体(第1流体〜第3流体)の組み合わせは、任意に設定できる。第4以上の導入部を設けた場合も同様であって、このように処理装置へ導入する流体を細分化できる。この場合、酸性物質は、少なくとも上記の第3流体に含まれていればよく、上記の第1流体、上記の第2流体の少なくともいずれか一方に含まれていてもよく、上記第1流体及び第2流体の双方に含まれていなくてもよい。さらに、上記第1、第2流体等の被処理流動体の温度を制御したり、上記第1流体と第2流体等との温度差(即ち、供給する各被処理流動体の温度差)を制御することもできる。供給する各被処理流動体の温度や温度差を制御するために、各被処理流動体の温度(処理装置、より詳しくは、処理用面1,2間に導入される直前の温度)を測定し、処理用面1,2間に導入される各被処理流動体の加熱又は冷却を行う機構を付加して実施することも可能である。
次に、本発明の他の実施の形態の一例を取り上げて詳細を説明する。なお、同じ部材には同じ符号を付与することにより、詳細な説明は省略する。
以下、上記の装置を用いて行うナノ微粒子の製造方法の具体的な態様について説明する。
上記の装置においては、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面の間に形成される薄膜流体中で、第1流体として微粒子原料を微粒子原料に対して良溶媒となる溶媒に溶解した微粒子原料溶液に対して貧溶媒となりうる溶媒を含む流体と、第2流体として微粒子原料を溶解した微粒子原料溶液を含む流体とを混合させ、ナノ微粒子を析出させる。その際、上記ナノ微粒子を析出させるための2種類の流体に温度差を持たせるものとし、また、上記ナノ微粒子を析出させるための2種類の流体の温度差を制御するものとする。
上記のナノ微粒子の析出反応は、本願の図1に示す装置の、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面1,2間で強制的に均一混合しながら起こる。
まず、一つの流路である第1導入部d1より、第1流体として微粒子原料を微粒子原料に対して良溶媒となる溶媒に溶解した微粒子原料溶液に対して貧溶媒となりうる溶媒を含む流体を、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面1,2間に導入して、この処理用面間に第1流体から構成された薄膜流体を作る。
なお、本発明において、良溶媒とは、微粒子原料の溶解度が好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1%質量以上の溶媒である。
また、本発明において、貧溶媒とは、微粒子原料の溶解度が好ましくは0.01質量%以下、より好ましくは0.005質量%以下、さらに好ましくは0.001質量%以下の溶媒である。
次いで別流路である第2導入部d2より、第2流体として、被処理物である微粒子原料を溶解した微粒子原料溶液を含む流体を、上記第1流体から構成された薄膜流体に直接導入する。
上記のように、流体の供給圧と回転する処理用面の間にかかる圧力との圧力バランスによって距離を制御された処理用面1,2間にて、第1流体と第2流体とが薄膜状態を維持したまま、瞬間的に混合され、ナノ微粒子が生成する反応を行う事が出来る。
なお、処理用面1,2間にて上記反応を行う事が出来れば良いので、上記とは逆に、第1導入部d1より第2流体を導入し、第2導入部d2より第1流体を導入するものであっても良い。つまり、各溶媒における第1、第2という表現は、複数存在する溶媒の第n番目であるという、識別のための意味合いを持つに過ぎないものであり、第3以上の溶媒も存在し得る。
第1流体と第2流体の組み合わせとしては、特に限定されないが、微粒子原料溶液を含む流体と前記微粒子原料溶液よりも微粒子原料に対する溶解度の低い、貧溶媒と成り得る溶媒との組み合わせであれば実施できる。
微粒子原料としては、特に限定されない。溶媒に溶解、または分子分散できるものであれば、実施できる。例えば、有機・無機顔料や、薬物、樹脂などの有機物や、金属、酸化物、水酸化物、窒化物、ホウ化物、炭化物などの化合物や、硫酸化合物や、硝酸化合物、有機無機の複合物質材料などを挙げる事ができる。
微粒子原料を溶解するための良溶媒と成り得る溶媒としても特に限定されない。微粒子原料を溶解または分子分散できるものであれば実施できる。例えば、水、イオン交換水、超純水のような水や、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、芳香族系溶媒、二硫化炭素、脂肪族系溶媒、ニトリル系溶媒、スルホキシド系溶媒、ハロゲン系溶媒、エステル系溶媒、イオン性液体、硫酸、塩酸、硝酸、トリフルオロ酢酸、燐酸、酪酸などの酸性物質を含む酸性溶液、または水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなどのアルカリ性物質を含む塩基性溶液、またはこれら2種以上の混合溶媒が挙げられる。
ナノ微粒子を析出させるための貧溶媒となりうる溶媒としては、特に限定されない。上記微粒子原料を溶解した溶媒よりも、微粒子原料に対する溶解度の低い溶媒を用いて実施できる。例えば、水、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、芳香族系溶媒、二硫化炭素、脂肪族系溶媒、ニトリル系溶媒、スルホキシド系溶媒、ハロゲン系溶媒、エステル系溶媒、イオン性液体、またはこれら2種以上の混合溶媒が挙げられる。
本願発明においては、上記、第1流体と第2流体との温度差を持たせる。各流体の実際の温度差としては5℃以上が好ましい。この温度差により、超微粒子を作製する事ができる。なお、ここで言う超微粒子とは、粒子径200nm以下の粒子のことを言う。上記の温度差は、少なくとも上記微粒子原料溶液と貧溶媒とが合流する瞬間において存在している必要がある。よって、本願発明においては、上記の第1流体と第2流体との温度差を持たせるための制御がなされる。
ここで、上記「制御」とは、第1流体と第2流体とのうち、少なくとも一方を加温、あるいは冷却することによって、上記の超微粒子を作製するために必要な、所定の温度差を実現させるための処理を言う。
また、本願発明においては、上記、第1流体と第2流体との温度差が制御され、この制御された温度差に応じてナノ微粒子の粒子径をコントロールする事ができる。そして、微細な粒子を得ることもできる。ここで、上記「制御」とは、第1流体と第2流体とのうち、少なくとも一方を加温、あるいは冷却することによって、所望の粒子径(体積平均粒子径)を有するナノ微粒子を得るために必要な、所定の温度差を実現させるための処理を言う。第1流体と第2流体との間での実際の温度差としては特に限定されないが、特に微細な粒子を得るためには、5℃以上、好ましくは25℃以上の温度差を持つ事が好ましい(図19参照)。この温度差により、ナノ微粒子の粒子径をコントロールする事ができる。なお、粒子径をコントロールするという観点からは、第1流体と第2流体との温度差が0である場合もあり得る。なお、ここで言う微細な粒子とは、500nm以下の粒子の事を言う。
なお、上記「制御」の内容には、上記処理によって実現される「所定の温度差」を経時変化させない場合(時間がたっても一定の温度差を保つもの)も、経時変化させる場合(時間によって温度差を変化させるもの)も含んでいる。
上記所定の温度差を実現させるための処理は、より具体的には次の2段階でなされる。まず、第1段階として、第1流体と第2流体の各温度を測定して温度差を把握する。次の第2段階として、上記第1段階で把握された温度差を基に、一方の流体をそのままとし、他方の流体を加温もしくは冷却するか、あるいは、双方の流体を加温もしくは冷却する(各流体に対する加温もしくは冷却の組み合わせ、及び加温もしくは冷却の度合は任意である)ことにより、第1流体と第2流体との間に目的とする温度差を持たせる。
上記の処理はいわゆるフィードバック制御として、第1段階と第2段階とが繰り返してなされることが一般的である。また、上記の第1段階と第2段階とは、ナノ微粒子の製造中は連続して(切れ目なく)なされても良いし、時間間隔を置いて間欠的になされても良い。
なお、例えば、各流体の供給源から上記処理用面間への投入位置までの間の温度変化が予測できる場合等においては、上記フィードバック制御を行わず、流体の加温もしくは冷却のみを行い、その流体を処理用面間へ投入するものとしても良い。
また、流体処理装置の各導入部d1,d2は常に流体処理装置と一体に接続されている必要はなく、例えば、下記加温もしくは冷却部C2を可動式の貯留槽に設けておき、必要な場合に流体処理装置の各導入部d1,d2に接続するものとし、加温もしくは冷却された流体を上記処理用面間へ投入するようにしても良い。
上記第2段階の処理は、第1段階で把握された流体の温度差を基準として、例えば下記のようになされる。この処理は、温度差を経時変化させない場合においては、例えば、各流体の上記処理用面間への投入位置における温度差を一定である所定値にするためになされ、温度差を経時変化させる場合においては、同投入位置における温度差をある所定値から別の所定値に上昇あるいは下降させるためになされる。
1.温度差が一定のままで、第1流体と第2流体の双方を加温する。
2.温度差が一定のままで、第1流体と第2流体の双方を冷却する。
3.温度差が一定のままで、第1流体と第2流体の双方の温度を維持させる(温度維持のための加温もしくは冷却のみを行う)。
4.温度差が大きくなるように、第1流体と第2流体のうち一方を加温し、他方をそのままとするか冷却する。
5.温度差が大きくなるように、第1流体と第2流体のうち一方を冷却し、他方をそのままとするか加温する。
6.温度差が小さくなるように、第1流体と第2流体のうち一方を冷却し、他方をそのままとするか加温する。
7.温度差が小さくなるように、第1流体と第2流体のうち一方を加温し、他方をそのままとするか冷却する。
この温度差の制御のため、上記の流体処理装置に、図4に示すような温度差制御機構を設ける。この温度差制御機構は、温度測定部C1、加温もしくは冷却部C2、演算部C3などを備える。なお、上記のように、上記フィードバック制御を行わない場合は、加温もしくは冷却部C2のみを設けても良い。
温度測定部C1は、上記の第1段階を実施するため、上記の各流体を通す各流路に設けられた部位で、例えば温度センサーである。図4に示した例では、流体処理装置の各ホルダ11,21間であって、処理用面1,2間に導入される直前の位置に第1流体用センサーC11を設けている。そして、流体処理装置の第2導入部d2へ接続され、一時的に第2流体を貯めるための容器T2内に第2流体用センサーC12を設けている。
加温もしくは冷却部C2は、上記の第2段階を実施するため、上記のうち少なくとも一つの流体を通す流路の一部に設けられた部位で、例えば電気ヒーターや熱媒導入用ジャケットなどの加熱装置や冷媒配管などの冷却装置である。この加温もしくは冷却部C2は、各流体の上記処理用面1,2間への投入位置よりも上流側に設けられる。上記温度測定部C1または加温もしくは冷却部C2を設ける流路としては、例えば流体処理装置の各導入部d1,d2、各導入部d1,d2に接続された配管、ポンプ、弁、貯留容器、熱交換器が該当する。図4に示した例では、第1導入部d1に熱交換器C21を設けている。そして、上記の一時的に第2流体を貯めるための容器T2内に電気ヒーターC22を設けている。
演算部C3は、上記温度測定部C1での測定結果を受け、上記加温もしくは冷却部C2の動作を司る部位で、例えば温度測定部C1及び加温もしくは冷却部C2に電気的に接続されたマイコンである。この演算部C3は、各流体の温度差を設定するためのスイッチ類、及び、運転状況や測定温度を表示するための表示部を備えている。
なお、上記の第1段階にて把握される温度差は、微粒子原料溶液と貧溶媒とが合流する瞬間における、各流体の温度を測定して、各測定温度の差を取ることが最も正確であり望ましい。上記微粒子原料溶液と貧溶媒との合流は、具体的に本願発明に用いられる流体処理装置においては、第2導入部d2の処理用面における開口部(例えば図1に示す開口部d20)の位置で起こる。よって、第2導入部d2の処理用面における開口部で温度を測定することが最も望ましい。
ここで、現実にはこの位置で温度測定を行うことが困難なこともある。よって、上記位置での温度測定に代えて、例えば各導入部d1,d2などの、各流体の配管、ポンプ、弁、貯留容器、もしくは熱交換器を設けてその出口で温度測定を行ったり、各ホルダ11,21間の空間(図4等参照)で温度測定を行っても良い。ただし、これらの測定位置から微粒子原料溶液と貧溶媒とが合流する瞬間までの各流体の温度変動を考慮の上で温度差を評価することが、正確を期すためには望ましい。
第1流体と第2流体の実際の温度差としては、例えば水(良溶媒)に対する食塩のように、溶解度曲線にて、溶媒の温度が上昇する事により、溶解度が上昇する区間を有する物質を微粒子原料とした場合には、貧溶媒として、例えばエタノールを第1流体とし、これよりも温度の高い、例えば食塩水を第2流体として用いる。
一方、例えば水(良溶媒)に対する水酸化カルシウム(Ca(OH))や硫酸セリウム(Ce(SO)のように、溶解度曲線にて、溶媒の温度が下降する事により、溶解度が上昇する区間を有する物質を微粒子原料とした場合には、貧溶媒として、例えばエタノールを第1流体とし、これよりも温度の低い、例えば水酸化カルシウム水溶液を第2流体として用いる。
なお、例えば、水に対する硫酸ナトリウムのように、溶解度が最大となる特定温度(34.4℃)を境に、溶解度曲線にて、溶媒の温度が上昇する事により、溶解度が上昇する区間(上記特定温度よりも低温側)と、溶解度曲線にて、溶媒の温度が下降する事により、溶解度が上昇する区間(上記特定温度よりも高温側)との両方を有する物質がある。このような物質を微粒子原料とした場合には、第1流体と第2流体との温度差は、溶解度曲線のどの区間でナノ微粒子を析出させるかによって決定される。
さらに、本願発明においては、ナノ微粒子の粒子径をコントロールするために、上記微粒子原料溶液の、微粒子原料の上記良溶媒への溶解濃度が、飽和溶解度の10〜100%、より好ましくは50〜98%である。微粒子原料溶液における微粒子原料の溶解濃度、且つ第1流体と第2流体の温度差を持つこととの両効果により、ナノ微粒子の粒子径をコントロールできる。
本願発明では、まず、第1流体と第2流体とに温度差を持たせるため、前記のうち少なくとも一つの流体を通す流路の一部に、例えば電気ヒーターや熱媒導入用ジャケットなどの加熱部や冷媒配管などの冷却部など、温度変化のための構成を備えておく必要がある。上記流路としては、例えば流体処理装置の各導入部d1,d2、各導入部d1,d2に接続された配管、ポンプ、弁、貯留容器が該当する。
そして、本願発明では、上記各流体の温度差が一定に維持されつつ、上記処理用面間に導入されることが望ましい。そのためには、第1流体と第2流体の流路のうち、上記温度変化のための構成(加熱・冷却部)から処理用面までの区間に、保温のための構成を備えることが考えられる。前記構成としては特に限定されないが、上記流路を断熱材で覆うことや、電気ヒーターなどの加熱部、冷媒配管などの冷却部を設けることが例示できる。
上記流路としては、上記と同じく、例えば流体処理装置の各導入部d1,d2、各導入部d1,d2に接続された配管、ポンプ、弁、貯留容器が該当する。
また、所望の粒子径(体積平均粒子径)を有するナノ微粒子を得るために必要な温度差を一定に維持することに関しては、上記加熱・冷却部から処理用面までの区間での各流体の温度変動が、±1℃、より望ましくは±0.5℃までで抑えることが好ましい。
また前述のように、第1導入部d1、第2導入部d2以外に第3導入部d3を処理装置に設けることもできるが、この場合にあっては、例えば上記各導入部から、貧溶媒、微粒子原料溶液を含む流体、pH調整剤等をそれぞれ別々に処理装置に導入することが可能である。そうすると、各溶液の濃度や圧力を個々に管理することができ、ナノ微粒子が生成する反応をより精密に制御することができる。第4以上の導入部を設けた場合も同様であって、このように処理装置へ導入する流体を細分化できる。
以下本発明について実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
尚、以下の実施例において、「中央から」というのは、前述した、図1に示す流体処理装置の「第1導入部d1から」という意味であり、第1流体は、前述の第1被処理流動体を指し、第2流体は、上述した、図1に示す処理装置の第2導入部d2から導入される、前述の第2被処理流動体を指す。また、ここでの「%」は「重量%(wt%)」のことである。
(粉末X線回折:XRD)
X線回折測定には、PANalytical社製の全自動多目的X線回折装置(X‘Pert PRO MPD)を用いた。回折角2θ=5〜40°の範囲での回折強度を測定した。
(粒度分布)
粒度分布は、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−UT151(日機装株式会社製)を用いて測定し、D50値及びD90値を採用した。
(透過・吸収スペクトル)
透過スペクトル及び吸収スペクトルは、島津製作所製の紫外可視分光光度計(UV−2450)を用いて、350nm〜800nmの波長領域を測定した。
(実施例1−1)
実施例1−1として、図1に示すように、対向して配設された、接近・離反可能な、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面1,2の間にできる薄膜流体中で、均一に拡散・攪拌・混合する反応装置を用いて、ジケトピロロピロール顔料溶液とアルコール系溶媒とを混合し、薄膜流体中で析出反応を行う。
中央から第1流体として1%酢酸/99%メタノールの混合液を供給圧力/背圧力=0.30MPa/0.05MPa、回転数1700rpmで送液し、ジケトピロロピロール顔料(C.I.Pigment Red 254:PR254)の粉末をジメチルスルホキシド(DMSO)と水酸化カリウムのエタノール溶液(0.5N-KOH in EtOH)の混合溶媒に溶解した溶液(重量比:PR254/0.5N-KOH in EtOH/DMSO=2/10/90)を第2流体として4mL/minで処理用面間に導入した。第1流体と第2流体を薄膜流体中で混合し、α型ジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子分散液を処理用面より吐出させた。吐出された顔料ナノ微粒子分散液のpHは4.80であった。第1流体並びに第2流体の送液温度は、第1流体と第2流体のそれぞれの温度を処理装置導入直前(より詳しくは、処理用面1,2間に導入される直前)にて測定したもので、共に25℃であり、第1流体の送液温度と第2流体の送液温度との温度差は、0℃であった。吐出されたα型ジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子分散液中より不純物を除去するために、α型ジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子を緩く凝集させ、洗浄操作として遠心分離機(×2150g)にてα型ジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子を沈降させ、上澄み液を除去した後、純水を加えてα型ジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子を再分散し、再度遠心分離機を用いて沈降させた。上記洗浄操作を3回行ったあと、最終的に得られたα型ジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子のペーストを60℃、−0.1MPaGにて真空乾燥した。乾燥後のα型ジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子粉末のXRD測定を行った。さらにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)及びプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)の混合溶媒(体積比:PGMEA/PGME=4/1)に分散剤としてディスパービックBYK―2000(ビックケミー社製)を溶解した溶液に作製したα型ジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子粉末を投入し、分散処理した。
(実施例1−2)
次に、実施例1−2として、第1流体並びに第2流体の送液温度のみをそれぞれ−13℃に変更して、他の条件は上記の実施例1−1と同一条件として実施した。第1流体と第2流体を薄膜流体中で混合し、α型ジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子分散液を処理用面より吐出させた。吐出させた顔料ナノ微粒子分散液のpHは4.88であった。また、第1流体の送液温度と第2流体の送液温度との温度差は、0℃であった。
(実施例1−3)
次に実施例1−3として、第1流体をメタノール(含有濃度:99.5%以上)、第2流体をジケトピロロピロール顔料の濃硫酸溶液(顔料濃度:1wt%)とし、第1流体の送液温度を5℃、第2流体の送液温度を35℃とした以外は、上記の実施例1−1と同一条件で実施し、α型ジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子分散液を処理用面から吐出させた。吐出させた顔料ナノ微粒子分散液のpHは、1.58であった。また、第1流体の送液温度と第2流体の送液温度との温度差は、30℃であった。
(比較例1)
また、比較例1として、第1流体を70%メタノール水溶液とした以外は、上記の実施例1−1と同一条件で実施し、ジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子分散液を処理用面から吐出させた。吐出させた顔料ナノ微粒子分散液のpHは、11.56であった。また、第1流体の送液温度と第2流体の送液温度との温度差は、0℃であった。
(比較例2)
また、比較例2として、第1流体を1%酢酸水溶液とした以外は、上記の実施例1−1と同一条件で実施し、ジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子分散液を処理用面から吐出させた。吐出させた顔料ナノ微粒子分散液のpHは、3.56であった。また、第1流体の送液温度と第2流体の送液温度との温度差は、0℃であった。
これらの実施例と比較例それぞれの、XRD測定結果を、吐出後のpH及び分散処理後の粒度分布測定結果におけるD50値とD90値と合わせて図5に示す。さらに図6には、実施例1−2において作製したα型ジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子のTEM写真を示す。図に見られるように、実施例1−1、1−2及び実施例1−3については、α型ジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子が作製されていることがわかるが、比較例においてはα型と他の結晶型(β型)との混合物が得られている事、またはα型が作製されていないことがわかる。また、実施例1−1と実施例1−2において、分散処理後の粒度分布測定結果におけるD50値とD90値を比較すると、D50値及びD90値ともに、実施例1−2の方が小さいことから、処理温度である第1流体及び第2流体の送液温度を変更することによって、容易にα型ジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子の粒子径を制御できることが確認できた。
また、実施例1−1並びに実施例1−2において作製されたα型ジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子の分散処理後の顔料ナノ微粒子分散液について、波長領域350nm-800nmの透過スペクトル及び吸収スペクトルを測定した。表1に顔料ナノ微粒子の顔料濃度、吸収スペクトルのピーク位置及びピーク強度を示し、図7〜図14に、実施例1−1並びに実施例1−2の透過スペクトル図又は吸収スペクトル図を示す。また、図9〜図10、図13〜図14においては、確認されたピーク位置に、高波長側から(1)、(2)と付した。
図7〜図14に見られるように、実施例1−1及び1−2については、XRD測定結果と同様、α型ジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子が作製されていることがわかる。
(実施例2−1)
次に、図1に示す、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面1,2の間にできる、薄膜流体中で均一に攪拌・混合する装置を用いて、赤色顔料である、C.I.Pigment RED 177(以下、PR−177)を溶解し、PR−177溶液としたものを薄膜流体中で純水と合流させ、均一混合させて、PR−177を析出させる。
(各流体の温度)
第1流体の温度に関しては、流体処理装置の処理用面1,2間に導入される直前の位置にて測定した。第2流体の温度に関しては、流体処理装置の第2導入部d2へ接続され、一時的に第2流体を貯めるための容器(例えば、図4の容器T2)内にて測定した。なお、前記容器内の流体温度と処理用面1,2間に導入される直前の流体温度とは等しい(より厳密には、前記両者の温度が等しいと判断してもいい程度の温度差しかない)ことを別途確認した上で、上記容器内での測定温度を第2流体の温度とすることを決めた。
(体積平均粒子径)
粒度分布は、ナノトラック粒度分布測定装置 UPA-EX150(日機装株式会社製)を用いて測定し、体積平均粒子径を採用した。
中央から第1流体として純水を、供給圧力=0.15MPa、回転数500 rpm、300g/min.で送液しながら、第2流体として、PR−177を硫酸に溶解した3%PR−177の硫酸溶液を5ml/minで処理用面1,2間に導入し、混合した。吐出されたPR−177分散液中のPR−177ナノ微粒子を緩く凝集させ、凝集したPR−177ナノ微粒子をろ紙とヌッチェを用いてろ過し、純水にて洗浄し、60℃、-0.1MPaの条件で乾燥した。乾燥時間は、分散時間を短く、また、分散安定性を維持する目的のために、乾燥後の水分量が100ppm以下となるまでの時間とした。得られたPR−177乾燥粉体をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)の溶媒にディスパービッグBYK-2000(ビッグケミー社製)の分散剤をPR−177粉末重量に対して有効成分で40%溶解した溶液に得られたPR−177粉末を投入し、クレアミックス0.8S(エム・テクニック社製)にて分散処理した。第1流体及び第2流体の温度条件と最終的に得られた分散液の粒度分測定結果を表2に示す。また、各条件でのナノ微粒子の粒子径を透過型電子顕微鏡(TEM)にて確認したところ、TEM写真より確認できる粒子径と粒度分布の測定結果は一致するものであった。第1流体を5℃、第2流体を5℃(ΔT=0℃)の条件で作製したナノ微粒子のTEM写真を図15に、第1流体を5℃、第2流体を25℃(ΔT=20℃)の条件で作製したナノ微粒子のTEM写真を図16にそれぞれ示す。
上記の実施例より、第1流体と第2流体とに5℃以上の温度差を設ける事で超微粒子、特に、10nm以下のナノ微粒子を作製できる事を確認した。具体的には、TEM写真から均一なナノ微粒子を作製できたことが確認でき、表2に示した結果から非常に微細な超微粒子を作製できたことが確認できた。
(実施例2−2)
図1に示す、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面1,2の間にできる、薄膜流体中で均一に攪拌・混合する装置を用いて、ベンズブロマロンを溶解し、ベンズブロマロン溶液としたものを薄膜流体中で純水と合流させ、薄膜流体中で均一混合させて、ベンズブロマロンを析出させる。ベンズブロマロンは、痛風治療剤や、高尿酸血症改善剤として知られている。
中央から第1流体として純水を、供給圧力=0.25MPa、回転数700 rpm、200g/min.で送液しながら、第2流体として、ベンズブロマロンと分散剤であるTween80をエタノールに溶解した3%ベンズブロマロン/0.1%Tween80のエタノール溶液を10ml/minで処理用面1,2間に導入し、混合した。ベンズブロマロン分散液が吐出された。第1流体及び第2流体の温度条件と得られた分散液の粒度分測定結果を表3に示す。また、各条件でのナノ微粒子の粒子径を透過型電子顕微鏡(TEM)にて確認したところ、TEM写真より確認できる粒子径と粒度分布の測定結果は一致するものであった。第1流体を25℃、第2流体を25℃(ΔT=0℃)の条件で作製したナノ微粒子のSEM写真を図17に、第1流体を5℃、第2流体を35℃(ΔT=30℃)の条件で作製したナノ微粒子のTEM写真を図18にそれぞれ示す。
上記の実施例より、第1流体と第2流体とに5℃以上の温度差を設ける事で超微粒子、特に100nm以下のナノ微粒子を作製できる事を確認した。具体的には、TEM写真から均一なナノ微粒子を作製できたことが確認でき、表3に示した結果から非常に微細な超微粒子を作製できたことが確認できた。
次に、図1に示す、接近・離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して回転する処理用面1,2の間にできる、薄膜流体中で均一に攪拌・混合する装置を用いて、微粒子原料を溶解し、微粒子原料溶液としたものを薄膜流体中で純水またはエタノールと合流させ、薄膜流体中で均一混合させて、ナノ微粒子を析出させる。微粒子原料としては、赤色顔料である、C.I.Pigment RED 177(以下、PR−177)と、シアン系顔料である銅フタロシアニンと、無機化合物であるモリブデン酸アンモニウムを用いた。
(各流体の温度)
第1流体の温度に関しては、流体処理装置の処理用面1,2間に導入される直前の位置にて測定した。第2流体の温度に関しては、流体処理装置の第2導入部d2へ接続され、一時的に第2流体を貯めるための容器内にて測定した(図4参照)。なお、前記容器内の流体温度と処理用面1,2間に導入される直前の流体温度とは等しい(より厳密には、前記両者の温度が等しいと判断してもいい程度の温度差しかない)ことを別途確認した上で、この実施例では上記容器内での測定温度を第2流体の温度とすることにした。
(体積平均粒子径)
粒度分布は、ナノトラック粒度分布測定装置 UPA-EX150(日機装株式会社製)を用いて測定し、体積平均粒子径を採用した。
(飽和溶解度)
飽和溶解度は、微粒子原料を良溶媒に溶解し、目視にて溶け残りが確認できる点における溶解濃度を温度毎に測定して決定した。
(実施例3−1)
中央から第1流体として純水を、供給圧力=0.15MPa、回転数500 rpm、300g/min.で送液しながら、第2流体として、PR−177を硫酸に溶解したPR−177の硫酸溶液を5ml/minで処理用面1,2間に導入し、混合した。(PR−177の硫酸溶液の溶解濃度は、各温度における飽和溶解度に対して15%)吐出されたPR−177分散液中のPR−177ナノ微粒子を緩く凝集させ、凝集したPR−177ナノ微粒子をろ紙とヌッチェを用いてろ過し、純水にて洗浄し、60℃、-0.1MPaの条件で乾燥した。乾燥時間は、分散時間を短く、また、分散安定性を維持する目的のために、乾燥後の水分量が100ppm以下となるまでの時間とした。得られたPR−177乾燥粉体をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)の溶媒にディスパービッグBYK-2000(ビッグケミー社製)の分散剤をPR−177粉末重量に対して有効成分で40%溶解した溶液に得られたPR−177粉末を投入し、クレアミックス0.8S(エム・テクニック社製)にて分散処理した。第1流体及び第2流体の温度条件と最終的に得られた分散液の粒度分測定結果を表4及び図19に示す。また、各条件でのナノ微粒子の粒子径を透過型電子顕微鏡(TEM)にて確認したところ、TEM写真より確認できる粒子径と粒度分布の測定結果は一致するものであった。
この実施例では、図19に示すように、第1流体と第2流体との温度差により粒子径をコントロールできる事を確認できた。特に、ΔTが−15℃〜20℃の間においては、温度差と粒子径との間の相関関係が顕著であることがわかった。さらに、ΔTが5℃以上では微細なナノ微粒子を得ることができることを確認できた。
(実施例3−2)
中央から第1流体として純水を、供給圧力=0.15MPa、回転数500 rpm、300g/min.で送液しながら、第2流体として、銅フタロシアニン(以下、CuPc)を硫酸に溶解した銅フタロシアニンの硫酸溶液を5ml/minで処理用面1,2間に導入し、混合した。吐出された銅フタロシアニン分散液中の銅フタロシアニンナノ微粒子を緩く凝集させ、凝集した銅フタロシアニンナノ微粒子をろ紙とヌッチェを用いてろ過し、純水にて洗浄し、60℃、-0.1MPaの条件で乾燥した。乾燥時間は、分散時間を短く、また、分散安定性を維持する目的のために、乾燥後の水分量が100ppm以下となるまでの時間とした。得られた銅フタロシアニン乾燥粉体をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)の溶媒にディスパービッグBYK-2000(ビッグケミー社製)の分散剤を銅フタロシアニン粉末重量に対して有効成分で40%溶解した溶液に得られた銅フタロシアニン粉末を投入し、クレアミックス0.8S(エム・テクニック社製)にて分散処理した。第一流体及び第二流体の温度条件並びに濃度条件と最終的に得られた分散液の粒度分測定結果を表5及び図20に示す。また、各条件でのナノ微粒子の粒子径を透過型電子顕微鏡(TEM)にて確認したところ、TEM写真より確認できる粒子径と粒度分布の測定結果は一致するものであった。
この実施例では、第1流体と第2流体との温度差に加えて、微粒子原料溶液における微粒子原料濃度が高い方が、より粒子径の小さいナノ微粒子が得られ、また、第1流体と第2流体との温度差と、微粒子原料濃度とによって、粒子径のコントロールをできる事が確認できた。
(実施例3−3)
中央から第1流体としてエタノールを、供給圧力=0.15MPa、回転数1000 rpm、100g/min.で送液しながら、第2流体として、モリブデン酸アンモニウム水溶液を3ml/minで処理用面1,2間に導入し、混合した。吐出されたモリブデン酸アンモニウム分散液中のモリブデン酸アンモニウムナノ微粒子を緩く凝集させ、凝集したモリブデン酸アンモニウムナノ微粒子をろ紙とヌッチェを用いてろ過し、エタノールにて洗浄し、60℃、-0.1MPaの条件で乾燥した。得られたナノ微粒子の一次粒子の評価は、TEM観察にて50万倍の観測を行い、100個の粒子ついて、粒子径を測定し、その平均粒子径にて測定した。得られた第1流体及び第2流体の温度条件並びに濃度条件と平均粒子径を表6及び図21に示す。
この実施例では、第1流体と第2流体との温度差に加えて、微粒子原料溶液における微粒子原料濃度が高い方が、より粒子径の小さいナノ微粒子が得られ、また、第1流体と第2流体との温度差と、微粒子濃度とによって、粒子径のコントロールをできる事が確認できた。
1 第1処理用面
2 第2処理用面
10 第1処理用部
11 第1ホルダ
20 第2処理用部
21 第2ホルダ
d1 第1導入部
d2 第2導入部
d20 開口部
p 流体圧付与機構

Claims (5)

  1. 被処理流動体として少なくとも2種類の流体を用いるものであり、
    そのうちで少なくとも1種類の流体は、少なくとも1種類のジケトピロロピロール顔料が溶媒に溶解されたジケトピロロピロール顔料溶液であり、
    上記以外の流体で少なくとも1種類の流体は、少なくとも1種類のアルコール化合物溶媒を含むアルコール系溶媒であり、
    上記の被処理流動体を混合し、ジケトピロロピロール顔料を析出させるナノ微粒子の製造方法において、
    上記ジケトピロロピロール顔料溶液と上記アルコール系溶媒の内、少なくともいずれか一方の被処理流動体は酸性物質を含むものであって、
    上記被処理流動体であるジケトピロロピロール顔料溶液とアルコール系溶媒とを、対向して配設された、接近・離反可能な、少なくとも一方が他方に対して相対的に回転する少なくとも2つの処理用面の間にできる薄膜流体中で混合し、β型ジケトピロロピロール顔料を実質的に析出させることなく、実質的にα型ジケトピロロピロール顔料ナノ微粒子のみを析出させることを特徴とするナノ微粒子の製造方法。
  2. 上記の被処理流動体を上記薄膜流体中で混合して得られる混合液のpHが7以下であることを特徴とする請求項1に記載のナノ微粒子の製造方法。
  3. 上記の被処理流動体のうち、少なくともいずれか1種の流体が上記薄膜流体を形成しながら上記両処理用面間を通過し、
    上記少なくともいずれか1種の流体が流される流路とは独立した別途の導入路を備えており、
    上記2つの処理用面の少なくとも何れか一方に、上記別途の導入路に通じる開口部を備え、
    上記少なくともいずれか1種の流体と異なる少なくとも1種の流体を、上記開口部から上記処理用面の間に導入し、上記の全被処理流動体を上記薄膜流体中で混合し、当該薄膜流体中における層流条件下で析出させることを特徴とする請求項1又は2に記載のナノ微粒子の製造方法。
  4. 被処理流動体に圧力を付与する流体圧付与機構と、
    上記の2つの処理用面のうち第1処理用面を備えた第1処理用部と、上記の2つの処理用面のうち第2処理用面を備えた第2処理用部とを備え、これらの処理用部を相対的に回転させる回転駆動機構とを備え、
    上記第1処理用部と第2処理用部のうち、少なくとも第2処理用部は受圧面を備えるものであり、且つ、この受圧面の少なくとも一部が上記第2処理用面により構成され、
    この受圧面は、上記の流体圧付与機構が被処理流動体に付与する圧力を受けて第1処理用面から第2処理用面を離反させる方向に移動させる力を発生させ、
    上記第1処理用面と上記第2処理用面との間に、上記ジケトピロロピロール顔料溶液と上記アルコール系溶媒とのいずれか一方を含む被処理流動体が通されることにより、上記被処理流動体が薄膜流体を形成しながら両処理用面間を通過し、
    上記少なくともいずれか一方の被処理流動体が流される流路とは独立した別途の導入路を備えており、
    さらに上記第1処理用面と第2処理用面の少なくとも何れか一方に、上記の導入路に通じる開口部を少なくとも一つ備え、
    上記ジケトピロロピロール顔料溶液と上記アルコール系溶媒とのいずれか他方を含む被処理流動体を、上記導入路から上記両処理用面間に導入して、上記2つの処理用面の間にできる薄膜流体中で混合し、当該薄膜流体中における層流条件下で析出させることを特徴とする請求項1又は2に記載のナノ微粒子の製造方法。
  5. 上記の被処理流動体の処理温度を制御する事によって、析出される上記α型ジケトピロロピロール顔料のナノ微粒子の粒子径を制御することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のナノ微粒子の製造方法。
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