JP6697710B2 - 速度切替装置、駆動装置および画像形成装置 - Google Patents

速度切替装置、駆動装置および画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、速度切替装置、駆動装置および画像形成装置に関するものである。
従来の画像形成装置には、定着ローラなどの出力対象回転体の回転速度を切り替える速度切替装置を備えたものがある。
特許文献1には、上記速度切替装置として、駆動モータの駆動力が入力されて回転する、軸方向に沿って移動自在な共通ギヤと、共通ギヤの軸と並列的に配置され、定着ローラに駆動力を出力する出力軸に装着された複数の変速用ギヤとを有している。複数の変速用ギヤは、共通ギヤの軸方向移動範囲内で、軸方向互いに異なる位置に設けられている。また、複数の変速用ギヤは、等しい外径を有しているとともに、歯数が互いに異なるように構成されている。共通ギヤを軸方向に移動させて、共通ギヤが噛み合う変速用ギヤを変更することにより定着ローラの回転速度が切り替わる。
しかしながら、特許文献1に記載の速度切替装置のように変速用ギヤの歯数を互いに異ならせるのみで、定着ローラなどの出力対象回転体の速度を微調整(例えば、1%以下)可能に構成すると、装置が大型化してしまうという課題があった。
上記課題を解決するために、本発明は、出力対象回転体の回転速度を切り替える速度切替装置において、速度伝達比が互いに異なる複数の駆動伝達経路を備える速度切り替え部を複数有し、複数の前記速度切り替え部のうちの少なくともひとつは、出力対象回転体を同方向に回転させ、かつ、速度伝達比が互いに異なる複数の駆動伝達経路を備える第一速度切り替え部であり、前記第一速度切り替え部は、駆動伝達経路において最初に駆動力が入力される入力駆動伝達部材と、最後に駆動力が入力される出力駆動伝達部材とを、複数の駆動伝達経路それぞれに設け、かつ、複数の駆動伝達経路それぞれに駆動力を伝達する状態と駆動力の伝達を遮断する状態とを切り替え可能な駆動伝達切り替え手段を設けたものであり、前記速度切り替え部を、複数段設け、複数段の前記速度切り替え部のうちのひとつが、二系統の駆動伝達経路を備え、駆動源の正転時と逆転時とで、前記二系統の駆動伝達経路の間でスラスト方向の異なる向きに移動して、前記二系統の駆動伝達経路のうちの一方の駆動伝達経路または他方の駆動伝達経路に前記駆動源からの回転駆動力を伝達する回転可能な移動回転部材とを有するスラスト速度切り替え部であり、前記スラスト速度切り替え部の前記二系統の流駆動伝達経路は、前記出力駆動伝達部材の回転方向が前記駆動源の回転方向と同じになる駆動伝達経路と、前記出力駆動伝達部材の回転方向が前記駆動源の回転方向と逆になる駆動伝達経路とである特徴とするものである。

本発明によれば、装置の小型化を図ることができる。
実施形態に係るプリンタの概略構成図。 実施例1に係る駆動装置の概略断面図。 第二電磁クラッチの概略構成図。 定着ローラと、二次転写ローラと、レジストローラ対と、これらを駆動する駆動装置とを示す概略断面図。 駆動装置の制御の一例を示す制御フロー図。 実施例2に係る駆動装置の概略断面図。 実施例3に係る駆動装置の概略断面図。 実施例4に係る駆動装置の概略断面図。 実施例5に係る駆動装置の概略断面図。 実施例6に係る駆動装置の概略断面図。 実施例7に係る駆動装置の概略断面図。 実施例8に係る駆動装置の概略断面図。
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)の一実施形態について説明する。まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。図1は、実施形態に係るプリンタの概略構成図である。同図において、このプリンタは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック(以下、Y、C、M、Kと記す)のトナー像を形成するための4つのプロセスユニット160Y,160C,160M,160Kを備えている。これらは、画像形成物質として、互いに異なる色のY,C,M,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。Kトナー像を形成するためのプロセスユニット160Kを例にすると、潜像担持体たるドラム状の感光体161K、現像装置162K、帯電装置163K、ドラムクリーニング装置164K、除電装置等を備えている。画像形成ユニットたるプロセスユニット160Kは、プリンタ本体に脱着可能であり、一度に消耗部品を交換できるようになっている。
帯電装置163Kは、駆動手段によって図中時計回りに回転せしめられる感光体161Kの表面を一様帯電せしめる。一様帯電せしめられた感光体161Kの表面は、レーザー光Lによって露光走査されてK用の静電潜像を担持する。このK用の静電潜像は、Kトナーを用いる現像装置162KによってYトナー像に現像される。そして、後述する中間転写ベルト179上に中間転写される。ドラムクリーニング装置164Kは、中間転写工程を経た後の感光体161K表面に付着している転写残トナーを除去する。また、上記除電装置は、クリーニング後の感光体161Kの残留電荷を除電する。この除電により、感光体161Kの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。他色のプロセスユニット160Y,160C,160Mにおいても、同様にして感光体161Y,161C,161M上にY,C,Mトナー像が形成されて、後述する中間転写ベルト179上に中間転写される。なお、感光体161Kにおける筒状のドラム部は、中空のアルミ素管のおもて面に有機感光層が被覆されたものである。このドラム部の軸線方向の両端部にそれぞれドラム軸を有するフランジが取り付けられて、感光体161Kを構成している。現像装置162Kは、内部に収容されたKトナーを、現像ローラ162aKの回転に伴って、現像ローラ162aKと感光体161Kとの対向領域である現像領域で、感光体161Kの表面に形成されたK用の静電潜像に付着させ、Kトナー像に現像する。
図1を用いてK用のプロセスユニット160Kについて説明したが、Y,C,M用のプロセスユニット160Y,160C,160Mにおいても、同様のプロセスにより、感光体161Y,161C,161Mの表面にY,C,Mトナー像が形成される。
先に示した図1において、プロセスユニット160Y,160C,160M,160Kの鉛直方向上方には、光書込ユニット165が配設されている。潜像書込装置たる光書込ユニット165は、画像情報に基づいてレーザーダイオードから発したレーザー光Lにより、プロセスユニット160Y,160C,160M,160Kにおける感光体161Y,161C,161M,161Kを光走査する。この光走査により、感光体161Y,161C,161M,161K上にY,C,M,K用の静電潜像が形成される。かかる構成においては、光書込ユニット165と、プロセスユニット160Y,160C,160M,160Kとにより、3つ以上の潜像担持体にそれぞれ互いに異なる色の可視像たるY,C,M,Kトナー像を作像する作像手段として機能している。
なお、光書込ユニット165は、光源から発したレーザー光を、ポリゴンモータによって回転駆動したポリゴンミラーで主走査方向に偏光せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体に照射するものである。LEDアレイの複数のLEDから発したLED光によって光書込を行うものを採用してもよい。
プロセスユニット160Y,160C,160M,160Kの鉛直方向下方には、無端状の中間転写ベルト179を張架しながら図中反時計回り方向に無端移動せしめるベルト装置たる転写ユニット175が配設されている。また、転写ユニット175は、駆動ローラ176、テンションローラ177、一次転写ローラ174Y,174C,174M,174K、二次転写ローラ178、ベルトクリーニング装置171、クリーニングバックアップローラ172なども備えている。中間転写ベルト179は、そのループ内側に配設された駆動ローラ176、テンションローラ177、クリーニングバックアップローラ172及び4つの一次転写ローラ174Y,174C,174M,174Kによって張架されている。そして、駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動される駆動ローラ176の回転力により、同方向に無端移動せしめられる。
4つの一次転写ローラ174Y,174C,174M,174Kは、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト179を感光体161Y,161C,161M,161Kとの間に挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ベルト179のおもて面と、感光体161Y,161C,161M,161Kとが当接するY,C,M,K用の一次転写ニップが形成されている。一次転写ローラ174Y,174C,174M,174Kには、転写バイアス電源によってそれぞれ一次転写バイアスが印加されている。これにより、感光体161Y,161C,161M,161Kの静電潜像と、一次転写ローラ174Y,174C,174M,174Kとの間に転写電界が形成される。なお、一次転写ローラ174Y,174C,174M,174Kに代えて、転写チャージャーや転写ブラシなどを採用してもよい。
Y用のプロセスユニット160Yの感光体161Y表面に形成されたYトナーは、感光体161Yの回転に伴って上述のY用の一次転写ニップに進入すると、転写電界やニップ圧の作用により、感光体161Y上から中間転写ベルト179上に一次転写される。このようにしてYトナー像が一次転写せしめられた中間転写ベルト179は、その無端移動に伴ってM,C,K用の一次転写ニップを通過する際に、感光体161M,161C,161K上のM,C,Kトナー像が、Yトナー像上に順次重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト179上には4色トナー像が形成される。
転写ユニット175の二次転写ローラ178は、中間転写ベルト179のループ外側に配設されて、ループ内側のテンションローラ177との間に中間転写ベルト179を挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ベルト179のおもて面と、二次転写ローラ178とが当接する二次転写ニップが形成されている。二次転写ローラ178には、転写バイアス電源によって二次転写バイアスが印加される。この印加により、二次転写ローラ178と、アース接続されているテンションローラ177との間には、二次転写電界が形成される。
転写ユニット175の鉛直方向下方には、記録紙Pを複数枚重ねた紙束の状態で収容している給紙カセット141がプリンタの筐体に対してスライド着脱可能に配設されている。この給紙カセット141は、紙束の一番上の記録紙Pに給紙ローラ142を当接させており、これを所定のタイミングで図中反時計回り方向に回転させることで、その記録紙Pを給紙路に向けて送り出す。
給紙路の末端付近には、レジスト駆動ローラ143a,レジスト従動ローラ143bからなるレジストローラ対143が配設されている。このレジストローラ対143は、給紙カセット141から送り出された記録部材たる記録紙をローラ間に挟み込むとすぐに両ローラの回転を停止させる。そして、挟み込んだ記録紙を上述の二次転写ニップ内で中間転写ベルト179上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで回転駆動を再開して、記録紙Pを二次転写ニップに向けて送り出す。
二次転写ニップで記録紙に密着せしめられた中間転写ベルト179上の4色トナー像は、二次転写電界やニップ圧の影響を受けて記録紙P上に一括二次転写され、記録紙Pの白色と相まって、フルカラートナー像となる。なお、二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト179には、記録紙に転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、中間転写ベルト179のおもて面に当接しているベルトクリーニング装置171によってベルト表面からクリーニングされる。中間転写ベルト179のループ内側に配設されたクリーニングバックアップローラ172は、ベルトクリーニング装置171によるベルトのクリーニングをループ内側からバックアップする。
表面にフルカラートナー像が形成された記録紙Pは、二次転写ニップを通過すると、二次転写ローラ178や中間転写ベルト179から曲率分離する。そして、転写後搬送路を経由して、定着手段たる定着装置140に送り込まれる。定着装置140には、ハロゲンランプ等の発熱源145aを内包する定着ローラ145と、定着ローラ145に所定の圧力で当接しながら回転する加圧ローラ147とが設けられており、定着ローラ145と加圧ローラ147とによって定着ニップを形成している。定着装置140内に送り込まれた記録紙は、その未定着トナー像担持面を定着ローラ145に密着させるようにして、定着ニップに挟まれる。そして、加熱や加圧の影響によってトナー像中のトナーが軟化さしめられて、フルカラー画像が定着せしめられる。
操作部に対する入力操作や、パーソナルコンピュータ等から送られてくる制御信号などにより、片面プリントモードが設定されている場合、定着装置140内から排出された記録紙Pは、正転する排紙ローラ対181によって、そのまま機外へと排出される。そして、筐体の上カバーの上面であるスタック部150にスタックされる。
また、排紙ローラ対181は、定着装置140から搬送される記録紙Pをスタック部150へ排出する一方で、両面プリントモードが設定されている場合には、排紙ローラ対181を逆転させて記録紙Pを再給紙路170側へスイッチバックさせる。すなわち、排紙ローラ対181は、一対の排紙ローラ181a,181bを備え、排紙センサ182により、記録紙Pが排紙ローラ181a,181bに端部が挟まれたニップ状態を検出したら、排紙ローラ181a,181bを逆転させる。これにより、記録紙Pが両面ローラ183により搬送され再給紙路170を通って、その裏面に転写可能な向きに表裏が反転した状態で、再度、二次転写ニップへと搬送される。そして、二次転写ニップを通過し記録紙Pの裏面にトナー像が形成された後、定着装置140でトナー像が記録紙Pに定着され、排紙ローラ対181によりスタック部150へと排出される。
次に、本プリンタが備える駆動装置の一例について説明する。
[実施例1]
図2は、実施例1に係る駆動装置30の概略断面図である。
この実施例1に係る駆動装置30は、定着ローラ145とレジスト駆動ローラ143aとを駆動するものである。
定着ローラ145とレジスト駆動ローラ143aとを駆動する駆動源たるモータ1は、ブラケット31のローラ側の面とは反対側の面に固定されている。モータ1のモータ軸は、ブラケット31を貫通しており、モータ軸の外周には歯が形成されておりモータギヤ1aとなっている。
ブラケット31と、ブラケット31のローラ側の面に対向する側板32との間には、定着ローラ145に駆動伝達を行う定着駆動伝達機構301と、レジスト駆動ローラ143aに駆動伝達を行うレジスト駆動伝達機構302とが配設されている。
定着駆動伝達機構301は、定着アイドラギヤ2と、定着ギヤ3とを備えている。定着アイドラギヤ2は、ブラケット31と側板32とに固定された第一固定軸Sに回転自在に支持されており、モータギヤ1aと噛み合う第一外歯ギヤ2aと、定着ギヤ3と噛み合う第二外歯ギヤ2bとを有している。定着ギヤ3は、軸受32aを介して側板32に回転自在に支持された定着ローラ145の定着軸145bに一体的に回転するように取り付けられている。
レジスト駆動伝達機構302は、レジストアイドラギヤ4、レジスト入力ギヤ5、速度切替装置としての速度切替機構Dとを有している。レジストアイドラギヤ4は、ブラケット31と側板32とに固定された第二固定軸tに回転自在に支持されている。レジスト入力ギヤ5は、ブラケット31と側板32とに固定された第三固定軸uに回転自在に支持されている。
速度切替機構Dは、減速比が互いに異なる二系統の駆動伝達経路を有している。第一駆動伝達経路D1は、入力駆動伝達部材たる第一入力ギヤ6aと、出力駆動伝達部材たる第一出力ギヤ10と、駆動伝達切り替え手段たる第一電磁クラッチ8とを有している。第二駆動伝達経路D2は、入力駆動伝達部材たる第二入力ギヤ6bと、出力駆動伝達部材たる第二出力ギヤ11と、駆動伝達切り替え手段たる第二電磁クラッチ9とを有している。
第一入力ギヤ6aと第二入力ギヤ6bとレジスト入力ギヤ5とは一体で構成されており、その一体物であるレジスト駆動伝達部材102が、ブラケット31と側板32とに固定された第三固定軸uに回転自在に支持されている。
第一出力ギヤ10と、第一電磁クラッチ8と、第二出力ギヤ11と、第二電磁クラッチ9は、軸受32bを介して側板32に回転自在に支持されたレジスト駆動ローラ143aのレジスト軸7に設けられている。第一出力ギヤ10と第二出力ギヤ11は、レジスト軸7に回転自在に支持されている。第一電磁クラッチ8と第二電磁クラッチ9は、レジスト軸7に固定されている。第一電磁クラッチ8は、軸方向から第一出力ギヤ10と係合しており、第二電磁クラッチ9は、軸方向から第二出力ギヤ11と係合している。
図3は、第二電磁クラッチ9の概略構成図である。
第二電磁クラッチ9は、軸固定部9e、電磁コイル部9d、ロータ部9c、アーマチュア9b、駆動連結部材9fなどを備えている。軸固定部9eには、レジスト軸7が挿入される挿入穴を有しており、その挿入穴が、断面D字形状となっている。レジスト軸7には、このD字形状に嵌合するように、切り欠いて、断面D字部分を有している。レジスト軸7の断面D字部分は、第二電磁クラッチ9が取り付けられた箇所まで延びている。軸固定部9eの断面D字形状部分を、レジスト軸7の断面D字部分と嵌合させることにより、軸固定部9eを、レジスト軸7と連れ回りするように固定している。
軸固定部9eには、電磁コイル部9dが、軸固定部9eに対して回転自在に取り付けられている。一方、ロータ部9cは、軸固定部9eと一体で回転するよう軸固定部9eに固定されている。アーマチュア9bは、第二レジスト出力ギヤ側に延びる一対の駆動爪9aを備えた駆動連結部材9fに取り付けられている。第二出力ギヤ11の第二電磁クラッチ9との対向面には、一対の駆動連結穴11aが形成されており、これら駆動連結穴11aに駆動連結部材9fの駆動爪9aが嵌合している。これにより、第二電磁クラッチ9と第二出力ギヤ11とが、一体で回転可能となっている。
第二電磁クラッチ9のOFF時は、駆動連結部材9fはフリーな状態となっており、軸固定部9eに対して空回り可能な状態となっている。これにより、第二出力ギヤ11からレジスト軸7への駆動伝達が遮断され、駆動連結部材9fと第二出力ギヤ11とがレジスト軸7に対して空回りする。
クラッチON時は、電磁コイル部9dに電流が流れ、電磁力が発生する。電磁力が発生すると、金属円盤のアーマチュア9bが、電磁力により、電磁コイル部9dへ引き寄せられ、アーマチュア9bと一体の駆動連結部材9fが、ロータ部9c側へスライド移動する。そして、アーマチュア9bがロータ部9cに吸着し、第二出力ギヤ11に伝達された駆動力が第二電磁クラッチ9を介してレジスト軸7に伝達される。これにより、レジスト駆動ローラ143aが回転駆動する。
本実施形態の第二電磁クラッチ9では、駆動連結部材9fが軸方向にスライド移動可能に設ければよく、第二出力ギヤ11は、レジスト軸7に対して回転可能にすればよく、第二出力ギヤ11を軸方向にスライド移動可能に構成する場合に比べてレジスト軸7との隙間を小さくできる。これにより、第二出力ギヤ11がレジスト軸7に対して傾くのを抑制することができる。
第一電磁クラッチ8の構成は、第二電磁クラッチ9と同一の構成である。
図4は、定着ローラ145と、二次転写ローラ178と、レジストローラ対143と、これらを駆動する駆動装置とを示す概略断面図である。
図4に示すように、定着ローラ145とレジスト駆動ローラ143aは、上述した駆動装置30により駆動され、二次転写ローラは、二次転駆動装置70により駆動される。
本実施形態では、記録紙Pの種類に応じて画像形成速度を変更して、高画質を得るのに適した搬送速度で、二次転写ニップや定着ニップを記録紙が通過するようにしている。例えば、厚紙のときは、二次転写ローラ178の回転速度や定着ローラ145の回転速度を、普通紙のときに比べて遅くして、二次転写ニップや定着ニップを通過する記録紙の速度を落としている。また、レジストローラ対と二次転写ローラとの間で紙の引っ張り合いや送りすぎなどにならないように、レジスト駆動ローラ143aについては、二次転写ローラの回転速度との速度比が、普通紙のときと同じ速度比に維持されるように、回転速度を変更している。
各ローラの回転速度の関係は、二次転写ローラ178の回転速度を基準とすると、以下のようになる。すなわち、普通紙のときの二次転写ローラ178の線速をVfとすると、レジスト駆動ローラ143aの線速は、Vf×(1+α)、定着ローラの線速は、Vf×(1+β)の関係となっている。厚紙のときは、二次転写ローラ178の線速をVfからVt(Vf>Vt)に変更し、レジスト駆動ローラ143aの線速は、Vf×(1+α)、定着ローラの線速は、Vt×(1+β+γ)の関係となっている。例えば、α=0.004、β=−0.006、γ=0.006、普通紙のときの二次転写ローラ178の線速Vf=178[mm/s]のとき、定着ローラ145の線速は、176.932[mm/s]となり、レジスト駆動ローラ143aの線速は、178.712[mm/s]となる。従って、このときのレジスト駆動ローラ143aと、定着ローラ145の相対速度比は、約1%である。
厚紙のときの二次転写ローラ178の線速Vtが、普通紙のときの線速に対して半分の速度89[mm/s]に設定したときは、定着ローラ145の線速は89[mm/s]となり、レジスト駆動ローラ143aの線速は、89.36[mm/s]となる。従って、このときのレジスト駆動ローラ143aと、定着ローラ145の相対速度比は、約0.4%である。
このように、本実施形態では、普通紙と厚紙のときとで、レジスト駆動ローラ143aと、定着ローラ145の相対速度比が異なるため、モータの回転速度を切り替えただけでは、定着ローラ145およびレジスト駆動ローラ143aのいずれか一方しか、規定の回転速度にすることができない。そのため、本実施形態では、駆動装置30のレジスト駆動伝達機構301に互いに速度伝達比が異なる二系統の駆動伝達経路を備えた速度切替機構Dを設けている。これにより、定着ローラに関しては、モータの回転速度を調整することで、普通紙と厚紙とで定着ローラ145を規定の回転速度にし、レジスト駆動ローラ143aについては、速度切替機構Dにより駆動伝達経路を切り替えることで、厚紙のときの二次転写ローラとの相対速度比を、普通紙のときと同じ速度比にする。
また、厚紙のときの二次転写ローラ178と、レジスト駆動ローラ143aの線速は、普通紙のときの線速に対して半分の速度89[mm/s]に設定されるが、定着ローラ145の線速については、普通紙のときの半分の速度に対して+γ(0.6%)速くなる。そのため、モータ1の回転速度を、普通紙のときの回転速度の半分の速度に対して、0.6%速く回転させることになる。よって、レジスト駆動ローラ143aの厚紙のときの線速を、普通紙のときの半分の速度にするには、第一駆動伝達経路D1と第二駆動伝達経路D2との相対速度比を、0.6%に設定する必要があり、相対速度比1%未満に設定する必要がある。
上記特許文献1に記載の速度切替装置においては、上述したように、回転軸方向にスライド移動して、第一駆動伝達経路の変速ギヤと、第二駆動伝達経路の変速ギヤのいずれか一方に噛み合う共通ギヤまで、第一、第二駆動伝達経路で共通であり、第一、第二駆動伝達経路間で異なるのは、変速ギヤのみである。従って、上記特許文献1に記載の速度切替装置においては、変速ギヤの歯数のみでしか第一駆動伝達経路と第二駆動伝達経路との間で速度伝達比を異ならせることしかできない。その結果、第一駆動伝達経路と第二駆動伝達経路との速度比を1%未満にするには、変速ギヤの歯数を100歯以上にする必要があり、各変速ギヤ用の径が大径となってしまい、装置が大型化してしまう。
一方、本実施例1においては、モータギヤ1aの歯数をZ1、レジストアイドラギヤ4の歯数をZ2、レジスト入力ギヤ5の歯数をZ3、第一入力ギヤ6aの歯数をZ4、第一出力ギヤ10の歯数をZ5とすると、第一駆動伝達経路D1を用いて駆動伝達を行うときの速度伝達比V1は、以下のようになる。
V1=(Z2/Z1)×(Z3/Z2)×(Z5/Z4)
=(Z3/Z1)×(Z5/Z4)・・・・(1)
また、第二入力ギヤ6bの歯数をZ6、第二出力ギヤ11の歯数をZ7とすると、第二駆動伝達経路D2を用いて駆動伝達を行うときの速度伝達比V2は、以下のようになる。
V2=(Z2/Z1)×(Z3/Z2)×(Z7/Z6)
=(Z3/Z1)×(Z7/Z6)・・・・(2)
第一駆動伝達経路を用いたときと、第二駆動伝達経路を用いたときとの相対速度比(V1/V2)は、(Z5/Z4)×(Z6/Z7)となり、相対速度比は、第一駆動伝達経路の速度伝達比(Z5/Z4)と、第二駆動伝達経路D2の速度伝達比(Z7/Z6)とにより決まる。このように、本実施形態では、第一駆動伝達経路D1の2つのギヤ(第一入力ギヤ6aおよび第一出力ギヤ10)と、第二駆動伝達経路の2つのギヤ(第二入力ギヤ6bおよび第二出力ギヤ11)により相対速度比を調整することができる。これにより、特許文献1に記載の速度切替装置とは異なり、各駆動伝達経路を構成するギヤの歯数が、100歯未満でも、相対速度比を1%未満にすることができる。これにより、各駆動伝達経路のギヤの大径化を抑制することができ、装置の大型化を抑制することができる。
具体的には、第一駆動伝達経路を構成するギヤ(第一入力ギヤ6aと第一出力ギヤ10)のモジュールと、第二駆動伝達経路を構成するギヤ(第二入力ギヤ6bと第二出力ギヤ11)のモジュールを異ならせる。一例を挙げると、第一駆動伝達経路D1を構成する第一入力ギヤ6aと第一出力ギヤ10のモジュール0.5、第一入力ギヤ6aの歯数Z4を60歯、第一出力ギヤ10の歯数Z5を61歯とする。また、第二駆動伝達経路D2を構成する第二入力ギヤ6bと第二出力ギヤ11のモジュール0.6、第二入力ギヤ6bの歯数Z6を50歯、第二出力ギヤ11の歯数Z7を51歯とする。この例の第一駆動伝達経路を用いたときと、第二駆動伝達経路を用いたときとの相対速度比(V1/V2)が、0.3%となる。
また、各駆動伝達経路を構成するギヤのねじれ角を互いに異ならせることで、上記相対速度比(V1/V2)を、1%以下にすることができる。例えば、第一駆動伝達経路D1の第一入力ギヤ6aと第一出力ギヤ10のモジュール0.5、ねじれ角0°(平歯)とし、第一入力ギヤ6aの歯数Z4を60歯、第一出力ギヤ10の歯数Z5を61歯とする。第二駆動伝達経路D2を構成する第二入力ギヤ6bと第二出力ギヤ11のモジュール0.5、ねじれ角を8°(はす歯)、第二入力ギヤ6bの歯数Z6を59歯、第二出力ギヤ11の歯数Z7を60歯とする。この例の第一駆動伝達経路を用いたときと、第二駆動伝達経路を用いたときとの相対速度比(V1/V2)が、0.03%となる。
このように、本実施例1では、各駆動伝達経路を構成するギヤの歯数100歯未満で、相対速度比を1%以下にすることができる。これにより各駆動伝達経路のギヤを小径にして、相対速度比を1%以下にすることができ、装置の小型化を図ることができる。これは、駆動力を伝達する状態と駆動力の伝達を遮断する状態とを切り替え可能な駆動伝達切り替え手段たる電磁クラッチを各駆動伝達経路に設けることで、各駆動伝達経路に駆動力を伝達し、各駆動伝達経路内で、駆動力を出力するか否かを選択することができる。これにより、駆動伝達経路に駆動力を入力するためのギヤ(本実施例1の第一入力ギヤ6a、第二入力ギヤ6b)を駆動伝達経路毎に設けることができるからである。
図5は、駆動装置30の制御の一例を示す制御フロー図である。
まず、本プリンタの制御部は、搬送される記録紙Pが厚紙か否かをチェックする(S1)。搬送される記録紙Pの紙厚の情報は、例えば、給紙カセットに記録紙をセットしたときに、操作表示部を操作してユーザーがセットした記録紙の紙厚情報を入力させることで、把握することができる。また、レジストローラ対143よりも搬送方向上流側に紙厚検知センサを設けて、紙厚検知センサで紙厚を検知することで、搬送される記録紙Pの紙厚を把握してもよい。
搬送されてくる記録紙が厚紙ではないとき(S1のNo)は、第一電磁クラッチ8をOFFにし、第二電磁クラッチ9をONにして(S4)、第二駆動伝達経路D2を用いてレジスト駆動ローラ143aに駆動力を伝達するように設定する。そして、モータ1を第二の回転速度Vbで駆動する(S5)。これにより、定着ローラ145およびレジスト駆動ローラ143a、二次転写ローラの回転速度Vfに対して、所定の速度比で回転駆動する。
一方、搬送されてくる記録紙が厚紙のとき(S1のYes)は、第一電磁クラッチ8をONにし、第二電磁クラッチ9をOFFにして(S2)、第一駆動伝達経路D1を用いてレジスト駆動ローラ143aに駆動力を伝達するように設定する。そして、モータ1を第二の回転速度Vbよりも遅い第一の回転速度Vaで駆動する(S3)。
モータ1を第二の回転速度Vbよりも遅い第一の回転速度Vaで駆動することにより、定着ローラ145は、遅い回転速度で回転駆動する。これにより、厚紙であっても定着ニップにおいて、記録紙上のトナー像を十分に加熱することができ、トナー像を良好に溶融させることができ、良好な定着性を得ることができる。本実施形態においては、第一の回転速度Vaを第二の回転速度Vbに対して、0.3%〜0.6%落としている。
一方、厚紙のとき、レジスト駆動ローラ143aは、第一駆動伝達経路D1を介して駆動力が伝達され回転駆動する。第一駆動伝達経路D1は、モータ1を第一の回転速度Vaで駆動したとき、レジスト駆動ローラの回転速度が、厚紙のときの二次転写ローラの回転速度vtに対して、普通紙のときと同じ速度比となるように設定されている。これにより、厚紙のとき定着ローラ145の回転速度を落とすべくモータ1の回転速度を落としても、レジストローラ対143と二次転写ローラとの速度比を維持することができる。これにより、厚紙のときでも、二次転写ニップへ記録紙を良好に搬送することができ、良好に中間転写ベルト176上のトナー像を、記録紙に二次転写することができる。
この実施例1では、レジスト駆動ローラ143aに駆動伝達を行うレジスト駆動伝達機構302に速度切替装置たる速度切替機構Dを設けているが、定着ローラ145に駆動伝達を行う定着駆動伝達機構301に速度切替機構Dを設けてもよい。定着駆動伝達機構301に速度切替機構Dを設けた場合は、レジスト駆動ローラの回転速度は、モータの回転速度で調整し、定着ローラの回転速度は、速度切替機構Dの駆動伝達経路を切り替えることで調整される。これにより、厚紙とそれ以外とでレジスト駆動ローラ143aに関しては、二次転写ローラの回転速度と規定の関係を維持でき、定着ローラ145に関しては、厚紙とそれ以外とで、それぞれ良好な定着性を得ることができる回転速度に切り替えることができる。
一般的に、電磁クラッチは、ギヤやプーリなどの駆動伝達部材に比べて寿命が短く、定期的に交換が必要となってくる。電磁クラッチを交換するときは、電磁クラッチが取り付けられた軸にアクセスし、その軸から寿命の電磁クラッチを取り外して、新品の電磁クラッチを軸に取り付ける作業となる。第一電磁クラッチ8と第二電磁クラッチ9とを互いに異なる軸に設けた場合は、それぞれの軸に作業者がアクセスできるようにする必要があり、そのためのスペースを画像形成装置に設ける必要がある。その結果、プリンタの大型化につながるという課題がある。
一方、この実施例1においては、第一電磁クラッチ8と第二電磁クラッチ9とをレジスト軸7に設けているので、レジスト軸7に作業者がアクセスできるようにすればよい。よって、互いに異なる軸に電磁クラッチを取り付けた構成に比べて、プリンタの小型化を図ることができる。
また、実施例1においては、第一,第二電磁クラッチ8,9を、出力対象回転体たるレジスト駆動ローラ143aの回転軸であるレジスト軸7に設けた。第一,第二電磁クラッチ8,9を取り付ける軸は、回転自在に側板に支持する必要がある。従って、第一,第二電磁クラッチを第一入力ギヤ6a及び第二入力ギヤ6bと同軸上に設けた場合、第一入力ギヤ6a及び第二入力ギヤ6bを支持する軸(第三固定軸u)を、軸受を介して回転自在に側板に取り付ける必要があり、部品点数が増大し、装置のコストアップに繋がる。一方、出力対象回転体たるレジスト駆動ローラの軸であるレジスト軸7はレジスト駆動ローラ143aを回転させるためにもともと側板に軸受けを介して回転自在に支持されている。従って、レジスト軸7に第一,第二電磁クラッチ8,9を設けることで、第一,第二電磁クラッチを第一入力ギヤa及び第二入力ギヤ6bと同軸上に設けた場合に比べて、部品点数の増加を抑制することができ、装置のコスト上昇を抑制することができる。
また、レジスト軸7に第一,第二電磁クラッチ8,9を設けることで、第一入力ギヤ6a、第二入力ギヤ6bおよびレジスト入力ギヤ5を一体物とすることができる。これにより、第一入力ギヤ6a、第二入力ギヤ6bおよびレジスト入力ギヤ5を別体として、それぞれを軸に取り付ける場合に比べて、部品点数を削減することができ、また、組み立て工数を削減することができる。
[実施例2]
図6は、実施例2に係る駆動装置30Aの概略断面図である。
この実施例2の駆動装置30Aは、実施例1の変形であり、速度切替機構Dの第一駆動伝達経路D1が複数の外歯ギヤからなるギヤ列で構成され、第二駆動伝達経路D2が、ベルト部材を用いて駆動伝達を行うように構成したものである。以下の説明では、実施例1と同一の点は説明を省略する。
第一駆動伝達経路D1は、第一入力ギヤ6aと、第一アイドラギヤ13と、第一出力ギヤ10と、第一電磁クラッチ8とで構成されている。第二駆動伝達経路D2は、第二入力プーリ15と、第二出力プーリ17と、歯付きベルトたる第二タイミングベルト16と、第二電磁クラッチ9とで構成されている。
第一入力ギヤ6aと、第二入力プーリ15とは一体物であり、その一体物が第二固定軸tに回転自在に支持されている。第一入力ギヤ6aは、モータギヤ1aと噛み合っている。第一アイドラギヤ13は、第三固定軸uに回転自在に支持されており、第一入力ギヤ6aと第一出力ギヤ10とに噛み合っている。第一出力ギヤ10、第一電磁クラッチ8、第二出力プーリ17および第二電磁クラッチ9は、軸受32c、31aを介して側板32とブラケット31とに回転自在に支持された回転軸Xに設けられている。第一出力ギヤ10と第二出力プーリ17は、回転軸Xに回転自在の支持されている、第一電磁クラッチ8は、回転軸Xに固定されており、第一出力ギヤ10と軸方向から係合している。第二電磁クラッチ9は、回転軸に固定されており、第二出力プーリ17と軸方向から係合している。第二タイミングベルト16は、第二入力プーリ15と第二出力プーリ17とに張架されている。
また、回転軸Xのローラ側端部には、第一レジストギヤ12aが取り付けられており、この第一レジストギヤ12aは、レジスト軸7に固定された第二レジストギヤ12bと噛み合っている。
モータギヤ1aの歯数をZ1、第一入力ギヤ6aの歯数をZ2と、第一アイドラギヤ13の歯数をZ3、第一出力ギヤ10の歯数をZ4とすると、第一駆動伝達経路D1を用いた速度伝達比V1は、以下の式となる。
V1=(Z2/Z1)×(Z3/Z2)×(Z4/Z3)
=(Z4/Z1)・・・・(式3)
また、第二入力プーリ15の歯数をZ5、第二出力プーリ17の歯数をZ6とすると、第二駆動伝達経路D2を用いた速度伝達比V2は、以下の式となる。
V2=(Z2/Z1)×(Z6/Z5)・・・・(式4)
上記式3と、式4から、第一駆動伝達経路D1を用いたときと、第二駆動伝達経路D2を用いたときとの相対速度比(V1/V2)は、以下のようになる。
(V1/V2)=(Z4/Z1)×(Z1/Z2)×(Z5/Z6)
=(Z4/Z2)×(Z5/Z6)・・・・(式5)
このように、実施例2においても、相対速度比が、実施例1と同様、第一駆動伝達経路D1の速度伝達比(Z4/Z2)と、第二駆動伝達経路D2の速度伝達比(Z6/Z5)とにより決まる。このように、実施例2においても、第一駆動伝達経路の2つの駆動伝達部材(第一入力ギヤ6aおよび第一出力ギヤ10)と、第二駆動伝達経路の2つの駆動伝達部材(第二入力プーリ15および第二出力プーリ17)により相対速度比を調整することができる。これにより、特許文献1に記載の速度切替装置とは異なり、各駆動伝達経路を構成するギヤやプーリの歯数が、100歯未満でも、相対速度比を1%未満にすることができる。
従って、この実施例2でも、実施例1と同様に、各駆動伝達経路の歯数を100歯以下で、相対速度比を1%以下にすることができ、ギヤやプーリの大径化を抑制することができ、装置の大型化を抑制することができる。
また、タイミングベルトを用いて構成した第二駆動伝達経路D2を、厚紙時の駆動伝達経路に用い、第一駆動伝達経路D1を、普通紙などの厚紙以外のときの駆動伝達経路に用いるのが好ましい。駆動伝達経路として、タイミングベルトを用いて構成するよりも外歯ギヤのみで構成したほうが摩耗等に強く、繰り返し使用に対する耐久性が高い。一方で、駆動伝達経路としては、外歯ギヤのみで構成した場合は、大きな負荷変動が生じた場合、歯同士が突き当たり、歯が損傷したり、騒音が発生したりするおそれがある。これに対し、タイミングベルトを用いて構成した場合は、タイミングベルトが弾性変形して、その負荷変動を吸収することができ、負荷変動に対する耐久性が高く静音性も高い。
よって、レジストローラ対に進入したときやレジストローラ対を抜けたときの負荷変動が大きい厚紙のときに、タイミングベルトを用いて構成した第二駆動伝達経路D2を用い、一般的に使用頻度の高い普通紙などの厚紙以外のときに、外歯ギヤのみで構成した第一駆動伝達経路D1を用いることで、繰り返し使用に対する耐久性と、負荷変動に対する耐久性の両立を図ることができ、かつ、装置の静音性を高めることができる。
[実施例3]
図7は、実施例3に係る駆動装置30Bの概略断面図である。
この実施例3に係る駆動装置30Bは、実施例1の変形であり、第一電磁クラッチ8と、第二電磁クラッチ9とを互いに異なる軸に設けたものである。具体的には、第一入力ギヤ6aと第二入力ギヤ6bとを支持する軸を、軸受を介してブラケット31と側板32に回転自在に支持する回転軸Xとし、第二電磁クラッチ9をこの回転軸Xに取り付け、第二入力ギヤ6bと軸方向から係合させた。一方、第一電磁クラッチ8については、第一出力ギヤ10と第二出力ギヤ11が回転自在に支持されたレジスト軸7に取り付け、第一出力ギヤ10に軸方向から係合している。
また、この実施例3においては、実施例1のレジスト入力ギヤ5をなくし、第一駆動伝達経路の第一入力ギヤ6aを、レジストアイドラギヤ4に噛み合わせた。
この実施例3において、モータギヤ1aの歯数をZ1、レジストアイドラギヤ4の歯数Z2、第一入力ギヤの歯数Z3、第一出力ギヤ10の歯数Z4、第二入力ギヤ6bの歯数Z5、第二出力ギヤ11の歯数をZ6とすると、各駆動伝達経路を用いた速度伝達比V1,V2は、以下のようになる。
V1=(Z2/Z1)×(Z3/Z2)×(Z4/Z3)
=(Z4/Z1)・・・・(式6)
V2=(Z2/Z1)×(Z3/Z2)×(Z6/Z5)
=(Z3/Z1)×(Z6/Z5)・・・(式7)
上記(式6)、(式7)から、第一駆動伝達経路D1を用いたときと、第二駆動伝達経路D2を用いたときとの相対速度比(V1/V2)は、以下のようになる。
(V1/V2)=(Z4/Z1)×(Z1/Z3)×(Z5/Z6)
=(Z4/Z3)×(Z5/Z6)・・・・(式8)
よって、この実施例3においても、相対速度比が、実施例1と同様、第一駆動伝達経路D1の入力伝達部材である第一入力ギヤ6aの歯数Z3と第一駆動伝達経路D1の出力伝達部材である第一出力ギヤ10の歯数Z4との比と、第二駆動伝達経路D2の入力伝達部材である第二入力ギヤ6bの歯数Z5と第二駆動伝達経路D2の出力伝達部材である第二出力ギヤ11の歯数Z6との比とで決まる。よって、実施例1と同様、各駆動伝達経路の歯数を100歯以下で、相対速度比を1%以下にすることができる。
また、本実施例3においては、ギヤやプーリに比べて軸方向に長い第一電磁クラッチ8と第二電磁クラッチ9とを互いに異なる軸に設けることで、第一電磁クラッチ8と、第二電磁クラッチ9とを同軸に設けた場合に比べて、軸方向の小型化を図ることができる。
[実施例4]
図8は、実施例4に係る駆動装置30Cの概略断面図である。
この実施例4は、速度切替機構の第一駆動伝達経路D1と第二駆動伝達経路D2の両方を、タイミングベルトを用いて構成したものである。第一駆動伝達経路D1は、回転軸Xに支持された第一入力プーリ18と、レジスト軸7に取り付けられた第一出力プーリ19と、第一入力プーリ18と第一出力プーリ19とに張架された歯付きベルトたる第一タイミングベルト20とを備えている。また、第一出力プーリ19と軸方向から係合し、レジスト軸に取り付けられた第一電磁クラッチ8を備えている。
第二駆動伝達経路D2は、回転軸Xに支持された第二入力プーリ15と、レジスト軸7に取り付けられた第二出力プーリ17と、第二入力プーリ15と第二出力プーリ17とに張架された歯付きベルトたる第二タイミングベルト16とを備えている。また、第二入力プーリ15と軸方向から係合し、回転軸Xに取り付けられた第二電磁クラッチ9を備えている。
また、回転軸Xの第一入力プーリ18と第二入力プーリ15との間には、レジストアイドラギヤ4と噛み合うレジスト入力ギヤ5が設けられており、第一入力プーリ18とレジスト入力ギヤ5とが一体的に形成されている。そして、その一体物が回転軸Xと一体的に回転するように回転軸に取り付けられている。
本実施例4でも、第一駆動伝達経路D1の入力伝達部材である第一入力プーリ18の歯数と第一駆動伝達経路D1の出力伝達部材である第一出力プーリ19の歯数との比と、第二駆動伝達経路D2の入力伝達部材である第二入力プーリ15の歯数と第二駆動伝達経路D2の出力伝達部材である第二出力プーリ17の歯数との比とで決まる。よって、第一入力プーリ18の歯数と第一出力プーリ19の歯数と第二入力プーリ15の歯数と第二出力プーリ17の歯数とにより、第一駆動伝達経路D1を用いたときと、第二駆動伝達経路D2を用いたときとの相対速度比(V1/V2)を調整することができる。
例えば、一方の駆動伝達経路のタイミングベルトとしてS2M形式のタイミングベルトを用い、他方の駆動伝達経路のタイミングベルトとしてS3M形式のタイミングベルトを用い、タイミングベルトの歯形を互いに異ならせることで、各プーリの歯数100歯以下で、相対速度比(V1/V2)1%以下にすることができる。
また、各駆動伝達経路を、タイミングベルトを用いた構成とすることで、レジスト駆動ローラ143aがモータ1から離れた位置に配置されていても、複数のギヤが噛み合ったギヤ列で各駆動伝達経路を構成した場合に比べて、部品点数を削減してレジスト駆動ローラ143aに駆動伝達を行うことができる。これにより、装置のコスト上昇を抑制することができる。
[実施例5]
図9は、実施例5に係る駆動装置30Dの概略断面図である。
この実施例5に係る駆動装置は、速度切替機構Dよりも駆動伝達方向上流側にスラスト速度切り替え部などの上段速度切替機構Eを設けたものである。
この実施例5に係る駆動装置30Dは、モータ1のモータギヤ1aがハスバギヤとなっている。このモータギヤ1aには、ハスバギヤとしての定着移動ギヤ21とレジスト移動ギヤ28とが噛み合っている。定着移動ギヤ21は、ブラケット31と側板32とに固定された第一定着側固定軸S1に回転自在に支持されており、軸方向両側面に駆動連結爪21a,21bがそれぞれ複数設けられている。レジスト移動ギヤ28は、第一レジスト側固定軸t1に回転自在に支持されており、定着移動ギヤ21と同様、軸方向両側面に駆動連結爪28a,28bがそれぞれ複数設けられている。
この定着移動ギヤから定着ローラ145への駆動伝達経路は、第一定着駆動伝達経路R1と、第二定着駆動伝達経路R2の二系統あり、第一定着駆動伝達経路R1は、定着入力プーリ22と定着タイミングベルト23と定着出力プーリ24とによって構成されている。第二定着駆動伝達経路R2は、定着入力ギヤ25と定着出力ギヤ26とによって構成されている。
定着入力プーリ22は、第一定着側固定軸S1のモータ側に回転自在に支持されており、定着移動ギヤ21と対向するローラ側の側面には、複数の駆動連結爪21bが嵌り込む複数の駆動連結穴22aが、駆動連結爪21bの回転軌道上に形成されている。また、この第一定着側固定軸S1のローラ側には、定着入力ギヤ25が回転自在に支持されている。定着入力ギヤ25の定着移動ギヤ21と対向するモータ側の側面には、複数の駆動連結爪21aが嵌り込む複数の駆動連結穴25aが、駆動連結爪21aの回転軌道上に形成されている。
この第一定着側固定軸S1と平行にブラケット31と側板32とに固定された第二定着固定軸S2には、定着出力プーリ24と定着出力ギヤ26とを備えた定着駆動伝達出力部材101が回転自在に取り付けられている。定着駆動伝達出力部材101の定着出力プーリ24と、定着入力プーリ22とに定着タイミングベルト23が張架されている。また、定着駆動伝達出力部材101の定着出力ギヤ26は、定着入力ギヤ25と、定着ローラ145の定着軸145bのモータ側端部に設けられた定着ギヤ3と噛み合っている。
第一定着駆動伝達経路R1を用いたときの速度伝達比と、第二定着駆動伝達経路R2を用いたときの速度伝達比が、同じ値となるように、各駆動伝達部材が構成されており、モータ1の回転速度が同じであれば、いずれの駆動伝達経路を経ても定着ローラは、同じ速度で回転するように構成されている。
また、レジスト移動ギヤ28から速度切替機構Dへの駆動伝達経路は、第一レジスト駆動伝達経路E1と、第二レジスト駆動伝達経路E2の二系統あり、第一レジスト駆動伝達経路E1と、第二レジスト駆動伝達経路E2の速度伝達比を互いに異ならせている。すなわち、第一レジスト駆動伝達経路E1と、第二レジスト駆動伝達経路E2と、レジスト移動ギヤ28とで、上段速度切替機構Eが構成されている。
第一レジスト駆動伝達経路E1は、第一レジスト入力プーリ41と第一レジストタイミングベルト42と第一レジスト出力プーリ43とによって構成されている。第二レジスト駆動伝達経路E2は、第二レジスト入力ギヤ44と、速度切替機構Dの第一入力ギヤ6aとによって構成されている。
第一レジスト駆動伝達経路E1の第一レジスト入力プーリ41は、第一レジスト側固定軸t1のモータ側に回転自在に支持されており、レジスト移動ギヤ28と対向するローラ側の側面には、複数の駆動連結爪28bが嵌り込む複数の駆動連結穴41aが、駆動連結爪28bの回転軌道上に形成されている。この第一レジスト側固定軸t1のローラ側には、第二レジスト入力ギヤ44が回転自在に支持されている。この第二レジスト入力ギヤ44のレジスト移動ギヤ28と対向するモータ側の側面には、複数の駆動連結爪28aが嵌り込む複数の駆動連結穴44aが、駆動連結爪28aの回転軌道上に形成されている。
この第一レジスト側固定軸t1と平行に、ブラケット31と側板32とに固定された第二レジスト固定軸t2には、第一レジスト出力プーリ43と速度切替機構Dの第一入力ギヤ6aおよび第二入力ギヤ6bを有するレジスト駆動伝達部材102が回転自在に支持されている。レジスト駆動伝達部材102の第一レジスト出力プーリ43と、第一レジスト入力プーリ41とに第一レジストタイミングベルト42が張架されている。また、第二レジスト入力ギヤ44は、第一入力ギヤ6aと噛み合っている。
図9において、モータ1を駆動することで、ハスバギヤである定着移動ギヤ21と、レジスト移動ギヤ28にはスラスト力が働く。ハスバギヤであるモータギヤ1aのねじれ方向が左で、定着移動ギヤ21およびレジスト移動ギヤ28のねじれ方向が右の場合、モータ1をローラ側から見て時計回り(CW)方向に回転させたとき、定着移動ギヤ21およびレジスト移動ギヤ28は、モータ側へスラスト移動する。その結果、定着移動ギヤ21は、駆動連結爪21bが定着入力プーリ22の駆動連結穴22aに嵌り込み、定着移動ギヤ21と定着入力プーリ22とが係合することで、定着移動ギヤ21と定着入力プーリ22とが一体的に回転駆動する。定着入力プーリ22は、定着タイミングベルト23を介して定着駆動伝達出力部材101の定着出力プーリ24に伝達され、定着駆動伝達出力部材101が駆動される。そして、定着駆動伝達出力部材101が有する定着出力ギヤ26を介して、定着軸145bに設けられた定着ギヤ3を駆動する。これにより、定着ローラ145は、第一定着駆動伝達経路R1から伝達された駆動力によってモータ1の回転方向と同方向に回転する。
また、モータ1を時計回りの回転方向で駆動することで、レジスト移動ギヤ28がモータ側へ移動して、駆動連結爪28bが第一レジスト入力プーリ41の駆動連結穴41aに嵌り込む。これにより、レジスト移動ギヤ28と第一レジスト入力プーリ41とが係合し、レジスト移動ギヤ28と第一レジスト入力プーリ41とが一体で回転駆動する。第一レジスト入力プーリ41は、第一レジストタイミングベルト42を介して第二レジスト側固定軸t2に回転自在に取り付けられたレジスト駆動伝達部材102の第一レジスト出力プーリ43伝達され、レジスト駆動伝達部材102が駆動される。次に、レジスト駆動伝達部材102が有する第一入力ギヤ6aを介して第一出力ギヤ10を駆動し、第二入力ギヤ6bを介して第二出力ギヤ11を駆動する。そして、第一電磁クラッチ8および第二電磁クラッチ9のいずれか一方をONにすることで、第一出力ギヤ10または第二出力ギヤ11からレジスト駆動ローラ143aに駆動が伝達され、レジスト駆動ローラ143aをモータ1の回転方向と同方向に回転駆動する。
一方、図9において、モータ1を反時計回り方向(CCW)に駆動することで、定着移動ギヤ21は、ローラ側へ移動する。その結果、定着移動ギヤ21の駆動連結爪21aが、定着入力ギヤ25の駆動連結穴25aに嵌り込む。これにより、定着移動ギヤ21と定着入力ギヤ25とが係合し、定着移動ギヤ21と定着入力ギヤ25とが一体で回転駆動する。そして、定着入力ギヤ25が、定着出力ギヤ26を駆動することで、定着ギヤ3が定着出力ギヤ26により駆動される。これにより、定着ローラ145は、第二定着駆動伝達経路R2から伝達された駆動力により、モータ1の回転方向とは逆方向の時計回り(CW)方向に駆動される。
また、モータ1を反時計回り(CCW)方向に駆動することで、レジスト移動ギヤ28がローラ側へ移動して、レジスト移動ギヤ28の駆動連結爪28aが第二レジスト入力ギヤ44の駆動連結穴44aに嵌り込む。これにより、レジスト移動ギヤ28と第二レジスト入力ギヤ44とが係合し、レジスト移動ギヤ28と第二レジスト入力ギヤ44とが一体で駆動する。そして、第一レジスト出力プーリ43と第一入力ギヤ6aと第二入力ギヤ6bとを備えるレジスト駆動伝達部材102が駆動される。次に、レジスト駆動伝達部材102の第一入力ギヤ6aを介して第一出力ギヤ10を駆動し、レジスト駆動伝達部材102の第二入力ギヤ6bを介して第二出力ギヤ11を駆動する。そして、第一電磁クラッチ8および第二電磁クラッチ9のいずれか一方をONにすることで、第一出力ギヤ10または第二出力ギヤ11からレジスト駆動ローラ143aに駆動が伝達され、レジスト駆動ローラ143aをモータ1の回転方向と逆方向(CW方向)に回転駆動する。
この実施例5においては、レジスト駆動ローラ143aへの駆動伝達経路が、第一レジスト駆動伝達経路E1および第一駆動伝達経路D1を経る駆動伝達経路と、第二レジスト駆動伝達経路E2および第一駆動伝達経路D1を経る駆動伝達経路と、第一レジスト駆動伝達経路E1および第二駆動伝達経路D2を経る駆動伝達経路と、第二レジスト駆動伝達経路E2および第二駆動伝達経路D2を経る駆動伝達経路の4通りある。従って、第一レジスト駆動伝達経路E1と第二レジスト駆動伝達経路E2の速度伝達比を互いに異ならせ、第一駆動伝達経路D1と第二駆動伝達経路D2の速度伝達比を互いに異ならせることにより、4通りの速度切り替えを行うことができる。これにより、より細かに紙厚に応じて、モータ1の速度を切り替えて定着ローラ145の速度を切り替えるとともに、レジストローラ対143を、二次転写ローラと所定の関係が維持された回転速度で回転させることができる。
このように、複数段、速度切替機構を設けることで、ひとつの速度切替機構で、速度切り替えを行う場合に比べて、駆動伝達経路を少なくすることができる。例えば、上段速度切替機構Eの駆動伝達経路が3、下段の速度切替機構Dの駆動伝達経路が3の場合は、6個の駆動伝達経路で3×3=9通りの速度切り替えを行うことができるのである。
また、上段速度切替機構Eの第一レジスト駆動伝達経路E1と第一レジスト駆動伝達経路E2の切り替えを、スラスト移動可能なハスバギヤたるレジスト移動ギヤで行うことができ、電磁クラッチやワンウェイクラッチを各駆動伝達経路に設ける場合に比べて、部品点数を削減することができ、装置のコストダウンを図ることができる。
また、上段速度切替機構Eにおいても、各駆動伝達経路において、それぞれ入力伝達部材(第二レジスト入力ギヤ44、第一レジスト入力プーリ)と、出力伝達部材(第一入力ギヤ6a、第二レジスト出力プーリ)とを設けることができ、2部材を用いて、速度伝達比を調整することができる。よって、上段速度切替機構Eにおいても、各駆動伝達経路の歯数を100歯以下で、相対速度比を1%以下にすることができる。
[実施例6]
図10は、実施例6に係る駆動装置30Eの概略断面図である。
この実施例6に係る駆動装置は、第一レジスト駆動伝達経路E1を第一レジスト入力ギヤ51と、第一レジストアイドラギヤ52と、第一レジスト出力ギヤ53とで構成したものである。以下の説明では、実施例5と同一の構成については、説明を省略する。
第一レジスト入力ギヤ51は、第一レジスト側固定軸t1のモータ側に回転自在に支持されており、レジスト移動ギヤ28と対向するローラ側の側面には、複数の駆動連結爪28bが嵌り込む複数の駆動連結穴51aが、駆動連結爪28bの回転軌道上に形成されている。第一入力ギヤ6a,第二入力ギヤ6bを備え、第二レジスト側固定軸t2に回転自在に支持されたレジスト駆動伝達部材102に設けられている。
第一レジスト駆動伝達経路E1を、第一レジスト入力ギヤ51と、第一レジストアイドラギヤ52と、第一レジスト出力ギヤ53で構成しギヤ数を奇数とすることで、実施例5と同様に、第一レジスト駆動伝達経路E1を介して駆動伝達したときのレジスト駆動ローラ143aの回転方向を、モータ1の回転方向と逆方向に回転駆動させることができる。これにより、モータ1をローラ側見て時計回り方向に回転させて、第二レジスト駆動伝達経路E2を介して駆動伝達したときと、モータ1をローラ側見て反時計回り方向に回転させて、第一レジスト駆動伝達経路E1を介して駆動伝達したときとで、レジスト駆動ローラ143aの回転方向を、同一の方向にすることができる。
また、定着ローラ145に駆動伝達する第一定着駆動伝達経路R1および第二定着駆動伝達経路R2の一方を、偶数のギヤ列で構成し、他方を奇数のギヤ列で構成してもよい。
[実施例7]
図11は、実施例7に係る駆動装置30Fの概略断面図である。
この実施例7に係る駆動装置は、第一レジスト駆動伝達経路E1を、内歯歯車を用いて駆動伝達を行うように構成し、第二レジスト駆動伝達経路E2を、複数の外歯ギヤが噛み合ったギヤ列で駆動伝達を行うように構成したものである。具体的には、第一レジスト駆動伝達経路E1を内歯ギヤ61と、第一レジスト出力ギヤ47とで構成し、第二レジスト駆動伝達経路E2を第二レジスト入力ギヤ44と第二レジスト出力ギヤ48とで構成した。
レジスト移動ギヤ28を回転自在に支持する第一レジスト側固定軸t1には、内歯ギヤ46と、第二レジスト入力ギヤ44とが、レジスト移動ギヤ28を挟んで対向するように回転自在に支持されている。内歯ギヤ46のレジスト移動ギヤ28と対向する側面と、第二レジスト入力ギヤ44のレジスト移動ギヤ28と対向する側面とには、駆動連結爪が嵌り込む駆動連結穴46a,44aが、駆動連結爪の回転軌道上に形成されている。
第二レジスト固定軸t2に回転自在に支持されたレジスト駆動伝達部材102は、第一レジスト出力ギヤ47、第二レジスト出力ギヤ48、第一入力ギヤ6aおよび第二入力ギヤ6bが形成されている。
この実施例7においても、実施例5、6と同様に第一レジスト駆動伝達経路E1を介して駆動伝達したときのレジスト駆動ローラ143aの回転方向を、モータ1の回転方向と逆方向に回転駆動させることができる。一方、第二レジスト駆動伝達経路E2を介して駆動伝達したときのレジスト駆動ローラ143aの回転方向を、モータ1の回転方向と同方向に回転駆動させることができる。これにより、モータ1をローラ側見て時計回り方向に回転させて、第二レジスト駆動伝達経路E2を介して駆動伝達したときと、モータ1をローラ側見て反時計回り方向に回転させて、第一レジスト駆動伝達経路E1を介して駆動伝達したときとで、レジスト駆動ローラ143aの回転方向を、同一の方向にすることができる。
また、第一レジスト駆動伝達経路E1を、内歯ギヤを用いて構成することで、第一レジスト出力ギヤ47との噛み合い部を内歯ギヤ46で覆うことができ、噛み合い部で発生する騒音を、内歯ギヤ46により遮蔽することができる。また、外歯ギヤ同士の噛み合いに比べて外歯ギヤと内歯ギヤとの噛み合いのほうが噛み合い率を上げることができ、騒音や振動の発生を抑制することができる。これにより、駆動装置の静音性を高めることができる。このため、内歯ギヤを用いた駆動伝達経路としては、使用頻度が多い普通紙のときの駆動伝達経路として用いるのが好ましい。
[実施例8]
図12は、実施例8に係る駆動装置30Gの概略断面図である。
この実施例8に係る駆動装置30Gは、実施例5の変形例であり、モータ1を、側板32のローラ側側面に取り付けるとともに、モータギヤ1aから駆動力が伝達され定着移動ギヤ21とレジスト移動ギヤ28とに駆動力を伝達する駆動入力部材45を設けたものである。この駆動入力部材45は、筒状形状をしており、内周面に内歯45aが形成され、外周面に外歯45bが形成されている。駆動入力部材45は、ブラケット31と側板32とに固定された固定軸u1に回転自在に支持されており、内歯45aにモータギヤ1aが噛み合っている。外歯45bは、はす歯であり、この外歯45bに定着移動ギヤ21とレジスト移動ギヤ28とが噛み合っている。
この実施例8においては、モータ1を、側板32のローラ側側面に取り付けることで、モータ音を側板32やブラケット31により遮ることができ、モータ1をブラケット31のローラ側と反対側の面に設ける場合に比べて、モータ音を外部に漏れ難くすることができる。これにより、装置の静音化を図ることができる。また、モータ1を、側板32のローラ側側面に取り付けることで、モータ1をブラケット31のローラ側と反対側の面に設ける場合に比べて、駆動装置を軸方向に短くすることができる。これにより、装置の小型化を図ることができる。
また、モータギヤ1aを駆動入力部材45の内歯45aに噛み合わせることで、モータギヤ1aとの噛み合い率を高めることができ、回転ムラや騒音・振動の発生を抑制することができる。
また、初段の噛み合いであるモータギヤ1aとの噛み合いが騒音の付与率が最も高い。この騒音の付与率が高い初段のモータギヤ1aとの噛み合いを内歯45aの一つにすることで、初段のモータギヤ1aに定着移動ギヤ21とレジスト移動ギヤ28とが噛み合う構成に比べて、騒音を抑制することができる。
上記実施例1〜実施例8においては、レジスト駆動ローラ143aにモータの駆動力を伝達するレジスト駆動伝達機構302に速度切替装置を設けた例について説明したが、定着ローラ145にモータの駆動力を伝達する定着駆動伝達機構301に速度切替装置を設けてもよい。
また、上記実施例5〜8においては、上段の速度切替機構Eの第一レジスト駆動伝達経路E1と第一レジスト駆動伝達経路E2との切り替えを、レジスト移動ギヤを設け、モータの正転/逆転により行っているが、これに限られない。例えば、第一レジスト駆動伝達経路E1と第二レジスト駆動伝達経路E2にクラッチなどの駆動伝達切り替え手段を設け、各レジスト駆動伝達経路の駆動伝達切り替え手段を制御して、駆動伝達経路を切り替えてもよい。かかる構成の場合は、定着駆動伝達機構301を1系統の駆動伝達経路にすることができる。また、上記実施例5〜8においては、速度切り替え機構は、2段であるが、2段以上であってもよい。また、実施例1〜8においては、速度切替機構Dは、二系統の駆動伝達経路であるが、3系統以上駆動伝達経路を設けて、そのうちのひとつから、レジストローラに駆動伝達するように構成してもよい。
以上に説明したものは一例であり、以下の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
レジスト駆動ローラ143aなどの出力対象回転体の回転速度を切り替える速度切替機構Dなどの速度切替装置において、出力対象回転体を同方向に回転させ、かつ、速度伝達比が互いに異なる複数の駆動伝達経路(本実施形態では、第一駆動伝達経路D1と第二駆動伝達経路D2)を備え、駆動伝達経路において最初に駆動力が入力される入力駆動伝達部材(第一入力ギヤ6a,第二入力ギヤ6b)と、最後に駆動力が入力される出力駆動伝達部材(第一出力ギヤ10,第二出力ギヤ11)とを、複数の駆動伝達経路それぞれに設け、かつ、複数の駆動伝達経路それぞれに駆動力を伝達する状態と駆動力の伝達を遮断する状態とを切り替え可能な駆動伝達切り替え手段(第一電磁クラッチ8,第二電磁クラッチ9)を設けた。
特許文献1に記載の速度切替装置においては、出力駆動伝達部材である変速用ギヤと噛み合って、変速用ギヤとの間で速度伝達比が決まる入力駆動伝達部材は、複数の変速用ギヤで共通の共通ギヤである。よって、一方の変速用ギヤの歯数に対して他方の変速用ギヤの歯数を1つ異ならせることで、一方の変速用ギヤから駆動伝達された出力対象回転体の速度と、他方の変速用ギヤから駆動伝達された出力対象回転体との速度との差が最小となる。従って、一方の変速用ギヤから駆動伝達された出力対象回転体の速度と、他方の変速用ギヤから駆動伝達された出力対象回転体の速度との比を、例えば、1%以下に微調整可能にするには、各変速用ギヤの歯数を100歯以上にする必要があり、各変速用ギヤの径が大径となってしまい、装置が大型化してしまう。
一方、態様1においては、入力ギヤなどの入力駆動伝達部材が、複数の駆動伝達経路でそれぞれ個別に設けている。これにより、出力ギヤなどの出力駆動伝達部材のみならず入力駆動伝達部材を互いに異ならせて、各駆動伝達経路の速度伝達比を互いに異ならせることができる。よって、出力駆動伝達部材の歯数が100歯以下でも、各駆動伝達経路の入力駆動伝達部材の歯数を調整することにより、一方の駆動伝達経路による出力対象回転体の速度と、他方の駆動伝達経路による出力対象回転体との速度との比を、1%以下にすることができる。これにより、特許文献1に記載の装置に比べて、装置の小型化を図ることができる。
また、態様1では、入力ギヤなどの入力駆動伝達部材が、複数の駆動伝達経路でそれぞれ個別に設けることができるので、一方の駆動伝達経路を、ベルト駆動伝達とし、他方の駆動伝達経路をギヤ列とするなど、駆動伝達の方式を各駆動伝達経路で互いに異ならせて、速度伝達比を1%以下に微調整することも可能となる。
また、複数の駆動伝達経路それぞれに電磁クラッチなどの駆動伝達切り替え手段を有しているので、出力対象回転体の回転速度の切り替えを、各駆動伝達経路の駆動伝達切り替え手段を制御することにより行うことができる。
(態様2)
態様1において、ギヤの噛み合いにより駆動伝達を行うギヤ駆動伝達経路と、ベルトを用いて駆動伝達を行うベルト駆動伝達経路とを備える。
これによれば、実施例2を用いて説明したように、ギヤ駆動伝達経路とギヤの歯数と、ベルト駆動伝達経路のプーリの歯数を100歯以下で、ギヤ駆動伝達経路とベルト駆動伝達経路との速度伝達比を1%以下にすることができ、ギヤやプーリの大径化を抑制することができ、装置の大型化を抑制することができる。
(態様3)
態様1において、ギヤの噛み合いにより駆動伝達を行うギヤ駆動伝達経路を複数備え、各ギヤ駆動伝達経路のギヤのモジュールを互いに異ならせた。
これによれば、実施例1で説明したように、各ギヤの歯数100歯以下で、一方の駆動伝達経路と他方の駆動伝達経路との速度伝達比を1%以下にすることができ、ギヤの大径化を抑制することができ、装置の大型化を抑制することができる。
(態様4)
態様1において、ギヤの噛み合いにより駆動伝達を行うギヤ駆動伝達経路を複数備え、各ギヤ駆動伝達経路のギヤの歯のねじれ角を互いに異ならせた。
かかる構成としても、実施例1で説明したように、各ギヤの歯数100歯以下で、一方の駆動伝達経路と他方の駆動伝達経路との相対速度比を1%以下にすることができ、ギヤの大径化を抑制することができ、装置の大型化を抑制することができる。
(態様5)
態様1において、タイミングベルトなどの歯付きベルトを用いて駆動伝達を行うベルト駆動伝達経路を複数備え、各ベルト駆動伝達経路の歯付きベルトの歯形を互いに異ならせた。
これによれば、実施例4で説明したように、各プーリの歯数100歯以下で、一方の駆動伝達経路と他方の駆動伝達経路との相対速度比を1%以下にすることができ、プーリの大径化を抑制することができ、装置の大型化を抑制することができる。
(態様6)
態様1乃至5いずれかにおいて、複数の駆動伝達経路の少なくともひとつが、特定の駆動伝達経路に対する速度伝達比の差が1%以下である。
これによれば、実施例1で説明したように、駆動伝達経路の切り替えにより、速度伝達比の差を1%以下にすることができる。
(態様7)
態様1乃至6いずれかにおいて、複数の駆動伝達経路は、入力ギヤなどの入力駆動伝達部材と、前記入力駆動伝達部材から駆動力が伝達される出力ギヤなどの出力駆動伝達部材の2部材で構成され、複数の駆動伝達経路は、入力駆動伝達部材と、前記入力駆動伝達部材から駆動力が伝達される出力駆動伝達部材と、入力駆動伝達部材または出力駆動伝達部材と同軸上に設けた駆動伝達切り替え手段のみで構成した。
これによれば、実施例1で説明したように、複数の駆動伝達経路を、第三固定軸uなどの第一軸と、レジスト軸7などの第二軸の2軸間で構成することができ、速度切替装置がラジアル方向に大型化するのを抑制することができる。
(態様8)
態様1乃至7いずれかにおいて、各駆動伝達経路の電磁クラッチなどの駆動伝達切り替え手段を同軸上に設けた。
これによれば、実施例1で説明したように、駆動伝達切り替え手段が取り付けられている軸にのみ、作業者がアクセス可能に画像形成装置などの速度切替装置が搭載される装置を構成すれば、各駆動伝達経路の駆動伝達切り替え手段の交換を行うことができる。これにより、互いに異なる回転軸に駆動伝達切り替え手段を取り付けた構成に比べて、駆動装置が搭載される装置の小型化を図ることができる。
(態様9)
態様8において、各駆動伝達経路の電磁クラッチなどの駆動伝達切り替え手段を、レジスト駆動ローラ143aなどの出力対象回転体と同軸上に設けた。
これによれば、実施例1で説明したように、元々回転可能に支持された軸に電磁クラッチなどの駆動伝達切り替え手段を設けることができ、出力対象回転体とは異なる軸に設けた場合に比べて、軸受などの部品点数を削減することができ、装置のコストアップを抑制することができる。
(態様10)
態様1乃至7いずれかにおいて、複数の駆動伝達切り替え手段のうちの少なくとも一つを、他の駆動伝達切り替え手段とは別の軸上に設けた。
これによれば、実施例3で説明したように、各駆動伝達経路の電磁クラッチなどの駆動伝達切り替え手段を同軸上に配置した場合に比べて、装置を軸方向に小型化することができる
(態様11)
態様1乃至10いずれかにおいて速度伝達比が互いに異なる複数の駆動伝達経路を備えた速度切替部を、複数段設けた。
これによれば、実施例5で説明したように、複数段速度切替部を設けることで、ひとつの速度切替部で、速度切り替えを行う場合に比べて、設ける駆動伝達経路の数を削減することができる。これにより、装置の大型化を抑制することができる。
(態様12)
態様11において、複数速度切り替え部のうちのひとつが、二系統の駆動伝達経路(本実施形態では、第一レジスト駆動伝達経路E1と第二レジスト駆動伝達経路E2)を備え、モータ1などの駆動源の正転時と逆転時とで、前記二系統の駆動伝達経路の間でスラスト方向の異なる向きに移動して、前記二系統の駆動伝達経路のうちの一方の駆動伝達経路または他方の駆動伝達経路に前記駆動源からの回転駆動力を伝達する回転可能なレジスト移動ギヤ28などの移動回転部材とを有する上段速度切替機構Eなどのスラスト速度切り替え部である。
これによれば、実施例5で説明したように、二系統の駆動伝達経路の切り替えを、モータ1などの駆動源の正転時と逆転時とで、二系統の駆動伝達経路の間でスラスト方向の異なる向きに前記移動回転部材を移動させることで行うことができる。これにより、各駆動伝達経路に電磁クラッチやワンウェイクラッチを設けて、駆動伝達経路を切り替える場合に比べて、部品点数を削減することができ、装置のコストダウンを図ることができる
(態様13)
態様12において、上段速度切替機構Eなどのスラスト速度切り替え部の二系統の駆動伝達経路は、駆動力を出力するレジスト駆動伝達部材102などの出力駆動伝達部材の回転方向がモータ1などの駆動源の回転方向と同じになる第二レジスト駆動伝達経路E2などの駆動伝達経路と、前記出力駆動伝達転部材の回転方向が前記駆動源の回転方向と逆になる第一レジスト駆動伝達経路E2などの駆動伝達経路とである。
これによれば、実施例5などで説明したように、モータ1などの駆動源の回転方向によらず、レジスト駆動ローラ143aなどの出力対象回転体を、一方の方向に回転させることができる。
(態様14)
態様13において、上段速度切替機構Eなどのスラスト速度切り替え部の前記二系統の駆動伝達経路のうち、一方は複数のプーリによって回転可能に張架された第二レジストタイミングベルト42などのベルト部材を用いて駆動伝達を行うように構成しており、他方は複数のギヤ部材が噛み合ったギヤ列で駆動伝達を行うように構成した。
これによれば、実施例5で説明したように、モータ1などの駆動源の回転方向によらず、レジスト駆動ローラ143aなどの出力対象回転体を、一方の方向に回転させることができる。
(態様15)
態様13において、上段速度切替機構Eなどのスラスト速度切り替え部の前記二系統の駆動伝達経路のうち、一方は駆動伝達部材の数が偶数であり、他方は駆動伝達部材の数が奇数である。
上記構成とすることでも、実施例6で説明したように、モータ1などの駆動源の回転方向によらず、レジスト駆動ローラ143aなどの出力対象回転体を、一方の方向に回転させることができる。
(態様16)
態様13において、上段速度切替機構Eなどのスラスト速度切り替え部の前記二系統の駆動伝達経路のうち、一方は内歯歯車を用いて駆動伝達を行うように構成しており、他方は外歯歯車のみで駆動伝達を行うように構成した。
上記構成とすることでも、実施例7で説明したように、モータ1などの駆動源の回転方向によらず、レジスト駆動ローラ143aなどの出力対象回転体を、一方の方向に回転させることができる。
(態様17)
モータ1などの駆動源を備え、該駆動源の駆動力を複数の出力対象回転体(本実施形態では、定着ローラ145、レジスト駆動ローラ143a)に駆動力を伝達する駆動装置において、各出力対象回転体に対応して設けられた複数の駆動伝達機構の少なくとも一つは、速度切替手段を備え、前記速度切替手段として、態様1乃至16いずれかの速度切替装置を用いた。
これによれば、実施形態で説明したように、ある出力対象回転体を、駆動源の駆動力により定速で回転させつつ、別の出力対象回転体の回転速度を切り替えることができる。
(態様18)
態様17において、モータ1などの駆動源の速度を切り替えたとき、速度切替手段により速度を切り替える。
これによれば、実施形態で説明したように、ある出力対象回転体を、駆動源の駆動力により定速で回転させつつ、別の出力対象回転体の回転速度を切り替えることができる。
(態様19)
態様17または18において、モータ1などの駆動源の出力軸に設けられたモータギヤ1aなどの出力ギヤ部材と噛み合う内歯歯車を備えた。
これによれば、実施例8で説明したように、出力ギヤ部材との噛み合い率を高めることができ、回転ムラや騒音・振動の発生を抑制することができる。
(態様20)
画像を形成する画像形成手段と、複数の出力回転体を駆動する駆動手段とを備えた画像形成装置において、前記駆動手段として、態様17乃至19いずれかの駆動装置を用いた。
これによれば、定速で回転させるレジスト駆動ローラ143aなどの出力対象回転体と、紙厚などにより速度を切り替える定着ローラ145などの出力対象回転体とをひとつの駆動源で駆動させることができる。これにより、定速で回転させる出力対象回転体を駆動する駆動源と、紙厚などにより速度を切り替える出力対象回転体を駆動する駆動源とを別々に設ける装置に比べて、モータ騒音を低減することができ、装置の静音化を図ることができる。また、モータ数を削減することができ、装置のコストダウンや、装置の小型化を図ることができる。
(態様21)
態様20において、画像を形成する記録媒体の種類に応じて、複数の出力対象回転体のうちの少なくともひとつの回転速度を切り替える。
これにより、記録媒体の種類に応じた最適な画像形成条件で記録媒体に画像を形成することができ、記録媒体に良好な画像を形成することができる。
1 モータ
1a モータギヤ
2 定着アイドラギヤ
2a 第一外歯ギヤ
2b 第二外歯ギヤ
3 定着ギヤ
4 レジストアイドラギヤ
5 レジスト入力ギヤ
6a 第一入力ギヤ
6b 第二入力ギヤ
7 レジスト軸
8 第一電磁クラッチ
9 第二電磁クラッチ
9a 駆動爪
9b アーマチュア
9c ロータ部
9d 電磁コイル部
9e 軸固定部
9f 駆動連結部材
10 第一出力ギヤ
11 第二出力ギヤ
11a 駆動連結穴
12a 第一レジストギヤ
12b 第二レジストギヤ
13 第一アイドラギヤ
15 第二入力プーリ
16 第二タイミングベルト
17 第二出力プーリ
18 第一入力プーリ
19 第一出力プーリ
20 第一タイミングベルト
21 定着移動ギヤ
21a,21b 駆動連結爪
22 定着入力プーリ
22a 駆動連結穴
23 定着タイミングベルト
24 定着出力プーリ
25 定着入力ギヤ
25a 駆動連結穴
26 定着出力ギヤ
28 レジスト移動ギヤ
28a,28b 駆動連結爪
30 駆動装置
31 ブラケット
32 側板
41 第一レジスト入力プーリ
41a 駆動連結穴
42 第一レジストタイミングベルト
43 第一レジスト出力プーリ
44 第二レジスト入力ギヤ
44a 駆動連結穴
45 駆動入力部材
45a 内歯
45b 外歯
46 内歯ギヤ
47 第一レジスト出力ギヤ
48 第二レジスト出力ギヤ
51 第一レジスト入力ギヤ
52 第一レジストアイドラギヤ
53 第一レジスト出力ギヤ
61 内歯ギヤ
70 二次転駆動装置
71 二次転モータ
101 定着駆動伝達出力部材
102 レジスト駆動伝達部材
140 定着装置
143 レジストローラ対
143a レジスト駆動ローラ
143b レジスト従動ローラ
145 定着ローラ
145b 定着軸
178 二次転写ローラ
179 中間転写ベルト
301 定着駆動伝達機構
302 レジスト駆動伝達機構
D 速度切替機構
D1 第一駆動伝達経路
D2 第二駆動伝達経路
E 上段速度切替機構
E1 第一レジスト駆動伝達経路
E2 第二レジスト駆動伝達経路
P 記録紙
R1 第一定着駆動伝達経路
R2 第二定着駆動伝達経路
S 第一固定軸
S1 第一定着側固定軸
S2 第二定着固定軸
t 第二固定軸
t1 第一レジスト側固定軸
t2 第二レジスト固定軸
u 第三固定軸
U1 固定軸
特開2015−69061号公報

Claims (18)

  1. 出力対象回転体の回転速度を切り替える速度切替装置において
    度伝達比が互いに異なる複数の駆動伝達経路を備える速度切り替え部を複数有し、
    複数の前記速度切り替え部のうちの少なくともひとつは、出力対象回転体を同方向に回転させ、かつ、速度伝達比が互いに異なる複数の駆動伝達経路を備える第一速度切り替え部であり、
    前記第一速度切り替え部は、駆動伝達経路において最初に駆動力が入力される入力駆動伝達部材と、最後に駆動力が入力される出力駆動伝達部材とを、複数の駆動伝達経路それぞれに設け、かつ、複数の駆動伝達経路それぞれに駆動力を伝達する状態と駆動力の伝達を遮断する状態とを切り替え可能な駆動伝達切り替え手段を設けたものであり、
    前記速度切り替え部を、複数段設け、
    複数段の前記速度切り替え部のうちのひとつが、二系統の駆動伝達経路を備え、駆動源の正転時と逆転時とで、前記二系統の駆動伝達経路の間でスラスト方向の異なる向きに移動して、前記二系統の駆動伝達経路のうちの一方の駆動伝達経路または他方の駆動伝達経路に前記駆動源からの回転駆動力を伝達する回転可能な移動回転部材とを有するスラスト速度切り替え部であり、
    前記スラスト速度切り替え部の前記二系統の流駆動伝達経路は、前記出力駆動伝達部材の回転方向が前記駆動源の回転方向と同じになる駆動伝達経路と、前記出力駆動伝達部材の回転方向が前記駆動源の回転方向と逆になる駆動伝達経路とであることを特徴とする速度切替装置
  2. 請求項1に記載の速度切替装置において、
    前記第一速度切り替え部は、ギヤの噛み合いにより駆動伝達を行うギヤ駆動伝達経路と、ベルトを用いて駆動伝達を行うベルト駆動伝達経路とを備えることを特徴とする速度切替装置。
  3. 請求項1に記載の速度切替装置において、
    前記第一速度切り替え部は、ギヤの噛み合いにより駆動伝達を行うギヤ駆動伝達経路を複数備え、各ギヤ駆動伝達経路のギヤのモジュールを互いに異ならせたことを特徴とする速度切替装置。
  4. 請求項1に記載の速度切替装置において、
    前記第一速度切り替え部は、ギヤの噛み合いにより駆動伝達を行うギヤ駆動伝達経路を複数備え、各ギヤ駆動伝達経路のギヤの歯のねじれ角を互いに異ならせたことを特徴とする速度切替装置。
  5. 請求項1に記載の速度切替装置において、
    前記第一速度切り替え部は、歯付きベルトを用いて駆動伝達を行うベルト駆動伝達経路を複数備え、
    各ベルト駆動伝達経路の歯付きベルトの歯形を互いに異ならせたことを特徴とする速度切替装置。
  6. 請求項1乃至5いずれかに記載の速度切替装置において、
    前記第一速度切り替え部は、複数の駆動伝達経路の少なくともひとつが、特定の駆動伝達経路に対する速度伝達比の差が1%以下であることを特徴とする速度切替装置。
  7. 請求項1乃至6いずれかに記載の速度切替装置において、
    前記第一速度切り替え部は、複数の駆動伝達経路が、前記入力駆動伝達部材、前記出力駆動伝達部材および前記駆動伝達切り替え手段のみで構成したことを特徴とする速度切替装置。
  8. 請求項1乃至7いずれかに記載の速度切替装置において、
    前記第一速度切り替え部は、各駆動伝達経路の駆動伝達切り替え手段を同軸上に設けたことを特徴とする速度切替装置。
  9. 請求項8に記載の速度切替装置において、
    各駆動伝達経路の出力駆動伝達部材と、各駆動伝達経路の駆動伝達切り替え手段とを出力対象回転体と同軸上に設けたことを特徴とする速度切替装置。
  10. 請求項1乃至7いずれかに記載の速度切替装置において、
    前記第一速度切り替え部は、複数の駆動伝達切り替え手段のうちの少なくとも一つを、他の駆動伝達切り替え手段とは別の軸上に設けたことを特徴とする速度切替装置。
  11. 求項1乃至10いずれかに記載の速度切替装置において、
    前記スラスト速度切り替え部の前記二系統の駆動伝達経路のうち、一方は複数のプーリによって回転可能に張架されたベルト部材を用いて駆動伝達を行うように構成しており、他方は複数のギヤ部材が噛み合ったギヤ列で駆動伝達を行うように構成したことを特徴とする速度切替装置。
  12. 請求項1乃至11いずれかに記載の速度切替装置において、
    前記スラスト速度切り替え部の前記二系統の駆動伝達経路のうち、一方は駆動伝達部材の数が偶数であり、他方は駆動伝達部材の数が奇数であることを特徴とする速度切替装置。
  13. 請求項1乃至12いずれかに記載の速度切替装置において、
    前記スラスト速度切り替え部の前記二系統の駆動伝達経路のうち、一方は内歯歯車を用いて駆動伝達を行うように構成しており、他方は外歯歯車のみで駆動伝達を行うように構成したことを特徴とする速度切替装置。
  14. 駆動源を備え、該駆動源の駆動力を複数の出力対象回転体に駆動力を伝達する駆動装置において、
    各出力対象回転体に対応して設けられた複数の駆動伝達機構の少なくとも一つは、速度切替手段を備え、
    前記速度切替手段として、請求項1乃至13いずれかに記載の速度切替装置を用いたことを特徴とする駆動装置。
  15. 請求項14に記載の駆動装置において、
    前記駆動源の速度を切り替えたとき、前記速度切替手段により速度を切り替えることを特徴とする駆動装置。
  16. 請求項14または15に記載の駆動装置において、
    前記駆動源の出力軸に設けられた出力ギヤ部材と噛み合う内歯歯車を備えたことを特徴とする駆動装置。
  17. 画像を形成する画像形成手段と、
    複数の出力回転体を駆動する駆動手段とを備えた画像形成装置において、
    前記駆動手段として、請求項14乃至16いずれかに記載の駆動装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  18. 請求項17に記載の画像形成装置において、
    画像を形成する記録媒体の種類に応じて、複数の出力対象回転体のうちの少なくともひとつの回転速度を切り替えることを特徴とする画像形成装置。
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