JP6692220B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents

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Description

本発明は、ガソリンエンジン等の内燃機関に用いられる燃料噴射弁であって、弁体が弁座と当接することで燃料の漏洩を防止し、弁体が弁座面から離れることによって噴射を行なう、燃料噴射弁に関する。
近年、自動車の排ガス規制が強化されており、この排ガス規制の強化に対応するため、筒内壁面(燃焼室内)や燃料噴射弁先端への液体燃料の付着低減が求められている。特に燃料噴射弁先端へ燃料が付着すると不完全燃焼によってデポジットが発生し、噴霧性能の変化や、未燃粒子状物質の発生要因となることが課題となっている。
これに対して、特許文献1では、噴射開口において燃料噴流と流出領域の内壁の間に容積を有することで、噴射開口に対する燃料付着を阻止する技術が開示されている。特許文献2では、拡散領域の中心軸をガイド領域の中心軸よりも燃料噴射弁の中心軸から遠い側に偏心することで、噴霧と壁面の干渉を回避する技術が開示されている。
特表2006−510849号公報 特開2014−001660号公報
上記従来技術においては、噴霧と壁面の干渉を回避することにより、燃料噴射弁先端への燃料付着を回避するザグリ形成の技術が公開されている。一方で、噴霧中に燃料噴射弁の先端近傍で細かな液滴に***して飛散する燃料液滴が、燃料噴射弁の先端に付着することについては考慮されていない。
そこで、本発明の目的は、噴霧中に飛散する燃料液滴が燃料噴射弁の先端へ付着する量を低減できる燃料噴射弁を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の燃料噴射弁は、
弁体と、前記弁体と当接して燃料をシートする弁座面と、前記弁座面と前記弁体とが当接する位置よりも下流側に形成された燃料噴射孔と、前記燃料噴射孔よりも下流側に形成された孔形成部と、を有する燃料噴射弁において、
前記孔形成部は、前記台座面を有するシート部材に形成され、前記燃料噴射孔から下流側に向かって段状に拡がり、前記シート部材の外側面に開口し、
前記燃料噴射孔を下流方向から見て、前記孔形成部の内周部のシート側の壁面と前記燃料噴射孔の中心軸との成す距離が、前記燃料噴射弁の中心軸の側の前記孔形成部の壁面とが成す距離に対して小さくなるように構成された。
本発明によれば、噴霧中に飛散する燃料液滴が燃料噴射弁の先端へ付着する量を低減できる燃料噴射弁を提供することが可能となる。本発明の上記した以外の構成、作用、効果については、以下の実施例において詳細に説明する。
本発明に係る燃料噴射弁の実施例を示す断面図である。 本発明に係る燃料噴射弁の先端の実施例を示す断面図である。 本発明の第1実施例に係る燃料噴射弁の燃料噴射孔とザグリ近傍の断面図である。 本発明の第1実施例に係る燃料噴射孔とザグリの位置関係を説明するための図である。 本発明の第1実施例に係る燃料噴射孔とザグリ近傍の燃料流れを説明するための図である。 本発明の第1実施例に係る燃料噴射孔の傾斜角度の変化に対する最適構造を説明するための図である。 本発明の第1実施例との比較のための本実施例を適用しない構造における燃料流れを説明するための図である。 本発明の第2実施例に係る燃料噴射弁の燃料噴射孔とザグリ近傍の断面図である。 本発明の第3実施例に係る燃料噴射弁の燃料噴射孔とザグリ近傍の断面図である。 本発明の第4実施例に係る燃料噴射孔とザグリ形状近傍を説明するための図である。
以下、本発明に係る実施例を説明する。
本発明の第1の実施例に係る燃料噴射弁について、図1から図7を用いて以下説明する。
図1は、本発明に係わる燃料噴射弁の例として、電磁式燃料噴射弁の例を示す断面図である。図2は、本発明に係る燃料噴射弁の先端を拡大した断面図である。図3は、本実施例に係る燃料噴射弁の燃料噴射孔とザグリ近傍の断面図である。図4は、図3において燃料噴射孔に対してザグリが偏心していることを説明する図である。図5は、本実施例における燃料流れと発明の効果を説明するための図である。図6は、燃料噴射孔の傾斜角度に対する最適なザグリ偏心方向を説明するための図である。図7は、本実施例を適用しない構造における燃料流れを説明するための図である。図1に示した電磁式燃料噴射弁100は、筒内直接噴射式のガソリンエンジン向けの電磁式燃料噴射弁の例であるが、本発明の効果は、ポート噴射式のガソリンエンジン向けの電磁式燃料噴射弁や、ピエゾ素子や磁歪素子で駆動される燃料噴射弁においても有効である。
[電磁式燃料噴射弁の基本動作]
図1において、燃料は燃料供給口112から供給され、燃料噴射弁の内部に供給される。図1に示す電磁式燃料噴射弁100は、通常時閉型の電磁駆動式であって、コイル108に通電がないときには、弁体101がスプリング110によって付勢されてシート部材102に押し付けられ、燃料がシールされるようになっている。弁体101は燃料噴射弁100の軸方向に変位可能である。このとき、エンジンの筒内に直接、燃料を噴射する筒内噴射型燃料噴射弁では、供給される燃料圧力がおよそ1MPaから50MPaの範囲である。
図2は燃料噴射弁の先端を拡大した断面図である。ノズル体104は、弁体101の外周側に配置され、燃料の流路を形成する部材である。ノズル体104にはシート部材102の外周部が下流方向からの溶接ビームにより溶接で接合される。なお、このシート部材102のノズル対104への固定方法は溶接に限ったものではなく、ネジ止めや圧入であっても良い。シート部材102の弁体101との対向面には、円錐形状の弁座面203が形成される。
電磁式燃料噴射弁100が閉弁状態にあるときには、弁体101の先端部がシート部材102の弁座面203と当接することによって燃料のシールを保つようになっている。シート部材102の先端には燃料噴射孔201が設けられる。より具体的には、シート部材102には、弁体101との当接部(当接位置)よりも下流側において、燃料噴射孔201が設けられる。本実施例の燃料噴射孔201は打ち抜き加工により、ほぼ円筒形状の燃料噴射孔201が形成され、そして、燃料噴射孔201よりも下流側において、燃料噴射孔201よりも大径のザグリ202が打ち抜き加工により形成されることによって燃料噴射孔201の長手方向の長さが調整される。以下においては、202をザグリと呼ぶが、単に凹み部と呼んでも良いし、孔形成部と呼んでも良い。本実施例では打ち抜き加工により燃料噴射孔201を形成する方法を説明したが、本発明はこれに限定される訳では無く、たとえばレーザ加工により形成しても良い。
図1に示したコネクタ111を介してコイル108に通電されると、電磁弁の磁気回路を構成するコア(固定コア)107、ヨーク109、アンカー106に磁束密度が生じる。そして、コア107とアンカー106の間には非通電時において空隙が形成されており、コア107にアンカー106が吸引されるような磁気吸引力が生じる。アンカー106には下流方向に向かってスプリング110の付勢力と前述の燃料圧力による付勢力がかかっているが、通電による磁気吸引力がこれらの付勢力よりも大きくなると、アンカー106がコア107に向かって移動する。
弁体101は下流部においてガイド部材103によりガイドされ、上流部においてガイド部103とは別体で構成された弁体ガイド105にガイドされる。なお、ガイド部材103、弁体ガイド105もノズル体104の内周部により固定支持される。アンカー106は弁体101とは別体で独立して構成され、内周側に形成された弁体挿入穴に弁体101のロッド部が挿入される。また弁体101の上流部にはロッド部よりも外径の大きいつば部が形成されており、非通電状態の閉弁時においては、このつば部がアンカー106の弁体支持部に接触することで、アンカー106を付勢し、アンカー106とコア107との空隙を形成する。
一方で、コイル108に通電されると磁気吸引力によりアンカー106がコア107の側に吸引され、このときアンカー106の弁体支持部と弁体101のつば部が係合して、弁体101をコア107の側に付勢するため、開弁状態とすることができる。
開弁状態となると、弁座面203と弁体101の当接部に隙間(ストローク)を生じ、燃料の噴射が開始される。燃料の噴射が開始されると、燃料圧力として与えられたエネルギは運動エネルギに変換されて燃料噴射孔201に至り、図示していないが、エンジンの筒内に向かって噴射される。
[燃料噴射孔の詳細な形状]
次に、燃料噴射孔201とザグリ202の詳細な形状について図3及び図4を用いて説明する。
図3は、燃料噴射孔201とザグリ201の拡大断面図である。本実施例において、シート部材102に設けられた燃料噴射孔201は、燃料噴射孔201の下流側(出口側)に設けられたザグリ202aと、さらにザグリ202aの下流側(出口側)に設けられた第二のザグリ202bと、により噴射孔長さが調整される。燃料噴射孔201の噴射孔長さは、燃料噴射孔201の入口面中心と出口面中心とを結ぶ線の長さで定義される。
燃料噴射孔の中心軸211は燃料噴射弁の中心軸210に対してθの傾斜を持つ。燃料噴射孔の中心軸211と、ザグリ202aのシート側の側壁面とが成す距離をL1a、燃料噴射弁の中心軸210側の側壁面とが成す距離をL2aとして矢印で図示している。ここで、シート側とは弁体101とシート部材102の弁座面203との当接部が構成される方向を意味している。また、燃料噴射孔の中心軸211と、ザグリ202bのシート側の側壁面とが成す距離をL1b、燃料噴射弁の中心軸210側の側壁面とが成す距離をL2bとして矢印で図示している。
図4は燃料噴射孔出口側から見た、燃料噴射孔201とザグリ202aと202bの位置関係を説明するための図である。燃料噴射孔201とザグリ202a及び202bで構成されている。また、図3と同様に燃料噴射孔の中心軸211とザグリの側壁面が成す距離L1a、L2a、L1b、L2bを矢印で図示している。
図3と図4を用いて本実施例の構造による作用、効果を説明する。図3に示したように、燃料噴射孔201は、その下流側にザグリ202aが形成され、さらにザグリ202aの下流側に第二のザグリ202bが形成される。そして燃料噴射孔201に対して、燃料噴射孔の中心軸211とザグリ202aの内周部のシート側の壁面との成す距離L1a、中心軸210の側の壁面とが成す距離L2aの関係がL1a<L2aとなるように構成する。つまり、図4に示すように、燃料噴射孔201に対して、ザグリ202aが燃料噴射弁の中心軸210側に偏心させる。
また、本実施例では、ザグリ202aの下流側のザグリ202bについても同様に中心軸210の側に偏心させる。つまり、燃料噴射孔201に対して、燃料噴射孔の中心軸211とザグリ202bの内周部のシート側の壁面との成す距離とが成す距離L1b、中心軸210の側の壁面とが成す距離L2bの関係がL1b<L2bとなるように構成する。
ザグリ202a、またはザグリ202bを偏心させたことによる作用、効果は以下に説明するが、本発明はザグリ202aだけでも同様の作用、効果を得ることができ、必ずしもザグリ202a及びザグリ202bに限定される訳ではない。
[本実施例の流れ、効果]
上記のように燃料噴射孔及びザグリを構成したことによる作用効果を、図5から図7を用いて説明する。
図5は、本実施例における燃料と空気の流れ及び発明の効果を説明するための図である。燃料の供給が開始されると、燃料は301のように主にシート側から供給される。このとき、燃料噴射弁の中心軸210に対する燃料噴射孔201の中心軸211の傾斜角θが大きい場合(例えば図のθでは20°から90°の範囲)、燃料噴射孔201のシート側では燃料噴射孔壁面と弁座面203が成す噴孔縁の角度205が小さくなり、流入した燃料が燃料噴射孔の壁面に付着しにくくなるため、はく離領域310が生じる。はく離領域310が生じると、燃料噴射孔201の内部へ空気が侵入する虞が生じる。またはく離領域310によりキャビテーションが生じ燃料の流れの乱れを発生させる虞がある。そしてこれらの現象により気液界面で流れの乱れが発生し、液滴への***が促進される。
これにより、噴霧領域302以外の領域に飛散する液滴306が多く発生する。この液滴が壁面に付着することで、一段目のザグリ202aの角部に付着した燃料303や、二段目のザグリ202bの角部に付着した燃料304、燃料噴射弁の先端に付着した305が形成されることが問題となる。
そこで、本実施例では図3、4に示したように、燃料噴射弁の中心軸210に向かってザグリ202a、または202bを偏心させる。つまり、燃料が付着しやすい側、つまりはく離領域301の発生しやすい側に対して、ザグリ(202a、202b)のシート側の壁面を噴霧領域302と近づける。
より具体的には、燃料噴射弁の中心軸210に対する燃料噴射孔201の中心軸211の傾斜角θが所定値以上(たとえば20°以上)であった場合に、燃料噴射孔201を下流方向から見て、燃料噴射孔201の下流側に設けられた孔形成部(ザグリ202a、202b)の内周部のシート側の壁面と燃料噴射孔201の中心軸211との成す距離(L1a、L1b)が、燃料噴射弁の中心軸210の側の孔形成部(ザグリ202a、202b)の壁面とが成す距離(L2a、L2b)に対して小さくなるように構成する。つまり、L1a<L2a、又はL1b<L2bの関係となる。
なお、本発明者らの鋭意検討の結果によれば、はく離が生じる傾斜角θの上限値はだいたい90°付近であることがわかっている。したがって、本実施例を適用する傾斜角θの所定範囲はおよそ20°〜90°程度であることが望ましい。
別の言い方をすると燃料噴射弁の中心軸210に対する燃料噴射孔201の中心軸211の傾斜角θが所定範囲(20°≦θ≦90°)であった場合には、燃料噴射孔201を中心軸211の下流方向から見て、燃料噴射孔201の下流側に設けられた孔形成部(ザグリ202a、202b)の内周部の壁面において、シート側の壁面がはく離し易い側の壁面であり、燃料噴射弁の中心軸210の側の孔形成部(ザグリ202a、202b)の壁面ははく離し難い側の壁面であると言える。
したがって、燃料噴射孔201を中心軸211の下流方向から見て、燃料噴射孔201の下流側に設けられた孔形成部(ザグリ202a、202b)の内周部の壁面において、はく離し易い側の孔形成部(ザグリ202a、202b)の壁面と燃料噴射孔201の中心軸211との成す距離(L1a、L1b)が、はく離し難い側の孔形成部(ザグリ202a、202b)の壁面と燃料噴射孔201の中心軸211との成す距離(L2a、L2b)に対して小さくなるように構成するといっても良い。
これにより、飛散した液滴306や付着燃料303、304、305を、噴霧領域302が誘起する気流311、312によって噴霧に巻き込んで吹き飛ばしやすくしている。したがって、孔形成部(ザグリ202a、202b)や燃料噴射弁先端への付着燃料(303、304、305)の量を低減することが可能となる。
ザグリ202aの偏心によりザグリ内での付着燃料303を低減することができ、またザグリ202bの偏心によりザグリ内での付着燃料304と燃料噴射弁先端への付着燃料305を低減することができる。付着燃料305は燃料噴射孔201の最下流側出口面の外周側近傍に付着する燃料と言っても良い。
以上においては燃料噴射孔内のシート側において、はく離が生じる場合について説明した。一方で、図6のようにθが小さい、もしくは燃料噴射孔が燃料噴射弁の中心軸210方向に向かって開口している場合、燃料噴射孔201bの内部において、図5とは逆に燃料噴射弁の中心軸210側において燃料噴射孔壁面と弁座面203が成す噴孔縁の角度206が小さくなり、流入する燃料が燃料噴射孔の壁面に付着しにくくなるため、はく離310bが生じる。
この場合、図6には図示していないが、図5のザグリ202aの角部に付着した燃料303、ザグリ202bの角部に付着した燃料304、燃料噴射弁の先端に付着した燃料305が、それぞれ図5とは逆に燃料噴射弁の中心軸210の側に付着する虞がある。そこで、これに対しては、シート側に向かってザグリ202a、または202bを偏心させる。
つまり燃料噴射孔の中心軸211bとザグリ202cの内周部のシート側の壁面との成す距離とが成す距離L1a、中心軸210の側の壁面とが成す距離L2aの関係がL1a>L2aとなるように構成する。また一方で、燃料噴射孔の中心軸211bとザグリ202dの内周部のシート側の壁面との成す距離とが成す距離L1b、中心軸210の側の壁面とが成す距離L2bの関係がL1b>L2bとなるように構成する。これにより、それぞれの付着燃料を、噴霧領域が誘起する気流によって噴霧311、312に巻き込んで吹き飛ばしやすくしている。
つまり、燃料噴射弁の中心軸210に対する燃料噴射孔201の中心軸211の傾斜角θが所定値未満(θ<20°)であった場合には、燃料噴射孔201を中心軸211の下流方向から見て、燃料噴射孔201の下流側に設けられた孔形成部(ザグリ202a、202b)の内周部のシート側の壁面と燃料噴射孔201の中心軸211との成す距離(L1a、L1b)が、燃料噴射弁の中心軸210の側の孔形成部(ザグリ202a、202b)の壁面とが成す距離(L2a、L2b)に対して大きくなるように構成する。つまり、L1a>L2a、又はL1b>L2bの関係となる。
図7は、本実施例と比較するための、本実施例を適用しない構造における燃料と空気の流れを説明する図である。図7の構造では燃料噴射孔201とザグリ202e、202fの中心軸が一致している。実施例と比較して、はく離領域310側において噴霧領域302とザグリの側壁面の隙間が大きいため、噴霧によって誘起される気流311bの速度は小さい。また、噴霧によって誘起される気流の速度は噴霧領域302の近傍が最も大きく、噴霧領域302から離れるほど気流の速度が小さくなる。
図7の構造では燃料付着位置303b、304b、305bと噴霧領域302との距離が本実施例よりも遠い。そのため、図7の構造では付着位置における気流311b、312によって付着燃料を吹きとばす力が本実施例よりも弱い。つまり、燃料噴射孔内で流れ場がはく離する側に対して、噴霧領域とザグリ壁面を近づけることが付着燃料量の低減には重要となる。
また、図7の構造において、単にザグリ径を狭くすることで燃料噴射孔の中心軸とザグリ側壁面の距離を小さくすることが可能である。しかしながら、噴霧は燃料噴射孔の中心軸に対して対称であるとは限らず、噴霧がザグリの角等に接触することを考えると、ザグリ径を変更できる自由度は低くなる。噴霧干渉を回避するようにザグリ径を最適化した上で、本実施例により、さらに燃料付着量を低減するためのザグリ位置の最適化が可能となる。
なお、シート部材102に複数の燃料噴射孔201が形成される場合には、複数の燃料噴射孔201のうち、燃料噴射弁の中心軸210に対する燃料噴射孔201の中心軸211の傾斜角θが所定値以上(たとえば20°以上)の燃料噴射弁に対して、図3、4で示した偏心を行うことが望ましい。つまり、傾斜角θが所定の大きな範囲(20°〜90°)である場合には、その関係にある燃料噴射孔201を下流方向から見て、燃料噴射孔201の下流側に設けられた孔形成部(ザグリ202a、202b)の内周部のシート側の壁面と燃料噴射孔201の中心軸211との成す距離(L1a、L1b)が、燃料噴射弁の中心軸210の側の孔形成部(ザグリ202a、202b)の壁面とが成す距離(L2a、L2b)に対して小さくなるように構成する。
全ての複数の燃料噴射弁の傾斜角θが大きな範囲にあれば、全ての燃料噴射弁の孔形成部(ザグリ202a、202b)に対して、同じように偏心させても良い。
一方で複数の燃料噴射孔のうち、当該燃料噴射弁の中心軸210に対する燃料噴射孔201bの中心軸211bの傾斜角θが所定値未満(たとえば20°未満)の燃料噴射孔201bは、燃料噴射孔201bを下流方向から見て、孔形成部(ザグリ202c、202d)の内周部のシート側の壁面と当該燃料噴射孔201bの中心軸211bとの成す距離が、燃料噴射弁の中心軸210の側の孔形成部(ザグリ202c、202d)の壁面とが成す距離に対して大きくなるように構成する。あるいは同じになるように構成しても良い。
以上の本実施例によれば、噴霧が誘起する気流によって、噴霧中に飛散した燃料液滴及び燃料噴射弁先端に付着した燃料を効率よく吹き飛ばすことが可能となる。したがって、燃料噴射弁先端に付着する燃料を低減でき、排気性能を高めた内燃機関を実現する燃料噴射弁を提供できる。
本発明の第2の実施例に係わる燃料噴射弁について、図8を用いて以下説明する。図8は本実施例における燃料噴射弁の弁体の構成を示す断面図であり、図3と同一の番号が割り当てられているものは、実施例1と同一もしくは同等の機能を有するものである。
第1の実施例とは、燃料噴射弁201の下流に設けられる孔形成部(ザグリ202g)が一段になっている点が異なる。ザグリが1段になった場合でも、燃料噴射孔内のはく離位置と、L1aとL2aの関係が実施例1で説明した条件を満たしていれば、本発明の効果が得られる。
本発明の第3の実施例に係わる燃料噴射弁について、図9を用いて以下説明する。図9は本実施例における燃料噴射弁の弁体の構成と燃料の流れ場を示す断面図であり、図3と同一の番号が割り当てられているものは、実施例1と同一もしくは同等の機能を有するものである。
第1の実施例とは、燃料噴射弁201の下流に設けられるザグリ202hまたはザグリ202iの側壁面と端面の接続部にR加工が施されている点が異なる。前記接続部にR加工が施されている。具体的には孔形成部(ザグリ202h、202i)のそれぞれにおいて、上流側端面と壁面とが繋がる接続部がR部となるように構成される。これにより、付着燃料303cまたは304cが表面張力によって薄く広がりやすくなるため、噴霧領域302とザグリの間で誘起される気流311cと、付着燃料303cまたは304cとの接触する面積が増加し、気流311cに引っ張られて除去されやすくなる。
本発明の第4の実施例に係わる燃料噴射弁について、図10を用いて以下説明する。図10は本実施例における燃料噴射弁のザグリ形状の例を示す図である。
第1の実施例とは、ザグリ202jが異なる曲率を持つ二つの曲線によって構成されており、これによりL1a<L2aを成している点が異なる。つまり燃料噴射孔201を下流方向から見て、孔形成部202jの断面形状が異なる曲率を持つ複数の曲線から形成され、これによりL1a<L2aを成している。このように、ザグリ形状により燃料噴射孔201の中心軸とザグリ側壁面の距離を変化させることにより、ザグリを偏心させなくても本発明の効果を得ることができる。なお、ザグリ形状を成す曲線は二つ以上でも良い。
100…電磁式燃料噴射弁
101…弁体
102…シート部材
103…ガイド部材
104…ノズル体
105…弁体ガイド
106…アンカー
107…コア
108…コイル
109…ヨーク
110…スプリング
111…コネクタ
112…燃料供給口
201、201b…燃料噴射孔
202、202a、202b、202c、202d、202e、202f、202g、202h、202i、202j…ザグリ
203…弁座面
204…弁座面側当接部
205、206…燃料噴射孔縁
210…燃料噴射弁の中心軸
211、211b…燃料噴射孔の中心軸
301…燃料流れ
302、302b…燃料噴霧領域
303、303b、303c、304、304b、304c、305、305b
…壁面への付着燃料
306…燃料液滴
310、310b…はく離領域
311、311b、311c、312…気流
401…噴孔内の燃料

Claims (6)

  1. 弁体と、前記弁体と当接して燃料をシートする弁座面と、前記弁座面と前記弁体とが当接する位置よりも下流側に形成された燃料噴射孔と、前記燃料噴射孔よりも下流側に形成された孔形成部と、を有する燃料噴射弁において、
    前記孔形成部は、前記台座面を有するシート部材に形成され、前記燃料噴射孔から下流側に向かって段状に拡がり、前記シート部材の外側面に開口し、
    前記孔形成部の内周部の壁面において、はく離し易い側の当該孔形成部の壁面と前記燃料噴射孔の中心軸との成す距離が、はく離し難い側の当該孔形成部の壁面と前記燃料噴射孔の中心軸との成す距離に対して小さくなるように構成された燃料噴射弁。
  2. 請求項1に記載の燃料噴射弁において、
    前記燃料噴射弁の中心軸に対する前記燃料噴射孔の中心軸の傾斜角θが、θ<20°であり、前記燃料噴射弁の中心軸側における前記孔形成部の壁面が、前記中心軸側とは反対側の反中心軸側における前記孔形成部の壁面よりも噴射燃料がはく離し易く構成され、
    前記中心軸側における前記孔形成部の壁面と前記燃料噴射孔の中心軸との距離が、前記反中心軸側における前記孔形成部の壁面と前記燃料噴射孔の中心軸との距離よりも小さくなるように構成された燃料噴射弁。
  3. 請求項1に記載の燃料噴射弁において、
    前記燃料噴射弁の中心軸に対する前記燃料噴射孔の中心軸の傾斜角θが、20°≦θ≦90°であり、前記燃料噴射弁の中心軸側とは反対側の反中心軸側における前記孔形成部の壁面が、前記中心軸側における前記孔形成部の壁面よりも噴射燃料がはく離し易く構成され、
    前記反中心軸側における前記孔形成部の壁面と前記燃料噴射孔の中心軸との距離が、前記中心軸側における前記孔形成部の壁面と前記燃料噴射孔の中心軸との距離よりも小さくなるように構成された燃料噴射弁。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の燃料噴射弁において、
    前記孔形成部は、前記燃料噴射孔よりも大径の一段目の開口部と、下流方向に向かって前記一段目の開口部よりもさらに大径の二段目の開口部とを有する燃料噴射弁。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の燃料噴射弁において、
    前記孔形成部の上流側端面と壁面とが繋がる接続部がR部となるように構成された燃料噴射弁。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の燃料噴射弁において、
    前記燃料噴射孔を下流方向から見て、前記孔形成部の断面形状が異なる曲率を持つ複数の曲線から形成された燃料噴射弁。
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