JP6683064B2 - モータ制御装置 - Google Patents

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Description

本明細書が開示する技術は、電気自動車の走行用のモータを制御するモータ制御装置に関する。本明細書における「電気自動車」には、モータとエンジンの双方を備えるハイブリッド車、及び、燃料電池車が含まれる。
走行用のモータの代表的な制御則には、矩形波制御とPWM制御が知られている。矩形波制御は、高出力に適している反面、過電流になり易いという短所を有する。PWM制御は、制御性が良いという長所があるが、電圧の利用率に限界があり高出力には向いていないという短所もある。特許文献1、2には、状況に応じて走行用のモータの制御則を切り換えるモータ制御装置が開示されている。特許文献1のモータ制御装置は、モータの回転数に応じた電圧位相が所定の下限値曲線以下となったときに矩形波制御からPWM制御に切り換える。特許文献2のモータ制御装置は、インバータへの入力電圧とモータに要求されている必要電圧との関係に基づいて、矩形波制御とPWM制御を切り換える。詳しい説明は割愛するが、いずれの文献の技術も、過電流を抑制することを目的としている。
特開2013−074734号公報 特開2012−060710号公報
矩形波制御則もPWM制御則もモータの回転角を必要とするため、モータ制御装置は、モータの回転角を取得する手段を伴う。回転角を取得する手段の代表的なものに、モータの回転軸に取り付けられたレゾルバのアナログ出力に基づいてモータの回転角の推定値を出力するレゾルバ/デジタルコンバータが知られている。レゾルバ/デジタルコンバータは、制御周期毎に、レゾルバから得られるモータの回転角の情報を含むアナログデータと、過去の制御周期において特定したモータの回転角の推定値との誤差にゲインを乗じ、誤差が小さくなるように今回の制御周期における推定値を算出する。レゾルバ/デジタルコンバータのなかには、推定値に含まれるモータの回転角の真値との誤差が特定の誤差閾値よりも大きいときに誤差に乗じるゲインを、誤差が誤差閾値よりも小さいときのゲインよりも大きくする可変ゲイン制御を採用しているものがある。ゲインを大きくすると発振し易くなるが、誤差が大きいときだけゲインを大きくし、誤差が小さくなったらゲインを元に戻すことで、発振を抑えつつ、大きな誤差は速やかに小さくなって推定値が真値に近づく。ゲインを大きくしたときに誤差は速やかに小さくなるが、このことは、レゾルバ/デジタルコンバータの出力である推定値が急変することを意味する。
矩形波制御則でモータを制御している間に何らかの要因でレゾルバ/デジタルコンバータにおける上記の誤差が大きくなると、レゾルバ/デジタルコンバータは、小さいゲインから大きなゲインに切り換える。一方、誤差が大きくなると、モータ制御装置の出力(モータへの駆動電力)の決定要因である回転数の推定値が回転数の真値と大きくずれるので、モータへの駆動電力が適切でなくなり、モータへの駆動電力の電流(モータの電流)が乱れる。モータの電流が乱れて過電流防止の閾値を超えると、モータ制御装置は、制御則を矩形波制御からPWM制御に切り換える。制御則の切り換えによっても過渡的にモータの電流が乱れる。同時に、レゾルバ/デジタルコンバータのゲインが大きくなったので回転角の推定値が急変する。制御則の切り換えと同時にモータへの駆動電力の決定要因である推定値が急変すると、モータの電流の乱れがさらに大きくなり、過電流が流れる可能性が高まってしまう。レゾルバ/デジタルコンバータのゲイン切り換えとモータ制御則の切り換えが同時に生じることを防止する技術が望まれている。
本明細書が開示するモータ制御装置は、レゾルバ/デジタルコンバータと制御器を備える。レゾルバ/デジタルコンバータは、走行用のモータに取り付けられたレゾルバの出力に基づいてモータの回転角の推定値を出力する。制御器は、レゾルバ/デジタルコンバータが出力した推定値に基づいて、モータを、PWM制御則と矩形波制御則のいずれかの制御則で制御する。レゾルバ/デジタルコンバータは、制御周期毎に、レゾルバの出力から得られるモータの回転角を含む計測値と、過去の制御周期において特定した回転角の推定値との誤差にゲインを乗じ、当該誤差が小さくなるように今回の制御周期における回転角の推定値を特定する。レゾルバ/デジタルコンバータは、誤差が第1誤差閾値よりも大きいときに乗じるゲインを、誤差が第1誤差閾値よりも小さいときに乗じるゲインよりも大きくする可変ゲイン制御を採用している。そして、制御器は、モータを矩形波制御で制御しているときに、レゾルバ/デジタルコンバータにおける誤差が、第1誤差閾値よりも小さい第2誤差閾値を超えた場合にモータの制御則を矩形波制御からPWM制御則に切り換える。
本明細書が開示するモータ制御装置は、レゾルバ/デジタルコンバータがゲインを切り換えるのに先立ってモータの制御則を切り換える。それゆえ、ゲインの切り換えと制御則の切り換えが同時に起こることがない。なお、PWM制御には、正弦波PWM制御と、過変調PWM制御の2通りがあるが、本明細書が開示するモータ制御装置が採用するPWM制御は、そのいずれであってもよい。本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
実施例のモータ制御装置を含む電気自動車の電力系のブロック図である。 レゾルバ/デジタルコンバータのブロック図である。 補償器のブロック図である。 制御器が実行する処理のフローチャートである。 制御器が実行する変形例の処理のフローチャートである。
図面を参照して実施例のモータ制御装置を説明する。図1に、モータ制御装置10を含む電気自動車2の電力系のブロック図を示す。実施例の電気自動車2は、走行用のモータ6を有する。モータ6は、車両の運動エネルギを利用して発電する場合もある。
モータ制御装置10は、バッテリ3の直流電力を交流に変換してモータ6に供給する。モータ制御装置10は、インバータ回路4、電流センサ5、レゾルバ/デジタルコンバータ20、制御器30を備えている。以下、説明を簡単にするために、「レゾルバ/デジタルコンバータ20」を「R/Dコンバータ20」と表記する。
インバータ回路4の構成は良く知られているので詳しい図解と説明は割愛する。ここでは、インバータ回路4の概要を述べる。インバータ回路4は、主として2個のパワートランジスタの直列接続が3組、並列に接続された構成を有する。各パワートランジスタを適宜にオンオフさせることで、各直列接続の中点から交流が出力される。インバータ回路4のパワートランジスタ群は、制御器30からの駆動信号により駆動される。制御器30は、モータ6の目標出力を上位の制御器8から受信し、その目標出力が実現されるように、各パワートランジスタへの駆動信号を決定する。制御器30は、電流センサ5によってインバータ回路4の出力電流をモニタしており、フィードバック制御により、出力電流が目標出力に合致するように、各パワートランジスタの駆動信号を調整する。上位の制御器8は、バッテリ3の残量を計測する残量センサ91、アクセルペダル92、ブレーキペダル93、車速センサ94からのデータを元に、モータ6の目標出力を決定し、モータ制御装置10の制御器30へ送信する。
なお、上位の制御器8は、ブレーキペダル93の踏込量に応じて、モータ6で発電すべき電力(回生電力)を決定し、その回生電力を目標出力として出力することもある。その場合、目標出力は負値となる。モータ制御装置10の制御器30は、インバータ回路4が、モータ6が発電した交流の回生電力を直流電力に変換するように、各パワートランジスタへの駆動信号を生成する。
制御器30は、モータ6の回転角に基づいて、各パワートランジスタへの駆動信号を生成する。モータ6の回転角は、モータ6の回転角に取り付けられたレゾルバ7と、R/Dコンバータ20によって得られる。レゾルバ7とR/Dコンバータ20によって得られる回転角には真値からの誤差を含む。それゆえ、より正確には、レゾルバ7とR/Dコンバータ20によって得られる値は、モータ6の回転角の推定値である。後に回転角の真値との誤差に言及するので、以下では「推定値」との呼称を用いる。
各パワートランジスタへの駆動信号は、PWM制御則で生成される場合と、矩形波制御即で生成される場合がある。PWM制御則と矩形波制御則は良く知られているので、詳しい説明は割愛する。また、制御器30は、目標出力の大きさや、モータ6に供給する駆動電力(交流電力)の電流値に基づいて、PWM制御則と矩形波制御則を適宜に切り換える。以下では、PWM制御則に基づいてモータ6を制御することをPWM制御モードと称し、矩形波制御則に基づいてモータ6を制御することを矩形波制御モードと称する。制御器30は、様々な条件により、PWM制御モードと矩形波制御モードを切り換え得る。制御器30が矩形波制御モードからPWM制御モードへ切り換える条件の一つに、電流センサ5によって計測されるモータ6への供給電流が所定の閾値を超えたときがある。この条件は、インバータ回路4とモータ6に過電流が流れることを防止するためである。一般に、PWM制御モード(PWM制御則)では、矩形波制御モード(矩形波制御則)よりも過電流が生じ難い。
矩形波制御モードからPWM制御モードに切り換える別の条件として、制御器30は、R/Dコンバータ20の動作に起因してモータ6への供給電流が過電流となる可能性が高いときにも矩形波制御モードからPWM制御モードへ切り換える。その切り換えを、以下では、「R/Dコンバータ連動モード切り換え」と称することにする。以下、R/Dコンバータの動作と、R/Dコンバータ連動モード切り換えについて説明する。
まず、R/Dコンバータ20について説明する。図2に、R/Dコンバータ20のブロック図を示す。R/Dコンバータ20は、レゾルバ7のアナログ出力に基づいて、モータ6の回転角の推定値Asを出力する。R/Dコンバータ20には、励磁信号生成器23が備えられており、レゾルバ7に励磁信号を供給する。励磁信号とは、所定の角速度wの正弦値(sin(wt)、「t」は時間を表す)である。なお、角速度wは、モータ6の最大角速度よりもはるかに大きい値に設定されている。レゾルバ7は、2個のコイルを有しており、夫々のコイルは、モータ6の回転軸に隣接して配置されている。モータ6の回転軸には永久磁石が取り付けられており、回転に伴ってコイルと磁気干渉する。2個のコイルは、モータ6の回転軸に対して90度位相がずれるように配置されている。2個のコイルに励磁信号が供給される。モータ6の回転軸の角度を「Ar」とすると、コイルに流れた励磁信号sin(wt)は、角度Arで変調されたものとなる。2個のコイルの出力は、K・sin(Ar)・sin(wt)とK・cos(Ar)・sin(wt)となる。これらの値はアナログデータである。即ち、レゾルバ7の出力は、モータ6の回転角の真値Arの情報を含むアナログデータである。なお、「K」は一定のゲインである。
レゾルバ7の2個のアナログ出力値は、夫々、乗算器21、22に入力される。乗算器21、22には、前回の制御周期で特定した回転角の推定値Asが入力される。乗算器21では、レゾルバ7のアナログ出力「K・sin(Ar)・sin(wt)」に、推定値Asの余弦(cos(As))が乗じられる。乗算器21の出力は、「K・sin(Ar)・sin(wt)・cos(As)」となる。乗算器22では、レゾルバ7のアナログ出力「K・cos(Ar)・sin(wt)」に、推定値Asの正弦(sin(As))が乗じられる。乗算器22の出力は、「K・cos(Ar)・sin(wt)・sin(As)」となる。
乗算器21と乗算器22の出力は、差分器28に入力される。余弦定理により、乗算器21と乗算器22の出力の差分は、「K・sin(Ar−As)・sin(wt)」となる。差分器28の出力は、コンパレータ29に入力されて符号化され、アナログデータからデジタルデータに変換される。
デジタル化された差分器28の出力(コンパレータ29の出力)は、同期検波器24に入力される。同期検波器24には、励磁信号生成器23から励磁信号「sin(wt)」も入力される。同期検波器24において、デジタル化された差分器28の出力から励磁信号成分が除去される。その結果は、「K・sin(Ar−As)」となる。同期検波器24の出力は、モータ6の回転角の真値Arと、回転角の前回の推定値Asとの差、即ち、誤差を含んだ推定値の関数となる。
同期検波器24の出力は、補償器25に入力される。補償器25では、回転角の真値Arと前回の推定値Asの誤差が制御周期分だけ積分される。補償器25の出力は、R/Dコンバータ20の1回の制御周期分の誤差となる。その誤差分が、カウンタ26に入力される。カウンタ26では、前回の推定値Asに今回の誤差(補償器25の出力)が加算される。カウンタ26の出力が、今回の制御周期における回転角の推定値Asとなる。
図3に補償器25のブロック図を示す。補償器25は、PI制御による2型の直結サーボループの構成を有している。増幅器251の比例ゲインKvと、積分器252の積分時定数Tiが、補償器25の特性を定める。なお、積分器252の中の符号「s」は、ラプラス演算子である。積分器252が、R/Dコンバータ20の前回の制御周期から今回の制御周期までの間の誤差の増分を算出する。同期検波器24の出力(誤差)に比例ゲインKvを乗じた値に、積分器252による1制御周期間分の誤差の増分が加算器253によって加算され、カウンタ26に出力される。先に述べたように、カウンタ26では、前記の推定値に今回の制御周期までの誤差の積分値が加算される。その結果が、今回の制御周期における回転角の推定値Asである。
補償器25は、比例ゲインKvが可変であることに特徴がある。補償器25は、ゲイン調整器254を備えており、同期検波器24の出力は、ゲイン調整器254にも入力される。ゲイン調整器254は、回転角の真値Arと前回の推定値Asの差(誤差)が、第1誤差閾値を超えると比例ゲインKvを、それまでの第1ゲインKv1からそれよりも大きい第2ゲインKv2へ変更する。別言すると、ゲイン調整器254は、回転角の真値Arと前回の推定値Asの差(誤差)が、第1誤差閾値を超えている間は、比例ゲインKvに第2ゲインKv2を設定し、第1誤差閾値を下回っている間は、比例ゲインKvに第1ゲインKv1を設定する。第2ゲインKv2は、第1ゲインKv1よりも大きい。第2ゲインKv2は、例えば、第1ゲインKv1の30倍である。
可変ゲイン制御を採用した補償器25は、次の利点を有する。一般に、比例ゲインを大きくすると、応答が早くなるが発振し易くもなる。補償器25は、回転角の真値Arと前回の推定値Asの誤差が第1誤差閾値より大きい間は比例ゲインKvを大きくして誤差を速く小さくする。一方、誤差が第1誤差閾値を下回ると、比例ゲインKvを小さくして、発振を抑える。
補償器25の特徴、即ち、R/Dコンバータ20の特徴をまとめると以下の通りである。R/Dコンバータ20は、制御周期毎に、レゾルバ7の出力から得られるモータの回転角の真値Arと、過去の制御周期において特定した回転角の推定値Asとの誤差に比例ゲインKvを乗じ、誤差が小さくなるように今回の制御周期におけるモータ6の回転角の推定値Asを特定する補償器25を備えている。補償器25は、誤差が第1誤差閾値よりも大きいときに乗じる比例ゲイン(第2ゲインKv2)を、誤差が第1誤差閾値よりも小さいときに乗じるゲイン(第1ゲインKv1)よりも大きくする可変ゲイン制御を採用している。
なお、比例ゲインKvを大きくすると、幾度か制御周期を繰り返すうちに(幾度か回転角の推定を繰り返すうちに)誤差が急速に小さくなる。このことは、回転角の推定値Asが急変することを意味する。このときの推定値Asの急変は、補償器25のソフトウエア処理による変化であり、その帯域は、物理的にモータ6の回転角の変化の帯域よりも高い。
制御器30が実行するR/Dコンバータ連動モード切り換えについて説明する。先に述べたように、制御器30は、R/Dコンバータ20の動作に起因してモータ6への供給電流が過電流となる可能性が高いときに矩形波制御モードからPWM制御モードへ切り換える。R/Dコンバータ20は、モータ6の回転角の真値Arと推定値Asの誤差が第1誤差閾値を超えると補償器25の比例ゲインKvを、第1ゲインKv1から第2ゲインKv2に変更する。ここで、第1ゲインKv1は、誤差が第1誤差閾値よりも小さいとき比例ゲインであり、第2ゲインKv2は、第1ゲインKv1よりも大きい。制御器30は、矩形波制御モードを実行中に、回転角の真値Arと推定値Asの誤差が、第1誤差閾値よりも小さい第2誤差閾値を超えると、制御モードをPWM制御モードに切り換える。なお、この処理のため、制御器30は、R/Dコンバータ20から、回転角の真値Arと推定値Asの誤差のデータを受け取る。
上記した処理(R/Dコンバータ連動モード切り換え処理)のフローチャートを図4に示す。図4の処理は、制御周期毎に実行される。制御器30は、まず、現在のモータ6の制御モードが矩形波制御モードであるか否かを確認する(S2)。現在の制御モードが矩形波制御モードである場合(S2:YES)、制御器30は、R/Dコンバータ20から受け取った誤差が、第2誤差閾値を超えているか否かをチェックする(S3)。R/Dコンバータ20から受け取った誤差が、第2誤差閾値を超えている場合(S3:YES)、制御器30は、制御モードを矩形波制御モードからPWM制御モードへ切り換える(S4)。ここで、「誤差」とは、先に述べたように、モータ6の回転角の真値Arと前回の制御周期における推定値Asとの差のことである。
R/Dコンバータ連動モード切り換え処理は、モータ6(インバータ回路4)の過電流防止に貢献する。その理由を説明する。モータ制御装置10は、インバータ回路4を駆動するのに、矩形波制御モードとPWM制御モードを所定の条件で切り換える。具体的には、過電流が生じ易い矩形波制御モードにおいて、過電流となる可能性が高いとき(あるいは、過電流となったとき)に、過電流を防止すべく、矩形波制御モードから、過電流が比較的に生じ難いPWM制御モードに切り換える。過電流が生じ易くなる状況の一つに、可変ゲイン制御を採用しているR/Dコンバータ20が比例ゲインを小さい値から大きな値に切り換えたときがある。これは次の理由による。R/Dコンバータ20は、モータ6の回転数の真値Arとその推定値Asとの誤差が、第1誤差閾値を超えるとゲインを大きくする。誤差が大きくなる状況の一つは、アクセルが踏み込まれ、モータ6に要求される出力トルクが大きくなったときである。その場合、モータ6の回転数は加速するので、誤差が大きくなる。
R/Dコンバータ20がゲインを変えた直後、誤差が急速に小さくなる。誤差の急速な縮小に伴い、R/Dコンバータ20の出力、即ち、回転角の推定値Asが急変する。制御器30は、回転角の推定値Asに基づいてインバータ回路4のパワートランジスタの駆動信号を生成する。推定値Asが大きな誤差を含むことは、パワートランジスタへの駆動信号の適切さが低下することを意味する。この時点で、既に、過電流が生じ易くなっている。さらに、推定値Asの急変は駆動信号の急変を引き起こし、駆動信号が乱れ、モータ6への供給電流が乱れる。ここで、モータ6の電流が過電流防止の電流閾値を超えると、制御器30は、矩形波制御モードからPWM制御モードに切り換える。制御モード切り換えの過渡期もモータ6への電流が乱れる。走行中にR/Dコンバータ20におけるゲインの切り換えが発生すると、同時に制御モードの切り換えが行われることがあり、そのときに過電流が生じ易くなる。
そこで、R/Dコンバータ連動モード切り換え処理では、回転角の誤差が、ゲイン切り換えが発生する第1誤差閾値を超える前に、制御器30は制御モードをPWM制御モードへ切り換える。R/Dコンバータ連動モード切り換え処理により、ゲインの切り換えと制御モードの切り換えが同時に生じることが回避され、過電流防止に貢献する。
次に、R/Dコンバータ連動モード切り換え処理が頻繁に生じないように、モード切り換えの条件を限定した変形例を説明する。図5に変形例のR/Dコンバータ連動モード切り換え処理のフローチャートを示す。過電流が生じ易いのは、モータ6に比較的大きな電力が供給されているときである。そのようなときの典型は、アクセルペダルの踏み込み量が比較的に大きく、車両が加速しているときである。そこで、図5のフローチャートでは、モード切り換えを行う条件として、矩形波制御モードで加速中の場合に限定している(S22)。その他の処理(S23、S24)は、図4のフローチャートの処理(S3、S4)と同じである。この変形例では、過電流が生じる可能性の小さい減速中は、制御モードの切り換えを行わない。
ステップS22の処理に換えて、矩形波制御モードで制御中であって、モータ6に供給される電流が所定の電流閾値を超えている場合に次のステップS23の処理に移行するようにしてもよい。モータ6への供給電流がもともと小さい場合には、過電流が生じ難いからである。なお、電流センサ5が計測する電流は交流であるので、「電流が所定の電流閾値を超えている場合」とは、交流電流の実効値が電流閾値を超えている場合を意味する。
実施例で説明した技術に関する留意点を述べる。PWM制御には、正弦波PWM制御と過変調PWM制御があるが、モータ制御装置10が採用するPWM制御は、いずれであってもよい。本明細書が開示する技術は、走行用にエンジンとモータの双方を備えるハイブリッド車や燃料電池車に適用することも好適である。
実施例における補償器25の比例ゲインKvが、請求項における「ゲイン」の一例に相当する。請求項における「補償器」は、回転角の真値と推定値の誤差を小さくするものであればよく、実施例の補償器25の構成に限定されない。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:電気自動車
3:バッテリ
4:インバータ回路
5:電流センサ
6:モータ
7:レゾルバ
8:制御器
10:モータ制御装置
20:レゾルバ/デジタルコンバータ(R/Dコンバータ)
21、22:乗算器
23:励磁信号生成器
24:同期検波器
25:補償器
26:カウンタ
28:差分器
29:コンパレータ
30:制御器
91:残量センサ
92:アクセルペダル
93:ブレーキペダル
94:車速センサ
251:増幅器
252:積分器
253:加算器
254:ゲイン調整器

Claims (1)

  1. 電気自動車の走行用のモータを制御するモータ制御装置であり、
    前記モータに取り付けられたレゾルバの出力に基づいて前記モータの回転角の推定値を出力するレゾルバ/デジタルコンバータと、
    前記推定値に基づいて、前記モータを、PWM制御則と矩形波制御則のいずれかの制御則で制御する制御器と、
    を備えており、
    前記レゾルバ/デジタルコンバータは、制御周期毎に、前記レゾルバの出力から得られる前記モータの回転角を含む計測値と、過去の制御周期において特定した前記回転角の推定値との誤差にゲインを乗じ、当該誤差が小さくなるように今回の制御周期における前記回転角の推定値を特定する補償器を備えているとともに、
    前記誤差が前記第1誤差閾値よりも大きいときに乗じる前記ゲインを、前記誤差が前記第1誤差閾値よりも小さいときに乗じる前記ゲインよりも大きくする可変ゲイン制御を採用しており、
    前記制御器は、前記モータを前記矩形波制御則で制御しているときに、前記誤差が、前記第1誤差閾値よりも小さい第2誤差閾値を超えた場合に前記モータの制御則を、前記矩形波制御則から前記PWM制御則に切り換える、モータ制御装置。
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