JP6680961B1 - テンショナ - Google Patents
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Abstract
Description
図1〜図4を用いて第1実施形態に係るテンショナについて説明する。
ホルダ14は、当該ホルダ14の軸線方向(以下、単に「軸線方向Z」という)に延びる有底筒状に形成されている。具体的には、ホルダ14は、軸線方向Zまわりの周方向Cの両端が離間して配置され軸線方向Zに沿って延在する筒状に形成された筒部14Aを備えている。また、ホルダ14は、筒部14Aにおける軸線方向Zの他方側(矢印Z方向とは反対側)を閉止するように設けられた底壁部14Bを備えている。そして、フランジ12に挿通された固定ネジ30が底壁部14Bに螺合されることで、フランジ12がホルダ14に固定されるようになっている。なお、本実施形態ではネジにより固定するものとして説明したが、カシメ・圧入・溶接等のその他の方法を用いて固定してもよい。
図1及び図2に示されるように、シャフト16は、当該シャフト16の軸線方向Zの他方側が開放されていると共に軸線方向Zの一方側が閉止された有底筒状に形成されている。このシャフト16は、円筒状の側壁部16Aと、側壁部16Aの軸線方向Zの一方側の端部を閉止する頂壁部16Bと、を備えている。そして、シャフト16の側壁部16Aがホルダ14の筒部14Aに挿入されることで、シャフト16がホルダ14に軸線方向Zに移動可能に支持されている。また、図2に示されるように、側壁部16Aの外周部には、複数の被係合凹部16Cが形成されている。この複数の被係合凹部16Cは、所定のピッチで軸線方向Zに沿って配列されている。
図1及び図2に示されるように、一対のラッチ20はブロック状に形成されている。なお、一方のラッチ20と他方のラッチ20とは、ほぼ同様の構成とされているため、ここでは一方のラッチ20の構成について説明する。
第1板バネ24は、鋼板材にプレス加工や焼入れ等が施されることによって形成されており、この第1板バネ24は、L字状に曲げられた形状に形成されている。具体的には、第1板バネ24は、ホルダ14の底壁部14Bに固定ピン22を介して固定される基部24Aと、基部24Aの端部から軸線方向Zの一方側へ延出する撓み部24Bと、を備えている。そして、撓み部24Bが撓んだ状態(湾曲された状態)で一対のラッチ20の板バネ当接部20Bに当接することで、ラッチ20が、当該ラッチ20の係合凸部20Cがシャフト16に形成された複数の被係合凹部16Cへ係合する側へ回転付勢されるようになっている。なお、本実施例では固定ピンにより固定するものとして説明したが、ネジ・カシメ・圧入・溶接等のその他の方法を用いて固定してもよいし、ホルダと一括して固定してもよい。
図2及び図3に示されるように、ピン22は棒状に形成されており、このピン22の長手方向の中央部位は、隣り合って配置された一対のラッチ20を回転自在に支持している。また、ピン22において一対のラッチ20を支持している部分の両側部分は、後述する一対のスライド28と対向して配置されるスライド対向部22Aとされている。このスライド対向部22Aの断面がDカット状の断面とされていることにより、スライド対向部22Aと後述するスライド28とが面接触するようになっている。なお、本実施例ではピンの一部がDカットを有するものとして説明したが、Dカットがなくてもよいし、ピンの全長にわたってDカットを設けてもよい。
図3に示されるように、一対のスライド28はブロック状に形成されている。このスライド28においてピン22のスライド対向部22Aと接触する面28Aは、軸線方向Zの一方側へ向かうにつれてシャフト16とは反対側へ傾斜している。また、スライド28において後述する第2板バネ26と接触する面28Bは、軸線方向Zと略平行となっている。なお、本実施例では一対のスライドを設けることとして説明したが、ラッチ回動の妨げにならなければスライドを一対とせず一体としてもよい。
図2に示されるように、第2板バネ26は、第1板バネ24よりも厚い鋼板材にプレス加工や焼入れ等が施されることによって形成されており、この第2板バネ26は、L字状に曲げられた形状に形成されている。具体的には、第2板バネ26は、フランジ12とホルダ14の底壁部14Bとの間に挟み込まれた状態で固定される基部26Aと、基部26Aの端部から軸線方向Zの一方側へ延出する撓み部26Bと、を備えている。本実施形態では、第2板バネ26の基部26Aと第1板バネ24の基部24Aとが、軸線方向Zに重ねられていると共に、第2板バネ26の撓み部26Bと第1板バネ24の撓み部24Bとが、軸線方向Zと直交する方向に隣り合って配置されている。また、第2板バネ26の撓み部26Bにおける軸線方向Z側の端部は、一対のスライド28側へ凸状に形成されたスライド当接部26Cとされている。このスライド当接部26Cが一対のスライド28によって押圧されることで、第2板バネ26の撓み部26Bがシャフト16とは反対方向へ撓むようになっている。また、本実施形態では、第2板バネ26のスライド当接部26Cから一対のスライド28へ予荷重が入力されるように、第2板バネ26の成形時の寸法等が設定されている。なお、本実施例では第1板バネと第2板バネを別部材として説明したが、第1板バネと第2板バネを一体としてもよい。
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
図5〜図8を用いて第2実施形態に係るテンショナについて説明する。
図6、図7及び図8に示されるように、ホルダ14は、当該ホルダ14の軸線方向(以下、単に「軸線方向Z」という)に延びる有底筒状に形成されたホルダ本体部14Fを備えている。このホルダ本体部14Fは、円筒状に形成された筒部14Aと、筒部14Aにおける軸線方向Zの他方側(矢印Z方向とは反対側)を閉止するように設けられた底壁部14Bと、を備えている。
キャップ42は、軸線方向Zの他方側が開放された有底筒状に形成されている。このキャップ42は、円筒状に形成された係止壁部42Aと、係止壁部42Aにおける軸線方向Zの一方側を閉止するように設けられた蓋壁部42Bと、を備えている。蓋壁部42Bには、後述するシャフト16が挿通されるシャフト挿通孔42Cが形成されている。そして、キャップ42の係止壁部42Aが、ホルダ14の筒部14Aの外周部における軸線方向Zの一方側の端部に係止されることで、キャップ42がホルダ14に取付けられるようになっている。また、キャップ42がホルダ14に取付けられることで、後述する第1板バネ24、シャフト16の基端側(軸線方向Zの他方側)、ラッチ20、コイルバネ18及び第2板バネ26が、キャップ42とホルダ14との間に収容された状態で、図5に示されるように、シャフト16の先端側(軸線方向Zの一方側)がキャップ42のシャフト挿通孔42Cを通じて突出するようになっている。なお、係止壁部42Aの一部には、切欠状のアクセス部42Dが形成されている。このアクセス部42Dを通じて図示しない工具を後述するラッチ20に係合させることが可能となっている。
図6、図7及び図8に示されるように、シャフト16は、当該シャフト16の軸線方向Zの他方側が開放されていると共に軸線方向Zの一方側が閉止された有底筒状に形成されている。このシャフト16は、円筒状の側壁部16Aと、側壁部16Aの軸線方向Zの一方側の端部を閉止する頂壁部16Bと、を備えている。そして、シャフト16の側壁部16Aがホルダ14の筒部14Aに挿入されることで、シャフト16がホルダ14に後述する第2板バネ26の嵌合部26Dを介して軸線方向Zに移動可能に支持されている。また、側壁部16Aの外周部には、複数の被係合凹部16Cが形成されている。この複数の被係合凹部16Cは、所定のピッチで軸線方向Zに沿って配列されている。さらに、頂壁部16Bには、後述するストッパ44の先端が係止されるストッパ係止孔16Dが形成されている。
ラッチ20は軸線方向Zと直交する方向に沿って延びる角柱状に形成されている。このラッチ20においてシャフト16の側壁部16Aと対向する側には、シャフト16に形成された複数の被係合凹部16Cに係合される係合凸部20Cが形成されている。そして、この係合凸部20Cがシャフト16に形成された複数の被係合凹部16Cに係合されることで、シャフト16のホルダ14に対する軸線方向Zの他方側への移動が制限されるようになっている。なお、ラッチ20には、図示しない工具が係止される係止孔20Eが形成されている。そして、キャップ42に形成されたアクセス部42D(図5参照)から挿入された図示しない工具が係止孔20Eに係止されて、ラッチ20がシャフト16とは反対側へ移動されることで、係合凸部20Cがシャフト16に形成された被係合凹部16Cから抜出すようになっている。そしてさらに、係合凸部20Cがシャフト16に形成された被係合凹部16Cから抜出した状態では、シャフト16を軸線方向Zの他方側へ押し戻すことができる。そして、ホルダ14のストッパ挿通孔14I側から挿通されたストッパ44の先端をシャフト16のストッパ係止孔16Dの縁部に係止させることで、シャフト16を軸線方向Zの他方側へ押した状態を保つことができる。なお、ストッパ44は、テンショナ40をエンジンに取付ける際等に使用される。
図6、図7及び図8に示されるように、第1板バネ24は、鋼板材にプレス加工や焼入れ等が施されることによって形成されており、この第1板バネ24は、軸線方向Zから見てその軸芯部にシャフト16が挿通される環状に形成されている。この第1板バネ24が、キャップ42の蓋壁部42Bとラッチ20との間に配置されることで、第1板バネ24が、ラッチ20の第1板バネ当接面20Gを軸線方向Zの他方側へ押圧する。これにより、ラッチ20が後述する第2板バネ26のラッチ支持部26Eを介してシャフト16側へ付勢されるようになっている。なお、後述する第3実施形態のテンショナ50のように、第1板バネ24に代えてコイルバネを用いてもよい。
第2板バネ26は、第1板バネ24よりも厚い鋼板材にプレス加工や焼入れ等が施されることによって形成されている。この第2板バネ26は、ホルダ14の被嵌合部14Gに嵌合する嵌合部26Dと、嵌合部26Dから軸線方向Zの一方側へ延出する撓み部26Bと、撓み部26Bの軸線方向Zの一方側の端からシャフト16とは反対側へ屈曲して延びるラッチ支持部26Eと、を備えている。
本実施形態のコイルバネ18は、丸形断面のコイルバネである。このコイルバネ18は、軸線方向Zに圧縮された状態で、その大部分がシャフト16の内部に配置されている。
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
図9〜図12を用いて第3実施形態に係るテンショナについて説明する。
図10、図11及び図12に示されるように、ホルダ14は、当該ホルダ14の軸線方向(以下、単に「軸線方向Z」という)に延びる有底筒状に形成されたホルダ本体部14Fを備えている。このホルダ本体部14Fは、円筒状に形成された筒部14Aと、筒部14Aにおける軸線方向Zの他方側(矢印Z方向とは反対側)を閉止するように設けられた底壁部14Bと、を備えている。
キャップ42は、軸線方向Zの他方側が開放された有底筒状に形成されている。このキャップ42は、円筒状に形成された円筒壁部42Eと、円筒壁部42Eにおける軸線方向Zの一方側を閉止するように設けられた蓋壁部42Bと、円筒壁部42Eにおける軸線方向Zの他方側の端から円筒壁部42Eの径方向外側へ突出する係止片部42Fと、を備えている。蓋壁部42Bには、後述するシャフト16が挿通されるシャフト挿通孔42Cが形成されている。そして、キャップ42の係止片部42Fが、ホルダ14の係止溝14Jに係止されることで、キャップ42がホルダ14に取付けられるようになっている。なお、本実施形態では、キャップ42の係止片部42Fをホルダ14の係止溝14Jに軸線方向Zの一方側から係合させて、キャップ42を周方向Cに所定の角度だけ回転させることで、キャップ42の係止片部42Fのホルダ14の係止溝14Jへの係止が完了するようになっている。なお、周止ピン60をホルダ14に取り付けることで、キャップ42のホルダ14に対する回転が規制されて、キャップ42のホルダ14への取付状態が保たれるようになっている。
図10、図11及び図12に示されるように、シャフト16は、当該シャフト16の軸線方向Zの他方側が開放されていると共に軸線方向Zの一方側が閉止された有底筒状に形成されている。このシャフト16は、円筒状の側壁部16Aと、側壁部16Aの軸線方向Zの一方側の端部を閉止する頂壁部16Bと、を備えている。そして、シャフト16の側壁部16Aがホルダ14の筒部14Aに挿入されることで、シャフト16がホルダ14に軸線方向Zに移動可能に支持されている。また、側壁部16Aの外周部には、複数の被係合凹部16Cが形成されている。この複数の被係合凹部16Cは、所定のピッチで軸線方向Zに沿って配列されている。さらに、頂壁部16Bには、ストッパ44の先端が係止されるストッパ係止孔16Dが形成されている。
ラッチ20は軸線方向Zと直交する方向に沿って延びる角柱状に形成されている。このラッチ20においてシャフト16の側壁部16Aと対向する側には、シャフト16に形成された複数の被係合凹部16Cに係合される係合凸部20Cが形成されている。そして、この係合凸部20Cがシャフト16に形成された複数の被係合凹部16Cに係合されることで、シャフト16のホルダ14に対する軸線方向Zの他方側への移動が制限されるようになっている。なお、ラッチ20には、図示しない工具が係止される係止孔20Eが形成されている。そして、キャップ42に形成されたアクセス部42D(図5参照)から挿入された図示しない工具が係止孔20Eに係止されて、ラッチ20がシャフト16とは反対側へ移動されることで、係合凸部20Cがシャフト16に形成された被係合凹部16Cから抜出すようになっている。そしてさらに、係合凸部20Cがシャフト16に形成された被係合凹部16Cから抜出した状態では、シャフト16を軸線方向Zの他方側へ押し戻すことができる。そして、ホルダ14のストッパ挿通孔14I側から挿通されたストッパ44の先端をシャフト16のストッパ係止孔16Dの縁部に係止させることで、シャフト16を軸線方向Zの他方側へ押した状態を保つことができる。なお、ストッパ44は、テンショナ50をエンジンに取付ける際等に使用される。
テーパリング52は、軸線方向Zから見てその軸芯部にシャフト16が挿通される環状に形成されている。このテーパリング52のおける軸線方向の一方側には、ラッチ20が係合するラッチ係合溝52Aが形成されている。このラッチ係合溝52Aにおいてラッチ20のテーパリング当接面20Fが当接する面は、ラッチ支持面52Bとされている。また、ラッチ支持面52Bは、軸線方向Zの一方側へ向かうにつれてシャフト16の側壁部16Aとは反対側へ傾斜している。
図10、図11及び図12に示されるように、第1コイルバネ54は、丸形断面のコイルバネである。この第1コイルバネ54は、軸線方向Zに圧縮された状態で、テーパリング52に支持されたラッチ20とキャップ42の蓋壁部42Bとの間に配置されている。そして、第1コイルバネ54が、ラッチ20の第1コイルバネ当接面20Gを軸線方向Zの他方側へ押圧する。これにより、ラッチ20がテーパリング52のラッチ支持面52Bを介してシャフト16側へ付勢されるようになっている。なお、前述の第2実施形態のテンショナ40のように、第1コイルバネ54に代えて板バネや皿バネを用いてもよい。また、後述する第2コイルバネ56及び主コイルバネ53も同様に、板バネや皿バネとしてもよい。また、第1コイルバネ54、第2コイルバネ56及び主コイルバネ53の断面形状は、丸形断面のコイルバネであってもよいし角線のコイルバネであってもよい。バネの種類や断面形状は、要求される荷重を考慮して適宜選択すればよい。
第2コイルバネ56は、角線コイルバネである。この第2コイルバネ56は、ホルダ14の底壁部14Bとテーパリング52との間で軸線方向Zに圧縮された状態で、シャフト16の外周部かつホルダ14の筒部14Aの内部に配置されている。
本実施形態の主コイルバネ53は、丸形断面のコイルバネである。この主コイルバネ53は、軸線方向Zに圧縮された状態で、その大部分がシャフト16の内部に配置されている。
カラー58は、第2コイルバネ56が内周部に配置される筒状に形成されている。このカラー58は、第2コイルバネ56の外周部かつホルダ14の筒部14Aの内面に沿って配置されている。また、カラー58の軸線方向Zの一方側の端面58Aは、テーパリング52と軸線方向Zに対向している。
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
Claims (6)
- 軸線方向に沿って移動可能に支持されたシャフトと、
前記シャフトを軸線方向一方側へ付勢する第1付勢部材と、
前記シャフトに係合することで、該シャフトの軸線方向他方側への移動を制限するラッチと、
前記第1付勢部材が前記シャフトを軸線方向一方側に付勢するよりも大きな付勢力を有するとともに、軸線方向他方側への荷重が前記シャフトに入力されたときに、前記ラッチおよび前記シャフトの軸線方向他方側への移動を許容するように前記ラッチを付勢する第2付勢部材と、
を備えたテンショナ。 - 付勢部材として少なくとも、前記第1付勢部材と前記第2付勢部材に加えて、
前記ラッチを前記シャフトに係合する側へ付勢する第3付勢部材と、
を有することを特徴とする請求項1記載のテンショナ。 - 前記シャフトに所定量以上の荷重が軸線方向他方側に入力されたときのみに前記ラッチおよび前記シャフトの軸線方向他方側への移動を許容するように、前記第2付勢部材に前記ラッチを付勢する予荷重が設定されていることを特徴とする請求項1および2記載のテンショナ。
- 前記ラッチに設けられた接触部と、
前記接触部と前記第2付勢部材との間に設けられた中間部材と、
をさらに備える請求項1〜3のいずれか1項に記載のテンショナ。 - 前記中間部材は軸線方向と交差する傾斜部を有し、該傾斜部により前記ラッチと接触する請求項4記載のテンショナ。
- 前記シャフトへ入力された軸線方向他方側への荷重が、前記ラッチ、前記接触部及び前記中間部材を介して前記第2付勢部材に入力されることで、該第2付勢部材が変形され、
前記第2付勢部材が変形されることによって生じる弾性力が、前記中間部材及び前記接触部を介して前記ラッチに伝達されることで、前記ラッチが軸線方向一方側へ付勢される請求項4又は請求項5に記載のテンショナ。
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