JP6672989B2 - 金型、u成形品の製造方法、および管状成形品の製造方法 - Google Patents

金型、u成形品の製造方法、および管状成形品の製造方法 Download PDF

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本発明は、U成形品を得るための金型、その金型を用い金属板をプレス成形するU成形品の製造方法、およびそのU成形品の製造方法を用いた管状成形品の製造方法に関するものである。
自動車部品や家庭電気製品には管状部品が多用されており、管状部品を製造する技術の開発が推進されている。金属板を素材とした管状部品の代表的な製造方法としては、UO成形が知られている(例えば特許文献1参照)。このUO成形では、ポンチとダイとからなる金型を用い金属板をU字形にプレス成形してU成形品を得るU成形を行った後、さらにO成形を行うことにより管状部品を得る。
自動車分野では、サスペンションのアームやリンク部品等に、長手方向の少なくとも一部に曲率を有しまたは長手方向に異なる径を有することにより、長手方向の少なくとも一部に曲率を有する湾曲部を含む形状を有する管状部品が使用されている。近年、このような管状部品の製造方法としても、UO成形を適用した製造方法が開発されている。例えば、特許文献2には、金属板の板幅方向端部用のガイドブレードを備える金型を用い、形状を適正化した金属板に対してUO成形を行い、長手方向に異なる径を有する管状部品を製造する方法が提案されている。しかしながら、このような方法では、U成形を行う際に、管状部品において長手方向の径が変化する部分に対応するU成形品の湾曲部において、金型の形状や金属板の材料によっては、シワ等の不良が発生することがある。
このような問題を解決するためには、U成形時のダイおよびポンチの間のクリアランスが小さくなるように調整し、U成形を行う時に、金属板をダイおよびポンチの間で加圧してしごきながら成形するといった成形方法が適用されることがある。しかしながら、このような成形方法では、金属板とダイおよびポンチとの間に非常に高い面圧が生じるため、U成形品ならびにダイおよびポンチに疵が発生する危険性がある。また、U成形品の量産中にロット違い等により金属板の材質がわずかにでも変化する場合には、ダイおよびポンチの寸法をその都度修正(再研磨、肉盛り、再作製等)する必要が生じる。
また、長手方向の少なくとも一部に曲率を有する湾曲部を含む形状を有する管状部品のUO成形を適用した製造方法としては、例えば、特許文献3および4には、U成形品における湾曲部の側部を成形する時に絞り加工を適用することで、長手方向に湾曲した形状の中空パイプを製造する方法が提案されている。しかしながら、このような方法は歩留りが悪く、非常に多工程となる。
特許出願広告昭和58−32010号公報 国際公開第2005/002753号パンフレット 特許3114918号公報 特開2008−80381号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、長手方向に垂直な断面がU字形であり、長手方向の少なくとも一部に上記U字形の底部側が凸となるように長手方向に曲率を有する湾曲部を含む形状に金属板をプレス成形して、U成形品を得るU成形品の製造方法において、上記U成形品における上記湾曲部にシワが発生することを抑制し、上記金属板ならびに上記U成形品のダイおよびポンチに疵が発生することを抑制可能である金型、U成形品の製造方法、および管状成形品の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、長手方向に垂直な断面がU字形であり、長手方向の少なくとも一部に上記U字形の底部側が凸となるように長手方向に曲率を有する湾曲部を含む形状に金属板をプレス成形して、U成形品を得るための金型であって、上記金型は、ダイとポンチとを有し、上記ダイは、上記湾曲部の側部に対応する成形面を構成する可動部を有し、上記可動部は、上記ポンチ側に移動可能であり、かつ上記ポンチ側に加圧可能に構成されていることを特徴とする金型を提供する。
本発明によれば、工数増加を伴うことなく歩留まりの低下を防止することができる。
また、上記発明においては、上記ダイの上記可動部の成形面が上記湾曲部の側部全体に対応することが好ましい。
また、本発明は、長手方向に垂直な断面がU字形であり、長手方向の少なくとも一部に上記U字形の底部側が凸となるように長手方向に曲率を有する湾曲部を含む形状に金属板をプレス成形してU成形品を得る、U成形工程を有するU成形品の製造方法であって、上記U成形工程においては、上記湾曲部の側部となる上記金属板の予定部位に板厚方向の圧縮力を付与しながら、上記金属板をプレス成形することを特徴とするU成形品の製造方法を提供する。
本発明によれば、工数増加を伴うことなく歩留まりの低下を防止することができる。
さらに、本発明は、上述したU成形品の製造方法を用い金属板をプレス成形して、U成形品を得る第1工程と、上記U成形品を閉断面または略閉断面に成形し、管状成形品を得る第2工程とを有することを特徴とする管状成形品の製造方法を提供する。
本発明によれば、工数増加を伴うことなく歩留まりの低下を防止することができる。
本発明においては、工数増加を伴うことなく歩留まりの低下を防止することができるという効果を奏する。
本発明の金型の一例を示す概略斜視図である。 図1に例示される金型を用いプレス成形する金属板の一例およびこの金属板をプレス成形して得られるU成形品の一例を示す概略図である。 本発明のU成形品の製造方法の一例を示す概略工程断面図である。 従来のU成形品の製造方法の一例を示す概略工程断面図である 本発明の管状成形品の製造方法における第2工程おいて用いられる金型の一例を示す概略斜視図である。 本発明の管状成形品の製造方法の一例を示す概略工程断面図である。
以下、本発明の金型、U成形品の製造方法、および管状成形品の製造方法について詳細に説明する。
A.金型
本発明の金型は、長手方向に垂直な断面がU字形であり、長手方向の少なくとも一部に上記U字形の底部側が凸となるように長手方向に曲率を有する湾曲部を含む形状に金属板をプレス成形して、U成形品を得るための金型であって、上記金型は、ダイとポンチとを有し、上記ダイは、上記湾曲部の側部に対応する成形面を構成する可動部を有し、上記可動部は、上記ポンチ側に移動可能であり、かつ上記ポンチ側に加圧可能に構成されていることを特徴とするものである。
ここで、本発明において、「長手方向」とは、上記U成形品の長手方向、または上記U成形品の長手方向に対応する上記金型もしくは上記金属板における方向を意味し、例えば、後述する図1および図2にて矢印で示されるような方向を意味する。また、「高さ方向」とは、上記U成形品の長手方向に垂直な断面における底部の中央および開口部の中央の対向方向、または上記U成形品の高さ方向に対応する上記金型もしくは上記金属板における方向を意味し、例えば、後述する図1および図2にて矢印で示されるような方向を意味する。
また、本発明において、「U成形品における底部」とは、例えば、後述する図2(b)および図2(c)に示される底部12のような、U成形品の長手方向に垂直な断面のU字形の底部を意味し、より具体的にはU成形品の長手方向に垂直な断面においてR止まりよりも開口部と反対側の曲率を有する部分を意味する。また、「U成形品における底端」とは、U成形品の長手方向に垂直な断面において開口部と反対側の端を意味する。また、「U成形品における側部」とは、U成形品の長手方向に垂直な断面においてR止まりよりも開口部側の部分を意味する。また、「U成形品における湾曲部」とは、U成形品の長手方向の少なくとも一部を構成する部分であって、U成形品の底部側が凸となるように長手方向に曲率を有する部分を意味し、より正確にはU成形品の長手方向の少なくとも一部を構成する部分であって、U成形品の底部側が凸となるように上記底端が長手方向に曲率を有する部分を意味する。
次に、本発明の金型について図面を参照して説明する。
図1は本発明の金型の一例を示す概略斜視図である。図2(a)は、図1に例示される金型を用いプレス成形する金属板の一例を示す概略斜視図であり、図2(b)は、図1に例示される金型を用い、図2(a)に例示される金属板をプレス成形して得られるU成形品の一例を示す概略斜視図であり、図2(c)は、図2(b)に例示されるU成形品における長手方向に垂直な断面を示す概略断面図である。図3は、図1に例示される金型におけるU成形品の湾曲部に対応する成形面の横断面を示す概略断面図である。図3(a)には、金属板をプレス成形する直前の金型の断面を示し、図3(b)には、金属板をプレス成形している状態の金型の断面を示す。
図1に示される金型20は、図2(b)および図2(c)に示されるように、長手方向に垂直な断面がU字形であり、長手方向に垂直な断面においてR止まりよりも開口部10aと反対側に位置する底部12と、R止まりよりも開口部10a側に位置する側部14と、を含む形状に、図2(a)に例示される金属板1aをプレス成形して、U成形品1bを得るためのものである。また、金型20は、長手方向の一部にU成形品の底部12側が凸となるように長手方向に曲率を有する湾曲部10cを含む形状に、金属板1aをプレス成形して、U成形品1bを得るためのものである。
なお、湾曲部10cは、より正確に言うとU成形品の長手方向に垂直な断面において開口部10aと反対側の底端16が長手方向に曲率を有する部分である。
金型20は、図1ならびに図3(a)および図3(b)に示されるように、ダイ30とポンチ40とを有するものであり、ダイ30は、本体部32および本体部32とは分離され、本体部32に対してポンチ40側に移動可能な可動部34を含む。可動部34は、上述したU成形品1bにおける湾曲部10cの側部14cの全体に対応する湾曲部側部成形面34aを構成する。本体部32は、湾曲部側部成形面34aを除いたダイ30の成形面を構成する。
なお、ダイ30にはポンチ40の両側に可動部34が設けられているが、図1では、ポンチ40の一方の側の可動部34のみが示されており、他方の側の可動部34は省略されている。
金型20では、図3(b)において、白抜き矢印に示すように、ダイ30の可動部34をポンチ40側に移動することにより、U成形品1bにおける湾曲部10cの側部14cとなる金属板1aの予定部位を可動部の成形面34aで加圧可能である。
本発明においては、上記ダイおよび上記ポンチの間のクリアランス(間隔)を十分に大きく確保した場合においても、上記可動部を上記本体部に対して上記ポンチ側に移動することにより、シワが発生する恐れがある上記湾曲部の側部となる上記金属板の予定部位を上記可動部で上記ポンチ側に加圧しながら、上記金属板を上記U成形品の形状にプレス成形することができる。すなわち、上記湾曲部の側部となる上記金属板の予定部位に板厚方向の圧縮力を付与しながら、上記金属板を上記U成形品の形状にプレス成形することができる。これにより、上記U成形品における上記湾曲部にシワが発生することを抑制することができる。したがって、歩留まりの低下を防止することができる。
また、本発明においては、上記ダイの上記可動部を上記ポンチ側に移動することにより、上記湾曲部の側部となる上記金属板の予定部位を上記可動部で加圧する圧力の調整も可能とされている。すなわち、上記湾曲部の側部となる上記金属板の予定部位に付与する板厚方向の圧縮力の調整も可能とされている。このため、上記U成形品ならびに上記金型のダイおよびポンチに疵が発生することを抑制することができる。また、上記U成形品の量産中にロット違い等により上記金属板の材質がわずかに変化したとしても、加圧する圧力の調整を行えばよいので、上記ダイおよびポンチの寸法をその都度修正(再研磨、肉盛り、再作製等)する必要がない。したがって、工数増加を伴うことなく歩留まりの低下を防止することができる。
以下、本発明の金型における各構成について説明する。
1.ダイ
本発明におけるダイは、本体部と上記湾曲部の側部に対応する成形面を構成する可動部とを有する。上記ダイでは、上記可動部は上記本体部に対して上記ポンチ側に移動可能であり、かつ上記ポンチ側に加圧可能に構成されている。
上記可動部は上記ダイの成形面のうち上記湾曲部の側部に対応する成形面を構成し、上記本体部は上記可動部の成形面を除いた上記ダイの成形面を構成する。
上記可動部は、上記U字成形品における上記湾曲部の側部に対応する成形面を構成するものであれば特に限定されるものではないが、上記U字成形品における長手方向の全体の側部に対応する成形面を構成するものであることが好ましい。上記U成形品における上記湾曲部を含む部分にシワが発生することを好適に抑制することができるからである。
上記可動部は、上記湾曲部の側部における開口部側の少なくとも一部に対応する成形面を構成するものであれば特に限定されるものではないが、上記湾曲部の側部における開口部側の半分を含む領域に対応する成形面を構成するものであることが好ましく、特に、例えば図1に示される湾曲部側部成形面34aのような上記湾曲部の側部全体に対応する成形面を構成するものであることが好ましい。上記U成形品における上記湾曲部にシワが発生することを好適に抑制することができるからである。
また、上記可動部は、分割されていない単一の可動部でもよいが、高さ方向や長手方向に複数に分割され別々に上記本体部に対して上記ポンチ側に移動可能な複数の可動部であってもよい。上記湾曲部の側部となる上記金属板の予定部位を上記複数の可動部で別々に上記ポンチ側に加圧することができるので、上記U成形品における上記湾曲部にシワが発生することを好適に抑制することができるからである。
また、上記可動部は、上記ダイにおいて上記ポンチの両側に設けることが好ましいが、一方の側のみに設けることもできる。上記ポンチの一方の側のみに上記可動部を設ける場合には、上記ダイの上記可動部を設けない側において、上記湾曲部の側部に対応する成形面を上記本体部の成形面とした上で、上記本体部が上記可動部に対して上記可動部側に移動可能となるように上記ダイを構成することが好ましい。これにより、上記ダイの上記可動部を設けない側においても、上記ダイの本体部によって、上記湾曲部の側部となる上記金属板の予定部位を上記ポンチ側に加圧することができ、上記U成形品における上記湾曲部にシワが発生することを抑制することができるからである。
上記本体部および上記可動部の形状および寸法としては、上記U成形品の形状および寸法等に応じて適宜設計される。
上記可動部は、上記本体部に対して上記ポンチ側に移動可能なものであれば特に限定されるものではないが、上記可動部が上記本体部に対して移動可能なように、シリンダーやカム機構等により駆動されるように構成されていることが好ましい。また、上記可動部は、上記ポンチ側に加圧する圧力の調整も可能なように構成されていることが好ましく、ストローク(上記ポンチ側への前進端位置)を制限しても良い。ストロークの制限方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、上記可動部と上記本体部の間の適切な位置にストッパーを設置することが考えられる。
2.ポンチ
本発明におけるポンチの形状および寸法としては、上記ダイの形状等に応じて適宜設計される。
3.その他
上述した上記可動部のストロークの制限を行わない場合には、上述したU成形品の形状に上記金属板をプレス成形している状態における上記ダイの可動部とポンチとの間のクリアランス(間隔)は、上記可動部を加圧する圧力に応じて自動的に調整される。また、上述した上記可動部のストローク制限を行う場合には、上述したU成形品の形状に上記金属板をプレス成形している状態における上記ダイの可動部とポンチとの間のクリアランス(間隔)は、上記U成形品の形状、上記金属板の材質および板厚、ならびに上記金型の成形面の形状等に基づいて、上記金属板を上記U成形品の形状にプレス成形する工程を解析してトライアンドエラーでそれぞれ適宜調整することもできる。さらに、上記ストローク制限の有無にかかわらず、上述したU成形品の形状に上記金属板をプレス成形している状態における上記ダイの本体部とポンチとの間のクリアランス(間隔)は、上記U成形品の形状、上記金属板の材質および板厚、ならびに上記金型の成形面の形状等に基づいて、上記金属板を上記U成形品の形状にプレス成形する工程を解析してトライアンドエラーでそれぞれ適宜調整することもできる。上記クリアランス(間隔)を適宜調整するために上記工程を解析する方法としては、例えば、FEM(有限要素法)等が挙げられる。
上記金型としては、上記ダイの上記可動部を上記本体部に対して上記ポンチ側に移動して、上記湾曲部の側部となる上記金属板の予定部位を上記可動部で上記ポンチ側に加圧する加圧手段をさらに有するものでもよい。
B.U成形品の製造方法
本発明のU成形品の製造方法は、長手方向に垂直な断面がU字形であり、長手方向の少なくとも一部に上記U字形の底部側が凸となるように長手方向に曲率を有する湾曲部を含む形状に金属板をプレス成形してU成形品を得る、U成形工程を有するU成形品の製造方法であって、上記U成形工程においては、上記湾曲部の側部となる上記金属板の予定部位に板厚方向の圧縮力を付与しながら、上記金属板をプレス成形することを特徴とする製造方法である。
本発明のU成形品の製造方法について図面を参照して説明する。
図3(a)および図3(b)は本発明のU成形品の製造方法の一例を示す概略工程断面図である。図3(a)および図3(b)には、図1に例示される金型におけるU成形品の湾曲部に対応する成形面を横断する長手方向に垂直な断面が示されている。
図3に例示されるU成形品の製造方法では、まず、U成形工程において、図3(a)に示されるように、図1に例示される金型20を準備し、ダイ30およびポンチ40の間に金属板1aを載置する。
次に、U成形工程において、図3(b)に示されるように、金型20を用い、ダイ30およびポンチ40の間に載置された金属板1aを図2(b)に例示されるU成形品1bの形状にプレス成形する。U成形品1bは、図2(b)および図2(c)に示されるように、長手方向に垂直な断面がU字形であり、長手方向に垂直な断面においてR止まりよりも開口部10aと反対側に位置する底部12と、R止まりよりも開口部10a側に位置する側部14と、を含む形状を有する。また、U成形品1bは、長手方向の一部にU成形品の底部12側が凸となるように長手方向に曲率を有する湾曲部10cを含む形状を有する。
U成形工程においては、図3(b)の白抜き矢印に示すようにダイ30の可動部34を本体部32に対してポンチ40側に移動することにより、U成形品1bにおける湾曲部10cの側部14cの予定部位を可動部の成形面34aで加圧しながら、金属板1aをプレス成形する。すなわち、U成形品1bにおける湾曲部10cの側部14cとなる金属板1aの予定部位に板厚方向の圧縮力を付与しながら、金属板1aをプレス成形する。
ここで、図4(a)および図4(b)は、従来のU成形品の製造方法の一例を示す概略工程断面図であり、図3(a)および図3(b)に示される工程に対応する工程がそれぞれ示されている。従来のU成形品の製造方法では、まず、U成形工程において、図4(a)に示されるように、本体部32および可動部34に分割されていないダイ30とポンチ40とを有する金型20を準備し、ダイ30およびポンチ40の間に金属板1aを載置した後に、図4(b)に示されるように、金型20を用い、金属板1aをU成形品1bの形状にプレス成形する。
このような従来のU成形品の製造方法において、金属板1aをU成形品1bの形状にプレス成形している状態の金型20におけるダイ30およびポンチ40の間のクリアランス(間隔)を十分に大きく確保した場合には、U成形品1bの形状、金属板1aの材質および板厚、ならびに金型20の成形面の形状次第により、金属板1aをU成形品1bの形状にプレス成形する時に、U成形品1bにおける湾曲部10cが加圧されない、もしくは加圧する圧力が不足することで湾曲部10cにシワが発生し良好な状態の製品を得られないことがある。
このような問題に対して、金属板1aをU成形品1bの形状にプレス成形している状態におけるダイ30およびポンチ40の間のクリアランス(間隔)が小さくなるように金型20を設計する方法が考えられる。このような方法では、金属板1aをU成形品1bの形状にプレス成形する時に、金属板1aをダイ30およびポンチ40の間で加圧してしごきながら成形することで、上述したようなシワの発生を抑制することができることもある。しかしながら、このような方法では、金属板1aとダイ30およびポンチ40との間に非常に高い面圧が生じるため、U成形品1bならびにダイ30およびポンチ40に疵が発生する危険性がある。また、U成形品1bの量産中にロット違い等により金属板1aの材質がわずかにでも変化する場合には、ダイ30およびポンチ40の寸法をその都度修正(再研磨、肉盛り、再作製等)する必要が生じる。これらの結果、歩留まりの低下や工数増加を招くことがある。
一方、本発明においては、上記U成形工程において、例えば、上記ダイおよび上記ポンチの間のクリアランス(間隔)を十分に大きく確保した場合において、上記可動部を上記ポンチ側に加圧することにより、シワが発生する恐れがある上記湾曲部の側部となる上記金属板の予定部位に板厚方向の圧縮力を付与しながら、上記金属板を上記U成形品の形状にプレス成形することができる。これにより、上記U成形品における上記湾曲部にシワが発生することを抑制することができる。したがって、歩留まりの低下を防止することができる。
また、本発明においては、上記U成形工程において、例えば、上記可動部を上記ポンチ側に加圧する圧力を調整することにより、上記湾曲部の側部となる上記金属板の予定部位に付与する板厚方向の圧縮力の調整も可能である。このため、上記湾曲部にシワが発生することを抑制するために、上記金属板を上記U成形品の形状にプレス成形している状態における上記金型のダイおよびポンチの間のクリアランス(間隔)が小さくなるように上記金型を設計する方法を用いる必要がない。このため、上記U成形品ならびに上記金型のダイおよびポンチに疵が発生することを抑制することができる。また、上記U成形品の量産中にロット違い等により上記金属板の材質がわずかに変化したとしても、加圧する圧力の調整を行えばよいので、上記ダイおよびポンチの寸法をその都度修正(再研磨、肉盛り、再作製等)する必要がない。したがって、工数増加を伴うことなく歩留まりの低下を防止することができる。
以下、本発明のU成形品の製造方法についてU成形工程を中心に説明する。
1.U成形工程
本発明におけるU成形工程においては、長手方向に垂直な断面がU字形であり、長手方向の少なくとも一部に上記U字形の底部側が凸となるように長手方向に曲率を有する湾曲部を含む形状に金属板をプレス成形してU成形品を得る。
上記U成形工程にて上述した形状に金属板をプレス成形する成形方法としては、上記湾曲部の側部となる上記金属板の予定部位に板厚方向の圧縮力を付与しながら、上記金属板をプレス成形する成形方法が適用される。また、上記成形方法としては、上述した「A.金型」に記載の金型を用い、上述した形状に金属板をプレス成形する成形方法でもよいし、上述した金型を用いることなく、上述した形状に金属板をプレス成形する成形方法でもよい。
以下、上記U成形工程にて上述した金型を用い上述した形状に金属板をプレス成形する上記成形方法を中心に説明する。
(1)成形方法
上記U成形工程にて上述した金型を用い上述した形状に金属板をプレス成形する上記成形方法としては、上記可動部を上記本体部に対して上記ポンチ側に移動することにより、上記湾曲部の側部となる上記金属板の予定部位を上記可動部で上記ポンチ側に加圧しながら、上記金属板をプレス成形する成形方法が適用される。
上述した形状に金属板をプレス成形する成形方法において、上記湾曲部の側部となる上記金属板の予定部位を上記可動部で加圧する圧力および時間は、上記U成形品における上記湾曲部にシワが発生することを抑制することができ、かつ上記U成形品ならびに上記金型のダイおよびポンチに疵が発生することを抑制することができる範囲内になるように、上述したU成形品の形状、上記金属板の材質および板厚、ならびに上記金型の成形面の形状等に基づいて上記U成形工程を解析してトライアンドエラーでそれぞれ適宜調整すればよい。このように上記可動部で加圧する圧力および時間をそれぞれ適宜調整するために上記U成形工程を解析する方法としては、例えば、FEM(有限要素法)等が挙げられる。
上記湾曲部の側部となる上記金属板の予定部位を上記可動部で加圧する圧力は、上記U成形品における上記湾曲部にシワが発生することを好適に抑制することができ、かつ上記U成形品ならびに上記金型のダイおよびポンチに疵が発生することを好適に抑制することができるように、経時的に変化させてもよい。例えば、上記圧力が上記U成形工程の前半よりも後半において大きくなるようにしてもよい。また、上記圧力を継時的に変化させる方法は、このように好適に効果が得られるように上記U成形工程を解析してトライアンドエラーで適宜調整すればよい。この場合にも上記U成形工程を解析する方法としては、例えば、FEM(有限要素法)等が挙げられる。
上述した形状に金属板をプレス成形する成形方法においては、上記可動部として、分割されていない単一の可動部を用いてもよいし、高さ方向や長手方向に複数に分割された複数の可動部を用いてもよい。上記複数の可動部を用いる場合には、上記複数の可動部を別々に上記本体部に対して上記ポンチ側に移動することにより、上記湾曲部の側部となる上記金属板の予定部位を上記複数の可動部で別々に上記ポンチ側に加圧することができるので、上記U成形品における上記湾曲部にシワが発生することを好適に抑制することができ、かつ上記U成形品ならびに上記金型のダイおよびポンチに疵が発生することを好適に抑制することができる。また、上記複数の可動部を設けて、上記湾曲部の側部となる上記金属板の予定部位を上記複数の可動部で別々に加圧する方法は、このように好適に効果を得られるように上記U成形工程を解析してトライアンドエラーで適宜調整すればよい。この場合にも上記U成形工程を解析する方法としては、例えば、FEM(有限要素法)等が挙げられる。
上述した形状に金属板をプレス成形する成形方法としては、長手方向に垂直な断面がU字形であり、長手方向に直線状に延びる形状の中間成形品に上記金属板を一旦成形した後に、上述した金型を用い、長手方向に垂直な断面がU字形であり、長手方向の少なくとも一部に上記U字形の底部側が凸となるように長手方向に曲率を有する湾曲部を含む形状に上記中間成形品をプレス成形して上記U成形品を得る、成形方法を適用してもよい。このような成形方法によれば、上記金属板を長手方向に曲げる加工工程における初期から上記湾曲部の側部となる上記金属板の予定部位を上記可動部で上記ポンチ側に加圧することができるため、上記金属板の長手方向に垂直な断面をU字形にする加工と上記金属板を長手方向に曲げる加工を同時に行う場合よりも、さらに安定した成形が可能となり、上記湾曲部にシワが発生することを好適に抑制することができるからである。
(2)金属板
上記金属板としては、上述した形状にプレス成形可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば熱間圧延鋼板、冷間圧延鋼板、めっき鋼板等を用いることができる。また、上記金属板には、複数の金属板をつなぎ合わせたもの、いわゆるテーラードブランクを用いてもよい。テーラードブランクは、後述する「C.管状成形品の製造方法」に記載の管状成形品の製造方法により上記U成形品をさらに成形して得られる管状成形品の軸方向に複数の金属板をつなぎ合わせたものであってもよく、周方向に複数の金属板をつなぎ合わせたものであってもよい。また、差厚鋼板を用いることもできる。また、複数の金属板を重ね合わせたものや金属板に非金属素材を重ね合わせたもの、いわゆる積層板を用いてもよい。
上記金属板の材料としては、上記金属板を上述した形状にプレス成形可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えばFe系、Al系、Cu系、Ti系等の材料が挙げられる。上記金属板の板厚としては、成形可能な板厚であればよく、上記金属板の材料や上記U成形品の形状および寸法等に応じて適宜選択される。
上記金属板の形状および寸法は、上記金属板の材料や上記U成形品の形状および寸法に応じて適宜調整される。この際、例えば図2に示されるような長手方向に直交する方向の金属板の幅は、上記U成形品における上記湾曲部となる上記金属板の予定部位が上記湾曲部となる時に延びることを考慮して、上記湾曲部となる上記金属板の予定部位において短くしておくことが好ましい。上記金属板の幅を短くする長さは、上記U成形工程を解析しトライアンドエラーで適宜調整すればよい。この場合にも上記U成形工程を解析する方法としては、例えば、FEM(有限要素法)等が挙げられる。
2.その他の工程
本発明においては、上記U成形工程前後に、トリム工程等の工程を必要に応じて追加してもよい。
3.U成形品
本発明により製造されるU成形品は、長手方向に垂直な断面がU字形であり、長手方向の少なくとも一部に上記U字形の底部側が凸となるように長手方向に曲率を有する湾曲部を含む形状を有するものであればよい。
上記U成形品の形状としては、本発明の製造方法により成形可能なものであれば特に限定されるものではないが、後述する「C.管状成形品の製造方法」に記載の管状成形品の製造方法によって管状成形品を成形可能なものが好ましい。このようなU成形品の形状としては、例えば曲がり形状を有する曲管、長手方向に外径が異なる異径管、長手方向に断面形状が異なる異形断面管、円形以外の断面を含む管、偏心管、断面形状が上下非対称または左右非対称の管、長手方向の複数箇所に上記湾曲部が設けられた管等の管状成形品を上記管状成形品の製造方法によって良好に成形可能なもの等が挙げられる。また、上記U成形品の長手方向に垂直な断面における側部は、完全な直線である必要はない。
C.管状成形品の製造方法
本発明の管状成形品の製造方法は、上述した「B.U成形品の製造方法」に記載のU成形品の製造方法を用い金属板をプレス成形して、U成形品を得る第1工程と、上記U成形品を閉断面または略閉断面に成形し、管状成形品を得る第2工程とを有することを特徴とする製造方法である。
本発明の管状成形品の製造方法について図面を参照して説明する。
図5(a)は、本発明の管状成形品の製造方法における第2工程おいて用いられる金型の一例を示す概略斜視図である。図5(b)は、上記第2工程において、図5(a)に示される金型を用い、図2(b)に示されるU成形品を閉断面に成形して得られる管状成形品の一例を示す概略斜視図である。図3(a)〜図3(b)および図6(a)〜図6(c)は本発明の管状成形品の製造方法の一例を示す概略工程断面図である。
図3(a)〜図3(b)および図6(a)〜図6(c)に例示される管状成形品の製造方法では、まず、第1工程において、図3(a)に示されるように、図1に例示される金型20を準備し、ダイ30およびポンチ40の間に図2(a)に例示される金属板1aを載置する。次に、第1工程において、図3(b)に示されるように、金型20を用い、ダイ30およびポンチ40の間に載置された金属板1aを図2(b)に例示されるU成形品1bの形状にプレス成形する。
次に、第2工程において、図5(a)に示される上型70および下型80を有する金型60を準備した後に、図6(a)〜図6(c)に示されるように、上型70および下型80の間にU成形品1bを載置し、閉断面に成形して、中間成形品1cおよび閉断面の管状成形品1dを順に成形する。これにより、図6(c)および図5(b)に示される閉断面の管状成形品1dを得る。
本発明においては、上記第1工程において、上記U成形品の製造方法を用い金属板をプレス成形して、U成形品を得ている。このため、上記U成形品における上記湾曲部にシワが発生することを抑制することができる。したがって、歩留まりの低下を防止することができる。また、上記U成形品ならびに上記金型のダイおよびポンチに疵が発生することを抑制することができ、上記U成形品の量産中にロット違い等により上記金属板の材質がわずかに変化したとしても、上記ダイおよびポンチの寸法をその都度修正(再研磨、肉盛り、再作製等)する必要がない。したがって、工数増加を伴うことなく歩留まりの低下を防止することができる。
また、上記第1工程にて得られる上記U成形品における上記湾曲部の側部は、上記可動部で加圧されながらプレス成形されるため、外側に反らず平坦となる。このため、本発明においては、上記第2工程において、上記湾曲部の側部が外側に反らず平坦な上記U成形品を閉断面または略閉断面に成形するため、U成形品から管状成形品を容易に成形することができる。
1.第1工程
本発明における第1工程では、上記U成形品の製造方法を用い金属板をプレス成形して、U成形品を得る。
上記U成形品の製造方法については、上述した「B.U成形品の製造方法」に記載の通りであるため、ここでの説明は省略する。
2.第2工程
本発明における第2工程では、上記U成形品を閉断面または略閉断面に成形し、管状成形品を得る。
上記U成形品を閉断面または略閉断面に成形する方法としては、一般的に用いられている方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、図5(a)に例示されるような金型を用いたプレス成形が適用される。上記金型を用いたプレス成形が適用される際には、必要に応じて中子を用いてもよい。中子を用いることにより、周方向の断面形状が複雑な形状であっても安定して成形することができる。中子を用いる場合、中子を入れる範囲は、管状成形品の全長でもよく一部でもよい。
3.その他の工程
本発明においては、上記第2工程後に、管状成形品の一部に小さな突起や平坦部を付加したり、穴をあけたりする後加工を行ってもよい。
また本発明においては、突合せ部の全部または一部に隙間を有さない管状成形品を製造する場合には、上記第2工程後に、管状成形品の突合せ部の全部または一部を溶接する溶接工程をさらに有するものでもよい。また、溶接する場合には、例えばアーク溶接、レーザ溶接などが適用できる。
4.管状成形品
本発明により製造される管状成形品は、長手方向に垂直な断面が閉断面または略閉断面であり、長手方向の少なくとも一部に底部側が凸となるように長手方向に曲率を有する湾曲部を含む形状を有するものであればよく、突合せ部に隙間を有さない閉断面部品でもよいし、突合せ部に隙間を有する略閉断面部品でもよい。具体的には、例えば、図5(b)に例示されるような突合せ部8に隙間を有さない曲管でもよいし、突合せ部に隙間を有する曲管でもよい。
上記管状成形品の形状としては、本発明の製造方法により良好に成形可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば曲がり形状を有する曲管、長手方向に外径が異なる異径管、長手方向に断面形状が異なる異形断面管、円形以外の断面を含む管、偏心管、断面形状が上下非対称または左右非対称の管、長手方向の複数箇所に上記湾曲部が設けられた管等が挙げられる。
上記管状成形品は、上記突合せ部側の真上から平面視して上記管状成形品の中心軸または上記突合せ部が直線状になっているものが好ましいが、若干湾曲しているものでもよい。
上記管状成形品の周方向の断面形状は、特に限定されるものではなく、円形、楕円形、四角形や、上下非対称の形状、左右非対称の形状等、種々の形状にすることができる。
上記管状成形品の用途としては、上記管状成形品が好適に適用可能な用途であれば特に限定されるものではないが、例えば、サスペンションのアームやリンク部品等の自動車部品等が挙げられる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
図1に示される下記金型を用い、図3(a)〜図3(b)に示すように、下記金属板を下記U成形品の形状になるように下記製造条件によってプレス成形して、U成形品を得る。
<金型>
ダイの本体部とポンチとの間のクリアランス:2.3mm
<金属板>
種別:熱間圧延鋼板
TS:440MPa
板厚:2.0mm
短手方向の長さ(幅):202mm
長手方向の長さ:400mm
<U成形品の形状>
湾曲部の長手方向の長さ(U成形品における長手方向に曲率を有する底端の長さ):
約70mm
湾曲部の長手方向の曲率:0.004
湾曲部の側部の高さ方向の長さ:約52mm
湾曲部の底部の周方向の長さ:約102mm
湾曲部の底部の周方向の曲率:約0.03
<製造条件>
ダイの可動部とポンチによる加圧荷重:約2ton
ダイの可動部とポンチによる加圧時間:成形中は常に加圧
ダイの可動部とポンチによる加圧条件:一定圧力で加圧
次に、図5(a)に示される金型20を用い、図6(a)〜図6(c)に示すように、上記のようにして得られたU成形品を下記管状部品の形状になるようにプレス成形して、管状部品を得る。
<管状部品の形状>
種別:曲がり形状を有する曲管
外径:65mm
長手方向の長さ:400mm
[比較例1]
上記ダイが上記本体部と上記可動部とに分割されていない図2(b)に示されるU成形品を得るための下記金型を用い、図4(a)〜図4(b)に示すように、実施例1と同一の金属板を実施例1と同一のU成形品の形状になるようにプレス成形して、U成形品を得る。
<金型>
ダイとポンチとの間のクリアランス:2.3mm
次に、上記のように得られたU成形品を実施例1と同様にプレス成形して、管状部品を得る。
[比較例2]
上記ダイが上記本体部と上記可動部とに分割されていない図2(b)に示されるU成形品を得るための下記金型を用い、図4(a)〜図4(b)に示すように、実施例1と同一の金属板を実施例1と同一のU成形品の形状になるようにプレス成形して、U成形品を得る。
<金型>
ダイとポンチとの間のクリアランス:約2.0mm
次に、上記のように得られたU成形品を実施例1と同様にプレス成形して、管状部品を得る。
[評価]
実施例1ならびに比較例1および2で得られるU成形品について、湾曲部におけるシワおよび割れの発生の有無を調査し、実施例1で得られる管状部品について、湾曲部およびその他の部分におけるシワおよび割れの発生の有無を調査した。その結果を下記表1に示す。
Figure 0006672989
表1に示されるように、比較例1で得られるU成形品では湾曲部にシワが発生したのに対して、実施例1および比較例2で得られるU成形品では湾曲部にシワや割れが発生しなかった。また、実施例1で得られる管状部品でも、湾曲部および他の部分においてシワや割れが発生しなかった。
また、実施例1および比較例2にて用いた金型における疵の発生の有無を調査し、実施例1および比較例2で得られるU成形品における疵の発生の有無を調査した。その結果を下記表2に示す。
Figure 0006672989
比較例2では、金型およびU成形品において疵が発生したのに対して、実施例1では、金型およびU成形品において疵の発生が無かった。このことから、実施例1では比較例2と比較して、金属板がU成形品の形状になるようにプレス成形されている時において、湾曲部となる金属板の予定部位における面圧が顕著に低くなったと考えられる。
1a … 金属板
1b … U成形品
10c … U成形品における湾曲部
14c … U成形品における湾曲部の側部
1c … 中間成形品
1d … 管状成形品
20 … 金型
30 … ダイ
40 … ポンチ
32 … ダイの本体部
34 … ダイの可動部
34a … 湾曲部側部成形面

Claims (4)

  1. 長手方向に垂直な断面がU字形であり、長手方向の少なくとも一部に前記U字形の底部側が凸となるように長手方向に曲率を有する湾曲部を含む形状に金属板をプレス成形して、U成形品を得るための金型であって、
    前記金型は、ダイとポンチとを有し、
    前記ダイは、本体部と可動部とを有し、
    前記可動部は、前記湾曲部の側部に対応する成形面を構成し、
    前記本体部は、前記U成形品の側部に対応し、前記可動部の成形面を除く成形面を構成し、
    前記可動部は、前記本体部に対して前記ポンチ側に移動可能であり、かつ前記ポンチ側に加圧可能に構成されていることを特徴とする金型。
  2. 前記ダイの前記可動部の成形面が前記湾曲部の側部全体に対応することを特徴とする請求項1に記載の金型。
  3. 長手方向に垂直な断面がU字形であり、長手方向の少なくとも一部に前記U字形の底部側が凸となるように長手方向に曲率を有する湾曲部を含む形状に金属板をプレス成形してU成形品を得る、U成形工程を有するU成形品の製造方法であって、
    前記U成形工程においては、長手方向に垂直な断面がU字形になるように前記金属板をプレス成形するとともに、前記湾曲部の側部となる前記金属板の予定部位に板厚方向の圧縮力を付与しながら、前記金属板をプレス成形することを特徴とするU成形品の製造方法。
  4. 請求項3に記載のU成形品の製造方法を用い金属板をプレス成形して、U成形品を得る第1工程と、前記U成形品を閉断面または略閉断面に成形し、管状成形品を得る第2工程とを有することを特徴とする管状成形品の製造方法。
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