以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る電子回路の印刷方法の実施に用いる電子回路の印刷装置の一実施の形態の要部を示す図である。
この電子回路の印刷装置は、版胴(P)1とゴム胴(B)2と平台(テーブル)3とを備えたフラットベッドタイプの印刷機(平台印刷機)100と、この印刷機100に対して設けられた平台印刷制御装置200とを備えている。
印刷機100において、版胴1およびゴム胴2は回転可能に支持されており、テーブル3には所定の位置に被印刷物4がセットされ、版胴1にはテーブル3上の被印刷物4に電子回路を印刷するための版が装着されている。被印刷物4は、1枚のフィルム(シート状の被印刷物)であり、回路はまだ印刷されていない。
この印刷機100では、版胴1からゴム胴2にインキが転写され、このインキが転写されたゴム胴2がテーブル3に降ろされ、このテーブル3に降ろされたゴム胴2が回転しながら図示右方向に移動することによって、被印刷物4への電子回路の印刷が行われる。
〔実施の形態1〕
この電子回路の印刷装置では、後述するように、正式な印刷の前に、試し刷りを行う。図2に、試し刷りで印刷された被印刷物4を示す。この試し刷りされた被印刷物4には、回路の印刷と同時に、天地方向に離れた位置に左右に1対(2つ)のレジスタマークRM1が印刷される。この天地方向に離れた位置に左右に1対1対(2つ)のレジスタマークRM1、合計4つのレジスタマークRM1を印刷する例を実施の形態1とする。
この例では、ゴム胴2が移動する方向を被印刷物4の天地方向(Y方向)とし、この天地方向と直交する方向を被印刷物4の左右方向(X方向)とし、被印刷物4の左側の天地方向に離れた位置に1対のレジスタマークRM1L1とRM1L2を、被印刷物4の右側の天地方向に離れた位置に1対のレジスタマークRM1R1とRM1R2を、回路の印刷と同時に印刷している。
この例において、レジスタマークRM1は円形とされているが、このような形のマークに限られるものではない。また、このレジスタマークRM1は、必ずしも印刷されたものでなくてもよく、印刷と同時に塗布されたようなものであっても構わない。
なお、図1および図2においては、回路が印刷されていない被印刷物4(回路が印刷される前の被印刷物4)を符号4Aで示し、試し刷りで回路が印刷された被印刷物4(試し刷りされた被印刷物4)を符号4Bで示し、両者を区別している。
また、この例において、被印刷物4の天地方向に離れた位置に印刷された2つのレジスタマークRM1(RM1L1とRM1L2との対、RM1R1とRM1R2との対)が本発明でいう複数の基準マーク(被印刷物の天地方向に離れた位置に間隔を設けて付加された複数の基準マーク)に相当する。また、レジスタマークRM1L1とRM1L2との対、レジスタマークRM1R1とRM1R2との対が、本発明でいう隣接する基準マークに相当する。
また、この印刷機100には、テーブル3上の被印刷物4を挾んでゴム胴2とは反対側の位置に、2つのカメラ210(210L,210R)が設けられている。
第1のカメラ210L(以下、左カメラと呼ぶ)は、テーブル3上の被印刷物4の1対のレジスタマークRM1L1とRM1L2の印刷位置に対応して設けられており、後述するように、テーブル3上の被印刷物4の上面を天地方向に移動して、第1のマーク位置PM1においてレジスタマークRM1L1を含む領域を撮像し、第2のマーク位置PM2においてレジスタマークRM1L2を含む領域を撮像する。
第2のカメラ210R(以下、右カメラと呼ぶ)は、テーブル3上の被印刷物4の1対のレジスタマークRM1R1とRM1R2の印刷位置に対応して設けられており、後述するように、テーブル3上の被印刷物4の上面を天地方向に移動して、第1のマーク位置PM1においてレジスタマークRM1R1を含む領域を撮像し、第2のマーク位置PM2においてレジスタマークRM1R2を含む領域を撮像する。
図3に平台印刷制御装置200の要部のブロック図を示す。平台印刷制御装置200は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、入力装置204、表示器205、出力装置(FDドライブ、プリンタ等)206、印刷開始スイッチ207、印刷終了後のティーチングスイッチ208、カメラ210(左カメラ210L、右カメラ210R)、カメラ移動用モータ211、カメラ移動用モータドライバ212、カメラ移動用モータ用ロータリエンコーダ213、カメラ位置検出用カウンタ214、D/A変換器215、カメラの原点位置検出器216、版胴駆動用モータ217、版胴駆動用モータドライバ218、版胴駆動用モータ用ロータリエンコーダ219、版胴回転位相検出用カウンタ220、D/A変換器221を備えている。
また、ゴム胴駆動用モータ222、ゴム胴駆動用モータドライバ223、ゴム胴駆動用モータ用ロータリエンコーダ224、ゴム胴回転位相検出用カウンタ225、D/A変換器226、ゴム胴天地方向移動用モータ227、ゴム胴天地方向移動用モータドライバ228、ゴム胴天地方向移動用モータ用ロータリエンコーダ229、ゴム胴天地方向位置検出用カウンタ230、D/A変換器231、ゴム胴の天地方向の原点位置検出器232、ゴム胴昇降用エアシリンダ233、ゴム胴昇降用エアシリンダ用バルブ234、インキ装置235、胴着脱装置236、メモリ237、入出力インターフェイス(I/O,I/F)238−1〜238−16を備えている。
この平台印刷制御装置200において、CPU201は、インターフェイス238−1〜238−16を介して与えられる各種入力情報を得て、RAM203やメモリ237にアクセスしながら、ROM202に格納されたプログラムに従って動作する。
カメラ移動用モータ用ロータリエンコーダ213は、カメラ移動用モータ211の所定回転角毎にクロックパルスを発生して、カメラ移動用モータドライバ212およびカメラ位置検出用カウンタ214に出力する。また、カメラ移動用モータ用ロータリエンコーダ213は、カメラ移動用モータ211の所定回転角度位置毎にゼロパルスを発生して、カメラ位置検出用カウンタ214にゼロパルスを出力する。カメラ移動用モータ211は、テーブル3上の被印刷物4の上面を天地方向に、左カメラ210Lと右カメラ210Rとを同時に移動させる。カメラの原点位置検出器216は、左カメラ210Lと右カメラ210Rとを同時に移動させる際の最初の位置を原点位置として検出する。
版胴駆動用モータ用ロータリエンコーダ219は、版胴駆動用モータ217の所定回転角毎にクロックパルスを発生して、版胴駆動用モータドライバ218および版胴回転位相検出用カウンタ220に出力する。また、版胴駆動用モータ用ロータリエンコーダ219は、版胴駆動用モータ217の所定回転角度位置毎にゼロパルスを発生して、版胴回転位相検出用カウンタ220にゼロパルスを出力する。
ゴム胴駆動用モータ用ロータリエンコーダ224は、ゴム胴駆動用モータ222の所定回転角毎にクロックパルスを発生して、ゴム胴駆動用モータドライバ223およびゴム胴回転位相検出用カウンタ225に出力する。また、ゴム胴駆動用モータ用ロータリエンコーダ224は、ゴム胴駆動用モータ222の所定回転角度位置毎にゼロパルスを発生して、ゴム胴回転位相検出用カウンタ225にゼロパルスを出力する。
ゴム胴天地方向移動用モータ用ロータリエンコーダ229は、ゴム胴天地方向移動用モータ227の所定回転角毎にクロックパルスを発生して、ゴム胴天地方向移動用モータドライバ228およびゴム胴天地方向位置検出用カウンタ230に出力する。また、ゴム胴天地方向移動用モータ用ロータリエンコーダ229は、ゴム胴天地方向移動用モータ227の所定回転角度位置毎にゼロパルスを発生して、ゴム胴天地方向位置検出用カウンタ230にゼロパルスを出力する。ゴム胴の天地方向の原点位置検出器232は、ゴム胴2を天地方向に移動させる際の最初の位置を原点位置として検出する。
図4〜図9にメモリ237の内容を分割して示す。メモリ237にはメモリM1〜M59が設けられる。メモリM1には基準の印刷開始位置PRTSTが記憶されている。メモリM2には第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークのY方向のずれ量ΔY1(ΔM1y1)が記憶される。メモリM3には補正された印刷開始位置PRTST’が記憶される。メモリM4にはゴム胴の基準回転速度VBrが記憶されている。メモリM5にはレジスタマーク間の伸縮率ηが記憶される。メモリM6には印刷中のゴム胴の回転速度VBpが記憶される。メモリM7には版胴の基準回転速度VPrが記憶されている。メモリM8には版胴回転位相検出用カウンタのカウント値が記憶される。メモリM9には版胴の現在の回転位相φRが記憶される。メモリM10には版胴の印刷開始位置φSTが記憶されている。
メモリM11には版胴の印刷終了位置φENDが記憶されている。メモリM12にはゴム胴回転位相検出用カウンタのカウント値が記憶される。メモリM13にはゴム胴の現在の回転位相ψRが記憶される。メモリM14にはゴム胴の印刷開始位置ψSTが記憶されている。メモリM15にはゴム胴の印刷終了位置ψENDが記憶されている。メモリM16にはゴム胴の移動開始位置ψMSTが記憶されている。メモリM17にはゴム胴の天地方向の移動速度vBMが記憶されている。メモリM18にはゴム胴の天地方向位置と回転位相による位相偏差の補正の完了の有無を示す値が記憶される。メモリM19にはゴム胴の天地方向位置検出用カウンタのカウント値が記憶される。メモリM20にはゴム胴の現在の天地方向位置PBMRが記憶される。
メモリM21には補正したゴム胴の現在の天地方向位置PBMR’が記憶される。メモリM22にはゴム胴の天地方向−あるべきゴム胴の回転位相変換テーブルが記憶されている。メモリM23にはあるべきゴム胴の回転位相ψmが記憶される。メモリM24にはゴム胴の現在の回転位相差ΔψRが記憶される。メモリM25にはゴム胴の現在の回転位相差ΔψRの絶対値が記憶される。メモリM26にはゴム胴の回転位相差の許容値αが記憶されている。メモリM27にはゴム胴の現在の回転位相差−回転速度の補正値変換テーブルが記憶されている。メモリM28には回転速度の補正値ΔVが記憶される。メモリM29には補正したゴム胴の回転速度VBr’が記憶される。メモリM30には印刷終了位置PRTENDが記憶されている。
メモリM31にはカメラ移動用モータの回転速度Vcが記憶されている。メモリM32にはカメラ位置検出用カウンタのカウント値が記憶される。メモリM33にはカメラの現在位置PCMRが記憶される。メモリM34には第1のマーク位置PM1が記憶されている。メモリM35にはカウント値Yが記憶される。メモリM36にはカウント値Xが記憶される。メモリM37には左のカメラの第1のマーク位置PM1における撮像データが記憶される。メモリM38にはカメラ(左右のカメラ)の左右方向の画素数aが記憶されている。メモリM39にはカメラ(左右のカメラ)の天地方向の画素数bが記憶されている。メモリM40には右のカメラの第1のマーク位置PM1における撮像データが記憶される。
メモリM41には第2のマーク位置PM2が記憶されている。メモリM42には左のカメラの第2のマーク位置PM2における撮像データが記憶される。メモリM43には右のカメラの第2のマーク位置PM2における撮像データが記憶される。メモリM44にはカウント値Nが記憶される。メモリM45にはカウント値Mが記憶される。メモリM46にはレジスタマークの画素データが記憶されている。メモリM47にはレジスタマークの左右方向の画素数cが記憶されている。メモリM48にはレジスタマークの天地方向の画素数dが記憶されている。メモリM49には左の第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークの測定位置(M1x1L,M1y1L)が記憶される。メモリM50には左の第2のマーク位置PM2におけるレジスタマークの測定位置(M1x2L,M1y2L)が記憶される。
メモリM51には第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークのY方向の基準位置M1y1rが記憶されている。メモリM52には左の第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークのY方向のずれ量ΔM1y1Lが記憶される。メモリM53には左のレジスタマーク間の距離LM1Lが記憶される。メモリM54には右の第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークの測定位置(M1x1R,M1y1R)が記憶される。メモリM55には右の第2のマーク位置PM2におけるレジスタマークの測定位置(M1x2R,M1y2R)が記憶される。メモリM56には右の第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークのY方向のずれ量ΔM1y1Rが記憶される。メモリM57には右のレジスタマーク間の距離LM1Rが記憶される。メモリM58にはレジスタマーク間の距離の平均値LM1が記憶される。メモリM59にはレジスタマーク間の基準距離LM1rが記憶されている。
〔平台印刷制御装置の動作〕
次に、この電子回路の印刷装置における平台印刷制御装置200の動作について、図10〜図41のフローチャートを用いて説明する。
なお、以下の動作において、平台印刷制御装置200のCPU201は、演算により求めた各種データのメモリMへの書き込みやメモリMからの各種データの読み込みなどを必要に応じて行うが、ここでは説明が煩雑となることを避けるために、またメモリMの名称やそのメモリM中に付記した記号などからも明らかであるので、メモリMへのリードライト動作の説明を省略する場合もある。
〔試し刷り〕
この電子回路の印刷装置では、正式な印刷を行う前に、試し刷りを行う。この試し刷りに際しては、メモリM2に「ゼロ」を上書きする(図10:ステップS101)。すなわち、第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークのY方向のずれ量ΔY1をΔY1=0とする。また、メモリM5に「1」を上書きする(ステップS102)。すなわち、レジスタマーク間の伸縮率ηをη=1とする。そして、図1に示したように、回路が印刷されていない被印刷物4Aをテーブル3上にセットし、印刷開始スイッチ207をオンとする。
平台印刷制御装置200のCPU201は、印刷開始スイッチ207がオンとされると(ステップS103のYES)、メモリM1から基準の印刷開始位置PRTSTを読み込む(ステップS104)。この基準の印刷開始位置PRTSTは、図42に示すように、テーブル3にセットされる被印刷物4Aに対する基準の印刷開始位置として予め定められている。
そして、CPU201は、メモリM2から第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークのY方向のずれ量ΔY1を読み込み(ステップS105)、ステップS104で読み込んだ基準の印刷開始位置PRTSTに第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1のY方向のずれ量ΔY1を加算して補正された印刷開始位置PRTST’を求め、メモリM3に書き込む(ステップS106)。この場合、メモリM2に書き込まれている第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークのY方向のずれ量ΔY1はΔY1=0であるので、補正された印刷開始位置PRTST’は基準の印刷開始位置PRTSTと同じ位置とされる。
そして、CPU201は、メモリM4からゴム胴の基準回転速度VBrを読み込み(ステップS107)、メモリM5からレジスタマーク間の伸縮率ηを読み込み(図11:ステップS108)、ゴム胴の基準回転速度VBrにレジスタマーク間の伸縮率ηを乗算して印刷中のゴム胴の回転速度VBpを求め(VBp=VBr×η)、この求めた印刷中のゴム胴の回転速度VBpをメモリM6に書き込む(ステップS109)。この場合、メモリM5に書き込まれているレジスタマーク間の伸縮率ηはη=1であるので、印刷中のゴム胴の回転速度VBpは基準回転速度VBrと同じ速度とされる。
〔版胴へのインキの供給〕
そして、CPU201は、メモリM7から版胴の基準回転速度VPrを読み込み(ステップS110)、この読み込んだ版胴の基準回転速度VPrを版胴駆動用モータドライバ218にD/A変換器221を介して出力する(ステップS111)。これにより、版胴1が基準回転速度VPrで回転し始める。
CPU201は、版胴1を基準回転速度VPrで回転させた状態で、インキ装置235にインキ供給開始指令を出力する(ステップS112)。これにより、インキ装置235から版胴1にインキが供給され始める。
CPU201は、このインキ装置235からの版胴1へのインキの供給中、版胴回転位相検出用カウンタ220よりカウント値を読み込み(ステップS113)、この読み込んだ版胴回転位相検出用カウンタ220のカウント値より版胴の現在の回転位相φRを演算し(ステップS114)、メモリM10より版胴の印刷開始位置φSTを読み込み(ステップS115)、版胴の現在の回転位相φRが版胴の印刷開始位置φSTに達したか否かを確認する(ステップS116)。
そして、CPU201は、版胴の現在の回転位相φRが版胴の印刷開始位置φSTに達したことを確認すると(ステップS116のYES)、版胴回転位相検出用カウンタ220よりカウント値を読み込み(図12:ステップS117)、この読み込んだ版胴回転位相検出用カウンタ220のカウント値より版胴の現在の回転位相φRを演算し(ステップS118)、メモリM11より版胴の印刷終了位置φENDを読み込み(ステップS119)、版胴の現在の回転位相φRが版胴の印刷終了位置φENDに達したか否かを確認する(ステップS120)。
CPU201は、版胴の現在の回転位相φRが版胴の印刷終了位置φENDに達したことを確認すると(ステップS120のYES)、版胴駆動用モータドライバ218に停止指令を出力すると共に(ステップS121)、インキ装置235にインキ供給停止指令を出力する(ステップS122)。これにより、版胴1の印刷開始位置φSTから印刷終了位置φENDまでの区間にインキが供給され、このインキが供給された状態で版胴1の回転が停止される。
〔版胴からゴム胴へのインキの転写〕
次に、CPU201は、メモリM4からゴム胴の基準回転速度VBrを読み込み(ステップS123)、その読み込んだゴム胴の基準回転速度VBrをゴム胴駆動用モータドライバ223にD/A変換器226を介して出力する(ステップS124)。これにより、ゴム胴2がゴム胴の基準回転速度VBrで回転し始める。この時、ゴム胴2は、版胴1には接触していない。
CPU201は、ゴム胴2を基準回転速度VBrで回転させた後、ゴム胴回転位相検出用カウンタ225よりカウント値を読み込み(図13:ステップS125)、この読み込んだゴム胴回転位相検出用カウンタ225のカウント値よりゴム胴の現在の回転位相ψRを演算し(ステップS126)、メモリM14よりゴム胴の印刷開始位置ψSTを読み込み(ステップS127)、ゴム胴の現在の回転位相ψRがゴム胴の印刷開始位置ψSTに達したか否かを確認する(ステップS128)。
そして、CPU201は、ゴム胴の現在の回転位相ψRがゴム胴の印刷開始位置ψSTに達したことを確認すると(ステップS128のYES)、胴着脱装置236に着指令を出力し(ステップS129)、ゴム胴2を版胴1に接触させる。そして、CPU201は、メモリM7から版胴の基準回転速度VPrを読み込み(ステップS130)、その読み込んだ版胴の基準回転速度VPrを版胴駆動用モータドライバ218にD/A変換器221を介して出力する(ステップS131)。これにより、版胴1が基準回転速度VPrで回転し始め、版胴1からのインキがゴム胴2に転写され始める。
版胴1からゴム胴2へインキを転写している間、CPU201は、ゴム胴回転位相検出用カウンタ225よりカウント値を読み込み(図14:ステップS132)、この読み込んだゴム胴回転位相検出用カウンタ225のカウント値よりゴム胴の現在の回転位相ψRを演算し(ステップS133)、メモリM15よりゴム胴の印刷終了位置ψENDを読み込み(ステップS134)、ゴム胴の現在の回転位相ψRがゴム胴の印刷終了位置ψENDに達したか否かを確認する(ステップS135)。
そして、CPU201は、ゴム胴の現在の回転位相ψRがゴム胴の印刷終了位置ψENDに達したことを確認すると(ステップS135のYES)、胴着脱装置236に脱指令を出力し(ステップS136)、ゴム胴2を版胴1から離す。すなわち、胴抜きを行う。これにより、ゴム胴2の印刷開始位置ψSTから印刷終了位置ψENDまでの区間に、版胴1からのインキが転写される。
〔ゴム胴の下降〕
CPU201は、版胴1からのゴム胴2へのインキの転写を終えると、版胴駆動用モータドライバ218に停止指令を出力し(ステップS137)、版胴1の回転を停止させる。そして、ゴム胴回転位相検出用カウンタ225よりカウント値を読み込み(図15:ステップS138)、この読み込んだゴム胴回転位相検出用カウンタ225のカウント値よりゴム胴の現在の回転位相ψRを演算し(ステップS139)、メモリM16よりゴム胴の移動開始位置ψMSTを読み込み(ステップS140)、ゴム胴の現在の回転位相ψRがゴム胴の移動開始位置ψMSTに達したか否かを確認する(ステップS141)。
そして、CPU201は、ゴム胴の現在の回転位相ψRがゴム胴の移動開始位置ψMSTに達したことを確認すると(ステップS141のYES)、ゴム胴昇降用エアシリンダ用バルブ234に下降指令を出力する(ステップS142)。これにより、ゴム胴昇降用エアシリンダ233が作動し、ゴム胴2がテーブル3に降ろされる(図43参照)。
〔ゴム胴の天地方向への移動〕
次に、CPU201は、メモリM17からゴム胴の天地方向移動速度vBMを読み込み(ステップS143)、ゴム胴天地方向移動用モータドライバ228に正転指令およびゴム胴の天地方向移動速度vBMをD/A変換器231を介して出力する(ステップS144)。これにより、ゴム胴2が回転しながら天地方向の下流側へ、すなわちテーブル3上の被印刷物4Aのある方向へ、天地方向移動速度vBMで移動し始める。
次に、CPU201は、メモリM18にゴム胴の天地方向位置と回転位相による位相偏差補正が完了していないことを示す値として「2」を書き込む(図16:ステップS145)。そして、このゴム胴2の天地方向の下流側への移動中、ゴム胴の天地方向位置検出用カウンタ230よりカウント値を読み込み(ステップS146)、この読み込んだゴム胴の天地方向位置検出用カウンタ230のカウント値よりゴム胴の現在の天地方向位置PBMRを演算してメモリM20に書き込むと共に(ステップS147)、メモリM3から補正された印刷開始位置PRTST’(=PRTST)を読み込み(ステップS148)、ステップS147で演算したゴム胴の現在の天地方向位置PBMRが補正された印刷開始位置PRTST’(=PRTST)に達したか否かを確認する(ステップS149)。
〔ゴム胴の回転位相の調整〕
CPU201は、ステップS149においてゴム胴の現在の天地方向位置PBMRの補正された印刷開始位置PRTST’(=PRTST)への到達が確認されるまでの間、ステップS150(図17)〜S169(図18)の処理動作を繰り返す。このステップS150〜S169の処理ではゴム胴の回転位相の調整を行うが、この試し刷りに際しては、第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークのY方向のずれ量ΔY1がΔY1=0とされているので、実質的には、ゴム胴の回転位相の調整は行われない。但し、この場合、メモリM18にはゴム胴の天地方向位置と回転位相による位相偏差の補正が完了したことを示す値として「1」が書き込まれる(図18:ステップS169)。このゴム胴の回転位相の調整については後述する。
CPU201は、ゴム胴の現在の天地方向位置PBMRが補正された印刷開始位置PRTST’(=PRTST)に到達したことを確認すると(図16:ステップS149のYES)、メモリM18に書き込まれている値を読み込み(ステップS170)、メモリM18に書き込まれている値が「1」であるか否かを確認する(図19:ステップS171)。ここでは、メモリM18に書き込まれている値は「1」であるので(ステップS171のYES)、ゴム胴の天地方向位置と回転位相による位相偏差の補正が完了した状態にあると判断する。
〔被印刷物への回路の印刷(試し刷り)〕
CPU201は、ゴム胴の天地方向位置と回転位相による位相偏差の補正が完了した状態にあると判断すると(ステップS171のYES)、メモリM6から印刷中のゴム胴の回転速度VBpを読み込み(ステップS172)、その読み込んだ印刷中のゴム胴の回転速度VBpをゴム胴駆動用モータドライバ223にD/A変換器226を介して出力する(ステップS173)。これにより、ゴム胴2が印刷中のゴム胴の回転速度VBpで回転し始める(図44参照)。
この場合、印刷中のゴム胴の回転速度VBpは、先のステップS109(図11)で基準回転速度VBrと同じ速度として求められている。また、補正された印刷開始位置PRTST’は、先のステップS106(図10)で基準印刷開始位置PRTSTと同じ位置として求められている。このため、基準回転速度VBrで、基準印刷開始位置PRTSTから、ゴム胴2が回転しながら天地方向の下流側へ移動して行く。これにより、テーブル3上の被印刷物4Aへ、基準印刷開始位置PRTSTから基準回転速度VBrで、回路の印刷が行われて行く。
CPU201は、この被印刷物4Aへの回路の印刷中、ゴム胴の天地方向位置検出用カウンタ230よりカウント値を読み込み(ステップS174)、この読み込んだゴム胴の天地方向位置検出用カウンタ230のカウント値よりゴム胴の現在の天地方向位置PBMRを演算し(ステップS175)、メモリM30から印刷終了位置PRTENDを読み込み(ステップS176)、ゴム胴の現在の天地方向位置PBMRが印刷終了位置PRTENDに達したか否かを確認する(ステップS177)。
CPU201は、ゴム胴の現在の天地方向位置PBMRが印刷終了位置PRTENDに達したことを確認すると(ステップS177のYES)、ゴム胴駆動用モータドライバ223に停止指令を出力し(図20:ステップS178)、ゴム胴2の回転を停止させる(図45参照)。そして、ゴム胴昇降用エアシリンダ用バルブ234に上昇指令を出力し(ステップS179)、ゴム胴2をテーブル3から上昇させる(図46参照)。
そして、CPU201は、メモリM17からゴム胴の天地方向移動速度vBMを読み込み(ステップS180)、ゴム胴天地方向移動用モータドライバ228に逆転指令およびゴム胴の天地方向移動速度vBMをD/A変換器231を介して出力する(ステップS181)。これにより、ゴム胴2が回転を停止した状態で天地方向の上流側、すなわち版胴1が位置している側に向かって、天地方向移動速度vBMで移動し始める。
このゴム胴2の天地方向の上流側への移動により、ゴム胴の天地方向の原点位置検出器232がオンとなると(ステップS182のYES)、すなわちゴム胴1が移動を開始する前の最初の位置(原点位置)に戻ると、ゴム胴天地方向移動用モータドライバ228に停止指令を出力する(ステップS183)。これにより、ゴム胴2の天地方向への移動が停止する(図47参照)。
このようにして、実施の形態1では、第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークのY方向のずれ量ΔY1をΔY1=0とし、レジスタマーク間の伸縮率ηをη=1として、被印刷物4Aへ回路の印刷が行われ、図2に示されるような4つのレジスタマークRM1が同時に印刷された被印刷物4B(試し刷りされた被印刷物4B)が得られる。
〔印刷終了後のティーチング〕
オペレータは、このようにして試し刷りされた被印刷物4Bを得た後、印刷終了後のティーチングスイッチ208をオンとする。
平台印刷制御装置200のCPU201は、印刷終了後のティーチングスイッチ208がオンとされると(図21:ステップS185のYES)、メモリM31からカメラ移動用モータの回転速度Vcを読み込み(ステップS186)、カメラ移動用モータドライバ212に正転指令およびカメラ移動用モータの回転速度VcをD/A変換器215を介して出力する(ステップS187)。これにより、カメラ移動用モータ211が回転速度Vcで正転し、図2に示された最初の位置を原点位置として、左カメラ210Lおよび右カメラ210Rがテーブル3上を左方向へ同時に移動する。
〔レジスタマークの撮像〕
CPU201は、この左カメラ210Lおよび右カメラ210Rの移動中、カメラ位置検出用カウンタ214のカウント値を読み込み(ステップS188)、このカメラ位置検出用カウンタ214のカウント値より左カメラ210Lおよび右カメラ210Rの現在位置PCMRを演算し(ステップS189)、メモリM34から第1のマーク位置PM1を読み込み(ステップS190)、左カメラ210Lおよび右カメラ210Rの現在位置PCMRが第1のマーク位置PM1に達したか否かを確認する(ステップS191)。
CPU201は、左カメラ210Lおよび右カメラ210Rの現在位置PCMRが第1のマーク位置PM1に達したことを確認すると(ステップS191のYES)、カメラ移動用モータドライバ212に停止指令を出力して(ステップS192)、左カメラ210Lおよび右カメラ210Rの移動を停止する。そして、左カメラ210Lおよび右カメラ210Rに撮像指令を出力し(ステップS193)、テーブル3にセットされている被印刷物4B上のレジスタマークRM1L1を含む領域を左カメラ210Lで撮像し、被印刷物4B上のレジスタマークRM1R1を含む領域を右カメラ210Rで撮像する。
そして、CPU201は、左カメラ210Lに撮像データの送信指令を送り(図22:ステップS194)、この送信指令に応じて左カメラ210Lから撮像データが送られてくると(ステップS195のYES)、メモリM35中のカウント値Yを1とし(ステップS196)、メモリM36中のカウント値Xを1とし(ステップS197)、カウント値X,Yで特定される画素位置の左カメラ210Lからの撮像データをメモリM37の(X,Y)のアドレス位置に書き込む(ステップS198)。
そして、CPU201は、メモリM36中のカウント値Xに1を加算し(ステップS199)、メモリM38中のカメラの左右方向の画素数aを読み込み(ステップS200)、ステップS201でカウント値Xがカメラの左右方向の画素数aを超えるまで、ステップS198〜S201の処理動作を繰り返す。
そして、カウント値Xがカメラの左右方向の画素数aを超えれば(ステップS201のYES)、メモリM35中のカウント値Yに1を加算し(ステップS202)、メモリM39中のカメラの天地方向の画素数bを読み込み(ステップS203)、ステップS204でカウント値Yがカメラの天地方向の画素数bを超えるまで、ステップS197〜S204の処理動作を繰り返す。
これにより、メモリM37中に、第1のマーク位置PM1における左カメラ210Lからのa×bの画素の撮像データが記憶されるものとなる。ここでは、図48(a)に示すように、被印刷物4BのレジスタマークRM1L1を含む撮像データがa×bの画素の撮像データとしてメモリM37中に記憶される。
なお、メモリM46には、図48(b)に示すように、レジスタマークRM1のc×dの画素データがパターンマッチング用のデータとして記憶されている。また、カメラの天地方向は被印刷物4Bの天地方向と同方向とされ、カメラの左右方向は被印刷物4Bの左右方向と同方向とされている。
次に、CPU201は、右カメラ210Rに撮像データの送信指令を送り(図23:ステップS205)、この送信指令に応じて右カメラ210Rから撮像データが送られてくると(ステップS206のYES)、メモリM35中のカウント値Yを1とし(ステップS207)、メモリM36中のカウント値Xを1とし(ステップS208)、カウント値X,Yで特定される画素位置の右カメラ210Rからの撮像データをメモリM40の(X,Y)のアドレス位置に書き込む(ステップS209)。
そして、CPU201は、メモリM36中のカウント値Xに1を加算し(ステップS210)、メモリM38中のカメラの左右方向の画素数aを読み込み(ステップS211)、ステップS212でカウント値Xがカメラの左右方向の画素数aを超えるまで、ステップS209〜S212の処理動作を繰り返す。
そして、カウント値Xがカメラの左右方向の画素数aを超えれば(ステップS212のYES)、メモリM35中のカウント値Yに1を加算し(ステップS213)、メモリM39中のカメラの天地方向の画素数bを読み込み(ステップS214)、ステップS215でカウント値Yがカメラの天地方向の画素数bを超えるまで、ステップS208〜S215の処理動作を繰り返す。
これにより、メモリM40中に、第1のマーク位置PM1における右カメラ210Rからのa×bの画素の撮像データが記憶されるものとなる。ここでは、図49(a)に示すように、被印刷物4BのレジスタマークRM1R1を含む撮像データがa×bの画素の撮像データとしてメモリM40中に記憶される。
次に、CPU201は、メモリM31からカメラ移動用モータの回転速度Vcを読み込み(図24:ステップS216)、カメラ移動用モータドライバ212に逆転指令およびカメラ移動用モータの回転速度VcをD/A変換器215を介して出力する(ステップS217)。これにより、カメラ移動用モータ211が回転速度Vcで逆転し、図2において第1のマーク位置PM1に停止していた左カメラ210Lおよび右カメラ210Rが、テーブル3上を右方向へ同時に移動する。
CPU201は、この左カメラ210Lおよび右カメラ210Rの移動中、カメラ位置検出用カウンタ214のカウント値を読み込み(ステップS218)、このカメラ位置検出用カウンタ214のカウント値より左カメラ210Lおよび右カメラ210Rの現在位置PCMRを演算し(ステップS219)、メモリM41から第2のマーク位置PM2を読み込み(ステップS220)、左カメラ210Lおよび右カメラ210Rの現在位置PCMRが第2のマーク位置PM2に達したか否かを確認する(ステップS221)。
CPU201は、左カメラ210Lおよび右カメラ210Rの現在位置PCMRが第2のマーク位置PM2に達したことを確認すると(ステップS221のYES)、左カメラ210Lおよび右カメラ210Rに撮像指令を出力し(ステップS222)、被印刷物4B上のレジスタマークRM1L2を含む領域を左カメラ210Lで撮像し、被印刷物4B上のレジスタマークRM1R2を含む領域を右カメラ210Rで撮像する。
そして、CPU201は、左カメラ210Lに撮像データの送信指令を送り(ステップS223)、この送信指令に応じて左カメラ210Lから撮像データが送られてくると(ステップS224のYES)、メモリM35中のカウント値Yを1とし(ステップS225)、メモリM36中のカウント値Xを1とし(図25:ステップS226)、カウント値X,Yで特定される画素位置の左カメラ210Lからの撮像データをメモリM42の(X,Y)のアドレス位置に書き込む(ステップS227)。
そして、CPU201は、メモリM36中のカウント値Xに1を加算し(ステップS228)、メモリM38中のカメラの左右方向の画素数aを読み込み(ステップS229)、ステップS230でカウント値Xがカメラの左右方向の画素数aを超えるまで、ステップS227〜S230の処理動作を繰り返す。
そして、カウント値Xがカメラの左右方向の画素数aを超えれば(ステップS230のYES)、メモリM35中のカウント値Yに1を加算し(ステップS231)、メモリM39中のカメラの天地方向の画素数bを読み込み(ステップS232)、ステップS233でカウント値Yがカメラの天地方向の画素数bを超えるまで、ステップS226〜S233の処理動作を繰り返す。
これにより、メモリM42中に、第2のマーク位置PM2における左カメラ210Lからのa×bの画素の撮像データが記憶されるものとなる。ここでは、図50(a)に示すように、被印刷物4BのレジスタマークRM1L2を含む撮像データがa×bの画素の撮像データとしてメモリM42中に記憶される。
次に、CPU201は、右カメラ210Rに撮像データの送信指令を送り(ステップS234)、この送信指令に応じて右カメラ210Rから撮像データが送られてくると(ステップS235のYES)、メモリM35中のカウント値Yを1とし(図26:ステップS236)、メモリM36中のカウント値Xを1とし(ステップS237)、カウント値X,Yで特定される画素位置の右カメラ210Rからの撮像データをメモリM43の(X,Y)のアドレス位置に書き込む(ステップS238)。
そして、CPU201は、メモリM36中のカウント値Xに1を加算し(ステップS239)、メモリM38中のカメラの左右方向の画素数aを読み込み(ステップS240)、ステップS241でカウント値Xがカメラの左右方向の画素数aを超えるまで、ステップS238〜S241の処理動作を繰り返す。
そして、カウント値Xがカメラの左右方向の画素数aを超えれば(ステップS241のYES)、メモリM35中のカウント値Yに1を加算し(ステップS242)、メモリM39中のカメラの天地方向の画素数bを読み込み(ステップS243)、ステップS244でカウント値Yがカメラの天地方向の画素数bを超えるまで、ステップS237〜S244の処理動作を繰り返す。
これにより、メモリM43中に、第2のマーク位置PM2における右カメラ210Rからのa×bの画素の撮像データが記憶されるものとなる。ここでは、図51(a)に示すように、被印刷物4BのレジスタマークRM1R2を含む撮像データがa×bの画素の撮像データとしてメモリM43中に記憶される。
そして、CPU201は、左カメラ210Lおよび右カメラ210Rの移動を続け、カメラの原点位置検出器216が左カメラ210Lおよび右カメラ210Rの原点位置(最初の位置)への復帰を検知すると(ステップS245のYES)、カメラ移動用モータドライバ212に停止指令を送り(ステップS246)、左カメラ210Lおよび右カメラ210Rの移動を停止させる。
〔パターンマッチングによるレジスタマークの位置の検出〕
次に、CPU201は、メモリM35中のカウント値Yを1とし(図27:ステップS247)、メモリM36中のカウント値Xを1とし(ステップS248)、メモリM44中のカウント値Nを1とし(ステップS249)、メモリM45中のカウント値Mを1とする(ステップS250)。
そして、メモリM37中の(X+M−1、Y+N−1)のアドレス位置の左カメラの画素データを読み込み(ステップS251)、メモリM46中の(M,N)のアドレス位置のレジスタマークの画素データを読み込み(ステップS252)、この読み込んだメモリM37中の(X+M−1、Y+N−1)のアドレス位置の左カメラの画素データとメモリM46中の(M,N)のアドレス位置の画素データとが一致しているか否かを確認する(ステップS253、図48(a),(b)参照)。
ここで、メモリM37中の(X+M−1、Y+N−1)のアドレス位置の左カメラの画素データとメモリM46中の(M,N)のアドレス位置のレジスタマークの画素データとが一致していなければ(ステップS253のNO)、その時の(X、Y)のアドレスから(X+c−1、Y+d−1)のアドレスまでの左のカメラ210Lの第1のマーク位置の撮像データのいずれかの画素データがレジスタマークの画素データと異なり、(X、Y)のアドレスから始まる範囲に第1のマーク位置PM1の左のレジスタマークRM1L1が無いことになるので、CPU201は、メモリM36中のカウント値Xに1を加算し(図28:ステップS254)、メモリM38中のカメラの左右方向の画素数aとメモリM47中のレジスタマークの左右方向の画素数cとを読み込み(ステップS255,S256)、ステップS257でカウント値Xが「a−c+1」を超えるまで、ステップS249〜S257の処理動作を繰り返す。
この処理動作中、カウント値Xが「a−c+1」を超えれば(ステップS257のYES)、左のカメラ210Lの第1のマーク位置の撮像データの左右方向の端を越えたことになるので、CPU201は、メモリM35中のカウント値Yに1を加算し(ステップS258)、メモリM39中のカメラの天地方向の画素数bとメモリM48中のレジスタマークの天地方向の画素数dとを読み込み(ステップS259,S260)、ステップS261でカウント値Yが「b−d+1」を超えるまで、ステップS248〜S261の処理動作を繰り返す。
この処理動作中、メモリM37中の(X+M−1、Y+N−1)のアドレス位置の左カメラの画素データとメモリM46中の(M,N)のアドレス位置のレジスタマークの画素データとが一致していることが確認されると(図27:ステップS253のYES)、CPU201は、メモリM45中のカウント値Mに1を加算し(図29:ステップS263)、メモリM47からレジスタマークの左右方向の画素数cを読み込み(ステップS264)、ステップS265でカウント値Mがレジスタマークの左右方向の画素数cを超えるまで、ステップS251〜S265の処理動作を繰り返す。
カウント値Mがレジスタマークの左右方向の画素数cを超えると(ステップS265のYES)、CPU201は、メモリM44中のカウント値Nに1を加算し(ステップS266)、メモリM48からレジスタマークの天地方向の画素数dを読み込み(ステップS267)、ステップS268でカウント値Nがレジスタマークの天地方向の画素数dを超えるまで、ステップS250〜S268の処理動作を繰り返す。
このようにして、CPU201は、メモリM37中のa×bの画素の撮像データ(左の第1のマーク位置の撮像データ)に対してメモリM46中のc×dのレジスタマークの画素データのパターンマッチングを行い、カウント値Nがレジスタマークの天地方向の画素数dを超えると(ステップS268のYES)、メモリM37中のa×bの画素の撮像データの(X、Y)のアドレスから(X+c−1、Y+d−1)のアドレスまでの範囲にメモリM46中のc×dのレジスタマークの画素データが含まれていたと判断する。すなわち、左カメラ210Lが撮像した第1のマーク位置PM1における画像の中にレジスタマークRM1(RM1L1)が含まれていたと判断する。
なお、ステップS261でカウント値Yが「b−d+1」を超えた場合には(ステップS261のYES)、左のカメラ210Lの第1のマーク位置の撮像データの天地方向の端を越えたことになり、CPU201は、左カメラ210Lが撮像した第1のマーク位置PM1における画像の中にはレジスタマークRM1(RM1L1)が含まれていなかったと判断し、表示器205にエラー表示を行う(ステップS262)。
CPU201は、左カメラ210Lが撮像した第1のマーク位置PM1における画像の中にレジスタマークRM1L1が含まれていたと判断すると(ステップS268のYES)、その時のメモリM36中のカウント値Xを読み込み(ステップS269)、その読み込んだカウント値XよりレジスタマークRM1L1のX方向の測定位置M1x1Lを演算し、メモリM49中のX方向のアドレス位置に書き込む(ステップS270)。また、その時のメモリM35中のカウント値Yを読み込み(ステップS271)、その読み込んだカウント値YよりレジスタマークRM1L1のY方向の測定位置M1y1Lを演算し、メモリM49中のY方向のアドレス位置に書き込む(ステップS272、図48(c)参照)。
尚、レジスタマークRM1L1のX方向の測定位置M1x1Lは、左カメラ210Lが設けられた左右方向位置とカウント値Xから求められ、Y方向の測定位置M1y1Lは、第1のマーク位置PM1とカウント値Yから求められる。
次に、CPU201は、メモリM35中のカウント値Yを1とし(図30:ステップS273)、メモリM36中のカウント値Xを1とし(ステップS274)、メモリM44中のカウント値Nを1とし(ステップS275)、メモリM45中のカウント値Mを1とする(ステップS276)。
そして、メモリM42中の(X+M−1、Y+N−1)のアドレス位置の左カメラの画素データを読み込み(ステップS277)、メモリM46中の(M,N)のアドレス位置のレジスタマークの画素データを読み込み(ステップS278)、この読み込んだメモリM42中の(X+M−1、Y+N−1)のアドレス位置の左カメラの画素データとメモリM46中の(M,N)のアドレス位置の画素データとが一致しているか否かを確認する(ステップS279,図50(a),(b)参照)。
ここで、メモリM42中の(X+M−1、Y+N−1)のアドレス位置の左カメラの画素データとメモリM46中の(M,N)のアドレス位置のレジスタマークの画素データとが一致していなければ(ステップS279のNO)、その時の(X、Y)のアドレスから(X+c−1、Y+d−1)のアドレスまでの左のカメラ210Lの第2のマーク位置の撮像データのいずれかの画素データがレジスタマークの画素データと異なり、(X、Y)のアドレスから始まる範囲に第2のマーク位置PM2の左のレジスタマークRM1L2が無いことになるので、CPU201は、メモリM36中のカウント値Xに1を加算し(図31:ステップS280)、メモリM38中のカメラの左右方向の画素数aとメモリM47中のレジスタマークの左右方向の画素数cとを読み込み(ステップS281,S282)、ステップS283でカウント値Xが「a−c+1」を超えるまで、ステップS275〜S283の処理動作を繰り返す。
この処理動作中、カウント値Xが「a−c+1」を超えれば(ステップS283のYES)、左のカメラ210Lの第2のマーク位置の撮像データの左右方向の端を越えたことになるので、CPU201は、メモリM35中のカウント値Yに1を加算し(ステップS284)、メモリM39中のカメラの天地方向の画素数bとメモリM48中のレジスタマークの天地方向の画素数dとを読み込み(ステップS285,S286)、ステップS287でカウント値Yが「b−d+1」を超えるまで、ステップS274〜S287の処理動作を繰り返す。
この処理動作中、メモリM42中の(X+M−1、Y+N−1)のアドレス位置の左カメラの画素データとメモリM46中の(M,N)のアドレス位置のレジスタマークの画素データとが一致していることが確認されると(図30:ステップS279のYES)、CPU201は、メモリM45中のカウント値Mに1を加算し(図32:ステップS289)、メモリM47からレジスタマークの左右方向の画素数cを読み込み(ステップS290)、ステップS291でカウント値Mがレジスタマークの左右方向の画素数cを超えるまで、ステップS277〜S291の処理動作を繰り返す。
カウント値Mがレジスタマークの左右方向の画素数cを超えると(ステップS291のYES)、CPU201は、メモリM44中のカウント値Nに1を加算し(ステップS292)、メモリM48からレジスタマークの天地方向の画素数dを読み込み(ステップS293)、ステップS294でカウント値Nがレジスタマークの天地方向の画素数dを超えるまで、ステップS276〜S294の処理動作を繰り返す。
このようにして、CPU201は、メモリM42中のa×bの画素の撮像データ(左の第2のマーク位置の撮像データ)に対してメモリM46中のc×dのレジスタマークの画素データのパターンマッチングを行い、カウント値Nがレジスタマークの天地方向の画素数dを超えると(ステップS294のYES)、メモリM42中のa×bの画素の撮像データの(X、Y)のアドレスから(X+c−1、Y+d−1)のアドレスまでの範囲にメモリM46中のc×dのレジスタマークの画素データが含まれていたと判断する。すなわち、左カメラ210Lが撮像した第2のマーク位置PM2における画像の中にレジスタマークRM1(RM1L2)が含まれていたと判断する。
なお、ステップS287でカウント値Yが「b−d+1」を超えた場合には(ステップS287のYES)、左のカメラ210Lの第2のマーク位置の撮像データの天地方向の端を越えたことになり、CPU201は、左カメラ210Lが撮像した第2のマーク位置PM2における画像の中にはレジスタマークRM1(RM1L2)が含まれていなかったと判断し、表示器205にエラー表示を行う(ステップS288)。
CPU201は、左カメラ210Lが撮像した第2のマーク位置PM2における画像の中にレジスタマークRM1L2が含まれていたと判断すると(ステップS294のYES)、その時のメモリM36中のカウント値Xを読み込み(ステップS295)、その読み込んだカウント値XよりレジスタマークRM1L2のX方向の測定位置M1x2Lを演算し、メモリM50中のX方向のアドレス位置に書き込む(ステップS296)。また、その時のメモリM35中のカウント値Yを読み込み(ステップS297)、その読み込んだカウント値YよりレジスタマークRM1L2のY方向の測定位置M1y2Lを演算し、メモリM50中のY方向のアドレス位置に書き込む(ステップS298、図50(c)参照)。
尚、レジスタマークRM1L2のX方向の測定位置M1x2Lは、左カメラ210Lが設けられた左右方向位置とカウント値Xから求められ、Y方向の測定位置M1y2Lは、第2のマーク位置PM2とカウント値Yから求められる。
そして、CPU201は、メモリM49のY方向のアドレス位置より第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1L1のY方向の測定位置M1y1Lを読み込み(図33:ステップS299)、またメモリM51から第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1L1のY方向の基準位置M1y1rを読み込み(ステップS300)、第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1L1のY方向の測定位置M1y1Lから第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1L1のY方向の基準位置M1y1rを減算し、第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1L1のY方向のずれ量ΔM1y1Lを求め(図48(c)参照)、この求めたレジスタマークRM1L1のY方向のずれ量ΔM1y1LをメモリM52に書き込む(ステップS301)。
また、CPU201は、メモリM49のY方向のアドレス位置より第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1L1のY方向の測定位置M1y1Lを読み込み(ステップS302)、メモリM50のY方向のアドレス位置より第2のマーク位置PM2におけるレジスタマークRM1L2のY方向の測定位置M1y2Lを読み込み(ステップS303)、第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1L1のY方向の測定位置M1y1Lより第2のマーク位置PM2におけるレジスタマークRM1L2のY方向の測定位置M1y2Lを減算して左のレジスタマーク間の距離LM1Lを求め(図52(a)参照)、この求めた左のレジスタマーク間の距離LM1LをメモリM53に書き込む(ステップS304)。
次に、CPU201は、メモリM35中のカウント値Yを1とし(図34:ステップS305)、メモリM36中のカウント値Xを1とし(ステップS306)、メモリM44中のカウント値Nを1とし(ステップS307)、メモリM45中のカウント値Mを1とする(ステップS308)。
そして、メモリM40中の(X+M−1、Y+N−1)のアドレス位置の右カメラの画素データを読み込み(ステップS309)、メモリM46中の(M,N)のアドレス位置のレジスタマークの画素データを読み込み(ステップS310)、この読み込んだメモリM40中の(X+M−1、Y+N−1)のアドレス位置の右カメラの画素データとメモリM46中の(M,N)のアドレス位置の画素データとが一致しているか否かを確認する(ステップS311、図49(a),(b)参照)。
ここで、メモリM40中の(X+M−1、Y+N−1)のアドレス位置の右カメラの画素データとメモリM46中の(M,N)のアドレス位置のレジスタマークの画素データとが一致していなければ(ステップS311のNO)、その時の(X、Y)のアドレスから(X+c−1、Y+d−1)のアドレスまでの右のカメラ210Rの第1のマーク位置の撮像データのいずれかの画素データがレジスタマークの画素データと異なり、(X、Y)のアドレスから始まる範囲に第1のマーク位置PM1の右のレジスタマークRM1R1が無いことになるので、CPU201は、メモリM36中のカウント値Xに1を加算し(図35:ステップS312)、メモリM38中のカメラの左右方向の画素数aとメモリM47中のレジスタマークの左右方向の画素数cとを読み込み(ステップS313,S314)、ステップS315でカウント値Xが「a−c+1」を超えるまで、ステップS307〜S315の処理動作を繰り返す。
この処理動作中、カウント値Xが「a−c+1」を超えれば(ステップS315のYES)、右のカメラ210Rの第1のマーク位置の撮像データの左右方向の端を越えたことになるので、CPU201は、メモリM35中のカウント値Yに1を加算し(ステップS316)、メモリM39中のカメラの天地方向の画素数bとメモリM48中のレジスタマークの天地方向の画素数dとを読み込み(ステップS317,S318)、ステップS319でカウント値Yが「b−d+1」を超えるまで、ステップS306〜S319の処理動作を繰り返す。
この処理動作中、メモリM40中の(X+M−1、Y+N−1)のアドレス位置の右カメラの画素データとメモリM46中の(M,N)のアドレス位置のレジスタマークの画素データとが一致していることが確認されると(図34:ステップS311のYES)、CPU201は、メモリM45中のカウント値Mに1を加算し(図36:ステップS321)、メモリM47からレジスタマークの左右方向の画素数cを読み込み(ステップS322)、ステップS323でカウント値Mがレジスタマークの左右方向の画素数cを超えるまで、ステップS309〜S323の処理動作を繰り返す。
カウント値Mがレジスタマークの左右方向の画素数cを超えると(ステップS323のYES)、CPU201は、メモリM44中のカウント値Nに1を加算し(ステップS324)、メモリM48からレジスタマークの天地方向の画素数dを読み込み(ステップS325)、ステップS326でカウント値Nがレジスタマークの天地方向の画素数dを超えるまで、ステップS308〜S326の処理動作を繰り返す。
このようにして、CPU201は、メモリM40中のa×bの画素の撮像データ(右の第1のマーク位置の撮像データ)に対してメモリM46中のc×dのレジスタマークの画素データのパターンマッチングを行い、カウント値Nがレジスタマークの天地方向の画素数dを超えると(ステップS326のYES)、メモリM40中のa×bの画素の撮像データの(X、Y)のアドレスから(X+c−1、Y+d−1)のアドレスまでの範囲にメモリM46中のc×dのレジスタマークの画素データが含まれていたと判断する。すなわち、右カメラ210Rが撮像した第1のマーク位置PM1における画像の中にレジスタマークRM1(RM1R1)が含まれていたと判断する。
なお、ステップS319でカウント値Yが「b−d+1」を超えた場合には(ステップS319のYES)、右のカメラ210Rの第1のマーク位置の撮像データの天地方向の端を越えたことになり、CPU201は、右カメラ210Rが撮像した第1のマーク位置PM1における画像の中にはレジスタマークRM1(RM1R1)が含まれていなかったと判断し、表示器205にエラー表示を行う(ステップS320)。
CPU201は、右カメラ210Rが撮像した第1のマーク位置PM1における画像の中にレジスタマークRM1R1が含まれていたと判断すると(ステップS326のYES)、その時のメモリM36中のカウント値Xを読み込み(ステップS327)、その読み込んだカウント値XよりレジスタマークRM1R1のX方向の測定位置M1x1Rを演算し、メモリM54中のX方向のアドレス位置に書き込む(ステップS328)。また、その時のメモリM35中のカウント値Yを読み込み(ステップS329)、その読み込んだカウント値YよりレジスタマークRM1R1のY方向の測定位置M1y1Rを演算し、メモリM54中のY方向のアドレス位置に書き込む(ステップS330、図49(c)参照)。
尚、レジスタマークRM1R1のX方向の測定位置M1x1Rは、右カメラ210Rが設けられた左右方向位置とカウント値Xから求められ、Y方向の測定位置M1y1Rは、第1のマーク位置PM1とカウント値Yから求められる。
次に、CPU201は、メモリM35中のカウント値Yを1とし(図37:ステップS331)、メモリM36中のカウント値Xを1とし(ステップS332)、メモリM44中のカウント値Nを1とし(ステップS333)、メモリM45中のカウント値Mを1とする(ステップS334)。
そして、メモリM43中の(X+M−1、Y+N−1)のアドレス位置の右カメラの画素データを読み込み(ステップS335)、メモリM46中の(M,N)のアドレス位置のレジスタマークの画素データを読み込み(ステップS336)、この読み込んだメモリM43中の(X+M−1、Y+N−1)のアドレス位置の右カメラの画素データとメモリM46中の(M,N)のアドレス位置の画素データとが一致しているか否かを確認する(ステップS337,図51(a),(b)参照)。
ここで、メモリM43中の(X+M−1、Y+N−1)のアドレス位置の右カメラの画素データとメモリM46中の(M,N)のアドレス位置のレジスタマークの画素データとが一致していなければ(ステップS337のNO)、その時の(X、Y)のアドレスから(X+c−1、Y+d−1)のアドレスまでの右のカメラ210Rの第2のマーク位置の撮像データのいずれかの画素データがレジスタマークの画素データと異なり、(X、Y)のアドレスから始まる範囲に第2のマーク位置PM2の右のレジスタマークRM1R2が無いことになるので、CPU201は、メモリM36中のカウント値Xに1を加算し(図38:ステップS338)、メモリM38中のカメラの左右方向の画素数aとメモリM47中のレジスタマークの左右方向の画素数cとを読み込み(ステップS339,S340)、ステップS341でカウント値Xが「a−c+1」を超えるまで、ステップS333〜S341の処理動作を繰り返す。
この処理動作中、カウント値Xが「a−c+1」を超えれば(ステップS341のYES)、右のカメラ210Rの第2のマーク位置の撮像データの左右方向の端を越えたことになるので、CPU201は、メモリM35中のカウント値Yに1を加算し(ステップS342)、メモリM39中のカメラの天地方向の画素数bとメモリM48中のレジスタマークの天地方向の画素数dとを読み込み(ステップS343,S344)、ステップS345でカウント値Yが「b−d+1」を超えるまで、ステップS332〜S345の処理動作を繰り返す。
この処理動作中、メモリM43中の(X+M−1、Y+N−1)のアドレス位置の右カメラの画素データとメモリM46中の(M,N)のアドレス位置のレジスタマークの画素データとが一致していることが確認されると(図37:ステップS337のYES)、CPU201は、メモリM45中のカウント値Mに1を加算し(図39:ステップS347)、メモリM47からレジスタマークの左右方向の画素数cを読み込み(ステップS348)、ステップS349でカウント値Mがレジスタマークの左右方向の画素数cを超えるまで、ステップS335〜S349の処理動作を繰り返す。
カウント値Mがレジスタマークの左右方向の画素数cを超えると(ステップS349のYES)、CPU201は、メモリM44中のカウント値Nに1を加算し(ステップS350)、メモリM48からレジスタマークの天地方向の画素数dを読み込み(ステップS351)、ステップS352でカウント値Nがレジスタマークの天地方向の画素数dを超えるまで、ステップS334〜S352の処理動作を繰り返す。
このようにして、CPU201は、メモリM43中のa×bの画素の撮像データ(右の第2のマーク位置の撮像データ)に対してメモリM46中のc×dのレジスタマークの画素データのパターンマッチングを行い、カウント値Nがレジスタマークの天地方向の画素数dを超えると(ステップS352のYES)、メモリM43中のa×bの画素の撮像データの(X、Y)のアドレスから(X+c−1、Y+d−1)のアドレスまでの範囲にメモリM46中のc×dのレジスタマークの画素データが含まれていたと判断する。すなわち、右カメラ210Rが撮像した第2のマーク位置PM2における画像の中にレジスタマークRM1(RM1R2)が含まれていたと判断する。
なお、ステップS345でカウント値Yが「b−d+1」を超えた場合には(ステップS345のYES)、右のカメラ210Rの第2のマーク位置の撮像データの天地方向の端を越えたことになり、CPU201は、右カメラ210Rが撮像した第2のマーク位置PM2における画像の中にはレジスタマークRM1(RM1R2)が含まれていなかったと判断し、表示器205にエラー表示を行う(ステップS346)。
CPU201は、右カメラ210Rが撮像した第2のマーク位置PM2における画像の中にレジスタマークRM1R2が含まれていたと判断すると(ステップS352のYES)、その時のメモリM36中のカウント値Xを読み込み(ステップS353)、その読み込んだカウント値XよりレジスタマークRM1R2のX方向の測定位置M1x2Rを演算し、メモリM55中のX方向のアドレス位置に書き込む(ステップS354)。また、その時のメモリM35中のカウント値Yを読み込み(ステップS355)、その読み込んだカウント値YよりレジスタマークRM1R2のY方向の測定位置M1y2Rを演算し、メモリM55中のY方向のアドレス位置に書き込む(ステップS356、図51(c)参照)。
尚、レジスタマークRM1R2のX方向の測定位置M1x2Rは、右カメラ210Rが設けられた左右方向位置とカウント値Xから求められ、Y方向の測定位置M1y2Rは、第2のマーク位置PM2とカウント値Yから求められる。
そして、CPU201は、メモリM54のY方向のアドレス位置より第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1R1のY方向の測定位置M1y1Rを読み込み(図40:ステップS357)、またメモリM51から第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1R1のY方向の基準位置M1y1rを読み込み(ステップS358)、第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1R1のY方向の測定位置M1y1Rから第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1R1のY方向の基準位置M1y1rを減算し、第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1R1のY方向のずれ量ΔM1y1Rを求め(図49(c)参照)、この求めたレジスタマークRM1R1のY方向のずれ量ΔM1y1RをメモリM56に書き込む(ステップS359)。
〔第1のマーク位置におけるレジスタマークのY方向のずれ量の算出〕
そして、CPU201は、メモリM52より左の第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1L1のY方向のずれ量ΔM1y1Lを読み込み(ステップS360)、この読み込んだ左の第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1L1のY方向のずれ量ΔM1y1LにメモリM56に書き込まれている右の第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1R1のY方向のずれ量ΔM1y1Rを加算し、この左の第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1L1のY方向のずれ量ΔM1y1Lと右の第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1R1のY方向のずれ量ΔM1y1Rとの合計値を2で除算して、左右の第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1の平均値ΔM1y1を求め(ΔM1y1=(ΔM1y1L+ΔM1y1R)/2)、この求めた左右の第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1の平均値ΔM1y1を第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1のY方向のずれ量ΔY1としてメモリM2に書き込む(ステップS361、図52(a),(b),(c)参照)。
〔レジスタマーク間の距離の算出〕
また、CPU201は、メモリM54のY方向のアドレス位置より第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1R1のY方向の測定位置M1y1Rを読み込み(ステップS362)、メモリM55のY方向のアドレス位置より第2のマーク位置PM2におけるレジスタマークRM1R2のY方向の測定位置M1y2Rを読み込み(図41:ステップS363)、第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1R1のY方向の測定位置M1y1Rより第2のマーク位置PM2におけるレジスタマークRM1R2のY方向の測定位置M1y2Rを減算して右のレジスタマーク間の距離LM1Rを求め(図52(b)参照)、この求めた右のレジスタマーク間の距離LM1RをメモリM57に書き込む(ステップS364)。
そして、CPU201は、メモリM53から左のレジスタマーク間の距離LM1Lを読み込み(ステップS365)、この読み込んだ左のレジスタマーク間の距離LM1LにメモリM57に書き込まれている右のレジスタマーク間の距離LM1Rを加算すると共に、この左のレジスタマーク間の距離LM1Lと右のレジスタマーク間の距離LM1Rとの合計値を2で除算して、左右のレジスタマーク間の距離の平均値LM1を求め(LM1=(LM1L+LM1R)/2)、この求めた左右のレジスタマーク間の距離の平均値LM1を天地方向に離れた1対のレジスタマーク間の距離としてメモリM58に書き込む(ステップS366、図52(a),(b),(d)参照)。
〔レジスタマーク間の伸縮率の算出〕
そして、CPU201は、メモリM59からレジスタマーク間の基準距離LM1rを読み込み(ステップS367)、メモリM58に書き込まれているレジスタマーク間の距離(左右のレジスタマーク間の距離の平均値)LM1をレジスタマーク間の基準距離LM1rで除算し、その除算結果を天地方向に離れた1対のレジスタマーク間の伸縮率η(η=LM1/LM1r)としてメモリM5に書き込む(ステップS368、図52(e)参照)。
〔正式な印刷〕
オペレータは、このようにして印刷終了後のティーチングを行い、テーブル3上の試し刷りされた被印刷物4Bに替えて、回路が印刷されていない次の被印刷物4Aをテーブル3上にセットする(図53参照)。そして、印刷開始スイッチ207をオンとし、この次の被印刷物4Aに対しての正式な印刷を開始させる。
CPU201は、印刷開始スイッチ207がオンとされると(図10:ステップS103のYES)、メモリM1から基準の印刷開始位置PRTSTを読み込む(ステップS104)。そして、メモリM2から第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークのY方向のずれ量ΔY1を読み込み(ステップS105)、ステップS104で読み込んだ基準の印刷開始位置PRTSTに第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1のY方向のずれ量ΔY1を加算して補正された印刷開始位置PRTST’を求め、メモリM3に書き込む(ステップS106)。
この場合、メモリM2には、試し刷りされた被印刷物4Bから求められた第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークのY方向のずれ量ΔY1(ΔM1y1)が書き込まれている。このため、補正された印刷開始位置PRTST’は、基準の印刷開始位置PRTSTとはならず、試し刷りされた被印刷物4Bから求められた第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークのY方向のずれ量ΔY1(ΔM1y1)だけずらされた位置とされる。
そして、CPU201は、メモリM4からゴム胴の基準回転速度VBrを読み込み(ステップS107)、メモリM5からレジスタマーク間の伸縮率ηを読み込み(図11:ステップS108)、ゴム胴の基準回転速度VBrにレジスタマーク間の伸縮率ηを乗算して印刷中のゴム胴の回転速度VBpを求め(VBp=VBr×η)、この求めた印刷中のゴム胴の回転速度VBpをメモリM6に書き込む(ステップS109)。
この場合、メモリM5には、試し刷りされた被印刷物4Bから求められたレジスタマーク間の伸縮率ηが書き込まれている。このため、印刷中のゴム胴の回転速度VBpは、基準回転速度VBrとはならず、伸縮率ηが大きければ速い速度となるし、伸縮率ηが小さければ遅い速度となる。
〔版胴へのインキの供給〕
そして、CPU201は、メモリM7から版胴の基準回転速度VPrを読み込み(ステップS110)、この読み込んだ版胴の基準回転速度VPrを版胴駆動用モータドライバ218にD/A変換器221を介して出力する(ステップS111)。これにより、版胴1が基準回転速度VPrで回転し始める。
CPU201は、版胴1を基準回転速度VPrで回転させた状態で、インキ装置235にインキ供給開始指令を出力する(ステップS112)。これにより、インキ装置235から版胴1にインキが供給され始める。
CPU201は、このインキ装置235からの版胴1へのインキの供給中、版胴回転位相検出用カウンタ220よりカウント値を読み込み(ステップS113)、この読み込んだ版胴回転位相検出用カウンタ220のカウント値より版胴の現在の回転位相φRを演算し(ステップS114)、メモリM10より版胴の印刷開始位置φSTを読み込み(ステップS115)、版胴の現在の回転位相φRが版胴の印刷開始位置φSTに達したか否かを確認する(ステップS116)。
そして、CPU201は、版胴の現在の回転位相φRが版胴の印刷開始位置φSTに達したことを確認すると(ステップS116のYES)、版胴回転位相検出用カウンタ220よりカウント値を読み込み(図12:ステップS117)、この読み込んだ版胴回転位相検出用カウンタ220のカウント値より版胴の現在の回転位相φRを演算し(ステップS118)、メモリM11より版胴の印刷終了位置φENDを読み込み(ステップS119)、版胴の現在の回転位相φRが版胴の印刷終了位置φENDに達したか否かを確認する(ステップS120)。
CPU201は、版胴の現在の回転位相φRが版胴の印刷終了位置φENDに達したことを確認すると(ステップS120のYES)、版胴駆動用モータドライバ218に停止指令を出力すると共に(ステップS121)、インキ装置235にインキ供給停止指令を出力する(ステップS122)。これにより、版胴1の印刷開始位置φSTから印刷終了位置φENDまでの区間にインキが供給され、このインキが供給された状態で版胴1の回転が停止される。
〔版胴からゴム胴へのインキの転写〕
次に、CPU201は、メモリM4からゴム胴の基準回転速度VBrを読み込み(ステップS123)、その読み込んだゴム胴の基準回転速度VBrをゴム胴駆動用モータドライバ223にD/A変換器226を介して出力する(ステップS124)。これにより、ゴム胴2がゴム胴の基準回転速度VBrで回転し始める。この時、ゴム胴2は、版胴1には接触していない。
CPU201は、ゴム胴2を基準回転速度VBrで回転させた後、ゴム胴回転位相検出用カウンタ225よりカウント値を読み込み(図13:ステップS125)、この読み込んだゴム胴回転位相検出用カウンタ225のカウント値よりゴム胴の現在の回転位相ψRを演算し(ステップS126)、メモリM14よりゴム胴の印刷開始位置ψSTを読み込み(ステップS127)、ゴム胴の現在の回転位相ψRがゴム胴の印刷開始位置ψSTに達したか否かを確認する(ステップS128)。
そして、CPU201は、ゴム胴の現在の回転位相ψRがゴム胴の印刷開始位置ψSTに達したことを確認すると(ステップS128のYES)、胴着脱装置236に着指令を出力し(ステップS129)、ゴム胴2を版胴1に接触させる。そして、CPU201は、メモリM7から版胴の基準回転速度VPrを読み込み(ステップS130)、その読み込んだ版胴の基準回転速度VPrを版胴駆動用モータドライバ218にD/A変換器221を介して出力する(ステップS131)。これにより、版胴1が基準回転速度VPrで回転し始め、版胴1からのインキがゴム胴2に転写され始める。
版胴1からゴム胴2へインキを転写している間、CPU201は、ゴム胴回転位相検出用カウンタ225よりカウント値を読み込み(図14:ステップS132)、この読み込んだゴム胴回転位相検出用カウンタ225のカウント値よりゴム胴の現在の回転位相ψRを演算し(ステップS133)、メモリM15よりゴム胴の印刷終了位置ψENDを読み込み(ステップS134)、ゴム胴の現在の回転位相ψRがゴム胴の印刷終了位置ψENDに達したか否かを確認する(ステップS135)。
そして、CPU201は、ゴム胴の現在の回転位相ψRがゴム胴の印刷終了位置ψENDに達したことを確認すると(ステップS135のYES)、胴着脱装置236に脱指令を出力し(ステップS136)、ゴム胴2を版胴1から離す。すなわち、胴抜きを行う。これにより、ゴム胴2の印刷開始位置ψSTから印刷終了位置ψENDまでの区間に、版胴1からのインキが転写される。
〔ゴム胴の下降〕
CPU201は、版胴1からのゴム胴2へのインキの転写を終えると、版胴駆動用モータドライバ218に停止指令を出力し(ステップS137)、版胴1の回転を停止させる。そして、ゴム胴回転位相検出用カウンタ225よりカウント値を読み込み(図15:ステップS138)、この読み込んだゴム胴回転位相検出用カウンタ225のカウント値よりゴム胴の現在の回転位相ψRを演算し(ステップS139)、メモリM16よりゴム胴の移動開始位置ψMSTを読み込み(ステップS140)、ゴム胴の現在の回転位相ψRがゴム胴の移動開始位置ψMSTに達したか否かを確認する(ステップS141)。
そして、CPU201は、ゴム胴の現在の回転位相ψRがゴム胴の移動開始位置ψMSTに達したことを確認すると(ステップS141のYES)、ゴム胴昇降用エアシリンダ用バルブ234に下降指令を出力する(ステップS142)。これにより、ゴム胴昇降用エアシリンダ233が作動し、ゴム胴2がテーブル3に降ろされる(図54参照)。
〔ゴム胴の天地方向への移動〕
次に、CPU201は、メモリM17からゴム胴の天地方向移動速度vBMを読み込み(ステップS143)、ゴム胴天地方向移動用モータドライバ228に正転指令およびゴム胴の天地方向移動速度vBMをD/A変換器231を介して出力する(ステップS144)。これにより、ゴム胴2が回転しながら天地方向の下流側へ、すなわちテーブル3上の被印刷物4Aのある方向へ、天地方向移動速度vBMで移動し始める。
次に、CPU201は、メモリM18にゴム胴の天地方向位置と回転位相による位相偏差補正が完了していないことを示す値として「2」を書き込む(図16:ステップS145)。そして、このゴム胴2の天地方向の下流側への移動中、ゴム胴の天地方向位置検出用カウンタ230よりカウント値を読み込み(ステップS146)、この読み込んだゴム胴の天地方向位置検出用カウンタ230のカウント値よりゴム胴の現在の天地方向位置PBMRを演算してメモリM20に書き込むと共に(ステップS147)、メモリM3から補正された印刷開始位置PRTST’を読み込み(ステップS148)、ステップS147で演算したゴム胴の現在の天地方向位置PBMRが補正された印刷開始位置PRTST’に達したか否かを確認する(ステップS149)。
〔ゴム胴の回転位相の調整〕
CPU201は、ステップS149においてゴム胴の現在の天地方向位置PBMRの補正された印刷開始位置PRTST’への到達が確認されるまでの間、ステップS150(図17)〜S169(図18)の処理動作を繰り返す。このステップS150〜S169の処理ではゴム胴の回転位相の調整を行う。このゴム胴の回転位相の調整は次のようにして行われる。
CPU201は、メモリM20からゴム胴の現在の天地方向位置PBMRを読み込み(図17:ステップS150)、メモリM2から第1のマーク位置のレジスタマークのY方向のずれ量ΔY1を読み込み(ステップS151)、ゴム胴の現在の天地方向位置PBMRに第1のマーク位置のレジスタマークのY方向のずれ量ΔY1を加算して補正したゴム胴の現在の天地方向位置PBMR’を求め、メモリM21に書き込む(ステップS152)。
そして、メモリM22からゴム胴の天地方向位置−あるべきゴム胴の回転位相変換用テーブルを読み込み(ステップS153)、この読み込んだゴム胴の天地方向位置−あるべきゴム胴の回転位相変換用テーブルを用いて、補正したゴム胴の現在の天地方向位置PBMR’より、あるべきゴム胴の回転位相ψmを求める(ステップS154)。
そして、CPU201は、ゴム胴回転位相検出用カウンタ225よりカウント値を読み込み(ステップS155)、この読み込んだゴム胴回転位相検出用カウンタ225のカウント値よりゴム胴の現在の回転位相ψRを求める(ステップS156)。そして、ステップS154で求めたあるべきゴム胴の回転位相ψmよりゴム胴の現在の回転位相ψRを減算し、ゴム胴の現在の回転位相差ΔψRを求め、この求めた現在の回転位相差ΔψRをメモリM24に書き込む(ステップS157)。
次に、CPU201は、ステップS157で求めたゴム胴の現在の回転位相差ΔψRよりゴム胴の現在の回転位相差ΔψRの絶対値を求め(ステップS158)、メモリM26よりゴム胴の回転位相差の許容値αを読み込み(ステップS159)、ゴム胴の現在の回転位相差ΔψRの絶対値がゴム胴の回転位相差の許容値α以下であるか否かを確認する(図18:ステップS160)。
ここで、ゴム胴の現在の回転位相差ΔψRの絶対値がゴム胴の回転位相差の許容値α以下でなければ(ステップS160のNO)、CPU201は、メモリM27よりゴム胴の現在の回転位相差−回転速度の補正値変換テーブルを読み込み(ステップS161)、またメモリM24よりゴム胴の現在の回転位相差ΔψRを読み込み(ステップS162)、ゴム胴の現在の回転位相差−回転速度の補正値変換テーブルを用いてゴム胴の現在の回転位相差ΔψRより回転速度の補正値ΔVを求める(ステップS163)。
そして、CPU201は、メモリM4よりゴム胴の基準回転速度VBrを読み込み(ステップS164)、ゴム胴の基準回転速度VBrに回転速度の補正値ΔVを加算し、補正したゴム胴の回転速度VBr’を求め(ステップS165)、この求めた補正したゴム胴の回転速度VBr’をゴム胴駆動用モータドライバ223にD/A変換器226を介して出力し(ステップS166)、ステップS146(図16)に戻って、同様動作を繰り返す。
これにより、ゴム胴2の回転速度が調整され、ゴム胴の現在の回転位相差ΔψRの絶対値がゴム胴の回転位相差の許容値α以下に合わせ込まれるようになる。
そして、ゴム胴の現在の回転位相差ΔψRの絶対値がゴム胴の回転位相差の許容値α以下になると(図18:ステップS160のYES)、CPU201は、メモリM4よりゴム胴の基準回転速度VBrを読み込み(ステップS167)、この読み込んだゴム胴の基準回転速度VBrをゴム胴駆動用モータドライバ223にD/A変換器226を介して出力し(ステップS168)、メモリM18にゴム胴の天地方向位置と回転位相による位相偏差の補正が完了したことを示す値として「1」を書き込む(ステップS169)。
CPU201は、ゴム胴の現在の天地方向位置PBMRが補正された印刷開始位置PRTST’へ到達するまでの間、このステップS150〜S169の処理動作を繰り返すが、ステップS160においてゴム胴の現在の回転位相差ΔψRの絶対値がゴム胴の回転位相差の許容値α以下にならない場合には、ステップS167〜S169への処理には進まない。この場合、メモリM18にはゴム胴の天地方向位置と回転位相による位相偏差の補正が完了していないことを示す値として「2」が書き込まれたままとなる。
〔被印刷物への回路の印刷(本刷り)〕
CPU201は、ゴム胴の現在の天地方向位置PBMRが補正された印刷開始位置PRTST’に到達したことを確認すると(図16:ステップS149のYES)、メモリM18に書き込まれている値を読み込み(ステップS170)、メモリM18に書き込まれている値が「1」であるか否かを確認する(図19:ステップS171)。ここで、メモリM18に書き込まれている値が「1」でなければ(ステップS171のNO)、表示器205にエラーを表示するが(ステップS184)、メモリM18に書き込まれている値が「1」であれば(ステップ171のYES)、ゴム胴の天地方向位置と回転位相による位相偏差の補正が完了した状態にあると判断する。
CPU201は、ゴム胴の天地方向位置と回転位相による位相偏差の補正が完了した状態にあると判断すると(ステップS171のYES)、メモリM6から印刷中のゴム胴の回転速度VBpを読み込み(ステップS172)、その読み込んだ印刷中のゴム胴の回転速度VBpをゴム胴駆動用モータドライバ223にD/A変換器226を介して出力する(ステップS173)。これにより、ゴム胴2が印刷中のゴム胴の回転速度VBpで回転し始める(図55参照)。
CPU201は、ゴム胴の天地方向位置検出用カウンタ230よりカウント値を読み込み(ステップS174)、この読み込んだゴム胴の天地方向位置検出用カウンタ230のカウント値よりゴム胴の現在の天地方向位置PBMRを演算し(ステップS175)、メモリM30から印刷終了位置PRTENDを読み込み(ステップS176)、ゴム胴の現在の天地方向位置PBMRが印刷終了位置PRTENDに達したか否かを確認する(ステップS177)。
この場合、印刷中のゴム胴の回転速度VBpは、先のステップS109(図11)において、試し刷りされた被印刷物4Bから求められた伸縮率ηに応じ、伸縮率ηが大きければ速い速度として、伸縮率ηが小さければ遅い速度として求められている。
このため、第1のマーク位置PM1から第2のマーク位置PM2までの区間を含む印刷開始位置PRTST’から印刷終了位置PRTENDまでの区間、伸縮率ηに応じて調整された回転速度VBpで、ゴム胴2が回転しながら天地方向の下流側へ移動し、テーブル3上の被印刷物4Aへの回路の印刷が行われて行く。これにより、伸縮率ηの大小に拘わらず、基準の印刷長さで、被印刷物4Aへの回路の印刷が行われるものとなる。
CPU201は、ゴム胴の現在の天地方向位置PBMRが印刷終了位置PRTENDに達したことを確認すると(ステップS177のYES)、ゴム胴駆動用モータドライバ223に停止指令を出力し(図20:ステップS178)、ゴム胴2の回転を停止させる(図56参照)。そして、ゴム胴昇降用エアシリンダ用バルブ234に上昇指令を出力し(ステップS179)、ゴム胴2をテーブル3から上昇させる(図57参照)。
そして、CPU201は、メモリM17からゴム胴の天地方向移動速度vBMを読み込み(ステップS180)、ゴム胴天地方向移動用モータドライバ228に逆転指令およびゴム胴の天地方向移動速度vBMをD/A変換器231を介して出力する(ステップS181)。これにより、ゴム胴2が回転を停止した状態で天地方向の上流側、すなわち版胴1が位置している側に向かって、天地方向移動速度vBMで移動し始める。
このゴム胴2の天地方向の上流側への移動により、ゴム胴の天地方向の原点位置検出器232がオンとなると(ステップS182のYES)、すなわちゴム胴1が移動を開始する前の最初の位置(原点位置)に戻ると、ゴム胴天地方向移動用モータドライバ228に停止指令を出力する(ステップS183)。これにより、ゴム胴2の天地方向への移動が停止する(図58参照)。
このようにして、実施の形態1では、試し刷りされた被印刷物4Bから求められた第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークのY方向のずれ量ΔY1に応じて印刷開始位置を調整するだけではなく、天地方向に離れた1対のレジスタマークRM1間の伸縮率ηに応じて、回路を印刷する際(回路の印刷時)の第1のマーク位置PM1から第2のマーク位置PM2までの区間を含む印刷開始位置PRTST’から印刷終了位置PRTENDまでの区間のゴム胴2の回転速度を調整するようにして、正確な長さで回路が印刷された正式な被印刷物4Cを得ることができるものとなる。
なお、この実施の形態1では、ゴム胴2を天地方向に移動させるようにしたが、被印刷物4Aがセットされているテーブル3を天地方向に移動させるようにしてもよい。また、被印刷物4は必ずしもシート状の被印刷物でなくてもよく、ウェブ状の被印刷物であってもよい。
また、実施の形態1では、被印刷物4の左右に天地方向に離れた1対のレジスタマークRM1を印刷するようにしたが、図59(a)に示すように、被印刷物4の中央にも天地方向に離れた1対のレジスタマークRM1(RM1c1,RM1c2)を印刷するなどしてもよく、図59(b)に示すように、被印刷物4の中央にだけ天地方向に離れた1対のレジスタマークRM1(RM1c1,RM1c2)を印刷するようにしてもよい。
被印刷物4の中央にだけ天地方向に離れた1対のレジスタマークRM1を印刷するようにすると、レジスタマークRM1を含む領域を撮像するカメラが1つで済み、平台印刷制御装置200での処理も簡略化される。
また、実施の形態1の動作説明では、試刷りされた被印刷物4Bから最初の正式な被印刷物4Cが得られるまでの処理動作について説明したが、最初の正式な被印刷物4Cを得た後は、ステップS103に戻って同様の処理を繰り返して次の正式な被印刷物4Cを得るようにしてもよいし、ステップS185へ進んで印刷終了後のティーチングを行って、その結果をフィードバックしながら次の正式な被印刷物4Cを得るようにしてもよい。
また、実施の形態1では、被印刷物4の天地方向に離れた1対(2つ)のレジスタマークRM1を印刷するようにしたが、天地方向に離れた位置に印刷するレジスタマークRM1は2つに限られるものではなく、さらに多くのレジスタマークRM1を被印刷物4の天地方向に間隔を設けて印刷するようにしてもよい。
〔実施の形態2〕
図60に、実施の形態2として、被印刷物4の天地方向に間隔を設けて3つのレジスタマークRM1を印刷する例を示す。この例では、被印刷物4の左側の天地方向に離れた位置に間隔を設けて3つのレジスタマークRM1(RM1L1,RM1L2,RM1L3)を、被印刷物4の右側の天地方向に離れた位置に間隔を設けて3つのレジスタマークRM1(RM1R1,RM1R2,RM1R3)を、回路の印刷と同時に印刷するものとする。この例は、単純な例であり、実際にはさらに多くのレジスタマークRM1を印刷するが、説明を簡単するためにこの例を実施の形態2とする。
この実施の形態2においても、実施の形態1と同様、回路が印刷されていない被印刷物4(回路が印刷される前の被印刷物4)を符号4Aで示し、試し刷りで回路が印刷された被印刷物4(試し刷りされた被印刷物4)を符号4Bで示す。
なお、この実施の形態2において、被印刷物4の天地方向に離れた位置に間隔を設けて印刷された3つのレジスタマークRM1(RM1L1とRM1L2とRM1L3との対、RM1R1とRM1R2とRM1R3との対)が本発明でいう複数の基準マーク(被印刷物の天地方向に離れた位置に間隔を設けて付加された複数の基準マーク)に相当する。また、レジスタマークRM1L1とRM1L2との対、レジスタマークRM1L2とRM1L3との対、レジスタマークRM1R1とRM1R2との対、レジスタマークRM1R2とRM1R3との対が、本発明でいう隣接する基準マークに相当する。
また、この実施の形態2において、左カメラ210Lは、テーブル3上の被印刷物4のレジスタマークRM1L1とRM1L2とRM1L3の印刷位置に対応して設けられており、テーブル3上の被印刷物4の上面を天地方向に移動して、第1のマーク位置PM1においてレジスタマークRM1L1を含む領域を撮像し、第2のマーク位置PM2においてレジスタマークRM1L2を含む領域を撮像し、第3のマーク位置PM3においてレジスタマークRM1L3を含む領域を撮像する。
また、右カメラ210Rは、テーブル3上の被印刷物4のレジスタマークRM1R1とRM1R2とRM1R3の印刷位置に対応して設けられており、テーブル3上の被印刷物4の上面を天地方向に移動して、第1のマーク位置PM1においてレジスタマークRM1R1を含む領域を撮像し、第2のマーク位置PM2においてレジスタマークRM1R2を含む領域を撮像し、第3のマーク位置PM3においてレジスタマークRM1R3を含む領域を撮像する。
以下、第1のマーク位置PM1を1番目のマーク位置、第2のマーク位置PM2を2番目のマーク位置、第3のマーク位置PM3を3番目のマーク位置と呼ぶ。
実施の形態2では、隣接するレジスタマークRM1間の伸縮率η(1番目のマーク位置PM1と2番目のマーク位置PM2のレジスタマークRM1間の伸縮率η1、2番目のマーク位置PM2と3番目のマーク位置PM3のレジスタマークRM1間の伸縮率η2)に応じて、回路を印刷する際(回路の印刷時)の隣接するレジスタマークRM1間(1番目のマーク位置PM1と2番目のマーク位置PM2のレジスタマークRM1間、2番目のマーク位置PM2と3番目のマーク位置PM3のレジスタマークRM1間)に対応する区間のゴム胴2の回転速度VBpを調整するようにして、正確な長さで回路が印刷された正式な被印刷物4(4C)を得るものとする。
実施の形態2において、平台印刷制御装置200の構成は図3に示した構成と同じであるが、メモリ237の内容が異なる。図61〜図66にメモリ237の内容を分割して示す。
メモリ237にはメモリM101〜M156が設けられる。メモリM101には基準の印刷開始位置PRTSTが記憶されている。メモリM102には1番目のマーク位置PM1におけるレジスタマークのY方向のずれ量ΔY1が記憶される。メモリM103には補正された印刷開始位置PRTST’が記憶される。メモリM104にはゴム胴の基準回転速度VBrが記憶されている。メモリM105にはレジスタマーク間の伸縮率η1,η2が記憶される。メモリM106には印刷中のゴム胴の回転速度VBp1(1番目の印刷中のゴム胴の回転速度),VBp2(2番目の印刷中のゴム胴の回転速度)が記憶される。メモリM107には版胴の基準回転速度VPrが記憶されている。メモリM108には版胴回転位相検出用カウンタのカウント値が記憶される。メモリM109には版胴の現在の回転位相φRが記憶される。メモリM110には版胴の印刷開始位置φSTが記憶されている。
メモリM111には版胴の印刷終了位置φENDが記憶されている。メモリM112にはゴム胴回転位相検出用カウンタのカウント値が記憶される。メモリM113にはゴム胴の現在の回転位相ψRが記憶される。メモリM114にはゴム胴の印刷開始位置ψSTが記憶されている。メモリM115にはゴム胴の印刷終了位置ψENDが記憶されている。メモリM116にはゴム胴の移動開始位置ψMSTが記憶されている。メモリM117にはゴム胴の天地方向の移動速度vBMが記憶されている。メモリM118にはレジスタマークによる位相偏差の補正の完了の有無を示す値が記憶される。メモリM119にはゴム胴の天地方向位置検出用カウンタのカウント値が記憶される。メモリM120にはゴム胴の現在の天地方向位置PBMRが記憶される。
メモリM121には補正したゴム胴の現在の天地方向位置PBMR’が記憶される。メモリM122にはゴム胴の天地方向−あるべきゴム胴の回転位相変換テーブルが記憶されている。メモリM123にはあるべきゴム胴の回転位相ψmが記憶される。メモリM124にはゴム胴の現在の回転位相差ΔψRが記憶される。メモリM125にはゴム胴の現在の回転位相差ΔψRの絶対値が記憶される。メモリM126にはゴム胴の回転位相差の許容値αが記憶されている。メモリM127にはゴム胴の現在の回転位相差−回転速度の補正値変換テーブルが記憶されている。メモリM128には回転速度の補正値ΔVが記憶される。メモリM129には補正したゴム胴の回転速度VBr’が記憶される。メモリM130には印刷終了位置PRTENDが記憶されている。
メモリM131にはカメラ移動用モータの回転速度Vcが記憶されている。メモリM132にはカメラ位置検出用カウンタのカウント値が記憶される。メモリM133にはカメラの現在位置PCMRが記憶される。メモリM134にはレジスタマークの撮像位置(1番目のマーク位置PM1,2番目のマーク位置PM2,3番目のマーク位置PM3)が記憶されている。メモリM135にはカウント値Yが記憶される。メモリM136にはカウント値Xが記憶される。メモリM137には左のカメラの撮像データが記憶される。メモリM138にはカメラ(左右のカメラ)の左右方向の画素数aが記憶されている。メモリM139にはカメラ(左右のカメラ)の天地方向の画素数bが記憶されている。メモリM140には右のカメラの撮像データが記憶される。
メモリM141にはカウント値Nが記憶される。メモリM142にはカウント値Mが記憶される。メモリM143にはカウント値Lが記憶される。メモリ144にはレジスタマークの画素データが記憶されている。メモリM145にはレジスタマークの左右方向の画素数cが記憶されている。メモリM146にはレジスタマークの天地方向の画素数dが記憶されている。メモリM147にはレジスタマークの天地方向の位置が記憶されている。この例では、1番目のマーク位置PM1,2番目のマーク位置PM2,3番目のマーク位置PM3に対応する天地方向の位置が記憶されている。メモリM148には天地方向のレジスタマークの数e(この例では、e=3)が記憶されている。
メモリM149には左のレジスタマークの測定位置が記憶される。メモリM150には右のレジスタマークの測定位置が記憶される。メモリM151には左右のレジスタマークのY方向の測定値の平均値が記憶される。メモリM152にはカメラの撮像データ内のレジスタマークのY方向の基準位置が記憶されている。メモリM153にはレジスタマークのY方向のずれ量が記憶される。メモリM154にはレジスタマーク間のY方向のずれ量が記憶される。メモリM155にはレジスタマーク間の基準距離LMrが記憶されている。メモリM156にはレジスタマーク間のY方向の実測距離LM1,LM2が記憶される。
〔平台印刷制御装置の動作〕
次に、実施の形態2における平台印刷制御装置200の動作について、図67〜図91のフローチャートを用いて説明する。
〔試し刷り〕
先ず、正式な印刷を行う前に、試し刷りを行う。この試し刷りに際しては、メモリM102に「ゼロ」を上書きする(図67:ステップS401)。すなわち、1番目のマーク位置PM1におけるレジスタマークのY方向のずれ量ΔY1をΔY1=0とする。
また、メモリM104からゴム胴の基準回転速度VBrを読み込み(ステップS402)、印刷中のゴム胴の回転速度記憶用のメモリM106の全てのエリア(この例では、2つのエリア)にゴム胴の基準回転速度VBrを上書きする(ステップS403)。すなわち、1番目の印刷中のゴム胴の回転速度VBp1と2番目の印刷中のゴム胴の回転速度VBp2を基準回転速度VBrとする。
そして、図1に示したように、回路が印刷されていない被印刷物4Aをテーブル3上にセットし、印刷開始スイッチ207をオンとする。
平台印刷制御装置200のCPU201は、印刷開始スイッチ207がオンとされると(ステップS404のYES)、メモリM101から基準の印刷開始位置PRTSTを読み込む(ステップS405)。この基準の印刷開始位置PRTSTは、図92に示すように、テーブル3にセットされる被印刷物4Aに対する基準の印刷開始位置として予め定められている。
そして、CPU201は、メモリM102から1番目のマーク位置PM1におけるレジスタマークのY方向のずれ量ΔY1を読み込み(ステップS406)、ステップS405で読み込んだ基準の印刷開始位置PRTSTに1番目のマーク位置PM1におけるレジスタマークのY方向のずれ量ΔY1を加算して補正された印刷開始位置PRTST’を求め、メモリM103に書き込む(ステップS407)。この場合、メモリM102に書き込まれている1番目のマーク位置PM1におけるレジスタマークのY方向のずれ量ΔY1はΔY1=0であるので、補正された印刷開始位置PRTST’は基準の印刷開始位置PRTSTと同じ位置とされる。
〔版胴へのインキの供給〕
そして、CPU201は、メモリM107から版胴の基準回転速度VPrを読み込み(図68:ステップS408)、この読み込んだ版胴の基準回転速度VPrを版胴駆動用モータドライバ218にD/A変換器221を介して出力する(ステップS409)。これにより、版胴1が基準回転速度VPrで回転し始める。
CPU201は、版胴1を基準回転速度VPrで回転させた状態で、インキ装置235にインキ供給開始指令を出力する(ステップS410)。これにより、インキ装置235から版胴1にインキが供給され始める。
CPU201は、このインキ装置235からの版胴1へのインキの供給中、版胴回転位相検出用カウンタ220よりカウント値を読み込み(ステップS411)、この読み込んだ版胴回転位相検出用カウンタ220のカウント値より版胴の現在の回転位相φRを演算し(ステップS412)、メモリM110より版胴の印刷開始位置φSTを読み込み(ステップS413)、版胴の現在の回転位相φRが版胴の印刷開始位置φSTに達したか否かを確認する(ステップS414)。
そして、CPU201は、版胴の現在の回転位相φRが版胴の印刷開始位置φSTに達したことを確認すると(ステップS414のYES)、版胴回転位相検出用カウンタ220よりカウント値を読み込み(図69:ステップS415)、この読み込んだ版胴回転位相検出用カウンタ220のカウント値より版胴の現在の回転位相φRを演算し(ステップS416)、メモリM111より版胴の印刷終了位置φENDを読み込み(ステップS417)、版胴の現在の回転位相φRが版胴の印刷終了位置φENDに達したか否かを確認する(ステップS418)。
CPU201は、版胴の現在の回転位相φRが版胴の印刷終了位置φENDに達したことを確認すると(ステップS418のYES)、版胴駆動用モータドライバ218に停止指令を出力すると共に(ステップS419)、インキ装置235にインキ供給停止指令を出力する(ステップS420)。これにより、版胴1の印刷開始位置φSTから印刷終了位置φENDまでの区間にインキが供給され、このインキが供給された状態で版胴1の回転が停止される。
〔版胴からゴム胴へのインキの転写〕
次に、CPU201は、メモリM104からゴム胴の基準回転速度VBrを読み込み(ステップS421)、その読み込んだゴム胴の基準回転速度VBrをゴム胴駆動用モータドライバ223にD/A変換器226を介して出力する(ステップS422)。これにより、ゴム胴2がゴム胴の基準回転速度VBrで回転し始める。この時、ゴム胴2は、版胴1には接触していない。
CPU201は、ゴム胴2を基準回転速度VBrで回転させた後、ゴム胴回転位相検出用カウンタ225よりカウント値を読み込み(図70:ステップS423)、この読み込んだゴム胴回転位相検出用カウンタ225のカウント値よりゴム胴の現在の回転位相ψRを演算し(ステップS424)、メモリM114よりゴム胴の印刷開始位置ψSTを読み込み(ステップS425)、ゴム胴の現在の回転位相ψRがゴム胴の印刷開始位置ψSTに達したか否かを確認する(ステップS426)。
そして、CPU201は、ゴム胴の現在の回転位相ψRがゴム胴の印刷開始位置ψSTに達したことを確認すると(ステップS426のYES)、胴着脱装置236に着指令を出力し(ステップS427)、ゴム胴2を版胴1に接触させる。そして、CPU201は、メモリM107から版胴の基準回転速度VPrを読み込み(ステップS428)、その読み込んだ版胴の基準回転速度VPrを版胴駆動用モータドライバ218にD/A変換器221を介して出力する(ステップS429)。これにより、版胴1が基準回転速度VPrで回転し始め、版胴1からのインキがゴム胴2に転写され始める。
版胴1からゴム胴2へインキを転写している間、CPU201は、ゴム胴回転位相検出用カウンタ225よりカウント値を読み込み(図71:ステップS430)、この読み込んだゴム胴回転位相検出用カウンタ225のカウント値よりゴム胴の現在の回転位相ψRを演算し(ステップS431)、メモリM115よりゴム胴の印刷終了位置ψENDを読み込み(ステップS432)、ゴム胴の現在の回転位相ψRがゴム胴の印刷終了位置ψENDに達したか否かを確認する(ステップS433)。
そして、CPU201は、ゴム胴の現在の回転位相ψRがゴム胴の印刷終了位置ψENDに達したことを確認すると(ステップS433のYES)、胴着脱装置236に脱指令を出力し(ステップS434)、ゴム胴2を版胴1から離す。すなわち、胴抜きを行う。これにより、ゴム胴2の印刷開始位置ψSTから印刷終了位置ψENDまでの区間に、版胴1からのインキが転写される。
〔ゴム胴の下降〕
CPU201は、版胴1からのゴム胴2へのインキの転写を終えると、版胴駆動用モータドライバ218に停止指令を出力し(ステップS435)、版胴1の回転を停止させる。そして、ゴム胴回転位相検出用カウンタ225よりカウント値を読み込み(図72:ステップS436)、この読み込んだゴム胴回転位相検出用カウンタ225のカウント値よりゴム胴の現在の回転位相ψRを演算し(ステップS437)、メモリM116よりゴム胴の移動開始位置ψMSTを読み込み(ステップS438)、ゴム胴の現在の回転位相ψRがゴム胴の移動開始位置ψMSTに達したか否かを確認する(ステップS439)。
そして、CPU201は、ゴム胴の現在の回転位相ψRがゴム胴の移動開始位置ψMSTに達したことを確認すると(ステップS439のYES)、ゴム胴昇降用エアシリンダ用バルブ234に下降指令を出力する(ステップS440)。これにより、ゴム胴昇降用エアシリンダ233が作動し、ゴム胴2がテーブル3に降ろされる(図93参照)。
〔ゴム胴の天地方向への移動〕
次に、CPU201は、メモリM117からゴム胴の天地方向移動速度vBMを読み込み(ステップS441)、ゴム胴天地方向移動用モータドライバ228に正転指令およびゴム胴の天地方向移動速度vBMをD/A変換器231を介して出力する(ステップS442)。これにより、ゴム胴2が回転しながら天地方向の下流側へ、すなわちテーブル3上の被印刷物4Aのある方向へ、天地方向移動速度vBMで移動し始める。
次に、CPU201は、メモリM118にレジスタマークによる位相偏差補正が完了していないことを示す値として「2」を書き込む(図73:ステップS443)。そして、このゴム胴2の天地方向の下流側への移動中、ゴム胴の天地方向位置検出用カウンタ230よりカウント値を読み込み(ステップS444)、この読み込んだゴム胴の天地方向位置検出用カウンタ230のカウント値よりゴム胴の現在の天地方向位置PBMRを演算してメモリM120に書き込むと共に(ステップS445)、メモリM103から補正された印刷開始位置PRTST’(=PRTST)を読み込み(ステップS446)、ステップS445で演算したゴム胴の現在の天地方向位置PBMRが補正された印刷開始位置PRTST’(=PRTST)に達したか否かを確認する(ステップS447)。
〔ゴム胴の回転位相の調整〕
CPU201は、ステップS447においてゴム胴の現在の天地方向位置PBMRの補正された印刷開始位置PRTST’(=PRTST)への到達が確認されるまでの間、ステップS448(図74)〜S467(図75)の処理動作を繰り返す。このステップS448〜S467の処理ではゴム胴の回転位相の調整を行うが、この試し刷りに際しては、1番目のマーク位置PM1におけるレジスタマークのY方向のずれ量ΔY1がΔY1=0とされているので、実質的には、ゴム胴の回転位相の調整は行われない。但し、この場合、メモリM118にはレジスタマークによる位相偏差の補正が完了したことを示す値として「1」が書き込まれる(図75:ステップS467)。このゴム胴の回転位相の調整については後述する。
CPU201は、ゴム胴の現在の天地方向位置PBMRが補正された印刷開始位置PRTST’(=PRTST)に到達したことを確認すると(図73:ステップS447のYES)、メモリM118に書き込まれている値を読み込み(ステップS468)、メモリM118に書き込まれている値が「1」であるか否かを確認する(図76:ステップS469)。ここでは、メモリM118に書き込まれている値は「1」であるので(ステップS469のYES)、レジスタマークによる位相偏差の補正が完了した状態にあると判断する。
〔被印刷物への回路の印刷(試し刷り)〕
CPU201は、レジスタマークによる位相偏差の補正が完了した状態にあると判断すると(ステップS469のYES)、カウント値N記憶用のメモリM141に「1」を上書きし(ステップS470)、ゴム胴の天地方向位置検出用カウンタ230よりカウント値を読み込み(ステップS471)、この読み込んだゴム胴の天地方向位置検出用カウンタ230のカウント値よりゴム胴の現在の天地方向位置PBMRを演算してメモリM120に書き込むと共に(ステップS472)、レジスタマークの天地方向位置記憶用のメモリM147のN=1番目のアドレス位置より、1番目のレジスタマークの天地方向位置(=1番目のマーク位置PM1)を読込み(ステップS473)、ゴム胴の現在の天地方向位置PBMRが1番目のレジスタマークの天地方向位置となるまで(ステップS474のYES)、ステップS471〜S474の処理動作を繰り返す。
ゴム胴の現在の天地方向位置PBMRが1番目のレジスタマークの天地方向位置となると(ステップS474のYES)、CPU201は、メモリM106のN=1番目のアドレス位置より1番目の印刷中のゴム胴の回転速度VBp1を読込み(図77:ステップS475)、その読み込んだ1番目の印刷中のゴム胴の回転速度VBp1をゴム胴駆動用モータドライバ223にD/A変換器226を介して出力する(ステップS476)。この場合、1番目の印刷中のゴム胴の回転速度VBp1は、先のステップS403において基準回転速度VBrとされているので、ゴム胴2は基準回転速度VBrで回転し続ける。
そして、CPU201は、メモリM141中のカウント値Nに1を加算してN=2とし(ステップS477)、メモリM148から天地方向のレジスタマーク数e(e=3)を読込み(ステップS478)、カウント値Nが天地方向のレジスタマーク数eとなったか否かを確認する(ステップS479)。この場合、N=2であるので(ステップS479のNO)、CPU201はステップS471(図76)へ戻る。
CPU201は、ステップS471において、ゴム胴の天地方向位置検出用カウンタ230よりカウント値を読み込む。そして、この読み込んだゴム胴の天地方向位置検出用カウンタ230のカウント値よりゴム胴の現在の天地方向位置PBMRを演算してメモリM120に書き込むと共に(ステップS472)、レジスタマークの天地方向位置記憶用のメモリM147のN=2番目のアドレス位置より、2番目のレジスタマークの天地方向位置(=2番目のマーク位置PM2)を読込み(ステップS473)、ゴム胴の現在の天地方向位置PBMRが2番目のレジスタマークの天地方向位置となるまで(ステップS474のYES)、ステップS471〜S474の処理動作を繰り返す。
ゴム胴の現在の天地方向位置PBMRが2番目のレジスタマークの天地方向位置となると(ステップS474のYES)、CPU201は、メモリM106のN=2番目のアドレス位置より2番目の印刷中のゴム胴の回転速度VBp2を読込み(図77:ステップS475)、その読み込んだ2番目の印刷中のゴム胴の回転速度VBp2をゴム胴駆動用モータドライバ223にD/A変換器226を介して出力する(ステップS476)。この場合、2番目の印刷中のゴム胴の回転速度VBp2は、先のステップS403において基準回転速度VBrとされているので、ゴム胴2は基準回転速度VBrで回転し続ける。
そして、CPU201は、メモリM141中のカウント値Nに1を加算してN=3とし(ステップS477)、メモリM148から天地方向のレジスタマーク数e(e=3)を読込み(ステップS478)、カウント値Nが天地方向のレジスタマーク数eとなったか否かを確認する(ステップS479)。この場合、N=3であるので(ステップS479のYES)、CPU201はステップS480へ進む。
CPU201は、ステップS480において、ゴム胴の天地方向位置検出用カウンタ230よりカウント値を読み込む。そして、この読み込んだゴム胴の天地方向位置検出用カウンタ230のカウント値よりゴム胴の現在の天地方向位置PBMRを演算してメモリM120に書き込むと共に(ステップS481)、メモリM130から印刷終了位置PRTENDを読み込み(ステップS482)、ステップS481で演算したゴム胴の現在の天地方向位置PBMRが印刷終了位置PRTENDに達したか否かを確認する(ステップS483)。
この場合、ゴム胴2は、基準回転速度VBrで回転し続けている。また、補正された印刷開始位置PRTST’は、先のステップS407(図67)で基準印刷開始位置PRTSTと同じ位置として求められている。このため、基準回転速度VBrで、基準印刷開始位置PRTSTから、ゴム胴2が回転しながら天地方向の下流側へ移動して行く(図94参照)。これにより、テーブル3上の被印刷物4Aへ、基準印刷開始位置PRTSTから基準回転速度VBrで、回路の印刷が行われて行く。
CPU201は、ゴム胴の現在の天地方向位置PBMRが印刷終了位置PRTENDに達したことを確認すると(ステップS483のYES)、ゴム胴駆動用モータドライバ223に停止指令を出力し(図78:ステップS484)、ゴム胴2の回転を停止させる(図95参照)。そして、ゴム胴昇降用エアシリンダ用バルブ234に上昇指令を出力し(ステップS485)、ゴム胴2をテーブル3から上昇させる(図96参照)。
そして、CPU201は、メモリM117からゴム胴の天地方向移動速度vBMを読み込み(ステップS486)、ゴム胴天地方向移動用モータドライバ228に逆転指令およびゴム胴の天地方向移動速度vBMをD/A変換器231を介して出力する(ステップS487)。これにより、ゴム胴2が回転を停止した状態で天地方向の上流側、すなわち版胴1が位置している側に向かって、天地方向移動速度vBMで移動し始める。
このゴム胴2の天地方向の上流側への移動により、ゴム胴の天地方向の原点位置検出器232がオンとなると(ステップS488のYES)、すなわちゴム胴1が移動を開始する前の最初の位置(原点位置)に戻ると、ゴム胴天地方向移動用モータドライバ228に停止指令を出力する(ステップS489)。これにより、ゴム胴2の天地方向への移動が停止する(図97参照)。
このようにして、実施の形態2では、1番目のマーク位置PM1におけるレジスタマークのY方向のずれ量ΔY1をΔY1=0として、被印刷物4Aへ回路の印刷が行われ、図60に示されるような左右の天地方向に3個、合計6個のレジスタマークRM1が同時に印刷された被印刷物4B(試し刷りされた被印刷物4B)が得られる。
〔印刷終了後のティーチング〕
オペレータは、このようにして試し刷りされた被印刷物4Bを得た後、印刷終了後のティーチングスイッチ208をオンとする。
平台印刷制御装置200のCPU201は、印刷終了後のティーチングスイッチ208がオンとされると(図79:ステップS491のYES)、カウント値N記憶用のメモリ141に「1」を上書きするとともに(ステップS492)、メモリM131からカメラ移動用モータの回転速度Vcを読み込み(ステップS493)、カメラ移動用モータドライバ212に正転指令およびカメラ移動用モータの回転速度VcをD/A変換器215を介して出力する(ステップS494)。これにより、カメラ移動用モータ211が回転速度Vcで正転し、図60に示された最初の位置を原点位置として、左カメラ210Lおよび右カメラ210Rがテーブル3上を左方向へ同時に移動する。
〔1番目のマーク位置におけるレジスタマークの撮像〕
CPU201は、この左カメラ210Lおよび右カメラ210Rの移動中、メモリ141のカウント値Nを読込み(ステップS495)、このカウント値Nが2であるか否かを確認する(ステップS496)。この場合、カウント値Nは1とされているので(ステップS496のNO)、カメラ位置検出用カウンタ214のカウント値を読み込み(図80:ステップS499)、このカメラ位置検出用カウンタ214のカウント値より左カメラ210Lおよび右カメラ210Rの現在位置PCMRを演算し(ステップS500)、メモリM134のN=1番目のアドレス位置から1番目のマーク位置PM1を読み込み(ステップS501)、左カメラ210Lおよび右カメラ210Rの現在位置PCMRが1番目のマーク位置PM1に達したか否かを確認する(ステップS502)。
CPU201は、左カメラ210Lおよび右カメラ210Rの現在位置PCMRが1番目のマーク位置PM1に達したことを確認すると(ステップS502のYES)、カウント値Nを読込み(ステップS503)、そのカウント値Nが1であるか否かを確認する(ステップS504)。この場合、カウント値Nは1とされているので(ステップS504のYES)、カメラ移動用モータドライバ212に停止指令を出力して(ステップS505)、左カメラ210Lおよび右カメラ210Rの移動を停止する。そして、左カメラ210Lおよび右カメラ210Rに撮像指令を出力し(ステップS506)、テーブル3にセットされている被印刷物4B上のレジスタマークRM1L1を含む領域を左カメラ210Lで撮像し、被印刷物4B上のレジスタマークRM1R1を含む領域を右カメラ210Rで撮像する。
そして、CPU201は、左カメラ210Lに撮像データの送信指令を送り(図81:ステップS507)、この送信指令に応じて左カメラ210Lから撮像データが送られてくると(ステップS508のYES)、メモリM135中のカウント値Yを1とし(ステップS509)、メモリM136中のカウント値Xを1とし(ステップS510)、カウント値X,Yで特定される画素位置の左カメラ210Lからの撮像データをメモリM137の(X,Y)のアドレス位置に書き込む(ステップS511)。
そして、CPU201は、メモリM136中のカウント値Xに1を加算し(ステップS512)、メモリM138中のカメラの左右方向の画素数aを読み込み(ステップS513)、ステップS514でカウント値Xがカメラの左右方向の画素数aを超えるまで、ステップS511〜S514の処理動作を繰り返す。
そして、カウント値Xがカメラの左右方向の画素数aを超えれば(ステップS514のYES)、メモリM135中のカウント値Yに1を加算し(ステップS515)、メモリM139中のカメラの天地方向の画素数bを読み込み(ステップS516)、ステップS517でカウント値Yがカメラの天地方向の画素数bを超えるまで、ステップS510〜S517の処理動作を繰り返す。
これにより、メモリM137中に、1番目のマーク位置PM1における左カメラ210Lからのa×bの画素の撮像データが記憶されるものとなる。ここでは、被印刷物4BのレジスタマークRM1L1を含む撮像データがa×bの画素の撮像データとして、メモリM137中に記憶される。
なお、メモリM144には、レジスタマークRM1のc×dの画素データがパターンマッチング用のデータとして記憶されている。また、カメラの天地方向は被印刷物4Bの天地方向と同方向とされ、カメラの左右方向は被印刷物4Bの左右方向と同方向とされている。
次に、CPU201は、右カメラ210Rに撮像データの送信指令を送り(図82:ステップS518)、この送信指令に応じて右カメラ210Rから撮像データが送られてくると(ステップS519のYES)、メモリM135中のカウント値Yを1とし(ステップS520)、メモリM136中のカウント値Xを1とし(ステップS521)、カウント値X,Yで特定される画素位置の右カメラ210Rからの撮像データをメモリM140の(X,Y)のアドレス位置に書き込む(ステップS522)。
そして、CPU201は、メモリM136中のカウント値Xに1を加算し(ステップS523)、メモリM138中のカメラの左右方向の画素数aを読み込み(ステップS524)、ステップS525でカウント値Xがカメラの左右方向の画素数aを超えるまで、ステップS522〜S525の処理動作を繰り返す。
そして、カウント値Xがカメラの左右方向の画素数aを超えれば(ステップS525のYES)、メモリM135中のカウント値Yに1を加算し(ステップS526)、メモリM139中のカメラの天地方向の画素数bを読み込み(ステップS527)、ステップS528でカウント値Yがカメラの天地方向の画素数bを超えるまで、ステップS521〜S528の処理動作を繰り返す。
これにより、メモリM140中に、1番目のマーク位置PM1における右カメラ210Rからのa×bの画素の撮像データが記憶されるものとなる。ここでは、被印刷物4BのレジスタマークRM1R1を含む撮像データがa×bの画素の撮像データとしてメモリM140中に記憶される。
〔パターンマッチングによる1番目のマーク位置におけるレジスタマークの位置の検出〕
次に、CPU201は、メモリM135中のカウント値Yを1とし(図83:ステップS529)、メモリM136中のカウント値Xを1とし(ステップS530)、メモリM142中のカウント値Mを1とし(ステップS531)、メモリM143中のカウント値Lを1とする(ステップS532)。
そして、メモリM137中の(X+L−1、Y+M−1)のアドレス位置の左カメラの画素データを読み込み(ステップS533)、メモリM144中の(L,M)のアドレス位置のレジスタマークの画素データを読み込み(ステップS534)、この読み込んだメモリM137中の(X+L−1、Y+M−1)のアドレス位置の左カメラの画素データとメモリM144中の(L,M)のアドレス位置の画素データとが一致しているか否かを確認する(ステップS535)。
ここで、メモリM137中の(X+L−1、Y+M−1)のアドレス位置の左カメラの画素データとメモリM144中の(L,M)のアドレス位置のレジスタマークの画素データとが一致していなければ(ステップS535のNO)、その時の(X、Y)のアドレスから(X+c−1、Y+d−1)のアドレスまでの左のカメラ210Lの1番目のマーク位置PM1の撮像データのいずれかの画素データがレジスタマークの画素データと異なり、(X、Y)のアドレスから始まる範囲に1番目のマーク位置PM1の左のレジスタマークRM1L1が無いことになるので、CPU201は、メモリM136中のカウント値Xに1を加算し(図84:ステップS536)、メモリM138中のカメラの左右方向の画素数aとメモリM145中のレジスタマークの左右方向の画素数cとを読み込み(ステップS537,S538)、ステップS539でカウント値Xが「a−c+1」を超えるまで、ステップS531〜S539の処理動作を繰り返す。
この処理動作中、カウント値Xが「a−c+1」を超えれば(ステップS539のYES)、左のカメラ210Lの1番目のマーク位置の撮像データの左右方向の端を越えたことになるので、CPU201は、メモリM135中のカウント値Yに1を加算し(ステップS540)、メモリM139中のカメラの天地方向の画素数bとメモリM146中のレジスタマークの天地方向の画素数dとを読み込み(ステップS541,S542)、ステップS543でカウント値Yが「b−d+1」を超えるまで、ステップS530〜S543の処理動作を繰り返す。
この処理動作中、メモリM137中の(X+L−1、Y+M−1)のアドレス位置の左カメラの画素データとメモリM144中の(L,M)のアドレス位置のレジスタマークの画素データとが一致していることが確認されると(図83:ステップS535のYES)、CPU201は、メモリM143中のカウント値Lに1を加算し(図85:ステップS545)、メモリM145からレジスタマークの左右方向の画素数cを読み込み(ステップS546)、ステップS547でカウント値Lがレジスタマークの左右方向の画素数cを超えるまで、ステップS533〜S547の処理動作を繰り返す。
カウント値Lがレジスタマークの左右方向の画素数cを超えると(ステップS547のYES)、CPU201は、メモリM142中のカウント値Mに1を加算し(ステップS548)、メモリM146からレジスタマークの天地方向の画素数dを読み込み(ステップS549)、ステップS550でカウント値Mがレジスタマークの天地方向の画素数dを超えるまで、ステップS532〜S550の処理動作を繰り返す。
このようにして、CPU201は、メモリM137中のa×bの画素の撮像データ(左の1番目のマーク位置の撮像データ)に対してメモリM144中のc×dのレジスタマークの画素データのパターンマッチングを行い、カウント値Mがレジスタマークの天地方向の画素数dを超えると(ステップS550のYES)、メモリM137中のa×bの画素の撮像データの(X、Y)のアドレスから(X+c−1、Y+d−1)のアドレスまでの範囲にメモリM144中のc×dのレジスタマークの画素データが含まれていたと判断する。すなわち、左カメラ210Lが撮像した1番目のマーク位置PM1における画像の中にレジスタマークRM1(RM1L1)が含まれていたと判断する。
なお、ステップS543でカウント値Yが「b−d+1」を超えた場合には(ステップS543のYES)、左のカメラ210Lの1番目のマーク位置の撮像データの天地方向の端を越えたことになり、CPU201は、左カメラ210Lが撮像した1番目のマーク位置PM1における画像の中にはレジスタマークRM1(RM1L1)が含まれていなかったと判断し、表示器205にエラー表示を行う(ステップS544)。
CPU201は、左カメラ210Lが撮像した1番目のマーク位置PM1における画像の中にレジスタマークRM1L1が含まれていたと判断すると(ステップS550のYES)、その時のメモリM136中のカウント値Xを読み込み(ステップS551)、その読み込んだカウント値XよりレジスタマークRM1L1のX方向の位置(撮像データ内のレジスタマークRM1L1のX方向の中心位置)を演算し、レジスタマークRM1L1のX方向の測定位置として左のレジスタマークの測定位置記憶用のメモリM149のX方向のアドレス位置に書き込む(ステップS552)。また、その時のメモリM135中のカウント値Yを読み込み(ステップS553)、その読み込んだカウント値YよりレジスタマークRM1L1のY方向の位置(撮像データ内のレジスタマークRM1L1のY方向の中心位置)を演算し、レジスタマークRM1L1のY方向の測定位置として左のレジスタマークの測定位置記憶用のメモリM149のY方向のアドレス位置に書き込む(ステップS554)。
次に、CPU201は、メモリM135中のカウント値Yを1とし(図86:ステップS555)、メモリM136中のカウント値Xを1とし(ステップS556)、メモリM142中のカウント値Mを1とし(ステップS557)、メモリM143中のカウント値Lを1とし(ステップS558)、ステップS533〜S554(図83〜図85)に対応するステップS559〜S580(図86〜図88)の処理を行って、レジスタマークRM1R1のX方向の測定位置(撮像データ内のレジスタマークRM1R1のX方向の中心位置)を演算し、またレジスタマークRM1R1のY方向の測定位置(撮像データ内のレジスタマークRM1R1のY方向の中心位置)を演算し、右のレジスタマークの測定位置記憶用のメモリM150のX方向およびY方向のアドレス位置に書き込む。
〔1番目のマーク位置におけるレジスタマークのY方向のずれ量の算出〕
そして、CPU201は、メモリM149のY方向のアドレス位置より1番目のマーク位置PM1における左のレジスタマークRM1L1のY方向の測定位置を読み込み(図89:ステップS581)、またメモリM150のY方向のアドレス位置より1番目のマーク位置PM1における右のレジスタマークRM1R1のY方向の測定位置を読み込み(ステップS582)、左のレジスタマークRM1L1のY方向の測定位置と右のレジスタマークRM1R1のY方向の測定位置との合計値を2で除算して、1番目のマーク位置PM1における左右のレジスタマークのY方向の測定位置の平均値を求め、この求めた1番目のマーク位置PM1における左右のレジスタマークのY方向の測定位置の平均値をメモリM151に記憶させる(ステップS583)。
そして、CPU201は、メモリM152からカメラの撮像データ内のレジスタマークのY方向の基準位置を読込み(ステップS584)、左右のレジスタマークのY方向の測定位置の平均値よりカメラの撮像データ内のレジスタマークのY方向の基準位置を減算し、1番目のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1のY方向のずれ量ΔM1y1を求め、この求めたレジスタマークRM1のY方向のずれ量ΔM1y1をメモリM153のN=1番目のアドレス位置に書き込む(ステップS585)。
そして、CPU201は、メモリM141中のカウント値Nに1を加算してN=2とし(ステップS586)、メモリM148から天地方向のレジスタマーク数e(e=3)を読込み、カウント値Nが天地方向のレジスタマーク数eを超えたか否かを確認する(ステップS588)。この場合、N=2であるので(ステップS588のNO)、CPU201はステップS495(図79)へ戻る。
CPU201は、ステップS495において、メモリM141中のカウント値Nを読込む。そして、この読込んだカウント値Nが2であるか否かを確認する(ステップS496)。この場合、N=2であるので(ステップS496のYES)、CPU201は、メモリM131からカメラ移動用モータの回転速度Vcを読み込み(ステップS497)、カメラ移動用モータドライバ212に逆転指令およびカメラ移動用モータの回転速度VcをD/A変換器215を介して出力する(ステップS498)。これにより、カメラ移動用モータ211が回転速度Vcで逆転し、図60において1番目のマーク位置PM1に停止していた左カメラ210Lおよび右カメラ210Rが、テーブル3上を右方向へ同時に移動する。
〔2番目のマーク位置におけるレジスタマークの撮像〕
CPU201は、この左カメラ210Lおよび右カメラ210Rの移動中、カメラ位置検出用カウンタ214のカウント値を読み込み(図80:ステップS499)、このカメラ位置検出用カウンタ214のカウント値より左カメラ210Lおよび右カメラ210Rの現在位置PCMRを演算し(ステップS500)、メモリM134のN=2番目のアドレス位置から2番目のマーク位置PM2を読み込み(ステップS501)、左カメラ210Lおよび右カメラ210Rの現在位置PCMRが2番目のマーク位置PM2に達したか否かを確認する(ステップS502)。
CPU201は、左カメラ210Lおよび右カメラ210Rの現在位置PCMRが2番目のマーク位置PM2に達したことを確認すると(ステップS502のYES)、カウント値Nを読込み(ステップS503)、そのカウント値Nが1であるか否かを確認する(ステップS504)。この場合、カウント値Nは2とされているので(ステップS504のNO)、左カメラ210Lおよび右カメラ210Rの移動を続けたまま、左カメラ210Lおよび右カメラ210Rに撮像指令を出力し(ステップS506)、テーブル3にセットされている被印刷物4B上のレジスタマークRM1L2を含む領域を左カメラ210Lで撮像し、被印刷物4B上のレジスタマークRM1R2を含む領域を右カメラ210Rで撮像する。
そして、CPU201は、左カメラ210Lに撮像データの送信指令を送り(図81:ステップS507)、この送信指令に応じて左カメラ210Lから撮像データが送られてくると(ステップS508のYES)、その撮像データを前述したステップS509〜S517の処理によってメモリM137中に記憶させる。これにより、被印刷物4BのレジスタマークRM1L2を含む撮像データがa×bの画素の撮像データとしてメモリM137中に記憶される。
また、CPU201は、右カメラ210Rに撮像データの送信指令を送り(図82:ステップS518)、この送信指令に応じて右カメラ210Rから撮像データが送られてくると(ステップS519のYES)、その撮像データを前述したステップS520〜S528の処理によってメモリM140中に記憶させる。これにより、被印刷物4BのレジスタマークRM1R2を含む撮像データがa×bの画素の撮像データとしてメモリM140中に記憶される。
〔パターンマッチングによる2番目のマーク位置におけるレジスタマークの位置の検出〕
次に、CPU201は、メモリM135中のカウント値Yを1とし(図83:ステップS529)、メモリM136中のカウント値Xを1とし(ステップS530)、メモリM142中のカウント値Mを1とし(ステップS531)、メモリM143中のカウント値Lを1とし(ステップS532)、前述したステップS533〜S554の処理を行って、レジスタマークRM1L2のX方向の測定位置(撮像データ内のレジスタマークRM1L2のX方向の中心位置)を演算し、またレジスタマークRM1L2のY方向の測定位置(撮像データ内のレジスタマークRM1L2のY方向の中心位置)を演算し、左のレジスタマークの測定位置記憶用のメモリM149のX方向およびY方向のアドレス位置に書き込む。
また、CPU201は、メモリM135中のカウント値Yを1とし(図86:ステップS555)、メモリM136中のカウント値Xを1とし(ステップS556)、メモリM142中のカウント値Mを1とし(ステップS557)、メモリM143中のカウント値Lを1とし(ステップS558)、前述したステップS559〜S580の処理を行って、レジスタマークRM1R2のX方向の測定位置(撮像データ内のレジスタマークRM1R2のX方向の中心位置)を演算し、またレジスタマークRM1R2のY方向の測定位置(撮像データ内のレジスタマークRM1R2のY方向の中心位置)を演算し、右のレジスタマークの測定位置記憶用のメモリM150のX方向およびY方向のアドレス位置に書き込む。
〔2番目のマーク位置におけるレジスタマークのY方向のずれ量の算出〕
そして、CPU201は、メモリM149のY方向のアドレス位置より2番目のマーク位置PM2における左のレジスタマークRM1L2のY方向の測定位置を読み込み(図89:ステップS581)、またメモリM150のY方向のアドレス位置より2番目のマーク位置PM2における右のレジスタマークRM1R2のY方向の測定位置を読み込み(ステップS582)、左のレジスタマークRM1L2のY方向の測定位置と右のレジスタマークRM1R2のY方向の測定位置との合計値を2で除算して、2番目のマーク位置PM2における左右のレジスタマークのY方向の測定位置の平均値を求め、この求めた2番目のマーク位置PM2における左右のレジスタマークのY方向の測定位置の平均値をメモリM151に記憶させる(ステップS583)。
そして、CPU201は、メモリM152からカメラの撮像データ内のレジスタマークのY方向の基準位置を読込み(ステップS584)、左右のレジスタマークのY方向の測定位置の平均値よりカメラの撮像データ内のレジスタマークのY方向の基準位置を減算し、2番目のマーク位置PM2におけるレジスタマークRM1のY方向のずれ量ΔM1y2を求め、この求めたレジスタマークRM1のY方向のずれ量ΔM1y2をメモリM153のN=2番目のアドレス位置に書き込む(ステップS585)。
そして、CPU201は、メモリM141中のカウント値Nに1を加算してN=3とし(ステップS586)、メモリM148から天地方向のレジスタマーク数e(e=3)を読込み、カウント値Nが天地方向のレジスタマーク数eを超えたか否かを確認する(ステップS588)。この場合、N=3であるので(ステップS588のNO)、CPU201はステップS495(図79)へ戻る。
CPU201は、ステップS495において、メモリM141中のカウント値Nを読込む。そして、この読込んだカウント値Nが2であるか否かを確認する(ステップS496)。この場合、N=3であるので(ステップS496のNO)、CPU201は、ステップS497,S498を経ずにステップS499に進む。すなわち、左カメラ210Lおよび右カメラ210Rの右方向への移動を続けたまま、ステップS499に進む。
〔3番目のマーク位置におけるレジスタマークの撮像〕
CPU201は、この左カメラ210Lおよび右カメラ210Rの移動中、カメラ位置検出用カウンタ214のカウント値を読み込み(図80:ステップS499)、このカメラ位置検出用カウンタ214のカウント値より左カメラ210Lおよび右カメラ210Rの現在位置PCMRを演算し(ステップS500)、メモリM134のN=3番目のアドレス位置から3番目のマーク位置PM3を読み込み(ステップS501)、左カメラ210Lおよび右カメラ210Rの現在位置PCMRが3番目のマーク位置PM3に達したか否かを確認する(ステップS502)。
CPU201は、左カメラ210Lおよび右カメラ210Rの現在位置PCMRが3番目のマーク位置PM3に達したことを確認すると(ステップS502のYES)、カウント値Nを読込み(ステップS503)、そのカウント値Nが1であるか否かを確認する(ステップS504)。この場合、カウント値Nは3とされているので(ステップS504のNO)、左カメラ210Lおよび右カメラ210Rの移動を続けたまま、左カメラ210Lおよび右カメラ210Rに撮像指令を出力し(ステップS506)、テーブル3にセットされている被印刷物4B上のレジスタマークRM1L3を含む領域を左カメラ210Lで撮像し、被印刷物4B上のレジスタマークRM1R3を含む領域を右カメラ210Rで撮像する。
そして、CPU201は、左カメラ210Lに撮像データの送信指令を送り(図81:ステップS507)、この送信指令に応じて左カメラ210Lから撮像データが送られてくると(ステップS508のYES)、その撮像データを前述したステップS509〜S517の処理によってメモリM137中に記憶させる。これにより、被印刷物4BのレジスタマークRM1L3を含む撮像データがa×bの画素の撮像データとしてメモリM137中に記憶される。
また、CPU201は、右カメラ210Rに撮像データの送信指令を送り(図82:ステップS518)、この送信指令に応じて右カメラ210Rから撮像データが送られてくると(ステップS519のYES)、その撮像データを前述したステップS520〜S528の処理によってメモリM140中に記憶させる。これにより、被印刷物4BのレジスタマークRM1R3を含む撮像データがa×bの画素の撮像データとしてメモリM140中に記憶される。
〔パターンマッチングによる3番目のマーク位置のレジスタマークの位置の検出〕
次に、CPU201は、メモリM135中のカウント値Yを1とし(図83:ステップS529)、メモリM136中のカウント値Xを1とし(ステップS530)、メモリM142中のカウント値Mを1とし(ステップS531)、メモリM143中のカウント値Lを1とし(ステップS532)、前述したステップS533〜S554の処理を行って、レジスタマークRM1L3のX方向の測定位置(撮像データ内のレジスタマークRM1L3のX方向の中心位置)を演算し、またレジスタマークRM1L3のY方向の測定位置(撮像データ内のレジスタマークRM1L3のY方向の中心位置)を演算し、左のレジスタマークの測定位置記憶用のメモリM149のX方向およびY方向のアドレス位置に書き込む。
また、CPU201は、メモリM135中のカウント値Yを1とし(図86:ステップS555)、メモリM136中のカウント値Xを1とし(ステップS556)、メモリM142中のカウント値Mを1とし(ステップS557)、メモリM143中のカウント値Lを1とし(ステップS558)、前述したステップS559〜S580の処理を行って、レジスタマークRM1R3のX方向の測定位置(撮像データ内のレジスタマークRM1R3のX方向の中心位置)を演算し、またレジスタマークRM1R3のY方向の測定位置(撮像データ内のレジスタマークRM1R3のY方向の中心位置)を演算し、右のレジスタマークの測定位置記憶用のメモリM150のX方向およびY方向のアドレス位置に書き込む。
〔3番目のマーク位置におけるレジスタマークのY方向のずれ量の算出〕
そして、CPU201は、メモリM149のY方向のアドレス位置より3番目のマーク位置PM3における左のレジスタマークRM1L3のY方向の測定位置を読み込み(図89:ステップS581)、またメモリM150のY方向のアドレス位置より3番目のマーク位置PM3における右のレジスタマークRM1R3のY方向の測定位置を読み込み(ステップS582)、左のレジスタマークRM1L3のY方向の測定位置と右のレジスタマークRM1R3のY方向の測定位置との合計値を2で除算して、3番目のマーク位置PM3における左右のレジスタマークのY方向の測定位置の平均値を求め、この求めた3番目のマーク位置PM3における左右のレジスタマークのY方向の測定位置の平均値をメモリM151に記憶させる(ステップS583)。
そして、CPU201は、メモリM152からカメラの撮像データ内のレジスタマークのY方向の基準位置を読込み(ステップS584)、左右のレジスタマークのY方向の測定位置の平均値よりカメラの撮像データ内のレジスタマークのY方向の基準位置を減算し、3番目のマーク位置PM3におけるレジスタマークRM1のY方向のずれ量ΔM1y3を求め、この求めたレジスタマークRM1のY方向のずれ量ΔM1y3をメモリM153のN=3番目のアドレス位置に書き込む(ステップS585)。
そして、CPU201は、メモリM141中のカウント値Nに1を加算してN=4とし(ステップS586)、メモリM148から天地方向のレジスタマーク数e(e=3)を読込み、カウント値Nが天地方向のレジスタマーク数eを超えたか否かを確認する(ステップS588)。この場合、N=4であるので(ステップS588のYES)、CPU201はステップS589(図90)へ進む。
〔1番目のマーク位置PM1におけるレジスタマークのY方向のずれ量ΔY1の保存〕
CPU201は、ステップS589において、メモリM141中のカウント値Nを1とする。そして、このカウント値Nを読込み(ステップS590)、カウント値Nが1であるか否かを確認する(ステップS591)。
この場合、カウント値Nは1であるので(ステップS591のYES)、CPU201は、メモリM153のN=1番目のアドレス位置より、1番目のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1のY方向のずれ量ΔM1y1を読込み(ステップS592)、この読込んだ1番目のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1のY方向のずれ量ΔM1y1をΔY1としてメモリM102に上書きする(ステップS593)。
そして、CPU201は、メモリM141中のカウント値Nに1を加算してN=2とし(ステップS594)、メモリM148から天地方向のレジスタマーク数e(e=3)を読込み(ステップS595)、カウント値Nが天地方向のレジスタマーク数eを超えたか否かを確認する(ステップS596)。この場合、カウント値Nは2であるので(ステップS596のNO)、ステップS590へ戻る。
〔1番目のマーク位置と2番目のマーク位置のレジスタマーク間の距離の算出〕
CPU201は、ステップS590において、メモリM141中のカウント値Nを読込む。そして、この読込んだカウント値Nが1であるか否かを確認する(ステップS591)。この場合、N=2であるので(ステップS591のNO)、CPU201はステップS597(図91)へ進む。
CPU201は、ステップS597において、メモリM153のN=2番目のアドレス位置より、2番目のマーク位置PM2におけるレジスタマークRM1のY方向のずれ量ΔM1y2を読込む。また、ステップS598において、メモリM153のN−1=1番目のアドレス位置より、1番目のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1のY方向のずれ量ΔM1y1を読込む(ステップS598)。
そして、CPU201は、2番目のマーク位置PM2におけるレジスタマークRM1のY方向のずれ量ΔM1y2より1番目のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1のY方向のずれ量ΔM1y1を減算し、その減算結果を1番目のマーク位置PM1と2番目のマーク位置PM2のレジスタマークRM1間のY方向のずれ量ΔY12とする(ステップS599)。
そして、CPU201は、メモリM155からレジスタマーク間のY方向の基準距離LMrを読込み(ステップS600)、この読込んだレジスタマーク間のY方向の基準距離LMrにステップS599で求めたレジスタマーク間のY方向のずれ量ΔY12を加算し、その加算結果を1番目のマーク位置PM1と2番目のマーク位置PM2のレジスタマークRM1間の実測距離LM1とする(ステップS601)。
なお、ここでは、ステップS601で求めたレジスタマーク間のY方向のずれ量ΔY12をレジスタマーク間のY方向の基準距離LMrに加算することによって実測距離LM1を求めているが、レジスタマーク間のY方向のずれ量ΔY12は1番目のマーク位置PM1おけるレジスタマークRM1L1,RM1R1と2番目のマーク位置PM2おけるレジスタマークRM1L2,RM1R2とから求められており、実質的にはレジスタマークRM1L1,RM1R1,RM1L2,RM1R2から求められていると言える。
〔1番目のマーク位置と2番目のマーク位置のレジスタマーク間の伸縮率の算出〕
そして、CPU201は、ステップS601で求めた1番目のマーク位置PM1と2番目のマーク位置PM2のレジスタマークRM1間の実測距離LM1をレジスタマーク間の基準距離LMrで除算し、その除算結果を1番目のマーク位置PM1と2番目のマーク位置PM2のレジスタマークRM1間の伸縮率η1(η1=LM1/LMr)とする(ステップS602)。
〔1番目のマーク位置と2番目のマーク位置のレジスタマーク間の印刷中のゴム胴の回転速度の算出〕
そして、CPU201は、メモリM104からゴム胴の基準回転速度VBrを読込み(ステップS603)、ゴム胴の基準回転速度VBrにステップS602で求めた伸縮率η1を乗算し、その乗算結果を1番目のマーク位置PM1と2番目のマーク位置PM2のレジスタマークRM1間の印刷中のゴム胴の回転速度VBp1(VBp1=VBr×η1)とし、メモリM106のN−1=1番目のアドレス位置に書き込む(ステップS604)。そして、ステップS594へ戻る。
CPU201は、ステップS594において、メモリM141中のカウント値Nに1を加算してN=3とする。そして、メモリM148から天地方向のレジスタマーク数e(e=3)を読込み(ステップS595)、カウント値Nが天地方向のレジスタマーク数eを超えたか否かを確認する(ステップS596)。この場合、カウント値Nは3であるので(ステップS596のNO)、ステップS590へ戻る。
〔2番目のマーク位置と3番目のマーク位置のレジスタマーク間の距離の算出〕
CPU201は、ステップS590において、メモリM141中のカウント値Nを読込む。そして、この読込んだカウント値Nが1であるか否かを確認する(ステップS591)。この場合、N=3であるので(ステップS591のNO)、CPU201はステップS597(図91)へ進む。
CPU201は、ステップS597において、メモリM153のN=3番目のアドレス位置より、3番目のマーク位置PM3におけるレジスタマークRM1のY方向のずれ量ΔM1y3を読込む。また、ステップS598において、メモリM153のN−1=2番目のアドレス位置より、2番目のマーク位置PM2におけるレジスタマークRM1のY方向のずれ量ΔM1y2を読込む(ステップS598)。
そして、CPU201は、3番目のマーク位置PM3におけるレジスタマークRM1のY方向のずれ量ΔM1y3より2番目のマーク位置PM2におけるレジスタマークRM1のY方向のずれ量ΔM1y2を減算し、その減算結果を2番目のマーク位置PM2と3番目のマーク位置PM3のレジスタマークRM1間のY方向のずれ量ΔY23とする(ステップS599)。
そして、CPU201は、メモリM155からレジスタマーク間のY方向の基準距離LMrを読込み(ステップS600)、この読込んだレジスタマーク間のY方向の基準距離LMrにステップS599で求めたレジスタマーク間のY方向のずれ量ΔY23を加算し、その加算結果を2番目のマーク位置PM2と3番目のマーク位置PM3のレジスタマークRM1間の実測距離LM2とする(ステップS601)。
なお、ここでは、ステップS601で求めたレジスタマーク間のY方向のずれ量ΔY23をレジスタマーク間のY方向の基準距離LMrに加算することによって実測距離LM2を求めているが、レジスタマーク間のY方向のずれ量ΔY23は2番目のマーク位置PM2おけるレジスタマークRM1L2,RM1R2と3番目のマーク位置PM3おけるレジスタマークRM1L3,RM1R3とから求められており、実質的にはレジスタマークRM1L2,RM1R2,RM1L3,RM1R3から求められていると言える。
〔2番目のマーク位置と3番目のマーク位置のレジスタマーク間の伸縮率の算出〕
そして、CPU201は、ステップS601で求めた2番目のマーク位置PM2と3番目のマーク位置PM3のレジスタマークRM1間の実測距離LM2をレジスタマーク間の基準距離LMrで除算し、その除算結果を2番目のマーク位置PM2と3番目のマーク位置PM3のレジスタマークRM1間の伸縮率η2(η2=LM2/LMr)とする(ステップS602)。
〔2番目のマーク位置と3番目のマーク位置のレジスタマーク間の印刷中のゴム胴の回転速度の算出〕
そして、CPU201は、メモリM104からゴム胴の基準回転速度VBrを読込み(ステップS603)、ゴム胴の基準回転速度VBrにステップS602で求めた伸縮率η2を乗算し、その乗算結果を2番目のマーク位置PM2と3番目のマーク位置PM3のレジスタマークRM1間の印刷中のゴム胴の回転速度VBp2(VBp2=VBr×η2)とし、メモリM106のN−1=2番目のアドレス位置に書き込む(ステップS604)。そして、ステップS594へ戻る。
CPU201は、ステップS594において、、メモリM141中のカウント値Nに1を加算してN=4とする。そして、メモリM148から天地方向のレジスタマーク数e(e=3)を読込み(ステップS595)、カウント値Nが天地方向のレジスタマーク数eを超えたか否かを確認する(ステップS596)。この場合、カウント値Nは4であり、天地方向のレジスタマーク数eを超えているので(ステップS596のYES)、ステップS404(図67)へ戻る。
〔正式な印刷〕
オペレータは、このようにして印刷終了後のティーチングを行い、テーブル3上の試し刷りされた被印刷物4Bに替えて、回路が印刷されていない次の被印刷物4Aをテーブル3上にセットする(図98参照)。そして、印刷開始スイッチ207をオンとし、この次の被印刷物4Aに対しての正式な印刷を開始させる。
CPU201は、印刷開始スイッチ207がオンとされると(図67:ステップS404のYES)、メモリM101から基準の印刷開始位置PRTSTを読み込む(ステップS405)。そして、メモリM102から1番目のマーク位置PM1におけるレジスタマークのY方向のずれ量ΔY1を読み込み(ステップS406)、ステップS405で読み込んだ基準の印刷開始位置PRTSTに1番目のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1のY方向のずれ量ΔY1を加算して補正された印刷開始位置PRTST’を求め、メモリM103に書き込む(ステップS407)。
この場合、メモリM102には、試し刷りされた被印刷物4Bから求められた1番目のマーク位置PM1におけるレジスタマークのY方向のずれ量ΔY1(ΔM1y1)が書き込まれている。このため、補正された印刷開始位置PRTST’は、基準の印刷開始位置PRTSTとはならず、試し刷りされた被印刷物4Bから求められた1番目のマーク位置PM1におけるレジスタマークのY方向のずれ量ΔY1(ΔM1y1)だけずらされた位置とされる(図98参照)。
〔版胴へのインキの供給〕
そして、CPU201は、メモリM107から版胴の基準回転速度VPrを読み込み(図68:ステップS408)、この読み込んだ版胴の基準回転速度VPrを版胴駆動用モータドライバ218にD/A変換器221を介して出力する(ステップS409)。これにより、版胴1が基準回転速度VPrで回転し始める。
CPU201は、版胴1を基準回転速度VPrで回転させた状態で、インキ装置235にインキ供給開始指令を出力する(ステップS410)。これにより、インキ装置235から版胴1にインキが供給され始める。
CPU201は、このインキ装置235からの版胴1へのインキの供給中、版胴回転位相検出用カウンタ220よりカウント値を読み込み(ステップS411)、この読み込んだ版胴回転位相検出用カウンタ220のカウント値より版胴の現在の回転位相φRを演算し(ステップS412)、メモリM110より版胴の印刷開始位置φSTを読み込み(ステップS413)、版胴の現在の回転位相φRが版胴の印刷開始位置φSTに達したか否かを確認する(ステップS414)。
そして、CPU201は、版胴の現在の回転位相φRが版胴の印刷開始位置φSTに達したことを確認すると(ステップS414のYES)、版胴回転位相検出用カウンタ220よりカウント値を読み込み(図69:ステップS415)、この読み込んだ版胴回転位相検出用カウンタ220のカウント値より版胴の現在の回転位相φRを演算し(ステップS416)、メモリM111より版胴の印刷終了位置φENDを読み込み(ステップS417)、版胴の現在の回転位相φRが版胴の印刷終了位置φENDに達したか否かを確認する(ステップS418)。
CPU201は、版胴の現在の回転位相φRが版胴の印刷終了位置φENDに達したことを確認すると(ステップS418のYES)、版胴駆動用モータドライバ218に停止指令を出力すると共に(ステップS419)、インキ装置235にインキ供給停止指令を出力する(ステップS420)。これにより、版胴1の印刷開始位置φSTから印刷終了位置φENDまでの区間にインキが供給され、このインキが供給された状態で版胴1の回転が停止される。
〔版胴からゴム胴へのインキの転写〕
次に、CPU201は、メモリM104からゴム胴の基準回転速度VBrを読み込み(ステップS421)、その読み込んだゴム胴の基準回転速度VBrをゴム胴駆動用モータドライバ223にD/A変換器226を介して出力する(ステップS422)。これにより、ゴム胴2がゴム胴の基準回転速度VBrで回転し始める。この時、ゴム胴2は、版胴1には接触していない。
CPU201は、ゴム胴2を基準回転速度VBrで回転させた後、ゴム胴回転位相検出用カウンタ225よりカウント値を読み込み(図70:ステップS423)、この読み込んだゴム胴回転位相検出用カウンタ225のカウント値よりゴム胴の現在の回転位相ψRを演算し(ステップS424)、メモリM114よりゴム胴の印刷開始位置ψSTを読み込み(ステップS425)、ゴム胴の現在の回転位相ψRがゴム胴の印刷開始位置ψSTに達したか否かを確認する(ステップS426)。
そして、CPU201は、ゴム胴の現在の回転位相ψRがゴム胴の印刷開始位置ψSTに達したことを確認すると(ステップS426のYES)、胴着脱装置236に着指令を出力し(ステップS427)、ゴム胴2を版胴1に接触させる。そして、CPU201は、メモリM107から版胴の基準回転速度VPrを読み込み(ステップS428)、その読み込んだ版胴の基準回転速度VPrを版胴駆動用モータドライバ218にD/A変換器221を介して出力する(ステップS429)。これにより、版胴1が基準回転速度VPrで回転し始め、版胴1からのインキがゴム胴2に転写され始める。
版胴1からゴム胴2へインキを転写している間、CPU201は、ゴム胴回転位相検出用カウンタ225よりカウント値を読み込み(図71:ステップS430)、この読み込んだゴム胴回転位相検出用カウンタ225のカウント値よりゴム胴の現在の回転位相ψRを演算し(ステップS431)、メモリM115よりゴム胴の印刷終了位置ψENDを読み込み(ステップS432)、ゴム胴の現在の回転位相ψRがゴム胴の印刷終了位置ψENDに達したか否かを確認する(ステップS433)。
そして、CPU201は、ゴム胴の現在の回転位相ψRがゴム胴の印刷終了位置ψENDに達したことを確認すると(ステップS433のYES)、胴着脱装置236に脱指令を出力し(ステップS434)、ゴム胴2を版胴1から離す。すなわち、胴抜きを行う。これにより、ゴム胴2の印刷開始位置ψSTから印刷終了位置ψENDまでの区間に、版胴1からのインキが転写される。
〔ゴム胴の下降〕
CPU201は、版胴1からのゴム胴2へのインキの転写を終えると、版胴駆動用モータドライバ218に停止指令を出力し(ステップS435)、版胴1の回転を停止させる。そして、ゴム胴回転位相検出用カウンタ225よりカウント値を読み込み(図72:ステップS436)、この読み込んだゴム胴回転位相検出用カウンタ225のカウント値よりゴム胴の現在の回転位相ψRを演算し(ステップS437)、メモリM116よりゴム胴の移動開始位置ψMSTを読み込み(ステップS438)、ゴム胴の現在の回転位相ψRがゴム胴の移動開始位置ψMSTに達したか否かを確認する(ステップS439)。
そして、CPU201は、ゴム胴の現在の回転位相ψRがゴム胴の移動開始位置ψMSTに達したことを確認すると(ステップS439のYES)、ゴム胴昇降用エアシリンダ用バルブ234に下降指令を出力する(ステップS440)。これにより、ゴム胴昇降用エアシリンダ233が作動し、ゴム胴2がテーブル3に降ろされる(図99参照)。
〔ゴム胴の天地方向への移動〕
次に、CPU201は、メモリM117からゴム胴の天地方向移動速度vBMを読み込み(ステップS441)、ゴム胴天地方向移動用モータドライバ228に正転指令およびゴム胴の天地方向移動速度vBMをD/A変換器231を介して出力する(ステップS442)。これにより、ゴム胴2が回転しながら天地方向の下流側へ、すなわちテーブル3上の被印刷物4Aのある方向へ、天地方向移動速度vBMで移動し始める。
次に、CPU201は、メモリM118にレジスタマークによる位相偏差補正が完了していないことを示す値として「2」を書き込む(図73:ステップS443)。そして、このゴム胴2の天地方向の下流側への移動中、ゴム胴の天地方向位置検出用カウンタ230よりカウント値を読み込み(ステップS444)、この読み込んだゴム胴の天地方向位置検出用カウンタ230のカウント値よりゴム胴の現在の天地方向位置PBMRを演算してメモリM120に書き込むと共に(ステップS445)、メモリM103から補正された印刷開始位置PRTST’を読み込み(ステップS446)、ステップS445で演算したゴム胴の現在の天地方向位置PBMRが補正された印刷開始位置PRTST’に達したか否かを確認する(ステップS447)。
〔ゴム胴の回転位相の調整〕
CPU201は、ステップS447においてゴム胴の現在の天地方向位置PBMRの補正された印刷開始位置PRTST’への到達が確認されるまでの間、ステップS448(図74)〜S467(図75)の処理動作を繰り返す。このステップS448〜S467の処理では、実施の形態1で説明したステップS150〜S169の処理と同様にして、ゴム胴の回転位相の調整を行う。このゴム胴の回転位相の調整が完了すると、メモリM118にレジスタマークによる位相偏差の補正が完了したことを示す値として「1」が書き込まれる(図75:ステップS467)。
CPU201は、ゴム胴の現在の天地方向位置PBMRが補正された印刷開始位置PRTST’に到達したことを確認すると(図73:ステップS447のYES、図100参照)、メモリM118に書き込まれている値を読み込み(ステップS468)、メモリM118に書き込まれている値が「1」であるか否かを確認する(図76:ステップS469)。ここで、メモリM118に書き込まれている値が「1」でなければ(ステップS469のNO)、表示器205にエラーを表示するが(ステップS490)、メモリM118に書き込まれている値が「1」であれば(ステップ169のYES)、レジスタマークによる位相偏差の補正が完了した状態にあると判断する。
〔被印刷物への回路の印刷(本刷り)〕
CPU201は、レジスタマークによる位相偏差の補正が完了した状態にあると判断すると(ステップS469のYES)、カウント値N記憶用のメモリM141に「1」を上書きし(ステップS470)、ゴム胴の天地方向位置検出用カウンタ230よりカウント値を読み込み(ステップS471)、この読み込んだゴム胴の天地方向位置検出用カウンタ230のカウント値よりゴム胴の現在の天地方向位置PBMRを演算してメモリM120に書き込むと共に(ステップS472)、レジスタマークの天地方向位置記憶用のメモリM147のN=1番目のアドレス位置より、1番目のレジスタマークの天地方向位置(=1番目のマーク位置PM1)を読込み(ステップS473)、ゴム胴の現在の天地方向位置PBMRが1番目のレジスタマークの天地方向位置となるまで(ステップS474のYES)、ステップS471〜S474の処理動作を繰り返す。
ゴム胴の現在の天地方向位置PBMRが1番目のレジスタマークの天地方向位置となると(ステップS474のYES)、CPU201は、メモリM106のN=1番目のアドレス位置より1番目の印刷中のゴム胴の回転速度VBp1を読込み(図77:ステップS475)、その読み込んだ1番目の印刷中のゴム胴の回転速度VBp1をゴム胴駆動用モータドライバ223にD/A変換器226を介して出力する(ステップS476)。これにより、ゴム胴2が1番目の印刷中のゴム胴の回転速度VBp1で回転し始める(図101参照)。
そして、CPU201は、メモリM141中のカウント値Nに1を加算してN=2とし(ステップS477)、メモリM148から天地方向のレジスタマーク数e(e=3)を読込み(ステップS478)、カウント値Nが天地方向のレジスタマーク数eとなったか否かを確認する(ステップS479)。この場合、N=2であるので(ステップS479のNO)、CPU201はステップS471(図76)へ戻る。
CPU201は、ステップS471において、ゴム胴の天地方向位置検出用カウンタ230よりカウント値を読み込む。そして、この読み込んだゴム胴の天地方向位置検出用カウンタ230のカウント値よりゴム胴の現在の天地方向位置PBMRを演算してメモリM120に書き込むと共に(ステップS472)、レジスタマークの天地方向位置記憶用のメモリM147のN=2番目のアドレス位置より、2番目のレジスタマークの天地方向位置(=2番目のマーク位置PM2)を読込み(ステップS473)、ゴム胴の現在の天地方向位置PBMRが2番目のレジスタマークの天地方向位置となるまで(ステップS474のYES)、ステップS471〜S474の処理動作を繰り返す。
ゴム胴の現在の天地方向位置PBMRが2番目のレジスタマークの天地方向位置となると(ステップS474のYES)、CPU201は、メモリM106のN=2番目のアドレス位置より2番目の印刷中のゴム胴の回転速度VBp2を読込み(図77:ステップS475)、その読み込んだ2番目の印刷中のゴム胴の回転速度VBp2をゴム胴駆動用モータドライバ223にD/A変換器226を介して出力する(ステップS476)。これにより、ゴム胴2が2番目の印刷中のゴム胴の回転速度VBp2で回転し始める(図102参照)。
そして、CPU201は、メモリM141中のカウント値Nに1を加算してN=3とし(ステップS477)、メモリM148から天地方向のレジスタマーク数e(e=3)を読込み(ステップS478)、カウント値Nが天地方向のレジスタマーク数eとなったか否かを確認する(ステップS479)。この場合、N=3であるので(ステップS479のYES)、CPU201はステップS480へ進む。
CPU201は、ステップS480において、ゴム胴の天地方向位置検出用カウンタ230よりカウント値を読み込む。そして、この読み込んだゴム胴の天地方向位置検出用カウンタ230のカウント値よりゴム胴の現在の天地方向位置PBMRを演算してメモリM120に書き込むと共に(ステップS481)、メモリM130から印刷終了位置PRTENDを読み込み(ステップS482)、ステップS481で演算したゴム胴の現在の天地方向位置PBMRが印刷終了位置PRTENDに達したか否かを確認する(ステップS483)。
この場合、1番目の印刷中のゴム胴の回転速度VBp1は、先のステップS604(図91)において、試し刷りされた被印刷物4Bから求められた伸縮率η1に応じ、伸縮率η1が大きければ速い速度として、伸縮率η1が小さければ遅い速度として求められている。また、2番目の印刷中のゴム胴の回転速度VBp2は、先のステップS604において、試し刷りされた被印刷物4Bから求められた伸縮率η2に応じ、伸縮率η2が大きければ速い速度として、伸縮率η2が小さければ遅い速度として求められている。
このため、1番目のマーク位置PM1から2番目のマーク位置PM2までの区間は伸縮率η1に応じて調整された回転速度VBp1で、 2番目のマーク位置PM2から3番目のマーク位置PM3までの区間を含む印刷終了位置PRTENDまでの区間は伸縮率η2に応じて調整された回転速度VBp2で、ゴム胴2が回転しながら天地方向の下流側へ移動し、テーブル3上の被印刷物4Aへの回路の印刷が行われて行く。これにより、伸縮率η1,η2の大小に拘わらず、基準の印刷長さで、被印刷物4Aへの回路の印刷が行われるものとなる。
CPU201は、ゴム胴の現在の天地方向位置PBMRが印刷終了位置PRTENDに達したことを確認すると(ステップS483のYES)、ゴム胴駆動用モータドライバ223に停止指令を出力し(図78:ステップS484)、ゴム胴2の回転を停止させる(図103参照)。そして、ゴム胴昇降用エアシリンダ用バルブ234に上昇指令を出力し(ステップS485)、ゴム胴2をテーブル3から上昇させる(図104参照)。
そして、CPU201は、メモリM117からゴム胴の天地方向移動速度vBMを読み込み(ステップS486)、ゴム胴天地方向移動用モータドライバ228に逆転指令およびゴム胴の天地方向移動速度vBMをD/A変換器231を介して出力する(ステップS487)。これにより、ゴム胴2が回転を停止した状態で天地方向の上流側、すなわち版胴1が位置している側に向かって、天地方向移動速度vBMで移動し始める。
このゴム胴2の天地方向の上流側への移動により、ゴム胴の天地方向の原点位置検出器232がオンとなると(ステップS488のYES)、すなわちゴム胴1が移動を開始する前の最初の位置(原点位置)に戻ると、ゴム胴天地方向移動用モータドライバ228に停止指令を出力する(ステップS489)。これにより、ゴム胴2の天地方向への移動が停止する(図105参照)。
このようにして、実施の形態2では、隣接するレジスタマークRM1間の伸縮率η(1番目のマーク位置PM1と2番目のマーク位置PM2のレジスタマークRM1間の伸縮率η1、2番目のマーク位置PM2と3番目のマーク位置PM3のレジスタマークRM1間の伸縮率η2)に応じて、回路を印刷する際(回路の印刷時)の隣接するレジスタマークRM1間(1番目のマーク位置PM1と2番目のマーク位置PM2のレジスタマークRM1間、2番目のマーク位置PM2と3番目のマーク位置PM3のレジスタマークRM1間)に対応する区間のゴム胴2の回転速度VBpを調整するようにして、正確な長さで回路が印刷された正式な被印刷物4(4C)を得ることができるものとなる。
なお、実施の形態2においても、実施の形態1と同様、ゴム胴2を天地方向に移動させるようにしたが、被印刷物4Aがセットされているテーブル3を天地方向に移動させるようにしてもよい。また、被印刷物4は必ずしもシート状の被印刷物でなくてもよく、ウェブ状の被印刷物であってもよい。
また、実施の形態2では、被印刷物4の左右に天地方向に離れた3つのレジスタマークRM1を印刷するようにしたが、図106(a)に示すように、被印刷物4の中央にも天地方向に離れた3つのレジスタマークRM1(RM1c1,RM1c2,RM1c3)を印刷するなどしてもよく、図106(b)に示すように、被印刷物4の中央にだけ天地方向に離れた3つのレジスタマークRM1(RM1c1,RM1c2RM1c3)を印刷するようにしてもよい。
また、実施の形態2の動作説明では、試刷りされた被印刷物4Bから最初の正式な被印刷物4Cが得られるまでの処理動作について説明したが、最初の正式な被印刷物4Cを得た後は、ステップS404に戻って同様の処理を繰り返して次の正式な被印刷物4Cを得るようにしてもよいし、ステップS491へ進んで印刷終了後のティーチングを行って、その結果をフィードバックしながら次の正式な被印刷物4Cを得るようにしてもよい。
〔実施の形態の拡張〕
以上、実施の形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の技術思想の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。