JP6666324B2 - 軟包装用ラミネート用印刷インキ組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、軟包装用ラミネート用印刷インキ組成物に関する。より詳細には、本発明は、顔料分散性がよく、耐ブロッキング性、ラミネート適性等の耐性の優れた軟包装用ラミネート用印刷インキ組成物に関する。
近年、枯渇性資源でない産業資源として「バイオマス」が注目されている。「バイオマス」は、「再生可能な、生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの」である。また、環境保全を目的に、1980年代から、バイオマスを原材料とする、バイオマスポリマーが開発されている。バイオマスポリマーは、地球環境温暖化防止策として有用と考えられており、成形加工、繊維、不織布、包装、トナー、インキ、塗料、フィルム・シート、フォーム、コーティング、接着剤など、多種多様な製品の素材として期待されている。特許文献1には、植物由来の原料利用率の高いバイオポリウレタン樹脂が開示されている。特許文献2、3には、ジカルボン酸中の25℃におけるpKa値が3.7以下の有機酸の含有量がジカルボン酸に対して0〜1000ppmであるバイオポリウレタン樹脂の製造方法が開示されている。
特開2014−37552号公報 特開2011−225851号公報 特開2015−096621号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載のバイオポリウレタン樹脂は、インキ組成物として用いられる場合において、より高いブロッキング性、ラミネート適性が要求された場合には充分でない。特に、特許文献1〜3に記載のバイオポリウレタン樹脂を用いたインキ組成物は、軟包装(フレキシブルパッケージ)に用いられる場合において、より高い耐ブロッキング性、ラミネート適性が要求された場合には充分でない。
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、地球温暖化防止や環境負荷低減に貢献でき、顔料分散性がよく、かつ、軟包装に用いられる場合であっても優れた耐ブロッキング性、ラミネート適性を示す軟包装用ラミネート用印刷インキ組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、ポリウレタン樹脂として、バイオポリエステルポリオール成分と、有機ジイソシアネート成分とを反応させたバイオマスポリウレタン樹脂を含み、かつ、末端に第1級アミノ基または第2級アミノ基の少なくともいずれか一方を含み、かつ、バイオマスポリウレタン樹脂のバイオポリエステルポリオール成分は、ジカルボン酸とジオールとの反応生成物であり、分子量300以下の活性水素基を1分子中に3個以上有する有機酸を含まないか、または、ジカルボン酸に対して3000ppm以下となるよう含み、ジカルボン酸およびジオールの少なくとも一方が植物由来のものであり、バイオマスポリウレタン樹脂のポリエステルポリオール成分のOH基と、有機ジイソシアネート成分のNCO基との割合は、NCO基/OH基=1.2〜3.0としたバイオポリウレタン樹脂を含むことにより、地球温暖化防止や環境負荷低減に貢献でき、かつ、軟包装に用いられる場合であっても優れたブロッキング性、ラミネート適性を有するインキ組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。すなわち、上記課題を解決する本発明の軟包装用ラミネート用印刷インキ組成物には、以下の構成が主に含まれる。
(1)顔料と、バインダー樹脂と、有機溶剤とを含み、前記バインダー樹脂は、ポリウレタン樹脂を含み、前記ポリウレタン樹脂は、バイオポリエステルポリオール成分と、有機ジイソシアネート成分とを反応させたバイオマスポリウレタン樹脂を含み、末端に第1級アミノ基または第2級アミノ基の少なくともいずれか一方を含み、前記バイオポリエステルポリオール成分は、ジカルボン酸とジオールとの反応生成物であり、分子量300以下の活性水素基を1分子中に3個以上有する有機酸を含まないか、または、前記ジカルボン酸に対して3000ppm以下となるよう含み、前記ジカルボン酸および前記ジオールの少なくともいずれか一方が植物由来のものであり、前記ポリウレタン樹脂中のポリエステルポリオール成分のOH基と、前記有機ジイソシアネート成分のNCO基との割合は、NCO基/OH基=1.2〜3.0であり、前記バイオマスポリウレタン樹脂の含有量は、前記ポリウレタン樹脂中、5〜100質量%である、軟包装用ラミネート用印刷インキ組成物。
このような構成によれば、バインダー樹脂に含まれるポリウレタン樹脂は、バイオマスポリウレタン樹脂を含む。このようなバイオマスポリウレタン樹脂は、バイオマスポリマーであり、枯渇性資源でない産業資源であるため、他の枯渇性資源を用いる場合と比較して地球温暖化防止や環境負荷低減に貢献できる。また、ポリウレタン樹脂は、末端に第1級アミノ基または第2級アミノ基の少なくともいずれか一方を含む。このようなポリウレタン樹脂を含むインキ組成物は、顔料分散性がよく、軟包装にプリントされた際に、得られるプリント物のラミネート適性が優れる。また、ポリウレタン樹脂は、ジカルボン酸とジオールとを反応して得られ、適宜有機酸がさらに含まれ、ジカルボン酸およびジオールの少なくともいずれか一方が植物由来のものであるバイオポリエステルポリオール成分と有機ジイソシアネート成分とを反応させてえられるバイオマスポリウレタン樹脂を含む。このようなポリウレタン樹脂を含むインキ組成物は、軟包装にプリントされた際に、得られるプリント物の耐性が向上し耐ブロッキング性、ラミネート適性が優れる。
(2)前記バイオポリエステルポリオール成分は、植物由来の短鎖ジオール成分と、分子量300以下の活性水素基を1分子中に3個以上有する有機酸成分と、植物由来のカルボン酸成分とを反応させたバイオポリエステルポリオールである、(1)記載の軟包装用ラミネート用印刷インキ組成物。
このような構成によれば、バイオマスポリウレタン樹脂を含むインキ組成物は、バイオマス成分が増加するため地球温暖化防止や環境負荷低減に貢献できる。
(3)前記植物油由来のジカルボン酸成分は、セバシン酸、コハク酸およびダイマー酸からなる群から選択される少なくともいずれか1種であり、前記活性水素基を1分子中に3個以上有する有機酸は、リンゴ酸である、(2)記載の軟包装用ラミネート用印刷インキ組成物。
このような構成によれば、バイオマスポリウレタン樹脂を含むインキ組成物は、軟包装にプリントされた際に、得られるプリント物の耐ブロッキング性、ラミネート適性がさらに優れる。
(4)前記イソシアネート成分は、植物由来のバイオイソシアネートである、(2)または(3)記載の軟包装用ラミネート用印刷インキ組成物。
このような構成によれば、軟包装用ラミネート用印刷インキ組成物は、他の枯渇性資源を用いる場合と比較して地球温暖化防止や環境負荷低減に貢献できる。
(5)前記バイオマスポリウレタン樹脂およびバイオマスポリウレタン樹脂以外のポリウレタン樹脂は、末端に第1級アミノ基または第2級アミノ基の少なくともいずれか一方を含む、(1)〜(4)のいずれかに記載の軟包装用ラミネート用印刷インキ組成物。
このような構成によれば、このようなバイオマスポリウレタン樹脂を含むインキ組成物は、顔料分散性に優れ、軟包装にプリントされた際に、得られるプリント物のラミネート適性が特に優れる。
(6)水酸基を有する塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体、硝化綿およびセルロースアセテートプロピオネート樹脂からなる群から選択される少なくとも1以上の化合物をさらに含む、(1)〜(5)のいずれかに記載の軟包装用ラミネート用印刷インキ組成物。
このような構成によれば、軟包装用ラミネート用印刷インキ組成物は、軟包装にプリントされた際に、得られるプリント物の耐ブロッキング性が特に優れる。
本発明によれば、地球温暖化防止や環境負荷低減に貢献でき、かつ、軟包装に用いられる場合であっても優れた耐ブロッキング性、ラミネート適性を示す軟包装用ラミネート用印刷インキ組成物を提供することができる。
<軟包装用ラミネート用印刷インキ組成物>
本発明の一実施形態の軟包装用ラミネート用印刷インキ組成物(以下、インキ組成物ともいう)は、顔料と、バインダー樹脂と、有機溶剤とを主に含む。以下、それぞれについて説明する。
(顔料)
顔料は、一般に有機溶剤を含有するインキ組成物で使用され得る無機、有機および体質顔料が例示される。無機顔料としては、酸化チタン、ベンガラ、アンチモンレッド、カドミウムレッド、カドミウムイエロー、コバルトブルー、紺青、群青、カーボンブラック、黒鉛等が例示される。有機顔料としては、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料、縮合多環顔料等が例示される。体質顔料としては、炭酸カルシウム、カオリンクレー、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、タルク等が例示される。
顔料の含有量は、特に限定されない。一例を挙げると、顔料は、インキ組成物中に0.5〜50質量%となるよう含有され得る。顔料の含有量が0.5質量%未満である場合、発色が不充分となる傾向がある。一方、顔料の含有量が50質量%を超える場合、印刷適性が不充分となる傾向がある。
(バインダー樹脂)
バインダー樹脂は、ポリウレタン樹脂を含む。ポリウレタン樹脂は、バイオマスポリウレタン樹脂を含む。バイオマスポリウレタン樹脂は、後述するバイオポリオール成分とイソシアネート成分との反応生成物である。
本実施形態において、ポリウレタン樹脂は、ジカルボン酸とジオールを反応して得られ、ジカルボン酸およびジオールの少なくともいずれか一方が植物由来のものであるバイオポリエステルポリオール成分と、有機ジイソシアネート成分とを反応させたバイオマスポリウレタン樹脂を含む。また、ポリウレタン樹脂は、分子量300以下の活性水素基を1分子中に3個以上有する有機酸を含まないか、または、ジカルボン酸に対して3000ppm以下となるよう含む。また、バイオポリウレタン樹脂は、バイオマスポリウレタン樹脂のバイオポリエステルポリオール成分のOH基と有機ジイソシアネート成分のNCO基が、NCO基/OH基=1.2〜3.0である。このようなバイオポリウレタン樹脂を含むことにより、地球温暖化防止や環境負荷低減に貢献でき、かつ、軟包装に用いられる場合であっても優れたブロッキング性、ラミネート適性を有するインキ組成物が得られる。
本実施形態のポリウレタン樹脂は、末端に第1級アミノ基または第2級アミノ基の少なくともいずれか一方を含む。このようなバインダー樹脂が含まれていることにより、本実施形態のインキ組成物は、顔料分散性が向上し、インキ組成物中の顔料濃度を高くすることができる。その結果、インキ組成物は、浅版を使用して印刷することも可能である。浅版が使用されることにより、必要な溶剤量が低減する。これにより、本実施形態のインキ組成物は、さらに、環境負荷を低減し得る。また、このようなバインダー樹脂が含まれることにより、軟包装にプリントされた際に、得られるプリント物のラミネート適性が優れる。
なお、第1級アミノ基または第2級アミノ基は、本実施形態のポリウレタン樹脂に含まれるバイオマスポリウレタン樹脂が有していてもよく、バイオマスポリウレタン樹脂以外の他のポリウレタン樹脂が有していてもよい。本実施形態のインキ組成物は、軟包装にプリントされた際に、得られるプリント物の顔料分散性、印刷適性、ラミネート適性が優れる点から、バイオマスポリウレタン樹脂およびバイオマスポリウレタン樹脂以外のポリウレタン樹脂の末端の20%以上、特に好ましくは全てが第1級アミノ基または第2級アミノ基を有していることが好ましい。
末端に第1級アミノ基または第2級アミノ基を有するポリウレタン樹脂の製造方法は特に限定されない。一例を挙げると、このようなポリウレタン樹脂は、以下の(1)〜(4)の方法から得られ得る。
(1)高分子ポリオールおよびポリイソシアネートを反応させた、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーに、鎖伸長剤を加え、鎖伸長を行い末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た後、両末端が第1級アミノ基または第2級アミノ基であるポリアミン化合物以外の反応停止剤を反応させ、次いで、両末端が第1級アミノ基または第2級アミノ基であるポリアミン化合物である反応停止剤を反応させ、第1級アミノ基または第2級アミノ基を有するポリウレタン樹脂を得る方法。
(2)高分子ポリオールおよびポリイソシアネートを反応させた、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーに、鎖伸長剤を加え、鎖伸長を行い末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た後、反応停止剤として、両末端が第1級アミノ基または第2級アミノ基であるポリアミン化合物以外の反応停止剤と、両末端が第1級アミノ基または第2級アミノ基であるポリアミン化合物である反応停止剤を同時に加えて反応させ、第1級アミノ基または第2級アミノ基を有するポリウレタン樹脂を得る方法。
(3)高分子ポリオールおよびポリイソシアネートを反応させた、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーに、鎖伸長剤を加え、鎖伸長を行い末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た後、反応停止剤として、両末端が第1級アミノ基または第2級アミノ基であるポリアミン化合物を反応させ、鎖伸長と反応停止を同時に行い、第1級アミノ基または第2級アミノ基を有するポリウレタン樹脂を得る方法。
(4)高分子ポリオールおよびポリイソシアネートを反応させた、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーに、両末端が第1級アミノ基または第2級アミノ基であるポリアミン化合物を反応させ、鎖伸長と反応停止を同時に行い、第1級アミノ基または第2級アミノ基を有するポリウレタン樹脂を得る方法。
これらの方法に用いるポリイソシアネートは特に限定されない。一例を挙げると、ポリイソシアネートは、トリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート化合物、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物、および、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート化合物を混合して得られたものである。
これらの方法に用いる高分子ポリオール化合物は特に限定されない。一例を挙げると、高分子ポリオール化合物は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類、ビスフェノールAのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイド付加物等のポリエーテルジオール化合物、アジピン酸、セバシン酸、無水フタル酸等の二塩基酸と、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等のグリコール類とを縮合反応させて得られるポリエステルジオール類、ポリカプロラクトンジオール類等のポリエステルジオール化合物等の各種高分子ジオール化合物である。
これらの高分子ジオール化合物には、1,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等のアルカンジオールや、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール等の低分子ジオール化合物が併用されてもよい。
本実施形態のインキ組成物は、ポリウレタン樹脂中のポリエステルポリオール成分のOH基と、前記有機ジイソシアネート成分のNCO基との割合は、NCO基/OH基=1.2〜3.0である。ポリイソシアネートと高分子ポリオール化合物との配合割合は、イソシアネート基:水酸基の当量比(イソシアネートインデックス)が、1.2:1以上であればよく、1.3:1以上であることがより好ましい。また、イソシアネートインデックスは、3.0:1以下であればよく、2.0:1以下であることがより好ましい。イソシアネートインデックスが1.2未満である場合、ポリウレタン樹脂が柔らかくなりやすい。その結果、インキ組成物は、印刷時に耐ブロッキング性等が低下する傾向がある。
上記(1)〜(3)の方法で使用する鎖伸長剤は特に限定されない。一例を挙げると、鎖伸長剤は、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン類、イソホロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン等の脂環式ジアミン類、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラトリアミン等のポリアミン類、トルイレンジアミン等の芳香族ジアミン類、キシレンジアミン等の芳香脂肪族ジアミン類、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)プロピレンジアミン、N,N’−ジ(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン等の水酸基を有するジアミン類、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のジオール化合物等である。
上記(1)または(2)の方法で使用する反応停止剤は特に限定されない。一例を挙げると、反応停止剤は、両末端が第1級アミノ基または第2級アミノ基であるポリアミン化合物、モノアミン化合物またはモノアルコール化合物等の反応停止剤等である。上記(3)の方法で使用する反応停止剤は特に限定されない。一例を挙げると、反応停止剤は、両末端が第1級アミノ基または第2級アミノ基であるポリアミン化合物である。上記(4)の方法で使用する鎖伸長と反応停止を同時に行う化合物は特に限定されない。これらは、上記した鎖伸長剤だけであってもよく、鎖伸長剤と反応停止剤とが併用されてもよい。
上記アミノ基を有するポリウレタン樹脂は、保存安定性や顔料分散性が優れる点から、アミン価1〜13mgKOH/gとなるように、両末端が第1級アミノ基または第2級アミノ基であるポリアミン化合物で反応停止されていることが好ましい。
両末端が第1級アミノ基または第2級アミノ基であるポリアミン化合物は特に限定されない。一例を挙げると、ポリアミン化合物は、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン類、イソホロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン等の脂環式ジアミン類、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラトリアミン等のポリアミン類、トルイレンジアミン等の芳香族ジアミン類、キシレンジアミン等の芳香脂肪族ジアミン類、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)プロピレンジアミン等の水酸基を有するジアミン類等である。
このような両末端が第1級アミノ基または第2級アミノ基であるポリアミン化合物と併用し得る反応停止剤は特に限定されない。一例を挙げると、反応停止剤は、既知の反応停止剤であるモノアミン化合物、モノアルコール化合物等である。具体的には、反応停止剤は、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン等のモノアルキルアミン類、ジ−n−ブチルアミン等のジアルキルアミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン類、エタノール等のモノアルコール類等である。
本実施形態において、それぞれの成分の分子量や化学構造、また当量比は、所望されるポリウレタン樹脂の硬さ等に基づいて適宜調整されればよい。
本実施形態のポリウレタン樹脂の数平均分子量は、10000以上であることが好ましい。また、ポリウレタン樹脂の数平均分子量は、70000以下であることが好ましく、50000以下であることがより好ましい。
本実施形態のポリウレタン樹脂の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、ポリウレタン樹脂の含有量は、インキ組成物中、5質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましい。ポリウレタン樹脂の含有量が5質量%未満である場合、インキ組成物は、顔料分散性が低下する傾向がある。上記含有量の範囲内でポリウレタン樹脂が含有される場合、得られるインキ組成物は、浅版化された版胴を用いて印刷しても、従来のインキ組成物と同様な、良好な印刷濃度、印刷適性およびラミネート適性を示し得る。
次に、本実施形態のポリウレタン樹脂に含まれるバイオマスポリウレタン樹脂について説明する。なお、バイオマスポリウレタン樹脂の説明のうち、上記したポリウレタン樹脂と共通する説明は適宜省略する。
バイオマスポリウレタン樹脂は、バイオマス由来(植物由来)の成分を含むポリウレタン樹脂である。本実施形態において、バイオマスポリウレタン樹脂は、他の枯渇性資源を用いる場合と比較して地球温暖化防止や環境負荷低減により貢献できる点から、バイオポリオール成分と、イソシアネート成分とを反応させたバイオマスポリウレタン樹脂であることが好ましく、イソシアネート成分が植物由来のバイオイソシアネートであることがより好ましい。
バイオポリオール成分は、得られるインキ組成物におけるバイオマス成分が増加するため地球温暖化防止や環境負荷低減に貢献できる観点から、ジカルボン酸とジオールを反応して得られる。バイオポリオール成分は、分子量300以下の活性水素基を1分子中に3個以上有する有機酸を含んでもよい。このような有機酸の含有量は、植物油由来のジカルボン酸に対して3000ppm以下であればよく、1000〜3000ppmであることが好ましい。ジカルボン酸及びジオールの少なくとも一方が植物由来のものであるバイオポリエステルポリオール成分が好ましく、植物油由来のジカルボン酸成分と分子量300以下の活性水素基を1分子中に3個以上有する有機酸成分と植物油由来の短鎖ジオール成分を反応させたバイオポリエステルポリオール成分がより好ましい。
植物由来の短鎖ジオール成分は特に限定されない。一例を挙げると、短鎖ジオール成分は、以下の方法により植物原料から得られる、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール等であってもよい。これらは併用されてもよい。
1,3−プロパンジオールは、植物資源(たとえばトウモロコシ等)を分解してグルコースが得られる発酵法により、グリセロールから3−ヒドロキシプロピルアルデヒド(HPA)を経て、製造され得る。上記発酵法のようなバイオ法で製造された1,3−プロパンジオール化合物は、EO製造法の1,3−プロパンジオール化合物と比較して、安全性の面から乳酸など有用な副生成物が得られ、しかも製造コストも低く抑えることが可能である。1,4−ブタンジオールは、植物資源からグリコールを製造し発酵することによって得られたコハク酸を得て、これを水添することにより製造され得る。また、エチレングリコールは、常法によって得られるバイオエタノールからエチレンを経て製造され得る。
植物由来のジカルボン酸成分は特に限定されない。一例を挙げると、ジカルボン酸成分は、セバシン酸、コハク酸、乳酸、グルタル酸、ダイマー酸等である。これらは併用されてもよい。これらの中でも、ジカルボン酸成分は、得られるインキ組成物が軟包装にプリントされた際に、プリント物の耐ブロッキング性、ラミネート適性がさらに優れる観点から、セバシン酸、コハク酸およびダイマー酸からなる群から選択される少なくともいずれか1種を含むことが好ましい。
分子量300以下の活性水素基を1分子中に3個以上有する有機酸成分は特に限定されない。一例を挙げると、分子量300以下の活性水素基を1分子中に3個以上有する有機酸成分は、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸等である。これらは併用されてもよい。分子量300以下の活性水素基を1分子中に3個以上有する有機酸成分の使用量は、ジカルボン酸に対して3000ppm以下であることが好ましく、1000〜3000ppmであることがより好ましい。分子量300以下の活性水素基を1分子中に3個以上有する有機酸成分の使用量がジカルボン酸に対して1000ppm以上であることにより、より高い耐性が要求された場合、ブロッキング性、レトルト性が良好に発現しやすい。
バイオポリオール成分は、植物由来の短鎖ジオール成分と植物由来のカルボン酸成分と分子量300以下の活性水素基を1分子中に3個以上有する有機酸成分とを、適宜縮合反応させることにより、植物由来のバイオポリエステルポリオールとして生成され得る。具体的には、植物由来のセバシン酸と、植物由来の1,3−プロパンジオール、リンゴ酸とを直接脱水縮合することにより、ポリエステルポリオールが得られる。また、植物由来のコハク酸と、植物由来の1,4−ブタンジオール、リンゴ酸とを直接脱水縮合することにより、ポリエステルポリオールが得られる、これらは併用されてもよい。
上記植物由来のバイオイソシアネートとしては、植物由来の二価カルボン酸を酸アミド化、還元することで末端アミノ基に変換し、さらに、ホスゲンと反応させ、該アミノ基をイソシアネート基に変換することにより得られる。植物由来のバイオポリイソシアネートとしては、ダイマー酸ジイソシアネート(DDI)、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネートなどが挙げられる。また、植物由来のアミノ酸を原料として、そのアミノ基をイソシアネート基に変換することによっても植物由来のイソシアネート化合物を得ることができる。例えば、リシンジイソシアネート(LDI)は、リシンのカルボキシル基をメチルエステル化した後、アミノ基をイソシアネート基に変換することにより得られる。また、1,5−ペンタメチレンジイソシアネートはリシンのカルボキシル基を脱炭酸した後、アミノ基をイソシアネート基に変換することにより得られる。
バイオマスポリウレタン樹脂は、環境面から、ポリウレタン樹脂中、固形分換算で、5質量%以上であればよく、40質量%以上含まれることが好ましく、100質量%であってもよい。
バインダー樹脂全体の説明に戻り、本実施形態のバインダー樹脂は、顔料分散性およびインキ組成物が軟包装にプリントされた際に、得られるプリント物の耐ブロッキング性が向上する観点から、ポリウレタン樹脂のほかに、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、硝化綿、セルロースアセテートプロピオネート樹脂およびその他のバインダー樹脂が併用されることが好ましい。
(塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体)
ポリウレタン樹脂を含むだけでは、顔料が充分に分散されない場合や、金属蒸着フィルム等の接着性やラミネート適性を向上させる場合には、インキ組成物は、塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体が併用されることが好ましい。塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体は、従来、グラビア印刷インキ組成物に使用されている塩化ビニルモノマーと酢酸ビニルモノマーを必須成分とし、必要に応じて、プロピオン酸ビニル、モノクロロ酸ビニル、バーサティック酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル等の脂肪酸ビニルモノマー、水酸基等の官能基を有するモノマーを従来からの公知の方法で製造したものが使用できる。中でも、塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体は、環境に配慮したインキの有機溶剤系においては、水酸基を有する、好ましくは、50〜200の水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル系共重合体が好適である。このような水酸基を有する塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体は、酢酸エステル部分の一部をケン化すること、水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーを導入することにより得られる。
酢酸エステル部分の一部をケン化することにより得られた水酸基を有する塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体の場合では、分子中の塩化ビニルの反応部位に基づく構成単位(下記式1)、酢酸ビニルの反応部位に基づく構成単位(下記式2)、および酢酸ビニルの反応部位のケン化に基づく構成単位(下記式3)の比率により樹脂の皮膜物性や溶解挙動が決定される。すなわち、塩化ビニルの反応部位に基づく構成単位は樹脂皮膜の強靭さや硬さを付与し、酢酸ビニルの反応部位に基づく構成単位は接着性や柔軟性を付与し、酢酸ビニルの反応部位のケン化に基づく構成単位は環境に配慮したインキの有機溶剤系への良好な溶解性を付与する。
式1 −CH2−CHCl−
式2 −CH2−CH(OCOCH3)−
式3 −CH2−CH(OH)−
このような塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂は市販されたものでも良く、例えば、日信化学工業社製のソルバインA、AL、TA5R、TA2、TA3、TAO、TAOL、C、CH、CN、CNL等を挙げることができる。なお、本実施形態の軟包装用ラミネート用印刷インキ組成物で使用する、上記塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂は、後記の有機溶剤に対する溶解性や印刷適性の点から、分子内に各種官能基を有していても良い。また、上記有機溶剤として環境に配慮した溶剤が使用されるときは、上記塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体は、50〜200の水酸基を有していることが好ましい。このような塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体の市販品としては、例えば、ソルバインA、AL、TA5R、TA2、TA3、TAO、TAOL等を使用することが好ましい。このような水酸基を有する塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体の具体例としては、日信化学工業(株)製のソルバインA、AL、TA5R、TA2、TA3、TAO、TAOL、C、CH、CN、CNL等を挙げることができる。
末端に第1級アミノ基または第2級アミノ基を有するアミン価1〜13のポリウレタン樹脂と塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体との合計の含有量は、軟包装用ラミネート用印刷インキ組成物中に、5〜20質量%であることが好ましい。
(硝化綿、セルロースアセテートプロピオネート樹脂)
本実施形態のインキ組成物は、耐ブロッキング性を向上させるために、硝化綿、セルロースアセテートプロピオネート樹脂が併用されてもよい。
硝化綿は、従来、グラビア印刷インキ組成物に使用されている硝化綿が使用され得る。硝化綿は、天然セルロースと硝酸を反応させて、天然セルロース中の無水グルコピラノース基の6員環中の3個の水酸基を、硝酸基に置換した硝酸エステルとして得られるものである。本実施形態において使用され得る硝化綿は、窒素量10〜13%、平均重合度35〜90のものが好ましい。具体例としては、硝化綿は、SS1/2、SS1/4、SS1/8、TR1/16、NC RS−2、(KCNC、KOREA CNC LTD社製)等である。
硝化綿は、インキ組成中、0.1〜2.0質量%含有されることが好ましい。
セルロースアセテートプロピオネート樹脂は、従来、グラビア印刷インキ組成物に使用されているセルロースアセテートプロピオネート樹脂が使用され得る。セルロースアセテートプロピオネート樹脂は、セルロースを酢酸およびプロピオン酸でトリエステル化した後、加水分解して得られる。一般的にはアセチル化は0.6〜2.5重量%、プロピオネート化は42〜46重量%、水酸基は1.8〜5%の樹脂が市販されている。セルロースアセテートプロピオネート樹脂の具体例は、関東化学(株)製のセルロースアセテートプロピオネート等である。
セルロースアセテートプロピオネート樹脂は、印刷インキ組成中、0.1〜3.0質量含有されることが好ましい。
<他のバインダー樹脂>
さらに、本実施形態のインキ組成物は、その他のバインダー樹脂として、性能が低下しない範囲、さらにコストを考慮して、セルロースアセテートブチレート樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ロジンおよびロジン誘導体や粘着性樹脂等が補助的に添加されてもよい。
(有機溶剤)
有機溶剤は、顔料およびバインダー樹脂を溶解させるために配合される。有機溶剤は特に限定されない。一例を挙げると、有機溶剤は、トルエン、ケトン系有機溶剤(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、エステル系有機溶剤(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル等)、アルコール系有機溶剤(メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等)、炭化水素系溶剤(トルエン、メチルシクロヘキサン等)であってもよい。これらの中でも、環境問題への対応と、インキの印刷適性や乾燥性などを考慮して、有機溶剤は、エステル系有機溶剤とアルコール系有機溶剤との混合溶剤であることが好ましい。この場合、エステル系有機溶剤とアルコール系有機溶剤との使用割合は、エステル系有機溶剤/アルコール系有機溶剤=50/50〜95/5の範囲であることが好ましい。
有機溶剤の含有量は、得られるインキ組成物の印刷性が優れる点から、インキ組成物中15質量%以上であることが好ましい。また、有機溶剤の使用量は、90質量%以下であることが好ましい。有機溶剤の使用量が15質量%未満である場合、インキ組成物は、印刷適性が低位となる傾向がある。一方、有機溶剤の使用量が90質量%を超える場合、得られる印刷物は、充分な発色が得られない傾向がある。この場合において、有機溶剤には、酢酸プロピルが含まれることが好ましい。酢酸プロピルは、インキ組成物中、5.0質量%以上含まれることが好ましく、10.0質量%以上含まれることがより好ましい。
(任意成分)
本実施形態のインキ組成物は、適宜、粘着付与剤、架橋剤、滑剤、耐ブロッキング剤、帯電防止剤、界面活性剤、キレート化剤、ハードレジン等の各種添加剤が配合されてもよい。
本実施形態のインキ組成物の製造方法は特に限定されない。一例を挙げると、インキ組成物は、顔料、バインダー樹脂、有機溶剤、および各種任意成分を攪拌混合した後、各種練肉機、たとえば、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、パールミル等を利用して練肉する方法により調製され得る。
得られたインク組成物は、粘度が10〜1000mPa・sとなるよう調整され得る。インキ組成物は、グラビア印刷時に使用する場合は、印刷時の雰囲気温度において、印刷条件に応じて適切な粘度となるように、具体的にはザーンカップ3号の流出秒数が12〜23秒/25℃、高速印刷では14〜16秒/25℃程度となるまで有機溶剤で希釈されることが好ましい。
得られたインキ組成物は、グラビア印刷方式で、表刷り用として各種軟包装用のプラスチックフィルム等の被着体に印刷され得る。プラスチックフィルムとしては、特に、包装材料と一体的な印刷が可能である点において、ポリエチレン、ポリプロピレン等の延伸および無延伸ポリオレフィン、ポリエステル、ナイロン、セロファン、ビニロン等が例示される。得られた印刷物は、製袋され、各種ラミネート加工法によりラミネート加工が施され、食品等の包装容器として利用され得る。上記包装袋でのラミネート加工法としては、印刷物の表面にアンカーコート剤を塗工した後、溶融ポリマーを積層させる押し出しラミネート法、印刷物の表面に接着剤を塗工した後、フィルム上ポリマーを貼合させるドライラミネート法が利用できる。
以上、本実施形態によれば、バインダー樹脂に含まれるポリウレタン樹脂は、バイオマスポリウレタン樹脂を含む。このようなバイオマスポリウレタン樹脂は、バイオマスポリマーであり、枯渇性資源でない産業資源であるため、他の枯渇性資源を用いる場合と比較して地球温暖化防止や環境負荷低減に貢献できる。また、ポリウレタン樹脂は、末端に第1級アミノ基または第2級アミノ基の少なくともいずれか一方を含む。このようなポリウレタン樹脂を含むインキ組成物は、軟包装にプリントされた際に、得られるプリント物のラミネート適性が優れる。また、ポリウレタン樹脂は、分子量300以下の活性水素基を1分子中に3個以上有する有機酸を特定量含んでいるバイオマスポリウレタン樹脂を含む。このようなポリウレタン樹脂を含むインキ組成物は、軟包装にプリントされた際に、得られるプリント物の耐性が向上し耐ブロッキング性、ラミネート適性が優れる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。本発明は、これら実施例に何ら限定されない。なお、特に制限のない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味する。
使用した原料および調製方法を以下に示す。
ポリウレタン樹脂ワニスA:バイオマスポリウレタンでないもの、アミン価3.2
ポリウレタン樹脂ワニスB:バイオマスポリウレタンでないもの、アミン価0
ポリウレタン樹脂ワニスC:バイオマスポリウレタン、セバシン酸、アミン価3.2、イソシアネートインデックス(以下、I.Iともいう)=1.6、リンゴ酸2000ppm
ポリウレタン樹脂ワニスD:バイオマスポリウレタン、セバシン酸、アミン価3.2、I.I=1.6、リンゴ酸1500ppm
ポリウレタン樹脂ワニスE:バイオマスポリウレタン、セバシン酸、アミン価1.6、I.I=1.6、リンゴ酸2000ppm
ポリウレタン樹脂ワニスF:バイオマスポリウレタン、アミン価5.4、セバシン酸、I.I=1.6、リンゴ酸2000ppm
ポリウレタン樹脂ワニスG:バイオマスポリウレタン、アミン価3.2、セバシン酸、I.I=1.5、りんご酸2000ppm
ポリウレタン樹脂ワニスH:バイオマスポリウレタン、ダイマー酸、I.I=1.6、アミン価3.2、リンゴ酸2000ppm
ポリウレタン樹脂ワニスI:バイオマスポリウレタン、セバシン酸/コハク酸、I.I=1.6、アミン価3.2、リンゴ酸2000ppm
ポリウレタン樹脂ワニスJ:バイオマスポリウレタン、セバシン酸、I.I=1.6、アミン価0、リンゴ酸2000ppm
ポリウレタン樹脂ワニスK:バイオマスポリウレタン、セバシン酸、アミン価3.2、I.I=1.6
ポリウレタン樹脂ワニスL:バイオマスポリウレタン、セバシン酸、アミン価3.2、I.I=1.6、リンゴ酸500ppm
<ポリウレタン樹脂ワニスA(バイオマスポリウレタンでないもの、アミン価3.2)の製造例>
攪拌機、冷却管および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、平均分子量2000の3−メチル−1,5−ペンチレンアジペートジオールの200質量部、イソホロンジイソシアネートの35.5質量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら100〜105℃で6時間反応させた。室温近くまで放冷し、酢酸エチルの401質量部、イソプロピルアルコールの172質量部を加えた後、イソホロンジアミンの8.2質量部を加えて鎖伸長させ、さらにモノエタノールアミンの0.35質量部を加え反応させ、その後、イソホロンジアミンの1.3質量部、ジエチレントリアミンの0.6質量部を加えて反応停止させてポリウレタン樹脂ワニスA(固形分30質量%、アミン価3.2)を得た。
<ポリウレタン樹脂ワニスB(バイオマスポリウレタンでないもの、アミン価0)の製造例>
攪拌機、冷却管および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、平均分子量2000の3−メチル−1,5−ペンチレンアジペートジオールの200質量部、イソホロンジイソシアネートの35.5質量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら100〜105℃で6時間反応させた。室温近くまで放冷し、酢酸エチルの407質量部、イソプロピルアルコールの175質量部を加えた後、イソホロンジアミンの9.2質量部を加えて鎖伸長させ、さらにモノエタノールアミンの0.7質量部を加えて反応停止させ、ポリウレタン樹脂ワニスB(固形分30質量%、アミン価0)を得た。
<ポリウレタン樹脂ワニスC(バイオマスポリウレタン、セバシン酸、アミン価3.2、I.I=1.6、リンゴ酸2000ppm)の製造例>
攪拌機、冷却管および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、セバシン酸(植物油由来)とリンゴ酸(セバシン酸に対して2000ppm)と1,3−プロパンジオール(植物由来)から得られる平均分子量2000のポリエステルジオールの200質量部、イソホロンジイソシアネートの35.5質量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら100〜105℃で6時間反応させた。室温近くまで放冷し、酢酸エチルの401質量部、イソプロピルアルコールの172質量部を加えた後、イソホロンジアミンの8.2質量部を加えて鎖伸長させ、さらにモノエタノールアミンの0.35質量部を加え反応させ、その後、イソホロンジアミンの1.3質量部、ジエチレントリアミンの0.6質量部を加えて反応停止させてポリウレタン樹脂ワニスC(固形分30質量%、アミン価3.2)を得た。
<ポリウレタン樹脂ワニスD(バイオマスポリウレタン、セバシン酸、アミン価3.2、I.I=1.6、リンゴ酸1500ppm)の製造例>
攪拌機、冷却管および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、セバシン酸(植物油由来)とリンゴ酸(セバシン酸に対して1500ppm)と1,3−プロパンジオール(植物由来)から得られる平均分子量2000のポリエステルジオールの200質量部、イソホロンジイソシアネートの35.5質量部の21.0質量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら100〜105℃で6時間反応させた。室温近くまで放冷し、酢酸エチルの401質量部、イソプロピルアルコールの172質量部を加えた後、イソホロンジアミンの8.2質量部を加えて鎖伸長させ、さらにモノエタノールアミンの0.35質量部を加え反応させ、その後、イソホロンジアミンの1.3質量部、ジエチレントリアミンの0.6質量部を加えて反応停止させてポリウレタン樹脂ワニスD(固形分30質量%、アミン価3.2)を得た。
<ポリウレタン樹脂ワニスE(バイオマスポリウレタン、セバシン酸、アミン価1.6、I.I=1.6、リンゴ酸2000ppm)の製造例>
攪拌機、冷却管および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、セバシン酸(植物油由来)とリンゴ酸(セバシン酸に対して2000ppm)と1,3−プロパンジオール(植物由来)から得られる平均分子量2000のポリエステルジオールの200質量部、イソホロンジイソシアネートの35.5質量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら100〜105℃で6時間反応させた。室温近くまで放冷し、酢酸エチルの401質量部、イソプロピルアルコールの171質量部を加えた後、イソホロンジアミンの8.2質量部を加えて鎖伸長させ、さらにモノエタノールアミンの0.70質量部を加え反応させ、その後、イソホロンジアミンの0.65質量部、ジエチレントリアミンの0.39質量部を加えて反応停止させてポリウレタン樹脂ワニスE(固形分30質量%、アミン価1.6)を得た。
<ポリウレタン樹脂ワニスF(バイオマスポリウレタン、アミン価5.4、セバシン酸、I.I=1.6、リンゴ酸2000ppm)の製造例>
攪拌機、冷却管および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、セバシン酸(植物油由来)とリンゴ酸(セバシン酸に対して2000ppm)と1,3−プロパンジオール(植物由来)から得られる平均分子量2000のポリエステルジオールの200質量部、イソホロンジイソシアネートの35.5質量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら100〜105℃で6時間反応させた。室温近くまで放冷し、酢酸エチルの403質量部、イソプロピルアルコールの172質量部を加えた後、イソホロンジアミンの8.2質量部を加えて鎖伸長させ、その後、イソホロンジアミンの1.6質量部、ジエチレントリアミンの1.0質量部を加えて反応停止させてポリウレタン樹脂ワニスF(固形分30質量%、アミン価5.4)を得た。
<ポリウレタン樹脂ワニスG(バイオマスポリウレタン、アミン価3.2、イソシアネート比率1.5、リンゴ酸2000ppm)の製造例>
攪拌機、冷却管および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、セバシン酸(植物油由来)とリンゴ酸(セバシン酸に対して2000ppm)と1,3−プロパンジオール(植物由来)から得られる平均分子量2000のポリエステルジオールの200質量部、イソホロンジイソシアネートの33.3質量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら100〜105℃で6時間反応させた。室温近くまで放冷し、酢酸エチルの402質量部、イソプロピルアルコールの173質量部を加えた後、イソホロンジアミンの6.8質量部を加えて鎖伸長させ、さらにモノエタノールアミンの0.3質量部を加え反応させ、その後、イソホロンジアミンの1.2質量部、ジエチレントリアミンの0.5質量部を加えて反応停止させてポリウレタン樹脂ワニスG(固形分30質量%、アミン価3.2)を得た。
<ポリウレタン樹脂ワニスH(バイオマスポリウレタン、ダイマー酸、I.I=1.6、アミン価3.2、リンゴ酸2000ppm)の製造例>
攪拌機、冷却管および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、ダイマー酸(植物由来)とリンゴ酸(セバシン酸に対して2000ppm)と1,3−プロパンジオール(植物由来)から得られる平均分子量2000のポリエステルジオールの200質量部、イソホロンジイソシアネートの35.5質量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら100〜105℃で6時間反応させた。室温近くまで放冷し、酢酸エチルの401質量部、イソプロピルアルコールの172質量部を加えた後、イソホロンジアミンの8.2質量部を加えて鎖伸長させ、さらにモノエタノールアミンの0.35質量部を加え反応させ、その後、イソホロンジアミンの1.3質量部、ジエチレントリアミンの0.6質量部を加えて反応停止させてポリウレタン樹脂ワニスH(固形分30質量%、アミン価3.2)を得た。
<ポリウレタン樹脂ワニスI(バイオマスポリウレタン、セバシン酸/コハク酸、I.I=1.6、アミン価3.2、リンゴ酸2000ppm)の製造例>
攪拌機、冷却管および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、セバシン酸(植物油由来)/コハク酸(植物由来)=70/30(質量比)とリンゴ酸(セバシン酸に対して2000ppm)と1,3−プロパンジオール(植物由来)から得られる平均分子量2000のポリエステルジオールの200質量部、イソホロンジイソシアネートの35.5質量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら100〜105℃で6時間反応させた。室温近くまで放冷し、酢酸エチルの401質量部、イソプロピルアルコールの172質量部を加えた後、イソホロンジアミンの8.2質量部を加えて鎖伸長させ、さらにモノエタノールアミンの0.35質量部を加え反応させ、その後、イソホロンジアミンの1.3質量部、ジエチレントリアミンの0.6質量部を加えて反応停止させてポリウレタン樹脂ワニスI(固形分30質量%、アミン価3.2)を得た。
<ポリウレタン樹脂ワニスJ(バイオマスポリウレタン、セバシン酸、I.I=1.6、アミン価0、リンゴ酸2000ppm)の製造例>
攪拌機、冷却管および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、セバシン酸(植物油由来)とリンゴ酸(セバシン酸に対して2000ppm)と1,3−プロパンジオール(植物由来)から得られる平均分子量2000のポリエステルジオールの200質量部、イソホロンジイソシアネートの35.5質量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら100〜105℃で6時間反応させた。室温近くまで放冷し、酢酸エチルの407質量部、イソプロピルアルコールの176質量部を加えた後、イソホロンジアミンの9.2質量部を加えて鎖伸長させ、さらにモノエタノールアミンの0.7質量部を加えて反応停止させ、ポリウレタン樹脂ワニスJ(固形分30質量%、アミン価0)を得た。
<ポリウレタン樹脂ワニスK(バイオマスポリウレタン、セバシン酸、アミン価3.2、I.I=1.6)の製造例>
攪拌機、冷却管および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、セバシン酸(植物油由来)と1,3−プロパンジオール(植物由来)から得られる平均分子量2000のポリエステルジオールの200質量部、イソホロンジイソシアネートの35.5質量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら100〜105℃で6時間反応させた。室温近くまで放冷し、酢酸エチルの401質量部、イソプロピルアルコールの172質量部を加えた後、イソホロンジアミンの8.2質量部を加えて鎖伸長させ、さらにモノエタノールアミンの0.35質量部を加え反応させ、その後、イソホロンジアミンの1.3質量部、ジエチレントリアミンの0.6質量部を加えて反応停止させてポリウレタン樹脂ワニスK(固形分30質量%、アミン価3.2)を得た。
<ポリウレタン樹脂ワニスL(バイオマスポリウレタン、セバシン酸、アミン価3.2、I.I=1.6、リンゴ酸500ppm)の製造例>
攪拌機、冷却管および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、セバシン酸(植物油由来)とリンゴ酸(セバシン酸に対して500ppm)と1,3−プロパンジオール(植物由来)から得られる平均分子量2000のポリエステルジオールの200質量部、イソホロンジイソシアネートの35.5質量部の21.0質量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら100〜105℃で6時間反応させた。室温近くまで放冷し、酢酸エチルの401質量部、イソプロピルアルコールの172質量部を加えた後、イソホロンジアミンの8.2質量部を加えて鎖伸長させ、さらにモノエタノールアミンの0.35質量部を加え反応させ、その後、イソホロンジアミンの1.3質量部、ジエチレントリアミンの0.6質量部を加えて反応停止させてポリウレタン樹脂ワニスL固形分30質量%、アミン価3.2)を得た。
<実施例1〜17、比較例1、2、参照例1、2:軟包装用ラミネート用白色印刷インキ組成物の製造例>
顔料(酸化チタンR−960、デュポン社製)、上記ポリウレタン樹脂ワニスA〜J、塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂(ソルバインTA−3,日信化学工業(株)製)を、レッドデビル社製のペイントコンデショナーを用いて混練し、さらに溶媒を加えて、表1に示した実施例1〜17、比較例1、2、参照例1、2の軟包装用ラミネート用白色インキ組成物を得た。
<実施例18、19:軟包装用ラミネート用藍色インキ組成物の製造例>
顔料(フタロシアニンブルー、C.I.15:4)、ポリウレタン樹脂ワニスAとC、塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂(ソルバインTA−3、日信化学工業(株)製)を、レッドデビル社製のペイントコンデショナーを用いて混練し、さらに溶媒を加えて、表1に示した実施例18、19の軟包装用ラミネート用藍色インキ組成物を得た。
Figure 0006666324
(評価)
上記で得られた実施例1〜17、比較例1、2、参照例1、2の軟包装用ラミネート用白色インキ組成物、実施例18、19の軟包装用ラミネート用藍色インキ組成物の性能評価を下記方法にて行った。評価結果を表1に示す。
<インキの保存安定性>
上記で得られた実施例1〜17、比較例1、2、参照例1、2の軟包装用ラミネート用白色インキ組成物、実施例18、19の軟包装用ラミネート用藍色インキ組成物の各々をガラス瓶に採取し、60℃の雰囲気温度で14日間保存した時の顔料の沈降の有無から、インキの保存安定性を以下の評価基準にしたがって評価した。
(評価基準)
A:インキは、沈降が見られず、保存安定性が良好であった。
B:インキは、沈降が見られ、保存安定性が不良であった。
(印刷評価)
実施例1〜17、比較例1、2、参照例1、2の軟包装用ラミネート用白色インキ組成物、実施例18、19の軟包装用ラミネート用藍色インキ組成物の各々100質量部に対し、さらに表1の配合にしたがって混合液の50質量部で希釈し、粘度を(株)離合社製ザーンカップ3号で15秒に調整した後、彫刻版(印刷刷版、ヘリオ175線/inch)を備えたグラビア印刷機にて、OPP、PET、NYの処理面に印刷速度150m/分で印刷を行った。
<フィルムについて>
PET:片面にコロナ放電処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム、東洋紡績(株)製、E−5102、厚さ12μm
OPP:二軸延伸ポリプロピレンフィルム、東洋紡績(株)製、P−2161、厚さ30μm
NY:ナイロンフィルム、東洋紡績(株)製、N−1102、厚さ15μm
(耐ブロッキング性)
各試験インキの印刷後1日経過した各種印刷物の印刷面と、各種フィルムのコロナ放電処理面とを重ね合わせ、3kg/cm2の荷重をかけて45℃で1日放置した。その後、印刷面とフィルム面を剥がし、インキ被膜のフィルム面への移行を以下の評価基準にしたがって評価した。
(評価基準)
A:フィルムを剥がす際に全く抵抗が無く、また、印刷面からインキが剥離しなかった。
B:フィルムを剥がす際に抵抗はあるが、印刷面からインキが剥離しなかった。
C:フィルムを剥がす際に抵抗があり、印刷面からインキが剥離した。
(印刷適性(カスレ))
印刷適性については、印刷終了時の印刷部分における、版にインキが詰まったことに起因するカスレの面積の割合から以下の評価基準にしたがって評価した。
(評価基準)
A:カスレが全くみられなかった。
B:カスレが少しみられた。
C:カスレが多くみられた。
(レトルト適性)
ポリエチレンテレフタレート(PET)およびナイロン(NY)に印刷後1日経過した各印刷物に、固形分で2.0g/m2となる量のウレタン系接着剤(タケラックA−525/タケネートA−52、三井化学ポリウレタン(株)製)を塗布した後、ドライラミネート機で無延伸ポリプロピレンフィルム(RXC−22、厚さ60μm、三井化学東セロ(株)製)を貼り合わせ、40℃で3日放置してドライラミネート物を得た。このドライラミネート物を製袋し、中に水90重量%、サラダ油10重量%の混合物を詰めて溶封後、PETに印刷したものは135℃の加圧熱水中に60分間浸漬した時のラミ浮きの程度からレトルト適性を評価した。NYに印刷したものは120℃で同様の試験評価を行い、以下の評価基準にしたがって評価した。この評価によって、ラミネート適性を確認できる。
A:全くラミ浮きが見られなかった。
B:ピンホール状もしくは一部に細くて短いラミ浮きが見られた。
C:長い筋状のラミ浮きが全面に見られた。
表1に示されるように、実施例1〜19のインキ組成物は、いずれも印刷適性、他ブロッキング性およびレトルト適性が優れていた。一方、末端に第1級アミノ基または第2級アミノ基の少なくともいずれか一方を含んでいないポリウレタン樹脂を用いた比較例1および比較例2のインキ組成物は、インキの保存安定性が劣り、印刷適性およびレトルト適性が劣った。特に、比較例2のインキ組成物は、さらに耐ブロッキング性も劣った。

Claims (4)

  1. 顔料と、バインダー樹脂と、有機溶剤とを含み、
    前記バインダー樹脂は、ポリウレタン樹脂を含み、
    前記ポリウレタン樹脂は、
    バイオポリエステルポリオール成分と、有機ジイソシアネート成分とを反応させたバイオマスポリウレタン樹脂を含み、
    末端に第1級アミノ基または第2級アミノ基の少なくともいずれか一方を含み、
    前記バイオポリエステルポリオール成分は、
    ジカルボン酸とジオールとの反応生成物であり、
    分子量300以下の活性水素基を1分子中に3個以上有する有機酸を含まないか、または、前記ジカルボン酸に対して3000ppm以下となるよう含み、
    前記ジカルボン酸および前記ジオールの少なくともいずれか一方が植物由来のものであり、
    前記ポリウレタン樹脂中のポリエステルポリオール成分のOH基と、前記有機ジイソシアネート成分のNCO基との割合は、NCO基/OH基=1.2〜3.0であり、
    前記バイオマスポリウレタン樹脂の含有量は、前記ポリウレタン樹脂中、5〜100質量%であり、
    前記バイオポリエステルポリオール成分は、植物由来の短鎖ジオール成分と、分子量300以下の活性水素基を1分子中に3個以上有する有機酸成分と、植物由来のカルボン酸成分とを反応させたバイオポリエステルポリオールであり、
    前記ジカルボン酸成分は、セバシン酸またはダイマー酸のうち、少なくともいずれか一方を含み、
    前記分子量300以下の活性水素基を1分子中に3個以上有する有機酸は、リンゴ酸を含み、
    前記リンゴ酸の使用量は、前記ジカルボン酸に対して3000ppm以下である、軟包装用ラミネート用印刷インキ組成物。
  2. 前記イソシアネート成分は、植物由来のバイオイソシアネートである、請求項記載の軟包装用ラミネート用印刷インキ組成物。
  3. 前記バイオマスポリウレタン樹脂およびバイオマスポリウレタン樹脂以外のポリウレタン樹脂は、末端に第1級アミノ基または第2級アミノ基の少なくともいずれか一方を含む、請求項1または2記載の軟包装用ラミネート用印刷インキ組成物。
  4. 水酸基を有する塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、硝化綿およびセルロースアセテートプロピオネート樹脂からなる群から選択される少なくとも1以上の化合物をさらに含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の軟包装用ラミネート用印刷インキ組成物。
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