JP2021070812A - グラビアインキ組成物 - Google Patents

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淳一 原田
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Abstract

【課題】ポリウレタン樹脂、特にポリウレタンポリウレア樹脂を含有する印刷インキにおいて、鎖伸長剤等に使用したアミノ化合物に起因するアミンの臭気を発生させないようにし、かつラミネート用として使用しても、ラミネート強度を損なわないインキ組成物を得ること。【解決手段】ジイソシアネート化合物と高分子ジオール化合物を反応させてなるポリウレタンポリウレア樹脂を含有するインキ組成物であって、ジイソシアネート化合物がイソホロンジイソシアネートを含有し、かつ高分子ジオール化合物がポリエステルポリオール、ポリアルキレングリコール及びポリエーテルジオールから選ばれた1種又は2種以上を含有し、ポリウレタンポリウレア樹脂はケチミン化されたアミノ基を有するインキ組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、グラビアインキ組成物に関する。
特許文献1に記載のように、ウレタンプレポリマーをアミン化合物により鎖伸長して得たポリウレタン樹脂をバインダーとするインキ組成物は知られている。しかしながら、このようにして得たインキ組成物には、アミン化合物が残留するため、印刷後においてもアミン臭を有することになり、特に食品の包装用としては不適切であった。
また特許文献2に記載のように、ジアミンとケトンから得たケチミン化合物を、特殊なウレタンプレポリマーと反応させて鎖伸長して得たポリウレタン樹脂を印刷インキ用バインダーとすることは知られている。
しかしながら裏刷り用インキ組成物に使用して押出ラミネートをした場合には、その押出ラミネート強度に劣っていた。さらに、トリアミン由来のケチミンを使用するため、鎖伸長反応に使用できず、別のジアミンによる鎖伸長後及び末端停止後にケチミンを反応させている。
国際公開第2013/162003号 特開2012−153883号公報
本発明が解決しようとする課題は、ポリウレタン樹脂、特にポリウレタンポリウレア樹脂を含有する印刷インキにおいて、鎖伸長剤等に使用したアミノ化合物に起因するアミンの臭気を発生させないようにし、かつラミネート用として使用しても、ラミネート強度を損なわないインキ組成物を得ることである。
本発明者らは、インキ組成物中の樹脂分として、特定のポリウレタンポリウレア樹脂を採用することにより、上記課題を解決しうることを見出した。
すなわち、本発明は、
1.ジイソシアネート化合物と高分子ジオール化合物を反応させてなるポリウレタンポリウレア樹脂を含有するインキ組成物であって、
ジイソシアネート化合物がイソホロンジイソシアネートを含有し、かつ高分子ジオール化合物がポリエステルポリオール、ポリアルキレングリコール及びポリエーテルジオールから選ばれた1種又は2種以上を含有し、
ポリウレタンポリウレア樹脂はケチミン化されたアミノ基を有するインキ組成物。
2.ケチミン化されたアミノ基は、アセトン及び又はジエチルケトンによりケチミン化されたものである1に記載のインキ組成物。
3.ポリウレタンポリウレア樹脂はウレタンプレポリマーが鎖伸長されたものであり、分子内の鎖伸長剤に由来する個所がケチミン化されてなる1又は2に記載のインキ組成物。である。
本発明によれば、インキ組成物及びそれによる印刷物がケチミン特有の臭気を有しない。さらにラミネート用インキ組成物としたときのラミネート強度に優れるという効果を発揮できる。
本発明のインキ組成物は、含有する樹脂がポリウレタンポリウレア樹脂であり、そのポリウレタンポリウレア樹脂を構成するジイソシアネート成分とジオール成分が、それぞれ特定の成分であることを基本とする。
さらにこのジイソシアネート成分とジオール成分から得たウレタンプレポリマーを、ケチミン化合物により、鎖伸長及び/又は末端停止させてポリウレタンポリウレア樹脂としたものである。
そして、鎖伸長剤及び/又は反応停止剤として、特定のケチミン化合物を採用し、特定の溶媒中でウレタンプレポリマーと反応させて得られたポリウレタンポリウレア樹脂自体がケチミンの臭気を発生させず、さらにインキや塗料等の溶液状態にして保存したときの経時安定性に優れる。
以下、本発明のポリウレタンポリウレア樹脂含有インキ組成物について説明する。
(ポリウレタンポリウレア樹脂)
本発明におけるポリウレタンポリウレア樹脂は、分子の末端に第1級アミノ基及び第2級アミノ基から選ばれる1種以上を有する。そして該アミノ基がケチミン化されたものであることを基本とする。
さらに好ましくは、水酸基を有し、及び分子の末端に第1級アミノ基及び第2級アミノ基から選ばれる1種以上を有するポリウレタンポリウレア樹脂である。
これらのポリウレタンポリウレア樹脂としては、ジイソシアネート化合物と、ジオール化合物である高分子ジオール化合物との反応によりウレタンプレポリマーを合成し、これに下記の鎖伸長剤、反応停止剤を反応させて得られるポリウレタン樹脂を好適に使用できる。
<ウレタンプレポリマーの合成>
ウレタンプレポリマーは、以下のジイソシアネート化合物と、高分子ジオール化合物を反応して得る。
(ジイソシアネート化合物)
ジイソシアネート化合物としては、イソホロンジイソシアネートを含有することが必要である。
使用するジイソシアネート化合物の全てをイソホロンジイソシアネートにしても良いが、その他のジイソシアネート化合物を併用できる。
その他のジイソシアネート化合物としては、1,3−及び/又は1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4−ジイソシアナトビフェニル、3,3−ジメチル−4,4−ジイソシアナトビフェニル、トリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4−ジイソシアネート(水添MDI)、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)等の脂環族ジイソシアネート化合物、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、等の脂肪族ジイソシアネート化合物、及び、m−及び/又はp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート化合物が挙げられ、これらの有機ジイソシアネート化合物を、単独又は2種以上混合して使用できる。中でも脂環族ジイソシアネート化合物、脂肪族ジイソシアネート化合物及び芳香脂肪族ジイソシアネート化合物がより好ましい。
その他のジイソシアネート化合物を併用する場合には、全ジイソシアネート化合物のイソシアネート基数の合計に対して、その他のジイソシアネート化合物のイソシアネート基の数が50%以下となるように併用できるが、より好ましくは30%以下、更に好ましくは10%以下である。
又は全ジイソシアネート化合物100質量部中、その他のジイソシアネート化合物を50質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。
(高分子ジオール化合物)
上記高分子ジオール化合物としては、ポリエステルポリオール、ポリアルキレングリコール及びポリエーテルジオールから選ばれた1種又は2種以上を採用できる。
ポリエステルポリオールとしては、ジオール成分とジカルボン酸成分の縮合物やカプロラクトンの縮合物とすることができる。
ジオール成分とジカルボン酸成分の縮合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオールプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等のジオール成分の1種又は2種以上と、アジピン酸、セバシン酸、無水フタール酸、コハク酸、アゼライン酸、ダイマー酸等の二塩基酸の1種又は2種以上とを縮合反応させて得られるポリエステルジオール類、ポリカプロラクトンジオール類等のポリエステルジオール化合物を採用できる。
ポリアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等、ポリエーテルジオールとしては、ビスフェノールAのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイド付加物等を採用できる。
中でも数平均分子量が1000〜8000のものが好ましく、1000〜5500のものがより好ましく、1000〜4000のものが更に好ましい。
また中でも、アジピン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオールを縮合反応させて得られた数平均分子量が1000〜8000の3−メチル−1,5−ペンチレンアジペートジオール、
アジピン酸と1,4−ブタンジオール/ネオペンチルグリコール=20/80〜80/20(モル比)を縮合反応させて得られた数平均分子量が1000〜8000の縮合物、
アジピン酸と1,4−ブタンジオール/2−メチル−1,3−プロパンジオール=20/80〜80/20(モル比)を縮合反応させて得られた数平均分子量が1000〜8000の縮合物、
アジピン酸とジエチレングリコール/ネオペンチルグリコール=20/80〜80/20(モル比)を縮合反応させて得られた数平均分子量が1000〜8000の縮合物、
アジピン酸とジエチレングリコール/2−メチル−1,3−プロパンジオール=20/80〜80/20(モル比)を縮合反応させて得られた数平均分子量が1000〜8000の縮合物、
セバシン酸/コハク酸=20/80〜80/20(モル比)と2−メチル−1,3−プロパンジオールを縮合反応させて得られた数平均分子量が1000〜8000の縮合物、
セバシン酸/コハク酸=20/80〜80/20(モル比)とジエチレングリコールを縮合反応させて得られた数平均分子量が1000〜8000の縮合物、
ダイマー酸/コハク酸=20/80〜80/20(モル比)と1,3−プロパンジオールを縮合反応させて得られた数平均分子量が1000〜8000の縮合物、
ダイマー酸/コハク酸=20/80〜80/20(モル比)とジエチレングリコールを縮合反応させて得られた数平均分子量が1000〜8000の縮合物、
アゼライン酸/コハク酸=20/80〜80/20(モル比)と1,4−ブタンジオールを縮合反応させて得られた数平均分子量が1000〜8000の縮合物、
アゼライン酸/コハク酸=20/80〜80/20(モル比)と2,5−ヘキサンジオールを縮合反応させて得られた数平均分子量が1000〜8000の縮合物、
が好ましく、さらに数平均分子量1000〜4000の3−メチル−1,5−ペンチレンアジペートジオールが好ましい。
この他に上記以外の高分子ジオール化合物を併用する場合には、全高分子ジオール化合物の水酸基数の合計に対する、その他の高分子ジオール化合物の水酸基の数が70%以下となるように併用できるが、より好ましくは55%以下、更に好ましくは40%以下である。
又は全高分子ジオール化合物100質量部中、上記以外の高分子ジオール化合物を50質量部以下、より好ましくは35質量部以下、更に好ましくは20質量部以下である。
(バイオポリエステルジオール化合物)
環境面を考慮して、上記の高分子ジオール化合物として、植物由来の成分を含む材料から合成して得たバイオポリエステルジオール化合物を併用しても良い。
また、バイオポリエステルジオール化合物を含むポリエステルジオール化合物と、上記の特定のイソシアネート化合物との反応により得たポリウレタンポリウレア樹脂を、本発明中のポリウレタンポリウレア樹脂に混合して使用することもできる。
このため、上記のその他の高分子ジオール化合物として、炭素数が2〜4の短鎖ジオール化合物と、カルボン酸成分とを反応させたバイオポリエステルポリオール(バイオマスポリエステルポリオール)を採用できる。バイオポリオール成分は、短鎖ジオール化合物及びカルボン酸成分のうち、少なくともいずれか一方が植物由来であることがより好ましく、両方が植物由来であることがさらに好ましい。
植物由来の炭素数が2〜4の短鎖ジオール化合物は特に限定されない。一例を挙げると、短鎖ジオール化合物は、以下の方法により植物原料から得られる、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール等であってもよい。これらは併用されてもよい。
1,3−プロパンジオールは、植物資源(たとえばトウモロコシ等)を分解してグルコースが得られる発酵法により、グリセロールから3−ヒドロキシプロピルアルデヒド(HPA)を経て、製造され得る。上記発酵法のようなバイオ法で製造された1,3−プロパンジオール化合物は、EO製造法の1,3−プロパンジオール化合物と比較して、安全性の面から乳酸など有用な副生成物が得られ、しかも製造コストも低く抑えることが可能である。1,4−ブタンジオールは、植物資源からグリコールを製造し発酵することによって得られたコハク酸を得て、これを水添することにより製造され得る。また、エチレングリコールは、常法によって得られるバイオエタノールからエチレンを経て製造され得る。
植物由来のカルボン酸成分は特に限定されない。一例を挙げると、カルボン酸成分は、セバシン酸、コハク酸、乳酸、グルタル酸、ダイマー酸、アゼライン酸等である。これらは併用されてもよい。これらの中でも、カルボン酸成分は、セバシン酸、コハク酸及びダイマー酸からなる群から選択される少なくともいずれか1種を含むことが好ましい。またセバシン酸100質量部に対して、リンゴ酸を0.05〜0.5質量部含有しても良い。
バイオポリオール成分は、植物由来の短鎖ジオール化合物と植物由来のカルボン酸とを、適宜縮合反応させて、100%植物由来のバイオポリエステルポリオールとして生成される。具体的には、植物由来のセバシン酸と、植物由来の1,3−プロパンジオールとを直接脱水縮合させて、ポリトリメチレンセバケートポリオールが得られる。また、植物由来のコハク酸と、植物由来の1,4−ブタンジオールとを直接脱水縮合して、ポリブチレンサクシネートポリオールが得られる。
これらの各バイオポリオール成分を1種以上使用してもよい。
これらの植物由来の成分から得られたウレタンプレポリマーは、全ウレタンプレポリマー中、固形分換算で、10質量%以上含まれても良く、40質量%以上含まれても良い。
(その他のジオール化合物)
3−メチル−1,5−ペンチレンアジペートジオールに加えて、1,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等のアルカンジオールや、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール等の低分子ジオール化合物を単独又は2種以上混合して併用することもできる。
上記ジイソシアネート化合物と高分子ジオール化合物を反応させる際の、それぞれの使用比率は、イソシアネート基:水酸基の当量比(イソシアネートインデックス)が、通常、1.2:1〜3.0:1、より好ましくは1.3:1〜2.0:1、さらに好ましくは1.3:1〜1.7:1となる範囲である。上記のイソシアネートインデックスが1.2より小さくなると、柔軟なポリウレタンポリウレア樹脂になる傾向があり、本発明のインキ組成物を印刷した時に耐ブロッキング性等が低い可能性があり、この場合、他の硬質の樹脂と併用することが必要となる場合がある。
(ジイソシアネート化合物と高分子ジオール化合物との反応)
本発明にて使用されるポリウレタンポリウレア樹脂を得るためのジイソシアネート化合物と高分子ジオール化合物との反応時において、触媒を使用することができる。
中でも有機金属系化合物を使用することが好ましく、このような有機金属系化合物として、ジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、及びブトキシチタニウムトリクロライド等のチタン化合物、ジブチル錫スルファイド、トリブチル錫スルファイド、トリブチル錫オキシド、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジラウレート、トリブチル錫アセテート、トリブチル錫クロライド、トリエチル錫エトキサイド、トリブチル錫エトキサイド、ジオクチル錫オキシド、トリブチル錫トリクロロアセテート、及び2−エチルヘキサン酸錫等の錫化合物、オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、及びナフテン酸鉛等の鉛化合物、さらに、2−エチルヘキサン酸鉄、鉄アセチルアセトネート、安息香酸コバルト、2−エチルヘキサン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛、ナフテン酸ジルコニウム等がある。そして、これらの中でもテトラブチルチタネート等のチタン化合物が好ましい。
また3級アミン化合物を使用でき、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)オクタン、及び1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7(DBU)を使用することができる。
(鎖伸長及び/又は末端処理反応)
上記鎖伸長剤としては、インキ用バインダーとしてのポリウレタンポリウレア樹脂で利用される既知の鎖伸長剤が利用可能であり、例えば、ポリアミン化合物の中でも、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン類、イソホロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン等の脂環式ジアミン類、トルイレンジアミン等の芳香族ジアミン類、キシレンジアミン等の芳香脂肪族ジアミン類、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン(アミノエチルエタノールアミン)、N−(2−ヒドロキシエチル)プロピレンジアミン、N,N’−ジ(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン等の水酸基を有するジアミン類、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のジオール化合物が挙げられる。
更に、ポリウレタンポリウレア樹脂がゲル化しない範囲で、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のポリアミン化合物を併用することができる。
ポリウレタンポリウレア樹脂の末端に第1級アミノ基及び第2級アミノ基を導入する反応停止剤としては、ポリアミン化合物として、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン類、イソホロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン等の脂環式ジアミン類、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラトリアミン等のポリアミン類、トルイレンジアミン等の芳香族ジアミン類、キシレンジアミン等の芳香脂肪族ジアミン類、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン(アミノエチルエタノールアミン)、N−(2−ヒドロキシエチル)プロピレンジアミン等の水酸基を有するジアミン類等を例示できる。この中でも、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラトリアミン等の第1級アミノ基を有するポリアミンが好ましい。
ポリウレタンポリウレア樹脂に水酸基を導入する反応停止剤としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン類、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)プロピレンジアミン等の水酸基を有するジアミン類が例示できる。また、既知の反応停止剤であるモノアミン化合物、モノアルコール化合物が利用可能であり、具体的には、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン等のモノアルキルアミン類、ジ−n−ブチルアミン等のジアルキルアミン類、エタノール等のモノアルコール類を例示することができる。
(鎖伸長剤及び/又は反応停止剤のケチミン化)
本発明にて使用するポリウレタンポリウレア樹脂の製造方法として、上記の鎖伸長剤及び/又は反応停止剤のうち、ポリアミン化合物を予め過剰量のケトン化合物によりケチミン化してなるケチミン化合物を使用し、その鎖伸長剤及び/又は反応停止剤を用いてポリウレタンポリウレア樹脂を製造する方法を採用する。特に、上記の鎖伸長剤及び反応停止剤のなかから、イソホロンジアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン及びエチレンジアミンから選ばれる1種以上を採用することが好ましい。
ケトン化合物によりケチミン化されたポリアミン化合物は、ケトン化合物の酸素原子が、ポリアミン化合物のアミノ基の窒素原子によって置換された構造を有する。
また、使用するケトン化合物としては、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、ジアセトンアルコール、メチルイソブチルケトンが好ましい。
このケチミン化反応においてはケトン化合物以外の溶媒を使用しないことが好ましい。
但し、ケトン化合物以外の溶媒として、アルコール化合物を使用できる、なかでもイソプロピルアルコールを使用できる。
この、ケトン化合物以外の溶媒を使用しないことは、無溶剤条件下でケチミン化すると定義する。なお、その後の鎖伸長反応や、ポリウレタンポリウレア樹脂が臭気を有しないという点を阻害しない範囲で、無溶剤条件下ではなく、極性有機溶媒を配合しても良い。
本発明は、ケチミン化された、鎖伸長剤及び/又は反応停止剤を使用して鎖伸長や反応停止をさせる工程を経て得たポリウレタンポリウレア樹脂を含有するインキ組成物であり、そのインキ組成物及び印刷された印刷物はケチミン臭を発生させない。また、印刷面に対して、押出ラミネート等の手段によりラミネートしたときの剥離強度を高くする効果を奏する。
なお、ケチミン化されたアミン等は鎖伸長剤として使用してもよく、反応停止剤として使用してもよく、鎖伸長剤と反応停止剤の双方として使用してもよい。
<ウレタンプレポリマーからのポリウレタンポリウレア樹脂の合成>
上記の方法により得られたウレタンプレポリマーに対して、ケチミン化合物で鎖伸長及び/又は反応停止の反応を行うことにより、本発明中のポリウレタンポリウレア樹脂を得る。
すなわち、上記のジイソシアネート化合物と高分子ジオール化合物の反応生成物に、必要に応じて溶媒を加え、さらに、上記のケチミン化された鎖伸長剤及び/又は反応停止剤を添加して反応を行う。
溶媒を使用するときには、エステル系溶媒及び/又はアルコール系溶媒が好ましく、エステル系溶媒とアルコール系溶媒の混合物がより好ましく、酢酸プロピルとイソプロピルアルコールが更に好ましく、質量比で、酢酸プロピル:イソプロピルアルコール=1〜5:1の範囲が最も好ましい。
また、得られたポリウレタンポリウレア樹脂がアミノ基を有するときには、アミン価が1〜10mgKOH/gであることが好ましい。上記アミン価が1mgKOH/g未満であると、インキ組成物を印刷したときの印刷基材との接着性が低下する可能性あり、かつラミネート用グラビアインキ組成物としたときにも、フィルムに対する接着性が低下する。更に、ラミネート適性が低下する可能性がある。上記アミン価が10mgKOH/gを超えると、耐ブロッキング性が低下する可能性がある。
そしてこのアミノ基がケチミン化されていても良い。
なお、本発明において、上記アミン価は固形分1gあたりのアミン価を意味し、0.1Nの塩酸水溶液を用い、電位差滴定法(例えば、COMTITE(AUTO TITRA
TOR COM−900、BURET B−900、TITSTATIONK−900)、平沼産業社製)によって測定した後、水酸化カリウムの当量に換算した値をいう。
(ポリウレタンポリウレア樹脂を含有するインキ組成物)
上記の製造方法により得られたポリウレタン樹脂に、必要に応じて、顔料及び染料のいずれかの着色剤、溶剤、シリカ等のフィラー、塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体、塩化ビニル/アクリル共重合体、顔料分散剤や分散助剤、ロジン及びその誘導体、塩素化ポリプロピレン、ダンマル樹脂、ポリエチレンワックス、脂肪酸アミド等を配合してインキ組成物とする。
必要な構成材料を用いてインキ組成物、特にラミネート用グラビアインキ組成物を製造する方法としては、公知の方法が使用できる。具体的には、例えば、顔料、バインダー樹脂、有機溶剤及び必要に応じて顔料分散剤等の混合物を、高速ミキサー、ボールミル、サンドミル、アトライター等を用いて練肉し、更に、所定の添加剤等の材料の残りを添加、混合することにより得ることができる。
また本発明により得られたポリウレタンポリウレア樹脂を含有する塗料についても、塗料を調製する公知の手段により得ることができる。そして下記のインキ組成物に使用できる成分は、該塗料においても使用できる。
(有機溶剤)
本発明のインキ組成物に使用しても良い溶剤としては、特に制限がないが、環境に配慮する観点から、芳香族炭化水素系有機溶剤を含有しないことが好ましい。このような溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系有機溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエステル系有機溶剤;n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタンなどの脂肪族炭化水素系有機溶剤;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンなどの脂環族炭化水素系有機溶剤などが挙げられる。前記溶剤は、少なくとも1種を用いればよく、バインダー樹脂の溶解性や乾燥性などを考慮して、2種以上を組み合わせて用いることができる。ただし、環境により配慮する観点から、前記溶剤の中でも、ケトン系有機溶剤の使用を抑制することが好ましい。
更に、インキ組成物には、濡れ広がり性を向上させるために有機溶剤100重量%中、グリコールエーテル系有機溶剤を0.1〜20重量%含有させても良い。グリコールエーテル系有機溶剤の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノn−プロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等が例示できる。
なお、本発明のインキ組成物には、静電気による印刷不良の緩和、及び、版かぶりの防止やセル再現性の点より水を含有させても良い。水の使用量は、インキ組成物中に10質量%以下、好ましくは、0.1〜5.0質量%の範囲であることが好ましい。
(シリカ)
本発明のインキ組成物に含有できるシリカとしては、天然産、合成品、結晶性、非結晶性、あるいは疎水性、親水性のもの等が挙げられる。シリカ粒子は、平均粒子径1〜5μmの範囲のものが好ましい(なおシリカ粒子の平均粒子径は、粒度分布における積算値50%(D50)での粒径を意味し、コールターカウンター法によって求めることができる)。シリカ粒子は、表面に親水性官能基を有する親水性シリカでも良いし、親水性官能基をアルキルシラン等で変性して疎水化した疎水性シリカでも良いが、親水性のものが好ましく、親水性シリカ粒子を含むインキは重ね印刷時のインキの濡れ・広がりを促し、重ね印刷効果(以下「トラッピング性」と記載する場合がある)を向上させる効果も有する。シリカ粒子使用量は、インキ組成物中に3.0質量%以下、好ましくは、0.1〜3.0質量%、より好ましくは0.2〜1.5質量%である。含有量が3.0質量%より多いと、光沢が低下する傾向にある。
(本発明のインキ組成物に配合できる塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体)
塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体としては、従来、グラビアインキ組成物に使用されている塩化ビニルモノマーと酢酸ビニルモノマーを必須成分とし、必要に応じて、プロピオン酸ビニル、モノクロロ酢酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル等の脂肪酸ビニルモノマー、水酸基等の官能基を有するモノマーを用いて従来からの公知の方法で製造したものが使用できる。
中でも、塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体としては、環境に配慮したインキの有機溶剤系においては、好ましくは、水酸基を有する塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体、より好ましくは、50〜200の水酸基を有する塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体である。このような水酸基を有する塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体は、酢酸エステル部分の一部をケン化すること、水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーを導入することにより得られる。
酢酸エステル部分の一部をケン化することにより得られた水酸基を有する塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体の場合では、分子中の塩化ビニルの反応部位に基づく構成単位(下記式1)、酢酸ビニルの反応部位に基づく構成単位(下記式2)、及び酢酸ビニルの反応部位のケン化に基づく構成単位(下記式3)の比率により樹脂の皮膜物性や溶解挙動が決定される。すなわち、塩化ビニルの反応部位に基づく構成単位は樹脂皮膜の強靭さや硬さを付与し、酢酸ビニルの反応部位に基づく構成単位は接着性や柔軟性を付与し、酢酸ビニルの反応部位のケン化に基づく構成単位は環境に配慮したインキの有機溶剤系への良好な溶解性を付与する。
式1 −CH−CHCl−
式2 −CH−CH(OCOCH)−
式3 −CH−CH(OH)−
このような塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体は市販されたものでも良く、例えば、日信化学工業社製のソルバインA、AL、TA5R、TA2、TA3、TAO、TAOL、C、CH、CN、CNL等を挙げることができる。
なお、本発明のインキ組成物で使用する上記塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体は、後記の有機溶剤に対する溶解性や印刷適性の点から、分子内に各種官能基を有していることが好ましい。
また、上記有機溶剤として環境に配慮した溶剤が使用されるときは、上記塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体は、50〜200の水酸基を有していることが好ましい。このような塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体の市販品としては、例えば、ソルバインA、AL、TA5R、TA2、TA3、TAO、TAOL等を使用することが好ましい。
(本発明のインキ組成物に配合できる塩化ビニル/アクリル共重合体)
塩化ビニル/アクリル共重合体は、塩化ビニルとアクリルモノマーの共重合体を主成分とするものである。共重合体の形態は特に限定されず、例えば、アクリルモノマーはポリ塩化ビニルの主鎖にブロックないしランダムに組み込まれていても良いし、ポリ塩化ビニルの側鎖にグラフト共重合されていても良い。
アクリルモノマーとして、(メタ)アクリル酸エステル、水酸基を有するアクリルモノマー等を用いることができる。(メタ)アクリル酸エステルの例としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられ、アルキル基は直鎖、分岐、環状のいずれであってもよいが、直鎖アルキル基であることが好ましい。例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシルなどが挙げられる。
水酸基を有するアクリルモノマーの例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルや、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレートなどのグリコールモノ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルアクリルアミドなどが挙げられる。
また、アクリルモノマーとして、水酸基以外の官能基を有するアクリルモノマーを用いることもできる。水酸基以外の官能基の例としてはカルボキシル基、アミド結合基、アミノ基、アルキレンオキサイド基等が挙げられる。
上記塩化ビニル/アクリル共重合体樹脂は、重量平均分子量が1万〜7万であることが好ましい。
また、上記有機溶剤として環境に配慮した溶剤への溶解性、基材に対する接着性の点から、上記塩化ビニル/アクリル共重合体は、50〜200の水酸基を有していることが好ましい。
このように、本発明のインキ組成物には、配合する顔料に応じて、密着性を向上させるためにポリウレタンポリウレア樹脂に塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体及び/又は塩化ビニル/アクリル共重合体を併用することができる。
ポリウレタンポリウレア樹脂と(塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体及び/又は塩化ビニル/アクリル共重合体)とを、ポリウレタンポリウレア樹脂/(塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体及び/又は塩化ビニル/アクリル共重合体)=100/0〜45/55(質量比)で含有することができる。より好ましくはこの質量比を95/5〜70/30としても良い。このような割合でポリウレタンポリウレア樹脂と塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体及び/又は塩化ビニル/アクリル共重合体とを含有することで、本発明のインキ組成物は、フィルムに対する優れた印刷適性及び接着性を有することとなる。更に、ラミネート加工が行われる場合、より優れたラミネート適性を有することとなる。
上記ポリウレタンポリウレア樹脂/(塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体及び/又は塩化ビニル/アクリル共重合体)が45/55を下回る場合、(塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体及び/又は塩化ビニル/アクリル共重合体)の割合が多くなり、本発明のインキ組成物を用いて形成する印刷物が硬くなり、やはり上記フィルムに対する接着性が不充分となる可能性がある。
(本発明のインキ組成物に併用できる顔料分散剤)
併用できる顔料分散剤としては、一般に有機溶剤を含有するグラビアインキ組成物で使用できるポリエステル系顔料分散剤が使用できる。具体的には、アジスパーPB821、PB822、PB824、PB881(味の素ファインテクノ社製)、ソルスパース24000、56000(日本ルーブリゾール社製)等が挙げられ、これらの中でも塩基性基含有ポリエステル系高分子分散剤が好適に使用できる。
顔料分散剤の含有量は、全顔料100質量部に対して、通常1〜200質量部が好ましく、より好ましくは1〜60質量部である。
(その他の併用できる成分)
本発明のインキ組成物には、ロジン及びその誘導体、ダンマル樹脂、塩素化ポリプロピレン、シリカ、ポリエチレンワックス、及び脂肪酸アミドから選ばれる少なくとも1種を含有させることが好ましい。
ロジン及びその誘導体、塩素化ポリプロピレン、ダンマル樹脂は、各種フィルムに対する接着性、ラミネート適性を向上させるものである。これらを1種以上含有させることが好ましい。
シリカ、ポリエチレンワックス、脂肪酸アミドは、トラッピング性、耐ブロッキング性を向上させるものである。これらを1種以上、好ましくは2種以上含有させることが好ましい。
(ロジン及びその誘導体)
ロジンとしては、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン等が挙げられる。一般的にロジンは松から得られる琥珀色、無定形の樹脂であり、天然から得られるため混合物であるが、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、ピマール酸、イソピマール酸、サンダラコピマール酸、デヒドロアビエチン酸という構成成分ごとに単離して用いても良く、本発明ではこれらもロジンと定義する。
ロジン誘導体は、上記のロジンを変性してなる化合物であり、具体的に以下に列挙する。
(1)水素化ロジン:共役二重結合に水素を付加(水素添加)させて、耐候性を向上させたロジンである。
(2)不均化ロジン: 不均化とは、二分子のロジンが反応し、共役二重結合を持った二
分子のアビエチン酸が、一方は芳香族を構成し、もう一方は単独二重結合の分子となる変性である。一般に水添ロジンよりは耐候性が劣るが、未処理よりは向上する。
(3)ロジン変性フェノール樹脂:オフセット印刷のインキには、メインバインダーとしてロジン変性フェノール樹脂が使われることが多い。ロジン変性フェノール樹脂は公知の製造法で得ることができる。
(4)ロジンエステル:ロジンから誘導されるエステル樹脂であり、古くから粘着・接着剤の粘着付与剤(タッキファイヤー)として用いられる。
(5)ロジン変性マレイン酸樹脂:ロジンに無水マレイン酸を付加反応させたもので、必要に応じてグリセリンなどの水酸基含有化合物を、無水酸基とエステル化させグラフトさせたものも含まれる。
(6)重合ロジン:天然樹脂のロジンから誘導される二量化された樹脂酸を含む誘導体である。
その他、公知のロジン、ロジン誘導体も用いることが可能であり、これらは単独だけでなく併用することができる。
さらに、ロジン及びロジン誘導体の酸価は120mgKOH/g以上であることが好ましい。酸価が120mgKOH/g以上であると、ラミネート強度が向上する。さらに好ましくは酸価が160mgKOH/g以上である。また、ロジン及びロジン誘導体の合計使用量は、本発明のインキ組成物の固形分質量%で、3.0質量%以下、好ましくは0.1〜3.0質量%である。
(塩素化ポリプロピレン)
塩素化ポリプロピレンとしては、塩素化度が20〜50のものを使用できる。塩素化度が20未満の塩素化ポリプロピレンは、有機溶剤との相溶性が低下する傾向がある。一方、塩素化度が50を超える場合、塩素化ポリプロピレンは、フィルムに対する接着性が低下する傾向がある。なお、塩素化度は、塩素化ポリプロピレン樹脂中の塩素原子の質量%で定義される。また、塩素化ポリプロピレンは、重量平均分子量が5000〜200000の変性された又は未変性の塩素化ポリプロピレンであることが好ましい。重量平均分子量が5000未満の場合、塩素化ポリプロピレンは、接着性が低下する傾向がある。一方、重量平均分子量が200000を超える場合、塩素化ポリプロピレンは、有機溶剤への溶解性が低下する傾向がある。また、塩素化ポリプロピレンの使用量は、本発明のインキ組成物の固形分質量%で、3.0質量%以下、好ましくは0.1〜3.0質量%である。
(ダンマル樹脂)
ダンマル樹脂は、ダマール、ダンマーとも表記され、植物由来の天然樹脂の一種である。詳細には、マレーシア、インドネシアなど東南アジアに生育するフタバガキ科又はカンラン科植物から得られる天然樹脂の一種である。使用する際には適当な有機溶剤に溶解させてワニスとする。ダンマル樹脂は塩素を含有しないため、インキ組成物に塩素化ポリオレフィン樹脂を使用する場合に比べ、塩素を排除・低減することができる。また、ダンマル樹脂の使用量は、本発明のインキ組成物の固形分質量%で、3.0質量%以下、好ましくは0.1〜3.0質量%である。
(ポリエチレンワックス)
ポリエチレンワックスとしては平均粒子径が1.0〜3.0μmの範囲のもの(なお、平均粒子径は、#1:Honeywell社製 Microtrac UPAにて測定した粒径を意味する)を使用する。ポリエチレンワックスの粒子径が1.0μmより小さいと、すべり性、ブロッキング性が低下し、粒子径が3.0μmより大きいとトラッピング性が低下する。また、ポリエチレンワックスの本発明のインキ組成物中の含有量は、好ましくは1.5質量%以下、好ましくは0.1〜1.5質量%の範囲である。含有量が1.5質量%より多いと、光沢が低下する傾向にある。
(脂肪酸アミド)
脂肪酸アミドとしては、脂肪酸残基とアミド基を有するものであれば特に限定されない。脂肪酸アミドとしては、例えば、モノアミド、置換アミド、ビスアミド、メチロールアミド、及びエステルアミド等が挙げられ、耐ブロッキング性が向上するため、モノアミド、置換アミド、及びビスアミドからなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。脂肪酸アミドの使用量は、本発明のインキ組成物中に、1質量%以下、好ましくは0.01〜1質量%の範囲である。
・モノアミド:モノアミドは下記一般式(1)で表される。
一般式(1) R1−CONH
(式中、R1は脂肪酸からCOOHを除いた残基を表す。)
モノアミドの具体例としては、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド等が挙げられる。
・置換アミド:置換アミドは下記一般式(2)で表される。
一般式(2) R2−CONH−R3
(式中、R2及びR3は脂肪酸からCOOHを除いた残基を表し、同一でも異なっていても良い。)
置換アミドの具体例としては、N−オレイルパルミチン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、N−ステアリルオレイン酸アミド、N−オレイルステアリン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド等が挙げられる。
・ビスアミド:ビスアミドは下記一般式(3)あるいは一般式(4)で表される。
一般式(3) R4−CONH−R5−HNCO−R6
一般式(4) R7−NHCO−R8−CONH−R9
(式中、R4、R6、R7、及びR9は脂肪酸からCOOHを除いた残基を表し、同一でも異なっていても良く、R5及びR8は炭素数1〜10のアルキレン基又はアリーレン基を表す。)
ビスアミドの具体例としては、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジステアリルアジピン酸アミド、N,N’−ジステアリルセバシン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミド等が挙げられる。
・メチロールアミド:メチロールアミドは下記一般式(5)で表される。
一般式(5) R10−CONHCHOH
(式中、R10は脂肪酸からCOOHを除いた残基を表す。)
メチロールアミドの具体例としては、メチロールパルミチン酸アミド、メチロールステアリン酸アミド、メチロールベヘン酸アミド、メチロールヒドロキシステアリン酸アミド、メチロールオレイン酸アミド、メチロールエルカ酸アミド等が挙げられる。
・エステルアミド:エステルアミドは、下記一般式(6)で表される。
一般式(6) R11−CONH−R12−OCO−R13
(式中、R11及びR13は脂肪酸からCOOHを除いた残基を表し、同一でも異なっていても良く、R12は炭素数1〜10のアルキレン基又はアリーレン基を表す。)
エステルアミドの具体例としては、ステアロアミドエチルステアレート、オレイルアミドエチルウレアレート等が挙げられる。
脂肪酸アミドの融点は、50〜150℃であることが好ましい。
また、脂肪酸アミドを構成する脂肪酸としては、炭素数12〜22の飽和脂肪酸及び/又は炭素数16〜25の不飽和脂肪酸が好ましく、炭素数16〜18の飽和脂肪酸及び/又は炭素数18〜22の不飽和脂肪酸がより好ましい。飽和脂肪酸として特に好ましくはラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ヒドロキシステアリン酸であり、不飽和脂肪酸として特に好ましくはオレイン酸、エルカ酸である。
また、硝化綿、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂を耐ブロッキング性向上等の目的でインキ組成物に含有させることもできる。
(硝化綿)
硝化綿としては、従来からグラビアインキ組成物に使用されている硝化綿が使用できる。硝化綿としては、天然セルロースと硝酸を反応させて、天然セルロース中の無水グルコピラノース基の6員環中の3個の水酸基を、硝酸基に置換した硝酸エステルとして得られるものである。本発明に使用される硝化綿としては、窒素量10〜13%、平均重合度35〜90のものが好ましく用いられる。具体例としては、SS1/2、SS1/4、SS1/8、TR1/16、NC RS−2、(KCNC、KOREA CNC LTD社製)等を挙げることができる。硝化綿の使用量は、本発明のインキ組成物中に、2.0質量%以下の範囲であることが好ましい。
(セルロースアセテートプロピオネート樹脂)
セルロースアセテートプロピオネート樹脂としては、従来からグラビアインキ組成物に使用されているセルロースアセテートプロピオネート樹脂が使用できる。
セルロースアセテートプロピオネート樹脂は、セルロースを酢酸及びプロピオン酸でトリエステル化した後に加水分解して得られる。一般的にはアセチル基は0.6〜2.5重量%、プロピオネート基は42〜46重量%、水酸基は1.8〜5重量%である樹脂が市販されている。セルロースアセテートプロピオネート樹脂の使用量は、本発明のインキ組成物に、3.0質量%以下の範囲であることが好ましい。
(セルロースアセテートブチレート樹脂)
セルロースアセテートブチレート樹脂としては、従来からグラビアインキ組成物に使用されているセルロースアセテートブチレート樹脂が使用できる。
セルロースアセテートブチレート樹脂は、酢酸及び酪酸でトリエステル化した後、加水分解して得られる。一般的にはアセチル基は2〜30重量%、ブチリル基は17〜53重量%、水酸基は1〜5重量%の樹脂が市販されている。セルロースアセテートブチレート樹脂の使用量は、本発明のインキ組成物中に、0.1〜3.0質量%の範囲であることが好ましい。
(その他の材料)
本発明のインキ組成物には、更に帯電防止剤、可塑剤等の各種添加剤を添加することができる。
[本発明のインキ組成物を用いたラミネート印刷物の製造方法]
次に、本発明のインキ組成物を用いてラミネート印刷物を得る方法について説明する。なお、本発明により得られたポリウレタンポリウレア樹脂は、ラミネート以外の用途やグラビア用以外の用途にも使用できる。
ラミネート印刷物を得る方法には、少なくとも下記印刷方法を含む。例えば、公知のラミネート用の基材となる樹脂フィルムに、少なくとも、ラミネート用グラビアインキ組成物をグラビア印刷方式で1回以上印刷を行う。次いで、これらの印刷により形成したグラビアラミネート用印刷インキ層の表面側(最終ラミネート後において、表層からみて下層側)の任意の個所に、他のグラビアラミネート印刷用インキ組成物をグラビア印刷方式で印刷を行い、ドライヤーにより乾燥させる。
上記の方法で得られた印刷物のグラビアラミネート印刷用インキ組成物による層の側に、樹脂フィルム等を各種方法によるラミネート加工を施して、包装袋等用のラミネート印刷物を得ることができる。このラミネート加工法としては、印刷物の表面にアンカーコート剤を塗工した後、溶融ポリマーを積層させる押し出しラミネート法、印刷物の表面に接着剤を塗工した後、フィルム状ポリマーを貼合させるドライラミネート法が利用できる。
上記押し出しラミネート法は、インキ組成物による層を含む印刷物の表面に、必要に応じて、チタン系、ウレタン系、イミン系、ポリブタジエン系等のアンカーコート剤を塗工した後、既知の押し出しラミネート機によって、溶融ポリマーを積層させる方法であり、更に溶融樹脂を中間層として、他の材料とサンドイッチ状に積層することもできる。
上記押し出しラミネート法で使用する溶融ポリマーとしては、低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン等、従来使用されていた樹脂が使用できる。その中でも溶融の際に酸化されてカルボニル基が発生し易い低密度ポリエチレンを採用すると本発明の効果が高くなる。
また、上記ドライラミネート法は、グラビアラミネート印刷用インキ組成物による層の表面にウレタン系、イソシアネート系等の接着剤を塗工した後、既知のドライラミネート機によってフィルム状のポリマーを貼合する方法である。ドライラミネート法で使用するフィルム用の樹脂としては、ポリエチレン、無延伸ポリプロピレン等が使用できる。特にレトルト用途で使用される包装材料を得るために、基材と貼合される樹脂フィルムの間にアルミ箔をはさんでラミネートすることもできる。このようなラミネート加工物は、製袋して内容物を詰めた後、ボイル・レトルト用途に利用することもできる。
このとき使用される上記樹脂フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの延伸及び無延伸ポリオレフィン、ポリエステル、ナイロン、セロファン、ビニロン等を挙げることができる。さらにこれら樹脂フィルムについては、予め防曇剤の塗工、練り込み、マット剤の表面塗工、練り込みなどの加工をして得られるフィルムも使用することが可能である。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味するものである。また、表中の各材料の分量の数字についても「質量部」である。酸価の単位はmgKOH/gである。
<ケチミン溶液1の製造方法>
イソホロンジアミン51部、アミノエチルエタノールアミン31.2部、及びアセトン174部を混合し、室温で1時間攪拌してケチミン溶液1を得た。
<ケチミン溶液2の製造方法>
イソホロンジアミン51部、アミノエチルエタノールアミン31.2部、及びジエチルケトン258部を混合し、室温で1時間攪拌してケチミン溶液2を得た。
<ケチミン溶液3の製造方法>
エチレンジアミン36部及びアセトン174部を混合し、室温で1時間攪拌してケチミン溶液3を得た。
<ケチミン溶液4の製造方法>
イソホロンジアミン51部、アミノエチルエタノールアミン31.2部、及びメチルイソブチルケトン300部を混合し、室温で1時間攪拌してケチミン溶液4を得た。
<ケチミン溶液5の製造方法>
イソホロンジアミン51部、アミノエチルエタノールアミン31.2部、及びアセトン/イソプロピルアルコール=3:7(質量比)の混合液177部を混合し、室温で1時間攪拌してケチミン溶液5を得た。
<PU−1の製造方法(アセトンでケチミン化)>
攪拌機、冷却管及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに平均分子量4000の3−メチル−1,5−ペンチレンアジペートジオール400部及びイソホロンジイソシアネート33.3部、テトラブチルチタネート0.04部を仕込み、窒素ガスを導入しながら90〜100℃で6時間反応させた。酢酸プロピル810部、イソプロピルアルコール202部を加えた後、室温近くまで冷却し、ケチミン溶液1の25.6部を加えて30分間攪拌し、PU−1(固形分30質量%)を得た。
<PU−2の製造方法(アセトンでケチミン化)>
攪拌機、冷却管及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに平均分子量4000の3−メチル−1,5−ペンチレンアジペートジオール400部、平均分子量2000のポリプロピレングリコール100部、及びイソホロンジイソシアネート49.9部、テトラブチルチタネート0.05部を仕込み、窒素ガスを導入しながら90〜100℃で6時間反応させた。酢酸プロピル1029部、イソプロピルアルコール257部を加えた後、室温近くまで冷却し、ケチミン溶液1の38.4部を加えて30分間攪拌し、PU−2(固形分30質量%)を得た。
<PU−3の製造方法(ジエチルケトンでケチミン化)>
攪拌機、冷却管及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに平均分子量4000の3−メチル−1,5−ペンチレンアジペートジオール400部及びイソホロンジイソシアネート33.3部、テトラブチルチタネート0.04部を仕込み、窒素ガスを導入しながら90〜100℃で6時間反応させた。酢酸プロピル803部、イソプロピルアルコール200部を加えた後、室温近くまで冷却し、ケチミン溶液2の34部を加えて30分間攪拌し、PU−3(固形分30質量%)を得た。
<PU−4の製造方法(アセトンでケチミン化)>
攪拌機、冷却管及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに平均分子量4000の3−メチル−1,5−ペンチレンアジペートジオール400部及びイソホロンジイソシアネート40.0部、テトラブチルチタネート0.04部を仕込み、窒素ガスを導入しながら90〜100℃で6時間反応させた。酢酸プロピル823部、イソプロピルアルコール206部を加えた後、室温近くまで冷却し、ケチミン溶液1の41部を加えて30分間攪拌し、PU−4(固形分30質量%)を得た。
<PU−5の製造方法(アセトンでケチミン化)>
攪拌機、冷却管及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに平均分子量4000の3−メチル−1,5−ペンチレンアジペートジオール400部及びイソホロンジイソシアネート33.3部、テトラブチルチタネート0.04部を仕込み、窒素ガスを導入しながら90〜100℃で6時間反応させた。酢酸プロピル810部、イソプロピルアルコール202部を加えた後、室温近くまで冷却し、ケチミン溶液1の29.9部を加えて30分間攪拌し、PU−5(固形分30質量%)を得た。
<PU−6の製造方法(アセトンでケチミン化)>
攪拌機、冷却管及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに平均分子量4000のポリプロピレングリコール400部及びイソホロンジイソシアネート33.3部、テトラブチルチタネート0.04部を仕込み、窒素ガスを導入しながら90〜100℃で6時間反応させた。酢酸プロピル810部、イソプロピルアルコール202部を加えた後、室温近くまで冷却し、ケチミン溶液1の25.6部を加えて30分間攪拌し、PU−6(固形分30質量%)を得た。
<PU−7の製造方法(アセトンでケチミン化)>
攪拌機、冷却管及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに平均分子量4000の3−メチル−1,5−ペンチレンアジペートジオール400部及びテトラメチルキシリレンジイソシアネート36.6部、テトラブチルチタネート0.09部を仕込み、窒素ガスを導入しながら100〜110℃で6時間反応させた。酢酸プロピル816部、イソプロピルアルコール204部を加えた後、室温近くまで冷却し、ケチミン溶液1の25.6部を加えて30分間攪拌し、PU−7(固形分30質量%)を得た。
<PU−8の製造方法(アセトンでケチミン化)>
攪拌機、冷却管及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに平均分子量4000の3−メチル−1,5−ペンチレンアジペートジオール400部及びイソホロンジイソシアネート31.5部、テトラブチルチタネート0.04部を仕込み、窒素ガスを導入しながら90〜100℃で6時間反応させた。酢酸プロピル802部、イソプロピルアルコール200部を加えた後、室温近くまで冷却し、ケチミン溶液3の21部を加えて30分間攪拌し、PU−8(固形分30質量%)を得た。
<PU−9の製造方法(ジアミンで鎖伸長)>
攪拌機、冷却管及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに平均分子量4000の3−メチル−1,5−ペンチレンアジペートジオール400部及びイソホロンジイソシアネート33.3部、テトラブチルチタネート0.04部を仕込み、窒素ガスを導入しながら90〜100℃で6時間反応させた。酢酸プロピル824部、イソプロピルアルコール206部を加えた後、室温近くまで冷却し、イソホロンジアミン5.1部及びアミノエチルエタノールアミン3.1部を加えて30分間攪拌し、PU−9(固形分30質量%)を得た。
<PU−10の製造方法(メチルイソブチルケトンでケチミン化)>
攪拌機、冷却管及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに平均分子量4000の3−メチル−1,5−ペンチレンアジペートジオール400部及びイソホロンジイソシアネート33.3部、テトラブチルチタネート0.04部を仕込み、窒素ガスを導入しながら90〜100℃で6時間反応させた。酢酸プロピル800部、イソプロピルアルコール200部を加えた後、室温近くまで冷却し、ケチミン溶液4の38.2部を加えて30分間攪拌し、PU−10(固形分30質量%)を得た。
<PU−11の製造方法(ケチミン化時に別の溶剤で希釈)>
攪拌機、冷却管及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに平均分子量4000の3−メチル−1,5−ペンチレンアジペートジオール400部及びイソホロンジイソシアネート33.3部、テトラブチルチタネート0.04部を仕込み、窒素ガスを導入しながら90〜100℃で6時間反応させた。酢酸プロピル810部、イソプロピルアルコール203部を加えた後、室温近くまで冷却し、ケチミン溶液5の17.7部を加えて30分間攪拌し、PU−11(固形分30質量%)を得た。
<PU−12の製造方法(アセトンでケチミン化)>
攪拌機、冷却管及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに平均分子量5000の3−メチル−1,5−ペンチレンアジペートジオール400部及びイソホロンジイソシアネート28.4部、テトラブチルチタネート0.08部を仕込み、窒素ガスを導入しながら90〜100℃で6時間反応させた。酢酸プロピル801部、イソプロピルアルコール200部を加えた後、室温近くまで冷却し、ケチミン溶液1の24.6部を加えて30分間攪拌し、PU−12(固形分30質量%)を得た。
<PU−13の製造方法>
PU−1の製造方法で、平均分子量4000の3−メチル−1,5−ペンチレンアジペートジオールの縮合物を、ジオール成分として、1,4−ブタンジオール/ネオペンチルグリコール=50/50(モル比)と、ジカルボン酸成分として、アジピン酸を用いて重合した平均分子量4000のポリエステルポリオールに変更して、それ以外は同様に製造を行い、PU−13(固形分30質量%)を得た。
<PU−14の製造方法>
PU−1の製造方法で、平均分子量4000の3−メチル−1,5−ペンチレンアジペートジオールの縮合物を、ジオール成分として、1,4−ブタンジオール/2−メチル−1,3−プロパンジオール=50/50(モル比)と、ジカルボン酸成分として、アジピン酸を用いて重合した平均分子量4000のポリエステルポリオールに変更して、それ以外は同様に製造を行い、PU−14(固形分30質量%)を得た。
<PU−15の製造方法>
PU−1の製造方法で、平均分子量4000の3−メチル−1,5−ペンチレンアジペートジオールの縮合物を、ジオール成分として、ジエチレングリコール/ネオペンチルグリコール=50/50(モル比)と、ジカルボン酸成分として、アジピン酸を用いて重合した平均分子量4000のポリエステルポリオールに変更して、それ以外は同様に製造を行い、PU−15(固形分30質量%)を得た。
<PU−16の製造方法>
PU−1の製造方法で、平均分子量4000の3−メチル−1,5−ペンチレンアジペートジオールの縮合物を、ジオール成分として、ジエチレングリコール/2−メチル−1,3−プロパンジオール=40/60(モル比)と、ジカルボン酸成分として、アジピン酸を用いて重合した平均分子量4000のポリエステルポリオールに変更して、それ以外は同様に製造を行い、PU−16(固形分30質量%)を得た。
<PU−17の製造方法>
PU−1の製造方法で、平均分子量4000の3−メチル−1,5−ペンチレンアジペートジオールの縮合物を、ジオール成分として、2−メチル−1,3−プロパンジオールと、ジカルボン酸成分として、セバシン酸/コハク酸=40/60(モル比)を用いて重合した平均分子量4000のポリエステルポリオールに変更して、それ以外は同様に製造を行い、PU−17(固形分30質量%)を得た。
<PU−18の製造方法>
PU−1の製造方法で、平均分子量4000の3−メチル−1,5−ペンチレンアジペートジオールの縮合物を、ジオール成分として、ジエチレングリコールと、ジカルボン酸成分として、セバシン酸/コハク酸=35/65(モル比)を用いて重合した平均分子量4000のポリエステルポリオールに変更して、それ以外は同様に製造を行い、PU−18(固形分30質量%)を得た。
<PU−19の製造方法>
PU−1の製造方法で、平均分子量4000の3−メチル−1,5−ペンチレンアジペートジオールの縮合物を、ジオール成分として、1,3−プロパンジオールと、ジカルボン酸成分として、ダイマー酸/コハク酸=20/80(モル比)を用いて重合した平均分子量4000のポリエステルポリオールに変更して、それ以外は同様に製造を行い、PU−19(固形分30質量%)を得た。
<PU−20の製造方法>
PU−1の製造方法で、平均分子量4000の3−メチル−1,5−ペンチレンアジペートジオールの縮合物を、ジオール成分として、ジエチレングリコールと、ジカルボン酸成分として、ダイマー酸/コハク酸=20/80(モル比)を用いて重合した平均分子量4000のポリエステルポリオールに変更して、それ以外は同様に製造を行い、PU−20(固形分30質量%)を得た。
<PU−21の製造方法>
PU−1の製造方法で、平均分子量4000の3−メチル−1,5−ペンチレンアジペートジオールの縮合物を、ジオール成分として、1,4−ブタンジオールと、ジカルボン酸成分として、アゼライン酸 /コハク酸=50/50(モル比)を用いて重合した平均分子量4000のポリエステルポリオールに変更して、それ以外は同様に製造を行い、PU−21(固形分30質量%)を得た。
<PU−22の製造方法>
PU−1の製造方法で、平均分子量4000の3−メチル−1,5−ペンチレンアジペートジオールの縮合物を、ジオール成分として、2,5−ヘキサンジオールと、ジカルボン酸成分として、アゼライン酸 /コハク酸=40/60(モル比)を用いて重合した平均分子量4000のポリエステルポリオールに変更して、それ以外は同様に製造を行い、PU−22(固形分30質量%)を得た。
(顔料)
酸化チタン(R−960、デュポン社製)
フタロシアニンブルー(ピグメントブルー15:4)
(シリカ粒子)
平均粒子径4.5μmのシリカ粒子
<実施例及び比較例の各インキ組成物の製造例>
顔料、ポリウレタン樹脂ワニス(PU−1〜PU−22)、シリカ及び溶剤をレッドデビル社製のペイントコンディショナーを用いて混練し、表1に示した実施例及び比較例のインキ組成物を得た。
<印刷>
実施例及び比較例の各インキ組成物の各々100質量部を混合溶剤(酢酸エチル/酢酸プロピル/イソプロピルアルコール=50/25/25、質量比)で希釈し、粘度を離合社製ザーンカップ3号で15秒に調整した。各種フィルムの処理面にグラビア印刷機を利用して、上記各希釈インキ組成物を下記条件で印刷、乾燥して、印刷物を得た。また、得られた印刷物を用いてアミン臭の評価を行った。具体的な評価方法を以下に示す。
(印刷方法・印刷条件)
印刷時の部屋の環境:温度25℃、湿度50%
塗工機:グラビア印刷機
塗工速度:150m/min
刷版:ダイレクト175線 28μm ベタ版
乾燥温度:55℃
(各種フィルム)
OPP:コロナ放電処理した二軸延伸ポリプロピレンフィルム、東洋紡社製 P−216
1、厚さ25μm
PET(フィルム):片面にコロナ放電処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム、東洋紡社製、E−5102、厚さ12μm
NY:ナイロンフィルム、東洋紡社製、N−1102、厚さ15μm
(印刷物のアミン臭)
得られた各印刷物の印刷面に鼻を当てて、臭気を官能試験で評価した。結果を表1に示す。
○:アミン臭が認められない。
△:アミン臭が若干認められる。
×:アミン臭が認められる。
(押出ラミネート強度)
実施例及び比較例の各印刷物に対し、OPP系ではポリエチレンイミン系アンカーコート剤(株式会社日本触媒、エポミンP−1000)、PET及びNY系ではイソシアネート系アンカーコート剤(三井化学株式会社、タケラックA−3210及びタケネートA−3070)を用い、押出ラミネート機にて溶融ポリエチレンを積層してラミネート加工物を得た。これらのラミネート加工物を40℃で1日経時後15mm幅に切断し、(安田精機製作所社製)剥離試験機を用いて、押出ラミネート強度としてT型剥離強度を測定した。結果を表1に示す。
<評価基準>
押出ラミネート強度(g/15mm)の実測値を記載した。「>500」とは、500g/15mmを超えたことを示す。
Figure 2021070812
Figure 2021070812
ケチミン化されたポリウレタンポリウレア樹脂を使用した実施例1〜20のインキ組成物は、アミン臭がしなかった。加えて、各種フィルムに形成した印刷面に押出ラミネートをして得た押出ラミネートフィルムはより高いラミネート強度を有していた。
しかしながら、ジオール化合物としてポリプロピレングリコールのみを使用した比較例1、イソシアネート化合物として、テトラメチルキシリレンジイソシアネートを使用した比較例2によれば、印刷をしたフィルムが同じである実施例による結果と比べて、より低い押出ラミネート強度を示すに留まった。
また、ケチミン化されないポリウレタンポリウレア樹脂を使用した比較例3及び4によれば、印刷物がアミン臭を有していた。

Claims (3)

  1. ジイソシアネート化合物と高分子ジオール化合物を反応させてなるポリウレタンポリウレア樹脂を含有するインキ組成物であって、
    ジイソシアネート化合物がイソホロンジイソシアネートを含有し、かつ高分子ジオール化合物がポリエステルポリオール、ポリアルキレングリコール及びポリエーテルジオールから選ばれた1種又は2種以上を含有し、
    ポリウレタンポリウレア樹脂はケチミン化されたアミノ基を有するインキ組成物。
  2. ケチミン化されたアミノ基は、アセトン及び又はジエチルケトンによりケチミン化されたものである請求項1に記載のインキ組成物。
  3. ポリウレタンポリウレア樹脂はウレタンプレポリマーが鎖伸長されたものであり、分子内の鎖伸長剤に由来する個所がケチミン化されてなる請求項1又は2に記載のインキ組成物。
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