JP7271838B2 - リキッド印刷インキおよび印刷物 - Google Patents

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Description

本発明は、グラビアインキやフレキソインキ等の有機溶剤型のリキッド印刷インキに関する。
軟包装フィルム等の被印刷体に美粧性、機能性を付与させる目的で、グラビアインキ、フレキソインキが広く用いられている。特に、ポリマージオールとジイソシアネートを用いるポリウレタン樹脂をバインダーとするグラビアインキやフレキソインキは、適度な極性と凝集力を有しており、印刷適性に影響を与えるエステル系/アルコール系溶剤への溶解性や、耐ブロッキング性などの皮膜物性を両立できるため、広く用いられている。
グラビア、フレキソ印刷された被印刷体が、包装材料の中でも特に食品向けや衛生用品向けの包装材料として用いられる場合、内容物との接触を防ぐべく内容物に触れる包材側に当たる裏側には印刷せず、包装材料の外側のみにデザイン印刷する表刷り印刷や、ラミネート加工を施したラミネート印刷とするのが一般的である。
軟包装フィルムの外側のみにデザイン印刷する表刷り印刷においては、軟包装フィルムの外側に印刷されたインキ皮膜が、直接外力によって擦れたり他の物質と接触する為に、インキそのものの皮膜強度や耐性が要求される。例えば他の物質と接触しても傷等が生じないこと(耐スクラッチ性)、有機溶剤や油分が付着したり梱包段階で食品中の油分が付着した場合であっても、絵柄が溶けたり剥がれる事のない耐油性等が要求される。
またラミネート印刷においては、ラミネート加工時に、ガイドロールとインキ被膜が直接接触するため、その際の耐摩擦性が要求される。
一方近年、循環型社会の構築を求める声の高まりとともに、材料分野においてもエネルギーと同様に化石燃料からの脱却が望まれており、バイオマスの利用が注目されている。バイオマスは、二酸化炭素と水から光合成された有機化合物であり、それを利用することにより、再度二酸化炭素と水になる、いわゆるカーボンニュートラルな再生可能エネルギーである。昨今、これらバイオマスを原料としたバイオマスプラスチックの実用化が急速に進んでいる。
バイオマス原料としてセバシン酸は知られている。セバシン酸を利用したグラビア印刷インキとしては、例えば、コハク酸、セバシン酸、およびダイマー酸からなる群から選ばれる少なくとも1種のバイオマス由来の前記ポリカルボン酸を原料とするバイオマス由来のポリウレタンウレア樹脂と、溶液と、色材と、溶剤とを、混合、分散する裏刷り用溶剤型グラビア印刷インキ組成物や(例えば特許文献1参照)、ポリオール成分としてセバシン酸とポリオールを反応させてなる末端OH基を有するポリエステルポリオールを有し、このポリオール成分とポリイソシアネート成分からなるポリウレタン樹脂を含有する表刷り用グラビア印刷インキ組成物が知られている。(例えば特許文献2参照)
しかしながら、セバシン酸を反応原料とするウレタン樹脂を使用したリキッド印刷インキは、時として、耐スクラッチ性や耐油性に劣ることがあった。
特開2018-62642号公報 特開2018-188558号公報
本発明が解決しようとする課題は、バイオマス由来原料を使用し、耐スクラッチ性、耐油性、および印刷適性に優れるリキッド印刷インキを提供することにある。
本発明者らは、バイオマス原料であるセバシン酸と芳香族ポリカルボン酸を含有するポリエステルポリオールと、ポリエーテルポリオールを反応原料としたポリウレタン樹脂と塩素化ポリプロピレンとを併用したリキッド印刷インキが、耐スクラッチ性、耐油性、および印刷適性のバランスに優れることを見出した。
一般に、セバシン酸を原料とするウレタン樹脂は印刷適性を低下させる傾向にある。例えば特許文献3の実施例で使用されているウレタン樹脂は、印刷適性、耐スクラッチ性、耐油性のすべてを満たすインキとならないことがあった。
本発明者らは、セバシン酸のほかに芳香族ポリカルボン酸をウレタン樹脂の原料とし、すなわちセバシン酸と芳香族系ポリカルボン酸を含有することで所望の耐油性を発現させると同時に、ウレタン樹脂の原料としてポリエーテルポリオールのような柔軟な成分を一定量含有することで、耐油性を維持しながら、インキ皮膜にある程度の弾性を付与できることを見出した。さらに塩素化ポリプロピレンを併用することで、表刷りインキや(裏刷り)ラミネートインキに所望される耐スクラッチ性、耐油性、および印刷適性のバランスに優れるインキを見出した。
すなわち本発明は、ポリエステルポリオールを反応原料とするポリウレタン樹脂(A)と塩素化ポリオレフィン(B)を含有するリキッド印刷インキであって、
前記ポリエステルポリオールが、セバシン酸と芳香族ポリカルボン酸を含有するポリカルボン酸とポリオールとを反応原料とするポリエステルポリオール(A1)であるリキッド印刷インキを提供する。
また本発明は、基材上に前記記載のリキッド印刷インキを印刷した印刷層を有する印刷物を提供する。
本発明により、バイオマス由来原料を使用し、耐スクラッチ性、耐油性、および印刷適性に優れるリキッド印刷インキを得ることができる。
(言葉の定義)
本発明においてリキッド印刷インキとは、グラビアインキまたはフレキソインキ等の、印刷版を使用する印刷方法に適用されるリキッド状のインキを指し、好ましくはグラビアインキまたはフレキソインキである。また本発明のリキッド印刷インキは活性エネルギー硬化性の成分を含んでおらず、即ち活性エネルギー線非反応性のリキッドインキである。
なお以下の説明で用いる「インキ」とは全て「印刷インキ」を示す。また「部」とは全て「質量部」を示す。
(ポリエステルポリオールを反応原料とするポリウレタン樹脂(A))
本発明で使用するポリエステルポリオールを反応原料とするポリウレタン樹脂(A)は、少なくともポリエステルポリオールを含有するポリオールとポリイソシアネートを反応させて得たポリウレタン樹脂である。
(ポリエステルポリオール)
本発明で使用するポリエステルポリオールは、セバシン酸と芳香族ポリカルボン酸を含有するポリカルボン酸とポリオールとを反応原料とするポリエステルポリオール(A1)を必須成分として含有する。
ポリエステルポリオール(A1)の原料である芳香族ポリカルボン酸としては、特に限定されないが、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸、ナフタレン-2,7-ジカルボン酸、ジフェニル-4,4´-ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、インデン-4,7-ジカルボン酸、ナフタレン-2,5-ジカルボン酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸、アズレン-2,5-ジカルボン酸、ヘプタレン-1,7-ジカルボン酸、ビフェニレン-1,5-ジカルボン酸、as-インダセン-2,6-ジカルボン酸、s-インダセン-1,7-ジカルボン酸、アセナフチレン-3,8-ジカルボン酸、フルオレン-1,8-ジカルボン酸、フェナレン-4,8-ジカルボン酸、フェナントレン-1,6-ジカルボン酸、アントラセン-1,8-ジカルボン酸、フルオランテン-6,7-ジカルボン酸、アセフェナントリレン-3,8-ジカルボン酸、アセアントリレン-3,7-ジカルボン酸、トリフェニレン-2,10-ジカルボン酸、ピレン-1,6-ジカルボン酸、クリセン1,7-ジカルボン酸、ナフタセン-1,5-ジカルボン酸、プレイアンデン2,5-ジカルボン酸、ピセン-2,8-ジカルボン酸、ペリレン-2,8-ジカルボン酸、ペンタフェン-5,11-ジカルボン酸、ペンタセン2,6-ジカルボン酸、これらのアルキル核置換カルボン酸、および、これらのハロゲン核置換カルボン酸等の芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。これらは単独で使用しても、併用してもよい。
これらの中でも、フタル酸類、特にテレフタル酸又はイソフタル酸が好ましい。
前記ポリエステルポリオール(A1)において、前記芳香族ポリカルボン酸の使用量は、ポリカルボン酸全量に対しモル比率で5~80%であることが好ましく、より好ましくは10~70%であり、最も好ましくは10~60%である。ポリエステルポリオール全量に対する芳香環基濃度(mol/g)としては、0.01~0.22mol/gが好ましい。
芳香環基濃度は以下式から算出する。
Figure 0007271838000001
本発明においては、セバシン酸および芳香族ポリカルボン酸以外のカルボン酸を、本発明の効果を損なわない範囲において1種または2種以上を併用して使用してもよい。このようなカルボン酸としては、例えば、例えばアジピン酸、マレイン酸、フマル酸、こはく酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、ダイマー酸、等が挙げられる。
また、バイオマスの観点から原料を選択する場合、植物由来のポリカルボン酸としては、上記カルボン酸のうち、セバシン酸、こはく酸、無水こはく酸、ダイマー酸等があげられる。
(ポリオール)
前記ポリエステルポリオール(A1)の原料であるポリオールは、特に限定されないが、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール等のグリコール;2-メチル-1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2-イソプロピル-1,4-ブタンジオール、2,4-ジメチル-1,5-ペンタンジオール2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2-エチル-1,6-ヘキサンジオール、3,5-ヘプタンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール等の分岐構造を有するグリコール;グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等があげられる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
また、バイオマスの観点から原料を選択する場合、植物由来のポリオールとしては、上記カルボン酸のうち、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ジエチレングリコール、グリセリンなどが挙げられる。
等があげられる。
前記ジカルボン酸と前記ポリオールとは、例えば、種々のエステル化触媒存在下、減圧下で100~300℃で加熱攪拌して得られる。
中でも、前記ポリエステルポリオール(A1)は、セバシン酸と芳香族ポリカルボン酸を含有する前記植物由来のポリカルボン酸と、炭素原子数が2~10の短鎖ジオールとを反応原料とするポリエステルポリオール(A1-1)であることが好ましい。
炭素原子数が2~10の短鎖ジオールとしては、例えば、3-メチル-1,5ペンタンジオール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、2-メチルー1,3-プロパンジオールがあげられる。
前記ポリエステルポリオール(A1)の数平均分子量は、370~7,000であることが好ましく、より好ましくは500~5000である。また水酸基価は、16~300mgKOH/gであることが好ましく、より好ましくは20~200mgKOH/gである。
なお本発明において、重量平均分子量や数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により、下記の条件で測定した値を示す。
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC-8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度0.4質量%のテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
〔標準ポリスチレン〕
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-550」
なお本発明において、水酸基価は、ポリウレタン樹脂中の水酸基を過剰のアセチル試薬にてアセチル化した際の、残存する酸をアルカリで逆滴定して算出した樹脂1g中の水酸基量を、水酸化カリウム(KOH)のmg数で示したものであり、JISK0070に準じたものである。
(ポリエーテルポリオール(A2))
本発明においては、例えば、前記ポリエステルポリオール(A1)以外のポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、エステル基やエーテル基を含まないポリオール等を、本発明の効果を損なわれない範囲で使用することができる。特にエーテル基を含有するポリエーテルポリオールを併用することが好ましい(以後本発明において前記ポリエステルポリオール(A1)と併用してポリウレタン樹脂(A)の反応原料となるポリエーテルポリオールを、「ポリエーテルポリオール(A2)」と称する)
本発明で使用するポリエーテルポリオール(A2)としては、特に限定されないが、例えば、酸化メチレン、酸化エチレン、テトラヒドロフランなどの重合体または共重合体のポリエーテルポリオール類があげられる。
好ましいポリエーテルポリオール(A2)としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールがあげられる。
前記ポリエーテルポリオール(A2)を併用する場合は、ポリウレタン樹脂の反応原料であるポリオール全量に対して10~80重量%の範囲で併用することが好ましい。中でも20~70重量%であることが好ましく、30~60重量%であることが最も好ましい。
また、前記ポリエーテルポリオール(A2)の数平均分子量は、300~6,000であることが好ましく、より好ましくは400~4000 である。
また前記ポリエーテルポリオール(A2)の水酸基価は18.5~300mgKOH/gであることが好ましくより好ましくは30~280の範囲である。
その他のポリオールとしては、例えば、ポリウレタン樹脂の製造に一般的に用いられる各種公知のポリオールを用いることができ、1種または2種以上を併用してもよい。例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-2ブチル-1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3-メチル-1,5ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4-ブチンジオール、1,4―ブチレンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6-ヘキサントリオール、1,2,4-ブタントリオール、ソルビトール、ペンタエスリトールなどの飽和または不飽和の低分子ポリオール類及び/またはバイオマス資源由来の低分子ポリオール(1)、これらの低分子ポリオール類(1)と、(セバシン酸とセバシン酸と芳香族ポリカルボン酸の組み合わせを除く)アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、こはく酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸あるいはこれらの無水物及び/またはバイオマス資源由来の多価カルボン酸とを脱水縮合または重合させて得られるポリエステルポリオール類(2);環状エステル化合物、例えばポリカプロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリ(β-メチル-γ-バレロラクトン)等のラクトン類、を開環重合して得られるポリエステルポリオール類(3);前記低分子ポリオール類(1)などと、例えばジメチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、ホスゲン等との反応によって得られるポリカーボネートポリオール類(4);ポリブタジエングリコール類(5);ビスフェノールAに酸化エチレンまたは酸化プロピレンを付加して得られるグリコール類(6);1分子中に1個以上のヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロプル、アクリルヒドロキシブチル等、或いはこれらの対応するメタクリル酸誘導体等と、例えばアクリル酸、メタクリル酸又はそのエステルとを共重合することによって得られるアクリルポリオール(7)などが挙げられる。
(ポリイソシアネート)
本発明でポリウレタン樹脂(A)の反応原料として使用するポリイソシアネートとしては、ポリウレタン樹脂の製造に一般的に用いられる各種公知の芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートなどが挙げられる。例えば、1,3-フェニレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、1-メチル-2,4-フェニレンジイソシアネート、1-メチル-2,6-フェニレンジイソシアネート、1-メチル-2,5-フェニレンジイソシアネート、1-メチル-2,6-フェニレンジイソシアネート、1-メチル-3,5-フェニレンジイソシアネート、1-エチル-2,4-フェニレンジイソシアネート、1-イソプロピル-2,4-フェニレンジイソシアネート、1,3-ジメチル-2,4-フェニレンジイソシアネート、1,3-ジメチル-4,6-フェニレンジイソシアネート、1,4-ジメチル-2,5-フェニレンジイソシアネート、ジエチルベンゼンジイソシアネート、ジイソプロピルベンゼンジイソシアネート、1-メチル-3,5-ジエチルベンゼンジイソシアネート、3-メチル-1,5-ジエチルベンゼン-2,4-ジイソシアネート、1,3,5-トリエチルベンゼン-2,4-ジイソシアネート、ナフタレン-1,4-ジイソシアネート、ナフタレン-1,5-ジイソシアネート、1-メチル-ナフタレン-1,5-ジイソシアネート、ナフタレン-2,6-ジイソシアネート、ナフタレン-2,7-ジイソシアネート、1,1-ジナフチル-2,2’-ジイソシアネート、ビフェニル-2,4’-ジイソシアネート、ビフェニル-4,4’-ジイソシアネート、3-3’-ジメチルビフェニル-4,4’-ジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタン-2,4-ジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3-シクロペンチレンジイソシアネート、1,3-シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4-シクロヘキシレンジイソシアネート、1,3-ジ(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4-ジ(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,2’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’-ジメチル-4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式ポリイソシアネートなどを用いることができる。これらのポリイソシアネートは単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、適度な柔軟性が得られる点から、脂肪族ポリイソシアネート及び/又は脂環式ポリイソシアネートを用いることが好ましく、更に接着強度が一層向上できる点から、イソホロンジイソシアネートやヘキサメチレンジイソシアネートを用いることがより好ましい。
これらのジイソシアネート化合物は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
また、前記ポリウレタン樹脂(A)の合成において鎖伸長剤を使用してもよい。鎖伸長剤としては例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジアミンなどの他、2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2-ヒドロキシエチルプロピルジアミン、2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2-ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミンなど分子内に水酸基を有するアミン類も用いることが出来る。これらの鎖伸長剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
また、反応停止を目的とした末端封鎖剤として、一価の活性水素化合物を用いることもできる。かかる化合物としてはたとえば、ジ-n-ブチルアミン等のジアルキルアミン類やエタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類があげられる。更に、特にポリウレタン樹脂中にカルボキシル基を導入したいときには、グリシン、L-アラニン等のアミノ酸を反応停止剤として用いることができる。これらの末端封鎖剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
本発明のリキッドインキ組成物で使用するポリウレタン樹脂(A)は、ポリオール、ポリイソシアネート、及び鎖伸長剤、必要に応じて一価の活性水素化合物を反応させて得られる。例えば、ポリエステルポリオールおよび併用ポリオールとジイソシアネート化合物とをイソシアネート基が過剰となる割合で反応させ、末端イソシアネート基のプレポリマーを得、得られるプレポリマーを、適当な溶剤中、すなわち、リキッドインキ用の溶剤として通常用いられる、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n-ブタノールなどのアルコール系溶剤;トルエン、キシレン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどの炭化水素系溶剤;あるいはこれらの混合溶剤の中で、鎖伸長剤および(または)末端封鎖剤と反応させる二段法、あるいはポリエステルポリオールおよび併用ポリオール、ジイソシアネート化合物、鎖伸長剤および(または)末端封鎖剤を上記のうち適切な溶剤中で一度に反応させる一段法により製造される。これらの方法のなかでも、均一なポリウレタン樹脂(A)を得るには、二段法によることが好ましい。また、ポリウレタン樹脂(A)を二段法で製造する場合、鎖伸長剤および(または)末端封鎖剤のアミノ基の合計(当量比)が1/0.9~1.3の割合になるように反応させることが好ましい。イソシアネート基とアミノ基との当量比が1/1.3より小さいときは、鎖伸長剤および(または)末端封鎖剤が未反応のまま残存し、ポリウレタン樹脂が黄変したり、印刷後臭気が発生したりする場合がある。
このようにして得られるポリウレタン樹脂(A)の数平均分子量は、5,000~70,000の範囲内とすることが好ましく、より好ましくは7,000~50,000の範囲である。ポリウレタン樹脂の数平均分子量が5,000未満の場合には、得られるインキの耐ブロッキング性、印刷被膜の強度や耐油性などが低くなる傾向があり、70,000を超える場合には、得られるインキの粘度が高くなり、印刷被膜の光沢が低くなる傾向がある。
ポリウレタン樹脂(A)は、中でも、前記ポリエステルポリオール(A1)とポリエーテルポリオール(A2)をイソシアネート成分と反応させたポリウレタン樹脂であり、前記ポリエーテルポリオールがポリオール全量に対し10~80重量%であることが好ましい。この範囲において、耐スクラッチ性や印刷適性の向上が期待できる。
また、ポリウレタン樹脂(A)は、中でも、前記ポリエステルポリオール(A1)が水酸基価16~300mgKOH/gのポリエステルポリオールであり、且つ前記ポリエーテルポリオール(A2)が水酸基価18.5~300mgKOH/gのポリエーテルポリオールであることが好ましい。この範囲において、耐油性と耐スクラッチ性、印刷適性を保持することができる。
ポリウレタン樹脂(A)は、インキ全量に対して2~15質量%含有することが好ましく、より好ましくは3~12質量%である
(塩素化ポリオレフィン(B))
本発明で使用する塩素化ポリオレフィン(B)は、特に限定はなくインキ分野において通常使用されている塩素化ポリオレフィンを使用することができる。例えば水素原子の少なくとも一部が塩素原子により置換されたポリオレフィンがあげられる。
塩素化ポリオレフィン(B)は、柔軟性を持つアルキル基を分枝構造として有するため、低温下でも柔軟な樹脂であり、上記使用量にて基材接着性を向上させる。塩素化ポリオレフィンにおけるポリオレフィンの構造は、特に制限はない。例えば、ポリプロピレン、ポリ-1-ブテン、ポリ-4-メチル-1-ペンテンなどのα-オレフィン系不飽和炭化水素の単独重合体又は共重合体を含有する樹脂が好ましい。中でもポリプロピレン構造(すなわち塩素化ポリプロピレン構造)を含む塩素化ポリプロピレンが特に好ましい。
塩素化ポリオレフィン(B)の重量平均分子量は、5,000~100,000であると、前記ポリウレタン樹脂(A)との相溶性が良好であり好ましい。中でも5,000~70,000が好ましく、7,000~50,000が最も好ましい。また、塩素化ポリオレフィン(B)は基材への接着性向上するため、その塩素含有率が25~45質量%であることが好ましい。なお、非芳香族系有機溶剤への溶解性の観点から、塩素含有率は26~43質量%であることが更に好ましい。ここで、塩素含有率とは、塩素化ポリオレフィン樹脂100質量%中の塩素原子の含有質量%をいう。また、耐ブロッキング性とのバランスの観点から、塩素化ポリオレフィン(B)はインキ固形分全量中に0.1~2.5質量%含有し、好ましくは0.2~2.3質量%である。
(その他の樹脂)
本発明においては、前記ポリウレタン樹脂(A)と塩素化ポリオレフィン(B)以外の樹脂を含んでいてもよい。印刷インキにおいて樹脂は被印刷体への密着性を付与するバインダー樹脂としての役割が主であり、この観点から樹脂は有機溶剤に可溶な熱可塑性樹脂であることが好ましい。このようなバインダー樹脂の例としては、グラビアインキやフレキソインキのバインダー樹脂として公知の樹脂であれば特に限定されるものではないが、例えばセルロース系樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル-アクリル系共重合樹脂、ロジン系樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ダンマル樹脂、スチレン-マレイン酸共重合樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、テルペン樹脂、フェノール変性テルペン樹脂、ケトン樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール、ポリアセタール樹脂、石油樹脂、およびこれらの変性樹脂等があげられる。これらの樹脂は、単独で、または2種以上を混合して用いることができる。なお、バインダー樹脂には塩素化ポリオレフィン樹脂は含まれないものとする。
(セルロース系樹脂)
セルロース系樹脂としては、例えばセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートその他のセルロースエステル樹脂、ニトロセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、およびカルボキシアルキルセルロース等が挙げられる。セルロースエステル樹脂はアルキル基を有することが好ましく、当該アルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、更にアルキル基が置換基を有していてもよい。
セルロース系樹脂としては、上記のうちセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、およびニトロセルロースが好ましい。特に好ましくはニトロセルロースである。分子量としては重量平均分子量で5,000~200,000のものが好ましく、10,000~50,000が更に好ましい。また、ガラス転移温度が120℃~180℃であるものが好ましい。本発明のポリウレタン樹脂(A)の併用では、耐ブロッキング性、耐擦傷性その他のインキ被膜物性が向上することが期待できる。
ニトロセルロース(硝化綿ともいう)は、天然セルロースと硝酸とを反応させて、天然セルロース中の無水グルコピラノース基の6員環中の3個の水酸基を、硝酸基に置換した硝酸エステルとして得られるものが好ましく、平均重合度20~200、更には30~150の範囲のものが好ましい。また窒素分は10.5~12.5質量%であることが好ましい。ニトロセルロースも本発明のポリウレタン樹脂(A)の併用で、耐ブロッキング性、耐擦傷性その他のインキ被膜物性が向上することが期待できる。
またバイオマスの観点から、植物由来原料であるセルロース系樹脂を併用することも好ましい。
(ポリアミド樹脂)
ポリアミド樹脂としては、例えば多塩基酸と多価アミンとを重縮合して得ることができる有機溶剤に可溶な熱可塑性ポリアミドである。特に、重合脂肪酸および/またはダイマー酸を含有する酸成分と、脂肪族および/または芳香族ポリアミンの反応物を含むポリアミド樹脂であることが好ましく、更には一級および二級モノアミンを一部含有するものが好ましい。
ポリアミド樹脂の原料で使用される多塩基酸としては、以下に限定されるものではないが、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、スベリン酸、グルタル酸、フマル酸、ピメリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、テレフタル酸、1、4-シクロヘキシルジカルボン酸、トリメリット酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸、重合脂肪酸などが挙げられ、その中でもダイマー酸あるいは重合脂肪酸に由来する構造を主成分(ポリアミド樹脂中に50質量%以上)含有するポリアミド樹脂が好ましい。ここで、重合脂肪酸とは、不飽和脂肪酸脂肪酸の環化反応等により得られるもので、一塩基性脂肪酸、二量化重合脂肪酸(ダイマー酸)、三量化重合脂肪酸等を含むものである。なお、ダイマー酸あるいは重合脂肪酸を構成する脂肪酸は大豆油由来、パーム油由来、米糠油由来など天然油に由来するものを好適に挙げることができ、オレイン酸およびリノール酸から得られるものが好ましい。
多塩基酸には、モノカルボン酸を併用することもできる。併用されるモノカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、安息香酸、シクロヘキサンカルボン酸等が挙げられる。
多価アミンとしては、ポリアミン、一級または二級モノアミンなど挙げることができる。ポリアミド樹脂に使用されるポリアミンとしてはエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、メチルアミノプロピルアミン等の脂肪族ジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族ポリアミンを挙げることができ、脂環族ポリアミンとしては、シクロヘキシレンジアミン、イソホロンジアミン等を挙げることができる。また、芳香脂肪族ポリアミンとしてはキシリレンジアミン、芳香族ポリアミンとしてはフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン等を挙げることができる。さらに、一級及び二級モノアミンとしては、n-ブチルアミン、オクチルアミン、ジエチルアミン、モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミンなどを挙げることができる。
(塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂)
塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂としては、塩化ビニルと酢酸ビニルが共重合したものであれば、特段限定されない。分子量としては重量平均分子量で5,000~100,000のものが好ましく、10,000~70,000が更に好ましい。塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂の固形分100質量%中、酢酸ビニルモノマー由来の構造は1~30質量%が好ましく、塩化ビニルモノマー由来の構造は70~95質量%であることが好ましい。この場合有機溶剤への溶解性が向上、更に基材への密着性、被膜物性、耐擦傷性等が良好となる。
また有機溶剤への溶解性の観点からビニルアルコール構造由来の水酸基を含むものも好ましい。水酸基価としては20~200mgKOH/gであることが好ましい。また、ガラス転移温度は50℃~90℃であることが好ましい。
(ロジン系樹脂)
ロジン系樹脂は、ロジン骨格を有する樹脂であれば特に限定されないが、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジンエステル、ロジンフェノール、重合ロジンなどが好ましい。軟化点(環球法による)が90~200℃であることが好ましい。
またバイオマスの観点から、植物由来原料であるロジン系樹脂を併用することも好ましい。
(有機溶剤)
本発明のリキッド印刷インキは有機溶剤を主媒体とするインキである。本発明において有機溶剤とは、リキッド印刷インキの主原料の1つであるバインダー樹脂を溶解しうる性質を持つ有機化合物である。本発明のリキッドインキ組成物に使用し得る有機溶剤(C)としては、特に制限はないが、たとえばトルエン、キシレン、ソルベッソ#100、ソルベッソ#150等の芳香族炭化水素系、ヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ノルマルプロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、ギ酸エチル、プロピオン酸ブチル等のエステル系の各種有機溶剤が挙げられる。また水混和性有機溶剤としてメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系、アセトン、メチルエチルケトン、シクロハキサノン等のケトン系、エチレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、エチレングリコール(モノ,ジ)エチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、モノブチルエーテル、ジエチレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、ジエチレングリコール(モノ,ジ)エチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、プロピレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル等のグリコールエーテル系の各種有機溶剤が挙げられる。尚、印刷時の作業衛生性と包装材料の有害性の両面から、トルエン等の芳香族溶剤やメチルエチルケトン等のケトン系溶剤を使用しない事がより好ましい。中でもポリアミド樹脂、硝化綿への溶解性の観点から、イソプロピルアルコール/酢酸エチル/酢酸ノルマルプロピル/メチルシクロヘキサンの混合液がより好ましい。また、乾燥調整のために組成物全量の10質量%未満であればグリコールエーテル類を添加する事も出来る。
尚、本発明において有機溶剤全量とは、インキを金属性トレーに1グラムとり、防爆型オーブン乾燥機にて120℃-60分乾燥して得た固形分の質量を差し引いた質量とする。
(可塑剤)
本発明のリキッド印刷インキは、インキ流動性、接着性、耐摩擦性を高めるべく可塑剤を含んでいてもよい。可塑剤の添加により、印刷後のインキ乾燥皮膜の柔軟性及び可とう性が保持できる。
可塑剤としては、ひまし油の様な脂肪油、ジオクチルフタレートの様なフタル酸エステル系、リン酸エステル系、アジピン酸エステル系やセバシン酸エステル系の様な脂肪酸エステル系、ポリエステル系、エポキシ化植物油の様なエポキシ系、アセチルクエン酸トリブチルの様なクエン酸エステル、N-ブチルベンゼンスルフォンアミドやN-エチルトルエンスルフォンアミドの様なスルホン酸アミド系が挙げられる。中でも、クエン酸エステル、エポキシ化植物油、リン酸エステル系及びスルホン酸アミド系が好ましい。
可塑剤の配合量は、インキ全量に対し0.01~10.0質量%が好ましく、より好ましくは0.1~5.0質量%であり、0.5~3.0質量%であれば更に好ましい。これら可塑剤は其々単独しても良いし、複数組み合わせて使用してもよい。
(ワックス)
本発明のリキッド印刷インキは、耐スクラッチ性をより高めるために、ワックスを添加してもよい。ワックスとしては炭化水素系ワックス、アマイドワックス等の通常グラビアインキやフレキソインキに使用されるものであれば特に限定されない。添加しない場合を想定し、ワックスはインキ全量に対し0~5.0質量%含有する。
炭化水素系ワックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、およびフィッシャー・トロプシュ・ワックス、パラフィンワックス、マイクロスタリンワックス、ポリプロピレンワックス等の炭化水素系ワックスが挙げられる。中でも、ポリエチレンワックスおよび/またはフィッシャー・トロプシュ・ワックスを含む炭化水素系ワックス等が挙げられ、これらを単独で使用しても良く、2種以上混合して使用してもよい。
炭化水素系ワックスを添加する場合は、インキ全量に対し0.1~5質量%含有することが好ましい。中でも、基材への接着性、耐擦傷性およびインキの経時安定性が両立するため0.1~4質量%含有することが好ましく、0.3~2.5質量%で含有することが好ましい。
アマイドワックスとしては、例えばパルチミン酸アマイド、ステアリン酸アマイド、エチレンビスオレイン酸アマイド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アマイド等が挙げられ、これらを単独で使用しても良く、2種以上混合して使用してもよい。
アマイドワックスを添加する場合は、インキ全量に対し0.1~5質量%含有することが好ましい。中でも、耐スクラッチ性、基材への接着性、耐擦傷性およびインキの経時安定性が両立するため0.1~4質量%含有することが好ましく、0.3~2.5質量%で含有することが好ましい。
(シリカ)
本発明のリキッド印刷インキは、耐スクラッチ性をより高めるために、シリカを添加してもよい。添加しない場合を想定し、シリカはインキ全量に対し0~5.0質量%含有する。
シリカは通常グラビアインキやフレキソインキに使用されるものであれば特に限定されないが、通常は平均粒子径が6μm以下のものが使用される。
またシリカを添加する場合は、インキ全量に対し0.1~5質量%含有することが好ましい。中でも、得られるインキの印刷性が優れる点から、0.1~4質量%含有することが好ましく、0.3~2.5質量%で含有することが好ましい。
(キレート架橋剤)
本発明のリキッド印刷インキは、キレート架橋剤を添加してもよい。添加しない場合を想定し、キレート架橋剤はインキ全量に対し0~5.0質量%含有する。
キレート架橋剤は凝集力向上を目的とするものでキレートタイプの金属有機化合物が好ましい。金属キレート化合物としては有機チタン系、有機ジルコニウム系、有機アルミニウム系を使用することが出来る。キレートタイプの金属有機化合物を用いれば、加温せずとも架橋反応が完結する一方で、常温での加水分解も起こり難く安定した架橋反応が得られ、特に分子中にアミンが存在する場合にその効果は大である。
チタンキレートは、1分子中にTi-O-C結合を保有するものであり、このアルコキシ基を有する事によって樹脂の分子間又は分子内架橋結合を強固にする役割を持つ。チタンキレートとしては、チタンアルコキシド、チタンアシレート等が挙げられ。前記チタンアルコキシドとしては、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2-エチルヘキシル)チタネート、テトラメチルチタネート、テトラステアリルチタネートの他、トリエタノールアミンチタネート、チタニウムアセチルアセテート、チタニウムエチルアセトアセテート、チタニウムラクテート、オクチレングリコールチタネート、チタンテトラアセチルアセテート、リン酸チタン化合物等を挙げる事ができる。有機チタン系の中でも、リン酸チタン化合物及びチタニウムアセチルアセテートが好ましい。
キレート架橋剤を添加する場合は、インキ全量に対し0.1~5質量%含有することが好ましい。中でも、0.1~4質量%含有することが好ましく、0.5~3.0質量%で含有することが好ましい。
(顔料)
本発明のリキッド印刷インキは、顔料を含まずに使用することもできるが、文字絵柄等の印刷を目的とする場合には顔料を使用する。使用される顔料としては、一般のインキ、塗料、及び記録剤などに使用されている無機顔料、有機顔料を挙げることができる。有機顔料としては、溶性アゾ系、不溶性アゾ系、アゾ系、フタロシアニン系、ハロゲン化フタロシアニン系、アントラキノン系、アンサンスロン系、ジアンスラキノニル系、アンスラピリミジン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、フラバンスロン系、ジケトピロロピロール系、イソインドリン系、インダンスロン系、カーボンブラック系などの顔料が挙げられる。また、例えば、カーミン6B、レーキレッドC、パーマネントレッド2B、ジスアゾイエロー、ピラゾロンオレンジ、カーミンFB、クロモフタルイエロー、クロモフタルレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ジオキサジンバイオレット、キナクリドンマゼンタ、キナクリドンレッド、インダンスロンブルー、ピリミジンイエロー、チオインジゴボルドー、チオインジゴマゼンタ、ペリレンレッド、ペリノンオレンジ、イソインドリノンイエロー、アニリンブラック、ジケトピロロピロールレッド、昼光蛍光顔料等が挙げられる。また未酸性処理顔料、酸性処理顔料のいずれも使用することができる。以下に有機顔料として好ましいものの具体的な例を挙げる。
黒色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7、C.I.ピグメントブラック9、C.I.ピグメントブラック20等が挙げられる。
藍色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:5、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー17:1、C.I.ピグメントブルー22、C.I.ピグメントブルー24:1、C.I.ピグメントブルー25、C.I.ピグメントブルー26、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー61、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー63、C.I.ピグメントブルー64、C.I.ピグメントブルー75、C.I.ピグメントブルー79、C.I.ピグメントブルー80などが挙げられる。
緑色顔料としては、例えばC.I.ピグメントグリーン1、C.I.ピグメントグリーン4、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン8、C.I.ピグメントグリーン10、C.I.ピグメントグリーン36などが挙げられる。
赤色顔料としては、例えばC.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド4、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド8、C.I.ピグメントレッド9、C.I.ピグメントレッド10、C.I.ピグメントレッド11、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド17、C.I.ピグメントレッド18、C.I.ピグメントレッド19、C.I.ピグメントレッド20、C.I.ピグメントレッド21、C.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド32、C.I.ピグメントレッド38、C.I.ピグメントレッド41、C.I.ピグメントレッド43、C.I.ピグメントレッド46、C.I.ピグメントレッド48、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド48:5、C.I.ピグメントレッド48:6、C.I.ピグメントレッド49、C.I.ピグメントレッド49:1、C.I.ピグメントレッド49:2、C.I.ピグメントレッド49:3、C.I.ピグメントレッド52、C.I.ピグメントレッド52:1、C.I.ピグメントレッド52:2、C.I.ピグメントレッド53、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド53:2、C.I.ピグメントレッド53:3、C.I.ピグメントレッド54、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド58、C.I.ピグメントレッド58:1、C.I.ピグメントレッド58:2、C.I.ピグメントレッド58:3、C.I.ピグメントレッド58:4、C.I.ピグメントレッド60:1、C.I.ピグメントレッド63、C.I.ピグメントレッド63:1、C.I.ピグメントレッド63:2、C.I.ピグメントレッド63:3、C.I.ピグメントレッド64:1、C.I.ピグメントレッド68、C.I.ピグメントレッド68、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド83、C.I.ピグメントレッド88、C.I.ピグメントレッド89、C.I.ピグメントレッド95、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド114、C.I.ピグメントレッド119、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド136、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド147、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド164、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド169、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド171、C.I.ピグメントレッド172、C.I.ピグメントレッド175、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド181、C.I.ピグメントレッド182、C.I.ピグメントレッド183、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド187、C.I.ピグメントレッド188、C.I.ピグメントレッド190、C.I.ピグメントレッド192、C.I.ピグメントレッド193、C.I.ピグメントレッド194、C.I.ピグメントレッド200、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド208、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド210、C.I.ピグメントレッド211、C.I.ピグメントレッド213、C.I.ピグメントレッド214、C.I.ピグメントレッド216、C.I.ピグメントレッド215、C.I.ピグメントレッド216、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド223、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド226、C.I.ピグメントレッド237、C.I.ピグメントレッド238、C.I.ピグメントレッド239、C.I.ピグメントレッド240、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド245、C.I.ピグメントレッド247、C.I.ピグメントレッド248、C.I.ピグメントレッド251、C.I.ピグメントレッド253、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド256、C.I.ピグメントレッド257、C.I.ピグメントレッド258、C.I.ピグメントレッド260、C.I.ピグメントレッド262、C.I.ピグメントレッド263、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド266、C.I.ピグメントレッド268、C.I.ピグメントレッド269、C.I.ピグメントレッド270、C.I.ピグメントレッド271、C.I.ピグメントレッド272、C.I.ピグメントレッド279、などが挙げられる。
紫色顔料としては、例えばC.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグメントバイオレット2、C.I.ピグメントバイオレット3、C.I.ピグメントバイオレット3:1、C.I.ピグメントバイオレット3:3、C.I.ピグメントバイオレット5:1、C.I.ピグメントバイオレット13、C.I.ピグメントバイオレット19(γ型、β型)、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット25、C.I.ピグメントバイオレット27、C.I.ピグメントバイオレット29、C.I.ピグメントバイオレット31、C.I.ピグメントバイオレット32、C.I.ピグメントバイオレット36、C.I.ピグメントバイオレット37、C.I.ピグメントバイオレット38、C.I.ピグメントバイオレット42、C.I.ピグメントバイオレット50、などが挙げられる。
黄色顔料としては、例えばC.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー42、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー62、C.I.ピグメントイエロー65、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー86、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー117、C.I.ピグメントイエロー120、ピグメントイエロー125、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー137、C.I.ピグメント、イエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー148、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー174、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185およびC.I.ピグメントイエロー213等が挙げられる。
橙色顔料としては、例えばC.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ16、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ37、C.I.ピグメントオオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ51、C.I.ピグメントレンジ55、C.I.ピグメントオレンジ59、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ71、又はC.I.ピグメントオレンジ74などが挙げられる。
茶色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25、又はC.I.ピグメントブラウン26などが挙げられる。
中でも、好ましい顔料として、黒色顔料としてC.I.ピグメントブラック7、
藍色顔料としてC.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、
緑色顔料としてC.I.ピグメントグリーン7、
赤色顔料としてC.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド166、
紫色顔料としてC.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット37、
黄色顔料としてC.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー139、
橙色顔料としてC.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ64、
等が挙げられ、これらの群から選ばれる少なくとも一種または二種以上を使用することが好ましい。
無機顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、シリカ、リトボン、アンチモンホワイト、石膏などの白色無機顔料が挙げられる。無機顔料の中では酸化チタンの使用が特に好ましい。酸化チタンは白色を呈し、着色力、隠ぺい力、耐薬品性、耐候性の点から好ましく、印刷性能の観点から該酸化チタンはシリカおよび/またはアルミナ処理を施されているものが好ましい。
白色以外の無機顔料としては、例えば、アルミニウム粒子、マイカ(雲母)、ブロンズ粉、クロムバーミリオン、黄鉛、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、群青、紺青、ベンガラ、黄色酸化鉄、鉄黒、ジルコンが挙げられ、アルミニウムは粉末またはペースト状であるが、取扱い性および安全性の面からペースト状で使用するのが好ましく、リーフィングまたはノンリーフィングを使用するかは輝度感および濃度の点から適宜選択される。
前記顔料(A)の平均粒子径は、10~200nmの範囲にあるものが好ましくより好ましくは50~150nm程度のものである。
前記顔料(A)は、リキッド印刷インキの濃度・着色力を確保するのに充分な量、すなわちインキ組成物の総重量に対して1~60重量%、インキ組成物中の固形分重量比では10~90重量%の割合で含まれることが好ましい。また、これらの顔料は単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
(その他)
本発明のリキッド印刷インキでは、その他更に必要に応じて、体質顔料、顔料分散剤、レベリング剤、消泡剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、芳香剤、難燃剤なども含むこともできる。
(製造方法)
本発明のリキッド印刷インキは、バインダー樹脂、顔料などを有機溶剤中に溶解及び/又は分散することにより製造することができる。具体的には、顔料をポリウレタン樹脂(A)により有機溶剤に分散させた顔料分散体を製造し、得られた顔料分散体に、必要に応じて他の化合物などを配合することによりインキを製造することができる。
前記顔料分散体における顔料の粒度分布は、分散機の粉砕メディアのサイズ、粉砕メディアの充填率、分散処理時間、顔料分散体の吐出速度、顔料分散体の粘度などを適宜調節することにより、調整することができる。分散機としては、一般に使用される、例えば、ローラーミル、ボールミル、ペブルミル、アトライター、サンドミルなどを用いることができる。
インキ中に気泡や予期せずに粗大粒子などが含まれる場合は、印刷物品質を低下させるため、濾過などにより取り除くことが好ましい。濾過器は従来公知のものを使用することができる。
前記方法で製造されたインキ粘度は、顔料の沈降を防ぎ、適度に分散させる観点から10mPa・s以上、インキ製造時や印刷時の作業性効率の観点から1000mPa・s以下の範囲であることが好ましい。尚、上記粘度はトキメック社製B型粘度計で25℃において測定された粘度である。
インキの粘度は、使用される原材料の種類や量、例えば樹脂、顔料、有機溶剤などを適宜選択することにより調整することができる。また、インキ中の顔料の粒度および粒度分布を調節することによりインキの粘度を調整することもできる。
本発明のリキッド印刷インキは、各種の基材と密着性に優れ、紙、合成紙、熱可塑性樹脂フィルム、プラスチック製品、鋼板等への印刷に使用することができるものであり、電子彫刻凹版等によるグラビア印刷版を用いたグラビア印刷用、又は樹脂版等によるフレキソ印刷版を用いたフレキソ印刷用のインキとして有用である一方で、版を使用せずインクジェットノズルからインキを吐出するインクジェット方式向けのインキを除くものである。
即ち、インクジェットインキの場合、ノズルから吐出したインク滴が、直接基材に密着し印刷物を形成するのに対し、本発明のリキッド印刷インキは、印刷インキを一旦印刷版又は印刷パターンに密着・転写した後、インキのみを再度基材に密着させ、必要に応じて乾燥させ印刷物とするものである。
本発明のリキッド印刷インキを用いてグラビア印刷方式やフレキソ印刷方式から形成される印刷インキの膜厚は、例えば10μm以下、好ましくは5μm以下である。
基材は、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46等のポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート(以下PETと称する場合がある)、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリ乳酸等のポリヒドロキシカルボン酸、ポリ(エチレンサクシネート)、ポリ(ブチレンサクシネート)等の脂肪族ポリエステル系樹脂などの生分解性樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂又はそれらの混合物等の熱可塑性樹脂よりなるフィルムやこれらの積層体が挙げられるが、中でも、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレンからなるフィルムが好適に使用できる。これらの基材フィルムは、未延伸フィルムでも延伸フィルムでもよく、その製法も限定されるものではない。また、基材フィルムの厚さも特に限定されるものではないが、通常は1~500μmの範囲であればよい。
基材フィルムの印刷面には、コロナ放電処理がされていることが好ましく、シリカ、アルミナ等が蒸着されていてもよい。
本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。以下、「部」及び「%」は、いずれも質量基準によるものとする。
なお、本発明におけるGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による重量平均分子量(ポリスチレン換算)の測定は東ソー(株)社製HLC8220システムを用い以下の条件で行った。
分離カラム:東ソー(株)製TSKgelGMHHR-Nを4本使用。カラム温度:40℃。移動層:和光純薬工業(株)製テトラヒドロフラン。流速:1.0ml/分。試料濃度:0.4質量%。試料注入量:100マイクロリットル。検出器:示差屈折計。
粘度はトキメック社製B型粘度計で25℃において測定した。
尚、水酸基価は、ポリウレタン樹脂中の水酸基を過剰のアセチル試薬にてアセチル化した際の、残存する酸をアルカリで逆滴定して算出した樹脂1g中の水酸基量を、水酸化カリウム(KOH)のmg数で示したものであり、JISK0070に準じたものである。
合成例1(A1)
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、3-メチル-1,5ペンタンジオール、テレフタル酸、セバシン酸(テレフタル酸/セバシン酸=5/95モル比)からなるポリエステルポリオール68.3部(水酸基価:20mgKOH/g)およびポリプロピレングリコール159.3部(水酸基価:280.5mgKOH/g)およびイソホロンジイソシアネート59.0部、トルエンジイソシアネート59.0部を仕込み、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、イソシアネート基含有率質量4.70%のウレタンプレポリマーを製造した後、反応液を70℃以下に冷却した後酢酸エチル380.1部とイソプロピルアルコール118.9部を加えた。反応液を約35~40℃に保ち、イソホロンジアミン23.72部をイソプロピルアルコール71.2部に溶解して滴下し、攪枠下に50℃で3時間反応させた。その後、シクロヘキシルアミン10.77部を添加し、攪枠下に50℃で30分反応させ、ポリウレタン樹脂溶液A1を得た。
得られたポリウレタン樹脂溶液(A1)は、樹脂固形分濃度40.1質量%、重量平均分子量は20,100、アミン価(固形)は0であった。
合成例2(A2)
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、ネオペンチルグリコール、イソフタル酸、セバシン酸、アジピン酸(イソフタル酸/セバシン酸/アジピン酸=1/8/1モル比)からなるポリエステルポリオール136.6部(水酸基価:300mgKOH/g)およびポリプロピレングリコール91.0部(水酸基価:300mgKOH/g)およびトルエンジイソシアネート136.68部を仕込み、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、イソシアネート基含有率質量4.05%のウレタンプレポリマーを製造した後、反応液を70℃以下に冷却した後酢酸エチル395.1部とイソプロピルアルコール121.9部を加えた。反応液を約35~40℃に保ち、イソホロンジアミン25.21部をイソプロピルアルコール75.6部に溶解して滴下し、攪枠下に50℃で3時間反応させた。その後、シクロヘキシルアミン5.60部を添加し、攪枠下に50℃で30分反応させ、ポリウレタン樹脂溶液A2を得た。
得られたポリウレタン樹脂溶液(A2)は、樹脂固形分濃度39.9質量%、重量平均分子量は41,300、アミン価(固形)は0であった。
合成例3(A3)
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、ネオペンチルグリコール、イソフタル酸、セバシン酸、ダイマー酸(イソフタル酸/セバシン酸/ダイマー酸=1/3/1モル比)からなるポリエステルポリオール202.6部(水酸基価:20.4mgKOH/g)とポリプロピレングリコール22.8部(水酸基価:22.4mgKOH/g)と3-メチル-1,5ペンタンジオール2.3部、およびヘキサメチレンジイソシアネート23.55部を仕込、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、イソシアネート基含有率2.65質量%のウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル167.4部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン12.62部、シクロヘキシルアミン1.42部、酢酸エチル274.1部およびイソプロピルアルコール176.6部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を添加し、45℃で5時間撹拌反応させて、ポリウレタン樹脂溶液A3を得た。得られたポリウレタン樹脂溶液A3は、樹脂固形分濃度30.0質量%、アミン価(固形)は0.75、重量平均分子量は67,000であった。
合成例4(A4)
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、2-メチルー1,3-プロパンジオール、イソフタル酸、セバシン酸(イソフタル酸/セバシン酸=1/5モル比)からなるポリエステルポリオール88.8部(水酸基価:74.8mgKOH/g)とポリプロピレングリコール134.3部(水酸基価:56.1mgKOH/g)と2-メチル-1,3-プロパンジオール4.5部、およびトルエンジイソシアネート30.0部、ヘキサメチレンジイソシアネート30.0部を仕込、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、イソシアネート基含有率5.08質量%のウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル191.7部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン25.32部、シクロヘキシルアミン5.44部、酢酸エチル339.0部およびイソプロピルアルコール212.3部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を添加し、45℃で5時間撹拌反応させて、ポリウレタン樹脂溶液A4を得た。得られたポリウレタン樹脂溶液A4は、樹脂固形分濃度29.9質量%、アミン価(固形)は0.7、重量平均分子量は37,600であった。
合成例5(A5)
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、2-メチルー1,3-プロパンジオール、イソフタル酸、セバシン酸、コハク酸(イソフタル酸/セバシン酸/コハク酸=2/7/1)からなるポリエステルポリオール113.8部(水酸基価:56.1mgKOH/g)とポリプロピレングリコール113.8部(水酸基価:112.2mgKOH/g)およびイソホロンジイソシアネート74.48部を仕込、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、イソシアネート基含有率4.57質量%のウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル201.4部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン25.71部、シクロヘキシルアミン3.56部、酢酸エチル351.6部およびイソプロピルアルコール221.1部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を添加し、45℃で5時間撹拌反応させて、ポリウレタン樹脂溶液A5を得た。得られたポリウレタン樹脂溶液A5は、樹脂固形分濃度30.2質量%、アミン価(固形)は1.5、重量平均分子量は52,000であった。
合成例6(A6)
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、3-メチル-1,5ペンタンジオール、セバシン酸からなるポリエステルポリオール68.3部(水酸基価:112.2)と3-メチル-1,5ペンタンジオール、イソフタル酸、セバシン酸(イソフタル酸/セバシン酸=1/2)からなるポリエステルポリオール68.3部(水酸基価:112.2mgKOH/g)とポリプロピレングリコール91.0部(水酸基価:28.1mgKOH/g)およびイソホロンジイソシアネート72.97部を仕込み、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、イソシアネート基含有率質量5.09%のウレタンプレポリマーを製造した後、反応液を70℃以下に冷却した後酢酸エチル332.4部とイソプロピルアルコール87.2部を加えた。反応液を約35~40℃に保ち、イソホロンジアミン26.32部をイソプロピルアルコール79.0部に溶解して滴下し、攪枠下に50℃で3時間反応させた。その後、シクロヘキシルアミン5.50部を添加し、攪枠下に50℃で30分反応させ、ポリウレタン樹脂溶液A6を得た。
得られたポリウレタン樹脂溶液(A6)は、樹脂固形分濃度40.2質量%、重量平均分子量は38,600、アミン価(固形)は0であった。
合成例7(A7)
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、3-メチル-1,5ペンタンジオール、イソフタル酸、セバシン酸(イソフタル酸/セバシン酸=3/7モル比)からなるポリエステルポリオール134.4部(水酸基価:56.1mgKOH/g)とポリプロピレングリコール91.0部(水酸基価:112mgKOH/g)と1,4-ブタンジオール2.3部、およびイソホロンジイソシアネート90.64部を仕込み、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、イソシアネート基含有率質量5.69%のウレタンプレポリマーを製造した後、反応液を70℃以下に冷却した後酢酸エチル355.9部とイソプロピルアルコール82.9部を加えた。反応液を約35~40℃に保ち、イソホロンジアミン31.70部をイソプロピルアルコール95.1部に溶解して滴下し、攪枠下に50℃で3時間反応させた。その後、シクロヘキシルアミン5.88部を添加し、攪枠下に50℃で30分反応させ、ポリウレタン樹脂溶液A7を得た。
得られたポリウレタン樹脂溶液(A7)は、樹脂固形分濃度39.9質量%、重量平均分子量は31,500、アミン価(固形)は0であった。
合成例8(A8)
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、2-メチルー1,3-プロパンジオール、プロピレングリコール、イソフタル酸、セバシン酸(2-メチルー1,3-プロパンジオール/プロピレングリコール=1/1、イソフタル酸/セバシン酸=3/7モル比)からなるポリエステルポリオール113.8部(水酸基価:37.4mgKOH/g)とポリプロピレングリコール113.8部(水酸基価:56.1mgKOH/g)およびイソホロンジイソシアネート60.27部を仕込み、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、イソシアネート基含有率質量5.14%のウレタンプレポリマーを製造した後、反応液を70℃以下に冷却した後酢酸エチル318.7部とイソプロピルアルコール84.0部を加えた。反応液を約35~40℃に保ち、イソホロンジアミン25.11部をイソプロピルアルコール75.3部に溶解して滴下し、攪枠下に50℃で3時間反応させた。その後、シクロヘキシルアミン5.74部を添加し、攪枠下に50℃で30分反応させ、ポリウレタン樹脂溶液A8を得た。
得られたポリウレタン樹脂溶液(A8)は、樹脂固形分濃度40.3質量%、重量平均分子量は36,400、アミン価(固形)は0であった。
合成例9(A9)
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、3-メチル-1,5ペンタンジオール、イソフタル酸、セバシン酸、ダイマー酸(イソフタル酸/セバシン酸/ダイマー酸=4/4/2モル比)からなるポリエステルポリオール159.3部(水酸基価:37.4mgKOH/g)とポリプロピレングリコール68.3部(水酸基価:28.1mgKOH/g)およびイソホロンジイソシアネート57.6部を仕込み、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、イソシアネート基含有率質量5.57%のウレタンプレポリマーを製造した後、反応液を70℃以下に冷却した後酢酸エチル318.2部とイソプロピルアルコール74.9部を加えた。反応液を約35~40℃に保ち、イソホロンジアミン28.06部をイソプロピルアルコール84.2部に溶解して滴下し、攪枠下に50℃で3時間反応させた。その後、シクロヘキシルアミン4.86部を添加し、攪枠下に50℃で30分反応させ、ポリウレタン樹脂溶液A9を得た。
得られたポリウレタン樹脂溶液(A9)は、樹脂固形分濃度40.1質量%、重量平均分子量は39,200、アミン価(固形)は0であった。
合成例10(A10)
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、プロピレングリコール、イソフタル酸、セバシン酸(イソフタル酸/セバシン酸=1/1モル比)からなるポリエステルポリオール91.1部(水酸基価:37.4mgKOH/g)とポリプロピレングリコール134.3部(水酸基価:37.4mgKOH/g)とエチレングリコール2.27部、およびイソホロンジイソシアネート68.91部を仕込み、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、イソシアネート基含有率質量5.62%のウレタンプレポリマーを製造した後、反応液を70℃以下に冷却した後酢酸エチル331.2部とイソプロピルアルコール81.2部を加えた。反応液を約35~40℃に保ち、イソホロンジアミン28.16部をイソプロピルアルコール84.5部に溶解して滴下し、攪枠下に50℃で3時間反応させた。その後、シクロヘキシルアミン6.57部を添加し、攪枠下に50℃で30分反応させ、ポリウレタン樹脂溶液A10を得た。
得られたポリウレタン樹脂溶液(A10)は、樹脂固形分濃度40.2質量%、重量平均分子量は29,400、アミン価(固形)は0であった。
合成例11(A11)
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、2-メチルー1,3-プロパンジオール、イソフタル酸、セバシン酸、ダイマー酸(イソフタル酸/セバシン酸/ダイマー酸=6/3/1)からなるポリエステルポリオール179.8部(水酸基価:27.4mgKOH/g)とポリプロピレングリコール45.5部(水酸基価:18.5mgKOH/g)およびイソホロンジイソシアネート40.53部を仕込、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、イソシアネート基含有率3.31質量%のウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル178.8部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン16.92部、シクロヘキシルアミン1.78部、酢酸エチル299.5部およびイソプロピルアルコール191.3部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を添加し、45℃で5時間撹拌反応させて、ポリウレタン樹脂溶液A11を得た。得られたポリウレタン樹脂溶液A11は、樹脂固形分濃度30.2質量%、アミン価(固形)は1、重量平均分子量は62,100であった。
合成例12(A12)
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、3-メチル-1,5ペンタンジオール、イソフタル酸、セバシン酸、ダイマー酸(イソフタル酸/セバシン酸/ダイマー酸=7/2/1モル比)からなるポリエステルポリオール200.3部(水酸基価:37.4mgKOH/g)とポリプロピレングリコール22.76部(水酸基価:18.5mgKOH/g)と2-メチルー1,3-プロパンジオール4.54部、およびイソホロンジイソシアネート49.85部を仕込み、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、イソシアネート基含有率質量3.13%のウレタンプレポリマーを製造した後、反応液を70℃以下に冷却した後酢酸エチル296.0部とイソプロピルアルコール112.0部を加えた。反応液を約35~40℃に保ち、イソホロンジアミン12.01部をイソプロピルアルコール36.0部に溶解して滴下し、攪枠下に50℃で3時間反応させた。その後、シクロヘキシルアミン6.5部を添加し、攪枠下に50℃で30分反応させ、ポリウレタン樹脂溶液A12を得た。
得られたポリウレタン樹脂溶液(A12)は、樹脂固形分濃度40.1質量%、重量平均分子量は23,500、アミン価(固形)は0であった。
合成例13(A13)
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、3-メチル-1,5ペンタンジオール、イソフタル酸、セバシン酸、ダイマー酸(イソフタル酸/セバシン酸/ダイマー酸=8/1/1モル比)からなるポリエステルポリオール204.8部(水酸基価:37.4mgKOH/g)とポリプロピレングリコール22.8部(水酸基価:18.5mgKOH/g)およびイソホロンジイソシアネート42.4部を仕込、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、イソシアネート基含有率3.69質量%のウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル180.0部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン17.26部、シクロヘキシルアミン0.85部、酢酸エチル304.7部およびイソプロピルアルコール193.9部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を添加し、45℃で5時間撹拌反応させて、ポリウレタン樹脂溶液A13を得た。得られたポリウレタン樹脂溶液A13は、樹脂固形分濃度30.0質量%、アミン価(固形)は0.6、重量平均分子量は42,000であった。
比較合成例1(H1)
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、3-メチル-1,5ペンタンジオール、セバシン酸からなるポリエステルポリオール45.5部(水酸基価:16.0mgKOH/g)とポリプロピレングリコール182.1部(水酸基価:37.0mgKOH/g)およびイソホロンジイソシアネート26.66部を仕込、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、イソシアネート基含有率1.76質量%のウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル169.5部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン8.77部、シクロヘキシルアミン0.85部、酢酸エチル270.0部およびイソプロピルアルコール175.8部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を添加し、45℃で5時間撹拌反応させて、ポリウレタン樹脂溶液H1を得た。得られたポリウレタン樹脂溶液H1は、樹脂固形分濃度29.8質量%、アミン価(固形)は0.4、重量平均分子量は70,400であった。
比較合成例2(H2)
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、3-メチル-1,5ペンタンジオール、セバシン酸からなるポリエステルポリオール113.8部(水酸基価:112.2mgKOH/g)とポリプロピレングリコール113.8部(水酸基価:15.0mgKOH/g)、およびイソホロンジイソシアネート56.25部を仕込み、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、イソシアネート基含有率質量3.67%のウレタンプレポリマーを製造した後、反応液を70℃以下に冷却した後酢酸エチル305.7部とイソプロピルアルコール102.5部を加えた。反応液を約35~40℃に保ち、イソホロンジアミン16.80部をイソプロピルアルコール50.40部に溶解して滴下し、攪枠下に50℃で3時間反応させた。その後、シクロヘキシルアミン5.05部を添加し、攪枠下に50℃で30分反応させ、ポリウレタン樹脂溶液H2を得た。
得られたポリウレタン樹脂溶液(H2)は、樹脂固形分濃度40.3質量%、重量平均分子量は30,200、アミン価(固形)0であった。
比較合成例3(H3)
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、3-メチル-1,5ペンタンジオール、テレフタル酸、セバシン酸(テレフタル酸/セバシン酸=1/99)からなるポリエステルポリオール113.8部(水酸基価:56.1mgKOH/g)とポリプロピレングリコール113.8部(水酸基価:37.0mgKOH/g)、およびイソホロンジイソシアネート55.67部を仕込み、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、イソシアネート基含有率質量4.63%のウレタンプレポリマーを製造した後、反応液を70℃以下に冷却した後酢酸エチル310.7部とイソプロピルアルコール91.5部を加えた。反応液を約35~40℃に保ち、イソホロンジアミン21.30部をイソプロピルアルコール63.9部に溶解して滴下し、攪枠下に50℃で3時間反応させた。その後、シクロヘキシルアミン6.17部を添加し、攪枠下に50℃で30分反応させ、ポリウレタン樹脂溶液H3を得た。
得られたポリウレタン樹脂溶液(H3)は、樹脂固形分濃度40.1質量%、重量平均分子量は18,600、アミン価(固形)0であった。
比較合成例4(H4)
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、3-メチル-1,5ペンタンジオール、イソフタル酸、セバシン酸(イソフタル酸/セバシン酸=99/1)からなるポリエステルポリオール91.0部(水酸基価:112.0mgKOH/g)とポリプロピレングリコール136.6部(水酸基価:56.0mgKOH/g)、およびイソホロンジイソシアネート76.39部を仕込み、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、イソシアネート基含有率質量5.10%のウレタンプレポリマーを製造した後、反応液を70℃以下に冷却した後酢酸エチル336.6部とイソプロピルアルコール95.4部を加えた。反応液を約35~40℃に保ち、イソホロンジアミン24.30部をイソプロピルアルコール72.9部に溶解して滴下し、攪枠下に50℃で3時間反応させた。その後、シクロヘキシルアミン8.34部を添加し、攪枠下に50℃で30分反応させ、ポリウレタン樹脂溶液H4を得た。
得られたポリウレタン樹脂溶液(H4)は、樹脂固形分濃度40.2質量%、重量平均分子量は22,400、アミン価(固形)0であった。
比較合成例5(H5)
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、2-メチルー1,3-プロパンジオール、イソフタル酸、セバシン酸(イソフタル酸/セバシン酸=1/5)からなるポリエステルポリオール220.8部(水酸基価:74.8mgKOH/g)とポリプロピレングリコール6.8部(水酸基価:112.0mgKOH/g)およびイソホロンジイソシアネート51.16部を仕込、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、イソシアネート基含有率2.29質量%のウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル185.8部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン12.63部、シクロヘキシルアミン0.94部、酢酸エチル301.6部およびイソプロピルアルコール195.0部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を添加し、45℃で5時間撹拌反応させて、ポリウレタン樹脂溶液H6を得た。得られたポリウレタン樹脂溶液H6は、樹脂固形分濃度30.2質量%、アミン価(固形)は1、重量平均分子量のMnは72,300であった。
比較合成例6(H6)
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、3-メチル-1,5ペンタンジオール、テレフタル酸、セバシン酸(テレフタル酸/セバシン酸=5/95)からなるポリエステルポリオール11.4部(水酸基価:20.0mgKOH/g)とポリプロピレングリコール216.2部(水酸基価:37.0mgKOH/g)およびイソホロンジイソシアネート28.37部を仕込、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、イソシアネート基含有率1.78質量%のウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル170.6部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン9.15部、シクロヘキシルアミン0.59部、酢酸エチル272.4部およびイソプロピルアルコール177.2部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を添加し、45℃で5時間撹拌反応させて、ポリウレタン樹脂溶液H5を得た。得られたポリウレタン樹脂溶液H5は、樹脂固形分濃度29.9質量%、アミン価(固形)は1.0、重量平均分子量は74,200であった。
比較合成例7(H7)
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、2-メチルー1,3-プロパンジオール、イソフタル酸、セバシン酸(イソフタル酸/セバシン酸=1/5)からなるポリエステルポリオール182.1部(水酸基価:15.0mgKOH/g)とポリプロピレングリコール45.5部(水酸基価:374.0mgKOH/g)、およびイソホロンジイソシアネート87.15部を仕込み、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、イソシアネート基含有率質量5.76%のウレタンプレポリマーを製造した後、反応液を70℃以下に冷却した後酢酸エチル352.4部とイソプロピルアルコール80.6部を加えた。反応液を約35~40℃に保ち、イソホロンジアミン31.86部をイソプロピルアルコール95.6部に溶解して滴下し、攪枠下に50℃で3時間反応させた。その後、シクロヘキシルアミン5.77部を添加し、攪枠下に50℃で30分反応させ、ポリウレタン樹脂溶液H7を得た。
得られたポリウレタン樹脂溶液(H7)は、樹脂固形分濃度40.1質量%、重量平均分子量は31,200、アミン価(固形)は0であった。
比較合成例8(H8)
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、3-メチル-1,5ペンタンジオール、イソフタル酸、セバシン酸(イソフタル酸/セバシン酸=3/7)からなるポリエステルポリオール113.8部(水酸基価:374.0mgKOH/g)とポリプロピレングリコール113.8部(水酸基価:22.4mgKOH/g)およびイソホロンジイソシアネート105.88部を仕込、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、イソシアネート基含有率1.87質量%のウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル222.3部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン13.06部、シクロヘキシルアミン0.46部、酢酸エチル356.5部およびイソプロピルアルコール231.5部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を添加し、45℃で5時間撹拌反応させて、ポリウレタン樹脂溶液H8を得た。得られたポリウレタン樹脂溶液H8は、樹脂固形分濃度30.0質量%、アミン価(固形)は1.5、樹脂固形分の重量平均分子量は80,300であった。
比較合成例9(H9)
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、3-メチル-1,5ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、セバシン酸、アジピン酸(3-メチル-1,5ペンタンジオール/ネオペンチルグリコール=4/1、セバシン酸/アジピン酸=1/1)からなるポリエステルポリオール182.1部(水酸基価:56.1mgKOH/g)とポリプロピレングリコール45.5部(水酸基価:56.1mgKOH/g)およびイソホロンジイソシアネート52.52部を仕込、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、イソシアネート基含有率3.67質量%のウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル186.8部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン22.37部、シクロヘキシルアミン0.33部、酢酸エチル318.0部およびイソプロピルアルコール201.9部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を添加し、45℃で5時間撹拌反応させて、ポリウレタン樹脂溶液H9を得た。得られたポリウレタン樹脂溶液H9は、樹脂固形分濃度30.0質量%、アミン価(固形)は3.9、重量平均分子量は61,700であった。
比較合成例10(H10)
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、3-メチル-1,5ペンタンジオール、2-メチルー1,3-プロパンジオール、セバシン酸、アジピン酸(3-メチル-1,5ペンタンジオール/2-メチルー1,3-プロパンジオール=4/1、セバシン酸/アジピン酸=3/7)からなるポリエステルポリオール159.3部(水酸基価:56.1mgKOH/g)とポリプロピレングリコール68.3部(水酸基価:56.1mgKOH/g)およびイソホロンジイソシアネート50.55部を仕込、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、イソシアネート基含有率3.43質量%のウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル185.4部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン20.77部、シクロヘキシルアミン0.42部、酢酸エチル313.5部およびイソプロピルアルコール199.6部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を添加し、45℃で5時間撹拌反応させて、ポリウレタン樹脂溶液H10を得た。得られたポリウレタン樹脂溶液H10は、樹脂固形分濃度30.1質量%、アミン価(固形)は4.1、重量平均分子量は60,200であった。
比較合成例11(H11)
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、3-メチル-1,5ペンタンジオール、プロピレングリコール、セバシン酸、アジピン酸(3-メチル-1,5ペンタンジオール/プロピレングリコール=4/1、セバシン酸/アジピン酸=1/1)からなるポリエステルポリオール159.3部(水酸基価:56.1mgKOH/g)とポリプロピレングリコール68.3部(水酸基価:56.1mgKOH/g)およびイソホロンジイソシアネート50.55部を仕込、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、イソシアネート基含有率3.43質量%のウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル185.4部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン20.81部、シクロヘキシルアミン0.43部、酢酸エチル313.6部およびイソプロピルアルコール199.6部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を添加し、45℃で5時間撹拌反応させて、ポリウレタン樹脂溶液H12を得た。得られたポリウレタン樹脂溶液H12は、樹脂固形分濃度30.0質量%、アミン価(固形)は3.7、重量平均分子量のMnは58,400であった。
組成を表1~表4に示す。なお空欄は配合していないことを示す。
Figure 0007271838000002






Figure 0007271838000003


Figure 0007271838000004

Figure 0007271838000005


表中の略称を以下に記す。
3MPD:3-メチル1,5-ペンタンジオール
SeA:セバシン酸
TPA:テレフタル酸
NPG:ネオペンチルグリコール
IPA:イソフタル酸
AdA:アジピン酸
DA:ダイマー酸
2MPD:2-メチル-1,3-プロパンジオール
PG:プロピレングリコール
1,4BG:1,4-ブタンジオール
EG:エチレングリコール
IPDI:イソホロンジイソシアネート
TDI:トルエンジイソシアネート
HDI:ヘキサメチレンジイソシアネート
PPG:ポリプロピレングリコール
IPDA:イソホロンジアミン
CHA:シクロヘキシルアミン
(A1):ポリエステルポリオール(A1)
(A2):ポリエーテルポリオール(A2)
(実施例1)白色リキッド印刷インキ調整例
酸化チタンを20部、ニトロセルロース溶液を8部、酢酸エチルを15部、合成例1で得たポリウレタン樹脂溶液A1を20部、ワックスを1部、可塑剤を0.5部、塩素化ポリプロピレンを2部、金属キレート架橋剤を2部、イソプロピルアルコールを合計100部となるように配合し、白色リキッド印刷インキを作成した。
(実施例2~10、比較例1~7)
表5~表9の配合に従い、実施例1と同様にして白色リキッド印刷インキを作成した。
使用した原料の詳細は次の通りである。
ニトロセルロース溶液:Nobel社製 ニトロセルロース DLX 5-8/酢酸エチル/IPA=44.1/28/27.9
ロジン樹脂溶液:荒川化学株式会社製 マルキッド#31/IPA=50/50
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体溶液:日信化学株式会社製 ソルバインA/NPAc=15/85
酸化チタン:テイカ株式会社 JR-600E
可塑剤(エポキシ化大豆油):DIC株式会社 エポサイザーW-100EL
金属キレート架橋剤:マツモトケミカル株式会社 オルガチツクス TC-100
塩素化ポリプロピレン:日本製紙株式会社 スーパークロン360T
シリカ:富士シリシア株式会社 サイリシア350
ワックス:三井化学株式会社 三井ハイワックス 220MP
(実施例11)青色リキッド印刷インキ調整例
DIC株式会社 FASTOGEN BLUE FA5380を10部、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体溶液を20部、合成例3で得たポリウレタン樹脂溶液A3を30部、イソプロピルアルコール8部、酢酸エチル18部を混合し練肉した。さらに、塩素化ポリプロピレン溶液2部、酢酸ノルマルプロピル10部、水2部を混合し、青色リキッド印刷インキを作成した。
(実施例12~15、比較例8~14)
表5~表9の配合に従い、実施例11と同様にして青色リキッド印刷インキを作成した。
使用した原料の詳細は次の通りである。
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体溶液:日信化学株式会社製 ソルバインA/NPAc=15/85
藍顔料:DIC株式会社 FASTOGEN BLUE FA5380
塩素化ポリプロピレン:日本製紙株式会社 スーパークロン360T
〔フィルム印刷物の製造方法〕
得られた白色リキッド印刷インキを、版深35μmグラビア版を備えたグラビア校正機により、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(以下OPPフィルム)に印刷して45℃で乾燥し、印刷物を得た。
得られた印刷物について、印刷物の耐油性、耐スクラッチ性、印刷適性について下記の試験方法に従って評価を行った。
得られた青色リキッド印刷インキを、版深35μmグラビア版を備えたグラビア校正機により、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下PETフィルム)に印刷して45℃で乾燥し、印刷物を得た。
得られた印刷物について、印刷物の耐スクラッチ性、耐レトルト性及び印刷適性について下記の試験方法に従って評価を行った。
(評価項目:耐油性)
OPPフィルム印刷物の印刷面を、学振型耐摩擦試験機を用いて、食用サラダ油:バターを1:1でしみ込ませたあて布で200gの荷重下100回摩擦し、印刷面の変化から耐油性を評価した。評価4以上が実用範囲である。
(評価基準)
5:印刷面、あて布ともに変化なし。
4:印刷面に変化はないが、あて布が着色する。
3:印刷面に筋状の傷が認められる。
2:印刷面に太く筋状の傷が認められる。
1:印刷面に面状の傷が認められる。
(評価項目:耐スクラッチ性)
爪によりOPPフィルム印刷物、又はPETフィルム印刷物の印刷皮膜を擦った際の外観の状態を目視判定にて下記の5段階で評価した。
(評価基準)
5:10回以上擦っても皮膜が剥がれない。
4:10回の擦れでわずかに皮膜が剥がれる。
3:4~5回の擦れで皮膜が剥がれる。
2:2~3回の擦れで皮膜が剥がれる。
1:1回の擦れで皮膜が容易に剥がれる。
(評価項目:印刷適性 カスレ試験)
実施例および比較例のリキッド印刷インキを、インキ作製に使用した際と同一比率の混合有機溶剤で希釈し、離合社製ザーンカップNo3で16秒になるように希釈した。それを、版深度25μmを有するレーザーグラビア版を取り付けたMD型グラビア印刷機(富士機械株式会社製)を用いて、片面にコロナ放電処理を施した二軸延伸ポリプロピレンフィルム(フタムラ化学株式会社製 FOR 厚さ20μm)の処理面に印刷を行った。
カスレ試験は、グラビア版の円周600mmφで200m/minの印刷速度した際のハイライト印刷部分(網点面積10%未満)におけるカスレの面積の割合と、非印刷部の汚れ具合を目視評価した。 評価4以上が実用範囲である。
(評価基準)
5:カスレが全くなく、非印刷部の汚れもない。
4:カスレが少し見られる、若しくは非印刷部に汚れが少しみられる。
3:カスレが少し見られ、且つ非印刷部に汚れが少し見られる。
2:カスレが見られ、且つ非印刷部に汚れが見られる。
1:カスレが多く見られ、且つ非印刷部にも汚れが多く見られる。
(評価項目:耐レトルト性)
上記PETフィルム印刷物にウレタン系のドライラミネート接着剤ディックドライLX-500/KW-75(DIC製)を塗膜量が3.5g/mとなるように塗布、乾燥後、ドライラミネート機(DICエンジニアリング製)によってアルミニウム箔(以下、AL:東洋アルミニウム工業(株)製 アルミ箔C、15μm)をラミネートし、2層のラミネート物1を得た。次にラミネート物1のAL上に接着剤を同様に塗布し、無延伸ポリプロピレンフィルム(以下、R-CPP:東レ合成フィルム社製 ZK-75 50μm)を積層し、40℃で5日間エージング施し、3層の複合ラミネート物2を得た。
得られたラミネート物2を120mm×120mmの大きさのパウチに製袋し、内容物として、食酢、サラダ油、ミートソースを重量比で1:1:1に配合した疑似食品70gを充填密封した。作成したパウチを135℃、30分間の蒸気レトルト殺菌処理をした後、剥離の程度を3段階で評価を行った。
○:剥離がない。
△:小さなブリスター状の剥離がある。
×:大小問わず、全面に剥離がある。
結果を表5~表9に示す。なお空欄は配合していないことを示す。
Figure 0007271838000006
Figure 0007271838000007

Figure 0007271838000008
Figure 0007271838000009

Figure 0007271838000010
この結果、実施例1~10では耐油性、耐スクラッチ性、印刷適性において優れた結果となった。更に実施例11~15では、耐レトルト(熱水)性、耐スクラッチ性、印刷適性において優れる結果となった。

Claims (6)

  1. ポリエステルポリオールを反応原料とするポリウレタン樹脂(A)と塩素化ポリオレフィン(B)を含有するリキッド印刷インキであって、
    前記ポリウレタン樹脂(A)が、セバシン酸と芳香族ポリカルボン酸を含有するポリカルボン酸とポリオールとを反応原料とするポリエステルポリオール(A1)とポリエーテルポリオール(A2)をイソシアネート成分と反応させたポリウレタン樹脂であり、前記ポリエーテルポリオールがポリオール全量に対し10~80重量%であることを特徴とするリキッド印刷インキ。
  2. 前記ポリエステルポリオール(A1)が水酸基価16~300mgKOH/gのポリエステルポリオールであり、前記ポリエーテルポリオール(A2)が水酸基価18.5~300mgKOH/gのポリエーテルポリオールである請求項に記載のリキッド印刷インキ。
  3. 前記ポリエステルポリオール(A1)における前記芳香族ポリカルボン酸がポリカルボン酸全量に対しモル比率で5~80%である請求項1又は2に記載のリキッド印刷インキ。
  4. 前記ポリエステルポリオール(A1)が、セバシン酸と芳香族ポリカルボン酸を含有する植物由来のポリカルボン酸と炭素原子数が2~10の短鎖ジオールとを反応原料とするポリエステルポリオール(A1-1)である請求項1~のいずれかに記載のリキッド印刷インキ。
  5. インキ全量に対し、シリカを0~5.0質量%およびワックスを0~5.0質量%含有する請求項1~のいずれかに記載のリキッド印刷インキ。
  6. 基材上に、請求項1~のいずれかに記載のリキッド印刷インキを印刷した印刷層を有する印刷物。
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