JP6406046B2 - グラビアまたはフレキソ印刷インキ用ポリウレタンウレア樹脂組成物 - Google Patents

グラビアまたはフレキソ印刷インキ用ポリウレタンウレア樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は包装材料として用いられる各種プラスチックフィルム基材に対し、有用な印刷インキに用いられるグラビアまたはフレキソ印刷インキ用ポリウレタンウレア樹脂組成物に関する。より詳しくは、ノントルエン系の溶剤系においても良好な印刷適性を示し、種々の印刷物性に優れたグラビアまたはフレキソ印刷インキ用ポリウレタンウレア樹脂組成物に関する。
グラビア印刷は、被印刷体に美粧性、機能性を付与させる目的で広く用いられているが、近年、包装物の多様性や包装技術の高度化、さらには法規制面からの環境課題に対する取組みなどに伴い、印刷インキへ要求される性能は年々多様化している。特に、芳香族系溶剤、例えばトルエンを排除したノントルエン型の印刷インキの性能向上は急務であり、トルエンを排除した系での印刷適性や印刷物性の確保が望まれている。
グラビア印刷インキ用印刷インキの中でも、特にラミネート用インキには、ラミネート強度からポリウレタン樹脂の使用が多い。ポリウレタン樹脂は、イソシアネート、ポリオール等を適宜選択することで、硬くて強靱な塗膜から柔らかくかつ弾性のある塗膜まで広く自由な塗膜設計ができるためである。ポリウレタン樹脂のなかでも、印刷適性や印刷物性へ大きく影響を及ぼすソフトセグメントを形成するポリオール、さらにはポリエステルポリオールを形成するためのグリコールおよび二塩基酸に関しては、特許文献1〜10等に示されるように、多く検討が行われてきた。
特に、印刷物性のひとつであるラミネート強度は、近年の作業工程の効率化のため、条件が厳しくなってきている。具体的には、ラミネート強度は、ラミネート加工後ある強度に収束するための時間が必要であるが、近年はインキ印刷工程とラミネート加工工程との間隔や、ラミネート加工工程と製袋工程との間隔が以前より短くなっているため、ラミネート加工工程直後から高いラミネート強度を有する、つまりラミネート強度の立ち上がりの速さが求められている。しかし、特許文献1や特許文献2をはじめ、前記文献では加工直後のラミネート強度のみならず、同時に他の印刷物性である耐ブロッキング性、レトルト適性の性能を全て満足できるものではなかった。
また、特に包装物が食品の場合には、味覚や臭気等の衛生面も重要な課題である。特許文献9および10のように、グリコールに3−メチル−1、5−ペンタンジオールが多く使用されているが、3−メチル−1、5−ペンタンジオールおよびアジピン酸からポリエステルポリオールを、合成する際、副生成物として、環状ジエステルが生成する。この環状ジエステルの内容物への溶出が味覚に悪影響を及ぼすことがあり、課題として挙げられる。
特許2903868号公報 特許3000701号公報 特許2976291号公報 特許2694055号公報 特開2003−206431公報 特開2010−53194公報 特開2012−12596公報 特開2013−142117公報 特開2012−12419公報 特許5493798号公報
本発明は、前記状況を鑑み鋭意検討を重ねた結果、ポリウレタンウレア樹脂に使用するポリエステルポリオールの全グリコール中、2−メチル−1,3−プロパンジオールと、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールとをそれぞれ20重量%以上含有するポリウレタンウレア樹脂組成物を使用したグラビア印刷インキは、包装内容物の味覚試験に悪影響の可能性のある環状ジエステルの溶出が検出されず、ノントルエン系の溶剤系における印刷適性、ラミネート強度、耐ブロッキング性、レトルト適性の印刷物性がいずれも良好であることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、高分子ポリオールと、ジイソシアネートとを反応させてなる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを、有機ジアミンと反応させてなるポリウレタンウレア樹脂、および
有機溶剤を含有するグラビアまたはフレキソ印刷インキ用ポリウレタンウレア樹脂組成物であって、
下記(1)〜(3)であることを特徴とするグラビアまたはフレキソ印刷インキ用ポリウレタンウレア樹脂組成物。
(1)前記高分子ポリオールは、ポリエステルポリオールを前記高分子ポリオールに対して50重量%以上含有する。
(2)前記ポリエステルポリオールは、グリコールと二塩基酸との反応からなる。
(3)前記ポリエステルポリオールの全グリコールは、2−メチル−1,3−プロパンジオールと、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールとを前記ポリエステルポリオールの全グリコールに対してそれぞれ20重量%以上含有する。
また、本発明は、上記ポリウレタンウレア樹脂組成物を用いてなる印刷インキ組成物に関する。
本発明によって、包装内容物の味覚試験に悪影響の可能性のある環状ジエステルの溶出が検出されず、ノントルエン系の溶剤系における印刷適性、ラミネート強度、耐ブロッキング性、レトルト適性の印刷物性がいずれも良好であるグラビアまたはフレキソ印刷インキ用ポリウレタンウレア樹脂組成物の提供が可能となった。
以下、本発明のグラビアまたはフレキソ印刷インキ用ポリウレタンウレア樹脂組成物について説明する。
本発明におけるポリウレタンウレア樹脂は、高分子ポリオールと、ジイソシアネートとを反応させてなる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを、有機ジアミンと反応させてなる。つまり、ポリウレタンウレア樹脂の合成法は、まずプレポリマー反応として高分子ポリオールとジイソシアネート化合物を、必要に応じイソシアネート基に不活性な溶媒を用い、また、更に必要であれば触媒を用いて10〜100℃の温度で反応させ、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを製造し、次いで、鎖延長反応としてウレタンプレポリマーと有機ジアミンとを、10〜80℃で反応させる。プレポリマー反応および鎖延長反応の終点は、粘度測定、IR測定によるNCOピ−ク、滴定によるアミン価測定等により判断される。
本発明でいう高分子ポリオールは、グラビアインキ用として周知のポリオールであり、重合反応や、縮合反応や、天然物などで入手でき、その多くは、平均重量分子量が400〜10000のものである。
本発明における使用する高分子ポリオールとしては、高分子ポリオール中、ポリエステルポリオールを50重量%以上含有する。さらに、ポリエステルポリオールを70重量%以上であると好ましい。また、高分子ポリオール中、50重量%以下であれば、ポリエステルポリオール以外の高分子ポリオール、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトン等を用いることができ、それぞれ1種または2種以上を併用してもよい。ポリエステルポリオールの他に併用する高分子ポリオールとしては、耐ブロッキング性、版かぶり性の観点からポリエーテルポリオールが好ましく、さらにポリプロピレングリコールが好ましい。
本発明におけるポリエステルポリオールは、グリコールと二塩基酸との反応からなる。さらに、グリコールとしては、2−メチル−1,3−プロパンジオール(以下、MPOとも記載する)および2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール(以下、BEPGとも記載する)を共に含有し、それぞれ全グリコール中20重量%以上含有する。MPOを20重量%以上含有すると、耐ブロッキング性が良好となり、BEPGを20重量%以上含有すると、ラミネート強度が良好となる。MPOおよびBEPGをそれぞれ全グリコール中30重量%以上含有すると、さらに好ましい。
なお、MPOおよびBEPGは、MPOと、BEPGと二塩基酸を一緒に反応させ、ひとつのポリエステルポリオール中にMPOおよびBEPGを存在させても良いし、BEPGを含まずMPOを含むポリオールと二塩基酸との反応からなるポリエステルポリオール、およびMPOを含まずBEPGを含むポリオールと二塩基酸との反応からなるポリエステルポリオールの混合物として利用しても良い。
上記範囲内であれば、MPO、BEPG以外に、公知のグリコールを併用することもできる。例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4−ブチンジオール、1,4−ブチレンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ソルビトール、ペンタエスリトール等が挙げられる。
二塩基酸としては、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、こはく酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
課題のひとつでもある包装内容物への溶出が課題となっている環状ジエステルは、ポリエステルポリオール生成時の副生成物として混入する。一般的に生成するポリエステルポリオールの炭素主鎖が長い方が、環状ジエステルの生成が容易となるため、本発明において、二塩基酸はアジピン酸が好ましい。
本発明におけるジイソシアネート化合物としては、芳香族、脂肪族または脂環族の各種公知のジイソシアネート類を使用することができる。例えば、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4、4’−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネートやダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等が代表例として挙げられる。これらは単独または2種以上を混合して用いることができる。イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましく、溶解性の観点からイソホロンジイソシアネートがさらに好ましい。
本発明における有機ジアミンとしては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’ −ジアミンなどが挙げられる。また、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピルジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2−ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミンなど分子内に水酸基を有するアミン類も用いることが出来る。これらの有機ジアミンは単独または2種以上を混合して用いることができるが、イソホロンジアミンが好ましい。さらに、ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン:(IBPA、3,3’−ジアミノジプロピルアミン)、N−(3−アミノプロピル)ブタン−1,4−ジアミン:(スペルミジン)、6,6−イミノジヘキシルアミン、3,7−ジアザノナン−1,9−ジアミン、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン等のアミノ基数が3以上の多官能アミンを、上記有機ジアミンと併用することもできる。
本発明において、ポリウレタンウレア樹脂は、アミン価を有することが好ましい。ポリウレタンウレア樹脂のアミン価は1.0〜13.0mgKOH/gであることが好ましく、この範囲内であると、ラミネート強度および耐ブロッキング性のバランスが取りやすい。
本発明において、ポリウレタンウレア樹脂のプレポリマー反応でのジイソシアネート化合物のイソシアネート基と、ポリオールの水酸基とのモル比[NCO]/[OH]は1.5〜2.8であることが好ましい。[NCO]/[OH]が1.5〜2.8の範囲内であると、ラミネート強度および耐ブロッキング性のバランスが取りやすい。
本発明におけるポリウレタンウレア樹脂の重量平均分子量は10000〜100000であることが好ましい。さらに好ましくは20000〜60000である。重量平均分子量が10000〜100000の範囲内であると、ラミネート強度および耐ブロッキング性のバランスが取りやすい。
本発明におけるポリウレタンウレア樹脂組成物に使用される有機溶剤は、エステル系溶剤とアルコール系溶剤の混合溶剤を含む。エステル系溶剤としては、酢酸エチル、ノルマルプロピルアセテート、イソプロピルアセテート、イソブチルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなど、アルコール系溶剤としては、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロピルアルコール、ノルマルブタノール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール系溶剤など公知の溶剤を使用することが好ましい。
プレポリマー反応には触媒を用いることもできる。使用できる触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ジメチルアニリンなどの3級アミン系の触媒;スズ、亜鉛などの金属系の触媒などが挙げられる。これらの触媒は通常ポリオールに対して0.001〜1モル%の範囲で使用される。
鎖延長反応には、反応停止剤を使用してもよい。反応停止剤としては、例えばジ−n−ブチルアミンなどのジアルキルアミン類などの他、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、トリ(ヒドロキシメチル)アミノメタン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、等の水酸基を有するアミン類も用いることができる。更に、グリシン、アラニン、グルタミン酸、タウリン、アスパラギン酸、アミノ酪酸、バリン、アミノカプロン酸、アミノ安息香酸、アミノイソフタル酸、スルファミン酸などのモノアミン型アミノ酸類も挙げられる。
本発明におけるグラビア印刷インキには、用途や基材に応じて、様々な樹脂を併用することができる。用いられる樹脂の例としては、上記記載以外のポリウレタン樹脂およびポリウレタンウレア樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ニトロセルロース樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ロジン系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、テルペン樹脂、フェノール変性テルペン樹脂、ケトン樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール、石油樹脂、およびこれらの変性樹脂などを挙げることができる。これらの樹脂は、単独で、または2種以上を混合して用いることができ、その含有量は、インキの総重量に対して5〜25重量%が好ましい。
本発明におけるグラビア印刷インキは、顔料をバインダー樹脂等により分散機を用いて有機溶剤中に分散し、得られた顔料分散体にバインダー樹脂、各種添加剤や有機溶剤等を混合して製造できる。分散機としては一般に使用される、例えばローラーミル、ボールミル、ペブルミル、アトライター、サンドミルなどを用いることができる。顔料分散体における顔料の粒度分布は、分散機の粉砕メディアのサイズ、粉砕メディアの充填率、分散処理時間、顔料分散体の吐出速度、顔料分散体の粘度などを適宜調節することにより、調整することができる。また、本発明においては顔料を含有しないメジウム等に関しても適用できる。
顔料を安定に分散させるには、バインダー樹脂単独でも分散可能であるが、さらに顔料を安定に分散するため顔料分散剤を併用することもできる。顔料分散剤としては、アニオン性、ノニオン性、カチオン性、両イオン性などの界面活性剤を使用することができる。顔料分散剤は、インキ安定性の観点から印刷インキ組成物の総重量に対して0.05重量%以上、かつ、ラミネート適性の観点から10重量%以下含まれることが好ましい。さらに、0.1〜3重量%の範囲で含まれることがより好ましい。
本発明におけるウレタンウレア樹脂組成物を用いたグラビア印刷インキには、顔料として無機系顔料および有機系顔料を使用できる。無機系顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化クロム、シリカ、カーボンブラック、アルミニウム、マイカ(雲母)などが挙げられる。着色力、隠ぺい力、耐薬品性、耐候性の点から、白色顔料には酸化チタンが好ましく、さらに、顔料表面が塩基性である酸化チタンがより好ましい。アルミニウムは粉末またはペースト状であるが、取扱い性および安全性の面からペースト状で使用するのが好ましく、リーフィングまたはノンリーフィングを使用するかは輝度感および濃度の点から適宜選択される。硫酸バリウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウムは体質顔料と呼ばれ、流動性、強度、光学的性質の改善のために増量剤として使用される。一方、有機系顔料としては、一般のインキ、塗料および記録材などに使用されているものを挙げることができる。例えば、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、ジクトピロロピロール系、イソインドリン系などが挙げられる。藍インキには銅フタロシアニン、透明黄インキにはコスト・耐光性の点からC.I.Pigment No Yellow83を用いることが好ましい。
顔料は、印刷インキの濃度・着色力を確保するのに充分な量、すなわち印刷インキの総重量に対して1〜50重量%の割合で含まれることが好ましい。また、これらの着色剤は単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
その他、必要に応じてレベリング剤、消泡剤、ワックス、シランカップリング剤、可塑剤、光安定化剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、芳香剤、難燃剤などの添加剤を含むこともできる。
本発明におけるグラビア印刷インキに使用される有機溶剤としては、酢酸メチル、酢酸エチル、ノルマルプロピルアセテート、イソプロピルアセテート、イソブチルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロピルアルコール、ノルマルブタノール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール系溶剤、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどの炭化水素系溶剤など、公知の溶剤を使用できる。近年、作業環境の観点からトルエン、キシレンといった芳香族有機溶剤や、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンといったケトン系溶剤を排除する要望があり、本発明の印刷インキ組成物では、これを排除した溶剤が好適に用いられる。
印刷インキ組成物中に気泡や予期せずに粗大粒子などが含まれる場合は、印刷物品質を低下させるため、濾過などにより取り除くことが好ましい。濾過器は従来公知のものを使用することができる。
印刷インキ組成物の粘度は、顔料の沈降を防ぎ、適度に分散させる観点から10mPa・s以上、インキ製造時や印刷時の作業性効率の観点から1000mPa・s以下の範囲であることが好ましい。なお、上記粘度はトキメック社製B型粘度計で25℃において測定された粘度である。
本発明において、1液型印刷インキ組成物として使用してもよいし、イソシアネート系硬化剤を添加し、2液型印刷インキ組成物として使用することもできる。イソシアネート系硬化剤としては、例えばトリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)の、それぞれアダクト型ポリイソシアネート(アダクト体)、ビウレット型ポリイソシアネート(ビウレット体)、イソシアヌレート型ポリイソシアネート(イソシアヌレート体)等が使用でき、例えば、トリメチロールプロパン1モルとHDI3モルとの反応から得られるアダクト体、水1モルとHDI3モルとの反応から得られるビウレット体、HDIの環状三量化反応から得られるイソシアヌレート体等が挙げられる。2液型印刷インキとして使用する場合、ポリイソシアネート系硬化剤の添加量はインキに対して、0.5〜5重量%が好ましい。
本発明における印刷インキ組成物は、グラビア印刷方式を用いることができるが、フレキソ印刷用のポリウレタンウレア樹脂として利用することもできる。グラビア印刷では、印刷に適した粘度および濃度にまで希釈溶剤で希釈され、単独でまたは混合されて各印刷ユニットに供給される。
本発明の印刷インキ組成物を適用できる基材としては、ポリエチレンもしくはポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートもしくはポリ乳酸等のポリエステル、ポリスチレン、AS樹脂もしくはABS樹脂等のポリスチレン系樹脂、ナイロン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンの各種フィルム、セロハン、紙もしくはアルミニウム箔など、もしくはこれらの複合材料からなるフィルム状、またはシート状のものがある。これらの基材は、金属酸化物などを表面に蒸着コート処理および/またはポリビニルアルコールなどコート処理が施されていても良く、例えば、酸化アルミニウムを基材表面に蒸着させた凸版印刷株式会社製GL−AEや、大日本印刷株式会社製IB−PET−PXB等が挙げられる。さらに、必要に応じて帯電防止剤、紫外線防止剤などの添加剤を処理したものや、基材の表面をコロナ処理あるいは低温プラズマ処理したものなども使用することができる。
本発明における印刷インキ組成物を基材に印刷してなる印刷物は、印刷インキ組成物を上記の印刷方式を用いて塗布し、オーブンによる乾燥によって乾燥させて定着することで得られる。乾燥温度は通常40〜60℃程度である。
本発明における印刷インキ組成物を印刷してなる印刷物は、さらに、積層体とすることができる。当該積層体は、印刷インキ組成物を印刷した印刷物に少なくとも一層のラミネート加工を施すことで得られる。ラミネート加工には様々な加工法があるが、代表的なものとして、(1)押出しラミネート法、(2)ドライラミネート法等が挙げられる。
(1)押出しラミネート法とは、得られた印刷物の印刷面に、熱可塑性樹脂を溶融して、Tダイと呼ばれるスリット状のダイからフィルム状に押し出したものを、基材に積層する方法である。印刷物の印刷面には、予めアンカーコート剤を塗布してから、ラミネートすることが多い。また、溶融樹脂を印刷物の印刷面に押し出し、別の巻出し機からシーラントを貼り合わせることもできる。アンカーコート剤としてはイミン系、ブタジエン系、イソシアネート系のアンカーコート剤が使用できる。具体的には、東洋モートン株式会社製・EL−420(イミン系)、EL−452(ブタジエン系)、EL−530A/B(イソシアネート系)、EL−540/CAT−RT32(イソシアネート系)等が挙げられる。溶融樹脂としては低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が使用できる。具体的には、日本ポリエチレン株式会社製ノバテックLD LC600A(低密度ポリエチレン)等が挙げられる。シーラントとしては、基材で用いた前記各種フィルム、セロハン、紙もしくはアルミニウム箔など、もしくはこれらの複合材料からなるフィルム状、またはシート状のものが挙げられる。具体的には、三井化学東セロ株式会社製TUX-FCD(LLDPE)、フタムラ化学株式会社製FCMN(CPP)、麗光株式会社製ダイアラスター(VMPET)等がある。
(2)ドライラミネート法とは、接着剤を有機溶剤で適当な粘度に希釈して、得られた印刷物の印刷面に塗布し、乾燥後シーラントと圧着して積層する方法である。接着剤としてはポリオール/イソシアネートの2液型が主流であり、具体的には東洋モートン株式会社製・TM−250HV/CAT−RT86L−60、TM−550/CAT−RT37、TM−314/CAT−14B等が挙げられる。シーラントとしては、基材で用いた前記各種フィルム、セロハン、紙もしくはアルミニウム箔など、もしくはこれらの複合材料からなるフィルム状、またはシート状のものが挙げられる。具体的には、三井化学東セロ株式会社製TUX-FCD(LLDPE)、東レ株式会社製ZK93KM(CPP)、麗光株式会社製ダイアラスター(VMPET)、東レ株式会社製2203(VMCPP)等がある。
上記の方法で得られた積層体は、シーラント面同士がヒートシールされることで包装袋となる。そのため、包装袋での最も内側に当たるシーラントには、ヒートシール性を付与するためのフィルムが使用される。例えば、無延伸のポリエチレンもしくはポリプロピレン等のポリオレフィン等が挙げられる。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、本発明における部および%は、特に注釈の無い場合、重量部および重量%を表す。
<アミン価の測定方法>
試料を0.5〜2g精秤する。(試料量:Sg)精秤した試料に中性エタノール(BDG中性)30mLを加え溶解させる。得られた溶液を0.2mol/lエタノール性塩酸溶液(力価:f)で滴定を行なう。溶液の色が緑から黄に変化した点を終点とし、この時の滴定量(AmL)を用い次の(式1)によりアミン価を求めた。
(式1) アミン価=(A×f×0.2×56.108)/S
<数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)の測定方法>
数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)の測定は、昭和電工社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「ShodexGPC System−21」を用いた。GPCは溶媒に溶解した物質をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィーであり、溶媒としてはテトロヒドロフラン、分子量の決定はポリスチレン換算で行った。
<水酸基価の測定方法>
共栓三角フラスコ中に試料、約1gを精密に量り採り、トルエン/エタノール(容量比:トルエン/エタノール=2/1)混合液100mlを加えて溶解する。更にアセチル化剤(無水酢酸25gをピリジンで溶解し、容量100mlとした溶液)を正確に5ml加え、約1時間攪拌した。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間持続する。その後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定する。
水酸基価は次の(式2)により求めた。水酸基価は樹脂の乾燥状態の数値とした(単位:mgKOH/g)。
(式2) 水酸基価(mgKOH/g)=[{(b−a)×F×28.25}/S]/(不揮発分濃度/100)+D
ただし、S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
b:空実験の0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
D:酸価(mgKOH/g)
<酸価の測定方法>
共栓三角フラスコ中に試料化合物(B)を、約1gを精密に量り採り、トルエン/エタノール(容積比:トルエン/エタノール=2/1)混合液100mlを加えて溶解した。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間保持した後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定した。乾燥状態の樹脂の値として、酸価(mgKOH/g)を次の(式3)により求めた。
(式3) 酸価(mgKOH/g)={(5.611×a×F)/S}/(不揮発分濃度/100)
ただし、S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
(ポリエステルポリオールの合成)
[合成例1−1]
攪拌機、温度計、分水器および窒素ガス導入管を備えた丸底フラスコに、2−メチル−1,3−プロパンジオール(以下MPOとも略す)10.680部、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール(以下BEPGとも略す)42.273部、アジピン酸47.045部、テトラブチルチタネート0.002部を仕込み、窒素気流下に230℃で縮合により生じる水を除去しながらエステル化を8時間行った。ポリエステルの酸価が15以下になったことを確認後、真空ポンプにより徐々に真空度を上げ反応を終了した。これにより水酸基価56.1mgKOH/g (水酸基価から算出される数平均分子量2000)、酸価0.3mgKOH/gのポリエステルポリオ−ル(A1)を得た。
[合成例1−2〜1−13]
表1の仕込み比にて、合成例1−1と同様の操作で、ポリエステルポリオール(A2〜A13)を得た。
なお、合成には以下の原料を用いた。
MPO:2−メチル−1,3−プロパンジオール
BEPG:2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール
MPD:3−メチル1,5−ペンタンジオール
NPG:ネオペンチルグリコー
1,6−HD:1,6−ヘキサンジオール
Figure 0006406046
(ポリウレタンウレア樹脂組成物の合成)
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、ポリエステルポリオ−ル(A1)22.887部、イソホロンジイソシアネート(以下IPDIとも略す)5.087部、酢酸エチル7.500部、2 −エチルヘキサン酸スズ0.003部を仕込み、窒素気流下に120 ℃で6時間反応させ、酢酸エチル7.500部を加え冷却し、末端イソシアネートプレポリマーの溶液を得た。次いでイソホロンジアミン(以下IPDAとも略す)2.026部、酢酸エチル34.000部およびイソプロピルアルコール(以下IPAとも略す)21.000部を混合したものへ、得られた末端イソシアネートプレポリマーの溶液を室温で徐々に添加し、次に50℃で1時間反応させ、固形分30.0%、重量平均分子量35000、アミン価4.0mgKOH/樹脂1gのポリウレタンウレア樹脂組成物(B1)を得た。
[合成例2−2〜2−18]
表2および表3の仕込み比にて、合成例2−1と同様の操作で、ポリウレタンウレア樹脂組成物(B2〜B18)を得た。
Figure 0006406046
Figure 0006406046
(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体ワニスの調製)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(日信化学工業株式会社製ソルバインTA5R)30部を、酢酸エチル70部に混合溶解させて、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体ワニスを調整した。
(藍色印刷インキ組成物の調製)
[実施例1]
銅フタロシアニン藍(トーヨーカラー株式会社製LIONOL BLUE FG−7330)12.0部、ポリウレタンウレア樹脂組成物(B1)10.0部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体ワニス10.0部、混合溶剤(ノルマルプロピルアセテート/イソプロピルアルコール=75/25(重量比))10.0部を撹拌混合しサンドミルで練肉した後、ポリウレタンウレア樹脂組成物(B1)20 .0 部、混合溶剤(ノルマルプロピルアセテート/イソプロピルアルコール=75/25(重量比))38.0部を攪拌混合し、藍色印刷インキ(C1)を得た。
[実施例2〜9][ 比較例1〜9]
表4および表5に記載のポリウレタンウレア樹脂組成物を使用して、実施例1と同様の操作で、藍色印刷インキ(C2〜C18)を得た。
(白色印刷インキ組成物の調製)
[実施例10]
酸化チタン(テイカ株式会社製チタニックスJR−805)30 .0部、ポリウレタンウレア樹脂組成物(B1)10.0部、混合溶剤(ノルマルプロピルアセテート/イソプロピルアルコール=75/25(重量比))10.0部を撹拌混合しサンドミルで練肉した後、ポリウレタンウレア樹脂組成物溶液(B1)40.0部、混合溶剤(ノルマルプロピルアセテート/イソプロピルアルコール=75/25(重量比))10.0部を攪拌混合し、白色印刷インキ(D1)を得た。
[実施例11〜18][ 比較例10〜18]
表6および表7に記載のポリウレタンウレア樹脂組成物を使用して、実施例10と同様の操作で、白色印刷インキ(D2〜D18)を得た。
上記で調整した藍色印刷インキおよび白色印刷インキを用い、評価を行った。行った評価は、環状ジエステル検出の有無、ラミネート強度、耐ブロッキング性、版かぶり性、レトルト適性である。
[印刷物の作成]
印刷インキの粘度をノルマルプロピルアセテート/イソプロピルアルコール混合溶剤(重量比70/30) で希釈し、ザーンカップ#3(離合社製)で15秒(25℃)に調整し、版深35μmグラビア版を備えたグラビア校正機により、片面コロナ処理OPPフィルム(東洋紡株式会社製パイレンP2161)、コロナ処理PETフィルム(東洋紡株式会社製E5100#12)に印刷して40〜50℃ で乾燥し、印刷物を得た。
[環状ジエステル検出の有無]
上記のPETフィルムの印刷物に、ドライラミネート用接着剤(東洋モートン株式会社製TM−550/CAT−RT37)を塗工し、ライン速度40m/分でドライラミネート機を用いて、CPPフィルム(東レ株式会社製ZK93KM)と張り合わせ、ラミネート物を得た。得られたラミネート物は40℃で48時間エージングを行った。その後、CPP面を内側としてヒートシール(温度:190℃、圧:2kgf、時間:1秒)して袋体を作り、得られた袋体に内容物として水を充填し、85℃20分のボイル処理を行った。その後、ボイル水をGC/MS(ガスクロマトグラフィー質量分析法)にて分析し、環状ジエステルのピークの有無を確認した。なお、GC/MSの装置およびカラムは以下の通りである。
装置:HP−GC6890N/MSD5973(アジレント・テクノロジー株式会社製)/TDS(GERSTEL株式会社製)
カラム:HP−5(内径0.32mm/長さ60m/膜厚1.00μm)(アジレント・テクノロジー株式会社製)
また、評価は以下の通り行い、○を実用レベルとする。
○:環状ジエステルのピークは見られなかった。
×:環状ジエステルのピークが見られた。
[OPPラミネート強度]
上記のOPPフィルムの印刷物に、イミン系のアンカーコート剤(東洋モートン社製・EL420)をNV1wt%メタノール溶液で塗工し、押し出しラミネート機(ムサシノキカイ社製)によってライン速度100m/minにて溶融ポリエチレン(日本ポリエチレン社製・LC600A)を320℃で溶融させて18μmで積層し、VMPET(麗光社製・ダイアラスター H27 #12)と張り合わせた。さらにその上にCPP(フタムラ化学社製・FCMN #20)を同様に張り合わせた。なお、ラミネート工程は印刷工程後、3時間以内に行う。ラミネート工程後、ラミネート物について長さ150mm、幅15mmに切り出し、インキ−フィルム界面で開き、テンシロン引っ張り試験機を用いて90°方向のラミネート強度を測定した。測定は、ラミネート工程後、3時間後に行う。なお、実用レベルは0.5N/15mm以上とする。
◎:1.5N/15mm以上
〇:1.0N/15mm以上1.5N/15mm未満
〇△:0.8N/15mm以上1.0N/15mm未満
△:0.5N/15mm以上0.8N/15mm未満
×:0.5N/15mm未満
[耐ブロッキング性]
上記のOPPフィルムの印刷物を4cm×4cmにサンプリングし、このサンプルの印刷面と同じ大きさの未印刷フィルムの処理面とを合わせて、40℃12時間、10kgfの加圧を行い、サンプルを剥離した時のインキ取られを観察した。
○:印刷物からインキの転移が全く認められなかった。
△:印刷物からインキの転移がわずかに認められた。これ以上が実用レベルである。
△×:印刷物からインキの転移が、面積にして25%程度認められた。
×:印刷物からインキの転移が、面積にして50%以上認められた。
[版かぶり性]
NBR(ニトリルブタジエンゴム 製のゴム硬度80Hsの圧胴、刃先の厚みが60μm(母材の厚み40μm、片側セラミック層の厚み10μm)のセラミックメッキドクターブレード、東洋FPP株式会社製のクロム硬度1050Hvの電子彫刻版(スタイラス角度120度、色インキ用:250線/inch、白インキ用:200線/inch)、および希釈印刷インキを富士機械工業株式会社製グラビア印刷機にセットしドクター圧2kg/cm2、100m/分の回転速度で版を60分間空転した後に、片面コロナ処理OPPフィルム(東洋紡株式会社製パイレンP2161)に、印刷速度100m/分で印圧2kg/cm2で印刷、60℃の熱風で乾燥し、印刷物を得た。なお、印刷中は粘度コントローラーを用いて、各々の希釈溶剤を適宜補充して一定の粘度を保っている。上記のOPPフィルムの印刷物を黒色または白色の紙の上に貼り、余白部分(非画線部)に付着したインキの量を以下の基準で目視評価した。
◎:印刷物を5 枚重ねにしても、非画像部にインキの転移が全く認められなかった。
○:非画像部にインキの転移が全く認められなかった。
△:非画像部にインキの転移が僅かに認められた。これ以上が実用レベルである。
×:非画像部全面にインキの転移が認められた。
[レトルト適性]
環状ジエステル検出の有無で作成したものと同様の袋体に、1:1:1スープ(ケチャップ:酢:水=重量比で1:1:1)を充填し、120℃30分のレトルト処理を行い、外観の変化を以下の基準で目視評価した。○を実用レベルとする。
○:外観に変化は見られなかった。
×:外観にブリスター痕またはラミネート浮きが見られた。
Figure 0006406046
Figure 0006406046
Figure 0006406046
Figure 0006406046
表4〜7に結果を示す。MPOおよびBEPGをそれぞれ20重量%以上含有するポリウレタンウレア樹脂を用いた実施例1〜9および実施例10〜18の印刷インキは、比較例1〜9および比較例10〜18の印刷インキと比較し、環状ジエステルの検出がなく、OPPラミネート強度、耐ブロッキング性、版かぶり性、レトルト適性のいずれもが良好となった。

Claims (2)

  1. 高分子ポリオールと、ジイソシアネートとを反応させてなる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを、有機ジアミンと反応させてなるポリウレタンウレア樹脂、および有機溶剤を含有するグラビアまたはフレキソ印刷インキ用ポリウレタンウレア樹脂組成物であって、
    下記(1)〜(3)であることを特徴とするグラビアまたはフレキソ印刷インキ用ポリウレタンウレア樹脂組成物。
    (1)前記高分子ポリオールは、ポリエステルポリオールを前記高分子ポリオールに対して50重量%以上含有する。
    (2)前記ポリエステルポリオールは、グリコールと二塩基酸との反応からなる。
    (3)前記ポリエステルポリオールの全グリコールは、2−メチル−1,3−プロパンジオールと、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールとを前記ポリエステルポリオールの全グリコールに対してそれぞれ20重量%以上含有する。
  2. 請求項1記載のポリウレタンウレア樹脂組成物を用いてなる印刷インキ組成物。
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