JP6661269B2 - コーティング膜を備える構造体およびその製造方法 - Google Patents

コーティング膜を備える構造体およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、コーティング膜を備える構造体およびその製造方法に関する。より詳細には、エアロゾルデポジション法により形成されたコーティング膜を備える構造体、エアロゾルデポジション法を用いる構造体の製造方法に関する。
近年の携帯電話、タブレット端末、およびウェアラブル端末などの通信機器は、小型化の必要性と共に高機能化により搭載部品数が急増している。このため、搭載される電子チップ部品にも、小型化に加えて、従来製品と同等以上の性能、高耐久性、高信頼性が強く求められている。
また、これらの要求を満足する電子チップ部品の製造方法は、低コストかつ量産に適応した製造方法であることも同時に要求される。従来の電子チップ部品の製造方法として、例えばチップインダクタやMLCC(積層型セラミックコンデンサ)の場合には、以下のような方法が採用されている。すなわち、内部電極パターンを印刷したグリーンシートを必要な厚みになるように積層し、内部電極パターンに対して、電気的絶縁性が確保される余幅を残して切断する。その後、切断した各片を焼成することにより製造されている。しかしながら、近年要求されている、0402型および0201型といった極小サイズチップの場合には、従来の製造方法では、余幅確保によるインダクタンス値の低下が生じ、加えて、内部電極パターンに対する電気的絶縁性の確保が困難となってきている。したがって、従来の製造方法を用いて低コストかつ従来製品と同等以上の特性を極小サイズチップにおいて実現することは、技術的に困難となりつつある。
そこで、上記の余幅を残して切断する従来技術に代わって、余幅を残さずに切断し、後工程において薄いコーティング膜で被覆することにより電気的絶縁性を確保する方法などが提案されている(Side−Gapコーティング法)。これに伴い、電気的な高絶縁性を実現する量産化に適した薄膜のコーティング技術が強く求められている。
従来知られている薄膜のコーティング技術としては、ウェットコーティング法とドライコーティング法がある。例えば、ウェットコーティング法の一種であるディップコーティング法は、コーティング材料を溶媒に溶解または分散させ、基材を浸漬することでコーティング膜を形成する方法であり、コストを抑えた製造法であるものの、5μm以下の薄い膜厚を作製することは困難である。
一方で、ドライコーティング法の代表的な例としては、物理気相成長法(PVD法)、化学気相成長法(CVD法)、熱スプレー法、コールドスプレー法などが知られている。これら手法のうち、例えばPVD法によるコーティング膜形成では、緻密で均一な薄膜の形成が期待できるが、高真空環境が必要であること、および成膜速度が極端に低いという短所がある。また、CVD法は、PVD法に比べて成膜速度が若干改善されるものの、テトラエチルオルトシリケートなどの有毒なシラン系可燃性ガス等を使用するため、環境親和性や取扱い性の点で好ましくない。さらに、熱スプレー法やコールドスプレー法は、熱衝撃または機械的衝撃が大きく、電子部品に用いられる硬く脆いセラミックス材料に対するコーティング膜の製造には適さない。
これらの技術に対して、近年、エアロゾルデポジション法(以下AD法とも称する)と呼ばれるドライコーティング手法が注目されている。AD法は、アルゴンガスやヘリウムガスなどでエアロゾル化した原料粉末を基板に吹き付け、常温衝撃固化現象を利用して緻密なコーティング膜を成膜する技術である(下記非特許文献1)。他のコーティング方法と異なり、低真空で実施することができ、基材に熱衝撃が付加されないためコーティング膜の変質が少なく、成膜速度が他の方法と比べて比較的大きいなどの長所がある。このようなAD法を使用した超微粒子の成膜方法として、超微粒子や基板に高エネルギービームを照射する方法が知られている(下記特許文献1)。
特開2000−212766号公報
S.K.Ahuja,Powder Thechnol.,16,17(1977)
上述したように、近年の電子部品への小型化要求に対して、従来技術によっては、十分な性能の電子部品が提供されていないという実情がある。また、電子部品をはんだにより電子基板へ実装するためには、併せて十分なはんだ耐熱性も求められる。そのため、本発明では、AD法を用いて、チップインダクタやMLCCなどの極小電子部品に用いうる、薄膜のコーティング膜を備える、高絶縁性およびはんだ耐熱性を有する構造体を提供することを目的とする。さらに、本技術に関係するコーティング膜を備える構造体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の問題点を解決すべく鋭意研究を行った結果、下記の構造体および製造方法によれば、上記課題が解決されることを見出した。
すなわち、本発明の一態様は、セラミック基材と、
前記セラミック基材上の少なくとも一部に、エアロゾルデポジション法により直接形成された、膜厚1〜10μmのセラミックコーティング膜と、
を備え、
前記コーティング膜が1.5×10Ω・m以上の体積電気抵抗率、および、270℃のはんだ浴槽で測定されるはんだ耐熱性が10秒以上である構造体である。
また、本発明の別の態様は、体積基準のメジアン径D50が0.50μm<D50<1.0μmである材料粉末を準備する準備工程と、
前記材料粉末を含むエアロゾルガスをノズルから噴射させて、前記材料粉末を堆積させるエアロゾルデポジション法により、セラミック基材上にセラミックコーティング膜を形成する成膜工程と、
を有する構造体の製造方法である。
本発明によれば、AD法による薄膜のコーティング膜を備えることにより、極小サイズの電子部品に用いうる、高絶縁性かつはんだ耐熱性を有する構造体が提供される。また、本発明の製造方法によれば、特定の粒径分布の粉末材料を用いたAD法により、低コストで、薄膜のコーティング膜を備える、高絶縁性およびはんだ耐熱性を有する構造体を製造し得る。また、本発明の構造体を備えることにより、従来工法で作製したものよりも高性能かつ極小サイズの電子部品が得られる。
(a)は本発明の構造体を備えるチップインダクタの一例を示す概略斜視図であり、(b)は(a)の断面図である。 (a)は従来技術によるチップインダクタの一例を示す概略斜視図であり、(b)は(a)の断面図である。 (a)は本発明の構造体を備える電子部品の一例の製造方法を説明するための図であり、(b)は従来技術による電子部品一例の製造方法を説明するための図である。 AD法による成膜装置の一例を示す模式図である。 エアロゾル発生器を示す模式図である。 実施例1で製造したチップのSEMによる表面観察像である。 実施例1で製造したチップのSEMによる断面観察像である。 実施例1で製造したチップの熱サイクル試験後のSEMによる断面観察像である。 実施例1で製造したチップのはんだ耐熱性試験後のSEMによる断面観察像である。 実施例1で製造したチップのスクラッチ試験後の光学顕微鏡による表面観察像である。 スクラッチ試験における脆性的な破壊挙動を示す例の表面観察像である。 実施例2で製造したチップのSEMによる表面観察像である。 実施例2で製造したチップのSEMによる断面観察像である。 実施例2で製造したチップの熱サイクル試験後のSEMによる断面観察像である。 実施例2で製造したチップのはんだ耐熱性試験後のSEMによる断面観察像である。 実施例2で製造したチップのスクラッチテスト後の光学顕微鏡による表面観察像である。 実施例3で製造したチップのSEMによる表面観察像である。 実施例3で製造したチップのSEMによる断面観察像である。 実施例3で製造したチップの熱サイクル試験後のSEMによる断面観察像である。 実施例3で製造したチップのはんだ耐熱性試験後のSEMによる断面観察像である。 実施例3で製造したチップのスクラッチテスト後の光学顕微鏡による表面観察像である。
以下、本発明を構造体とその製造方法に分けて詳細に説明する。
[構造体]
本発明の構造体は、セラミック基材(以下単に基材とも称する)と、エアロゾルデポジション法により、前記セラミック基材上に直接形成された、膜厚1〜10μmのセラミックコーティング膜(以下単にコーティング膜とも称する)とを備える。コーティング膜は1.5×10Ω・m以上の体積電気抵抗率、および、270℃のはんだ浴槽で測定されるはんだ耐熱性が10秒以上である。本発明の構造体は、セラミック基材およびセラミック基材の少なくとも一部に直接接触するセラミックコーティング膜を備えていればよく、セラミック基材が内部電極等他の部材を内包していてもよく、セラミック基材とコーティング膜とが接触していない部分が含まれていてもよい。
本発明との対比のため、図2(a)には、従来技術によるチップインダクタの概略斜視図を示した。チップインダクタ20は、セラミック基材21の両端面に外部電極23が配され、セラミック基材21に内部電極22が内包されている。また、図2(b)は、図2(a)の2B−2B方向の断面図である。図2(b)の断面においては、積層された内部電極22、22’が複数の平坦な半楕円形をなしている。内部電極22、22’の外側端部とセラミック基材21の端部との間には余幅24だけの距離があり、内部電極22、22’は、セラミック基材に完全に内包されている。余幅24はチップインダクタの高絶縁性を保持するために必要である。従来技術においては、チップインダクタ20のサイズが小型化すると共に、セラミック基材21となるグリーンシートを、余幅24を設けて切断することが技術的に困難となっていた。
一方、図1(a)は、本発明の構造体を備える電子部品の一例として、チップインダクタを示した概略斜視図である。チップインダクタ10は、セラミック基材11の両端面に外部電極13が配され、セラミック基材11に内部電極12が内在している。さらに、図2(a)において、セラミック基材11および外部電極13の側面はセラミックコーティング膜14で被覆されている。
図1(b)は、図1(a)の1B−1B方向の断面図である。セラミック基材11内部には内部電極12、12’が存在するが、図1(b)の断面においては、積層された内部電極12、12’が複数の平坦な半楕円形をなしている。複数の内部電極12、12’の外側端部はセラミック基材11から露出し、コーティング膜14に接している。内部電極12、12’がセラミック基材11から露出していても、コーティング膜14で被覆されることにより、チップ全体として高絶縁性を保つことができる。また、従来技術のように、グリーンシートを余幅24をもたせて切断する困難な工程が必要なくなる。さらに、内部電極12、12’を、外側端部がセラミック基材11から露出する位置に配置することができるため、内部電極12と内部電極12’との間の距離を従来技術によるチップインダクタより広くとることができる。その結果、チップインダクタ10のインダクタンス値を高くすることができる。例えば、同じ大きさ、積層条件、内部電極印刷条件である場合には、特定の周波数帯域において、インダクタンス値は、従来技術によって製造されたものよりも2.2倍以上の値が得られる。また、AD法によれば、基板とコーティング膜との密着性が向上するため、はんだ耐熱性が向上し、体積電気抵抗率も向上する。
本発明の構造体のセラミックコーティング膜は、膜厚1〜10μmである。膜厚が1μmを下回ると、コーティング膜の材質によっては、構造体を電子部品に用いた場合に、十分な高絶縁性を維持することが難しい場合がある。一方、10μmを超えると、電子部品自体のサイズが大きくなり、小型化の要求に十分に対応できない。コーティング膜の厚みは、より好ましくは、3〜8μmである。膜厚は、走査型電子顕微鏡(SEM)による断面観察により測定することができる。
本発明の構造体のコーティング膜は、体積電気抵抗率が1.5×10Ω・m以上である。体積電気抵抗率は、より好ましくは、2.7×10Ω・m以上、さらに好ましくは3.6×10Ω・m以上である。上限値は、高い程よいため特に制限はないが、1.0×1014Ω・mである。極小サイズの電子部品に用いる際には、フェライトコーティングでは1.5×10Ω・m以上、AlおよびBaTiOコーティングでは1.0×1010Ω・m以上の体積電気抵抗率が確保できた場合、高絶縁性が維持しやすいためより好ましい。体積電気抵抗率は、後述する実施例で記載した方法により求めた値とする。
本発明の構造体のコーティング膜は、270℃のはんだ浴槽で測定されるはんだ耐熱性が10秒以上である。電子部品をはんだで実装するには、270℃以上の耐熱性が求められるが、本発明の構造体は十分なはんだ耐熱性を有する。はんだ耐熱性は、後述する実施例に記載のJIS C 60068−2−58:2006に準拠するはんだ耐熱性試験(熱衝撃試験)によって試験し、合格したものを「270℃のはんだ浴槽で測定されるはんだ耐熱性が10秒以上である」と定義する。
本発明のセラミックコーティング膜は、AD法により製膜されたものである。AD法によれば、焼結工程を経ずに、室温(25℃)で10μm以下のセラミック薄膜を形成することができる。また、後述するように、AD法を用い、セラミック基材およびセラミックコーティング膜の材料を選択することにより、上記の体積電気抵抗率およびはんだ耐熱性を有するコーティング膜を得ることができる。
本発明の構造体は、コーティング膜の基材に対する膜内破壊強度(臨界破壊強度)が7N以上、かつ、完全剥離強度が40N以上であることが好ましい。膜内破壊強度が7N以上、かつ、完全剥離強度が40N以上であると、コーティング膜は電子部品の被覆としてより十分な膜強度である。より好ましくは、膜内破壊強度が8N以上、かつ、完全剥離強度が45N以上である。上限値は、高い程よいため特に制限はないが、膜内破壊強度が60N以下、完全剥離強度が200N以下である。膜内破壊強度および完全剥離強度は、後述する実施例で記載したスクラッチ試験法により求めた値とする。
本発明の構造体は、コーティング膜の相対密度が80%以上であることが好ましい。相対密度が80%以上であると、電子部品の被膜によりふさわしい緻密な膜となる。相対密度は、より好ましくは82%以上である。相対密度の上限値は100%である。相対密度は、後述する実施例に記載の方法により求めた値とする。
また、コーティング膜が軟磁性材料の場合には、10kHzにおける透磁率が200〜1200、2.4kA/mにおける飽和磁化率が300〜500mT、保磁力が10〜100A/mであることが好ましい。かかる磁気特性を有していると、チップインダクタ等の電子部品に好適である。
(セラミック基材)
本発明の構造体に用いうるセラミック基材としては、特に制限はなく、いかなるものを使用してもよい。好ましくは、電子部品製造に用いられるグリーンシートまたはその積層体を焼結して得られた焼結体をセラミック基材として用いることができる。
例えば、セラミック基材としては、金属酸化物、遷移金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、ボライド系セラミックスおよびケイ素が挙げられる。金属酸化物または遷移金属酸化物は、複合酸化物を含み得る。より具体的には、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化カルシウム等の金属酸化物;ダイヤモンド、サファイヤ、コージェライト、βスポンジューメン、フォルステライト、サーメット、ステアタイト、チタン酸アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸亜鉛、ムライト、スピネル、ジルコン酸カルシウム、ジルコン酸ストロンチウム、ジルコニウム酸チタン酸バリウム、チタン酸ビスマス、チタン酸ストロンチウムビスマス等の複合酸化物;炭化ケイ素等の金属炭化物;窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化チタン等の金属窒化物;酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化ニッケル、酸化鉄、酸化チタン、酸化タンタル、酸化スズ、酸化バナジウム、酸化セリウム、酸化クロム等の遷移金属酸化物;Mg−Znフェライト、Mn−Znフェライト、Mn−Mgフェライト、Cu−Znフェライト、Mg−Mn−Srフェライト、Ni−Znフェライト、Ni−Cu−Znフェライト、Ni−Cu−Zn−Mgフェライト、Baフェライトなどのフェライト等の軟磁性材料;ケイ素;ボライド系セラミックス、が挙げられる。かかる材料は単独でも、二種以上を用いてもよい。より好ましくは、酸化アルミニウム(Al)、フェライト、チタン酸バリウム(BaTiO)、ケイ素(Si)、酸化ケイ素(SiO)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(SiN)、酸化チタン(TiO)、窒化チタン(TiN)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、窒化ホウ素(BN)が挙げられる。
このうち、電子部品用途により適していることから、基材が、Al、フェライト、およびBaTiOから選ばれた少なくとも一種を含むことが好ましい。フェライトとしては、Ni−Cu−Znフェライトがより好ましい。Ni−Cu−Znフェライトとしては、Fe−(9.8〜14.2)mol%NiO−(25.3〜29.1)mol%ZnO−(8.9〜11.5)mol%CuOの組成がさらに好ましい。
(セラミックコーティング膜)
本発明のセラミックコーティング膜は、上記の体積電気抵抗率を有する1〜10μmの薄膜のセラミックである。かかるコーティング膜は、AD法により成膜されたものであれば、特に制限はなく使用し得る。AD法によるコーティング膜は、構造体断面をSEM観察または透過型電子顕微鏡(TEM)観察することにより、確認できる。本発明のセラミックコーティング膜は、AD法により形成されるため、材料粉末の粒子が扁平に潰れた状態で観察され、基材とコーティング膜との界面の方向に沿って平行に堆積している状態が観察される。また、コーティング膜の材料粉末の粒度分布や形状についても、SEM観察、TEM観察、またはEBSDによる粒度分布マッピングによって確認することができる。
形成されたコーティング膜としては、基材と同様のセラミック素材が挙げられ、例えば金属酸化物、遷移金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、およびボライド系セラミックスが挙げられる。金属酸化物または遷移金属酸化物は、複合酸化物を含み得る。
より具体的には、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化カルシウム等の金属酸化物;コージェライト、βスポンジューメン、フォルステライト、サーメット、ステアタイト、チタン酸アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸亜鉛、ムライト、スピネル、ジルコン酸カルシウム、ジルコン酸ストロンチウム、ジルコニウム酸チタン酸バリウム、チタン酸ビスマス、チタン酸ストロンチウムビスマス等の複合酸化物;炭化ケイ素等の金属炭化物;窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化チタン等の金属窒化物;酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化ニッケル、酸化鉄、酸化チタン、酸化タンタル、酸化スズ、酸化バナジウム、酸化セリウム、酸化クロム等の遷移金属酸化物;Mg−Znフェライト、Mn−Znフェライト、Mn−Mgフェライト、Cu−Znフェライト、Mg−Mn−Srフェライト、Ni−Znフェライト、Ni−Cu−Znフェライト、Ni−Cu−Zn−Mgフェライト、Baフェライトなどのフェライト等の軟磁性材料;ケイ素;ボライド系セラミックス、が挙げられる。かかる材料は単独でも、二種以上を用いてもよい。より好ましくは、酸化アルミニウム(Al)、フェライト、チタン酸バリウム(BaTiO)、酸化ケイ素(SiO)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(SiN)、酸化チタン(TiO)、窒化チタン(TiN)、酸化イットリウム(Y)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、および窒化ホウ素(BN)の少なくとも一種が挙げられる。これらは単独でも、二種以上を用いてもよい。
このうち、基材との密着性および耐熱性により優れていることから、コーティング膜が、Al、フェライト、およびBaTiOから選ばれた少なくとも一種を含むことが好ましい。フェライトとしては、Ni‐Cu‐Znフェライトがより好ましい。Ni‐Cu‐Znフェライトとしては、Fe−(9.8〜14.2)mol%NiO−(25.3〜29.1)mol%ZnO−(8.9〜11.5)mol%CuOの組成がさらに好ましい。
セラミック基材とセラミックコーティング膜の組み合わせとしては、特に制限はなく、所望の組み合わせの構造体としうる。好ましくは、互いの密着性、体積電気抵抗率向上および耐熱性向上の観点から、基材がフェライトを含み、かつ、コーティング膜がフェライトおよびAlの少なくとも一種を含む、または、基材がAlを含み、かつ、コーティング膜がAl3、を含む、または、基板がBaTiOを含み、かつ、コーティング膜がAlを含む。
[製造方法]
本発明の構造体の製造方法は、体積基準のメジアン径D50が0.50μm<D50<1.0μmである材料粉末を準備する準備工程と、前記材料粉末を含むエアロゾルガスをノズルから噴射させて、前記材料粉末を堆積させるエアロゾルデポジション法により、セラミック基材上にセラミックコーティング膜を形成する成膜工程と、を有する。
本発明の製造方法を説明するために、まず、サイドギャップ工法(以下SG工法とも称する)と称される電子部品の製造方法について簡単に説明する。
図3(b)は、対比のため従来技術によるチップインダクタの製造方法の一部を示した模式図である。図3(b)の左側には、グリーンチップ40の断面が示されている。グリーンチップ40は、次のように製造される。グリーンシート41上に、内部電極用導電性ペーストを所定形状にスクリーン印刷して、内部電極用導電性ペースト膜42を形成する。次に、内部電極用導電性ペースト膜42が形成された複数のグリーンシート41を積層するとともに、これらグリーンシート41を挟むように、導電性ペースト膜42が形成されていないグリーンシート41を積層して、圧着する。その後、焼結後得られたインダクタに必要な余幅となるように、積層したグリーンシート41を位置合わせしてカットする。これにより、グリーンチップ40を得る。その後、グリーンチップ40を焼結して、図3(b)の右側に断面を示したチップインダクタ20を得る。インダクタ20においては、セラミック基材21が内部電極22を内包しており、内部電極22の外側の端部とセラミック基材の側面との間に余幅24が設けられている。チップインダクタ20が小型化するにつれて、グリーンシートを位置合わせし、必要な余幅24を確保して切断することは技術的に困難となっている。
これに対して、図3(a)には、SG工法を用いる本発明のチップインダクタの製造方法の一例が示されている。図3(a)の左側には、グリーンチップ50の断面が示されている。SG工法では、グリーンチップ50は、以下のように製造される。上記の従来技術と同様にして、グリーンシート51上に内部電極用導電性ペースト膜52を形成し、内部電極用導電性ペースト膜42が形成された複数のグリーンシート41を積層するとともに、それらを挟むように、導電性ペースト膜42が形成されていないグリーンシート41を積層して、圧着する。次いで、SG工法では、導電性ペースト膜52がグリーンシート51の端部からわずかに露出するようにグリーンシート41を切断して、グリーンチップ50を得る。その後、グリーンチップ50を焼結して、図3(a)の中央に断面を示したベアチップ30を得る。ベアチップ30においては、セラミック基材11が内部電極12を完全には内包しておらず、ベアチップ30の側面から内部電極12が露出した状態となっている。最後に、ベアチップ30の内部電極12が露出した側面をコーティング膜14で被覆して、チップインダクタ10を得る。SG工法によれば、グリーンチップ50を製造する際に、厳密な位置合わせおよび余幅を残して切断する必要がなくなるため、技術的により容易にチップインダクタ10が製造できる。本発明の製造方法は、SG工法において特にコーティング膜14を形成する技術に関する。
<準備工程>
準備工程では、体積基準のメジアン径D50が0.50μm<D50<1.5μmである材料粉末を準備する。材料粉末としては、メジアン径D50が上記の範囲であり、AD法によって上記のセラミックコーティング膜が形成できるものであれば、特に制限はない。メジアン径D50がかかる範囲であると、電子部品に要求される体積電気抵抗率およびはんだ耐熱性のセラミックコーティング膜が得られる。
メジアン径D50が0.50μm<D50<1.5μmである粉末を得るには、市販品を用いてもよく、自ら調製してもよい。例えば、後述する材料の塊を破砕して粒度の細かい粉末を調製してもよいし、粒度の細かい粉末を熱処理して、より粒度の大きい粉末を得ることもできる。体積基準のメジアン径D50は、後述する実施例で測定した方法によって求める。
また、材料粉末が、粉末粒子の厚さをtとしたときのアスペクト比が100>D50/t>1.3の扁平形状であることが好ましい。かかる扁平形状であると、AD法により基材上に堆積しやすく、成膜速度も速いため好ましい。アスペクト比の測定方法は、後述する実施例に記載の方法による。
(材料粉末)
本発明に用いうる材料粉末は、電子部品用途に好適であることから、高絶縁性酸化物材料、軟磁性材料および強誘電性酸化物材料から選択される少なくとも一種の粉末であることが好ましい。高絶縁性酸化物材料とは、体積電気抵抗率が室温で1.0×10〜1.0×1017Ω・mの範囲のものをいう。軟磁性材料とは、飽和磁化Msが300〜500mT(2.4kA/m)で保磁力が0.1〜100A/mの範囲のものをいう。強誘電性酸化物材料とは、測定周波数1MHzで比誘電率が1000〜20000を示すものをいう。
より具体的には、材料粉末としては、金属酸化物、遷移金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、およびボライド系セラミックス等の高絶縁性酸化物材料、フェライト等の軟磁性材料、単純ペロブスカイトを基本構造に含むBa、Pb、およびBi系強誘電体化合物等の強誘電性酸化物材料が挙げられる。より具体的には、高絶縁性酸化物材料、軟磁性材料および強誘電性酸化物材料としては、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化カルシウム等の金属酸化物;コージェライト、βスポンジューメン、フォルステライト、サーメット、ステアタイト、チタン酸アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸亜鉛、ムライト、スピネル、ジルコン酸カルシウム、ジルコン酸ストロンチウム、ジルコニウム酸チタン酸バリウム、チタン酸ビスマス、チタン酸ストロンチウムビスマス等の複合酸化物;炭化ケイ素等の金属炭化物;窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化チタン等の金属窒化物;酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化ニッケル、酸化鉄、酸化チタン、酸化タンタル、酸化スズ、酸化バナジウム、酸化セリウム、酸化クロム等の遷移金属酸化物;Mg−Znフェライト、Mn−Znフェライト、Mn−Mgフェライト、Cu−Znフェライト、Mg−Mn−Srフェライト、Ni−Znフェライト、Ni−Cu−Znフェライト、Ni−Cu−Zn−Mgフェライト、Baフェライトなどのフェライト等の軟磁性材料;ケイ素;ボライド系セラミックス、が挙げられる。これらは単独でも、二種以上を用いてもよい。
このうち、電子部品用途に好適であることから、高絶縁性酸化物材料が、Al、SiO、MgO、CaO、遷移金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、およびボライド系セラミックスの少なくとも一種であり、軟磁性材料がフェライトであり、強誘電性酸化物材料が、単純ペロブスカイトを基本構造に含むBa、Pb、およびBi系強誘電体化合物の少なくとも一種であることが好ましい。強誘電性酸化物材料としては、BaTiOがより好ましい。さらに、基材との密着性および耐熱性により優れるコーティング膜が得られることから、Al、フェライト、およびBaTiOから選ばれた少なくとも一種を含むことが好ましい。すなわち、高絶縁性酸化物材料が、Alであり、軟磁性材料がフェライトであり、前記強誘電性酸化物材料がBaTiOであることが好ましい。フェライトとしては、遷移金属系フェライトが好ましく、Ni−Cu−Znフェライトがより好ましい。Ni−Cu−Znフェライトとしては、Fe−(9.8〜14.2)mol%NiO−(25.3〜29.1)mol%ZnO−(8.9〜11.5)mol%CuOの組成がさらに好ましい。
セラミック基材と材料粉末の組み合わせとしては、特に制限はなく、所望の組み合わせとしうる。好ましくは、コーティング膜を形成したときの密着性、体積電気抵抗率向上および耐熱性向上の観点から、基材がフェライトを含み、かつ、材料粉末がフェライトを含む、または、基材がAlを含み、かつ、材料粉末がフェライトを含む、または、基板がAlを含み、かつ、材料粉末がAlを含む。
<成膜工程>
成膜工程は、材料粉末を含むエアロゾルガスをノズルから噴射させて、材料粉末を堆積させるエアロゾルデポジション法により、セラミック基材上にセラミックコーティング膜を形成する。
図4は、AD法による成膜装置の一例を示す模式図である。成膜装置60は、真空チャンバ61と、真空チャンバ61を排気するための排気ポンプ62と、真空チャンバ61の外部に配置されたエアロゾル発生器63とを備える。真空チャンバ61内には、セラミック基材11を載置するための水平方向に移動可能なステージ64が設置され、エアロゾルガスを噴射するノズル66が配置されている。ノズル66には、エアロゾル発生器63からのエアロゾルガスが搬送管67により搬送される。エアロゾル発生器63中には、キャリアガスボンベ70から、搬送管69を通して巻き上げガスおよび搬送管68を通して搬送ガスが導入される。エアロゾル発生器63内には粉末材料71が入っており、巻き上げガスにより粉末材料71が巻き上げられて生成したエアロゾルガスを、搬送ガスによって搬送管67へ導出する。ノズル66から噴射されたエアロゾルガスは、マスク65を介してノズル66に対向して設置されているセラミック基材11上に粉末を堆積させる。その際、エアロゾルガス中の材料粉末71は、常温衝撃固化現象により、セラミック基材11上に緻密なセラミックコーティング膜を形成する。
図5は、エアロゾル発生器63の模式図である。搬送管69はエアロゾル発生器下部に堆積している粉末材料71内に挿入され、搬送管69の先端には、巻き上げガス拡散部材72が取り付けられている。搬送管69に導入された巻き上げガスにより、粉末材料71が巻き上げられ、エアロゾル発生器63内でエアロゾルガスが生成される。エアロゾルガスは、エアロゾル発生器63の上面に接続された搬送管68からの搬送ガスにより、エアロゾル発生器63の上方に接続された搬送管67から導出される。エアロゾルガスの流量は、巻き上げガス流量および搬送ガス流量の二系統により制御される。搬送管67、68、69は、それぞれ、生成したエアロゾルガスの流速をできるだけ妨げない位置関係でエアロゾル発生器63に配置することが好ましい。すなわち、ノズル66への搬送管67に対して、生成したエアロゾルガスの流速を妨げないように、搬送ガスの搬送管68および巻き上げガスの搬送管69を離して設置することが好ましい。
本発明では、上述のように、成膜工程において、エアロゾルガスが、粉末を入れたエアロゾル発生器63内に巻き上げガスおよび搬送ガスを導入することにより生成されるとともにノズル66に搬送され、その際、搬送ガス流量が0〜30SLMであり、巻き上げガス流量が20〜120SLMであることが好ましい。搬送ガス流量および巻き上げガス流量がかかる範囲であると、所望の体積電気抵抗率およびはんだ耐熱性のセラミックコーティング膜を成膜するのに好適である。搬送ガス流量は、より好ましくは20〜30SLMであり、巻き上げガス流量は、より好ましくは40〜60SLMである。
また、搬送ガス流量と前記巻き上げガス流量との比率 搬送ガス流量:巻き上げガス流量 が1:1.5〜1:7であることが好ましい。かかる範囲であると、所望の体積電気抵抗率およびはんだ耐熱性のセラミックコーティング膜を成膜するのにより好適である。搬送ガス流量と前記巻き上げガス流量との比率は、より好ましくは1:1.5〜1:5.5である。
また、ノズル66の走査速度が200〜400mm/minであることが好ましい。走査速度がかかる範囲であると、所望の体積電気抵抗率およびはんだ耐熱性のセラミックコーティング膜を成膜するのにより好適である。ノズル66を走査するには、上記のようにノズル66を固定してステージ64を移動させてもよいし、ステージ64を固定してノズル66を移動させてもよい。ノズル66の走査速度は、より好ましくは、250〜350mm/minである。ノズル66の口径は、横幅1.0〜200mm、縦幅0.1〜2.0mmであることが好ましく、より好ましくは横幅50〜100mm縦幅0.1〜0.5mmである。
本発明の製造方法において、真空チャンバの好ましい圧力は、10〜100kPaである。かかる範囲であると、AD法に好適であるため好ましい。
[電子部品]
本発明は、さらに、上記の構造体または上記の製造方法により製造された構造体を備える電子部品を提供する。電子部品としては、特に制限はないが、チップインダクタ、積層型セラミックコンデンサ、チップ抵抗器等が挙げられる。これらの電子部品は、本発明の構造体を備えているため、極小サイズであっても高絶縁性および高耐熱性を有している。また、従来の余幅を残してグリーンシートを切断する工程が必要ないため、より簡便に製造でき低コストの電子部品となる。特に電子部品がチップインダクタの場合には、内部電極をチップの側面から露出する位置に配置できるため、インダクタンス値を大きくとることができ、高容量化が実現できる。
以下、本発明を実施例を通して説明するが、本発明は実施例には限定されない。
<実施例1>
実施例1は、材料粉末として、フェライト粉末(アスペクト比 D50/t=0.56μm/0.068μm)を使用し、下記表1に示す基材を使用した。下記の手順に従い、図4に示した成膜装置を用いて、AD法による被覆を実施し、作製した構造体の評価を行った。
まずD50=0.56μmの体積基準のメジアン径を有するNi−Zn−Cu−フェライト粉末(SAMSUNG社製)を準備し、残留水分および不純物を除去するため、300℃24時間の熱処理を施した。Ni−Zn−Cu−フェライトの組成は、Ni:13mol%、Zn:29mol%、Cu:9mol%であった。その後、エアロゾル発生器へ粉末を投入した。搬送ガスとして、Nガスを流量:30SLM(Standard Litter per Minutes)、巻上げガスとして、Nガスを流量:60SLM、ノズルの走査速度:300mm/min、真空チャンバ圧力:1.0×10−2Pa、ノズル口径:100mm×0.3mmの条件のもとで、基材上へコーティングを30回繰り返した。
<比較例1〜4>
比較例1は、密度および体積電気抵抗率評価の基準とするため、フェライト焼結体(バルク)を準備した。比較例2〜4は、下記表1に示した材料および条件とした以外は、実施例1と同様にして構造体を作製した。しかし、比較例2については、セラミックコーティング膜は成膜されなかった。
<評価方法>
実施例および比較例の構造体について、以下の試験を実施し評価した。評価結果は、下記の表1〜3に示す。
(相対密度)
コーティング膜の膜密度(相対密度)に関しては、粉末の投入量、およびコーティング前後の基材重量変化をもとに算出した。また、作製したコーティング膜の表面状態および(フェライト基板)/(コーティング膜)の界面状態を調べるために、走査型電子顕微鏡(SEM)による外観観察および試料の断面観察を行った。
(体積電気抵抗率)
コーティング膜の電気的絶縁性に関しては、別途Siウエハ上に同条件のもとでコーティング膜を成膜した後、その後厚み約200nmのAg−対向電極(φ=2.0mm)をスパッタ法により作製し、その円形電極部分を利用して体積電気抵抗率をHewlett Packard社製High Resistance Meter(4339B)により印加電圧100mV〜10Vにて測定した。
(体積基準のメジアン径D50およびアスペクト比)
使用した原料粉末の粒径分布(D50)に関しては、DT1200(Disperion Technology, Inc.)を用いて測定した。また扁平状粉末粒子を特徴付けるアスペクト比に関しては、(D50の数値)/(粉末粒子の厚さ:t)によって算出した。粉末粒子の厚さtについては、アクリル樹脂中に原料粉末を埋め込んだ後に研磨した試料をSEMにより観察し、撮影した粉末粒子断面画像を解析することにより測定したものである。また、アスペクト比は、ランダムに選出した粉末粒子30個を測定し、その平均値を求めたものである。
(はんだ耐熱性試験)
実際に電子チップ部品として適用するためには、作製したコーティング膜がNiまたはAg端子電極の焼き付け工程、およびはんだ接着時の熱衝撃に耐える必要がある。そこではんだ耐熱性試験を、JIS C 60068−2−58:2006に示されている手順に従って実施した。具体的には、フラックスとしてロジンエタノール 25wt%溶液を試料に塗布し、予熱150±10℃(60〜90秒)した。その後、温度270±5℃に調整されたSn−3.0Ag−0.5Cu 組成はんだ浴槽に、浸せき時間:10±0.5秒(静止はんだ)および浸せき引き上げ速度:25mm/sの条件のもとで熱衝撃を加えた。その後、室温に48±4時間放置した。
作製した試料評価に関しては、上記の試験後に、SEMにより試料の外観および断面観察を実施し、コーティング膜の剥離およびクラックの有無を確認した。評価基準としては、基材からの剥離およびクラックが確認されないものを合格とした。また、評価は、作製した100個の構造体のうち、ランダムに選出した10個の試料に対して実施した。表1〜3において、評価基準は、10個の試料のうち、10個すべて合格であれば○印、1個でも不良があれば不合格として×印で記載した。
(熱サイクル試験)
本発明を適用する電子チップ部品は、水分の侵入による短絡の恐れがあるため、長時間使用した際にクラックの発生があってはならない。そのため、熱サイクル試験を、JIS C60068−2−14:2011に示されている手順に基づいて行った。具体的には、試料を−55℃槽で30min保持し、室温(25℃)で最大5min保持し、125℃槽で30min保持し、室温(25℃)で最大5min保持し、この順にて構造体に負荷をかける手順を100サイクル実施した。
得られた試料は、SEMにより試料の外観および断面観察を実施し、コーティング膜の剥離およびクラックの有無を確認した。評価基準としては、基材からの剥離およびクラックが確認されないものを合格とした。表1〜3において、合格した試料は○、不合格の試料は×で表記した。評価基準は、10個の試料のうち、10個すべて合格であれば○印、1個でも不良があれば不合格として×印で記載した。なお熱サイクル試験に関しては、はんだ耐熱性試験に合格していることが前提となるため、はんだ耐熱性試験に合格したものに対してのみ実施した。
(スクラッチ試験)
コーティング膜とフェライト基材との密着性に関しては、スクラッチ試験法による評価を行い、付加荷重、摩擦係数、アコースティック・エミッション(AE)、およびスクラッチ痕の組織変化の特徴をもとに膜内破壊強度(Internal Delamination: ID、臨界破壊強度)および完全剥離強度(Complete Delamination: CD)を決定した。スクラッチ試験の試験条件は以下の通りであった。なお、スクラッチ試験に関しては、上述の熱サイクル試験およびはんだ耐熱性試験に合格した試料のみに実施した。
ダイヤモンド圧子径:200μm
付加荷重:0N〜100N(フェライト基板の場合は0N〜80N)
走査速度:0.17mm/sec
走査距離:10mm。
<実施例1の評価>
図6は実施例1の構造体のSEMによる表面観察像、図7は実施例1の構造体のSEMによる断面観察像である。図6から、作製したコーティング膜表面には、クラック、不純物相、およびコーティング膜の剥離などの外観異常が観察されないことが分かる。図7に示した試料断面において、上部の黒い領域は、試料を支持するために使用したアクリル樹脂、中部のバンド状の領域がセラミックコーティング膜、および下方の斑点状のコントラストを含む領域はフェライト基材である。試料断面写真の特徴としては、(アクリル樹脂)/(コーティング膜)界面には、約1μmの凹凸が観察されるものの、クラックやコーティング膜の剥離などは確認されない。また(コーティング膜)/(フェライト基材)界面は、界面の存在を示す明瞭な境界を示さないことから、両領域の密着性が高いことが示唆される。なお、試料断面の観察については、図8〜9、13〜15、18〜20においても、上部の領域は、試料を支持するために使用したアクリル樹脂であり、中部のバンド状の領域がセラミックコーティング膜、および下部の領域は基材である。
図8および9は、実施例1の熱サイクル試験およびはんだ耐熱性試験後の構造体断面のSEM観察像である。何れの場合も、(アクリル樹脂)/(コーティング膜)および(コーティング膜)/(フェライト基材)界面には、クラックやコーティング膜の剥がれが見受けられず、試験前の状態(図7)と状態に変化がないことが分かる。したがって、実施例1の構造体は、実際の電子チップ部品のはんだ実装、および端子電極の焼き付け工程に好適である。
図10は、実施例1の構造体表面に対してスクラッチ試験を実施し、その構造体表面の光学顕微鏡写真である。図10中には黒いコントラストを示すフェライト基板上に、白い線状のスクラッチ痕が明瞭に観察される。スクラッチ線上には、目立った外観上の異常がなく、最大荷重値80Nまで付加した状態でも、コーティング膜が完全剥離した痕跡が確認されないことが見て取れる。またAEセンサによるコーティング膜および基板の破壊の有無を調べた結果、付加荷重が17.8Nの際に大きなAEピークを観測した。これらのスクラッチ痕の特徴から、実施例3の膜内破壊強度は17.8N、および完全剥離強度は80N以上の強度を示していることが分かった。膜内破壊強度を臨界荷重値とした場合、本試験の膜内破壊強度は、超工具鋼などの表面コーティングに使用されるダイヤモンドライクカーボン(DLC)の膜内破壊強度7.5N以上の強度を示すものであり、電子チップ部品の室温におけるコーティング膜の密着強度としては十分な値が確保されていることが分かる。また、図11には対比のため、脆性的な破壊挙動を示すスクラッチ痕の例を示す。図10においては、図11に示すようなスクラッチ線外における貝殻状の剥離は観察されないことから、膜の破壊は脆性的なものではなく、理想的な破壊挙動に近いと言える。
表1の結果から、体積基準のメジアン径D50に対する膜厚および成膜速度の関係は、実施例1のD50=0.56μmのメジアン径を持つフェライト粉末の成膜速度が最も高く、D50=2.00μmの比較例3に比べて、約2倍の数値を示していることが分かる。一方で、比較例2に見られるように、メジアン径D50が3.00μmを超えると、基材に対してコーティング膜の成膜は確認出来なかった。
膜密度に関しては、成膜速度の特徴を反映して、実施例1のD50=0.56μmのフェライト粉末において緻密なコーティング膜が得られており、相対密度94.3%という高い数値を示している。電気抵抗率に関しては、実施例1のコーティング膜が、比較例1の焼結体と同等またはそれ以上の数値が確保されており、絶縁目的のコーティング膜として電子チップ部品に適応可能なものである。また、実施例1および比較例4を比較すると、膜の密着強度および体積電気抵抗率の大きさという観点で、D50=0.56μmのメジアン径を持つ材料粉末を使用した実施例1がより優れた結果が得られていることが分かる。比較例3の場合は、電気抵抗率は、バルクと同等の数値が確保されているが、はんだ耐熱性に問題があり、実施例1の方が優れた結果が得られていると判断できる。
<実施例2>
実施例2は、セラミックコーティング膜の材料粉末として下記表2に示すメジアン径D50のAl粉末を使用し、基材としてAl基材を使用した。Al粉末としては、粉砕法によりメジアン径D50が調整された扁平状粉末を用いた(アスペクト比 D50/t=0.52μm/0.079μm)。
実施例2においては、上記のAl粉末および基材を用い、成膜条件を以下とした以外は、実施例1と同様にして構造体を製造した。また、実施例1と同様の評価を行った。評価結果は下記表2に示す。
搬送ガスのNガス流量:20SLM
巻上げガスのNガス流量:40SLM
ノズル走査速度:300mm/min
コーティング回数:50回。
<比較例5〜6>
比較例5は、相対密度および体積電気抵抗率評価の基準とするため、Al焼結体(バルク)を準備した。比較例6は、下記表2に示した材料および条件とした以外は、実施例2と同様にして構造体を作製した。しかし、比較例6については、セラミックコーティング膜は成膜されなかった。
<実施例2の評価>
図12および13は、実施例2で製造した、扁平状Al粉末を用いて、Al基材上に成膜したコーティング膜の、SEMによる表面の外観および断面観察像である。図12に示されるコーティング膜表面の状態は、外観上の異物またはクラックなどの異常が見られないことがわかる。また図13の構造体断面の写真では、(アクリル樹脂)/(コーティング膜)および(コーティング膜)/(Al基材)界面には、クラックやコーティング膜の剥がれなどが観察されなかった。
図14および15は、実施例2の熱サイクル試験およびはんだ耐熱性試験後の構造体断面のSEMによる観察像である。(コーティング膜)/(Al基材)界面には、クラックなどの外観異常が認められず、試験前の試料(図13)と変化がないことが分かる。したがって、実施例2の構造体は、実際の電子チップ部品のはんだ実装、および端子電極の焼き付け工程に耐えると結論できる。
図16は、実施例2の構造体表面に対してスクラッチ試験を実施した後の、試料表面の光学顕微鏡写真である。図16中には黒いコントラストを示すAl基材上に、白い線状のスクラッチ痕が明瞭に観察される。スクラッチ線状の痕跡およびAEピークの形状変化から、実施例2の膜内破壊強度は19.4Nであること、および完全剥離強度は46Nを示した。この値は、ダイヤモンドライクカーボンの膜内破壊強度7.5N以上の強度を示すことから、電子チップ部品のコーティング膜の密着強度としては十分な値が確保されていること判断できる。また図11に示すようなスクラッチ線外における貝殻状の剥離は観察されないことから、膜の破壊は脆性的なものではなく、理想的な破壊挙動である。
Al粉末の形状に関しては、D50=0.52μmの扁平状粉末を用いて作製した実施例2では、最大8μmの膜厚を持つAlコーティング膜が成膜し、成膜速度も0.23μm/minという高い数値を得た。このことから、Alコーティングの場合には、扁平状粉末を利用した方が、成膜に好ましいと言える。また基材の材質としては、AlおよびBaTiO基板を使用した時に緻密な膜が得られる傾向がある。さらに選択する基材とコーティング膜の密着強度の関係については、Al基材を選択した際にコーティング膜の剥離強度が確保できる傾向がある。体積電気抵抗率に関しては、Al焼結体と比べて低い値を示しているが、フェライト焼結体と同等な電気絶縁性を示していることが分かる。実施例2は熱サイクル試験およびはんだ耐熱性試験に合格しており、作製したコーティング膜が絶縁目的のコーティング膜として、電子チップ部品に適応可能であると判断出来る。
<実施例3>
実施例3では、材料粉末として下記表3に示すメジアン径D50のBaTiO粉末(アスペクト比 D50/t=0.874μm/0.131μm)を使用し、下記の成膜条件とした以外は、実施例1と同様にして構造体を製造した。また、得られた構造体について、実施例1と同様にして評価した。評価結果は下記表3に示す。
搬送ガスであるNガス流量:20SLM
巻上げガスであるNガス流量:100SLM
ノズルの走査速度:300mm/min
コーティング回数:30回。
<比較例7〜11>
比較例7は、密度および体積電気抵抗率評価の基準とするため、BaTiO焼結体(バルク)を準備した。比較例8〜11は、下記表3に示した材料および条件とした以外は、実施例3と同様にして構造体を作製した。しかし、比較例8〜11についwは、セラミックコーティング膜は成膜されなかった。
<実施例3の評価>
図17および18は、実施例3で製造した構造体の、コーティング膜の表面外観および断面のSEMによる観察像である。図17に示されるコーティング膜表面の状態は、外観上の異物またはクラックなどの異常が見られないことがわかる。また図18の構造体断面の写真では、(アクリル樹脂)/(コーティング膜)および(コーティング膜)/(Al基材)界面には、クラックやコーティング膜の剥がれなどが観察されなかった。
図19および20は、実施例3の熱サイクル試験およびはんだ耐熱性試験後の構造体断面のSEMによる観察像である。図19および20に示されている(コーティング膜)/(Al基材)界面には、クラックなどの外観異常が認められないことが分かる。
図21は、実施例3の構造体表面のコーティング膜に対してスクラッチ試験を実施した後の光学顕微鏡写真である。図21中には黒いコントラストを示す基板上に、白い線状のスクラッチ痕が明瞭に観察される。スクラッチ線状の痕跡およびAEピークの形状変化から、実施例3の膜内破壊強度は34.0Nであること、および完全剥離強度は52.2Nを示した。この値は、ダイヤモンドライクカーボンの膜内破壊強度7.5N以上の強度を示すことから、電子チップ部品のコーティング膜の密着強度としては十分な値が確保されていると判断できる。また、図11に示すような、スクラッチ線外における貝殻状の剥離は観察されないことから、膜の破壊は脆性的なものではなく、理想的な破壊挙動であると言える。
使用したBaTiO粉末のD50(体積基準のメジアン径)に関する特徴としては、D50=0.874μmの粉末を用いて作製した実施例3では、基材上にコーティング膜を確認した。一方で、D50が0.5μm未満、およびD50が1μmを超えるBaTiO粉末を使用した比較例8〜11では、最も成膜が容易なガラス基板に対しても、基板自体が削れる、または圧粉体状の堆積物が得られるだけで、コーティング膜の成膜は確認できなかった。また、得られるコーティング膜の密度に関しては、Al基板を使用した時に最も緻密な膜が得られる傾向があった。
基材とコーティング膜の密着強度の関係については、Al基板を選択した際にコーティング膜の剥離強度が確保できる傾向がある。
実施例3の体積電気抵抗率に関しては、BaTiO焼結体と比べて若干低い値を示しているが、フェライト焼結体と同等以上の電気絶縁性を示している。したがって、絶縁目的のコーティング膜として問題がない性能を有していることが分かる。さらに、実施例3の構造体は、熱サイクル試験およびはんだ耐熱性試験に合格したことから、作製したコーティング膜が絶縁目的のコーティング膜として、電子チップ部品に適応可能であると判断出来る。
10、20 チップインダクタ、
11、21 基材、
12、12’、22、22’ 内部電極、
13、23 外部電極、
14 コーティング膜、
24 余幅、
30 ベアチップ、
40、50 グリーンチップ、
41、51 グリーンシート、
42、52 導電性ペースト膜、
60 成膜装置、
61 真空チャンバ、
62 排気ポンプ、
63 エアロゾル発生器、
64 ステージ、
65 マスク、
66 ノズル、
67、68、69 搬送管、
70 キャリアガスボンベ、
71 粉末材料。

Claims (11)

  1. セラミック基材と、
    前記セラミック基材上の少なくとも一部に形成された、膜厚1〜10μmのセラミックコーティング膜と、
    を備え、
    前記セラミックコーティング膜が1.5×10Ω・m以上の体積電気抵抗率、および、270℃のはんだ浴槽で測定されるはんだ耐熱性が10秒以上であり、
    前記セラミック基材がフェライトを含み、かつ、前記セラミックコーティング膜がフェライトおよびAlの少なくとも一種を含む、または、
    前記セラミック基材がAlを含み、かつ、前記セラミックコーティング膜がAlを含む、または、
    前記セラミック基材がBaTiOを含み、かつ、前記セラミックコーティング膜がAlを含む、構造体。
  2. 前記セラミックコーティング膜の前記セラミック基材に対する膜内破壊強度が7N以上、かつ、完全剥離強度が40N以上である請求項1に記載の構造体。
  3. 前記セラミックコーティング膜の相対密度が80%以上である請求項1または2に記載の構造体。
  4. 体積基準のメジアン径D50が0.50μm<D50<1.0μmである材料粉末を準備する準備工程と、
    前記材料粉末を含むエアロゾルガスをノズルから噴射させて、前記材料粉末を堆積させるエアロゾルデポジション法により、セラミック基材上にセラミックコーティング膜を形成する成膜工程と、
    を有し、
    前記セラミックコーティング膜が1.5×10 Ω・m以上の体積電気抵抗率、および、270℃のはんだ浴槽で測定されるはんだ耐熱性が10秒以上であり、
    前記セラミック基材がフェライトを含み、かつ、前記セラミックコーティング膜がフェライトおよびAlの少なくとも一種を含む、または、
    前記セラミック基材がAlを含み、かつ、前記セラミックコーティング膜がAlを含む、または、
    前記セラミック基材がBaTiOを含み、かつ、前記セラミックコーティング膜がAlを含む、構造体の製造方法。
  5. 前記材料粉末が、横軸a、縦軸bとしたときのアスペクト比が100>a/b>1.3の扁平形状である請求項4に記載の構造体の製造方法。
  6. 前記成膜工程において、前記エアロゾルガスが、前記材料粉末を入れたエアロゾル発生器内に巻き上げガスおよび搬送ガスを導入することにより生成されるとともに前記ノズルに搬送され、
    その際、前記搬送ガス流量が0〜30SLMであり、前記巻き上げガス流量が20〜120SLMである請求項4または5に記載の構造体の製造方法。
  7. 前記搬送ガス流量と前記巻き上げガス流量との比率 搬送ガス流量:巻き上げガス流量
    が1:1.5〜1:7である請求項6に記載の構造体の製造方法。
  8. 前記ノズルの操作速度が200〜400mm/minである請求項4〜7のいずれか一項に記載の構造体の製造方法。
  9. 磁性体層が積層されたセラミック基材からなる本体と、
    前記セラミック基材の両端面に配置された外部電極と、
    前記セラミック基材に内在する内部電極と、
    前記セラミック基材、および前記外部電極の側面を被覆するセラミックコーティング膜と、を備え、
    前記セラミック基材がフェライトを含み、かつ、前記セラミックコーティング膜がフェライトおよびAlの少なくとも一種を含む、または、
    前記セラミック基材がAlを含み、かつ、前記セラミックコーティング膜がAlを含む、または、
    前記セラミック基材がBaTiOを含み、かつ、前記セラミックコーティング膜がAlを含む、チップインダクタ。
  10. 前記セラミックコーティング膜の前記セラミック基材に対する膜内破壊強度が7N以上、かつ、完全剥離強度が40N以上である請求項9に記載のチップインダクタ。
  11. 前記セラミックコーティング膜の相対密度が80%以上である請求項9または10に記載のチップインダクタ。
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