JP6659217B2 - 偏光板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、偏光板の製造方法に関し、より詳しくは、偏光子の両面に活性エネルギー線硬化性接着剤からなる接着剤層を介して保護フィルムを貼合する偏光板の製造方法に関する。
偏光板は、液晶表示装置等の表示装置、とりわけ近年ではスマートフォンのような各種モバイル機器に広く用いられている。偏光板としては、偏光子の片面又は両面に、接着剤を用いて保護フィルムを貼合した構成のものが一般的であるが、モバイル機器への展開に伴い、偏光板を構成する偏光子や保護フィルムの薄膜化が益々求められている。
上記接着剤としては、ポリビニルアルコール水溶液のような水系接着剤や、紫外線硬化性接着剤のような活性エネルギー線硬化性接着剤が知られているが、透湿性の低い保護フィルムを貼合する場合などには、保護フィルム貼合後に接着剤層から水分を揮発除去することが困難であるため、活性エネルギー線硬化性接着剤が多用されている(例えば、特許文献1〜4)。
特開2013−205741号公報 特開2012−203205号公報 特開2012−203108号公報 特開2004−245925号公報
偏光板を構成する偏光子や保護フィルムを薄くしていくと、偏光子と接着剤層との界面又は保護フィルムと接着剤層との界面の少なくともいずれか一方に微細な歪みが生じるためか、偏光板に映り込んだ反射像が1mm以下のピッチで細かく乱れたり、反射像が歪んだりして、あたかも表面に微細な凹凸を生じているかの如く見えることがある。このような現象は、偏光板の光学特性に直接悪影響を与えるものではないが、このような現象を示す偏光板を表示用セルに貼合する際にその保護フィルムが外側(例えば最表面)に配置されるような場合には、貼合後にもこの現象が残存し、保護フィルム表面の光沢感が得られないために、高級感に欠けるなどといった外観上の不具合を生じる。
そこで本発明は、表示用セルに貼合したときに良好な外観を示す偏光板を製造することができる方法の提供を目的とする。
本発明は、以下に示す偏光板の製造方法、及び粘着剤層付偏光板の製造方法を提供する。
[1] 偏光子の一方の面上に第1保護フィルムを備え、他方の面上に第2保護フィルムを備える偏光板の製造方法であって、
前記一方の面に、活性エネルギー線硬化性接着剤からなる第1接着剤層を介して前記第1保護フィルムを貼合する第1貼合工程と、
前記第1貼合工程の後、前記他方の面に、活性エネルギー線硬化性接着剤からなる第2接着剤層を介して前記第2保護フィルムを貼合する第2貼合工程と、
を含み、
前記第1保護フィルムは、前記偏光板を表示用セル上に配置する際に、前記第2保護フィルムよりも前記表示用セル側に配置される保護フィルムであり、
前記第1接着剤層の硬化後の厚みが前記第2接着剤層の硬化後の厚みよりも小さい、偏光板の製造方法。
[2] 前記第1接着剤層の硬化後の厚みが0.75μm以下である、[1]に記載の製造方法。
[3] 前記第2接着剤層の硬化後の厚みが0.75μmより大きい、[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4] 前記第2接着剤層の硬化後の厚みと前記第1接着剤層の硬化後の厚みとの差が0.1μm以上である、[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5] 前記偏光子の厚みが20μm以下である、[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6] 偏光子の一方の面に、活性エネルギー線硬化性接着剤からなる第1接着剤層を介して第1保護フィルムを貼合する第1貼合工程と、
第1貼合工程の後、前記偏光子の他方の面に、活性エネルギー線硬化性接着剤からなる第2接着剤層を介して第2保護フィルムを貼合する第2貼合工程と、
前記第1保護フィルムの外面に粘着剤層を配置する粘着剤層形成工程と、
を含み、
前記第1接着剤層の硬化後の厚みが前記第2接着剤層の硬化後の厚みよりも小さい、粘着剤層付偏光板の製造方法。
本発明の製造方法によれば、第2保護フィルム表面に現れる上述の凹凸感の発生、及びこれに伴う反射像の乱れや歪みが抑制された偏光板及び粘着剤層付偏光板を提供することができる。得られる偏光板及び粘着剤層付偏光板は、第2保護フィルムが外側となるように(第1保護フィルムが表示用セル側となるように)表示用セル上に配置したとき、第2保護フィルム表面から見たときの反射像の乱れや歪みが抑制されるため、外観に優れている。
本発明に係る製造方法によって得られる偏光板の層構成の一例を示す概略断面図である。 図1に示される偏光板を表示用セル上に配置したときの状態を示す概略断面図である。 本発明に係る偏光板の製造方法の好ましい一例を示すフローチャートである。 樹脂層形成工程で得られる積層フィルムの層構成の一例を示す概略断面図である。 延伸工程で得られる延伸フィルムの層構成の一例を示す概略断面図である。 染色工程で得られる偏光性積層フィルムの層構成の一例を示す概略断面図である。 第1貼合工程で得られる貼合フィルムの層構成の一例を示す概略断面図である。 剥離工程で得られる片面保護フィルム付偏光板の層構成の一例を示す概略断面図である。
<偏光板の製造方法>
本発明は、図1を参照して、偏光子5と、その一方の面に第1接着剤層15を介して積層される第1保護フィルム10と、他方の面に第2接着剤層25を介して積層される第2保護フィルム20とを備える偏光板(両面保護フィルム付偏光板)1を製造するための方法に関する。偏光板1を表示用セル50上に配置したときの状態を示す図2に示されるように、第1保護フィルム10は、第2保護フィルム20よりも表示用セル50側に配置される保護フィルムである。第2保護フィルム20は、偏光板1を表示用セル50上に配置する際に第1保護フィルム10よりも外側に配置される保護フィルムであり、偏光板1を表示用セル50上に配置したときに、典型的には最外面を形成する保護フィルムである。図2に示されるように、偏光板1は、表示用セル50側に配置される第1保護フィルム10の外面に設けた粘着剤層60を用いて表示用セル50上に配置・貼合することができる。
以下、実施の形態を示して、本発明に係る偏光板の製造方法について詳細に説明する。
〔第1の実施形態〕
図3を参照して、本実施形態に係る偏光板の製造方法は、基材フィルムを利用して両面保護フィルム付偏光板を製造する方法であり、下記工程:
基材フィルムの少なくとも一方の面にポリビニルアルコール系樹脂を含有する塗工液を塗工した後、乾燥させることによりポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層フィルムを得る樹脂層形成工程S10、
積層フィルムを延伸して延伸フィルムを得る延伸工程S20、
延伸フィルムのポリビニルアルコール系樹脂層を二色性色素で染色して偏光子を形成することにより偏光性積層フィルムを得る染色工程S30、
偏光性積層フィルムの偏光子上に、第1接着剤層を介して第1保護フィルムを貼合して貼合フィルムを得る第1貼合工程S40、
貼合フィルムから基材フィルムを剥離除去して片面保護フィルム付偏光板を得る剥離工程S50、及び
片面保護フィルム付偏光板の偏光子面上に、第2接着剤層を介して第2保護フィルムを貼合する第2貼合工程S60
をこの順で含む。
以下、図4〜図8を参照しながら各工程について説明する。なお樹脂層形成工程S10において、ポリビニルアルコール系樹脂層を基材フィルムの両面に形成してもよいが、以下では主に片面に形成する場合について説明する。
(1)樹脂層形成工程S10
図4を参照して本工程は、基材フィルム30の少なくとも一方の面にポリビニルアルコール系樹脂層6を形成して積層フィルム100を得る工程である。このポリビニルアルコール系樹脂層6は、延伸工程S20及び染色工程S30を経て偏光子5となる層である。ポリビニルアルコール系樹脂層6は、ポリビニルアルコール系樹脂を含有する塗工液を基材フィルム30の片面又は両面に塗工し、乾燥させることにより形成することができる。このような塗工によってポリビニルアルコール系樹脂層を形成する方法は、薄膜の偏光子5を得やすい点で有利である。
基材フィルム30は熱可塑性樹脂から構成することができ、中でも透明性、機械的強度、熱安定性、延伸性等に優れる熱可塑性樹脂から構成することが好ましい。このような熱可塑性樹脂の具体例は、例えば、鎖状ポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂等)のようなポリオレフィン系樹脂;ポリエステル系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂;セルローストリアセテート、セルロースジアセテートのようなセルロースエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリビニルアルコール系樹脂;ポリ酢酸ビニル系樹脂;ポリアリレート系樹脂;ポリスチレン系樹脂;ポリエーテルスルホン系樹脂;ポリスルホン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;及びこれらの混合物、共重合物を含む。
基材フィルム30は、1種又は2種以上の熱可塑性樹脂からなる1つの樹脂層からなる単層構造であってもよいし、1種又は2種以上の熱可塑性樹脂からなる樹脂層を複数積層した多層構造であってもよい。基材フィルム30は、後述する延伸工程S20にて積層フィルム100を延伸する際、ポリビニルアルコール系樹脂層6を延伸するのに好適な延伸温度で延伸できるような樹脂で構成されることが好ましい。
基材フィルム30は、添加剤を含有することができる。添加剤の具体例は、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、離型剤、着色防止剤、難燃剤、核剤、帯電防止剤、顔料、及び着色剤を含む。
基材フィルム30の厚みは、強度や取扱性等の点から、通常1〜500μmであり、好ましくは1〜300μm、より好ましくは5〜200μm、さらに好ましくは5〜150μmである。
基材フィルム30に塗工する塗工液は、好ましくはポリビニルアルコール系樹脂の粉末を良溶媒(例えば水)に溶解させて得られるポリビニルアルコール系樹脂溶液である。塗工液は必要に応じて、可塑剤、界面活性剤等の添加剤を含有していてもよい。ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化したものを用いることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体が例示される。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、アンモニウム基を有するアクリルアミド類等が挙げられる。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、80.0〜100.0モル%の範囲であることができるが、好ましくは90.0〜99.5モル%の範囲であり、より好ましくは94.0〜99.0モル%の範囲である。ケン化度が80.0モル%未満であると、得られる偏光板1の耐水性及び耐湿熱性が低下する。ケン化度が99.5モル%を超えるポリビニルアルコール系樹脂を使用した場合、染色速度が遅くなり、生産性が低下するとともに十分な偏光性能を有する偏光子5が得られない場合がある。
ケン化度とは、ポリビニルアルコール系樹脂の原料であるポリ酢酸ビニル系樹脂に含まれる酢酸基(アセトキシ基:−OCOCH3)がケン化工程により水酸基に変化した割合をユニット比(モル%)で表したものであり、下記式:
ケン化度(モル%)=100×(水酸基の数)÷(水酸基の数+酢酸基の数)
で定義される。ケン化度は、JIS K 6726(1994)に準拠して求めることができる。ケン化度が高いほど、水酸基の割合が高いことを示しており、従って結晶化を阻害する酢酸基の割合が低いことを示している。
ポリビニルアルコール系樹脂は、一部が変性されている変性ポリビニルアルコールであってもよい。例えば、ポリビニルアルコール系樹脂をエチレン、プロピレン等のオレフィン;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸;不飽和カルボン酸のアルキルエステル、アクリルアミド等で変性したものが挙げられる。変性の割合は30モル%未満であることが好ましく、10%未満であることがより好ましい。30モル%を超える変性を行った場合には、二色性色素を吸着しにくくなり、十分な偏光性能を有する偏光子5が得られにくい傾向がある。
ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、好ましくは100〜10000であり、より好ましくは1500〜8000であり、さらに好ましくは2000〜5000である。ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度もJIS K 6726(1994)に準拠して求めることができる。
上記塗工液を基材フィルム30に塗工する方法は、ワイヤーバーコーティング法;リバースコーティング、グラビアコーティングのようなロールコーティング法;ダイコート法;カンマコート法;リップコート法;スピンコーティング法;スクリーンコーティング法;ファウンテンコーティング法;ディッピング法;スプレー法等の方法から適宜選択することができる。
塗工層(乾燥前のポリビニルアルコール系樹脂層)の乾燥温度及び乾燥時間は塗工液に含まれる溶媒の種類に応じて設定される。乾燥温度は、例えば50〜200℃であり、好ましくは60〜150℃である。溶媒が水を含む場合、乾燥温度は80℃以上であることが好ましい。
ポリビニルアルコール系樹脂層6は、基材フィルム30の一方の面のみに形成してもよいし、両面に形成してもよい。両面に形成すると偏光性積層フィルム300(図6参照)の製造時に発生し得るフィルムのカールを抑制できるとともに、1枚の偏光性積層フィルム300から2枚の偏光板を得ることができるので、偏光板の生産効率の面でも有利である。
積層フィルム100におけるポリビニルアルコール系樹脂層6の厚みは、好ましくは3〜60μmであり、より好ましくは5〜40μmであり、さらに好ましくは5〜20μmである。この範囲内の厚みを有するポリビニルアルコール系樹脂層6であれば、後述する延伸工程S20及び染色工程S30を経て、二色性色素の染色性が良好で偏光性能に優れ、かつ十分に薄い(例えば厚み20μm以下、さらには10μm以下の)偏光子5を得ることができる。
塗工液の塗工に先立ち、基材フィルム30とポリビニルアルコール系樹脂層6との密着性を向上させるために、少なくともポリビニルアルコール系樹脂層6が形成される側の基材フィルム30の表面に、コロナ処理、プラズマ処理、フレーム(火炎)処理等を施してもよい。また同様の理由で、基材フィルム30上にプライマー層等を介してポリビニルアルコール系樹脂層6を形成してもよい。
プライマー層は、プライマー層形成用塗工液を基材フィルム30の表面に塗工した後、乾燥させることにより形成することができる。この塗工液は、基材フィルム30とポリビニルアルコール系樹脂層6との両方にある程度強い密着力を発揮する成分を含み、通常は、このような密着力を付与する樹脂成分と溶媒とを含む。樹脂成分としては、好ましくは透明性、熱安定性、延伸性等に優れる熱可塑樹脂が用いられ、例えば(メタ)アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂等が挙げられる。中でも、良好な密着力を与えるポリビニルアルコール系樹脂が好ましく用いられる。より好ましくは、ポリビニルアルコール樹脂である。溶媒としては通常、上記樹脂成分を溶解できる一般的な有機溶媒や水系溶媒が用いられるが、水を溶媒とする塗工液からプライマー層を形成することが好ましい。
プライマー層は、後述する剥離工程S50において、基材フィルムと一緒になって偏光子5から剥がれる場合と、偏光子5と一緒になって基材フィルムから剥がれる場合がある。前者であれば、上述したような、ポリビニルアルコール系樹脂層から剥がれやすい任意の熱可塑性樹脂でプライマー層を形成することができる。一方、後者であれば、プライマー層は後述する染色工程S30においてポリビニルアルコール系樹脂層とともに染色され、剥離工程S50で基材フィルムを剥離した後は、ポリビニルアルコール系樹脂層が染色された層と一緒になって偏光子5となる必要がある。例えばポリビニルアルコール系樹脂でプライマー層を形成すれば、そのプライマー層は、後の染色工程S30においてポリビニルアルコール系樹脂層とともに染色され、剥離工程S50において偏光子5と一緒になって基材フィルムから剥がれ、偏光子5の一部となる。
プライマー層の強度を上げるために、プライマー層形成用塗工液に架橋剤を添加してもよい。架橋剤の具体例は、エポキシ系、イソシアネート系、ジアルデヒド系、金属系(例えば、金属塩、金属酸化物、金属水酸化物、有機金属化合物)、高分子系の架橋剤を含む。プライマー層を形成する樹脂成分としてポリビニルアルコール系樹脂を使用する場合は、ポリアミドエポキシ樹脂、メチロール化メラミン樹脂、ジアルデヒド系架橋剤、金属キレート化合物系架橋剤等が好適に用いられる。
プライマー層の厚みは、0.05〜1μm程度であることが好ましく、0.1〜0.4μmであることがより好ましい。0.05μmより薄くなると、基材フィルム30とポリビニルアルコール系樹脂層6との密着力向上の効果が小さく、1μmより厚くなると、偏光板1の薄膜化に不利である。
プライマー層形成用塗工液を基材フィルム30に塗工する方法は、ポリビニルアルコール系樹脂層形成用の塗工液と同様であることができる。プライマー層形成用塗工液からなる塗工層の乾燥温度は、例えば50〜200℃であり、好ましくは60〜150℃である。溶媒が水を含む場合、乾燥温度は80℃以上であることが好ましい。
(2)延伸工程S20
図5を参照して本工程は、基材フィルム30及びポリビニルアルコール系樹脂層6からなる積層フィルム100を延伸して、延伸された基材フィルム30’及びポリビニルアルコール系樹脂層6’からなる延伸フィルム200を得る工程である。延伸処理は通常、一軸延伸である。
積層フィルム100の延伸倍率は、所望する偏光特性に応じて適宜選択することができるが、好ましくは、積層フィルム100の元長に対して5倍超17倍以下であり、より好ましくは5倍超8倍以下である。延伸倍率が5倍以下であると、ポリビニルアルコール系樹脂層6’が十分に配向しないため、偏光子5の偏光度が十分に高くならないことがある。一方、延伸倍率が17倍を超えると、延伸時にフィルムの破断が生じ易くなるとともに、延伸フィルム200の厚みが必要以上に薄くなり、後工程での加工性及び取扱性が低下するおそれがある。
延伸処理は、一段での延伸に限定されることはなく多段で行うこともできる。この場合、多段階の延伸処理のすべてを染色工程S30の前に連続的に行ってもよいし、二段階目以降の延伸処理を染色工程S30における染色処理及び/又は架橋処理と同時に行ってもよい。このように多段で延伸処理を行う場合は、延伸処理の全段を合わせて5倍超の延伸倍率となるように延伸処理を行うことが好ましい。
延伸処理は、フィルム長手方向(フィルム搬送方向)に延伸する縦延伸であることができるほか、フィルム幅方向に延伸する横延伸又は斜め延伸等であってもよい。縦延伸方式としては、ロールを用いて延伸するロール間延伸、圧縮延伸、チャック(クリップ)を用いた延伸等が挙げられ、横延伸方式としては、テンター法等が挙げられる。延伸処理は、湿潤式延伸方法、乾式延伸方法のいずれも採用できる。
延伸温度は、ポリビニルアルコール系樹脂層6及び基材フィルム30全体が延伸可能な程度に流動性を示す温度以上に設定され、好ましくは基材フィルム30の相転移温度(融点又はガラス転移温度)の−30℃から+30℃の範囲であり、より好ましくは−30℃から+5℃の範囲であり、さらに好ましくは−25℃から+0℃の範囲である。基材フィルム30が複数の樹脂層からなる場合、上記相転移温度は該複数の樹脂層が示す相転移温度のうち、最も高い相転移温度を意味する。
延伸温度を相転移温度の−30℃より低くすると、5倍超の高倍率延伸が達成されにくいか、又は、基材フィルム30の流動性が低すぎて延伸処理が困難になる傾向にある。延伸温度が相転移温度の+30℃を超えると、基材フィルム30の流動性が大きすぎて延伸が困難になる傾向にある。5倍超の高延伸倍率をより達成しやすいことから、延伸温度は上記範囲内であって、さらに好ましくは120℃以上である。
延伸処理における積層フィルム100の加熱方法としては、ゾーン加熱法(例えば、熱風を吹き込み所定の温度に調整した加熱炉のような延伸ゾーン内で加熱する方法。);ロールを用いて延伸する場合において、ロール自体を加熱する方法;ヒーター加熱法(赤外線ヒーター、ハロゲンヒーター、パネルヒーター等を積層フィルム100の上下に設置し輻射熱で加熱する方法)等がある。ロール間延伸方式においては、延伸温度の均一性の観点からゾーン加熱法が好ましい。
なお、延伸温度とは、ゾーン加熱法の場合、ゾーン内(例えば加熱炉内)の雰囲気温度を意味し、ヒーター加熱法においても炉内で加熱を行う場合は炉内の雰囲気温度を意味する。また、ロール自体を加熱する方法の場合は、ロールの表面温度を意味する。
延伸工程S20に先立ち、積層フィルム100を予熱する予熱処理工程を設けてもよい。予熱方法としては、延伸処理における加熱方法と同様の方法を用いることができる。予熱温度は、延伸温度の−50℃から±0℃の範囲であることが好ましく、延伸温度の−40℃から−10℃の範囲であることがより好ましい。
また、延伸工程S20における延伸処理の後に、熱固定処理工程を設けてもよい。熱固定処理は、延伸フィルム200の端部をクリップにより把持した状態で緊張状態に維持しながら、結晶化温度以上で熱処理を行う処理である。この熱固定処理によってポリビニルアルコール系樹脂層6’の結晶化が促進される。熱固定処理の温度は、延伸温度の−0℃〜−80℃の範囲であることが好ましく、延伸温度の−0℃〜−50℃の範囲であることがより好ましい。
(3)染色工程S30
図6を参照して本工程は、延伸フィルム200のポリビニルアルコール系樹脂層6’を二色性色素で染色してこれを吸着配向させ、偏光子5とする工程である。本工程を経て基材フィルム30’の片面又は両面に偏光子5が積層された偏光性積層フィルム300が得られる。二色性色素は、ヨウ素、二色性有機染料であることができる。二色性有機染料の具体例は、レッドBR、レッドLR、レッドR、ピンクLB、ルビンBL、ボルドーGS、スカイブルーLG、レモンイエロー、ブルーBR、ブルー2R、ネイビーRY、グリーンLG、バイオレットLB、バイオレットB、ブラックH、ブラックB、ブラックGSP、イエロー3G、イエローR、オレンジLR、オレンジ3R、スカーレットGL、スカーレットKGL、コンゴーレッド、ブリリアントバイオレットBK、スプラブルーG、スプラブルーGL、スプラオレンジGL、ダイレクトスカイブルー、ダイレクトファーストオレンジS、ファーストブラックを含む。二色性色素は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
染色工程は、二色性色素を含有する溶液(染色溶液)に延伸フィルム200全体を浸漬することにより行うことができる。染色溶液としては、二色性色素を溶媒に溶解した溶液を使用できる。溶媒としては、一般的には水が使用されるが、水と相溶性のある有機溶媒がさらに添加されてもよい。染色溶液における二色性色素の濃度は、好ましくは0.01〜10重量%であり、より好ましくは0.02〜7重量%である。
二色性色素としてヨウ素を使用する場合、染色効率の向上が可能であることから、染色溶液にヨウ化物をさらに添加することが好ましい。ヨウ化物としては、例えばヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタン等が挙げられる。染色溶液におけるヨウ化物の濃度は、好ましくは0.01〜20重量%である。ヨウ化物の中でも、ヨウ化カリウムを添加することが好ましい。ヨウ化カリウムを添加する場合、ヨウ素とヨウ化カリウムとの割合は重量比で、好ましくは1:5〜1:100であり、より好ましくは1:6〜1:80である。染色溶液の温度は、好ましくは10〜60℃であり、より好ましくは20〜40℃である。
なお、染色工程S30を延伸工程S20の前に行ったり、これらの工程を同時に行ったりすることも可能であるが、ポリビニルアルコール系樹脂層に吸着させる二色性色素を良好に配向させることができるよう、積層フィルム100に対して少なくともある程度の延伸処理を施した後に染色工程S30を実施することが好ましい。
染色工程S30は、染色処理に引き続いて実施される架橋処理工程を含むことができる。架橋処理は、架橋剤を溶媒に溶解した溶液(架橋溶液)中に染色されたフィルムを浸漬することにより行うことができる。架橋剤としては、例えば、ホウ酸、ホウ砂のようなホウ素化合物、グリオキザール、グルタルアルデヒド等が挙げられる。架橋剤は1種のみを使用してもよいし2種以上を併用してもよい。架橋溶液の溶媒としては、水が使用できるが、水と相溶性のある有機溶媒をさらに含んでもよい。架橋溶液における架橋剤の濃度は、好ましくは1〜20重量%であり、より好ましくは6〜15重量%である。
架橋溶液はヨウ化物をさらに含むことができる。ヨウ化物の添加により、偏光子5の面内における偏光性能をより均一化させることができる。ヨウ化物の具体例は上記と同様である。架橋溶液におけるヨウ化物の濃度は、好ましくは0.05〜15重量%であり、より好ましくは0.5〜8重量%である。架橋溶液の温度は、好ましくは10〜90℃である。
なお架橋処理は、架橋剤を染色溶液中に配合することにより、染色処理と同時に行うこともできる。また、組成の異なる2種以上の架橋溶液を用いて、架橋溶液に浸漬する処理を2回以上行ってもよい。
染色工程S30の後、後述する第1貼合工程S40の前に洗浄工程及び乾燥工程を行うことが好ましい。洗浄工程は通常、水洗浄工程を含む。水洗浄処理は、イオン交換水、蒸留水のような純水に染色処理後の又は架橋処理後のフィルムを浸漬することにより行うことができる。水洗浄温度は、通常3〜50℃、好ましくは4〜20℃である。洗浄工程は、水洗浄工程とヨウ化物溶液による洗浄工程との組み合わせであってもよい。洗浄工程の後に行われる乾燥工程としては、自然乾燥、送風乾燥、加熱乾燥等の任意の適切な方法を採用し得る。例えば加熱乾燥の場合、乾燥温度は通常20〜95℃である。
(4)第1貼合工程S40
図7を参照して本工程は、偏光性積層フィルム300の偏光子5上、すなわち、偏光子5の基材フィルム30’側とは反対側の面に第1接着剤層15を介して第1保護フィルム10を貼合することで貼合フィルム400を得る工程である。なお、偏光性積層フィルム300が基材フィルム30’の両面に偏光子5を有する場合は通常、両面の偏光子5上にそれぞれ第1保護フィルム10が貼合される。この場合、これらの第1保護フィルム10は同種の保護フィルムであってもよく異種の保護フィルムであってもよい。
上述のように第1保護フィルム10は、偏光板1を表示用セル50上に配置する際、第2保護フィルム20よりも表示用セル50側に配置される保護フィルムである。第1保護フィルム10は、透光性を有する(好ましくは光学的に透明な)熱可塑性樹脂、例えば、鎖状ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン系樹脂等)、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂等)のようなポリオレフィン系樹脂;セルローストリアセテート、セルロースジアセテートのようなセルロースエステル系樹脂;ポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂;ポリスチレン系樹脂;又はこれらの混合物、共重合物等からなるフィルムであることができる。中でも本発明において好適に用いられる第1保護フィルム10(後述する第2保護フィルム20も同様)は、水系接着剤では接着が難しい透湿性の低い保護フィルム、例えばポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂等からなる保護フィルムである。
第1保護フィルム10は、位相差フィルム、輝度向上フィルムのような光学機能を併せ持つ保護フィルムであることもできる。例えば、上記熱可塑性樹脂からなるフィルムを延伸(一軸延伸又は二軸延伸等)したり、該フィルム上に液晶層等を形成したりすることにより、任意の位相差値が付与された位相差フィルムとすることができる。
鎖状ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂のような鎖状オレフィンの単独重合体のほか、2種以上の鎖状オレフィンからなる共重合体を挙げることができる。
環状ポリオレフィン系樹脂は、環状オレフィンを重合単位として重合される樹脂の総称である。環状ポリオレフィン系樹脂の具体例を挙げれば、環状オレフィンの開環(共)重合体、環状オレフィンの付加重合体、環状オレフィンとエチレン、プロピレンのような鎖状オレフィンとの共重合体(代表的にはランダム共重合体)、及びこれらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変性したグラフト重合体、並びにそれらの水素化物等である。中でも、環状オレフィンとしてノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマー等のノルボルネン系モノマーを用いたノルボルネン系樹脂が好ましく用いられる。
セルロースエステル系樹脂は、セルロースと脂肪酸とのエステルである。セルロースエステル系樹脂の具体例は、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルローストリプロピオネート、セルロースジプロピオネートを含む。また、これらの共重合物や、水酸基の一部が他の置換基で修飾されたものを用いることもできる。これらの中でも、セルローストリアセテート(トリアセチルセルロース:TAC)が特に好ましい。
ポリエステル系樹脂はエステル結合を有する、上記セルロースエステル系樹脂以外の樹脂であり、多価カルボン酸又はその誘導体と多価アルコールとの重縮合体からなるものが一般的である。多価カルボン酸又はその誘導体としてはジカルボン酸又はその誘導体を用いることができ、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ジメチルテレフタレート、ナフタレンジカルボン酸ジメチル等が挙げられる。多価アルコールとしてはジオールを用いることができ、例えばエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
ポリエステル系樹脂の具体例は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリシクロへキサンジメチルテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチルナフタレートを含む。
ポリカーボネート系樹脂は、カルボナート基を介してモノマー単位が結合された重合体からなる。ポリカーボネート系樹脂は、ポリマー骨格を修飾したような変性ポリカーボネートと呼ばれる樹脂や、共重合ポリカーボネート等であってもよい。
(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を主な構成モノマーとする樹脂である。(メタ)アクリル系樹脂の具体例は、例えば、ポリメタクリル酸メチルのようなポリ(メタ)アクリル酸エステル;メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体;メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体;メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体;(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂等);メタクリル酸メチルと脂環族炭化水素基を有する化合物との共重合体(例えば、メタクリル酸メチル−メタクリル酸シクロヘキシル共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ノルボルニル共重合体等)を含む。好ましくは、ポリ(メタ)アクリル酸メチルのようなポリ(メタ)アクリル酸C1-6アルキルエステルを主成分とする重合体が用いられ、より好ましくは、メタクリル酸メチルを主成分(50〜100重量%、好ましくは70〜100重量%)とするメタクリル酸メチル系樹脂が用いられる。
なお、上で掲げた各種熱可塑性樹脂の具体例は、上記基材フィルム30を構成する熱可塑性樹脂の具体例でもある。
第1保護フィルム10は、滑剤、可塑剤、分散剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤のような添加剤を1種又は2種以上含有することができる。
第1保護フィルム10の厚みは、偏光板1の薄型化の観点から、好ましくは90μm以下、より好ましくは50μm以下、さらに好ましくは30μm以下である。第1保護フィルム10の厚みは、強度及び取扱性の観点から、通常5μm以上である。
第1保護フィルム10を偏光子5に貼合するための第1接着剤層15を形成する接着剤としては、紫外線、可視光、電子線、X線のような活性エネルギー線の照射によって硬化する活性エネルギー線硬化性接着剤が用いられる。活性エネルギー線硬化性接着剤は、好ましくは紫外線硬化性接着剤である。活性エネルギー線硬化性接着剤を用いることは、1)無溶剤型の接着剤として調製することができるため、乾燥工程を不要にすることができる、2)透湿度の低い保護フィルムの貼合に用いることができ、水系接着剤と比べて貼合可能な保護フィルムの種類が多い、といった利点がある。
活性エネルギー線硬化性接着剤としては、カチオン重合性の硬化性化合物及び/又はラジカル重合性の硬化性化合物を含む活性エネルギー線硬化性接着剤組成物を好ましく用いることができる。活性エネルギー線硬化性接着剤は通常、上記硬化性化合物の硬化反応を開始させるためのカチオン重合開始剤及び/又はラジカル重合開始剤をさらに含む。
カチオン重合性の硬化性化合物としては、例えば、エポキシ系化合物(分子内に1個又は2個以上のエポキシ基を有する化合物)や、オキセタン系化合物(分子内に1個又は2個以上のオキセタン環を有する化合物)、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。ラジカル重合性の硬化性化合物としては、例えば、(メタ)アクリル系化合物(分子内に1個又は2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物)や、ラジカル重合性の二重結合を有するその他のビニル系化合物、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。カチオン重合性の硬化性化合物とラジカル重合性の硬化性化合物とを併用してもよい。
活性エネルギー線硬化性接着剤は、必要に応じて、カチオン重合促進剤、イオントラップ剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、粘着付与剤、熱可塑性樹脂、充填剤、流動調整剤、可塑剤、消泡剤、帯電防止剤、レベリング剤、溶剤等の添加剤を含有することができる。
第1接着剤層15となる活性エネルギー線硬化性接着剤を介して第1保護フィルム10を偏光子5上に積層した後、紫外線、可視光、電子線、X線のような活性エネルギー線を照射して接着剤層を硬化させることによって、第1保護フィルム10を偏光子5に接着貼合することができる。活性エネルギー線は、好ましくは紫外線であり、この場合の光源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等を用いることができる。得られる偏光板1において第1接着剤層15は、活性エネルギー線硬化性接着剤の硬化物層である。
偏光子5に第1保護フィルム10を貼合するにあたり、第1保護フィルム10及び/又は偏光子5の貼合面には、偏光子5との接着性を向上させるために、プラズマ処理、コロナ処理、紫外線照射処理、フレーム(火炎)処理、ケン化処理のような表面処理(易接着処理)を行うことができる。好ましい表面処理は、プラズマ処理、コロナ処理、ケン化処理である。
後で詳述するように、第2保護フィルム20表面における凹凸感を効果的に抑制するために第1接着剤層15は、硬化後の厚みで、第2接着剤層よりも薄くなるように形成される。同様の理由で、第1接着剤層15の硬化後の厚みは、好ましくは0.75μm以下であり、より好ましくは0.7μm以下であり、さらに好ましくは0.5μm以下である。第1接着剤層15の硬化後の厚みは、接着性の観点から、通常0.01μm以上であり、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.2μm以上、さらに好ましくは0.3μm以上である。厚みがあまりに小さいと、第1保護フィルム10と偏光子5との貼合時に第1接着剤層15に微小な気泡が混入する不具合を生じやすい。このような気泡は、液晶表示装置のような表示装置に偏光板を組み込み、表示装置を点灯させたとき、光散乱の原因となることがある。この光散乱は、黒表示状態で光が漏れる(気泡が輝点となる)表示上の不具合を生じ得る。
活性エネルギー線硬化性接着剤を第1保護フィルム10及び/又は偏光子5の貼合面に塗工する方法は特に制限されないが、第1接着剤層15のように接着剤層の厚みを小さくするには、小径グラビア等を用いて接着剤を塗工する方法が好適であり、とりわけ、グラビア回転ドロー(ライン速度に対するグラビア回転速度の比)を高くし、グラビアの回転速度を相対的に速くする方法や、グラビアのメッシュの線数を高くする等の方法によって、接着剤層の厚みを小さくすることができる。特に、接着剤層の厚みを1μm以下とするためには、レーザー彫刻によってメッシュを彫ったグラビアを用いることが好ましく、ハニカム形状のグラビアロールを用いることが特に好ましい。例えば、ハニカム形状で1インチあたりのハニカム数が400列を超えるものが好適に用いられる。
(5)剥離工程S50
図8を参照して本工程は、貼合フィルム400から基材フィルム30’を剥離除去する工程である。この工程を経て、偏光子5の片面に第1保護フィルム10が積層された片面保護フィルム付偏光板500が得られる。偏光性積層フィルム300が基材フィルム30’の両面に偏光子5を有し、これら両方の偏光子5に第1保護フィルム10を貼合した場合には、この剥離工程S50により、1枚の偏光性積層フィルム300から2枚の片面保護フィルム付偏光板500が得られる。
基材フィルム30’を剥離除去する方法は特に限定されるものでなく、通常の粘着剤付偏光板で行われるセパレータ(剥離フィルム)の剥離工程と同様の方法で剥離できる。基材フィルム30’は、第1貼合工程S40の後、そのまますぐ剥離してもよいし、第1貼合工程S40の後、一度ロール状に巻き取り、その後の工程で巻き出しながら剥離してもよい。
(6)第2貼合工程S60
本工程は、片面保護フィルム付偏光板500の偏光子5面上、すなわち第1貼合工程S40にて貼合した第1保護フィルム10とは反対側の面に、第2接着剤層25を介して第2保護フィルム20を貼合し、図1に示されるような両面保護フィルム付の偏光板1を得る工程である。
上述のように第2保護フィルム20は、偏光板1を表示用セル50上に配置する際に第1保護フィルム10よりも外側に配置される保護フィルムである。第2保護フィルム20は、第1保護フィルム10と同様、上で例示した熱可塑性樹脂からなるフィルムであることができ、位相差フィルム、輝度向上フィルムのような光学機能を併せ持つ保護フィルムであってもよい。第2保護フィルム20が含有し得る添加剤及びフィルムの厚み等については、第1保護フィルム10について述べた上の記載が引用される。第1保護フィルム10と第2保護フィルム20とは、互いに同種の樹脂からなる保護フィルムであってもよいし、異種の樹脂からなる保護フィルムであってもよい。
本発明によれば、第2保護フィルム20の厚みが小さい場合、例えば50μm以下、さらには30μm以下であっても第2保護フィルム20表面における凹凸感を効果的に抑制することができる。
第2保護フィルム20における偏光子5とは反対側の表面には、ハードコート層、防眩層、反射防止層、帯電防止層、防汚層のような表面処理層(コーティング層)を形成することもできる。表面処理層を形成する方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
第2保護フィルム20を偏光子5に貼合するための第2接着剤層25を形成する接着剤としては、第1接着剤層15と同様、活性エネルギー線硬化性接着剤が用いられる。活性エネルギー線硬化性接着剤は、好ましくは紫外線硬化性接着剤である。得られる偏光板1において第2接着剤層25は、活性エネルギー線硬化性接着剤の硬化物層である。活性エネルギー線硬化性接着剤の具体例については、第1接着剤層15について述べた上の記載が引用される。第1接着剤層15を形成する接着剤と第2接着剤層25を形成する接着剤とは、組成に関し、同種であってもよいし異種であってもよい。第2接着剤層25を介した第2保護フィルム20の貼合は、第1保護フィルム10の貼合と同様にして行うことができる。
第2保護フィルム20の表面に凹凸感が発生する要因としては、第2接着剤層25を形成する接着剤が硬化するときの収縮力〔活性エネルギー線の照射によって短時間で接着剤層を硬化させて接着を行う活性エネルギー線硬化性接着剤を用いる場合の収縮力(単位時間あたり)は一般に、加熱による溶媒(水)の乾燥及びその後に必要に応じてなされる養生によって比較的時間をかけて接着を行う水系接着剤よりも大きい。〕に第2保護フィルム20及び偏光子5が負けてしまうことにあるところ、本発明によれば、第2接着剤層25を形成する接着剤に活性エネルギー線硬化性接着剤を用いる場合であっても、また偏光子5や第1,第2保護フィルム10,20の厚みが小さい場合であっても、第2保護フィルム20の表面の凹凸感の発生、及びこれに伴う反射像の乱れや歪みを抑制することができ、鮮明な反射像が得られるとともに第2保護フィルム20表面の光沢感に優れ、高級感を具備する偏光板を提供することができる。
第2接着剤層25は、第1接着剤層15の硬化後の厚みが第2接着剤層25の硬化後の厚みよりも小さくなるような厚みで形成される。偏光子5への第1保護フィルム10の貼合の後に第2保護フィルム20を貼合する逐次貼合を前提として、上記のような厚み関係で第1,第2接着剤層15,25を形成することが肝要であり、これにより第2保護フィルム20の表面の凹凸感を効果的に抑制することができる。
同様の理由で、第2接着剤層25の硬化後の厚みは、0.75μmより大きいことが好ましく、1.0μm以上であることがより好ましい。また同様の理由で、第2接着剤層25の硬化後の厚みと第1接着剤層15の硬化後の厚みとの差は、0.1μm以上であることが好ましく、0.2μm以上であることがより好ましく、0.3μm以上であることがさらに好ましい。
〔第2の実施形態〕
第1の実施形態は、基材フィルム上に塗工したポリビニルアルコール系樹脂層から偏光子を形成し、次いで偏光板を製造する方法であるが、これに制限されず、単体(単独)フィルムからなる偏光子5に第1保護フィルム10及び第2保護フィルム20をこの順で貼合して偏光板1を製造してもよい。第1,第2接着剤層10,20を介した第1,第2保護フィルム10,20の貼合方法は、第1の実施形態と同様であることができる。
単体(単独)フィルムからなる偏光子5は、例えば、溶融押出法、溶剤キャスト法のような公知の方法によりポリビニルアルコール系樹脂フィルムを作製する工程;ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程;ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色し、これを吸着させる工程;二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程;及び、ホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程、を含む方法によって製造することができる。一軸延伸は、二色性色素の染色前、染色と同時、又は染色の後に行うことができる。一軸延伸を染色の後で行う場合、この一軸延伸は、ホウ酸処理の前又はホウ酸処理中に行ってもよい。また、これらの複数の段階で一軸延伸を行ってもよい。
<偏光板>
以上のようにして製造される偏光板1において、延伸されたポリビニルアルコール系樹脂層(又はフィルム)に二色性色素を吸着配向させてなる偏光子5の厚みは、好ましくは20μm以下であり、とりわけモバイル機器用の偏光板においては、偏光板の薄型化の観点から10μm以下であることがより好ましく、8μm以下であることがさらに好ましい。偏光子5の厚みは通常、2μm以上である。本発明によれば、このような薄膜の偏光子5を用いる場合であっても第2保護フィルム20表面における凹凸感を効果的に抑制することができる。
偏光板の製造方法は、偏光板1が有する第1保護フィルム10の外面(偏光子5とは反対側の面)に、偏光板1を表示用セル50に貼合するための粘着剤層60を配置する粘着剤層形成工程をさらに含むことができ、これにより粘着剤層付偏光板を得ることができる。粘着剤層60を形成する粘着剤は通常、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、シリコーン系樹脂などをベースポリマーとし、そこに、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物のような架橋剤を加えた粘着剤組成物からなる。さらに微粒子を含有して光散乱性を示す粘着剤層とすることもできる。
粘着剤層60の厚みは1〜40μmであることができるが、加工性、耐久性の特性を損なわない範囲で、薄く形成することが好ましく、具体的には3〜25μmであることが好ましい。3〜25μmの厚みは、良好な加工性を有し、かつ偏光子5の寸法変化を押さえる上でも好適である。粘着剤層60が1μm未満であると粘着性が低下し、40μmを超えると粘着剤がはみ出すなどの不具合を生じ易くなる。
粘着剤層60を形成する方法は特に限定されるものではなく、第1保護フィルム10の表面に、上記したベースポリマーをはじめとする各成分を含む粘着剤組成物(粘着剤溶液)を塗工し、乾燥して形成してもよいし、セパレーター(剥離フィルム)上に同様にして粘着剤層60を形成した後、この粘着剤層60を第1保護フィルム10に転写してもよい。粘着剤層60を第1保護フィルム10の表面に形成する際には、必要に応じて第1保護フィルム10の表面又は粘着剤層60の表面に表面処理、例えばコロナ処理等を施してもよい。
偏光板1は、第1保護フィルム10又は第2保護フィルム20上に積層される他の光学層をさらに含むことができる。他の光学層としては、ある種の偏光光を透過し、それと逆の性質を示す偏光光を反射する反射型偏光フィルム;表面に凹凸形状を有する防眩機能付フィルム;表面反射防止機能付フィルム;表面に反射機能を有する反射フィルム;反射機能と透過機能とを併せ持つ半透過反射フィルム;視野角補償フィルム等が挙げられる。
<表示装置>
本発明の表示装置は、図2を参照して、表示用セル(画像表示素子)50と、その少なくとも一方の面に配置される本発明に係る偏光板1とを含む。偏光板1は、表示用セル50側に配置される第1保護フィルム10の外面に設けた粘着剤層60を用いて表示用セル50上に配置・貼合することができる。このような表示装置において、偏光板1の第2保護フィルム20は表示装置の外面(典型的には最外面)を形成するが、本発明によれば、第2保護フィルム20表面における凹凸感を効果的に抑制することができるため、表示装置の外観に優れる。
表示装置の代表例は、表示用セル50が液晶セルである液晶表示装置であるが、表示用セル50が有機EL画像表示素子である有機EL装置のような他の表示装置であってもよい。表示装置において偏光板1は、表示用セル50の少なくとも一方の面に配置されていればよいが、両面に配置することもできる。
表示装置が液晶表示装置である場合、通常、液晶セルの両面に偏光板が配置される。この場合において、両面の偏光板が本発明に係る偏光板1であってもよいし、一方の偏光板のみが本発明に係る偏光板1であってもよい。後者において、本発明に係る偏光板1は、液晶セルを基準にフロント側(視認側)の偏光板であってもよいし、リア側(バックライト側)の偏光板であってもよい。液晶セルとしては従来公知のタイプのものを用いることができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
<実施例1>
(1)プライマー層形成工程
ポリビニルアルコール粉末(日本合成化学工業(株)製の「Z−200」、平均重合度1100、ケン化度99.5モル%)を95℃の熱水に溶解し、濃度3重量%のポリビニルアルコール水溶液を調製した。得られた水溶液に架橋剤(田岡化学工業(株)製の「スミレーズレジン650」)をポリビニルアルコール粉末6重量部に対して5重量部の割合で混合して、プライマー層形成用塗工液を得た。
次に、基材フィルムとして厚み90μmの未延伸ポリプロピレンフィルム(融点:163℃)を用意し、その片面にコロナ処理を施した後、そのコロナ処理面に小径グラビアコーターを用いて上記プライマー層形成用塗工液を塗工し、80℃で10分間乾燥させることにより、厚み0.2μmのプライマー層を形成した。
(2)積層フィルムの作製(樹脂層形成工程)
ポリビニルアルコール粉末((株)クラレ製の「PVA124」、平均重合度2400、ケン化度98.0〜99.0モル%)を95℃の熱水に溶解し、濃度8重量%のポリビニルアルコール水溶液を調製し、これをポリビニルアルコール系樹脂層形成用塗工液とした。
上記(1)で作製したプライマー層を有する基材フィルムのプライマー層表面にリップコーターを用いて上記ポリビニルアルコール系樹脂層形成用塗工液を塗工した後、80℃で20分間乾燥させることにより、プライマー層上にポリビニルアルコール系樹脂層を形成して、基材フィルム/プライマー層/ポリビニルアルコール系樹脂層からなる積層フィルムを得た。
(3)延伸フィルムの作製(延伸工程)
上記(2)で作製した積層フィルムに対し、フローティングの縦一軸延伸装置を用いて160℃で5.8倍の自由端一軸延伸を実施し、延伸フィルムを得た。延伸後のポリビニルアルコール系樹脂層の厚みは6.1μmであった。
(4)偏光性積層フィルムの作製(染色工程)
上記(3)で作製した延伸フィルムを、ヨウ素とヨウ化カリウムとを含む30℃の染色水溶液(水100重量部あたりヨウ素を0.6重量部、ヨウ化カリウムを10重量部含む。)に約180秒間浸漬してポリビニルアルコール系樹脂層の染色処理を行った後、10℃の純水で余分な染色水溶液を洗い流した。
次いで、ホウ酸を含む78℃の第1架橋水溶液(水100重量部あたりホウ酸を9.5重量部含む。)に120秒間浸漬し、次いで、ホウ酸及びヨウ化カリウムを含む70℃の第2架橋水溶液(水100重量部あたりホウ酸を9.5重量部、ヨウ化カリウムを4重量部含む。)に60秒間浸漬して架橋処理を行った。その後、10℃の純水で10秒間洗浄し、最後に40℃で300秒間乾燥させることにより、基材フィルム/偏光子からなる偏光性積層フィルムを得た。
(5)片面保護フィルム付偏光板の作製(第1貼合工程及び剥離工程)
偏光板を表示用セル上に配置する際に表示用セル側に配置される第1保護フィルムとして、厚み20μmの環状ポリオレフィン系樹脂フィルムを用意した。この第1保護フィルムの貼合面にコロナ処理を施した後、そのコロナ処理面に、小径グラビアコーターを用いて紫外線硬化性接着剤((株)ADEKA製の「KR−70T」)を塗工し、その接着剤の塗工層を介して第1保護フィルムを、上記(4)で作製した偏光性積層フィルムの偏光子面に貼合ロールを用いて貼合した。次いで、高圧水銀ランプを用いて、基材フィルム側から200mJ/cm2の積算光量で紫外線を照射することにより接着剤を硬化させて第1接着剤層を形成し、第1保護フィルム/第1接着剤層/偏光子/基材フィルムの層構成からなる貼合フィルムを得た(第1貼合工程)。第1接着剤層の厚みは、0.5μmであった。
次に、得られた貼合フィルムから基材フィルムを剥離除去した(剥離工程)。基材フィルムは容易に剥離され、第1保護フィルム/第1接着剤層/偏光子の層構成からなる片面保護フィルム付偏光板を得た。
(6)両面保護フィルム付偏光板の作製(第2貼合工程)
偏光板を表示用セル上に配置する際に外側(表示用セル側とは反対側)に配置される第2保護フィルムとして、厚み50μmの環状ポリオレフィン系樹脂フィルムを用意した。この第2保護フィルムの貼合面にコロナ処理を施した後、そのコロナ処理面に、小径グラビアコーターを用いて紫外線硬化性接着剤((株)ADEKA製の「KR−70T」)を塗工し、その接着剤の塗工層を介して第2保護フィルムを、上記(5)で作製した片面保護フィルム付偏光板の第1保護フィルムとは反対側の面(偏光子面)に貼合ロールを用いて貼合した。なお、貼合に先立って、第2保護フィルムが貼合される偏光子面にもコロナ処理を行った。次いで、高圧水銀ランプを用いて、基材フィルム側から200mJ/cm2の積算光量で紫外線を照射することにより接着剤を硬化させて第2接着剤層を形成し、第1保護フィルム/第1接着剤層/偏光子/第2接着剤層/第2保護フィルムの層構成からなる両面保護フィルム付偏光板を得た。第2接着剤層の厚みは、1.0μmであった。
第1及び第2接着剤層の厚みは次のように測定した。すなわち、紫外線硬化性接着剤塗工前の「第1又は第2保護フィルムの厚み」と、紫外線硬化性接着剤塗工後(偏光子との貼合前)の「第1又は第2保護フィルム及び塗工された接着剤層の合計厚み」を、非接触の多層膜厚測定器(株式会社キーエンス製「SI−Tシリーズ」)を用いて測定し、これらの差を第1,第2接着剤層の厚みとした。なお、このようにして得られる偏光子との貼合及び硬化前の接着剤層の厚みが、偏光子との貼合及び硬化後もほぼそのまま維持され、得られた偏光板における硬化後の接着剤層の厚みと実質的に同じであることは、得られた偏光板の断面を切り出し、その断面における接着剤層の厚みをSEM(走査型電子顕微鏡)で観察し、実測することによって確認している。
<比較例2〜5>
第1及び第2保護フィルムの貼合の順序、並びに第1及び第2接着剤層の硬化後の厚みを表1に示されるとおりとしたこと以外は、実施例1と同様にして両面保護フィルム付偏光板を作製した。なお、表1において、「第1保護フィルム」とは、偏光板を表示用セル上に配置する際に表示用セル側に配置される保護フィルム(厚み20μmの環状ポリオレフィン系樹脂フィルム)を指し、「第2保護フィルム」とは、偏光板を表示用セル上に配置する際に外側(表示用セル側とは反対側)に配置される保護フィルム(厚み50μmの環状ポリオレフィン系樹脂フィルム)を指す。また、「第1接着剤層」とは、第1保護フィルムを貼合する接着剤層を指し、「第2接着剤層」とは、第2保護フィルムを貼合する接着剤層を指す。
〔反射像の評価〕
実施例及び比較例で得られた偏光板を4〜6インチサイズに切り出し、これを、偏光板裏面からの反射を防止するために、粘着剤を用いて黒色アクリル板に貼合して評価用サンプルを得た。この際、第2保護フィルムが外側を向くように、偏光板をその第1保護フィルム側で黒色アクリル板に貼合した。点灯状態にある直管状の蛍光灯を正反射で評価用サンプルの第2保護フィルム表面に映し、その反射像を次の評価基準に従って目視で評価した。結果を表1に示す。
A:偏光板に映り込んだ蛍光灯の反射像に乱れはなく、反射像は輪郭まで鮮明である、
B:偏光板に映り込んだ蛍光灯の反射像はやや鮮明性に欠け、輪郭線は1mm以下の不規則なピッチで乱れている、
C:偏光板に映り込んだ蛍光灯の反射像は歪んでおり、輪郭線も乱れている。
Figure 0006659217
1 偏光板(両面保護フィルム付偏光板)、5 偏光子、10 第1保護フィルム、15 第1接着剤層、20 第2保護フィルム、25 第2接着剤層、6 ポリビニルアルコール系樹脂層、6’ 延伸されたポリビニルアルコール系樹脂層、30 基材フィルム、30’ 延伸された基材フィルム、50 表示用セル、60 粘着剤層、100 積層フィルム、200 延伸フィルム、300 偏光性積層フィルム、400 貼合フィルム、500 片面保護フィルム付偏光板。

Claims (5)

  1. 偏光子の一方の面上に第1保護フィルムを備え、他方の面上に第2保護フィルムを備える偏光板の製造方法であって、
    前記一方の面に、活性エネルギー線硬化性接着剤からなる第1接着剤層を介して前記第1保護フィルムを貼合する第1貼合工程と、
    前記第1貼合工程の後、前記他方の面に、活性エネルギー線硬化性接着剤からなる第2接着剤層を介して前記第2保護フィルムを貼合する第2貼合工程と、
    を含み、
    前記第1保護フィルムは、前記偏光板を表示用セル上に配置する際に、前記第2保護フィルムよりも前記表示用セル側に配置される保護フィルムであり、
    前記第1接着剤層の硬化後の厚みが0.75μm以下であり、
    前記第1接着剤層の硬化後の厚みが前記第2接着剤層の硬化後の厚みよりも小さい、偏光板の製造方法。
  2. 前記第2接着剤層の硬化後の厚みが0.75μmより大きい、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記第2接着剤層の硬化後の厚みと前記第1接着剤層の硬化後の厚みとの差が0.1μm以上である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記偏光子の厚みが20μm以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 偏光子の一方の面に、活性エネルギー線硬化性接着剤からなる第1接着剤層を介して第1保護フィルムを貼合する第1貼合工程と、
    第1貼合工程の後、前記偏光子の他方の面に、活性エネルギー線硬化性接着剤からなる第2接着剤層を介して第2保護フィルムを貼合する第2貼合工程と、
    前記第1保護フィルムの外面に粘着剤層を配置する粘着剤層形成工程と、
    を含み、
    前記第1接着剤層の硬化後の厚みが0.75μm以下であり、
    前記第1接着剤層の硬化後の厚みが前記第2接着剤層の硬化後の厚みよりも小さい、粘着剤層付偏光板の製造方法。
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