JP6656802B2 - フィルム、シーラント材、及び包装材 - Google Patents

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Description

本発明は、フィルム、シーラント材、及び包装材に関する。
近年、種々の包装材料が提案され、様々なヒートシール強度を有するシーラントフィルムの開発が所望されている。例えば、熱に弱い食品を包装する際には、内容物を保護するために、比較的低温で包装材料をヒートシールする必要がある。そのため、熱に弱い被包装物の包装材料に利用されるシーラントフィルムには、低温シール条件でも高いシール強度を示す特性が求められている。
食品等の包装材料として汎用されている4−メチル−1−ペンテン重合体は、融点が高く、離型性を有するため、4−メチル−1−ペンテン重合体で主に構成されたフィルム(以下、適宜「4−メチル−1−ペンテン系重合体フィルム」と称する。)をシーラントフィルムとして利用するには、ヒートシール温度を高くする必要がある上、シール強度が低いという問題があった。
そこで、4−メチル−1−ペンテン系重合体フィルムに対してヒートシール性を付与する方法して、4−メチル−1−ペンテン系重合体フィルムに、他の熱可塑性樹脂、例えばオレフィン系重合体で構成されたフィルム(以下、適宜「オレフィン系重合体フィルム」と称する。)を積層する方法が検討されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、シーラントフィルムには、上述したような低温シール条件でも高いシール強度を示す特性だけでなく、幅広いヒートシール温度領域を有し、ヒートシール温度を変えることにより、イージーピール性と密封シール性との両方の機能を併せ持つ特性も求められている。
特開2000−189051号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたフィルムは、融点が200℃以上の4−メチル−1−ペンテン重合体で主に構成されているため、低温シール条件でのシール強度が十分ではなく、密封シール性が良くないという欠点がある。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、低温シール条件(例えば、130℃)では、シール性とイージーピール性とが良好な、ある程度高いシール強度を示すとともに、高温シール条件(例えば、180℃)では、高いシール強度を示すフィルム、並びに該フィルムを含むシーラント材及び包装材を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するための具体的な手段は、以下の通りである。
<1> 4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位を80モル%以上99モル%以下、及び4−メチル−1−ペンテン以外の炭素数2以上20以下のα−オレフィンに由来する構成単位を1モル%以上20モル%以下有し、上記4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位と、上記4−メチル−1−ペンテン以外の炭素数2以上20以下のα−オレフィンに由来する構成単位とが合計で100モル%の共重合体である熱可塑性樹脂(A)と、エチレン系重合体及びプロピレン系重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合体である、上記熱可塑性樹脂(A)以外の熱可塑性樹脂(B)と、を含み、上記熱可塑性樹脂(A)と上記熱可塑性樹脂(B)との合計100質量部に対して、上記熱可塑性樹脂(A)の含有量が2質量部以上50質量部以下であり、上記熱可塑性樹脂(B)の含有量が50質量部以上98質量部以下である樹脂組成物を含有するフィルム。
<2> 上記熱可塑性樹脂(A)における炭素数2以上20以下のα−オレフィンに由来する構成単位がプロピレンである<1>に記載のフィルム。
<3> 上記熱可塑性樹脂(B)が、エチレン系重合体又はプロピレン系重合体である<1>又は<2>に記載のフィルム。
<4> 上記熱可塑性樹脂(B)が、プロピレン系重合体である<1>〜<3>のいずれか1つに記載のフィルム。
<5> フィルム同士を、温度130℃、圧力0.2MPa、及びシール時間2秒の条件でヒートシールして得られる積層フィルムの剥離強度が、3.0N/15mm以上10N/15mm未満であり、かつ温度180℃、圧力0.2MPa、及びシール時間2秒の条件でヒートシールして得られる積層フィルムの剥離強度が、10N/15mm以上である<1>〜<4>のいずれか1つに記載のフィルム。
<6> <1>〜<5>のいずれか1つに記載のフィルムを含むシーラント材。
<7> <6>に記載のシーラント材を含む積層体を備える包装材。
本発明によれば、低温シール条件(例えば、130℃)では、シール性とイージーピール性とが良好な、ある程度高いシール強度を示すとともに、高温シール条件(例えば、180℃)では、高いシール強度を示すフィルム、並びに該フィルムを含むシーラント材及び包装材を提供することができる。
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する複数の物質の合計量を意味する。
[フィルム]
本発明のフィルムは、4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位を80モル%以上99モル%以下、及び4−メチル−1−ペンテン以外の炭素数2以上20以下のα−オレフィンに由来する構成単位を1モル%以上20モル%以下有し、上記4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位と、上記4−メチル−1−ペンテン以外の炭素数2以上20以下のα−オレフィンに由来する構成単位とが合計で100モル%の共重合体である熱可塑性樹脂(A)と、エチレン系重合体及びプロピレン系重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合体である、上記熱可塑性樹脂(A)以外の熱可塑性樹脂(B)と、を含み、上記熱可塑性樹脂(A)と上記熱可塑性樹脂(B)との合計100質量部に対して、上記熱可塑性樹脂(A)の含有量が2質量部以上50質量部以下であり、上記熱可塑性樹脂(B)の含有量が50質量部以上98質量部以下である樹脂組成物を含有するフィルムである。
本発明によれば、低温シール条件(例えば、130℃)では、シール性とイージーピール性とが良好な、ある程度高いシール強度(例えば、3.0N/15mm以上10N/15mm未満)を示すとともに、高温シール条件(例えば、180℃)では、高いシール強度(例えば、10N/15mm以上)を示すフィルムを実現する。
本発明の作用機構は明確ではないが、本発明者は、以下の如く推測している。
フィルムの材料の1つである熱可塑性樹脂(A)を、4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位以外に、炭素数2以上20以下のα−オレフィンに由来する構成単位を有する共重合体(4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位:80モル%以上99モル%以下、炭素数2以上20以下のα−オレフィンに由来する構成単位:1モル%以上20モル%以下、4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位と炭素数2以上20以下のα−オレフィンに由来する構成単位との合計:100モル%)とすることにより、低温条件でのヒートシールが可能となると考えられる。
4−メチル−1−ペンテンを骨格に多く含む熱可塑性樹脂(A)と、エチレン系重合体及びプロピレン系重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合体である熱可塑性樹脂(B)とを、熱可塑性樹脂(A)の割合が、熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)との合計100質量部に対して2質量部以上50質量部以下となるように混合し、フィルムを形成すると、ヒートシール性を有するもののシール強度が低い熱可塑性樹脂(A)と、低温シール条件でも高いシール強度が得られる熱可塑性樹脂(B)と、が適度に分散したフィルムが形成されると考えられる。
その結果、低温シール条件では、シール性とイージーピール性とが良好な、ある程度高いシール強度を示すとともに、高温シール条件では、高いシール強度を示すフィルムの実現が可能となると考えられる。
以下、本発明のフィルムに含まれる成分について説明する。
〔樹脂組成物〕
本発明における樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)とを含む樹脂組成物である。すなわち、本発明における樹脂組成物は、4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位(以下、適宜「4MP1単位」と称する。)を80モル%以上99モル%以下、及び4−メチル−1−ペンテン以外の炭素数2以上20以下のα−オレフィンに由来する構成単位(以下、適宜「AO単位」と称する。)を1モル%以上20モル%以下有し、上記4MP1単位と、上記AO単位とが合計で100モル%の共重合体(以下、適宜「4MP1系共重合体」と称する。)である熱可塑性樹脂(A)と、エチレン系重合体及びプロピレン系重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合体である、上記熱可塑性樹脂(A)以外の熱可塑性樹脂(B)と、の混合物である。
本発明における樹脂組成物中の上記熱可塑性樹脂(A)の含有量は、上記熱可塑性樹脂(A)と上記熱可塑性樹脂(B)との合計100質量部に対して、2質量部以上50質量部以下である。また、本発明における樹脂組成物中の上記熱可塑性樹脂(B)の含有量は、上記熱可塑性樹脂(A)と上記熱可塑性樹脂(B)との合計100質量部に対して、50質量部以上98質量部以下である。
〔熱可塑性樹脂(A)〕
熱可塑性樹脂(A)は、4MP1単位を80モル%以上99モル%以下、及びAO単位を1モル%以上20モル%以下有し、上記4MP1単位と、上記AO単位とが合計で100モル%の共重合体(4MP1系共重合体)である。
本発明における4MP1系共重合体は、4MP1単位を80モル%以上99モル%以下有しており、80モル%以上96モル%以下有していることが好ましく、83モル%以上96モル%以下有していることがより好ましい。
また、本発明における4MP1系共重合体は、AO単位を1モル%以上20モル%以下有しており、4モル%以上20モル%以下有していることが好ましく、4モル%以上17モル%以下有していることがより好ましい。
4MP1系共重合体中の4MP1単位の含有率が80モル%以上であると、低温でのヒートシールが可能となり、また、熱可塑性樹脂(A)が適度な離型性を持つことにより、低温シール条件において、良好なイージーピール性を示すフィルムを得ることができる。
4MP1系共重合体中の4MP1単位の含有率が99モル%以下であると、低温シール条件において、良好なシール性を示すフィルムを得ることができる。また、フィルムの伸び等の機械物性が良好なフィルムを得ることができる。さらに、低温成形条件(例えば、230℃)でのフィルム成形が可能となる。
炭素数が2以上20以下のα−オレフィンには、例えば、直鎖状又は分岐状のα−オレフィン、環状オレフィン、芳香族ビニル化合物、共役ジエン、非共役ポリエン、官能化ビニル化合物等が含まれる。
直鎖状又は分岐状のα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等の炭素数2以上20以下(好ましくは2以上10以下)の直鎖状のα−オレフィン;3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン等の好ましくは炭素数5〜20(より好ましくは5〜10)の分岐状のα−オレフィンなどが挙げられる。
環状オレフィンとしては、例えば、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、ビニルノルボルネン、ビニルシクロヘキサン等の炭素数4〜20(好ましくは5〜15)の化合物が挙げられる。
芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン;α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o,p−ジメチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン等のモノ又はポリアルキルスチレンなどが挙げられる。
共役ジエンとしては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン等の炭素数4〜20(好ましくは4〜10)の化合物が挙げられる。
非共役ポリエンとしては、例えば、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,4−オクタジエン、1,5−オクタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、4,8−ジメチル−1,4,8−デカトリエン(DMDT)、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ジシクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン等の炭素数5〜20(好ましくは5〜10)の化合物が挙げられる。
官能化ビニル化合物としては、例えば、水酸基含有オレフィン;ハロゲン化オレフィン;アクリル酸、プロピオン酸、3−ブテン酸、4−ペンテン酸、5−ヘキセン酸、6−ヘプテン酸、7−オクテン酸、8−ノネン酸、9−デセン酸等の不飽和カルボン酸類;アリルアミン、5−ヘキセンアミン、6−ヘプテンアミン等の不飽和アミン類;(2,7−オクタジエニル)コハク酸無水物、ペンタプロペニルコハク酸無水物、上記不飽和カルボン酸類の酸無水物等の不飽和酸無水物類;上記不飽和カルボン酸類のハロゲン化物;4−エポキシ−1−ブテン、5−エポキシ−1−ペンテン、6−エポキシ−1−ヘキセン、7−エポキシ−1−ヘプテン、8−エポキシ−1−オクテン、9−エポキシ−1−ノネン、10−エポキシ−1−デセン、11−エポキシ−1−ウンデセン等の不飽和エポキシ化合物類などが挙げられる。
水酸基含有オレフィンは、水酸基を有するオレフィン系化合物であれば、特に限定されるものではない。水酸基含有オレフィンとしては、好ましくは末端水酸化オレフィン化合物である。
末端水酸化オレフィン化合物としては、例えば、ビニルアルコール、アリルアルコール、水酸化−1−ブテン、水酸化−1−ペンテン、水酸化−1−ヘキセン、水酸化−1−オクテン、水酸化−1−デセン、水酸化−1−ドデセン、水酸化−1−テトラデセン、水酸化−1−ヘキサデセン、水酸化−1−オクタデセン、水酸化−1−エイコセン等の炭素数4〜20(好ましくは2〜10)の直鎖状の水酸化α−オレフィン;水酸化−3−メチル−1−ブテン、水酸化−4−メチル−1−ペンテン、水酸化−3−メチル−1−ペンテン、水酸化−3−エチル−1−ペンテン、水酸化−4,4−ジメチル−1−ペンテン、水酸化−4−メチル−1−ヘキセン、水酸化−4,4−ジメチル−1−ヘキセン、水酸化−4−エチル−1−ヘキセン、水酸化−3−エチル−1−ヘキセン等の好ましくは炭素数5〜20(より好ましくは5〜10)の分岐状の水酸化α−オレフィンなどが挙げられる。
ハロゲン化オレフィンとしては、例えば、ハロゲン化−1−ブテン、ハロゲン化−1−ペンテン、ハロゲン化−1−ヘキセン、ハロゲン化−1−オクテン、ハロゲン化−1−デセン、ハロゲン化−1−ドデセン、ハロゲン化−1−テトラデセン、ハロゲン化−1−ヘキサデセン、ハロゲン化−1−オクタデセン、ハロゲン化−1−エイコセン等の炭素数4〜20(好ましくは4〜10)の直鎖状のハロゲン化α−オレフィン;ハロゲン化−3−メチル−1−ブテン、ハロゲン化−4−メチル−1−ペンテン、ハロゲン化−3−メチル−1−ペンテン、ハロゲン化−3−エチル−1−ペンテン、ハロゲン化−4,4−ジメチル−1−ペンテン、ハロゲン化−4−メチル−1−ヘキセン、ハロゲン化−4,4−ジメチル−1−ヘキセン、ハロゲン化−4−エチル−1−ヘキセン、ハロゲン化−3−エチル−1−ヘキセン等の好ましくは炭素数5〜20(より好ましくは5〜10)の分岐状のハロゲン化α−オレフィンなどが挙げられる。
本発明における4MP1系共重合体は、AO単位を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
4−メチル−1−ペンテン以外の炭素数2以上20以下のα−オレフィンとしては、共重合性及び得られる共重合体の物性、特に融点を制御する観点から、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ヘキサデセン、及び1−オクタデセンからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、及び1−オクテンからなる群より選ばれる少なくとも1種がより好ましく、プロピレン及び1−ブテンからなる群より選ばれる少なくとも1種が更に好ましく、プロピレンが特に好ましい。
本発明における4MP1系共重合体が有する、4MP1単位の含有率(単位:モル%)及びAO単位の含有率(単位:モル%)は、核磁気共鳴装置を用いて、下記の条件により測定することができる。
〜条件〜
測定装置:核磁気共鳴装置(ECP500型、日本電子(株)製)
観測核:13C(125MHz)
シーケンス:シングルパルスプロトンデカップリング
パルス幅:4.7μ秒(45°パルス)
繰り返し時間:5.5秒
積算回数:1万回以上
溶媒:オルトジクロロベンゼン/重水素化ベンゼン(容量比:80/20)混合溶媒
試料濃度:55mg/0.6mL
測定温度:120℃
ケミカルシフトの基準値:27.50ppm
本発明における4MP1系共重合体は、上記4MP1単位と、上記AO単位とが合計で100モル%である共重合体である。すなわち、本発明における4MP1系共重合体は、上記4MP1単位及び上記AO単位以外のその他の構成単位を含まない。
本発明における4MP1系共重合体の、デカリン溶媒中135℃で測定される極限粘度[η]は、0.5dl/g〜5.0dl/gであることが好ましく、0.5dl/g〜4.0dl/gであることがより好ましい。
本発明における4MP1系共重合体の極限粘度[η]が、上記範囲内であると、低分子量体が少ないためフィルムのべたつきが少なくなり、押出フィルム成形が可能となる。
上記4MP1系共重合体の極限粘度[η]は、ウベローデ粘度計を用いて、下記の方法により測定される値である。
約20mgの4MP1系共重合体をデカリン25mlに溶解させた後、ウベローデ粘度計を用い、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定する。このデカリン溶液にデカリンを5ml加えて希釈した後、上記と同様にして比粘度ηspを測定する。この希釈操作を更に2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度[η](単位:dl/g)として求める(下記の式1参照)。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)・・・式1
本発明における4MP1系共重合体の重量平均分子量(Mw)は、フィルムの成形性の観点から、1×10〜2×10であることが好ましく、1×10〜1×10であることがより好ましい。
また、本発明における4MP1系共重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、フィルムのべたつき及び外観の観点から、1.0〜3.5であることが好ましく、1.1〜3.0であることがより好ましい。
上記4MP1系共重合体の重量平均分子量(Mw)、及び重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、下記の条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出される値である。
〜条件〜
測定装置:GPC(ALC/GPC 150−C plus型、示差屈折計検出器一体型、Waters製)
カラム:GMH6−HT(東ソー(株)製)2本、及びGMH6−HTL(東ソー(株)製)2本を直列に接続
溶離液:o−ジクロロベンゼン
カラム温度:140℃
流量:1.0mL/min
本発明における4MP1系共重合体のメルトフローレート(MFR:Melt Flow Rate)は、フィルム成形時の流動性の観点から、0.1g/10min〜100g/10minであることが好ましく、0.5g/10min〜50g/10minであることがより好ましく、0.5g/10min〜30g/10minであることが更に好ましい。
また、4MP1系共重合体のメルトフローレートが上記範囲内であると、フィルムを比較的均一な膜厚に押出成形しやすい。
上記4MP1系共重合体のメルトフローレート(MFR)は、ASTM D1238に準拠し、230℃で2.16kgの荷重にて測定される値である。
本発明における4MP1系共重合体の密度は、ハンドリング性の観点から、820kg/m〜870kg/mであることが好ましく、830kg/m〜850kg/mであることがより好ましい。
また、4MP1系共重合体の密度が820kg/m以上であると、フィルムの機械的な強度が良好となり、得られるフィルムを包装材として用いる場合、破れやすい等の問題が発生し難い。4MP1系共重合体の密度が870kg/m以下であると、柔軟で伸びが良好なフィルムが得られる。
上記4MP1系共重合体の密度は、JIS K7112(密度勾配管法)に準拠し、測定される値である。
本発明における4MP1系共重合体の融点(Tm)は、100℃〜200℃であることが好ましく、100℃〜160℃であることがより好ましく、125℃〜160℃であることが更に好ましい。
4MP1系共重合体の融点(Tm)が100℃〜200℃であると、ヒートシール強度がより良好なフィルムを得ることができる。
上記4MP1系共重合体の融点(Tm)は、示差走査熱量計(DSC:Differential scanning calorimetry)を用い、下記の方法により測定される値である。
約5mgの4MP1系共重合体を、セイコーインスツル(株)製の示差走査熱量計(DSC220C型)の測定用アルミニウムパン中に密封し、室温から10℃/minで200℃まで加熱する。4MP1系共重合体を完全融解させるために、200℃で5分間保持し、次いで、10℃/minで−50℃まで冷却する。−50℃で5分間置いた後、10℃/minで200℃まで2度目の加熱を行ない、この2度目の加熱でのピーク温度(℃)を共重合体の融点(Tm)とする。なお、複数のピークが検出される場合には、最も高温側で検出されるピークを採用する。
本発明で用いることのできる重合触媒としては、従来公知の触媒、例えば、マグネシウム担持型チタン触媒、国際公開第01/53369号パンフレット、国際公開第01/27124号パンフレット、特開平3−193796号公報、又は特開平02−41303号公報に記載のメタロセン触媒等が好適である。
本発明における4MP1系共重合体の製造方法としては、例えば、国際公開第01/27124号パンフレット、国際公開14/050817号パンフレット等に記載の方法を採用することができる。
〔熱可塑性樹脂(B)〕
本発明における熱可塑性樹脂(B)は、エチレン系重合体及びプロピレン系重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合体(但し、上述の熱可塑性樹脂(A)を除く)である。本発明における熱可塑性樹脂(B)は、得られるフィルムの強度、取り扱い性、及び透明性の観点から、プロピレン系重合体であることが好ましい。
エチレン系重合体としては、エチレンの単独重合体(ホモポリマー)であっても、エチレンと他のモノマーとの共重合体(コポリマー)であってもよく、例えば、従来公知の手法で製造されている、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン等が挙げられる。また、エチレン系重合体としては、例えば、エチレン系重合体系エラストマーも挙げられる。
エチレン系重合体が共重合体である場合、該共重合体としては、機械強度及び耐衝撃性の観点から、エチレンと炭素数3以上10以下のα−オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーとの共重合体であることが好ましく、エチレンとプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、及び1−オクテンからなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーとの共重合体であることがより好ましい。
エチレン系重合体中のエチレンに由来する構成単位の比率は、エチレン系重合体中の全構成単位を100モル%とした場合に、50モル%〜100モル%であることが好ましく、60モル%〜99.9モル%であることがより好ましく、80モル%〜99.5モル%であることが更に好ましい。エチレン系重合体中のエチレンに由来する構成単位の比率が上記範囲内であると、機械強度及び耐衝撃性に優れる。
プロピレン系重合体としては、プロピレンの単独重合体(ホモポリマー)であっても、プロピレンと他のモノマーとの共重合体(コポリマー)であってもよく、好ましくは、プロピレンと他のモノマーとの共重合体である。プロピレン系重合体としては、例えば、アイソタクティックプロピレン系重合体、シンジオタクティックプロピレン系重合体、プロピレン/エチレン共重合体、プロピレン/1−ブテン共重合体、プロピレン/エチレン/1−ブテン共重合体、これらの混合物等を挙げることができる。アイソタクティックプロピレン系重合体は、ホモプロピレン系重合体であっても、プロピレン/炭素数2以上20以下のα−オレフィン(但し、プロピレンを除く。)ランダム共重合体であっても、プロピレンブロック共重合体であってもよい。
プロピレン系共重合体としては、機械物性及びヒートシール性の観点から、プロピレンと炭素数2以上20以下のα−オレフィン(但し、プロピレンを除く。)からなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーとの共重合体であることが好ましい。
プロピレン系共重合体中のプロピレンに由来する構成単位の比率は、プロピレン系共重合体中の全構成単位を100モル%とした場合に、50モル%〜100モル%であることが好ましく、60モル%〜99.9モル%であることがより好ましく、70モル%〜99.5モル%であることが更に好ましい。プロピレン系共重合体中のプロピレンに由来する構成単位の比率が上記範囲内であると、機械強度及びヒートシール性に優れる。
熱可塑性樹脂(B)がプロピレン系重合体である場合には、4−メチル−1−ペンテン系共重合体におけるα−オレフィンは、プロピレンであることが好ましい。
熱可塑性樹脂(B)がプロピレン系重合体であり、4−メチル−1−ペンテン系共重合体におけるα−オレフィンがプロピレンであると、相溶性が高まるため、フィルムの透明性が向上する。
本発明における熱可塑性樹脂(B)のメルトフローレート(MFR)は、フィルム成形性及びフィルムの機械物性の観点から、0.1g/10min〜100g/10minであることが好ましく、0.5g/10min〜50g/10minであることがより好ましい。
上記熱可塑性樹脂(B)のメルトフローレート(MFR)は、ASTM D1238に準拠し、測定される値である。具体的には、エチレン系重合体は、190℃で2.16kgの荷重にて測定される値であり、プロピレン系重合体は、230℃で2.16kgの荷重にて測定される値である。
本発明における熱可塑性樹脂(B)の密度は、軽量性、及び4−メチル−1−ペンテン系共重合体と組成物にしたときの分散性の観点から、820kg/m〜960kg/mであることが好ましく、830kg/m〜940kg/mであることがより好ましい。
上記熱可塑性樹脂(B)の密度は、JIS K7112(密度勾配管法)に準拠し、測定される値である。
本発明のフィルムにおける熱可塑性樹脂(A)の含有量は、熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)との合計100質量部に対して、2質量部以上50質量部以下であり、5質量部以上50質量部以下であることが好ましく、5質量部以上40質量部以下であることがより好ましい。
また、本発明のフィルムにおける熱可塑性樹脂(B)の含有量は、熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)との合計100質量部に対して、50質量部以上98質量部以下であり、50質量部以上95質量部以下であることが好ましく、60質量部以上95質量部以下であることがより好ましい。
本発明のフィルムは、熱可塑性樹脂(A)の含有量が、熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)との合計100質量部に対して、2質量部以上であることにより、低温シール条件において、ある程度高いシール強度を有し、かつ、良好なイージーピール性を示す。
また、本発明のフィルムは、熱可塑性樹脂(A)の含有量が、熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)との合計100質量部に対して、50質量部以下であることにより、低温成形条件(例えば、230℃)でのフィルム成形が可能であり、かつ、低温シール条件において、良好なシール性を示す。
〔その他の成分〕
本発明のフィルムは、本発明の目的を損なわない範囲内において、上述の熱可塑性樹脂(A)及び熱可塑性樹脂(B)以外の樹脂、添加剤等のその他の成分を含有してもよい。
添加剤としては、例えば、耐熱安定剤、耐候安定剤、発錆防止剤、耐銅害安定剤、帯電防止剤等が挙げられる。添加剤の含有量は、本発明のフィルムを構成する樹脂組成物100質量部に対して、0.0001〜10質量部であることが好ましい。
〔フィルムの物性〕
本発明のフィルムは、フィルム同士を、温度130℃、圧力0.2MPa、及びシール時間2秒の条件でヒートシールして得られる積層フィルムの剥離強度(以下、適宜「低温ヒートシール強度」と称する。)が、3.0N/15mm以上10N/15mm未満であり、かつ温度180℃、圧力0.2MPa、及びシール時間2秒の条件でヒートシールして得られる積層フィルムの剥離強度(以下、適宜「高温ヒートシール強度」と称する。)が、10N/15mm以上であることが好ましい。
また、本発明のフィルムは、低温ヒートシール強度が、3.0N/15mm以上8N/15mm以下であることがより好ましい。
高温ヒートシール強度の上限値は、特に限定されるものではないが、一般的には、30N/15mm以下である。
本発明のフィルムの低温ヒートシール強度及び高温ヒートシール強度は、下記の方法により測定される値である。
厚みが50μmのフィルムを、幅150mm×長さ50mmの短冊状に切断する。このフィルム2枚をそれぞれ二つ折りにし、汚れ防止のために、厚さ100μmのテフロン(登録商標)フィルムの間に挟んだものを試験片とする。次に、試験片を、ヒートシール試験機(熱傾斜ヒートシールテスター TP−701−G、テスター産業(株)製)を用いて、上部温度(低温ヒートシール強度の場合:130℃、高温ヒートシール強度の場合:180℃)、下部温度70℃、シール幅5mm、シール圧力0.2MPa、及びシール時間2秒の条件で、熱融着(ヒートシール)する。次に、試験片から、熱融着したフィルムを取り出し、幅15mmに切断する。この幅15mmの熱融着したフィルムを、シール強度試験機(フォースゲージFPG、日本電産ランポ(株)製)を用いて、引張速度300mm/min、及び温度23℃の条件で、フィルム同士のヒートシール面に対して180°の方向に引っ張り、フィルム間を剥離させ、剥離強度の最大値を測定する。そして、この最大値をヒートシール強度(単位:N/15mm)とする。ヒートシール強度は、5個の試験片について測定し、平均値を算出する。
本発明のフィルムは、MD方向の引張弾性率(YM)が10MPa〜2500MPaであることが好ましく、50MPa〜2000MPaであることがより好ましく、100MPa〜2000MPaであることが更に好ましい。
本発明のフィルムは、MD方向の引張弾性率(YM)が10MPa以上であると、フィルムの強度がより向上する。また、MD方向の引張弾性率(YM)が2500MPa以下であると、引張強度等、機械強度に優れたフィルムとなる。
本明細書において、「MD方向」(Machine Direction)とは、フィルムの流れ方向を指す。
本発明のフィルムは、TD方向の引張弾性率(YM)が10MPa〜2500MPaであることが好ましく、50MPa〜2000MPaであることがより好ましく、100MPa〜2000MPaであることが更に好ましい。
本発明のフィルムは、TD方向の引張弾性率(YM)が10MPa以上であると、フィルムの強度がより向上する。また、TD方向の引張弾性率(YM)が2500MPa以下であると、引張強度等、機械強度に優れた柔軟なフィルムとなる。
本明細書において、「TD方向」(Transverse Direction)とは、上記MD方向と直交し、フィルムの主面と平行な方向を指す。
本発明のフィルムは、MD方向の引張破断伸び(EL)が100%〜1000%であることが好ましく、150%〜1000%であることがより好ましく、200%〜1000%であることが更に好ましい。
本発明のフィルムは、MD方向の引張破断伸び(EL)が100%以上であると、柔軟で耐衝撃性に優れたフィルムとなる。また、MD方向の引張破断伸び(EL)が1000%以下であると、フィルムの取り扱い性により優れる。
本発明のフィルムは、TD方向の引張破断伸び(EL)が100%〜1000%であることが好ましく、150%〜1000%であることがより好ましく、200%〜1000%であることが更に好ましい。
本発明のフィルムは、TD方向の引張破断伸び(EL)が100%以上であると、柔軟で耐衝撃性に優れたフィルムとなる。また、TD方向の引張破断伸び(EL)が1000%以下であると、フィルムの取り扱い性により優れる。
上記フィルムの引張弾性率(YM)及び引張破断伸び(EL)は、引張試験機を用いて、下記の条件により測定される値である。
〜条件〜
測定装置:引張試験機(万能引張試験機3380、インストロン製)
試験片サイズ:幅25mm×長さ100mm×厚み200μm(ダンベル状)
試験方法:JIS K7127(1999)に準拠
チャック間距離:50mm
引張速度:200mm/min
測定温度:23℃
本発明のフィルムは、MD方向のエルメンドルフ引裂き強度が50N/cm〜1000N/cmであることが好ましく、50N/cm〜900N/cmであることがより好ましく、80N/cm〜900N/cmであることが更に好ましい。
本発明のフィルムは、MD方向のエルメンドルフ引裂き強度が50N/cm以上であると、フィルムが裂け難くなるため、実用上の取り扱いが容易となる。また、MD方向のエルメンドルフ引裂き強度が1000N/cm以下であると、ヒートシールして得られる積層フィルムを剥離する際に、フィルムが伸び難く、フィルムの厚みに変化が生じ難い。
本発明のフィルムは、TD方向のエルメンドルフ引裂き強度が50N/cm〜1000N/cmであることが好ましく、100N/cm〜900N/cmであることがより好ましく、150N/cm〜800N/cmであることが更に好ましい。
本発明のフィルムは、TD方向のエルメンドルフ引裂き強度が50N/cm以上であると、フィルムが裂け難くなるため、実用上の取り扱いが容易となる。また、TD方向のエルメンドルフ引裂き強度が1000N/cm以下であると、ヒートシールして得られる積層フィルムを剥離する際に、フィルムが伸び難く、フィルムの厚みに変化が生じ難い。
上記フィルムのエルメンドルフ引裂き強度は、引裂き試験機を用いて、下記の条件により測定される値である。
〜条件〜
測定装置:引裂き試験機(SA−WP、(株)東洋精機製作所製)
試験片サイズ:幅75mm×長さ63mm×厚み50μm(短冊状)
試験方法:JIS K7128−2(1998)に準拠
測定温度:23℃
本発明のフィルムの全ヘイズは、65%以下であることが好ましく、60%以下であることがより好ましく、50%以下であることが更に好ましく、20%以下であることが特に好ましい。
本発明のフィルムの全ヘイズが65%以下であると、フィルム外観が透明となる。
なお、全ヘイズは、表面ヘイズと内部ヘイズとの和で表される。表面ヘイズは、主に表面の凹凸状態に依存し、内部ヘイズは、フィルム内部の結晶状態(結晶構造の粗密)に依存する。
上記フィルムの全ヘイズは、デジタル濁度計を用いて、下記の条件により測定される値である。
〜条件〜
測定装置:デジタル濁度計(NDH−20D、日本電色工業(株)製)
試験片サイズ:幅50mm×長さ80mm×厚み50μm
試験方法:ASTM D−1003に準拠
測定温度:室温(25℃)
本発明のフィルムの内部ヘイズは、65%以下であることが好ましく、55%以下であることがより好ましく、50%以下であることが更に好ましく、15%以下であることが特に好ましい。
本発明のフィルムの内部ヘイズが65%以下であると、透明なフィルムとなる。
上記フィルムの内部ヘイズは、下記の方法により測定される値である。
石英ガラス板2枚の間にシクロヘキサノールのみを挟んだ構成の積層体のヘイズ(H2)、及びシクロヘキサノールで表面を均一に濡らしたフィルムを石英ガラス板2枚の間に挟んだ構成の積層体のヘイズ(H3)を、それぞれ上述の全ヘイズと同様の方法により測定する。次式に従って、得られた値から内部ヘイズ(H1)を算出する。
内部ヘイズ(H1)=ヘイズ(H3)−ヘイズ(H2)
〔フィルムの製造方法〕
本発明のフィルムの製造方法の一例を説明する。本発明のフィルムは、例えば、下記の方法により製造することができる。但し、本発明は、これに限定されるものではない。
熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)とを混合(例えば、ドライブレンド、単軸、二軸押出機、ミキサー等による溶融混練)する。なお、熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)とを溶融混練等により均一に混ぜるよりも、ドライブレンド等により適度に混練する方が好ましい。
次いで、得られた混合物を、Tダイを設置した押出機のホッパーに投入し、シリンダー温度を100℃〜270℃、ダイス温度を200℃〜270℃に設定する。Tダイから溶融混練物を押し出し、キャスト成形して、フィルムを得る。
本発明のフィルムの厚さは、20μm〜350μmであることが好ましく、30μm〜300μmであることがより好ましく、40μm〜200μmであることが更に好ましい。本発明のフィルムの厚さが20μm以上であると、取り扱いが良好となり、剥離時に切れ難い。また、本発明のフィルムの厚さが350μm以下であると、フィルムの軽量化が可能となる。
〔フィルムの用途〕
本発明のフィルムは、例えば、テープ、粘着テープ、マスキングテープ、マスキングフィルム、仮着性フィルム、プラスチック封筒、イージーオープン包装袋、自動包装フィルム、ショッピングバック、スタンディングバック、透明包装箱、建材、貼合用フィルム、農業用フィルム、食品包装材、果物包装材、輸液製剤等を包装する医療用包装材、電子部品包装材、機械部品包装材、医療用フィルム、医療用テープなどとして幅広く利用される。
本発明のフィルムは、低温シール条件では、シール性とイージーピール性とが良好な、ある程度高いシール強度を示すとともに、高温シール条件では、高いシール強度を示すので、被包装物を密封して包装し、被包装物を取り出す際に、シール部に力を加えてシール部を剥がすことで開封する包装材又はその材料として好適に利用される。本発明のフィルムは、単独で包装材として用いてもよいし、本発明の目的を損なわない範囲内において、本発明のフィルム以外の他のフィルムと積層して包装材として用いてもよい。
他のフィルムとしては、例えば、機械的強度等を調整するための基材フィルムが挙げられる。
本発明のフィルムは、シーラント材の材料として用いることができる。本発明のフィルムは、低温シール条件で良好なイージーピール性を発現させることができるため、本発明のフィルムを含むシーラント材は、特にイージーピール用シーラント材として好ましく用いられる。また、本発明のシーラント材を含む積層体は、包装材又はその材料としても好適に用いられる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例において、共重合体(A−1、A−2、及びA−3)の組成及び各種物性は、以下の方法により測定した。
〔組成〕
共重合体中の4MP1単位の含有率(mol%)及びAO単位の含有率(mol%)は、13C−NMRにより測定した。測定条件は、下記のとおりである。
〜測定条件〜
測定装置:核磁気共鳴装置(ECP500型、日本電子(株)製)
観測核:13C(125MHz)
シーケンス:シングルパルスプロトンデカップリング
パルス幅:4.7μ秒(45°パルス)
繰り返し時間:5.5秒
積算回数:1万回以上
溶媒:オルトジクロロベンゼン/重水素化ベンゼン(容量比:80/20)混合溶媒
試料濃度:55mg/0.6mL
測定温度:120℃
ケミカルシフトの基準値:27.50ppm
〔極限粘度[η]〕
共重合体の極限粘度[η]は、測定装置としてウベローデ粘度計を用いて、デカリン溶媒中、135℃で測定した。
具体的には、約20mgの粉末状の共重合体をデカリン25mlに溶解させた後、ウベローデ粘度計を用い、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定した。このデカリン溶液にデカリンを5ml加えて希釈した後、上記と同様にして比粘度ηspを測定した。この希釈操作を更に2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度[η](単位:dl/g)として求めた(下記の式1参照)。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)・・・式1
〔重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)〕
共重合体の重量平均分子量(Mw)、及び重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC:Gel Permeation Chromatography)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。測定条件は、下記のとおりである。
〜測定条件〜
測定装置:GPC(ALC/GPC 150−C plus型、示差屈折計検出器一体型、Waters製)
カラム:GMH6−HT(東ソー(株)製)2本、及びGMH6−HTL(東ソー(株)製)2本を直列に接続
溶離液:o−ジクロロベンゼン
カラム温度:140℃
流量:1.0mL/min
〔メルトフローレート(MFR)〕
共重合体のメルトフローレート(MFR:Melt Flow Rate)は、ASTM D1238に準拠し、230℃で2.16kgの荷重にて測定した。単位は、g/10minである。
〔密度〕
共重合体の密度は、JIS K7112(密度勾配管法)に準拠して、測定した。
〔融点(Tm)〕
共重合体の融点(Tm)は、測定装置として示差走査熱量計(DSC220C型、セイコーインスツル(株)製)を用いて測定した。
約5mgの共重合体を測定用アルミニウムパン中に密封し、室温から10℃/minで200℃まで加熱した。共重合体を完全融解させるために、200℃で5分間保持し、次いで、10℃/minで−50℃まで冷却した。−50℃で5分間置いた後、10℃/minで200℃まで2度目の加熱を行なった。この2度目の加熱でのピーク温度(℃)を共重合体の融点(Tm)とした。
[合成例1]共重合体A−1の合成
充分に窒素置換した容量1.5Lの攪拌翼付のSUS製オートクレーブに、300mlのn−ヘキサン(乾燥窒素雰囲気下、活性アルミナ上で乾燥したもの)、及び450mlの4−メチル−1−ペンテンを23℃で装入した。このオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)の1.0mmol/mlトルエン溶液を0.75ml装入し、攪拌機を回した。
次に、オートクレーブを内温が60℃になるまで加熱し、全圧(ゲージ圧)が0.19MPaとなるようにプロピレンで加圧した。
続いて、予め調製しておいた、Al換算で1mmolのメチルアルミノキサン、及び0.01mmolのジフェニルメチレン(1−エチル−3−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを含むトルエン溶液0.34mlを、オートクレーブに窒素で圧入し、重合反応を開始させた。重合反応中は、オートクレーブの内温が60℃になるように温度調整した。
重合開始から60分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し、重合反応を停止させた後、オートクレーブ内を大気圧まで脱圧した。脱圧後、反応溶液に、該反応溶液を攪拌しながらアセトンを添加し、溶媒を含む重合反応生成物を得た。
次いで、得られた溶媒を含む重合反応生成物を減圧下、100℃で12時間乾燥させて、44.0gの粉末状の共重合体A−1を得た。
得られた共重合体A−1の組成及び各種物性の測定結果を表1に示す。
共重合体A−1中の4−メチル−1−ペンテンの含有率は84.1mol%であり、プロピレンの含有率は15.9mol%であった。また、共重合体A−1の極限粘度[η]は1.5dl/gであり、重量平均分子量(Mw)は340,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は2.1であり、メルトフローレート(MFR)は11g/10minであり、密度は838kg/mであり、融点(Tm)は132℃であった。
[合成例2]共重合体A−2の合成
充分に窒素置換した容量1.5Lの攪拌翼付のSUS製オートクレーブに、300mlのn−ヘキサン(乾燥窒素雰囲気下、活性アルミナ上で乾燥したもの)、及び450mlの4−メチル−1−ペンテンを23℃で装入した。このオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)の1.0mmol/mlトルエン溶液を0.75ml装入し、攪拌機を回した。
次に、オートクレーブを内温が60℃になるまで加熱し、全圧(ゲージ圧)が0.40MPaとなるようにプロピレンで加圧した。
続いて、予め調製しておいた、Al換算で1mmolのメチルアルミノキサン、及び0.01mmolのジフェニルメチレン(1−エチル−3−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを含むトルエン溶液0.34mlを、オートクレーブに窒素で圧入し、重合反応を開始させた。重合反応中は、オートクレーブの内温が60℃になるように温度調整した。
重合開始から60分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し、重合反応を停止させた後、オートクレーブ内を大気圧まで脱圧した。脱圧後、反応溶液に、該反応溶液を攪拌しながらアセトンを添加し、溶媒を含む重合反応生成物を得た。
次いで、得られた溶媒を含む重合反応生成物を減圧下、100℃で12時間乾燥させて、36.9gの粉末状の共重合体A−2を得た。
得られた共重合体A−2の各種物性の測定結果を表1に示す。
共重合体A−2中の4−メチル−1−ペンテンの含有率は72.5mol%であり、プロピレンの含有率は27.5mol%であった。また、共重合体A−2の極限粘度[η]は1.5dl/gであり、重量平均分子量(Mw)は337,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は2.1であり、メルトフローレート(MFR)は11g/10minであり、密度は839kg/mであり、融点(Tm)は観測されなかった。
[合成例3]共重合体A−3の合成
充分に窒素置換した容量1.5Lの攪拌翼付のSUS製オートクレーブに、750mlの4−メチル−1−ペンテンを23℃で装入した。このオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)の1.0mmol/mlトルエン溶液を0.75ml装入し、攪拌機を回した。
次に、オートクレーブを内温が60℃になるまで加熱し、全圧(ゲージ圧)が0.25MPaとなるようにプロピレンで加圧した。
続いて、予め調製しておいた、Al換算で1mmolのメチルアルミノキサン、及び0.01mmolのジフェニルメチレン(1−エチル−3−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを含むトルエン溶液0.34mlを、オートクレーブに窒素で圧入し、重合反応を開始させた。重合反応中は、オートクレーブの内温が60℃になるように温度調整した。
重合開始から60分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し、重合反応を停止させた後、オートクレーブ内を大気圧まで脱圧した。脱圧後、反応溶液に、該反応溶液を攪拌しながらアセトンを添加し、溶媒を含む重合反応生成物を得た。
次いで、得られた溶媒を含む重合反応生成物を減圧下、100℃で12時間乾燥させて、7.3gの粉末状の共重合体A−3を得た。
得られた共重合体A−3の各種物性の測定結果を表1に示す。
共重合体A−3中の4−メチル−1−ペンテンの含有率は87.2mol%であり、プロピレンの含有率は12.8mol%であった。また、共重合体A−3の極限粘度[η]は1.5dl/gであり、重量平均分子量(Mw)は343,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は2.1であり、メルトフローレート(MFR)は7g/10minであり、密度は837kg/mであり、融点(Tm)は145℃であった。
[フィルム]
<実施例1>
共重合体A−1 5質量部と、プロピレン系重合体(B−1、プライムポリプロ(登録商標)F327、プロピレン/エチレン/ブテンランダム共重合体、密度:907kg/m、MFR(230℃):7g/10min、(株)プライムポリマー製)95質量部と、を混合(ドライブレンド)した。次いで、得られた混合物を、リップ幅240mmのTダイを設置した20mmφの単軸押出機(単軸シート形成機、(株)田中鉄工所製)のホッパーに投入した。そして、シリンダー温度を230℃、ダイス温度を230℃に設定し、Tダイから溶融混練物を厚み50μmで押し出し、キャスト成形することにより、実施例1のフィルムを得た。
<実施例2>
共重合体A−1 20質量部と、プロピレン系重合体(B−1、プライムポリプロ(登録商標)F327、プロピレン/エチレン/ブテンランダム共重合体、密度:907kg/m、MFR(230℃):7g/10min、(株)プライムポリマー製)80質量部と、を混合(ドライブレンド)したこと以外は、実施例1と同様の方法により、実施例2のフィルム(厚み:50μm)を得た。
<実施例3>
共重合体A−1 40質量部と、プロピレン系重合体(B−1、プライムポリプロ(登録商標)F327、プロピレン/エチレン/ブテンランダム共重合体、密度:907kg/m、MFR(230℃):7g/10min、(株)プライムポリマー製)60質量部と、を混合(ドライブレンド)したこと以外は、実施例1と同様の方法により、実施例3のフィルム(厚み:50μm)を得た。
<実施例4>
共重合体A−1 20質量部と、エチレン系重合体(B−2、エボリュー(登録商標)SP2540、エチレン/1−ヘキセン共重合体、直鎖状低密度ポリエチレン、密度:924kg/m、MFR(190℃):3.8g/10min、(株)プライムポリマー製)80質量部と、を混合(ドライブレンド)したこと以外は、実施例1と同様の方法により、実施例4のフィルム(厚み:50μm)を得た。
<比較例1>
共重合体A−2 20質量部と、プロピレン系重合体(B−1、プライムポリプロ(登録商標)F327、プロピレン/エチレン/ブテンランダム共重合体、密度:907kg/m、MFR(230℃):7g/10min、(株)プライムポリマー製)80質量部と、を混合(ドライブレンド)したこと以外は、実施例1と同様の方法により、比較例1のフィルム(厚み:50μm)を得た。
<比較例2>
原料として、プロピレン系重合体(B−1、プライムポリプロ(登録商標)F327、プロピレン/エチレン/ブテンランダム共重合体、密度:907kg/m、MFR(230℃):7g/10min、(株)プライムポリマー製)のみ(100質量部)を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法により、比較例2のフィルム(厚み:50μm)を得た。
<比較例3>
共重合体A−3 60質量部と、プロピレン系重合体(B−1、プライムポリプロ(登録商標)F327、プロピレン/エチレン/ブテンランダム共重合体、密度:907kg/m、MFR(230℃):7g/10min、(株)プライムポリマー製)40質量部と、を混合(ドライブレンド)したこと以外は、実施例1と同様の方法により、比較例3のフィルム(厚み:50μm)を得た。
[評価]
実施例1〜4及び比較例1〜3のフィルムについて、以下の評価を行った。評価結果を下記の表2に示す。
1.機械特性
(1)引張弾性率及び引張破断伸びの測定
厚みが50μmのフィルムを、幅25mm×長さ100mmのダンベル状に切断したものを試験片として用いた。
JIS K7127(1999)に準拠し、引張試験機(万能引張試験機3380、インストロン製)を用いて、チャック間距離50mm、引張速度200mm/min、及び測定温度23℃の条件で、試験片の引張弾性率(YM)(単位:MPa)、及び引張破断伸び(EL)(単位:%)を測定した。
これらの測定は、フィルムのMD方向及びTD方向のそれぞれについて行った。
(2)エルメンドルフ引裂き強度の測定
厚みが50μmのフィルムを、幅75mm×長さ63mmの短冊状に切断したものを試験片として用いた。
JIS K7128−2(1998)に準拠し、引裂き試験機(SA−WP、(株)東洋精機製作所製)を用いて、測定温度23℃の条件で、試験片のエルメンドルフ引裂き強度(単位:N/cm)を測定した。
この測定は、フィルムのMD方向及びTD方向のそれぞれについて行った。
2.透明性
(1)全ヘイズの測定
フィルムの全ヘイズ(単位:%)は、下記の測定条件により測定した。
−測定条件−
測定装置:デジタル濁度計(NDH−20D、日本電色工業(株)製)
試験片サイズ:幅50mm×長さ80mm×厚み50μm
試験方法:ASTM D−1003に準拠
測定温度:室温(25℃)
(2)内部ヘイズの測定
フィルムの内部ヘイズ(単位:%)は、下記の方法により測定した。
石英ガラス板2枚の間にシクロヘキサノールのみを挟んだ構成の積層体のヘイズ(H2)、及びシクロヘキサノールで表面を均一に濡らしたフィルムを石英ガラス板2枚の間に挟んだ構成の積層体のヘイズ(H3)を、それぞれ上述の全ヘイズと同様の方法により測定した。次式に従って、得られた値から内部ヘイズ(H1)を算出した。
内部ヘイズ(H1)=ヘイズ(H3)−ヘイズ(H2)
3.ヒートシール性
(1)ヒートシール強度(加熱温度:130℃)
厚みが50μmのフィルムを、幅150mm×長さ50mmの短冊状に切断した。このフィルム2枚をそれぞれ二つ折りにし、汚れ防止のために、厚さ100μmのテフロン(登録商標)フィルムの間に挟んだものを試験片とした。次に、試験片を、ヒートシール試験機(熱傾斜ヒートシールテスター TP−701−G、テスター産業(株)製)を用いて、上部温度130℃、下部温度70℃、シール幅5mm、シール圧力0.2MPa、及びシール時間2秒の条件で、熱融着(ヒートシール)した。次に、試験片から、熱融着したフィルムを取り出し、幅15mmに切断した。この幅15mmの熱融着したフィルムを、シール強度試験機(フォースゲージFPG、日本電産ランポ(株)製)を用いて、引張速度300mm/min、及び温度23℃の条件で、フィルム同士のヒートシール面に対して180°の方向に引っ張り、フィルム間を剥離させ、剥離強度の最大値を測定した。そして、この最大値をヒートシール強度(単位:N/15mm)とした。
なお、ヒートシール強度は、5個の試験片について測定し、平均値を算出した。
(2)ヒートシール強度(加熱温度:180℃)
試験片を、ヒートシール試験機(熱傾斜ヒートシールテスター TP−701−G、テスター産業(株)製)を用いて、上部温度180℃、下部温度70℃、シール幅5mm、シール圧力0.2MPa、及びシール時間2秒の条件で、熱融着(ヒートシール)したこと以外は、上記「(1)ヒートシール強度(加熱温度:130℃)」と同様にして、ヒートシール強度(単位:N/15mm)を測定した。
表2に示すように、本発明のフィルムは、130℃の低温シール条件では、シール性とイージーピール性とが良好な、ある程度高いシール強度を示すとともに、180℃の高温シール条件では、高いシール強度を示した(実施例1〜4参照)。
一方、比較例1〜2のフィルムは、130℃の低温シール条件において、シール強度が高く、イージーピール性に劣っていた。また、比較例3のフィルムは、130℃の低温シール条件において、シール強度が低く、シール性に劣っていた。
本発明のフィルムは、低温シール条件では、シール性とイージーピール性とが良好な、ある程度高いシール強度を示すとともに、高温シール条件では、高いシール強度を示すので、シーラント材(特に、イージーピール用シーラント材)、包装材等として、また、これらの材料として、好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. 4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位を80モル%以上99モル%以下、及び4−メチル−1−ペンテン以外の炭素数2以上20以下のα−オレフィンに由来する構成単位を1モル%以上20モル%以下有し、前記4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位と、前記4−メチル−1−ペンテン以外の炭素数2以上20以下のα−オレフィンに由来する構成単位とが合計で100モル%の共重合体であり、前記炭素数2以上20以下のα−オレフィンがプロピレンである熱可塑性樹脂(A)と、
    エチレン系重合体及びプロピレン系重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合体である、前記熱可塑性樹脂(A)以外の熱可塑性樹脂(B)と、を含み、
    前記熱可塑性樹脂(A)と前記熱可塑性樹脂(B)との合計100質量部に対して、前記熱可塑性樹脂(A)の含有量が2質量部以上50質量部以下であり、前記熱可塑性樹脂(B)の含有量が50質量部以上98質量部以下である樹脂組成物を含有するフィルムを含むイージーピール用シーラント材
  2. 前記熱可塑性樹脂(B)が、エチレン系重合体又はプロピレン系重合体である請求項1に記載のイージーピール用シーラント材
  3. 前記熱可塑性樹脂(B)が、プロピレン系重合体である請求項1又は請求項2に記載のイージーピール用シーラント材
  4. フィルム同士を、温度130℃、圧力0.2MPa、及びシール時間2秒の条件でヒートシールして得られる積層フィルムの剥離強度が、3.0N/15mm以上10N/15mm未満であり、かつ温度180℃、圧力0.2MPa、及びシール時間2秒の条件でヒートシールして得られる積層フィルムの剥離強度が、10N/15mm以上である請求項1〜請求項のいずれか1項に記載のイージーピール用シーラント材
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のイージーピール用シーラント材を含む積層体を備える包装材。
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