JP6655936B2 - 構造物の施工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、構造物の施工方法に関する。
併設される低層構造物及び高層構造物の基礎同士を上下方向に相対変位可能に連結し、低層構造物の基礎に対して高層構造物の基礎を沈下(自然沈下)させる連結部材がある(例えば、特許文献1参照)。
また、高さが異なる低層部及び高層部を有する上部構造体の施工方法であって、低層部と高層部とに亘る基礎梁にスリットを形成し、基礎梁の低層部側に対して高層部側を沈下させた後、スリットにコンクリートを後打ちして基礎梁を連結する方法がある(例えば、特許文献2参照)。
特開2011−140758号公報 特開平8−27809号公報
ところで、低層部及び高層部を有する上部構造体を施工する際には、高層部の施工が進むに従って上部構造体の低層部側に対して高層部側が沈下する場合がある。この場合、上部構造体における低層部と高層部との境界部に応力(曲げ応力)が発生し、当該境界部が破損等する可能性がある。
本発明は、上記の事実を考慮し、上部構造体の低層部側に対する高層部側の沈下に伴って、上部構造体に発生する応力を低減することを目的とする。
第1態様に係る構造物の施工方法は、低層部と、前記低層部と接合されるとともに該低層部よりも高さが高い高層部と、を有する上部構造体を、下部構造体の上に構築する構造物の施工方法であって、前記下部構造体に支持された前記高層部の施工が進むに従って、前記下部構造体に対して前記低層部を支持するジャッキを下げる。
第1態様に係る構造物の施工方法によれば、低層部及び高層部を有する上部構造体を下部構造体の上に構築する。この際、高層部の施工が進むに従って、上部構造体の低層部側に対して高層部側が沈下する場合がある。この場合、上部構造体における低層部と高層部との境界部に応力(曲げ応力)が発生し、当該境界部が破損等する可能性がある。
この対策として本発明では、下部構造体に支持された高層部の施工が進むに従って、下部構造体に対して低層部を支持するジャッキを下げる(ジャッキダウン)。これにより、上部構造体の低層部側の沈下量を高層部側の沈下量に合わせることができる。換言すると、下部構造体に対して低層部を支持するジャッキを下げることにより、上部構造体の低層部側に対する高層部側の沈下量を減少させることができる。したがって、上部構造体における低層部と高層部との境界部に発生する応力を低減することができる。
第2態様に係る構造物の施工方法は、第1態様に係る構造物の施工方法において、前記下部構造体は、平面視にて、前記低層部側と前記高層部側との境界部に沿って延びる後打ち帯を有し、前記上部構造体は、平面視にて、前記後打ち帯を横切って前記低層部と前記高層部とに亘るとともに、前記低層部側が前記ジャッキで支持される水平部材を有し、前記水平部材の前記低層部側に対する前記高層部側の沈下量が所定値以上になった場合に、前記ジャッキを下げる。
第2態様に係る構造物の施工方法によれば、下部構造体は、平面視にて、低層部側と高層部側との境界部に沿って延びる後打ち帯を有する。この場合、高層部の施工が進むに従って、後打ち帯を境に下部構造体の低層部側に対して高層部側が沈下する。この際、後打ち帯が変形等することにより、下部構造体における低層部側と高層部側との境界部に発生する応力(曲げ応力)が低減される。
一方、上部構造体は、平面視にて、後打ち帯を横切って低層部と高層部とに亘る水平部材を有する。この場合、高層部の施工が進むに従って、水平部材における低層部側に対して高層部側が沈下する。また、水平部材の高層部側は、下部構造体の高層部側に支持される。この下部構造体の高層部側は、前述したように、高層部の施工が進むに従って下部構造体の低層部側に対して沈下する。したがって、水平部材の高層部側の沈下量は、下部構造体の高層部側の沈下量に応じて増加する。そのため、水平部材の低層部に対する高層部の沈下量が大きくなり、水平部材における低層部側と高層部側との境界部に発生する応力が過大になる可能性がある。
この対策として本発明では、水平部材の低層部側に対する高層部側の沈下量が所定値以上になった場合に、下部構造体に対して水平部材の低層部側を支持するジャッキを下げる。これにより、水平部材の低層部側の沈下量を高層部側の沈下量に合わせることができる。したがって、水平部材における低層部と高層部との境界部に発生する応力が低減される。
このように本発明では、後打ち帯によって下部構造体に発生する応力を低減しつつ、水平部材における低層部側と高層部側との境界部に発生する応力を低減することができる。
第3態様に係る構造物の施工方法は、第1態様又は第2態様に係る構造物の施工方法において、前記ジャッキを下げる前に、前記低層部に該低層部と前記下部構造体との間に配置された免震装置の上部を接合し、前記ジャッキを下げた後に、前記免震装置の下にコンクリートを打設して該免震装置の下部を前記下部構造体に接合する。
第3態様に係る構造物の施工方法によれば、上部構造体の低層部を支持するジャッキを下げる前に、当該低層部に免震装置の上部を接合する。次に、上部構造体の高層部の施工が進むに従って、下部構造体に対して低層部を支持するジャッキを下げる。これにより、上部構造体の低層部側の沈下量を高層部側の沈下量に合わせることができる。その後、免震装置の下にコンクリートを打設して当該免震装置の下部を下部構造体に接合する。これにより、上部構造体の低層部が免震装置を介して下部構造体に支持される。
このように本発明では、上部構造体の低層部に免震装置の上部を予め接合しておき、当該低層部を支持するジャッキを下げた後に、免震装置の下にコンクリートを打設(後施工)することで、免震装置の下部を下部構造体に接合する。したがって、免震装置の後施工の手間が低減される。
さらに、本発明では、免震装置の下にコンクリートを打設(後打ち)するため、免震装置の上にコンクリートを打設(後打ち)する場合と比較して、コンクリートの後打ち作業が容易となる。したがって、免震装置の後施工の手間がさらに低減される。
以上説明したように、本発明に係る構造物の施工方法によれば、上部構造体の低層部側に対する高層部側の沈下に伴って、上部構造体に発生する応力を低減することができる。
一実施形態に係る構造物の施工方法によって施工される構造物の施工途中の状態を示す図2の1−1線断面図である。 図1に示される構造物の平面図である。 (A)及び(B)は、図1に示される低層側免震層の施工方法を説明する図1の一部拡大図である。 (A)及び(B)は、図1に示される低層側免震層の施工方法を説明する図1の一部拡大図である。 (A)及び(B)は、図1に示される構造物の施工方法を説明する図1の一部拡大図である。 (A)及び(B)は、図1に示される構造物の施工方法を説明する図1の一部拡大図である。 一実施形態に係る構造物の施工方法の変形例を示す図4(B)に対応する拡大図である。
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態に係る構造物の施工方法について説明する。
先ず、本実施形態に係る構造物の施工方法によって施工される構造物10の構成について説明する。図1には、施工途中の構造物10が示されている。この構造物10は、下部構造体20と、下部構造体20の上に構築される上部構造体30とを有している。
上部構造体30は、低層部30L及び高層部30Hを有している。低層部30Lと高層部30Hとは、互いに接合されて一体化されている。この低層部30L及び高層部30Hは、下部構造体20に支持されている。また、高層部30Hの高さE1は、低層部30Lの高さE2よりも高くされている(E1>E2)。この結果、高層部30Hの重量が、低層部30Lの重量よりも大きくされている。
ここで、高層部30Hの高さE1は、例えば、高層部30Hを支持する下部構造体20の支持面22Aから当該高層部30Hの上端までの長さとされる。これと同様に、低層部30Lの高さE2は、例えば、低層部30Lを支持する下部構造体20の支持面22Aから当該低層部30Lの上端までの長さとされる。
図2に示されるように、低層部30Lは、平面視にて上部構造体30の外周に配置されている。この低層部30Lは、平面視にて矩形の枠状に形成されており、上部構造体30の中央部に配置された高層部30Hを囲んでいる。
また、上部構造体30には、基礎梁32が設けられている。基礎梁32は、低層部30Lの下端部と高層部30Hの下端部とに亘るとともに、平面視にて後述する後打ち帯26を横切って配置されている。この基礎梁32は、例えば、鉄筋コンクリート造とされており、複数の免震装置42を介して下部構造体20に支持されている。
なお、図2には、複数の基礎梁32のうち、平面視にて高層部30Hの中央部を横切る基礎梁32のみが示されている。また、基礎梁32は、低層部30L及び高層部30Hの一部を構成する水平部材(水平構造部材)の一例である。さらに、基礎梁32は、鉄筋コンクリート造に限らず、鉄骨造等であっても良い。
図1に示されるように、下部構造体20は、構造物10の基礎部とされている。この下部構造体20は、例えば、直接基礎とされており、基礎スラブ22と、基礎スラブ22の外周部から立ち上げられた擁壁24とを有している。なお、下部構造体20は、直接基礎に限らず、他の基礎形式であっても良い。
基礎スラブ22は、鉄筋コンクリート造とされており、掘削された地盤12の底部に沿って設けられている。この基礎スラブ22の上面は、上部構造体30の低層部30L及び高層部30Hをそれぞれ支持する支持面22Aとされている。また、基礎スラブ22は、低層部30Lを支持する低層支持部22Lと、高層部30Hを支持する高層支持部22Hとを有している。
基礎スラブ22と上部構造体30との間には、免震層40が形成されている。免震層40には、複数の免震装置42が水平二方向に配列されている。免震装置42は、例えば、積層ゴム支承とされている。これらの免震装置42は、基礎スラブ22の支持面22Aに設置されており、上部構造体30の低層部30L及び高層部30Hを支持している。
より具体的には、図6(B)に示されるように、免震装置42は、装置本体44と、装置本体44の下端部に設けられた下側ベースプレート46と、装置本体44の上端部に設けられた上側ベースプレート48を有している。
下側ベースプレート46は、下側フーチング50を介して基礎スラブ22の支持面22Aに接合されている。一方、上側ベースプレート48は、上側フーチング52を介して上部構造体30の基礎梁32の下面に接合されている。これにより、基礎梁32が、複数の免震装置42を介して基礎スラブ22の支持面22Aに支持されている。
なお、以下では、説明の便宜上、基礎梁32における低層部30L側の部位(以下、「低層側部位」という)32Lを支持する免震装置42を低層側免震装置42Lとし、基礎梁32の高層部30H側の部位(以下、「高層側部位」という)32Hを支持する免震装置42を高層側免震装置42Hとする。
また、図3(B)に示されるように、下側ベースプレート46には、下側フーチング50に埋設されるアンカー54が設けられ、上側ベースプレート48には、上側フーチング52に埋設されるアンカー56が設けられている。
図5(A)に示されるように、基礎スラブ22には、例えば、コンストラクションジョイント等の後打ち帯26が形成されている。後打ち帯26は、基礎スラブ22の支持面22Aに溝状に形成されており、そのスラブ厚tが基礎スラブ22の他の部位のスラブ厚Tよりも薄くされている。これにより、後打ち帯26は、基礎スラブ22の他の部位よりも変形等し易くなっている。
なお、後打ち帯26のスラブ厚tは、適宜変更可能である。また、スラブ厚tをゼロにし、低層支持部22Lと高層支持部22Hとを分離させることも可能である。
また、図2に示されるように、後打ち帯26は、平面視にて低層部30L側と高層部30H側との境界部22R(図6(B)参照)に沿って延びる矩形の枠状に形成されている。これにより、後打ち帯26を境に、低層支持部22Lに対して高層支持部22Hが沈下し易くなっている。
図6(B)に示されるように、後打ち帯26には、コンクリート(後打ちコンクリート)28が打設(後打ち)される。より具体的には、後打ち帯26には、基礎スラブ22の低層支持部22Lに対して高層支持部22Hを沈下させた後に、コンクリート28が打設される。これにより、基礎スラブ22の低層支持部22Lと高層支持部22Hとが接合される。
なお、ここでいう基礎スラブ22における低層部30L側と高層部30H側との境界部22Rとは、互いに隣り合う低層側免震装置42L(低層側支持部材)と高層側免震装置42H(高層側支持部材)との間の部位を意味する。
次に、本実施形態に係る構造物の施工方法の一例について説明する。
先ず、下部構造体構築工程において、下部構造体20を構築する。具体的には、掘削された地盤12の底部にコンクリートを打設して、基礎スラブ22及び擁壁24を構築する。この際、基礎スラブ22の上面(支持面22A)には、平面視にて上部構造体30の低層部30L側と高層部30H側との境界部22R(図6(B)参照)に沿った溝状の後打ち帯26を形成する。
次に、免震装置設置工程において、基礎スラブ22の低層支持部22Lに低層側免震装置42Lを設置するとともに、基礎スラブ22の高層支持部22Hに高層側免震装置42Hを設置する。この際、例えば、低層側免震装置42Lは、図3(A)に示されるように、仮受架台60を介して基礎スラブ22の支持面22A上に設置する。
また、低層側免震装置42Lの下側ベースプレート46の外周部に沿って、下側フーチング50用の型枠62を仮設する。この低層側免震装置42Lの下側フーチング50は、後述するように、後施工によって形成される。さらに、上側ベースプレート48の外周部に沿って、上側フーチング52用の型枠64を仮設する。この低層側免震装置42Lの上側フーチング52は、後述する基礎梁構築工程において、基礎梁32と一体に施工される。
低層側免震装置42Lと同様に、高層側免震装置42Hは、仮受架台を介して基礎スラブ22の支持面22A上に設置する。また、高層側免震装置42Hの下側ベースプレート46の外周部に沿って、下側フーチング50用の型枠62を仮設する。そして、型枠62内にコンクリートを打設して下側フーチング50を形成する。これにより、下側フーチング50を介して高層側免震装置42Hの下部と基礎スラブ22の支持面22Aとが接合される。
また、高層側免震装置42Hの上側ベースプレート48の外周部に沿って、上側フーチング52用の型枠64を仮設する。この高層側免震装置42Hの上側フーチング52は、後述する基礎梁構築工程において、基礎梁32と一体に施工される。
次に、基礎梁構築工程(水平部材構築工程)において、図3(B)に示されるように、基礎スラブ22の支持面22A上に複数の支保工66を立て、その上に基礎梁32用の型枠68を仮設する。そして、型枠68内にコンクリートを打設して基礎梁32を構築する。この際、低層側免震装置42L及び高層側免震装置42Hの上側フーチング52用の型枠64内にもコンクリートを打設し、上側フーチング52を形成する。これにより、各低層側免震装置42L及び高層側免震装置42Hが、上側フーチング52を介して基礎梁32の下面にそれぞれ接合される。
次に、図4(A)に示されるように、低層側免震装置42Lを支持する仮受架台60を解体、撤去する。これにより、低層側免震装置42Lは、基礎梁32に吊り下げられた状態で支持される。次に、図4(B)に示されるように、低層側免震装置42Lの周囲に、ジャッキの一例としての油圧ジャッキ70を設置し、基礎スラブ22に対して基礎梁32を支持させる。また、低層側免震装置42Lの周囲には、基礎梁32を水平調整するためのキリンジャッキ72を設置する。なお、本実施形態では、支保工66と油圧ジャッキ70及びキリンジャッキ72とを適宜置換している。
次に、図5(A)に示されるように、隣り合う低層側免震装置42L及び高層側免震装置42Hの上方に位置する基礎梁32の下面に、基礎梁32の沈下量を計測する一対の変位センサ80をそれぞれ設置する。なお、一対の変位センサ80は、基礎梁32の低層側部位32Lに対する高層側部位32Hの沈下量を測定可能であれば良く、その設置位置は適宜変更可能である。
次に、上部構造体構築工程において、基礎梁32上に低層部30L及び高層部30Hを順次構築していく。ここで、図1に示されるように、高層部30Hの高さE1は、低層部30Lの高さE2よりも高くされる。そのため、二点鎖線で示されるように、高層部30Hの施工が進み、その高さE1が高くなるに従って、低層部30Lと高層部30Hとの重量差により、後打ち帯26を境に基礎スラブ22の低層支持部22Lに対して高層支持部22Hが沈下するとともに、基礎梁32の低層側部位32Lに対して高層側部位32Hが沈下する。
より具体的には、図5(B)に矢印aで示されるように、後打ち帯26を境に基礎スラブ22の低層支持部22Lに対して高層支持部22Hが沈下する。この際、後打ち帯26に変形や破壊が生じることにより、基礎スラブ22における低層支持部22Lと高層支持部22Hとの間に発生する応力が低減される。
また、基礎スラブ22の低層支持部22Lに対する高層支持部22Hの沈下に伴って、矢印bで示されるように、基礎梁32の低層側部位32Lに対して高層側部位32Hが沈下する。この結果、基礎梁32の低層側部位32Lと高層側部位32Hとの境界部に発生する応力が過大になる可能性がある。
この対策として本実施形態では、一対の変位センサ80によって、基礎梁32の低層側部位32Lに対する高層側部位32Hの沈下量Sを測定しながら、高層部30Hを施工する。そして、基礎梁32の低層側部位32Lに対する高層側部位32Hの沈下量Sが所定値以上になった場合に、図6(A)に示されるように、基礎梁32の低層側部位32Lを支持する油圧ジャッキ70を下げ(ジャッキダウン)、矢印cで示されるように、基礎梁32の低層側部位32Lの沈下量を高層側部位32Hの沈下量に合わせる。この結果、基礎梁32における低層側部位32Lと高層側部位32Hとの境界部に発生する応力が低減される。
なお、基礎梁32の低層側部位32Lに対する高層側部位32Hの沈下量Sの所定値は、基礎梁32の曲げ剛性や曲げ耐力に基づいて適宜設定される。
次に、一対の変位センサ80によって、基礎梁32の低層側部位32Lに対する高層側部位32Hの沈下量Sを測定しながら、上部構造体30の高層部30Hをさらに施工する。そして、基礎梁32の低層側部位32Lに対する高層側部位32Hの沈下量Sが再び所定値以上になった場合に、上記と同様に、基礎梁32の低層側部位32Lを支持する油圧ジャッキ70を下げ、基礎梁32の低層側部位32Lの沈下量を高層側部位32Hの沈下量に合わせる。この結果、基礎梁32における低層側部位32L側と高層側部位32H側との境界部に発生する応力が低減される。
このように油圧ジャッキ70を適宜ジャッキダウンしながら、上部構造体30の高層部30Hを構築する。そして、高層部30Hが所定階以上に達したら、高層部30Hの残り階の施工と並行して、以下の施工を行う。
すなわち、キリンジャッキ72によって、基礎梁32を水平に調整する。そして、低層側免震装置42Lの周囲に仮設された型枠62内にコンクリートを打設し、下側フーチング50を形成する。これにより、図6(B)に示されるように、低層側免震装置42Lの下部が基礎梁32の支持面22Aに接合される。また、一対の変位センサ80も適宜撤去する。
さらに、基礎スラブ22の後打ち帯26にコンクリートやモルタル等を打設(充填)し、基礎スラブ22の低層支持部22Lと高層支持部22Hとを接合する。
なお、前述した高層部30Hの所定階は、高層部30Hの重量や基礎梁32の曲げ耐力に基づいて適宜設定される。また、高層部30Hの所定階は、高層部30Hの中間階や上層階であっても良いし、最上階であっても良い。
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態によれば、基礎スラブ22は、平面視にて、低層部30L側と高層部30H側との境界部22Rに沿って延びる後打ち帯26を有している。この場合、高層部30Hの施工が進むに従って、後打ち帯26を境に基礎スラブ22の低層支持部22Lに対して高層支持部22Hが沈下する。この際、後打ち帯26が変形等することにより、基礎スラブ22における低層支持部22L側と高層支持部22H側との境界部22Rに発生する応力(曲げ応力)が低減される。
ところで、上部構造体30は、平面視にて、後打ち帯26を横切って低層部30Lと高層部30Hとに亘る基礎梁32を有している。この場合、上部構造体30の高層部30Hの施工が進むに従って、基礎梁32の低層側部位32Lに対して高層側部位32Hが沈下する。したがって、基礎梁32の低層側部位32Lと高層側部位32Hとの境界部に応力が発生する。
また、基礎梁32の高層側部位32Hは、基礎スラブ22の高層支持部22Hに支持される。この基礎スラブ22の高層支持部22Hは、前述したように、上部構造体30の高層部30Hの施工が進むに従って沈下する。したがって、基礎梁32の高層側部位32Hの沈下量は、基礎スラブ22の高層支持部22Hの沈下量に応じて増加する。この結果、基礎梁32の低層側部位32Lに対する高層側部位32Hの沈下量が大きくなり、当該基礎梁32における低層側部位32Lと高層側部位32Hとの境界部に発生する応力が過大になる可能性がある。
この対策として本実施形態では、前述したように基礎梁32の低層側部位32Lに対する高層側部位32Hの沈下量が所定値以上になった場合に、基礎梁32の低層側部位32Lを支持する油圧ジャッキ70を下げる(ジャッキダウン)。これにより、基礎梁32の低層側部位32Lの沈下量を高層側部位の沈下量に合わせることができる。つまり、本実施形態では、基礎梁32の低層側部位32Lに対する高層側部位32Hの沈下量Sを減少させ、若しくはゼロにすることができる。したがって、基礎梁32における低層側部位32Lと高層側部位32Hとの境界部に発生する応力を低減することができる。
このように本実施形態では、後打ち帯26によって基礎スラブ22に発生する応力を低減しつつ、基礎梁32の低層側部位32Lと高層側部位32Hとの境界部に発生する応力を低減することができる。
また、本実施形態では、低層側免震装置42Lの上側フーチング52を予め施工しておき、油圧ジャッキ70を下げた後に、低層側免震装置42Lの下にコンクリートを後打ち(後施工)し、下側フーチング50を形成する。これにより、低層側免震装置42Lの下部を下側フーチング50を介して基礎スラブ22の支持面22Aに接合する。したがって、低層側免震装置42Lの後施工の手間が低減される。
さらに、本実施形態では、低層側免震装置42Lの下にコンクリートを後打ちして下側フーチング50を形成するため、低層側免震装置42Lの上にコンクリートを後打ちして上側フーチング52を形成する場合と比較して、コンクリートの後打ち作業が容易となる。したがって、低層側免震装置42Lの後施工の手間がさらに低減される。
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態では、油圧ジャッキ70を下げた後に、低層側免震装置42Lの下側フーチング50を後施工したが、上記実施形態はこれに限らない。例えば、油圧ジャッキ70を下げた後に上側フーチング52を後施工しても良いし、油圧ジャッキ70を下げた後に下側フーチング50及び上側フーチング52の両方を後施工しても良い。
また、低層側免震装置42Lと上部構造体30及び下部構造体20との接合方法は適宜変更可能であり、例えば、上側フーチング52及び下側フーチング50を設けない他の接合方法によって低層側免震装置42Lと上部構造体30及び下部構造体20とを接合しても良い。高層側免震装置42Hと上部構造体30及び下部構造体20との接合方法についても同様である。
また、上記実施形態では、構造物10が基礎免震構造とされるが、上記実施形態はこれに限らない。構造物は、例えば、中間免震構造(中間階免震構造)とされても良い。この場合、中間階の免震層を挟んで下側が下部構造体となり、上側が上部構造体となる。
また、上記実施形態では、上部構造体30が低層側免震装置42L及び高層側免震装置42Hを介して下部構造体20に支持されるが、上記実施形態はこれに限らない。例えば、図7に示されるように、上部構造体30の低層部30Lは、柱90を介して下部構造体20の基礎スラブ22に支持されても良い。
具体的には、柱90は、例えば、角形鋼管等の鉄骨造とされている。この柱90の下端部には、ベースプレート92が設けられている。このベースプレート92は、仮受架台94を介して基礎スラブ22の支持面22A上に設置された後、その上端部が図示しない基礎梁32の低層側部位32Lに接合される。この状態で、仮受架台94は、解体、撤去される。
そして、上記実施形態と同様に、基礎梁32の低層側部位32Lに対する高層側部位32Hの沈下量S(図5(B)参照)が所定値以上になった場合に、柱90の周囲に設置されたジャッキ96を下げ、基礎梁32の低層側部位32Lの沈下量を高層側部位32Hの沈下量に合わせる。これにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。その後、柱90の柱脚部の周囲に、例えば、二点鎖線で示されるように、コンクリート98を打設し、柱90の柱脚部と基礎スラブ22の支持面22Aとを接合する。
このように上記実施形態は、免震構造物に限らず、非免震構造物に対しても適用可能である。なお、図7に示される変形例では、上部構造体30の高層部30Hは、例えば、柱を介して下部構造体20に支持される。
また、上記実施形態では、下部構造体20に後打ち帯26が形成されるが、後打ち帯26は適宜省略可能である。なお、後打ち帯26がなくても、上部構造体30の高層部30Hの施工が進み、その高さが高くなるに従って、低層部30Lと高層部30Hとの重量差により、基礎梁32の低層側部位32Lに対して高層側部位32Hが沈下する。
また、上記実施形態では、上部構造体30の水平部材として基礎梁32が用いられるが、上記実施形態はこれに限らない。水平部材としては、例えば、梁やスラブ等であっても良い。
また、上記実施形態では、ジャッキとして油圧ジャッキ70を用いたが、他のジャッキを用いても良い。
さらに、上記実施形態では、上部構造体30の外周部に低層部30Lが設けられ、上部構造体30の中央部に高層部30Hが設けられるが、上記実施形態はこれに限らない。低層部30L及び高層部30Hの配置(レイアウト)は適宜変更可能であり、例えば、低層部と高層部とを横に並べて配置しても良い。また、上部構造体には、例えば、高さが異なる3つ以上の部位が設けられても良い。
具体的には、上部構造体には、例えば、高さが順に高くなる第1層部、第2層部及び第3層部が設けられても良い。そして、第1層部と第2層部とが隣り合う場合には、第1層部が低層部となり、第2層部が高層部となる。また、第1層部と第3層部とが隣り合う場合には、第1層部が低層部となり、第3層部が高層部となる。さらに、第2層部と第3層部とが隣り合う場合には、第2層部が低層部となり、第3層部が高層部となる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、一実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
10 構造物
20 下部構造体
22 基礎スラブ(下部構造体)
22R 境界部(基礎スラブにおける低層部と高層部との境界部)
26 後打ち帯
30 上部構造体
30H 高層部
30L 低層部
32 基礎梁(水平部材)
42 免震装置
42L 低層側免震装置(免震装置)
70 油圧ジャッキ(ジャッキ)
96 ジャッキ
S 沈下量(水平部材における低層部側に対する高層部側の沈下量)

Claims (3)

  1. 低層部と、前記低層部と接合されるとともに該低層部よりも高さが高い高層部と、を有する上部構造体を、基礎スラブの上に構築する構造物の施工方法であって、
    前記基礎スラブに支持された前記高層部の施工が進むに従って、前記基礎スラブに対して前記低層部を支持するジャッキを下げる、
    構造物の施工方法。
  2. 前記基礎スラブは、平面視にて、前記低層部側と前記高層部側との境界部に沿って延びる後打ち帯を有し、
    前記上部構造体は、平面視にて、前記後打ち帯を横切って前記低層部と前記高層部とに亘るとともに、前記低層部側が前記ジャッキで支持される水平部材を有し、
    前記水平部材の前記低層部側に対する前記高層部側の沈下量が所定値以上になった場合に、前記ジャッキを下げる、
    請求項1に記載の構造物の施工方法。
  3. 低層部と、前記低層部と接合されるとともに該低層部よりも高さが高い高層部と、を有する上部構造体を、下部構造体の上に構築する構造物の施工方法であって、
    前記下部構造体に支持された前記高層部の施工が進むに従って、前記下部構造体に対して前記低層部を支持するジャッキを下げ、
    前記ジャッキを下げる前に、前記低層部に該低層部と前記下部構造体との間に配置された免震装置の上部を接合し、
    前記ジャッキを下げた後に、前記免震装置の下にコンクリートを打設して該免震装置の下部を前記下部構造体に接合する、
    造物の施工方法。
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