JP6651793B2 - クロロプレンゴム組成物、絶縁電線またはケーブル、および、クロロプレンゴム組成物の成形体の製造方法 - Google Patents

クロロプレンゴム組成物、絶縁電線またはケーブル、および、クロロプレンゴム組成物の成形体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、クロロプレンゴム組成物、絶縁電線またはケーブル、および、クロロプレンゴム組成物の成形体の製造方法に関する。
ゴム材料や絶線電線・ケーブルの被覆材料の架橋方法には、マイクロ波架橋(UHF)、溶融塩架橋(LCM)、飽和水蒸気連続架橋(SVCV)、過熱水蒸気連続架橋(SSCV)、遠赤外線連続架橋(IRCV)、流動床法(PCM)、熱風加熱法(HAV)、電子線照射法等の連続架橋方式と、鉛、トリメチルペンテン(TPX)などを被覆、ドラム巻取り後、釜架橋するバッチ架橋方式とがある。
対象物の厚さ、形状、構造、長さ、被覆材料の種類等により、これらのどの架橋方法が最も適しているか選定され、適用されているが、架橋装置価格、架橋速度、取り扱い性、製品性能等々から、それぞれ一長一短がある。
例えば、生産性やドラム巻取時の変形抑制が可能な点では、連続架橋方式が優れている。また例えば、加圧設備コストがかからないことや架橋時の変形抑制が可能な点では、常圧架橋が優れている。このため、生産性、設備コスト、ケーブルの変形抑制の観点においては、連続常圧架橋方式が優れているといえる。また、架橋時の変形抑制が可能な範囲で微少な圧力を加えることで、材料中の水分や気泡が原因の発泡を抑制できる連続微加圧架橋方式は、加圧設備コストはかかるものの、100℃以上の高温で架橋処理が行え、生産性の向上が見込める優れた方式である(特許文献1)。
一方、塩素含有樹脂をシラン架橋させる常温常圧架橋方式に関する技術が公開されており、特許文献2では、塩素含有樹脂に2級アミノシランを添加して塩素含有樹脂をシラン架橋させる技術、特許文献3では、塩素含有樹脂に2級アミノシランを添加する際のグラフト効率を高めるために、塩化水素捕捉剤を添加する技術が開示されている。
塩素含有樹脂としては、例えばクロロプレンゴムが用いられる。クロロプレンゴムの架橋手法として、シラン架橋は、比較的低温で進行させることができるため、前述の連続常圧架橋方式や連続微加圧架橋方式を適用することで、エネルギーコストを低減できる優れた手法である。
特開2011−5852号公報 特開昭61−42508号公報 特開2013−194233号公報
クロロプレンゴムをシラン架橋した材料は、架橋速度が速いため、従来の手法で架橋した材料に比べて、エネルギーコスト低減に優れた材料である。ただし、架橋鎖の中に炭素−ケイ素結合のように、主鎖の炭素−炭素結合に比べて結合エネルギーの低い部位を含んでいる。
このため、クロロプレンゴムをシラン架橋した材料は、従来の手法で架橋した材料に比べて、耐熱性や耐油性(特に耐油伸び残率)に劣ることがあり、規格(耐油伸び残率≧60%)はクリアするものの、裕度が小さく、製造現場において安定した特性が得られないことがある。
そこで、本発明の一目的は、架橋成形体における耐油性に優れたクロロプレンゴム組成物、それを用いた絶縁電線またはケーブル、および、クロロプレンゴム組成物の成形体の製造方法を提供することである。
本発明の一観点によれば、
クロロプレンゴムと、
シラン化合物と、
耐油性向上成分として、常温で固体であり融点が120℃以上200℃未満の酸化防止剤、および酸化亜鉛の少なくとも一方と、
を含み、
前記常温で固体であり融点が120℃以上200℃未満の酸化防止剤の含有量は、前記クロロプレンゴム100質量部に対して2質量部以上5質量部以下であり、
前記酸化亜鉛の含有量は、前記クロロプレンゴム100質量部に対して0.1質量部以上1質量部以下である、クロロプレンゴム組成物
が提供される。
本発明の他の観点によれば、
導体と、
前記導体の外周に配置された絶縁層と、
を有する絶縁電線またはケーブルであって、
前記絶縁層は、クロロプレンゴム組成物の架橋成形体であり、
前記クロロプレンゴム組成物は、
クロロプレンゴムと、
シラン化合物と、
耐油性向上成分として、常温で固体であり融点が120℃以上200℃未満の酸化防止剤、および酸化亜鉛の少なくとも一方と、
を含み、
前記常温で固体であり融点が120℃以上200℃未満の酸化防止剤の含有量は、前記クロロプレンゴム100質量部に対して2質量部以上5質量部以下であり、
前記酸化亜鉛の含有量は、前記クロロプレンゴム100質量部に対して0.1質量部以上1質量部以下である、絶縁電線またはケーブル
が提供される。
本発明のさらに他の観点によれば、
クロロプレンゴムと、
シラン化合物と、
耐油性向上成分として、常温で固体であり融点が120℃以上200℃未満の酸化防止剤、および酸化亜鉛の少なくとも一方と、
を含み、
前記常温で固体であり融点が120℃以上200℃未満の酸化防止剤の含有量は、前記クロロプレンゴム100質量部に対して2質量部以上5質量部以下であり、
前記酸化亜鉛の含有量は、前記クロロプレンゴム100質量部に対して0.1質量部以上1質量部以下である、クロロプレンゴム組成物
により成形体を形成する工程と、
前記成形体を、0.1MPa以上0.6MPa以下の水蒸気あるいは温浴で加熱することで架橋する工程と、
を有するクロロプレンゴム組成物の成形体の製造方法
が提供される。
耐油性向上成分として、クロロプレンゴム100質量部に対して2質量部以上5質量部以下含有された融点が120℃以上200℃未満の酸化防止剤、および、クロロプレンゴム100質量部に対して0.1質量部以上1質量部以下含有された酸化亜鉛の少なくとも一方を含むことで、架橋成形体における耐油性に優れたクロロプレンゴム組成物を得ることができる。
図1(a)は、本発明の一実施形態によるクロロプレンゴム組成物を用いた第1の成形体の例のシースを有するケーブルを示す概略断面図であり、図1(b)は、実施形態によるクロロプレンゴム組成物を用いた第2の成形体の例のシートを示す概略断面図である。 図2(a)は、実施形態によるクロロプレンゴム組成物を用いたケーブルの製造工程の例を示す概略図であり、図2(b)は、実施形態によるクロロプレンゴム組成物を用いたシートの製造工程の例を示す概略図である。
クロロプレンゴムをシラン架橋した材料は、架橋におけるエネルギーコスト低減に優れた材料であるが、耐油性が劣ることがある。本願発明者は、クロロプレンゴムをシラン架橋した材料の耐油性を向上させる耐油性向上成分として、酸化防止剤を用いることが有効であることを見出した。ただし、クロロプレンゴムをシラン架橋した材料の耐油性向上成分として酸化防止剤を用いる際に、以下のような課題が生じることがわかった。
液体の酸化防止剤は、耐油性向上成分として有効であるものの、例えば120℃×18hの耐油試験中に材料から流出することで、その効果が低減することがある。また、固体の酸化防止剤であっても、融点が高過ぎると凝集しやすく、材料に分散されにくいために、流出はしなくとも、その効果を十分に発揮できないことがある。
そこで、本願発明者は、以下に説明するように、固体の酸化防止剤として、耐油性向上成分として適した融点や含有量等について検討した。また、他の耐油性向上成分として、酸化亜鉛が有効なことも見出し、その含有量等についても検討した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものである。
以下、本発明の一実施形態によるクロロプレンゴム組成物について説明し、また、それを用いた成形体、および成形体の製造方法について説明する。
(1)クロロプレンゴム組成物
実施形態によるクロロプレンゴム組成物は、クロロプレンゴムと、シラン化合物と、耐油性向上成分として、常温で固体であり融点が120℃以上200℃未満の酸化防止剤、および酸化亜鉛の少なくとも一方と、を含む。
(クロロプレンゴム)
実施形態によるクロロプレンゴム組成物は、ベースゴムとして、クロロプレンゴム(CR)を含む。クロロプレンゴムとしては、特に限定されず、一般に市販されているクロロプレンゴムを用いることができる。
(シラン化合物)
実施形態によるクロロプレンゴム組成物は、架橋剤として、シラン化合物を含む。シラン化合物としては、アミノ基及び加水分解性シリル基を有するもの(アミノシラン)を用いることができる。アミノ基は、クロロプレンゴムと反応してグラフト重合する置換基である。シラン化合物は、アミノ基によりクロロプレンゴムとグラフト重合することで、クロロプレンゴムに加水分解性シリル基を導入する。アミノ基としては、クロロプレンゴムとグラフト重合できるものであれば特に限定されない。加水分解性シリル基は、加水分解によりシラノール基となり、脱水縮合(シラノール縮合)することでクロロプレンゴムを架橋する。このようなシラン化合物としては、例えばN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等を用いることができる。
(耐油性向上成分)
実施形態によるクロロプレンゴム組成物は、耐油性向上成分として、常温で固体であり融点が120℃以上200℃未満の酸化防止剤、および酸化亜鉛の少なくとも一方を含む。なお、ここで、常温とは15℃〜25℃である。
常温で固体であり融点が120℃以上200℃未満の酸化防止剤としては、例えばフェノール系の酸化防止剤を用いることができ、例えば2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)(m.p.≧120℃)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)(m.p.≧155℃)、2,5−ジ−tert−アミルハイドロキノン(m.p.≧172℃)等を用いることができる。
なお、ここで、融点とは、酸化防止剤の融点範囲の下限温度、すなわち、融解が開始する下限温度を指す。
常温で固体であり融点が120℃以上200℃未満の酸化防止剤の含有量は、クロロプレンゴム組成物の架橋成形体における充分な耐油性を得るために、クロロプレンゴム100質量部に対して2質量部以上とすることが好ましく、また、クロロプレンゴム組成物の架橋成形体における充分な初期の引張特性を得るために、クロロプレンゴム100質量部に対して5質量部以下とすることが好ましい。
酸化亜鉛としては、特に限定されず、一般に市販されている酸化亜鉛(亜鉛華)を用いることができる。
酸化亜鉛の含有量は、クロロプレンゴム組成物の架橋成形体における充分な耐油性を得るために、クロロプレンゴム100質量部に対して0.1質量部以上とすることが好ましく、また、クロロプレンゴム組成物の架橋成形体における充分な初期の引張特性等を得るために、クロロプレンゴム100質量部に対して1質量部以下とすることが好ましい。
実施形態によるクロロプレンゴム組成物は、耐油性向上成分として、さらに、常温で液体である酸化防止剤を含むことがより好ましい。つまり、耐油性向上成分として、常温で固体であり融点が120℃以上200℃未満の酸化防止剤、および酸化亜鉛の少なくとも一方と、常温で液体である酸化防止剤とが組み合わされて用いられていることがより好ましい。常温で液体である酸化防止剤としては、例えばアミン系の酸化防止剤を用いることが好ましい。
液体である酸化防止剤は、クロロプレンゴム組成物中への分散性が高いという観点で好ましいが、耐油試験等により、クロロプレンゴム組成物から流出することがあり、その耐油性向上効果が低減することがある。このため、上述のような固体の耐油性向上成分と、組み合わせて用いられることが好ましい。
常温で液体である酸化防止剤の含有量は、耐油性向上のために、クロロプレンゴム100質量部に対して0.1質量部以上とすることが好ましく、また、クロロプレンゴム組成物からの流出を抑制するために、クロロプレンゴム100質量部に対して10質量部以下とすることが好ましい。
(シラノール縮合触媒)
実施形態によるクロロプレンゴム組成物は、成形後の架橋速度を向上させるために、シラノール縮合触媒を含むことが好ましい。シラノール縮合触媒としては、例えば有機錫系触媒を用いることができる。シラノール縮合触媒の含有量は適宜調整することができる。
(その他の添加剤)
実施形態によるクロロプレンゴム組成物には、必要に応じて、その他の添加剤、例えば各種の可塑剤、滑剤、充填剤、難燃剤、安定剤、着色剤等の一般的な配合剤が添加されていてもよい。
(2)クロロプレンゴム組成物の成形体
上述のクロロプレンゴム組成物を成形することで、クロロプレンゴム組成物の成形体を形成することができる。また、クロロプレンゴム組成物の成形体を架橋することで、クロロプレンゴム組成物の架橋成形体を作製することができる。なお、未架橋の成形体と、架橋後の成形体とをまとめて、単に、成形体と呼ぶこともある。
(ケーブル)
図1(a)を参照し、成形体の第1の例として、ケーブルのシースについて説明する。図1(a)は、第1の成形体の例のシース30を有するケーブル10を示す概略断面図である。
ケーブル10は、複数本(例えば3本)の電線20が撚り合わされて構成された撚り合せコア25と、撚り合せコア25の外周に被覆されたシース30とから構成されている。各電線20は、例えば銅で形成された導体21と、例えばエチレンプロピレンゴム(EPR)で形成され導体21の外周に被覆された絶縁体22とから構成されている。シース30は、クロロプレンゴム組成物の成形体として、例えば押出成形により形成することができる。
(シート)
図1(b)を参照し、成形体の第2の例として、シートについて説明する。図1(b)は、第2の成形体の例のシート40を示す概略断面図である。シート40は、クロロプレンゴム組成物の成形体として、例えば押出成形により形成することができる。
(その他の成形体)
上述のクロロプレンゴム組成物は、ケーブルのシース、シートに限定されず、必要に応じて、様々な成形体の材料として用いることができる。例えば、絶縁電線の導体の外周に被覆される絶縁体に用いてもよい。その他、例えば、異型を含むソリッド押出成形物、ホース類に用いてもよく、例えばこれらに用いる場合、内部に直線状金属線や金属、天然・合成ポリマ糸を編んだタイプの構造のものに特に適している。
なお、上述のクロロプレンゴム組成物を、ケーブルのシースとして用いる場合でも、絶縁電線の絶縁体として用いる場合でも、導体の外周に、上述のクロロプレンゴム組成物の成形体である絶縁層(ケーブルにおけるシース、または、絶縁電線における絶縁体)が配置された構造は共通と捉えることができる。
(3)クロロプレンゴム組成物の成形体の製造方法
以下、クロロプレンゴム組成物の成形体の製造方法について、より具体的に説明する。
(ケーブルの製造方法)
図2(a)を参照し、成形体の製造方法の第1の例として、ケーブルの製造方法について説明する。図2(a)は、上述のケーブル10の製造工程の例を示す概略図である。
押出機100のホッパー101から、クロロプレンゴムと耐油性向上成分とを含む(シラン化合物と有機錫系触媒とはまだ含まない)クロロプレンゴム組成物51を供給する。また、押出機100の途中(ホッパー101よりも下流側)に設けられた第1、第2の投入口102、103から、それぞれ、シラン化合物52と有機錫系触媒53とを、ポンプで圧入して供給する。このようにして、クロロプレンゴムに耐油性向上成分、シラン化合物、および有機錫系触媒が混合されたクロロプレンゴム組成物を調整し、上流側から押出機100に供給された撚り合せコア25の外周に被覆して、クロロプレンゴム組成物の成形体としてシース30aを有するケーブル10aを形成する。
なお、成形体等の参照番号に「a」、「b」、「c」を付して、架橋状態を区別する。後述の一次架橋設備110で一次架橋される前の、架橋されていない状態については「a」を付し、一次架橋設備110で一次架橋された段階の状態については「b」を付し、後述の二次架橋設備130で二次架橋された段階の状態については「c」を付す。
押出機100から送り出されたケーブル10aを、押出機100の下流側に配置された一次架橋設備110に供給する。ケーブル10aを移動させながら連続的に、一次架橋設備110により、シース30aの一次架橋処理を行う。一次架橋設備110から、一次架橋されたシース30bを有するケーブル10bが送り出される。一次架橋設備110から送り出されたケーブル10bを、巻取ドラム120に巻き取る。
一次架橋では、ケーブル10bを巻取ドラム120に巻き取った際に変形の無いレベルまで架橋を行う。例えば、巻取時の架橋結合数が0.3×10−4mol/g 以上となるように、また例えば、巻取時の変形率(40℃、700g/cmにおける永久変形)が3%以下となるように、一次架橋を行うことが好ましい。
押出機100における押出温度(成形温度)は、好ましくは80℃以上100℃以下である。押出温度を80℃以上とすることにより、シース30aを、一次架橋設備110内で所定の架橋温度まで昇温する時間を極力短時間に抑えることができる。また、押出温度を100℃以下とすることで、一次架橋前に押出機100内でのプレ架橋(早期架橋、スコーチ)が進行し過ぎて、一部分の粘度が上昇し、「つぶ」や「ふくれ」などの外観不良が生じることを抑制できる。
一次架橋設備110内では、シース30aを、0.1MPa以上0.6MPa以下の圧力下で温浴あるいは微加圧水蒸気に暴露し、水分を供給するとともに加熱することで、シース30aの架橋を行う。0.1MPa以上0.6MPa以下の圧力下でシース30aを加熱することにより、架橋時の材料の変形を抑制することができる。一次架橋設備110における加熱温度は、例えば95℃以上200℃以下の範囲内の温度とすることが好ましい。
一次架橋設備110内の底部には、シース30aの変形やキズ防止のために、ガイドロール等を取り付けておくことが望ましい。
その後、ケーブル10bが巻き取られた巻取ドラム120を、二次架橋設備130内に配置して、シース30bの二次架橋処理を行うことで、二次架橋されたシース30cを有するケーブル10cが作製される。二次架橋設備130としては、さらに加湿可能なサウナの他に、材料に残留している水分でシラン架橋を進行させるための乾燥室も適用できる。
二次架橋では、製品レベルまで架橋を行う。例えば、80℃サウナあるいは80℃乾燥室内で3日間さらに架橋することで、引張強さが13MPa以上かつ引張破断伸びが300%以上、120℃×18hの耐油試験後の耐油性(強度残率および伸び残率)が65%以上となるように、二次架橋を行うことが好ましい。
なお、ここでは、クロロプレンゴム組成物の未架橋の成形体としてシース30aを例示して、押出し、一次架橋、二次架橋の条件や効果等について説明しているが、これらは、クロロプレンゴム組成物の未架橋の成形体としてシート40aを例示する、後述の成形体の製造方法の第2の例、第3の例でも同様である。
なお、押出機100の前後には、芯線、コアの送り出し機、芯線、コアのアキュムレータ、製品巻き取り機、外径測定器、ケーブルのアキュムレータ他必要な設備を備えることができる。
(シートの製造方法(その1))
図2(b)を参照し、成形体の製造方法の第2の例として、シートの製造方法について説明する。図2(b)は、上述のシート40の製造工程の例を示す概略図である。
成形体の製造方法の第1の例と対応する装置等について、説明の煩雑さを避けるため、同一の参照番号を用いて説明する。また、成形体の製造方法の第1の例と同様に、成形体等の参照番号に「a」、「b」、「c」を付して、架橋状態を区別する。なお、これらは、成形体の製造方法の第3の例でも同様である。
押出機100のホッパー101から、クロロプレンゴムと耐油性向上成分と有機錫系触媒とを含む(シラン化合物はまだ含まない)クロロプレンゴム組成物61を供給する。また、押出機100の途中に設けられた第1の投入口102から、シラン化合物62をポンプで圧入して供給する。このようにして、クロロプレンゴムに耐油性向上成分、シラン化合物、および有機錫系触媒が混合されたクロロプレンゴム組成物を調整し、押出機100からTダイを介して押出すことで、クロロプレンゴム組成物の成形体としてシート40aを形成する。
押出機100から送り出されたシート40aを、押出機100の下流側に配置された一次架橋設備110に供給する。シート40aを移動させながら連続的に、一次架橋設備110により、シート40aの一次架橋処理を行う。一次架橋設備110から、一次架橋されたシート40bが送り出される。一次架橋設備110から送り出されたシート40bを、巻取ドラム120に巻き取る。一次架橋では、ケーブル10bを巻取ドラム120に巻き取った際に変形の無いレベルまで架橋を行う。
その後、シート40bが巻き取られた巻取ドラム120を、二次架橋設備130内に配置して、シート40bの二次架橋処理を行うことで、二次架橋されたシート40cが作製される。二次架橋設備130としては、さらに加湿可能なサウナの他に、材料に残留している水分でシラン架橋を進行させるための乾燥室も適用できる。二次架橋では、製品レベルまで架橋を行う。
押出し、一次架橋、二次架橋の条件や効果等については、成形体の製造方法の第1の例と同様である。
(シートの製造方法(その2))
再び図2(b)を参照し、成形体の製造方法の第3の例として、シートの製造方法について説明する。以下、主に、成形体の製造方法の第2の例との違いについて説明する。
押出機100のホッパー101から、クロロプレンゴムと耐油性向上成分とシラン化合物とを含む(有機錫系触媒はまだ含まない)クロロプレンゴム組成物71を供給する。また、押出機100の途中に設けられた第1の投入口102から、有機錫系触媒72をポンプで圧入して供給する。このようにして、クロロプレンゴムに耐油性向上成分、シラン化合物、および有機錫系触媒が混合されたクロロプレンゴム組成物を調整し、押出機100からTダイを介して押出すことで、クロロプレンゴム組成物の成形体としてシート40aを形成する。
クロロプレンゴムと耐油性向上成分とシラン化合物とを含むクロロプレンゴム組成物71としては、例えば、耐油性向上成分も含ませてペレット化したクロロプレンゴムにフィラ(無機充填剤)を打粉した後にシラン化合物を含浸させた材料を用いることができる。フィラとしては、例えば炭酸カルシウム等が用いられる。このような材料を用いることにより、押出前にシラン化合物をクロロプレンゴムに混練する熱履歴で早期架橋が進行して押出外観が荒れることを、抑制することができる。
その後の一次架橋および二次架橋の工程は、成形体の製造方法の第2の例と同様にして行うことができる。押出し、一次架橋、二次架橋の条件や効果等については、成形体の製造方法の第1、第2の例と同様である。
なお、以上の説明では、成形体を形成するクロロプレンゴム組成物の調整の仕方として、押出機100のホッパーからクロロプレンゴムと耐油性向上成分とを含むクロロプレンゴム組成物を供給し、押出機100の途中の投入口から有機錫系触媒とシラン化合物とを供給する態様において、成形体としてケーブルのシースを形成する例について説明したが、必要に応じて、このようなクロロプレンゴム組成物の調整の仕方で、成形体としてシート(あるいはその他の成形体)を形成してもよい。
また、以上の説明では、成形体を形成するクロロプレンゴム組成物の調整の仕方として、押出機100のホッパーからクロロプレンゴムと耐油性向上成分と有機錫系触媒とを含むクロロプレンゴム組成物を供給し、押出機100の途中の投入口からシラン化合物を供給する態様、および、押出機100のホッパーからクロロプレンゴムと耐油性向上成分とシラン化合物とを含むクロロプレンゴム組成物を供給し、押出機100の途中の投入口から有機錫系触媒を供給する態様において、成形体としてシートを形成する例について説明したが、必要に応じて、このようなクロロプレンゴム組成物の調整の仕方で、成形体としてケーブルのシース(あるいはその他の成形体)を形成してもよい。
なお、押出機100のホッパーから供給される材料、あるいは、押出機100の途中に設けられた投入口から供給される材料に、必要に応じて適宜、各種添加剤を配合してもよい。
(4)本実施形態の効果
本実施形態によれば、例えば、以下に示す1つまたは複数の効果が得られる。
耐油性向上成分として、クロロプレンゴム100質量部に対して2質量部以上5質量部以下含有された融点が120℃以上200℃未満の酸化防止剤、および、クロロプレンゴム100質量部に対して0.1質量部以上1質量部以下含有された酸化亜鉛の少なくとも一方を含むことで、架橋成形体における耐油性に優れたクロロプレンゴム組成物を得ることができる。このようなクロロプレンゴム組成物の架橋成形体は、初期の引張特性にも優れる。
比較的低温で架橋できエネルギーコスト低減の観点で優れている、クロロプレンゴムをシラン架橋した材料において、耐油性を向上させることができる。つまり、エネルギーコストに優れるとともに、耐油性に優れたクロロプレンゴム組成物を得ることができる。
以下、実施例について、比較例とともに説明する。
実施例および比較例では、クロロプレンゴム組成物の成形体として、シートと、ケーブル(3PNCT)のシースとを作製した。
作製したシートのサイズは、厚さ2mm、幅20mmである。
作製したケーブル(電線:3本×22mm)の各部位のサイズは、以下の通りである。
導体構成(外径/本数/素線径):7mm/20本/0.45mm
絶縁体厚さ:1.2mm
シース厚さ:2.7mm
仕上り外径:26mm
電線の絶縁体は、硫黄架橋EPRの各色(赤、白、黒)を導体上に所定の厚さに押出し被覆後、加圧水蒸気により架橋して得た。
電線3本を撚り合わせて撚り合せコアを形成した後、その外周にクロロプレンゴム組成物を押出機により押出し被覆して、シースを形成した。
表1に、クロロプレンゴム組成物の各材料(CR−1〜CR−21)の配合を示す。各成分について、クロロプレンゴム100質量部に対する含有量を示す。

Figure 0006651793
クロロプレンゴムとしては、Wタイプ(非硫黄変性タイプ)のものを用いた。
シラン化合物としては、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランを用いた。
耐油性向上成分に関しては、常温で固体である酸化防止剤として、表1に示す酸化防止剤1〜酸化防止剤10について検討し、酸化防止剤の融点や含有量の影響を調べた。また、耐油性成分に関しては、酸化亜鉛についても検討した。
耐油性向上成分としては、常温で液体である酸化防止剤も組み合わせて用いた。常温で液体である酸化防止剤としては、アミン系の酸化防止剤を用いた。
シラノール縮合触媒としては、有機錫系触媒を用いた。
その他の添加物としては、マグネシア、ステアリン酸、カーボンブラック、ナフテン系プロセスオイルを配合した。
表1に示すクロロプレンゴム組成物の各材料(CR−1〜CR−21)を、実施例1〜10および比較例1〜11において、シートまたはケーブルのシースに加工した。表2に、各実施例、比較例と各材料との対応、各材料と加工形状との対応、押出条件、一次架橋、二次架橋の架橋条件、および、各実施例、比較例における試験結果を示す。なお、表2では、実施例を「実」、比較例を「比」と省略して表記している。

Figure 0006651793
実施例1〜10および比較例1〜11のすべてにおいて、押出温度は100℃とし、一次架橋は0.4MPaの水蒸気により145℃で10分間行い、二次架橋は80℃乾燥を3日行った。
実施例1、2、4〜7、9、10、比較例1〜11ではシートを作製し、実施例3、8では撚り合せコアの外周にシースを形成してケーブルを作製した。
実施例1〜10および比較例1〜11の各特性評価は次の通りである。
(引張強さ、伸び)
引張特性の評価は、JIS C 3327に準拠し、3号ダンベルで厚さ2mmの試料片を打抜き、引張速度500mm/minで実施した。初期の引張特性として、引張強さ(TS)≧13MPa、伸び(TE)≧300%を合格とした。
(耐油性)
3号ダンベルで打抜いた厚さ2mmの試料片を、JISK 6258に規定するNo.2油中において120℃で18h(120℃×18h)保管後、引張速度500mm/minで引張試験を実施し、引張強度残率(TS残)および伸び残率(TE残)を評価した。引張強度残率、伸び残率のいずれも65%以上(規格は60%以上)を合格とした。
実施例1〜10は、いずれも、クロロプレンゴム100質量部に対して2質量部以上5質量部以下含有された融点が120℃以上200℃未満の酸化防止剤、および、クロロプレンゴム100質量部に対して0.1質量部以上1質量部以下含有された酸化亜鉛の少なくとも一方を含むことで、初期引張強さ≧13MPaおよび初期伸び≧300%を満たし初期の引張特性評価に合格するとともに、耐油引張強度残率≧65%および耐油伸び残率≧65%を満たし耐油性評価に合格している。
特に、融点が120℃以上200℃未満の酸化防止剤、および酸化亜鉛の両方を含有する実施例10は、耐油伸び残率が74と顕著に高くなっている。
これに対し、比較例1〜5、8〜10は、融点が120℃以上200℃未満の酸化防止剤、酸化亜鉛のいずれも含まず、耐油伸び残率が64以下と小さくなっている。
比較例6は、融点が120℃以上200℃未満の酸化防止剤の添加量が少なく、耐油伸び残率が61と小さくなっている。
比較例7は、融点が120℃以上200℃未満の酸化防止剤の添加量が過剰で、耐油伸び残率は65と大きいものの、初期伸びが290で規格を下回っている。
比較例11は、酸化亜鉛の添加量が過剰で、初期伸びが290と規格を下回っている。また、耐油伸び残率も62と小さくなっている。
以上、実施形態および実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
以下、本発明の好ましい形態について付記する。
(付記1)
クロロプレンゴムと、
シラン化合物と、
耐油性向上成分として、常温で固体であり融点が120℃以上200℃未満の酸化防止剤、および酸化亜鉛の少なくとも一方と、
を含み、
前記常温で固体であり融点が120℃以上200℃未満の酸化防止剤の含有量は、前記クロロプレンゴム100質量部に対して2質量部以上5質量部以下であり、
前記酸化亜鉛の含有量は、前記クロロプレンゴム100質量部に対して0.1質量部以上1質量部以下である、クロロプレンゴム組成物。
(付記2)
前記常温で固体であり融点が120℃以上200℃未満の酸化防止剤は、フェノール系の酸化防止剤である付記1に記載のクロロプレンゴム組成物。
(付記3)
さらに、常温で液体である酸化防止剤を含み、
前記耐油性向上成分として、前記常温で固体であり融点が120℃以上200℃未満の酸化防止剤、および前記酸化亜鉛の少なくとも一方と、前記常温で液体である酸化防止剤とが組み合わされて用いられている付記1または2に記載のクロロプレンゴム組成物。
(付記4)
前記常温で液体である酸化防止剤は、アミン系の酸化防止剤である付記3に記載のクロロプレンゴム組成物。
(付記5)
前記耐油性向上成分として、前記常温で固体であり融点が120℃以上200℃未満の酸化防止剤、および酸化亜鉛の両方を含む付記1〜4のいずれか1つに記載のクロロプレンゴム組成物。
(付記6)
クロロプレンゴムと、
シラン化合物と、
耐油性向上成分として、常温で固体であり融点が120℃以上200℃未満の酸化防止剤、および酸化亜鉛の少なくとも一方と、
を含み、
前記常温で固体であり融点が120℃以上200℃未満の酸化防止剤の含有量は、前記クロロプレンゴム100質量部に対して2質量部以上5質量部以下であり、
前記酸化亜鉛の含有量は、前記クロロプレンゴム100質量部に対して0.1質量部以上1質量部以下である、クロロプレンゴム組成物の成形体。
(付記7)
導体と、
前記導体の外周に配置された絶縁層と、
を有する絶縁電線またはケーブルであって、
前記絶縁層は、クロロプレンゴム組成物の架橋成形体であり、
前記クロロプレンゴム組成物は、
クロロプレンゴムと、
シラン化合物と、
耐油性向上成分として、常温で固体であり融点が120℃以上200℃未満の酸化防止剤、および酸化亜鉛の少なくとも一方と、
を含み、
前記常温で固体であり融点が120℃以上200℃未満の酸化防止剤の含有量は、前記クロロプレンゴム100質量部に対して2質量部以上5質量部以下であり、
前記酸化亜鉛の含有量は、前記クロロプレンゴム100質量部に対して0.1質量部以上1質量部以下である、絶縁電線またはケーブル。
(付記8)
クロロプレンゴムと、
シラン化合物と、
耐油性向上成分として、常温で固体であり融点が120℃以上200℃未満の酸化防止剤、および酸化亜鉛の少なくとも一方と、
を含み、
前記常温で固体であり融点が120℃以上200℃未満の酸化防止剤の含有量は、前記クロロプレンゴム100質量部に対して2質量部以上5質量部以下であり、
前記酸化亜鉛の含有量は、前記クロロプレンゴム100質量部に対して0.1質量部以上1質量部以下である、クロロプレンゴム組成物
により成形体を形成する工程と、
前記成形体を、0.1MPa以上0.6MPa以下の水蒸気あるいは温浴で加熱することで架橋する工程と、
を有するクロロプレンゴム組成物の成形体の製造方法。
(付記9)
前記成形体を形成する工程では、押出機の途中から、前記シラン化合物をポンプで圧入する付記8に記載のクロロプレンゴム組成物の成形体の製造方法。
(付記10)
前記クロロプレンゴム組成物として、ペレット化した前記クロロプレンゴムにフィラを打粉し前記シラン化合物を含浸させた材料が用いられる付記8に記載のクロロプレンゴム組成物の成形体の製造方法。
(付記11)
前記成形体を形成する工程では、押出機のホッパーから、前記クロロプレンゴム組成物を投入する付記10に記載のクロロプレンゴム組成物の成形体の製造方法。
(付記12)
前記成形体を架橋する工程では、巻取時の架橋結合数が0.3×10−4mol/g 以上となるように架橋し、
架橋された前記成形体を、巻取ドラムに巻取る工程をさらに有する、
付記8〜11のいずれか1つに記載のクロロプレンゴム組成物の成形体の製造方法。
(付記13)
前記成形体を架橋する工程では、巻取時の変形率として40℃、700g/cmにおける永久変形が3%以下となるように架橋し、
架橋された前記成形体を、巻取ドラムに巻取る工程をさらに有する、
付記8〜12のいずれか1つに記載のクロロプレンゴム組成物の成形体の製造方法。
(付記14)
さらに、前記巻取ドラムに巻取る工程の後に、前記成形体を、引張強さが13MPa以上かつ引張破断伸びが300%以上、120℃で18hの耐油試験後の耐油性として強度残率および伸び残率が65%以上となるように、80℃サウナあるいは80℃乾燥室内で3日間架橋する工程を有する、
付記12または13に記載のクロロプレンゴム組成物の成形体の製造方法。
10、10a、10b、10c ケーブル
20 電線
21 導体
22 絶縁体
25 撚り合せコア
30、30a、30b、30c シース
40、40a、40b、40c シート
100 押出機
101 ホッパー
102、103 投入口
110 一次架橋設備
120 巻取ドラム
130 二次架橋設備

Claims (9)

  1. クロロプレンゴムと、
    前記クロロプレンゴムを架橋可能なシラン化合物と、
    耐油性向上成分として、常温で固体であり融点が120℃以上200℃未満の酸化防止剤、および酸化亜鉛と、
    を含み、
    前記常温で固体であり融点が120℃以上200℃未満の酸化防止剤の含有量は、前記クロロプレンゴム100質量部に対して2質量部以上5質量部以下であり、
    前記酸化亜鉛の含有量は、前記クロロプレンゴム100質量部に対して0.1質量部以上1質量部以下である、クロロプレンゴム組成物。
  2. 前記常温で固体であり融点が120℃以上200℃未満の酸化防止剤は、フェノール系の酸化防止剤である請求項1に記載のクロロプレンゴム組成物。
  3. さらに、常温で液体である酸化防止剤を含み、
    前記耐油性向上成分として、前記常温で固体であり融点が120℃以上200℃未満の酸化防止剤、および前記酸化亜鉛と、前記常温で液体である酸化防止剤とが組み合わされて用いられている請求項1または2に記載のクロロプレンゴム組成物。
  4. 前記常温で液体である酸化防止剤は、アミン系の酸化防止剤である請求項3に記載のクロロプレンゴム組成物。
  5. 導体と、
    前記導体の外周に配置された絶縁層と、
    を有する絶縁電線またはケーブルであって、
    前記絶縁層は、クロロプレンゴム組成物の架橋成形体であり、
    前記クロロプレンゴム組成物は、
    クロロプレンゴムと、
    前記クロロプレンゴムを架橋可能なシラン化合物と、
    耐油性向上成分として、常温で固体であり融点が120℃以上200℃未満の酸化防止剤、および酸化亜鉛と、
    を含み、
    前記常温で固体であり融点が120℃以上200℃未満の酸化防止剤の含有量は、前記クロロプレンゴム100質量部に対して2質量部以上5質量部以下であり、
    前記酸化亜鉛の含有量は、前記クロロプレンゴム100質量部に対して0.1質量部以上1質量部以下である、絶縁電線またはケーブル。
  6. クロロプレンゴムと、
    前記クロロプレンゴムを架橋可能なシラン化合物と、
    耐油性向上成分として、常温で固体であり融点が120℃以上200℃未満の酸化防止剤、および酸化亜鉛と、
    を含み、
    前記常温で固体であり融点が120℃以上200℃未満の酸化防止剤の含有量は、前記クロロプレンゴム100質量部に対して2質量部以上5質量部以下であり、
    前記酸化亜鉛の含有量は、前記クロロプレンゴム100質量部に対して0.1質量部以上1質量部以下である、クロロプレンゴム組成物により成形体を形成する工程と、
    前記成形体を、0.1MPa以上0.6MPa以下の水蒸気あるいは温浴で加熱することで架橋する工程と、
    を有するクロロプレンゴム組成物の成形体の製造方法。
  7. 前記成形体を形成する工程では、押出機の途中から、前記シラン化合物をポンプで圧入する請求項に記載のクロロプレンゴム組成物の成形体の製造方法。
  8. 前記クロロプレンゴム組成物として、ペレット化した前記クロロプレンゴムにフィラを打粉し前記シラン化合物を含浸させた材料が用いられる請求項に記載のクロロプレンゴム組成物の成形体の製造方法。
  9. 前記成形体を形成する工程では、押出機のホッパーから、前記クロロプレンゴム組成物を投入する請求項に記載のクロロプレンゴム組成物の成形体の製造方法。
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