JP6649441B2 - 使い捨てカイロ用吸水剤および使い捨てカイロの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、使い捨てカイロの製造方法に関する。
吸水剤の用途として、オムツ等の衛生材が知られている。この用途では、0.9質量%程度の塩水(生理食塩水)の吸収性が考慮される。他に、高濃度の塩水を吸収する用途が知られている。この用途として、使い捨てカイロが挙げられる。
特開平9−323032では、使い捨てカイロの原料として、鉄粉および保水剤など2種類以上の粉体が用いられている。この公報には、酸化反応を抑制し、粉体の混合効率を向上させた粉体混合装置が記載されている。
特開平10−119903には、カイロ原料粉体を高速度で定量供給でき、構成が簡単な粉体定量供給装置が開示されている。
特開2004−26904では、発熱体構成物のべたつきや、生産ラインへの付着といった問題を解決するため、吸水速度が5〜80秒で、且つ平均粒子径が20〜150μmの吸水性樹脂が使用されている。
特開平9−323032号公報 特開平10−119903号公報 特開2004−26904号公報
本発明の目的は、より高性能のカイロが得られ、且つ生産効率に優れた使い捨てカイロの製造方法を提供することにある。具体的には、高濃度の食塩水の吸収能力に優れ、加圧下や機械的ダメージを受けても保水能力が低下しにくい吸水剤を用いる使い捨てカイロの製造方法である。
好ましい使い捨てカイロ製造方法は、3.5%食塩水の加圧下吸水倍率が10g/g以上であり、ダメージ後の3.5%食塩水の加圧下吸水倍率が10g/g以上である吸水剤を用いた製造方法である。
好ましくは、上記吸水剤の、3.5%食塩水の吸収速度が、30秒以下である。
好ましい使い捨てカイロ用吸水剤は、3.5%食塩水の加圧下吸水倍率が10g/g以上である。好ましくは、この吸水剤では、ダメージ後の3.5%食塩水の加圧下吸水倍率が10g/g以上である。好ましくは、この吸水剤では、3.5%食塩水の吸収速度が30秒以下である。
高濃度の食塩水の吸収能力に優れ、加圧下及び機械的ダメージ後においても保水能力が低下しにくい吸水剤が用いられることで、使い捨てカイロの生産効率が高まる。
図1は、ダメージ試験に用いられる容器の分解図である。 図2は、ダメージ試験に用いられる分散機の側面図である。 図3は、ダメージ試験における容器の振動の様子が示された図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
〔1〕用語の定義
(1−1)「吸水剤」
本願における「吸水剤」とは、下記吸水性樹脂を80質量%、好ましくは90質量%以上含有する水性液のゲル化剤である。本願における「吸水剤」は、吸水性樹脂以外に、水、無機粒子等を0〜20質量%含む。
(1−2)「吸水性樹脂」
本願における「吸水性樹脂」とは、水膨潤性水不溶性の高分子ゲル化剤を意味し、以下の物性を有するものをいう。即ち、「水膨潤性」とは、ERT441.2−02(2002)で規定されるCRC(無加圧下吸水倍率)が5(g/g)以上であることを意味する。「水不溶性」とは、ERT470.2−02(2002)で規定されるExt(水可溶分)が50重量%以下であることを意味する。これらの物性を有する高分子ゲル化剤が、本願における「吸水性樹脂」である。
上記吸水性樹脂は、その用途に応じて適宜、設計が可能であり、特に限定されない。好ましくは、上記吸水性樹脂は、カルボキシル基を有する不飽和単量体を架橋重合させた親水性架橋重合体である。また、上記吸水性樹脂は、その全量(100重量%)が重合体である形態に限定されない。例えば、上記吸水性樹脂は、上記物性(CRC、Ext)を満足する範囲内で、添加剤等を含んだ吸水性樹脂組成物であってもよい。
本願における吸水性樹脂は、最終製品に限らず、吸水性樹脂の製造工程における中間体を意味してもよい。この中間体として、例えば、重合後の含水ゲル、乾燥後の乾燥重合体、表面架橋前の吸水性樹脂粉末等が挙げられる。この中間体を含めて、「吸水性樹脂」と総称される。
吸水性樹脂の形状として、シート状、繊維状、フィルム状、粒子状、ゲル状等が挙げられる。粒子状の吸水性樹脂が好ましい。
(1−3)「ポリアクリル酸(塩)」
本願における「ポリアクリル酸(塩)」とは、グラフト成分を任意に含み、繰り返し単位として、アクリル酸及び/又はその塩(以下、「アクリル酸(塩)」と称する)を主成分とする重合体を意味する。
なお、「主成分」とは、アクリル酸(塩)の含有量(使用量)が、重合に用いられる単量体(内部架橋剤を除く)全体に対して、通常50〜100モル%、好ましくは70〜100モル%、より好ましくは90〜100モル%、更に好ましくは実質100モル%であることをいう。また、重合体としてのポリアクリル酸塩は、水溶性塩を必須に含み、好ましくは一価の塩、より好ましくはアルカリ金属塩又はアンモニウム塩を含む。
(1−4)「EDANA」及び「ERT」
「EDANA」とは、欧州不織布工業会(European Disposables and Nonwovens Associations)の略称である。「ERT」とは、欧州標準の吸水性樹脂の測定法(EDANA Recommended Test Methods)の略称である。本願では、特に断りのない限り、ERT原本(2002年改定)に準拠して、吸水性樹脂の諸物性が測定される。
(a)「CRC」(ERT441.2−02)
「CRC」は、Centrifuge Retention Capacity(遠心分離機保持容量)の略称であり、無加圧下吸水倍率を意味する。このCRCは、単に「吸水倍率」と称されることもある。不織布中の吸水性樹脂0.2gを、大過剰の0.9重量%塩化ナトリウム水溶液を用いて30分間自由膨潤させ、その後、遠心分離機(250G)で水切りした場合の吸水倍率が、上記CRCである。このCRCの単位は、g/gである。
(b)「Ext」(ERT470.2−02)
「Ext」は、Extractablesの略称であり、水可溶分を意味する。吸水性樹脂1.0gが、0.9重量%塩化ナトリウム水溶液200mlに混合され、500rpmで16時間攪拌した後の溶解したポリマー量が、pH滴定で測定される。この測定値が、上記Extである。このExtの単位は、重量%である。
(c−1)「高濃度塩水加圧下吸水倍率(高濃度塩水AAP)」
「AAP」は、Absorption Against Pressureの略称であり、加圧下吸水倍率を意味する。大過剰の0.9重量%塩化ナトリウム水溶液を用いて、吸水性樹脂0.9gを、2.06kPa(0.3psi)荷重下で1時間膨潤させた場合の吸水倍率が、ERT442.2−02におけるAAPである。このAAPの単位は、g/gである。
本願では、0.9%食塩水を用いた上記AAPに代えて、3.5%食塩水の加圧下吸水倍率が適用される。この加圧下吸水倍率は、高濃度塩水加圧下吸水倍率または高濃度塩水AAPとも称される。この高濃度塩水AAPの測定は、0.90質量%塩化ナトリウム水溶液を3.50質量%塩化ナトリウム水溶液に変更した以外は、ERT442.2−02に準じて行う。具体的には、次の通りである。吸水性樹脂または吸水剤0.900g(質量W1[g])を測定装置に投入し、測定装置一式の質量(W2[g])が測定される。次に、3.50質量%塩化ナトリウム水溶液を2.06kPaの加圧下で該吸水性樹脂または吸水剤に吸収させる。1時間経過後、測定装置一式の質量(W3[g])が測定される。得られたW1[g]、W2[g]及びW3[g]を用いて、次式1に従い、高濃度塩水AAPが算出される。
(式1) 高濃度塩水AAP[g/g]=(W3−W2)/W1
(c−2)「ダメージ試験後の高濃度塩水加圧下吸水倍率(ダメージ後高濃度塩水AAP)」
本願では、上記高濃度塩水AAPに加えて、ダメージ後の3.5%食塩水の加圧下吸水倍率が考慮される。この加圧下吸水倍率は、ダメージ後高濃度塩水AAPとも称される。ダメージ試験を行った後の高濃度塩水AAPが、ダメージ後高濃度塩水AAPである。このダメージ試験については、後述される。
(d)「Residual Monomers」(ERT410.2−02)
「Residual Monomers」は、吸水性樹脂中に残存する単量体(モノマー)量を意味する。以下において、この「Residual Monomers」は、「」残存モノマー」とも称される。吸水性樹脂1.0gが0.9重量%塩化ナトリウム水溶液200mlに混合され、500rpmで1時間攪拌した後の溶解した残存モノマー量が、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で測定される。この測定値が、残存モノマー量である。この残存モノマー量の単位は、ppmである。
(e)「Moisture Content」(ERT430.2−02)
「Moisture Content」は、吸水性樹脂の含水率を意味する。ERT430.2−02において、含水率は、吸水性樹脂4.0gについて、105℃で3時間乾燥した際の乾燥減量から算出した値である。本願においては、吸水性樹脂を1.0gに変更し、且つ乾燥温度を180℃に変更する他は、ERT430.2−02と同様にして、含水率が測定される。この含水率の単位は、重量%である。
(f)「PSD」(ERT420.2−02)
「PSD」とは、Particle Size Distributionの略称であり、ふるい分級により測定される粒度分布を意味する。具体的には、目開き850μm、500μm、300μm、150μmを有するJIS標準篩又はこのJIS標準篩相当する篩を用いて、粒子状吸水剤10gを分級し、各篩上に残った吸水性樹脂及び全篩を通過した吸水性樹脂の質量が、それぞれ測定される。JIS標準篩は、JIS Z8801−1(2000)に規定されている。なお、質量平均粒子径(D50)及び粒子径分布幅は、欧州公告特許第0349240号明細書7頁25〜43行に記載された「(1) Average Particle Diameter and Distribution of Particle Diameter」と同様の方法で測定される。
なお、後述の表1では、上記PSDの結果が示されている。この表1では、目開き850μmの篩の上に残った粒子の質量割合が、「on 850μm」の欄に示されている。目開き500μmの篩の上に残った粒子の質量割合が、「on 500μm」の欄に示されている。目開き300μmの篩の上に残った粒子の質量割合が、「on 300μm」の欄に示されている。目開き150μmの篩の上に残った粒子の質量割合が、「on 150μm」の欄に示されている。目開き150μmの篩を通過した粒子の質量割合が、「thru 150μm」の欄に示されている。
(1−5)「高濃度塩水吸収速度」
本願では、3.5%食塩水の吸収速度が考慮される。この吸収速度は、高濃度塩水吸収速度とも称される。この高濃度塩水吸収速度の測定方法は、次の通りである。3.50質量%の塩化ナトリウム水溶液1000質量部に、食品添加物である食用青色1号(CAS番号;3844−45−9)0.02質量部を添加、溶解し、液温が30.0±0.1℃に調整される。次に、容量100mLのガラス製ビーカー(胴径55mm、高さ70mm;JIS R−3503に準拠したもの。例えば、相互理化学硝子製作所製のビーカー)に当該3.50質量%塩化ナトリウム水溶液50mLを量り取り、テフロン(登録商漂)製マグネット式攪拌子(長さ40mm、中心部直径8mm、端部直径7mm;例えば、相互理化学硝子製作所製S型)を用いて、600rpmで攪拌する。続いて、当該攪拌中の3.50質量%塩化ナトリウム水溶液に、吸水性樹脂または吸水剤5.00g(5.000±0.005g)を投入する。この投入の時点を起点とし、攪拌による渦が消え且つ攪拌子が見えなくなる時点を終点として、起点から終点までの時間を測定する。この測定時間が、高濃度塩水吸収速度[秒]である。
(1−6)その他
本願において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上、Y以下」を意味する。また、特に注釈のない限り、重量の単位である「t(トン)」は「Metric ton(メトリック トン)」を意味し、「ppm」は「重量ppm」又は「質量ppm」を意味する。更に、「重量」と「質量」、「重量部」と「質量部」、「重量%」と「質量%」は同義語として扱う。また、「〜酸(塩)」は「〜酸及び/又はその塩」を意味し、「(メタ)アクリル」は、「アクリル及び/又はメタクリル」を意味する。また、便宜上、「リットル」を「l」又は「L」、「重量%」を「wt%」と記すことがある。
〔2〕吸水剤の製造方法
以下に、本発明に係る吸水剤の製造工程(2−1)〜(2−10)を説明する。
(2−1)単量体水溶液の調製工程
本工程は、アクリル酸(塩)を主成分として含む水溶液(単量体水溶液)を調製する工程である。なお、単量体水溶液の代わりに、吸水物性を下げない程度に単量体のスラリーを用いてもよいが、便宜上単量体水溶液として説明する。
(アクリル酸)
公知のアクリル酸が使用されうる。このようなアクリル酸には、通常、重合禁止剤や不純物等の微量成分が含まれている。重合禁止剤としてはフェノール類が好ましく、メトキシフェノール類がより好ましい。また、その濃度は重合性や吸水性樹脂の色調から1〜200ppmが好ましく、10〜160ppmがより好ましい。不純物としては、例えば米国特許公開公報第2008/0161512号明細書が参照される。
(併用される単量体)
上記アクリル酸(塩)と共に他の単量体が併用されてもよい。当該他の単量体としては、水溶性または疎水性の不飽和単量体が挙げられ、より具体的には、米国特許出願公開第2005/215734号の段落[0035]に記載の単量体(ただしアクリル酸を除く)が挙げられる。なお、本発明に係る吸水性樹脂には、上記水溶性又は疎水性の不飽和単量体を共重合成分とするものも含まれる。
重合して吸水性樹脂となる単量体成分の例としては、(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、ビニルスルホン酸、アリルトルエンスルホン酸、ビニルトルエンスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルフォスフェート等の、アニオン性不飽和単量体及びその塩;メルカプタン基含有不飽和単量体;フェノール性水酸基含有不飽和単量体;(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有不飽和単量体;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のアミノ基含有不飽和単量体が挙げられる。これら単量体は単独で用いてもよく、適宜2種類以上を混合して用いてもよいが、得られる吸水性樹脂の性能やコストの点から、アクリル酸及び/又はその塩を主成分として用いることが好ましい。アクリル酸の塩としては、例えば、ナトリウム、リチウム、カリウム、アンモニウム、アミン類等の塩が挙げられる。これらの中でも、コスト面の観点から、ナトリウム塩が好ましい。好ましくは、アクリル酸及び/又はその塩が、架橋剤を除く全単量体成分に対して70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、特に好ましくは95モル%以上であり、上限は100モル%である。
(塩基性組成物)
好ましい吸水性樹脂は、アクリル酸(塩)を架橋重合したポリアクリル酸(塩)である。当該ポリアクリル酸(塩)を得るために、この吸水性樹脂の製造工程は、アクリル酸を塩基性組成物で中和する工程(中和工程)を有するのが好ましい。なお、本発明において「塩基性組成物」とは、塩基性化合物を含有する組成物を意味する。
上記塩基性化合物としては、例えば、アルカリ金属の炭酸(水素)塩、アルカリ金属の水酸化物、アンモニア、有機アミン等が挙げられる。より高物性の吸水性樹脂を得る観点から、強アルカリ性物質、即ち、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属の水酸化物が好ましく、水酸化ナトリウムが特に好ましい。
(中和工程)
上記中和工程として、単量体としてのアクリル酸に対する中和、又は、アクリル酸を架橋重合して得られる含水ゲル状架橋重合体に対する中和(後中和工程)が含まれる。いずれの場合も、中和工程は、連続式であってもよいし、バッチ式であってもよい。好ましくは連続式が採用される。好ましい装置、塩基性組成物、温度条件、滞留時間等の中和条件については、国際公開第2009/123197号や米国特許出願公開第2008/0194863号に開示された内容が好ましく適用される。
なお、単量体水溶液中の酸基に対する中和率は、10〜90モル%が好ましく、40〜85モル%がより好ましく、50〜80モル%が更に好ましく、60〜75モル%が特に好ましい。上記中和率が10モル%未満の場合、無加圧下吸水倍率(CRC)が著しく低下することがあり、一方、中和率が90モル%を超える場合、高濃度塩水AAPの高い吸水性樹脂が得られないことがあり好ましくない。重合後に中和を行う場合の中和率についても同様であり、更には、最終製品の吸水性樹脂の中和率についても同様である。アクリル酸塩は実質的に一価塩であるが、極少量(例えば、0〜5モル%程度)が、多価金属塩として中和されてもよい。
(内部架橋剤)
内部架橋剤としては、アクリル酸と反応しうる置換基を2個以上もつ化合物であり、例えば米国特許第6241928号の第14カラムに記載の架橋剤が挙げられる。これらのうち、1種又は2種以上が用いられうる。なお、得られる吸水性樹脂の吸水特性等を考慮して、2個以上の重合性不飽和基を有する化合物、さらには後述の乾燥温度程度で熱分解性をもつ化合物、特に(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートが重合時に用いられるのが好ましい。
架橋剤としては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、N,N´−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、イソシアヌル酸トリアリル、トリメチロールプロパンジ(メタ)アリルエーテル、トリアリルアミン、テトラアリロキシエタン、グリセロールプロポキシトリアクリレート等の1分子中にエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルアルコール、ジエタノールアミン、トリジエタノールアミン、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ペンタエリスリトール、ソルビット、ソルビタン、グルコース、マンニット、マンニタン、ショ糖、ブドウ糖などの多価アルコール;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等のポリグリシジルエーテル;エピクロロヒドリン、α−メチルクロルヒドリン等のハロエポキシ化合物;グルタールアルデヒド、グリオキザール等のポリアルデヒド;エチレンジアミン等のポリアミン類が挙げられる。他の架橋剤として、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、炭酸カルシウム、塩化硼砂マグネシウム、酸化マグネシウム、塩化アルミニウム、塩化亜鉛および塩化ニッケル等の、周期律表2A族、3B族、8族の金属の水酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩、酸化物、硼砂等の硼酸塩が挙げられる。更に、他の架橋剤として、アルミニウムイソプロピラート等の多価金属化合物等が挙げられる。これらの架橋剤の1種または2種以上が、反応性を考慮した上で、用いられうる。1分子中にエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物を、架橋剤として用いるのが最も好ましい。
吸水特性の観点から、上記内部架橋剤の使用量は、単量体に対して、0.005〜2モル%が好ましく、0.01〜1モル%がより好ましく、0.05〜0.5モル%が更に好ましい。
なお、重合前に内部架橋剤を添加して架橋する方法以外に、重合中や重合後に内部架橋剤を添加して後架橋する方法、ラジカル重合開始剤でラジカル架橋する方法、電子線等による放射線架橋する方法等が採用されうる。予め所定量の内部架橋剤を単量体に添加して重合を行い、重合と同時に架橋反応させる方法がより好ましい。
(その他単量体に添加する物質)
単量体水溶液を調製する際に、上述した物質以外に下記の物質を添加することもできる。具体的には、吸水性樹脂の諸物性を改善することを目的として、水溶性樹脂又は吸水性樹脂を好ましくは0〜50重量%、より好ましくは0〜20重量%を添加したり、各種の発泡剤(例えば、炭酸塩、アゾ化合物、気泡等)、界面活性剤、キレート剤、連鎖移動剤等を好ましくは0〜5重量%、より好ましくは0〜1重量%を添加したりすることもできる。これらの物質は単量体水溶液に添加する形態のみならず、重合途中に添加してもよい。
なお、上記水溶性樹脂又は吸水性樹脂の使用は、グラフト重合体又は吸水性樹脂組成物(例えば、澱粉−アクリル酸重合体、PVA−アクリル酸重合体等)を与えうる。これらのグラフト重合体及び吸水性樹脂組成物も、吸水性樹脂の概念に含まれる。
(単量体成分の濃度)
本工程(2−1)において、上述した各物質を混合することで単量体水溶液が調製される。単量体水溶液中の単量体成分の濃度は特に限定されない。吸水性樹脂の物性の観点から、この単量体成分の濃度は、10〜80質量%が好ましく、20〜75質量%がより好ましく、30〜70質量%が更に好ましい。
また、重合形態として水溶液重合又は逆相懸濁重合を採用する場合には、水以外の溶媒を必要に応じて併用することもでき、その場合、使用される溶媒の種類は特に限定されるものではない。
なお、上記「単量体成分の濃度」は、下記式で求められる。グラフト成分、吸水性樹脂及び逆相懸濁重合における疎水性溶媒は、単量体水溶液に含まれない。
(単量体成分の濃度(質量%))=(単量体成分の質量)/(単量体水溶液の質量)×100
(2−2)重合工程
本工程は、上記単量体調製工程で得られたアクリル酸(塩)系単量体水溶液を重合させて含水ゲル状架橋重合体を得る工程である。含水ゲル状架橋重合体は、「含水ゲル」とも称される。
(重合開始剤)
この重合工程で使用される重合開始剤は、重合形態等によって適宜選択されるため、特に限定されない。重合開始剤として、例えば、熱分解型重合開始剤、光分解型重合開始剤又はこれらの重合開始剤の分解を促進する還元剤を併用したレドックス系重合開始剤が挙げられる。具体的には、米国特許7265190号の第5カラムに例示された重合開始剤のうち1種又は2種以上が用いられうる。なお、取扱いの容易性及び吸水性樹脂の物性面から、過酸化物又はアゾ化合物、さらには過酸化物、特に過硫酸塩を用いることが好ましい。
通常、重合は、装置及び操作の容易性等の観点から、常圧下で行われる。しかし、重合系の沸騰温度を下げる観点から、減圧下で行われるのも好ましい態様である。
重合開始剤は特に制限されない。重合させるモノマーの種類や重合条件などに合わせて、通常の吸水性樹脂製造において利用されている重合開始剤の中から1種又は2種以上が選択されうる。この重合開始剤として、例えば、熱分解型開始剤及び光分解型開始剤が挙げられる。上記熱分解型開始剤として、例えば、過硫酸塩、過酸化物及びアゾ化合物が挙げられる。過硫酸塩として、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム及び過硫酸アンモニウムが挙げられる。過酸化物として、例えば、過酸化水素、t−ブチルパーオキシド及びメチルエチルケトンパーオキシドが挙げられる。アゾ化合物として、例えば、アゾニトリル化合物、アゾアミジン化合物、環状アゾアミジン化合物、アゾアミド化合物、アルキルアゾ化合物、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド及び2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリドが挙げられる。上記光分解型開始剤として、例えば、ベンゾイン誘導体、ベンジル誘導体、アセトフェノン誘導体、ベンゾフェノン誘導体及びアゾ化合物が挙げられる。コスト及び残存モノマー低減能の観点から、過硫酸塩が好ましい。また、これら重合開始剤の分解を促進する還元剤と重合開始剤とを併用し、両者を組み合わせることによりレドックス系開始剤とすることもできる。
上記還元剤としては、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等の(重)亜硫酸(塩)、L−アスコルビン酸(塩)、第一鉄塩等の還元性金属(塩)、アミン類等が挙げられるが、特に限定されない。レドックス系開始剤のように酸化性重合開始剤と還元剤を用いる場合、それぞれを本発明の方法でモノマー液に合流させてもよいし、還元剤を予めモノマー液に混合しておいてもよい。より好ましくは、光分解型開始剤と熱分解型開始剤を併用することである。
上記重合開始剤の使用量は、単量体に対して、0.001〜1モル%が好ましく、0.001〜0.5モル%がより好ましい。また、上記還元剤の使用量は、単量体に対して、0.0001〜0.02モル%が好ましい。
また、上記重合開始剤に代えて、放射線、電子線、紫外線等の活性エネルギー線を照射して重合反応が実施されてもよい。これらの活性エネルギー線と重合開始剤とが併用されてもよい。
(重合方法)
この重合工程で適用される重合方法は、特に限定されない。吸水特性や重合制御の容易性等の観点から、噴霧液滴重合、水溶液重合及び逆相懸濁重合が好ましく、水溶液重合及び逆相懸濁重合がより好ましく、水溶液重合が更に好ましい。中でも、連続水溶液重合が特に好ましい。この連続水溶液重合は、連続ベルト重合でもよいし、連続ニーダー重合でもよい。
上記連続ベルト重合の具体例は、米国特許第4893999号、米国特許第6241928号、米国特許出願公開第2005/215734号等に開示されている。上記連続ニーダー重合の具体例は、米国特許第6987151号、米国特許第6710141号等に開示されている。これらの連続水溶液重合を採用することで、吸水性樹脂の生産効率が向上する。
また、上記連続水溶液重合の好ましい一例として、高温開始重合や高濃度重合が挙げられる。「高温開始重合」とは、単量体水溶液の温度を好ましくは30℃以上、より好ましくは35℃以上、更に好ましくは40℃以上、特に好ましくは50℃以上(上限は沸点)の温度で重合を開始する重合方法をいい、「高濃度重合」とは、単量体濃度を好ましくは30質量%以上、より好ましくは35質量%以上、更に好ましくは40質量%以上、特に好ましくは45質量%以上(上限は飽和濃度)で重合を行う重合方法をいう。これらの重合方法を併用することもできる。
なお、重合中に固形分濃度を上昇させてもよい。このような固形分濃度の上昇の指標としての固形分上昇度は、下記式により定義される。
(固形分上昇度(質量%))=(重合後の含水ゲルの固形分濃度(質量%))−(単量体水溶液の固形分濃度(質量%))
ただし、単量体水溶液の固形分濃度とは下記式で求められる値である。この式において、重合系内の成分とは、単量体水溶液、グラフト成分、吸水性樹脂及びその他固形物(例えば水不溶性微粒子等)である。逆相懸濁重合における疎水性溶媒は、重合系内の成分に含まれない。
(単量体水溶液の固形分(質量%))=((単量体成分+グラフト成分+吸水性樹脂+その他固形物)の質量)/(重合系内の成分の質量)×100
好ましい固形分上昇度は、1質量%以上、より好ましくは2質量%以上である。
重合工程は、空気雰囲気下で実施されてもよいし、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で実施されてもよい。色調の観点から、不活性ガス雰囲気下で実施されるのが好ましい。不活性ガス雰囲気下で実施される場合、例えば、酸素濃度が1容積%以下に制御されるのが好ましい。また、単量体水溶液に気泡(特に上記不活性ガス等)を分散させて重合する発泡重合も可能である。なお、重合工程において、単量体あるいは単量体水溶液中の溶存酸素は、不活性ガスで十分に置換されるのが好ましく、例えば、溶存酸素が1(mg/l)未満とされるのが好ましい。
(2−3)ゲル粉砕工程(ゲル解砕工程)
本工程は、上記重合工程で得られた含水ゲルをゲル粉砕機等でゲル粉砕し、粒子状の含水ゲル(以下、「粒子状含水ゲル」と称する)を得る工程である。ゲル粉砕機として、例えば、ニーダー、ミートチョッパー及びカッターミルが挙げられる。なお、上記重合工程がニーダー重合の場合、重合工程とゲル粉砕工程とが同時に実施されている。
このゲル粉砕工程におけるゲル粉砕方法は、特に限定されない。例えば、国際公開第2011/126079号パンフレットに開示されたゲル粉砕方法が、好ましく適用される。
(2−4)乾燥工程
本工程は、上記重合工程及び/又はゲル粉砕工程で得られた粒子状含水ゲルを、所定の樹脂固形分率となるまで乾燥させて、乾燥重合体を得る工程である。なお、当該樹脂固形分率は、乾燥減量から求められる。この乾燥減量とは、吸水性樹脂1.0gを180℃で3時間加熱した際の質量変化である。上記樹脂固形分率は、80質量%以上が好ましく、85〜99質量%がより好ましく、90〜98質量%が更に好ましく、92〜97質量%が特に好ましい。
この乾燥工程での乾燥方法は、特に限定されない。例えば、加熱乾燥、熱風乾燥、減圧乾燥、流動層乾燥、赤外線乾燥、マイクロ波乾燥、ドラムドライヤー乾燥、疎水性有機溶媒との共沸脱水による乾燥、高温の水蒸気を用いた高湿乾燥等、種々の乾燥方法が適用される。
効率の観点から、これらの乾燥方法の中でも、熱風乾燥が好ましく、特にベルト上で熱風乾燥を行うバンド乾燥が好ましい。色調及び効率の観点から、熱風温度は、100〜250℃が好ましく、120〜220℃がより好ましい。なお、バンド乾燥を行う際の条件として、例えば、国際公開第2006/100300号パンフレット、国際公開第2011/025012号パンフレット、国際公開第2011/025013号パンフレット、国際公開第2011/111657号パンフレット等に記載の条件が参照されうる。
乾燥温度が上記範囲とされることで、得られる吸水性樹脂において、吸水倍率(CRC)、水可溶分(Ext)及び色調が、所望の範囲(下記〔3〕を参照)とされうる。
(2−5)粉砕工程、分級工程
粉砕工程では、上記乾燥工程で得られた乾燥重合体が粉砕される。分級工程では、粒度が所定範囲に調整される。本工程は、粉砕工程及び分級工程により吸水性樹脂粉末を得る工程である。表面架橋を施す前の、粉末状の吸水性樹脂が、便宜上、「吸水性樹脂粉末」と称される。
上記粉砕工程で使用される機器としては、ロールミルが特に好ましい。ロールミルに併用されうる機器として、例えば、ハンマーミル、スクリューミル、ピンミル等の高速回転式粉砕機、振動ミル、ナックルタイプ粉砕機、円筒型ミキサー等が挙げられる。
上記分級工程での粒度調整方法は特に限定されない。この粒度調整方法として、例えば、篩分級、気流分級等が挙げられる。篩分級として、例えば、JIS標準篩(JIS Z8801−1(2000))を用いた分級が挙げられる。なお、吸水性樹脂の粒度調整は、上記粉砕工程及び分級工程に限定されず、重合工程(特に逆相懸濁重合又は噴霧液滴重合)又はその他の工程(例えば、造粒工程又は微粉回収工程)で、適宜実施できる。
表面架橋後の吸水性樹脂が、便宜上「吸水性樹脂粒子」とも称される。吸水性樹脂粒子の質量平均粒子径(D50)は、200〜700μmが好ましく、250〜600μmがより好ましく、250〜500μmが更に好ましく、300〜450μmが特に好ましい。この粒度分布は、上述したPSDによって測定される。
吸水性樹脂粒子において、粒子径分布の対数標準偏差(σζ)は、0.20〜0.50が好ましく、0.25〜0.40がより好ましく、0.27〜0.35が更に好ましい。なお、これらの粒度は、国際公開第2004/69915号又はEDANA ERT420.2−02に開示されている測定方法に準じて、標準篩を用いて測定される。
上述した粒度は、吸水性樹脂粒子のみならず、最終製品としての吸水剤についても適用される。そのため、吸水性樹脂粒子において、上記範囲の粒度を維持するように、表面架橋処理されることが好ましい。
(2−6)表面架橋工程
本工程は、上述した吸水性樹脂粉末の表面層に、更に架橋密度の高い部分を設ける工程である。表面層とは、吸水性樹脂粉末の表面から数10μmの部分である。この表面架橋工程は、吸水性樹脂粉末と表面架橋剤溶液とを混合して混合物を得る混合工程と、当該混合物を加熱処理する加熱処理工程とを含む。必要に応じて、表面架橋工程は、加熱処理された混合物を冷却する冷却工程を更に含んでいてもよい。
当該表面架橋工程では、吸水性樹脂粉末表面で、ラジカル架橋、表面重合、表面架橋剤との架橋反応等が起こる。結果として、表面架橋された吸水性樹脂(吸水剤)が得られる。
表面架橋により、表面層の強度が向上し、吸水剤の耐ダメージ性が高まる。この表面架橋により、高濃度塩水AAP及びダメージ後高濃度塩水AAPが向上する。
(表面架橋剤)
表面架橋工程で用いられ得る表面架橋剤は、特に限定されない。この表面架橋剤として、例えば、種々の有機又は無機の表面架橋剤が挙げられる。これらの中でも、吸水性樹脂の物性及び表面架橋剤の取扱い性の観点から、カルボキシル基と反応して共有結合を形成する有機表面架橋剤が好ましい。より具体的には、米国特許7183456号の第9、10カラムに記載の1つまたは2つ以上の表面架橋剤が挙げられ、必要により、親水性有機溶媒が併用されてもよい。トータルの表面架橋剤の使用量は、吸水性樹脂粉末100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、0.01〜5質量部がより好ましい。また、表面架橋剤を添加する際に水を使用することが好ましく、表面架橋剤は水溶液として添加されることが好ましい。水の使用量は、吸水性樹脂粉末100質量部に対し0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。必要により親水性有機溶媒を用いる場合の使用量は、吸水性樹脂粉末100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。以上の表面架橋剤(水溶液)に加え、後述の「再加湿工程」で用いる添加剤が用いられてもよい。この添加剤は、表面架橋剤(水溶液)と混合して用いられてもよいし、個別で本工程中において添加されてもよい。この添加剤の使用量は、吸水性樹脂粉末100質量部に対して、5質量部以下が好ましい。
液状物(B)を構成する表面架橋剤は、吸水性樹脂(A)が有する2つ以上のカルボキシル基と反応可能な官能基を1分子中に複数有し、架橋反応によって共有結合が形成される化合物であれば、特に限定されるものではない。上記の表面架橋剤としては、具体的には、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン等の多価アルコール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の多価アミン化合物、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等の多価グリシジル化合物、2,4−トリレンジイソシアネート、エチレンカーボネート(1,3−ジオキソラン−2−オン)、プロピレンカーボネート(4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン)、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、(ポリ、ジ、またはモノ)2−オキサゾリジノン、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、ジグリコールシリケート、2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]等の多価アジリジン化合物等が挙げられるが、これら化合物に限定されるものではない。
また、これらの表面架橋剤は、一種類のみを用いても良く、二種類以上を併用してもよい。ダメージ後高濃度塩水AAPを高める観点から、二種類又は二種類以上の表面架橋剤を用いることが好ましい。複数種類を用いる場合には、少なくとも一種類は、多価アルコール、多価グリシジル化合物、1,3−ジオキソラン−2−オン、ポリ2−オキサゾリジノン、ビス2−オキサゾリジノン及びモノ2−オキサゾリジノンからなる群から選ばれる表面架橋剤であることが好ましく、多価アルコールあるいは多価グリシジル化合物を含む表面架橋剤であることがより好ましく、多価グリシジル化合物を含む表面架橋剤であることがより好ましい。
吸水性樹脂(A)と表面架橋剤とを混合する際には、溶媒として水を用いることが好ましく、液状物(B)は表面架橋剤水溶液であることが好ましい。水の使用量は、吸水性樹脂(A)の種類や粒径等にもよるが、吸水性樹脂(A)の固形分100質量部に対して、0を超え、20質量部以下が好ましく、0.5〜10質量部の範囲内がより好ましい。また、吸水性樹脂(A)と表面架橋剤とを混合する際には、必要に応じて、溶媒として親水性有機溶媒を用いてもよい。上記の親水性有機溶媒としては、具体的には、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等の低級アルコール類;アセトン等のケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アルコキシポリエチレングリコール等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等が挙げられる。親水性有機溶媒の使用量は、吸水性樹脂(A)の種類や粒径等にもよるが、吸水性樹脂(A)の固形分100質量部に対して20質量部以下が好ましく、より好ましくは0〜10質量部、さらに好ましくは0〜5質量部、特に好ましくは0〜1質量部である。これらの表面架橋剤は混合性に優れるため、特に親水性溶媒を用いなくても均一な混合が達成可能である。
(混合工程)
表面架橋工程での表面架橋剤溶液の添加・混合方法は、特に限定されない。表面架橋剤及び溶媒としての水、親水性有機溶媒又はこれらの混合物を予め用意した後、吸水性樹脂粉末に対して、噴霧又は滴下して添加し混合することが好ましく、噴霧して添加し混合することがより好ましい。
表面架橋剤溶液と吸水性樹脂粉末との混合に用いられる混合装置は、特に限定されない。この混合装置として、好ましくは高速撹拌型混合機、より好ましくは高速撹拌型連続混合機が挙げられる。
(加熱処理工程)
上述した表面架橋剤溶液を添加・混合された吸水性樹脂粉末は加熱処理され、その後、必要に応じて、冷却処理される。加熱には公知の乾燥機が適用できる。好ましい乾燥機として、パドルドライヤーが挙げられる。高濃度塩水AAP及びダメージ後高濃度塩水AAPを高める観点から、加熱温度は、80〜250℃が好ましく、100〜220℃がより好ましい。
加熱処理時間は、表面架橋剤の種類とその量、更に加熱温度とを勘案し、適宜設定すればよい。加熱温度を高くし、或いは加熱時間を長くすることで、高濃度塩水AAP及びダメージ後高濃度塩水AAPは高くなるが、高濃度塩水吸収速度は遅くなる。通常は、10〜120分間が好ましく、20〜90分間がより好ましく、25〜60分間が更に好ましい。
(2−7)水不溶性無機微粒子添加工程
本工程は、上記表面架橋工程で得られた吸水性樹脂粒子に、水不溶性無機微粒子を添加する工程である。本工程を経ることで、高濃度塩水吸収速度の高い吸水性樹脂粒子が得られる。
前記水不溶性無機微粒子としては、二酸化ケイ素、ゼオライト、酸化アルミニウム、二リン酸三カルシウム、タルク、ハイドロタルサイト、バーミキュライトなどが挙げられる。その添加量は、添加前の吸水性樹脂微粒子100質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましく、0.05〜3質量部がより好ましく、0.1〜1質量部が更に好ましい。添加量が少ないと、高濃度塩水吸収速度が不十分になる恐れがあり、5質量部以上添加しても、添加した量に見合うだけの効果が得られない場合や、高濃度塩水AAPが低下する場合がある。
(2−8)再加湿工程
本工程は、上記表面架橋工程で得られた吸水性樹脂粒子に、多価金属塩化合物、ポリカチオン性ポリマー、キレート剤、無機還元剤及びヒドロキシカルボン酸化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤を添加する任意の工程である。本工程が実施される場合、本工程は、前記(2−7)水不溶性無機微粒子添加工程の前に実施されるのが好ましい。
上記の添加剤は、水溶液又はスラリー液で添加することが好ましい。この場合、吸水性樹脂を再度水膨潤させることになるため、本工程が「再加湿工程」と称される。なお、当該添加剤は、上述した表面架橋剤溶液と同時に添加・混合されてもよい。好ましくは、上記含水率は、2〜9質量%に制御される。
(多価金属塩及び/又はカチオン性ポリマー)
得られる吸水性樹脂の高濃度塩水吸収速度向上、吸湿時の流動性等の観点から、多価金属塩及び/又はカチオン性ポリマーが添加されるのが好ましい。
具体的には、国際特許公開第2011/040530号パンフレットの「〔6〕多価金属塩及び/又はカチオン性ポリマー」に記載の、多価金属塩及び/又はカチオン性ポリマー、及びその使用量が、好ましく適用されうる。
(キレート剤)
本発明において、得られる吸水性樹脂の着色防止や劣化防止の観点から、キレート剤を更に添加することができる。
上記キレート剤としては、例えば国際特許公開第2011/040530号パンフレットの「〔2〕キレート剤」に記載されたキレート剤、及びその使用量が、好ましく適用されうる。
(無機還元剤)
得られる吸水性樹脂の着色防止や劣化防止、残存モノマー低減の観点から、無機還元剤が更に添加されてもよい。
上記無機還元剤としては、例えば国際特許公開第2011/040530号パンフレットの「〔3〕無機還元剤」に記載された無機還元剤、及びその使用量が好ましく適用されうる。
(α−ヒドロキシカルボン酸化合物)
得られる吸水性樹脂の着色防止の観点から、α−ヒドロキシカルボン酸化合物が更に添加されてもよい。なお、「α−ヒドロキシカルボン酸化合物」とは、分子内にヒドロキシル基を有するカルボン酸又はその塩のことで、α位にヒドロキシル基を有するヒドロキシカルボン酸である。
上記α−ヒドロキシカルボン酸化合物としては、例えば国際特許公開第2011/040530号パンフレットの「〔6〕α−ヒドロキシカルボン酸化合物」に記載されたα−ヒドロキシカルボン酸化合物、及びその使用量が、好ましく適用されうる。
(2−9)その他の添加剤の添加工程
吸水剤に種々の機能を付与させるため、上述した添加剤以外の添加剤を添加することができる。例えば、界面活性剤、リン原子を有する化合物、酸化剤、有機還元剤、金属石鹸等の有機粉末、消臭剤、抗菌剤、パルプ、熱可塑性繊維等が挙げられる。なお、上記界面活性剤として、国際公開第2005/075070号に開示された界面活性剤が好ましく適用される。
これらの添加剤の使用量としては、その用途に応じて適宜決定され、特に限定されないが、吸水剤を基準として、好ましくは0〜3質量%、より好ましくは0〜1質量%である。
(2−10)その他の工程
上述した工程以外に、造粒工程、整粒工程、微粉除去工程、微粉の再利用工程等が、必要に応じて設けられうる。また、輸送工程、貯蔵工程、梱包工程、保管工程等の1種又は2種以上の工程が更に含まれていてもよい。ここで整粒工程とは、表面架橋工程以降の微粉除去工程や吸水性樹脂が凝集して所望の大きさを超えた場合に、分級及び粉砕を行う工程を含む。また、微粉の再利用工程は、微粉をそのまま、又は微粉造粒工程で大きな含水ゲルにして、吸水性樹脂の製造工程のいずれかの工程で添加する工程を含む。
〔3〕吸水剤の物性
使い捨てカイロを用途とする上記吸水剤において、好ましい物性は次の通りである。
(3−1)高濃度塩水AAP
通常、使い捨てカイロは、粉体状の発熱体を含む。この発熱体は、鉄粉及び保水剤を含む。この保水剤は、水及び塩分を含む。これら水及び塩分は、鉄粉と空気中の酸素との反応を促進する。この酸化反応の促進により、適度の発熱が達成される。上記吸水剤は、使い捨てカイロの保水剤として用いられる。保水剤に吸収されている塩水の濃度は高い。よって、高濃度塩水AAPが重要である。
高濃度塩水AAPが高められることで、保水剤のべたつきが防止される。このべたつきの防止により、カイロの生産ラインにおける粉体の付着が抑制され、且つ、カイロ原料の混合効率が高まる。更に、凝集が抑制され、粉体の定量が容易となる。これらの効果は、カイロの生産性を高める。また、この凝集の抑制は、カイロの使用感(使いやすさ)をも高めうる。更に、高濃度塩水AAPが高められることで、上記酸化反応が、安定的且つ持続的に起こる。よって、安定的且つ持続的な発熱が実現し、カイロとしての機能が向上する。
上述の観点から、高濃度塩水AAPは、10g/g以上が好ましく、12g/g以上がより好ましく、14g/g以上がより好ましく、16g/g以上がより好ましい。吸水剤の製造コストの観点から、高濃度塩水AAPは、50g/g以下が好ましい。
(3−2)ダメージ後高濃度塩水AAP
カイロの製造工程おいて、吸水剤はダメージを受ける。ダメージ前の高濃度塩水AAPが高いとしても、ダメージ後高濃度塩水AAPが低い場合、上述の効果が十分に発揮されない。よって、ダメージを受けた後においても、高濃度塩水AAPが高いのが好ましい。この観点から、ダメージ後高濃度塩水AAPは、10g/g以上が好ましく、11g/g以上がより好ましく、12g/g以上がより好ましく、13g/g以上がより好ましい。ダメージ後高濃度塩水AAPは、50g/g以下が好ましい。
(3−3)高濃度塩水吸収速度
高濃度塩水吸収速度を上げることで、ライン等への粉体の付着が抑制される。また、塩水の吸収時間が短縮され、カイロの生産性が高まる。これらの観点から、高濃度塩水吸収速度は、30秒以下が好ましく、28秒以下がより好ましく、26秒以下がより好ましく、24秒以下がより好ましく、22秒以下がより好ましく、20秒以下がより好ましい。凝集を抑制する観点から、高濃度塩水吸収速度は、5秒以上が好ましく、7秒以上がより好ましい。
(3−4)PSD、粒子径等
吸水剤は、粒子状が好ましく、不定形がより好ましい。不定形の場合、高濃度塩水吸収速度が高くなる。吸水性樹脂の質量平均粒子径(D50)は、200〜700μmが好ましく、250〜600μmがより好ましく、250〜500μmが更に好ましく、300〜450μmが特に好ましい。
〔4〕使い捨てカイロ
通常、使い捨てカイロは、発熱体と本体と外装とを含む。発熱体は、粉末状の混合物である。この発熱体は、保水剤と、金属粉とを含む。この金属粉は、酸化反応により発熱しうる。好ましい金属粉は、鉄粉である。上記保水剤は、上記吸水剤を含む。この吸水剤は、高濃度の塩水を保持している。
更に、この発熱体は、活性炭を含んでいてもよい。この活性炭の表面には、多数の微孔が存在する。これらの微孔には空気(酸素)が取り込まれる。この微孔中の酸素は、鉄粉への酸素の供給を促進しうる。
上記本体は、例えば、不織布よりなる。この本体は、例えば、袋状の部材の開口を閉じることによって形成される。この本体に、上記発熱体が封入されている。この本体は、発熱体を透過させず、且つ、空気を透過させうる。外装は、発熱体が入った上記本体を封入している。この外装は、空気を遮断している。カイロが使用される際には、外装が破られ、発熱体入りの本体が空気にさらされる。この空気中の酸素は、上記本体を透過し、金属粉と反応する。この酸化反応には、上記吸水剤に含まれる水が関与する。上記吸水剤に含まれる塩分は、この酸化反応を促進する。この酸化反応は、発熱反応である。吸水剤に含まれる水及び塩分が、カイロの発熱性能を高める。
上記発熱体は、フィラー、界面活性剤等を更に含んでいてもよい。また、吸水剤以外の保水剤が、上記吸水剤とともに用いられてもよい。この保水剤として、バーミキュライト等が用いられ得る。これらフィラー、界面活性剤および保水剤として、例えば、特開2004−26904号公報に記載されているものが用いられ得る。
〔5〕使い捨てカイロの製造方法
このカイロの製造方法では、上述の吸水剤が用いられる。カイロの製造に適した物性を有する吸水剤が用いられることで、カイロの生産性が高まる。この使い捨てカイロの製造方法の一例は、次の工程を含む。これらの工程のうちの2以上が、同時に実施されてもよい。
(5−1)上記吸水剤に高濃度塩水を吸収させる工程。
(5−2)上記吸水剤と他の原料とを混合して、原料混合物としての発熱体を得る工程。
(5−3)上記発熱体の所定量を計量する工程。
(5−4)計量された所定量の発熱体を本体に封入する工程。
(5−5)発熱体が封入された上記本体を外装に封入する工程。
このカイロの製造方法では、例えば、特開平10−119903号に記載されている装置が用いられうる。
上記各工程において、吸水剤は、様々なダメージを受ける。このダメージの典型例は、機械的ダメージである。例えば、吸水剤と他の原料とを混合する工程では、機械的ダメージが大きい。このダメージにより吸水性能が低下すると、べたつきの発生、酸化反応の進行等が生じうる。上記べたつきは、ラインへの原料の付着、計量のばらつき等を生じさせ、生産性を低下させる。また、製造工程中における酸化反応の進行は、カイロの発熱性能を低下させる。ダメージ後高濃度塩水AAPの向上により、カイロの製造工程中における吸水性能の低下が抑制される。
製品として出荷される時点で、吸水剤は上述のダメージを受けている。よって、ダメージ後高濃度塩水AAPが低い場合、カイロとしての性能が低下しうる。例えば、所望の発熱性能が得られなかったり、発熱体に凝集が生じたりしうる。ダメージ後高濃度塩水AAPが高くされることで、製品として出荷後のカイロにおいても、安定した性能が得られる。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。なお、本発明で得られる吸水性樹脂粉末、吸水性樹脂粒子、吸水剤組成物等の物性は、特に指定がない限り、気温25℃±2℃、相対湿度50%RHの条件下で測定した。
〔ダメージ試験〕
上述の通り、ダメージ後高濃度塩水AAPの測定では、ダメージ試験が実施される。このダメージ試験により、吸水性樹脂又は吸水剤にダメージが与えられる。このダメージ試験の方法は、以下の通りである。
ダメージ試験では、特定の装置が用いられる。図1は、このダメージ試験に用いられる容器2の分解図である。この容器2に、吸水性樹脂又は吸水剤とガラスビーズとを入れ、当該容器2を振動させる。このガラスビーズは、ダメージを促進する。
図1が示すように、容器2は、容器本体4、内蓋6及び外蓋8を有する。本体4の上部には、雄ネジ10が形成されている。一方、外蓋8の内面には、雌ネジが形成されている(図示されず)。この雌ネジと上記雄ネジ10とが結合することで、外蓋8は、本体4の開口を塞ぐ。本体4に、内蓋6及び外蓋8が取り付けられることで、閉じられた内部空間が形成される。
この容器2のサイズは、高さが約10.8cmであり、外径が約6.2cmであり、内径が約5.6cmであり、上記内部空間の容積が225ccである。本体4は、透明なガラス製である。このような容器2として、例えば、山村硝子株式会社製の所謂マヨネーズ瓶(商品名:A−29)が好適に用いられる。
上記ガラスビーズの外径は、5.9mm〜6.4mmとされる。上記ガラスビーズの材質は、精密分留充填用ソーダ石灰ガラスとされる。このガラスビーズの総重量が10.0gである場合、当該ガラスビーズの個数は31個〜33個である。
吸水性樹脂又は吸水剤10.0gが、上記ガラスビーズ10.0gと共に、上記容器2の容器本体4に入れられる。次いで、内蓋6および外蓋8が取り付けられ、容器2が閉じられる。この容器2が、図2に示される分散機12に固定される。この分散機12として、株式会社東洋精機製作所製のNo.488試験用分散機が用いられる。
図2が示すように、分散機12は、上クランプ14と下クランプ16とを有している。容器2は、上クランプ14と下クランプ16とで挟まれることで、分散機12に固定される。100V/60Hzで、振動速度回転数750c.p.mの振動が、10分間与えられる。10分間、上記分散機12に固定された容器2には、所定の運動が付与される。
図3は、容器2の運動の様子を示す。図3(a)が示すように、容器2には、左右に各々12.5°(合計25°)の往復傾斜運動が与えられる。この傾斜運動と同時に、容器2には、前後に各々8mm(合計16mm)の往復並進運動が与えられる(図3(b)参照)。
図3(a)に示される傾斜運動は、回転中心線Zを中心とする回転運動である。換言すれば、この傾斜運動は、回転中心線Zを揺動中心線とする揺動である。この回転中心線Zは、本体4の底面に平行である。本体4の底面(内面)と回転中心線Zとの距離は、98mmである。なお、回転中心線Zは、図3(a)の紙面に対して垂直な直線である。このため、図3(a)において、回転中心線Zは点で示されている。
上記往復並進運動の方向は、上記回転中心線Zに平行である。
容器2には、上記往復傾斜運動と上記往復並進運動とが同時に与えられる。この結果、容器2は、上記往復傾斜運動と上記往復並進運動とが合成された運動(合成運動)により、振動する。この合成運動中、容器2と回転中心線Zとの間の相対的な位置関係は、常に一定である。
上記振動により、容器2内の吸水性樹脂または吸水剤は、ガラスビーズによって攪拌される。これと共に、上記吸水性樹脂又は吸水剤同士の衝突、及び、上記吸水性樹脂又は吸水剤とガラスビーズとの衝突が生じる。更に、上記吸水性樹脂又は吸水剤と容器2の内壁との衝突が生じる。したがって、吸水性樹脂又は吸水剤に、ダメージが与えられる。このダメージ試験の後、高濃度塩水AAPが測定される。この測定値が、前述したダメージ後高濃度塩水AAPである。
[製造例1]
75モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液5500g(単量体濃度38質量%)に、ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数9)7.5gを溶解し、反応液〔a001〕とした。次に、この反応液〔a001〕を、窒素ガス雰囲気下で30分間脱気したのち、反応器に供給した。この反応器は、内容積10Lのシグマ型羽根を2本有する双腕型のジャケット付きステンレス製ニーダーに蓋を付けて形成した。反応液温を30℃に保ちながら、反応器内に窒素ガスを吹き込み、系内の溶存酸素が1ppm以下となるように窒素置換した。
続いて、反応液を撹拌しながら、過硫酸ナトリウムの10質量%水溶液29.8g及びL−アスコルビン酸の0.2質量%水溶液21.8gを添加したところ、およそ1分後に重合が開始された。重合開始後17分で重合ピーク温度86℃を示し、重合を開始して60分後に、含水ゲル状重合体〔b001〕を取り出した。
この含水ゲル状重合体〔b001〕は、約1〜5mmの粒子に細分化されていた。この細分化された含水ゲル状重合体〔b001〕を50メッシュ(目の大きさ300μm)の金網上に広げ、180℃で45分間熱風乾燥し、乾燥物〔b011〕とした。
次いで、乾燥物〔b011〕をロールミルで粉砕し、さらに目開き450μmと106μmの金網で連続的に分級した。450μm以上の粒子は、再度ロールミルで粉砕した。106μmの金網を通過した粒子は、粉砕を行った全量に対して13質量%を占めていた。106μmの金網を通過した粒子に、この粒子と同量の水を90℃に加熱して混合した。この混合物を、上記含水ゲル状重合体〔b001〕と同条件で乾燥し、上記乾燥物〔b011〕と同条件で粉砕した。この結果、不定形破砕状の吸水性樹脂粒子〔A010〕を得た。尚、吸水性樹脂粒子〔A010〕のCRC(無加圧下吸水倍率)は47.6[g/g]であった。
次いで、得られた吸水性樹脂粒子〔A010〕100質量部に、表面架橋剤水溶液〔c001〕3.33質量部を混合した。この表面架橋剤水溶液〔c001〕は、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.03質量部、1,4−ブタンジオール0.3質量部、プロピレングリコール0.5質量部及び水2.5質量部からなる。この混合物を175℃に加熱されたモルタルミキサー内で40分間加熱処理することにより、吸水性樹脂〔A110〕を得た。
吸水性樹脂粉末〔A110〕100重量部に日本アエロジル社製のヒュームドシリカAEROSIL200を0.3重量部加え均一に混合することで、吸水性樹脂〔A111〕を得た。
[製造例2]
製造例1に記載のポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数9)の量を7.5gから4.4gに変更した他は反応液〔a001〕と同様にして、反応液〔a002〕を得た。反応液〔a001〕に代えてこの反応液〔a002〕を用いた他は、乾燥物〔b011〕と同様にして、乾燥物〔b012〕を得た。
次いで、乾燥物〔b012〕をロールミルで粉砕し、さらに目開き710μmと106μmの金網で連続的に分級した。710μm以上の粒子は、再度ロールミルで粉砕することで、不定形破砕状の吸水性樹脂粒子〔A020〕を得た。尚、吸水性樹脂粒子〔A020〕のCRC(無加圧下吸水倍率)は41.7[g/g]であった。
次いで、得られた吸水性樹脂粒子〔A020〕100質量部に、表面架橋剤水溶液〔c002〕2.83質量部を混合した。この表面架橋剤水溶液〔c002〕は、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.03質量部、1,4−ブタンジオール0.4質量部、プロピレングリコール0.4質量部及び水2.0質量部からなる。この混合物を200℃に加熱されたモルタルミキサー内で40分間加熱処理することにより、吸水性樹脂粉末〔A220〕を得た。
吸水性樹脂粉末〔A220〕100重量部に日本アエロジル社製のヒュームドシリカAEROSIL200を0.3重量部加え、均一に混合することで、吸水性樹脂〔A221〕を得た。
[製造例3]
製造例1に記載のポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数9)7.5gを、トリメチロールプロパントリアクリレート(分子量296)1.7gに変更した他は、反応液〔a001〕と同様にして、反応液〔a003〕を得た。反応液〔a001〕に代えて、この反応液〔a003〕を用いた他は、乾燥物〔b011〕と同様にして、乾燥物〔b013〕を得た。
次いで、乾燥物〔b013〕をロールミルで粉砕し、さらに目開き450μmと106μmの金網で連続的に分級した。450μm以上の粒子は、再度ロールミルで粉砕することで、不定形破砕状の吸水性樹脂粒子〔A030〕を得た。尚、吸水性樹脂粉末〔A030〕のCRC(無加圧下吸水倍率)は44.5[g/g]であった。
次いで、得られた吸水性樹脂粒子〔A030〕100質量部に、表面架橋剤水溶液〔c003〕3.5質量部を混合した。この表面架橋剤水溶液〔c003〕は、グリセリン0.5質量部、イソプロピルアルコール0.5質量部及び水2.5質量部からなる。この混合物を170℃に加熱されたモルタルミキサー内で40分間加熱処理することにより、吸水性樹脂粉末〔A330〕を得た。
吸水性樹脂粉末〔A330〕100重量部に、日本アエロジル社製のヒュームドシリカAEROSIL200を0.2重量部加え、均一に混合することで、吸水性樹脂〔A331〕を得た。
[製造例4]
製造例3に記載の方法と同様にして、乾燥物〔b013〕を得た。次いで、乾燥物〔b013〕をロールミルで粉砕し、さらに目開き710μmと75μmの金網で連続的に分級した。710μm以上の粒子は、再度ロールミルで粉砕することで、不定形破砕状の吸水性樹脂粒子〔A040〕を得た。尚、吸水性樹脂粉末〔A040〕のCRC(無加圧下吸水倍率)は44.5[g/g]であった。
次いで、得られた吸水性樹脂粒子〔A040〕100質量部に、表面架橋剤水溶液〔c004〕3.5質量部を混合した。この表面架橋剤水溶液〔c004〕は、グリセリン0.5質量部、イソプロピルアルコール0.5質量部及び水2.5質量部からなる。この混合物を、170℃に加熱されたモルタルミキサー内で40分間加熱処理することにより、吸水性樹脂粉末〔A440〕を得た。
吸水性樹脂粉末〔A440〕100重量部に、日本アエロジル社製のヒュームドシリカAEROSIL200を0.2重量部加え、均一に混合することで吸水性樹脂〔A441〕を得た。
[製造例5]
製造例2記載のポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数9)の量を、4.4gから2.8gに変更した以外は、製造例2と同様にして、吸水性樹脂〔A551〕を得た。
[製造例6]
製造例1に記載のポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数9)の量を、7.5gから2.2gに変更した他は、反応液〔a001〕と同様にして、反応液〔a006〕を得た。反応液〔a001〕に代えて、この反応液〔a006〕を用いた他は、製造例1の乾燥物〔b011〕と同様にして、乾燥物〔b016〕を得た。
次いで、乾燥物〔b016〕をロールミルで粉砕し、さらに目開き850μmと106μmの金網で連続的に分級した。850μm以上の粒子は、再度ロールミルで粉砕することで、不定形破砕状の吸水性樹脂粒子〔A060〕を得た。尚、吸水性樹脂粉末〔A060〕のCRC(無加圧下吸水倍率)は54.5[g/g]であった。
次いで、得られた吸水性樹脂粒子〔A060〕100質量部に、表面架橋剤水溶液〔c006〕3.63質量部を混合した。この表面架橋剤水溶液〔c006〕は、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.03質量部、1,4−ブタンジオール0.3質量部、プロピレングリコール0.5質量部及び水2.8質量部からなる。この混合物を195℃に加熱されたモルタルミキサー内で40分間加熱処理することにより、吸水性樹脂〔A660〕を得た。
吸水性樹脂粉末〔A660〕100重量部に、日本アエロジル社製のヒュームドシリカAEROSIL200を0.3重量部加え、均一に混合することで吸水性樹脂〔A661〕を得た。
[実施例1]
製造例1で得られた吸水性樹脂〔A111〕を吸水剤1とした。この吸水剤1の諸物性が、下記の表1に示される。
[実施例2]
製造例2で得られた吸水性樹脂〔A221〕を吸水剤2とした。この吸水剤2の諸物性が、下記の表1に示される。
[比較例1]
製造例3で得られた吸水性樹脂〔A331〕を比較吸水剤1とした。この比較吸水剤1の諸物性が、下記の表1に示される。
[比較例2]
製造例4で得られた吸水性樹脂〔A441〕を比較吸水剤2とした。この比較吸水剤2の諸物性が、下記の表1に示される。
[比較例3]
製造例5で得られた吸水性樹脂〔A551〕を比較吸水剤3とした。この比較吸水剤3の諸物性が、下記の表1に示される。
[比較例4]
製造例6で得られた吸水性樹脂〔A661〕を比較吸水剤4とした。この比較吸水剤4の諸物性が、下記の表1に示される。
Figure 0006649441
表1に示されるように、実施例は、高濃度塩水AAP、ダメージ後高濃度塩水AAP及び高濃度塩水吸収速度の全てが優れている。これら実施例に係る吸水剤を用いることで、カイロの生産性が向上し、且つ、カイロとしての性能も良好となる。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明された方法は、使い捨てカイロの製造に適用されうる。
2・・・ダメージ試験用の容器
4・・・容器本体
6・・・内蓋
8・・・外蓋
12・・・分散機
14・・・上クランプ
16・・・下クランプ

Claims (14)

  1. アクリル酸及び/又はその塩を主成分とする単量体を架橋重合したポリアクリル酸及び/又はその塩を含む吸水性樹脂を80質量%以上含有している吸水剤であって、
    当該吸水剤は、2.06kPa荷重下での3.5%食塩水の加圧下吸水倍率が12〜50g/gであり、
    10.0gの吸水剤と、10.0gのガラスビーズ(直径5.9−6.4mm)とをマヨネーズ瓶(容積225cc)に投入し、分散機にて、このマヨネーズ瓶を、振動速度回転数750c.p.mで10分間振動させることにより、吸水剤にダメージを与えた後の2.06kPa荷重下での3.5%食塩水の加圧下吸水倍率が11〜50g/gであり、
    3.5%食塩水50ml(30℃±0.1℃)に対する吸水剤5.00gの吸収速度が5〜24秒であり、
    目開き850μm、500μm、300μm及び150μmを有するJIS標準篩を用いて、10gの吸水剤を分級し、全篩を通過した吸水剤の質量に対する各篩上に残った吸水剤の質量の割合を測定して得られる質量平均粒子径(D50)が250〜500μmである、使い捨てカイロ用吸水剤。
  2. 上記吸水剤の、目開き850μm、500μm、300μm及び150μmを有するJIS標準篩を用いて、10gの吸水剤を分級し、全篩を通過した吸水剤の質量に対する各篩上に残った吸水剤の質量の割合を測定して得られる粒度分布の対数標準偏差(σζ)が、0.25〜0.40である、請求項1に記載の吸水剤。
  3. 上記吸水性樹脂は、内部架橋剤を除く全単量体成分に対して、70モル%以上のアクリル酸及び/又はその塩を含む単量体を、内部架橋剤の存在下で架橋重合して得られたものであり、
    上記内部架橋剤の使用量が、単量体に対して、0.01〜1モル%であり、
    上記単量体の中和率が10〜90モル%である請求項1又は2に記載の吸水剤。
  4. 上記内部架橋剤の使用量が、単量体に対して、0.036〜1モル%である請求項3に記載の吸水剤。
  5. 上記吸水性樹脂が、表面架橋されたものである請求項1から4のいずれかに記載の吸水剤。
  6. 上記吸水性樹脂が、多価グリシジル化合物を含む表面架橋剤を使用して表面架橋されたものである請求項5に記載の吸水剤。
  7. 上記吸水剤が水不溶性無機微粒子を含み、当該水不溶性無機微粒子の上記吸水性樹脂100質量部に対する添加量が、0.1〜1質量部である請求項1から6のいずれかに記載の吸水剤。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の吸水剤及び金属粉を用いた、使い捨てカイロの製造方法。
  9. アクリル酸及び/又はその塩を主成分とする単量体を架橋重合したポリアクリル酸及び/又はその塩を含む吸水性樹脂を80質量%以上含有している吸水剤であって、
    当該吸水剤は、2.06kPa荷重下での3.5%食塩水の加圧下吸水倍率が12〜50g/gであり、10.0gの吸水剤と、10.0gのガラスビーズ(直径5.9−6.4mm)とをマヨネーズ瓶(容積225cc)に投入し、分散機にて、このマヨネーズ瓶を、振動速度回転数750c.p.mで10分間振動させることにより、吸水剤にダメージを与えた後の2.06kPa荷重下での3.5%食塩水の加圧下吸水倍率が11〜50g/gであり、3.5%食塩水50ml(30℃±0.1℃)に対する吸水剤5.00gの吸収速度が5〜24秒であり、目開き850μm、500μm、300μm及び150μmを有するJIS標準篩を用いて、10gの吸水剤を分級し、全篩を通過した吸水剤の質量に対する各篩上に残った吸水剤の質量の割合を測定して得られる質量平均粒子径(D50)が250〜500μmである吸水剤と、金属粉とを用いた使い捨てカイロの製造方法。
  10. 上記吸水剤の、目開き850μm、500μm、300μm及び150μmを有するJIS標準篩を用いて、10gの吸水剤を分級し、全篩を通過した吸水剤の質量に対する各篩上に残った吸水剤の質量の割合を測定して得られる粒度分布の対数標準偏差(σζ)が、0.25〜0.40である、請求項9に記載の製造方法。
  11. 上記吸水性樹脂は、内部架橋剤を除く全単量体成分に対して、70モル%以上のアクリル酸及び/又はその塩を含む単量体を、内部架橋剤の存在下で架橋重合して得られたものであり、
    上記内部架橋剤の使用量が、単量体に対して、0.01〜1モル%であり、
    上記単量体の中和率が10〜90モル%である請求項9又は10に記載の製造方法。
  12. 上記吸水性樹脂が、表面架橋されたものである請求項9から11のいずれかに記載の製造方法。
  13. 上記吸水性樹脂が、多価グリシジル化合物を含む表面架橋剤を使用して表面架橋されたものである請求項12に記載の製造方法。
  14. 上記吸水剤が水不溶性無機微粒子を含み、当該水不溶性無機微粒子の上記吸水性樹脂100質量部に対する添加量が、0.1〜1質量部である請求項9から13のいずれかに記載の製造方法。
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