JP6645414B2 - 動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、駆動源から出力される回転駆動力を駆動対象装置に伝達する動力伝達装置に関する。
従来、駆動源から出力される回転駆動力によって回転するロータ、当該ロータに対向配置されてロータと同一の磁性材料で構成されたアーマチュア、通電によりロータの摩擦面にアーマチュアの摩擦面を吸着させる電磁石を備える動力伝達装置が知られている。
この種の動力伝達装置では、ロータの摩擦面とアーマチュアの摩擦面との滑りが発生すると、滑りに伴って生じた熱でロータの摩擦面の一部に埋め込まれた摩擦材(すなわち、フェーシング材)が固着してしまうことがある。摩擦材の固着は、ロータとアーマチュアとの滑り時間が増大したり、摩擦材の摩擦係数の低下が生じたりする要因となることから好ましくない。
これに対して、摩擦材の固着成分を削り取る構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1には、アーマチュアの摩擦面に溝を形成し、当該溝によって摩擦材の固着成分を削り取る技術が開示されている。
特開2003−240018号公報
ところで、特許文献1では、アーマチュアの摩擦面に形成された複数の溝が、内周側の端部から外周側の端部まで延びているので、ロータの摩擦面とアーマチュアの摩擦面との接触面積が小さくなってしまう。このことは、ロータの摩擦面とアーマチュアの摩擦面との滑りが生じ易くなる要因となることから好ましくない。
また、特許文献1には、ロータの摩擦面に埋め込まれた摩擦材の固着を防止する技術が開示されているものの、ロータの摩擦面とアーマチュアの摩擦面との凝着について何ら検討されていない。
ロータの摩擦面とアーマチュアの摩擦面との凝着によって生じた溶融物が大きく成長すると、アーマチュアがロータに張り付き易くなり、アーマチュアをロータから適切に切り離すことができなくなる等の不具合が生ずることから好ましくない。なお、凝着現象は、同種の磁性材料で構成されたロータの摩擦面とアーマチュアの摩擦面との接触部の一部が溶融する現象(いわゆる、ともがね現象)であり、ロータの摩擦面に埋め込まれた摩擦材の固着現象とは異なる現象である。
本発明者らの調査検討によれば、ロータの摩擦面とアーマチュアの摩擦面との凝着は、モータ機能付発電機(ISG:Integrated Starter Generatorの略)にて出力が補助される駆動源に動力伝達装置を適用した際に特に生じ易い傾向があることが判っている。
このような傾向を踏まえて、本発明者らは、ロータの摩擦面とアーマチュアの摩擦面との凝着によって生じた溶融物が大きく成長する要因について鋭意検討した。この結果、ロータに対して過大な荷重が作用した際に、ロータの内周側がアーマチュア側に向かって膨出するように変形し、各摩擦面の面圧が局所的に高くなることで、凝着による溶融物が内周側に偏って生ずることが1つの要因であることが判った。なお、ロータの摩擦面とアーマチュアの摩擦面との凝着は、モータ機能付発電機が搭載された駆動源に適用される場合に限らず、ロータに対して作用する荷重が大きくなる駆動源に適用した際にも生ずる。
本発明は上記点に鑑みて、ロータの摩擦面とアーマチュアの摩擦面との接触面積を確保しつつ、ロータの摩擦面とアーマチュアの摩擦面との凝着によって生ずる各種不具合を抑制可能な動力伝達装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、駆動源(6)から出力される回転駆動力を駆動対象装置(2)に伝達する動力伝達装置を対象としている。
動力伝達装置は、通電時に電磁吸引力を発生する電磁石(12)と、回転駆動力によって回転するロータ(11)と、を備える。動力伝達装置は、電磁石への通電時に電磁吸引力によってロータに連結されると共に、電磁石への非通電時にロータから切り離される円環状のアーマチュア(14)を備える。
ロータには、電磁石への通電時にアーマチュアに当接するロータ側摩擦面(110)が形成されている。アーマチュアには、電磁石への通電時にロータ側摩擦面に当接するアーマチュア側摩擦面(140)が形成されている。そして、ロータ側摩擦面およびアーマチュア側摩擦面のうち、少なくとも一方の摩擦面には、内周側の端部である内周側端部(116、145)から外周側の端部である外周側端部(117、146)の手前まで延びる複数の溝部(118、147、147A、147B、147C、147D)が形成されている。そして、複数の溝部(147C)は、内側における溝深さ(Gd_I)が、外側における溝深さ(Gd_O)よりも大きくなっている。
これによると、ロータ側摩擦面とアーマチュア側摩擦面との間に凝着が生じたとしても、凝着によって生じた溶融物が複数の溝部に流入する。このため、ロータ側摩擦面とアーマチュア側摩擦面との凝着によって生じた溶融物がロータ側摩擦面とアーマチュア側摩擦面との接触部で大きく成長してしまうことを抑制することができる。
加えて、複数の溝部は、摩擦面における凝着が生じ易い領域、すなわち、摩擦面における内周側の端部から外周側の端部の手前までの領域に形成されている。このような構成では、溝が内周側の端部から外周側の端部までの全域にわたって延びる構成に比べて、ロータ側摩擦面とアーマチュア側摩擦面との接触面積を確保することができる。
従って、本開示の動力伝達装置は、ロータの摩擦面とアーマチュアの摩擦面との接触面積を確保しつつ、ロータの摩擦面とアーマチュアの摩擦面との凝着によって生ずる各種不具合を抑制することができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態の動力伝達装置が適用された冷凍サイクルの全体構成図である。 第1実施形態の動力伝達装置および圧縮機の模式図である。 第1実施形態のロータの模式的な正面図である。 図3のIV−IV断面図である。 第1実施形態の従動側回転体の模式的な正面図である。 図5のVI−VI断面図である。 図5のVII−VII断面図である。 エンジンから出力された回転駆動力が伝達された際のロータの状態を説明するための断面図である。 ロータ側摩擦面とアーマチュア側摩擦面との凝着によって生じた溶融物の状態を説明するための説明図である。 ロータ側摩擦面とアーマチュア側摩擦面との凝着によって生じた溶融物の状態を説明するための説明図である。 ロータ側摩擦面とアーマチュア側摩擦面との凝着によって生じた溶融物の状態を説明するための説明図である。 第1実施形態の第1変形例となるアーマチュアの要部の断面図である。 第1実施形態の第2変形例となるアーマチュアの要部の断面図である。 第2実施形態のアーマチュアの模式的な正面図である。 図14のXV−XV断面図である。 図15のXVI部分の拡大図である。 第3実施形態のアーマチュアの模式的な正面図である。 図17のXVIII部分の拡大図である。 第4実施形態のロータの模式的な正面図である。 図19のXX−XX断面図である。
以下、本発明を実施する形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態において、先行する実施形態で説明した事項と同一もしくは均等である部分には、同一の参照符号を付し、その説明を省略する場合がある。また、実施形態において、構成要素の一部だけを説明している場合、構成要素の他の部分に関しては、先行する実施形態において説明した構成要素を適用することができる。以下の実施形態は、特に組み合わせに支障が生じない範囲であれば、特に明示していない場合であっても、各実施形態同士を部分的に組み合わせることができる。
(第1実施形態)
本実施形態について、図1〜図11を参照して説明する。本実施形態では、図1に示す蒸気圧縮式の冷凍サイクル1の圧縮機2に対して、動力伝達装置10を適用した例について説明する。
冷凍サイクル1は、車室内の空調を行う車両用空調装置において車室内へ送風する空気の温度を調整する装置として機能する。冷凍サイクル1は、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機2、圧縮機2から吐出された冷媒を放熱させる放熱器3、放熱器3から流出した冷媒を減圧する膨張弁4、膨張弁4で減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器5が環状に接続された閉回路で構成されている。
圧縮機2には、動力伝達装置10を介してエンジン6から出力される回転駆動力がVベルト7および動力伝達装置10を介して伝達される。本実施形態では、エンジン6が回転駆動力を出力する駆動源を構成し、圧縮機2が駆動対象装置を構成している。
ここで、本実施形態のエンジン6には、燃料消費量を低減させるために、エンジン6の出力を補助することが可能なモータ機能付発電機ISGが搭載されている。モータ機能付発電機ISGは、エンジン6を始動させる始動装置としての機能、および発電機としての機能が統合された装置である。モータ機能付発電機ISGは、Vベルト7を介してエンジン6の回転出力部6aに接続されている。
圧縮機2としては、例えば、斜板式可変容量型の圧縮機を採用することができる。なお、圧縮機2としては、冷凍サイクル1の冷媒を圧縮して吐出するものであれば、他の形式の可変容量型の圧縮機や、スクロール型、ベーン型などの固定容量型の圧縮機が採用されていてもよい。
ここで、図2は、第1実施形態の動力伝達装置10および圧縮機2の双方を模式的に図示した模式図である。図2では、動力伝達装置10の内部構成を図示するために動力伝達装置10について片側断面図で示している。図2に示すDRaxは、圧縮機2のシャフト20の軸心CLに沿って延びるシャフト20の軸方向を示している。また、図2に示すDRrは、軸方向DRaxと直交するシャフト20の径方向を示している。なお、これらのことは、図2以外の図面においても同様である。
図2に示す圧縮機2は、シャフト20の一端側が、圧縮機2の外殻を構成するハウジング21の外側に露出している。そして、動力伝達装置10は、シャフト20におけるハウジング21の外側に露出した部位に取り付けられている。シャフト20には、ハウジング21の内部の冷媒がシャフト20とハウジング21との隙間から漏れないように、図示しないリップシール等のシール部材が取り付けられている。シール部材は、シャフト20とハウジングとの間において高いシール性が得られるように材料、形状等が最適化されている。
続いて、動力伝達装置10は、車両走行用の駆動源であるエンジン6から出力される回転駆動力を駆動対象装置である圧縮機2へ断続的に伝達する装置である。動力伝達装置10は、図1に示すように、Vベルト7を介してエンジン6の回転出力部6aに接続されている。
図2に示すように、動力伝達装置10は、ロータ11、ロータ11に連結されることによってシャフト20と共に回転する従動側回転体13、従動側回転体13とロータ11とを連結させる電磁吸引力を発生させる電磁石12を有する。
ロータ11は、エンジン6から出力される回転駆動力によって回転する駆動側回転体を構成する。本実施形態のロータ11は、図3、図4に示すように、外側円筒部111、内側円筒部112、および端面部113を有する。
外側円筒部111は、円筒形状に構成されており、シャフト20に対して同軸上に配置されている。内側円筒部112は、円筒形状に構成されており、外側円筒部111の内周側に配置されると共に、シャフト20に対して同軸上に配置されている。
端面部113は、外側円筒部111と内側円筒部112の軸方向DRaxの一端側同士を結ぶ連結部である。端面部113は、円盤形状に構成されている。すなわち、端面部113は、シャフト20の径方向DRrに広がると共に、その中央部に表裏を貫通する円形状の貫通穴が形成されている。
本実施形態のロータ11は、シャフト20の軸方向DRaxの断面がC字形状となっている。そして、外側円筒部111と内側円筒部112との間には、端面部113を底面部とする円環状の空間が形成されている。
外側円筒部111と内側円筒部112との間に形成される空間は、シャフト20に対して同軸上となっている。図2に示すように、外側円筒部111と内側円筒部112との間に形成される空間には、電磁石12が配置されている。
電磁石12は、ステータ121、およびステータ121の内部に配置されたコイル122等を有する。ステータ121は、鉄等の強磁性材料で環状に形成されている。コイル122は、エポキシ樹脂等の絶縁性の樹脂材料でモールディングされた状態でステータ121に固定されている。なお、電磁石12への通電は、図示しない制御装置から出力される制御電圧によって行われる。
本実施形態のロータ11は、外側円筒部111、内側円筒部112、および端面部113が金属製の強磁性材料(例えば、鉄鋼材料)で一体的に形成されている。外側円筒部111、内側円筒部112、および端面部113は、電磁石12に通電することによって生じる磁気回路の一部を構成する。
図2、図4に示すように、外側円筒部111の外周側には、複数のV字状の溝が形成されたV溝部114が形成されている。V溝部114には、エンジン6から出力される回転駆動力を伝達するVベルト7が掛け渡されている。なお、V溝部114は、金属製の強磁性材料ではなく、樹脂等で形成されていてもよい。
内側円筒部112の内周側には、図2に示すように、ボールベアリング19の外周側が固定されている。そして、ボールベアリング19の内周側には、圧縮機2の外殻を構成するハウジング21から動力伝達装置10側へ向けて突出した円筒状のボス部22が固定されている。これにより、ロータ11は、圧縮機2のハウジング21に対して回転自在に固定されている。なお、ボス部22は、シャフト20におけるハウジングの外側に露出した根元部分を覆っている。
また、端面部113における軸方向DRaxの一端側の外側面は、ロータ11と後述する従動側回転体13のアーマチュア14とが連結された際に、アーマチュア14に当接するロータ側摩擦面110を構成している。
ロータ側摩擦面110には、図4に示すように、径方向DRrの中間部分に磁気遮断用のスリット穴部115が形成されている。このスリット穴部115は、ロータ11の円周方向に沿って延びる円弧状の形状であり、ロータ側摩擦面110に対して複数個形成されている。ロータ側摩擦面110では、スリット穴部115によって径方向DRrにおける磁束流れが遮断される。
また、図示しないが、ロータ側摩擦面110の一部には、摩擦係数を増加させるための摩擦部材が配置されている。この摩擦部材は、非磁性材料で形成される。摩擦部材としては、アルミナを樹脂で固めたものや、アルミニウム等の金属粉末の焼結体等を採用することができる。
続いて、従動側回転体13は、図5、図6に示すように、アーマチュア14、ハブ15、板バネ16を含んで構成されている。アーマチュア14は、径方向DRrに広がると共に、その中央部に表裏を貫通する貫通穴が形成された円環状の板部材である。
アーマチュア14は、ロータ11と同種の強磁性材料(例えば、鉄鋼材料)で形成されている。アーマチュア14は、ロータ11と共に、電磁石12に通電された際に生じる磁気回路の一部を構成する。
アーマチュア14は、所定の微小間隙(例えば、0.5mm程度)を隔ててロータ側摩擦面110に対向配置されている。アーマチュア14のうち、ロータ側摩擦面110に対向する平坦部は、ロータ11とアーマチュア14とが連結された際に、ロータ側摩擦面110に当接するアーマチュア側摩擦面140を形成している。
本実施形態のアーマチュア14には、径方向DRrの中間部分に磁気遮断用のスリット穴部141が形成されている。このスリット穴部141は、アーマチュア14の円周方向に沿って延びる円弧状の形状であり、アーマチュア14に対して複数個形成されている。アーマチュア側摩擦面140では、スリット穴部141によって径方向DRrにおける磁束流れが遮断される。
アーマチュア14は、スリット穴部141の外周側に位置する外周部142と、スリット穴部141の内周側に位置する内周部143とに区分される。アーマチュア14の外周部142は、リベット等の締結部材144により板バネ16の外周側に連結されている。
ここで、図5に示すように、本実施形態のアーマチュア側摩擦面140には、シャフト20の軸心CLを中心に内周側から外周側に向かってスリット状に延びる複数の溝部147が形成されている。複数の溝部147は、アーマチュア側摩擦面140の周方向において等間隔に並ぶように放射状に形成されている。本実施形態のアーマチュア側摩擦面140には、12個の溝部147が形成されている。なお、溝部147は、12個に限らず、例えば、8個程度設けられていてもよい。
本実施形態の複数の溝部147は、アーマチュア側摩擦面140の内周側の端部である内周側端部145からアーマチュア側摩擦面140の外周側の端部である外周側端部146の手前まで延びている。すなわち、複数の溝部147は、その外側の端部である溝外端部148が、アーマチュア側摩擦面140において外周側端部146よりも内側に位置している。
本実施形態の複数の溝部147は、溝外端部148がアーマチュア側摩擦面140において、内周側端部145よりも外周側端部146の近くに位置している。これにより、本実施形態の複数の溝部147は、溝外端部148がスリット穴部141よりも径方向DRrの外側に位置している。
本実施形態の複数の溝部147は、シャフト20の径方向DRrに沿って直線状に延びている。なお、複数の溝部147は、一部または全体がシャフト20の径方向DRrと交差する方向に直線状に延びていたり、一部または全体が湾曲した形状となっていたりしてもよい。
また、本実施形態の複数の溝部147は、溝幅Gwおよび溝深さGdが略一定となっている。さらに、本実施形態の複数の溝部147は、図7に示すように、溝部147の断面形状が矩形状となっている。
続いて、ハブ15は、板バネ16等を介してアーマチュア14を圧縮機2のシャフト20に連結する連結部材を構成している。ハブ15は、鉄系の金属材料にて形成されている。本実施形態のハブ15は、図2、図6に示すように、円筒形状の筒状部151および連結用フランジ部152を有する。
筒状部151は、シャフト20に対して同軸上に配置されている。筒状部151には、シャフト20の一端側を挿入可能な挿入穴が形成されている。この挿入穴は、シャフト20の軸方向DRaxに沿って延びる貫通穴で構成されている。本実施形態のハブ15およびシャフト20は、軸方向DRaxの一端側が筒状部151の挿入穴に挿入された状態でネジ等の締結技術によって連結されている。
筒状部151には、軸方向DRaxの一端側から径方向DRrの外側に広がる連結用フランジ部152が一体に形成されている。連結用フランジ部152は、径方向DRrに広がる円盤形状に構成されている。連結用フランジ部152は、図示しないリベット等の締結部材により後述する板バネ16の内周側に接続されている。
板バネ16は、アーマチュア14に対してロータ11から離れる方向に付勢力を作用させる部材である。動力伝達装置10では、電磁石12が非通電状態となっていて電磁吸引力を発生させていないときに、板バネ16の付勢力によって、アーマチュア側摩擦面140とロータ側摩擦面110との間に隙間が生ずる。板バネ16は、鉄系の金属材料にて形成された円形の板状部材で構成されている。
また、図示しないが、板バネ16とアーマチュア14との間には、板状の弾性部材が介在されている。板バネ16およびアーマチュア14は、弾性部材が介在された状態で締結部材144によって一体に連結されている。弾性部材は、板バネ16とアーマチュア14との間のトルク伝達機能を果たすと共に、振動抑制作用を果たす。弾性部材は、例えば、ゴム系の弾性材料で形成されている。
次に、本実施形態の動力伝達装置10の作動について説明する。動力伝達装置10は、電磁石12が非通電状態になっている場合、電磁石12の電磁吸引力が生じない。このため、アーマチュア14は、板バネ16の付勢力によってロータ11の端面部113から所定間隔離れた位置に保持される。
これにより、エンジン6からの回転駆動力は、Vベルト7を介してロータ11に伝達されるだけで、アーマチュア14およびハブ15へは伝達されず、ロータ11だけがボールベアリング19上で空転する。この結果、駆動対象装置である圧縮機2は停止した状態となる。
一方、動力伝達装置10は、電磁石12が通電状態になっている場合、電磁石12の電磁吸引力が発生する。アーマチュア14は、電磁石12の電磁吸引力によって板バネ16の付勢力に抗してロータ11の端面部113側に吸引されることで、ロータ11に吸着される。
この際、圧縮機2にシャフト20がロックする等の異常がなければ、ロータ11の回転がアーマチュア14および板バネ16を介してハブ15に伝達されることで、ハブ15が回転する。そして、ハブ15の回転が、圧縮機2のシャフト20に伝達されることで、圧縮機2が作動する。すなわち、エンジン6から出力された回転駆動力が、動力伝達装置10を介して圧縮機2に伝達されることで、圧縮機2が作動する。
これに対して、例えば、圧縮機2のシャフト20がロックしている場合には、シャフト20に連結されたハブ15が回転不能となるので、ロータ11だけが回転することになる。
この際、ロータ11とアーマチュア14との間の摩擦熱によって、同種の磁性材料で構成されたロータ側摩擦面110およびアーマチュア側摩擦面140に凝着が生じてしまう。
ロータ側摩擦面110とアーマチュア側摩擦面140との凝着によって生じた溶融物が大きく成長すると、アーマチュア14がロータ11に張り付き易くなり、アーマチュア14をロータ11から切り離すことができなくなる等の不具合が生ずる。
本発明者らの調査検討によれば、ロータ側摩擦面110とアーマチュア側摩擦面140との凝着は、モータ機能付発電機ISGが搭載されたエンジン6に動力伝達装置10を適用した際に特に生じ易い傾向があることが判っている。
このような傾向を踏まえて、本発明者らは、ロータ側摩擦面110とアーマチュア側摩擦面140との凝着によって生じた溶融物が大きく成長する要因について鋭意検討した。この結果、図8に示すように、ロータ11に過大な圧縮荷重が作用した際、ロータ11の内周側がアーマチュア14に向かって膨出し、各摩擦面110、140の面圧が局所的に高くなることで、溶融物が内周側に偏ることが1つの要因となっていることが判った。
本実施形態では、ロータ側摩擦面110とアーマチュア側摩擦面140との凝着によって生じた溶融物の成長を抑えるために、アーマチュア側摩擦面140に対して複数の溝部147を設けている。
これによると、図9に示すように、ロータ側摩擦面110とアーマチュア側摩擦面140との間に凝着が生じたとしても、図10、図11に示すように、凝着によって生じた溶融物MCがアーマチュア側摩擦面140に形成された複数の溝部147に流入する。このため、ロータ側摩擦面110とアーマチュア側摩擦面140との凝着によって生じた溶融物MCが、ロータ側摩擦面110とアーマチュア側摩擦面140との接触部で大きく成長してしまうことを抑制することができる。
ところで、複数の溝部147をアーマチュア側摩擦面140の内周側端部145から外周側端部146まで延ばす構成が考えられるが、この場合、ロータ側摩擦面110とアーマチュア側摩擦面140との接触面積が小さくなってしまう。このことは、ロータ側摩擦面110とアーマチュア側摩擦面140との滑りが生じ易くなる要因となることから好ましくない。
これに対して、本実施形態の複数の溝部147は、アーマチュア側摩擦面140の内周側端部145から外周側端部146の手前まで延びている。すなわち、本実施形態の複数の溝部147は、アーマチュア側摩擦面140における凝着が生じ易い領域である内周側端部145から外周側端部146の手前までの領域に形成されている。
このような構成では、複数の溝部147がアーマチュア側摩擦面140の内周側端部145から外周側端部146までの全域にわたって延びる構成に比べて、ロータ側摩擦面110とアーマチュア側摩擦面140との接触面積を確保することができる。なお、アーマチュア側摩擦面140における外周側端部146側の領域は、内周側端部145側の領域に比べて周速が速いため、ロータ側摩擦面110とアーマチュア側摩擦面140との凝着によって張り付き難い領域となる。
以上説明したように、本実施形態の動力伝達装置10は、ロータ側摩擦面110とアーマチュア側摩擦面140との接触面積を確保しつつ、ロータ側摩擦面110とアーマチュア側摩擦面140との凝着によって生ずる各種不具合を抑制することができる。
本実施形態の動力伝達装置10は、ロータ側摩擦面110とアーマチュア側摩擦面140と凝着によって生じた溶融物MCが成長し難い構造となっている。このため、本実施形態の動力伝達装置10は、ロータ側摩擦面110とアーマチュア側摩擦面140との凝着が特に生じ易いモータ機能付発電機ISGが搭載されたエンジン6に好適である。
また、本実施形態の複数の溝部147は、溝外端部148が、アーマチュア側摩擦面140の内周側端部145よりも外周側端部146の近くに位置している。これによると、ロータ側摩擦面110とアーマチュア側摩擦面140との凝着によって生じた溶融物MCを複数の溝部147が流入し易くなる。このため、ロータ側摩擦面110とアーマチュア側摩擦面140との凝着によって生ずる各種不具合を充分に抑制することができる。
(第1実施形態の変形例)
上述の第1実施形態では、複数の溝部147の断面形状が矩形状となっている例について説明したが、これに限定されない。複数の溝部147は、例えば、以下の第1、第2変形例に示す断面形状となっていてもよい。
(第1変形例)
アーマチュア側摩擦面140は、図12に示すように、断面形状が丸形状(すなわち、C字形状)となる複数の溝部147Aが形成されていてもよい。なお、図12は、第1実施形態の図7に対応する断面図である。
(第2変形例)
アーマチュア側摩擦面140は、図13に示すように、断面形状がV字形状となる複数の溝部147Bが形成されていてもよい。なお、図13は、第1実施形態の図7に対応する断面図である。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、図14〜図16を参照して説明する。本実施形態の動力伝達装置10は、アーマチュア側摩擦面140に形成された複数の溝部147Cの溝深さGdが第1実施形態の複数の溝部147と相違している。
図14、図15に示すように、本実施形態のアーマチュア側摩擦面140には、複数の溝部147Cが形成されている。本実施形態では、アーマチュア側摩擦面140における内周側において凝着による溶融物が成長し易いことを考慮し、複数の溝部147Cの内側における溝深さGdを大きくしている。
具体的には、本実施形態の複数の溝部147Cは、図16に示すように、アーマチュア側摩擦面140における外側から内側に向かうにしたがって溝深さGdが大きくなっている。すなわち、本実施形態の複数の溝部147Cは、内周側端部145に近い内側における溝深さGd_Iが、外周側端部146に近い外側における溝深さGd_Oよりも大きくなっている。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。本実施形態の動力伝達装置10は、第1実施形態と共通の構成から奏される採用効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
特に、本実施形態では、複数の溝部147Cの内側における溝深さGd_Iが、外側における溝深さGd_Oよりも大きくなっている。これによると、アーマチュア側摩擦面140における凝着が生じ易い内側における溝部147Cの溝深さGdが大きくなっているので、凝着によって生じた溶融物が複数の溝部147Cに留まり易くなる。この結果、ロータ側摩擦面110とアーマチュア側摩擦面140との凝着によって生ずる各種不具合を充分に抑制することができる。
また、本実施形態では、凝着が生じ難い摩擦面の外側における溝部147Cの溝深さGdが内側に比べて小さくなっているので、電磁石12への通電時にロータ11およびアーマチュア14に形成される磁気回路の磁気抵抗を抑えることができる。すなわち、本構成によれば、電磁石12への通電時にロータ11およびアーマチュア14に形成される磁気回路の磁気性能の向上を図ることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について、図17、図18を参照して説明する。本実施形態の動力伝達装置10は、アーマチュア側摩擦面140に形成された複数の溝部147Dの溝幅Gwが第1実施形態の複数の溝部147と相違している。
図17、図18に示すように、本実施形態のアーマチュア側摩擦面140には、複数の溝部147Dが形成されている。本実施形態では、アーマチュア側摩擦面140における内周側において凝着による溶融物が成長し易いことを考慮し、複数の溝部147Dの内側における溝幅Gwを大きくしている。
具体的には、本実施形態の複数の溝部147Dは、アーマチュア側摩擦面140における外側から内側に向かうにしたがって溝幅Gwが大きくなっている。すなわち、本実施形態の複数の溝部147Dは、内周側端部145に近い内側の溝幅Gw_Iが、外周側端部146に近い外側の溝幅Gw_Oよりも大きくなっている。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。本実施形態の動力伝達装置10は、第1実施形態と共通の構成から奏される採用効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
特に、本実施形態では、複数の溝部147Dの内側における溝幅Gw_Iが、外側における溝幅Gw_Oよりも大きくなっている。これによると、アーマチュア側摩擦面140における凝着が生じ易い内側における溝部147Dの溝幅Gwが外側に比べて大きくなっているので、凝着によって生じた溶融物が複数の溝部147Dに流入し易くなる。この結果、ロータ側摩擦面110とアーマチュア側摩擦面140との凝着によって生ずる各種不具合を充分に抑制することができる。
また、本実施形態の複数の溝部147Dは、アーマチュア側摩擦面140における凝着が生じ難い外側の溝幅Gwが内側に比べて小さくなっているので、ロータ側摩擦面110とアーマチュア側摩擦面140との接触面積を充分に確保することができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について、図19、図20を参照して説明する。本実施形態の動力伝達装置10は、ロータ側摩擦面110にも複数の溝部118が形成されている点が第1実施形態と相違している。
本実施形態の動力伝達装置10は、ロータ側摩擦面110およびアーマチュア側摩擦面140の双方に複数の溝部118、147が形成されている。なお、アーマチュア側摩擦面140については、第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
本実施形態のロータ11は、図19、図20に示すように、ロータ側摩擦面110に、シャフト20の軸心CLを中心に内周側から外周側に向かってスリット状に延びる複数の溝部118が形成されている。複数の溝部118は、ロータ側摩擦面110の周方向において等間隔に並ぶように放射状に形成されている。本実施形態のロータ側摩擦面110には、12個の溝部118が形成されている。なお、溝部118は、12個に限らず、例えば、8個程度設けられていてもよい。
本実施形態の複数の溝部118は、ロータ側摩擦面110の内周側の端部である内周側端部116からロータ側摩擦面110の外周側の端部である外周側端部117の手前まで延びている。すなわち、複数の溝部118は、その外側の端部である溝外端部119が、ロータ側摩擦面110における外周側端部117よりも内周側に位置している。
本実施形態の複数の溝部118は、溝外端部119がロータ側摩擦面110において、内周側端部116よりも外周側端部117の近くに位置している。これにより、本実施形態の複数の溝部118は、溝外端部119がスリット穴部115よりも径方向DRrの外側に位置している。
本実施形態の複数の溝部118は、シャフト20の径方向DRrに沿って直線状に延びている。なお、複数の溝部118は、一部または全体がシャフト20の径方向DRrと交差する方向に直線状に延びていたり、一部または全体が湾曲した形状となっていたりしてもよい。
また、本実施形態の複数の溝部118は、溝幅Gwおよび溝深さGdが略一定となっている。なお、図示しないが、本実施形態の複数の溝部118は、溝部118の断面形状が矩形状となっている。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。本実施形態の動力伝達装置10は、第1実施形態と共通の構成から奏される採用効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
特に、本実施形態の動力伝達装置10は、ロータ側摩擦面110およびアーマチュア側摩擦面140の双方に複数の溝部118、147が形成されている。これによると、ロータ側摩擦面110とアーマチュア側摩擦面140との凝着によって生じた溶融物が流入する空間を充分に確保することができるので、凝着によって生じた溶融物が大きく成長してしまうことを充分に抑制することができる。この結果、ロータ側摩擦面110とアーマチュア側摩擦面140との凝着によって生ずる各種不具合を充分に抑制することができる。
ここで、本実施形態では、ロータ側摩擦面110に形成された複数の溝部118を第1実施形態で説明したアーマチュア側摩擦面140に形成された複数の溝部147と同様の溝形状とする例について説明したが、これに限定されない。ロータ側摩擦面110に形成された複数の溝部118は、アーマチュア側摩擦面140に形成された複数の溝部147と異なる溝形状となっていてもよい。
(他の実施形態)
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、例えば、以下のように種々変形可能である。
上述の各実施形態の如く、複数の溝部118、147の溝外端部119、148を摩擦面の内周側端部116、145よりも外周側端部117、146の近くに位置させることが望ましいが、これに限定されない。複数の溝部118、147は、その溝外端部119、148が、外周側端部117、146よりも摩擦面の内周側端部116、145の近くに位置するように形成されていてもよい。
上述の各実施形態では、アーマチュア側摩擦面140に複数の溝部147が形成された構成や、ロータ側摩擦面110およびアーマチュア側摩擦面140の双方に複数の溝部147が形成された構成について説明したが、これに限定されない。動力伝達装置10は、例えば、ロータ側摩擦面110にだけ複数の溝部118が形成された構成となっていてもよい。
上述の各実施形態では、アーマチュア14とハブ15とが板バネ16を介して連結される構成について説明したが、これに限定されない。動力伝達装置10は、例えば、ゴム等の弾性部材を介してアーマチュア14とハブ15とが連結される構成となっていてもよい。
上述の各実施形態では、本発明の動力伝達装置10をモータ機能付発電機ISGが搭載されたエンジン6に対して適用した例について説明したが、これに限定されない。本発明の動力伝達装置10は、モータ機能付発電機ISGが搭載されていないエンジン6に対して適用可能である。
上述の各実施形態では、本発明の動力伝達装置10をエンジン6から圧縮機2への回転駆動力の断続に適用した例について説明したが、これに限定されない。本発明の動力伝達装置10は、例えば、エンジン6や電動モータ等の駆動源と回転駆動力によって作動する発電機との動力伝達の断続させる装置に適用可能である。
上述の実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
上述の実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されない。
上述の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されない。
(まとめ)
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、動力伝達装置は、ロータ側摩擦面およびアーマチュア側摩擦面のうち、少なくとも一方の摩擦面に、内周側端部から外周側端部の手前まで延びる複数の溝部が形成されている。
第2の観点によれば、動力伝達装置は、複数の溝部のうち、外側に位置する溝外端部が内周側端部よりも外周側端部の近くに位置している。これによると、凝着によって生じた溶融物が複数の溝部に流入し易くなるので、ロータの摩擦面とアーマチュアの摩擦面との凝着によって生ずる各種不具合を充分に抑制することができる。
第3の観点によれば、動力伝達装置は、複数の溝部の内側における溝深さが、外側における溝深さよりも大きくなっている。これによると、凝着が生じ易い摩擦面の内側における溝部の溝深さが大きくなっているので、凝着によって生じた溶融物が複数の溝部に留まり易くなる。この結果、ロータの摩擦面とアーマチュアの摩擦面との凝着によって生ずる各種不具合を充分に抑制することができる。また、凝着が生じ難い摩擦面の外側における溝部の溝深さが内側に比べて小さくなっているので、電磁石への通電時にロータおよびアーマチュアに形成される磁気回路の磁気抵抗を抑えることができる。すなわち、本構成によれば、電磁石への通電時にロータおよびアーマチュアに形成される磁気回路の磁気性能の向上を図ることができる。
第4の観点によれば、動力伝達装置は、複数の溝部の内側における溝幅が、外側における溝幅よりも大きくなっている。これによると、凝着が生じ易い摩擦面の内側における溝部の溝幅が外側に比べて大きくなっているので、凝着によって生じた溶融物が複数の溝部に流入し易くなる。この結果、ロータの摩擦面とアーマチュアの摩擦面との凝着によって生ずる各種不具合を充分に抑制することができる。また、凝着が生じ難い摩擦面の外側における溝部の溝幅が内側に比べて小さくなっているので、ロータ側摩擦面とアーマチュア側摩擦面との接触面積を充分に確保することができる。
第5の観点によれば、動力伝達装置は、複数の溝部が、ロータ側摩擦面およびアーマチュア側摩擦面の双方に形成されている。これによると、凝着によって生じた溶融物が流入する空間を充分に確保することができるので、凝着によって生じた溶融物が大きく成長してしまうことを充分に抑制することができる。この結果、ロータの摩擦面とアーマチュアの摩擦面との凝着によって生ずる各種不具合を充分に抑制することができる。
第6の観点によれば、動力伝達装置は、駆動源に対して、駆動源の出力を補助するモータ機能付発電機が搭載されている。本開示の動力伝達装置は、前述の如く、ロータ側摩擦面とアーマチュア側摩擦面との凝着によって生じた溶融物が成長し難い構造となっている。このため、本開示の動力伝達装置は、ロータ側摩擦面とアーマチュア側摩擦面との凝着が特に生じ易いモータ機能付発電機が搭載された駆動源に好適である。
11 ロータ
110 ロータ側摩擦面
116 内周側端部
117 外周側端部
118 複数の溝部
14 アーマチュア
140 アーマチュア側摩擦面
145 内周側端部
146 外周側端部
147、147A〜147D 複数の溝部

Claims (5)

  1. 駆動源(6)から出力される回転駆動力を駆動対象装置(2)に伝達する動力伝達装置であって、
    通電時に電磁吸引力を発生する電磁石(12)と、
    前記回転駆動力によって回転するロータ(11)と、
    前記電磁石への通電時に前記電磁吸引力によって前記ロータに連結されると共に、前記電磁石への非通電時に前記ロータから切り離される円環状のアーマチュア(14)と、を備え、
    前記ロータには、前記電磁石への通電時に前記アーマチュアに当接するロータ側摩擦面(110)が形成されており、
    前記アーマチュアには、前記電磁石への通電時にロータ側摩擦面に当接するアーマチュア側摩擦面(140)が形成されており、
    前記ロータ側摩擦面および前記アーマチュア側摩擦面のうち、少なくとも一方の摩擦面には、内周側の端部である内周側端部(116、145)から外周側の端部である外周側端部(117、146)の手前まで延びる複数の溝部(118、147、147A、147B、147C、147D)が形成されており、
    前記複数の溝部(147C)は、内側における溝深さ(Gd_I)が、外側における溝深さ(Gd_O)よりも大きくなっている動力伝達装置。
  2. 前記複数の溝部は、外側に位置する溝外端部(119、148)が前記内周側端部よりも前記外周側端部の近くに位置している請求項1に記載の動力伝達装置。
  3. 前記複数の溝部(147D)は、内側における溝幅(Gw_I)が、外側における溝幅(Gw_O)よりも大きくなっている請求項1または2に記載の動力伝達装置。
  4. 前記複数の溝部は、前記ロータ側摩擦面および前記アーマチュア側摩擦面の双方に形成されている請求項1ないしのいずれか1つに記載の動力伝達装置。
  5. 前記駆動源には、前記駆動源の出力を補助するモータ機能付発電機(ISG)が搭載されている請求項1ないしのいずれか1つに記載の動力伝達装置。
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