JP6645377B2 - 空調制御装置、空調制御方法 - Google Patents

空調制御装置、空調制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、車室内を空調するためのヒートポンプを用いて二次電池を冷却する技術に関する。
電気自動車やハイブリッド自動車などのように大容量の二次電池を搭載した車両が開発されている。一般に、二次電池には、放電あるいは充電に適した動作温度範囲が存在しており、適切な動作温度範囲外で放電あるいは充電すると二次電池の寿命が短くなってしまう。そこで、二次電池の電池温度を監視しておき、電池温度が低すぎる場合には二次電池を加熱し、逆に、温度が高すぎる場合には二次電池を冷却することによって、電池温度を適切な動作温度範囲に保つことが行われている。
ここで、適切な動作温度範囲の上限温度は比較的低いので、エンジンなどのように冷却水とラジエーターとを用いた冷却では、電池温度を上限温度以下に冷却することが難しい。このため、二次電池の冷却にはいわゆるヒートポンプが利用される。
また、二次電池を冷却するために専用のヒートポンプを搭載したのでは、搭載スペースや製造コストなどの観点から問題が生じるので、車室内の冷房用に搭載されているヒートポンプを、二次電池の冷却にも利用することが行われている(例えば、特許文献1)。
特開2013−189118号公報
しかし、車室内の空調実施中に二次電池の冷却を開始すると、通常通りには空調できなくなることがあり、そのような場合に空調装置の異常として点検修理に持ち込まれると、異常の原因が特定できずに点検修理に多大な手間が必要になるという問題があった。
この発明は、従来技術が有する上述した課題に鑑みてなされたものであり、空調装置のヒートポンプを用いて二次電池を冷却する場合でも、空調装置の点検修理に多大な手間が掛かる事態を回避可能な技術の提供を目的とする。
上述した課題を解決するために本発明の空調制御装置および空調制御方法では、車室内を空調する空調装置のヒートポンプを利用して、二次電池の電池冷却を行う。そして、電池冷却を行うに際しては、空調装置の動作状態が、冷房運転動作状態(すなわち、減圧膨張させた時の冷媒ガスの温度低下を利用して室内温度を低下させる運転動作状態)であるか否かを判断して、冷房運転動作状態中に電池冷却が発生した場合には、電池冷却の発生を記憶しておく。
こうすれば、空調装置の異常として点検修理が持ち込まれた場合でも、電池冷却の発生が記憶されているか否かを確認することによって、点検修理に持ち込まれた原因が、電池冷却の発生によるものであるか否かを判断することができる。その結果、異常の原因が特定できずに点検修理に多大な手間が必要になる事態を回避することが可能となる。
本実施例の空調制御装置100を備えた空調システム1の大まかな構成を示す説明図である。 本実施例の空調制御装置100の内部構造を示したブロック図である。 本実施例の空調制御装置100が実行する空調制御処理の前半部分のフローチャートである。 本実施例の空調制御処理の後半部分のフローチャートである。 冷房運転中の空調システム1の動作を示す説明図である。 暖房運転中の空調システム1の動作を示す説明図である。 空調制御処理の中で実行される電池冷却処理の前半部分のフローチャートである。 電池冷却処理の後半部分のフローチャートである。 暖房運転中に電池冷却を行う場合の動作を示す説明図である。 冷房運転中に電池冷却を行う場合の動作を示す説明図である。 空調制御装置100が収集する二次電池50の冷却条件を例示した説明図である。 変形例の空調制御装置150の内部構造を示したブロック図である。 タッチパネル2上に表示された電池冷却の開始を報知する画面を例示した説明図である。 変形例の電池冷却処理の前半部分のフローチャートである。 変形例の電池冷却処理の後半部分のフローチャートである。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために実施例について説明する。
A.装置構成 :
図1には、本実施例の空調制御装置100を備えた空調システム1の大まかな構成が示されている。図示されるように、空調システム1は、図示しない車両の室内を空調するための空調装置10と、図示しない車両に搭載された二次電池50を冷却するための電池冷却装置40と、空調装置10および電池冷却装置40の動作を制御する空調制御装置100とを備えている。
空調装置10は、冷媒ガスを圧縮する電動圧縮機11と、室内凝縮器12と、冷房用二方弁13と、第1膨張弁14と、室外コンデンサー15と、第2膨張弁16と、三方弁17と、蒸発器18と、アキュムレーター19と、これらを接続する冷媒配管とを備えている。尚、本実施例の電動圧縮機11は、本発明の「圧縮機」に相当する。
このうち、室内凝縮器12や、室外コンデンサー15、蒸発器18は、冷媒ガスと空気との間で熱交換させる一種の熱交換器であり、車室内に空気を送風する送風通路20内に搭載されている。
また、第1膨張弁14や第2膨張弁16は固定絞りとなっており、電動圧縮機11で圧縮された冷媒ガスが第1膨張弁14あるいは第2膨張弁16を通過する際に減圧膨張する結果、冷媒ガスの温度が低下する。
冷房用二方弁13および三方弁17は、電動圧縮機11で圧縮された冷媒ガスが流れる経路を切り換える機能を有している。
例えば、冷房用二方弁13が閉じている状態では、冷媒ガスは固定絞りである第1膨張弁14を通過する。これに対して冷房用二方弁13が開いた状態では、冷媒ガスは、通過抵抗が大きい第1膨張弁14を通過することなく、冷房用二方弁13を通過するようになる。
また、三方弁17を切り換えることによって、冷媒ガスが三方弁17から蒸発器18を経由してアキュムレーター19に流入する経路と、蒸発器18を経由することなく三方弁17からアキュムレーター19に流入する経路とを切り換えることができる。
アキュムレーター19では、流れ込んだ冷媒ガスに含まれる液相部分が分離されて、気相の冷媒ガスが電動圧縮機11に供給される。
電動圧縮機11の下流側の冷媒配管には圧力センサー11sが取り付けられており、電動圧縮機11で圧縮された冷媒ガスの圧力(以下、冷媒圧力)を検出して空調制御装置100に出力する。また、蒸発器18には温度センサー18sが取り付けられており、蒸発器18の温度(以下、蒸発器温度)を検出して空調制御装置100に出力している。
空調装置10には、ブロアー21や、空気混合板22も設けられている。ブロアー21は、送風通路20内の蒸発器18よりも上流側に搭載されており、空調制御装置100の制御の下で回転することによって蒸発器18に向けて空気を送風する。
また、空気混合板22は、送風通路20内の蒸発器18よりは下流側で、室内凝縮器12よりは上流側の位置に搭載されており、位置を調整可能となっている。空調制御装置100は空気混合板22の位置を制御することによって、蒸発器18を通過した空気が、室内凝縮器12に流入する流入量を調整している。
本実施例の電池冷却装置40は、図示しない車両に搭載された二次電池50を冷却する機能を有しており、電池冷却用熱交換器41と、電池冷却用二方弁42と、冷却水ポンプ43とを備えている。
電池冷却用二方弁42は、上述した空調装置10の三方弁17と蒸発器18とを接続する冷媒配管を分岐させて引き出した電池冷却用冷媒配管44に接続されている。そして、電池冷却用二方弁42の下流側の電池冷却用冷媒配管44は、電池冷却用熱交換器41を経由して、上述した空調装置10の蒸発器18とアキュムレーター19との間で冷媒配管に合流している。従って、電池冷却用二方弁42が開弁されると、空調装置10の三方弁17と蒸発器18との間を流れる冷媒ガスが電池冷却用冷媒配管44に分流して、電池冷却用熱交換器41を経由した後、蒸発器18とアキュムレーター19との間で冷媒配管に還流するようになる。
冷却水ポンプ43は、二次電池50を冷却するための冷却水配管45に接続されており、冷却水ポンプ43の下流側の冷却水配管45は、電池冷却用熱交換器41を経由して二次電池50に接続されている。従って、空調制御装置100が冷却水ポンプ43を駆動すると、冷却水配管45を介して冷却水が二次電池50と電池冷却用熱交換器41との間を循環する。
そして、このとき、電池冷却用冷媒配管44を流れる冷媒ガスと、冷却水配管45を流れる冷却水とが電池冷却用熱交換器41で熱交換することによって冷却水が冷やされて、その冷却水が還流することによって二次電池50が冷却される。
二次電池50には電池温度を検出する電池温度センサー50sが搭載されており、電池温度センサー50sが検出した電池温度は空調制御装置100に出力されている。
空調制御装置100には、圧力センサー11sや、温度センサー18sや、電池温度センサー50sが接続されており、圧力センサー11sからは冷媒圧力が、温度センサー18sからは蒸発器温度が、電池温度センサー50sからは電池温度が入力される。また、空調制御装置100には、図示しない車両の乗員によって操作されるタッチパネル2も接続されており、乗員がタッチパネル2を操作することによって、空調制御装置100に対して冷房運転または暖房運転の何れかの空調運転を設定したり、空調の目標温度を設定したりすることが可能となっている。
また、空調制御装置100には、後述する様々なセンサーが接続されており、それらセンサーの出力に基づいて、電動圧縮機11や、冷房用二方弁13、三方弁17、ブロアー21、空気混合板22の動作を制御することによって、車室内の空調を行う。
更に、二次電池50の電池冷却が必要と判断した場合には、電池冷却用二方弁42および冷却水ポンプ43を制御することによって、電池冷却を実施する。この点については、後ほど詳しく説明する。
図2には、本実施例の空調制御装置100の大まかな内部構造が示されている。図示されるように本実施例の空調制御装置100は、空調動作取得部101と、目標温度取得部102と、室内温度取得部103と、室外温度取得部104と、日射量取得部105と、動作状態制御部106と、電池温度取得部107と、冷却要否判断部108と、電池冷却部109と、走行状態取得部110と、冷却条件収集部111と、冷却発生記憶部112とを備えている。
尚、これらの「部」は、車室内の空調や電池冷却を実施するために空調制御装置100が備える機能に着目して、空調制御装置100の内部を便宜的に分類した抽象的な概念である。従って、空調制御装置100がこれらの「部」に物理的に区分されていることを表すものではない。これらの「部」は、CPUで実行されるコンピュータープログラムとして実現することもできるし、LSIやメモリーを含む電子回路として実現することもできるし、更にはこれらを組合せることによって実現することもできる。本実施例では、空調制御装置100は、CPUやROMやRAMなどを備えたマイクロコンピューターによって主に形成されており、従って上記の「部」はCPUが実行するコンピュータープログラムによって主に実現されている。
空調動作取得部101は、タッチパネル2に接続されており、図示しない車両の乗員がタッチパネル2を操作することによって設定した空調動作(本実施例では、冷房運転または暖房運転の何れか)を取得して、後述する動作状態制御部106に出力する。
目標温度取得部102も、タッチパネル2に接続されており、車両の乗員がタッチパネル2を操作して設定した空調の目標温度を取得して、後述する動作状態制御部106に出力する。
室内温度取得部103は、図示しない車両の車室内に搭載された室内温度センサー3に接続されており、室内温度センサー3が検出した車室内の温度(以下、室内温度)を取得して、動作状態制御部106に出力する。
室外温度取得部104は、図示しない車両に搭載された室外温度センサー4に接続されており、室外温度センサー4が検出した車室外の温度(以下、室外温度)を取得して、動作状態制御部106に出力する。
日射量取得部105は、図示しない車両に搭載された日射量センサー5に接続されており、日射量センサー5が検出した日射量を取得して、動作状態制御部106に出力する。
動作状態制御部106は、車両の乗員によって設定された空調動作を空調動作取得部101から取得すると、設定された空調動作に合わせて、冷房用二方弁13や三方弁17や空気混合板22の設定を切り換える。また、目標温度取得部102から取得した目標温度や、室内温度取得部103から取得した室内温度、室外温度取得部104から取得した室外温度、日射量取得部105から取得した日射量に基づいて、電動圧縮機11やブロアー21の回転速度を制御する。また、詳細には後述するが、空調動作が冷房運転の場合には、温度センサー18sで検出した蒸発器温度も制御に使用し、空調動作が暖房運転の場合には、圧力センサー11sで検出した冷媒圧力も制御に使用する。
電池温度取得部107は、電池温度センサー50sに接続されており、二次電池50の電池温度を取得して冷却要否判断部108に出力する。
冷却要否判断部108は、電池温度取得部107から取得した電池温度に基づいて、二次電池50の電池冷却の要否を判断し、判断結果を電池冷却部109に出力する。
電池冷却部109は、図1を用いて前述した電池冷却用二方弁42や冷却水ポンプ43に接続されており、電池冷却が必要な場合には、電池冷却用二方弁42を開いて、冷媒ガスが電池冷却用冷媒配管44を流れるようにすると共に、冷却水ポンプ43を駆動して冷却水を循環させる。
更に、電池冷却部109は、電池冷却を開始するに際してその旨を動作状態制御部106および冷却条件収集部111にも出力する。
動作状態制御部106は、電池冷却部109から電池冷却を開始する旨の情報を受け取ると、冷房運転中の場合には電池冷却の分だけ冷房能力を増加させる。もっとも、冷房能力を増加させる余裕が残っていない場合も起こり得る。このような場合には、空調用の冷房能力の一部を割いて電池冷却を実施する。また、暖房運転中の場合には、一時的に冷房運転に切り換えることによって、低温の冷媒ガスが電池冷却用冷媒配管44および電池冷却用熱交換器41に供給されるようにする。
更に、動作状態制御部106は、電池冷却が発生すると、その時の動作条件(空調動作の内容や、目標温度、室内温度、室外温度、日射量など)を冷却条件収集部に出力する。
冷却条件収集部111は、電池冷却が発生した時の動作条件に加えて、車両の走行速度や、位置情報や、走行開始からの走行距離や走行時間などの走行状態についての情報も、電池冷却発生条件として収集する。すなわち、冷却条件収集部111には走行状態取得部110が接続されており、走行状態取得部110には車速センサー6や、ナビゲーション装置7が接続されている。このため冷却条件収集部111は、車速センサー6で検出した走行速度を、走行状態取得部110を介して取得することができる。また、位置情報や、走行開始からの走行距離や走行時間などの情報については、ナビゲーション装置7が有する情報を、走行状態取得部110を介して取得することができる。
更に、冷却条件収集部111は、無線通信装置8に接続されており、収集した電池冷却発生条件を外部のサーバーに向けて送信するとともに、電池冷却発生条件の記憶が必要か否かを判断する。そして、記憶が必要と判断した場合には、電池冷却発生条件の一部を冷却発生記憶部112に出力する。電池冷却発生条件の記憶が必要か否かを判断する方法や、記憶が必要と判断した場合に、冷却発生記憶部112に出力する電池冷却発生条件については、後ほど詳しく説明する。
冷却発生記憶部112は、冷却条件収集部111から受け取った情報を、読み出し可能な状態で記憶する。
B.空調制御処理 :
図3には、本実施例の空調制御装置100が実行する空調制御処理のフローチャートが示されている。図示されるように、空調制御処理を開始すると先ず始めに、車両の乗員によって設定された空調動作を取得する(S100)。図2を用いて前述したように、車両の乗員はタッチパネル2を操作することによって、空調制御装置100に対して、冷房運転あるいは暖房運転の何れかの空調動作を設定することができる。
続いて、車両の乗員によって設定された空調の目標温度を取得する(S101)。図2を用いて前述したように、車両の乗員はタッチパネル2を操作することによって、空調の目標温度も設定することができる。
更に、室内温度センサー3、室外温度センサー4、日射量センサー5で検出した室内温度や、室外温度、日射量を取得する(S102)。
そして、これら目標温度や、室内温度、室外温度、日射量などの情報に基づいて、車室内に吹き出す空気の目標温度(以下、目標吹出温度Tao)を算出する(S103)。例えば、冷房運転時に、目標温度に対して室内温度が高い場合には、室内温度を下げる必要があるので目標吹出温度Taoは低くなる。当然ながら、目標温度に対して室内温度が高くなる程、目標吹出温度Taoは低くなる。
また、室外温度が高くなる程、あるいは日射量が多くなる程、室内温度が上がり易いと考えられるので、目標吹出温度Taoは低くしておく必要がある。このように、目標吹出温度Taoは、目標温度や、室内温度、室外温度、日射量などの情報に基づいて決定される。本実施例では、以下の計算式を用いて目標吹出温度Taoを算出する。
目標吹出温度Tao = K1・目標温度 − K2・室内温度
− K3・室外温度 − K4・日射量 + C
ここで、K1〜K4は比例係数であり、Cは補正用の定数である。
続いて、車両の乗員によって設定された空調動作が冷房運転であるか否かを判断し(S104)、冷房運転であった場合には(S104:yes)、冷房用二方弁13、三方弁17、空気混合板22を冷房運転状態に切り換える(S105)。冷房運転状態では、冷房用二方弁13は開弁状態となり、また、三方弁17は蒸発器18に向かって冷媒ガスが流れる状態に切り換えられる。更に、空気混合板22は、室内凝縮器12に空気が流入することを妨げる状態に切り換えられる。
図5には、冷房運転状態の空調装置10の動作が示されている。図1を用いて前述したように、空調装置10には様々な冷媒配管が設けられているが、冷房運転状態では、図5中に太い実線で示した冷媒配管を冷媒ガスが流れる状態となる。尚、図5中で冷媒配管に沿って付された矢印は、冷媒ガスが流れる方向を表している。以下では、図5を参照しながら、冷房運転状態での空調装置10の動作について説明する。
冷房運転状態では、電動圧縮機11を動作させることによって、高圧に圧縮した冷媒ガスを冷媒配管に圧送する。圧送された高圧の冷媒ガスは、室内凝縮器12および冷房用二方弁13を経由して室外コンデンサー15に供給される。
尚、室内凝縮器12から室外コンデンサー15までの冷媒配管は、冷房用二方弁13を通る経路と、第1膨張弁14を通る経路とに分かれている。しかし、冷房運転状態では冷房用二方弁13が開弁状態となっているので、冷媒ガスは通過抵抗の大きな第1膨張弁14を避けて、専ら、冷房用二方弁13を通る経路で室外コンデンサー15に供給される。図5中で、第1膨張弁14を通る冷媒配管が細い破線で示されているのは、この部分の冷媒配管は冷媒ガスが流れないことを表している。
また、冷媒ガスは電動圧縮機11で高圧に圧縮される際に、外部(ここでは電動圧縮機11)から仕事を受けることになるので内部エネルギーが増加する結果、電動圧縮機11から圧送された冷媒ガスは高圧かつ高温となっている。そして、高温高圧の冷媒ガスが室内凝縮器12から冷房用二方弁13を経由して室外コンデンサー15に流入する。
室外コンデンサー15は熱交換器となっており、車両の走行風や図示しない送風機による送風が当たるようになっている。このため、室外コンデンサー15に流入した高温の冷媒ガスは、周囲の空気と熱交換することによって温度が低下する。
尚、電動圧縮機11で圧縮された高温高圧の冷媒ガスが始めに流入する室内凝縮器12も熱交換器となっているが、図5に示されるように、室内凝縮器12は空気混合板22によって風が当たらない状態となっている。このため、冷房運転状態では、室内凝縮器12では事実上、冷媒ガスの放熱が行われることはなく、専ら、室外コンデンサー15で放熱される。
こうして室外コンデンサー15で放熱して冷やされた高圧の冷媒ガスは、第2膨張弁16を通過する際に減圧すると共に膨張する。このとき、膨張する冷媒ガスは外部に対して仕事をすることになるので、内部エネルギーが減少する。従って、室外コンデンサー15で放熱して冷やされた冷媒ガスの温度が更に低下することになる。
そして、冷房運転状態では、三方弁17は冷媒ガスを蒸発器18に供給する状態に切り換えられているので、第2膨張弁16で減圧膨張して低温となった冷媒ガスが蒸発器18に供給される。このため、ブロアー21を回転させて蒸発器18に向かって空気を送風すると、低温の冷媒ガスによって冷やされた空気が冷風となって蒸発器18から流出した後、空気混合板22で導かれて送風通路20から室内に吹き出すことになる。
また、蒸発器18に供給された低温の冷媒ガスは、蒸発器18で空気の熱を吸収することによって温度が上昇し、その状態でアキュムレーター19に流入する。
そして、アキュムレーター19では、冷媒ガスが液相部分と気相部分とに分離されて、気相部分の冷媒ガスが電動圧縮機11に供給されて、電動圧縮機11で圧縮される。すなわち、電動圧縮機11は、蒸発器18で空気から熱を吸収した冷媒ガスを圧縮することになるので、圧縮した冷媒ガスの温度は大きく上昇する。そして、高温高圧となった冷媒ガスを室外コンデンサー15に導いて放熱した後、第2膨張弁16で減圧膨張させて低温の冷媒ガスを生成させ、その低温の冷媒ガスを蒸発器18に導いて空気の熱を吸収する。従って、この一連の動作を全体としてみれば、ブロアー21で送風された空気の熱を蒸発器18で汲み出して、室外コンデンサー15で室外に排出するポンプのような動作をしていることになる。このことから、上述した熱サイクルは「ヒートポンプ」と呼ばれることがある。
以上では、冷房運転状態での空調装置10の動作について説明した。図3に示した空調制御処理では、空調動作が冷房運転に設定されていると判断した場合には(S104:yes)、上述した動作を行うべく、冷房用二方弁13や、三方弁17、空気混合板22の設定を切り換える(S105)。すなわち、冷房用二方弁13は開弁状態とし、三方弁17は冷媒ガスが蒸発器18に供給される状態とし、更に、空気混合板22は、室内凝縮器12に空気が流入することを妨げる状態に切り換える。
続いて、S103で算出しておいた目標吹出温度Taoに基づいて、蒸発器18の目標温度(以下、目標蒸発器温度Teo)を決定する(S106)。目標蒸発器温度Teoを決定する方法については周知の種々の方法を用いることができる。本実施例では、目標吹出温度Taoに対して適切な目標蒸発器温度Teoが設定されたマップを参照することによって、目標蒸発器温度Teoを決定する。
その後、目標蒸発器温度Teoと、蒸発器18の実際の温度(以下、蒸発器温度Te)との温度差に基づいて、電動圧縮機11の回転速度Rcの変化量(以下、回転速度変化量ΔRc)を決定する(S107)。蒸発器温度Teは、蒸発器18に搭載された温度センサー18sを用いて検出することができる。
目標蒸発器温度Teoと蒸発器温度Teとの温度差に基づいて、電動圧縮機11の回転速度変化量ΔRcを決定する方法については、周知の種々の方法を用いることができるが、目標蒸発器温度Teoと蒸発器温度Teとの温度差から回転速度変化量ΔRcを決定可能な理由は、次のように考えれば理解できる。
例えば、目標蒸発器温度Teoと蒸発器温度Teとが同じであったとする。この場合は、現在の回転速度Rcを変更する必要はないから、回転速度変化量ΔRcは「0」となる。これに対して、目標蒸発器温度Teoが蒸発器温度Teよりも低い場合は、冷房能力を増加させる必要があるから、回転速度変化量ΔRcは正の値となる。また、目標蒸発器温度Teoが蒸発器温度Teに対して低くなる程、回転速度変化量ΔRcの絶対値は大きくなる。逆に、目標蒸発器温度Teoが蒸発器温度Teよりも高い場合は、冷房能力が大きすぎると考えられるので、回転速度変化量ΔRcは負の値となる。また、目標蒸発器温度Teoが蒸発器温度Teに対して高くなる程、回転速度変化量ΔRcの負の絶対値は大きくなる。
以上の説明から明らかなように、目標蒸発器温度Teoと蒸発器温度Teとの温度差が分かれば、それに応じて、電動圧縮機11の回転速度変化量ΔRcを決定することができる。
こうして回転速度変化量ΔRcを求めたら(S107)、次式を用いて、電動圧縮機11の仮の目標回転速度(以下、仮目標回転速度Rtmp)を算出する(S111)。
仮目標回転速度Rtmp = 回転速度Rc + 回転速度変化量ΔRc
尚、算出した回転速度が「仮の」目標回転速度となっている理由については後述する。
以上では、車両の乗員によって設定された空調動作が冷房運転であった場合、すなわち、S104で「yes」と判断した場合の処理について説明した。これに対して、空調動作が暖房運転に設定されていた場合(S104:no)は、以下のような処理を行う。
先ず、冷房用二方弁13、三方弁17、空気混合板22を、暖房運転状態に切り換える(S108)。暖房運転状態では、冷房用二方弁13は閉弁状態となり、三方弁17は冷媒ガスが蒸発器18をバイパスする状態に切り換えられる。また、空気混合板22は、室内凝縮器12に空気が流入する状態に切り換えられる。このように、冷房用二方弁13や、三方弁17、空気混合板22の設定を切り換えることによって、空調装置10で暖房運転を実現することができる。以下では、この点について説明する。
図6には、暖房運転状態での空調装置10の動作が示されている。前述した冷房運転状態を示す図5の場合と同様に、図6でも、冷媒ガスが流れる冷媒配管を太い実線で表し、冷媒ガスが流れる方向を、冷媒配管に沿って付した矢印によって表している。
暖房運転状態でも、前述した冷房運転状態の場合と同様に、電動圧縮機11を動作させることによって、高圧に圧縮した冷媒ガスを冷媒配管に圧送する。冷媒ガスは高圧に圧縮される際に電動圧縮機11から仕事をされるので、内部エネルギーが増加することとなって温度が上昇し、高温かつ高圧の冷媒ガスとなって室内凝縮器12に供給される。
また、室内凝縮器12は熱交換器となっており、しかも、暖房運転状態では、図6に示されるように、ブロアー21で送風された空気が室内凝縮器12に導かられるような状態に空気混合板22が設定されている。このため、高温の冷媒ガスが室内凝縮器12に供給されると、ブロアー21によって送風された空気が加熱されて、暖風となって送風通路20から室内に吹き出される。
また、空気を加熱したことに伴って、室内凝縮器12に供給された高温かつ高圧の冷媒ガスは、冷やされた状態で室内凝縮器12から流出する。
また、暖房運転では冷房用二方弁13が閉弁状態となっている。このため、室内凝縮器12から流出した高圧の冷媒ガスは、図6に示されるように、第1膨張弁14が設けられた経路を通過する。このとき、高圧の冷媒ガスが第1膨張弁14で減圧膨張して内部エネルギーが減少する。従って、室内凝縮器12で放熱して冷やされた冷媒ガスの温度が更に低下することになる。そして、その冷媒ガスが室外コンデンサー15に流入する。前述したように、室外コンデンサー15には、車両の走行風や図示しない送風機による送風が当たるようになっているので、低温の冷媒ガスが室外コンデンサー15に流入すると、冷媒ガスは周囲の空気の熱を吸収して温度が上昇する。
その後、室外コンデンサー15で温度が上昇した冷媒ガスは、第2膨張弁16を通過して三方弁17に到達する。前述したように、暖房運転では三方弁17は、冷媒ガスが蒸発器18をバイパスする状態に設定されているので、三方弁17に到達した冷媒ガスは、蒸発器18を経由することなく、アキュムレーター19に流入する。
尚、前述した冷房運転では、第2膨張弁16で冷媒ガスが減圧膨張して温度が低下したが、暖房運転では第2膨張弁16で冷媒ガスが減圧膨張して温度が低下することはない。この理由は、暖房運転では第1膨張弁14で既に減圧膨張して冷媒ガスの圧力が低下しているためである。
アキュムレーター19では、冷媒ガスが液相部分と気相部分とに分離されて、気相部分の冷媒ガスが電動圧縮機11に供給されて、電動圧縮機11で圧縮される。すなわち、暖房運転では、室外コンデンサー15で空気から熱を吸収した冷媒ガスを電動圧縮機11で圧縮することになるので、圧縮した冷媒ガスの温度は大きく上昇する。そして、上昇して高温となった冷媒ガスを室内凝縮器12に導いて放熱した後、更に、第1膨張弁14で減圧膨張させることによって更に低温の冷媒ガスを生成させ、その低温の冷媒ガスを室外コンデンサー15に導いて空気の熱を吸収する。従って、この一連の動作を全体としてみれば、室外コンデンサー15で車室外の空気から汲み出した熱を、室内凝縮器12で送風通路20内の空気に排出するポンプのような動作をしていることになる。このことから、上述した熱サイクルは、先に前述した冷房運転に対して、熱サイクルの動作方向、すなわち、熱を汲み出して排出する方向が違っているものと考えることができる。
図3に示した空調制御処理では、空調動作が暖房運転に設定されていると判断した場合には(S104:no)、上述した動作を行うべく、冷房用二方弁13や、三方弁17、空気混合板22の設定を切り換える(S108)。すなわち、冷房用二方弁13は閉弁状態とし、三方弁17は冷媒ガスが蒸発器18をバイパスする状態とし、更に、空気混合板22は、室内凝縮器12に空気が流入する状態に切り換える。
続いて、暖房運転では、S103で算出しておいた目標吹出温度Taoに基づいて、電動圧縮機11が冷媒ガスを圧送する目標圧力(以下、目標冷媒圧力Peo)を決定する(S109)。目標冷媒圧力Peoを決定する方法については周知の種々の方法を用いることができる。本実施例では、目標吹出温度Taoに対して適切な目標冷媒圧力Peoが設定されたマップを参照することによって決定する。
その後、目標冷媒圧力Peoと、電動圧縮機11が冷媒ガスを圧送する実際の圧力(以下、実際の冷媒圧力Pre)との圧力差に基づいて、電動圧縮機11の回転速度Rcの変化量(以下、回転速度変化量ΔRc)を決定する(S110)。実際の冷媒圧力Preは、電動圧縮機11の下流側の冷媒配管に取り付けられた圧力センサー11sを用いて検出することができる。
目標冷媒圧力Peoと実際の冷媒圧力Preとの圧力差に基づいて、電動圧縮機11の回転速度変化量ΔRcを決定する方法についても、周知の種々の方法を用いることができるが、目標冷媒圧力Peoと実際の冷媒圧力Preとの圧力差から回転速度変化量ΔRcを決定可能な理由は、次のように考えれば理解できる。
例えば、目標冷媒圧力Peoと実際の冷媒圧力Preとが同じであったとすると、現在の回転速度Rcを変更する必要はないから、回転速度変化量ΔRcは「0」となる。これに対して、目標冷媒圧力Peoが実際の冷媒圧力Preよりも低い場合は、暖房能力を増加させる必要があるから、回転速度変化量ΔRcは正の値となる。また、目標冷媒圧力Peoが実際の冷媒圧力Preに対して低くなる程、回転速度変化量ΔRcの絶対値は大きくなる。逆に、目標冷媒圧力Peoが実際の冷媒圧力Preよりも高い場合は、暖房能力が大きすぎると考えられるので、回転速度変化量ΔRcは負の値となる。また、目標冷媒圧力Peoが実際の冷媒圧力Preに対して高くなる程、回転速度変化量ΔRcの負の絶対値は大きくなる。
以上の説明から明らかなように、目標冷媒圧力Peoと実際の冷媒圧力Preとの圧力差が分かれば、それに応じて、電動圧縮機11の回転速度変化量ΔRcを決定することができる。
こうして暖房運転の場合も回転速度変化量ΔRcを求めたら(S110)、冷房運転の場合と同様に、次式を用いて、電動圧縮機11の仮の目標回転速度(以下、仮目標回転速度Rtmp)を算出する(S111)。
仮目標回転速度Rtmp = 回転速度Rc + 回転速度変化量ΔRc
以上のように、車両の乗員によって設定された空調動作が冷房運転、あるいは暖房運転の何れの場合でも、電動圧縮機11の仮の目標回転速度(すなわち、仮目標回転速度Rtmp)が算出される(S111)。
続いて、仮目標回転速度Rtmpが、電動圧縮機11の最高回転速度Rmaxを超えているか否かを判断する(図4のS112)。そして、仮目標回転速度Rtmpが最高回転速度Rmaxを超えていない場合は(S112:no)、仮目標回転速度Rtmpを、「本当の」目標回転速度Rmに設定する(S114)。
これに対して、仮目標回転速度Rtmpが最高回転速度Rmaxを超えていた場合は(S112:yes)、最高回転速度Rmaxを、電動圧縮機11の目標回転速度Rmに設定する(S113)。
こうして電動圧縮機11の目標回転速度Rmを決定したら(S113またはS114)、決定した目標回転速度Rmで電動圧縮機11を駆動する(S115)。すなわち、電動圧縮機11の回転速度Rcが目標回転速度Rmに近付くように、電動圧縮機11に加える電流値あるいは交流周波数を制御する。
続いて、二次電池50の電池温度を取得する(S116)。図2を用いて前述したように、電池温度は電池温度センサー50sを用いて検出することができる。
そして、取得した電池温度に基づいて、二次電池50の電池冷却が必要か否かを判断する(S117)。電池冷却の要否は、種々の条件を考慮して判断することができるが、単純には、電池温度が所定の閾値温度を超えたら電池冷却を要すると判断してもよい。
その結果、電池冷却が必要と判断した場合は(S117:yes)、後述する電池冷却処理を開始する(S200)。
これに対して、電池冷却は不要と判断した場合は(S117:no)、図3および図4に示した空調制御処理を終了するか否かを判断して(S118)、処理を終了しない場合は(S118:no)、先頭に戻って、車両の乗員によって設定された空調動作を取得した後(図3のS100)、続く上述した一連の処理を実行する。
一方、処理を終了すると判断した場合は(図4のS118:no)、図3および図4に示した空調制御処理を終了する。
C.電池冷却処理 :
図7および図8には、電池冷却処理のフローチャートが示されている。この処理は、前述した空調制御処理の中で、電池冷却が必要と判断された場合に(図4のS117:yes)、空調制御装置100によって開始される処理である。
図7に示されるように、電池冷却処理(S200)を開始すると先ず始めに、空調装置10の現在の運転条件、すなわち、空調動作が冷房運転または暖房運転の何れであるか、および電動圧縮機11の回転速度Rcを記憶する(S201)。この理由は、図1を用いて前述したように、電池冷却装置40は、空調装置10のヒートポンプを用いて電池冷却を行うので、電池冷却を開始すると、車両の乗員の設定に基づく空調装置10の運転条件が変化してしまうためである。そこで、電池冷却の終了後は、元の運転条件に復帰させることができるように、空調装置10の運転条件を記憶しておく。
続いて、空調装置10の現在の空調動作が冷房運転か否かを判断する(S202)。その結果、現在の空調動作が暖房運転であった場合は(S202:no)、冷房用二方弁13および三方弁17の設定を冷房運転状態の設定に切り換える(S203)。尚、空気混合板22については、図6を用いて前述した暖房運転状態のままの設定、すなわち、ブロアー21からの空気を室内凝縮器12に導く状態としておく。
ここで、暖房運転中に電池冷却を実施する方法について概要を説明しておく。
図9には、暖房運転中に電池冷却を実施する場合の空調装置10および電池冷却装置40の動作が示されている。前述した図5あるいは図6の場合と同様に、図9でも、冷媒ガスが流れる冷媒配管および電池冷却用冷媒配管44を太い実線で表し、冷媒ガスが流れる方向を、冷媒配管に沿って付した矢印によって表している。
図9に示されるように、電池冷却を行う場合は、冷房用二方弁13および三方弁17の設定は、図5に示した冷房運転時と同様に、冷房用二方弁13を開弁させて、三方弁17は冷媒ガスが蒸発器18に供給されるような設定とする。
このため、電動圧縮機11を動作させると、図5を用いて前述した冷房運転の場合と同様に、圧縮されて高温高圧となった冷媒ガスが室内凝縮器12に供給される。そして、室内凝縮器12で放熱した後、冷房用二方弁13を経由して室外コンデンサー15に流入し、室外コンデンサー15で更に放熱して冷やされた高圧の冷媒ガスが、第2膨張弁16で減圧膨張することによって、更に冷媒ガスの温度が低下する。こうして生成された低温の冷媒ガスは、三方弁17で蒸発器18に向かって供給されて、蒸発器18で空気の熱を吸収した後、アキュムレーター19に流入する。
ここで、三方弁17と蒸発器18とを接続する冷媒配管からは、途中で電池冷却用冷媒配管44が分岐しており、この電池冷却用冷媒配管44は電池冷却用二方弁42に接続されている。電池冷却用二方弁42は、電池冷却を行わない間は閉弁状態となっているので、三方弁17から蒸発器18に向かって流れる冷媒ガスが電池冷却用冷媒配管44に分流することはない。
しかし、電池冷却を行う場合は電池冷却用二方弁42が開弁されるので、蒸発器18に向かって流れる冷媒ガスの一部が電池冷却用冷媒配管44に分流するようになる。そして、電池冷却用冷媒配管44に流れ込んだ冷媒ガスは、電池冷却用二方弁42を経由して電池冷却用熱交換器41を通過した後、蒸発器18とアキュムレーター19との間で、蒸発器18からアキュムレーター19に向かって流れる冷媒ガスに合流する(図9を参照)。
上述したように、三方弁17から蒸発器18に向かって流れる冷媒ガスは、第2膨張弁16で減圧膨張した低温の冷媒ガスなので、電池冷却用熱交換器41には低温の冷媒ガスが供給されることになる。そこで、冷却水ポンプ43を駆動して、冷却水配管45に冷却水を循環させる。こうすれば、低温の冷媒ガスで冷却水を冷却することによって冷水を生成し、その冷水を用いて二次電池50を冷却することが可能となる。
図9では、冷却水配管45を太い破線で表示することによって、冷却水が流れていることを表している。また、冷却水配管45に沿って表示した破線の矢印は、冷却水が流れる方向を表している。
図7に示した電池冷却処理では、現在の空調動作が暖房運転と判断すると(S202:no)、上述した電池冷却を実行するべく、冷房用二方弁13および三方弁17の設定を冷房運転状態の設定に切り換えている(S203)。
続いて、電池冷却時用の回転速度として予め設定された所定の回転速度(以下、電池冷却用回転速度)を、電動圧縮機11の目標回転速度Rmとして設定する(S204)。本実施例では、電池冷却用回転速度は、予め適切な値が設定されているものとして説明するが、電池温度や室外温度などに応じて変更しても良い。
その後、電池冷却記憶フラグをONに設定する(S209)。電池冷却記憶フラグとは、電池冷却の発生を記憶するか否かを示すフラグであり、電池冷却記憶フラグがONに設定された状態は、電池冷却の発生を記憶する旨を表しており、電池冷却記憶フラグがOFFに設定された状態は、電池冷却の発生を記憶しない旨を表している。
こうして電池冷却記憶フラグを設定したら、電池冷却用二方弁42を開弁させると共に、冷却水ポンプ43を駆動した後(S210)、電動圧縮機11を目標回転速度Rmで駆動する(S211)。こうすることによって、図9を用いて前述したようにして、二次電池50の電池冷却が開始される。
以上では、電池冷却する必要が生じた時の空調動作が暖房運転であった場合に(S202:no)、電池冷却を開始する処理について説明した。これに対して、空調動作が冷房運転であった場合(S202:yes)は、冷房用二方弁13や三方弁17の設定を切り換える必要はない。
ここで、冷房運転中に電池冷却を実施する方法について簡単に概要を説明しておく。
図10には、冷房運転中に電池冷却を実施する場合の空調装置10および電池冷却装置40の動作が示されている。暖房運転中に電池冷却を実施する場合について説明した図9と同様に、図10でも、冷媒ガスが流れる冷媒配管および電池冷却用冷媒配管44を太い実線で表し、冷媒ガスが流れる方向を冷媒配管に沿って付した矢印によって表している。
図9と図10とを比較すれば明らかなように、空気混合板22が設定されている状態に違いがあるものの、暖房運転中に電池冷却を行う場合(図9参照)も、冷房運転中に電池冷却を行う場合(図10参照)も、冷媒ガスおよび冷却水の流れは同じとなっている。従って、冷房用二方弁13および三方弁17の設定は、図9に示した場合と同様であり、冷房運転中に電池冷却を開始する場合には、冷房用二方弁13および三方弁17の設定を変更する必要はない。ちなみに、空気混合板22の設定についても変更する必要はない。
冷房運転中に電池冷却を行う場合も、電動圧縮機11で圧縮されて高温高圧となった冷媒ガスが室内凝縮器12に供給され、冷房用二方弁13を経由して室外コンデンサー15に流入する。そして、室外コンデンサー15で放熱して冷やされた高圧の冷媒ガスが、第2膨張弁16で減圧膨張することによって、更に温度が低下する。こうして生成された低温の冷媒ガスは、三方弁17の下流で2つに分流し、一方の冷媒ガスは蒸発器18を経由してアキュムレーター19に流れ込む。また、他方の冷媒ガスは、電池冷却用冷媒配管44を通って電池冷却用二方弁42から電池冷却用熱交換器41を経由した後、アキュムレーター19に流れ込む。
電池冷却用熱交換器41では、こうして供給された低温の冷媒ガスと、冷却水ポンプ43で冷却水配管45を循環する冷却水とが熱交換して冷水が生成され、その冷水によって二次電池50が冷却される。
このように、冷房運転中に電池冷却が発生した場合(図7のS202:yes)は、それまでは三方弁17から蒸発器18に向けて流れていた冷媒ガスの一部を、電池冷却用冷媒配管44に分流させることによって、電池冷却を行うことになる。このため、単に電池冷却を開始したのでは、それまでに行っていた冷房運転のための冷媒ガスの供給が不足する。そこで、電動圧縮機11が圧送する冷媒ガスの流量を増加させるために、電動圧縮機11の回転速度Rcを増加させることにする。
そのために、冷房運転中に電池冷却が発生した場合には(S202:yes)、先ず始めに、冷房運転中の電動圧縮機11の回転速度Rcに、電池冷却用回転速度を加算する(S205)。そして、得られた加算値が、電動圧縮機11の最高回転速度Rmaxよりも大きいか否かを判断する(S206)。
その結果、加算値が最高回転速度Rmaxよりも大きい場合は(S206:yes)、加算値ではなく、最高回転速度Rmaxを電動圧縮機11の目標回転速度Rmとして設定した後(S207)、電池冷却記憶フラグをONに設定する(S209)。前述したように、電池冷却記憶フラグとは、電池冷却の発生を記憶するか否かを表すフラグであり、電池冷却記憶フラグがONにされた状態は、電池冷却の発生を記憶する旨を表している。
その後、電池冷却用二方弁42を開弁させると共に、冷却水ポンプ43を駆動した後(S210)、電動圧縮機11を目標回転速度Rmで駆動することによって、二次電池50の電池冷却を開始する(S211)。
一方、冷房運転中の電動圧縮機11の回転速度Rcに電池冷却用回転速度を加えた加算値が、最高回転速度Rmaxよりも小さかった場合は(S206:no)、加算値を電動圧縮機11の目標回転速度Rmとして設定する(S208)。
そして、この場合は、電池冷却記憶フラグをONに設定することなく、電池冷却用二方弁42を開弁させると共に、冷却水ポンプ43を駆動した後(S210)、電動圧縮機11を目標回転速度Rmで駆動することによって、二次電池50の電池冷却を開始する(S211)。尚、加算値が最高回転速度Rmaxよりも小さかった場合(S206:no)には、電池冷却を行うにも拘わらず、電池冷却記憶フラグをONに設定しない理由については、後ほど詳しく説明する。
以上のようにして、電動圧縮機11を目標回転速度Rmで駆動したら(S211)、二次電池50の電池温度が、所定の目標温度まで低下したか否かを判断する(S212)。その結果、電池温度が目標温度まで低下していない場合は(S212:no)、そのまま電池冷却を継続するが、電池温度が目標温度まで低下したら(S212:yes)、電池冷却用二方弁42を閉弁すると共に冷却水ポンプ43を停止する(図8のS213)。こうすることによって、電池冷却が停止される。
その後、電池冷却が発生した時の条件(すなわち、電池冷却発生条件)を外部のサーバーに送信する(S214)。図2を用いて前述したように、空調制御装置100には無線通信装置8が接続されており、無線通信装置8を用いて外部のサーバーに送信する。
図11には、外部のサーバーに送信される電池冷却発生条件が例示されている。図示した例では、電池冷却発生条件として、電池冷却発生時の空調装置10の空調動作や、電池冷却開始および終了の日時、電池冷却発生時の室内温度、室外温度、車両の走行速度、車両の走行開始からの経過時間(エンジン搭載車であればエンジン始動からの経過時間)、車両の走行開始からの走行距離(エンジン搭載車であればエンジン始動からの走行距離)などの情報を、外部のサーバーに向かって送信する。
これらの情報のうち、電池冷却発生時の室内温度や、室外温度や、車両の走行速度は、電池冷却の発生に伴って、図7のS201で空調装置10の運転条件を記憶する際に記憶しておく。
また、空調装置10の空調動作については、図11に示したように、「暖房中」、「低負荷冷房中」、「高負荷冷房中」の3つの場合が存在するが、「暖房中」については、図7のS201で空調装置10の運転条件を記憶する際に記憶する。また、「低負荷冷房中」または「高負荷冷房中」については、図7のS206での判断結果に基づいて記憶する。すなわち、電動圧縮機11の現在の回転速度Rcに電池冷却用回転速度を加算した値が、電動圧縮機11の最高回転速度Rmaxに満たない場合は(S206:no)、空調装置10の空調動作を「低負荷冷房中」として記憶し、逆に、最高回転速度Rmaxより大きい場合には(S206:yes)、「高負荷冷房中」として記憶する。
更に、車両の走行開始からの経過時間や走行距離については、本実施例では、ナビゲーション装置7が収集した情報を取得する。もちろん、ナビゲーション装置7から取得するのではなく、空調制御装置100が車両の制御装置から取得しても良い。
尚、電池冷却発生条件としては、電池冷却発生時の車両の位置情報をナビゲーション装置7から取得してもよい。更には、ナビゲーション装置7から取得することが可能であれば、道路の態様(例えば、舗装されているか否か、坂道か否か、道路の勾配など)についても、電池冷却発生条件として取得しても良い。
外部のサーバーでは、送信されたこれらの情報を蓄積することによって、電池冷却が発生する条件を明確にすることが可能となり、電池冷却装置40や空調システム1の開発効率を向上させることが可能となる。
以上のようにして、電池冷却発生条件を外部のサーバーに送信したら(図8のS214)、電池冷却記憶フラグがONに設定されているか否かを判断する(S215)。前述したように、電池冷却記憶フラグとは電池冷却を記憶するか否かを示すフラグである。
その結果、電池冷却記憶フラグがONに設定されている場合は(S215:yes)、外部のサーバーに送信した各種情報の中から予め選択しておいた所定の情報を、電池冷却の発生を示す情報として、空調制御装置100の図示しないメモリーに記憶する(S216)。図11に示した例では、電池冷却発生時の条件(すなわち、電池冷却発生条件)の中から、空調装置10の空調動作と、電池冷却の開始日時の2つの情報を、電池冷却の発生を示す情報として記憶する。
これに対して、電池冷却記憶フラグがONに設定されていない場合は(S215:no)、電池冷却の発生を示す情報は記憶しない。従って、電池冷却発生条件を示す情報は、電池冷却が発生する度に外部のサーバーに送信されるが、電池冷却の発生を示す情報は、電池冷却が発生しても、電池冷却記憶フラグがONに設定されていなければ記憶されることはない。
例えば、図11に示した例では、9回分の電池冷却の発生に伴う電池冷却発生条件が示されているが、この中で、一番上に表示した1回目の電池冷却は、空調装置10の空調動作が暖房中に電池冷却が発生している。そして、図7を用いて前述したように、暖房運転中に電池冷却が発生した場合には(S202:no)、電池冷却記憶フラグがONに設定される(S209)。従って、1回目の電池冷却については、電池冷却発生時の空調動作と、電池冷却開始の日時の2つの情報が、電池冷却の発生を示す情報として空調制御装置100のメモリーに記憶される。図11中で、1回目の電池冷却の電池冷却発生時の空調動作と、電池冷却開始の日時の2つの情報が破線の矩形で囲われているのは、これらの情報が電池冷却の発生を示す情報として記憶されることを表している。
図11中の2回目の電池冷却についても、1回目の電池冷却と同様に、電池冷却の発生を示す情報が記憶される。
また、図11中で上から3番目に示した3回目の電池冷却については、低負荷冷房中(すなわち、図7のS206で「no」と判断された場合)に電池冷却が発生しており、S206で「no」と判断された場合には、電池冷却記憶フラグはOFFに設定されたままとなっている。従って、3回目の電池冷却については、電池冷却の発生を示す情報が空調制御装置100のメモリーに記憶されることはない。
図11中の4回目の電池冷却についても、3回目の電池冷却と同様に、電池冷却の発生を示す情報が記憶されることはない。
更に、図11中で上から5番目に示した5回目の電池冷却については、高負荷冷房中(すなわち、図7のS206で「yes」と判断された場合)に電池冷却が発生しており、S206で「yes」と判断された場合には、電池冷却記憶フラグはONに設定される(S209参照)。従って、5回目の電池冷却については、図11中に破線の矩形で囲って示したように、電池冷却発生時の空調動作と、電池冷却開始の日時の2つの情報が、電池冷却の発生を示す情報として記憶される。
尚、ここでは、電池冷却の発生を示す情報として、電池冷却発生時の空調動作に加えて、電池冷却開始時の日時を記憶するものとして説明するが、日時ではなく、電池冷却開始時の日付を記憶するものとしてもよい。あるいは、電池冷却開始時の日時ではなく、電池冷却終了時の日時を記憶するものとしてもよい。
このように、電池冷却の発生を示す情報が記憶されるのは、発生した電池冷却の一部(図11に示した例では、9回の電池冷却のうちの5回)となっている。しかも、電池冷却の発生が記憶される場合でも、記憶される情報は、外部のサーバーに送信される電池冷却発生条件の一部の情報に過ぎない。このため、頻繁に電池冷却が発生した場合でも、空調制御装置100のメモリー容量を大きく消費することなく、電池冷却の発生を記憶しておくことができる。
以上のようにして、電池冷却の発生を記憶したら(S216)、電池冷却記憶フラグをOFFに設定する(S217)。また、電池冷却の発生を記憶しない場合も、電池冷却記憶フラグをOFFに設定する(S217)。
そして、空調装置10の運転状態を、電池冷却発生前の状態に復帰させた後(S218)、図7および図8に示した電池冷却処理を終了して、図3および図4の空調制御処理に復帰する。
以上に詳しく説明したように、空調制御処理の実行中に二次電池50の電池冷却が必要と判断されると(図4のS117:yes)、電池冷却処理(S200)が開始される。そして、図7および図8を用いて前述したように、電池冷却処理は、二次電池50の電池温度が所定の目標温度に低下するまで継続される(図7のS212参照)。従って、電池冷却を行っている間は、それまでに空調装置10で行っていた空調動作は中断されることになる。
例えば、空調装置10が暖房運転中に電池冷却が発生した場合には、空調装置10の動作状態は、図6に示した動作状態から、図9に示した動作状態に切り換わる。そして、図9に示した動作状態は、全体として蒸発器18で空気の熱を吸収して、室外コンデンサー15で放熱する冷房運転の動作状態となっている。このため、電池冷却している間は、暖房運転は行うことができなくなる。
また、空調装置10が暖房運転中に電池冷却が発生した場合には、空調装置10の動作状態は、図5に示した動作状態から、図10に示した動作状態に切り換わる。この場合は、空調装置10の全体としての動作には大きな違いは無いが、図5では、三方弁17を通過した全ての冷媒ガスが蒸発器18に供給されるのに対して、図10では、一部の冷媒ガスが電池冷却用冷媒配管44に分流する。このため、蒸発器18に供給される冷媒ガスが不足する事態を避けるためには、電動圧縮機11の回転速度Rcを増加させて、圧送する冷媒ガスの流量を増やす必要がある。ところが、電動圧縮機11の回転速度Rcは最高回転速度Rmaxよりは高くすることができないので、蒸発器18に供給される冷媒ガスが不足して、冷房能力が低下する事態が発生する。
そして、これらの事態(すなわち、暖房運転中に暖房ができなくなる事態や、冷房運転中に冷房能力が低下する事態)が発生すると、車両の乗員は、空調装置10で不調が発生したものと考えて、空調装置10の点検修理に持ち込むことが生じ得る。もちろん、空調装置10には問題がないので、どれだけ点検しても不調の原因を見つけることができずに、車両が持ち主に返却されることになる。これでは、無駄な点検に多大な手間が必要になるだけでなく、不調の原因を見つけられないために、点検修理の能力に対して、車両の持ち主が不信感を抱いてしまう虞も生じる。
これに対して、上述した本実施例の空調制御装置100では、暖房運転中に電池冷却が発生した場合(図7のS202:no)や、高負荷での冷房運転中に電池冷却が発生した場合(S206:yes)には、電池冷却記憶フラグがONに設定される結果(S209)、電池冷却の発生がメモリーに記憶されている(図8のS216)。このため、空調装置10の点検修理に持ち込まれた場合には、空調制御装置100のメモリーに記憶されている電池冷却の履歴を読み出すことによって、点検修理に持ち込まれた原因が電池冷却にあるか否かを判断することができる。
加えて、電池冷却の履歴として記憶されている情報には、電池冷却発生時の空調動作や電池冷却開始時の日付もしくは日時が含まれている。従って、これらの情報を確認することによって、空調の不調の原因が電池冷却の発生によるものか否かを容易に判断することができる。その結果、無駄な点検に多大な手間を掛けたり、点検修理の能力に対して車両の持ち主に不信感を与えたりする事態を回避することが可能となる。
尚、上述した説明では、低負荷での冷房運転中に電池冷却が発生した場合(図7のS206:no)には、電池冷却記憶フラグをOFFにしたままとしておき、従って、電池冷却の発生がメモリーに記憶されることも無いものとして説明した。この理由は、つぎのようなものである。
先ず、低負荷の冷房運転中に電池冷却が発生した場合には、冷媒ガスの一部が電池冷却用冷媒配管44に分流するようになっても、電動圧縮機11の回転速度Rcを上昇させることによって、蒸発器18に供給される冷媒ガスの低下を補うことができる。そして、蒸発器18に供給される冷媒ガスの低下を補うことができれば、電池冷却が発生する前と後とで冷房能力は変わらないから、車両の乗員が空調装置10の不調を感じて、点検修理の持ち込むことはないと考えられるためである。
もっとも、電動圧縮機11の回転速度Rcを上昇させても、電池冷却用冷媒配管44に分流する分の冷媒ガスを正確の補えるとは限らない。従って、電池冷却が発生する前と後とで、蒸発器18に供給される冷媒ガスの流量が変化して、冷房能力が変化してしまうことも起こり得る。このことから、低負荷の冷房運転中に電池冷却が発生した場合でも、電池冷却の発生をメモリーに記憶しておくようにしても構わない。
こうすれば、車両の乗員が僅かな冷房能力の変化に気付いて、空調装置10の点検修理に持ち込まれた場合でも、無駄な点検に多大な手間が掛かってしまう事態を回避することが可能となる。
D.変形例 :
上述した実施例では、暖房運転中に電池冷却が発生した場合や、低負荷の冷房運転中に電池冷却が発生した場合は、電池冷却の発生を記憶するものとして説明した。こうすれば、電池冷却の発生を空調装置10の不調と間違えて点検修理に持ち込まれた場合でも、容易に対応することができる。
しかし、暖房運転中や低負荷での冷房運転中に電池冷却が発生した場合でも、電池冷却の発生に車両の乗員が気付いていれば、空調装置10の不調と間違えて点検修理に持ち込まれる可能性も低いと考えられる。従って、このような場合には、電池冷却の発生を記憶しておく必要はない。
そこで、以下に説明するように、変形例の空調制御装置150では、電池冷却が発生したことを車両の乗員に報知することとして、車両の乗員が報知に対して確認動作を行わなかった場合には、電池冷却の発生を記憶する。
図12には、変形例の空調制御装置150の内部構造が示されている。図12に示した変形例の空調制御装置150は、図2を用いて前述した本実施例の空調制御装置100に対して、確認要求出力部113と、確認動作検知部114とが設けられている点が大きく異なっている。以下では、前述した本実施例の空調制御装置100との相違点を中心として、変形例の空調制御装置150について説明する。
図12に示されるように、変形例の空調制御装置150も、空調動作取得部101と、目標温度取得部102と、室内温度取得部103と、室外温度取得部104と、日射量取得部105と、動作状態制御部106と、電池温度取得部107と、冷却要否判断部108と、電池冷却部109と、走行状態取得部110と、冷却条件収集部111と、冷却発生記憶部112とを備えている。このうち、電池冷却部109および冷却条件収集部111を除いて、その他の「部」の動作は、前述した本実施例の空調制御装置100と同様であるため、ここでは説明を省略する。
変形例の場合でも、前述した本実施例の場合と同様に、電池冷却部109は、電池冷却用二方弁42を開弁させるとともに、冷却水ポンプ43を駆動することによって電池冷却を行う。また、電池冷却を開始するに際しては、その旨を動作状態制御部106および冷却条件収集部111にも出力する。
これに加えて、変形例の電池冷却部109は、電池冷却を開始する際に、その旨を確認要求出力部113にも出力する。
確認要求出力部113は、タッチパネル2に接続されており、電池冷却部109から電池冷却を開始する旨の情報を受け取ると、車両の乗員に対して、電池冷却の開始を報知すると共に報知に対する確認を要求する表示をタッチパネル2に出力する。
図13には、タッチパネル2上に表示された電池冷却の開始を報知する画面が例示されている。図示した画面では、電池冷却を開始する旨が報知されると共に、電池冷却中は一時的に空調能力が低下する旨と、確認ボタンを押すように促す旨が表示されている。車両の乗員は、このような画面が表示されることによって、電池冷却が開始されることを認識すると共に、電池冷却中は一時的に空調能力が低下する場合があることを認識する。そして、表示を確認したら、確認ボタンを押すという確認動作を行うことになる。
図12に示されるように、タッチパネル2は確認動作検知部114にも接続されており、タッチパネル2上で確認ボタンが押されると、そのことを確認動作検知部114が検知して冷却条件収集部111に出力する。
変形例の冷却条件収集部111も、前述した本実施例の冷却条件収集部111と同様に、電池冷却が発生した時の各種の条件を収集して(図11を参照)、無線通信装置8を用いて外部のサーバーに送信する。また、電池冷却の発生を記憶するか否かを判断して、記憶すると判断した場合には、収集した情報の中から選択した情報を冷却発生記憶部112に出力する。
ここで、変形例の冷却条件収集部111は、電池冷却の発生を記憶するか否かを判断する際に、タッチパネル2上で確認ボタンが押されたか否かを確認する。そして、タッチパネル2の画面上に、図13に例示した電池冷却の開始を報知する画像が表示されてから、所定の確認時間が経過するまでの間に確認ボタンが押された場合には、電池冷却の発生を記憶する必要はないと判断する。
こうすれば、車両の乗員が、電池冷却が発生することや、電池冷却の発生に伴って一時的に空調能力が低下する場合があることを認識しており、従って、誤って空調装置10の点検修理に持ち込まれる可能性が低い場合にまで、電池冷却の発生が記憶される事態を回避することが可能となる。
以下では、上述した変形例の空調制御装置150が、二次電池50の電池冷却を行って、必要な場合に電池冷却の発生を記憶する処理について説明する。
図14および図15には、変形例の空調制御装置150が行う電池冷却処理(S250)のフローチャートが示されている。この処理は、図3および図4を用いて前述した空調制御処理の中で、電池冷却が必要と判断されると(図4のS117:yes)、前述した本実施例の電池冷却処理(S200)の代わりに開始される処理である。
この変形例の電池冷却処理(S250)は、図7および図8を用いて前述した本実施例の電池冷却処理に対して、電池冷却を開始する旨の画像(図13参照)を表示する点と、画像を表示してから所定の確認時間が経過するまでの間に確認ボタンが押されたか否かを判断する点とが大きく異なっている。以下では、これらの相違点を中心として、変形例の電池冷却処理について簡単に説明する。
図14に示されるように、変形例の電池冷却処理(S250)の場合でも、処理を開始すると先ず始めに、空調装置10の現在の運転条件(空調動作が冷房運転または暖房運転の何れであるか、および電動圧縮機11の回転速度Rcなど)を記憶する(S251)。 続いて、現在の空調動作が冷房運転か否かを判断し(S252)、空調動作が暖房運転であった場合は(S252:no)、図9を用いて前述したように、冷房用二方弁13および三方弁17の設定を冷房運転状態の設定に切り換える(S253)。
そして、電池冷却用回転速度を、電動圧縮機11の目標回転速度Rmとして設定する(S254)。
その後、変形例の電池冷却処理では、タッチパネル2の画面上に、電池冷却の開始を報知する画像(図13参照)を表示した後(S259)、タッチパネル2の画面上に表示された確認ボタンが押されたか否かを判断する(S260)。
尚、変形例の電池冷却処理では、タッチパネル2の画面上に、図13に例示した画像を表示するものとして説明するが、車両の乗員に対して電池冷却の発生を報知することができるのであれば、報知の態様は画像の表示に限らない。例えば、図示しないスピーカーから所定の音声を出力することによって報知しても良い。
その結果、確認ボタンが押されていない場合は(S260:no)、タッチパネル2の画面上に画像を表示から、所定の確認時間(例えば、5秒)が経過したか否かを判断し(S261)、確認時間が経過していない場合は(S261:no)、再び確認ボタンが押されたか否かを判断する(S260)。
このような判断を繰り返していると、やがては、確認ボタンが押されるか、確認ボタンが押されないまま確認時間が経過する。そこで、確認時間が経過した場合には(S261:yes)、電池冷却記憶フラグをONに設定する(S262)。前述したように、電池冷却記憶フラグがONに設定された状態は、電池冷却の発生を記憶する旨を表している。
これに対して、確認時間が経過する前に確認ボタンが押された場合には(S260:yes)、電池冷却記憶フラグはOFFに設定されたままとしておく。前述したように、電池冷却記憶フラグがOFFに設定された状態は、電池冷却の発生を記憶しない旨を表している。
こうして電池冷却記憶フラグを設定したら、電池冷却用二方弁42を開弁させると共に、冷却水ポンプ43を駆動した後(図15のS263)、電動圧縮機11を目標回転速度Rmで駆動する(S264)ことによって、電池冷却を開始する。
これに対して、電池冷却する必要が生じた時の空調動作が冷房運転であった場合(図14のS252:yes)は、冷房運転中の電動圧縮機11の回転速度Rcに、電池冷却用回転速度を加算して(S255)、得られた加算値が、電動圧縮機11の最高回転速度Rmaxよりも大きいか否かを判断する(S256)。
その結果、加算値が最高回転速度Rmaxよりも大きい場合は(S256:yes)、最高回転速度Rmaxを電動圧縮機11の目標回転速度Rmとして設定する(S257)。
続いて、タッチパネル2の画面上に、電池冷却の開始を報知する画像を表示した後(S259)、タッチパネル2の画面上に表示された確認ボタンが押されたか否かを判断し(S260)、確認ボタンが押されていない場合は(S260:no)、タッチパネル2の画面上に画像を表示から、所定の確認時間(例えば、5秒)が経過したか否かを判断する(S261)。こうして、確認ボタンが押されるか(S260:yes)、確認ボタンが押されないまま確認時間が経過するまで(S261:yes)、S260およびS261の判断を繰り返す。
その結果、確認時間が経過した場合には(S261:yes)、電池冷却記憶フラグをONに設定する(S262)。これに対して、確認時間が経過する前に確認ボタンが押された場合には(S260:yes)、電池冷却記憶フラグはOFFに設定されたままとしておく。その後、電池冷却用二方弁42を開弁させると共に、冷却水ポンプ43を駆動した後(図15のS263)、電動圧縮機11を目標回転速度Rmで駆動する(S264)ことによって、電池冷却を開始する。
一方、冷房運転中の電動圧縮機11の回転速度Rcに電池冷却用回転速度を加えた加算値が、最高回転速度Rmaxよりも小さかった場合は(S256:no)、加算値を電動圧縮機11の目標回転速度Rmとして設定する(S258)。
そして、この場合は、電池冷却する旨を報知する画像を表示したり、電池冷却記憶フラグをONに設定したりすることなく、電池冷却用二方弁42を開弁させると共に、冷却水ポンプ43を駆動した後(図15のS263)、電動圧縮機11を目標回転速度Rmで駆動することによって、二次電池50の電池冷却を開始する(S264)。
以降の処理は、変形例の電池冷却処理も、前述した本実施例の電池冷却処理と同様である。すなわち、二次電池50の電池温度が所定の目標温度まで低下するまで電池冷却を継続するが、電池温度が目標温度まで低下したら(S265:yes)、電池冷却用二方弁42を閉弁すると共に冷却水ポンプ43を停止する(S266)。
そして、電池冷却が発生した時の条件(すなわち、電池冷却発生条件)を外部のサーバーに送信し(S267)、電池冷却記憶フラグがONに設定されている場合には(S268:yes)、電池冷却の発生を示す情報を、空調制御装置100の図示しないメモリーに記憶する(S269)。
その後、電池冷却記憶フラグをOFFに設定した後(S270)、空調装置10の運転状態を、電池冷却発生前の状態に復帰させて(S271)、図14および図15に示した変形例の電池冷却処理を終了。
以上に説明した変形例の電池冷却処理では、暖房運転中に電池冷却が発生した場合(図14のS252:no)や、高負荷での冷房運転中に電池冷却が発生した場合(S256:yes)でも、電池冷却の発生を報知する(S259)。そして、その報知に対して、確認時間が経過するまでの間に確認ボタンが押された場合には(S260:yes)、車両の乗員が、電池冷却が発生する旨や、電池冷却の発生に伴って空調能力が一時的に低下する旨を認識していると考えて良い。従って、一時的な空調の不調を空調装置10の異常と誤解して点検修理に持ち込まれる虞も生じないので、電池冷却の発生を記憶しておく必要は生じない。
これに対して、電池冷却の発生を報知する表示に対して、確認時間が経過しても確認ボタンが押されなかった場合(S260:no)には、電池冷却の発生が報知されたことに、車両の乗員が気付いていない可能性がある。従って、この場合は、一時的な空調の不調を空調装置10の異常と誤解して点検修理に持ち込まれる虞があるので、電池冷却の発生を記憶しておく必要がある。そこで、電池冷却記憶フラグをONに設定して(S262)、電池冷却の発生をメモリーに記憶する(図15のS269)。
このように、変形例の空調制御装置150では、空調装置10で暖房運転を行っている時に電池冷却が発生した場合や、高負荷での冷房運転中に電池冷却が発生した場合でも、電池冷却の発生に車両の乗員が気付いた場合には、電池冷却の発生を記憶しない。このため、電池冷却の発生を記憶する回数が減少し、記憶に要するメモリー容量を節約することができる。
また、車両の乗員に対して電池冷却の発生を報知するので、電池冷却に対する理解が少しずつ進んでいく。その結果、電池冷却の発生に伴う一時的な空調の不調が生じても、空調装置10の異常と誤解して、点検修理に持ち込まれる事態を低減させることが可能となる。
以上、本実施例および変形例について説明したが、本発明は上記の実施例および変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することができる。
1…空調システム、 2…タッチパネル、 8…無線通信装置、
10…空調装置、 11…電動圧縮機、 12…室内凝縮器、
13…冷房用二方弁、 14…第1膨張弁、 15…室外コンデンサー、
16…第2膨張弁、 17…三方弁、 18…蒸発器、
19…アキュムレーター、 40…電池冷却装置、 41…電池冷却用熱交換器、
42…電池冷却用二方弁、 43…冷却水ポンプ、 44…電池冷却用冷媒配管、
45…冷却水配管、 50…二次電池、 50s…電池温度センサー、
100…空調制御装置、 101…空調動作取得部、 102…目標温度取得部、
103…室内温度取得部、 104…室外温度取得部、 105…日射量取得部、
106…動作状態制御部、 107…電池温度取得部、 108…冷却要否判断部、
109…電池冷却部、 110…走行状態取得部、 111…冷却条件収集部、
112…冷却発生記憶部、 113…確認要求出力部、 114…確認動作検知部、
150…空調制御装置。

Claims (9)

  1. 圧縮機(11)で圧縮された冷媒ガスを減圧膨張させたときの温度変化を利用して車室内の空気温度を調整する空調装置(10)と、二次電池(50)とを備えた車両に搭載されて、前記空調装置の動作を制御する空調制御装置(100、150)であって、
    前記車室内の室内温度を取得する室内温度取得部(103)と、
    前記室内温度について設定された目標温度を取得する目標温度取得部(102)と、
    前記室内温度と前記目標温度とに基づいて、前記空調装置の動作状態を制御する動作状態制御部(106)と、
    前記二次電池の電池温度を取得する電池温度取得部(107)と、
    前記電池温度に基づいて前記二次電池の電池冷却の要否を判断する冷却要否判断部(108)と、
    前記電池冷却を要する場合には、前記冷媒ガスの温度変化を利用して前記二次電池を電池冷却する電池冷却部(109)と、
    前記電池冷却するに際して、前記空調装置の動作状態が所定条件に該当するか否かを判断して、前記所定条件に該当する場合には前記電池冷却の発生を記憶する冷却発生記憶部(112)と
    を備え
    前記動作状態制御部は、前記空調装置の動作状態として、前記減圧膨張させた時の前記冷媒ガスの温度低下を利用して前記室内温度を低下させる冷房運転動作状態に制御可能であり、
    前記冷却発生記憶部は、前記冷房運転動作状態中に前記電池冷却が発生した場合には、前記動作状態が前記所定条件に該当するものとして前記電池冷却の発生を記憶する
    ことを特徴とする空調制御装置。
  2. 請求項1に記載の空調制御装置であって、
    前記動作状態制御部は、前記冷房運転動作状態での前記空調装置の前記動作状態として、前記空調装置で発生させる冷房能力についても決定しており、
    前記冷却発生記憶部は、前記空調装置で発生させる冷房能力が、前記空調装置の最大冷房能力に対する余裕量が所定量以下であった場合に、前記動作状態が前記所定条件に該当するものとして前記電池冷却の発生を記憶する
    ことを特徴とする空調制御装置。
  3. 請求項2に記載の空調制御装置であって、
    前記動作状態制御部は、前記空調装置の冷房能力として、前記圧縮機の回転速度を決定しており、
    前記冷却発生記憶部は、前記圧縮機の回転速度が、前記圧縮機の最高回転速度に対する余裕量が所定量以下であった場合に、前記動作状態が前記所定条件に該当するものとして前記電池冷却の発生を記憶する
    ことを特徴とする空調制御装置。
  4. 請求項1ないし請求項3の何れか一項に記載の空調制御装置であって、
    前記動作状態制御部は、前記空調装置の動作状態として、前記減圧膨張させた時の前記冷媒ガスの温度低下を利用して前記車室外の空気から吸熱した後、吸熱した前記冷媒ガスを前記圧縮機で圧縮した時の温度上昇を利用して前記前記室内温度を上昇させる暖房運転動作状態に制御可能であり、
    前記冷却発生記憶部は、前記暖房運転動作状態中に前記電池冷却が発生した場合には、前記動作状態が前記所定条件に該当するものとして前記電池冷却の発生を記憶する
    ことを特徴とする空調制御装置。
  5. 請求項1ないし請求項4の何れか一項に記載の空調制御装置(150)であって、
    前記二次電池を電池冷却するに際して、前記車両の運転者に対して確認動作の要求を出力する確認要求出力部(113)と、
    前記要求に対する前記確認動作を検知する確認動作検知部(114)と
    を備え、
    前記冷却発生記憶部は、前記空調装置の動作状態が前記所定条件に該当し、且つ、前記確認動作の要求に対して前記確認動作が検知されなかった場合に、前記電池冷却の発生を記憶する
    ことを特徴とする空調制御装置。
  6. 請求項1ないし請求項5の何れか一項に記載の空調制御装置であって、
    前記冷却発生記憶部は、前記電池冷却が発生した時の日付を含む情報を記憶する
    ことを特徴とする空調制御装置。
  7. 求項6に記載の空調制御装置であって、
    前記冷却発生記憶部は、前記電池冷却が発生した時の日付と、前記空調装置の動作状態とを含む情報を記憶する
    ことを特徴とする空調制御装置。
  8. 請求項1ないし請求項7の何れか一項に記載の空調制御装置であって、
    前記車両の走行状態を取得する走行状態取得部(110)と、
    前記電池冷却が発生すると、前記車両の走行状態を含む情報を電池冷却発生条件として取得して、前記車両の外部に送信する冷却条件収集部(111)と
    を備える空調制御装置。
  9. 圧縮機(11)で圧縮された冷媒ガスを減圧膨張させたときの温度変化を利用して車室内の空気温度を調整する空調装置(10)と、二次電池(50)とを備えた車両に適用されて、前記空調装置の動作を制御する空調制御方法であって、
    前記車室内の室内温度を取得する工程(S102)と、
    前記室内温度について設定された目標温度を取得する工程(S101)と、
    前記室内温度と前記目標温度とに基づいて、前記空調装置の動作状態を制御する工程(S105〜S115)と、
    前記二次電池の電池温度を取得する工程(S116)と、
    前記電池温度に基づいて前記二次電池の電池冷却の要否を判断する工程(S117)と、
    前記電池冷却を要する場合には、前記冷媒ガスの温度変化を利用して前記二次電池を電池冷却する工程(S211、S264)と、
    前記電池冷却するに際して、前記空調装置の動作状態が所定条件に該当するか否かを判断する工程(S202、S206、S252、S256)と、
    前記所定条件に該当する場合には前記電池冷却の発生を記憶する工程(S216、S269)と
    を備え、
    前記空調装置の動作状態を制御する工程は、制御可能な動作状態として、前記減圧膨張させた時の前記冷媒ガスの温度低下を利用して前記室内温度を低下させる冷房運転動作状態に制御可能な工程であり、
    前記空調装置の動作状態が所定条件に該当するか否かを判断する工程は、前記冷房運転動作状態中に前記電池冷却が発生した場合には、前記動作状態が前記所定条件に該当すると判断する工程である
    ことを特徴とする空調制御方法。
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