JP6642740B2 - 剥離シート用重剥離組成物及び剥離シート - Google Patents

剥離シート用重剥離組成物及び剥離シート Download PDF

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Description

本発明は、優れた重剥離効果を与える、付加反応硬化型の剥離シート用重剥離組成物、これを用いた剥離シートに関するものである。
従来、紙やプラスチック等の基材と粘着材料との接着、固着を防止するために、基材面にオルガノポリシロキサン組成物の硬化皮膜を形成させて剥離特性を付与させている。上述の基材面にオルガノポリシロキサン硬化皮膜を形成させる方法としては、付加反応による剥離性皮膜形成方法が硬化性に優れ、低速剥離から高速剥離でのさまざまな剥離特性の要求に対して対応可能なことから、広く用いられている。
この付加反応による剥離性皮膜形成方法には、オルガノポリシロキサン組成物を有機溶剤に溶解させたタイプ、乳化剤を用いて水に分散させてエマルションにしたタイプ、オルガノポリシロキサンのみからなる無溶剤タイプがあるが、溶剤タイプは人体や環境に対して有害な場合があるという欠点を有するため、安全性の面から溶剤タイプから無溶剤タイプへの切り替えが進んでいる。
一般に、剥離紙用オルガノポリシロキサン組成物には、目的に応じ種々の剥離力を持つものが求められており、重剥離が必要な用途に対しては、アルケニル基含有MQレジン(M単位とはR’3SiO1/2単位、Q単位とはSiO4/2単位を意味する。R’は1価炭化水素基を示す。以下同様。)を添加した組成物が広く使われている。
しかしながら、アルケニル基含有MQレジンは樹脂状又は高粘度の化合物である場合が多く、多量に添加する場合は有機溶剤に希釈しなければ使用することができない。また、少量の添加であれば無溶剤で使用することも可能であるが、その場合は重剥離効果が不充分である。また、アルケニル基含有MQレジンは、硬化直後の剥離力に比べ時間が経つにつれて剥離力が低下する傾向が知られており、経時での剥離力の変化がないものが求められている。
一方、重剥離のシートからテープを剥がす際に、剥離音(ジッピング)が問題となる場合がある。ジッピングの詳細なメカニズムについては明らかにされていない部分が多いが、特に高架橋密度の重剥離のシートではジッピングが発生しやすい傾向にある。そのため重剥離のシートを開発するに当たり、ジッピングの抑制も重要な課題である。
特公平5−53183号公報(特許文献1)は、剥離紙用オルガノポリシロキサン組成物中にアルケニル基含有MQレジンとアルケニル基非含有MQレジンを併用したものであり、経時での剥離力の変化は少なくできているが、重剥離効果は不十分である。
特許第2750896号公報(特許文献2)は、溶剤型付加反応型剥離紙用オルガノポリシロキサン組成物中にアルケニル基含有レジンを配合したもので、低温硬化性と経時変化の少ない剥離力が得られているが、重剥離化が目的ではなく剥離力は大きくない。さらに、付加反応型オルガノポリシロキサン組成物に粘着性を有するオルガノポリシロキサン樹脂を添加して重剥離化を行う方法として、下記の技術が報告されている。
特公平6−086582号公報(特許文献3)は、硬化性シリコーンゴムと両末端水酸基含有オルガノポリシロキサンとMQ単位含有シリコーンレジンを部分脱水縮合したものを有する粘着性オルガノポリシロキサン保護被覆剤である。このシリコーンゴム及びシリコーンレジンは、高粘度あるいは固体であるため溶剤が必要である。
特開平10−110156号公報(特許文献4)は、ビニル生ゴムとMQレジンの混合もしくは部分縮合物を主剤とするオルガノポリシロキサン系感圧接着剤に関する技術である。これは、シリコーンゴムを使用しているため溶剤が必要であり、また、剥離紙用重剥離組成物としての効果には触れていない。
特開2010−37557号公報(特許文献5)は、(a1)M単位とQ単位のモル比が0.6〜1.0であり、水酸基又はアルコキシ基の含有量が0.3〜2.0質量%の範囲にあるMQ型レジン100質量部と(a2)水酸基又はアルコキシ基を有する平均重合度100〜1,000の鎖状ポリジオルガノシロキサン20〜150質量部を縮合反応させたオルガノポリシロキサンレジン−オルガノポリシロキサン縮合反応物からなる剥離調整剤である。この特許文献6は、実施例における剥離力は縮合反応物無添加の比較例と比べて低速(0.3m/min)において1.4倍〜2.2倍にしか上昇しておらず、十分な重剥離化効果が得られていない。これは使用される(a1)の水酸基又はアルコキシ基の含有量が0.3〜2.0質量%の範囲と低く、(a2)との反応点が少なく、十分な縮合による架橋構造を持っていないためであると推測される。
特開平5−329184号公報(特許文献6)は、おむつからテープを剥がす際のジッピングを抑制することを目的とした特許であり、シリコーン離型剤にMQ樹脂を混合した剥離層と、AB型ブロックコポリマーと粘着付与剤を混合した粘着剤層から構成されている。この特許によればジッピングは抑制できるものの、剥離層には溶剤が使われており、また粘着剤としての評価を行っているのみであり、剥離特性については触れられていない。
特開平6−228501号公報(特許文献7)では、アルケニル基含有MQレジンを用いずに、感圧接着剤の剥離力を増す方法を提示している。これは架橋部位に高級アルケニル基を用いることで架橋密度を調節した組成物であるが、ジッピングついては触れられておらず、アルケニル基含有MQレジンを使用していないため重剥離効果も不十分である。
特開平7−188562号公報(特許文献8)は、アルケニル基含有MQレジン、α,ω−ジオレフィン、オルガノハイドロジェンポリシロキサンを用いた重剥離組成物である。アルケニル基含有MQレジンとα,ω−ジオレフィンを用いることで非常に高い剥離力を有しているものの、ジッピングについての問題提起はされておらず、この問題を解決する手段についても示唆されていない。
特公平5−53183号公報 特許第2750896号公報 特公平6−086582号公報 特開平10−110156号公報 特開2010−37557号公報 特開平5−329184号公報 特開平6−228501号公報 特開平7−188562号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、重剥離効果に優れ、剥離時のジッピングが抑制され、さらに硬化後の経時における剥離力の低下が少ない剥離シート用重剥離組成物、及びその硬化皮膜が形成された剥離シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、(A)末端に1個のアルケニル基を有する片末端反応性オルガノポリシロキサンと、(B)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンと、(C)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、(D)白金族金属触媒からなる組成物において、(A)成分の(A)成分と(B)成分の合計量に対する量を特定の範囲にし、(B)成分中において、三次元網状構造を有するオルガノポリシロキサン樹脂(B−1)と、直鎖状又は分岐鎖状のオルガノポリシロキサン(B−2)とを特定の質量比、(C)成分中において、ケイ素原子に結合した水素原子を側鎖に有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン(C−1)と、ケイ素原子に結合した水素原子を末端に有しかつ側鎖には有しないオルガノハイドロジェンポリシロキサン(C−2)とを特定の質量比にすることで、得られた組成物が、重剥離効果に優れ、剥離時のジッピングが抑制され、さらに硬化後の経時における剥離力の低下が少ないことを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は下記発明を提供する。
[1].(A)下記一般式(1):
Figure 0006642740
(式中、R1はアルケニル基を表し、R2は独立にアルケニル基を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基を表し、aは1≦a≦200を満たす数である。)
で表される、末端に1個のアルケニル基を有する片末端反応性オルガノポリシロキサン:(A)成分と(B)成分の合計量に対して(A)成分が10〜35質量部
(B)下記平均組成式(2):
3 bSiO(4-b)/2・・・(2)
(式中、R3は独立に非置換又は置換の1価炭化水素基であり、bは0<b≦3を満たす正数である。)で表される、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン:(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対して(B)成分が65〜90質量部
(C)下記平均組成式(3):
4 cdSiO(4-c-d)/2・・・(3)
(式中、R4は独立にアルケニル基を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、c及びdは、0.7≦c≦2.1、0.001≦d≦1.0、かつ0.8≦c+d≦3.0を満たす正数である。)
で表される、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分及び(B)成分中の全アルケニル基に対して(C)成分中のケイ素原子に結合した水素原子が0.5〜5.0倍モルとなる量、
(D)白金族金属系触媒:有効量
を含む剥離シート用重剥離組成物であって、
上記(B)成分が、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有する、25℃において蝋状もしくは固体である、三次元網状構造を有するオルガノポリシロキサン樹脂(B−1)と、25℃において液状である、末端に少なくとも2個のアルケニル基を有する直鎖状又は分岐鎖状のオルガノポリシロキサン(B−2)の組合せであり、(B−1)成分と(B−2)成分との質量比(B−2)/(B−1)が0.1〜0.5であり、かつ、
上記(C)成分が、ケイ素原子に結合した水素原子を側鎖に有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン(C−1)と、ケイ素原子に結合した水素原子を末端に有しかつ側鎖には有しないオルガノハイドロジェンポリシロキサン(C−2)の組合せであり、(C−1)成分と(C−2)成分の質量比(C−2)/(C−1)が1〜5である剥離シート用重剥離組成物。
[2].上記(B−1)成分が、下記平均組成式(4):
(R6 3SiO1/2e(R56 2SiO1/2f(R56SiO)g(R6 2SiO)h(R5SiO3/2i(R6SiO3/2j(SiO4/2k・・・(4)
(式中、R5は独立にアルケニル基を表し、R6は独立にアルケニル基を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基を表し、ただし全R6の少なくとも80モル%はメチル基であり、e、f、g、h、i、j及びkは、それぞれ、e≧0、f≧0、g≧0、h≧0、i≧0、j≧0及びk≧0を満たす数であり、但し、f+g+i>0、i+j+k>0、(e+f+g+h)/(i+j+k)<1.3であり、かつ、e+f+g+h+i+j+k=1を満たす数である。)
で表される、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有する、25℃において蝋状もしくは固体である、三次元網状構造を有するオルガノポリシロキサン樹脂である[1]記載の剥離シート用重剥離組成物。
[3].上記(B−2)が、下記平均組成式(5):
(R8 3SiO1/2l(R78 2SiO1/2m(R8 2SiO)n(R8SiO3/2p(SiO4/2q・・・(5)
(式中、R7は独立にアルケニル基を表し、R8は独立にアルケニル基を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基を表し、ただし全R8の少なくとも80モル%はメチル基であり、l、m、n、p及びqは、それぞれ、l≧0、m>0、n≧0、p≧0及びq≧0を満たす数であり、但し、n+p+q>0、p+q<0.1であり、かつ、l+m+n+p+q=1を満たす数である。)
で表される、25℃において液状である、末端に少なくとも2個のアルケニル基を有する直鎖状又は分岐鎖状のオルガノポリシロキサンである[1]又は[2]記載の剥離シート用重剥離組成物。
[4].上記(C−1)成分が、下記平均組成式(6):
(R9 3SiO1/2r(R9 2HSiO1/2s(R9HSiO)t(R9 2SiO)u(HSiO3/2v(R9SiO3/2w(SiO4/2x・・・(6)
(式中、R9は独立にアルケニル基を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基を表し、r、s、t、u、v、w及びxは、それぞれ、r≧0、s≧0、t≧0、u≧0、v≧0、w≧0及びx≧0を満たす数であり、但し、t+v>0であり、かつ、s+t+u+v+w+x+y=1を満たす数である。)
で表される、ケイ素原子に結合した水素原子を側鎖に有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである[1]〜[3]のいずれかに記載の剥離シート用重剥離組成物。
[5].上記(C−2)成分が、下記平均組成式(7):
(R10 3SiO1/2α(R10 2HSiO1/2β(R10 2SiO)γ(R10SiO3/2δ(SiO4/2ε・・・(7)
(式中、R10は独立にアルケニル基を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基を表し、α、β、γ、δ、及びεは、それぞれ、α≧0、β>0、γ≧0、δ≧0及びε≧0を満たす数であり、但し、γ+δ+ε>0、δ+ε<0.1であり、かつ、α+β+γ+δ+ε=1を満たす数である。)
で表される、ケイ素原子に結合した水素原子を末端に有しかつ側鎖には有しないオルガノハイドロジェンポリシロキサンである[1]〜[4]のいずれかに記載の剥離シート用重剥離組成物。
[6].25℃での粘度が50〜2,000mPa・sであることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の剥離シート用重剥離組成物。
[7].シート状基材と、該基材表面の片面又は両面に、[1]〜[6]のいずれかに項載の剥離シート用重剥離組成物の硬化皮膜とを有する剥離シート。
[8].硬化皮膜にTesa7475テープを貼り付けて、180°の角度、剥離速度0.3m/分で測定した剥離力が5〜20N/25mmである[7]記載の剥離シート。
本発明の剥離シート用重剥離組成物は、従来の重剥離組成物と比較しても非常に大きな剥離力を得ることができる。また剥離時のジッピングが抑制され、硬化後の経時における剥離力の低下も少ないため、重剥離用の剥離シートの材料として有用である。
ジッピング時の剥離力測定結果である。 ジッピングしていない通常の剥離力測定結果である。
以下、本発明について詳細に説明する。
[(A)成分]
(A)成分は、下記一般式(1):
Figure 0006642740
(式中、R1はアルケニル基であり、R2は独立にアルケニル基を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、aは1≦a≦200を満たす数である。)
で表される、末端に1個のアルケニル基を有する片末端反応性オルガノポリシロキサンである。この(A)成分末端に1個のアルケニル基を有する片末端反応性オルガノポリシロキサンを使用して架橋密度を調整することで、本発明の剥離シート用重剥離組成物(以下、重剥離組成物と略す場合がある)は、ジッピングのない剥離シートを提供することが可能となる。なお、(A)成分は1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
一般式(1)において、R1は独立にアルケニル基であり、その炭素原子数は、通常2〜8であり、好ましくは2〜4のものである。具体例としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基等が挙げられ、ビニル基が好ましい。
2は独立にアルケニル基を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、アルケニル基を有しないものであれば特に限定されず、例えば、非置換又は置換の、炭素原子数が、通常1〜12、好ましくは1〜10の1価炭化水素基が挙げられる。この非置換又は置換の1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;これらの基の水素原子の一部又は全部が塩素原子、フッ素原子、臭素原子等のハロゲン原子で置換された、クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等が挙げられる。中でもアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
aは1≦a≦200を満たす数であり、好ましくは5≦a≦100、より好ましくは5≦a≦30を満たす数である。aが200を超える場合には、(A)成分が軽剥離成分として働くために目標とする重剥離効果を得ることが困難となる。また、組成物の粘度が高くなり、溶剤で希釈しないと使用できないといった問題も生じる。
(A)成分の具体例としては、下記化合物等が挙げられる(式中、Buはブチル基を表す)。
Figure 0006642740
(A)成分の含有量は、(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対して10〜35質量部である。(A)成分の含有量が10質量部未満の場合には、硬化物の架橋密度が高くなってしまい、ジッピングが発生するといった問題が生じる。また(A)成分の含有量が35質量部を超える場合には、硬化物の架橋密度を必要以上に低下させてしまうために、目標とする重剥離効果を得ることが困難となる。
[(B)成分]
(B)成分は、下記平均組成式(2):
3 bSiO(4-b)/2・・・(2)
(式中、R3は独立に非置換又は置換の1価炭化水素基であり、bは0<b≦3を満たす正数である。)で表される、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンである。(B)成分は1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
上記平均組成式(2)において、R3で示される非置換又は置換の1価炭化水素基中、0.1〜40モル%がアルケニル基であることが好ましく、0.2〜20モル%がより好ましい。アルケニル基の含有量が0.1〜40モル%の範囲を満たすと、架橋反応が十分に進行し、重剥離効果の高い皮膜が得られる。
(B)成分中のアルケニル基としては、(A)成分の式(1)中のR1として具体的に例示したものと同じものが挙げられ、中でもビニル基が好ましい。(B)成分中のアルケニル基以外の非置換又は置換の1価炭化水素基としては、(A)成分の一般式(1)中のR2として具体的に例示したものと同じものが挙げられ、中でもアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
本発明において、(B)成分は、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有する、25℃において蝋状もしくは固体である、三次元網状構造を有するオルガノポリシロキサン樹脂(B−1)と、25℃において液状である、末端に少なくとも2個のアルケニル基を有する直鎖状又は分岐鎖状のオルガノポリシロキサン(B−2)の組合せであり、(B−1)成分と(B−2)成分との質量比(B−2)/(B−1)が0.1〜0.5である。
[(B−1)成分]
「蝋状」とは、25℃において、10,000Pa・s以上、特に100,000Pa・s以上の、ほとんど自己流動性を示さないガム状(生ゴム状)であることを意味する。なお、粘度の測定は、25℃におけるB型回転粘度計により測定される絶対粘度の値(以下、同様。)である。
(B−1)としては、下記平均組成式(4):
(R6 3SiO1/2e(R56 2SiO1/2f(R56SiO)g(R6 2SiO)h(R5SiO3/2i(R6SiO3/2j(SiO4/2k・・・(4)
(式中、R5は独立にアルケニル基を表し、R6は独立にアルケニル基を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基を表し、ただし全R6の少なくとも80モル%はメチル基であり、e、f、g、h、i、j及びkは、それぞれ、e≧0、f≧0、g≧0、h≧0、i≧0、j≧0及びk≧0を満たす数であり、但し、f+g+i>0 、i+j+k>0、(e+f+g+h)/(i+j+k)<1.3であり、かつ、e+f+g+h+i+j+k=1及びを満たす数である。)
で表され、分子中に、ケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個と、三官能性シロキサン単位及び/又はSiO4/2単位とを必須に含有するものが挙げられる。
上記平均組成式(4)中、R5で表されるアルケニル基は、(A)成分の式(1)中のR1として具体的に例示したものと同じものが挙げられ、特にビニル基が好ましい。R6で表されるアルケニル基以外の非置換又は置換の1価炭化水素基は、(A)成分の式(1)中のR2として具体的に例示したものと同じのが挙げられ、全R5の少なくとも80モル%はメチル基である。メチル基の割合が全R5の80モル%未満の場合には、(A)成分との相溶性に劣るため、組成物が白濁分離してしまい、均一な皮膜が得られないことがある。
eは0〜0.65、fは0〜0.65、gは0〜0.5、hは0〜0.5、iは0〜0.8、jは0〜0.8、kは0〜0.6の数であることが好ましい。また、f+g+iは0.1〜0.8の数であることが好ましく、i+j+kは0.1〜0.8、特に0.2〜0.6の数であることが好ましく、(e+f+g+h)/(i+j+k)は0.6〜1.25の数であることが好ましい。
上記平均組成式(4)で表されるオルガノポリシロキサン樹脂としては、例えば下記のものが挙げられる。
(Me3SiO1/2e(ViMe2SiO1/2f(SiO4/2k
(ViMe2SiO1/2f(SiO4/2k
(ViMeSiO)g(Me2SiO)h(MeSiO3/2j
(ViMe2SiO1/2f(Me2SiO)h(ViSiO3/2i
(ViMe2SiO1/2f(Me2SiO)h(MeSiO3/2j
(Me3SiO1/2e(ViMe2SiO1/2f(Me2SiO)h(MeSiO3/2j
(Me3SiO1/2e(ViMe2SiO1/2f(Me2SiO)h(ViMeSiO)g(MeSiO3/2j
(式中、Meはメチル基を、Viはビニル基を表し、e、f、g、h、i、j及びkは、上記平均組成式(4)で定義したとおりである。)
等が挙げられるが、特にMe3SiO1/2、ViMe2SiO1/2及びSiO4/2単位で構成されたオルガノポリシロキサン樹脂を用いることがより好ましい。このようなオルガノポリシロキサン樹脂を用いることで、得られる硬化物の架橋密度が十分高いものとなり、所望する重剥離効果を得ることが可能となる。
[(B−2)成分]
25℃において液状である、末端に少なくとも2個のアルケニル基を有する直鎖状又は分岐鎖状のオルガノポリシロキサンとしては、下記平均組成式(5):
(R8 3SiO1/2l(R78 2SiO1/2m(R8 2SiO)n(R8SiO3/2p(SiO4/2q・・・(5)
(式中、R7は独立にアルケニル基を表し、R8は独立にアルケニル基を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基を表し、ただし全R8の少なくとも80モル%はメチル基であり、l、m、n、p及びqは、それぞれ、l≧0、m>0、n≧0、p≧0及びq≧0を満たす数であり、但し、n+p+q>0、p+q<0.1であり、かつ、l+m+n+p+q=1を満たす数である。)
で表される化合物が挙げられる。
上記平均組成式(5)中、R7で表されるアルケニル基は、(A)成分の式(1)中のR1として具体的に例示したものと同じものが挙げられ、特にビニル基が好ましい。R8で表されるアルケニル基以外の非置換又は置換の1価炭化水素基は、(A)成分の式(1)中のR2として具体的に例示したものと同種のものであるが、全R8の少なくとも80モル%はメチル基である。メチル基の割合が全R8の80モル%未満の場合には、(A)成分との相溶性に劣るため、組成物が白濁分離してしまい、均一な皮膜が得られないことがある。
lは0〜0.65、mは0.01〜0.65、nは0〜1、pは0〜0.1、qは0〜0.1の数であることが好ましい。また、n+p+qは0.5〜1、特に0.7〜1の数であることが好ましく、p+qは0.1未満の数であることが好ましい。p+qが0.1を超える場合は、硬化物の架橋密度が高くなってしまい、ジッピングが発生するといった問題が生じる。
上記平均組成式(5)の具体例としては、
Figure 0006642740
で表される直鎖状ポリシロキサン、
Figure 0006642740
Figure 0006642740

で表される分岐鎖状ポリシロキサン等が挙げられる。中でも、ViMe2SiO1/2、及びMe2SiO単位で構成された直鎖状オルガノポリシロキサンを用いることがより好ましい。このようなオルガノポリシロキサンを用いることで、得られる硬化物の架橋密度の調整がより容易となる。
また、(B)成分の粘度は25℃での粘度は1,000mPa・s以下が好ましく、0.5〜1,000mPa・sがより好ましく、2〜500mPa・sがさらに好ましい。粘度が1,000mPa・sを超える場合は、組成物の粘度が高くなり溶剤で希釈しないと使用できないといった問題が生じる。
(B)成分中の、三次元網状構造を有するオルガノポリシロキサン樹脂(B−1)と直鎖状又は分岐鎖状のオルガノポリシロキサン(B−2)の割合も、本発明の組成物の重要なファクターの一つである。すなわち(B−1)成分と(B−2)成分の質量比((B−2)/(B−1))を0.1〜0.5とする必要があり、0.2〜0.4が好ましい。(B−2)/(B−1)が0.1未満の場合には、硬化物の架橋密度が高くなってしまい、ジッピングが発生する。また、(B−2)/(B−1)が0.5を超える場合には、硬化物の架橋密度を必要以上に低下させてしまうために目標とする重剥離効果を得ることが困難となる。
(B)成分の含有量は、(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対して65〜90質量部である。
[(C)成分]
(C)成分は、下記平均組成式(3):
4 cdSiO(4-c-d)/2・・・(3)
(式中、R4は独立にアルケニル基を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、c及びdは、0.7≦c≦2.1、0.001≦d≦1.0、かつ0.8≦c+d≦3.0を満たす正数である。)
で表される、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである。
(C)成分は、(A)及び(B)成分中に含まれるアルケニル基とヒドロシリル化反応により反応して架橋させる架橋剤として働く。この様な観点から、(C)成分の粘度は25℃での粘度が1,000mPa・s以下が好ましく、0.5〜1,000mPa・sがより好ましく、2〜200mPa・sがさらに好ましい。また、架橋のバランスの上から、(A)成分及び(B)成分中の全アルケニル基に対して(C)成分中のケイ素原子に結合した水素原子が0.5〜5.0モル倍、好ましくは0.7〜3.0モル倍となる量にコントロールする。かかる量が0.5〜5.0モル倍となる量を満たさない場合には、架橋のバランスが不適切なものとなることがある。
(C)成分中、上記ケイ素原子に結合した水素原子の含有量は、(C)成分1g当たり、0.001〜0.02molの範囲であることが好ましく、0.002〜0.017molの範囲であることがより好ましい。
上記平均組成式(3)中、R4で表されるアルケニル基を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基は、(A)成分の式(1)中のR2として具体的に例示したものが挙げられるが、全R4の少なくとも50モル%、典型的には60〜100モル%はメチル基であることが好ましい。メチル基の割合が全R4の50モル%未満の場合には、(A)成分及び(B)成分との相溶性に劣り、白濁もしくは組成物が相分離したりするという問題が発生するおそれがある。cは0.7≦c≦2.1、dは0.001≦d≦1.0、c+dは0.8≦c+d≦3.0を満たす正数である。
本発明において、(C)成分は、ケイ素原子に結合した水素原子を側鎖に有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン(C−1)と、ケイ素原子に結合した水素原子を末端に有しかつ側鎖には有しないオルガノハイドロジェンポリシロキサン(C−2)の組合せからなる。(C−1)成分は主に基材に対する密着性を付与するための成分であり、(C−2)成分は架橋密度を調整する成分である。(C)成分は1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
(C−1)としては、下記平均組成式(6):
(R9 3SiO1/2r(R9 2HSiO1/2s(R9HSiO)t(R9 2SiO)u(HSiO3/2v(R9SiO3/2w(SiO4/2x・・・(6)
(式中、R9は独立にアルケニル基を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基を表し、r、s、t、u、v、w及びxは、それぞれ、r≧0、s≧0、t≧0、u≧0、v≧0、w≧0及びx≧0を満たす数であり、但し、t+v>0であり、かつ、s+t+u+v+w+x+y=1を満たす数である。)
で表される化合物が挙げられる。
9で表されるアルケニル基以外の非置換又は置換の1価炭化水素基は、(A)成分の式(1)中のR2として具体的に例示したものと同じものが挙げられ、アルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
rは0〜0.65、sは0〜0.65、tは0〜1、uは0〜1、vは0〜1、wは0〜0.75、xは0〜0.65の数であることが好ましい。また、t+vは0.01〜1であることが好ましい。
上記平均組成式(6)の具体例としては、
Figure 0006642740
で表される環状オルガノハイドロジェンポリシロキサン、
Figure 0006642740
で表される直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(Me3SiO1/2r(MeHSiO)t(SiO4/2x
(Me2HSiO1/2s(MeHSiO)t(Me2SiO)u(SiO4/2x
(Me3SiO1/2r(MeHSiO)t(MeSiO3/2w
(Me3SiO1/2r(MeHSiO)t(HSiO3/2v
(MeHSiO)t(MeSiO3/2w
(式中、r、s、t、u、v、w及びxは、上記平均組成式(6)で定義したとおりである。)
で表される分岐鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン等が挙げられる。特に、Me3SiO1/2及びMeHSiO単位、又はMe3SiO1/2、MeHSiO及びMe2SiO単位で構成された直鎖状オルガノポリシロキサンを用いることがより好ましい。このようなオルガノポリシロキサンを用いることで、基材に対する密着性を付与することが可能となる。
(C−2)としては、(R10 3SiO1/2α(R10 2HSiO1/2β(R10 2SiO)γ(R10SiO3/2δ(SiO4/2ε・・・(7)
(式中、R10は独立にアルケニル基を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基を表し、α、β、γ、δ、及びεは、それぞれ、α≧0、β>0、γ≧0、δ≧0及びε≧0を満たす数であり、但し、γ+δ+ε>0、δ+ε<0.1であり、かつ、α+β+γ+δ+ε=1を満たす数である。)
)で表される化合物が挙げられる。
10で表されるアルケニル基以外の非置換又は置換の1価炭化水素基は、上記(A)成分の式(1)中のR2として具体的に例示したものが挙げられるが、アルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
αは0〜0.65、βは0.01〜0.65、γは0〜1、δは0〜0.1、εは0〜0.1の数であることが好ましい。また、γ+δ+εは0.5〜1、特に0.7〜1の数であることが好ましく、δ+εは0.1未満の数であることが好ましい。δ+εが0.1を超える場合は、硬化物の架橋密度が高くなってしまうおそれがある。
上記平均組成式(7)の具体例としては、
Figure 0006642740
で表される直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン、
Figure 0006642740

Figure 0006642740
で表される分岐鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン等が挙げられる。上記した分岐鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサンの構造において、各(CH32SiO単位の数を示す0〜60の中で少なくとも1つは1〜60であり、0〜50のうち、少なくとも1つは1〜50であることが好ましい。特にMe2HSiO1/2及びMe2SiO単位で構成された直鎖状オルガノポリシロキサンを用いることがより好ましい。このようなオルガノポリシロキサンを用いることで、得られる硬化物の架橋密度の調整が容易となる。
(C)成分中の、ケイ素原子に結合した水素原子を側鎖に有することを必須としたオルガノハイドロジェンポリシロキサン(C−1)成分とケイ素原子に結合した水素原子を末端に有しかつ側鎖には有しないオルガノハイドロジェンポリシロキサン(C−2)の割合も、本発明の組成物の重要なファクターの一つである。すなわち(C−1)成分と(C−2)成分の質量比((C−2)/(C−1))が1〜5とする必要がある。(C−2)/(C−1)が1未満の場合には、硬化物の架橋密度が高くなってしまい、ジッピングが発生すると言った問題が生じる。また(C−2)/(C−1)が5を超える場合には、硬化物の架橋密度を必要以上に低下させてしまうために目標とする重剥離効果を得ることが困難となる。
[(D):白金族金属系触媒]
(D)成分の白金族金属系触媒は、(A)成分及び(B)成分と(C)成分の付加反応を促進するための触媒であり、いわゆるヒドロシリル化反応を促進するものとして当業者に公知のものはいずれも使用することができる。このような白金族金属系触媒としては、例えば白金系、パラジウム系、ロジウム系、ルテニウム系等の触媒が挙げられ、これらの中で特に白金系触媒が好ましく用いられる。この白金系触媒としては、例えば、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液又はアルデヒド溶液、塩化白金酸の各種オレフィン又はビニルシロキサンとの錯体等が挙げられる。より具体的には、塩化白金酸を1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンで変性した白金触媒が挙げられる。
(D)成分の配合量は、触媒としてのいわゆる有効量でよいが、具体的には、良好な硬化皮膜を得ると共に経済的な見地から、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計質量に対して白金族金属の質量換算として0.1〜1,000ppm、より好ましくは1〜500ppmの範囲である。
[その他の成分]
本発明の組成物には、上記(A)〜(D)成分以外にも、その他の任意の成分を配合することができる。その具体例としては、以下のものが挙げられる。これらのその他の成分は、各々1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
・(A)及び(B)成分以外のアルケニル基含有化合物
本発明の組成物には、(A)及び(B)成分以外にも、(C)成分と付加反応するアルケニル基含有化合物を配合してもよい。(A)及び(B)成分以外のこのようなアルケニル基含有化合物としては、硬化物の形成に関与するものが好ましく、1分子あたり少なくとも1個のアルケニル基を有する(A)及び(B)成分以外のオルガノポリシロキサンが挙げられる。その分子構造は、例えば、直鎖状、環状、分岐鎖状、三次元網状等いずれでもよい。
((E)成分)
・付加反応制御剤
ポットライフを確保するために、付加反応制御剤を本発明組成物に配合することができる。付加反応制御剤は、上記(D)成分のヒドロシリル化触媒に対して硬化抑制効果を有する化合物であれば特に限定されず、従来から公知のものを用いることもできる。その具体例としては、トリフェニルホスフィン等のリン含有化合物;トリブチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾール等の窒素含有化合物;硫黄含有化合物;1−エチニルシクロヘキサノール、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−1−ペンテン−3−オール、フェニルブチノール等のアセチレンアルコール類;3−メチル−3−1−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−イン等のアセチレン系化合物;アルケニル基を2個以上含む化合物;ハイドロパーオキシ化合物;マレイン酸誘導体等が挙げられる。
付加反応制御剤による硬化抑制効果の度合は、その付加反応制御剤の化学構造によって異なる。よって、使用する付加反応制御剤の各々について、その添加量を最適な量に調整することが好ましい。最適な量の付加反応制御剤を添加することにより、組成物は室温での長期貯蔵安定性及び加熱硬化性に優れたものとなる。
さらに、本発明の効果を妨げない範囲で必要に応じて、その他、任意の成分として公知の酸化防止剤、顔料、安定剤、帯電防止剤、消泡剤、密着向上剤、増粘剤、シリカ等の無機充填剤を配合することができる。
[剥離シート用重剥離組成物]
本発明の重剥離組成物の25℃における粘度としては、50〜2,000mPa・s、特に50〜1,000mPa・sの粘度で使用するのが好ましい。粘度がこの範囲を外れると、基材上に硬化皮膜を形成する際に塗工できない、均一な皮膜とならない等の問題を生じることがある。
本発明の重剥離組成物は溶媒を必要としないことから、無溶媒系重剥離組成物とすることができる。
[剥離シート用重剥離組成物の製造方法]
本発明の重剥離組成物は、上記(A)〜(C)成分及び任意成分を予め均一に混合した後、(D)成分を使用直前に添加する方法が、ポットライフの面で望ましい。
[塗工品(剥離シート)]
本発明の剥離シートは、シート状基材と、該基材表面の片面又は両面に、上記重剥離組成物の硬化皮膜とを有する剥離シートである。該基材表面の片面又は両面に、上記重剥離組成物を塗工し、加熱することにより硬化皮膜を形成することができる。
例えば、重剥離組成物をそのまま、コンマコーター、リップコーター、ロールコーター、ダイコーター、ナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、キスコーター、グラビアコーター、ワイヤーバーコーター等による塗工、スクリーン塗工、浸漬塗工、キャスト塗工等の塗工方法を用いて、紙、フィルム等のシート状基材の片面又は両面上に0.01〜100g/m2塗工した後、50〜200℃で1〜120秒間加熱することにより、基材上に硬化皮膜を形成させることができる。基材の両面に剥離層を作る場合は、基材の片面ずつ硬化皮膜の形成操作を行なうことが好ましい。
なお、本発明において、剥離シートとは、シート状基材が紙であるものに加え、公知の各種フィルム等で形成されたものも含む。基材の例としては、ポリエチレンラミネート紙、グラシン紙、上質紙、クラフト紙、クレーコート紙等各種コート紙、ユポ等合成紙、ポリエチレンフィルム、CPPやOPP等のポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリ乳酸フィルム、ポリフェノールフィルム、ポリカーボネートフィルム等が挙げられる。また人工皮革、セラミックシート、両面セパレーター等の製造用の工程紙を基材として使用することも可能である。これらの基材と剥離層の密着性を向上させるために、基材面にコロナ処理、エッチング処理、プライマー処理あるいはプラズマ処理したものを用いてもよい。
[剥離シート]
本発明において、ポリエチレンラミネート紙基材上に上記重剥離組成物を0.9〜1.2g/m2塗工した後、140℃で30秒間加熱することにより作製した剥離シートは、FINAT試験法により測定される剥離力が、5〜20N/25mmである。これにより、重剥離効果の高い剥離材料として用いることができる。また、経時での剥離力の変化が少ないことも、本発明の剥離シートの特徴である。なお、本発明において、「重剥離組成物」とは上記測定方法により、上記剥離力を有するものをいう。
[初期剥離力測定方法]
上記の硬化方法により得られた剥離シートを25℃で24時間保存した後、上記と同様にFINAT試験法により測定される剥離力を初期剥離力とする。本発明においては、5〜15N/25mmが好ましい。測定方法の詳細は実施例に記載の方法である。
[経時剥離力測定方法]
上記の硬化方法により得られた剥離シートを50℃で7日間保存した後、上記と同様にFINAT試験法により測定される剥離力を経時剥離力とする。本発明においては、5〜15N/25mmが好ましい。測定方法の詳細は実施例に記載の方法である。
以下、合成例、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[合成例1]白金触媒の調製
六塩化白金酸と1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンとの反応生成物を、白金含量が0.5質量%となるように、粘度400mPa・s、平均分子式:ViMe2SiO(SiMe2O)150SiMe2Viの直鎖状のジメチルポリシロキサンで希釈して、本実施例及び比較例で使用する白金触媒(触媒(D))を調製した。Meはメチル基、Viはビニル基を示す。
以下、実施例で使用する原料を説明する。
(A)平均分子式:ViMe2SiO(SiMe2O)14SiMe3で表されるオルガノポリシロキサン
(B−1)Me3SiO1/2、ViMe2SiO1/2、及びSiO4/2単位で構成され、SiO4/2に対してMe3SiO1/2及びViMe2SiO1/2のモル比が0.8で、固形分に対するビニル基量が0.085モル/100gであるオルガノポリシロキサン樹脂(25℃で固体)
(B−2−1)平均分子式:ViMe2SiO(SiMe2O)8SiMe2Viで表されるオルガノポリシロキサン(25℃で液状)
(B−2−2)平均分子式:ViMe2SiO(SiMe2O)150SiMe2Viで表されるオルガノポリシロキサン(25℃で液状)
(C−1−1)平均分子式:Me3SiO(SiHMeO)46SiMe3で表されるメチルハイドロジェンシロキサン
(C−1−2)平均分子式:Me3SiO(SiHMeO)100SiMe3で表されるメチルハイドロジェンシロキサン
(C−1−3)平均分子式:Me3SiO(SiHMeO)45(SiMe2O)17SiMe3で表されるメチルハイドロジェンシロキサン
(C−2−1)平均分子式:HMe2SiO(SiMe2O)8SiMe2Hで表されるメチルハイドロジェンシロキサン
(C−2−2)平均分子式:HMe2SiO(SiMe2O)60SiMe2Hで表されるメチルハイドロジェンシロキサン
(D)調整例1で得られた白金触媒
(E)1−エチニルシクロヘキサノール(付加反応制御剤)
(F)1,3,5,7−テトラメチルテトラビニルテトラシクロシロキサン(H/Vi調整剤)
[実施例1]
(1)平均分子式:ViMe2SiO(SiMe2O)14SiMe3で表される片末端がビニル基で封鎖された直鎖状のジメチルポリシロキサン(A)と、Me3SiO1/2、ViMe2SiO1/2、及びSiO4/2単位で構成され、SiO4/2に対してMe3SiO1/2及びViMe2 SiO1/2のモル比が0.8で、固形分に対するビニル基量が0.085モル/100gであるオルガノポリシロキサン樹脂(B−1)のキシレン溶液とを、有効成分換算にて質量比で10:50の割合で混合した。この液体60質量部に、平均分子式:ViMe2SiO(SiMe2O)8SiMe2Viで表される両末端がビニル基で封鎖された直鎖状のジメチルポリシロキサン(B−2−1)13質量部、平均分子式:Me3SiO(SiHMeO)46SiMe3で表される側鎖のみにSiHを有するメチルハイドロジェンシロキサン(C−1−1)4.7質量部、及び平均分子式:HMe2SiO(SiMe2O)8SiMe2Hで表される末端のみにSiHを有するメチルハイドロジェンシロキサン(C−2−1)8.5質量部を混合し、150℃で20mmHg以下の減圧下でキシレンを除去し、透明液体を得た(組成物中の総アルケニル基に対する総SiH基のモル比、すなわちH/Viは1.2)。
(2)この液体100質量部に、付加反応制御剤である1−エチニルシクロヘキサノール(E成分)0.2質量部と、合成例1で得られた白金触媒(D)2質量部を均一に混合して、粘度が890mPa・sの透明な組成物を得た。
[実施例2〜12、比較例1〜8]
以下、実施例1と同様に(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を混合した後に減圧留去にて(B−1)成分中のキシレンを除去し、次いで、必要に応じてその他の成分(F)、付加反応制御剤である(E)成分、及び合成例1で得られた白金触媒(D)を混合し、示す重剥離組成物を得た。配合量(単位:質量部)を下記表に示した。なお、表中、(A)成分含有量/(A)成分と(B)成分の合計量は、(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対する(A)成分の含有量(質量部)、(B−2)/(B−1)は(B−2)成分含有量(質量部)/(B−1)成分含有量(質量部)、(C−2)/(C−1)は(C−2)成分含有量(質量部)/(C−1)成分含有量(質量部)を表す。
上記のようにして得られた組成物について粘度(25℃におけるB型回転粘度計により測定される絶対粘度)を測定し、さらに下記に示す方法で剥離シートを作製し剥離力を評価した。得られた結果を表中に示す。表中「Z」はジッピングしていることを示す。剥離力維持率[%]は、経時剥離力/初期剥離力×100[%]より求めた値である。
図1にジッピング時の剥離力測定結果を、図2にジッピングしていない通常の剥離力測定結果を示す。図1に示すように、ジッピングしている場合は剥離力が安定しておらず、正確な剥離力を測定することは困難である。
[重剥離組成物の硬化方法]
重剥離組成物を調製後、ポリエチレンラミネート紙基材に重剥離組成物を0.9〜1.2g/m2となるように塗布し、140℃の熱風式乾燥機中で30秒間加熱し、これを剥離シートとして以下の測定に使用した。
[初期剥離力の測定方法]
上記の硬化方法により得られた剥離シートを25℃で24時間保存した後、幅25mmアクリル系粘着テープTesa7475(Tesa Tape.Inc製商品名)を貼り、70℃の乾燥機中20g/cm2の荷重をかけ24時間後に取り出し試料とした。30分ほど空冷却した後、試料のTesa7475テープを、引張試験機(株式会社島津製作所製 DSC−500型試験機)を用いて180°の角度で0.3m/分で剥がし、剥離するのに要した力を測定した。
[経時剥離力の測定方法]
上記の硬化方法により得られた剥離シートを50℃で7日間保存した後、幅25mmアクリル系粘着テープTesa7475(Tesa Tape.Inc製商品名)を貼りあわせたものを、70℃の乾燥機中20g/m2の荷重を加え24時間保存したものを試料とした。30分ほど空冷した後、試料のTESA−7475テープを、引張試験機(株式会社島津製作所製 DSC−500型試験機)を用いて180°の角度で0.3m/分で剥がし、剥離するのに要した力を測定した。
Figure 0006642740
Figure 0006642740
Figure 0006642740
Figure 0006642740
以上の結果から、本発明の重剥離組成物(実施例1〜12)は、25℃において高い流動性を有し、その剥離シートは、初期において5N/25mm以上の高い剥離力を有し、かつ経時後も初期に対して85%以上の剥離力を有している。また、初期及び経時後の剥離時に、ジッピングの発生もない。よって、本発明の重剥離組成物は、重剥離用の剥離シートの材料として有用である。
一方、(A)成分の量を増やした場合(比較例2)、及び(C−1)成分を減らし(C−2)成分を増やした場合(比較例7,8)においては、架橋密度が低下してしまい軽剥離の剥離シートとなった。逆に(A)成分を含まない場合(比較例1)、(B−2)成分を含まない場合(比較例3)、(C−1)成分を増やし(C−2)成分を減らした場合(比較例5,6)においては、架橋密度が上がりすぎてしまい剥離時にジッピングが発生した。また、比較例4のように(B−2)成分を増やした場合は組成物の粘度が低くなりすぎてしまい、基材への塗工がうまくできない結果となった。以上の結果より、比較例1〜8に示された組成物は、上記のような用途としては不適当であると考えられる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (8)

  1. (A)下記一般式(1):
    Figure 0006642740
    (式中、R1はアルケニル基であり、R2は独立にアルケニル基を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、aは1≦a≦200を満たす数である。)
    で表される、末端に1個のアルケニル基を有する片末端反応性オルガノポリシロキサン:(A)成分と(B)成分の合計量に対して(A)成分が10〜35質量部
    (B)下記平均組成式(2):
    3 bSiO(4-b)/2・・・(2)
    (式中、R3は独立に非置換又は置換の1価炭化水素基であり、bは0<b≦3を満たす正数である。)で表される、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン:(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対して(B)成分が65〜90質量部
    (C)下記平均組成式(3):
    4 cdSiO(4-c-d)/2・・・(3)
    (式中、R4は独立にアルケニル基を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、c及びdは、0.7≦c≦2.1、0.001≦d≦1.0、かつ0.8≦c+d≦3.0を満たす正数である。)
    で表される、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分及び(B)成分中の全アルケニル基に対して(C)成分中のケイ素原子に結合した水素原子が0.5〜5.0倍モルとなる量、
    (D)白金族金属系触媒:有効量
    を含む剥離シート用重剥離組成物であって、
    上記(B)成分が、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有する、25℃において蝋状もしくは固体である、三次元網状構造を有するオルガノポリシロキサン樹脂(B−1)と、25℃において液状である、末端に少なくとも2個のアルケニル基を有する直鎖状又は分岐鎖状のオルガノポリシロキサン(B−2)の組合せであり、(B−1)成分と(B−2)成分との質量比(B−2)/(B−1)が0.1〜0.5であり、かつ、
    上記(C)成分が、ケイ素原子に結合した水素原子を側鎖に有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン(C−1)と、ケイ素原子に結合した水素原子を末端に有しかつ側鎖には有しないオルガノハイドロジェンポリシロキサン(C−2)の組合せであり、(C−1)成分と(C−2)成分の質量比(C−2)/(C−1)が1〜5である剥離シート用重剥離組成物。
  2. 上記(B−1)成分が、下記平均組成式(4):
    (R6 3SiO1/2e(R56 2SiO1/2f(R56SiO)g(R6 2SiO)h(R5SiO3/2i(R6SiO3/2j(SiO4/2k・・・(4)
    (式中、R5は独立にアルケニル基を表し、R6は独立にアルケニル基を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基を表し、ただし全R6の少なくとも80モル%はメチル基であり、e、f、g、h、i、j及びkは、それぞれ、e≧0、f≧0、g≧0、h≧0、i≧0、j≧0及びk≧0を満たす数であり、但し、f+g+i>0、i+j+k>0、(e+f+g+h)/(i+j+k)<1.3であり、かつ、e+f+g+h+i+j+k=1を満たす数である。)
    で表される、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有する、25℃において蝋状もしくは固体である、三次元網状構造を有するオルガノポリシロキサン樹脂である請求項1記載の剥離シート用重剥離組成物。
  3. 上記(B−2)が、下記平均組成式(5):
    (R8 3SiO1/2l(R78 2SiO1/2m(R8 2SiO)n(R8SiO3/2p(SiO4/2q・・・(5)
    (式中、R7は独立にアルケニル基を表し、R8は独立にアルケニル基を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基を表し、ただし全R8の少なくとも80モル%はメチル基であり、l、m、n、p及びqは、それぞれ、l≧0、m>0、n≧0、p≧0及びq≧0を満たす数であり、但し、n+p+q>0、p+q<0.1であり、かつ、l+m+n+p+q=1を満たす数である。)
    で表される、25℃において液状である、末端に少なくとも2個のアルケニル基を有する直鎖状又は分岐鎖状のオルガノポリシロキサンである請求項1又は2記載の剥離シート用重剥離組成物。
  4. 上記(C−1)成分が、下記平均組成式(6):
    (R9 3SiO1/2r(R9 2HSiO1/2s(R9HSiO)t(R9 2SiO)u(HSiO3/2v(R9SiO3/2w(SiO4/2x・・・(6)
    (式中、R9は独立にアルケニル基を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基を表し、r、s、t、u、v、w及びxは、それぞれ、r≧0、s≧0、t≧0、u≧0、v≧0、w≧0及びx≧0を満たす数であり、但し、t+v>0であり、かつ、s+t+u+v+w+x+y=1を満たす数である。)
    で表される、ケイ素原子に結合した水素原子を側鎖に有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである請求項1〜3のいずれか1項記載の剥離シート用重剥離組成物。
  5. 上記(C−2)成分が、下記平均組成式(7):
    (R10 3SiO1/2α(R10 2HSiO1/2β(R10 2SiO)γ(R10SiO3/2δ(SiO4/2ε・・・(7)
    (式中、R10は独立にアルケニル基を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基を表し、α、β、γ、δ、及びεは、それぞれ、α≧0、β>0、γ≧0、δ≧0及びε≧0を満たす数であり、但し、γ+δ+ε>0、δ+ε<0.1であり、かつ、α+β+γ+δ+ε=1を満たす数である。)
    で表される、ケイ素原子に結合した水素原子を末端に有しかつ側鎖には有しないオルガノハイドロジェンポリシロキサンである請求項1〜4のいずれか1項記載の剥離シート用重剥離組成物。
  6. 25℃での粘度が50〜2,000mPa・sであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の剥離シート用重剥離組成物。
  7. シート状基材と、該基材表面の片面又は両面に、請求項1〜6のいずれか1項記載の剥離シート用重剥離組成物の硬化皮膜とを有する剥離シート。
  8. 硬化皮膜にTesa7475テープを貼り付けて、180°の角度、剥離速度0.3m/分で測定した剥離力が5〜20N/25mmである請求項7記載の剥離シート。
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