JP6957968B2 - 剥離シート用重剥離組成物および剥離シート - Google Patents

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Description

本発明は、優れた重剥離効果を与える付加反応硬化型の剥離シート用重剥離組成物、およびこれを用いた剥離シートに関する。
従来、紙やプラスチック等の基材と粘着材料との接着、固着を防止するために、基材面にオルガノポリシロキサン組成物の硬化皮膜を形成させて剥離特性を付与させている。上述の基材面にオルガノポリシロキサン硬化皮膜を形成させる方法としては、付加反応による剥離性皮膜形成方法が硬化性に優れ、低速剥離から高速剥離でのさまざまな剥離特性の要求に対して対応可能なことから、広く用いられている。
この付加反応による剥離性皮膜形成方法には、オルガノポリシロキサン組成物を有機溶剤に溶解させたタイプ、乳化剤を用いて水に分散させてエマルションにしたタイプ、オルガノポリシロキサンのみからなる無溶剤タイプがあるが、溶剤タイプは人体や環境に対して有害な場合があるという欠点を有するため、安全性の面から溶剤タイプから無溶剤タイプへの切り替えが進んでいる。
一般に、剥離紙用オルガノポリシロキサン組成物には、目的に応じ種々の剥離力を持つものが求められており、重剥離が必要な用途に対しては、アルケニル基含有MQレジン(M単位とはR’3SiO1/2単位、Q単位とはSiO4/2単位を意味する。R’は1価炭化水素基を示す。以下、同様。)を添加した組成物が広く使われている。
しかしながら、アルケニル基含有MQレジンは樹脂状または高粘度の化合物である場合が多く、多量に添加する場合は有機溶剤に希釈しなければ使用することができない。また、少量の添加であれば無溶剤で使用することも可能であるが、その場合は重剥離効果が不十分である。また、アルケニル基含有MQレジンは、硬化直後の剥離力に比べ時間が経つにつれて剥離力が低下する傾向が知られており、経時での剥離力の変化がないものが求められている。
一方、重剥離のシートからテープを剥がす際に、剥離音(ジッピング)が問題となる場合がある。ジッピングの詳細なメカニズムについては明らかにされていない部分が多いが、特に高架橋密度の重剥離のシートではジッピングが発生しやすい傾向にある。そのため重剥離のシートを開発するに当たり、ジッピングの抑制も重要な課題である。
特公平5−53183号公報(特許文献1)は、剥離紙用オルガノポリシロキサン組成物中にアルケニル基含有MQレジンとアルケニル基非含有MQレジンを併用したものであり、経時での剥離力の変化は少なくできているが、重剥離効果は不十分である。
特許第2750896号公報(特許文献2)は、溶剤型付加反応型剥離紙用オルガノポリシロキサン組成物中にアルケニル基含有レジンを配合したもので、低温硬化性と経時変化の少ない剥離力が得られているが、重剥離化が目的ではなく剥離力は大きくない。さらに、付加反応型オルガノポリシロキサン組成物に粘着性を有するオルガノポリシロキサン樹脂を添加して重剥離化を行う方法として、下記の技術が報告されている。
特公平6−086582号公報(特許文献3)は、硬化性シリコーンゴムと両末端水酸基含有オルガノポリシロキサンとMQ単位含有オルガノポリシロキサン樹脂を部分脱水縮合したものを有する粘着性オルガノポリシロキサン保護被覆剤である。このシリコーンゴムおよびオルガノポリシロキサン樹脂は、高粘度あるいは固体であるため溶剤が必要である。
特開平10−110156号公報(特許文献4)は、ビニル生ゴムとMQレジンの混合もしくは部分縮合物を主剤とするオルガノポリシロキサン系感圧接着剤に関する技術である。これは、シリコーンゴムを使用しているため溶剤が必要であり、また、剥離紙用重剥離組成物としての効果には触れていない。
特開2010−37557号公報(特許文献5)は、(a1)M単位とQ単位のモル比が0.6〜1.0であり、水酸基またはアルコキシ基の含有量が0.3〜2.0質量%の範囲にあるMQ型レジン100質量部と(a2)水酸基またはアルコキシ基を有する平均重合度100〜1,000の鎖状ポリジオルガノシロキサン20〜150質量部を縮合反応させたオルガノポリシロキサン樹脂−オルガノポリシロキサン縮合反応物からなる剥離調整剤である。この特許文献6は、実施例における剥離力は縮合反応物無添加の比較例と比べて低速(0.3m/min)において1.4倍〜2.2倍にしか上昇しておらず、十分な重剥離化効果が得られていない。これは使用される(a1)の水酸基またはアルコキシ基の含有量が0.3〜2.0質量%の範囲と低く、(a2)との反応点が少なく、十分な縮合による架橋構造を持っていないためであると推測される。
特開平5−329184号公報(特許文献6)は、おむつからテープを剥がす際のジッピングを抑制することを目的とした特許であり、シリコーン離型剤にMQ樹脂を混合した剥離層と、AB型ブロックコポリマーと粘着付与剤を混合した粘着剤層から構成されている。この特許によればジッピングは抑制できるものの、剥離層には溶剤が使われており、また粘着剤としての評価を行っているのみであり、剥離特性については触れられていない。
特開平6−228501号公報(特許文献7)では、アルケニル基含有MQレジンを用いずに、感圧接着剤の剥離力を増す方法を提示している。これは架橋部位に高級アルケニル基を用いることで架橋密度を調節した組成物であるが、ジッピングについては触れられておらず、アルケニル基含有MQレジンを使用していないため重剥離効果も不十分である。
特開平7−188562号公報(特許文献8)は、アルケニル基含有MQレジン、α,ω−ジオレフィン、オルガノハイドロジェンポリシロキサンを用いた重剥離組成物である。アルケニル基含有MQレジンとα,ω−ジオレフィンを用いることで非常に高い剥離力を有しているものの、ジッピングについての問題提起はされておらず、この問題を解決する手段についても示唆されていない。
特公平5−53183号公報 特許第2750896号公報 特公平6−086582号公報 特開平10−110156号公報 特開2010−37557号公報 特開平5−329184号公報 特開平6−228501号公報 特開平7−188562号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、重剥離効果に優れ、剥離時のジッピングが抑制され、さらに硬化後の経時における剥離力の低下が少ない無溶剤型の剥離シート用重剥離組成物、およびその硬化皮膜が形成された剥離シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、(A)分子内に1個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有するアルコキシシランと、(B)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有する三次元網状のオルガノポリシロキサン樹脂と、(C)ケイ素原子に結合した水素原子を一分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、(D)白金族金属系触媒を含む剥離シート用重剥離組成物が、重剥離効果に優れ、剥離時のジッピングが抑制され、さらに硬化後の経時における剥離力の低下が少ないことを知見した。特に分子内に1個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有するアルコキシシランを使用することで、本発明の剥離シート用重剥離組成物はジッピングのない剥離シートを提供することが可能となることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記剥離シート用重剥離組成物および剥離シートを提供する。
[1].
(A)下記平均組成式(1):
12 aSi(OR33-a・・・(1)
(式中、R1は独立にアルケニル基を表し、R2は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換または置換の1価炭化水素基を表し、R3は独立に、炭素数6以上の脂肪族不飽和結合を含まない直鎖状、分岐鎖状もしくは環状の非置換または置換の1価炭化水素基を表し、aは0≦a≦2を満たす整数である。)
で表され、分子内に1個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有するアルコキシシラン:20〜50質量部、
(B)下記平均組成式(2):
(R5 3SiO1/2l(R45 2SiO1/2m(R45SiO)n(R5 2SiO)p
(R4SiO3/2q(R5SiO3/2r(SiO4/2s・・・(2)
(式中、R4は独立にアルケニル基を表し、R5は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換または置換の1価炭化水素基を表し、但し全R5の少なくとも80モル%はメチル基であり、l、m、n、p、q、rおよびsは、それぞれ、l≧0、m≧0、n≧0、p≧0、q≧0、r≧0およびs≧0を満たす数であり、但し、m+n+q>0、q+r+s>0であり、かつ、l+m+n+p+q+r+s=1を満たす数である。)
で表され、25℃において蝋状もしくは固体状であり、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有する三次元網状のオルガノポリシロキサン樹脂:80〜50質量部、
(但し、(A)成分と(B)成分との合計は100質量部である。)
(C)下記平均組成式(3):
6 bcSiO(4-b-c)/2・・・(3)
(式中、R6は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換または置換の1価炭化水素基であり、bおよびcは、0.7≦b≦2.1、0.001≦c≦1.0、かつ0.8≦b+c≦3.0を満たす正数である。)
で表され、ケイ素原子に結合した水素原子を一分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分および(B)成分中の全アルケニル基に対して(C)成分中のケイ素原子に結合した水素原子が0.5〜5倍モルとなる量、
(D)白金族金属系触媒:有効量
を含む剥離シート用重剥離組成物。
[2].
前記(A)成分の分子内に1個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有するアルコキシシランが、下記式(4)〜(6):
Figure 0006957968
Figure 0006957968
Figure 0006957968
(式中、R3は独立に、炭素数6以上の脂肪族不飽和結合を含まない直鎖状、分岐鎖状もしくは環状の非置換または置換の1価炭化水素基を表す。)
で表される化合物から選択されるものである[1]記載の剥離シート用重剥離組成物。
[3].
前記(A)成分の分子内に1個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有するアルコキシシランの揮発分が20質量%以下である[1]または[2]記載の剥離シート用重剥離組成物。
[4].
25℃での粘度が50〜2,000mPa・sである[1]〜[3]のいずれかに記載の剥離シート用重剥離組成物。
[5].
シート状基材表面の片面または両面に、[1]〜[4]のいずれかに記載の剥離シート用重剥離組成物の硬化皮膜を有する剥離シート。
[6].
硬化皮膜にTesa7475テープを貼り付けて、180°の角度、剥離速度0.3m/分で測定した剥離力が5〜25N/25mmである[5]記載の剥離シート。
本発明の剥離シート用重剥離組成物は、従来の重剥離組成物と比較しても非常に大きな剥離力を得ることができる。また剥離時のジッピングが抑制され、硬化後の経時における剥離力の低下も少ないため、重剥離用の剥離シートの材料として有用である。
実施例において、ジッピング時の剥離力の測定結果を示す。 実施例において、ジッピングしていない通常の剥離力の測定結果を示す。
以下、本発明についてより詳細に説明する。
[(A)成分]
(A)成分は、組成物の低粘度化および硬化後の架橋密度を調整させるための成分であり、下記平均組成式(1)で表される分子内に1個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有するアルコキシシランである。
12 aSi(OR33-a・・・(1)
(式中、R1は独立にアルケニル基を表し、R2は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換または置換の1価炭化水素基を表し、R3は独立に、炭素数6以上の脂肪族不飽和結合を含まない直鎖状、分岐鎖状もしくは環状の非置換または置換の1価炭化水素基を表し、aは0≦a≦2を満たす整数である。)
上記式(1)において、R1は独立にアルケニル基を表し、炭素数が、通常、2〜8、好ましくは2〜4のものである。その具体例としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基等が挙げられ、好ましくはビニル基である。
2は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換または置換の1価炭化水素基を表し、脂肪族不飽和結合を有しないものであれば特に限定されず、例えば、炭素数が、通常、1〜12、好ましくは1〜10の、脂肪族不飽和結合を含まない非置換または置換の1価炭化水素基である。この脂肪族不飽和結合を含まない非置換または置換の1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;これらの基の水素原子の一部または全部が塩素原子、フッ素原子、臭素原子等のハロゲン原子で置換された、クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等が挙げられ、好ましくはアルキル基であり、より好ましくはメチル基である。
3は独立に、炭素数6以上の脂肪族不飽和結合を含まない直鎖状、分岐鎖状もしくは環状の非置換または置換の1価炭化水素基を表し、例えば、炭素数が、通常、6〜24、好ましくは6〜18のものである。炭素数が6より少なくなる場合、(A)成分の揮発性が高くなってしまい、後述する理由から好ましくない。炭素数6以上の1価炭化水素基としては、例えば、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、2−オクチルデシル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられ、好ましくはアルキル基である。
(A)成分は、揮発分が20質量%以下、特に0.1〜18質量%であることが好ましい。(A)成分の揮発分が20質量%を超える場合には、塗工中に(A)成分が揮発してしまうために、均一な塗膜を得ることが困難となる。なお、揮発分の測定は、約2gのサンプルを105℃、3時間加熱した前後の質量変化から求めた値である。
(A)成分は、硬化後の架橋密度の調整のために使用される。分子内に2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を有する化合物を用いた場合、架橋密度が必要以上に上がってしまうため、ジッピングが発生しやすくなる。それに対して、(A)成分は、分子内に1個のケイ素原子に結合したアルケニル基しか持たないため、架橋密度を容易に調整することが可能である。
(A)成分は、組成物の低粘度化にも有用である。例えば、(A)成分の代わりに(A)成分と同じような粘度のポリジメチルシロキサンを用いたとしても、最終的な組成物の粘度は(A)成分を用いた場合よりも高くなってしまう。そのためポリジメチルシロキサンを使った組成物を塗工可能な粘度とするためには、ポリジメチルシロキサンの配合量を増やさざるを得ず、その結果、ジッピングの発生や、剥離が軽くなってしまうといった問題が生じる。また、末端にアルケニル基を有するオレフィン系炭化水素は、少量で低粘度化が可能であるが、揮発性の少ない長鎖オレフィン系炭化水素は種類が少なく、高価である。本発明の(A)成分は、以下の手法で容易に調製可能である。
(A)成分は、各種クロロシランとアルコールの脱塩酸反応により調製される。例えば、R12 aSiCl3-aで表されるクロロシランに対して、R3−OHで表されるアルコールを加え、さらに発生する塩酸を捕捉するためのトリエチルアミンや尿素などの化合物と共に加熱することで、目的とする(A)成分のアルコキシシランを得ることができる。(式中、R1、R2、R3およびaは前述した(A)成分の式(1)中に示したものと同様である。)
反応における仕込み量としては、1モルの−SiClに対して、1モル以上10モル以下、好ましくは1モル以上5モル以下の過剰量のアルコールを反応させることで、SiClを有しないアルコキシシランを得ることができる。
(A)成分のアルコキシシランとしては、下記式(4)〜(6)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0006957968
Figure 0006957968
Figure 0006957968
(式中、R3は上記と同じである。)
(A)成分のアルコキシシランの好適な具体例を下記に示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 0006957968
(式中、上記Cf2f+1(fは整数)で表される1価炭化水素基は、直鎖状の分子構造である。)
(A)成分は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
(A)成分の含有量としては、(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対して20〜50質量部、好ましくは20〜45質量部とする必要がある。(A)成分の含有量が20質量部未満の場合には、硬化物の架橋密度が高くなってしまい、ジッピングが発生するといった問題が生じる。(A)成分の含有量が50質量部を超える場合には、硬化物の架橋密度を必要以上に低下させてしまうために目標とする重剥離効果を得ることが困難となる。また、(A)成分の含有量がこの範囲を外れる場合、組成物の粘度が高粘度もしくは低粘度になりすぎてしまい、基材にうまく塗工できないといった問題も生じる。
[(B)成分]
(B)成分は、重剥離効果を付与するための成分であり、下記平均組成式(2):
(R5 3SiO1/2l(R45 2SiO1/2m(R45SiO)n(R5 2SiO)p
(R4SiO3/2q(R5SiO3/2r(SiO4/2s・・・(2)
(式中、R4は独立にアルケニル基を表し、R5は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換または置換の1価炭化水素基を表し、但し全R5の少なくとも80モル%はメチル基であり、l、m、n、p、q、rおよびsは、それぞれ、l≧0、m≧0、n≧0、p≧0、q≧0、r≧0およびs≧0を満たす数であり、但し、m+n+q>0、q+r+s>0であり、かつ、l+m+n+p+q+r+s=1を満たす数である。)
で表され、25℃において蝋状もしくは固体状であり、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基と、R4SiO3/2単位あるいはR5SiO3/2単位および/またはSiO4/2単位とを必須に含有する三次元網状のオルガノポリシロキサン樹脂である。
ここで、「蝋状」とは、25℃において、10,000Pa・s以上、特に100,000Pa・s以上の、ほとんど自己流動性を示さないガム状(生ゴム状)であることを意味する。なお、粘度の測定は、25℃におけるB型回転粘度計により測定される絶対粘度の値である(以下、同様。)。
上記平均組成式(2)において、R4で表されるアルケニル基としては、前記(A)成分の式(1)中のR1として具体的に例示したものと同様のものが例示できるが、特にビニル基であることが好ましい。
5で表される脂肪族不飽和結合を含まない非置換または置換の1価炭化水素基としては、前記(A)成分の式(1)中のR2として具体的に例示したものと同様のものが例示できるが、全R5の少なくとも80モル%、特に85〜95モル%はメチル基である。メチル基の割合が全R5の80モル%未満の場合には、(A)成分との相溶性に劣るため、組成物が白濁分離してしまい、均一な皮膜が得られないことがある。
l、m、n、p、q、rおよびsは、それぞれ、l≧0、m≧0、n≧0、p≧0、q≧0、r≧0およびs≧0を満たす数であり、lは0〜0.65、mは0〜0.65、nは0〜0.5、pは0〜0.5、qは0〜0.8、rは0〜0.8、sは0〜0.6の数であることが好ましい。
また、m+n+q>0、q+r+s>0であり、かつ、l+m+n+p+q+r+s=1を満たす数である。m+n+qは0.1〜0.8、特に0.2〜0.65の数であることが好ましく、q+r+sは0.1〜0.8、特に0.2〜0.6の数であることが好ましい。
(B)成分中、ケイ素原子に結合したアルケニル基の含有量は、(B)成分100g当たり、0.01〜1モルの範囲であることが好ましく、0.05〜0.5モルの範囲であることがより好ましい。アルケニル基の含有量が0.01〜1モルの範囲を満たすと、架橋反応が十分に進行し、より高硬度の硬化物を得ることができる。
(B)成分のオルガノポリシロキサン樹脂としては、例えば下記のものが挙げられる。
(Me3SiO1/2)l’(ViMe2SiO1/2)m’(SiO4/2)s’
(ViMe2SiO1/2)m’(SiO4/2)s’
(ViMeSiO)n’(Me2SiO)p’(MeSiO3/2)r’
(ViMe2SiO1/2)m’(Me2SiO)p’(ViSiO3/2)q’
(ViMe2SiO1/2)m’(Me2SiO)p’(MeSiO3/2)r’
(Me3SiO1/2)l’(ViMe2SiO1/2)m’(Me2SiO)p’(MeSiO3/2)r’
(Me3SiO1/2)l’(ViMe2SiO1/2)m’(Me2SiO)p’(ViMeSiO)n’(MeSiO3/2)r’
(式中、Meはメチル基を、Viはビニル基を表し、l’、m’、n’、p’、q’、r’およびs’は、それぞれ、l’>0、m’>0、n’>0、p’>0、q’>0、r’>0、s’>0であり、但し、l’、m’、n’、p’、q’、r’およびs’の合計は1を満たす数である。なお、一分子中にViを2個以上有する。)
特にMe3SiO1/2、ViMe2SiO1/2およびSiO4/2単位で構成され、SiO4/2単位に対するMe3SiO1/2単位およびViMe2SiO1/2単位の合計のモル比が0.6〜1.3、特に0.7〜1.2であるオルガノポリシロキサン樹脂を用いることがより好ましい。このようなオルガノポリシロキサン樹脂を用いることで、得られる硬化物の架橋密度が十分高いものとなり、所望する重剥離効果を得ることが可能となる。
(B)成分の重量平均分子量は、1,000〜10,000が好ましく、1,500〜9,000がより好ましく、2,000〜8,000がさらに好ましい。
なお、本発明における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCという)分析による標準ポリスチレン換算で得られる平均分子量である(以下、同様。)。
(B)成分は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
(B)成分の含有量としては、(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対して80〜50質量部、好ましくは80〜55質量部とする必要がある。(B)成分の含有量が80質量部を超える場合には、硬化物の架橋密度が高くなってしまい、ジッピングが発生するといった問題が生じる。(B)成分の含有量が50質量部未満の場合には、硬化物の架橋密度が必要以上に低下してしまうために目標とする重剥離効果を得ることが困難となる。
[(C)成分]
(C)成分は、(A)成分および(B)成分中に含まれるアルケニル基とヒドロシリル化反応により反応して架橋させる架橋剤として働くものであり、下記平均組成式(3):
6 bcSiO(4-b-c)/2・・・(3)
(式中、R6は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換または置換の1価炭化水素基であり、bおよびcは、0.7≦b≦2.1、0.001≦c≦1.0、かつ0.8≦b+c≦3.0を満たす正数である。)
で表され、ケイ素原子に結合した水素原子を一分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである。
上記平均組成式(3)において、R6で表される脂肪族不飽和結合を含まない非置換または置換の1価炭化水素基は、前記(A)成分の式(1)中のR2として具体的に例示したものと同様のものが例示できるが、全R6の少なくとも50モル%、典型的には60〜100モル%はメチル基である。メチル基の割合が全R6の50モル%未満の場合には、(A)成分および(B)成分との相溶性に劣り、白濁もしくは組成物が相分離したりするという問題が発生する場合がある。
bは0.7≦b≦2.1、好ましくは1.0≦b≦2.0、cは0.001≦c≦1.0、好ましくは0.01≦c≦0.98、b+cは0.8≦b+c≦3.0、好ましくは1.3≦b+c≦2.5を満たす正数である。
(C)成分中、前記ケイ素原子に結合した水素原子の含有量は、(C)成分1g当たり、0.001〜0.02モルの範囲であることが好ましく、0.002〜0.017モルの範囲であることがより好ましい。
一分子中に少なくとも2個(通常、2〜200個、好ましくは2〜100個)含有されるケイ素原子に結合した水素原子は、分子鎖末端、分子鎖途中のいずれに位置していてもよく、またこの両方に位置するものであってもよい。また、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐鎖状、三次元網状構造のいずれであってもよいが、一分子中のケイ素原子の数(または重合度)は、通常2〜300個、好ましくは3〜200個程度のものが望ましい。
(C)成分の25℃における粘度は、1,000mPa・s以下、通常0.5〜1,000mPa・s、好ましくは2〜200mPa・sであることが望ましい。粘度が高すぎると組成物全体が高粘度になりすぎてしまい、基材にうまく塗工できないといった問題が生じる場合がある。
(C)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等が挙げられる。
(C)成分のより具体的なものの例としては、
Figure 0006957968
(式中、d1は1〜100の整数、e1は2〜100の整数である。)
で表される環状シロキサン、
Figure 0006957968
(式中、d1は1〜100の整数、d2は1〜200の整数、d3は0〜100の整数、e1は2〜100の整数、e2は2〜200の整数、e3は1〜100の整数である。)
で表される直鎖シロキサン等が例示される。
(C)成分は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
(C)成分の配合量は、架橋のバランスの上から、(A)成分および(B)成分中の全アルケニル基に対して(C)成分中のケイ素原子に結合した水素原子が0.5〜5倍モル、好ましくは0.7〜4倍モル、より好ましくは1〜3倍モルとなる量にコントロールする。かかる配合量が0.5〜5倍モルとなる量を満たさない場合には、架橋のバランスが不適切なものとなることがある。
[(D)成分]
(D)成分の白金族金属系触媒は、(A)成分および(B)成分と(C)成分の付加反応を促進するための触媒であり、いわゆるヒドロシリル化反応を促進するものとして当業者に公知のものはいずれも使用することができる。このような白金族金属系触媒としては、例えば、白金系、パラジウム系、ロジウム系、ルテニウム系等の触媒が挙げられ、これらの中で特に白金系触媒が好ましく用いられる。この白金系触媒としては、例えば、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液またはアルデヒド溶液、塩化白金酸の各種オレフィンまたはビニルシロキサンとの錯体、白金の各種オレフィンまたはビニルシロキサンとの錯体等が挙げられる。
(D)成分の配合量は、触媒としての所謂有効量でよいが、具体的には、良好な硬化皮膜を得ると共に経済的な見地から、(A)成分、(B)成分および(C)成分の合計質量に対して白金族金属の質量換算として0.1〜1,000ppm、より好ましくは1〜500ppmの範囲である。
[その他の成分]
本発明の組成物には、前記(A)〜(D)成分以外にも、その他の任意の成分を配合することができる。その具体例としては、以下のものが挙げられる。これらのその他の成分は、各々、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
・(A)成分および(B)成分以外のアルケニル基含有化合物
本発明の組成物には、(A)成分および(B)成分以外にも、(C)成分と付加反応するアルケニル基含有化合物を配合してもよい。(A)成分および(B)成分以外のこのようなアルケニル基含有化合物としては、硬化物の形成に関与するものが好ましく、一分子当たり少なくとも1個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有する(A)成分および(B)成分以外のオルガノポリシロキサンが挙げられる。その分子構造は、例えば、直鎖状、環状、分岐鎖状、三次元網状等、いずれでもよい。該成分の配合量は、(A)成分、(B)成分および(C)成分の合計100質量部に対して20質量部以下、好ましくは10質量部以下、かつ(A)成分、(B)成分および該成分中の全アルケニル基に対して(C)成分中のケイ素に結合した水素原子が0.5〜5倍モル、好ましくは0.7〜4倍モル、より好ましくは1〜3倍モルとなる量であることが望ましい。かかる配合量が20質量部を超える場合、もしくは0.5〜5倍モルとなる量を満たさない場合には、架橋のバランスが不適切なものとなることがある。
・付加反応制御剤
ポットライフを確保するために、付加反応制御剤を本発明の組成物に配合することができる。付加反応制御剤は、上記(D)成分の白金族金属系触媒に対して硬化抑制効果を有する化合物であれば特に限定されず、従来から公知のものを用いることができる。その具体例としては、トリフェニルホスフィンなどのリン含有化合物;トリブチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾールなどの窒素含有化合物;硫黄含有化合物;アセチレンアルコール類(例えば、1−エチニルシクロヘキサノール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール)等のアセチレン系化合物;アルケニル基を2個以上含む化合物;ハイドロパーオキシ化合物;マレイン酸誘導体などが挙げられる。
付加反応制御剤による硬化抑制効果の度合は、その付加反応制御剤の化学構造によって異なる。よって、使用する付加反応制御剤の各々について、その添加量を最適な量に調整することが好ましい。最適な量の付加反応制御剤を添加することにより、組成物は室温での長期貯蔵安定性および加熱硬化性に優れたものとなる。
・その他の任意成分
さらに、本発明の効果を妨げない範囲で必要に応じて、その他、任意の成分として公知の酸化防止剤、顔料、安定剤、帯電防止剤、消泡剤、密着向上剤、増粘剤、シリカ等の無機充填剤を配合することができる。
本発明の剥離シート用重剥離組成物の調製は、(A)〜(C)成分および任意成分を予め均一に混合した後、(D)成分を使用直前に添加する方法がポットライフの面で望ましい。
本発明の剥離シート用重剥離組成物は、溶剤を必要としないことから、無溶剤系重剥離組成物とすることができる。
[粘度]
本発明の剥離シート用重剥離組成物の25℃における粘度としては、50〜2,000mPa・s、特に50〜1,000mPa・sの粘度で使用するのが望ましい。粘度がこの範囲を外れると、基材上に硬化皮膜を形成する際に塗工できない、均一な皮膜とならない等の問題を生じることがある。なお、本発明の剥離シート用重剥離組成物の粘度をこの範囲とするためには、(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対して、(A)成分を20〜50質量部、(B)成分を80〜50質量部とし、さらに(C)成分を(A)成分および(B)成分中の全アルケニル基に対して(C)成分中のケイ素原子に結合した水素原子が0.5〜5倍モルとなる量配合することにより達成できる。さらに(C)成分の25℃における粘度が、1,000mPa・s以下、通常0.5〜1,000mPa・s、好ましくは2〜200mPa・sであるとより望ましい。
[塗工品(剥離シート)]
本発明の剥離シートは、シート状基材表面の片面または両面に、上記剥離シート用重剥離組成物の硬化皮膜を有するものである。
該剥離シートの調製方法としては、シート状基材表面の片面または両面に、上記剥離シート用重剥離組成物を塗工し、加熱することにより硬化皮膜を形成することができる。
例えば、剥離シート用重剥離組成物をそのまま、コンマコーター、リップコーター、ロールコーター、ダイコーター、ナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、キスコーター、グラビアコーター、ワイヤーバーコーター等による塗工、スクリーン塗工、浸漬塗工、キャスト塗工等の塗工方法を用いて、紙、フィルム等のシート状基材の片面または両面上に0.01〜100g/m2、特には0.1〜10g/m2塗工した後、50〜200℃、特には80〜180℃で1〜120秒間、特には3〜60秒間加熱することにより、基材上に硬化皮膜を形成させることができる。基材の両面に剥離層を作る場合は、基材の片面ずつ硬化皮膜の形成操作を行うことが好ましい。
なお、本発明において、剥離シートとは、シート状基材が紙であるものに加え、公知の各種フィルム等で形成されたものも含む。基材の例としては、ポリエチレンラミネート紙、グラシン紙、上質紙、クラフト紙、クレーコート紙等の各種コート紙、ユポ等の合成紙、ポリエチレンフィルム、CPPやOPP等のポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリ乳酸フィルム、ポリフェノールフィルム、ポリカーボネートフィルム等が挙げられる。また人工皮革、セラミックシート、両面セパレーター等の製造用の工程紙を基材として使用することも可能である。これらの基材と剥離層の密着性を向上させるために、基材面にコロナ処理、エッチング処理、プライマー処理あるいはプラズマ処理したものを用いてもよい。なお、シート状基材の厚みとしては、特に制限されないが、10〜500μmであることが好ましい。
本発明において、ポリエチレンラミネート紙基材上に上記重剥離組成物を0.9〜1.2g/m2塗工した後、140℃で30秒間加熱することにより作製した剥離シートは、FINAT試験法により測定される剥離力(上記重剥離組成物の硬化皮膜に幅25mmアクリル系粘着テープTESA−7475(Tesa Tape.Inc製商品名)を貼り付けて25℃の乾燥機中70g/m2の荷重をかけて24時間保存し、該TESA−7475テープを、引張試験機を用いて180°の角度、剥離速度0.3m/分で測定した剥離力)が、5〜25N/25mmであることが好ましく、5〜20N/25mmであることがさらに好ましく、5〜15N/25mmであることがより好ましい。この剥離力とすることにより、重剥離効果の高い剥離材料として用いることができる。また、経時での剥離力の変化(後述する方法により測定した初期剥離力と経時剥離力の差)が少ないことも、本発明の剥離シートの特徴である。なお、本発明において、「重剥離組成物」とは、上記測定方法により、上記剥離力を有するものをいう。
[初期剥離力測定方法]
上記の硬化方法により得られた剥離シートを25℃で24時間保存した後、上記と同様にFINAT試験法により測定される剥離力を初期剥離力とする。本発明においては、該剥離力が5〜25N/25mm、特に5〜15N/25mmであることが好ましい。
[経時剥離力測定方法]
上記の硬化方法により得られた剥離シートを50℃で7日間保存した後、上記と同様にFINAT試験法により測定される剥離力を経時剥離力とする。本発明においては、該剥離力が5〜25N/25mm、特に5〜15N/25mmであることが好ましく、特には初期剥離力に対して85%以上の剥離力を有することが好ましい。
以下、調製例、実施例および比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において、Meはメチル基、Viはビニル基を示す。また、%は質量%を示し、粘度は回転粘度計により測定した25℃における値を示し、揮発分は下記に示す方法により測定した値を示す。
[揮発分の測定方法]
50mlのビーカーにサンプルを約2g採取し、正確な重さを測る(Ag)。105℃の乾燥機に3時間入れた後、残ったサンプルの正確な重さを測る(Bg)。以下の式から、揮発分を計算する。
揮発分(%)=(A−B)/A×100
[調製例1]白金触媒の調製
六塩化白金酸と1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンとの反応生成物を、白金含量が0.5質量%となるように、粘度400mPa・s、平均分子式:ViMe2SiO(SiMe2O)150SiMe2Viの直鎖状のジメチルポリシロキサンで希釈して、本実施例および比較例で使用する白金触媒(D)を調製した。
[調製例2](A−1)成分の調製
撹拌装置、冷却管、滴下ロートおよび温度計を備えた500mLのフラスコに、ジメチルビニルクロロシラン72.3g(0.6mol)およびトルエン113gを加え、オイルバスを用いて60℃に加熱した。そこへ尿素43.2g(0.72mol)を加え、さらに2−オクチルドデカノール179g(0.6mol)(製品名:カルコール200GD、花王株式会社製)を滴下した。滴下終了後、90〜95℃の間で9時間撹拌した。室温に冷却した後に、塩酸を捕捉した尿素の層を分離し、残った有機層へプロピレンオキサイド0.024g(0.41mmol)を加え、室温で2時間撹拌することで中和した。その後、減圧濃縮およびろ過を行い、淡黄色の反応生成物(A−1)を得た(揮発分:0.5%)。
反応生成物をNMRで分析した結果、この反応生成物は下記構造式で表される化合物であることが判明した。
Figure 0006957968
[調製例3](A−2)成分の調製
撹拌装置、冷却管、滴下ロートおよび温度計を備えた1Lのフラスコに、メチルビニルジクロロシラン98.7g(0.7mol)およびトルエン181gを加え、オイルバスを用いて60℃に加熱した。そこへ尿素100.8g(1.68mol)を加え、さらに1−オクタノール218.4g(1.68mol)を滴下した。滴下終了後、90〜95℃の間で6時間撹拌した。室温に冷却した後に、塩酸を捕捉した尿素の層を分離し、残った有機層へプロピレンオキサイド0.026g(0.44mmol)を加え、室温で2時間撹拌することで中和した。その後、減圧濃縮およびろ過を行い、淡黄色の反応生成物(A−2)を得た(揮発分:4.1%)。
反応生成物をNMRで分析した結果、この反応生成物は下記構造式で表される化合物であることが判明した。
Figure 0006957968
[調製例4](A−3)成分の調製
撹拌装置、冷却管、滴下ロートおよび温度計を備えた1Lのフラスコに、メチルビニルジクロロシラン70.5g(0.5mol)およびトルエン134gを加え、オイルバスを用いて60℃に加熱した。そこへ尿素72g(1.2mol)を加え、さらに2−エチルヘキサノール169g(1.3mol)を滴下した。滴下終了後、90〜95℃の間で4時間撹拌した。室温に冷却した後に、塩酸を捕捉した尿素の層を分離し、残った有機層へプロピレンオキサイド0.36g(6.3mmol)を加え、室温で2時間撹拌することで中和した。その後、減圧濃縮およびろ過を行い、黄色の反応生成物(A−3)を得た(揮発分:16.0%)。
反応生成物をNMRで分析した結果、この反応生成物は下記構造式で表される化合物であることが判明した。
Figure 0006957968
[実施例1]
(1)調製例で得られたアルコキシシラン(A−1)と、Me3SiO1/2、ViMe2SiO1/2、およびSiO4/2単位で構成され、SiO4/2に対してMe3SiO1/2およびViMe2SiO1/2のモル比が0.8で、固形分に対するビニル基量が0.085モル/100gであるオルガノポリシロキサン樹脂(B)の50%キシレン溶液とを、有効成分換算にて質量比で20:50の割合で混合した。この液体120質量部に、平均分子式:Me3SiO(SiHMeO)52SiMe3で表される側鎖のみにSiH基を有するメチルハイドロジェンシロキサン(C−1)6.2質量部を混合し、150℃で20mmHg以下の減圧下でキシレンを除去し、透明液体を得た(組成物中の総アルケニル基に対する総SiH基のモル比、すなわちH/Viは1.2)。
(2)この液体100質量部に、付加反応制御剤である1−エチニルシクロヘキサノール(E)0.2質量部と、調製例1で得られた白金触媒(D)2.0質量部を均一に混合して、粘度が490mPa・sの透明な重剥離組成物を得た。
[実施例2〜8、比較例1〜8]
以下、実施例1と同様に、(A)成分、(B)成分、(C)成分、および比較例で用いた(F)成分を混合した後に、減圧留去にて(B)成分中のキシレンを除去し、次いで、付加反応制御剤である(E)成分、および調製例1で得られた白金触媒(D)を混合し、実施例2〜8および比較例1〜6で示す重剥離組成物を得た。
また、(F−4)成分は揮発性があるため、(B)成分と(C)成分を混合した後に減圧留去にてキシレンを除去し、次いで、(F−4)成分、(E)成分、および(D)成分を混合し、比較例7、8で示す重剥離組成物を得た。
(A)成分〜(F)成分で用いられた化合物は以下に示す通りであり、配合量(単位:質量部)を以下の表1〜4に示した。なお、表中の(A)成分又は(F)成分含有率は、(A)成分もしくは(F)成分と(B)成分との合計100質量部に対する(A)成分もしくは(F)成分(質量部)の含有率(%)を表す。
(A−1)調製例2で得られたアルコキシシラン
(A−2)調製例3で得られたアルコキシシラン
(A−3)調製例4で得られたアルコキシシラン
(B)Me3SiO1/2、ViMe2SiO1/2、およびSiO4/2単位で構成され、SiO4/2に対してMe3SiO1/2およびViMe2SiO1/2のモル比が0.8で、固形分に対するビニル基量が0.085モル/100gであるオルガノポリシロキサン樹脂(重量平均分子量:5,800)
(C−1)平均分子式:Me3SiO(SiHMeO)52SiMe3で表されるメチルハイドロジェンポリシロキサン
(C−2)平均分子式:Me3SiO(SiHMeO)45(SiMe2O)17SiMe3で表されるメチルハイドロジェンポリシロキサン
(C−3)平均分子式:HMe2SiO(SiMe2O)8SiMe2Hで表されるメチルハイドロジェンポリシロキサン
(D)調製例1で得られた白金触媒
(E)1−エチニルシクロヘキサノール(付加反応制御剤)
(F−1)平均分子式:ViMe2SiO(SiMe2O)8SiMe2Viで表されるオルガノポリシロキサン(粘度:8.2mPa・s、揮発分:7.4%)
(F−2)平均分子式:ViMe2SiO(SiMe2O)66SiMe2Viで表されるオルガノポリシロキサン(粘度:100mPa・s、揮発分:1.4%)
(F−3)平均分子式:ViMe2SiO(SiMe2O)14SiMe3で表されるオルガノポリシロキサン(粘度:6.0mPa・s、揮発分:10.9%)
(F−4)1−ヘキサデセン(粘度:3.8mPa・s、揮発分:100%)
上記のようにして得られた実施例1〜8および比較例1〜8の各々の組成物について、25℃における粘度をB型回転粘度計により測定し、さらに下記に示す方法で剥離シートを作製し、下記に示す方法で剥離力を評価した。得られた結果を表1〜4に示す。表中、「Z」はジッピングしていることを示す。剥離力減少率[%]は、経時剥離力/初期剥離力×100より求めた値である。
また、図1にジッピング時の剥離力測定結果を、図2にジッピングしていない通常の剥離力測定結果を示す。図1に示すように、ジッピングしている場合は剥離力が安定しておらず、正確な剥離力を測定することは困難である。
[剥離シートの作製方法]
ポリエチレンラミネート紙基材に、上記で得られた重剥離組成物を0.9〜1.2g/m2となるようにグラビアコーターにより塗布し、140℃の熱風式乾燥機中で30秒間加熱し、これを剥離シートとして以下の測定に使用した。
[初期剥離力の測定方法]
上記で得られた剥離シートを25℃で24時間保存した後、幅25mmアクリル系粘着テープTESA−7475(Tesa Tape.Inc製商品名)を貼り合わせたものを、25℃の乾燥機中70g/m2の荷重をかけて24時間保存したものを試料とした。30分ほど空冷した後、試料のTESA−7475テープを、引張試験機(株式会社島津製作所製 DSC−500型試験機)を用いて180°の角度で0.3m/分で剥がし、剥離するのに要した力を測定して初期剥離力(N/25mm)とした。
[経時剥離力の測定方法]
上記で得られた剥離シートを50℃で7日間保存した後、幅25mmアクリル系粘着テープTESA−7475(Tesa Tape.Inc製商品名)を貼り合わせたものを、25℃の乾燥機中70g/m2の荷重をかけて24時間保存したものを試料とした。30分ほど空冷した後、試料のTESA−7475テープを、引張試験機(株式会社島津製作所製 DSC−500型試験機)を用いて180°の角度で0.3m/分で剥がし、剥離するのに要した力を測定して経時後剥離力(N/25mm)とした。
Figure 0006957968
Figure 0006957968
Figure 0006957968
Figure 0006957968
以上の結果から、本発明の重剥離組成物(実施例1〜8)は、25℃において高い流動性を有し、その剥離シートは、初期において10N/25mm以上の高い剥離力を有し、かつ経時後も初期に対して85%以上の剥離力を有している。また、初期および経時後の剥離時に、ジッピングの発生もない。よって、本発明の重剥離組成物は、重剥離用の剥離シートの材料として有用である。
一方、(A)成分の量を減らした場合(比較例1)は、粘度が2,000mPa・sを超えてしまい塗工することが困難であった。逆に、(A)成分の量を増やした場合(比較例2)は、有機基の割合が必要以上に増えるためにジッピングが発生してしまった。両末端にビニル基を有する短鎖のポリジメチルシロキサンを用いた場合(比較例3)も、架橋密度が高くなりすぎてしまいジッピングが発生した。さらに、両末端にビニル基を有する長鎖のポリジメチルシロキサンを用いた場合(比較例4)、片末端にビニル基を有する短鎖のポリジメチルシロキサンを用いた場合(比較例5、6)は、架橋密度が低くなる上にシロキサン部位の割合が多くなることから、剥離が軽くなってしまう結果となった。また、揮発性の高い1−ヘキサデセンを用いた場合(比較例7、8)は、塗工中にそれが揮発してしまうために、均一な塗膜を得ることができなかった。以上の結果より、比較例1〜8に示された組成物は、上記のような用途としては不適当であると考えられる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (5)

  1. (A)下記平均組成式(1):
    12 aSi(OR33-a・・・(1)
    (式中、R1は独立にアルケニル基を表し、R2は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換または置換の1価炭化水素基を表し、R3は独立に、脂肪族不飽和結合を含まない直鎖状、分岐鎖状もしくは環状の非置換または置換の炭素数6以上の1価炭化水素基を表し、aは0≦a≦2を満たす整数である。)
    で表され、分子内に1個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有するアルコキシシラン:20〜50質量部、
    (B)下記平均組成式(2):
    (R5 3SiO1/2l(R45 2SiO1/2m(R45SiO)n(R5 2SiO)p
    (R4SiO3/2q(R5SiO3/2r(SiO4/2s・・・(2)
    (式中、R4は独立にアルケニル基を表し、R5は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換または置換の1価炭化水素基を表し、但し全R5の少なくとも80モル%はメチル基であり、l、m、n、p、q、rおよびsは、それぞれ、l≧0、m≧0、n≧0、p≧0、q≧0、r≧0およびs≧0を満たす数であり、但し、m+n+q>0、q+r+s>0であり、かつ、l+m+n+p+q+r+s=1を満たす数である。)
    で表され、25℃において蝋状もしくは固体状であり、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有する三次元網状のオルガノポリシロキサン樹脂:80〜50質量部、
    (但し、(A)成分と(B)成分との合計は100質量部である。)
    (C)下記平均組成式(3):
    6 bcSiO(4-b-c)/2・・・(3)
    (式中、R6は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換または置換の1価炭化水素基であり、bおよびcは、0.7≦b≦2.1、0.001≦c≦1.0、かつ0.8≦b+c≦3.0を満たす正数である。)
    で表され、ケイ素原子に結合した水素原子を一分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分および(B)成分中の全アルケニル基に対して(C)成分中のケイ素原子に結合した水素原子が0.5〜5倍モルとなる量、
    (D)白金族金属系触媒:有効量
    を含む剥離シート用重剥離組成物。
  2. 前記(A)成分の分子内に1個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有するアルコキシシランが、下記式(4)〜(6):
    Figure 0006957968
    Figure 0006957968
    Figure 0006957968
    (式中、R3は独立に、脂肪族不飽和結合を含まない直鎖状、分岐鎖状もしくは環状の非置換または置換の炭素数6以上の1価炭化水素基を表す。)
    で表される化合物から選択されるものである請求項1記載の剥離シート用重剥離組成物。
  3. 前記(A)成分の分子内に1個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有するアルコキシシランの揮発分[(A−B)/A×100:アルコキシシラン2gを105℃、3時間加熱する前の質量Ag、加熱後の質量Bg]が20質量%以下である請求項1または2記載の剥離シート用重剥離組成物。
  4. 25℃での粘度が50〜2,000mPa・sである請求項1〜3のいずれか1項に記載の剥離シート用重剥離組成物。
  5. シート状基材表面の片面または両面に、請求項1〜4のいずれか1項に記載の剥離シート用重剥離組成物の硬化皮膜を有する剥離シート。
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